産経新聞 25.10.29 ベトナム税関、領有権めぐり中国人ツアーの地図没収、罰金も 中国人のツアーガイドが持ち込もうとしたベトナム観光パンフレットの地図に、ベトナムによる南シナ 海のスプラトリー(中国名・南沙) 、パラセル(同・西沙)両諸島の領有を示す記載がないとして、ベトナ ム税関がパンフレットを没収し、罰金を科すことが29日までに分かった。 ベトナムは両諸島の領有権を中国と争っており、両諸島の領有を示す記載がないベトナムの地図の持ち 込みを法令で禁じている。流通を放置すれば、中国による領有権の既成事実化につながりかねず、ベトナ ム当局が警戒を強めている。 ベトナム国営メディアによると、パンフレットは23日、中部ダナンの空港に入国した中国人ツアーガ イド(31)が持ち込んだ。税関はパンフレット257部を押収・破棄し、十数万円の罰金を科す方針だ。 ダナンの空港税関によると、同様の摘発事例は過去に4件ある。5月には中国・広州で旅行ガイド98 冊を購入し、ベトナムに持ち込もうとした中国人(33)が摘発されており、ベトナムで中国人の観光客 に渡す予定だったとされる。 昨年にベトナムを訪れた旅行客は684万人。そのうち中国人は最多となる142万人で、中国製の地 図流入が増加する背景となっている。
© Copyright 2024 Paperzz