2013 旭化成ファーマ株式会社 世界の人びとの いのち と くらし に貢献します。 2013 (頁) 旭化成のグループ理念 旭化成ファーマの企業理念 レスポンシブル・ケア 世界の 旭化成ファーマにおける製品安全活動の体制 信頼性保証の体制 信頼性保証センターの活動 社内関連部場の活動 19 20 22 23 24 私 た ち は 、 昨 日 ま で 世 界 に な か った画期的な医薬品、流動食、診断薬等の研究・開発・製造・ 販 売 を 通 し て 、 社 会 に 新 た な 価 値 を提供するという観点から、社会に貢献してまいります。 2 0 1 2 年 度 は 、 フ ァ ム ビ ル ( 抗 ヘ ル ペスウイルス剤)が、これまでの「帯状疱疹」の効能・効果 に 加 え 、 「 単 純 疱 疹 」 に 対 す る 効 能・効果の承認を取得しました。今後は単純疱疹に悩む患者さ ん に 、 新 た な 治 療 の 選 択 肢 と し て お役に立てるものと期待しています。また、新薬創薬で医療へ の 貢 献 を 加 速 す る た め に 、 医 薬 研 究センター創薬棟の建設を進めてきました。国内では製品安全 の 強 化 ・ 徹 底 の た め に 、 引 き 続 き 品質保証・適正使用の推進に努めてまいりました。海外では、 リ コ モ ジ ュ リ ン ( 血 液 凝 固 阻 止 剤 )の第Ⅲ相臨床試験を開始し、また、フリバス(排尿障害改善 剤 ) の 韓 国 の 導 出 先 に お け る 販 売 を 拡 大 す る な ど 、「世界の人々の いのち と くらし 」に貢献 する取り組みを進めています。 私 た ち 製 薬 企 業 は 、 健 康 関 連 製 品を扱い、公的医療保険制度の下で事業活動を行っていること か ら 、 「 法 令 遵 守 」 は も と よ り 、 他の業界にも増して「高度な倫理観」を持って行動することを 心 が け て ゆ か ね ば な り ま せ ん 。 旭 化成ファーマは、2012年度を「コンプライアンス強化元年」と 位 置 付 け 、 コ ン プ ラ イ ア ン ス 徹 底 のための教育やモニタリング等を強化し、「患者さんや健康を 願 う 人 び と の 視 点 に 立 っ た 」 事 業 活動に取り組んでまいりました。2013年度以降も更なる「コン プ ラ イ ア ン ス 強 化 」 に 取 り 組 ん で まいります。 レ ス ポ ン シ ブ ル ・ ケ ア 活 動 ( R C活動)とは、製品の研究、開発から製造・販売・物流・最終 消 費 を 経 て 廃 棄 に 至 る ま で 、 自 主 的に「環境・安全・健康」を確保し、活動の成果を公表し社会 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 っ て いく活動です。RC活動は事業活動の根幹であり、「製品安全」 「 労 働 安 全 衛 生 」 「 保 安 防 災 」 「 環境保全」「健康」「社会とのコミュニケーション」を6つの 柱としています。私たちは「医療従事者である」ことの自覚を持って、今後もRC活動を推進し てまいります。 こ の 報 告 書 は 、 私 た ち の 1 年 間 の RC活動の結果報告であり、「社会とのコミュニケーション」 の 一 環 と し て 毎 年 発 行 し て い ま す 。本報告書を通じて私たちのRC活動にご理解をいただくとと も に 、 自 ら 変 化 し 続 け る た め 忌 憚 のないご意見、ご感想をいただければ幸いです。 2013年9月 11 11 12 13 変更管理の運用の徹底 緊急時対応の見直し (BCP) 緊急時対応の体制 25 26 26 27 27 28 労働災害防止への取り組み OHSMS(労働安全衛生マネジメントシステム)への取り組み 職場安全巡視への取り組み 安全作業基準順守・安全基本行動基準順守への取り組み 工事安全管理への取り組み 事務所地区の取り組み 29 30 31 32 33 33 健康管理活動への取り組み Webを利用した面談の導入(東京健康管理室) e診断の導入状況について(大阪健康管理室) 大仁健康管理室の活動 東京健康管理室の活動 大阪健康管理室の活動 福岡健康管理室の活動 35 35 35 36 37 38 38 コンプライアンスの徹底 スポーツ・レクリエーション活動 39 41 次世代育成への取り組み 地域との交流・表彰 43 45 設備投資の安全性確認への取り組み 2012年度RC目標の達成状況 47 2012年度(2012年4月∼2013年3月)旭化成ファーマの実績値、および一部2013年4月以降のトピックス等を記載しています。 2 0 R 1 C 3 旭化成の グループ理念 旭化成ファーマ の 企 業 理念 旭化成グループは、2011 年 5 月、新たなる中期経営計画のスタートにあたり、 健康で明るく快適な生活は、人びとの共通の願いです。 年 報告書 年 報告書 2 0 R 1 C 3 グループの理念、 ビジョン、バリュー (価値観)、 スローガンを制定しました。 時代環境や社会の求めるものが変わっても、 変わることなく、 旭化成グループとして永遠に追求し続けるもの。 それは世界の人びとを想い続けることに他なりません。 旭化成ファーマは、時代のニーズに応える医薬品・診断薬などの医療関連製品を提供し続 けるとともに、「昨日まで世界になかった」製品の開発を通して、次のような基本姿勢で、 健康で心豊かな生活の実現に貢献してまいります。 「健康で快適な生活」 と 「環境との共生」 の実現を通して、 社会に新たな価値を提供していきます。 誰に対しても誠実であること。 果敢に挑戦し、 自らも変化し続けること。 結束と融合を通じて、 新たな価値を創造すること。 私たちは、 「 世 界 の 人びとの いのち と くらし に貢 献 する」という、旭 化 成 のグ ループ理 念を強く意 識し、これに合わないことはやりません。 業 プ ー 挑 ー 誠実 グループ理念 グループスローガン ン 生 ョ の共 境と 環 グル グル ー 健康で快 ー ュ 適な プ リ 造 バ 創 生 活 戦 ジ プ ル グ 業 会 社 グ ルー プ 中 期 世界の人びとの " いのち " と " くらし " に貢献 01 事 ン 事 画 計 営 経 ビ 財 念 ョ 人 理 ジ 会 行 動 指 針 ビ 社 昨日まで世界になかったものを。 昨日まで世界になかったものを。 02 2 0 R 1 C 3 主要事業拠点一覧 旭化成グループにおける医薬・医療 年 報告書 年 報告書 2 0 R 1 C 3 医薬営業支店一覧 支店名 所在地 (連結ベース:前年比 3,595百万円増) 総 資 産:183,836百万円 従業員数:4,642人 (連結ベース:前年比 70人増) 1. 医薬札幌支店 北海道札幌市 2. 医薬仙台支店 宮城県仙台市 3. 医薬東京支店 東京都新宿区 下記のファーマグループ以外に旭化成メディカル株式会社とその関係会社を含みます。 4. 医薬横浜支店 神奈川県横浜市 5. 医薬埼玉支店 埼玉県さいたま市 6. 医薬千葉支店 千葉県千葉市 7. 医薬北関東支店 群馬県高崎市 2,000 200 159 1,164 1,195 1,335 100 1,000 9. 医薬名古屋支店 愛知県名古屋市 10. 医薬東海支店 愛知県名古屋市 88 70 8. 医薬甲信越支店 新潟県新潟市 11. 医薬京都支店 京都府京都市 12. 医薬大阪支店 大阪府大阪市 2010 2011 2012 2010 2011 2012 13. 医薬神戸支店 兵庫県神戸市 14. 医薬中国支店 広島県広島市 15. 医薬四国支店 香川県高松市 ファーマグループの会社構成 16. 医薬福岡支店 福岡県福岡市 上記支店を含む全国61拠点に事業所が所在。 旭化成ファーマ株式会社 旭化成アイミー株式会社 本店所在地:東京都千代田区神田神保町一丁目105番地 本店所在地:宮崎県延岡市中川原町五丁目4960番地 代 表 者:代表取締役社長 浅野 敏雄 代 表 者:代表取締役社長 元田 勝人 資 本 金:30億円 資 本 金:4億8,000万円 株 主 構 成:旭化成株式会社 100% 株 主 構 成:旭化成ファーマ株式会社 100% ※2013年4月1日 医薬東海支店は医薬名古屋支店に統合。 このほか連結子会社は旭化成ファーマアメリカ株式会社。 東京本社地区 2012年度の概況 医薬・医療セグメントしての売上高は1,335億円で前期比140億円(11.7%)の増収となり、営業利益は159億円 で前期比71億円(81.0%)の増益となりました。 医薬事業は、研究開発費が増加し、薬価改定の影響を受けたものの、骨粗鬆症治療剤「テリボン®」や血液凝固 阻止剤「リコモジュリン®」を中心に販売が順調に拡大したことから、前期比増収、増益となりました。 2012年度のトピックス 2012年 9月 医薬研究センター新研究棟の建設に着工。(2013年10月運用開始予定) 2012年10月 血液凝固阻止剤ART−123(日本での販売名:「リコモジュリン®」について、「凝固異常を伴う重 症敗血症」を対象とする海外での第Ⅲ相臨床試験を開始。 2012年12月 久光製薬㈱が過活動膀胱治療薬として開発中のHOB−294(オキシブチニン塩酸塩 経皮吸収型製 剤)について、日本における共同販売契約を締結。 本社 2013年 2月 抗ヘルペスウイルス剤「ファムビル®」(一般名:ファムシクロビル)について「単純疱疹」に対 する効能・効果追加の承認取得。 03 2013年 3月 旭化成アイミー㈱のコンタクトレンズ製造受託事業からの撤退を決定。 2013年 3月 久光製薬㈱が過活動膀胱治療薬として開発中のHOB−294(オキシブチニン塩酸塩 経皮吸収型製 剤)が製造販売承認を取得。(販売名:ネオキシ®テープ) 2013年3月31日現在 04 「トレドミン®」 年 報告書 うつ病、うつ症状に用いられるSNRI。 第4世代の抗うつ薬といわれています。 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 「テリボン®」 骨形成促進作用を有するヒト副甲状腺ホルモン (ヒトPTH)製剤で 効能・効果は「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」です。 週1回の皮下注射で高い骨折抑制効果を示します。 「エリル®」 くも膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状を 改善します。 「エルシトニン® 注20S」 週1回の投与で骨粗鬆症患者さんの疼痛を改善する注射剤です。 「ファムビル®」 抗ヘルペスウィルス剤 帯状疱疹の急性期の皮疹や疼痛を改善。2013年2月に「単純疱 疹」に対する効能・効果の承認を追加取得しています。本製品 については、販売提携しているマルホ株式会社が単独販売を行 っています。 「ファムビル®」はノバルティスファーマAGの登録商標です。 栄養補給製品 「リコモジュリン®」 「フリバス® (OD)」 前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する薬剤です。 ODは「口腔内崩壊錠」の意味で、水なしで服用できます。 経管・経口摂取に対応した高栄養設計の濃厚流動食「アキュア®」 「Lシリーズ」とハイカロリー栄養飲料「笑顔倶楽部®」の3 ブランドを展開しています。 ® 糖尿病の合併症を予防するには、的確な血糖コントロールが必 要不可欠です。グリコアルブミン(Glycated Albumin:GA)は、 血糖コントロール状態を知るための指標のひとつであり、採血 日から過去約2週間の血糖状態を反映するとされています。旭 化成ファーマは、2004年より酵素法を用いたGA測定用液 状試薬「ルシカ®GA-L」を発売し、2009年3月には日本赤 十字社の献血時の検査項目として採用されました。 ® 「ブレディニン®」 腎移植における拒否反応の抑制や関節リウマチなどに使用され ます。 05 ミオイノシトール(myo-Inositol:MI)は、食後あるいは糖 負荷後の高血糖状態を反映し、尿中に排出されます。 ミオイノシトール検査は、尿を検体とし、空腹時血糖だけでは わからない『かくれ糖尿病』を検出することができる新しい検 査方法です。「ルシカ®MI」は、酵素を用いて正確にミオイ ノシトールを測定できる検査試薬です。 06 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 レスポンシブル・ケア活動(RC活動)とは、製品の全ライフサイクルにわたって「環境・安全・健康」に配 慮し、対策を実施し改善を図っていく自主管理活動です。世界の化学会社で、取り組まれています。 旭化成グループのRC活動は大きく「製品安全」、「環境保全」、「保安防災」、「労働安全衛生」、「健康」 と「社会とのコミュニケーション」の6つの分野を柱に活動を実施しています。具体的には下図のような6つの 分野を柱に自主活動を行うと同時にステークホルダー(地域社会、顧客など)と情報の開示、および対話を実施 しながら自らの活動の改善を図っていくことです。 せんい・ケ ミカルズ、住宅・建材、電子部品・材料、医薬・医療などの事業分野を含め、全事業領域において実施しています。 これは旭化成グループのRC活動の特徴でもあります。 製品安全、環境保全、保 安防災、労働安全衛生、健康および社会とのコミュニケーションは、経営の最重要課題のひとつと認識し、開発か 旭化成ファーマのレスポンシブル・ケア(RC)方針 このシンボルマークは、「両手と分子模型」 をデザインしたもので『化学物質を大切に取 り扱う』という趣旨を表しており、レスポン シブル・ケアを実施している企業・協会の国 際的に共通なマークとして国際化学工業協会 協議会(ICCA)が定めたものです。ICCA加 盟の各国化学工業協会、及びその協会の加盟 法令遵守はもとより、率先してRC活動に取り組み、自ら設定した目標を達成することでRC活動の質の継 続的な改善を図る。また、積極的に情報を公開し、コミュニケーションを重ねることにより、社会の理解と 信頼を得る。 2005年5月1日改訂 (旭化成ファーマのRC管理規程の別紙1に記載) 会員に使用が許諾されています。 日本では(社)日本化学工業協会(JCIA)、 日本レスポンシブル・ケア協会(JRCC) 大仁地区での区長会の様子 07 とJRCC会員企業のみが使用することができ ます。 08 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 2012 RC実施統括者とするマネジメントシステムを構築しています。 は、以下のような具体的目標の下で RC 活動を行いました。 また、RCマネジメントシステムは、製品安全については品質マネジメントシステム(ISO9001)、環境保全については環境 マネジメントシステム(ISO14001)、 2012 旭化成ファーマにおける推進体制 製品安全事故ゼロの継続 関係会社におけるRC活動の活性化 地域・社会とのコミュニケーションの促進 製品安全トレンドへの対応 RC委員会:RC実施統括者である社長を委員長として年に1回開催します。 環境汚染事故・トラブルの撲滅 循環型社会の形成 ・産業廃棄物の最終処分量を0.5%以下(対発生量) ・再資源化率を83%以上(対発生量) 地球温暖化防止 ・エネルギー原単位の1990年度対比20%削減の継続 ・温室効果ガス排出量の削減(新たな指標・目標) CO2排出量の削減 2020年度、11 %削減(2005年度基準) ・業務部門のエネルギー使用量の把握 ・家庭部門での削減取り組み ・物流時の二酸化炭素排出量の把握と削減への取組み 化学物質の排出量削減 ・PRTR対象物質排出量の削減 ・大気汚染・水質汚濁物質の排出管理 生物多様性の保全 ・生物多様性に配慮、重要度の高いものへの対策実施 産業事故ゼロの継続とトラブルの撲滅 変更管理の運用の徹底 セーフティアセスメントの徹底 引火・爆発・漏洩危険箇所の継続的見直しの 実施と対策 震災対応見直しと防災体制の整備、機能維持 と向上 特定建築物の耐震改修、特定建築物以外の建 屋の耐震診断の推進 老朽化・劣化・未点検危険箇所の継続的見直 しの実施と対策 CSR調達の推進 OHSMSの定着化 安全作業基準順守の徹底 挟まれ・巻き込まれ災害の撲滅 メンタル不調者の早期発見・早期対応 健康管理体制の強化 設備工事業者の重篤災害の撲滅 09 10 信頼性保証センターの活動 旭化成ファーマにおける製品安全活動の体制 旭化成ファーマでは、製品安全活動の体制として薬事法に定められた「製造販売業三役体制」により製造販売する 製品の信頼性(品質・安全性)を保証しています。 旭化成ファーマの製品安全体制 2 0 R 1 C 3 年 報告書 年 報告書 2 0 R 1 C 3 臨床・研究監査部 臨床・研究監査部は、国内試験においては厚生労働省の基準 (信頼性の基準、 GCPなど) に、海外試験においてはICH−GCP、 ОECD−GLPなどをベースに各国規制当局の定めた基準に従って、医薬品の申請データおよび申請資料の監査を行い、 その内 容を評価し、適合性を保証しています。 2012年度の業務としては、非臨床試験ならびに第Ⅰ相∼第Ⅳ相臨床試験を実施、委託した社内の研究・開発部場、 およびそれ らを受託した国内外の実施施設に対して書面・実地調査を行い、特に①臨床試験における被験者の権利、安全、福祉の保護、② 実施試験の品質、③得られた試験データの信頼性について、 しっかりと確保されていることを重点的に確認・検証しました。 その結 果、監査を実施した臨床・非臨床試験に関して、重大な規制不遵守、逸脱等の問題はなく、被験者の適切な保護および規制等で 求められる品質、信頼性の確保がなされていることを確認しました。 また、今後のさらなる向上に向けた改善指摘も行い、品質、 信頼性の維持・向上にも努めました。 新たに着手したプロセス監査、 CSV監査への取り組みと合わせ、今後も適切な監査業務を通じて、当社医薬品の承認申請資 料の品質向上と信頼性確保に貢献していきます。 I C H - G C P:日米EU医薬品規制調和国際会議 (International Conference on Harmonisation;ICH) で決められた国際的な 医薬品の臨床試験の実施に関する基準(Good Clinical Practice;GCP) OECD-GLP:経済協力開発機構 (The Organisation for Economic Co-operation and Development;OECD) で決められた 国際的な化学物質の試験を行う実験施設の基準を定めた優良試験所基準 (Good Laboratory Practice;GLP) C S V 監 査 :コンピューター化システムバリデーションに対する監査 品質保証部 *PMDA:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 ★は 「薬事法上の三役」 を表す 信頼性保証の体制 信頼性保証センターは、旭化成ファーマの製品安全活動の中心組織として、非臨床試験および臨床試験の信頼性保 証、製品販売後の製品の品質保証および安全管理、ならびに信頼性保証業務の企画立案を社内関連部場と連携を図っ て実施しています。 また、医薬品は開発・申請から承認整理に至る全過程が薬事法、省令などによる規制下に置かれています。 社内関連部場との連携と関連する法規制(GxP) 旭化成ファーマ社長 今後もますます求められるグローバルレベルでの医薬品の品質保証を実現するため、 上記のような対応をさらに進めていく予定です。 信頼性保証センター 品質保証部 GQP 安全性管理部 信頼性保証センター長 市販後調査部 安全性管理部 GVP 臨床・研究監査部 GCP GPSP GLP 医薬研究センター 医薬生産センター 各医薬工場 (富士・名古屋・大仁) GMP 医薬営業本部 くすり相談窓口 GVP GPSP GxP注釈 (いずれも省令) GLP:Good Laboratory Practice 安全性に関する非臨床試験の実施の基準 特に安全性データについての信憑性を高めるための基準 GCP:Good Clinical Practice 臨床試験の実施の基準 科学的に適正で理論的な試験を実施し、 データの信憑性を高めるための基準 11 品質保証部の主業務は、医薬品が規定通りに製造され、承認を受けた品質を保持して出荷されていることを保証することです。 医薬品の品質を保証するためには、製造における管理が重要となります。近年、医薬品のグローバル化に伴い、 日本においても製 造に関する管理方法および管理基準の国際化が図られてきていることへの対応として、品質保証部では2012年度は下記に示 す活動を行いました。 *「PIC/S」のGMPへの対応 : PIC/Sとは、加盟した各国当局が共通の基準、一定のレベルで医薬品の製造所を査察するための国際的な仕組 みで、加盟国は製造に関する基準(GMP)も同等にすることが求められます。日本は2012年にPIC/Sへ加 盟申請したことから、PIC/SのGMPに適合できるように製造所の業務やシステムの確認を進めました。 *「CAPA」への対応 : CAPAとは、是正措置および予防措置(Corrective Action and Preventive Action)の略です。製造において何 か不具合が生じた場合、かつてはそれを是正して再発防止をするまでの対応(CA)に留まっていましたが、近年 では、根本的な原因を徹底的に追究し、潜在的に発生する可能性がある不具合を防止する措置(PA)も求められ ています。このCAPAへの対応として、製造所とのシステム構築を図りました。 *「CSV」ガイドラインへの対応 : CSVとはコンピューター化システムバリデーションの略で、製造等で利用するコンピューター化されたシステム が意図したとおりに動作することを保証する方法です。日本のCSVに関する基準(ガイドライン)が国際的に整 合する内容に改訂され、2012年4月に施行されましたので、製造や品質保証業務において、この新たな基準への 対応を図りました。 GMP:Good Manufacturing Practice 製造管理および品質管理の基準 製造業者が遵守すべき要件。工場における品質管理基準。製造工程全般に渡 る管理と、 建物・機械・設備の配置などについて人為的なミスをなくす為の基準 臨床開発センター GVP GLP 治験薬GMP GCP 安全性管理部は、当社医薬品の安全管理を担っています。当社医薬品の安全性に関する情報を収集・検討し、規制当局への 報告を遅滞なく実施するとともに、添付文書の改訂など必要な適正使用情報の提供も実施しています。 また、当社医薬品の導 出・海外医薬品の導入に伴うグローバル展開にも対応しています。国内外の安全性に関する情報も、 確実に管理しています。 2012年度は 「くすり相談窓口」 との連携をより深め、 「くすり相談窓口」 を通じ医療機関や患者さんへの適正使用のための情報 提供を推進しました。新薬「テリボン皮下注用56.5μg」については、安全性プロファイルに基づいた情報提供などを通じ、適正使 用を推進しています。 医薬品のリスク管理については、新たな手法 (RMP :Risk Management Plan) の実施に向け、 GVP、 GPSP省令の一部改正 について、局長通知が発出されています。引き続き、安全性に関する情報の収集、評価・検討、医療関係者などへの提供を確実か つスピーディーに行うとともに、今後上市する新薬についてはRMPに基づく適正使用推進施策を実施し、当社医薬品の安全管理 を実施していきます。 市販後調査部 GQP:Good Quality Practice 品質管理の基準 製造販売業許可要件。市場出荷管理、製造業者の管理、品質苦情・回収処理 などについて定めた基準 GVP:Good Vigilance Practice 製造販売後安全管理の基準 製造販売業許可要件。安全管理情報の収集・検討・市販後安全性確保措置 の実施に関する基準 GPSP:Good Post-marketing Study Practice 製造販売後調査および試験の実施の基準 医薬品の再審査、再評価に係る調査および試験実施に関する基準 市販後調査部では、厚生労働省の基準 (GPSP) に従って、医薬品の製造販売後調査を行っています。治験では得られなかった 日常診療下での安全性、有効性の情報を収集・確認し、厚生労働省へ報告するとともに、医薬品の適正使用についての情報を広 く医療関係者に発信しています。 2012年度は、帯状疱疹治療剤「ファムビル錠250㎎」の帯状疱疹後神経痛に関する調査が終了し、医療関係者向け資料作 成、学会発表を行いました。一方、調査実施中の血液凝固阻止剤「リコモジュリン点滴静注用12800」、骨粗鬆症治療剤「テリボ ン皮下注用56.5μg」 も計画どおり順調に情報の収集が進んでいます。 今後も情報収集・発信をよりスピーディーに行い、当社医薬品の安全管理、 適正使用に貢献していきます。 適正使用:医師などの医療関係者が適切な医療行為を行う上で、使用する医薬品を安全かつ効果的に使用すること。 12 基礎研究 社内関連部場の活動 販売 基礎研究 臨床開発 製造 社内関連部場は一連の医薬品ライフサイクル に渡っています。 それぞれの部場では、薬事法、省令などに則り日々の製品の品質管理、安全管理とその維持、向上のための勉強会 などの活動を行っています。 医薬品のライフサイクルと関連法規制 臨床開発 製造 販売 名古屋医薬工場 名古屋医薬工場では、2010年から毎年3月に年次報告会を開催し、今回で第4回目を迎えました。 今年度は、名古屋医薬工場に新人が増えたことも踏まえ、QC手法の勉強とQCサークル活動の定着化を期待し、 GMPにおける製品品質に関わる課題について、QCサークル活動を実施し、その成果を発表することにしました。 改善案を検討する際は、コストや費用対効果に加え、品質に対するリスク評価も実施しました。リスク評価を取り 入れることで、品質問題を特定し予防措置を講ずることができるため、品質の安定した医薬品を製造することができま す。その先には、ユーザーである患者さんに対し、より高品質な医薬品を提供することができます。 各チームの報告では、設備改善、作業改善、GMP文書等管理面の改善の発表があり、質疑応答も活発に行われ、 有意義な報告会になりました。 QC:品質管理 年次報告会の様子 基礎研究 臨床開発 製造 2 0 R 1 C 3 年 報告書 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年次報告会の集合写真 販売 医薬研究センター 医薬品の開発ではヒトでの有効性・安全性を確認するために臨床試験 を行います。医薬研究センターではこの臨床試験に用いる 「治験薬」の製 造・供給・品質確認を行っています。 「治験薬」 は治験薬GMPに従い、製造部門 (製剤研究部) 、品質管理 部門および品質保証部門 (いずれも物性研究部) の徹底した管理の下、 供給されます。 製造、衛生、 品質、 変更など、 それぞれの管理にはPDCAサイクルを活用 することで、治験薬の品質保証に努めています。 また、海外製造された治験薬を国内に供給する、国内で製造された治験 薬を海外へ供給するなど、 グローバルな活動も展開しており、2012年度 は二十数品目の治験薬を供給しました。 下期からは、信頼性保証センター品質保証部の治験薬GMPへの参画 が実現し、連携によるさらなる製品安全の向上が期待されています。 今後も継続的に教育等を推し進め、治験薬の品質を確保していきます。 基礎研究 臨床開発 製造 大仁医薬工場 大仁医薬工場ではより良い医薬品を製造するために、毎月GMP に係る責任者を対象とした「GMP勉強会」を開催し、製造管理お よび品質管理に関する教育訓練を行っています。 2012年度は「5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)活動」をG MP年間計画の主な活動に掲げ、GMP勉強会および工場全体教育 で、5Sに関する教育を実施し職員の意識向上を図りました。 また、各職場から選出された代表者により、施設内の整理、整頓、 清掃状態などの点検を行いました。指摘個所については、設備の整 備や修繕、清掃方法の改善、作業効率の改善、不用品の撤去、見や すい表示などの改善がなされました。 5S活動は2013年度も継続して取り組み、より良質な製品を供 給できる、安全で快適な職場の環境づくりを目指します。 販売 臨床開発センター 臨床開発センターでは、医薬品の承認申請を目的として、臨床試験を実施しています。臨床試験の実施にあたっては、 「 医薬品 の臨床試験の実施の基準に関する省令 (GCP省令)」 を順守し、倫理性、科学性、透明性を確保することが求められています。 したがって臨床開発センターでは、GCPに基づいた臨床試験を実施するために必要な知識を習得することを目的として、導入教育 および継続教育を行っています。 導入教育では、 薬事法および関連法規 (GCP概論、 各種ガイドライン、 ヘルシンキ宣言、 補償と賠償等) についての講義を行い、 倫 理性や科学性等に関する知識を習得します。加えて 「事務所地区の安全衛生教育」 「緊急連絡網」 「安否確認システムの概要と 登録方法」 「 IT関係 (情報システムガイダンス、情報セキュリティ等)」 などの日常安全行動に関する教育を行っています。2012年 度は、新卒およびキャリア入社の社員そして他部場からの転入者を対象に導入教育を実施しました。 継続教育では、臨床開発センター全員に臨床開発に関する規制 (GCP省令、 運用通知) の動向と会社の対応 (手順) を周知徹 底することを目的として、2012年度は薬事報告会を3回開催しました。 さらに臨床開発センター内の各部場では毎月、 GCP、 データ マネジメントおよび臨床監査等に関するトピックスの勉強会を継続的に実施しています。 臨床開発センターでは、今後も従業員への教育を充実させ、 治験の倫理性・安全性確保に努めていきます。 13 GMP勉強会(2013. 5.30開催)の様子 治験薬の品質分析(結晶観察)の様子 富士医薬工場 富士医薬工場では、製造および品質管理部門の関係者を中心にG MP委員会を毎月開催し、また、新人・転入者受入れ時のほか、工 場従業員全員を対象とした勉強会を随時開催するなど、従業員のG MP教育に注力し、法令順守と製品安全および信頼性確保に努めて います。 さらに、従業員全員参加の「技術検討会」も毎年開催しています。 2012年度の検討会では、各課からの発表に加えて、名古屋医薬工 場、大仁医薬工場および大仁診断薬工場からの招待講演を含む多数 の発表があり、発表後は活発な質疑応答および意見交換が行われま した。そこでは、製造技術に関わる内容だけではなく、医薬品の品 質確保や製造設備の保全・改善に関することなど、あらゆる角度か らの検討を行い、全員がそれらの情報を共有し、より良いモノ作り に役立たせています。 GMP委員会の様子 14 基礎研究 臨床開発 製造 2 0 R 1 C 3 1. 患者さん、医療関係者への情報提供 販売 患者さんの視点に立った情報提供活動に向けて 医薬営業本部 医薬品の製造販売後安全管理基準(GVP)で医薬情報担当者(MR)は「医薬品の適正な使用に資するために、 医療関係者を訪問することにより安全管理情報を収集し、提供することを主な業務とする」と定義されています。 患者さんに最適な医薬品をお届けするためには、有効性だけでなく副作用やその対処法を含めた安全管理に関する情 報提供がMRにとって重要であり、GVP(省令)にもその点が明記されています。 リコモジュリン(血液凝固阻止剤)、テリボン(骨粗鬆症治療剤)、そしてネオキシテープ(経皮吸収型 過活動 膀胱治療剤)と患者さんの命や生活の質に直結する新薬を市場に送り出している当社MRにとって、安全管理に配慮 した情報提供活動が必須です。 現在、安全管理のため「ネオキシテープ市販直後調査」を実施しています。本調査は全ての納入先が対象となるた め、「Vigillia」というシステムにて確実な実施を進めています。 医薬営業本部はこれまでも安全管理強化のため、社内教育体制の充実を図ってきました。従来は新入社員を対象と した「導入教育」と現場配属後のMRを対象とした「継続教育」の2本柱でしたが、今年度より新たに「本部スタッ フを対象とした継続教育」や「eラーニング」による自己学習もスタートさせ、研修体制のさらなる拡充を進めてい ます。 新薬をより安全に使用して頂くための活動が「患者さんの視点に立った情報提供活動」と捉え、医薬営業本部では これからもMRの育成に努めていきます。 「くすり相談窓口」への問合せ数は年々増加しています。これは新薬販売開始の影響もありますが、製薬業界とし て「くすり相談窓口」の認知度が上がったことも要因と考えています。問合せ内容は薬剤の使用法に関すること、安 全性に関することで約半数を占めています。 また昨年から、一部の製品で患者さん専用のフリーダイヤルを新たに設置しました。その結果、患者さんからの問 合せ数が一昨年の約2倍になり、こちらも増加の一途をたどっており、患者さんの医薬品に対する意識の向上が見ら れます。患者さんからは安全性・副作用に関する問合せが半数を占めており、平易な言葉で、判りやすく説明するこ とを心がけ、患者さんに安心して薬を服用していただけるよう努めています。 年 報告書 年 報告書 2 0 R 1 C 3 くすり相談窓口への問い合わせ件数の推移 件数 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 8,066 8,722 9,238 11,746 14,416 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 くすり相談窓口へのお問い合わせ内容 (2012年度) MR教育風景 自己学習用e−ラーニング 「くすり相談窓口」での情報提供 旭化成ファーマの「くすり相談窓口」は、患者さんや医療関係者(医師、看護師、薬剤師など)からのお問合せに 直接対応しています。「くすり相談窓口」は実際に電話での対応を行うコミュニケーターのグループと、FAQ作成 などを通じてコミュニケーターをサポートするグループの両輪からなっており、二人三脚で医薬品の適正使用に向け た情報提供を行っています。 15 全体 患者さん 「くすり相談窓口」は、小さな気付きを大切にし、適正使用の観点に基づいて、患者さんや医療関係者からの問合 せに誠実に対応することで旭化成ファーマの医薬品の価値の向上に努め、感謝されるコールセンターを目指して行き ます。 16 2. 信頼性保証センターとの連携、情報発信 「くすり相談窓口」には、製品に対する変色などのクレームも入ります。変色に関する問い合わせ情報をもとに品 質保証部と連携して、複数の製品で添付文書に変色に関する注意喚起を行い、クレームを減らすための取り組みを行 っています。 また、増加している患者さんからの副作用情報に対応すべく、昨年の10月からGVP実施部門としての役割を担 い、積極的な安全性の情報収集に努め、すみやかに安全性管理部への報告を行っています。 信頼性保証センターとの連携 診断薬、ヘルスケア製品での活動 2 0 R 1 C 3 年 報告書 年 報告書 2 0 R 1 C 3 診断薬製品部 ∼ 診断薬の製品安全活動 ∼ 診断薬製品部では、2002年にISO9001を、2010年にはISO13485の認証を取得し、この運用システ ムを用いた製品安全管理を行っています。診断薬製品部の製品には、体外診断用医薬品(キット)と、原料として供 給する酵素バルクの2種類がありますが、キットは、ISO13485で、酵素バルクは、ISO9001を用いて 管理しています。 ISO9001では、顧客満足の向上を目指すという要求事項が有り、診断薬製品部では、年に1度、酵素バルク の主要顧客に、自社の受注対応、納品状況、製品品質などの評価を実施していただき、その結果を改善に繋げていく 活動を実施しています。 2012年度の顧客評価結果では、2011年度に、顧客から提示された改善要望に対して対応した結果、その対応を評 価するコメントをいただきました。 診断薬製品部では、今年度も、継続的に改善活動を実施し、品質価値を継続的に向上させるべく活動を実施してい きます。 I SO9001 :国際標準化機構 (I SO:International Organization for Standardization) にて1987年に制定 された品質管理システムの国際規格のこと 患者さん さん I SO13485:医療機器の製造および販売に関連する品質マネジメントシステムとして制定された国際規格のこと ヘルスケア製品部 安全性管理部では、医療関係者や患者さんから「くすり相談窓口」に安全性に関するお問い合わせがあった場合、 「くすり相談窓口」の専任担当者が即座に適切かつ詳細な情報をご提供できるよう、安全性に関する情報をQ&A等 の形式で「くすり相談窓口」に提供しています。また、お問合せ対応中に副作用情報を伺った場合には、その副作用 に関する調査を可能な限りすみやかに実施し、得られた情報を集積し、さらなる安全対策の必要性を検討しています。 品質保証部では、医療関係者から「くすり相談窓口」に品質面でのクレームがあった場合、「くすり相談窓口」か らの連絡を受け、その後の調査などを行い、MRを通じて医療関係者への回答などを行っています。 また、品質面での問い合わせに対して回答するために必要な情報を「くすり相談窓口」に提供しています。 信頼性保証センターは、今後とも「くすり相談窓口」との密接な連携を図り、医療関係者や患者さんの当社医薬品 の適正使用に貢献していきます。 ヘルスケア製品部では高齢や疾病により食事を取りにくい方々に対し、「一人ひとりがより良い栄養状態を保てる よう応援する」ことを事業目的に活動しています。 私たちの製品安全に関する活動は、開発・製造面では「重大品質事故ゼロの継続」という目標を3年間継続して掲 げ、「絶対に重大品質事故を起こさない」という決意で、 この目標に取り組んでいます。 まず製品開発面では、より安心安全で使い易い製品を 追求すると同時に、より安全性の高い容器形態や製造方 法へのシフトを着実に進めています。次に製造面では、 製造委託先と「重大品質事故ゼロの継続」の目標を共有 化し、従来からの「問題が出たら⇒原因究明⇒対策を打 つ」という事後の「もぐら叩き的な活動」から脱却し、 重大品質事故につながるリスクを感度よく察知して未然 に事故の芽を摘み取る、いわゆる「品質KY活動」に主 眼をおいて活動しています。そのため、我々はもちろん のこと委託先の従業員まで「リスク感度を高める」訓練 に力を注いでいます。さらに、お客様からの品質、使い 方、疑問などの問い合わせに速やかに回答するだけでな く、その中に製品安全上の問題が隠れていないかを評価 検討するシステムを確立して活動しています。 KY : 危険予知 製品安全に関する特記事項 2012年度に自主回収を含め回収は発生していません。 17 18 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 旭化成ファーマは世界の人々の健康に貢献する生命関連企業として、環境保全活動を企業活動の重要課題と考え、 環境負荷の低減に取り組んでいます。2012年度の環境保全については、事故・トラブルの発生はありませんでした。以 2006年 「循環型社会形成」、 「化学物質管理」、 「大気汚染防止」などに対する取り組みを紹介します。 下に「地球温暖化防止」、 旭化成ファーマの主要な工場地区における温室効果ガスの排出は、二酸化炭素(CO 2)とフロン(HFC)2種が主 体であり、その総排出量の推移は以下の通りです。2012年度の温室効果ガス排出量は、2.2万㌧でした。 2012 年度実績) 旭化成ファーマの主要な工場等における環境負荷実績を以下に紹介します。 昨年度の環境負荷実績と比べると、Input側のエネルギーが3.9x1014J(原油換算で1.01万kl)から3.7x1014J (原油換算で0.96万kl)と5%程度減少しました。また、日本製薬工業協会(JPMA)での2012年度の調査資料では 製薬メーカー66社の工場等における原油換算消費エネルギーは、1社あたりの平均で1.41万kl (前年度比1.2%減) でした。 前年度と比較して温室効果ガス排出量が微増していますが、電力等の供給源が原子力発電から火力発電に切り替わ ったことによる二酸化炭素排出係数(*)が大きくなったことによるものです。 (*)二酸化炭素排出係数 : 電気やガス、ガソリン等のエネルギー種別に定められた値で 、使ったエネルギー量がわかれば、この排出係 数から簡単に二酸化炭素(CO2)排出量が求められる。一般に原子力発電の方が、火力発電と比べて二酸化炭素 発生量が少なく排出係数は小さい。 温室効果ガスの排出量 基準 年度(**) 2000 2005 2006 2007 年度 3.7x1014( J ジュール) (原油換算:9,576kl) 温室効果ガス (CO 2 ) 排出量 (万㌧/年) 温室効果ガス総排出量(万㌧/年) 対基準年度比(%) 2010 2011 2012 8.8 7.3 6.6 4.2 4.6 2.6 2.1 2.1 2.2 0.00 0.02 0.02 0.17 0.08 0.02 0.02 0.00 0.00 12.1 8.8 7.3 6.6 4.3 4.6 2.6 2.1 2.1 2.2 100% 73% 61% 55% 36% 38% 21% 17% 17% 18% 12.1 温室効果ガス (フロン類) 排出量 (万㌧/年) 0.00 606千 2008 2009 (**)基準年度:京都議定書に基づき、温室効果ガスは1990年度、フロン類は1995年度を基準とした。 576千 2.0㌧ ・N :1.3㌧ ・P :0.03㌧ :1.8㌧ ・揮発性有機化合物 (VOC):5.9㌧ :2.2万㌧ :3.4㌧ :22㌧ :0.4㌧ 温室効果ガスの総排出量の推移 ・PRTR物質(大気排出):0.7㌧ 14.0 12.0 改正省エネ法への対応 省エネ法は石油危機を契機として、1979年に制定され工場単位でのエネルギー管理を行ってきましたが、今日 のエネルギー需要の拡大から、2010年4月1日から改正省エネ法が施行されました。従来の工場単位のみのエネル ギー管理から事業者(会社)単位でのエネルギー管理となる大きな改正です。 具体的には、従来の省エネ法では大仁地区(第一種)、名古屋医薬工場(第二種)のみが該当しましたが、今回 の改正では旭化成ファーマが一事業者になるために、旭化成ファーマ内の各工場、本社、支店・営業所等の全てが 改正省エネ法の対象となります。加えて年1%以上のエネルギー消費原単位(*)の低減が事業者(会社)に求められ 国への届出義務があります。2012年度の旭化成ファーマのエネルギー消費原単位は、8.9%削減となり届出をしま した。 (*)エネルギー消費原単位:エネルギー使用量をエネルギー消費と関連のある量で除した値で、 エネルギー消費効率を比 較するのに使われる単位。 19 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 基準 年度(*) 2000 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 年度 20 2 0 R 1 C 3 年 報告書 年 報告書 2 0 R 1 C 3 家庭部門の温室効果ガス削減への取り組み ∼[EcoゾウさんClub]で節電を 見える化 ∼ 旭化成ホームズ・くらしノベーション研究所 下川美代子 旭化成グループでは、家庭部門での温室効果ガス削減を目指して、旭化成ホームズが開発したエコ生活支援インターネットプロ グラム 「EcoゾウさんClub」 を従業員が活用する取り組みを進めています。旭化成ファーマもこれに参加し、従業員の家庭での温室 効果ガス削減に努めています。 そこで、新聞、雑誌等でも活躍している旭化成ホームズ・くらしノベーション研究所の下川さんに、 [EcoゾウさんClub]についてインタビューしました。 旭化成ファーマでは、 ・どんなきっかけで[EcoゾウさんClub]を始められたのでしょうか? 検討を始めたのは10年以上前になります。当時、旭化成ホームズとして 「環 境共生」 を視点として、 躯体の長期耐用化、 自然エネルギーの利用等に取り組ん でいました。 しかし、私たちの調査では、家庭のエネルギー消費量が家族人数や 住宅規模の違いを考慮しても、家庭間で数倍の違いがあるものだということもわ かっており、 ぜひ住まい方のご提案も一緒にしていこうという流れの中で2002 年12月より[EcoゾウさんClub]を始めました。 住まい方から省エネのご提案をするにあたっては、家族が一緒に楽しく行うこと のできるものということが大前提でしたので、 お子さんを中心に親子で取り組む 省エネ生活というコンセプトで開始しました。現在もこの活動は継続しており朝 日新聞社主催の環境イベントなどへも参加し、 お子さんにも省エネの重要性をア 朝日新聞社主催の環境イベントで、子どもたちに [EcoゾウさんClub]の説明をする下川さん(写真中央) ピールしています。 (右図) 実績データを下図に示し 旭化成ファーマでは、 ます。2012年度の最終処分量は1.8㌧となりました。産業廃棄物の削減やリサイクル化への積極的な取り組みが実 施された結果です。今後も、積極的な産業廃棄物の削減、リサイクル活動を推進し廃棄物ゼロを目指します。 最終廃棄物処分量 年度 2000 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 最終廃棄物処分量(㌧/年) 347 282 694 78 18 0.7 1.0 0.8 1.8 対2000年度比(%) 100% 200 % 23% 0.2 % 0.3 % 0.2 % 0.5 % 2011 2012 82% 5% ・[EcoゾウさんClub]は、どのようなシステムで何がわかるのでしょうか? ウェブサイト [EcoゾウさんClub] では、毎月の「電気」 「ガス」 「 水道」 「 灯油」 「ガソリン」の使用量と料金を画面入力するだけで、 家庭でのエネルギー消費量、毎日の生活で排出している二酸化炭素 (CO2) 排出量を算出。省エネを"見える化"することで、省エネ 排出量をゾウの足型を使 を心がける家族のエコ生活を支援しています。 「我が家のEco-footprint」画面では、二酸化炭素 (CO2) って表示。 どれくらい省エネに貢献できたか、省エネライフの結果が一目でわかります。 その他にも、 会員の方のお住まいの地域や家 族構成別にランキングも表示されますので、 ご自宅のエネルギー消費量が他の方と比べて多いのかどうかも確認することができます。 ・[EcoゾウさんClub]の会員数を教えて戴けませんか? [EcoゾウさんClub] にご登録いただいている会員数は2013年3月末で、約3,500家庭です。 どなたでもご入会いただける無料 のサービスとして提供させていただいています。 ・[EcoゾウさんClub]のデータ入力の際に毎月アンケートを取られていますが、会員からどのような声や要望がありますか? [EcoゾウさんClub]では、毎月会員の皆様にミニアンケートのご協力をいただき、Ecoゾウさん通信を発行しています。[Ecoゾウさ んClub]のシステムとしては、省エネのアドバイスやエコ診断の充実、携帯電話や端末への対応やゲーム感覚で楽しく継続できる ような工夫のご要望をいただいています。少しずつではありますが、毎年の改訂の中に取り入れて皆様に楽しく省エネを継続してい ただきたいと考えています。 毎月寄せられる会員の皆様の楽しいエコ生活の様子は、他の会員の方々のみならず、私たち運営側にも楽しみなものとなっています。 ・家庭での省エネについて、最近の動向や傾向など情報を教えてください。 最終廃棄物処分量の推移 700 600 500 400 300 200 100 0 2000 [EcoゾウさんClub] http://www.ecofootprint.jp/ [EcoゾウさんClub]のホームページ ◀ ◀ 21 [EcoゾウさんClub]の解析画面の一例 2006 2007 2008 2009 2010 年度 近年、家庭のエネルギー消費量は2008年からの経済状況変化や東日本大震災などの影響でやや減少傾向でありますが、先 行きは不透明です。 しかし[EcoゾウさんClub]会員の皆様のアンケート調査では、2011年から2012年にかけて省エネに関する取 り組みは継続して行われています。2012年度の調査結果では 「中古品やレンタル品の利用」、 「 環境問題に関する催しや活動に 参加する」、 「雨水を利用する」 といった、 これまで実行率があまり高くなかった分野でも行動が増加していることも特徴的だと考えて います。 節電を楽しく行える情報がつまった [EcoゾウさんClub] に入会してみませんか。詳しくは下記のホームページを参照ください。 2005 旭化成ファーマ : : : 22 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 化学物質管理への取り組み 揮発性有機化合物 (VOC) の削減 PRTR法対象物質の削減 1962年に制定された「ばい煙の排出の規制等に関する法律(ばい煙規制法)」が、日本で最初の大気汚染防止に (*) 関する法律です。ばい煙規制法は、石炭の燃焼による煤塵(ばいじん)の規制には効果を発揮しましたが、社会にお ける主要な使用燃料が石炭から石油に移行すると、硫黄酸化物の排出量が増え、対応しきれなくなってきました。ま 462 物質です。業種、 従業員数、対象化学物質の年間取扱量等で一定の条件に合致する事業者が、環境中への排出量及び廃棄物としての移動 量について届出を義務付けられています。PRTRの集計結果などを踏まえて、国は環境モニタリング調査や、人の健康や生 態系への影響についての調査を行います。 以下に、旭化成ファーマの PRTR 法対象物質の大気への排出量の推移を紹介します。環境への放出では、旭化成ファー マの取り扱う主要な化学物質のうち、下記の 6 物質が該当します。2012年度のPRTR物質の総取扱量は、約 21 ㌧で、大 気への総排出量はジクロロメタン 0.6 ㌧、メチルナフタレン 0.1 ㌧で水域や土壌への排出はありませんでした。PRTR 法対象物質の大気への排出量は、2000 年度比で 98.3% の削減を達成しました。 た、自動車排出ガスの規制が含まれていなかったことも大きな問題でした。そこで、1968年にばい煙規制法を根本 的に見直し、制定された法律が大気汚染防止法です。大気汚染防止法では、煤煙、揮発性有機化合物、粉塵、有害大 気汚染物質、自動車排出ガスの5種類を規制しています。特に、揮発性有機化合物VOC(*)については、各種の溶剤燃 料として産業上重要な物質であることから幅広く使用されていますが、一旦、環境へ放出されると、公害(光化学ス モッグ、シックハウス症候群、化学物質過敏症)などの健康被害を引き起こし問題となっています。 以下に、旭化成ファーマの揮発性有機化合物の排出量の推移を紹介します。2012年度の大気への総排気量は5.9㌧ で、2000年度比で96%の削減となっています。大気排出量が多い順に、アセトン(2.5㌧)、エタノール(2.0㌧)、メタ ノール(0.8㌧)、ジクロロメタン(0.6㌧)でした。 (*) VOC:Volatile Organic Compoundsの略。常温常圧で大気中に容易に揮発する有機化学物質の総称のこと。 (*) 揮発性有機化合物(VOC)対象物質 環境汚染物質排出移動登録。 対象物質 PRTR法対象物質 対象物質 ジクロロメタン クロロホルム ホルムアルデヒド アセトニトリル nーヘキサン メチルナフタレン 取扱量 0.9 3.3 0.03 2.5 1.4 13.2 2012年度取扱量と排出量(㌧/年 ) 21.33 大気排出 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 水域排出 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.7 0.0 土壌排出 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 移動量 0.3 3.3 0.03 2.5 1.4 13.1 取扱い部場 大仁医薬工場、医薬研究センター 大仁診断薬工場、医薬研究センター 医薬研究センター 医薬研究センター 医薬研究センター 大仁地区(重油由来) 取扱量 大気排出 水域排出 土壌排出 除去処理量 移動量 取扱い部場 ジクロロメタン クロロホルム アセトニトリル 0.9 3.3 2.5 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 3.3 2.5 大仁医薬工場、医薬研究センター 大仁診断薬工場、医薬研究センター nーヘキサン 1.4 0.0 0.0 0.0 0.0 1.4 医薬研究センター アセトン 医薬研究センター 25.6 2.5 0.0 0.0 0.0 23.1 大仁医薬工場、医薬研究センター メタノール 3.3 0.8 0.0 0.0 0.0 2.5 大仁医薬工場、医薬研究センター エタノール 2.0 2.0 0.0 0.0 0.0 0.0 名古屋医薬工場、医薬研究センター 2012年度総排出量 (㌧/年) 39.0 5.9 0.0 0.0 0.0 33.1 20.63 揮発性有機化合物の大気への排出量の推移 PRTR法対象物質の大気への排出量の推移 1,2-ジクロロエタン 45 ジクロロメタン プロパノール 酢酸ブチル nーヘキサン メタノール エタノール クロロホルム 250 100% 大気への排出量 大気への排出量 50 ジクロロメタン 1,2-ジクロロエタン アセトン 200 40 35 100% 150 30 25 100 20 15 1.7% 10 50 4% 5 0 23 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 0 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 24 保安防災活動への取り組み 設備投資の安全性確認への取り組み 2012年度 保安防災活動の目標および結果 結果 大仁地区設備審議会 2012年度 事故・トラブル発生ゼロ達成 特定建築物の耐震改修、特定 建築物以外の建屋の耐震診断 の推進 震災対応見直しと防災体制の 整備、機能維持と向上 セーフティーアセスメントの 徹底 変更管理の運用徹底 老朽化・劣化・未点検危険箇所 の継続的見直しの実施と対策 引火・爆発・漏洩危険箇所の 継続的見直しの実施と対策 活動目標 旭化成ファーマでは、保安防災活動の目標として産業 事故ゼロの継続とトラブルの撲滅を掲げ、 さまざまな取り 組みを行っています。ひとたび事故が発生すれば、工場 地区近隣の住民の方々に多大な影響を与える可能性が あるため、危険物を取り扱う職場では、引火・爆発要素 除去安全性評価、漏洩防止、設備の老朽化等の対策 を講じ、様々な視点や手法を用いて事故防止に努めてい ます。 また既存設備改造や新設時、 および人や製造工程等 を変更する場合には変更管理を実施し、 リスクを事前に 見つけ出し対策を取ることで安全性を高めています。重 点項目を確実に実施することで、 2012年度は産業事故 およびトラブルの発生を未然に防止することができました。 今後も、新しい視点での対応を取り入れながら各部場 の特徴に適した安全対策を実行することで、産業事故・ ト ラブルの発生を未然に防いでいきます。 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 大仁地区では、全ての設備投資案件について投資の妥 当性に加え、投資による環境負荷の変化や該当法規制へ の対応方法などを審議しています。2012年度の設備 申請は206件であり、その中で大小合わせて77件の 設備審議を実施しました。提案に対する指摘や、専門部 署によるコメントおよびチェックシートを確認すること で環境保全、保安防災、労働安全衛生および法令遵守の 対応を行っています。審議会に付議されない軽微な件名 についても地区管理責任者、環安、保全責任者が全件、 確実に審査する体制をとっています。 RC大会 設備投資計画、事前管理チェックシート、 変更管理、図面及びEFD等作成 ファーマ審議会 旭化成ファーマでは、毎年秋にRC大会を開催し、安全について参加者全員で考える機会を作っています。 2012年度は、 「コンプライアンス強化元年」 をテーマに10月26日に従業員約150名が参加し、開催されました。 旭化成ファーマ社長、旭化成労組大仁支部長、持株RC担当役員の挨拶の後、持株環境安全部長による安全講話、RC 推進者および大仁地区管理担当者による2011年度のRC活動結果報告が行われました。また本年度の活動発表では 「法令遵守の対応状況について」というテーマで、部場長が各組織の取り組みを発表しました。本年からは部場長に よる「安全決意表明」が行われ、安全に対する決意が示されました。旭化成ファーマ安全社長賞(第2種)22.5 年無災害の表彰の後、RC活動の一年間の活動のシンボルとなる安全標語表彰を行い、最後に、参加者全員による「 ゼロ災コール」で締めくくりました。 設備審議会 設備老朽化・未点検箇所の見直し活動 旭化成ファーマでは、設備の故障による事故の発生を絶対に起こさないという決意のもとに、設備の老朽化や点検 不備によるトラブルを撲滅する活動を継続的に実施しています。各工場の現場に設備管理担当者を配置し、現場でよ りきめ細かな管理を行うための管理体制をとっています。 名古屋医薬工場 小林旭化成㈱RC担当役員 浅野旭化成ファーマ社長 濱砂旭化成労組大仁支部長 全員で「ゼロ災コール」 出初式 大仁地区において、2013年の年頭に本部消防隊による消防出初式を挙行しました。1年間の産業事故ゼロを祈念 して出動報告、服装点検、機械器具検閲の後、化学ポンプ車操法訓練を行いました。 25 出動報告 化学ポンプ車操法訓練 2線延長放水訓練 名古屋医薬工場の製造棟建設第1期工事(1982年竣工)にて設置したキュービクル式高圧受電設備を老朽化によ り更新しました。対象受電設備は、医薬工場のユーティリティーやアンプル生産設備の動力負荷へ電気を供給する重 要な設備です。 名古屋地区の近年の酷暑により、2007年、2008年に空調負荷の増大と外気温度の影響により、変圧器の定格を越 える運転が続きました。旭化成標準の劣化診断シートを使用して劣化度を評価した結果、油入変圧器はレベルⅢ(早 急に更新計画を立案)の状態であったため、老朽化更新計画を前倒しして、2012年度更新を実施しました。当初は 変圧器だけの更新を考えていましたが、受電設備全体にも老朽化が見られたことからキュービクル1式の更新を行い ました。更新と同時に以下の対策を実施して安全対策を強化しました。 ①保護カバーにより充電部(6600V、200V)に直接接触できない構造とした。 ②キュービクル内の配線用遮断器を漏電遮断方式とした。 名古屋医薬工場では、設備の老朽化対策のため計画的な設備更新と適切な設備保全をすることで、設備故障を未然に 防ぎ、生産への影響を与えないような計画保全を今後も実施していきます。 更新キュービクル全体 キュービクル内部 26 変更管理の運用の徹底 緊急時対応の体制 旭化成ファーマでは、保安防災、労働災害防止および製品安全の観点から、事故・災害の発生を未然に防止することを目的に、 「法令・設備・運転条件・人・作業マニュアル・基準書類」 などの変更時に事前に充分なチェック (リスクアセスメント等) を行うシステ ム・体制について基準を定めています。変更管理を行う場合には、製造責任者・保全責任者・環境安全責任者の三者 (三権) が メンバーとなって実施しています。 これは、 リスクの見落としの防止と偏った見方を避けることが目的です。 大仁医薬工場変更審議案件 2010年度 2011年度 2012年度 件数 その他 試験方法 製造方法 設備関係 160 140 120 100 80 60 40 20 0 提案種類 緊急時対応の見直し (BCP) 大仁地区 大型自家発電機 富士医薬工場 富士医薬工場は、万一、富士支社が高さ10mを超える津波に襲われた場合でも、早期に製造を再開し、患者さん へのリコモジュリン供給責任を果たす義務があります。そこで、2012年度、リコモジュリン製品および培養種細胞 ならびに製造や品質管理に必要な重要試薬類等を保持するための冷凍/冷蔵保管庫を、建屋(研究所2号館)上層階 に移設し、それらの電力供給元となる非常用発電機および燃料タンクを新たに建屋屋上に設置しました。これらによ り、医薬品の安定供給と保安防災面でも安全性を向上させました。 細胞保管庫と製品保管庫 (2号館4階) 大仁地区 細胞ストッカー (細胞保管庫内) 旭化成ファーマの製造と研究の主要拠点である大仁地 神保町三井ビルディングでは毎年 区は、大規模地震対策特別措置法にて地震防災対策強化 春と秋に防災訓練を行っています。2 地域の指定を受けている静岡県伊豆の国市に立地してい 012年は、 5月23日と10月24日に実 ますので、南海トラフ大規模地震等による災害を想定し 施しました。 5月23日の全館防災訓練 た地震対応訓練を年1回実施しています。また 、多くの可 の参加者は、旭化成グループ以外も 含め1, 000名以上で、旭化成ファー 避難集合・安否確認訓練(全体)燃性溶剤を使用して医薬品や診断薬製品を製造している ことから、伊豆の国市公設消防の協力も得て、火災対応 マの参加者は、 自衛消防隊の適切な 訓練を年1回実施しています。下記の訓練写真は2012年 誘導により速やかに避難する事がで 9月12日の地震対応訓練の様子です。 きました。 また、 10月24日の防災訓練では、 毎年恒例の簡易トイレ設置と新たな 試みとして炊き出しの訓練を行いまし た。今後は訓練の経験をまわりに伝 達していくことで、 より多くの方が緊急 時の行動を迅速に行えるようにして 防災本部安否確認訓練 救護訓練 簡易トイレ設置訓練 いきます。 富士医薬工場 BCP (Business Continuity Plan) :事業の継続性 これまで大仁地区で所有する自家発電機は、買電量削減及び電力量の ピークカットを目的とし稼動させていましたが、それに加え災害時に電 力会社からの電力供給がストップした場合でも、地区内へ電力供給を可 能とする役割を持たせるための改造を行いました。 具体的には、自家発電機を始動するための電力を、小型の発電機から 供給することで自家発電機の始動を可能としました。このことにより、 電力会社からの電力供給がストップする事態が発生したとしても、自家 発電機から電力を供給することで製造停止を最小限に防ぎ、医薬品製造 業者としての義務である医薬品の安定供給を果たすとともに、保安防災 面からも安全性向上に寄与出来るようにしました。 27 旭化成グループには、事業活動の各段階における危機管理を定めた「旭化成グループ危機管理ハンドブック」があ り、緊急事態への対応方法を定めています。更に、各地区・工場では、保安防災に関する内規、緊急活動に関する内 規、規則等を定め、万一の緊急時に備えた体制を整備し、保安防災活動を実施しています。緊急時の消火・防災・避 難・安否確認・通報連絡等の教育・訓練を、各地区・工場毎に定期的に実施しています。 東京本社地区(神保町) 大仁医薬工場 大仁医薬工場での変更管理審議件数の推移を右図に示します。2012年度の審 議の内訳は、設備関係129件、製造方法変更15件、試験方法9件、その他4 4件であり、トータル197件でした。この中で「狩野川地区撤収」など5件が メジャー変更として地区の変更管理審議を受けています。 審議内容の内、例年約7割が設備関係であり、主に老朽化更新、配管変更など です。大仁医薬工場は、老朽化対策の案件が大きなウエートを占めています。 審議は、工場長はじめ、製造課長、保全課長、環境安全課長の三権および品管 課長がメンバーとなって実施し、それぞれの立場から問題点を抽出し審議をして います。 2012年度は変更管理による運営上でのトラブルは発生していません。2013 年度も 災害を絶対に発生させない という視点に立って、変更管理の審議内容を 深化させ設備事故0を継続していきます。 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 非常用発電機と燃料タンク (2号館屋上) 富士地区では毎年建物ごとに火 災対応の防災訓練を実施しています。 2013年3月、 所属する2部場の合同 で約40名以上が参加して火災対応 の訓練を行いました。当日は火災発 生時の現場確認/通報・連絡/避難 といった一連の訓練を行った後、 グル ープに分かれて屋外での消火訓練 および屋内での救護訓練を実施しま した。消火訓練では、迅速な消火器 材の接続と消火栓を用いた放水練 習を行い、救護訓練では椅子や毛布 等を利用した搬送方法を習得しまし た。 これらの訓練の他、地震・津波を 想定した避難訓練や排水異常時の 対応訓練、 携帯電話等による緊急連 絡訓練等を毎年実施しています。 旭化成アイミー (株) 火災対応放水訓練 排水異常対応訓練 名古屋医薬工場 総合防災訓練を2013年1月18日に旭化成アイミー (株) 、 アイミー (株) 合同で実施しました。今回は消防本 部の協力のもと、 ホットラインによる消防本部への0次通 報を担当者自ら実際に行い、 ホットラインの操作手順と 通報内容のポイントを体験・習得しました。防災訓練 (避 難・消火訓練) 終了後に全員を対象とした救急救命講習 (心肺蘇生、 AED操作) を講師を招いて開催しました。 ホットラインによる 0次通報訓練 救急救命訓練 名古屋医薬工場では、2012年9月12日に地震発生を想定した防災訓練を実施しました。今回の防災訓練は駿河湾を 震源とする「震度5強」で強い揺れが約1分間継続する突発大地震を想定して、大仁地区と合同で行われました。 訓練は、①防災用衛星電話インマルサットを使用した大仁−衛星−名古屋間の無線電話連絡訓練 ②構内放送訓練、 避難誘導訓練、避難場所への集合、安否確認、設備停止・非常処置等の訓練 ③尾三消防みよし署員によるクンレン ダーを使用した消火器使用訓練、AEDを使用した救急救命訓練の指導が行われました。 また、地震発生に備え調達した防災用品を本部脇に持ち出し、どのようなものがあるのか工場従業員の確認を実施 しました。今後も訓練と備品の確保を行ない、いざという時に備えていきます。 消火栓放水訓練 防災備品確認 心肺蘇生法訓練 28 OHSMS(労働安全衛生マネジメントシステム) への取り組み 結果 労働災害の撲滅 休業災害度数率 休業災害強度率 の定着化 挟まれ・巻き込まれ災害の撲滅 以下 安全作業基準順守の徹底 以下 設備工事業者の重篤災害の撲滅 活動目標 旭化成ファーマでは、従業員の安全確保があらゆる事業 2012年度 活動の基本であるとの認識のもと、RC方針、RC目標・ 休業災害発生なし 計画に基づき種々の労働安全衛生活動に取り組んでいます。 RC目標(休業災害度数率0.1以下、休業災害強度率0. O 005以下)を達成するために、OHSMS活動、HHK H (ヒヤリ、ハット、気掛かり)提案活動、安全基本行動基 S M 準順守自己チェック活動等を展開しています。 S 2012年度は、休業災害は0件であり、休業災害度数率、 休業災害強度率ともに目標を達成しました。但し、不休災 害19件と応急災害4件の発生がありました。災害件数の 0. 0. うち、工場地区で発生した災害は1件であり、19件はM 0 1 R(医薬情報担当者)の業務上の交通事故による災害でし 0 た。残り3件は、日常行動による生活行動災害でした。 5 MRによる業務上の交通事故災害は休業災害に繋がる可 能性が高く、自動車運転に慣れていない新人・若手MRへ の指導、教育がここ数年の大きな課題となっています。2011年度に引き続き2012年度も休業災害ゼロを継続してお 11年度に引き続き2012年度も休業災害ゼ を継続してお り、医薬営業本部による種々の交通事故予防対策の効果が発揮されています。 工場地区の業務災害は、OHSMSの導入により大きく減少してきており、今後も取り組みの継続と新しい視点で の見直しを実施し、労働災害防止に努めていきます。 休業災害発生率の推移 1.2 0.012 休業災害度数率 休業災害強度率 0.010 1.0 0.008 0.6 0.006 0.4 0.004 0.2 0.002 2006 2007 2008 2009 2010 2011 労働災害発生件数推移 0 年度 労災推移(職種別) 24 26 22 24 20 22 18 20 16 18 (OHSMS:Occupational Health and Safety Management System) 大仁地区 顕在化している危険や潜在的な危険をすべて洗い出し、危険性を評価し、優先順位をつけて計画的・継続的に職場 の危険な作業や設備を改善し、より安全な職場を構築するために、2002年度よりOHSMSの導入を進めてリスクア セスメントを実施してきました。導入当初は、評価すべき危険を見落としたり、適用範囲が不明確であったり、発生 確率の低い重大危険事象を過大評価したり等の問題がありましたが、2012年度にリスク評価方法を見直し、リスクア セスメント実施要領を改訂、新しい基準での考え方を地区内で教育して、リスクアセスメントの見直しを行いました。 その結果、2011年度末に40件以上あった容認できないリスクが、再評価後には1件となり、取り組むべき対象が 明確化されました。 労働安全衛生マネジメント活動においても、リスク評価の高いものから優先的に目標に取り上げるようにし、また、 労働安全衛生内部監査では挟まれ・巻き込まれについて重点的に現場確認を実施して安全確保を図っています。 容認できないリスク件数の推移 2009 件 数 部場・課 2010 件 数 2011 件 数 553 11 7 1 大仁診断薬工場 160 134 12 0 名古屋医薬工場 0 0 0 0 医薬研究センター 23 16 11 0 その他部場 20 23 10 0 756 184 40 1 合 計 大仁医薬工場 大仁医薬工場では、2012年度リスクアセスメントの見直しに取り組みました。リスクアセスメントの評価方法を 見直し、ソフト対策(保護具着用順守、作業手順順守、基本安全活動順守)によりリスクが低減する件名と、ハード 対策が必要な件名を絞りこみました。ハード対策が必要な件名は、対策を講じリスクを低減してきました。ソフト対 策が必要な件名はソフト対策を確実に維持するために、保護具着用順守チェック表を導入し、作業前に必要な保護具 の確認と、1日の作業を振り返って保護具の着用状況を毎日確認するようにしました。 基本安全行動順守チェックを毎日行い、作業手順書は定期的な教育を継続しています。 2012年度に制定された大仁地区のリスクアセスメント実施要領に従って、ソフト対策でリスクを低減化した317 件を含めた338件を再評価しました。結果は、A評価リスク1件(酸欠リスク)、B評価リスク1件(転落リスク) 、 C評価135件、D評価176件でした。2013年度は、B評価件名へのハード対策と同時にC評価、D評価の件名 で「危害の重大性」が大きくても「危害の起こりやすさ」が低い事により評価点が低くなっているリスクを見直し、 本質安全化を検討します。 2012年度リスクアセスメント件数 件数 件数 新しい様式での見直し リスクアセスメント数 リスク 合 計 14 12 12 10 職場名 10 8 2012 Aランク件数 大仁医薬工場 16 14 定常作業 非定常作業 緊 急 ソフト対策 容認でき 管理 ない リスク数 リスク数 評 価 結 果 見直し 総数 作業無 D評価 C評価 B評価 A評価 8 6 4 2 0 2012 休業災害強度率 休業災害度数率 0.8 0 29 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 6 製薬第一課 2,187 594 300 3,081 159 0 171 7 67 95 1 1 4 品質管理課 541 44 25 610 30 0 30 3 27 0 0 0 製薬第二課 345 485 50 880 77 6 85 15 47 23 0 0 総務環境安全課 365 141 146 652 51 1 52 0 35 17 0 0 3,438 1,264 521 5,223 317 7 338 25 176 135 1 1 2 2006 2007 休業災害 2008 2009 不休災害 2010 2011 応急災害 2012 年度 0 2006 2007 工場 2008 研究 2009 2010 営業 2011 事務 2012 年度 総 数 30 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 職場安全巡視への取り組み 安全作業基準順守・安全基本行動基準順守への取り組み 医薬研究センター(安全性・動態研究部) 大仁地区 大仁地区では、RC管理の責任者である大仁地区管理責任者(大仁統 括センター長)自らが各部場を巡視する大仁地区管理責任者巡視を行っ ています。これは現場のRC活動状況、設備や運転の状況を確認すると ともに、各部場の安全担当者から直接話を聞くことで、部場特有の課題 などを理解し改善指導につなげることを目的として、2011年度から実施 しています。 巡視者は地区管理責任者、環境安全部長、環境安全担当総括の3名で、 部場側は部場長や課長、係長、環境安全常任委員等の職場の責任者です。 巡視は建屋ごとに行い、1年間で大仁地区内を網羅できるように月1 −2回ずつ実施しています。 当日は職場からHHK提案を2−3件ずつ紹介してもらい、巡視のと きにHHK提案の現場確認も合わせて実施して、業務上の気付きや工夫 ・改善を確認しています。また、優れたHHK提案については大仁地区 RC大会で表彰をしています。 医薬研究センターでは安全作業基準順守の取り組みを行ってい 安全作業基準順守状況チェックシート ます。研究活動を行う上で基本となる作業をピックアップし、毎 週安全作業基準の順守状況を自己チェックするものです。これを 繰り返し行うことで、従業員全員の安全意識を高め、事故や災害 を起こさない安全風土を築きたいと考えています。具体的には、 保護具の着用、ガラス器具の適切な取り扱い、事前KY実施など、 各作業項目について各自が週および月ごとにチェックし、その順 守状況をユニットリーダーに報告することで順守の向上を図って います。順守しなかったケースが発生した場合には、その原因と 再発防止策をユニットや部場で話し合い、今後の安全活動に活か しています。この取り組みを継続してきた結果、各自の安全意識 が向上し、現在ではほぼ100%の順守率となっています。今後 もこの取り組みを継続し、無事故・無災害を目指します。 安全作業基準順守状況チェックシート 2012年度下期 現場巡視の様子 名古屋医薬工場 RC大会で表彰を受けた皆さん 大仁診断薬工場 大仁診断薬工場では安全性向上のために毎月部場内の巡視を実施して います。当部場では製造にあたって可燃性有機溶媒と遺伝子組換え微生 物を使用しているため、火災爆発の危険性と遺伝子組換え微生物が工場 外に漏洩することへの監視に特に力を入れています。 巡視にあたっては整理整頓・職場美化の推進、所員の保護具装備と安 全行動順守の確認など毎月重点項目を定めて、巡視を継続しています。 大仁診断薬工場は3年間無災害表彰を過去5回受賞しており、現在10 年以上続いている休業災害0を今後も継続できるよう部場全体で安全の 確保に努めていきます。 安全巡視の様子(排水滅菌設備) 富士医薬工場 31 富士医薬工場では、日常のKYおよびHHK活動の他、安全巡視に も力を注いでいます。日常の安全確認に加え、月例巡視(輪番で全 員参加、全区域が点検対象)、相互巡視(職場ごとに異なる視点で 他の職場を点検)、特別巡視(人の動きに着目して干渉排除、作業 実態を点検)の3種類の安全巡視を実施しています。 また、リーダー安全会議および職場安全会議を毎月行い、HHK 提案や安全巡視の指摘事項などの情報共有、災害事例の解析、その 他安全教育を実施しています。さらに全員参加の職場安全研修会を 毎年開催し、従業員全員の安全意識のより一層の高揚を図っています。 2012年度富士支社干渉排除コンテストでは、前年度に優秀賞を 受賞した「天井かさ上げによる作業スペースの拡張及びマンホール ヒンジ位置の変更とバランサー設置」の横展開、ならびに「館内自 動販売機の移設による通路の干渉排除」という二つの本質安全化事 例が評価され、前年度に引き続き表彰されました。 このような安全活動の成果として、富士医薬工場は2012年4月、 「連続無災害22.5年(安全社長賞第2種)」の表彰を受け、20 13年3月末現在、8,500日を超える連続完全ゼロ災を継続中です。 名古屋医薬工場では、その日の業務に入る前に、安全作業・行 動基準確認を行っています。その日1日、自分自身が守るべきK Yを実施し、確認表に○印を付けます。「階段の昇降には手 を 利用します」、「通行区分を守り歩いて行動します」など工場内 での日常行動や「設備機器の安全カバー・インターロックは無効 にしない」、「回転中の露出部に絶対に手を入れない」など設備 機器操作上のKYなど幅広く確認しています。その中で特に自分 が重要に思うKYを朝礼で各自呼称し、順守を誓います。その日 のKYを実際に声に出して言うことで、個人個人が安全意識を持 って実行することを確認できます。その日の業務後、KYを守っ たか、自己評価をします。守った場合はレ点、守らなかった場合 は×印を付けます。このような意識づけを行う活動により、名古 屋医薬工場は2012年の順守率100 %を達成しています。 安全作業・行動基準確認表 東京本社地区(神保町) 相互安全巡視 東京本社地区では、滑った、転んだ、階段から転落した等の生 活行動災害の防止をすることが課題です。 過去に発生した災害 の原因分析を行い、防げたはずとの観点から、まず守るべき4つ の安全基本行動を定め、その順守を徹底しています。 この4項目について最低年2回、自己確認を行うことで「安全」 への意識を高め、職場の安全確保を図っています。新入・転入時 には必ずこの安全基本行動基準を職場の安全教育として周知徹底 しています。 これまで各人の意識は確実に改善の方向へ向かっていましたが、 昨年度の調査において少し陰りが見えました。階段手 の保持、 危険予知の項目において順守度を示す点数が下がりましたが、こ の現象は、各自の感度が高まった結果と考えています。 今後も、「問題があるならお互いに注意しあいましょう」とい う精神の下、職場を中心とする「安全」に取り組んでいきます。 安全基本行動基準 職場安全研修会 32 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 支店・営業所地区(自動車事故防止対策) 医薬営業本部 (支店・営業所地区) では、医薬情報担当者 (MR) と営業 スタッフが、車を利用して日々営業活動を行っています。近年、新入社員等 運転経験の少ないMRなどの増加により自動車事故が増加してきたため、 様々な取り組みを実施し、社員の安全対策を強化しています。 大仁地区 工事に係わる安全管理規則を2012年7月1日に大幅に改定し、同10月1日より本格 的に運用を開始しました。 工事に関する各種手続きの書類やその運用方法を大きく改訂し、従業員や工事業 者への説明会を開催しました。全ての工事において抜けなく安全管理を実施し、無事故 無災害で工事を行います。 具体的には、工事を開始する前には危険物や有害物の排除、回転機器の運転停止 ロックなど安全な状態を確保して工事業者への着工を許可するなどです。毎日の作業 内容を事前に確認し、危険な作業や事故に繋がる状況は無いかなど、確認できるチェッ ク表で管理しています。 取引の多い施工会社と共に、 工事安全協議会を開催し、社内外の事故事例の検討 や工事現場のパトロールを行い、安全意識の高揚を図っています。 自動車有責事故発生率の推移 事故発生率 工事安全管理への取り組み 有責総事故発生率 有責新入社員事故発生率 ①新入社員などへの対策 (ソフト) 工事安全パトロール 名古屋医薬工場 名古屋医薬工場では、2012年度に大仁地区の工事安全内規に沿って、工事安全手続き細則を制定しました。同時に細則に 従って、工事安全管理をA票・B票・C票を用いて運用を開始しました。施工業者が事前に提出する施工要領書と合わせて、 工事内 容・手順を把握し、施工手順に不安全な作業がないこと、安全な作業環境が整っていることを確認して、着工を許可しています。 工事安全教育の受講終了者に対して 「教育実施終了証」 を発行し、持込機器の検査を実施して、 「持込機器検査証」の発行を 開始しました。2013年2月に名古屋医薬工場の工事安全協議会を開催し、 「休転工事安全作業マニュアル」にて、休転工事中 の工事概要、安全管理組織、安全管理の方法などを説明し、施工業者および従業員の安全確保に努めるように周知しました。 また、関連法令の勉強会を実施し、法令順守に努めるように教育を行いました。 2013年3月に着工した 「AKP−NT1建設工事」 においては、 「AKP−NT1建設工事安全マニュアル」 を作成して、工場従業員 と工事施工業者の安全を確保するための教育を実施しました。名古屋医薬工場は、工事安全管理の確実な実施により、工場従 業員と施工業者の安全確保に努めています。 新入社員は、入社後研修中に 「安全運転研修 (適性検査、講義、路上運転) 」 を受講します。 この結果は 「運転技能確認チェックシート」 で判定され、 「技量不足」等の場合は別途「補習研 修」 を受けます。配属後、 上司は部下と面談して 「運転歴」 「運転技術 (研修結果) 」 を確認する とともに、部下と同行運転を行い、 「運転技術・安全運転意識チェック、 指導」 を行い、 その結果 を 「同行報告書 (安全運転チェックシート) 」 で報告しています。単独での運転が可能となるまで 同行指導を継続します。 2010年以降入社のMR等は、毎月第1営業日に、 「 安全基本行動基準 (営業車両) チェッ クシート」 で乗車時における 「安全基本行動」 を確認しています。 このシートには 「ヒヤリ、 ハット 事例」 (事故一歩手前の、事故にはならなかったが「ヒヤリ」 とした、 「ハット」 した事例) を記載す る欄があり、 この事例を支店内・営業所内で共有化することにより、事故を未然に防ぐ意識向 上に役立てています。 ②新入社員対策 (ハード) 運転技術の未熟な部分を補う対策として、新入社員の車 (リース車) に、 ドライブレコーダー、 バックセンサー、 バックカメラ付カーナビを装着しています。 また、小回りの利くコンパクトカーを導 入しています。 年度 NO 10 同行報告書 (安全運転チェックシート) ③組織対策 (ソフト) 安全運転意識向上の目的で、組織として以下の取組みを継続しています。 ・支店長から事故削減啓発メールを発信 (毎月第1営業日) ・事故削減キャンペーン (年1回、 7∼9月) NO ・無事故無違反表彰 (年1回) ・半期2回以上有責事故を起こした乗務員は 「事故多発者研修」 に参加 10 工事安全教育 AKP−NT1建設工事 工事看板 事務所地区の取り組み 事務所地区では、労働安全衛生活動を行っています。 50人以上の事業所においては衛生委員会を設置し、 10人以上の事業 所においては衛生推進者を選任して活動を推進しています。事務所地区は神保町三井ビル内の東京本社地区と全国61か所に 分散した支店・営業所地区の2つに分類されます。 東京本社地区(神保町) 33 毎月開催している東京本社地区の衛生委員会では、健康管理・安全管理・職 場巡視の3つを主テーマに情報共有や議論を行っています。2012年度は、ロー ルプレイを取り入れた会場参加型のメンタルヘルスセミナーを開催したり、神保町 本社移転前に実施していた「旭化成リフレッシュ体操」や水島地区の「てんとうむ し(転倒無し)体操」を紹介しました。特に力を入れたのは、職場巡視の強化です。 具体的には、月ごとに巡視エリアと重点項目を決めて衛生委員会の開始前に 巡視を行い、衛生委員会の中で結果を共有するようにしています。巡視エリア の職場には事前アナウンスをするとともに、写真付の報告書を回覧するように しています。その結果、以前より共有設備や各自のデスクの整理整頓が行われ るようになり、通路の安全確保が進みました。今後は、各事務所地区の衛生委 員会と連携して、ファーマ事務所地区全体としての取り組みに拡大して行きた いと考えています。 ドライブレコーダー設置 事故前後の画像記録の確認例 (2012年10月∼2013年3月) ①自転車・バイク (原付) との 「ヒヤリ・ハット事例」が必要な理由 ②天候不良(雨・雪・風等)にて 巡視前の 状況 安全基本行動基準 (営業車両チェックシート) ハインリッヒの法則(1:29:300)の法則 ③駐車場内外にて ④交差点内外にて ⑤車線変更・割込運転にて 死亡・重症 ⑥歩行者との ⑦高速道路内外にて ⑧前方不注意・わき見運転にて は、 故に 大事 ハット の重 ヤリ・ 件 ヒ 1 る 件の れてい 300 が隠 ⑨急停止・一時不停止にて ⑩体調不良(疲れていた等)にて 軽症 ヒヤリ・ハット 巡視後の 改善状況 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ 更にこの下には幾千件もの 「不安定行動」 と 「不安定状態」が存在する 34 2 0 R 1 C 3 健康管理活動への取り組み 大仁健康管理室の活動 旭化成ファーマの健康管理活動は、7つの健康管理室(センター)を中心に実施しています。 事務所地区は、東京本社と全国61ヶ所に分散した支店・営業所があるため、東京、大阪、名古屋、福岡の4つの 健康管理室を中心に、工場地区については、大仁、富士、延岡地区内にある健康管理室(センター)を中心に活動 を実施しています。 健康管理活動は、主に健康増進活動とメンタルヘルス対策の2つであり、健康増進活動は、健康診断結果を元に、 保健スタッフによる面談や特定保健指導を実施するとともに、職場巡視や健康セミナーの開催などを実施しています。 メンタルヘルス対策は、メンタルヘルス自己チェックの実施(セルフケア)、心の健康診断(e診断)、過重労働者 に対する産業医面談等を実施するとともに、メンタルヘルス研修などを開催しています。 旭化成ファーマでは、全国各地の支店・営業所に勤務する従業員が全体の約半数になるので、遠隔地における健康 管理活動を高めて平準化することが重要な課題です。 以下に、各健康管理室の活動を紹介します。今回は特に、2012年度からすべての事務所地区に導入されたe診断 の導入状況の紹介と、遠隔地の支店・営業所の従業員に対する保健スタッフによる面談へのWeb会議システムの導入 の検討状況について紹介します。 Webを利用した面談の導入 (東京健康管理室) 東京健康管理室では、神保町本社や首都圏在勤者以外に、札幌・仙台をはじめとする東日本遠隔地の従業員の健康 管理も行っています。遠隔地は、年に1度の訪問面談以外にタイムリーに面談することが困難なことが多く、電話や メールといった手段で健康状況を確認せざるを得ませんでした。 そこで、Webを利用することで対面に近い産業医面談が行えるよう、 旭化成ファーマが既に導入しているMeetingPlaza(Web会議システム) を使った面談の試行を始めました。 このWeb会議システムの活用方法としては、 大仁健康管理室は産業医3名(名古屋地区産業医1名含む)、看護師2名で静岡県伊豆の国市の工場、研究部場お よび愛知県みよし市の名古屋医薬工場の従業員の健康管理を行っています。 健康保健スタッフの皆さん 山田先生 寺門先生 西川先生 安岡さん 佐藤さん (産業医) (産業医) (産業医) (看護師) ◆健康管理室リニューアル◆ 2013年2月、大仁地区ビル1階に、健康管理室を移転しました。 新健康管理室は、薄いピンク色を基調とした 内装、室内には、耳に心地よいヒーリングミュージックが流れており、新健康管理室を訪れる方に、癒しを提供でき るような空間となっています。 血圧計や体脂肪計などの測定器具の設置や、従業員の交流の場としての歓談コーナー(写真①)、健康面の注意を 促すポスターや、『健康life』を定期的に掲示し(写真②)、従業員の健康づくりへのサポートを行っています。 新健康管理室 Web面談の様子 休養室 ▲ ①健康診断後のフォローアップ面談 ②e診断結果に基づく面談 ③長時間労働者への面談 ④休業や復職、勤務制限といった就業に関わる措置判断をするための面談 などがあり、表情が見えない電話やメールといった手段より有効であると思われます。 (写真③) 旭化成ファーマ医薬営業本部の協力を得て、 いくつかの旭化成ファーマの支店において試行を始め、2013年度下期より本格 的な活用を始める予定で準備を進めています。 これによって、 フォローが手薄であった遠隔地従業員に対しても神保町勤務従業員 と同等レベルの健康管理ができると考えています。 さらに、 このシステムはネットワーク環境さえ整えば海外勤務者にも活用できるた め、海外赴任中の従業員に対する充実した健康管理のための有効かつ効率的な方法と期待しています。 (写真④) 歓談コーナー ▲ (写真①) 掲示板 ▲ 2013年度より、 メンタルヘルス対策の一環として 「e診断システム」 がファーマ事務所地区全体に導入されました。 「e診断システ ム」 とはストレスのセルフチェックを行なえるシステムで、基本的には社内Webシステム(業務環境によっては紙ベース)を利用して実 施しています。 大阪地区では、定期健康診断と同じ時期(4月)に実施しました。新薬プロモーション開始時期と重なったこともあり出足は芳しくな かったのですが、適宜未受診者フォローを行なった結果、回答率は91. 4%と高く、従業員の皆さんの関心の高さをうかがうことがで きました。 e診断システムは診断結果を即時に見ることができるため、受診者本人がストレスに対する気づきや対応に役立てることが出来 ます。相談の申し込みもできるため、希望者には産業医面談を実施しています。 また、担当保健スタッフが診断結果を閲覧できるた め、 ストレスが高い状態の従業員には問診と産業医面談、 もしくは保健師による電話面談にて話を聞くようにしています。 『あの時 はとても忙しかった。今は落ち着いている』 『 今もツライ』 など従業員の状況は様々ですが、一人ひとりの抱えている思いを受け止め ながらメンタル不調の早期発見・早期対応となるよう努めています。他にも、組織診断が可能なため、組織の面からの支援対応に 役立てることができます。 e診断システムの様々な支援方法を通して、従業員が心身共により健康的に過ごせるためのサポートをこれからも行なっていきた いと思います。 カウンセリングルーム ▲ e診断の導入状況について (大阪健康管理室) 35 年 報告書 年 報告書 2 0 R 1 C 3 (写真②) 休養室には、体調が悪くなられた方が休めるように、2台のベッドを設置しているほか(写真③)、カウンセリング ルームを備えており(写真④)、専任のカウンセラーによるカウンセリング窓口の開設(2回/月 第2・4水曜日 の午後)や、保健スタッフによる健康相談を受けられる体制も整えています。 健康管理室というと、なかなか足を運びにくいというイメージがありますが、従業員が気軽に来られるような健康 管理室となるよう、さらに改善を重ねていきたいと思っています。 2013年度は、今まで以上に積極的に現場に足を運び、職場健康相談や、看護師による健康セミナーも実施してい きたいと考えています。 36 2 0 R 1 C 3 東京健康管理室の活動 大阪健康管理室の活動 1、東京健康管理室の概要 東京健康管理室は、旭化成グループの東日本全域(工場地区及び旭化成ホームズ等の一部を除く)と海外勤務者の 約4,000人の従業員の健康管理を行っています。産業医5名(うち1名は精神科医)、保健師3名、事務スタッフ3名 が東京の本社・神保町三井ビルを拠点として健康管理活動を行っています。 健康保健スタッフの皆さん 左写真(産業医/東京健康管理室) 上 渡辺先生(精神科医) 下 高橋先生 中央写真(東京健康管理室) 後列中央 小山室長(統括産業医) 後列左から 二人目 千田さん(保健師:ファーマ担当) 後列右端 武田さん(保健師:ファーマ仙台担当) 右写真(社外健診機関からの派遣スタッフ) 上 菅野さん(保健師:札幌担当) 下 大堀さん(保健師:仙台担当) 2、健康増進活動 神保町地区禁煙推進プロジェクトでの健康づくり活動を紹介します。 神保町地区禁煙推進プロジェクトとは、2011年に発足した主に神保町地区での禁煙支援活動を推進する組織で、 持株とすべての事業会社の衛生委員会から選出されたメンバーで構成されています。2年目の今回は年2回の全館禁 煙デーや個別サポートに加え、健康増進企画「健康づくりフェスタ in 神保町」を開催しました。 『2012 健康づくりフェスタi n 神保町 ∼確かめてみよう 「からだの年齢」∼』 中之島ダイビル33階にある大阪健康管理室は、産業医3名、保健スタッ フ2名にて近畿一円・北陸・中国・四国地区、そして2013年夏からは名古 屋・東海地区、福岡(九州)地区も加わり、旭化成グループ西日本全域(旭化成 ホームズ等一部を除く)の従業員の健康管理を行っています。 定期健診後の 産業医フォローアップ面談 では、有所見者を中心に、健診 内容だけでなく生活スタイルや業務状況等についても話を聞き、総合的な健 康支援を行っています。遠隔地区の従業員とは、主にメールや手紙・電話で のフォローが中心ですが、2012年度は保健師による訪問面談を神戸・京都 ・北陸・中国・四国にて実施しました。従業員のほぼ全員の方と面談するこ とができたことで、今まで以上の信頼関係を築いたり、各地区の特徴(若手 社員が多い、有所見者が多い等)を把握するきっかけとなりました。 骨の健康測定の様子 全従業員を対象に健康を振り返るきっかけづくりを目的に、10月の労働安全 衛生週間に健康測定イベントを開催しました。 保健スタッフの皆さん 中央 田中先生(産業医) 左 山科さん(保健師) 右 西野さん(看護師) 健康づくり企画では、毎年「歩こうキャンペーン」を実施しています。Webシステムを利用してのウォークラリ ーで、昨年は全体で300名以上(内、ファーマは86名)が参加しました。チーム参加者がとても多いため職場での 話題作りにもなっているとの声を聞いています。また「特定保健指導(Asahiヘルスアッププログラム)」(近畿一円の み実施)では、大阪は2013年度から対象を全年齢に広げ、より従業員の健康支援につながるよう取り組んでいます。 面談等を通して、長時間・長距離運転、不規則になりがちな食事、 そしてそれらに伴う身体不調が起きていることも産業医・保 健師共に気になっています。 これらのことも含め、従業員が心身共に健康的に過ごしていけるよう、 これからもサポートさせていただ きたいと思います。 福岡健康管理室の活動 福岡健康管理担当は、九州各営業所(沖縄県を含む)の従業員の健康診断 の実施、産業医と連携した健診後のヘルスチェック、要管理者の産業医面談、 健康相談、特定保健指導、メンタルヘルスケア、過重労働防止対策と啓蒙活 動を実施しており、その他、ウォーキング活動や、グループ会社間のコミュ ニケーション活動にも取り組んでいます。 春と秋のウォーキングキャンペーンを実施するようになり、キャンペーン 期間が終わっても「『ウォーキング』を意識するようになった。」「万歩計 を持って毎日歩いている」という嬉しい声を聞くことができました。歩数を 皆と競って歩くことも楽しいですが、毎日の生活の中にウォーキングが組み 込まれていき、従業員の健康管理の底上げの一助となればキャンペーンの目 的の一つが達成されたものと思います。今回は支店全員でのエントリーもあ りました。支店内でのコミュニケーションのツールにしていただけたらと思 います。 健康づくりフェスタ会場の様子 年 報告書 年 報告書 2 0 R 1 C 3 保健スタッフの皆さん 中央 大坪先生(産業医) 左 堤 さん(事務スタッフ) 右 杉尾さん(事務スタッフ) また 本年度のグループ全体の行事としては「サマーフェスタ」を7月に実施しました。イベントとして、支店長 を中心にメンバーを募り、それぞれに練習を重ね、バンド演奏を披露してもらいました。プロ級の腕前で、従業員を 驚かせていました。仕事が忙しい中でも各自で練習をしたり、集って演奏を楽しむなど、リフレッシュの時間の大切 さを改めて感じることができたのではないかと思います。 ■測定項目 ①血管年齢 ②骨の健康 ③肺年齢 (いずれも喫煙に関係する項目) ■開催場所 神保町三井ビル4階会議室 2日間で409名のたくさんの従業員が参加し、健康診断では測定しない「からだの年齢」測定を体験しました。 参加者からは「とてもためになった」「生活を見直そうと思った」「来年も参加したい」といった声が多く聞かれ、 健康を振り返る良い機会を提供できたと感じています。また、禁煙推進プロジェクトの活動についても多くの従業員 から賛同を得ることが出来ました。今後も健康づくりイベントを継続していく予定です。 37 東京健康管理室はこれからも従業員が持っている能力を発揮し、活き活きと仕事ができるよう、心身両面から健康 をサポートしていきます。 サマーフェスタ (集合写真) サマーフェスタ (バンド演奏) これからも従業員の日頃の健康管理の支援を続けていくとともに、色々な機会を提供できるように活動をしていきたいと思います。 38 コンプライアンスの徹底 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 「コンプライアンス強化」について 2012年度は旭化成ファーマにとって、新薬の展開、臨床開発の推進、事業の海外展開等、飛躍の年にあたって原 旭化成グループでは、「企業倫理委員会」を設置し、また「企業倫理に関する方針・行動基準」を制定してコンプ ライアンスの徹底に取り組んでいます。その中で旭化成ファーマは、さらに高い倫理意識・遵法精神が求められてい る製薬企業として、「コード・オブ・プラクティス」を制定し事業活動を行っています。 点に今一度立ち返り、足元を見つめ直すことが重要な年でした。また、医薬業界にとっても、医療機関等への金銭提 供を公開する透明性ガイドラインが施行されたり、さらには医療用医薬品公正競争規約の飲食提供等の規制が見直さ れた年でもありました。このような節目の年にあたり、役員を含む旭化成ファーマで働く従業員全員が日々の行動を 見直し、コンプライアンスに対する意識を新たにしようと定めたのが、「コンプライアンス強化元年」です。その取 り組みについて紹介します。 「コード・オブ・プラクティス」の制定 研究開発志向型の製薬企業70社(2013年4月現在)が加盟する任意団体である日本製薬工業協会(以下、製薬協) では、従来、医療関係者等に対するプロモーション活動の行動基準として「医療用医薬品プロモーションコード」を 策定しており、それに準拠しながら旭化成ファーマにおいても独自のプロモーションコードを制定してきています。 この度、国際製薬団体連合会(以下、IFPMA)がマーケティングコードをコード・オブ・プラクティスとして改 定したこともあり、製薬協でもプロモーションコードを発展させコード・オブ・プラクティスとして定めるとともに、 会員各社に対してその制定を要請しました。こうした背景・要請もあり、2013年3月に経営陣の承諾を得て旭化成 ファーマのコード・オブ・プラクティスを制定しました。 このコード・オブ・プラックティスは、これまでのコードを発展させたものとなっています。その大きな変更点は、 適用対象範囲を拡大して営業関係だけでなく全ての役員および従業員に対して適用するとしたことです。 旭化成ファーマは、旭化成グループの一員としてその事業活動を行っています。そのため、グループとして199 8年8月に定めた「企業倫理に関する方針・行動基準」が企業活動の原点となっています。その後、製薬企業における コンプライアンスは、公的保険制度のもとで事業を行っている企業であることから、単なる法令遵守にとどまらず「 社会的要請への配慮」まで含めたものでなければないことに基づいて、さらに旭化成ファーマとして「コンプライア ンス・スタンダード」を2001年8月に制定し、それらに則った行動をしてきています。昨年度はこうした基本となる 行動基準の再認識をとおしてコンプライアンスの強化を推進しました。 それは社長自らが「コンプライアンス強化元年」として、その意図を従業員に説くとともに、先頭に立ってその推 進を図ることを宣言することから始めました。 私たち従業員の活動としては、まず原点に立ち戻る意味から、我々の寄って立つ「旭化成のグループ理念」や「旭 化成ファーマの企業理念」を具体化している「企業倫理に関する方針・行動基準」および「コンプライアンス・スタ ンダード」について、それぞれの部場で読み合わせをしました。その趣旨は、何気なく読み飛ばしていた一文、一言 を皆で再読することにより、その背景を吟味、再認識することで一人ひとりが自分のものとして修得することにあり ました。また、その前提として管理者研修を先行させました。さらに、コンプライアンス・スタンダードをはじめ薬 このコードは、製薬協のコードに準拠しており、その構成は次のとおりですが、理念を除き同様としました。 事法などの理解レベルの向上を目指し全社同一内容での eラーニングを複数回実施しています。 「コンプライアンス強化元年」は、このような教育・研修だけでなく、「ルールを守る」ことと「事実に基づいて 業務を遂行する」誠実さをもって正々堂々と活動する会社であるために、ルール・仕組みの整備、モニタリング・監 旭化成のグループ理念および旭化成ファーマの企業理念 序文「はじめに」 第1章 製薬企業としての基本的責務 第2章 経営トップの責務 第3章 企業活動の原則 1.試験・研究活動 査の強化などにも取り組んでいます。その取り組み姿勢は、ユーザー視点に立って適切な行動をとるため、旭化成フ ァーマの全員が価値観を共有し、視野を拡げ、バランス感覚を磨くことが必要であるとの認識に立っています。 昨年度、「強化元年」と定めたのは、当然、それに続く年を意識してのものです。 私たちは、いのちにかかわる 事業に携わる者としての自覚をもって、また患者さんや健康を願う人々の視点に立って、2013年度も引き続き、「 コンプライアンス強化年」2年目を進化させた形でその推進に取り組みます。 2.情報発信活動 3.患者団体との協働 4.卸業者との関係 5.国外における活動 第4章 医薬関係者・医療機関等に対するプロモーション活動 ◀ 旭化成グループ 「企業倫理に関する方針・行動基準」 (冊子) このコードは、旭化成のグループ理念、旭化成ファーマの企業理念およびコンプライアンス・スタンダードのもと、 当社とその国内子会社の全役員・全従業員と医療関係者、医療機関、研究者、患者団体、卸売業者との交流を対象と した企業活動における高い倫理性と透明性を確保し、説明責任を果たし、社会の信頼にこたえるための行動規範を再 確認する目的で策定したものです。 39 このコード・オブ・プラックティスの周知を通じ、医療従事者の意識をもって常に誠実に日々の仕事に従事してい きます。また、「世界の人びとの いのち と くらし に貢献する」という、旭化成グループおよび旭化成ファーマ の企業理念の実現に着実に歩みを進めています。 ◀ これまで、コンプライアンス室主催の説明会を全部署を対象として開催し、旭化成のグループ理念、旭化成ファー マの企業理念、コンプライアンス・スタンダードおよびプロモーションコード等とともに、コード・オブ・プラック ティスを周知してきました。 企業倫理に関する方針 1.価値創造と社会貢献 2.環境・安全・健康への配慮 3.社会的規範の遵守 4.反社会的勢力の排除 5.個人の人格の尊重 6.経営の透明性の確保 7.情報と知的財産の尊重 8.企業倫理の実践 旭化成ファーマ コンプライアンス・スタンダード 構成は、 「はじめに」 と 「基本的な心構え」 に始まり 「国際基準、海外法令への対応と貢献」 に終わる 28項目に渡る基準と、 「違反に対する罰則」 から なり、基準は、 さらに本文、解説、関連法令・規則か らなります。 40 2 0 R 1 C 3 年 報告書 年 報告書 2 0 R 1 C 3 スポーツ・レクリエーション活動 (大仁医薬工場) スポーツ・レクリエーション活動 スポーツ・レクリエーション活動 (富士医薬工場) 富士医薬工場では、スポーツ・レクリエーション活動を、従業員の健康保持と職場のコミュニケーション活性化の ための重要な活動として位置付けています。富士支社や労働組合が主催するバトミントン大会、駅伝大会、ソフトボ ール大会などには、毎年職場の新人から50代後半まで幅広い年齢層の従業員が多数参加し、好成績を収めています。 また、陸上競技においては、社内外の大会で優秀な成績を収めている職員もいます。その他、ウォーキングでは、部 場独自の目標(コース)設定と表彰制度を設け、毎年多くの目標達成者が出ています。 大仁医薬工場では昨年からリフレッシュ活動の一環で開催している輪投げ大会を今年も開催しました。2回目とあ って好成績を出そうと力が入り大いに盛り上がりました。その他、社内のスポーツ大会に職場有志でチームを作り、 バドミントン、ソフトバレー、ソフトボール大会に参加し職場の絆を深めました。ソフトボール大会とバドミントン 大会では共に3位と好成績を収めることができました。 輪投げ大会 支社バトミントン大会 支社駅伝大会 スポーツ・レクリエーション活動 (名古屋医薬工場) 名古屋医薬工場では積極的にスポーツ活動をしています。工場内では課対抗のソフトボール大会や個人戦のボーリ ング大会を催し、ほぼ全員が参加しています。対外的にはみよし市工業経済会主催のスポーツ大会や、地域で開催さ れるマラソン大会や駅伝大会に毎年参加しています。また今年は工場の有志でバドミントンクラブを結成し、毎週近 くの体育館を借りて汗を流しています。 レクリエーションとしては工場と組合の共催で、「岐阜バスツアー」を企画し、岐阜のオアシスパークや航空宇宙 科学博物館を見学しました。多くの家族が参加しました。 室内競技大会の様子(1) 室内競技大会の様子(2) スポーツ・レクリエーション活動 (医薬研究センター) 2012年度、医薬研究センターでは、スポーツ大会やレク大会を通して所員の親交を深め、心身の健康づくりを推 進しました。日の長い夏にミニサッカー大会やソフトボール大会で汗を流し、寒い冬に体育館で卓球やバトミントン を楽しみました。これまでにない面白い企画だった紙相撲大会や利きジュース大会では、会場が笑い声であふれまし た。12月にはクリスマスビンゴ大会を催し、大きな歓声につつまれました。例年、開催しているボーリング大会には 今年も多くの方が参加し盛り上がりました。 スポーツ大会では、比較的入社年度の浅い若い所員の参加が目立ちましたが、比較的参加しやすいビンゴ大会など では、スポーツ大会とはちょっと違った顔ぶれがそろいました。毎年、熟練者が上位に名を連ねるボーリング大会で すが、くじ引きと組み合わせて景品がもらえる方法にしたので、それなりの順位の所員も希望の景品がもらえたかも しれません。レク活動は、業務とは別に所員が一体感を味わって仲間と親睦を深めることができる良い機会なので、 今後も、より幅広い年齢層が参加できるレク活動を企画し、所員のリフレッシュに貢献していきます。 ソフトボール大会 バドミントン大会 社員旅行「ひとみ会」(旭化成アイミー) 恒例の社員旅行を今年はできるだけ従業員が参加しやすいように、一泊と日帰り(子供連れ)の2回に分けて、 熊本、阿蘇方面に出かけました。馬尽くし(刺し、焼肉)をお腹一杯堪能し、武将隊の熱烈なおもてなしとリンゴを 探すのに苦労したリンゴ狩りで、日頃のストレスを発散した楽しい旅行でした。 ハイキング 「遊歩会」 (大仁地区) 「遊歩会」 では、大仁地区従業員を中心に親睦と健康活動を兼ねて毎月1回、四季折々の日帰りハイキングコースを設定して活 動を続けています。 2012年度の活動は4月の藤の花から始まり、5月のツツジ、6月の紫陽花と季節の花を楽しむコースを計画しました。8月は富士 登山を行い、下山してからの懇親会 (完歩会) はいつも以上に盛り上がりました。毎月1回のハイキング活動を重ね12月には記念す べき200回目を迎えました。 200回記念ハイキングは、宿泊を兼ねて静岡・山梨の県境にある 「八紘嶺」 (1,918m) に出かけました。永く活動を続けるため、 ハイキングコースを歩くだけでなく色々なイベントを組み合わせて行っています。静岡県立美術館の展示品鑑賞もその一つでした。 日頃接することの少ない人たちと一日楽しめるのもハイキングの魅力です。 ファーマ社員の親睦を深めるため、大仁地区だけでな く神保町勤務の従業員にも参加してもらえるよう活動中です。 これからも楽しめるハイキングを目指していきます。 スポーツ・レクリエーション活動 (診断薬製品部・大仁) 41 大仁駐在の診断薬製品部(大仁診断薬工場と開発研究グループ)ではリフレッシュ活動として毎年合同のボーリン グ大会を実施しています。2012年度は大仁ボウルにて9月7日(金)と2月8日(金)の2回開催され、合わせて延べ50名 以上が参加して熱戦を繰り広げました。 過去十数年は工場、研究グループとも若いスタッフの加入が少なく、活動への参加人数も減少傾向で一時中断した こともありましたが、ここ数年でいずれもフレッシュな新人が続々と加入し、職場の若返りが進んでいます。彼らの 活力がリフレッシュ活動を盛り上げ、活発化することを期待しています。 6月:鎌倉ハイキング(源氏山にて) 8月:富士登山(富士山頂にて) 1月:清水ハイキング(県立美術館にて) 42 職業インタビュー 次世代育成への取り組み 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 医薬研究センター 製剤研究部 西尾 文秀さん 大仁地区 2012年8月20日に廣田さんと、 地元中学生の夏休み 課題である理科の自由研究「飲み薬が開発・販売されるまで」 と、 インターンシップの受入れ 診断薬製品部 開発研究グループ 2012年度は診断薬製品部 開発研究グループにおいて、大学院生 1名、高専生1名のインターンシップの受入れを行いました。 与えられた課題に対し自ら考え、 わからないことに対しては積極的に質問 し、熱心に取り組む姿がとても印象的でした。我々社員も学生さんから良い 刺激をもらった数週間でした。 総合学習「職業インタビュー」 に協力しました。 事前に20項目ほど質問があり、 その回答と、薬が販売される までの流れを平易な図を用いて説明しました。 「なぜこの仕 事に就いたの?」、 「これからの夢は?」 などの質問には新入社員 の頃の事を思い出しました。 10数年後には、 すばらしい医薬品 伊東市立対島中学校1年生 吉田さん (右から2番目) とご家族、 ご友人 右端が医薬生産センター 医薬生産管理部 廣田さん、左端が医薬研究センター 製剤研究部 西尾さん 工場見学:静岡県東部支部高等学校理科教員 2012年11月7日、静岡県高等学校東部支部の理科教師8名が、教員の資質向 上につながる事を目的として工場見学を行いました。当日は大仁診断薬工場と合成化学研 究部の見学と説明を実施しましたが、参加者からは、医療用医薬品が上市されるまで10 年以上かかることに驚きの感想が寄せられました。 工場見学:伊豆の国市立長岡南小学校 研究者になってくれるとうれしく思います。 植菌作業の実習 名古屋医薬工場 工場見学:中部大学 生命健康学部 自動分析装置による測定 2012年6月13日と15日の2日間、伊豆の国市立長岡南小学校の3年生約90名が社会科の学習の一環として工 場見学に訪れました。同小学校は昨年度も工場見学を行いましたが、大変好評だったとのことで今年度も見学に来てくれました。排 水工場での見学では、 ビンに入った排水サンプルを渡し 「微生物が水をきれいにします」 という説明に 「微生物見えるかな?」 と探す かわいい3年生の姿も見られました。 リサイクルセンターでの見学では、分別すればゴミではなくなることを一生懸命メモしていました。 2012年11月14日、中部大学 生命健康 学部生命医科学科の学生・教員20名が、名古 屋医薬工場を見学しました。日頃大学で生命医 科学の勉強をしている学生も、実際の製剤工程 を見るのは初めてで、大変貴重な経験になった と喜んでいました。 工場見学:みよし市の地域住民の皆さん 2013年1月23日、地元のみよし市福田 行政区の区長さん、および福田区の長寿会の方、 計16名が工場見学に訪れました。 排水設備の説明をする 大仁医薬工場の上野さん 排水サンプル 「見せて!見せて∼!」 リサイクルセンターにて説明する 環境安全部の稲葉さん 中部大学生へ世古口工場長より説明 旭化成アイミー 受入授業 旭化成アイミーは、コンタクトレンズとケア製品という身近な製品を生産しています。 2012年度も中学生から大学生まで社会科授業の一環として幅広く受け入れ、授業を行いました。 主な内容はレンズ製造方法及びレンズ理論の講義と工場見学です。九州保健福祉大学の学生への授業は、専門性が 特に要求されるため営業からの専門スタッフによる対応を行いました。 排水設備の前で「はいポーズ」 秋の昆虫探し:伊豆の国市立大仁小学校 43 昆虫を夢中で探す子供たち 2012年9月24日、大仁小学校の1年生約65名が、昨年に引き続き工場跡 地の緑地へ昆虫探しに訪れました。今年は昨年に比べトンボが多く、一生懸命トンボを 追いかけていました。 「先生、 ゲットしたよー!」 と、所々でうれしそうな声が聞こえました。引 率の先生方も緑地の広さに驚かれ、 「こんなに広い場所を提供してくれてありがたい」 な どとおっしゃっていただきました。私どもも地域の子供たちに喜んでもらい、 うれしく思いま した。 九州保健福祉大学 視能検査学演習3年次 24名 延岡市教育委員会講師派遣授業 延岡市立中学校3年生 24名 44 年 報告書 2 0 R 1 C 3 年 報告書 2 0 R 1 C 3 サマーフェスタ 地域との交流・表彰 大仁地区 地域貢献 2012年7月30日、大仁地区にて恒例のサマーフェスタを開催しました。 出店や従業員によるパフォーマンス等、全員で楽しめる催しものが多く、年々来客数が増えています。地元の方々や OBの方々との話しにも花が咲き、お子さんが楽しめるゲームコーナーも大盛況でした。 交通安全キャンペーン (大仁地区) 大仁地区では年4回、交通安全キャンぺーンを実 施しています。 静岡県交通安全運動の期間に合わせて、始業前に 正門前を中心に交通安全の旗を掲げて出勤する従業 員に声をかけています。正門付近は近隣の方の通勤 ・通学路になっており、従業員のみならず、通勤・ 通学途中の小中学生や近隣の方への交通安全啓蒙活 動になっています。 旗を持って交通安全を呼びかけています オープン・オフィス・デイ (東京本社地区) ちびっ子コーナーも大盛況 2012年8月3日、東京本社地区でオープン・ オフィス・デイが開催され、従業員の家族が職場見 学や体験学習を行いました。体験学習では、旭化成 グループの8事業会社が各社の特徴を生かしたブー スを出展し、旭化成ファーマは、コーヒーフィルタ ーを使って水性サインペンの色を分ける実験をした り、人体模型を使って薬がどのように効いていくの かを人体模型を使って説明をしました。 お酒も入り話に花が咲きます 名古屋医薬工場 毎年恒例の名古屋医薬工場ファミリーフェスタを11月3日に開催しました。2012年は名古屋医薬工場で医薬 品の製造を開始して30周年にあたります。そこで記念イベントとして今年は工場見学だけでなく「運動会」を開催 しました。働く仲間とその家族の約90名が参加して、楽しい一日を過ごしました。 理科の授業より楽しいかも? クリーン活動 大仁地区 大仁地区では毎年秋に、地区周辺の公道のクリーン活動を 実施して、近隣の美化に協力しています。 2012年は10月20日の土曜日の午前中に、2つのコ ースに分かれて家族を含めて134名が約2時間、地区周辺 のゴミを拾いながら歩いて回りました。タバコの吸い殻や空 き缶、ペットボトルなどたくさんのゴミが落ちていることが わかり、改めてポイ捨てを防止しなければいけないことを認 識しました。回収したゴミは分別して処理しました。 白熱の紅白リレー:お父さんガンバレ! 三輪車レース:my三輪車でLet'sgo! 富士医薬工場 富士地区では毎年8月に富士支社サマーフェスタが開 催されます。地区内の部場やサークル、協力会社、O B 会 などから、合計30店を超える模擬店が出店します。富 士医薬工場からも毎年出店しています。 2012年は焼 き立てフランクフルトとよく冷えた生ビールなどの飲み 物を販売、大盛況のうちに完売し、社員はもとより周辺 地域から参加いただいた老若男女、多数の近隣住民の皆 さんにも喜んでいただきました。 たくさんのゴミが集まりました 富士医薬工場 富士医薬工場では、地域とのコミュニケーション活動として 富士支社が行うクリーン作戦に毎年参加し、支社周辺の伏川土 手歩道や国道1号線沿いの歩道の清掃活動を実施しています。 ポイ捨てされた空き缶やガラス瓶の破片、レジ袋、タバコの吸 い殻など、毎回多くのゴミが回収されました。 富士医薬工場では全員参加で実施しています 45 スライム作り:子供たち熱中 サマーフェスタの模擬店の様子 社団法人静岡県労働基準協会 安全衛生個人功績賞受賞 (環境安全部 野呂正司さん) 野呂さんは、永年にわたり、事業会社、地域、関連企業等の安全衛 生活動に積極的に携わり、三島労働基準協会衛生部会長を2年間務め、 地域の労働衛生活動の向上に貢献してきました。事業場においては、 労働安全衛生マネジメントシステムを積極的に運用し、危険・有害要 因の調査・特定と、その結果に基づく対策を着実に推進してきました。 46 2012年度RC目標の達成状況 2012年度のRC目標 年 報告書 2 0 R 1 C 3 2012年度のRC実績結果 2013年度のRC目標 コンプライアンス違反は発生しませんでした。 関係会社におけるRC活動の活性化 RC監査等を行いました。 地域・社会とのコミュニケーションの 促進 RC報告書の発行を行いました。 製品安全事故ゼロの継続 製品安全事故および製品回収は発生しませ んでした。 製品安全トレンドへの対応 必要な対応・対策が取られていることをRC監 査等で確認しました。 環境汚染事故・ トラブルの撲滅 環境汚染事故、 トラブルは発生しませんでし た。 生物多様性の保全 製品安全トレンドへの対応 産業廃棄物の最終処分は目標を達成しまし たが再資源化率は目標を達成できませんでし た。 環境汚染事故・トラブルの撲滅 エネルギー消費原単位 (省エネ法) は前年度 比8. 9%削減しました。温室効果ガス排出量 は基準年度比で82%削減しました。 地球環境対策 PRTR・VOC物質の排出量は2000年度比 98%(PRTR)、 及び96%(VOC)削減しました。 生物資源調達に伴う生物多様性 保全の推進 カルタヘナ法、実験動物取扱上でのトラブ ルは発生しませんでした。 産業事故ゼロの継続とトラブルの撲 産業事故、 トラブルは発生しませんでした。 滅 変更管理運用の徹底を継続しました。 セーフティアセスメントの徹底 製品安全事故ゼロの継続 セーフティアセスメントの評価を実施しました。 継続した対策及び見直しを進めました。 震災対応見直しと防災体制の整備、 継続して見直しを進め、維持向上を図りました。 機能維持と向上 特定建築物の耐震改修、特定建築 計画に沿った見直しを実施しました。 物以外の建屋の耐震診断の推進 継続した対策及び見直しを進めました。 循環型社会の形成 化学物質の排出量削減 CSR調達の推進 産業事故ゼロの継続とトラブルの撲滅 変更管理の運用の徹底 リスクアセスメントの徹底 引火・爆発・漏洩危険箇所の継続的 見直しの実施と対策 震災対応見直しと防災体制の整備、 機能維持と向上 特定建築物の耐震改修、特定建築 物以外の建屋の耐震改修の推進 老朽化・劣化・未点検危険箇所の継 続的見直しの実施と対策 労働災害の撲滅 休業災害は発生しませんでしたが不休・応急 23件の労災が発生しました。 OHSMSの定着化 リスクアセスメント実施要領を見直しリスクの 再評価を実施しました。 OHSMSの深化 安全作業基準順守の徹底 各部場で定着が図られました。 機械への挟まれ・巻き込まれ災害の 撲滅 挟まれ・巻き込まれ災害の撲滅 挟まれ・巻き込まれ災害は発生しませんでした。 構内協力会社の安全管理の指導 強化 設備工事業者の重篤災害の撲滅 設備工事業者による労災休業1件、不休 1件が発生しました。 労働災害の撲滅 設備工事安全管理の強化 RC報告書2013の発行にあたって RC活動は、製品の研究、開発から製造、販売、物流、最終消費を経て廃棄に 至るまでの製品ライフサイクルすべてにわたる事業活動の根幹です。またRC 活動の精神は自主管理、自己責任、情報開示です。この精神に沿って、「より 見やすく」「より判りやすく」「より数値化して」を編集の目標としてRC報 告書2013をまとめました。 今後とも地域社会やお客様をはじめとする多くの皆さまから、より信頼され、 健康診断要管理者の低減 メンタル不調者の早期発見・早期対応 47 健康管理体制の強化 全社平均の健康成績のトレンドには改善 従業員の健康保持増進活動の推進 傾向が見られますが、従業員の約半数が メンタルヘルス対策の推進とサポート 体制の充実 勤務している地方の各支店・営業所での 健康管理活動への支援が不充分でした。 健康管理活動の支援 より期待に応えられるようにRC活動を推進してまいります。 RC報告書編集スタッフ一同 健康で明るく快適な生活は、人びとの共通の願いです。 (写真の説明) ● 表 紙/静岡県富士宮市、絶壁から絹糸を垂らしたように流れ落ちる「白糸の滝」 ● 表紙裏/静岡県伊豆市、迫力とともに清涼な風情が漂う 「浄蓮の滝」 www.asahikasei-pharma.co.jp 経営統括総部 総務部 TEL:03-3296-3600 FAX:03-3296-3680 2013.09
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