ヨットアン5 の

日本列島22昼夜
ヨットアン5の
y a c h t _ A n n e 5
ファイブ
つぶやき航海記
Twitter
駒井俊之
日本列島22昼夜
ヨットアン5の
y a c h t _ A n n e 5
ファイブ
つぶやき航海記
Twitter
駒井俊之
1
はじめに
35年前、30歳の頃に最初のクルーザーレッドスター15を3
人で共同購入した。百貨店で80万円で売っていた。長男が、
2歳だった。そのレッドスターは15フィート、とてもクルー
ザーとはいえなかったが、十分に楽しんだ。数十マイル先、
豊浜港まで出かけたこともあった。その後、19フィート、
24フィーと中古艇を買い換えて、32フィートを経て現在の
Anne5に至った。
クラブレースに参加していた時期もあった。クルーの技量
アップを目指してたが、遂に定着するメンバーはいなかっ
た。自分の仕事が忙しくて、中長期に渡ってヨットに乗れな
くなることもあったから致し方ない。追い詰められたベンチ
ャー経営者には、ヨットに乗る余裕が全くなくなることも多
かった。
でも、海は好き。ドライブでは必ず海沿いを走り、マリー
ナに寄り、港をめぐった。出張の折立ち寄った、香港のロイ
ヤルヨットクラブは印象的だった。日本のヨット乗りだとい
ってデポジットを入手し、一日、クラブ内で過ごした。格式
のある、伝統を厳格に守るクラブで、キャセイ航空のOBに
お昼をご馳走になったり、タイム誌の記者と知り合って、オ
フィスに招かれたりした。
2年ほど前から、どうしてもクルーが必要な船の乗り方を
止めて、一人でクルージングできるように、船の装備を考え
はじめた。マネージャーの意見を聞いて、Anne5以上の船は
無いと自覚し、この後、私の代での買い替えは無いと思い、
壁に孔を空ける躊躇がなくなった事も大きい。
整備方針は、「いつでも出せる。一人で出せる。心配は無
2
い。」幸い頑丈な船なので、航海中に帆走できなくなるよう
な故障は考えにくいが、エンジンは3回停止した。ベルト切
れ、冷却用ポンプのゴム磨耗、燃料切れ。いずれも洋上で対
処し、燃料切れの時も帆走で港へ帰った。
母校の金沢大学ヨット部が毎年5月にOB戦を開催している
ことは知っていたが、久しぶりに同期が集まった時に、同期
で参戦しよいということになり、その時、Anne5による七
尾訪問を決心した。下関を通過して日本海を北上するコース
か、又は、太平洋を登って、津軽海峡経由の左回り。ついで
に沖縄行きを考えて、左回りとした。
今年65歳、この辺でイベントを入れておかないと、この後
の人生やヨットライフの組み立てができない、とも思った。
1年前から、日本周航のアピールを始めた。親族、知人、会
社のメンバー。今年の年賀状でも宣言した。たった一人、や
めろという、89歳の老母の意見に困惑、無視方針だったが、
程なく何も言わなくなった。妹が諭したらしい。
会社の役職は会長。資金・業務を担当するマネージャーは
私の妻。長男の拓央君と次男の研司君は、それぞれ社長と副
社長。SaaS・ASP型勤怠管理システム「バイバイタイムカー
ド」のサービス提供が会社の主業務。私の役は代表、と言っ
ても借金代表取締役。
拓央社長が、「太平洋、ナウ」これ正にツイッターの世
界。つぶやくべきだ!!という。APRSという、今何処にいる
かをリアルタイムで地図上に示す情報発信をしようと準備し
ていたので、この際、拓央社長の提言に乗って、つぶやき発
信をしてみることにした。
3
目 次
はじめに P. 2
❺函館へ
星を頼りに津軽の急流を乗り切る P.72
❶大洗へ
❻小樽へ
深夜、強風、波、雨の大島沖通過 P.6
おまけ航海で足を伸ばす P.86
❷大洗にて
❼小樽にて
4日間のマリーナ生活 P. 20
裕次郎記念館はヨット乗りと同じ運命? P.104
❸八戸へ
❽本荘マリーナへ
追い風、強風の八戸沖 P.34
タッチアンドゴーの給油 P.114
❹八戸にて
❾飯田港へ
日和待ち5日間 P.56
天体薄明 P.134
⓬
⓱
⓭
⓰
⓲
⓯
⓮
4
コラム1……AIS(自動船舶識別装置)P.11
コラム2……国際VHF無線機 P.19
コラム3……APRSシステム P.19
コラム4……Anne5について P.32
コラム5……Anne5の船長について P.54
Memory of Ginowan……P.33、P.55、P.147、P.187、
P.211、P.261、P.295、P.335
Anne5
Voyage Map
2010年4月19 日>>>
2010 年 8 月 22 日
❻
❽
❼
❺
❹
❸
⓫❿ ❾
❷
❶
本文の頭についているコード番号は、
8桁の数字が撮影の日時分秒などの整理番号、
12桁はツイットした年月日時分秒をあらわしています。
❿飯田港、海竜マリーナ、
七尾へ
⓯種子島西之表港へ
⓫七尾にて
⓰室津港へ
石川ご夫妻と共に P.148
新聞取材とヨット村契約第一号 P.164
う っ ぷ る い
対馬丸慰霊と種子島観光 P.262
調査船「資源」
との交信、室津での散策 P.296
⓬十六島港へ
⓱那智へ
⓭ハウステンボスへ
⓲志摩へ
給油と海草取り P.188
ヨットの停泊最適港平戸で仮眠 P.212
⓮沖縄へ
警報下の夜間セーリング「アン5の卒業試験」 P.232
本船ラッシュの潮岬回航 P.310
シャンパンでお祝い、ホームポートで P.330
あとがき P.336
5
大洗
志摩
04190532
今日の、出航前の写真。セーリングカヌーを2杯積んだAnne5。左舷側
に赤、右舷側に青は、航海灯の色に合わせた。出航8分前の写真。
04190540 100419 153152
2010年4月19日午前5時40分。離岸。
04190548 100419 070926
ホームハーバー「志摩ヨットハーバー」と、しばらくのお別れ。
曇り。
6
100419 095445
JASREP/SPを送信する。
A/アン5/240-41190//
B/190600J//
G/志摩ヨットハーバー/34.29N/136.41E//
I/大洗港/36.18N/140.34E//211000J//
L/RL/60/34.32N/138.14E/192000J/御前崎沖//
L/RL/60/34.51N/139.55E/200900J/野島埼沖//
L/RL/60/35.06N/140.21E/201400J/勝浦沖//
04190549 100419 112809
この航海の準備をしているときに偶然、海上保安庁のホームぺージで
JASREPを知った。http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/jasrep/ 船位通報
制度で、任意の相互救助システム。
JASREPのHPには、「大型船からヨットまで・・・」と、そこで、この
機構を利用させていただくことにして、このような航海計画を送信。
04190729 102800
ホームポート志摩ヨットハーバーから、五ヶ所湾を出て、布施田水道
を通過。何度も通るおなじみのコース。
8時前、布施田水道ですれ違ったヨット。シングルハンドで、西へ向か
った。船名は確認できなかった。
04190815
昨、18日に調べた馬場さん予想。一時間ごとの、風の向きと強さ、波
の高さ、潮流、ヨットのスピードが予想される。各ポイントの気象の
変化を見ることもできる、優れもの。
7
04190816 100419 081629
大王崎沖ナウ。曇り、風力N1-2、うねり0.5m。メインフル、ジブフ
ル、2100rpm機帆走、6.7atGPS。朝食準備中。
現在、ヒール角度7.5度。コンロはジンバル使用中。サトウのご飯は電
子レンジ2分。ガス14分。しかも一個づつ。LPガスは時間がかかる。
この後、味噌汁を作る。
04190832 100419 091917
この航海初めての朝食。佃煮(釘煮)と刻みねぎが好評。
04191020
本船航路とは離れているが、時々すれ違ったり追い抜かれたり交差す
る。AISシステムで船籍や名前、スピードや目的地が分かる。 写真の
船はパナマ船籍貨物船「コーラルエメラルド」225mの長さで152度方
向へ14.6Knot。目的地はNEWCASTLE.AUSTRALIA。
04191125
渥美半島の30kmぐらい沖を航行中なう。携帯がつながらなくなった。
8時間後の御前崎沖まで不通かと思ったが、アンテナを空中水面から
5mほどへあげて見た。開通!!
2010/4/19
100419 122543
伊勢湾沖で、名古屋保安(海上保安庁)から"ヨットアン5"、"ヨッ
トアン5"と国際VHF(写真)で呼び出し。東京の海上保安庁運用司
令センターへ連絡を入れるよう伝言。早速、連絡を入れる。
8
100419 122620
JASREPは、途中経過や変更、到着を順次通報する。「24時間通報が無
いと救助を開始する」ルール。携帯電話だけだと、通話できずに救助
が始まってしまうが・・・との話。メールと国際VHF25Wを搭載して
いることを説明。12時間とか、8時間ごとに通報を行なうよう心がけ
ることにする。
04191134
国際VHF。世界中、どこでも、いつでも船舶間や陸上機関例えば、名
古屋保安、伊勢湾マーチス、伊良湖パイロットなどなどと通話でき
る。最近、小型レジャーボートへの搭載が始まったので、この無線機
の正しい運用が課題。ヨット新高丸の岩田さんが奮闘されているの
で、応援中。
100419 122709
誠に快調。斜め向かい風だが、5から6mの順風。機帆走で時々
7Knot。これなら燃費も伸びる。オートパイロットで操縦も不要。薄
日も差してきた。最高のセーリング日和。
04191335
昼食。副社長から教えてもらった、ホットパン焼きプレート?が大活
躍。とろけるチーズ、ハム、ツナのマヨネーズ和え?がはさんであ
る。結構いける。
学生時代はヨット部だった。仕事に就いて7年後に、当時、栄にあった
オリエンタル中村百貨店に展示された15fのマイクロクルーザーレッ
ドスターを文雄君、水野君の3人で買った。その後、19f、24f、32f、
と乗り換え、14年前、現在のAnne5となった。
泊地は、富貴、日産マリーナ(幡豆)、志摩ヨットハーバー。艇の名
前も、ウィンダー、ネオトライ、そして現在のAnne5と変わった。
9
日本周航を思い立ったのは一年前。今年5月に石川県七尾で行事に参加
したかったことと、ロングクルージングを経験したかった。
この2年から、シングルハンドで航海できるように装備を整えた。シ
ングルでのナイトもした。このころの航海はほとんどがシングルだっ
た。パートナーの文雄君が一緒のときは、必ずといっていいほどナイ
トで走った。
昨年のGW、拓央君と西伊豆まで一昼夜航海をした。ロングの始めて
の経験。そして、清水で東京からの孫をピックアップして沼津で東京
メンバーと合流した。タモリさんに会ったのはこのとき。
04191514
風3m。クローズホールド(斜め前からの風)。機帆走、7.4Knot。前
方、扇方1.5Kmの範囲に、船や障害物が入ると、レーダーの警報が鳴
る。目視ワッチは怠り無いが、この水域は本船や漁船、釣り船も無
く、目的ポイントへ一直線に向かえる。
04191515
オートパイロット。磁針方位76度に向かって、自動操舵している。
+1や+10ボタンを押して変針できる。リモコンもある。目的ポイ
ントを順次追っかける機能や、風に合わせる機能もあるが、まだ勉強
中。方位による自動操舵が基本。
04191516
GPSプロッター。御前崎沖3マイルにセットした目的ポイントに向かっ
て進んでいる。速度は(対地で)7.1ノット。目的ポイントまで22.3マ
イルだから、後約3時間で御前崎沖。18時20分ごろ到着。航海計画よ
り、1時間半早い。赤のマークと黒の矢印がコースずれを示している。
10
04191919 100419 222753
東京方面と御前崎間の本船。レーダーは点しか見えないが、AISはデジ
タルで詳しい。前方のオレンジの線はこの後6分間の予定航路、後ろ
の青ボチは、これまでの航跡。画面の真ん中がAnne5。写真は広い範
囲を表示しているので、それほど緊迫感は無い。
100419 193441
御前崎沖を予定より1時間半早く、通過。日没に備え、夜間航行準備
と雨対策。メイン、ジブリーフ(縮帆)、航海灯点灯、落水者用灯火
ブイ点灯、ヘッドランプ支給・・など。
去年のGW。沼津の帰りは、文雄君とのダブルハンドだった。文雄君
の感想は、Anne5は安全な船。御前崎沖は、たった一回の遠洋航海の
2010/4/19
経験コース。
AIS
自動船舶識別装置
大型船舶には、自分の位置や針路、スピードなどをいつも無線発信して、周辺の船舶に
知らせるための無線発信機の搭載が義務付けられている。
Anne5では、このAIS電波とGPS信号を受信し、レーダーのように自船を中心にして周辺
の船舶の存在と名前、これまでの航跡とこの先の予想コースをパソコンに画面表示するシ
ステムを搭載した。
この画面には、自船とすべての周辺船舶の、この後6分間の予想航路が表示されるので、
その予想針路が先端で交差する場合など、衝突をかなり正確に把握することができる。
画面には、船名が表示されており、危険がある場合は、
船名で呼びかけることができる。
AISを搭載していない場合、正面から来た船に呼びかけ
る場合、「XX付近を南西方向に航行中の船、応答願いま
す。」などとなって夜間などは、相手の船が気が付くこと
は難しく、AISの威力は抜群といえる。ただし、自衛艦や漁
船など発信していない船舶も多いので注意が必要。
11
100420 010241
JASREP PR(ポジションレポート)を19:36にメール送信。
念のために、電話で、東京のJASREP本部に、PRを受領済みかどうか確
認。OK。これでこのあと24時間は、遭難と間違われない。それにして
も、見守りがあって安心。
04192004
20時のLOG。2時間ごとに、海図上に現在地を記録する。キャビンの
入り口のスライドハッチが、チャートテーブルになる。シングルハン
ドが多いので、キャビン内では作業ができない。右上の計器はレーダ
ー。左にある双眼鏡は、手振れ防止機能付きの優れもの。
04192013 100419 202226
ちなみに、今のキャビン内チャートテーブルは、こんな感じ。
04192014 100419 231040
ナイトセーリング。回りは真っ暗。波が出てゆれる。機帆走で7ノット
越え。
04202244 100420 082645
ゆれるので、うまく撮れないが、ひだりに向かう貨物船。昨晩、深
夜、野島へ向かうとき、作業船が曳かれていた。接近したが距離、方
位、針路が重ならなかったので問題は無かったが、黄色の3連と回転
灯火で、いかにも「引き舟、後方の作業船あり」といった感じであっ
た。
2010/4/19
12
100420 082829
野島埼を越えて、南房総の太平洋側。追い風とうねりの中で朝食を
取る。両舷へ10度ほどヒールするので、おちゃわんを押さえなが
2010/4/19
ら・・、グレープフルーツも食べた。雨が止んだ。が、勝浦は時間調
整のため、寄港は必須。
04200840
風が弱く、追い風、その上うねりが大きい。メインをあげているが、
船がゆれて、ジャイブしてしまう。ブームプリペンダーなどというし
ゃれたものはないので、サイドのクリートからブームにロープを取っ
てある。長距離の場合はこれでいける。
04200835 100420 084749
デッキに積んだアクアミューズ2杯。船体の間が王様の席みたいに快
適。
04200836
デッキを洗う荒波やヒールにも耐え、荷崩れしないように、アクアミ
ューズ(セーリングカヌー)をジャッキを使ってしっかり固縛した。デ
ッキに行水場のようなスペースができた。ここも、居心地がよさそ
う。
アクアミューズはセーリングカヌー。ヨットの設計で有名な横山さん
作。左舷側の赤いボデーは「れみ号」、右舷側の青いボデーは「つく
号」。沈などの場合、相互に支援できることと、競争などで楽しむた
めに2ハイ積んできた。
アクアミューズの特徴は、まずは24kgと軽い。そして安定している。
軽いので、風を感じるとすばやく軽く反応して、結構早い。下手なデ
ィンギーより高性能ではないかと気に入っている。
13
04211130
20日11時30分、勝浦港(千葉県)に雨の中到着。2人とも、一昼夜
半、十分な睡眠をとることなく来たので、なにはともあれ、仮眠。
100420 194735
18時40分、勝浦港レッコ。
馬場さん予報によると「初め雨が残るが0時以降は、降らない」とのこ
と。雨じまいで出航。勝浦湾は太平洋に大きく開いているため、湾内
も外洋なみのうねり。
04201936
JASREP PR発信。
JASREP/PR//
A/あん5/240-41190//
B/201930J//
C/勝浦沖/35.06N/140.21E//
04202101
外洋に出ると、さらに大揺れ。うねりの高さは、推定2m。パートナー
の話では、100回に一回、1.5から2倍、ごくまれには3倍の波が来る。
これ最大有義波。時に、左右に最大30度ほどヒールする。キャビン内
の収容物、特にビン類のガチャガチャ音が大きい。タオルをつめて応
急処置。
04202019
寝る時間が惜しかったので、大洗へのコースを決めてない。湾外へは
進入時に記録したWP(ウェイポイント)で出たが、急いで、ゆれる船
内でチャートを引く。黒潮に押されて、瞬間スピード9Knot。夜半、
犬吠から先、10m以上の向かい風予想なので、難儀しそう。
04202046
このヨットは、ダブルハンド。パートナーは、アラブ名ライヤンさ
ん。生まれも育ちも沖縄。真の海のプロ。なぜアラビア名があるかは
又にして、ライヤンさんと呼ぼうかな?そういえば、私の姪っ子の子
供の名前は、ライアン君だったっけ?!
14
100420 231651
時々、コックピットに出る。うねりが大きく、手で支えないと転びそ
う。回りには大量の本船(大型船)。50mを越える船はマスト灯に加
えて前方に少し低いマスト灯がある。両舷灯は左舷が赤、右舷が緑。
赤を見たら避けろの意味。ヨットレースの権利艇で覚えたので、あっ
スターボー、権利艇だ!といつも思う。
2010/4/20
100421 001920
息子から心配の電話。Anne5は、回りの本船より、ある意味、安全
性が高いと自負しているが、慢心はせず、留意しなければと思う。
ワンクール48時間航海を原則にしたいので、無理をしないことはもち
ろん、体力の温存がキーポイントと思う。
04202045
犬吠への航路は、本船航路の真っ只中。前後左右に本船がある。この
間を、大げさに言うと、縫うように走る。ライヤンさんの腕の見せ
所。円の中心にあるのが当ヨットAnne5。左に抜けたのがKeisyo Maru
04202139
レーダーに並べて、この画面を見るUSBモニターを用意した。ライヤ
ンさんには不要。確かにデジタル機器への依存過多は禁物。まず目
視、レーダーを参考、が鉄則。しかし私には大いに参考になる。針
路や速度、航跡や6分後の位置。ちなみに、すれ違う船は、タンカー
Houyoshimaru Maru。
04202202
操船するのにラットを(蛇輪)を持つ必要は無い。オートパイロット
のボタンを押すだけ。だけど、今日は雨天のためドジャー(キャビン
入り口のカバー)が張ってある。このドジャーが視界を妨げるため、
ライヤンさんは、立ちっぱなし。本線航路を外れれば、座れる。
15
04202240
真っ暗な海で、他船を見るのは、大変。最大の障害は明かり。GPSプ
ロッターやレーダーの画面は暗くし、キャビン内の明かりは外へ漏ら
さない。キャビン内でもヘッドライトを使う。帽子のひさしの上段は
強力なLEDライト。下段は書いたり読んだりするときのライト。遠近
メガネにもぴったりの優れもの。
04210154 100421 024820
雨激しく、ライヤンさんとワッチ一時交代。
午前1時54分、犬吠埼通過、約50度左へ変針。
2100回転、機走、6Knot、向かい風4m。黒潮の流が無くなったせいか
スピードダウン。
100421 025307
2時半、ひやり!! 燃料タンクの残、18ℓ。船が揺れるとエアーをかむ
可能性がある危険油量。サブタンクから落とす。大雑把な計算になる
が、38時間で102ℓ。抜群の燃費。船底がきれいなことは燃料消費に
大きく影響する。ライヤンさんの談。それとセールパワーが効いたと
思う。
100421 033002
最初、20ℓポリタンクを4本積んで来る予定だった。マリンテックの
中村さんの提案で80リッターの予備タンクを付けた。大成功。これが
無かったら、今頃、ポリタンクから給油4回。出航前に補助タンクを満
タンにしたが無理無理で50ℓしか入らなかった。上架で船が傾いてい
たから?調査を要す。
100421 033628
時々、深い霧になる。遠くからいくつかの霧笛が聞こえる。1.5マイル
先の本船から、当ヨットに向けたと思われる霧中信号を受ける。初め
ての経験。このあたりは本船は少ないが、8マイル先には多くの本船が
AISに表示されている。まずは、巡航速度6Knotで、レーダー表示に注
意して進む。
2010/4/20
16
04210343
霧が深い。何も見えない。写真を撮ってみた。エッ!霧ってこんな
の?空には星が見える。コックピットでは相方が、レーダーを監視し
ながらワッチしている。キャビン内で私は、AIS画面を見ながらつぶや
いている。
04210344 100421 041939
霧の中、超低速の船がほとんど。中に3杯、10Knot程度で走ってい
る。これまでのAISレーダービューと違って地図上に表示することもき
る。 Anne5が進む左側は、鹿島港。多くの船が見える。停泊中の船も
多い。
04210501
レーダリフレクター。小型船舶はレーダー波の反射が少ないから見え
にくい。このため、反射器を使う。Anne5は2個もっている。右下は、
船舶検査適合品。左上は、円筒形のスマートタイプ。レーダーで見る
ばかりでなく、見てもらうことも大切。
04210510
2晩連続のナイトと雨、霧のおまけ付き。乗っているのはこの2人。年
齢は、合わせて130歳。無理せず行こう!と言いながら、塩気が海に
向かわせる。
04210544
霧も晴れ、日もさしてきた、気持ちの良い朝。うねりがあるが、これ
も楽しい。今日ももっと楽しいことが一杯ありそう。AM8時過ぎに
は、大洗マリーナへ入れると思う
17
04210829 100421 153456
大洗港に接近中の写真。遠くにマリンタワーが見える。好天で、風も
さわやか。
04211150 100421 155725
大洗到着、JASREPへファイナルレポート。
JASREP/FR//
A/あん5/240-41190//
K/大洗マリーナ/36.189N/140.37E//211100J//
X/ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。//
04211520 100422 043642
小型船舶用に国内11地域に分けた、港湾案内がある。港・マリーナ・
漁港が掲載されている。"本州北岸・東岸"判に大洗港が掲載されて
いる。この写真の縦の防波堤が、GPSプロッターにないため、堤防の
真ん中に向かっていた。NORTHSTARの製品の悪い評判を耳にするが私
は気に入っている。データが間違っていることもあると思って使って
いる。
04210857
大洗マリーナ(修理中の)ゲストバースへ仮係留。この後、停泊料
4100円/泊を払って、一番奥の指定バースへ入れる。
18
国際 VHF 無線機
APRSシステム
周辺の船舶や、保安庁などの陸上無線
アマチャー無線を利用した位置情報発信
局に、いつでも呼びかけできる無線機。
システム。
この無線機を搭載しているすべての局
海岸無線中継局が少ないため、Anne5では
は、いつもこの電波を受信しているの
アマチャ無線の代わりにドコモのネットを
で、ほぼ間違いなく通信できる。
利用している。
いつも受信しているチャンネルは16チ
自船で受信したGPS信号を一定時間間隔
ャンネル。例えば船間通信では、呼び出
で送信すると、サーバーにそのデーターが
した後は、06チャンネルに移って通信を
蓄積される。
する。
インターネットでコールサインや日付を
Anne5では、この国際VHFのアンテナ
入力すると、その情報を地図上に表示して
をマストのテッペンに付けている。
見ることができる。
Anne5は、3分おきにデータ送信をした
ので、地図上に赤い点で記録されている。
ドコモのネットは、海岸から離れると切
れてしまうので、その間は自動的に青い線
で繋いでしまうことがある。
緑の線は、手書きで記入したもの。
このシステムは、家族が、安否確認する
などに大いに役立った。
ちなみに、このホームページのURLは、"
http://ja.aprs.fi/"、Anne5のコールサインは
ja2cfl-8 。
なお、時刻は、グリニッジで表示される
から、はじめは、日本時間にするために9
時間プラスすることになる。
19
大洗
04211245
パートナーのライヤンさんのモロッコ時代のお友達の訪問を受ける。
Anne5で大洗港内遊覧をしてから、食事とカフェオーレを振舞う。と
いっても料理は樋口女史。もうお一方は芝さん。気持ちがいい気候。
この後、ライヤンさん外出。東京メンバー(私の家族)の訪問待ち
で、日曜日まで滞在予定。
100422 074045
5日間。過去記憶にないほどの長期間断酒。健康に良かった?少し飲も
うと思って、つまみの調達に出かける。すぐ近くが大きなアウトレッ
トモール。平日夕方で閑散。地元産品シヨップで、お店で一番生きの
いいのは?と聞くと、商店街のお魚屋さんを教えてくれた。
20
100422 074325
商店街で、聞いた方向へ行くが見当たらない。道行く人に聞いたお店
に行く。若い夫婦の店。かつおの刺身を500円分切り出してくれた。
それと新鮮なめざし。夫婦の今日のおかずのイカの煮物はおすそ分
け。県道ができて近所の人が来なくなったので、いったん店をたた
み、規模を縮小して再開するとの事。
100422 074949
このお店に来る途中、町営日帰り温泉ゆっくらがあった。今日、水曜
は休み。休み明けは湯がきれい、と魚屋さんのお奥さんが言う。カラ
オケや飲食店もあるとのこと。15分ほど2車線の道路を歩くと左側に
本当の温泉がある。それ、お店のご主人の友人経営。この後4日の滞在
だから行けると思う。
04211915
夕食。おまけでもらったイカの煮付けの味がおいしかった。めざしも
新鮮でおいしい。めざしは1本15円。明日は2人と言ったら、奥さんが
6本と12本に分けてくれた。「昔は近くにお風呂がたくさんあった。
子供の頃お風呂へ行った。」「そうなん!」これ夫婦の会話。
04211910 100422 075828
航海中、ヒールで製氷皿の水がこぼれた。だから、天然水を密閉ラッ
プに入れて製氷した。氷をピックで割ると容器に穴が開くので恐る恐
る。いつもなら割った氷を手で取り出すが、今日は箸。まだ凍ってい
ない天然水に手は入れられない。
100422 080036
夜のマリーナは静か。警備員常駐で安心。エアコンを22度に設定して
寝る。快適。最初、マリンエアコン2機が付いていた。220V仕様で誠
にうるさいものだった。5年ほど前に壊れたので、フランスのメーカー
にメールを打ったが、なしのつぶて。夏休みの直前で困った。
21
100422 080138
自宅近所の電気店コジマで三方噴出しの家庭用エアコンを見つけた。
コンパニオンウェイ(キャビンへ入る階段)に埋め込むと、メインキ
ャビンと後方2つの寝室に吹き出しができる。トランサム(ヨットの後
部、背面)に室外機のはめこみもできると見て、購入。ハーバーへ送
った。
100422 080209
今思うと、工事は大変だったと思う。室内機を階段の下へ埋め込むに
は、階段前面に大きな穴を開け、裏側の仕切り板を立体的に切り欠く
必要がある。よく収まったと思う。
04220537
階段の隙間にあるメインキャビン用の噴出し口。見事な出来と思う。
吹き出し口の額縁や接続部分のダクトは自作。
04220538
左舷側寝室(オーナーズルーム)の噴出し口。フィルターの清掃は、
下へ下ろす方式で、当然できない。ヒンジを壊して取り外し式とし
た。それにしても見事に収まっている。志摩ヨットハーバースタッフ
の腕と思っている。
04220539
トランサムへの室外機の取り付けも・・・。室外機の配管の部分を考
えてなかったので、左側の壁を切り欠いて納めた。大工事。エアコン
左脚がさびて、船尾にさびが流れ出ている。穏やかな航海中にきれい
にする(といって1年過ぎた)。
100422 081020
すぐに使えなくなると、周りの人から顰蹙を買ったエアコンも、もう5
年以上になる。機能は完璧。さすがに塩害で室外機のベースが朽ちて
きたが、チーク材を差し込んで処置をした。天板を付けたので、踏み
台となったり、手すりがあるから、航跡見物のイスにもなる。
22
100422 085426
4月22日。気持ち良く目覚めて外を見る。曇天。ツイッターを書いて
いるとMgからメール。名古屋は本降り、そちらは?急いで馬場さん予
報で雨雲の動きを見る。急ぐときは携帯サービス。大洗は、正に、こ
れから雨が降る事がわかり、雨じまいを開始。
04220344 100422 085526
今、正に雨に襲われようとしている大洗。銚子付近だけがまだ、降っ
ていない。
馬場さん予報を携帯で見る。
100422 085618
もともと日よけのビミニトップは雨がしみる。ドジャー(コンパニオ
ンウェイ上部のカバー)もしぶきよけで、雨がしみる。これをビニー
ルでカバーする。ビミニトップのこのサイズのビニール掛けは初めて
のトライ。ゆっくり落ち着いて作業をする。
04220837
ハンドクランプ、シートとニッパ、端止めテープ。切る位置にテープ
を巻いて、バラケないようにして切る。いつもは端をライターで焼く
が、その処理は後日とする。ハンドクランプは、100円+アルファーで
安い。安いのでたくさん買った。
100422 085714
ビミニトップのサイズは3.6×2.5m、6畳弱の広さ。その上に、4畳半
程度のビニールを一人で広げるのは大変。まずは、ハンドクランプで
四隅を止めて、細いシート(ロープ:ヨットでは調整するロープをシ
ートという。)を作って四隅と前後3+2箇所で引っ張る。
23
04220838
上々のできばえ。要所を引いてあるから、少々の風にも耐えるはず。
この他に、周辺全体を囲い、一切の吹込みを防ぎ、強風が吹いてもぬ
れない大型のビニールシートも用意しているが、今回は、簡易型。大
型は一人では展開できない。
04220847 100422 090258
しばらくして、本格的な雨となったが、コンパニオンウェイ付近はド
ライ。
04220920 100422 112626
隣のポンツーン(浮き桟橋)で、雨の中、小型船舶実技実習が始まっ
た。中止するほどの天候ではない。むしろ、悪天候で実習した方が力
が付く?
100422 113823
会社から見積もりの確認が来る。水野君と電話連絡。仕事も最低限、
こなしている。
100422 115527
一息ついたので、ミュージック。もともと、ナガラができない人間な
ので、あまり音楽を聴く習慣はないが、今日は、ソフィーミルマン。
研司君夫妻のプレゼントで、Mgとブルーノートで聞いた。はじめての
ジャズ。子供や孫が新たな文化をくれる。
04221001
今日の朝食。昨日の残りと、(刻みねぎが傷むといけないので多めに
使った)味噌汁のつゆだく。ちょっと水が多すぎて薄かった。昨日の
残り物を朝食に生かすなど、結構私は料理上手!?相方は秋葉原へ寄
って夕方帰るとの事。
24
04221106
停泊している右、(船の向かう方を0時として、時計の短針で)1時半
の方向にトイレ。写真の中央。近くて便利。ポータブルウォシュレッ
トがあって、どこでも快適。(これ、余分なことですが・・)
04221134
写真のiPodも子供のお勧め。Mgとそれぞれ持っているが、同じアイチ
ューンなので内容は同じ。アイチューンの操作も難しいが、音を出す
ラジカセ(カセットはない。何という?)も難しい。ボタンは、聞い
たことのない横文字。表示も液晶で文字が流れる。
04230601
大洗ナウ。雨も風も止んでいる。しかし予報では、今日も雨と風。雨
よけシートは、持ちこたえている。6点の固定用シート(ロープ)は、
ライフラインやパルピット(前後の手すり)、ビニミのパイプに”巻き
結び”。この結び方は、簡単で結構強い。実際には、端を折り返して解
きやすくしてある。
100423 061727
昨日、石川さんとスカイプで話した。相手の映像が出ているのに、こ
ちらから送らないのは、そっぽを向いているようなので、恥ずかしな
がら顔映像を送った。双方の承認に少し時間が掛った。又、ドコモの
アンテナを手で持ち上げると感度良くなることがわかった。
04230602 100423 061929
石川さんは、ご夫婦で日本の各地を周遊されている。和歌山県の那智
勝浦がホームポートで、今回は、瀬戸内海から下関を抜けて、日本海
を北上、北海道一周に向かっておられる。石川ご夫妻のHPは、http://
blog.livedoor.jp/k14kawa/
25
100423 062023
USBカメラと20mまで引ける5mのUSBケーブルを何本か積んでいる。
船上からの眺めを記録して老後の癒し系ビデオ?を作ったり、ユーチ
ューブやユーストリームのトライもしたいと思った。このカメラで石
川さんとのビデオ会話となった。
100423 062135
このビデオ会話で使ったUSBカメラのホルダーは、軽い力ではさむ構
造。これでは、どこにも取り付けできない。デジカメのペンチ式固定
具は、強いスプリングで、パイプ類にも固定できる。早速、USBカメ
ラの台の改造をした。
04221557 100423 062510
テーブルの上にソーダ20本ケースのダンボールを広げる。これがいつ
もの作業スタイル。いつか、ソーダの箱に代わるピッたしダンボール
を調達するつもり。
100423 063401
映像記録用、500ギガのHDも接続した。USB機器が2台のPCに10台近
くぶら下がった。1台は、ネット(構内LANのサーバとなっている)と
航海情報専用機。もう1台は仕事や航海計画の調査など幅広く使う。故
障の場合も他を補完できる。
04221609
出来上がったデジカメ、USBカメラ兼用ホルダー。うまく行ったと思
う。しかし、カメラを良いアングルで取り付ける場所の確保と、密閉
されたキャビンへどうケーブルを引き込むかが次の課題。
04230536 100423 063541
チャートテーブルには、コンパスがある。航行中に時々方位をキャビ
ンの中でも確認できるもの。しかし、PCやケーブルが立て込んで邪魔
になる。ハンドコンパスを使うことにして、撤去する。でも撤去して
どこにしまう?
26
04230533
それと、USBカメラを取り付けたり、向きを変えるときにモニターが
いる。モニター用のUSBケーブルを延長する。このモニターは、航行
中、操舵する人がレーダーと共に他船の動きをAISで見る時も役立つ。
しぶきが掛っても良いようにビニールラップした。
100423 150229
大洗マリーナ、一泊の計画が、5泊の滞在になっている。基本計画は、
出航したら2昼夜300マイル走り、24時間の補充と休養。そして次の寄
港地へ。しかし最初の寄港地が唯一東京から近いので東京の息子夫婦
や孫が遊びに来たいと言う。私の使命、海事普及の一環として喜んで
歓迎することにした。週末の天気もよさそうだ。
04231026
東京からのゲストを静かに待つ、Anne5。整備が行き届いた良い
船・・・・。きれいな船ですねと書き込みをいただいた。こう見てみ
ると美しさもある。正に自画自賛。
ライヤンさんと海事普及を話した。妹さんが高校生を1、2泊預かる教
育的ボランティア、民泊を営んでおられる。広い芝生に穴を空け、ヨ
ットを沈める。ヨットへはポンツーンを歩いていく。生徒がそのヨッ
トに泊まる。自炊もできて若者の民泊も可能。こうしたヨット村を作
ろうということになった。
100423 151129
電気も水道もギャレー(キッチンをあらわすヨット用語)も完備。8
人ぐらい泊まれる。芝生から引き抜いたら海に浮かぶぐらい、整備す
る。子供たちもヨット生活を満喫できる。
100423 151206
40フィートを越える船で、浮くだけのヨットを探したい。沖縄まで回
航しなければならないので、浮くことが条件。寄付も歓迎。回航は、
ライヤンさんが担当する。
27
100423 151228
現役ヨットを沖縄で預かる方式もある。いつでも乗れる状態に整備し
て、オーナーを待つ。クルーも出せるからいつ行っても安心して乗れ
る。費用は無料。オーナーが使わないとき、民泊の体験用ヨットとな
る
100423 151249
いらなくなったヨットと、海の抜群にきれいな沖縄でヨットを楽しみ
たいオーナ大募集。40フィート以上。
100423 151617
伊勢志摩から太平洋を北上して大洗、八戸、函館へ寄航、七尾までが
第一クルーズ。七尾から沖縄。沖縄から志摩をそれぞれ第二、第三ク
ルーズと思って出てきたが、船に問題が無く、仕事も何とかなりそ
うなので、北海道も回ろうと考え、急遽、海図を手配。北海道を回れ
ば、日本周遊から日本一周になる。
04231344 100423 151813
左下の海図一覧から、必要な海図を選んで購入する。おおむね、最
も荒い50万分の一の海図一枚を48時間で走る勘定。北海道の回りは4
枚。それに北方領土付近の30万分を一枚。他に港湾案内の冊子2冊。
七尾に来てくれるつもりの社員に予定変更を連絡、どこかで穴埋めをしな
ければと思う。 100423 151851
港湾案内を見ていたライヤンさんが「左回りは逆潮」というので、
右回りに変更。津軽海峡を2度通ることになる。函館、小樽、稚内、
網走、根室、函館に帰港。実航海日数7日、補充休養6日、予備6日と
いうことになる。函館4月30日発(予備日を3日使うと)5月14日函館
着。
04231733 100424 090414
温泉に行った。咳が出ているので徒歩15分は止めて、タクシーでオー
シャンビュー大洗へ行く。ガイドブックには、天然温泉・展望大浴場
が自慢とあった。最初空いていたのだが、混んできたので浴槽からの
写真をあきらめ、脱衣場からのオーシャンビューをカメラに収めた。
28
100424 090436
オーシャンビューの帰り、タクシーの運転手さんに魚屋さんに寄って
もらった。魚忠さん。隣で忠心というお店を出しているとの事。威勢
が良いお兄さんたちと本当に新鮮なお魚がたくさんあった。お刺身は
その場で切り出してくれる方式だが、唯一あったパックと、干物を買
った。共に、大変おいしかった。
100424 090559
24日、朝起きて、海図の整理。シングルのときはスライドハッチが
チャートテーブルになる。このため、幅62Cmで緯度や経度が見れる
Anne5独自方式で折りたたむ。本来、海図は折らないものだが、致し
方ない。ダブルハンドのときは、メインキャビンテーブルでチャート
ワークできるので、二つ折りとする。
04240605
この航海に使う海図32枚と港湾案内9冊。日本近海海図索引図に、手
持ち海図のエリアを記入して番号を振る。さてどこへ収納する?
04240801
港湾案内図は、ブックラックへ納める。ヒール対策用アルミパイプは
文雄君作。役立っている。
04240609 100423 150919
二つ折の海図は、オーナーズルームベッド下へ置く。これで毎日、枕
を高くして寝れる?ちなみに、この床下には、4個のバッテリーのうち
の2個と、200ℓの清水タンクがある。
29
100424 091647
深夜、大島の南を走ってりるとき、追い風と波で大揺れした。普通
は、タックなど方向転換の時だけガチャっとなる訳だが、大きなロー
リングで、左右に揺れるので、絶え間なくお皿やコップがガチャガチ
ャうるさかった。この対策として、大皿などの収容部にはタオルをか
ぶせた。
04240638 100424 092123
マグカップやコップの収容棚4箇所に、ライヤンさんの助言で、ずれ止
めシートを敷いた。この収容部の上段にはさみや包丁を置いている。
扉がロックされていないとヒールしたとき、これらが飛び出し、キャ
ビンを左舷から右舷に空中を横断する。
100424 092517
ヨットの扉にはすべてロック機能が付いている。前の写真の右の扉が
ロック状態。ボタンを押し込むとロック。もう一回押すと解除・開。
ロックを忘れると悲惨。はさみや包丁(すべてケースに入れている)
が飛び交い、生命の危険も出る。調味料などを入れた引き出しは重量
があるので、飛び出すと、破壊する。
04240706 100424 092640
朝食の準備をする。このポットは抜群の性能。数分でお湯が沸く、
1.5Kw。AC100Vで15A 、バッテリーの12Vとインバーターでこれを使
うと仮定すると、1.5Kw/12Vで、120A 以上の電流が必要。少々、バッ
テリーの容量があっても、ダメで、陸電以外では使えない電気製品。
04240714
今日の朝食はライヤンさんのリクエストでシンプルメニュー。7キロダ
イエットの目標がすでに3キロ達成したとのこと。量も、おいしさも
Goodで私も満足。人間、一日の中で空腹感なしの生活は問題があると
思う。毎日、4時間以上の空腹時間を持つと、健康な体になると私は思
う。
30
100424 093249
4月24日、朝、研司君に、もうとっくに出たと思って電話をしたら、
これから出発との事。昨日の電話でも、潮干狩りや磯遊び、地引網な
どの話ばかりで、ヨットのヨの字も出ない。日本の若者のために、ひ
いては孫のために海事普及に尽力しなければならないと思う所以。
04241042 100425 222325
私の家族、東京メンバー到着。私の孫、全部で6人と子供夫婦4人、合
計10人。
04231153 100425 222438
早速、積んできたセーリングカヌー「アクアミューズ」で実技実習。
31
Anne5 について
Anne5は、フランスのジャヌー社1995製、
42フィートのヨット。
地中海などで、お客の3カップルが、船長と
コックさんと共に、1週間ほどチャータークル
ーズする船。
だから、寝室が4、トイレが2、その他、
短期の生活ができるようになったいるが、
Anne5では、寝室の内2室は物置、トイレの一
つはシャワールームになっている。
<船内配置図>
ネットバブルでキャンセルになって、倉庫にあった新古艇
だったのだが、これまで、発電機やオイルヒーター、船舶用
クーラーなどを外し、使いやすいように改造してきた。
たくさんの方に「いくらかの船か?」と聞かれた。
今月、ネットで調べてみたら、同型艇をヨーロッパで8万ユ
ーロで売っていた。
「別荘を買うなら、中古ヨット。安価で、維持が楽、楽し
み方が広がる。」私がヨットをお勧めしたくなる、ゆえん。
<船内配置図を除いた写真や図は、ジャヌー社同サイズ艇の最新モデルです>
32
Memory of Ginowan
33
八戸
大洗
04251515
2010年4月25日15:15、大洗出航。
100425 223106
大洗でライヤンさんが聞いた話では、合瀬の沖10マイルに定置網があ
るとのこと。このため、大洗港から11.5マイルの沖だしをする。
04251745
JASREP発信
JASREP/SP
A/アン5/240-41190//
B/251500J//
G/大洗マリーナ/36.18N/140.34E//
I/八戸港/40.33N/141.32E//271000J//
L/RL/60/36.26N/140.50E/251740J/合瀬沖//
L/RL/60/36.58N/140.02E/252200/塩屋埼沖//
L/RL/60/38.15N/141.38E/261000J/金華山沖//
34
100425 223136
大洗では、たくさんの方にお目にかかった。大挙、見学に来られたグ
ループもあった。人気は、家庭用エアコンと、ウィンドラスを流用し
た電動ウィンチ、AISなどなどと、突貫クルージング。
23年生まれのIさんは、近く、日本一周に出られるとか。志摩でお会い
できるかもしれない。
100425 223323
アメリカへ行き、ハワイ経由で帰国したKさん。ジャイブプリベンダ
ーシステムは、まねをさせていただく積もり。船底磨き中だったKさ
ん。ちょうど北海道から入港された巨大なカタマラン(双胴船)のオー
ナーさんをつれてきていただいたが、出航間際で北海道のことをお聞
きできず残念。カタマランの船名は「悠(はるか)」。
04251810
日立港沖の夕焼け。NNE、風力3。クォーター(斜め追い風)。ロー
リングが激しい。シングルワッチ中なので、JASREP発信のためスライ
ドハッチチャートテーブルへPC持ち出し。
04251900 100425 223433
「海からの風」と言うホームページがある。大洗・苫小牧間のフェリ
ー、サンフラワーの船長さんのブログ。ここですれ違ったらお声掛け
をするつもりでいた。夕暮れ前、大きなフェリーを確認。AISで、サン
フラワー大雪と分かる。早速VHFの16Ch.で呼びかけ、06Ch.で交信。
100425 223455
「海からの風」を書いておられる船長さんが乗船されているか
聞く。この船には乗船していないことを聞き、通信を終える。
しばらくして、「ヨットアン5、ヨットアン5」と呼び出し。
35
100425 223537
「海からの風」を書いておられる船長さんは、明日18:30苫小牧出航の
フェリー「富良野」に乗船されるとのこと。「ミートの場所を確認し
ましょうか?」との航海士さんの申し出を受けるが、お世話をおかけ
しては悪いので、航海速度をうかがい、当方、予想しますと回答。
100425 223658
夜になって、風は落ちたが、波は高い。
順調に航海できれば、27日10時に八戸着見込み。風が無い場合など足
が伸びなければ、27日09時、手前の宮古着となる。現在、外気温10度
だが体感温度は低い。北海道から大洗に来たヨットのオーナーさん、
ズボンは全部で5枚の重ね着との事。次の寄港地で防寒着を補強・調達
する積もり。
100425 225310
いわき市の塩屋埼に接近中。後15分で28度に変針する。
外は、冷えている。ドジャーの陰にある温度計は、10度。体感の温度
としては、もっとずっと低い。風がしんしんと冷え込む感じを出すの
か、温度計が風の陰で高い温度を表示しているか分からない。現在ク
ローズフォールドだからセールダウンになる見込み。風が欲しい。
2010/4/25
100426 042956
金華山まで52マイルナウ。今日からワッチ制。0時から4時を0-4と言
い、その後4時間交代。私は4-8、12-16、20-0を担当する。
100426 043904
0448、暗がりの中でメインセールをしまい、機走となる。艇速は
4.8Knot。向かい風風力2と逆潮で、スピードが出ない。
2010/4/25
100426 044214
0-4の引継ぎで、漁船が多かったと聞いたが、今は、漁船はいない。
前方に黒い影。700m離れて右舷右舷ですれ違う。
36
100426 044320
手袋なしではいられなかったが、ハッチテーブルでは何とか指が使え
るようになった。正面の風だから手元だけ風がさえぎられる。PCを持
ち出してツイット開始。
100426 044806
右舷3時方向3800mを、中央にブリッジを持つ、自衛艦のような船が
追い抜いていく。調べると貨物船KANYOMARU、全長115m、目的地
はKAMIISO。
100426 044907
ちょうど、KANYOMARUが日の出に掛って、美しい。
100426 050119
レーダー、AISでみると共に、10マイル以内に本船4ハイ。すべて目視
できる。本船航路だから、左右に見えるが、首都圏のような過密さは
ない。一番近い船の行き会い距離は、3.5Km。この船では速度はノッ
ト(Knot)を使うので、6Knotで4時間、24マイルなど計算をするため
に、距離はマイルを使う。深さとレーダーの距離はメートル法採用。
直感的に距離感が分かる。
100426 050853
現在の深さは96m。Anne5が持つソナーは3個。新艇のときから付い
ていた、B&G製。GPSプロッターに付いている魚探。これは魚のマー
クが出て面白いが、孫には受けていない。もう一つは3D、水平垂直
ソナー。那智フィッシャリーナでお会いしたオリーブの川村さんに威
力を聞いて導入した。
100426 051245
水平、垂直スキャンで魚群も分かる。前方にいる魚群を見るとちょっ
と興奮するが、見えてどうなのという問題と、レーダーとの干渉があ
るので、同時には使えない。3Dソナーは主として入出港時に使用する
ものだから、この点は問題ない。
37
100426 051432
指先が冷たくなってきたのと、漢字変換などの反応が遅い。パソコン
の衝撃感知型HDD保護機能がしばしば機能している。これが原因。
100426 052118
左舷側を走る本船が、朝日に輝いてきれい。KEIYOMARU。双眼鏡でみ
ると、船体に大きく文字があるが読めない。
100426 052600
これまで7×50の双眼鏡を使っていた、明るくて見やすかった。コン
パス内臓も便利だった。今年のボートショーで、念願の手振れ防止機
能付き双眼鏡を買った。12×32共にFUJINON。最初の数字が倍率、×
に続く数値が口径。口径が大きいと明るく見易い。
100426 053627
これら、2台の双眼鏡は共に、ボートショー会場で買った。最初に買っ
て以来、FUJINONさんから毎年、招待状が(一枚)届いていた。なぜ
か今年は来なかった。今年の会場でそのことやその他の話で盛り上が
って、5,000円負けてもらった。領収書を見たら常務さんだった。これ
からも招待状を送ってもらうことも、もちろん頼んだ。
100426 054006
われわれ夫婦のために、もう一枚毎年招待状を送ってくれるのが、フ
ァーストマリーンの加藤さん。直接、船を買ったことは無いが、前に
乗っていたのがオセアニスだったから、間接的にお世話になったと
思っている。ヨットを探している人がいたら、もちろん紹介するつも
り。
100426 054328
手振れ防止機能の威力は抜群。難点は、視野が狭いというか、うまく
両眼にフィットしない。例えば、双眼鏡が傾いていると、見えないな
ど。かくしてAnne5は、2台の双眼鏡が場所を取っている。
38
100426 054604
今、ほとんどなぎ。うねりがあり水面は真平らではないが、表面は鏡
的状態。スピードを見ようとしてGPSプロッターを見ると、画面が消
えている。同じ電気系統のレーダは生きている??
100426 055216
原因は、夜間用に暗くしてあったので、見えなくなっただけ。そうい
えば、日も昇り、PCの画面も見にくくなった。そうそう、スピード
は?あれ!画面の上と下のバーが無くなった!。見えない画面で操作
したので、誤って設定を変えたらしい。再設定には時間がかかるの
で、まずはポータブルGPSの電源オン。
100426 055616
B&Gの航海計器システムにもスピードメーター機能が付いている。
船底に付けてあるペラがまわってスピードを計っている。これも参考
にする。
100426 060234
気が付くと、4時方向、200mに漁船。衝突コース。相手に航路権。ス
ピードを落とす。30m先を通過。もちろん、船長は当艇を見ていたと
思うが、漁船は、船上での作業が忙しく、周りを見ていない場合が多
いと思っている。
100426 060852
発見が遅れた最大の理由は、見張りを怠ったこと。それと、レーダー
の警戒エリアが前方1.5Kmから500mの範囲で扇形に設定してあるか
ら。横方向の接近を感知しないことがある。早速、前周、円形に警戒
範囲を変更。
100426 061822
スピードの話。B&Gのスピードメーター(ペラ式・水流検知式)は
8.6Knを示している。この数値を読みには、キャリブレーション(設
置時の補正)が取ってないので、約85%に読み取る必要がある。ペ
ラが汚れると表示が落ちると思ってしまい、目安として使っている。
(実は汚れても、さほど変化しないかも知れない)
39
100426 062428
ペラ式スピードメーターのもっと大きな留意点は、GPSは対地スピ
ードだが、ペラ式は、対水スピードと言うこと。例えば逆潮があると
スピードが大きく出てしまう。
100426 062442
昔は、使うたびに船底の穴にペラを差し込んでいた。汚れさせないた
め。ペラを抜いた瞬間に覗く海の色はきれいで不気味。不気味には、
急いではめないと浸水してしまう怖さもあった。
100426 063056
風が出てきた。アビーム(横風)3mと言ったところ。セールを出し
て、それからGPSプロッターのマニュアルを読むことにする。金華
山沖通過は今日の夕刻の見込み。
100426 064833
メインツーポ(2P) 。ジブを出しが、シバー(ばたつき)があるの
で、又巻く。ツーポのメインはスピードへの貢献は少ないが、少しは
ゆれ止めになる。
100426 065220
前方2kmに本船。400mは離れて右舷を通過の見込み。RYOHOM
ARU 川崎向け。
100426 065544
今、右舷を通過中。通過していく船の、レーダー警報がいつまでもで
出続ける。警報エリアを再度前の、前方扇状の状態に戻す。
100426 070515
GPSプロッターのスピード表示復旧。機能が多すぎて、限られた機
能の簡単な説明しか日本語マニュアルには無い。英文はとても読み取
れない。結局、メニューの中で探し出した。ヘッダー、フッターで見
つけた。高度な機器はこういった事があるから心配。海図による航法
は、こういった心配が無い。
40
100426 071349
GPSによる対地速度は5.3Knot。このスピードの場合、金華山まで
7時間半。馬場さんの予報では、この地域9時は西北西。15時は北北
東。早く右へ振れることを願う。メインのシバーが大きくなったの
で、メインセールをこれから巻く。風が徐々に右へ振っている様子。
100426 072027
機走になった。5.2Knot。作業をすると、汗をかいて困るが、さすがに
今は汗はかかない。寒いのと、汗をかかないようにゆっくり作業をす
る成果。
100426 072622
はるか、1時半方向4.6Kmに本船。斜め左、こちら向け航行中。ハンド
コンパスで方位を測ると60度方向。5分後に同じ方位だったら、衝突
コース。5分タイマーをセット。
100426 073150
5分後、方位が変わらない。普通は、衝突コース、だが、距離が離れて
いく。船の方向の目視ミス。斜め前方に向かっていると見ていたが実
際には、斜め後方に向かっていた訳。注視解除。
100426 073649
ほとんど前方からの風。白波が立ち始めた。ウサギが飛び始めたとも
言う。風力3、風速6mと言ったところ。
100426 073944
B&Gの航海計器の風速計は、見かけ23Knot 、真の風速14Knotと出て
いる。風速のKnot表示は、半分にすると秒速メートルになる。だか
ら、それぞれ見かけ11m、真の風速7m。これもキャリブレーションが
取ってないので目安。おおむね合っている感じ。
100426 074038
オフのライヤンさんが起きた様子。私のオフまで、あと20分。オフに
なったら食事を用意して、9時からお仕事。風は出てきたが、良い天
気。
41
100426 111251
まわりは、海しか見えない。ちょうど陸から最も離れたところを航海
している。JASREPもメールが飛ばないので、国際VHF塩釜保安経由で
送った。スムースに受理してもらえた。
100426 111301
JASREP/PR//
A/あん5/240-41190//
B/261100J//
C/仙台沖/37.56N/141.27E//
100426 111935
2010/4/26
天気は最高に良い。潮と向かい風で、艇速が伸びない。このまま
4.5Knotでいく場合は、宮古沖27日12時。八戸28日午前2時となる。燃
料は、大洗で入れすぎたぐらい入れたので現在も110ℓ+65ℓ(サブ
タンク)ある。
100426 112528
大洗で、58ℓ残っているタンクに、99ℓ入った。ゲージからは勢いあ
まって噴出した。ゲージは、バルブが付いているから問題は無いがあ
わてて締めた。仕様上は140ℓ。これまで130ℓ程度しか入れていなか
ったが、150ℓは入ることが分かった。ただし、自作のサイホン式ゲ
ージは改造しなければならない。
100426 113334
そろそろ、食事の準備をする。そのあと、12-16のワッチ。
100426 115120
港湾案内を見ると、宮古にマリーナがあるようだ。今、お米を14分温
め、4分前に中華飯を一緒にして温めるつもりで、コンロに掛け火を付
けてタイマーをセットした。お湯はエンジンが沸かしているのでふん
だんにある。この湯を使って、LPガスの消費を抑える。
100426 125324
北東まで、風がまわった。メイン2P(2段階目の縮帆)、ジブをフル
に展開する。2から3ノット増えて、6.5から7ノットになる。ヒールは
15度程度で、比較的安定している。
42
100426 125659
宮古と八戸どちらへ向かうかは、微妙な選択。付近へ行ってから考え
ることとして、リアスハーバー宮古へ電話でビジター係留可能かどう
かの確認。OKとのこと。お願いするときは、改めて連絡すると伝え
る。
100426 130116
ワッチタイム変更。02-08と、16-20が私となる。私の仕事の時間を勘
案してライヤンさんから提案があった。何事も臨機応変。又様子を見
て改善する。
100426 140034
今日、1830に苫小牧を出航するサンフラワー富良野とのミート地域を
推定する。明朝6時ごろ、釜石港沖付近。ヨットは風の影響を受けるの
で、正確ではない。AISで、30マイル先からフォローできるので、でき
れば接近して写真を撮りたい。
100426 140222
明日、すれ違うフェリーの船長さんのブログは、http://plaza.rakuten.
co.jp/kk0070/diaryall お声掛けするのが楽しみ。
04261336 100426 140617
金華山沖を通過中。金華山沖は、低気圧の通り道となっていること
と、外国から日本を目指すとき、金華山に向かってくるので、多くの
船がここを通るなどの理由で、海難事故が多い。ただ、沖というの
は、非常に範囲が広くて地域が限定されているわけではない。Anne5
の場合は、金華山のある島の海岸から3マイルの円を描き、航路をそ
の接線上に書き、交わる点を変針点としている。金華山沖の変針点ま
で、あと50分。
100426 153847
スターボードタック(右舷開き)、クローズフォールド(風上へ)一
杯で、6.5Knot。明日の、富良野とのミートは、午前3時ごろ。このま
ま、順調に行けば、八戸、27日15時。ただし、27日、日中の八戸への
航路は15mの強風、追い風予報。
43
100426 182936
日暮れが近づき、寒くなった。特に下半身が寒い。大洗のアウトレッ
トで防寒着を買うようにすすめられたが、必要なのは、ゴテゴテのズ
ロース。寒い現地でなければ手に入らないと思った。
100426 183017
ドジャーを展開した。今日は前から風が来ているので、抜群の効果。
中にいると厚着しているので汗ばむほど。難点は、前が良く見えない
こと。透明ビニールは経年変化で透明度が落ちたり、潮をかぶったあ
と塩が残るなど、いろいろ課題がある。
04261650 100426 185821
ドジャーは、今回、新しくしたかったが、しなかった。飛沫を止める
ことはできるが、雨が染み出るのを止めることができない。仕方がな
いから、雨のときはビニールシートをドジャーの上から掛けることに
した。少しみっともないが効果は抜群で、ドジャー内はぬれない。た
だし、追い風の強風ではぬれる。
100426 185859
遠くに出かける人の必需品はハードドジャー。多くの人からお勧めが
あったが、私は、できればいつもデッキに突起がないのが好き。見通
しがよいのが好き。ガラスを通さず自分の目で見るのが好き。海外に
出るなど、外洋を航海する場合は、必需品になると思う。
100426 185954
見渡すと、本船の数が減った。しかし、北上する船は、みな岸寄り、
南下船はAnne5右舷まじか又は沖を通る。潮流の関係?当艇は、本船
と違って補機にセールがあるから、この補機を生かして、このままい
く。
44
100426 190412
普通の本船で補機といえば、主機(推進に使うエンジン)に対して、
電気を起こすなどの補助的エンジン。ヨットの場合は主機はセールだ
から、エンジンが補機となる。こだわる人はエンジンは極力使わず、
セーリングで行く。風が無ければゆっくり。風があれば早く目的地へ
着く。年一回しか給油しない人も居る。
100426 190715
エンジン以外の発電方式には、推進用エンジンとは別のディーゼル発
電機、ソーラ、風力、ポータブル発電機などがある。Anne5は、エン
ジンによる発電以外には、放電対策としてソーラパネルしか搭載して
いない。将来、新たな発電機能を搭載するとすれば、水流発電ではな
いかと思っている。風があり、エンジンが不要のとき必要になるか
ら・・・。理にかなっている。
100426 191417
八戸のモリさんと言う方から携帯に電話があった。ヨット悠(はる
か)の森川さんから連絡があったそうで、八戸で、お世話いただける
とのこと。感激。運河のようなところへ付けるという情報しか私は持
っていない。森川さんに感謝。そして大洗で引き合わせてくれた木村
さんに感謝。(石川さんからもサポート依頼の電話があったと、後で
聞いた。)
04270128 100427 023231
JASREP/PR//
A/あん5/240-41190//
B/270100J//
C/釜石港沖/39.16N/142.04E//
メール送信
2010/4/26
100427 023402
4月27日午前2、ワッチ交代。月がまもなく沈む。左舷11時に15秒の閃
光。とどヶ埼。あと、55分で変針点。55分タイマーセット。右舷1.5キ
ロ、本船行き会い中。
45
100427 023951
当艇は、岬から3マイル離した「円の接線で航路を決めている。今も、
北行本船は左舷、南行船は右舷を走っている。当艇の針路上に定置網
などは無いと言うこと。
100427 024647
28マイル先に、サンフラワー富良野を確認。ミートは一時間後の見込
み。とどヶ埼を回った直後。まわるといっても、10度以内の方向転
換。
100427 025007
風力1。風力は、おおむね2倍で秒速メートルとなる。前からの風なの
で、寒くなく、むしろさわやか。ドジャーをたたんでしかも、上着を
脱いだ。PCを使うにも、前方を見ながらなので安心。時々、レーダー
が波の反射を拾って警報を出す。
100427 031021
前方に黄色い灯火。ほぼ12時方向。レーダーに出ない。感度を上げて
も出ない。しばし、PC中断。
100427 032418
左舷間近を通った本船の写真を撮った。ストロボを止めたはずなの
に、光ってしまった。相手から、強力なサーチライトを浴びた、手を
振っておいた。EISHINMARU No,18だった。
100427 033053
未確認灯火は、10度左へ振ったので、コースからは離れた。今、一
時半方向に見えている。小型漁船。明るい灯火は、集魚か、又はその
方向に流し網ありの表示と思う。レーダーには、ノイズと共に、他の
船は出ているので、機影が出ないのは、小型のFRP船のためと思われ
る。
100427 033241
変針点に来たので、さらに15度左へ振る。サンフラワーまで7マイ
ル。
46
100427 033510
次の変針点まで、28マイル、約4時間。そのあとは小刻みの変針にな
る。
100427 035121
サンフラワー富良野、つながったが、船長オフで就寝中とのこと。お
声え掛けできず、残念。
100427 035927
先ほどの灯火は、集魚灯を点けた漁船。現在、後方5時方向。
朝の市場に向かってがんばっておられることと思う。それにしても、
見渡す範囲で4隻とは、少ない。明朝の、魚市場の賑わいが心配。
100427 040427
右舷、1時30分方向、2.5Kmに、客船KITAKAMI。20.5ノットで、仙台
に向かって航行中。明かりがホテルのように並んでいる。薄明かりの
中でかっこよく、きれい。
100427 040758
闇夜では、PCの画面が明るいので、前方が見にくい。時々、カバー
をかけて光を遮断して、前方を凝視する。闇に慣れるまで時間をかけ
る。
100427 040848
レーダーは、秋葉原で買って、自分で取り付けた。付属の10mケーブ
ルでは、長さが足らなかった。20mのケーブルを買うと、10mのケー
ブルが無駄になる。だから8m分つないだ。多芯シールド+同軸ケーブ
ル。取り付け金具もネットで注文した。図面を書いて送って、11000
円だった。
04261657 100427 041419
ヨットは傾く。むかし、レーダーの水平機構をいろいろ考えたことが
あったが、案ずるより生むが易しで、固定式でも問題ない。ヒールし
ていても結構サイドも出る。30度以上傾くと駄目かと思うが、主とし
て前方・扇方を見るので支障は無い。水平方向で同じ高さに位置する
ブームの影響も無かった。
47
100427 043423
今は、天気は、晴れ。風も穏やか。デッキ上は、つゆでべたべた。
しかし、馬場さんの予報では、今日は目一杯吹く見込み。馬場さんの
予報のページ、http://www.wamwam.co.jp/appl/。馬場さんの記事や
著書は読むが、お会いしたことは無い。馬場さん気象情報はAnne5の
必需品。
100427 044617
今、0445。予定航路上では、0700南の風5m。1200北東の風10m。
1500北東の風13m。最大はこの1.5倍吹く可能性がある。とのこと。到
着は1500の見込み。
100427 045725
航路予想は、30フィートのヨットであることと、機走速度を0.5ノット
少なく設定してあり、もう少し航行速度を稼げると思う。昼前からカ
ッ飛びで行き、到着予定時刻より、早く着くと思う。ただし、港内で
時間がかかるので、やはり夕方着艇の見込み。波が2m以下の予報なの
が救い。
04270448 100427 051726
針路を譲ってくれた漁船。カジキ漁に向かう?こちら遊びなのに申し
訳ないが、妙に譲るなどせずそのまま針路を保つのがこの場合は良
い。
04270500
4月27日の日の出
48
100427 071000
三陸沿岸を6.8Knotで機走中。海岸沿いに小さな集落がいくつか見え
る。集落というより町。ほとんどの町がたくさんのテトラポットに守
られている。ふんだんに、テトラを投入した町もある。1箇所、2箇
所、少し高いところにある町もある。
100427 071401
2010/4/26
山が海岸へ迫っている、リアス式海岸。海岸沿いの山は、この宮古周
辺、150mほどの台形の山が連なっている。海岸沿いは、人が寄れな
い絶壁だから、道はその山の上を走り、各町へは坂を下りるのだろう
か?
100427 071725
その向こうに、雪をかぶった山がいくつか見える。左舷後方の、それ
らの中でも目立つ山は、方位から、白見山(1173m)のようだ。
100427 072139
海上、陸よりに漁船が一パイ。それ以外、周辺を見渡しても、船は見
当たらない。あと30分で、弁天埼。そこからは、小刻みに、海岸線に
従って走る。
100427 072813
0800ワッチ交代。朝食予定。朝食が終るころから、吹きだす見込み。
朝、風を冷たく感じたが、今は、ウス雲の中、日も昇り気温が上がっ
てきている。
100427 073323
「警報、警報」、国際VHFから12チャンネルで聞くように指示。塩釜
ホアンから、仙台気象観測所の気象通報。「低気圧の接近に伴い、と
ころによって最大15mの風が吹く可能性がある」とのこと。名古屋ホ
アンで聞いているのと全く同じ口調。
49
100427 073746
ライヤンさんに動き、ワッチ交代時間を前に、準備に入った模様。ラ
イヤンさんは沖縄生まれ・育ち。出発地の三重に来るとき、沖縄では
30度の日々だったそうで、この先北海道を考えると、防寒対策が必
須。八戸で調達をすることになるが、これ以上、重ね着できるのかと
いう疑問もある。すでに厚着でライフジャケットがはちきれそうな様
相。
100427 074207
今、深さ112m。陸から3マイル離れているのに、魚を取る仕掛けが沈
めてある。ここに仕掛けがあるという目印に旗を付けたさおが立って
いる。夜間、全く見えないから、スクリューに引っ掛けたら大変。
100427 074526
タイマーが鳴って、変針点。WP(ウェイポイント)51からWP50へ向
かう。WP50まで12.8マイル。6.7Knotだから、1時間55分。しかしそれ
までに風が出るはず。今は、誠に穏やかであたたかい。
100427 100651
エンジンを回したままセーリングする機帆走中。瞬間速度8.7Knot。大
波に乗り上げ、オートパイロットでは、レスポンスが追従できないの
で、手動操船。上天気で、強風下豪快。
100427 100925
大洗で実施例を見た、ジャイブプリペンダーを装備。プリペンダーで
はなくただのストッパーだが、出航前に取り替えたスピンシートとス
ピン用ブロックを使って・・・・。うまく働いている。
100427 101922
後ろから来る本船も、なかなか抜けない。勝るとも劣らないスピー
ド。メイン2P、ジブフルのクォーター。ライヤンさんが当て舵、操舵
中。この調子で行けば、八戸沖、13時30分。私は、オフ。
50
100429 074547
Anne5のオートパイロットはST6000+。十分なパワーがあり、これま
で、波や風に負けたことは無い。しかし、この状態では当て舵(次の
挙動を推測して反対に舵を切ること)ができないので、使えない。
04271100 100429 074706
ライヤンさん、Anne5での初めての荒天操船。すぐにAnne5の特性を
つかむ。
100429 074727
波と直角に白い筋が見える。10mを大きく越える風。Anne5は、バウ
が重いのでパンチングは少ない。バウには、200kgを越えるアンカー
チェーンと200Kgの清水タンクがあり、重い。しかし、舵の効き方に
遅れの癖があったとのライヤンさんの感想。
04271254 100429 074917
波に乗る、Anne5。
51
100429 074941
サーフィンをした後、Anne5が波に乗り上げる。大波のとき、バウが
天を突く感じがする。天を突いた後、思わぬ方向へ船首が向く。バン
という大きな音と共に、ナチュラルジャイブした。ブームの位置が高
いので、コックピットに立っている時は、頭を打つ心配は無い。(ナ
チュラルジャイブ:追い風で突然、ブームが左右入れ替わること。
2010/4/27
猛烈な勢いで入れ替わるので、頭を打って落水する事故や破損が起き
る。)
04271255 100429 075256
ジャイブでせん断したフック。ステン10mm径だが、半分しかないカ
ムの支点のところが切れた。切れて良かった。取り付けるとき、シー
トが先に切れて、サイドステーを守ると思った。サイドステーのター
ンバックルが変形してしまった。す(ひび)はない。
100429 075316
ジャイブ防止用のシートをクリートに止めたが、あえなく再びナチュ
ラルジャイブ。今度はシートが切れた。メインを下ろすことにして船
首を風上に向ける。木の葉のようなゆれ。機走に入っても追い風で、
マストと船体だけで押されて速度は落ちない。
100429 075322
八戸港への進入点で、約30度左へ変針し斜め後ろから波と風を受け
る。前方にこの強風の中出航する貨物船。入港する本船もある。貨物
船は風上に向けて回頭するが、あえぐ感じがする。
100429 075338
八戸港への進入点で約40度左へ転舵。灯標を左に見て防波堤の内側に
入る。波はなくなるが、風は防げない。港内には数ハイの本船がアン
カリングで避航している。
100427 152357
八戸港到着。外は、瞬間では、15m以上の風でした。
52
04271407 100429 075423
八戸、西航路の赤灯台。
100429 075439
灯標をかわすときの大原則は「RRR:ライト、レッド、リターン」。
右に赤を見て港へ帰る。大橋が見える。橋をくぐって出て来る本船を
確認。誤解を招かないように、そのまま針路を保ち、本船の針路を大
きく避けたところで大橋に向ける。出船優先の原則であるのと、こち
らは遊び。
04271410 100429 075516
出船あり。
100429 075535
大橋をくぐって、突き当りの三叉水路を左へ。モリさんの指示通りに
船を向け、モリさんが手を振る漁船に横抱き、難なく係留。エンジン
のアワーメーターで48.3時間。15時に出て、15時に着いた。300マイ
ル48時間。航海を存分に楽しんだ2日間だった。
100429 075552
モリさんの誘導がなかったら、場所を探し、許可を得て・・・、と大
仕事。モリさんの誘導は何にも変えがたい。大感謝。三叉水路を右に
行くと、座礁の危険もあったと聞く。モリさんから、手作りのヨット
マン向けガイドと、おにぎり、ジュースの差し入れ。このホスピタリ
ティーに感動。
53
04271722 100429 075741
4月27日15:00、八戸、着艇。これまでモリさんが船主の姿を見たこと
が無いと言う漁船に横抱き。
100429 075636
進入中、川の中央付近で水深2.7mのところがあった。係留場所は3m
を越えていた。潮表で潮位の変化を確認。JASREPへファイナルレポー
ト発信。干し物をして、モリさんのガイドにあった銭湯へ。
Anne5 の船長について
1944年12月生まれ。
中学生の頃から、独立志望で、ガールフレンドから卒業する頃、「駒ちゃん、電気屋で
もやるの?」と言われたことを今でも思い出す。
名古屋の中小企業で20年間勤め、42歳で独立。
株式会社ネオレックスを設立。
あくまでも独自製品路線で開発や製造を行い、マネージャーと共に苦難の中に夢を追う
20年間を過ごす。
会社が、ここまで持ちこたえたのは、優秀な社員の皆さんと、開発成果を評価していた
だいたお客さん、そして新たな道を開拓した2人の息子たち。
現在、会社がサービス提供するのは、SaaS・ASP型勤怠管理システム「バイバイ タイム
カード」。
この先、私達は、若者が開発、展開するビジネスの応援をすると共に、新たなビジネス
の立ち上げや海事普及に貢献したいものだと、マネージャーと共に話している。
54
Memory of Ginowan
55
八戸
04271723 100429 075653
係留後、物干しをして、まずは銭湯へ。銭湯へ向かう途中の湊橋上か
ら。
100429 075712
両岸にびっしり係留する船。河口に向かって右側は漁船。
左側は、交通量の多い道路に面していて、漁船は少ない。
雨に備えて、大洗方式でビミニ(日よけ)にビニールシートをかけ
る。
100429 075759
お風呂のあと、防寒着探し。10分ほど歩いて近くの駅へ、電車を50分
待つわけにはいけないので本八戸駅までタクシー。本八戸の駅でコン
ビニのおばさんに八戸の案内は無いか?と聞いたが、ないといわれた
が根性で捜して見つけた。36ページ、写真も多いが、やたら文字が多
い立派な八戸のガイドブックゲット。
56
100429 075814
歩いて30分以上あったか?モリガイドを見てイトーヨーカドーを訪
問。北海道向け防寒衣類を探したがすでに春物一色。ホームセンター
などあることを確認して、帰る。2昼夜航海の後、こんな日に徘徊する
老人2人。一人苦笑い。簡単なおかずと、ワインを飲んで寝る。
100501 054433
4月28日、八戸。係留場所から歩いて10分ほどのところに展望台があ
る。展望台の多目的トイレは、広々としていてきれい。写真の真ん中
にあるのは昔の八戸市の展望台。今は保安庁の信号所になっている。
この展望台は保安庁の施設。平日だったので来る人もまばらだが、保
安庁の展望台管理事務所には人がいる様子。
04281103 100501 054524
左にあるのが保安庁の展望台。桜は3分咲き。
04281116 100501 054657
バリバリ漁船。
100501 054739
Anne5が係留している右岸は、道路沿いだが作業エリアが取ってあり
小型漁船用に出来ている。一番先にある現役バリバリの漁船。よく整
理されていて、操舵室の機器も最新鋭のようでピカピカしている。
04281121 100501 054906
その他の船は、押しなべて年季が入っている。操舵室も雑然とし船体
も傷んでいる。昔、漁協からお金を借りて作ったのだろう。借金は終
わったが、買い換えるには漁獲量と後継者が無いので、踏みきらない
のであろう。漁民の人も、すべて高齢者のよう。
写真は、廃船1。
57
04281123 100501 055110
廃船2。
04281124 100501 055150
廃船3。
約30隻の中に廃船が6隻ほどあると、モリさんに聞いた。船上の構造
物や設備は朽ち果てているが船体はFRPだから腐らない。いつまでも
浮いている。
100501 055518
漁師の親が養老施設に入っても都会に住む子供は、容易に漁業権は手
放さないであろう。再び手に入れることが難しいから、「そのうち帰
るとか、定年後は漁をしたい」など、理由はある。そのうち、所有
もはっきりしない船が増えてくる。粉砕して焼却するのは数百万円仕
事。所有者をはっきりさせない方が良くなる。
100501 055609
所有がはっきりしないと、行政当局も手の出しようが無い。神奈川な
どでは一定期間張り紙をし、撤去するなどしているようだが、地方で
はお上、本庁のお達しがないと何も出来ない?費用が伴うので仕方が
無い。こうして、安全で貴重な係留地が失われて行く。
100501 055746
あと10年もすると、ここも半分が廃船になる。この処分には巨大な費
用が必要になる。今なら、所有者や利用意思の確認、再利用の相談や
粉砕費用の補助など仕組みが出来る。早ければ早いほど経済的で有効
な手立てが打てる。海事普及を願うものには、切実な問題。
100428 232428
文雄君!伝言聞きました。ツイッターを上げる時間が無く、心配をか
けてすみません。船内の暖房設備の設置はうまく行きました。今、食
事を取って寝る前に、30分間エンジンで充電しています。12Ah確保
します。それにしても、60WのLED電球の威力はすごくて、2個つけて
も電流計はほとんど動きません。
58
100428 232457
会う人、会う人、北海道の寒さが話題になります。沖縄のライヤンさ
んのためにも、どうしてもらくだの股引(ももひき)を探し出さなけ
ればなりません。昨日行ったイトーヨーカドーでは、春物しか置いて
ないと冷たく言われ、明日も、又、股引探しをするつもりです。
100428 233356
ツイッターたまってしまいました。(ためるものか?)写真もたくさ
んあるので、近くアップします。それにしても昨日は、すごい風と波
でした。瞬間風速20m/秒?瞬間スピード9Knot。波最大4m?石川さ
んの奥さんが強風下の航海に腰を抜かしていると、メールがありまし
た。 では又。
04300819
もともと、船には、オイルヒーターがあったが、不調のため、出発前
に降ろした。寒さ対策に、LPガスファンヒーターを持ってきた。箱か
ら出して、接続工事をした。元来、壁にあるガスコンセントに接続す
るようになっている上、国内とは異なるサイズのヨーロッパ仕様ガス
管で、いささか工夫が要った。
切り替えコックは売っていないので、差し替え式にした。安全弁が付
いていて、プラグを抜くと自動的にガスが止まる。元栓を締めなくて
も抜き差しできるのは、安全で便利。もちろん、忘れないかぎり元栓
を締めて、切り替える。
04301059
暖房に使うとなると、どうしても予備ボンベがほしい。もともと予備
ボンベ収容スペースがあるのだが、フランスと日本のタンクの形状が
違うので、収まらなかった。出航整備のとき、マリンテックの中村社
長さんが、うまく広げてくれた。
04301320 100828 063217
LPガスボンベ 。
59
ボンベは2Kg入り。ネットで調べると、一本2Kg満タンで28Kw。コン
ロは、3Kwとすると、2Kg満タンで28/3・・9時間ぐらい・・・。フ
ァンヒーターは、0.5~2.4Kw。平均2Kwとして、28/2で、14時間ぐら
い、使えそう・・・・あくまでも目安。
LPガスタンクの残量を知る目的でばねばかりを八戸のホームセンター
で調達した。ちょうど一本使い切ったので、減圧器を着けた状態と、
外した状態、空と、満タンの重量を記録し、この後も、変化を記録す
ることにした。空になったボンベは、充填に日数が掛かるので、北海
道で満タンにすることにした。
狭いキャビンでの、ファンヒーターの威力は強い。あっという間に、
暖かくなった。16℃設定のほかにL(10℃)なる設定があったので、
これぞ省ガスと思って使ってみたが、よく調べてみると、常時燃焼し
ているようだったので、この設定は止め、温度が下がったら短時間点
火する方式で使った。これで、北海道に行っても凍え死ぬことはなさ
そうになった。
100429 080232
4月29日朝8時。ライヤンさん、散歩から帰る、ナウ。昨日、駅へ行く
道で、何とさびれた商店街と思ったところが、午前2時、3時に車が通
れないほどにぎわうと聞いたので、ライヤンさんが早朝、散歩がてら
見学に。今から、朝食を取りながら、様子を聞こうと思う。バッテリ
ー電圧12.1V。エンジン30分運転。
100429 080437
外に出ると、何バイかの漁船が帰港。漁をして市に下ろしてきたのだ
ろう。
100429 090842
後ろの漁船で、作業が始まった。刺し網から魚を外している。小型船
は、市で下ろすのでは無い模様。
60
100429 091612
ウミネコが多い。ウミネコの繁殖地が名所になっているぐらいだか
ら、町の人もおおらか。正に、猫を相手にする様相。Anne5にも、し
ばしば飛来する。糞だらけになっても困るから、モリさんに聞いた蛇
ようなもの・・ベルトをブームにぶら下げた。飛来が少し減った感じ
がする。
100429 093452
馬場さんの予報を見る。出航できる可能性があるのは、5月1日16時。
04291350 100430 132533
4月30日。いつもの朝の散歩から帰ったライヤンさんの話では、未だ
風は相当強いらしい。港内にはたくさんの本船が退避しているそう
だ。写真は、昨日撮ったもの。10隻以上の本船がアンカリングしてい
る。
04301130 100430 134201
ウミネコが騒ぐ。後ろの漁船が仕分けした魚の箱を、陸へ
あげたとたん、多数のウミネコが殺到してきた。昨日見た
ウミネコの繁殖地、蕪島には、無数のウミネコが居た。
お向かいの会社の人に聞くと、糞は、めったに掛けられないそうだ。
04301032 100430 141206
展望台から見た進入水路。左方向が、私たちが入った川。写真の上部
が三叉を右に行った場合の産業用岸壁。その奥、左側の岸壁にシャー
ク号がある。
04291115 100430 141307
シャーク号の船長さんとモリさん。写真の観光船シャーク号の手前に
ヨットを係留できる。シャーク号の船長さんの許可が必要。ただし、
係留ポイントが、潮の満ち干を考えて、岸壁の高さが3段階になってい
る手前、一番高いところになるので、上陸するのに、いささか苦労を
することに注意が必要。
61
100430 141405
すぐ目の前が温泉、スーパーやホームセンター、大型電気店などのほ
か、コインランドリーなど商業施設が集中する、最高のロケーション
だが岸壁の真下が浅い。少し離れれば3mはあるとのこと。
2晩、夕食をモリさんご夫妻とご一緒した。八戸へのヨットは盛さんに
連絡すれば、サポートしていただけるとのお話だった。ヨット大好き
で20フィートのセンターボード艇と、今はドラゴンをリストアー中。
お名前を出すことの了承もいただいた。居酒屋がんこおやじは、おい
しかった。
04291125 100430 142409
盛さんにお誘いいただいて、八戸海岸めぐりにつれてっていただく。
まず説明を受けたのは「やませ」。水平線に平たく黒い雲が掛ってい
る。これが「やませ」。この中は、真っ暗で冷たく、べっとりしてい
るとのこと。
100430 142650
アラスカ、カナダ方面へ行くヨットはこれを避ける。
「やませ」はベーリング海峡で発生する、冷たい高気圧が原因。気象
庁の24時間予報天気図にも濃霧情報として、表示される。南北方向の
境界が左右に変化して動く。時に、八戸も襲われる。この時、冷害と
なる。
04291240 100430 143651
八戸から海岸沿いを南下するといくつかの美しい海岸が続く。写真は
なき砂海岸。
04291259 100430 143840
天気が良くないのを、嘆く盛さん。いやいや、十分美しい。種差海岸
を見ながら昼食。
62
04291253 100430 150327
年間2ヶ月間だけ、あわびやうにを取るための漁港。動く小船は十隻程
度。沖の岩の間には膨大な数のテトラ。コンクリートでできた広い広
い作業海岸。日本の沿岸にはこう言った高品質漁港がびっしりある。
海事普及で役立たせる他無い。
04291301 100430 150354
続いて見た漁港も、高品質。20隻いないと思われる漁船のために作ら
れた。昔はもっと漁船があったといわれそうだが、漁港はどこも真新
しい。
100430 150454
日本で唯一、こういった漁港を有効に利用して使っておられるのが、
八戸の盛ご夫妻。20フィートのセンターボード艇でピクニックがご趣
味。ピクニックの折に寄港するには最適。これ、高品質漁港活用のヒ
ントになるのでは!?
100430 152336
給油をする。盛さんのお世話で、スタンドで水を汲んで、そのあと、
ローリーが来た。予備タンクに今度は70L入った。メインは、ゲージ
で残58Lと見たので、65Lで止めるつもりが80Lも入ってしまった。ト
ランシーバで指示をしたが、うまく行かず自動車並みに給油口まで、
入ったことと思う。
04301512 100430 154040
盛さんからプリペンダーをいただいた。不要とのことだったが、過分
なご親切に恐縮した。プリペンダーは、追い風でブームが反対側へ行
ことしたとき、ドラムに巻いたロープの摩擦で、ゆっくり行くように
するもの。これで、安心。
63
100430 154948
バッテリー電圧が11・6Vまで下がった。1時間のチャージをする。バ
ッテリー容量は、75AH×3台。半分の性能利用としても合計で100AH
はある。1Aの利用なら100時間使えるはず。今、チャージ電流は
28A。サービス電流計を通らない電流が流れている。おかしい。即調
査開始。
04301826 100430 194218
電流計の不思議発見。インバーターへの電源供給ラインが計測抵抗
(シャント抵抗といったか?)を通ってないことが判明。早速回路変
更。ど太い線なので、隙間を通したりつないだりが大変。接続完了!
PCと二つの60W のLEDランプで消費電流4A。これで帳尻が合いそう。
写真は、回路変更作業の様子。
05010409 100501 041642
5月1日、朝4時10分、八戸ナウ。外気6度。船内10度。工場の出す煙
が、明るいナトリウムランプに照らされてくっきり見える。煙りは真
横に流れている。係留地ではENEだが、沖はWSWのはず。早朝に出た
いが、今出ると、函館が深夜0時着となってしまう。
100501 054306
PCのモニターが不調。セカンダリーとプライマリーの画面精度が逆、
さらに、両方とも、同じ画面が出ている。すでに立ち上げ直しを6回。
メインのPCは、重くて再立ち上げの時間が掛かる。こんどだめなら、
会社のスタッフに聞くしかない。仕事の邪魔をするので気が引ける。
100501 071315
(仲間からのメールをうけとる)。ヨシダさん。メールありがとうご
ざいました。八戸、4日目。津軽海峡、大間の沖が20mの強風で、函館
に向かえません。午後2時から6時の間に警報が注意報に変わったら、
出る予定です。
64
100501 071357
天気図を見ると、日本の南部では大きな高気圧が次々に来て、皆さん
にゴールデンウィークの意心地よい風を送っているようですが、こち
ら北部では低気圧が次々に来て、吹き荒れています。那智勝浦の温泉
やご馳走、存分にお楽しみください。では又。
05010410 100501 091300
展望台まで散歩した。目的は海を見ること、トイレ、ごみ。避航の本
船はいなくなった。風は依然として強い。桜は来たときは3分、今日は
6分。船に帰って海上警報を見る。警報は北海道南だけになった。まも
なく、注意報になると思われる。
05010658 100501 092312
八戸盛ガイド。真ん中は私がセロテープで止めた。外国人向けに英語
も書いてある。八戸では、ヨットマン必携品。
05010826 100501 092806
風待ち、4日目のAnne5。未だ使えそうだが、だいぶ整備がいるかなー
といった漁船に抱かせてもらっている。盛さんもオーナーの顔を見た
ことがないそうだ。
100501 093733
係留しているすぐ先に清酒「男前」(正しくは男山)の蔵元がある。
目の前を外来のヨットが係留場所を探してうろうろするのを見て、浮
き桟橋でも作ったらどうかとオーナーさんがいっておられたと盛さん
から聞いた。ヨットマンにとってはありがたいことだが、簡単ではな
い。
65
100501 094157
県の許可、漁協との調整、建設費(廃船を並べる?)。篤志家に初期
の負担をしていただくとしても、維持管理までは難しい。この八戸に
は盛さんのヨットしかない。外来艇が年間50隻、各2泊して、100泊。
千円/泊の利用者負担で、年間10万円。私の持論は、NPO、ボランティ
アは自立すべし。
05011406 100501 163609
「男山」でーす。盛さんの奥さんがツイッターの間違いを発見、ご主
人が現物を持って来訪。ヨット界の恩人になる方のお酒の銘柄を間違
えるなんて、猛反省。その上、五代目ご当首のお名前が、私と同じ駒
井さんと知り、ますます恐縮。
05011324 100501 164300
未来のポンツーンができる?場所。つぶやいた6隻の廃船とは別の、使
えそうも無い、廃船風の伝馬船が5ハイ。清酒「男山」蔵元の真ん前。
05011835 100501 184828
八戸ナウ。夕焼けが美しい。明日は晴れるが、晴れと強風は別の話
し。
05011836 100501 185625
5月2日昼過ぎに出航した場合の、航路予想。
66
05011837 100501 190728
その場合の、5月3日午前3時時点の予想位置、風向、風力。
100502 040104
AISの受信信号がアプリに入力できなくなった。マチュアー無線機を専
用受信機としてチャートテーブル横のボード裏に固定してある。操作
できない構造だから、そちらに原因があることは考えられない。音声
受け入れのUSBユニットを抜き差ししても、PCを再立ち上げしてもダ
メ。
100502 040124
無線師匠に電話をする。師匠はヨット新高丸船長岩田さん。このとこ
ろ舵誌にAPRSや国際VHFの正しい使い方などを執筆しておられ、特に
国際VHFの利用方法について、TEXTを作ったり、講習会を開いたり、
さらにNPO設立を企画するなど、今後のヨットの無線利用に欠かせな
い人。
100502 040155
いつも的確な診断。音声入力をアプリが認識していない。スカイプか
何かしなかったか?そうだ!午前中にサブモニターの設定などの問題
を、会社のメンバーに相談した際、スカイプのビデオ会話でPCの画面
を見せながら指示を受けた。この時、マイク入力の再設定をした。
100502 040208
岩田師匠の診断は、AISの音声入力をスカイプに取られてしまってい
る。会社のメンバーに電話をして音声入力の設定の相談をする。無線
機から出る、ピーギャーと言う音を信号に変えるので音声入力機能を
使うことになる。
67
100502 040240
原因究明と対策完了。高額の専用機を買えばこういった問題は無いと
思うが(ドコモの通信契約をしたら無料でもらえた小型)PCでシステ
ムを構築した。利用する機能を限定して使えば未だよいのに、欲を出
して他の機能にも使おうとしたのが問題の原因。
100502 040249
でも、洋上からのテレビ電話や帆走中の様子のビデオNET中継、(老
後に癒しビデオにするための)長時間録画(1/2テラのHDDも積んで
きた)など、挑戦したいので、これからも、お世話になりそう。
100502 040304
中古のアマチュアー受信機と数千円の機材を使ってAISシステムを実現
したが、すべての機能や設定を理解することは不可能。どうしても専
門知識を持った人、師匠の力を借りることになる。この点も、今後の
海事普及の課題。
100502 040326
DC電源で又新たな発見。回路変更をしたのですべての消費電流を計測
できるようになった。照明、PC、ファンヒーターなどすべて家庭と同
じAC100Vなので、消費電流はインバーターへの供給電流で決まる。全
体で4Aの消費と見ていたのが、実は8Aだった。目盛り一つを1A と見
ていたが、良く見ると2A。
100502 040415
10年以上、間違って見ていた。インバーターは15時間/日使っていた
と思う。8A×10時間、80Ah。エンジンによる充電は20~24アンペ
ア。4時間/日の充電が必要になる。この試算によると5日で20時間。
実績は8時間。充電不足だと分かる。
100502 040441
初めての長期、陸電無し生活。電圧の低下が予想以上だったので、
12Vで充電開始のところを、11.6Vで充電を開始していた。今日の14時
間航海で十分に充電することにして、それまでは小口充電でしのぐ。
ちなみに、今、2時間充電中。
68
100502 042447
比較的粗食の生活をしている。ライヤンさんは毎日5時間以上、八戸を
探索している。盛ガイドなしで路地も分かるようになったと豪語して
いる。お風呂に行って体重を測ったが2人とも減っていない。思えば、
出航して13日、未だ4日しか航海していない。
100502 042510
ライヤンさんが新たな発見をした。係留している反対側左岸に14隻の
放置艇らしき漁船があると言う。左岸には作業スペースがないので、
左岸の漁船ほとんどが放置となる?ざっと数えてこの両岸に45隻。
(右岸6+14)/45・・八戸では河口に置く漁船の44%が放置艇!?
100502 042520
すぐに手を打たなければ・・。例えば、こんな解決案はどうか?①6ヶ
月間の警告(利用状況を連絡又は処置の相談に来てください)、②6ヶ
月経過後、船名をスプレイで消して他の港へ曳航、③エンジンや設備
など撤去、④燃料などを抜いて、船体は漁礁として沈める。
100502 042538
エンジンや設備の撤去は、欲しい国の人が来て作業。使えそうな船体
ともども回航も良い。これまで、ロシアやアジア、中東に中古車を出
していたスタイル。海事普及を願う、オールド海事従事者やボランテ
ィアが小遣い程度の収入で支援。小遣いが多いと年金が減る。
100502 050831
5月2日朝、盛さんに教えてもらった、日本一の朝市。今からライヤン
さんと行ってきます。
05020546 100502 093304
八戸日曜朝市。聞きしに勝る規模。400店はあるかと思う。岸壁に
は、イカ釣り漁船が見える。朝市で買ってきたカニ。2ハイで500円。
船に帰って、一人で食べた。
69
05020554 100502 094752
港には、出航を間近に控えたイカ釣り船。これから津軽海峡を越え
て、島根沖まで行き、お盆ごろまで、徐々に北上して操業する。イカ
で満杯になると八戸の市まで戻る。月に1、2度とのこと。乗員は6人
から10人ほど。機械化しているので、イカ釣りの操業はボタンを押す
だけという。
05020615 100502 094802
粗い格子が機械設備、細かい網が作業用で、共に、外側に倒して作業
用の足場になるようだ。
05020636
各設備には、たくさんのスイッチが付いたコントロール盤があって、
疑似餌つき糸を繰り出す、巻き上げるのスイッチを押す。釣れたイカ
は、針に返しがないので、自動的に外れて収容される。写真中央の箱
が、2リール分の制御コントローラー。
05020712
朝市では、結局、こんにゃく煮と、せんべい汁を食べた。花咲ガニ2杯
を500円で買って船に戻って食べる、結構味噌も身も詰まっていた。
ライヤンさんは、朝市で分かれて、日課の散歩。
100502 044214
八戸で6日間、お世話になった。長期係留の勉強もできた。最初、なん
とまとまりの無い町だろう、会話を避ける漁師さん・・・と思ったと
言うライヤンさんも、すっかり八戸が気に入って、今度は単独でも来
たいと言っている。
70
100502 044351
盛さんには格別にお世話になった。まず、係留場所として、放置艇の
所在を把握しておられ関係者の承認を得ることができる、盛さんなし
では係留は考えられない。それから盛さん手作りのガイド。お風呂や
コインランドリーなど、外来艇にはかゆいところに手が届く必需品。
100502 050717
@DragonMori 何かとお世話をいただき、本当にありがとうございま
す。その上、函館への連絡など、誠に恐れ入ります。海事普及、よろ
しくお願いいたします。twitterがんばってください。
100502 103548
八戸へヨットで寄られる方は、事前に是非、盛さんにご連絡くださ
い。盛さんから許可をいただきましたので、連絡先を記述します。盛
光伸さん、八戸市在住、TEL080-5565-6148、メール sp8y8nd9(@マ
ーク)opal.ocn.ne.jp 外国の方もOKとのことです。
71
函館
八戸
100502 124726
5月20日1200離岸。八戸港外。風NE風力3(6m)。メイン2P ジブ3
P.機帆走。2100RPM。
100502 124805
堤防の先端で、盛ご夫妻のお見送りを受ける。
05021203 100502 124902
離岸直後、軽い座礁。川の中心付近は浅い。右岸よりの方が気持ち深
い感じがする。
100502 141553
1400、7.3Knot。誠に、快調。横から風を受け、セールは2P以上にリ
ーフ(縮帆)しているが、十分な推進力になっている感じ。波によっ
て船首が振れる。オーパ(オートパイロット)のレスポンスをあげ
る。
72
100502 145725
1500風が落ちた。風も西へまわって、西北西。ジブをしまう。速度
6Knot。のどかな航海。メインも、ばたつくが、未だ使える。うっす
らと左前方に山が見える。
100502 151237
前方がかすんでいる。霧が発生しているようだ。気象庁のホームペー
ジを見ると。北海道南は霧と強風警報が出ている。霧と強風が同時に
警報になるのはちょっと理解できない。天気図上では問題となる低気
圧は無い。馬場さん予報は、3日午後、強風。だから、今日は霧、明日
午後は強風ということ?
05021516 0501100502 151604
北海道南部に警報。
05021518 100502 151800
明日の天気図。
05021610 100502 162510
2頭のイルカが、伴走している。バウ(船首)でカメラを構えるとす
ぐ下を通過したり、これ見よがしにジャンプする。20分ほど見てい
て、今、キャビンに入ったが、まだ、周りを泳いでいる。
05021540 100502 164336
今晩のコース。尻屋埼から、函館へ一直線の航路が引いてある。真ん
中がマグロで有名な大間。岸よりに行って大間沖から函館を狙うと海
流の影響が少ないと聞いているが、予報は西の風なのでスターボドタ
ック(右空き、セールが左に出る)クロス一杯で、自然に岸寄りにな
るのではないかと考えている。
73
05021632 100502 165243
函館港では、函館山がある岬を(昼間だから)2マイル離して回航、接
近する。そのあと、函館港の第一航路へは100度ではいる。港の中で
着ける所は金森倉庫だったか?その位置をこれから調べる。
100502 165948
ヨットの泊地情報は、いくつかあるが、代表的な2例を示す。
http://www014.upp.so-net.ne.jp/ksaigou/hakodate.html と
http://www.geocities.jp/tiarashore/anch116.hakodate.htm
100502 172017
ウエブの地図マピオンで確認して、第二航路を出て、190度方向の奥
に、金森倉庫があることが分かった。函館湾口の変針点から1時間強。
現在、風が落ち、機走6.5Knot。尻屋埼通過予定時間は21時。堤防や突
堤の記述が充実している地図はマピオンと思う。
05021753 100502 181745
ジャイブプリベンダーも付いて、ますます装備充実のAnne5。
05021808 100502 181835
20010年5月2日の夕焼け。
100502 190632
閃光、10秒。尻屋埼、灯台確認。変針点まで11.5nm(マイル)。
74
100503 013617
01時、仮眠を終えてスピードを見ると、3.7Knot。GPSプロッターの目
標と船首方位が大きくずれている。いろいろ考えたが、GPSプロッタ
ーの故障に違いないと思い、あわてて予備のハンディーGPS のスイッ
チを入れた。
しばらくしてハンディーGPSが衛星を捕捉して緯度・経度や針路、ス
2010/5/2
ピードを表示したが、やはり、実際とは大きく違った表示だった。こ
のことをライヤンさんに言うと、「潮に流されている。GPSプロッタ
ーは正常。」とのこと。「北極星を見ているから間違いない」、と言
われた。
100506 072023
小樽に着いてから、堀江さんに聞いた話では、このときのAnne5の航
路は最悪のコースだったらしい。青森の右先端、尻屋の沖には、昼間
なら見ればすぐ分かる川のような潮流がある。又、その潮流は大間
の沖から流れ出ている。Anne5の航跡は、正にその川を上っている。
「面白い、考えられない、私なら2日掛る・・」と、笑われた。
100506 072221
深夜で川のような流れは見えなかったが、プロッターの表示が25度以
上ずれて故障かと思ったのは、正にこの川を上っていて、船首が横に
押され方位が定まらなかったから・・。APRSを見ても、1Knotしか出
ていない記録もあった。「良くぞ乗り越えられた。相当の性能」と、
ほめられもした。燃料は十分あったし不安はなかった。
100506 072233
北海道のヨットは最短距離で北上し、北海道沿岸を・・。青森のヨッ
トは大間まで陸寄りを行き、大間から函館へ向かうと言う。それぞれ
の主張が面白い。東行する時は津軽海峡の真ん中に船を入れると、時
に10Knot越える快走を味わえると言う。この川が、大間のマグロ漁に
つながっていると聞いた。
75
100506 072253
こういうことはどっかに書いてあるのかと聞くと、「北海道の人はみ
んな知ってるべ。」と、堀江さん。ヨットのエンジンはあくまでも補
機だから小馬力。小さいエンジンで突然現れた川のような流れに流さ
れることを考えることを想像すると、恐怖。夕暮れならパニックを起
こすかも知れない。
05030138 100503 013822
01時の潮流予想。
100503 013901
04時に連れ潮と認識していてその前後は大きな影響は無いと思った。
上り一杯の強風予報だったので帆走パワーを使いたかった。尻屋を3マ
イル離しているので、すでに沖コースだった。など理由はある。04時
の潮流予想は、大間沖で連れ潮になり、かなり改善される見込み。
05030139 100503 013940
04時の潮流予想。
100503 014930
外に出た。寒い。デッキが湿っている。波をかぶっている。波の高さ
は2m。高いわけではない。月夜で明るさがある。燃料のチェックをす
る。燃料メーターは、3/4以上。問題は無い。
100503 014940
風は、斜め前方でそれほど強くない。セールはシバーするであろうか
ら役立たない。このまま、じっと我慢で乗り切る。
76
100503 015522
PCのハードディスクの保護機能がひっきりなしに働く。波のカゲン
が合っているらしい。キーをたたいてもすぐ反応しない。それでなく
ても、暗くてミスタッチが多いのに困る。
100503 015558
5月3日0150。0200がワッチ交代時刻。そろそろワッチの準備。0800
まで私。
05030230 100503 025606
深夜二時半、メインを上げる。3P。少しでも風を有効に使うため。写
真の斑点は、雨ではなく、飛沫。時々大きくピッチングする。その内
何回は大きなバンという音と共に、バウ(船首)が海面をたたく。
100503 025842
普通は、海面をたたくとスピードが落ちるものだが、バウの清水とチ
ェーンの重みで、Anne5の場合は、頭を突っ込み、スピードが落ちな
い傾向がある。
100503 030157
500m以内の波のノイズを拾って頻繁にレーダーの警報が出る。こうい
った場合の回避方法もあるようだが、その技法を習得していない。こ
の航海中にマスターする積もり。むやみに感度を下げると、危険。警
報範囲を300mほど先にした。少し、波による警報が減る。
100503 030419
飛沫が多く、PCを外へ持ち出せない。タイマーを5分セットして、チ
ャートテーブルに座る。右舷側に、町の明かりが見える。
100503 030624
尻屋埼付近では、国際VHFはロシア語オンパレードだったが、今は、
遠く日本語がまばら。夜間はなんと言っても、漁船に注意。ほとんど
周りを見ていないし、漁労中の航路権もある。
77
100503 032323
あったかいが防水でないズボンをはいていることに気が付いた。上か
ら防水ズボンをはいたが、ときすでに遅し、お尻が冷たい。
100503 032453
一時方向に灯火。レーダーにも大きく出ている。注視する。左舷遠く
にも船舶の灯火が見える。
100503 032711
対地スピード2.7Knot。対水、約4.5Knot。3時半になったのに、潮が変
わらない。パンチングが大きな音を立てる。
100503 032914
前方の船は、明るく見えているが遠ざかっている。舷灯(赤や緑の
光)も見えない。
100503 034243
空が白ずんで来た。夏至まで一ヵ月半と言うのに寒い北国。
100503 034611
お尻がぬれた原因は、コンパニオンウェイの階段に水があること。こ
の水がたれる原因は不明。調査をしようと思うが。飛沫程度による水
漏れは探しにくい。しかし今やらないと再現できない。
100503 035547
間もなく、午前4時。閃光20秒。灯台が見える。海図を見ると汐首
岬。ハンドコンパスで見ると336度。間違いない。灯台は、非常に役
立つ。しか、昼になると使えない。暗くなったのに、なかなか点灯し
ない灯台もあるようだ、昼も点灯して欲しいものだ。曇り時など役立
つと思う。
2010/5/2
100503 035957
3.3Knot 。セールも良くはらんでいる。函館への変針点まで18マイ
ル。このまま行ったとしても、6時間後、午前10時には変針点。昼前
には間違いなく着艇できる。 遅れているので、JASREPへの報告もし
たほうが良い感じ。 78
100503 040251
対水、5から6Knot。今回、スピードがあるのでケンケンが流せない。
このスピードで、この明け方だと、釣れると思うが、大間のマグロが
掛ったら手に負えない?ので止める。
100503 041014
JASREP/PR//
A/あん5/240-41190//
B/030400J//
C/汐首岬沖/41.38N/141.00E//
100503 041555
周囲2マイルに大型貨物船とコンテナ船2隻、あわせて3隻が見える。
リベリアと韓国そして日本船籍。AISではNetを通じて、その写真も見
ることもできる。
100503 044608
波が少し、収まった。水漏れも開口部から伝った一時的なものだった
ようだ。対地スピードが出ない以外は、快調。問題は無い。対地も
3.6Knot(時速約6Km)ある。「歩いて渡った」と言う(スピード)
ではなくなりそう。
100503 045033
3マイル先に、当艇へ向かう本船あり。87TOYOMARU。15.3Knot。後
方から接近してくるのは、中国籍のTIANXINGHE。19.4Knot。現在の
ところ危険は無い。
05030446 100503 051448
5月3日の日の出。
100503 052722
向かい風になり、セールダウン。電動のウィンチを使うので、体力を
多く使う訳ではないが、汗をかく。
79
100503 052732
ライヤンさんウェイクアップ。交代を申し出てもらったので、2時間早
いが内勤。ホカロンを受け取ってお尻に入れたが、あったかくなる実
感が無い。汗が引いたら、着替える積もり。
05030501 100503 052746
追い越し船が前方を横切る。この中国船の行き先はFUZHOU。294m、
幅32m。ブリッジはデッキの上から7階建て。「エンジンルームへ行
くのは一仕事。」ライヤンさんの感想。
100503 054825
北海道海上保安から警報。12チャンネルで聞く。北海道の西、最高
18m。宗谷岬15m。東、濃霧で視界500m以下。津軽ヒヤマ沖も強風警
報。ヒヤマを海図で探すが見当たらない。現在航海中の海域は、風力
2(3から4m)、波2m。日差しもあり、比較的穏やか。
100503 055237
函館湾口、函館港へ向かう変針点まで11nm(マイル、海里)。現
在、対地4.5Knotなので、2時間強で到着する。そこから1時間、10時
には着艇できる見込み。
100503 055724
着替えをしたので気持ちがいい。汗かきは困る。「汗をかき、体を冷
2010/5/2
やして、風邪を引く。同じことして、直らない。」この句が理解でき
る人集合!!今とって置きの解決方法実践中。ユニチャームに提案し
たら断られたので、自力開発中。
100503 062448
朝食。今日は、おにぎりとおかずorパン。パン焼き器が優れもので、
この航海で大活躍。研司君が教えてくれた。角の食パンを二つ折りし
て、ハムやとろけるチーズをはさんで焼く。ツナマヨも用意したが、
使っていない。すぐ焼けて、おいしい。これまで2斤食べた。
80
05030607 100503 062815
自慢のパン焼き機
100503 063547
うっすら、大きく、函館山が見える。右に、大きな町並みが広がてい
るが、写真には写らない。
100503 065544
オートパイロットのリモコンのスイッチが入っているのに気が付い
た。足が当たったかして、ONになったらしい。舵を持つライヤンさん
に、リモコンが悪さをするかも知れないので気を付けるように伝え、
電源切りと思われる操作をした。工具マークが出てしばらく様子を見
ていると、突然船が回転し始めた。
100503 065801
船が2周したかと思った。セールが出ていなかったので、難なくもと
の航路へ戻したが、やはり、悪さをした。シングルハンドのとき重宝
するが、操作を熟知していないのが原因だと思う。こういった機器は
使用法を熟知して使わなければならないという教訓。電池を外してお
いた。
05030644 100503 070323
コンパニオンウェイの入り口にあるオートパイロットのリモコン。シ
ングルのときは船首に行っても操船できる。左は、ポータブルGPS。
カラー液晶のGPSプロッターに勝るとも劣らない性能。これも、使い
こなせばの話し。カラーGPSプロッターが故障したときの予備機。
05030701 100503 071333
半島から2マイル離して函館山の半島横を通過。通常は3マイルだが、
今回は昼間なので2マイルとなる。
81
100503 072800
函館山を右舷サイドに見る。この先40分。この半島先端から2マイル
の円の接線を航路としているので、さらに先へ行って変針となる。円
周に沿っていけば近いがそれはできない。
100503 073019
2段ベッドルーム、今は物置の床に水滴。良く見ると、通気口から水漏
れ。通気口は閉じたことないので、閉じ方を後で調べる。
05030841 100503 164404
函館山を右に見て、第一、第二航路へ進入。ライト、レッド、リター
ン、赤灯台が右にある。
05030844 100503 164803
遠くに高速双胴船「ナッチャン」が見える。オーストラリアで作られ
た船。本で読んで知っていたが、経営不振で止まっていると思う。さ
らに向こうには、雪の山々。
05030857 100503 165547
今日の停泊地、金森倉庫が見えてくる。岸壁でKさんが待っていてく
れる。
05031254
2010年5月3日、09:10、函館で係留。観光客が目の前に大勢いる。
82
100503 102729
JASREP/FR//
A/アン5/240-41190//
K/函館港/41.46N/140.43E//030910J//
X/ありがとうございました。ヨットアン5//
<函館>
100503 165741
停泊場所は、人と車の渋滞が目の前。観光客でおお賑わいの金森倉庫
前。ヨットをバックに写真を撮る人もいる。
100503 165808
お昼は海鮮どんぶり。その後、摩周丸見学。45年前の装備。古いレー
ダーの展示がある。お台場の船の博物館には、海に向かってレーダー
画面を展示している。横に、AISシステムを展示したらレーダーに写っ
た船の船籍や行き先をデジタル表示でき、興味が倍増する。なんとか
是非、実現したいと思った。
100503 170241
最高の停泊地。ここなら楽しく滞在もできそうと感想を持ったライヤ
ンさんだが、天候の関係で、明朝出航の計画を立てる。Kさんの見立
てでは、明日、最も汐の流れが速い北海道の南端を通るは9時~10時
が最適とのこと。そうなると、早朝4時-5時に出航となる。
100503 174724
航路予想によると、明日、午前中は機走。その後は、アビームとクォ
ータで都合がよいのだが、風が弱い。1昼夜半の航程のようだ。海図上
で変針点をプロットする。数が多いので大変そう。
05031748 100503 174813
5月4日出発の航路予想。
83
05031847 100503 194540
外に出て見ると、きれい。正に観光地のど真ん中。
出航前日、夜の景色。
05031933 100503 195104
明日の、航路。陸にへばり付いて行く。変針点は11箇所。6Knotで行
ったとすると、35時間。朝4時に出て15時着の計算。函館の、先ほど
までの強烈な風も、収まった。
100503 195702
函館のKさんは、緯度40度線に沿ってアメリカ、帰りはハワイによっ
て千葉経由で函館へ帰ったとのこと。元先生の大ベテラン。奥さんと2
人。今度は日本周航とのこと。
100503 195714
函館の水野さんの奥さんの話では、水野さんの船は、ロシアへ行かれ
たとのこと。東京より近いそうです。
84
100504 035531
5月4日、午前3時起床。浮き桟橋の立ち入り禁止ロープを元に戻す。
発つ鳥後を濁さず。外気温10度。室内15度。暖房をしようとして、フ
ァンクーラーをしまってしまったことを思い出す。北海道では、常時
設置していないと意味が無い?でも、それほど寒くない。さて、朝食
の準備。
85
小樽
函館
むつ
青森
2010年5月4日、05:30、函館出航。
05040425
借用した浮き桟橋を離れる。
100504 050531
函館港港外。アンカリング中の本船10隻程度の間を機走中。抜けた
ら、セールを出す。その前に、昨日残した洗物を洗う。皿やコップ約
15枚。湯が出るから、軽い汚れの場合は、洗剤なしでも洗える。今朝
は、結構、忙しかった。今日も、エンジン音は良いが軽い排気臭が、
船内にある。暖気すると治まるようだ。原因不明。
86
05040513
郊外で停泊するセメント船団。連休中で休業の様子。
100504 051511
波高、2m。北西の風。スピードが上がらない。太平洋セメントの船が
数隻、連休のためのアンカリングをしている。
100504 052520
メイン3P、ジブ3Pアップ。クローズドリーチ。5.7から7.0ノットまで
スピードアップ。
100504 052701
お世話になりました。函館、「はるばる来たぜはこだてー、さーかま
くなみをのりこえて・・・」何度も口ずさんだ。又、来ると思う。
100504 053144
津軽海峡を抜けるまで、30マイル。潮流の影響の少ない、反流が期待
できる岸よりをプロッターを参考に推測航法とする。ライアンさんの
意見。コンピュータに頼らず、参考にする。これ、本来の理想形。
100504 055401
JASREP/SP
A/アン5/240-41190//
B/040530J//
G/函館港/41.47N/140.41E//
I/小樽マリーナ/43.11N/141.01E//051530J//
L/RL/60/41.23N/141.03E/041100J/松前港沖//
L/RL/60/42.21N/139.42E/042100J/水垂岬沖//
L/RL/60/43.25N/140.29E/051000J/積丹岬沖//
X/ヨットアン5です。よろしくお願い申し上げます。
87
100504 055921
ライアンさんの声。風が落ち、前に回ったとのこと。セールダウン。
日本の、特に岸近くは風が不安定で困る。作業中、波がデッキを洗
うのを見た。たいした波でもないのに・・・・。100の波に一つの大
波、有義波。昨日の水漏れを見るが大丈夫。栓が確かあったが15年間
使っていない。タオルをつめる。
100504 060352
たいした作業をしていないのに、汗だく。キャビンでライジャケ、フ
リース、合羽(逆順)を脱ぐ。「汗をかき、体を冷やして、風邪を引
く。同じことして、直らない。」気に入った短歌と思ったが、短歌は
五七五七七。後、一ひねりするか、これで行くか?
100504 061923
シャツまで湿ってしまったので、下着と共に着替えした。気持ちがい
い。昔はこんなの平気で、風邪を引くなどしなかったが・・・。4月
の8日に東京の飯田橋で食事をした後、汗が引いて寒いと思ったときか
ら咳が出た。一ヶ月して、このところようやく咳が収まった感じがす
る。困ったものだ。短歌を作って、何とかして欲しいと思うゆえん。
100504 063837
函館の金森倉庫前は、原則槍付け。船尾からアンカーを打って、船首
を岸に向け留める。Anne5は、船首にアンカーがあるので槍付けしな
い。横付けで許可をもらったが、水深が2m。上げ潮時間だったので、
キールタッチは時間の問題。無理を言って、浮き桟橋に付けさせてい
ただいた。槍付けの理由が分かった。
100504 063958
最初の接岸時に、船から降りる時に転んで岸壁にくの字になってしが
みついた。落水は免れたが、左の太ももを打った。大洗で、ライアン
さんがポンツーンに飛び降りたとき転ぶのを見たので、これからは私
が上陸係をしようと思っていたが・・。思っている感覚と実際の動き
があっていない。疲労もある。
88
100504 064325
シップを貼っておいた。当日は痛くてしゃがめなかったが、今日は、
デスクワークでは痛みを感じることがあるが、デッキワークでは、痛
みは感じなかった。良かった。咳といい、怪我(というほどではない
が)と言い、無理するな、急ぐな、年寄りだ、気を付けろと言う天の
ことば。
100504 064405
風力3、真向かい、機走、5.7Knot。津軽海峡の岸よりを走っている。
思いっきり岸よりとはいえない。昨日見た、馬場さんの航路気象予報
では12時、津軽海峡を越えるまで、風が向かい風のためセールは使え
ない。しかも風は強くなるとのことだったので、この後5時間は試練の
航海。
100504 065005
昨日調べた変針点11箇所の緯度経度を、GPSプロッターに入力しなけ
ればならない。今向かっているポイントは、函館港内で設定した。
後、10ポイント。緯度経度は調べてあるので機械仕事ではあるが、入
力した後、チェックは十分にしておかないといけない。
100504 073703
2010/5/3
海岸に大きな火力発電所がある。煙は、まっすぐに上がっている。岸
へ2マイルほどに寄せている。スピードは1ノット以上速い。反流の効
果までは行かないが、明らかに岸よりは、対馬対流の影響が軽減され
ている。
05040807
波間に浮かぶ、おびただしい数のウミネコ。
89
100504 080013
エンジン音に注意しながら、回転数を2500まで上げる。1ノット以上
早くなった。エンジンの仕様書を見る。フランスからの輸入艇なの
で、英語、フランス、ドイツなど5カ国のマニュアルが付いていたが、
日本語のページはなかった。後になって、繰り返しコピーされた仕様
書をヤンマーから購入した。
100504 080540
40馬力以上あると思っていたが、それはターボ付き。4JH2Eだから、
3400回転で34.9馬力。そこまでまわしてもよいのだろうが、これま
で、2100rpm程度で使ってきた。この、経済運転のおかげで、燃費は
出航以来、3ℓ/時間を大きく下回っている。小樽で、オイルの点検を
するつもり。
100504 082425
大洗まで300マイル、2.54ℓ/時間。八戸まで3ℓ/時間。函館まで2.67
ℓ/時間。函館までの消費量には八戸での9時間の発電も含んでいる。
計画では、4ℓ×50時間=200ℓだったが、燃料タンクは自動車並み
に、給油口まで入れると合計150ℓ以上。予備を入れると200ℓ以上入
った。
100504 084148
長い間、タンクの残量を調べる方法がなかった。目安はメーターで分
かるが大雑把。燃料切れを起こしたとき、長谷川さんに聞いて、20L
単位で給油し、竹ひごに油量マークを入れた。それ以後、給油のたび
にタンクの計量センサーを外して、残量を調べていた。
05040835 100504 084603
以前、洋上で、ふと、サイホンを思い出した。使わなくなった発電機
への燃料パイプに赤い燃料用のビニールホースをつないでベッド下の
壁に取り付けた。目盛りは、竹ひごをそのまま貼り付けた。写真の右
の白い部分には、計量時以外はバルブを締めるように書いてある。
90
100504 085546
サイホンの頭はタンクの上部までしかない、給油口まで給油すると給
油パイプにも油が充填されるので、当然、サイホンの頭から油が噴出
する。幸い、先端には鉛筆に空気穴を開けた物で栓がしてあるので、
大量には漏れない。しかし、計測用のバルブを締めないと、10ℓ以上
の軽油がもれ出ることになる。小樽でビニールホースを探して、ベッ
ドルームの天井まで、ビニールパイプを伸ばしたい。
100504 090418
風力5、真向かいの風。波も3mを越えてきた。バウは時々、波に突っ
込んでいる。マストの付け根は、めったに波で洗われないが飛沫がコ
ックピットまで、時々飛んでくる。ドジャーの出し時。船内は大揺れ
で、ガチャガチャ音が出始めた。後、3時間の辛抱。
100504 091602
浅い湾の内側に突っ込んでいる。後30分で変針してこの航海の山場、
白神岬を目指し、11時ごろこの岬をかわし、その後1時間ぐらい、12
時には完全に津軽海峡を抜けることになる見込み。午後は、日本海が
優しく迎えてくれるはず。時々、大きなパンチングを食う。バーン!
大音響が出る。
2010/5/3
100504 093122
ドジャーの先端や布の部分から水が滴る。ドジャーの上から特製のビ
ニールシートを掛ける。ブルーシートだと見るも無残だが、透明だか
ら、許容できると思っている。今は、ドジャーの陰だけがドライ。
100504 093722
以前、潮岬へ向かったとき、ペラからの異音が気になった。波が高か
ったが風はそれほどでもなかった。ヒーブツーをして船を止め、水中
カメラで覗いた。ペラには異常がなかった。ペラの前方、水中にある
シャフトのホルダーが減ってガタがあるので、プロペラシャフトが横
からの力でホルダーに押し付けられた時の音と分かった。
91
100504 094108
少しのガタはあるものだと、スタッフに言われたが、取り替えた。
2mm以上、もっと減っていたかもしれない。新品に代えてきて良かっ
た。今も、その異音が時々出るが、原因が分かっているので心配は無
い。ただ、音を聞いていると、かなり強く横からの力が加わるときが
あるようだ。
100504 094647
エンジンは、誠に良くがんばっている。今、5.1Knot。着実に船を進め
ている。2時間以上、本船、漁船、釣り船、何も見ない。気楽な航海で
すとライヤンさんが言う。海岸線に立派な道路が続いている。鈴木ム
ネオさん効果?
100504 095440
AISを見ると10マイル、18.5Km先に、数杯の本船がいる。その内のい
くつかは日本海をから津軽海峡へ向かっている。そう単純ではないで
あろうが津軽海峡を西に向かうNewYoshinoのスピードは10.7Knot。
普通は20Knotぐらいだからやはり海流の影響ではないだろうか。
100504 100034
船の部品、特に水に関する部品の消耗は、1年で1mm減ったから2年目
も1mm減ると考えてはいけない。ドット減るもの。だから、早めの交
換が必要。ライヤンさんの助言。
100504 100927
岸寄り1マイルを切っている。海況が少し落ち付いている。この距離で
は、定置網の監視が必至。イカ釣り漁船が遠くに見える。漁船はAISに
は出ない。Anne5の通常レーダー監視範囲は2Kmの円の中。性能上は
32Kmまでとなっている。ヒールするヨットでも8Km ぐらい先までは
実用になる。
100504 101941
岸まで1マイル、2Kmを切っている。町並みが広がっている。釣り船
もちらほら見える。今、左へ20度、転蛇した。
92
100504 103626
岬に近づくに連れて、風が強くなる。12、3mの感じ。風の唸りが聞こ
える。波がないのが救い。岬が波を防いでいる?もしそうなら、岬を
回ると、大波かも。写真は昨晩確認した航路予想。10時から風は徐々
に落ちる見込み。今、右へ20度針路を変えた。岸寄り、推測航法中。
05041041 100504 104657
白神岬に到達。
100504 105242
陸伝いに白神岬へ到達。2knot以上の潮流を感じる。船速は4Knot。
昔、台風の接近で、飛ぶ飛ばないと言っていて鹿児島空港から飛んだ
ときの飛行機のゆれをもう一つ大きくした感じ。あの時は乗客の悲鳴
がたくさん聞こえた。
100504 105651
2010/5/3
ぎしぎし、音が出るところも、迫力がある。このまま進んで、速度が
6Knotまであがったら、次の目標へ向けるとライヤンさん。このゆれ
で一番反応しているのは、このパソコン。しばしば、ハード保護が働
いて、待ちが起きる。
100504 110256
波は2.5m、風は5m。ゆれは大きいが快調。天気は曇り。陸地はもや
でかすんでいる。北国の水の色は青くない。沖縄は透明、東海は青、
北国は(多少リップサービスで)銀色。
100504 112108
津軽海峡を半分抜けた感じ。対水速度7Knot。対地速度5.6Knot。うね
りがある。陸はもやって、ほとんど見ることができない。
100504 115850
ヨシ島沖で変針。津軽海峡は抜けた。
93
100504 125711
5月4日、12:時53分帆越岬沖で変針。この先、奥尻島北端位置まで、一
直線50マイル。8時間。21時通過の見込。うねりで左右、時に、最大
2010/5/4
30度ほど、ヒールする。この中で今から焼きそばを作る。
05041307 100504 134345
写真は、焼きそばのお湯を沸かすジンバル付のコンロ。これは、放っ
ておいてよいが盛り付けの置き場所がない。皿は、調理台の上を走り
回る。洗うときも、一皿洗っては、拭き上げてしまう。焼きそば、野
菜ジュース、グレープフルーツ。シンプルだが大変。
100504 135114
函館で、Kさんに、お買い物などお連れしますといわれた。折角、言
っていただいたのに、お願いしなかったことが悔やまれる。食事のプ
ランが頭に浮かばなかった。ご親切を無にしたことも悔やまれる。
100504 183211
奥尻島まで、一時間。ドコモが通じた。
100504 183355
ワッチ当番中。風力"3"、6mの風が、ポート側クォーター(斜め後
ろ)から吹いてくる。2mの波。当て舵が取れないオートパイロット
では、頭が大きく振れる。自分でラットをもって見たが、前方に、目
2010/5/4
標がないので、いつの間にかコースを外している。やはり、オーパが
上。電気を食わせて、任せることにした。
100504 183413
ダブルハンドのときは、メインを上げる。しかし、ライヤンさんは
ワッチ明けで休息中。この追い風を生かす方法を、昨日、Kさんから
聞いた。アメリカへ着くまでほとんどジブオンリーだったと。これ
だ!!早速、ジブをフル展開した。スピードが1knot以上上がり、ジ
ブもつぶれない。
94
05041503 100504 183426
これなら、ナイトでも使えそう。八戸の盛さんにはプリペンダーを、
函館のKさんには、追ってのノウハウをもらった。これで、Anne5は追
っ手にも強くなった。岸から離れたので、ツイッターが飛ばない。し
ばし、休憩となる。このスピードだと、奥尻で、出発の30分と津軽の
逆潮の遅れを取り戻しそう。
100504 183529
このコース、きっちりオンコースとしたいが、振れる。これだけ波に
振られると仕方がない。ドコモがつながらない。やはり、日程に無理
があるとして、北海道一周はあきらめたが、左まわりの日本周航でお
まけの寄り道となった小樽。小樽行きだけが陸地に対して、右回りに
なっている。ドコモのアンテナはこの船の左に置いた。そのせいでつ
ながらない??
100504 183628
先ほど、津軽を出てから初めて、本船とすれ違った。
100504 184132
レーダーは、波などの雑音を拾ってしまう。波は次のスキャンで消え
る。波ではない、小さな反応が正面にあり、確実に接近している。良
く見ると漁具の標識のよう。俵型の浮きと、そばに竹ザオ、旗、夜間
の灯火のようなものもさおについている。広がりはない。定置網など
ではない。大きく沖へ出して、回避した。
100504 184313
夕暮れが迫ってきた。目標への修正で、2度右へ振る。
100504 185432
ワッチ中。波も落ち、風も収まった。エンジン2500回転の威力か、
8.5Knot出ている。目の前のPCに「いまどうしてる?」とツイッター
の入力促進文が表示されているので、遂、書いてしまう。
95
100504 190544
左舷、10時半にレーダー反応。警報が鳴り始めた。船が見える。AISの
表示はない。良く見ると、前後のマスト灯がない。舷灯は赤で前が高
く後ろに低く白灯がある。未だ操業していない漁船のようだ。暗くて
キーが打てない。おでこに近目用、帽子に遠目用、2つのヘッドライト
をつける。
100504 194517
夜になって、風が冷たくなった。追い風で、ジブを3P出している。ス
ターボードタック。本船が前を右から左へ行き会いで前を横切った。
100504 195253
漁船が前方、一時方向に見えるが、レーダーに出ない。ゲイン調整を
する。船首を左右に振るから、認識できないようだ。3.2Km先に反応
が出た。十分な距離がある。
100504 195320
サーチライトで海面を照らしている。その方向の150m以内は、網が
あるから入ってはいけないはず。レーダーの陰は2個並んでいる。2隻
で引いている可能性が高い。
100504 195806
真正面3Kmにもレーダーの反応が出る。時々、消える。目視できな
い。2隻のトロールは、依然として距離がある。
100504 201601
真正面3Kmの反応は、偽像のようだ。
100504 202215
JASREP/PR//
A/あん5/240-41190//
B/042017J//
C/水垂岬沖/42.21N/139.42E//
100504 211623
2010/5/4
96
オフワッチ。パンを焼いて、夕食とした。今から仮眠。
100505 041753
5月5日、午前2時からワッチに入った。風弱く、うねりもそう大きく
ない。ドジャー内温度は8度。ライヤンさんは、もっと寒いはずと言う
が、風が寒く感じさせているので、正しい外気温ではないかと思う。
でも、キーをたたく指先が冷たい。
100505 041818
ワッチの引継ぎでは、8Knot弱出ている。次の変針点まで1時間40分。
その時点で4時間、予定より早い。行き交った船はフェリーのみ。との
ことだった。
100505 041913
この地点は、大きく広がった湾の中ほどで、岸から距離があるのと、
局が少ないのか、ドコモがつながらない。携帯電話の電波強度インジ
ケーターは3本たっている。明日、某地のドコモの元副社長と会うか
ら、その辺を聞いてみよう。
100505 041940
本船が接近してきたのに、レーダーに出ない。AISで、2マイル以内に
いることが分かる。ゲイン調整をするが、出ない。(効果はないと思
ったが)PCでよくやるように、再立ち上げをした。本船が検知範囲に
あるうちにと、急いで波浪や雨雪、ノイズの除去レベルを調整して、
正常になった。
100505 042204
レーダーには、自動レベル調整弱、中、強の切り替えがあるが、やは
り、適宜レベルの調整が必要と思う。ライヤンさんは、うるさくなる
警報を止め、目視を重視するが、私は、少々うるさくても接近警報は
(レベルチェックのためにも)使う。
100505 042239
時々、船が波乗りをする。スーと持ち上げられる感じがして、それか
ら滑り落ちる。その時、スピードが少し上がる。8Knot。このスピー
ドが、海流によるものだった場合、帰りは悲劇。岸よりの反流を拾っ
て(乗って)いくことになる。小樽の人に聞いてみよう。
97
100505 042300
空が白ずんで来た。積丹半島というのか、町の明かりが見える。積丹
の最初の変針点まで50分。そろそろドコモに繋がってもらわないと
APRSを見ている人がいたら心配する。
100505 042410
閃光15秒。神威岬。灯台の光は、ぱっと光るのではなく、光(実は遮
蔽円筒が)回転しているので、一種独特。ジワッと光るというか、す
ぐ分かる。
100505 042448
ドコモが繋がった。航海用PCがAPRSの発信をはじめた。AISはドコモ
2010/5/4
に関係ない。航海用PCがサーバーになっているので、他のPC(このPC
も)はLANケーブルでつなげる。良くできたシステム、社内のH君がや
ってくれた。最初、不要かと思ったが、実に便利だ。
05050450 100505 050307
これ、私。近目用ランプ、点灯中。ライフラインは昼間も常時つけて
いる。このカメラ、メモモード(1M)で撮影。メモモードでは2Gの
外部メモリーが使えないとか、記念撮影のとき、セルフタイマーが2秒
しかないのが不便。
98
05050552 100505 051444
今回の周航で最北端ポイントになりそう。そこで、記念撮影。
山の半分以上は雪。5月5日。沖縄では30度を超える日もあるというの
に・・・。
100505 052842
積丹(しゃこたん)岬まで、2.6nm(マイル)。8.8から9Knotだか
ら。15分。タイマーをセットする。今は、函館のKさん方式。ジブの
み3P。積丹回ると、アビーム。メイン上げる?これ以上のスピード
は、速度違反の気もする。風力3。
100505 053454
積丹岬の先に、漁船が7隻出ている。竹ざおも、数本見える。前方にも
1隻、漁船がいる。距離、1.5Km。止まっているがアンカーは出ていな
い。人かげも見えない。
100505 054039
変針点に近い。700mまで接近した。次の目標方面には漁船は見えな
い。距離500m。変針する。
05050536 100505 054342
接近した漁船。
100505 054946
変針後、50m付近まで漁船に接近した。船が波で左右に揺れるので、
一瞬、緊張する。通り過ぎて見ると、漁船の前方に仕掛けの旗つきさ
おがある。
100505 055225
続いて前方2Kmに漁船。接近警報が盛んに鳴る。右手にきれいな雪を
かぶった山、余別岳があるが、写真を撮る暇がない。
100505 055313
漁船は、右方向へ抜けた。
99
100505 055820
手振れ防止機能付き双眼鏡が活躍している。これまでのものより、視
野が小さい(口径が小さい)のがちょっとな残念だが、ゆれについて
は抜群の性能を発揮する。ただし、電源Offに問題がある。メーカーさ
んに直して欲しいところ。フジノンの常務さんにメールを出そうと思
う。
100505 060216
風が、真向かいになって、ジブがばたつくので、ジブを巻いた。ジブ
は、セルフファーラーと言って前方のステーに巻きつける。荒れる
中、水濡れになって、船首でジブハンクスを止めていたことを思い出
す。なくてはならない装備。電動ウィンチを4万円で付けた。もちろん
新品。大洗でみなが感心してくれた。
100505 060605
フジノンの常務さんに提案したいこと。電源きり忘れ防止に、ゆれ検
知が付いている。一定時間、双眼鏡がゆれないと自動的に電源が切れ
る。本船ならともかく、ヨットや小型船では四六時中揺れている。気
が付くと、しばしば、電源の切り忘れをしている。電源Offタイマー機
能を装備すべき。
100505 061017
小樽港に向かう変針点まで、後、3時間となった。小樽のヨットハーバ
ーへは、15時半ごろ到着と連絡したが、4時間ほど早く着く見込み。
電話は早朝、未だ早いので、メールで入港見込みを連絡する。
100505 061403
風が強まって、飛沫が少し飛んでくる。PCは、簡易なフードの陰だか
2010/5/4
ら未だいいが、飛沫対策としては、この後、簡易フードを伸ばす、ド
ジャーを広げる、ドジャーに防水シートを掛ける。などの対処案があ
る。海水をかぶりそうな場合は、チャートテーブルへ避難するが、ワ
ッチが退屈でしょうがなくなる。
100
100505 063158
風は、5m。クローズドリーチ。ヨットだから、セールを出したい。ロ
ーリングも防げる。ジブ3P、メイン3P、出した。寒いのとゆっくり動
作で、汗はかかない。手と顔が寒いけど、気持ちのいい機帆走。
05050629 100505 063503
5月5日。朝日に向かって、機帆走。まもなく、ワッチ交代。
100505 064849
会社のH君、ツイッターを見つけたようだ、楽しんでもらえるといい
が・・・。それと、感想も聞きたいな。
05050756 100505 080355
小樽まで10マイル。穏やかな海と優しい風。クロス一杯でメインジ
ブ、共に3P。
100505 080716
メインタンクの残量が40ℓを切ったので、サブタンクのバルブを開け
た。マリンテックの中村さんの一言、「費用はリッター800円」。こ
の言葉で、予備タンク作成を即座に決めた。20ℓのポリタンクを4個
積むつもりだった。洋上でのポリタンクからの給油と、バルブ操作だ
けの給油。中村さんに大大感謝。
100505 081339
燃料の消費を調べたいが、艇がヒールしていてゲージが正確に読めな
い。回転数と消費量、時間と距離。キット最適値があるはずと思っ
ていたが、ライヤンさんから、「燃料消費は速度の二乗、時間の立
方」と教わった。確かに、1時間で行くところを45分で行こうとする
と・・・、実感でなるほどと思う。
101
100505 081642
今回の航海で、データを取っている。目安の燃料ゲージなので、正確
な話はできないが、この船の最適エンジン回転数を決めたいと思って
いた。しかし、ライヤンさんと話していて分かったことは、「状況や
目的によって、回転数を決めるべき。」。
100505 082040
回転数の決め方は、なるほど、強風が吹く前に函館へ入らねばと思っ
て回転を上げた。函館入港後、風は嵐のように吹いた。大洗へ深夜到
着となるので、勝浦で7時間あまり、時間調整をした。あの時は、休息
目的もあったが、回転数を落とし、速度を落として時間調整する手も
あった。
100505 082458
これまで、何でも早くつくことが良しと考えていた節がある。性格か
もしれない。小樽入港、15時半予定が10時過ぎ着、5時間以上も早く
なっている。遅れが出たら夜になってしまうと言う、脅迫概念があっ
たのと、未だ人間、できていないので、ついつい、急ぐ。この周航
で、回転数のマイスタイルを作りたいものだ。(性格改造計画?)
05050844 100505 092851
5月5日、小樽を前にした朝食。
100506 072921
Anne5は、大間の手前、尻屋埼沖で潮に流されとき、これまでの巡航
回転数2100RPMを2300まで上げた。最高回転3400RPM だから未だ余
裕はあった。今回の函館、小樽間の津軽海峡では、陸地の寄り添い、
推測航法、しかも2500RPMで乗り切った。
102
100506 072932
津軽海峡を抜けてからも、そのままの回転数だったので、5時間短縮、
30時間で小樽に到着した。追い風もあったが、本当に良くがんばるエ
ンジンだ。「燃料さえ切らさなければ、どこまでも走れるものだ。」
ライヤンさんが言う。だが、音、振動、においには、いつも注意して
いる。
05050956
小樽港口。
100505 102509
2010年5月5日、小樽港マリーナ到着、接岸。
100505 165842
JASREP/FR//
A/あん5/240-41190//
K/小樽港マリーナ/43.11N/141.01E//051000J//
X/ありがとうございました。ヨットあん5//
05051522
小樽港マリーナに係留したAnne5。午後、霧が出て、いい雰囲気。
103
小樽
100506 064738
着艇すると、結構忙しい。JASREP報告、係留申し込み手続き、係留
索の確定、陸電接続、LPガス確保、お風呂、ランドリー、給油、買い
物、ヨットマンからの情報収集、水の手配(デッキの潮抜きと清水補
給)付近の施設確認、などなど。
最初にしたのは、八戸で空になったLPガスの充填。マリーナのスタッ
フが、ヨットのオーナーさんで、LPガス会社の社長さんに聞いてくれ
ることになった。と聞いた後すぐ、その堀江さんに声をかけていただ
いた。お話を伺ったのち・・・
100506 064912
結局、堀江さんのヨットに積んでいるタンクを譲っていただくこと
に。ボンベは中古だからと言って、中身だけの費用で良いと言ってい
ただく。あっという間に問題が解決した、札幌へお帰りのとき、三重
の寒梅をお渡しした。恐縮しながら受け取っていただけた。
104
100506 072015
堀江さんをお茶に誘って、キャビンで話を聞いた。夏、一ヶ月ほど航
海に出る。南は佐渡、シングルになってからは酒田。北はウラジオス
トック。北海道はロシアからのヨットの受け入れも盛んで、交流があ
るとのこと。韓国へ日本の中古がヨットたくさん運ばれていると聞く
が、ロシアへも出るようになる?
100506 072023
津軽海峡通過のAnne5の航跡で盛り上がった。最悪のコースだったと
のこと。
100506 072947
日本海は、対馬海流が北上している。奥尻島と北海道の間は海図を良
く見ると、じょうごのように狭まっている。奥尻をかわすとき、小樽
のオーナーは島の内・外どちらを通るか様々な主張があると聞く。確
かにこの形を見ると考えなければならない課題。Anne5の潮流の知識
が又、深まる。
100506 073010
堀江さんに、国際VHFの普及の話をしたが、興味がなさそうだった。
外国では、常識的に搭載されて、日常的に利用されていると聞く、外
国の国際VHFの利用法をもう少し知らなければならないと思う。この
後、七尾までノンストップ、3昼夜で行こうか!と話しているAnne5
は、必要を感じる。
100506 073033
JASREPも、堀江さんはその存在も知らないと言われた。説明をした
が、保安庁との付き合い方、距離感がヨットマンと保安庁それぞれが
つかめていないのが現状。北海道ではヨットの行事に保安庁を招待す
るなど、地味な交流が始まっているとのこと。おのおのの距離感がつ
かめて来るのも近いと感じる。
100506 073704
JASREPのホームページ。少し前まで、トップページに、「大型船から
ヨットまで・・」と、書かれていたが、今はその記述がなくなってい
る。ヨットの利用など、これまでなかったのだと思う。
105
100506 073815
AISは、自分も是非搭載したいと言われ、PCでの構築に興味をもたれ
た。私も、機能は分かったが、システム構成に付いて半知半解のとこ
ろがあり、不安。しかし、考えて見れば、160Mの受信機とGPSそして
PC。構成はシンプル。又、岩田さんに聞いて、堀江さんにお知らせす
るつもり。
100506 073842
元船長のライヤンさんは、シニアボランティアとしてモロッコで航海
術を教えてきた。函館の摩周丸見学でも、レーダーを使った推測航法
の説明をしていた。紙、又は画面上に直接3分ごとの相手船の位置をマ
ークして、衝突しないかを予測していた。
100506 073924
AISがあればこの技法は不要?自動車学校で構造を教えることは有用と
思う。レーダーの雨雪除去機能に付いても、操作方法だけでなく理屈
を聞きたいと思う私は、原理原則を知った上で、こういった機器を使
うべきと思う。そうすれば故障したときに知識が役立つし、機器の改
良など。発展にも寄与できる。
100506 073943
ライヤンさんは、「AISはヨットに普及させるべきだ。しかしPCで
は、特別な技能が要るから駄目。誰でも使えるAISを駒井さんが作るべ
きだ。」と言う。①PCを専用機化する、②サポート体制を作る。をす
れば、可能性がある?岩田さんに相談してみよう。
100506 073958
海事普及のネタは山ほどある。この航海でも、ヨット村プロジェクト
から始まって、たくさんの課題が出ている。なすべきことが山積みと
言える。この先10、20年で滅亡するクルージングヨット界を持ち直す
には、嘆くだけでなく、海事普及が必要と思うゆえん。知識を取得す
れば興味も沸くはず。
106
100506 074012
堀江さんには、ガスのことで大変なお世話になった。その上、短時間
ではあったが、有益な情報やヒントをたくさんいただいた。「この年
になってお友達が増えるのってすごいね。」マネージャーに言われて
いたが、この航海で、たくさんの方とお会いしたので、持参した自分
の名刺も切れそう。
05060743 100506 080239
以前、ラグーナに行った時。陸電ポストのコンセントが三口の海外仕
様だった。マリーナ内のショップで変換アダプターを見ると、2万円
以上で売っていた。三つの電極があるが、そのアダプターと異なる配
線のマリーナもあるやも知れない。又、マリーナによってはアダプタ
ー貸し賃1000円/日との話も聞いた。写真は、小樽の陸電ポスト。
100506 080338
船に乗ってる廃材を使って、コンセントをその場で作った。それが写
真に写っている白いケーブル。寒さのために電線がこわばっている。
小樽港マリーナでは、無償で貸してくれたので、このコンセントは使
わなかった。いつか役に立つだろうと思う廃材や木切れなどが、たく
さんAnne5には、乗っている。
100506 080520
電気が入ると、船内は快適。まずエアコンが入る。照明やPCの電源も
心配ない。今晩は、札幌の友人が来るので、鍋にする予定だが、サン
マ焼き機、IHヒータ、炊飯器、お湯沸かし機、・・・何でも使える。
100506 081331
コインランドリーを初めて一人で使った。大洗では研司君に頼んだの
で、経験をしなかった。マリーナのランドリーは、一個。誰かが使っ
ていた、後4分と出ていた。しばらく待ったが、いつ取りに来るか分か
らないので、船に帰った。考えてスタッフに、空いたら電話をもらう
ように頼んだ。
107
100506 081613
電話があって、ランドリーへ行き、洗濯を始めようとするとコインが
足りない。事務所で両替をしながら、洗剤の入れ方を聞く。洗濯は38
分待たなければならない。待った。次に乾燥。100円入れたとたんに
動き出す。シンプルでいいが30分待つ。乾きが後一歩なので、もう一
回30分。これ面倒。費用は400円。
100506 082323
最後の乾燥の間に、隣接の、裕次郎記念館を通り過ぎて道を渡ったす
ぐの大きなスーパーへ行く。常備食料はあり、次の出発には間がある
ので、今日の夕食を買う。帰り、船の近くで、ライヤンさんがつぶや
く、「志摩は本当にきれいなところだったが、町の中でこれほどきれ
いなマリーナは無い。」
100506 082713
スーパーの後ろはホテル。横はマイカルの映画館、その横には観覧
車。霧で上空はかすんでいる。誠にきれいなハーバー、ライヤンさん
の感想も理解できる。
100507 162655
小樽到着の翌日、6日の午前中、船体の塩出しをした。要は水で流すこ
と。デッキのチークの一部に塩が噴出していた。ウミネコの糞も何箇
所かあった。ハル(船体)も水でよく流した。Anne5も気持ちがよさ
そう。給水もした。清水タンクへの給水は大洗から11日ぶり。どれく
らいの水を使ったか計測できないのが残念。
05070421
Anne5は清水タンクを2個持っている。接続されていない側のタンクが
空なのか満タンなのか、間が空くと分からなくなる。そこで、マジッ
クテープを使った「覚えラベル」を付けた。給水して満タンになった
ときと、空になって切り替えたとき、満又は空表示とする。ちなみに
写真では、左、前部タンクは、満タン。
108
05070437 100507 162718
400Lの水は、ハーバーにいるときや短期間のクルージングでは、ふん
だんに使っても問題は無い。今回は、そうは行かない。ここ小樽を出
ると長崎まで給水できないかもしれない。出航直前、いつもの癖で、
ふんだんに水を使う私を見て、文雄君がバルブをつけてくれた。写真
はシンク(流し)の下にある、流量、制限バルブ。清水用と温水用、2
個ある。
05070454 100507 163947
孫がシンクで行水をする慣わしがあった。以前、6年ほど前だろうか、
水栓のレバーが左一杯にまわってしまい、熱い湯が出て、つっ君がび
っくりした。その時以来、熱湯が出るのを防ぐためのシートが付い
た。つっ君シートと、自分では名づけている。シートの輪を上に外せ
ば、熱湯ももちろん出せる。
100507 164501
清水の使用、又は給水量を調べるために、お風呂用の流量栓を積んで
いる。給水配管の根元に付けるか、給水時のホースに付けるか、未だ
アイデアが浮かばない。一定量流れると止まるもの。使えそうで、結
局、使えないかもしれない。
100507 164625
ステンを通して外部からタンク内部の水量を知る機器を、今年のボー
トショーで見た。3個のソナーを使う方式。高額で検討の余地はなかっ
た。給水口から、重くて水に浮く小さい塊を糸でたらしてその長さを
調べる方式もあるかと思っている。しかし、タンクの残量を調べてど
うするの?との思いもある。
05071235 100507 164659 164758
お風呂の流量ストッパーを物置から取り出して眺めていたら、蛇口に
付ければよいのでないかとふと、思った。早速取り付けてみた。少し
工夫が要ったがうまく付いた。トイレやシャワーでも清水は使うが、
シンク(流し)が圧倒的に使用量が多いので、役立つと思う。写真:
少し邪魔だが、最初、200Lにセットしておくと残量が分かる。
109
100507 164915
タンクから出る清水は、いつもきれいに見える。ゆれているのと、比
較的使用量が多いのがその理由と思うが、飲料とする場合は、必ず煮
沸している。一度、タンクの清掃も必要かもしれない。文雄君に、今
度相談をする。
100507 165028
突然、照明が消えた。停電?ブレーカー?調べると、空中に設置した
はずのプラグ・コンセントの接続位置が海面すれすれにある。昨晩の
強風で船が揺れ、テープで固定してあった位置がずれ、波をかぶった
模様。プラグの電極などを丹念に拭いて、引き回しを変更して、OKと
なった。
100507 165112
小樽から、日本海を南下することにしている。天候に北海道一周を拒
まれてしまった。出航以来17日目、6日強しか航海できていない。北
国の気候は季節がら激しい。小樽から七尾まで、3昼夜、燃料補給が必
要な場合は、タッチアンドゴーで給油する作戦もある。しかし、佐渡
も面白そう。
100507 165446
昨日、ジェニファー石川さんのブログと航跡を見た。2時間ほど前にM
さんのお勧めで金沢の大野港に入ったことが分かった。七尾では、ヨ
ット部の先輩のツテで紹介を受け、能登食祭広場前に停泊することに
なっているがここは1、2泊しかできないと聞いている。
100507 165511
石川さんに電話をした。「駒井さん、なんと良いタイミングで電話
をして来るのだ、今正に、横にMさんがいて、うなづいてくれてい
る・・・」。七尾の様子をそのMさんに聞いて、メールもらうことに
なった。
100507 165618
石川さんご夫妻のヨット、ジェニファーのAPRSによる、航跡は、
http://aprs.fi/?call=ja2dme-8&mt=m&z=10&timeran
ge=43200 。
110
100507 165710
改めて、七尾港の港湾案内を見る。金大ヨット部艇庫前の岸壁にはビ
ットは無いと聞いた、浅いのではないかと思われる。艇庫の沖220mに
防波堤がある。その内側は、5m未満で、アンカリングする泊地にぴっ
たりの感じがする。ただし、近くに産業用の係留設備があり、航路に
なっている可能性がある。
100507 165821
石川さんのメールで、七尾の泊地は、食祭広場と、海竜マリーンパー
クと決めた。15日と、22日は、金大艇庫前にアンカリングと、なる模
様。
100507 170416
ネットがつながらなくなった。サーバーは正常。このPCの"スター
ト、接続"をクリックして、すべての接続を表示して見ると、"ロー
カルエリア接続"となっている。プロキシも止めてある。再立ち上げ
もした。メールも取れない、ネットもつながらない。又、地上班のサ
ポートを受けるしかない。
100507 170430
電話で指示を受け、コマンドプロンプトへ入力し調べる。IPアドレス
から名前を読み出す機能が動いていない。メインPCではなく、ポー
タブルPC(サーバーと言うかルーターと言った使い方をしている。)
に原因がある、とのこと。結局、ポータブルPCを再立ち上げして、復
帰。
100507 170454
こんな調子では、とても航海用機器としてPCは、使えない。しかし、
AIS by PCは、是非実現したい。こういった経験を十分、生かす積も
り。
100507 170530
大洗で水没させてしまったアクアミューズのラダーをこの小樽港マリ
ーナへ送るようにメーカーの高橋社長さんに依頼した。翌日か翌々日
の午前の配送を希望した。沖縄へ物を送ると時間と費用が掛る。船便
となるから仕方が無い。では北海道は?青函トンネルは列車のみ?連
絡船で来る?部品が出航に間に合わなくて七尾へ転送もありうる?
111
100507 170555
昨夜は、学生時代からの札幌の友人を迎えて、キャビンで飲んだ。津
軽海峡を過ぎたところで、電話連絡をした。夜も走っていると言った
ら、星を見て航海するのか?と言われた。ヨットへの認識はこんなと
ころと思うと、嘆かわしい。
100507 170619
会おうと言って、二つ返事で快諾、来てくれたことは、誠にうれし
い。昔話は少なく、政治経済教養の幅広い話題だった。小規模ではあ
ったが、海事普及講習も行なった。
100507 170627
どうして1海里1.825Kなど半端な数字なのか?とか、海図と言うものが
あることを始めて知ったその友人は、仕事柄、海底ケーブルを切られ
たことがあるなど話しながら、興味深く海図を見た。海図にはAnne5
の予定航路や通過予定時刻、航路実績などが記入されている。
100507 170836
友人は、海図はメルカトール法かと聞いた。ライヤンさんが説明をし
た。緯度の1分が1マイル。メルカトール法では、測りたい場所付近の
緯度スケールで測らなければ誤差が出る、とコンパスで実証しながら
説明してくれた。そういえば以前私も習ったとも思えるが、すっかり
忘れていた。
100507 170847
風と、波が異常に強く、テーブルの食器でゆれでずれるものがあっ
た。これまで、これほどのゆれは経験がない。フェンダー(防舷材)
がぎしぎし鳴った。右手、陸から吹いているのに、波がある。沖でで
きた波が陸へ戻ってきている。ライヤンさんの話。
100507 171305
電子機器が高度になる前の航海術と、最近の航海術の話になった。大
間の沖で、川のような潮流に流されて、針路が想定と異なりGPSの故
障かと思ったとき、ライヤンさんは「北極星を見ている。大丈夫、こ
のまま行けば良い。」と自信をもって言っていた。機器にだけに頼っ
ていてはいけない。
112
100507 171848
北極星は、緯度と同じ高さになる。航海する上での指標となるすばら
しい星。南十字星など名前だけで役立たない。ライヤンさんの沖縄で
は23度、三重県では34度、この付近は41度。明らかに高さが違って見
える。23度では、北斗七星が、地平に消えてしまうとのこと。ライヤ
ンさんの話。
100507 172237
裕次郎記念館へ行った。入り口前のヨットのモニュメント。天国へ向
かうとして上を向かせているのだろうか。デッキを見せるためならヒ
ールをさせた方がヨットらしい。ライヤンさんの考え。受付で、聞い
てみた。帰りまでに調べておくとの返事。快走しているイメージだと
のことだった。
05061253 100507 172744
いまひとつ、納得がいかないライヤンさんだったが、追い風で、10ノ
ットに届くかというスピードでAnne5が快走しているとき、スターン
(後部)が50Cm以上沈み、クーラーの室外機の足が海中に漬かって
いたことを思いだし、ライヤンさんに話した。少し納得した?写真は
実艇コンテッサⅢのモニュメント。 100507 173526
クルーザー乗りで、今最もアクティブなのは、60代。だからもう十年
もしたら、ヨット(クルーザー)乗りはいなくなのではないかと思っ
ている。裕次郎館も、同じ。若者向け企画を考えないと、衰退の一途
となる?余計なおせっかい?
113
小樽
本荘マリーナ
2010年5月8日、09:40、小樽出航。
05080945
小樽の町を後に・・。小樽のスキー場は3日前、5月5日まで営業して
いたとのこと。
05081015 100508 102717
JASREP/SP//
A/アン5/240-41190//
B/081000J//
G/小樽マリーナ/43.11N/141.01E//
I/飛島/39.11N/139.33E//101100J//
L/RL/60/42.21N/139.42E/090400J/水垂岬沖//
L/RL/60/40.37N/139.47E/091900/へなし岬沖//
L/RL/60/40.01N/139.37E/100000J/入道岬沖//
X/ヨットアン5です。よろしくお願い申し上げます。
114
100508 121604
雨がぱらついている。マネージャーから、「全国予報によると、小樽
近辺だけが雨。」とのレポート。午後3時ごろからは上がる見込み。こ
の上待っていると、今回の高気圧を利用できないと考え、出航となっ
た。3昼夜、行きたいところだが、11日は、柏崎周辺は天気が崩れる
模様のため、飛島あたりで、天気待ちになる模様。
100508 122641
燃料を、出航前に補充した。予備タンクは、一杯一杯で70ℓ。メイン
は自動車並み給油で合計154.8ℓ。給油口まで給油するとタンクがある
ライヤンさんの部屋が燃料臭くなる。レベル計の取り付けビスを増し
締めした。もれていいた訳ではない。原因が分からない。給油管内の
燃料がなくなると収まる。
100508 122734
キャビンにいると、耐えられない。時々、コックピットへ顔を出し
て、深呼吸している。
(その後の給油では臭わなくなった。レベル計の取り付けビスがゆる
かった。)
100508 123201
大きな湾などでは、陸地から離れるので、ドコモのデータ通信がつな
がらなくなる。この対策として、ドコモの通信アダプターを水面から
10メートルほど、上空へ上げた。津軽海峡まで、ドコモが切れずにつ
ながるか確認をする。アダプターは、電話を収容する防水ビニールケ
ースに入れて上げた。
100508 130656
お昼、13時。船は、順調に進んでいる。6.6Knotから7.2Knot。曇り、
時々小雨がぱらつく。風、弱く、マストトップの風見は前からの風、
進行方向を指している。波、うねりは1m以下。でも、船内は、四六時
中ゆれている。一度通った航路なので、ちょっと感動が無い。
115
100508 130715
このレグの航海計画は、七尾まで500マイルで、寄港地が決まってい
ない。燃料は、40から50時間で補充が必要になる。11日以降雨が降る
模様。雨になる前に、どこかへ入港してやり過ごしたい。できれば15
日に、七尾の艇庫前に着け、当日中に、新湊の海竜マリーナへ船を回
したい。など、条件が多い。
05081310 100508 131037
この先の航路気象予想。
各時刻の予想位置とその時の気象予報を見ることができる。
05081311
5月10日午前10時の予想位置と気象。
100508 131230
キャビン内のにおいには、参るが、昼食用意に入る。
100508 144801
積丹岬で、14時36分、変針した。左へ30度ほどだが、それまでの真正
面の風が右前から来るようになったが、まだセールを使える角度では
ない。次の変針点まで一時間弱。それまで我慢。本船が1マイル内を
2010/5/8
抜いていく。潮は、陸寄りの方が反流があってよいのであろう。当艇
は、そのまま、6.6Knot。
05081530 100508 163351
神威(カムイ)岬。
116
05081640 100508 164016
カンボジア船籍、留萌行き貨物船。
05081504 100508 171755
先ほど、前方に黒いものが浮き沈みしていた。最初さめのひれかと思
ったが、オットセイだった。横に来た時も、シャッターを切ったが撮
れなかった。通り過ぎてから、Anne5を眺めているオットセイの写真
が撮れた。
05081527 100508 171950
小樽を出てしばらくはオフワッチだった。その時、夜間用のGPSプロ
ッターの遮光カーテンを作った。取り外しもできる。
100508 172008
キャビンの光は、夜間、一切外部にもれないように、ヨットは工夫し
てある。すべての窓やハッチには遮光カーテンが付いている。本船の
ブリッジも同じで、暗闇にしてある。
100508 172023
暗くしておくのは、目を暗闇に慣らすため。一度明るいものを見てし
まうと、しばらく暗闇を見通せなくなる。Anne5は、夜間、GPSプロ
ッターの輝度を下げるが、それでも、画面が明るく、暗闇が見難い。
そこで、急遽作ったもの。
100508 172045
でも、プロッターの画面を見た後、その明るさになれて、暗闇が見え
なくなってしまう。それを解決する方法は、片目で明るいものを、も
う一方の目で暗闇を見るように、両目それぞれに、役割を持たせて見
るのだそうだ。ライヤンさんの話。今日、実践して見るつもり。
117
100508 172458
コックピットからキャビンに入るところの、スライドハッチが私の作
業場、頭を上げると、前方の水面が波除シートと、その向こうのカヌ
ーの間を通して見える。監視しながら、ツイッターができる。ふと、
横を見ると。ブイ!!ギク、定置網に入った!?
05081726 100508 172646
Anne5が至近距離を通過した仕掛けを示す、ブイや旗ざお。
100508 173529
幸い、直下にロープが出ている仕掛けだったが、スクリューを引っ掛
けたりすると、致命的。来るときにもいくつかあったがその時はレー
ダーに反応して事前に分かった。今、レーダーのゲインを上げ、接近
警報範囲を変えた。
100508 173654
広い海と思うが、こうしたミートは、しばしばある。昔、危ない目も
経験したし、迷惑を掛けた事もある。こういった経験は、本当に貴重
と思う。
05081804 100508 180456
小樽へ向かうときは、ドコモのデータ通信が全くつながらなかった場
所を、今通過中。今はつながる。通信アダプターを10mほどに吊り上
げた成果だと思う。
05081805 05081805
小樽へ向かうときに、通信ができなかったエリア。APRSの画面。3分
ごとにGPSで調べた自分の位置をネットで送信する。九州のボランテ
アサーバーに届いたデーターがグーグルの地図上に赤い点で表示され
る仕組み。ドコモの電波が飛ばなかった、又はPCの都合で通信できな
かった部分が、緑色の推測線になっている。
118
100508 182147
右舷、新日本海フェリー、HAMANASUと、すれちがう。かなり大きく
てきれい。首都圏と北海道は大洗で、関西圏と北海道は舞鶴、敦賀か
らのフェリーでつながっている。
100508 182717
夕暮れ、航海灯を点灯する。ヨットは、マストトップに、三色灯を点
ければよいことになっている。赤の左舷灯、緑の右舷等灯に加えて、
白の船尾灯が一つになっている。
05062052
JASREP/PR//
A/あん5/240-41190//
100508 205347
B/082045J//
C/岩内沖/42.53N/139.55E//
100509 024551
5月9日、午前2時過ぎ。奥尻島と、北海道の間にこれから進入すると
ころ。左舷にナトリウム灯多数、右舷2時方向に奥尻の町の灯が見え
る。
100509 025038
レーダー、GPSプロッターの灯火管制をして、誠に、監視しやすくな
ったが、PCを開いているのでその効果が無くなった。
100509 025523
右舷に閃光15秒。奥尻の灯台。方位、247度。10年前は、2点の方位を
測って海図に線を引き位置を出していた。昔、ナイトで三河湾を出た
とき、文雄君が位置確認のために観測を繰り返し、チャートテーブル
を離れることができなかったのを思い出す。
100509 031029
2010/5/8
レーダーレンジを16Kmにする。左10Kmに北海道、右11Kmに奥尻が
ある。真正面8Kmに本船。先ほど右舷を追い抜いていった船。AISに
よると、パナマ船籍、船名ORIENTE VICTORIA、仕向け先PLAND_
OREGON、針路173度、速度13.4Knotとある。
119
100509 031433
ツイッターを書き終るたびに、立ち上がって周囲、特に前方を凝視す
る。雨は降っていない。引継ぎでは、ズーと小雨が降ったり止んだり
だったよう。ドジャーの陰にいたのと、カイロがあったので寒くなか
ったと聞いた。
100509 032156
引継ぎまでに調べたこと。①計画では7Knotとしたが、平均6.5Knot
で来ている、出航が早かったので、目的地着時刻は大幅な変更になら
ない。②天気予報では、この5日、予定航路上は雨が降らない。③燃料
は80ℓ消費し、残り140ℓ、給油するとした場合、このまま行くと深
夜早朝で給油できない。
100509 032736
給油したい時刻の場所は、津軽海峡を過ぎたところから、秋田沖ま
で。その時間帯が深夜。秋田へ寄港しても、スタンドがやっていな
い。飛島までぎりぎり。ライヤンさんと相談の結果、津軽を越えた
ら、回転を抑えて燃費を改善し、無給油で、飛島を目指すことにす
る。ただし、飛島にはスタンドが無いと言う情報もある。
100509 033625
顔と手が冷たい。帽子のほおかむりを使い、ユニクロのネックウォー
マーと指の出る手袋を着用する。上空は白と黒の雲がまだら。雲のま
だらが見えるということは、朝日が近づいてきたと言うこと。都会で
は町の光で雲の様子が分かる。
100509 033828
深夜2時時からのワッチは良い。2時間すれば夜が明けるから。夜に向
かうよりは朝に向かうほうが楽しい?気楽、気分がいい・・。何しろ
良い。
100509 035125
太平洋を流れる黒潮はすごい。以前、潮岬で味わった。4Knot以上は
あった。黒潮が九州で別れて、その一部が対馬海流となる。その対馬
海流が津軽で分かれている。
120
100509 035141
北海道と奥尻の間が狭くなっているので対馬海流を心配したが、そこ
を通過中の今は、逆にスピードが上がっている。太平洋の黒潮6から
4Knotに対して、日本海へ分かれた対馬海流は1から1.5最大2knot、
さらに津軽海峡で二手に分かれた津軽の北は0.5から1Knotといったと
ころかと思う。
100509 035935
変針が4マイルほど遅れた。変針角が少ない場所なので航跡として
は、大幅な違いとはならないが、フェリーの航海士だったら船長にし
かられるところだった?
100509 040431
ライヤンさんと話し込んでいて、大幅にコースオーバーしたことがあ
った。大洗へ入る時間調整、最初の航海、雨、強風で休養が必要とな
り、勝浦への入港を決めたが、話題が盛り上がって、千葉勝浦をか
なり通り過ぎてから、気が付いて、戻る格好になってしまった。幸い
APRSのデータが飛ばなかったので記録には残らなかった。
100509 041559
うねりは1m。風も弱いので、船の横揺れが比較的少ない。16Kmレン
ジのレーダー、左舷真横に船影がある。双眼鏡で見ると、マスト等灯
1個、舷灯は緑。AISには出ていない。マスト灯が1個なのは全長が50m
未満。AISに出ないのは、500トン未満の内航褪船、又はこれから装備
する船?
2010/5/8
100509 042307
11時方向に、レーダー反応。双眼鏡で見ると、斜め横向きに本船が見
える。2個のマスト灯のうち、短いのが左であるのと、舷灯が赤である
こと、いずれからも、左へ向かっていて、左舷ですれ違うことが分か
る。規定では、マスト灯は5マイル先、舷灯は2マイル先から見えなけ
ればならないと、ライヤンさんに聞いた。
100509 042457
風見を見ると、ポート(左)後方から吹いている。セールを上げるこ
とができる。早速、函館のKさん方式で、セールを上げる。
121
100509 043455
現在、艇速は7Knot、時速約13K 。秒速約3.6m。もし、風が無かった
ら、マストトップの風見は前から風が来ていることを示す。マストト
ップは17.6mの高さだから先端は結構ゆれている。この状態で後方か
らの風を安定的に風見が示すと言うことは、5ないし6mの風があると
言うこと。
05090446 100509 044644
マストトップの風見。この他に、航海計器用の風向センサー、風力セ
ンサー、国際VHFアンテナ、三色灯などがマストトップにある。
100509 045516
函館のKさんの言われる、ジブの使い方は利にかなっている。今はシ
ングルなので、メインを上げるとしても2とか3P 。それなら、ジブを
フルに展開すれば、メインが無くても良いと思う。ダブルハンドやス
ピードを追求するときはもちろん、メインを出す。Kさんのアメリカ
行きでの経験を函館で聞いた。
100509 051152
手が冷たい。貼るカイロがある。函館へ向かっているときだったか?
お尻が少しぬれて冷たかったので貼って見たが、暖かくならなかっ
た。シールをはがして貼ると暖かくなる訳が分からない。手を暖める
にはどこへ貼ればよいか?おなかへ貼って見たがすぐはがれる。
100509 051346
結局、合羽のポケットの中に貼ったが、確かに少し暖かくなった。発
熱のトリガーは、はがしたシールに秘密がある?
122
05090520 100509 052020
雲間から朝日がもれている。チンダル現象(光が筋になって見える現
象)が美しい。写真の本船は、石狩へ向かう、Tokuyo Maru。
100509 053057
行く手方面にどっしりと雨雲が広がっている。レーダーには雨は映っ
ていない。昨日は、雨の塊が襲ってくるのがレーダーで分かった。ネ
ットで、アメダス実績、アメダスレーダーを見てもこの先、雨は降っ
ていない。北海道地区を抜けないと、この時期いつも低気圧と雨の心
配をしていなければならない。
2010/5/8
100509 053504
金沢では、「弁当を忘れてもかさを忘れるな」と言う。雨は、日本海
側全般のこと?!ならばこの先、九州に至るまで、雨は免れない。し
かし、八戸以後、二日と航海日和が続いたことが無い。風が落ちてジ
ブのバタつきが出てきた。エンジンの抵抗にはなっていないようだか
ら、しばらくこのまま様子を見る。
100509 054157
右、1時半方向に、島が見える。平たい島に見えるが、上空が雲に隠
れていて、平たく見えるようだ。海図で調べると大島、約35マイ
ル、60Km以上先だ、視界が60Kmあると、この場合言うのであろう
か?
100509 054309
風見が、くるくる回っている。船のゆれで風向きが定まらない。ジブ
セールを、巻き取る。
100509 055108
左舷5Kmに本船。航海灯は消えている。当船も消す。これまで航海灯
を消し忘れて、真昼の行灯を数回(数日)やってしまった。みっとも
ないことだ。
123
100509 055920
日本近海は、風の変化が多い。偏西風の吹くところはもちろん、世界
中どこにも、こんなに風が変化するところは無いと聞いている。この
先、いく手の海面が少し波立っている。風がある。期待しよう。風が
あれば、もちろんセールを出す。
100509 060130
風のありそうな海域に入った。時にウサギが飛ぶので、5m以上はある
と思うが、風見はくるくるまわっている。船のスピードが7.5Knotある
から、しかたがない。
05090622 100509 062258
右舷500mで、すれ違う、タンカーEISHI MARU No.
100509 062907
艇速、7.6Knot。スピードは早ければよいのではない。「燃費は二
乗・・・・」ライヤンさんの教え。2500RPMから2100RPMに落とす。
船速はまだ7Knotある。燃費は、4.2L /時間から3.2L/時間に落ちたは
ず。後はAnne5の補機、セールで補う。(Anne5では、いつもエンジ
ンを回しているから、セール通常と違って、セールが補機?!と言っ
ている。)
100509 063147
スピードが落ちた分、セールを出しやすくなったが、風見を見ている
と、それでもたまに、くるくるまわっている。補機の利用は、もう少
し我慢してから。セールを出すと、横揺れも抑えられるのだがなあー
ーー。
100509 071448
ジェニファー石川さんご夫妻のブログを見て、航跡をみた。今、ジェ
にファーは、狼煙へ向けて航海中。 Anne5と接近しつつある。実は
サプライズ、アイコンタクを狙っている。
124
100509 072006
石川さんはツイッターを見ていないから、秘密はもれない(と思
う)。ジェニファーが11日に、狼煙から55マイル先の佐渡へ渡り、
Anne5が、10日の午後飛島を出航すれば、羽茂でミートできる。ただ
し、飛島までAnne5の燃料が持ち、飛島で給油ができた場合のこと。
100509 073546
今日の、0200までで16時間4.3ℓ/hとして70ℓ。回転を落とす7時ま
でに5時間×4.3で、20ℓ消費。9日、0700の残量はメイン、サブ合計
120ℓ。7時から2100rpmとなったので、燃料消費は、多く見積もって
3.5ℓ/h。
100509 075012
120ℓの内、20ℓを誤差や突発用として除外すると、100ℓ。100ℓを
3.5ℓ/時間で割ると、28時間。海図で、このあと、6.5Knotで走ったと
すると、飛島へ10日の午前8時。25時間。いける計算だが、飛島で給
油できるか?は、今日9日中に電話で確認しなければならない。
100509 093723
08時にワッチを代わった。朝食時に、「燃料消費量はエンジンの回転
数の二乗に比例する。時間短縮の3乗に比例する。」の話になった。今
回の回転数低減で30マイル余分に走ることができることが分かった。
100509 103848
飛島まで燃料は持つ見込みはついたが、秋田などの最終給油地は、午
前0時に通過する。これを逃すと、朝まで補給の手立てがない。できれ
ばその前に給油したいと思い始めた。予定航路付近に深浦港が見つけ
た。
100509 103906
深浦港については、数人のヨットマンが寄港したことをブログにかい
ている。ブログによると、地元の実商さんにヨットのことなら何でも
相談すると良いとある。実商さんに電話をして、スタンドの番号を教
えてもらい、給油を依頼する。深浦港へ午後5時ごろ、入港して給油の
予定。
125
05091048 100509 104814
津軽海峡を渡る一時間前の写真。雲が山を隠している。こういった雲
は、屋久島以外は見たことが無いと、ライヤンさん。山に当たった湿
気を含んだ北風が、山を駆け上り、雲を作る?遠く、竜飛岬の半島が
見えている。北海道の雨雲が間もなく消えることも分かる。さような
ら北海道の雨雲。
100509 105351
津軽海峡の北海道側、岸よりに寄せている。反流を期待して、である
が、思いのほか効果的。時に9Knot出ている。この速度が落ちたら、
深浦へ向ける。
100509 110922
@F_KOMAI 紹介を受けた小樽の青塚食堂、訪問できませんでした。友
人とのご馳走が翌日に回ってしまったのと、天気がよければ、速、出
航体制なので、艇を離れられません。それと、結構やることがあるも
のでした。次回、一緒に、小樽に来ましょう。
100509 113933
JASREP/PR//
A/あん5/240-41190//
B/091130J//
C/津軽海峡/41.17N/140.05E//
05091200 100509 120021
津軽海峡、横断中ナウ。写真は竜飛埼。大型船が4隻通ったとのこ
と。交通の要所。大間から先には、川が流れているところがあると聞
いた。
05091249 100509 124946
潮目。
126
100509 125546
対馬海流の潮目、通過。小さな三角波の集まり。これで潮流から抜け
出ると思ったら逆。6.8が4.2Knotまで落ちる。対水速度は7Knotを越え
ている。位置から見ても、対馬海流が津軽海峡に流れ込む位置。コー
スを陸よりに変更。セールは、パワーを発揮している。
100509 133149
2010/5/9
深浦入港は、このスピードで行くと、夜7時を過ぎることが分かっ
た。お世話いただいた実商さんには、事情を説明、報告、丁重にお礼
を申し上げた。待機していただいた藤沢石油店さんにも、お詫びし
て、依頼を取り消した、快く、聞いていただいた。
05091408 100509 140840
メーン2P、ジブフルで、快走するAnne5。なんと言っても心強いエン
ジンと、オートパイロット。両者が、全航程、フル活躍。スキッパー
は、時々、GPSプロッターとレーダーを覗くだけ。後は、音、振動、
においに気を配るだけ。
100509 144440
飛島での給油の件、酒田観光物産協会に電話をする。調べてくれると
のことで、再度電話を掛ける。そういうものは売ってないとのこと。
どこで聞いてもらったかと聞くと、旅館。給油船のことを聞きたかっ
たが、かみ合わず。思えば、遊びの船の燃料を給油船から購入しなけ
ればならない必然性も無く、飛島給油を断念。
100509 144839
もう一度、泊地情報 http://www.cruz-net.com/Hakuti/index.htmlを
見て、本荘マリーナに電話をする。あっさり、朝、7時からOK。明朝
入港予定として給油を依頼。
100509 194901
ワッチが始まり、ワッチが、間もなく終る。寝不足気味。夜8時にワ
ッチオフして、夕食を作って、9時に寝る。1時半過ぎに起きて、2時
からワッチ。昼は8時から16時まで、ワッチオフ。メールの処理をし
て、お昼、航海計画を作って・・・・。結構やることがあって、十分
寝れなかった。でも、まだ工夫はできる。
127
100510 025338
5月10日0200、ワッチに入る。前方5Kmに、本船。舷灯赤が見える。
左舷交差。牡鹿半島の変針点まで後、3nm。潮流の関係で、速度、
5Knot。この速度だと、本荘10時着。ただし陸へ向かうので、速度は
改善される見込み。残燃料、50から60ℓ。必要燃料、28ℓ 。問題ない見
込み。
100510 025504
JASREP/PR//
A/あん5/240-41190//
B/100200J//
C/男鹿半島沖/39.56N/139.36E//
100510 030033
2010/5/9
男鹿半島の先端で半島に平行して走っている。コースは、変針が少し
早かったので、寄って行き気味。心理的な面もある。レーダーで確認
すると、5~6Km沖を通過する見込み。夜間は3マイル(5.4Km)離す
原則としている。
05100316 100510 031623
レーダー画面。10日、午前3時過ぎ。
100510 031752
月が、東の空に出ている。三日月。晴天で星が出ているが、頭上部分
だけしか見えない。周囲はかすんでいるのと、月の明かりが邪魔をし
ている。双眼鏡で月を見るとクレーターがはっきり見える。右前方か
ら左後方へ天の川が見える。双眼鏡で見ると、無数の星。きれいだ。
月が昇るとその明かりで星が見えなくなる。
128
100510 032944
ツイッターがうまく上がらないことがある。上げたつもりが上がって
いなかったり、特に、写真をアップするtwitpicは、上がったのか?ツ
イッターにその表示が出たのか?本文でリンクする必要があるのか?
などなど確認が必要。
100510 033000
ツイッターがうまくいかない原因は、ドコモが遅くてしかも不安定
(10m上空で受信ユニットが振れ回っている)と、暗くて揺れる船で
ミスタッチ、そしてハードディスク保護動作による反応待ち、など、
いろいろある。
100510 033611
前方灯火。レーダーに反応は無い。かなり先の漁船か?継続注意。左
舷後方に本船。距離4.2Km。双眼鏡で見ると、前部マスト灯が左。舷
灯は赤。後方を横切って抜いていく模様。監視の必要は薄い。
100510 033756
東の空が白ずんできた。2時からと16時からのワッチ担当だから、日
の出と夕日、共に見ることができる。
100510 034432
風はほとんど無い。海面は鏡状況。波があるから平たくは無い。ゆっ
くりとした周期でローリングしている。時に10度ほどヒールする(傾
く)が、寝るには、気持ちの良いゆれだと思う。
05100353 100510 035343
写真は、ヒール計。写真を撮ろうとするヒールしてくれない。レーダ
ーとPCの間、奥に見えるのが、60分タイマーとその上が外気の温度
計。今10度を示している。直接風が当たらないから体感温度より高い
温度表示と思われる。
129
100510 035835
60分タイマーは、必需品。もう一個欲しいぐらい。変針点までの見込
み時間やログを取るタイミング。サトウのご飯を加熱する時間。室内
に入って作業するときの長時間作業防止等。この他に目覚ましが欲し
かったが、携帯を使っている。カレンダーも無いので、手作りして、
壁に貼った。
05100407 100510 040727
男鹿半島の夜明け前。月も残っている。未だ、半島の先を抜け出すこ
とができない。半島の先を抜けてから、一気に岸寄りへ進入すれば、
反流で勢いは増すはずだが、保証の限りではない。
100510 041246
Anne5の船底に、ペラが着いていて水中で船のスピードを測ってい
る。いつも書いているのは、GPSによって一定時間に移動した距離か
ら出した対地速度。今、船底のペラが測ったスピードは約7.2Knot。
GPSは、5.2Knot。だから、2Knotもの海流が流れていると言うことに
なる。
100510 041802
岬の先端では特に早くなるが、日本海中、1Knot程度の海流、逆潮が
あると思っていなければいけない。ジェニファーの石川さんが右回り
で北海道に向かったのは、こういう点の考慮もある。当艇は、七尾、
そして沖縄を目指すからこうなった。ところで、ジェニファーさんの
動向は?今からブログを見る。
100510 042731
石川さんのブログで、天気が崩れることを知る。11日、羽茂でのミー
トの線は消えたようだ。今から天気のチェックをする。その前に、前
方、漁船。右へ進んでいるので問題は無い。ただし、レーダーの4Km
レンジで表示されないのが気になる。
130
100510 042832
明るくなった。真昼の行灯防止のために、航海灯を早めに消す。
100510 045912
スピードを稼ぐために、岸へ20度振った。その後、海流図(水温判
断)を見たが、明らかな反流は見られ無かったので、元のコースへ戻
す。
05100502 100510 050216
写真は海流図。明らかな反流は見られない。日本海中、ぐちゃぐちゃ
感あり。ただし、佐渡の下(南)にはあおい筋(1~2Knot)の海流
があるようだ。これは馬場さん予報のもの。
05100512 100510 051226
天気図を見た。10日、21時の予想天気図。高気圧が去り、10日夜には
低気圧が来ることが分かった。
100510 051546
羽茂の雨の予報は、馬場さんによると、11日16:00から23:00と、12日
19:00から13日04:00が雨となっている。マネージャーお勧めの佐渡島
一周観光になりそう。
100510 054654
ツイッターの発信に又、てこずった。今度は、ドコモが切れたよう
だ。又書くのか!と嘆きながらマストトップを見上げると、順風。ク
ローズからクローズドリーチ。すぐにセールを上げる。+0.8Knotゲッ
ト。セールを上げると忙しくなる。
131
100510 054845
前方の仕掛けを避け、ドコモが駄目なのでPCを再立ち上げし、コース
が下に流れるので針路の修正をし、セールのトリムをスピードと共に
修正する。ドコモが、今つながった。ドコモが無いと、APRS、ネット
検索、ツイッター、メール、すべて止まってしまう。
100510 055808
2010/5/9
前方右に、雪をかぶった気高い感じの山がかすんで、しかし大きく見
える。鳥海山、2236mと、海図にある。
100510 055851
目標まで。22マイル。セーリングに専念する。
100510 061710
機走で、5.1Knot。ツイッターしながらの機帆走で、5.6Knot。セール
トリムをまじめにすると6.6Knot出る。
05100619 100510 061949
それにしても、仕掛けに良く、遭遇する。3回目。100m以上の深さが
ある。岸からも30Kmも、離れていると思うのに・・・。
100510 062113
風が強まった。常時10度以上、ヒールしている。快調。非常にヨット
らしい。飛沫が飛んでくる。PCの避難どき。
100510 071316
0700、早めのワッチ交代を申し出てもらう。本荘マリーナへの連絡
と、JASREPへの通報。変更にするか、終了、再度、航海計画を出す
か?
100510 073922
@yarcman 応援、よろしくお願いいたします。
100510 074125
@elu77 おはようございます。この後、給油して、佐渡まで向かいま
す。佐渡で、日より待ち。その後、七尾、長崎、沖縄を目指します。
良い景色があったらアップします。
132
100510 124505
JASREP/DR//
A/あん5/240-41190//
C/佐渡島羽茂港/37.49N/138.18E/111000J//
100510 132057
本荘マリーナへ10時に入港。マリーナの近くで、風や潮流にそれほど
影響ないはずなのにスピードが出ない。6Knot。昨日、2000のワッチ
オフで、ベッドに横になったときに、軽い、聞いたことの無い振動を
感じた。そのことも気になっていたので、給油桟橋で点検をすること
にした。
133
羽茂港
飯田港
05101442 100510 144203
本荘マリーナの給油桟橋からも鳥海山がくっきり見える。係りの方が
言うには、鳥海山がくっきり見えるときは吹く。吹いて欲しい感じ。
100510 185954
本荘マリーナの給油桟橋に向かう手前50mで座礁した。係りの人が、
手招きしているにもかかわらず。電話で水深2m必要と言ったとき、大
丈夫と思うとの返事だったので、警戒はしていた。
100510 190045
低速で進入していたので、アスターン(バックのこと)で抜けた。い
ったん下がり、右から大回りして接岸した。しゅんせつしたばかりな
んですが、やはり確認しなければいけませんね。と係りの方。
134
100510 190118
給油後、水中カメラを入れると。海草がプロペラシャフトにひっかか
っているのが見えた。停船中はぶら下がっているだけだが、ペラが回
転するとペラと一緒に回り水流を乱すのは明らか。ハーバーが用意し
てくれた、先にカマが付いた長いさおで、ライヤンさんが外した。外
れる様子は、カメラで見ていた。
05101904 100510 190459
スクリューシャフトに絡まった、海草ギバサの一部。確かに硬く、手
ではちぎれない。
100510 190637
写真の中央に写っているのが、外した海草の一部。地元ではギバサ
(学名赤ムク)。テグスより強いといわれるほどの強さで、ペラでは
切れなかったもの。これで、2Knotぐらいロスしていた模様。
100510 190703
燃料は、補助タンクに70ℓ。メインに120ℓ入れた。すっかり給油口
まで入れるようになってしまった。原因は、他ごとを話しているうち
に一杯になるから。それと、ここもそうだが、給油ホースの先から給
油量を示す数字が読めない。合計で190ℓ補充。燃費は3.9ℓ/h。ギバ
サで燃料を食った。
05101909 100510 190916
出航のときは、前方ソナーが活躍した。水平スキャンモードで、浅い
ところは赤く、深いところは白く映し出された。その画面を見て、ラ
ット(舵輪)を持つライヤンさんに方向を伝えた。水平スキャナーが
初めて役立った。3Dソナーには、垂直スキャンと水平スキャンモード
がある。
135
100510 190945
本荘マリーナを出て、最初、アビームで・・その後、ジブだけランニ
ングとした。機帆走で、軽く7Knotを越えていた。佐渡島の羽茂への
到着時刻を調べた。6Knotで行った時と7Knotのとき、それぞれ11日9
時と6時着と出た。佐渡マリーンスポーツさんへ、お世話になりたいと
連絡を入れた。
100510 191056
JASREP本部からメールが届いていると、マネージャーから連絡があっ
た。到着地を飛島から羽茂へ変更通知したのだが、簡単で唐突な内容
だったので、確認が入ったもの。燃料補給ができないので変更したな
ど、理由を書いてメールした。今後はコメント欄に具体的な理由を書
くべきと反省した。
100510 191202
ネットがつながらないので、一部ため書き。今、午後6時半。曇ってい
て夕日は無い。風がひんやりする。雨を感じさせるが、予報では雨は
降ら無いはず。真追っ手、風が弱く、ジブも巻き取ったが、風力が4か
ら5まで上がっている。真追っ手ではジブは展開できない。船体だけで
も押されていて今、6.6Knot。
100510 191229
コースは、飛島と本土の中間点と、栗島と本土の中間点を結んだ線上
を走っている。栗島の中点まで18nm(マイル)3時間弱、9時過ぎに
羽茂へ変針する。羽茂港へは、9時過ぎ到着見込み。馬場さん予報で
は、佐渡の南側は1から2Knotの潮流があるとのことなので、もっと遅
れる可能性もある。
2010/5/10
100510 191349
風が、左へまわった。ジブを上げた。速度が増した。風力は3.で6mの
風。左舷3Km離れたところを貨物船が追い抜いていく。
100510 191416
キャビン内のPCを確認した。つながっている。ついでにAISも覗い
た。追い抜していった貨物船は堺へ向かうNANIWA MARU だった。
136
100510 191658
右舷前方、栗島の灯台を確認した。閃光10秒。島影を早くから確認し
ている。間違えようが無い。風が、右へまわった。ジブを上げた。速
度が増した。風力は3で5から6mの風。
100510 192708
ヨット仲間では、ヨットにまつわりつく海草はホンダワラで通ってい
る。今日、本荘マリーナで取った海草はホンダワラでは無いと思う。
今日の午後、ワッチの引継ぎのとき、海草のかたまりがあって、避け
たと聞いた。私も、2mほどの海草のかたまりを見た。夜間は避けよう
が無い。
100510 200756
ワッチ交代。引継ぎ時に、目的地到着時間が早くなる見込みで、雨な
ど、急ぐ理由が無いから、エンジン回転を落とす提案がライヤンさん
からあった。2100RPMを1900RPMに落とした。0.8Knot程度スピード
が落ちたが、下げた回転数の2乗で、燃費がよくなっているはず。
100510 201000
本船では、常識。受け入れ側の時間に合わせて、エンジン回転を落と
して到着時刻を調整する。これ当然なこと。Anne5では、初めてのこ
と。今後の参考にする。
100510 201106
これから、夕食の準備と、02時の交代まで休憩。
100511 031616
11日(火曜)0220、ワッチイン。寝過ごしで20分遅刻。引継ぎ。航海
は順調。9時に羽茂港着の見込みと聞く。しばし、海草除去の手立てや
道具の話。4mの竹を用意して、ボースンチェアーを、できるだけ高い
位置から吊って、桟橋で行なったと同じ手法で除去するのが良い。佐
渡で、竹の調達と練習?
137
100511 041309
ボースンチェアーとは、マストに登るとき、吊り下げるロープに付け
るイス。この船には、潜水用エアーコンプレッサーや減圧弁、30mの
エアーホースなどを積んでいる。船底の作業なら一時間以上潜水でき
る設備だが、もぐるとなると大仕事。竹ざおで終れば、理想的。羽茂
で練習が必要。
100511 041350
左舷側の雲が明るい。他は真っ暗。佐渡の灯台の光だけが見える。左
舷が明るいのは新潟市の光。深夜も空を焦がす膨大なエネルギーが使
われている。衛星で見ると、夜間の光で日本列島が描ける。街路灯な
どの照明は、空を焦がす必要は無いので、反射のかさを付けて、地面
を照らすべき。
2010/5/10
100511 041514
風がひんやりして、雨の気配。レーダー画面に、雨のかたまりが出て
いる。レンジを広げると、10Km以上先ではかなり降っていることが
分かる。写真は、前方から左舷方向に移動した雨雲。16Kmレンジ。
左前方4Kmに本船が写っている。雨雪除去のレベルを下げると、雨雲
も明確に分かる。
05110417 100511 041748
レーダーに写った雨雲。雨は強くない。強い雨の場合は、真っ黒なか
たまりとなる。小樽で見た。左下は、携帯の雨雲の移動を示す画面。
100511 042024
携帯版の馬場さんの予報、雨雲予報を見る。午前8時までの1時間ごと
の雨雲の予報が出る。この地域、全面的に雨雲が広がっている。即座
に、合羽を着て、防水処置つきのドジャーを広げる。ドジャーの防水
シートは付けたままとしてあった。
138
100511 042047
ドジャーを張ると、前が見えなくなる。もともと前面の透明ビニール
が曇っているのと、防水シートが光は通すが透明ではないため。飛沫
や雨を完全に防ぐソフトドジャーが欲しい。防水スプレイをアメリカ
の通販で買って塗布したが、駄目だった。前面のビニールに液が掛か
ってしまい、かえって透明度をさらに落としてしまった。
100511 042103
ノートPCに、キーボードを照らす機能があることは知っていた。昨
日、偶然の操作で、そのランプが点いた。誠に都合がいい。近目ヘッ
ドライトは、と言うよりLEDランプは、照らす範囲が狭く、不便だっ
た。
100511 042123
ツイッターを書き終わるたびに、ドジャーから首を出す。ひざで立っ
て周りを見渡す。佐渡に接近しているので、本土側の光は見えないが
空は明るい。デッキは朝露にぬれた程度に湿っている。予報は、この
地区、今日の23時が降り始めだったが、降り出す時刻がずれている。
100511 042146
佐渡は、東北向きに2箇所とがっている、下のとがった岬は目の前右
舷。6秒の閃光で灯台が分かる。上のとがった岬の灯台は閃光30秒。
遠くにみえかくれしている模様で、30秒が測りにくい。
100511 042305
羽茂は、佐渡のこのとんがりの反対側、西南にある。羽茂港へ進入す
る変針点まで後25マイル。現在の速度は5.8Knot。計画より少し左を航
行している。夜間、計器航海なので、コースを気持ち的に沖へ出す。
空が白ずんできた。右舷に、うっすらと佐渡の島が見えてきた。島影
は前方まで広がっている。
139
100511 043633
左舷にも、島のような山がぽつんと見えてきた。本土の半島の山だろ
う。4秒ほどの閃光がある。海図には、Fl.19Mとある。単に「光って
いるぞ、19マイル先から見えるはずだ」と言う意味。この灯標のこと
と思う。
100511 051644
このレグも3昼夜で小樽から佐渡まで来た。このレグでは、海図を3枚
使った。この海図はもっとも粗い縮尺。だから主要な灯台しか出てい
ない。志摩を出て以来、15の都道府県沖を通過した。出発以来22日過
ぎたが、実際に航海したのは9日。北国や日本海のこの時期、天気は3
日持たない。
100511 054335
佐渡の南を航行中、ナウ。今日の目的地、羽茂まであと、約3時間。魚
を取る仕掛けがある。獲物はタコかもしれない。この航海では海岸の
いたるところに仕掛けがあるようだが、定置網をあまり見ていない。
夜間3マイル、昼間2マイル海岸から離しているので、遭遇しないの
と、僻地には定置網は無い模様。
100511 054927
漁業従事者は、定置網の普及で一種、会社員のような勤務になったの
ではないかと思う。天候が荒れた場合、日程変更になるが、通常は年
間計画や時間の決まった毎日の水揚げ作業など、一種の合理化。権利
や網の経費と維持費、作業する人の取り分などどうなっているのだろ
うか?ちょっと知りたい。
100511 055601
速度が、5Knotを切るときがある。対水スピードは、6Knot前後。ここ
佐渡島南では、北東向け、海岸線に沿って0.5から0.8Knot程度の対馬
対流の流れがあると考えられる。
140
100511 064231
ライヤンさんが上がってきて、早めのワッチ交代。昔から、ヨットの
帰路のミュージックは加山雄三だった。思い出して、羽茂到着向け音
楽を、デッキに流した。アイタッチをヤマハのアクティブスピーカー
につないでいる。アクティブスピーカーは、小型だが、音量も音質も
良い。いつもは孫のまんがDVD観賞用に使われている。
05110649 100511 064940
写真は、アイタッチとヤマハのアクティブスピーカー。
100511 071521
雨がぱらついてきたので、コックピット音楽は、キャビン内に退避。
このラジカセ、最新モデルらしいが、ほとんど使いこなしていない。
雄三の曲も選曲したはずなのに、うまく行っていない。iTunesの研究
会をライヤンさんと沖縄の帰りに実施することになった。
05110716 100511 071625
朝食の時間。たまねぎ入り具たくさん味噌汁。上出来、朝食。評判も
良かった。
100511 081349
サトーのお米を入れ火にかける(14分)。ごま油を敷いた鍋に刻んだ
たまねぎをいれ、いためる。その間に佃煮を盛り付け、グレープフル
ーツを切って、皿に盛る。たまねぎができたので、いったん火から下
ろし、その火で海苔を焼く。その後、たまねぎの鍋を再び火に掛け、
おわん2杯の熱湯と味噌を入れ、煮る。
100511 081623
羽茂港進入ポイント通過。後、25分で港内。
2010/5/10
141
100511 093746
JASREP/FR//
A/アン5/240-41190//
K/羽茂港/37.49N/138.18E//110930J//
X/ありがとうございました。ヨットアン5//
100511 095240
係留完了。佐渡マリンスポーツの社長さんがポンツーンの上から、手
招きしてくれた。深さ十分。底もはっきり見え、きれい。社長さんは
すぐいなくなり、再度来られ、シャーワーでも何でも使っていいよ、
と言い残して、又、お仕事に戻られた。5時まで、お忙しいらしい。ラ
イヤンさんは、早速、シャワーと偵察。
05110954 100511 095445
羽茂港の浮きポンツーン。
100511 112524
石川さんから、天気は持ちそうとのお誘いの連絡があった。(羽茂へ
寄った航跡がAPRSに出なかったので、能登半島へ向かっていると思わ
れたようだ。)このお誘いに乗って、粋珠市の飯田港へ向かうことに
して、シャワーを済ませたライヤンさんを待って、羽茂を出港した。
佐渡マリーンスポーツの社長さんには、メールで予定変更をお知らせ
し、お礼を申し上げた。
100513 052254
羽茂を出航してしばらくして、チャートテーブルでメールのチェック
や返事を書く。APRSを見ると、羽茂への入港が出ていない。入港前に
発信が切れ、入港後に復旧しているので、この間が、推定航跡で、ま
っすぐつながってしまっていた。石川さんとの電話連絡で、話がかみ
合わなかったことを納得。
142
100513 052518
11時半ごろから、ネットがつながらなくなる。まだ、佐渡に近い
が・・と思いながら通信ユニットを抜き差ししたり、何度も再立ち上
げをするが、復旧しない。要は、電波が届いていない。その内、携帯
電話も不通となった。
100513 052526
携帯がつながらなくなる前に、石川さんに、飯田港へ向かってること
をメール。石川さんが飯田港に入るときに分かった、大敷き(大きな
定置網)2箇所。第一の大敷きの南、そして第二の大敷きの北を通過す
るよう、携帯メールで教えてもらう。早速、海図に記入して、確認。
100513 052619
2010/5/11
大敷き1は、現在航行中のコースに引っかかっている。コースを修正
して、GPSプロッタに入力し。ワッチをするライヤンさんに、説明。
北を通るべき第二の大敷きの位置が北すぎる。この大敷きを越えるた
めには、第一の大敷きを越えた後、大幅に北に向かわなければならな
い。
100513 052658
石川さんは、北からのアプローチ、われわれは、東からのアプローチ
なので、第二の大敷きは検討対象から外すことにした。コックピット
では、ライヤンさんが雨の中のワッチ。ドジャーの影でのワッチなの
で、人の出入りがしにくい。飯田港接近まで、申し訳ないが、任せる
ことに・・。
100513 052707
速度は、6.6Knot。計算によると、飯田港入港への変針点が19時。そこ
から港の先端の灯台まで、4マイルある。GPSプロッターでこの地区の
日の入りを調べると、18時59分。ライヤンさんに知らせる。知らない
港への夜間入港。普通は避けるべきケース。
2010/5/11
143
100513 052851
港へ入る上では、問題は感じない。海図、GPSプロッター、港湾案内
があれば、間違いなく入れる。入港後の接岸は、石川さんがいるの
で、心配は無い。問題は定置網や養殖いかだ。暗闇で、それらの確認
は難しい。状況をワッチのライヤンさんに、伝え、30分前からキャビ
ンに出ると伝える。
100513 052906
「天体薄明」との返事。野島崎に向かって、深夜、雨の中を走ったと
き、ズボンに雨がしみて寒い思いをしたと聞いたので、雨は避けると
決めたのだが、その後も雨天走行が何度かあった。そういう時も、今
回の雨天・夜間入港も、決めたことに批判なし、ライヤンさんの前向
き対応姿勢には頭が下がる。
05130541 100513 054138
港湾案内で、港の構造や進入経路、係留予定ポイントをライヤンさん
に説明、確認。港湾案内95ページ右上が飯田港。全く何も無いところ
へ港を作ったことが分かる。その下の宇出津港は、天然の良港。左ペ
ージの2つの港は、沖に伸びる岩礁や島を利用したものとなっている。
写真は、港湾案内図、飯田港。
100513 054608
「天体薄明」とは、日が沈んでも明かりが残ること。ライヤンさんの
話。エンジン回転を上げることも、考えたが、これで行きましょう
と、ライヤンさんの言葉、「時間短縮は3乗」との思いや、そうした
あせり的発想が、問題を発生させるのではとの、思いもよぎって。
Anne5の巡航回転数をキープ。
100513 054620
潮の関係で、スピードが変わる。海の真ん中航行中のため、ネットが
つながらないので、何回も早くなったスピードを元に、到着時刻を計
算するが、午後7時の飯田港進入点到達時刻は、変わらない。
144
100513 054722
時期的には、天体薄明が最も長い時期だが、この雨では、長くは期待
できない。夕暮れ、雨の中、石川さんから聞いた第一の大敷きを確
認。十分な距離がある。距離があると言うことは発見しにくいと言う
ことだが、7×50の双眼鏡と、手振れ防止の12×35の2台の双眼鏡を駆
使して、監視を続ける。
100513 054737
仕掛けも多い。その仕掛けを縫って進む先、左舷に、やぐら風の灯標
と、その右に広がる多数のいかだを発見する。方位を右に20度振る。
このいかだの数は20もあるだろうか、延々と続く感じ。遠く右舷に
も、やぐら風に3本の足を持つ灯標が見えている。
100513 054805
進入コースを港湾案内に書いてくれれば・・と愚痴も言いたくなる
が、漁具が流れることもあり、うかつに書けないのであろう。仕方が
無い、自己責任で船を進める。
100513 054836
コースを20度、右に振っているので、すでにかなり接近している。港
の堤防の先端に黄色、その右に赤、緑と並んで見えるはずだが、町の
明かりと車のテールランプなどが多く、なかなか、飯田港入り口の灯
台が発見できない。GPSプロッターの方位だけを頼りに、そして、べ
たべたに濡れた港湾案内を見直しなが闇の中を進む。
100513 055011
照明が空を焦がすことを禁止すれば、消費電力が減って、星も良く見
えるようになると思っているが、港では、沖に光を漏らさないとして
くれるのも、省資源と船舶の安全航行に貢献する。いまどき、電子航
行というが、やはり検討する余地はあると思う。
145
100513 055023
港の先端の灯台は、本当に間近になって、ライヤンさんが見つけた。
基準になる灯台と、進行方位が分かれば、次は港内の様子見。水深の
心配は無い。岸壁の先端で、サーチライトが点滅。石川さんだ。係留
地点で、「ここがスタンビット」船の後ろを止めるビットの位置を示
してくれる。誘導は簡潔で明瞭。
100513 055047
19時29分、着艇。ブーツ、びしょぬれの合羽を脱ぐ。ライヤンさんは
運動靴のまま。足が冷たかったろうに・・と思う。天体薄明がかろう
じて残る中の定置網発見だったから、準備したサーチライトの使用は
無かった。
05130551 100513 055158
強力、サーチライト。これも、LEDに代わるか。
146
Memory of Ginowan
147
飯田港
七尾
海竜マリーナ
100514 091156
飯田港は、旧漁港、漁港、産業港の3つに分かれる。Anne5を留めた
のは、漁港。シーズンになるとイカ釣り船で一杯になって近寄れない
が、今は、十分なスペースがある。産業港は広々としている。以前、
佐渡へのフェリーを走らせたことがあるので、その岸壁も空いてい
る。
100513 054324
大学時代、パブリカ800で能登半島をドライブした。空冷2気筒のエ
ンジン音は心地良く、マシンと人との一体感が好きだった。音・にお
い・振動に注意していたのは、その前に乗っていた中古クラウンやコ
ロナからの習慣。ドライブの途中、輪島の友人の家でお世話になっ
た。その後、能登半島先端ののろしの灯台に行きたかったが、当時
は、輪島から向かう道が無かった。
148
100513 054348
それから、40年以上たった今、道路はもちろん、たくさんの町と漁
港ができた。飯田港も、始めは、砂浜に船を上げていたのであろう。
最初にできた漁港は右上にある、小さな囲い。その後拡張したのが、
Anne5をとめている第二拡張エリア。魚市場がある。第二拡張エリア
の外側に、第三拡張をした。
100513 054434
広くて、フェリーでも何でも着けることができる広くて立派な港。漁
業組合事務所も、この第三拡張エリアに面してできているから、産
業、漁業、両面を狙ったのであろうが、このエリアには一隻の船も、
係留されていない。漁船が着けてみたが、波が入ってとても使えない
と言った一言で、利用されなくなる港もあると聞く。
100513 054456
飯田港は珠洲市の代表港。Anne5を置く五ヶ所湾も巡航船が廃止され
たのは、この10年。道が無かったころは、人や物資は海から入ってき
た。今は、道路が整備されて、海から入るものはほとんど無い。にも
係わらず、町には港が必要であるとの考えから離れられず、今日も港
湾整備が行なわれている。
100513 054509
新たに作られた産業港が日本のいたるところにある。りっぱな岸壁
も、余るほどある。しかし、そのほとんどが使われていない。その使
われない港を、テトラを入れて、波を防げば利用できるとか、予算が
余ったからといって又、テトラを入れる。こういった永遠の失策の責
任者が今、いない。
100514 091417
ジェニファーの石川夫妻が、車で下調べをしたとき、飯田港を見つけ
たとのこと。目の前がスーパー。温泉、ホームセンター、コインラン
ドリー、道の駅、これら4点セットも徒歩圏内にある。公共岸壁の北に
コミュニティーセンターがあり、ここのトイレは抜群。
149
100514 091710
到着の夜は、石川さんご夫妻と近くのレストランへ行った。こぎれい
な店でかに雑炊を食べた。おいしかった。その夜は、あと片付けもそ
うそうに寝た。
100514 091920
翌日、海上保安庁の臨検があった。臨検といっても穏やかなもので、
新人の実習のような感じで、先輩が指導していた。産業港の利用方法
や、七尾の停泊地に付いていろいろ教えてもらい、15日前後と22日前
後、金大ヨット部艇庫付近の停泊を七尾海上保安に連絡しておいてく
れることになった。
100514 092036
港を見に来た?市の港湾担当の方と話した。近くの河川に100隻ほど
の無許可ボートがある。その収容先として、この産業港を使う案があ
るが予算や、経費負担があって実現しないだろうと。ヨットも係留で
きるハーバーを作ってくださいよ。など、話したが、切羽詰まるま
で、動く気配無し。
100514 092127
保安庁と市職員さんとの話で分かったこと。「4.5m未満の物揚げ岸
壁の利用は自由。先着順。4.5mを超える深さの岸壁は管理者へ予約
をし、規定の費用を払う。」のが、ルール。ただし、お二方とも、何
か、歯切れが悪い。
100514 092236
飯田港は、西側が有料岸壁。予約なしの無断で利用する船もあるな
ど、4.5m未満も4.5m以上も共に、徹底はしていない模様。
100514 092243
段差のある岸壁への接岸は、今回が初めて。日本海は潮の満ち干きが
30センチ程度だが、太平洋側は、数mの場合もあり、又大型船の岸壁
では、デッキからとても手が届かない高さの岸壁もある。このため、
周航するヨットはたいてい、踏み板やはしご、脚立を積んでいる。
150
100514 092330
函館では、岸壁とデッキの高さにそれほど違いは無かったが、水平方
向、ほんの50センチを飛ぶのに、足が上がらず、落ちそうになり、岸
壁に太ももを強打した。上げたつもりの足が思ったように上がってい
なかったのが原因。このときも、踏み板を渡して、その上を歩くこと
が大切と思った。
100514 092411
ホームセンターで、梯子兼脚立を買って担いで帰った。ライヤンさん
といろいろ工夫してグッドアイデア梯子を作った。
05140905 100514 090554
上陸用梯子。自立している。誠にうまくできたが、私はまだ、コツを
つかんでいない。
100514 092450
この他、飯田港での主な作業と係留関係事件は、①海草除去用に4m
の竹ざおを買い、先端にかまを固定し、バックステーに取り付けた。
②涙型の大型フェンダーを流してしまい、港内の対岸まで拾いに行っ
た。③もやいロープが、うねりに負けて切れてしまった。など。
05121822 100515 091735
珠洲市の飯田港で、漁師さんと親しくなった。Hちゃんと石川さんは
呼んでいた。石川さんが、アジのたたき、ぶりの刺身、あら炊き、切
干大根の煮付けを持参してくれ、宴会をした。Hさんがその日取れた
えびと、大型のはたはたを差し入れてくれて、一緒した。いろいろな
話が、聞けた。
05150919 100515 091957
Hさんからの差し入れ。今日、底引きでとれた、えびと大型のはたは
た。
151
100515 092117
Hさんの船は、19トン。最新鋭機器を積んでいる。衛星による自動操
舵は、目的地に着くと、円を書いて待機するとのこと。底引きなので
プランクトンをソナーで見て操業するそうだ。長年の感が役立つので
あろう。船には、ロープや網が整然と装備されている。いかにも現役
バリバリの船という感じ。
100515 092130
底引き網は、広げた網とそれを引くロープで、ひし形を作る。対角線
の長さは、約1Km。一時間で展開した後、先端を引いて、徐々にひし
形を直線に絞り込む。そして、船首から網を取り込む。船尾はドラム
に巻かれた4種類の図太いロープ。そのロープが巧みにつながってい
て、うまく繰り出す。
100515 092233
船から、1Kmの長さの引きロープ。その先に100Kgのチェーン。チェ
ーンの重みで、深さ200から400mの海底へ網を沈める。さらにその先
へ400mのロープ、そして網となる。2人の内、一人がブレーキレバー
を使って調整しながら図太いロープをドラムから繰り出す。
100515 092320
以前は、北海道方面へ漁に出かけていたそうだ。石川県の漁船は、北
海道へ申請許可された3っの港で水揚げできるルール。その他の港では
一切水揚げできない。それでも、その水域が豊漁で港がパンクし、氷
がなくなってしまうような事態も起きるらしい。Hさんは、今後も地
元で、底引き専門で行くそうだ。
100515 092628
今朝水揚げた魚のおすそ分け。大型のはたはた。たくさんのえび。桜
えびも混ざっている。いただいたから言うのではないが、Hさんは男
前で、漁にたいする考え方も前向きで頼もしい。能登の魚を食べて欲
しいから・・といってがんばっているナイスガイだった。
152
100515 092634
こういった、地元の方と、親しくなってしまう、石川さんと奥さん。
なんといってもお二人の人徳。ライヤンさんと私の感想。
100515 092649
えびは、甘い。たくさんあってとても食べきれない。はたはたは、手
付かずのままとなった。陸電が来ないと冷蔵庫が使えない。エンジン
をまわして、一定量の氷を作って保冷するが十分な冷えではない。そ
の夜、ハタハタを煮た。しょうゆ、みりん、砂糖少々。佃煮にならな
いように水を足した。どこで覚えたのだろう?「しょうゆ、みりん、
砂糖少々」なぜか頭に浮かんだ。
100515 092723
朝、はたはたの煮物をおかずにした。うまくできていた。昨日、火に
掛けてから、はらわたを出していないことに気が付き、あわてて火を
止めて、調理した。この関係で、はたはたの形が乱れていた。
100515 092734
えびは、朝食べて、さらに残ったので、湯がいておいた。お昼、ラー
メンに入れることに気が付いて、メンマとえびを入れた。えびラーメ
ンというか、海鮮ラーメン。誠においしく、Hさんのおかげで、3食の
新鮮海鮮料理を味わえた。
<2010年5月14日七尾へ>
100514 052604
5月14日05:30、3泊を過ごした飯田港を離岸。七尾へ。雨模様。
100514 072631
七尾湾口まで後、5.3マイル。8時5分に到着予定。湾口から約10マイ
ル。10時前、艇庫前。何も無ければ、11時に食祭広場。艇庫付近での
2010/5/14
アンカリングなど、検討する場合は、12時過ぎの見込み。
05140839 100514 083903
14日、午前8時35分。七尾湾進入。
153
100514 092611
艇庫前まで、1マイル、ナウ。10分弱で到着。
05141159 100514 115929
2010年5月14日、10:00、七尾市能登食祭広場前に係留。
<七尾>
05141201 100514 120134
能登、食祭広場。観光客の来訪がある。
100515 055022
Nさんが、もやいを取ってくれた。自動車会社の社長さんで、この広
場に隣接したヨットの泊地にヨットを係留している。連絡をしたの
で、仕事を抜けて自転車で駆けつけてくれたもの。紹介の紹介でお世
話になることになった。行き先に、こう言った方がいてくれるのは、
誠に心強い。
100515 055053
大きな広場で、バスで来る観光客も建物内のお店を見るだけで、広場
には出てこない。声をかけられたのは、一夫婦のみ。しばらくする
と、ヨットが2ハイ。それぞれシングルで着艇。もやいを取る。急にに
ぎやかになる。
100515 055103
「名古屋のヨットで、小樽からカッ飛んで珠洲へ入った、すごい船が
あるそうです。」。エッ!それ私たちです。どうしてそれを?石川さ
んのブログで知って航跡を見ました。見ていただいている方もおら
れるんですね・・・。ハーバーの人も見てますよ。石川さんのブログ
は、毎日更新でファンも多い。
154
100515 055305
相互に船を見学し、じっくり情報交換。明日、訪問予定の海竜マリー
ナから来ている艇と分かって、いろいろ聞ける。富山の船は、ここ七
尾へ遊びに来るのが定番。泊地もあるとのことだった。
05150556 100515 055637
他に、ベテランのOさんと、若くヨットマンとして将来有望なOさん。
そして、ライヤンさん。記念写真も撮った。手前がトゥモロー。
100515 055715
アフロデーのOさんが、マリーナへ連絡を入れてくれる。もう一艇、ト
ゥマローのOさんは、100馬力のエンジンを積んだ、モータークルーザ
ー。お父さんが津軽海峡の通過で苦労したので、2倍の馬力のエンジン
に代えたとのこと。Anne5と同じ苦労をされたらしい。
100515 055851
夕方、金大ヨット部で、今回の連絡を担当してくれているUさんの来
訪を受ける。艇の補修をしていたとのことで、手が白い。艇内の案内
などをしてから、打ち合わせをしていると、仲間から、食事へ行くか
らとの連絡。それなら・・と、こちらも、自慢の焼きパンと、ノンア
ルコール、りんごで夕食。
100515 060007
「21日艇庫付近に停泊。22日0730にセーリングカヌー担当2名と応援
を派遣してもらい、下ろし、レース艇として使用。Anne5は新人の観
覧艇とすると計画。」新人は、入部以来始めての合宿。20名以上。イ
ンカレでの好成績の成果で入部も多い。クルーザ研修をしようと提案
すると、ライヤンさんが、横から「しごきは駄目」と。
100515 060049
打ち合わせ中に、もやいを取ってくれたNさんが手作りおかず(複
数)とワイン2本を持って来艇。そこからは、宴会モード。聞くと、こ
の地区ヨット界の重鎮、クルーザのバイブル、スピナヤーンの著者、
野本さんとも親交があったり、10月には能登周航のカヌーツアーを企
画したり、海事普及も熱心な方。
155
100515 060057
ここ、七尾を、レジャーボートのメッカにしようとの思いもあるとの
ことで、保安庁との連携もあって、この七尾にNさんありといった印
象。規制や種々の制約もあり、簡単ではないが、意気込みを伺ってい
ると、いけそうに思える。いや、実現して欲しい。ヨット部のUさん
に、開かれたクラブの提言もした。
05150506 100515 050639
5月15日、七尾の朝、ナウ。波、風無く、晴天。外はひんやり。ドジ
ャーカバーには、露が・・・。ライヤンさんは、6時半まで、散歩。食
祭広場の沖の堤防が切れていて、東の風があると、波が入る。うねり
ではないので、係留索に無理は掛らない。
100515 060151
一夜明け、間もなく、朝食。そして、海竜マリーナへ向かう。
<2010年5月15日海竜マリーナへ>
2010年5月15日、06:40、七尾離岸。
100515 065422
七尾、出航。ヨット部艇庫前で、長音一発鳴らせど、30人以上の部員
で、手を振るものなし。少し、寂しい思い。
100515 070600
穏やかな七尾湾。波が砕けないので、岩礁が見えない、こうした状態
だと、岩礁が分かりにくい。ライヤンさんの話。七尾湾は、浅い。浅
い中の産業港だから、航路標識は充実している。その点、北湾に入る
のは、いささか覚悟がいることと思う。広くて浅く、網などの仕掛け
も多いと聞いている。Oさん2人は、今日は、そこを含む能登島一周を
されるのでは無いかと思う。
100515 070819
ロシアが駄目で、七尾港は、寂れている。と、Nさんから聞いた。確
かに、昨日から、本船は2隻見たのみ。だから、レジャー船のメッカに
しようとの発想が出るか?少なくとも、富山の船からは、魅力ある七
尾と聞いた。
156
100515 080310
七尾湾口から2マイル離れた。双眼鏡でみると、右舷、3時方向まで、
陸からおびただしい数のブイが浮かんでいる。大掛かりな定置網。昨
日、Oさんが、30分沖だししてから新湊に向かうようにアドバイスさ
れたので、8時5分まで、沖だしする。夜間3マイル、昼2マイル陸から
離すのは、正解のようだ。
100515 081447
0809変針。方位178度。Oさんが教えてくれた、海竜マリーナ沖の
青ブイ、N36°47.641、E137°09.080を目指す。間違いないと思う
が・・。に、あくまでも自己責任で行きますからとお礼と共に、添え
た。今、このポイントをプロッターにセットした。後はオートパイロ
ットが活躍。
100515 081721
海竜マリーナ沖青ブイまで、19マイル、6.6Knotだから、所要時間3時
間。お昼12時には、間違いなく、着艇できる。着艇後、したいこと。
ごみの処理、コインランドリー、水の補給、海王丸見学。
100515 083013
チャートテーブルを離れて、コックピットに顔を出す。穏やかに晴れ
2010/5/15
ている。海がきらきら光って美しい。セールを上げたいと思って、顔
を出したのだが風力2、風見は、前を指している。船があまり揺れてい
ないので、風見は安定している。
100515 083025
風力2は、3から4mの風。艇速6.6Knotは、12Km/時間だから秒速に
すると約3m。風速と速度が出す風がほぼ同じ。これでは、セールは出
せない。しばし機走。
100515 093508
新湊まで10マイル。風は、そよ風。白波は立っていない。これを写真
に撮ることはできませんか?とライヤンさん。見ると、左方向から、
右前方、150度にわたって、雲の上に雪をかぶった山が連なってい
る。立山連峰と、さらに右手は、白山だろうか?美しい。
157
05150949 100515 094912
立山連峰。150度のパノラマの左方向の一部。
100515 101416
日本海でヨットを楽しむなら、ここが一番。ライヤンさんのことば。
昨日、富山の人と、冬が厳しいと話していたが、冬でも出る駒井さん
には、ここなら一年中出れると。北西に能登半島があるので、冬の強
風もしのげる海域だとの、ライヤンさんの見たて。氷見沖を航海中ナ
ウ。
100515 101717
Oさんが教えてくれた、目標の青ブイまで、5.5マイル。艇速は7
Knot、ナウ。海竜マリーナの目印、223mの煙突と、その右側に、新
湊港をまたぐ巨大な工事中の橋が見える。
100515 110629
新湊への、本船航路は確認している。海竜マリーナに接近中だが、ハ
ーバーの口がまだ見えない。係留中のヨットのマストも見えない。
100515 110641
巨大な橋、去年来たとき、地元の人が30分だったか、取るに足りない
時間短縮のために巨大な費用を使う。と話していた。着々と工事を進
めている。昔、道具の本を読んだ。そうだ、良く切れるのこぎりがあ
るからといって柱を切ると家が倒れる。そう思って読んだ。
100515 110724
高度な建設技術。港湾をまたぐ道路建設。瀬戸に掛る3本の橋。技術
があるから、道具があるから作りたくなる。いざ作るとなると、地元
の人も、そうで無い人も、特別な反対をしない。若者もお年よりも、
その結果どうなるかも考えず、「まっいいか」。これを「まっいいか
病」と名付けた。
2010/5/15
158
05151109 100515 110945
巨大な橋。つり橋になるのだろうか?
100515 111001
どうして、こんな高い橋を作るのだろうか?そういえば新港へ世界一
周できる客船が入ったことがあると、確か聞いた。そういうまれな出
来事が基準になる。橋げたの高さの話をしていたら、ライヤンさんが
昔の話をした。
100515 111029
昔、当時東洋一と言われた若戸大橋を、鉄鉱石を満載した船が通過し
た。荷を下ろして再び、若戸大橋をくぐろうとしたが、荷が無くなっ
て船が浮いたので、くぐれなくなった。仕方が無いからその外国船は
マストを切って帰った。50年も前の話。そうした話が、橋げたを高く
しているのではないだろうか。
05151154 100515 115422
5月15日、11時30分、海竜マリーナ着艇。潮の満ち干き30Cm。うねり
は入らず、きれい。皆さん親切。そして係留料が安い。
<海竜マリーナ>
100516 080922
ランドリーは、自転車に乗って、渡し舟で対岸へ渡り、さらに20分。
洗濯中に海王丸を見学したり、乾燥中に、夕飯の買い物をしたり、ブ
レーキの効きの悪い、ハーバーで借りた、正におんぼろ自転車で、新
湊庁舎前を6回通った。射水市内は、お祭り。どこかしこで獅子舞をや
っていた。帰りは夕暮れとなり、寒かった。
05160810 100516 081017
雄大な立山連峰が背景となる、竜王マリーナの夕暮れ。
159
100516 081137
夜、宴会にお呼ばれしてご馳走になったSUPER NOVAⅢが正面にあ
る。マドンナを含む6人のメンバーが、政治経済教養+ヨットの話で盛
り上がった。その中の3人が、志摩ヨットハーバーを訪問したことがあ
るとのこと。すばらしいハーバーと絶賛いただく。これまでも志摩訪
問者が大勢いた。
100516 081150
5月16日、ライヤンさんを残して、名古屋へ移動。20日再度海竜マリ
ーナへ戻り、21日七尾、22日行事、23日沖縄向け出航の予定。
100520 092233
名古屋へ一時帰省した。航海中は新聞やニュースに接しなかった。新
聞を見ると、政治資金問題が依然と一面を飾っている。経済や福祉・
年金や教育・国防の議論はしないのか?!と思うとさびしい国と思
う。この原因は、政治家の姿勢とマスコミ。政治家には、やはりポリ
シーと、実力が必要。
100520 092249
一時帰省。ヨットで一ヶ月の生活だった。又引き続きヨット生活をす
る体制なので、一時帰省という言葉が浮かんだ。航海のための補充や
検討をいくつかした。その一つは、定員に関する臨時航行検査申請。
七尾の行事参加でAnne5を遊覧船で提供して欲しいとの要請があっ
た。
100520 092345
Anne5の定員は、沿海6人、限定沿海20人となっている。限定沿海と
は、志摩の周辺というから、七尾で20人の乗船は駄目だと思った。名
古屋の海事事務所、金沢の小型船舶検査機構などに当たったところ、
船舶検査証には第一条六項を含むとあり、これは平水区域はOKという
ことだと分かり、七尾は平水水域と判った。
160
100520 092357
七尾湾内が平水だとすれば、20名定員となり、遊覧船は、問題なく運
行できる。沖縄の係留予定ハーバーは、平水水域ではない。臨時検査
証の発行申請を考えたが、調査の結果。「子供は、2人を大人一人とす
る」という記述を見つけた。沿海で大人3人と、子供6人なら、良いの
ではないかと思った。
100520 092410
普及型AISシステムの構築を検討した。私の所属する会社、ネオレック
スの仕事は、「クラウドコンピューティング」。各地にAIS信号受信サ
ーバをおいて、ASPサービスとする線も、検討したが、師匠の岩田さ
んに聞くと、全国網羅にはかなり多くの、100以上の受信局が必要と
のことだった。
100520 092435
今のところ、普及型AISシステムは、スタンドアローンで構築する方向
で検討を開始する。仕様の概要を話して、K君に検討を依頼した。8月
の、沖縄から志摩への航海で試験したい。
05200932 100520 093220
スタンドアロンで使用する受信・データ変換ユニット。ネットによる
と、多くのアプリで利用されていて、実績もあり、社内で水野君が接
続、データ出力のチェックをしたが、全く問題は無かった。
05200933 100520 093244
岩田さんから、欧米で発売中のAIS付き国際VHFトランシーバーがある
と聞いた。 価格も安く、国内でも普及するのではないかとのことで
あったが、見たところ、VHFのおまけ機能であり、小型船舶向けに普
及するとは思えなかった。
100520 093307
ナウ、富山行きの高速バス。
161
100520 093320
名古屋の4日間の生活で、最も疲れたのは、
"胃"。毎夕食、思えば、暴
飲暴食風だったし、朝やお昼も、目一杯食べ、正に一日中、空腹を感
じることは無かった。たまに、お呼ばれや外食、その他いつもはシン
プル食事。航海中のこの食生活は誠に健康的で、航海が終った後も、
何とか続けることができないかと思う。
100520 093510
名古屋で、ツイッターを落ち着いて眺めて見た。twilogというアプリ
を使うと、ブログのように写真と共に見ることができた。流れもすっ
きりしてわかりやすい。せめて、子供や孫に読んで欲しいとの思いは
通じるかと思った。ただ、流れの整理がうまく行っていないところが
あった。
<2010年5月21日再び七尾へ>
100521 044513
21日、0425、海竜マリーナ、レッコ。七尾へ。今日は30マイル、ショ
ートコース。方位0度。速度6.7Knotナウ。
100521 075653
七尾湾に進入中。推測航法で・・。ナウ。
100521 075852
七尾への航路は、風があったり、落ちたり。2度ほど、セールを上げ、
下げた。本当に、日本の風は、安定して吹かない。セーリングに後一
歩熱心で無いライヤンさんは、にたにた笑っている。
100521 080227
セーリングカヌーを固縛しているロック機構のレバーにジブシートが
引っかかるのを防ぐために、スリオンテープを×印型に、大きく貼っ
ておいた。案の定、テープをはがすと、強烈なあとが残ることが判っ
た。この航路で、この汚れを取った。これを拭き取るにはラッカーシ
ンナーが最適。
162
100521 080727
ラッカーシンナーをしみこませて、その後拭き取るのだが、しみこま
せたラッカーは、どんどん蒸発してしまう。そこで、しみこませたと
ころにラップを貼って、しばらく放置し、それから拭きとった。接着
材料が厚く、力が要ったが、理論どおり、うまく行った。七尾湾口の
赤と緑の航路標識を通過中。ナウ。
05210813 100521 081305
七尾湾口、No.1灯標。入港時は、ライト・レッド・リターンだから、
緑は左に見て通過する。特に、入り口付近では、緑のすぐ左に岩礁が
あるため、要注意。入港とは、(流れ込む川の)水源に向かうことを
言う。
100521 083619
湾内、風力6、向かい風。スピードが5.7Knotまで、落ちている。海草
を引っ掛けた可能性もある。着艇後、確認をするつもり。残燃料70ℓ
強。安全を見ると、15時間分といったところ。
100521 085013
8時45分、最後の変針、食祭広場前へ。約30分で到着見込み。
2010/5/21
100521 093644
5月21日、0925能登食祭広場前、着艇。
163
飯田港
七尾
海竜マリーナ
食祭広場前より、波やゆれの少ない、西へ600mの岸壁に移動、係留
する。不便な点はトイレ。約1キロ歩いて、食祭広場まで行かなければ
ならない。
地元の新聞、北国新聞の取材を受ける。地元で自動車関係の会社を経
営され、B&Gのお世話や、能登地区の海難救助に付いて、保安庁と連
携した活動をされる、Nさんのご紹介。Nさんはヨットもお持ち。取
り留めの無い話となってしまったが、うまく記事にまとめていただい
た。
05231558 100523 155850
2010年5月22日付け、北国新聞朝刊の27面、(石川)県内綜合
ページ。
164
05231600 100523 160045
今回のクルーズのきっかけとなり、大きな目的のひとつである、金沢
大学ヨット部OB戦、当日。
ヨット部の艇庫を見学した。470、スナイプ合わせて20パイもあろう
か。新人20人、総勢53人の陣容。北陸だけでなく、全国的に見てもこ
んなに多くの艇とメンバーを持ったクラブは少ないのではないかと思
い、驚いた。昔を思うと、隔世の感あり。上級生が自分の艇を修理し
ていた。
写真は、金大ヨット部艇庫。
05231602 100523 160256
新人は、今回が始めての合宿、ヨット体験。去年は、新人は陸で観
戦、といっても、陸からレースは見えない。今年は、Anne5が新人を
乗せ、レース海面まで行き、しかも、Anne5が運んだセーリングカヌ
ーと2ハイのディンギーで、Anne5を母船に全員が交代で試乗できた。
新人はこうして見ると、女子が多い?
05231605 100523 160539
Anne5が運んだセーリングカヌーは、第一レース、7杯のスナイプの中
で、一パイを押さえて、上の第一マークを回った。相手はロートルス
キッパーだったとは言え、快挙。第一レース後は、新人の体験艇にな
った。一時、風は5~6m、波も出たが、現役諸氏は見事に乗りこなし
ていた。
写真は、スナイプを抜く、快挙をなした、現役部員。賞賛の拍手を贈
った。
05231607 100523 160758
マーク回航。新人とともに、至近距離で観戦できた。
165
100523 160856
表彰式とレセプションは、艇庫前。スナイプはOBが勝ち、470と綜合
は現役が勝った。続いて行なわれたレセプションは現役諸君の手作り
パーティー。余興は、恒例、新人の一発芸大会。良く練習してあった
が、それにしてもやはり女子が多い感じがする。
100523 162008
レース艇を見た印象。風と波、ヒール、セール、すべてが自然体、反
射神経でコントロールできている感じがした。私の理想とする自然と
艇そして人間の一体感があった。ヨットマンとしてカッコ良かった。
老齢の自分は・・と言わずに、私もカッコ良さを目指したいと思っ
た。
100523 162117
来年は、金大ヨット部創立60周年とのこと。今回、現役メンバーに、
大いに感謝されたことを思うと、今度は下関から日本海を北上する
か!などの思いが、ふと、頭をよぎる。
行事の翌23日、七尾の岸壁。ナウ。予報では朝から雨のため、早朝、
ビミニとドジャーにビニールシートを掛け、雨対策。このまま、数日
は雨模様、と言うより、低気圧が日本海西南部を抜ける26日までここ
に滞在し、27日早朝、雨の合間を縫って、出航になる見込み。
金大ヨット部の艇庫の対岸なので、練習の様子がわかる。小雨の中、
近い海面で練習していたが、午後は、本降りになったため、中断?
100523 164530
写真の左の帽子を時に、私はかぶっていたが、あるときライヤンさん
に「どうして船員帽をかぶるのか?」と聞かれた。庇に金の模様があ
るのが船長帽とのこと。ライヤンさんは、立派な船長キャップを持
参していた。そこで、神戸のメーカーにAnne5の名入りで製作を依頼
し、入手した。
166
05231646
アポロ帽。
100523 165032
ライヤンさんの操船は数千トンクラスの本船方式。「急いでおもて
(バウ)を取る必要は無い。スプリングを取った後、とも(スター
ン、船尾)をゆっくり寄せればよい。ゆっくりしたスピードで、舵を
効かせる。キックするとき以外は回転を上げない。」
100523 165331
「ゆっくりしたスピードで岸壁に斜めに接近し、船首からのスプリン
グを、ビットにとる。その後、舵を船尾が岸壁に接近するように切っ
て、微速前進する。そうすれば自然に船は岸壁に寄る。それからゆっ
くり、おもてと、とものラインを取れば良い。」ライヤンさんが実践
する手法。
100523 165341
私は、ポンツーン付けが苦手。この手法をとると、「静かにポンツー
ンに接近して、ほとんど船を止め、スプリングを拾って、バウのクリ
ートに掛ける。」、「そして、微速で前進とし、舵で、スターンをポ
ンツーンに寄せる。」うまく行きそう。
100523 171927
ライヤンさん方式の離岸は、①船首へのスプリングを残し、②舵を岸
向けて軽く前進をかけ、③バウが岸壁に当たらない程度まで、斜めに
向けて、とも(船尾)を岸壁から離した後、④後進をいれる。⑤スプ
リングはスリップロープで抜く。人がいる場合は、バウが当たらない
ように見る。
167
100523 173212
Anne5には、毎年プレゼントしてもらっているスペインのカレンダー
があるが、カレンダー部分は使っていない。航海に出て、カレンダー
が無いことに気が付いた。そこで、ジャヌーオーナーズネットワーク
のカレンダーを持ち込んだ。
05231738 100523 173850
Jeanneau Owners Network 2010年のカレンダー。Anne5の写真は2月
だったので、3月以降は写真を残して、カレンダー部分だけを切り離し
ている。
100523 174008
一昨年の夏に、新鹿へ行った。美しい海水浴場。海路と陸路に分かれ
て行き、民宿へ泊まった。漁港に停めた船を朝、出すとき、民宿の方
が写真を撮ってくれた。とても気に入ったので、断った上でホームペ
ージから頂戴してプライベートの名刺に使っている。ツイッターの写
真もこれ。
100523 174028
私の船のメーカーはジャヌー。ネットでオーナーズネットワークがあ
ることを知っていた。新鹿の写真をここへ送った。日本から最初の登
録だと言って歓迎された。2010年のカレンダーにこの写真が採用さ
れ、世界中、5千人のメンバーにメール配信された。
100523 174140
カレンダーに載った写真で注目を集めたであろうことは、おっさん鉢
巻をした拓央君。テトラポット群、クーラーの室外機?実物のカレン
ダーを送ろうか?と言われたので、頼んだ。アメリカとやり取りして
いると思っていたらイギリスから届いた。ネット時代、国を意識しな
くても会話が成り立ってしまう。
168
100523 174242
このオーナーズネットワークの人(性別が分からないのでsanとし
た)とのやり取りは英語。翻訳ソフトを日本語・英語と2、3回通す
と、(分かった人に後で聞いてみると)みょうちくりんだが間違って
いない英文ができる。便利な世の中になったと思う。
100524 061020
ジェニファーさんのブログへコメント、ナウ。おはようございます。
こちらも、七尾で釘付けです。26日まで待つ覚悟を決めて低気圧の通
過を待ちます。27日の朝、雨模様の中、西から来る高気圧をお迎え
に、出航することになるかと思っています。それまで、主として、PC
の相手をするほかありません。
100524 061501
雨と、横揺れがある、ナウ。沖からの風で、船体が、岸壁の硬いゴム
に押し付けられている。マットフェンダーをゴムに当てるか、平たい
フェンダーをゴムに当てるか悩んでいた。沖にアンカーを打ってバウ
を沖に向ける手法あるが、海底のドロの汚れと、放置アンカーに絡む
恐れがあり、できない。
100524 062158
ビミニトップ(コックピットの日よけ)は、雨をしのぎ快適。風があ
るときは吹き飛ばされてテントの上に水はたまらないが、そうでない
とお尻を突き出したように水がたまってしまう。ボートフックやデッ
キブラシの柄をアルミパイプの間に差し込んでいるが不調。今日、ホ
ームセンターへ行って、この対策を検討。
100524 100410
土曜日に、ヨット部の新人を乗せてレース観戦する間、冷蔵庫をONに
しておいた。エンジンで発電するので、その間に製氷するつもりだっ
た。エンジンを切ったときOFFしなかったので、その後12時間、6A、
だから6A×12時間=72Ahの電気を使ってしまった。
169
100524 100716
陸電の無い場所での停泊は、電源の管理が大切。バッテリーが12Vを
切った場合、エンジンでバッテリーの充電をしなければならない。
AC100Vを作るインバーターは、入力のDC電圧に対してシビアーなの
で、12Vまで低下していないのに、警報ランプが付いてしう。(念の
ためにこのときの出力電圧をテスターで調べたが、100Vは出ていた)
100524 100939
バッテリーはエンジンとサービスの2系統に分かれている。エンジン
は専用のバッテリーだが、エンジン以外に使うサービス用は、バッ
テリーを3個並列につないで、合計約220Ahの容量。実質容量はその
60%と見るのが適当。だから、220の60%、Anne5のバッテリー容量は
130Ah。
100524 102125
バッテリー容量のAh(アンペアアワー)は、1Aの電流を1時間流す
と言う意味。この船で、航海計器、オートパイロット、GPSプロッタ
ー、レーダー、冷蔵庫を同時に使うと約20A電流が流れる・・・とす
ると・・・、
100524 103135
もし、エンジンの発電なしでこれらの機器を使うと、バッテリーの能
力は130Ahだから、130Ah/20A=6.5時間。6.5時間で、バッテリーが
空になり、その上さらに使い続けると、過放電となってバッテリーが
壊れてしまう。
100524 103146
バッテリーが空にならないように、エンジンを回して充電をする。エ
ンジンを回したらどれだけの充電ができるか?バッテリーが空だとす
れば、最大限の充電となるが、未だ空では無いので、おおむね24A程
度の充電しかできない。
170
05241032 100524 103259
艇の後部、両サイドにあるバース(寝床)の床下にバッテリーが2個ず
つ合計4個ある。エンジン専用が一個で、残り3個は照明や計器冷蔵庫
などエンジン以外のすべての機器(サービス)用。
100524 103327
この船についているオルタネーター(エンジンに付いている発電機)
容量は55Aだが、オプションで75Aが装備されている。発電能力が高
いことはうれしいが、いつもは、先に述べた24A程度しか充電できな
い。しかし、多量の電気を使っているとき又は充電量が少ない時は、
その状況に合わせて発電する。
100524 103340
大容量を食う機器の最大手は、ウィンドラス(アンカー巻き上げ機)
と電動ウィンチ、それにインバーターの100Vを使った掃除機など。こ
れらの機器が使われるとき、75Aの発電能力が発揮される。しかし、
残念なことには、発電機の容量は上がったが、配線の太さが不足して
いる。
100524 103355
だから、大量の電気を使う時は、短時間の利用としなければならな
い。そうしないと、ケーブルや端子台が焼けただれ、場合によっては
火災になることもありうる。と同時に、使用時にバッテリーの容量不
足を補うため、エンジンを回すことも必要。
05241041 100524 104107
写真は、エンジンに装備された発電機。ファンベルトで駆動されてい
る。車にも同じものが付いている。
171
100524 112238
マリーナでは、陸電を引く。家庭と同じ100Vを使えると同時に、チャ
ージャー(充電器)がバッテリーの充電もする。充電容量は40Aだか
ら、艇内の照明など、ふんだんに使えそうだが、それらをたくさん同
時に点灯すると、端子台が溶けてしまう。容量だけの問題ではなく、
こちらでも電線の太さや接続方法の問題。
05241128 100524 112838
チャートテーブル下のチャージャー。アメリカ製だから志摩では120V
を供給する。出先では、艇内に供給される100Vをコンセントから受電
する。垂直に取り付けて無いから、電流計だけを取り出して立てて見
たが、うまく電流表示できていない。
100524 112916
艇内のDCのランプや蛍光灯は、全部で28個。一個10Wといいながら、
14V近くで使うことになるので、1A以上の電流が流れる。キャビン内
の電球を例えば10個点灯して、冷蔵庫を回せば、チャージャーは20A
以上をバッテリーへ充電供給し続けることになり、端子や電線の被覆
が溶ける。
100524 113018
最近発売されたLED電球は、優れもの。従来のランプ一個分以下の電
流で60Wの電球を点灯できる。DC12VをAC100Vに変換するインバータ
を通すことになるがその変換効率は高く、問題になるほどではない。
だからAnne5では、2つのLED電球は、節電の対象外で、比較的自由に
使う。
05241138 100524 113825
写真は、LEDランプ使用例。手前のランプは取り外し式で、レールに
はPCなどのコンセントもある。流しの上のランプは、移動式。各60W
相当品。
172
100524 113900
Anne5のが搭載するインバーターは、正弦波600W。陸電が無いとき、
LEDランプとパソコンの電源を供給している。そのほかの用途は、携
帯やカメラの充電、掃除機、電動ドリルの充電、半田ごて、コンプレ
ッサー、DVDプレーヤー、アクテブスピーカー、オシロスコープな
ど、いろいろ。
100524 113922
インバーターの利用は、短時間で300W程度までと思うが、エンジンを
回して、250wコンプレッサーを1時間以上運転したこともある。コン
プレッサーの使用目的は海底遊泳・・・、もできるが、船底のチェッ
クや清掃用。そういえば、アイソレーターが劣化しているのは、今思
うと、去年、長時間海底遊泳したときの影響だった?
05241152 100524 115229
インバーターの写真。接続しているコードは、チチンプイプイケーブ
ル。両端が凸の差込になっていて、コンセントの一つへ、電源を逆供
給している。このことによって同じ系統のすべてのコンセントで100V
が使える。
100524 115309
インバーターで使えない電気機器は、エアコン、IHヒーター、秋刀魚
焼器、ポット、温風器、炊飯器など。最近は、マリーナが増え、陸電
取れるので不自由は減った。
05241158 100524 115821
写真は、陸電の受電プラグ。
173
100524 120006
陸電の受電プラグは、船首のアンカーウェル内にある。コンセントを
差し込んで回す。抵抗が少ないので確実な接続に注意が要る。キャッ
プを倒しておかないとカバーにあたる。航海中は、キャップを閉じて
おくのが良い。船首が波に突っ込んだり、波がデッキを洗い、海水が
掛かる可能性があると思うから。
100524 124755
長男の家の2回目の出産のとき、最初の子供(4歳だったか?)を一週
間ほど預かった。このとき、預かった孫と一緒に童話を作った。トイ
レの鍵の開け方を知ってしまったレミちゃんがおじいちゃんのトイレ
の扉を開けてしまうお話、「トイレの秘密」。写真を加工して絵にし
て、絵本にした。
100524 124808
トイレの秘密は、3冊ほど作って配布した。直樹君が感動してほめてく
れた。秘密シリーズを作ろうと思ったが、海事普及に目覚めて、日本
にはほとんど無いヨットの童話を翻訳することを思いついた。
100524 124823
街に出かけると良く、書店に行く。ブックフェアーや洋書バーゲンな
ども好き。孫にヨットの本を探し、何冊かのコレクションとなった。
その中の、Amos &Borisを翻訳することにした。
100524 124901
私には、孫が6人いる。彼らの感想や反応を参考にすればきっと良い本
になると確信していた。最年長の4年生(当時、女の子)に、翻訳した
文の、意見や感想を聞いた。大人ほど熱心に参加はできなかったが、
大いに参考になった。
174
100524 125605
息子たち夫婦にも見せた。正確な英語の意味を知った上で、意訳した
つもりであったが、参考になる指摘もたくさんあった。息子が友人の
アメリカ人にも、意見を聞いてくれた。私の実体験による意訳など、
譲れないものもあった。最後はマネージャと吟味した。こうして翻訳
本が完成した。
100524 125635
舵社で、読者の写真コンテストがあった。応募したら、佳作で舵誌に
掲載された。その、掲載された同じ号に、外国の童話の紹介があり、
私たちが翻訳した本の日本語版があることを知った。が、それはそれ
として、親類と知人に、元本を添えて、訳本を送った。
100524 125640
私の孫たちは、この本のことや、私やマネージャーが訳したことを知
っている。人気もあるようだ。
05241300 100524 130005
縁があって、子供の英語教室の教材で使ってもらえたとも聞いた。
写真は、元本と訳本。 海とヨットが大好きなねずみのアモスが、海
に落ちて、くじらのボリスに助けてもらう話。
100524 130021
八戸でお世話になった盛さんご夫婦にこの本をお見せしたところ、お
褒めをいただいたので、名古屋へ帰ってから、元本を求め、訳本を
コピーして送る積もり。現本は700円程度のもので、高いものではな
い。これからも、要望があれば(ほめられれば)、差し上げたい。こ
れも、一種の海事普及。
100525 050308
5月25日火曜日、午前4時50分。七尾の日の出、ナウ。「天候急変、
雨雲よ、さようなら」と、一瞬思ったが、西の空は相変わらずどんよ
り、厚い雨雲。天気図を見ても、航路気象予報を見ても、七尾のポイ
ント予報を見てもやはり26日までは、雨。
175
100525 051236
昨日、雨の中ホームセンターでビニールハウス用2.1mのスプリング
ワイヤー12本を調達した。時に大降りの中、往復は大変だった。1本
150円、2千円に満たない資材の運搬に真新しい軽トラを快く貸してく
れた。ありがたかった。このホームセンターの名前は「カーマ」、私
の地元愛知の刈谷が本社。
05250521 100525 052118
写真は七尾の朝日とビミニトップ雨対策のできばえ。
100525 052306
ビミニトップの水溜り対策は、ライヤンさんのアイデア。このよう
に、メッシュにしなければいけないことは分かった。もう少し腰の強
いワイヤーをスリーブでつなぎ、組み立て式にし、両サイドでテンシ
ョンを掛けるのが正解?。折角の連日の雨だから、七尾で完成させた
い。
100526 055120
5月26日水曜日。雨。七尾で停泊中、ナウ。会う人皆さんが、今年は
異常気象と言う。昨日は、ライヤンさんのガールフレンド来訪、ヨッ
ト村賛同者出現など、盛りだくさん。一日ツイッターと思っていたの
が、とんでもなく、大忙し。
100526 061338
セーリングカヌーのフットの縛り方を学生に教えたが、帆走中緩んで
しまった。ライヤンさんからクラブヒッチ(巻き結び)が間違ってい
たと指摘を受けた。数少ない私がマスターしたロープワークの一つだ
ったからびっくりした。フェンダーの固定など、もやい結びと共に最
も良く使うロープワーク。
176
100526 061348
確かに、フェンダーのロープをライフラインに留めたり、パイプにロ
ープを固定するとき、ごく普通にできているが、ブームエンドのよう
に、パイプの穴を抜けてきたロープをそのまま巻き結びで固定するな
どの応用面で、うまく行かないことになる。要は、絵で見て習得して
いるから応用が効かない。
100526 061358
ライヤンさんの手法、盗んだ技法は、①指を使って、次に通す位置を
リード、分かりやすくする。②引く・荷重が掛るロープでロープの元
や先を押さえつけるようにする。③形で完成ではなく、締め付けて個
縛の確認をする。加えて④解きやすいロープワーク。これが極意のよ
うだ。
05260622 100526 062248
巻き結び(クラブ・ヒッチ):人差し指で、エンドを通す場所をリー
ドしている。変形応用のときに、この指のリードが効いてくる。2回目
に巻いた根元へエンドを入れる。
05260624 100526 062430
もやい結び(ボーライン・ノット):①端を巻きつける(写真右)、
②巻きつけたロープの端を引いて巻きつけられたロープで輪を作る
(写真左)、③輪になったロープの手前下をくぐらせて、もう一度端
の通った穴に戻す。
177
05260643 100526 064314
シート・ベンド:(2本のシートをつなぐ):写真、右が普通の結び
方。端が、同じ方向へ出ているのが必須。そうしないと強く引いたと
き、解けてしまう。写真左は、解く時に解き易くしておく方法。
05060644 100526 064406
ダブル・シートベンド:より強固に2本のシートを結ぶ方法。写真
右は標準的な結び方。左は、解くときに解き易くしておく方法。
100526 094417
朝、隣接する造船所で、整備が終わった漁船の進水があった。スリッ
プウェイでそろそろと海へおろすが、途中で止まってしまう。河口な
ので、土がたまりレールが埋まってしまう。監督風の人の話。小船で
引いているので、船底の塗装は大丈夫かと聞くと、台車ごと下がるか
ら大丈夫と。
05250843 100526 095757
進水中の漁船。19トンだそうだ。向かいのビルは消防署。その手前が
金大ヨット部の艇庫。
100526 095903
ライヤンさんは、蓮田市からのシニアガールフレンドを迎えに駅へ。
残った私が、漁船の進水を見ていると、自転車に乗った、おじさん。
話しをすると、食祭広場の向こうに留めてあるヨットのオーナー。ご
みの処理ができないと話すと、自転車を軽トラックに乗り換えてごみ
を取りに来てくれた。
178
100526 095957
おじさんとキャビンでお茶をする。七尾駅前の写真屋さん前田さん。
デジタル時代の写真屋さんを息子さんが継いで、悠々自適、とのこ
と。町の案内や百均へつれていっていただけると申し出ていただいて
いるところへ、能登島観光へ行ったはずのライヤンさんが、ガールフ
レンドと到着。
100526 100008
結局、前田さんのご好意にみんなで甘えることになって、再び車を代
えて来ていただき、七尾城展望台、七尾城址、八番ラーメン、コメ
リ、カーマ、和倉の足湯、和倉のポンツーン、鮮魚やさんに連れてっ
ていただく。
05261009 100526 100937
七尾城、本丸跡。室町幕府時代から続く畠山氏の居城。上杉謙信によ
って落城した。本丸跡、展望台とも、絶景と思うが天候が悪く見通せ
なかった。右が前田さん。左はシニアガールフレンド、元蓮田市長の
樋口さん。
05261010
城跡の石垣。本丸の他、多くの屋敷跡。景色だけでなく、戦国時代を
しのび、森林浴ができる絶好、お勧めのポイント。七尾にこんな良い
ところがあるとは、誰にも聞かなかった。ただ、遠い。
05261011
和倉の足湯。海に面していて、見晴らしも良く、気持ちがよいとこ
ろ。しばし、前田さんとヨット村の話題が弾んだ。
05261012
超有名旅館、加賀屋のまん前のポンツーン。不法係留ボート収容のた
めに作られた、立派な桟橋。係留料は年間三千円だそうだ。
179
05261013
その昔、45年前にヨット部で私が合宿した石崎漁港。当時使わせても
らった、スリップウェイと岸壁。漁業が盛んだった当時の漁業者の皆
さんと、合宿所として使わせていただいた、山の上の大きなお寺、地
元の皆さんの大変なご好意だったと思う。
05261014
前田さんが連れて行ってくれたお店。大きな鯛、2匹で798円。さば5
本で398円。イカ5ハイで398円。船に帰って、鯛は刺身と煮つけ、イ
カはまる焼きと刺身にして食べた。おいしかった。前田さんもご一緒
いただけた。
05251804
七尾のご馳走。
100526 101603
前田さんが、沖縄のヨット村構想に賛同してくれた。条件が整えば、
ヨット村委託第一号になるか?「艇の提供を受けて、ヨット村でメン
テし民泊・海事普及に利用する。オーナは費用負担なく、沖縄でクル
ージングできる。」65歳以上は、どこの航空路線間も1万円以下の恩
恵が生きる。
05251646 100526 102408
前田さんの愛艇、フジ35F、VILLADEST の前で。
100526 185951
沖縄ヨット村提携、第一号、調印ナウ。「クルーザーを無償でメン
テ、沖縄で保管。オーナーは沖縄で自分のヨットに乗ることができ
る。」海事普及活動の一環。
180
05270515 100527 051513
今日も雨。日より待ち、5日目。トイレ、スーパー、コインランドリ
ー、銭湯、魚屋さん、飲み屋さん・・・。だいぶ、七尾の通になって
きた。
100527 051554
5月27日午前5時、七尾ナウ。どんより雨雲。雨もしとしと降ってい
る。出航延期。日本海は潮の満ち引きが極小。30Cmほど。だからは
しごの必要がなく、乗り降りがまことに楽。この岸壁は駐車場として
多くの車が来る。艇の間近に停めてじっと見つめている人も多い。今
朝も、早、見つめ人あり。
100527 052703
昨夜、調印式の後、祝宴を開いたお店、今町の「小はる」。おいしい
おでんと刺身。威勢のいいお姉さんトークもあってアットホームな雰
囲気。お客さんともすっかり打ち解ける。女性グループの一人は、N
さんの会社で私に会ったとのこと。お客さんが写りこんでいるので、
写真を紹介できないのが残念。
100527 092559
@SNOWGOOSE1948 ご案内、ありがとうございます。念頭にはあった
のですが、七尾で居座ってしまいました。明日の早朝に出航するつも
りです。ハウステンボスへ直行したいと思っています。今後とも、よ
ろしくお願いいたします。
100527 134742
2008年秋深まった頃、私が仕事で出張の途中、金沢港で、ヨットを上
架整備中の人に声をかけた。これがライヤンさんと私の出会い。シニ
アボランティアでモロッコに行っている時、帰国後に楽しむ目的で、
ネットで見つけたヨットを買い、整備中だった。
181
100527 134755
ライヤンさんは、整備後沖縄の伊江島まで回航するつもりとのこと
で、船内に泊まって整備に取り組んでいた。冬が迫るのと、岸壁の使
用許可期日が迫る中で、作業量が多くて大変!といってがんばってお
られた。翌日、食料やティッシュなどの差し入れをした。
100527 134824
年が明けた翌年の春、富山への出張の帰りに金沢港でライヤンさんに
再び会った。冬になり回航を伸ばしたとのことだった。テンダーを切
断して短縮したり、コックピットの前方に蛇輪を付け、テラーを操作
できるようにするなどホームセンターの調達品による作品に舌を巻い
た。
100527 134836
ライヤンさんは内航船、後に30年間、4隻にわたって伊江島フェリー
の船長だった人。沖縄万博のお召しフェリーもライヤン船長だった。
退役後モロッコで5年間、航海術などを教えていた。以前所有していた
40Fのヨットが台風で破損したため、新たにヨットを購入したとのこ
と。
100527 134851
ライヤンさんは、春にシングルで沖縄へ回航をした。途中、荒天回避
で若狭湾に入ったとき、釣り人が遭難ヨットとして保安庁に通報し
て、要らぬ?救助を受けた。荒れる海で、免許や金沢で交換した名刺
などを入れた財布を水没させた。元本船船長だということを明かさな
い男と、保安庁のやり取りの話は面白かった。
100527 134901
2009年夏、仕事で沖縄へ行った。2泊、航空券、レンタカー、ガソリ
ン、込みこみで23000円。片道航空券より安いツアーだった。仕事を
終え、本部からフェリーに乗って伊江島へ行き、ライヤンさんに再会
した。妹さんが民泊をしていたが、2階建ての宿舎はライヤンさんが建
てたと聞いて驚いた。
182
100527 134923
ライヤンさんの運転で、伊江島観光させてもらった。海がきれいで風
光明媚・・だが、戦争の跡がいたるところにある。やはり沖縄。砲撃
で山の形が変わったと聞いて、記憶に鮮明な艦砲射撃の写真を思い浮
かべた。
100527 134930
来年、金沢へ行きたいと話した。ライヤンさんが興味を持って一緒に
行こうといってくれた。仕事をできるだけ休まず、比較的短期間で回
るには、どうしてもパートナーが必要。思いがけない申し入れを受
け、私の周航計画が一気に実現可能となった瞬間だった。
100527 134951
後で聞いた話だが、ライヤンさんは、カナダへ行こうと言う、誘いと
思ったとのこと。カナダには知り合いもいて、行ってみたいところだ
ったそうだ。計画を送って、金沢・七尾・日本周航であることを知っ
た。約束したからしょうがないと思ってくれたそうだ。
100527 142628
10年ほど前にAnne5の電気工事(AC)をしたが、これまで、今一歩納
得できなかった。出かける前に全面チェックと回路変更をした。受電
は単相200V、この200Vをトランスで海外規格に変換している。220V
で温水器、120Vでチャージャに供給している。最初付いていた船舶用
クーラー2台はすでに撤去した。
05271429 100527 142954
配電盤の写真。
183
05271430 100527 143028
船首受電口近く内側に、A系統とB系統に分けてブレーカーがある。A
系統はメインキャビンテーブル下のコンセントに直接供給している。
B系統は、配電BOX内の外部電源切り替えスイッチを経由してエアコン
用コンセントとギャレー、チャートテーブルの各コンセントに来てい
る。
100527 143203
ウィンドラス(アンカーチェーン巻上げ機)室裏、バウバース(船首
側船室)に二つのブレーカーがある。普通の単相200Vと同じ接続とな
っているが、200Vも利用しているので、回り込みが起きる。このブレ
ーカーが飛んだときは、速やかに共に切るか、復旧させる。手前が、
A系統。
100527 143705
図太い赤、空、黒3本のケーブルはウィンドラス(アンカーチェーン巻
上機)の電源供給線。 100527 143759
壊れて使わなくなったACプラグがある。原因は、温水器を通電したま
ま陸電受け口のプラグを抜き差ししていたため。アークが飛んで電極
が焼けてしまった。スイッチパネルの温水器SWをOFFしておけば良い
が、忘れる。だから、ポンツーンのブレーカを必ず落としてから抜き
差しすることにした。
05271439 100527 143957
プラグやコンセント。
184
100527 144102
マリーナでは、普通のACコンセントが用意してあるので、延長テーブ
ルタップを使って船尾又は艇内に引き込む。この場合は、両端がプラ
グになった、ちちんぷいぷいケーブルを使う。いくつかあるコンセン
トのひとつに、差し込んでそこから給電する。差し込む順番を間違え
ると、プラグの先で感電する。
05271442 100527 144200
Anne5が装備する、ちちんぷいぷいケーブル。
100527 144257
マリーナは普通100V。したがってB系統に給電する。220Vの温水器に
は給電できない。チャージャーへの給電は、チャージャーのプラグを
120V専用コンセントから抜いて、100Vコンセントにつなぐ。仕様上は
100VでもOK。温水は、エンジンと2系統になっているので、エンジン
でお湯を作る。
100527 144404
船首のブレーカーは、A系統、B系統それぞれ20A。ホームポートで
は、それぞれでかなり電気を使えるが、配線がそれほど太くない。各
系統で大容量電気器具、一個づつが適当。
100527 150453
ライヤンさんと前田さんが昼食の誘い。二人はヨット村同志ですっか
り仲良し。相生町の洋食「くさま」。11時半までお弁当を作って配
り、後はランチ。夜は、居酒屋風。七尾市の洋食屋の走りの店とのこ
と。明るい感じの奥さんと、ご主人。こじんまりしていて、ほかにお
客もなく、話が弾んだ。
185
100527 150552
お店が親となって、講をしているとのこと。24人が月に一回、集ま
る。一人、23000円。3000円はその日の飲み代。食べ放題、飲み放題
で盛り上がる。希望する2人に、各18万円渡す。浮いたお金でイベン
ト。昔は、名古屋へ野球観戦に行ったり、大阪へ相撲を見に行ったり
したと懐かしそう。
100527 150626
もっと低額なものや、10万円以上の漁師さんの講など、七尾には、20
以上の講があるのではないか?と前田さん。江戸時代か、あるいはも
っと前から続いているのだろう。昔は庶民金融というか、助け合い。
今は、コミュニケーションの場。名古屋、八事のモモ屋のオーナー直
樹君に話すネタ。
100528 035145
七尾は今日も雨、ナウ。高気圧が来ているはずだが・・・。「弁当忘
れても、傘忘れるな」の土地柄。仕方がない。雨の中、本日、5月28
日、0430出航予定。
186
Memory of Ginowan
187
七尾
十六島港
100528 045759
28日、午前4時半、七尾離岸。ちょうど一週間の滞在。住めば都で、
町の様子が分かってきたし、たくさんの人に、お世話になり、知り合
った。ライヤンさんは、8月後半、回航整備のために七尾に滞在する。
もっと、町の人と親しくなると思う。
05280501 100528 050111
1週間、係留した七尾の岸壁。快適であった。
100528 050543
アイドリングで充電するときは、20A強であった充電電流が、巡航回
転数2100rpmでは、50A強となっている。やはり、バッテリーはかな
り、放電した状態であったとわかる。時に12Vを切ることもあった。
エンジンルームを開けて、アイソレーターや配線を調べたが、異常な
発熱はない。
188
05280513 100528 051353
エンジンルームの写真。コンパニオンウェイ(キャビンの入り口通
路)の階段を跳ね上げると、エンジンルーム。二次冷却水もOK。一時
冷却となる海水で二次冷却水(真水)を冷やし、その冷却水でエンジ
ンを冷やしている。
100528 053422
七尾湾南湾口、小口を東進、通過中。七尾湾の真ん中に周囲50Kの大
きな能登島が横たわっている。その七尾湾の中の能登島の周りを、七
尾南湾(商業港)、七尾北湾と七尾西湾(養殖いかだなど多数)、に
分かれる。いずれの湾も、風光明媚で、南と西湾の間、能登島への橋
のたもとに和倉温泉がある。
05280545 100528 054526
七尾湾の海図。能登島ヘは、能登島大橋と中能登農道橋、2本の橋が架
かっている。それぞれの橋げたは、21mと19m。Anne5のマストまで
の高さは17.6m(+VHFアンテナ)だから、橋をくぐって、能登島を
ぐるっと回ることができる。
100528 055240
今度、ヨットで七尾へ来たら、能登島をぐるっと回り、和倉温泉も行
くつもり。西岸のハーバーにも是非、行ってみたい。
100528 055548
七尾湾口から、小木沖へ方位50度に変針。12マイル、2時間弱。雨は
降っていないが、いつ振り出してもおかしくない、どんより雨雲が覆
っている。
100528 062033
能登半島を回るためには、6ポイントで変針となる。朝の打ち合わせ
で、視界が確保できる間は推測航法。岸から2マイル以上離し、定置網
などは目視で確認する。能登半島を回り、小松沖に向けて変針するの
は17時ごろ。小松沖で、若狭の沖を通って、豊岡沖に変針するのは、
29日午前2時ごろの見込み。
189
100528 062249
JASREP/SP
A/アン5/240-41190//
B/280400J//
G/七尾港/37.04N/136.58E//
I/早岐港/33.04N/129.47E/011200J//
L/RL/60/37.23N/136.42E/281800J/皆月湾沖//
L/RL/60/36.38N/136.06E/290200J/小松沖//
L/RL/60/36.00N/134.54E/291400J/豊岡沖//
L/RL/60/35.40N/133.05E/300500J/多古鼻沖//
X/ヨットアン5です。早岐で休息後、沖縄の宜野湾を目指します。宜
野湾の出航は8月中ごろです。以上、よろしくお願い申し上げます。
100528 064548
北西の風、風力2。霧雨。クローズドリーチ。斜め前からの風。セー
ルを出せば、はらむと思われるが、推力は期待できない。この後、上
りに変針が続く。能登半島を回るまで、機走となる模様。艇速は対地
で6.4Knot。ナウ。
100528 072316
2010/5/28
ツイッターでAPRSの質問を受けた。説明します。もともと、アマチャ
無線(HAM)の技法。だからHAMのコールサインが要る。トランシー
バー(VX-8)とGPSアダプターを買って発信してみた。簡単に、位置
情報を発信できた。しかし、HAMの中継局がその地域にないと、サー
バーにデーターを送ることができない。
100528 072331
APRSは車の利用が圧倒的に多いこともあり、都心や町には、中継局が
あるが、海岸沿いには、ほとんど無いことが分かった。そこで、師匠
の岩田さんの指導を得て、無線ネット(私はドコモ)を通じてデータ
を送る方式で運用している。
190
100528 072353
ドコモの通信ユニットは、PC直付け、船体内側の壁、空中3m、10m
と改善し、感度が良くなったが、しかし、湾曲した地形など陸から離
れると通じなくなる。中途半端な弱さの場合、PCがハングアップして
しまう。
100528 072401
ドコモの通信ユニットは、APRSのためだけでなく、メールやネットに
も使っている。今回の航海も2昼夜空けの燃料補給は、どこになるか分
からない。残量や時刻、港の条件などを調べ、ネットでスタンドを探
すなど、有効に利用している。
100528 072417
PCの負担を分散するために、PCを2台使っている。ネットPCをドコモ
との通信とAPRS、AIS専用機とし、LANのハブにもなっている。メー
ルなどはいつも仕事で使っているPCとし、ネットPCとLAN接続されて
いる。
100528 072429
今も、ドコモが切れた。ドコモが切れると、APRSの赤点が無くなり、
次につながったところまで、赤点なしで緑の線でつながる。明日の
未明は、潮流によってはかなり沖へ出すので、ほとんどドコモはつ
ながらないと思う。沖といっても、陸から20マイル(36Km)以内。
Anne5は沿海航行免許。
100528 095347
右舷、1200mをロシア船籍の貨物船が静々とすれ違っていく。ロシア
船籍のKORENOVSKの速度は11.9Knot。
100528 095538
うねりが大きい。3m程度のうねりも時々ある。能登を回るとさらに高
くなるか?パンチングは、今のところあまりないが、速度は5Kontま
で落ちるときがある。
191
100528 100727
寒い。八戸で買った、股引をはき、カッパの下にフリースを着て、防
寒帽着用とする。
100528 100912
向かい風と、うねりで、速度は、5.1Knot。藻もたくさん流れているの
で、スクリューに引っかかっているかもしれない。引っかかったとき
の異音や振動は今のところ、感じていない。
100528 133619
ヨットで初めて、Modoshita。昨日の酒、寝不足、岸壁生活の後の大
揺れ、キャビンでのパソコン、空腹(朝食が早すぎた。)など、思い
当たる。この先4日も・・・と思ったが、その後、すっかり回復した。
100528 133934
気分が良くなったところで、セールをあげた。メイン2.5P、ジブフ
ル。1.5Knotスピードが上がった。ゆれも、格段に少なくなった。
400m左をタンカーが追い抜いて行った。ローリングもピッチングも、
かなり大きかった。タンカーは重心が低いので、ローリング(横揺
れ)が大きいとのこと。
2010/5/28
100528 134141
名古屋も寒いとマネージャーに聞いた。この先、能登半島をクリアー
すると、後は、南下。暖かくなるはず。今は、北海道と同じ服装をし
ている。
100528 135604
ジェニファーの石川さんが、十六島(うっぷるい)のスタンドを見つ
けてくれた。7時から20時半までの営業時間。30日日曜日もOKとのこ
と。せっかく待機してもらえるので、うまくタイミングが合えばいい
のだが・・。平戸の潮流、ハウステンボスへのアプローチの時刻も関
係する。
192
05280959
能登半島先端、狼煙埼。
05281441 100528 144110
14時、ワッチ交代。左舷側に能登半島。珠洲と輪島の中間あたりの
沖。右舷側に岩礁が見える。七つ島。その先さらに10マイルに舳倉
(へぐら)島がある。七つ島と舳倉(へぐら)島の間に貨物船が写っ
ている。敦賀へ向かう貨物船「TSURUGA」。
100528 145222
風が落ちて。ジブをしまった。何しろ風が定まらない。メイン2Pで6
Knot弱。うねりが収まったので、ゆれは少し弱まった。後、12.7マイ
ル、二時間強で能登を交わし、南下開始ポイントになる。雨は止んで
いる。
05281459 100528 145928
航路気象予報によると、南下を始めると、北西の風。クォーター。斜
め後ろから風を受ける。夜間になるからKさん方式で行くが、スピー
ドの確保と燃料の節約ができる。明朝6時以降、明日の午前は、10mの
風も期待できる。
100528 150656
ベルが鳴った。お料理用60分タイマー。
05281510 100528 151049
キッチンタイマー。次のログ時刻になるベルが鳴るようにセットして
有る。レーダーの画面に反射して写っているのはラット(舵輪)。
オートパイロットで、黙々と舵を切っている。GPSプロッターによる
と、3度ほど、右へずれている。修正をする。
193
05281524 100528 152423
オートパイロットのコントローラー。左右方向別々に、+10と+1のボ
タンがある。例えば25度進路を変えたい場合は、目的の方向の+10ボ
タンを2回。+5ボタンを5回押す。その時、後方確認をしなければなら
ないのは言うまでも無い。
05281543 100528 154347
実際に舵を動かしている写真。扇の外側にあるシャフトが400Kgの力
で押したり引いたりするシリンダー。その上の黒いシャフトは舵角セ
ンサー。
100528 155046
前方に本船2隻。右舷ですれ違う見込み。その両サイドに漁船が見え
る。どちらの漁船も鳥が群がっている。双眼鏡でよく見ると、仕掛け
もある。一大漁業基地輪島沖なので、注意が必要。
100528 160001
貨物船の後方Anne5から10Kmの地点に白い船体の船。フェリー
SHIRAKABA。2隻目の貨物船は、右舷300mを通過していく。
100528 163618
オートパイロットは、強風のとき、効かなくなる話を良く聞いた。強
風のときほどうまく働いてほしいと思い、余裕のあるパワーのオート
パイロットを装備した。
05281637 100528 163745
新日本海フェリーしらかば。
100528 163810
ドコモが切れた。リトライしてもつながらない。岸まで約3km。遠く
離れているわけではないが、岸辺に山が迫り、人家は見当たらない。
切れて当然。
194
100528 164053
後、15分で、南下をはじめる。岸から遠く離れるので、明後日30日の
朝までドコモはつながらなくなるかも知れない。その場合は、書き貯
めツイッター?
100528 165254
16時52分。南下開始。小松沖へ変針。ナウ。
100528 172118
JASREP/PR//
A/あん5/240-41190//
B/281700J//
2010/5/28
C/皆月湾沖/37.23N/136.42E//
100528 182917
平戸とハウステンボス前の針尾瀬戸の潮流を調べた。特に針尾瀬戸は
最大7Knotという流れもあるとのことで、通過のタイミングを計らな
ければならない。調査の結果、平戸を6月1日の午前2時半。針尾瀬戸
を同、午前7時20分、通過として、ハウステンボスには9時には着艇す
る案が良いようだ。
100528 183159
この案の場合、十六島を30日朝、10時に出たとすると、平戸迄で8時
間の時間調整が必要になる計算。
100528 183616
いよいよ、陸地から本格的に離れるポイントに来た。夕暮れ時だが、
曇っていて夕日は見えない。風は、4m。ジブがばたつきながら、一応
の効果を発している模様。速度は6.3Knot、ナウ。ヘッドランプなどの
装備と、航海灯を点灯する。
100529 123653
5月29日午前2時。ワッチ交代。クォーターのいい風、6m。即セール
をあげる。7.2Knot。快調。ローリングはあるが、気持ちがいい。
195
100529 123715
12km右前方にいた貨物船が7Km前方を左へ横切っていく。2個のマス
ト灯と舷灯赤が見える。
100529 123721
空が薄明るい。雲の上に月がある。GPSで調べると月相92%とある。
月齢表示ではない。明日は82%と出たから、新月に向かう。福井の三
国港のデータ。自動で近くの港のデーターを探して表示する。
100529 123731
船尾に目をやると見事なウェーキ(引き波)。夜光虫はいない。
100529 123749
先ほどの貨物船が、11時に見える。船尾灯だけになった。方位を変え
たらしい。今、2時36分。
100529 123757
キャンプの愛好家が多い。山中でテントを張って泊まる。動物が来た
りして気味悪くないんだろうか?実際、志摩のヨットハーバー近辺で
は、猪、狸、鹿、猿、蛇などを見かける。その点、海では、いるかは
フレンドリーだし、アシカは遠くから眺めるだけ、その他怖い動物は
いない。
100529 123807
貨物船の船尾灯以外は、何も無い。さすが、18マイル(32K)海岸か
ら離れると漁具による仕掛けも無い。時々、満月のような丸い月が雲
間からぼんやり顔を出して、海面に光の筋を描く。風が落ちた、艇速
は6.5Knot。
100529 123820
11時半方向に、マスト灯が重なって見え、舷灯赤の船がこちらへ向か
っている。距離13km。小樽へ向かう客船「あかしあ」。29.7Knotかな
りのスピード。10分後に、Anne5の右舷5Km付近を通過する見込み。
今の時刻は0307。
196
100529 123910
このヨットは、メインの展開だけが手動になっている。この作業で汗
をかく。「汗をかき、体冷やして、風邪をひく」。ようやく今ごろ、
汗によるひんやり感が無くなった。手動のメイン引き出しもだいぶこ
なれたから、電動に変えても良いかもしれない。ただし、船首を風上
に向けずにセールを出すのは、いずれにせよ避けたほうが良い。
100529 123942
時々、大きな波でブームが振れる。八戸で盛さんにいただいたプリペ
ンダーがセットしてあるので安心。
100529 124050
電気式の燃料ゲージを確認する。グリーンゾーンの半分と2/3の間を
行き来している。出発から24時間。3ℓ/hとして、72ℓ、4ℓ/hとし
て、96ℓの消費。4時間後のワッチ交代時にサイホン残量を調べた上
で、補助タンクの70ℓをメインタンクに落とす。
100529 124100
間もなく石川から福井県へ入る。七尾の食堂のテレビで、イカ釣りが
解禁になったと聞いた。ようやく石川まで上がってきたと思った。不
漁で小ぶり、といった話も耳にしていたが、八戸で見た大型のイカ釣
り船も石川沖で見るのかと思っていたが、一隻も見かけない。
100529 124138
2010/5/28
今年の天候は異常とのこと。イカ釣り船も、まだ島根から離れていな
いのか、又は不漁で漁に出ていないのか?七尾のテレビでは、イカの
水揚げの映像を流していたので、とれている所では獲れているのだろ
う。ライヤンさんから去年見たイカ釣り船の話を聞いているので、遭
遇するのがスリルと楽しみ。
100529 124316
寒くなってきたので、ユニクロのネックウォーマーを付ける。指だし
手袋とおそろい。北海道では、スライドハッチ机のPCは、手が凍えて
打てなかったが、今は打てる。夜は、相変わらず厳寒対応だが、暖か
くなっているのは間違いない。
197
100529 124327
マネージャーと室長から、来年の新人の面接状況の連絡が入る。優秀
で前向きな人が多く、二次面接が楽しみ。それにしても、室長の、質
問項目や評価基準の準備やプレゼン能力のチェックなど見事。現在の
事業推進、改善と新たな事業が楽しみ。海事普及も候補としたいが社
名の由来に合わない。
100529 124342
4時10分。左舷後方から空がしらずんできた。周りは、見事に何も無
い。漁船も、本船も・・・。土曜日のせいがあるかもしれない。
100529 124406
七尾の居酒屋で、定置網会社の社長とその会社の新人に会った。社長
が少し教訓をたれ、新人は神妙に聞いていた。お勘定のとき、その新
2010/5/29
人が財布を出して千円札を出したので、社長が新人の頭を小突いてい
た。その社長の名刺をもらった。定置網でとった魚5千円分のネット販
売もしている。注文してみるつもり。
100529 124418
10時方向8Kmに黒い貨物船。航海灯を消しているので分かりにくい。
当艇も、真昼の行灯になることを避けて、消灯する。29日4時30分。
福井沖。
100529 124432
風が上がってきた。風力3~4。ウサギも飛んでいる(波頭が崩れてで
きる白波がある状態)。うねりに乗ると7Knot。夜間用にメイン、ジ
ブ共に2Pリーフだから、風が強くなってもまずはOK。
05290448 100529 124821
29日午前5時。越前沖前方。
198
100529 124833
5時。ログをとる。6Knotの航海計画に対して現時点で2時間ほど先行
している。写真は、5時の状況。ローリングしているが、左へヒールし
たとき、シャッターを切った。艇速6.5Knot。
05290531
越前沖後方。
100529 124841
曇り空。陸地を目を凝らしてみると、わずかに山のシルエットの一部
が見える。海上は、11時方向、16Kmにレーダーの影があるのみ。曇
天の中、福井沖、Anne5の貸切状態。5時14分。12℃。
100529 125010
今回の日本周航計画は、本州を反時計周りで、志摩から、函館にタッ
チし、七尾。七尾に3週間停泊。5月に長崎を経由して沖縄。沖縄は2
ヶ月係留。そして8月にホームポート志摩への、3レグ。
100529 125018
各レグ10~14日、約1000マイル(約1800Km)、3レグの合計は、
3000マイル、5400Km.の計画だった。
100529 125029
第一レグは、4月19日に志摩を出て、七尾を出航する前日5月27日まで
39日間。小樽へのおまけ航海があったり、七尾での行事があったこと
と、異常気象?による天候不順で、多くの日より待ちをした。結局日
本周航の航路で費やした日数は39日中の9日強。いかにも待ちの多い
内容だった。
100529 125037
Anne5の航海は、エンジンが主。主というより、すべて。セールが補
機として、速度を上げたり、燃費の節約に貢献している。航海計画を
立てるにあたって、燃料の計算をし、80ℓの補助タンクを装備した。
199
100529 125050
燃料は140ℓ+補助80ℓ。ゆれるヨットでは20ℓは残さざるを得ない
ので、都合200ℓ。平水や機帆走など、負荷が少ない状態で毎時3ℓ、
逆に強い真向かい風や潮の流れがあると毎時5ℓ強、燃料消費する。計
画では、毎時4ℓ、50時間のエンジン使用を可とした。
100529 125129
補助タンクに最初に給油したのは出発前日の、上架中。45ℓしか入ら
ないと、南さんに言われ、愕然としたが、何とか50ℓ入れた。上架中
で、船が前後に傾いているからだと思った。
100529 125138
大洗で、何とか、補助タンクに65ℓ入れた。タンクの天井面より数セ
ンチ低いところまで給油口のパイプが降りているので、満タンになっ
たと思われてしまう。ゆっくリ、ゆっくり、入れると、小樽で70ℓ入
った。その後本荘でも70ℓ入れた。今後は、70ℓ入るものとした。
100529 125202
メインも、最初、おっかなびっくりでゲージを見て入れていた。しか
し給油する人はデッキ、ゲージを見る私はバース(ベッドルーム)内
だから、連携が取れない。ほとんど毎回、ゲージをあふれさせた。そ
の内、ゲージはよいから、給油口まで入れてもらうようになった。
100529 125232
給油口まで入れると、154ℓ入ることが分かった。給油前に測るゲー
ジが、アバウトなので、正確ではない。給油口まで給油すると、キャ
ビン中、燃料のにおいがした。給油口かからタンまでの燃料が消費さ
れると匂いは止まった。調査の結果、湯量ゲージのビスの締め付けが
弱いことが分かった。
200
100529 125320
空気抜きがあるはずと思って調べたが、見つからない。このため、給
油は補助タンクのパイプに届くまでとした。補助タンクのホースが透
明だから、分かる。この方式で、七尾で給油した際、メインタンクに
は推定144ℓ入った。Anne5の燃料タンクは144ℓ+補助タンク70ℓと
いうことになった。
100529 125330
さらに、20ℓの予備タンクを積みたいと思うが、切が無い。燃料管理
と省エネで乗り切ることになる。
100529 125342
ヨットによるクルージングは、早朝出航、40~60マイル走って明るい
うちに次の泊地に到着するケースが多い。Anne5の計画は、2昼夜300
マイルが基本。
100529 125357
22歳で仕事を始めて以来、長期休暇をとったことが無い宿命と、今回
は、日本周航が目的だから、突っ走る。ライヤンさんも私も、これも
性にあっている感じ。
100529 125412
第一レグで、あまりに待ちが多かったので、第二レグは、2人は暗黙の
うちに、長崎だけが寄港地になって、4昼夜と3昼夜で沖縄へ行くこと
になっている様子。
05291256 100529 125652
現在航行中の予定航路。
100529 125826
能登から島根までは、海岸から18マイル以内の沖コース。<海図参照
>
201
05290950
舞鶴沖。
100529 125837
船の検査で、航海区域が決まる。限定沿海(と平水)のほかは、沿海
と近海。Anne5は沿海。沿海とは日本の海岸線や島からから20マイル
以内を航海できる。だから今回の石川、福井沖は18マイルで航路を設
定している。
100529 125846
これまで、島伝いに行ったとき20マイルを超える海域があって、沿海
免許の船では、沖縄へいけなかった。最近法改正があっていくことが
できるようになった。また、韓国のソウルやプサンへも沿海免許で行
ける。
100529 125859
その上位の近海免許にするには、膨張式の救命いかだとイパーブ(事
故があったとき、衛星を経由して場所や船名を通報できる機械)を積
まなければならない。これらの費用が高額なのと、そのメンテも大変
で二の足を踏んでしまう。
100529 125917
沖縄の離島とか、小笠原に行く時や、サイパンやガムにいく場合近海
検査を受けることになるが、エンジンが主機という、Anne5には縁遠
い話しかもしれない。
100529 125926
依然として、3m弱のうねりと、風力3の風。風が落ちて、セールのば
たつきが多くなった。午前6時45分。遠くを見ると時に島と間違える
ような高いうねりが見える。これが有義波だろうか?
202
100529 173633
ハッチツイッター開局。ナウ。16時にワッチ交代したがしばしライヤ
ンさんと歓談。まことに快適な機帆走。
100529 173957
セールをあげると7Knot以上のスピードとなった。すでに予定より、2
時間先行している上に、この上早くなると、明朝の給油ポイント十六
島港へ明け方についてしまう。沖で待つより、時間調整が良いという
ことになり、セールのパワーを生かして、エンジンを1600rpmに落と
す。
2010/5/29
100529 180254
風力3から4。アビームからクォーター。穏やかに、粛々と進む。斜め
後方からの大きなうねりに乗るが、ローリングというより、周期的で
安定したヒール。1600rpmで、艇速は6Knot以上。ヨットAnne5も隠
れた実力が発揮できて満足げ。Anne5の新たな航行スタイルがまた、
できた。
100529 180301
波を見ていると、飽きない。3つぐらいのまとまらない波の後に100m
間隔ぐらいだろうか、大きなうねりが来る。特に大きなうねりは、す
ぐ横まで来ると、急に水平線が見えなくなり、船が持ち上がる。遠く
を見ると、時に、島のような盛り上がりが見える。
100529 180316
午後から、晴れた。気温はそれほど上がらなかったが、日差しが強か
った。太陽が傾きかけた。風が落ちてきた。4時間以上の快適な機帆走
が終わりそう。なぎに入るのだろうか?今、18時、5.2Knot。
100529 180445
ベルが鳴り、18時のログをとる。鳥取沖18マイル。ナウ。
203
05291825 100529 182525
鳥取沖の夕暮れ。
100529 183348
風が落ちて、5.5Knot程度となる。これまで出さなかったケンケンを仕
掛ける。夕暮れ時、かかるか?ナウ。
05291845 100529 184517
ケンケン。
05291846 100529 184614
鳥取沖の夕日。明日も天気。
100529 185919
夕日の左方向に、隠岐諸島が見えてくるはず・・、目を凝らすが、見
えない。GPSで調べると、42マイル先、80Kmあっては、見えないのが
当然。夕日がきれい。
100529 190132
左前方5Kmに貨物船。双眼鏡で見ると、航海灯を点けている。Anne5
も、夜間準備をする。
100529 191051
貨物船の後ろに、漁船、一隻。イカ釣り漁船?12倍の手振れ防止双眼
鏡で見ると、イカ釣りではなく、底引き漁船。後部にドラム、前部に
網がある。漁船が、貨物船を軽々と抜き去っていく。
204
100529 191356
貨物船は、青い船体だが、錆が目立つ。登録国籍がkiribati、船名が
WENPENG、速度8.2Knotで、富山に向かっている。知らない国から何
を富山へ運ぶのだろうか?
05291919 100529 191921
日没。
100529 192314
左舷はるか遠くに、白色LEDのような、真っ白い、強力なライトを点
けた漁船が現れる。いよいよイカ釣り漁船出現か?レーダーに出ない
のは、遠いせいか?
100529 192557
右遠方に、時々、真っ白い光を発する船発見。12倍の双眼鏡で見る
と、イカ釣り漁船の光が、波によって見え隠れしている模様。
100529 193447
石川さんと情報交換している間に、周囲にイカ釣り漁船4隻。それぞ
れ、今のところ、十分な距離がある。
100529 194551
8時15分前。まだ明るさが残っている。「天体薄明」。沈んだ太陽が
天空を照らすので、明るさが残る、という意味が実感できる。雨雲の
中では、その効果が出ない。夏至まで、後20日強。
100529 195223
漁船が一隻、接近してきた。よく見ると、底引きのようだ。鳥が群が
って付いている。
100529 195528
ライヤンさんがコックピットに上がってきた。20時、ワッチ交代時
間。ナウ。
205
100529 200045
左舷岸側に、ボーとした光が見える。町の明かりかと思ったが、同じ
ような光で、その数ざっと30ほど。これぞイカ釣り漁船と思われる。
ライヤンさんが、去年、多数のイカ釣り漁船の間を抜けた話も岸より
だった。
100530 014724
30日1時42分ナウ。ワッチ交代。十六島(うっぷるい)港口まで33マ
イル。予定通り、7時半ごろ着岸できそう。
100530 015315
左舷、3Kmに同じく西行する本船。AISではunkown船。AIS表示の
2、3割は、unknown.。shipnamecodeとスピード、方位が表示
2010/5/29
されるが、船名や目的地などは表示されない。国際VHFは、この
shipnamecodeで呼びかけできる。
100530 015502
雲間から一時明るい月が海を照らしたが、今は雲の上。曇天。そうい
えば、昨夕は、夕焼けではなかった。
100530 020244
十六島の呼び名は、「うっぷるい」。どうして寄港地をここにしたの
かと昨日、ライヤンさんに聞かれた。前の寄港地七尾から300マイル
離れていたことと、陸路、訪問したことがあるから。と答えた。何も
無いところとは知っているが、産業用の物揚場も多くあり、入港しや
すい港と思えた。
100530 023930
先ほどのunknown船の詳細が分かった。AISの情報発信は3種類と師匠
に聞いていた。頻繁に発信する方位やスピードと、(確か)3分ごとの
詳細データ。詳細データがまだ来ていない状態だった。ただ、いつま
でたっても詳細データを発信しない船が2、3割あるのは確か。
206
100530 024038
近畿と首都圏で陸上局がAIS電波を受信し、APRSの画面に表示してい
るのを見たことがある。だれでもNETで本船の動向が分かる。海上な
らともかく、そこまで公表されると困る船会社もあるだろう。詳細デ
ータを出さない船が増えるかもしれない。目的地が分からず避航する
ことができなくなる?
100530 024122
AISで、今、40マイル圏内に12隻表示されている。だいぶ増えたが、
太平洋側の本線航路に比べると極度に少ない。40マイル(72Km)先
だから電波が届いていない可能性もあるが、衝突防止だから、そんな
に遠くは問題ではない。それより、電波だから、岬の向こう側も分か
る利点が大きい。
100530 024213
閃光10秒、島根県の最北端、多古鼻の灯台が近づいてきた。この航路
と、次の目的地十六島港への航路が、この多古鼻を中心とする2.5マイ
ルの円の接線が交わるところが変針点となっている。この変針点まで
7.7マイル。5.7Knotだから、1時間と18分で、変針となる。今、午前2
時30分。
100530 031240
5マイル後方に貨物船TokoMaru。おおよそ30分後にAnne5の左舷を
追い抜くコース。Anne5は、35分後には多古鼻に最接近して左へ変針
する予定。貨物船が内側へ入ると交差する。十分な注視が必要なケー
ス。
100530 031358
後方の貨物船。緊張するほどではないが、4マイル間で接近。コースは
変わっていない。レーダーも捕捉している。
100530 031616
貨物船が、Anne5より内側、すなわち陸側のコースを取っているとい
うことは、この先に定置網などはないということ。この点は、安心で
きる。
207
100530 032344
Anne5のコースが、少し陸へ向かっている。5度、沖向けに針路を変
更。
100530 032726
右舷東行する本船2隻。距離は十分離れている。海流の関係で、東行き
は沖、西行きは陸沿いのコースを本船は取っているかもしれない。
100530 033053
貨物船TokoMaru、後方3マイルまで接近。当船と多古鼻の内側を通る
コースは変わっていない。マスト灯はほとんど重なっているが、緑の
舷灯が裸眼でも確認できる。
100530 034257
今、多古鼻を真横に見て、通過。03時41分。ナウ。変針点まで0.5マイ
2010/5/29
ル。5分。後方の貨物船は、1.2マイルまで接近。
100530 034605
この時点での変針は、相手貨物船に疑義をもたせることになるので、
このまま行き、貨物船が左舷を通り過ぎてから、左へ変針することと
する。今、変針ポイント到着のベルが鳴ったが、無視。
100530 034814
変針点の変針角は12度程度なので、オーバーランとはならない。もし
変針すると、貨物船の針路に寄っていくことになってしまい危険。
100530 035255
追い抜き船の速度が遅く感じられる。AISを見ると貨物船のスピードは
12.4Knot。「横に並ぶまでは遅い。並んだ後は早い。」ライヤンさん
が言っていた。貨物船は大分行きなので、間もなく変針する模様。
100530 035529
貨物船は、小型。全長70m。左への変針が始まっていて、当艇から離
れていく。今、真横。Anne5も変針する。
100530 040432
今回のケース。どうしても相手の航路を横切りたいときは、VHFであ
らかじめ確認をするか、単音2発で、意思表示をすることになる。
208
100530 040441
以前、五ヶ所湾内で単音2発で、横切りの意思表示をしたら、相手の本
船から単音5発の警告が発せられた。だめといったのか気を付けろと言
ったのか分からなかった。急ぐたびではないので、航路は譲るのが大
原則。
100530 041630
左舷前方に西行き本船を、目視で確認している。AISには出ていない。
500トン未満の内航船と思われる。AISの搭載義務艇は500トン以上の
内航船と、300トン以上の外航船。経過措置期間中なので、義務艇の
未搭載船もあるはず。
100530 042000
岬付近は、本船が集まってくるのと、潮の流れが速くなる特徴があ
る。この多古鼻で潮の流れで、Anne5も0.7Knot程度速度が落ちた。
100530 042158
多古鼻を海図で見たとき、岬とか埼が付かないのか確認をした。鼻は
出っ張ったところを言うので、鼻は鼻で、岬などは付かないことが分
かった。
100530 042546
十六島港への変針点まで16マイル。速度6.0マイル。ちょうど7時に到
着の見込み。着艇までに時間がかかるのと、スタンドが7時半開店だか
ら、ちょうどいいころ?時間調整がうまく行った。
100530 043929
左岸に、建設中の発電所?確か、原発の建築をしていると思った
2010/5/29
が・・・。定かではない。思い出した。車で以前、横を通って、厳重
な警備体制を見た。
05300623 100530 053333
前方、山の上に、おびただしい数の風力発電塔。ざっと数えて27、山
で見えないものもあるはず。すべての発電機にフラッシュが付いてい
て、同期して光るので、暗いうちから目だっていた。回転しているも
のは無い。風は4~5mあるはず。これも建設中?
209
十六島港でライヤンさんが聞いた話では、これらの風力発電機は、去
年の台風で壊れた。外国製品で、部品がないため、修理ができない、
このため、開店休業中とのことだった。
100530 114733
十六島港へ向けで変針したところで、ゴツンという音。その後、異様
な振動が船体に伝わる。藻、ホンダワラがプロペラに引っかかった。
2010/5/29
十六島港に、スローとジブを展開して入港。給油もそこそこに、ホン
ダワラはずしにかかる。
05300822 100530 115011
はしごと、命綱で、体を支え、ホンダワラ外し。
100530 115039
水中カメラの映像を見たり、交代で作業をして、ついにクリアー。釜
の刃の形状を変えることと、はしごの使い方を工夫する必要あり。
210
Memory of Ginowan
211
十六島港
平戸
05301007 100530 115339
給油とホンダワラ外しをした、十六島港の岸壁。
100530 113215
JASREP/PR//
A/あん5/240-41190//
B/301100J//
C/日御碕沖/35.28N/132.37E//
100530 184021
5月30日、18時、風速8m。うねり3m。十六島港を出てから、8時間、
大揺れに揺れている。メイン1Pで、7Knot平均。あと、22時間で、平
戸。平戸に31日の午後5時ごろ入って、7時間ほど時間調整。未明に平
戸を出て、明るくなったところで、佐世保港と針尾瀬戸を通過し、ハ
ウステンボスに入ることとした。
212
100530 184254
大波で船首が大きく左右に振れる。八戸に入るときの15m追い風うね
り3mの風を、少し弱くした状況。盛プリペンダーが有効で、メインは
全くバタつかない。
100530 185005
いつもは、2時間と持たない風が、すでに6時間も続いている。大揺れ
だが、風はコンスタント。スピードが稼げ、燃料の節約ともなる。歓
迎。
05301858 100530 185859
今日。唯一、すれ違ったタンカー。
100530 190122
本船に会わない。近くをすれ違ったのは、6時間で一隻だけ。
100530 190415
はるかかなたに黒い貨物船。航海灯が付いている。当艇も夜間航海準
備をする。
100530 190435
七尾からテンボスは4昼夜の予定で航行中。テンボスの先は、3昼夜で
沖縄。沖縄は大雨だそうだ。沖縄は梅雨に入っているので、晴れ間を
縫うことは、困難。低気圧さえなければ、雨はいとわず行く予定。日
程的には、6月3日木曜日テンボス発といったところ。
05301903 100530 190645
夕暮れがきれい。
100530 191207
19時のログをとった。このピッチで予測計算すると、平戸へ明日、14
時半到着の可能性も出ている。それにしても、20時間、航海を楽しむ
には十分な時間。
213
100530 191712
十六島港で、ホンダワラ取りをした。はしごを伝って水面すれすれの
作業、なれぬ姿勢で、いささか疲れを感じている。10時間ほどかかっ
て、少し回復。20時のワッチオフで、食事を簡単に済ませ、早く寝る
つもり。翌朝02時から8時までが再びワッチ当番。
100530 192220
ホンダワラは、日本海を抜けるまで、危険性がある。今回は港の近く
だったから良かったが、沖だったら大変。最悪の場合のために、艇内
にウェットスーツや帽子、靴と、空気を送るコンプレッサーと口にく
わえる減圧弁を積んでいるが、まずは竹のざおで外すのがよさそう。
今日の作業でコツはつかめた。
100530 192759
風と波が、気持ち落ちたが、Anne5はじゃじゃ馬のように走ってい
る。走るのがうれしくてたまらないといった感じ。Anne5にこんな力
があったのに、全く引き出さなかった。引き出すチャンスが無かっ
た。機走や帆走、係留やアンカリングに不安は無い。もしトラブルが
あっても対処できると思う。
05301945 100530 194533
突然、左舷後方にイカ釣り漁船が一隻操業を始めた。真っ白い明る
い、まぶしい光。昨日はたくさんのイカ釣り漁船が海岸側にびっしり
並んでいるのを見た。ここは、ただ一隻のみ。
100531 020908
ハッチツイッター開局。
100531 021441
山口県の先端を、31日、0146、12度左へ変針。引き続き、爆走状態。
ジャイブ風で、裏風をはらんだが、盛プリデで、とどまっている。12
度左変針で、ポートタックになるので、ジャイブを開始すべくメイン
を少し引き込んだところでナチュラルジャイブ。盛プリが働いてスム
ースにジャイブ。見事。
214
100531 021629
予定より一時間弱先行していることをライヤンさんに伝えて、ワッチ
交代。
100531 022017
平戸へ入る前に島々の間を抜ける。その入り口まで70マイル。10時間
をかけて、山口県、福岡県、佐賀県沖を通過する。
100531 022229
北海道から、夜間の服装はあまり変わっていない。夜間は結構寒い。
冷たさは無いが寒いという感じ。帽子も耳やあごを覆うことができる
2010/5/30
防寒帽。
100531 022717
雲が、半分覆っている。月齢78%、新月に向かっているが、雲間か
ら出る月は十分明るい。三池炭鉱の上に出たつきの歌があった。「月
がー出た出ーたー月があー出たーあよいよい」懐かしい。大潮ではな
く、中潮。水道や海峡を通りやすい。
100531 025326
港湾案内によると、平戸の北向き最大潮流は6.4Knot。テンボスマリー
ナの案内によると針尾水道の最大流速は10Knot。これでは、Anne5は
進めない。しかし、この値は年に数回の最大流速。今回は中潮。逆潮
の真っ只中は無理としても、乗り切ることができる時間はかなりある
と思う。
100531 025715
11時方向に白くて明るい5秒の閃光。海図を見ても見当たらない。50
万分の一の海図だからすべての灯台が載っているわけではない。GPS
プロッターのデータによると、高さ44m、5秒間隔の閃光、光は18マ
イル先まで見える。この船からは、方位200度、距離4.75マイル、とあ
る。
100531 031359
前方1kmに本船。後部マストが左で前部マスとの間が、マストの高さ
に比べて狭い。舷灯は緑。
早めの回避として、右へ変針。
215
100531 040658
右への変針が間違いだった。相手船の動きを注視していたのだが、左
舷To左舷で行き会うと思い込でしまったもの。接近してきた時、赤の
舷灯も見えた。
100531 040743
どう見ても、双方の針路から、左舷側通過と考えられたので、右+10
度ボタンを2回押した。Anne5の船首が一瞬、左へ振り始める。オート
パイロットのボタンの押し間違い。あわてて反対側の+10ボタンを4
回押す。ナチュラルジャイブ2回。
100531 040757
大きなエンジン音が聞こえ、左舷間近を、真っ黒な本船が通過してい
った。
100531 040829
動揺を抑えながら、状況を思い出して分析をするが、相手船の右舷灯
の角度がずれていたに違いない。それと、当直は当艇を全く見ていな
かったことも間違いない。不審船だ!と結論して。まずはニアミスで
終わったことに安堵。
<不審船とのニアミスに付いて>
翌早朝、ライヤンさんの左手親指と人先指を立てた説明で納得した
が、「後部マストが左というだけで(Anne5が本船より早いわけはな
いのだから)、左からAnne5の前方を横切ると考えなければならな
い。舷灯,緑が見えただけでも、同じ結論になる。」、だから、早期
に、左へ針路を変えて衝突回避しなければならないことは明白。
左舷、左舷で通過との思い込みや、接近してからの回避を想定したこ
となど、猛反省。ライヤンさんの「緑の舷灯を見ての行き会いは、横
切り船となるので要注意。」を肝に銘じた。今回の日本周航での最
大のミス。オフで就寝中の相方を巻き込む、危険操船だったことを思
い、猛反省。
216
100531 042116
はるか遠く、右舷後方に追いついてくる赤灯が見えた。追い抜く位置
もかなり離れた距離になり、問題はないと思っていた、しかし、ふ
と、横を見ると、1kmにいる。斜めに接近してきたのだ。夜間は明る
さをなくすためにレーダーには暗幕がかけてあり、気がつかなかっ
た。
100531 042136
AISで確認すると、Anne5を抜き去った後、斜めにAnne5の前を横切っ
ていくコース。交差するポイントは、Anne5が到達する約2分前に本船
が通過する見込みと分かる。ここでは、妙にコース変更せず、このま
ま見守ることにし、700m前を本船が通過した。
100531 042622
5秒の閃光があった岬の灯台付近では約1Knotの逆潮を感じたが今はそ
の感じは無い。この付近は対馬海流の影響が大きいと思うが、「太平
洋側平均満ち潮1.3m、日本海側平均満ち潮30Cm。この差による潮流
のほうが影響が大きい」との記述をネットで見たことがある。いよい
よ、関門海峡沖に入る。
2010/5/30
100531 043925
真追っ手7.2Knot。船首を振るので、半分近くはジャイブ風。プリペ
ンダーがあるので安定しているし、万一ナチュラルジャイブをしても
危険はない。八戸沖ではプリペンダーが無かったので、ブームの触れ
止めをしてあったサイドステーのターンバックルを変形させてしまっ
た。
100531 043939
そういえば、深夜の不審船回避動作のときも、2回の+10度操作をし
たので、ジャイブをしてしまったが、いずれもスムースにブームが入
れ変わった。これも衝突回避の大きな要因だったと思う。盛ジャイブ
プリペンダー、略して「盛プリ」(これからそう呼ぼう)。Anne5は
盛プリさま様。
217
100531 044331
今は、周囲に本船は一隻もいない。多くない本船なのに、この夜は2度
も本船との接近があった。海の上はこういったもので、不思議と船が
お互いに接近してくる。
100531 044349
大きな月を前方に残して、左後方の空が赤くなってきた。日の出が始
まる。
05310455 100531 045519
盛プリ様。黒い側面板の中にドラムがあり、ロープが3周巻きつけてあ
る。その抵抗がまことに都合よく、ナチュラルジャイブのショックを
吸収してくれる。丸い光はお月様。
100531 050909
昨日も航海灯が昼行灯だったので、早々と消した。前方から貨物船。
赤灯が見える。ちょっと消すのは早かった?左側で行きかう。そのは
るか向こうに、真っ白い、3層のデッキになった大きな客船が左へ向か
っている。韓国からのフェリーだろう。
100531 051246
1.2Km離れて、左舷を貨物船がすれ違った。船籍Belize、船名HONG
HAI、直江津へ10.4Knotで向かっている。あまり早い船ではないが、
当艇が7Knot。あわせて17.4Knotだから、思いのほか早く接近する。
それにしても知らない国?の船籍船が多い。
05310514 100531 052224
今日の朝日。私のワッチは、夜の8時までと、朝の8時まで。だから夕
日と朝日を見ることができる。
218
100531 054116
関門海峡の19マイル沖を通過している。山口と福岡の山並みがうっす
らと見えている。右前方には、24マイル先の沖ノ島が見える。その先
Anne5から60マイル先の対馬は見えない。ここから10時間で対馬へい
け、韓国まで90マイル。韓国も半日強でいけることになる。意外に近
い。
2010/5/30
100531 061858
関門海峡沖。行き会い船より、左右に向かう、横切り船が多い。韓国
との交流を示している。
100531 063736
下関沖の砂利採取船。作業中。80mの海底から水と共に砂利を吸い込
み、分離している。後方に、プッシャー船ががっちり入りと食い込ん
でいる。船台にしておけば航海装備や複雑で面倒な船舶検査が不要で
安上がり。プッシャーが航海ルールを分担する。ルールを作ると、い
ろいろ抜け道を考える?
05310623 100531 064015
下関沖の砂利採取作業船台。
100531 105547
JASREP/PR//
A/あん5/240-41190//
B/310950J//
C/福岡沖/33.52N/130.10E//
05311217
壱岐島沖。
219
100531 143452
平戸に向かっている。追い風、メイン1P。時々8Knot。十六島から北
北東の風が吹き続いた。6mから10m以上。高気圧が停滞して安定した
風となっている。しかし、漁船がいない。波と強風で、休業となって
いるかもしれない。
100531 143513
2010/5/31
平戸に公営桟橋があるとのことをネットで知った。役所の企画課へ
朝、電話をかけた。多分空いているだろうから着けてください。駐
車場左手に管理棟があるので、書類に記入して役所へFAXしてくださ
い。とのことだった。平戸では、お風呂に是非入りたい。10時間弱の
滞在予定。
100531 143530
平戸と佐世保、ハウステンボス関係の海図は、多く用意したつもりだ
が、佐世保港と針尾水道の海図は無い。港湾案内とGPSプロッターで
行く。推測航法になるが2人かかりで問題はない。
100531 143727
迫力ある波の写真を撮ることに挑戦したが、うまく撮れなかった。平
戸の大橋は絵になると、ライヤさんが言っていたが、考えたら、明日
の午前2時半通過の予定だから、景色や橋を見ることはできない。
05311601
平戸接近中。
100531 165622
平戸、着艇。ナウ。5月31日、16時56分。
100601 044205
平戸では、ヨットが2ハイ。先客。兵庫の人と、大阪和泉のOさん。
220
100601 044216
兵庫の人は、釣り人に、邪魔だとか、フェリーが着くのでダメといわ
れて、その奥、道路沿いのポンツーンに着けた。そこも安全で深さも
十分とのこと。こうした場合は、「市に言ってある」といえば良い
とのこと。実際にAnne5は、事前に市役所の企画課へ電話をしておい
た。
100601 044230
観光案内所に行って、係留申請。案内所の女性が町の案内やごみの処
理を教えてくれる。一足先、お昼に付いたという、大阪のOさんと共
に、近くのホテルの温泉に行く。ホテルへは、オランダ坂を通ってい
く。風情があって良い。
100601 044244
温泉の後は、Anne5で持ち寄りの食事会。
06010450 100601 045021
平戸の桟橋。先客のOさん艇の前に係留。元、フェリー乗り場。瀬戸
内海でも使わなくなったフェリー用の桟橋がたくさんあって、ヨット
の係留には便利と聞いている。
100601 045033
Oさんは、仕事の関係で、海外を含めて国内各所へクルージングをさ
れたベテラン。お役所へのプレゼンがお仕事で、沖縄のヨット村の話
も「いい話だ」と、理解をしていただく。Oさんの助言は、「役所を
味方に・・」。名刺交換と記念写真を撮る。
06010451 100601 045127
食後、トイレに行く。とてもきれい。桟橋から見た町は、小樽を小規
模にしたようないい雰囲気。海岸べりは、親水公園として整備されて
いて、水中ライティングがきれい。お勧めの泊地といえる。
221
<2010年6月1 日ハウステンボスへ(平戸)>
100601 035405
平戸、6月1日、午前2時40分レッコ(離岸)。昨日会った、Oさんと話
していた出発時刻を、2時間ほど早めた。
100601 040254
夜間の平戸瀬戸、主要なウェイポイント(変針点など)を調べてGPS
にあらかじめ入力してあるので、暗闇でも、通過に不安は無い。灯標
も完備していて、夜間のため見やすい。夜間のほうがかえって安全。
などと、ライヤンさんと話す。
100601 040326
水道内で本船と行き会い。水道を抜けて、もう一隻、本船と行き会
い。「赤の舷灯を見ての行き会いは安全。緑の舷灯を見る場合は、横
切り船となるので注意が必要。早めの衝突回避行動。」とライヤンさ
ん。昨日の不審船も、このケース。昨日の、親指と人差し指での説明
が、分かりやすかった。
100601 045741
5時20分、変針、155度に・・。前方に赤の舷灯があるので、しばらく
165度で様子を見る。との事。ライヤンさんがワッチ中。
100601 045751
九十九島を左に見て、航海中、ナウ。たくさんの島が景観を作ってい
る。昔、海軍の基地があり、将校がこの美しい景色を見て、「天然の
美」という曲を作った。今でも、自衛隊や学校の運動会でも使われて
いるとの事。誰でも聞けば分かる曲とのこと。http://www.youtube.
com/watch?v=Ke7GUntVooQ
100601 051522
晴れ、明るくなったが、月も出ている。心地良い風。今日はショートコー
スなので、セールは上げない。間もなく、佐世保港口へ向けて変針。
100601 051549
燃料の確認をする。メインのサイホンゲージで60ℓの残。33時間で90
ℓ使ったことになって、時間3ℓ以下。時に10mを越す追い風が燃料消
費を抑えたことになる。
222
100601 051650
十六島からの30時間は、GPSの対地速度はほとんど7Knot以上だった。
しかし思いの他、時間がかかり、結局、到着時刻は、6.5Knotの当初計
画のままだった。
100601 051723
時間が短縮されなかった、この原因は、大波で船首が左右に振り、コ
ースがジグザクだったこと。ジブを3P出すつもりがフルに出てしま
い、そのままにしたなど、反省点もある。
100601 052016
前方に6秒の閃光がある。佐世保の手前にある岬の灯台。明るくなった
2010/5/31
がまだ消えていない。灯台は、目標がはっきりして非常に役立つ。
06010529 100601 052920
西から見た九十九島。たくさんの島が見える。さぞかし、きれいなと
ころだと思う。
06010532 100601 053204
九十九島から上る、朝日。
06010554 100601 061743
佐世保港入口。この狭い入り口の先に、大きな湾が広がっていて、正
に、天然の良港。米海軍もこの良港に目をつけたのであろう。今も、
日本とアメリカの軍港となっている。
223
06010635 100601 063529
佐世保港内はまことに穏やか。入ってすぐの右手にフィリピンの貨物
船が錨泊している。マストには黄色のフラッグ「我、検疫を望む。」
の意味。
100601 064705
日本人の船長が初めての港に入るときは、パイロットを乗船させなけ
ればならない。2度目からは自由。パイロットを呼んでもいいし、なし
で入港しても良い。しかし、外国船は、毎回、必ず、パイロットを要
請する必要があるとの事。
06010648 100601 064821
パイロット乗船中。
06010649 100601 064859
軍艦が3隻、錨泊している。左奥左側が軍港、佐世保市内は左奥の右側
に広がっている。
06010657 100601 065730
水道の手前。追い越し船がある。追い越しは右側。追い越し船は被追
い越し船を不自由船と見て、水道の端に追いやらないようにするため
に、右側を抜くことになっている。追い越しのことを航海用語では、
航過(こうか)と言うそうだ。
100601 065936
針尾水道に入った。転流が7時20分。その前後30分に通過するように
言われている。6時55分。言われた範囲だが、スピードは5.7Knotに落
ちた。0.6Knot程度の逆潮。
224
06010703 100601 070348
水面を見ると、明らかに流れがある。この先、2度のクランクを通過し
て、橋をくぐる。
06010712 100601 071252
西開橋通過。水道は、渦ができ、泡が立っているが、流れはそう速く
ない。
100601 071419
西海橋をくぐると大村湾。大村湾には、周囲100Kmもあろうか大村市
もあれば空港もある、広大な湾、その広大な湾の口がこの水道だけだ
と言えば、大潮のとき、10Knot、時速18キロの流れもうなずける。
06010737 100601 073722
目前に、ハウステンボス。これから、入港や手続き。
<ハウステンボス>
06010800 100601 080058
ハウステンボス、ビジターバース着艇、ナウ。
225
100601 091452
JASREP/FR//
A/アン5/240-41190//
K/羽茂港/37.49N/138.18E//110930J//
X/ありがとうございました。ヨットアン5//
100602 094516
ハウステンボスのビジターバースに着けて、スタッフの出社を待つ。
事務所で係留手続きをして、いくつかの質問、コインランドリー、ス
ーパー。共に、歩いていく距離には無いらしい。停泊中はいつでもハ
ウステンボスに出入りできる入場券を2枚購入する。
100602 094521
内側のバースに移動しないと電気と水道が無いとの事。船を移動する
前に、燃料補給をすることになった。ビジターバースからほんの30メ
ーター、前進させたが、何か焦げ臭いにおいがする。エンジンを停め
るボタンを押すが、止まらない。数回押して、止まった。
100602 094532
キャビン内はこげ臭いが充満している、エンジンルームを開けると、
煙がもうもう。最初、電気系統と思い、配線が焼けていないか調べる
が、異常は無い。2次冷却の水位が極端に下がっているが、なくなって
いるわけではない。さらによく調べると、スターターがちんちん。
100602 094545
もう一度、エンジンを回そうと始動スイッチを押しても、スターター
が回らない。近くにいたテンボスの技術スタッフと話をして、後で、
見てもらうことになった。その間、マリンテックの中村さんに電話を
して相談。オピニオンギアがフライホールに噛んだ?それとも、電気
系の異常が原因?
100602 094552
スターターのスイッチの戻りも調べた。スタータースイッチが入りっ
ぱなしになってオピニオンギアが戻らなかった?スイッチを操作して
みたが、十分なスプリング効果があり、それは考えられない。
226
06020950 100602 095025
煙を吐いたスターター。の黒い斜めのポールの向こう側、円筒形のセ
ルモーターと上部に少し小さいオピニオンギアのソレノイドがある。
ケーブル接続点は2ヶ所。
100602 095034
一人になって、いろいろ考える。時々、エンジンを停めたとき、警報
音が出ないときがある。長時間の発電で、DC電圧が高いので、しばら
く警報検知が遅れるのだろうと思っていたが、これが原因?テストの
ためにエンジンを回してみると、エンジンが掛かった!
100602 095154
これだけの煙を出したのだから、このまま使うことはできない。中村
さんには、スターターの在庫と、明日午前着でテンボスへ送ることが
できるか、メーカーへの確認を依頼。その間に、スターターの取り外
しを試みる。17mmのボルト2本。スパナーやレンチなど工具はある
が、場所の制約と固くて回らない。
100602 095201
少しして、スタッフが取り外しにきた。ボルトが硬くて回らないの
で、難儀。Anne5が持っている、加力用のステンパイプやハンマーを
提供して、何とかボルトを緩めスターターを取り外した。外観を見る
が、特別な異常は見当たらない。
100602 095228
整備工場で分解をしてもらうことにして、連絡を待つ。この間に、マ
リンテックの中村さんに間違いが起きないように部品コード番号や送
り先、日時指定などをメールで連絡する。
227
100602 095233
昼時、昼食抜きでやってくれたのだろうか間もなく、焼けていたとの
携帯連絡。実物を見たいといって、整備工場へ出向く。このまま使用
できないことは明らか。予備部品として修理して持つ案も没として、
破棄を依頼する。
06020955 100602 095516
焼けたスターター。ローターのコイルが焼けている。一ヶ所コイルの
太いエナメル線が切れて、めくれていた。オピニオンギアの動きはス
ムースで、ギアに傷も無い。
100602 095524
分解してくれた若いスタッフが、ポンツーンですれ違ったとき、「あ
れから良く見たが、ベアリングに異常は無かったが、ケース側にがた
があり、ローターと周りのコイルが接触したと思われる。」と話して
くれた。
100602 095550
ローターと周りのコイルは、至近距離が保たれている。磁力は距離の
二乗で弱くなるから、強力なパワーが要るスターターでは特に、その
距離を少なくすることは大切なことと思う。その心棒にがたがあると
は・・、部品の不良?天下のH社がそんな部品を作るだろうか?エン
ジンはまだ千時間を越えたところ。
100602 095601
コイルがめくれていたということは、機械的な力がかかったもので、
そのスタッフの説明と符合する。スターター内部の構造のことだか
ら、これが原因の場合は部品を換えればOKとなる。
100602 095613
テンボスにこれと似た部品があるから・・といって調べたが、異なる
ものだった。昨日、書類を名古屋からテンボスへ送ったが、10時指定
が3時過ぎになった。マネージャーから、「部品の手配を急がないと翌
日着が間に合わなくなる。」との連絡も入る。
228
100602 095629
マリンテックさんへ着時間を再度確認。「間違いなく、午前着だ。」
といわれたが、メーカーや運送屋さんが絡むので心配。マリーナのス
タッフには、明日午前で着く。取り付け願うと依頼。
100602 095636
マリンテックの中村さんから、部品を回収してほしいといわれたが、
すでに破棄を依頼したとして、あきらめてもらった。わたしとして
も、ヤンマー又はH社に送って見解を聞きたいところ。まずは、一件
落着。3日、早朝の出発は予定通り行けそうになった。
100602 100553
私たちに少し遅れて、ビジターバースにタグボート風のボートが着い
た。3人で近畿から瀬戸内海、宮崎、鹿児島を経由して長崎へ来たと、
ライヤンさんが聞いた。その一人が、若いスタッフとスターターのこ
とを話している時、声をかけてくれた。
100602 100559
「息子から、元気のいいヨットが親父と同じマリーナに入っている。
と電話があった。アンとかいう船ですか?」、「そうです。」、「見
てくれている人もいるのですねーうれしいです。後で船に顔を出させ
てもらいます。」と答えて、翌日訪問するつもりだったが、朝、出航
されてしまった。
100602 111551
「在庫があるうちは、補充より消費!」ライヤンさんの提案で、食材
在庫の消費に務めている。静岡在住で、御津マリーナからこちらへ移
った、Oさんから「ビールでもどうですか!」とのお誘いがあった。
後で・・、と答えて、持ち寄りをするにはつまみが何も無いことが気
になった。
100602 111638
ハーバー事務所の女性に相談すると、ハウステンボスの中には、そう
いったものは一切売っていません。レストランなどの営業支援なので
す、とのこと。
229
100602 111646
それでも、何かあるだろうとハウステンボスに向かい、お土産店を回
った。かろうじてハムの詰めあわせを買うことができた。
野菜は、キャベツが1個半残っていたので、丸々一個を刻んで大皿に盛
って、出した。
100602 111706
大盛りのキャベツに二人は、いささかびっくり。さすがに半分は残っ
た。残ったキャベツに足してもう一度山盛りして、テンボスへ持ち込
み、明日、ワインピクニックを提案したが、酔っていたので結局、ど
うなるか分からない。
100602 111926
Oさんの奥さんの名はゆうこ。「そんな祐子にほれました」と、のっ
けからのろけ。確かに、40ではじめたディンギーに浜名湖で奥さんを
乗せ、楽しい(苦しいとは言わせない)?といわせ、鹿児島沖を一緒
にクルージングするなど・・。「愛するって耐えることなの。」浅丘
るり子で対抗。
100602 111944
ライヤンさんとも、愛し合ってる。実は耐えあっているなど、冗談。
こんな調子で今回も、大いに盛り上がる。
100602 111957
3Dソナーの説明書を翻訳した話や、童話「アモスとボリス」の翻訳本
を見せると、中身も見ずに感動、是非譲れといって聞かない。よく聞
くとお仕事、技術系翻訳家。結局、後で送る約束をする。
100602 112113
奥さんに「ディンギーは沈するもの」と、思い込ませた話や、息子た
ちのヨットのはなしなど、いろいろ話題豊富。8年ぐらい前、11ヶ月
間、原稿料を取って舵誌に寄稿した事もあるとの事。
100602 112158
ヨット村の話もした。突然Oさん旧知のFさんに電話をして引き合わせ
を受ける。沖縄で、ヨット普及の構想を進めておられるとの事。
230
100602 112207
ハウステンボスでの内情の話もあった。HISはマリーナの事業に関心が
ないようだとの事。Oさんは、オーナー会でも、積極発言をしておら
れる様子。
100602 112252
6月2日、朝、スターター到着。昼前に交換完了。ハウステンボスへの
キャベツ持ち込みワインパーティーを中止して、急遽、出航準備。O
さんには、すんませんと謝る。
231
平戸
宜野湾
100602 122747
6月2日12時、ハウステンボス、出航。晴れ、風力3、気持ちがいい。
針尾水道は12時40分ごろ通過予定。1Knot強の逆潮予想。
06021249 100602 124925
針尾水道、逆潮の中、3.2Knot。潮見表では、最強2.8Knot。最強では
5Knotはくだらないと思う。潮は、計算どおり行かない?
06021244
針尾水道。まるで川。渦潮もある。
232
06021414 100602 141430
佐世保港を出たところで、ヨットとすれ違う、ナウ。
100602 150850
JASREP/SP
A/アン5/240-41190//
B/021200J//
G/早岐港/33.04N/129.47E//
I/宜野湾港/26.16N/127.439.47E/051600J//
L/RL/60/31.39N/129.36E/030400J/下こしき島沖//
L/RL/60/30.51N/129.31E/031100J/上ノ島沖//
L/RL/60/29.48N/129.27E/032100J/平島沖//
L/RL/60/28.24N/129.30E/041000J/名瀬港付近//
X/ヨットアン5です。名瀬は給油です。
06021849 100602 190334
ハウステンボスを出て、7時間、ナウ。長崎の沖を通過。右手後方に夕
日に浮かぶ五島列島が見えている。風力2、クォーター(左舷斜め後
方から風を受けている)。メイン1P、ジブフルだが、時々、セールが
ばたつく。でも、速度は7.2Knot。
100602 190553
半島や五島列島が、かすんで見えているが、船は全く見えない。長崎
からのフェリーや漁船、自衛艦など、見えていたが長崎を越えてから
は、全く見えなくなった。
2010/6/2
233
100602 191138
出航後、しばしキャビンにこもって、航海計画を立てた。給油する名
護の入港は、4日の午前9時。伊江島は、5日の午前9時。伊江島では、
ライヤンさんの荷揚げ?があるので、2時間ほど停泊し、目的地宜野
湾港マリーナ(那覇の手前)には、5日の16時着となった。この計画
は、艇速6.5Knotで作成。
100602 191352
大きな高気圧が停滞し、沖縄に梅雨をもたらしている前線も、大きく
南に下がっている。絶妙のコンディションで航海できるかもしれな
い。
100602 204456
ワッチオフ。つゆだくの牛丼で、いつもの焼酎、神の河を飲んでい
る。疲労感が少なく、寝るにはお酒が要る?PCのネットアクセスもつ
まみ。この後、5時間寝て、ワッチを交代する。明日は鹿児島を通過す
る。鹿児島を越えたら、「暑い」。ライヤンさんが言う。バース(寝
室)で寝ることができるのは、今日が最後かもしれない。
<2010年6月3日宜野湾へ>
100603 022933
6月3日午前2時、ワッチ交代。風力3、アビーム、速度7.3Knot。昨夜8
時ごろは、潮の関係か5.3Knotだったので心配して休んだが、今は、メ
イン1P、ジブフルセールで快走中。左前方に下こしき島。本船や漁船
2010/6/2
は一隻も見ず。との引継ぎ。
06030202 100603 023141
月夜の快走。
234
100603 023233
うす曇りだが、月夜。月齢60%。福井沖で92%だったから、短期間で
よくも鹿児島くんだりまできたものだ。
100603 024214
下こしき島の変針点まであと、一時間。ほとんど一直線の南下コース
だが、接近する島から3マイル離した点を、変針点としている。
100603 024312
航路決める手順は、通過する島の先端を中心に3マイルの円を描く。
前と、次の接近島の円の接線を結ぶ。接線同士交わったところが変針
点。海図で緯度経度を調べ、ログブックに予想通過時刻と共に記録
し、それらの変針点のすべてをGPSプロッターに入力する。
100603 025708
航海中は、プロターによる目標ポイントへの方位と実際の針路のずれ
を見て、オートパイロットのコースを修正する。定時(二時間おき)
のログ(時に忘れる)。緯度経度の記録、風や海況・セールの状態、
速度記録。予想時刻との差を確認する。ログを取るとき以外の時間
は、目視で周囲の状況を見て、海図やプロッター画面で現在位置を確
認をする。
100603 025734
こうした航海中の作業で、もっとも危険なことは、間違った思い込
み。平戸の島を陸続きと思い込んでしまい、港湾案内、プロッターの
ウェイポイントなど、整合性が無くなり、プロッターが壊れたかと思
ってしまう一瞬があった。
100603 025821
昨日は、スターターの交換修理が、予想外に速く終わったので、今日
の早朝出航を変更して昨日のお昼12時に急遽、出航した。急な出航
だったので、走りながらの航路計画作成となった。名瀬で給油したあ
と、伊江島や宜野湾への航路はまだ決めてない。到着予想時刻を出す
ための距離だけは見た。
235
100603 030321
下こしき島の町の明かりが左舷真横に見える。通過するまでには35分
ほど掛かる。結構大きな島だ。時に、しぶきが飛んでくる。
100603 033021
下こしき島に明るい数個の光が見えるが灯標ではない。南端の閃光15
秒到達距離18マイルの灯台はまだ見えない。
100603 033219
夜間はうねりが見えない。拓央君と西伊豆へ行ったとき、うねりが大
きく、昼間ならかなりの迫力だろうなと思ったことを思い出す。
100603 033243
目を凝らしてみると、2mのうねり。船がピッチング(縦ゆれ)してい
る。
100603 033251
変針点までまだ距離はあるが、次のウェイポイントは、8度右方向。島
から離れるので、早めの変針とする。変針点上の島沖まで51マイル。
7時間弱、午前10時ごろ通過見込み。名瀬まで、199マイル。
100603 183337
下こしき島に明るい数個の光が見えるが灯標ではない。南端の閃光15
秒、到達距離18マイルの灯台はまだ見えない。
100603 183354
上こしき、中こしき、下こしきの3島あり、九州本島、串木野からこれ
らの島にフェリーと高速船が出ている。
100603 183409
Anne5はこれから、九州本島から離れてトカラ列島に向かう。その先
に給油地、奄美大島、名瀬港がある。
100603 183422
今は、こしき島のドコモがつながっているが、島を離れると、ドコモ
がつながらなくなる。
236
100603 183430
3日午前3時40分、下こしき島15秒の閃光が見える。ドコモが切れる。
ためツイッターになりそう。
100603 183515
灯台のすぐ南、右方向に漁船と思われる灯火が数個ある。うねりで、
その光が周期的に消える。
100603 183547
左舷10時方向、12Kmに本船。後部マストが左で緑の舷灯。以前の不
審船と同じと少し緊張。しばらくして再度確認すると、後部マスト灯
が右で舷灯は赤。本船が変針したのだろうか?接近の可能性は無くな
った。
100603 183600
本船は左舷3Kmまで接近。平たい形で後部マスト前後に低く明かりが
一列に広がっている。まるで航空母艦の感じ。戦闘艦なら、こうこう
と光を発することは無い。AISを立ち上げる。
100603 183617
パナマ船籍、EVERRADIANT、長さ298mの巨大貨物船。速力19.7Knot
でソウルに向かっていることが分かる。今、午前3時15分。風が強
まった。セールトリムをする。スピードが0.5Knotほどアップして、
7.3Knot。ヒール(傾き)は5度から15度強。
100603 184305
快速8Knot。風、風力3、6mくらいの風と思うが、考えられら無いほ
どのスピード。ヨットは、横から風を受けるときが最も早く走る。レ
ース艇では、風の速さより艇速のほうがはやくなる。Anne5は今、そ
う言った状態。朝、4時50分。
100603 184316
2010/6/3
名瀬への到着時間が早いと、スタンドが開いてない。しかし、時間
調整(すなわち燃料節約)をするには、那覇は178マイル・・まだ遠
い。このままいくが、燃費は3L/時間を切っているはず。
237
100603 191019
名古屋で仕事と、この航海のサポートをしてくれているマネージャー
に、「航海中は記憶が半減しているようだ」と、言われた。失念した
電話は、Oさん(ツイッターではUさんと間違えて書いた)が来訪し
て、切った時の話し。確かに、今の激走中など、オフワッチでも、思
考力は落ちていると思う。
100603 192625
夜明け前、寒かったので、フリースをカッパの下へ着ようと思ってバ
ースに降りたが見当たらなかった。マネージャーから、洗濯物を名古
屋へ送るように連絡をもらっていて、出航間際に再度確認の電話があ
って、急いで、荷造りをして送った。その中にフリースもあった。だ
からジャンバーを重ね着した
100603 192851
洗濯物は、大きなダンボールにいっぱいになった。北海道向けの冬物
のかさが大きく、下着や靴下、ネックウォーマーなど冬物はすべて送
った。宜野湾では時間が無いので洗濯はできないだろうから、出航直
前に受けたマネージャーの提案が有効だった。これをしないと沖縄か
ら洗濯物をもって飛行機に乗ることになる?
100603 192910
送り状もマネージャーが何枚か宛名を記入して持たせてくれていたの
で、手続きも簡単。ただ、料金計算用メジャーが2Cmほどオーバーし
たからかどうか知らないが、1900円以上もして、意外と高いものだと
思った。
100603 192939
ハウステンボスを出航して15分ぐらい走ったところで、マリーナから
電話が掛かった。「送料が210円多かった。今ならモーターボートで
追いつくから、届ける。」との事だったが、210円寄付するから、追
っかけてきてもらわなくて良いと、丁重に断った。
238
100603 192958
風が強まった。有義波を受けて、大きく傾く。座っておれない。ハッ
チツイッター中断。午前5時47分。
06030517 100603 205654
6月3日の日の出。5時17分。東シナ海洋上から。鹿児島の上空と思
う。雲がきれい。
100603 193015
午前7時。ドコモはつながらない。有人の島に接近すれば、つながると
思われるが、この先、無人の島を伝うとすると、メールの発信はでき
なくなる。急に心配になったのは、JASREP。早速、師匠の作成した国
際VHF利用マニュアルを見て、この地域は鹿児島保安だと知り、VHF
で呼んでみる。
100603 193056
「鹿児島保安、鹿児島保安、こちらはヨットアン5、ヨットアン5。
入感ありましたら応答願います。」ざーという音が聞こえる。応答を
してくれているようだが音声にはなっていない。まず、VHFとAIS受信
機のアンテナを交換する。隣接して設置してあるので、M型接線を取
り替えるだけ。
2010/6/3
100603 193105
さらに、呼んでみるが今度は応答が無い。携帯、PCそれぞれに電文を
入れて、いずれかの電波がつながったら即発信できるように準備。昨
日の発信は、午後3時だったので、まだ時間の余裕はあるものの、刻々
と鹿児島保安から離れていくことになり、条件はさらに悪くなるは
ず。
239
100603 193116
近くを通る本船に伝言を・・と考えるが、本船も、めったに見ない
し、うまく伝言が伝わるかどうかも分からない。不確実な状況になっ
た場合、さらに不安が高まってしまう。
100603 193131
どう考えても、鹿児島保安を呼ぶしかないと思い、スケルチを開き気
味にして、音量を上げて三度目のコール。応答があった。明瞭ではな
いがなんとか聞こえる。
100603 193144
復唱をしながら、ポジションレポートを送る。出発港や目的港、現在
のスピードや方位、乗員数などの質問も受けた。ふー、まずは問題解
決。各保安管内は、VHFがつながると思って、トライすることが大切
と思った。25Wとマストトップのアンテナの威力だったと思う。
100603 193230
風、波共に強い。アビームではあるが、ウェザーヘルムが強く、船首
を大きく振るので、ジブをフルから2Pに縮帆。11時。メインもリーフ
したいが・・、勢いよく、走っており、リグに心配も見当たらないの
で、続行している。キャビン内はローリングのたびにがたごとガシャ
ンなど聞こえる。
100603 193424
ネットがつながった。しかし、写真が取り込めない。
100603 193559
強烈なしぶきで、ハッチツイッターPCがしぶきに襲われそう。中断。
06030826
Anne5の前方を横切る貨物船。
240
100603 211503
一日、ネットがつながらなかった。天気図も、予報も見ることもでき
なかった。低気圧の状況を知るため、昼12時に気圧を記録した。14時
に、3.2ヘクトパスカル下がっていて、緊張した。その後の2時間後と
の記録は、-1、-1、+1と変化したので安心した。
100603 211519
風が強い、ナウ。今はメイン3Pで機帆走している。午後9時、時々大
きくゆれる。速度7.2Knot。目的地名瀬港まで71.7マイル。10時間強の
行程。
100604 024128
4日午前2時35分。左後方に悪石島の灯台、グリーン16秒の閃光が見え
2010/6/3
る。風、波、依然として高い。雨がぱらついたと思ったら、時々強い
雨脚になる。5.6Knot、名瀬まで39マイル。
100604 024418
左前方から。強い雨の塊。レーダーではっきり分かる。雨が強く降っ
ている。雨の固まりは右後方へ間もなく抜ける見込み。塊は大きくな
い。
100604 024700
風が、前から吹いている。というより、風が無くなった。これからメ
インセールを下ろす(巻く)。
100604 025815
雨の塊がこんなにはっきりしているのを見たのは初めて。雨雪反射除
去レベルの調整をすることによってはっきり見える。ただし、本船や
漁船、物標などすべて同じ黒色で表示されるので、その区別をして判
断しなければならない。幸い、現在は4Km範囲で、そのいずれも無
い。
100604 030216
艇速は5.2Knot。ワッチ引継ぎでは、潮の流れの影響と聞いた。ライヤ
ンさんは、この地域の海象のプロ。このスピードで行くと名瀬入港は
10時半。
241
06040311 100604 031114
前方左5Kmに雨雲。本船などの影は無い。大きさは約800m。そのほ
かにも小さな塊がたくさん出てきた。
レーダーに映る、強い雨のエリア。
100604 031630
GPSプロッターを見ると、名瀬へのコースから、18度、左へずれてい
る。南西から北東へ流れる黒潮と考えると合点がいく。青森、大間手
前で経験したずれと同じ現象。オートパイロットを18度右へコース変
更した。
100604 032528
風がうなる音がする。風見は、安定して左前方を示す。艇速は
4.5Knot。セールを出すか悩んでいる。あと、一時間すれば明るくな
る。雨も強いので、しばらくこのまま。4日午前3時25分、ナウ。
100604 033504
さらに5度ほど、コースが左へずれてきた。黒潮の影響。さらに黒潮上
流に船首を向ける。
100604 035437
右前方に、明らかに本船と思われる影が、レーダーに出ている。裸眼
や双眼鏡で見ることができない。雨雲のせい。5Kmの距離ですれ違っ
ていく。AISで見るとAsashioMaru。Anne5の後方をこのあと、45度の
角度で横切って行く。
100604 035838
いま、AsashioMaruの船影を確認。マスト灯は見えるが舷灯は見えな
い。前後のマスト灯で、前が低いから、舷灯が見えなくても、向きは
分かる。ルールでは、マスト灯は5マイル先から、舷灯は2マイル先か
ら見えなければならない。
242
100604 040759
4時を知らせるタイマーのベルがなる。ログをとる。北緯29度。小樽
で43度だった北緯。もう、一晩中は北斗七星が見えない地域に来た。
名護まで32マイル。艇速5.4Knot。気圧は1ミリバール下がった。
100604 050949
ネットが切れたので、ためツイッターになる。名護に接近するまでし
2010/6/3
ばらく途絶える見込み。
100604 051241
小雨になったのでセールをあげた。慣れた作業なので、難しくはな
い。0.7から.8Knotスピードアップ。ゆれも低減される。
100604 051313
Anne5はヨットなのだから、補機(Anne5の場合は、他のヨットと
逆で、補機がセール)を大いに活用しなければいけない。今、4時25
分、6.3Knot、名護まで30マイル。
100604 051331
強い雨域は、後方にあるが前方には無い。見ていると強い雨域はもち
ろん移動するが、湧くように発生もしている。
100604 051349
左、10時方向、8Kmにあった2つの雨域が、徐々に接近してきた。3個
のかたまりになった。斜め後方をかすめている。直撃は免れた模様。
ほのかに、左後方がしらずんできた。4時50分。
100604 051411
二番目の雨域が3番目を飲み込んで大きくなった。その雨域が右にずれ
てきて、Anne5が真っ只中に入った。大粒の雨が降ってきた。ドジャ
ーに雨粒があたって大きな音を立てる。どこからともなく、雨のしぶ
きが、PCの周りに漂う。しばらくの我慢。5分ほどで抜けた。
100604 051454
ドジャーから首を出して、周囲と、船の全体を眺める。 異常は無い。
まことに元気に、たくましく、Anne5は走っている。
243
100604 051500
8Km左前方11時方向に大きな雨域。先ほどと同じ位置。この雨には襲
われそう。
100604 051725
5時15分、ナウ。雨域は斜めではなく、右に行って、Anne5の前方に
達し、今、4Km先で、雨を降らしている。
100604 052459
右前方から接近していた本船が、右1Kmをすれ違って行く。雨雲とは
異なるので船影ははっきり区別できる。発見してすぐにAISで見て、
当艇の後方通過がわかっていたが、接近すると緊張する。本船は、
CruisFerryHiryu21 船体にはA LINEとある。
100604 053058
小雨の中、7.1Knotの、いわば激走。明るくなり、目的地も近づいたの
でAnne5も私も元気が出る。
100604 053112
深夜、大波をかぶり、ログブックを水浸しにしてしまったが、ドジャ
ーとデッキの隙間をタオルでふさいだので、今は大丈夫。大丈夫でな
ければPCが潮をかぶってしまう。
100604 063659
時々、3mの波が斜め後方から来る。その波に乗ってしまうと、尾根の
向きに乗ることになり、次の瞬間は波の上から横倒しになる。そのと
きの傾きは異常に大きい。45度を越してしまう。
100604 063720
昨晩、キャビン内で何度か転んだ。一度などは2段ベッドのある部屋
へ後ろ向きに飛ばされて、工具箱で背中を打った。一瞬息が詰まった
が、事なきを得た。体中にあざができるが、すぐに治る。
244
100604 063734
6時のログをとる。残り20マイル。メイン3P。艇速7.1Knot。気圧は、
0.8ほど上がった。(メイン3P:メインセールが三つ目のしるしがある
ところまでしか出していないという意味。)
100604 063800
名瀬までの天候は、馬場さんの予報では、こんな感じ、とのことだっ
2010/6/3
た。明日の未明から10mを越す風と予報が出ていた。昨日からも時に
10mは軽く超えて、波頭から風の筋が出ていたから、同じような海況
と思う。
100604 063821
ただ、低気圧と停滞前線が明日、沖縄にかぶさると出ていた、気象庁
の昨日の天気図48時間予報が気になる。
100604 063827
6時10分。奄美大島がうっすら見えてきた。
100604 063843
孫が、小学校の校内放送でアナウンスをして、上手だったと、先生に
ほめられた話を聞いた。おばあちゃんの影響もあるかも知れない。マ
ネージャーがアナウンス、私が技術担当で高校時代は放送部だった。
校内放送設備も部員が作った。そういう時代だった。ハムの免許もそ
の当時取得した。
100604 063857
大学はヨット部、中学は理科だったと思う。電気も無線も、理科も今
のヨットに役立っている。パソコンだけはマスターできない。詳しい
人に聞いて、結局はケーブルを抜き差しするとか再立ち上げをするな
どで解決することが多いのだが、こうした技術は、私には向かない。
100604 063921
沖縄到着後は、名古屋へ帰り、その週、東京へ出ることに、確かなっ
ていたと思う。孫に、翻訳した「アモスとボリス」を朗読してもら
い、iPod touchに入れよう。もう五年生だから、がんばって読んでく
れると思う。
245
100604 064117
それにしても、貨物船を見ない。船による物流のニーズは無いのだろ
うか?
100604 071430
JASREP/PR//
A/あん5/240-41190//
B/040700J//
C/名瀬港沖/23.36N/129.28E//
06040849
名瀬港へ接近中。
<2010年6月4日宜野湾へ(名瀬)>
06041127 100604 112746
名瀬港にて、給油終了。11時、伊江島へ向け出航。
100604 174622
「45度も傾くなんて、想像しただけでも恐怖、もうヨットなんか乗り
たくない。」マネージャーからメールが来た。確かにすごい角度。だ
が、キャビン内の収容物は帽子などほんの一部を除いて、飛び出さな
い。その理由は、ヒールしても大丈夫な様に工夫がしてある
100604 174914
収納庫の扉はすべてロック機構付き。テーブルや棚など周囲にはすべ
て、滑り落ち防止の枠があり、その上、物を置くときはいつもヒール
しても良いように収納物の角が滑り落ち防止枠に当たるように置いて
いる。だから、帽子や衣類、紙のような角にこらえの無いものが落ち
てくる。
246
100604 175023
気象庁の海上警報がある。http://www.jma.go.jp/jp/seawarn/ これま
で緑が風注意報、黄色が風警報だったが緑が風警報に変わっていた。
黄色、風警報のときは出航を見合わせていた。
100604 175100
足の遅いヨットでは、途中で警報になることもある。また、対象エリ
アが広いので、風向きによっては、海岸付近は全く問題が無い場合も
ある。顰蹙を買わないように、「黄色の警報では出ない。真向かい風
の強風は出ない。雨は出ない。」などがAnn5の一応の原則。
100604 175133
今回の航海も八戸から函館は、風注意報(緑)から、黄色に途中で変
わった。ハウステンボスから出て、東シナ海に入ったときは、警報は
出ていなかったが、12mはあったと思う。警報が出てもおかしくない
海況だった。こういったときに45度ヒールがおきる。普通のクルージ
ングではめったに起きないこと。
100604 175243
今のこの航海も、緑(これまで注意報、なぜか今回見たら同じ緑で警
報になった。)が出ていた。雨も予想されている。でも、これまでの
万全の準備とシングルでの実践訓練、そして自己責任で走らせてい
る。ちなみに、私は、キャビン以外は必ずライフラインを付けてい
る。
100604 175330
45度ヒールすると、何が怖いか?たとえば、当艇の包丁4本はすべて
ケースに入れ、ゴム輪で止め、その上ロックのかかる扉の内側へ入れ
てある。2重、3重のフェーエルセーブ(というんだったけ?)が掛け
てある。だから、キャビン内でじっとしている時は全く危険は無いと
いえる。
247
100604 175345
私が打ち身をしてしまうのは、炊事でコンロを使ったり、盛り付けや
食器洗いなどの作業をするから。メインテーブルのソファーの固定ロ
ックがゆるいのもまずい(修理を試みたが、モンキーで直るものでは
なかったので・・)。
100604 175419
コックピットのワッチはどうか?これも、45度傾いても問題は無い。
もともと、安定した姿勢で座っているし、間もなく来るな!という、
事前の感触も分かる。
100604 175518
何が危険か、それは、特にコックピットを出た作業。たとえば、ジブ
シートが踊ってしまい、スピンポールの下へ引っかかってしまった。
たとえば、ライフラインに固縛したはしごが、はずれそうだ。こうい
った作業をしようとして現場に行ったとき、このヒールがあると、か
なり危険。
100604 175634
だから、こういったことが起きないように、常に危険を想定し、気を
配り事前に対処しておく。それでも起きる・・が。
100604 175701
今、続けて2回45度ヒールが起きた。原因は、大波が船首を持ってい
くのと、強いウェザーヘルム。ジブが3Pで出ていて、張りすぎ。い
ま、緩めた。これで45度ヒールが減ると思う。
100604 175717
回数は減ったが、まだ、大きな切上がりがある。ジブを巻き取ること
に決定。最初に反対側のジブを少し出す。次に引いてるジブを少し緩
め、ファーラーを少し巻く。この繰り返し5、6回で、今、無事終了。
100604 175748
切り上がりはなくなったが、ヒールはある。夜に向かって、メインを
1Pから3P程度まで落とすつもり。
248
100604 175804
うねりが落ちた。徳之島の影に入った。抜けるまでに1時間弱あるが、
この間にメインのリーフにトライする。
100604 175831
メインは、追っ手のため、スプレッダーにへばり付いてびくともしな
い。30度、上へまわすつもりが下へ回してしまった。すぐに気が付い
2010/6/4
て60度上へ、ジャイブの危険性を感じたがそれほど、下へはいってな
かった。
100604 175844
胸元が開いていたので、海水が入ってきた。それ以外は順調に3Pにリ
ーフ。波が小さいこともあり、かなり安定してきた。
100604 175906
たとえば、バシッという音がしたら重大。大きな負荷が掛かってリグ
が破損することが一番怖い。八戸へ入るときのナチュラルジャイブが
それ。カムシャックルを破断し、ターンバックルを変形させた。今
は、盛プリペンダーがあるから良い。
100604 180034
よく、状況を見る。無理な力が掛かっていないか、何かの拍子に無理
が掛からないかをなどを見て、事前に対処する。
100604 180056
盛プリペンダーの固定側も、両サイドそれぞれ2本のサイドステーのベ
ースに12mmのロープを通したものに、関門海峡沖で変更した。
100604 180245
去年、2とか3Knotしか出ないヨットをこの海域一人で回航したライヤ
ンさんは、6Knotで航海計画ができるこの船を高く評価している。奄
美大島に接近して離れるまで一日以上掛かった。それが、数時間!と
さっきも昨年の航海を思い出していた。しかし、ヨット村のヨットを
この秋、再び回航する。
249
100604 180312
秋に回航するヨットは、クラシック型で、35fながら10トン以上ありそ
う。オーナは、4Knotぐらい出るのではないか?時間10L食う。などと
話していたので、今回もライヤンさん、苦労しそう。11月、北風を待
って回航する作戦のようだ。
100604 180329
琉球王国は中国との交易が盛んだった。6月に南の風に乗って中国へ渡
り、冬の北風に乗って琉球へ来たとのこと。それにしても、十六島以
後、適度に、そして強い、東よりの風。この風のおかげで、Anne5は
この数日、突っ走っている。
100604 180502
右側をA-LAINのフェリーが行く。
100604 180618
鹿児島保安の警報が流れる、12チャンネルを聞く。東、又は北東の
風が今後6時間以内に最大、30Knot(15m)に達する見込み。とのこ
と。現在時刻、17時45分。その後、沖縄保安からも同様な警報が出
る。
100604 180801
2010/6/4
今は、風は強いが、波は穏やか、波高1m程度。午後、6時08分。ナ
ウ。
100604 181041
4K以内の範囲で、雨雲がレーダーから消えた。しばし小降りの模様。
100604 181858
18時のログ。東の風7m。速度7.4Knot。波1m。徳之島の陰のせいか穏
やか。伊江島まで88マイル。9時着予定はキープできそう。20時にワ
ッチオフして、一寝入りすれば、次の2時からのワッチの時には、伊江
島まで30マイル以下の地点のはず。もう少し。
250
06041859
C Harmony 接近中。衝突コースではない。
100605 121813
午後8時にワッチオフして、食事をした後、横になったが、これまで
に経験の無い船の動きを感じて、寝れそうも無い。船の状況見て、対
処が必要と思って、再び、びしょぬれの合羽を着てコックピットに出
る。そのとき、メイン3Pのリーフだった。
100605 121906
ダブルワッチとなって、状況を考える。追い風、強風。波で頭を振っ
たあと、一瞬、追い風が、ジャイブ風になる。ジャイブになっても、
プリペンダーがあるから、致命的な障害は起きない。プリペンダーの
根元は、ステー根元の2点止めに改善したから、ターンバックルへの負
荷は無くなっている。
100605 121937
しかし、バックステーなどのリグへの負荷はかなり大きい。今、負荷
が掛かっているところは、バックとサイドステー。島影ヘ入ったら、
メインを巻き取ることにする。
100605 122001
メインを取り込んでも、スピードはあまり変わらない。もともとアビ
ームから風が後ろに回ったのだが、強風時のランニングに、セールは
要らない。「Anne5の卒業試験のようだ。」ライヤンさんが言う。
100605 122024
メインをおろして、リグへの負荷がなくなったので、22時ごろ、再び
休んだ。振動とゆれは、やはり初めて経験するものだった。
251
100605 122029
午前2時にワッチを交代した。海況は、全く変わっていなかった。朝、
7時にJASREPの時間切れとなるので、深夜、沖縄保安を呼び出して、
ポジションレポートを送る。「気をつけて航海してください。」と言
われ、「ありがとうございます。」と答える。
100605 122049
2010/6/4
波とスピードがすごいが、やることは無い。「ためツイッターをして
いた。」波が入らないように、ドジャー風上の隙間をタオルで押さ
え、PCを守った。後ろからの雨は、体でさえぎったが、その内、PCが
水をかぶる危険を感じてPCをキャビンに下ろした。
100605 122211
風は、15mは出ていなかったと思うが、Anne5は卒業試験をパスし
た。誰ががんばったかというとエンジンとオートパイロット。もちろ
ん、船体やリグにも不安は無かった。「Anne5は、すごい船だ。」と
ライヤンさんに言われて、気分も良い。
100607 072837
本島と伊江島の間は、リーフが張り出していて、今でも座礁する船が
あるそうだ。大回りになるが、まっすぐに抜ける航路を取るところ
を、ショーカットして、その上、居眠りをするのが原因。確かに、
今、ちょうど追い抜いていく、貨物船はコースを変えている。
<2010年6月5日宜野湾へ(伊江)>
100605 092953
6月5日、7時半、伊江島着艇。ライヤンさんの奥さんやご兄弟、おい
ござさん6人ほどが岸壁で出迎え。奥さんをはじめ、ほとんどが初対面
で、ご挨拶。
06070730 100607 073015
伊江島港内で甥ごさんがシャッターを切ってくれた。荒天の航海で、
完全装備。停泊中のフェリーが、ライヤンさんの手による設計で建造
され、船長を勤めたフ ェリー。右が予備機。予備船が使われる機会が
少なくなったと、寂しげのライヤンさん。
252
100605 093004
ライヤンさんは、荷物などの整理に自宅へ、私は、沖縄に接近しても
ドコモがつながらない現象の確認と対処に取り掛かる。
100605 093051
電話で、H君の指示を受けながら試していく。ドコモのユニットが悪
い可能性がある。しかし、ユニットの防水はかなりしっかり対処した
はず。などの検討から、空中高く掲げたアンテナの延長ケーブルを順
に直結していく。5mと5mの延長ケーブルのプラグを抜くと、水滴が
落ちた。
100605 093121
昨日、強い雨と強風の中、振り回されているうちに、防水テープの間
から水が入ってしまった模様。乾いた布やティッシュで水分をふき取
った上、インテリジェントケーブルを交換。これが原因。また、H君
に助けられた。昨日、仕事からの帰りが遅かった上に、朝早くのコー
ルで、のどが痛そうな声で痛々しかった。
100605 114403
伊江島を10時15分、出航。出航後、再び、ドコモ不通。まずは、キャ
ビンにこもって、宜野湾港付近までの航路を作る。暑くて、汗がぽた
ぽた海図に落ちる。コースを、ライヤンさんに説明。
100605 114410
コースの説明後、急遽、空中からアンテナをおろす。「急がない
で!」、ライヤンさんの声。航海中の作業には、注意が必要。
100605 114526
ドコモのアンテナを本来の取り付け位置である、室内壁に取り付け、
通信再開。Anne5は、出航してから、航路計画を作り、入港案内の詳
細を見る。ネットが無いと、さんご礁が多い沖縄の港は入れない。
253
100605 114722
案内を読み取って、海図と港湾案内に書き込む。計画航路を書き込ん
だ海図と、入港コースを書き込んだ港湾案内を使って、ライヤンさん
に説明。それから、GPSプロッターに、ウェイポイントとして書き込
む。これで、今日の予定航路と、入港方法が決まる。
100605 114729
今日のアプローチは、残波岬をクリアーしたら、180度で南下する。
南下の時間は1時間半。沖縄火力の煙突2本を左舷に見て、赤のNo2.ブ
イを探す。No.2からNo.4までを145度で進入する。No.5の青ブイを通
過してすぐに、95度に変針し港口の青灯標を目指す。
100605 114742
2010/6/5
例えば、95度の進入時間は、3、4分。あっという間に来るので、灯標
はすばやく探さなければならない。
100605 115001
昨日からの強風警報は、今日も続いている。残波岬へ向かっている今
の風は、風力3~4。7mの風。強くはない。
06070732 100607 073250
ホテル日航アリビラ。会社のお客さん。
100607 073344
沖縄の海岸は、リーフが多い。また浅瀬も多い。宜野湾港マリーナへ
の航路も、限定されている。航路が限定されるほど、灯標が充実する
から、逆に分かりやすい点もある。怖いのは、あせりや単純ミスによ
る、思い込み。時々吹く10m近くのブローで、コースが外れないかと
心配もする。
100607 073358
風や潮の影響があるとき、船首を目標に向けて進むと、航跡が曲線と
なる。風や潮の影響を加味して、上(風上や潮が流れてくる方向)へ
向けて置くと、航跡がまっすぐとなる。
254
100607 073427
いったい、何メートルの風に向かってAnne5は、進むことができるの
だろうか?台風のさなかフェリーを進めたことがあるとライヤンさん
に聞いたが・・。Anne5の場合、15mなら4Knot、20mなら、2Knotぐ
らいだろうか?
100607 073451
強風下では、船首を安定して風上に向けることは難しい。波などで船
首が振ったとき、側面に風圧を受けて、どうしても横を向こうとして
しまう。こういった場合は、アスタン(後進)で、船尾を風上に向け
る事が良い。ライヤンさんの話し。
100607 073529
宜野湾港マリーナへの灯標は、その右の港に入るためのものを流用し
ているようだ。従って、途中でショートカットできる。地元のヨット
だろうか、指定航路と全く異なるコースで入っていく。
100607 073651
ライヤンさんは、沖縄や周辺の島のアンカリングスポットに詳しい。
村には、整備期間中の予備フェリーがあり、その予備船を使って積極
的に他島の臨時運行や観光ツアーを引き受けたため。経済効果のため
にも、地域振興のためにも、海事普及のためにも、ライヤンさんはが
んばったと思う。
100605 144619
6月5日、14時40分、宜野湾港マリーナ到着。
<宜野湾港>
06070733 100607 073323
宜野湾港マリーナ係留。このあと、増し舫いをした。
255
100607 073727
宜野湾マリーナは、大きい。350パイもの収容能力がある。しかし
10m超えの船のバースは空いていないという。このため、仮係留桟橋
か、一番端しか使えないという。
100607 073740
台風を考えると、奥がよい、しかし、選択肢が無いので、入り口付
近、桟橋の先端に係留を決めた。台風は6、7月必ず来る。強い。との
こと。
100607 073835
宜野湾港マリーナでは、台風などの保障はしないという、誓約書にサ
インをする。台風の被害を保障するマリーナは無いと思うが、自己責
任で増しも舫いをする。
100607 073854
港の口から入るうねりが最も強く当たりそうな場所。前後を3本、ス
プリングを各2本、さらにセンタークリートに2本、合計12本の舫いを
取った。
100607 073910
珠洲市の飯田港でもやいロープが切れた。横を通る漁船の引き波で揺
られて、異常な力が掛かった。クリートの先、アルミの舷側保護のガ
ンネルの切れ目でこすったことも原因。今回は船体とのこすれ、ロー
プ同士のこすれがないように配慮した。
100607 073954
マリーナスタッフは、何度も、いつ来るかと聞く。8月まで来ないのか
と聞く。台風対策はどうするのかと聞く。どうすれば良いのか聞いて
も、答えはない。単なる脅し、責任逃れ?やれることは最大限やった
のだから・・。台風が来るからといって、沖縄へ来たとしても、手の
施しようがない。
256
100607 074548
ポンツーンでは、早速、陸電の接続をした。小樽で使ったケーブルを
改造する。接続を間違えて元のブレーカーを飛ばしたり、接続部カバ
ーのミニビスを飛ばしたり、奥まで刺さらないと困ったが、でっぱり
(フランジ)が当たっているだけと分かり、削ったり、注意力散漫で
作業が増え、苦労した。
100607 074559
沖縄ではクーラーは必須。だから、電気は真剣だったが、うまくいっ
た。
100607 074943
ハル(船体)とデッキを清水で洗った。潮が流れたデッキのチーク
は、乾燥すると塩が吹く。強く清水を当てると、泡が出るので塩をか
ぶったことが良く分かる。強い清水で流すと、ヨットは、ことのほか
すっきりする。
100607 075008
ハルに、黒い汚れが付いている。岸壁の巨大な防舷用のゴムが当たっ
たもの。着艇後、できるだけ速やかにフラットフェンダーを入れる
が、間に合わないとが多い。ライヤンさんに教わって七尾で買ったク
リームクレンザーで落とした。容易に落ちた。
100607 075028
ライヤンさんと打ち上げの食事に出るなどの話もあったが、台風対策
など作業が多く、夕方遅くにマリーナでシャワーをして、残り物で夕
食とした。たまねぎとウィンナーをオリーブオイルで炒め、塩と胡椒
で味付けした。
100607 075048
翌朝、ライヤンさんが帰途に着く前に、沖縄クルージングスポットの
情報を聞いた。沖縄のたくさんの入り江や港へフェリーで乗り入れた
ことがあるライヤンさんの話は参考になる。
257
100607 075125
台風では、フェリーを島影へ入れて台風避難をしたとのこと。当然風
向きが変わるので、そのつど、強風の中、位置を変えた。
100607 075138
名瀬の沖で避難中にアンカーを切ったことがある。そのとき、台風に
よる向かい風の中、ゆっくりと前進させ、船を安全な位置まで移動し
てもうひとつのアンカーで停めたとのこと。
100607 075148
「海が荒れたら、島影を探してアンカリングをすればよい。」ライヤ
ンさんの口癖。この口癖は、フェリーの避難経験からきた話らしい
が、この話を聞いて私がぴんと来ないのは、志摩地方は岩場が多いこ
と、真珠養殖などのいかだが多い、島が少ないことなどが原因?
100607 075205
石油ファンヒーターと洗濯ものを宅急便で名古屋へ送った。シュラフ
をクリーニングへ出した。クリーニングへ運ぶのが大変だったので、
マリーナの軽トラで運んでもらい、その足で、バス停まで、送っても
らった。
100607 075224
空港では、13時45分のプレミアムシートに空きがあると言われた。
7000円の追加料金は高い。2本の空席待ちと18時過ぎの仮予約が取れ
たが、結局最初の便にもぐりこむことができた。ANA、シニア割引
で、中部国際まで10300円。安い。
100607 075305
名護と名瀬を取り違えて記述した。名瀬で給油するのを、時々名護と
言っていた。名護のスタンドへ電話をかけて迷惑をかけてしまった。
机に向かって仕事をしているときと比べると、いささか注意力が落ち
ている。事前の航海計画策定が大切。
100607 075318
宜野湾で、何人かから電話をもらった。5歳の孫からの電話もあった。
おめでとうといわれた。見守ってもらっていてくれたのがうれしい。
258
100607 075526
三重を出て、太平洋を北上、津軽海峡を経て小樽。日本海を南下、石
川、長崎を経て、沖縄。ざっと、2500マイル、4600Km。16日間。ロ
グブックが宅急便で名古屋に届いたらしっかり集計、分析したい。石
川さんには日本記録か!といわれたが、確かに短期間で突っ走ったこ
とになる。
100607 075937
楽しかった。勉強にもなったし、たくさんの経験をした。ロープワー
クさえ再学習したほど。まだまだ学ぶことがあり、まだまだ発信した
いことがある。これからもがんばりたいし、海事普及の役に立ちた
い。
100607 080326
寄港地では、たくさんの方のお世話になった。石川さんには、とりわ
け、多くの情報をいただいた。これらのかたがたに、お礼を述べた
い。
100607 080339
JASREPで、各地の保安と通信したことも良い経験になった。
100607 080355
仕事のサポートをしてくれた会社のメンバーに、感謝すると共に。な
んといっても、マネージャーのサポートなくしては実現しなかった、
この航海を思い、深く感謝する次第。
100607 080409
中部国際空港へ向かって、飛行機が、間もなく、下降を始める。こ
の航海の反省や総括をして、8月14日からの、三重への航海に備えた
い。
100607 080418
自宅へ帰った。マネージャーは、別人のようだといった。帰宅直後に
風呂に入り体重を測ったら8K減っていた。すぐに元の体重に戻るであ
ろうが、減量の難儀を考えるとこのまま維持する挑戦も有意義?それ
と、体のあちこちにあざが残っていた。
259
100607 080556
ここまで、フォローしていただいた皆さん、ありがとうございまし
た。今後ともよろしくお願いを申し上げます。
100607 080658
今日、6月7日(月曜日)からは仕事。6月7日、午前8時7分、ナウ。
260
Memory of Ginowan
261
西之表港
100814 164218
2010年8月14日、1630、宜野湾港出港。
宜野湾
100828 060905
宜野湾港マリーナでのAnne5の係留期間は70日だった。7月、海の日
の3連休は、名古屋から出かけて渡嘉敷島へのクルージングを楽しん
だ、夏休みクルージングの下見を兼ねていた。
100828 060917
8月2日から6日までは小学生の孫2人が東京から来て、去年の志摩に続
いて臨海学級をした。7日から14日までは拓央君家族と研司君家族が
合流して沖縄を楽しんだ。
100828 060932
14日の午前中、普天間基地が見える公園へ行って、その後、東京へ帰
る両家族と分かれた。拓央家族の飛行機が17時30分に那覇空港を離陸
すると聞いていた。その時刻には那覇空港沖であろうと、出港の時考
えていた。
262
100828 060952
空港に近づくと携帯で連絡を取り合い、空港の屋上からAnne5が見え
ると言われた。
08141720 100828 061748
那覇空港沖のAnne5(拓央君のブログから借用) 。
Anne5から、孫たちの搭乗機離陸はもちろん見えたが、窓際の孫たち
も、機内からセールをあげたAnne5を見たとのことだった。
2010/8/14
08141725 100828 062224
東京メンバー帰途に。
100828 062345
宜野湾には大型艇の係留が多い。オーナーの多くは東京や大阪の人。
北に向かうより南。といった感じで沖縄に来てしまうとか。水がきれ
いで離島などのクルージングスポットが多い、それと非日常性が人気
なのだろうと思う。
100828 062352
飛行機のシニア割引も有効。日航もANAも何処へ飛んでも1万円。さ
すがにお盆のハイシーズンは12000円だったが、それにしても安い。
この費用なら、係留料が安いこともあり、沖縄に船を置いて、乗りに
来ることも十分可能。(お金持ちはシニア割引など関心なし、と思う
が・・。)
263
100828 062437
動物園や科学博物館のパスポートを持っていた。期限切れとなったの
で、科博で継続の申し込みをしようとしたら、65歳を越えたので、こ
れからは無料と言われた。65歳から、名古屋の市バス地下鉄が無料に
なり各所の入場料が割引されるが、パスポートを持つ機会を永遠に失
ったのは少し、残念。
100828 062444
マネージャーの密かな自慢は、孫といるとき、時々母親と間違えられ
ること。「暗がりだったんでしょう」と言ってみるが、電車の中で
も、まじまじ見つめられて、うそでしょうと言われる。ツイこの前も2
歳の孫と一緒にいて、間違えられていた。これ、最大の励み?私も、
悪い気はしない。
100828 062511
一度だけ、公園のボートのおじさんに、私も、孫のパパと間違えられ
た。早速、マネージャーに自慢した。後で、よく考えたら、帽子をか
ぶっていた。それ以来、町で使う帽子を探しているが見つからない。
大正や昭和の写真を見ると男全員が帽子をかぶっていた。
100828 062531
敬老パスで、地下鉄の改札を通ると、白いランプが付く。周りの人が
「お父さんのパスを使っている、と怪しまないか心配だ。」と言った
ら、マネージャーに笑われた。しかし、帽子をかぶると心配が現実に
なる!
100828 062607
敬老パスは、5千円で買わなければならない。5千円にするか低所得
で無料にするかを決めるのに所得を覗いて良いかと役所から手紙が来
た。なんと手間をかけるのだろう。全員5000円で買ってください。低
所得の人は、自分で証明してください。とすれば、経費は激減する。
264
100828 062621
那覇空港沖をすぎて、夕食の準備をした。LPガスでホットサンドイッ
チを焼いた。ただでさえ暑い中、キャビンの中での調理は汗だく。
100814 192907
糸満沖、ナウ。19時29分。
100814 221308
沖縄本島の南端、喜屋武埼をかわし、21時40分現在、本島南端に沿
って東北東に向かっている。海岸沿いが街の光で明るい。花火もみえ
る。その背後は空が明るい。那覇の町の明かりが雲を照らしているの
2010/8/14
だと思う。
100814 221326
三日月が沈んでいく。天の川が一段とはっきり、うす雲のように伸び
ている。12倍、手振れ防止機能付きの双眼鏡で見ると、無数の星やか
なり明るいたくさんの星の固まりも見える。
100814 221336
左前方にストロボライトが2個。漁具のようだが、距離があるので注視
して進む。
100814 221416
22時14分。南東の風、風力3、アビーム風で、メインセール1ポイント
リーフ。スピードは6.5Knot弱。波は1m程度で誠に順調。
100814 221449
研司君がフジツボを、拓央君が頑固な藻を除去してくれた。おかげ
で、気持ちよく艇が滑っている。フジツボは、船首と水線部分のほ
か、均等に付いていたとのことで、カッターの刃を付けた、スクレー
パーを持って、小一時間潜水してくれた。(研司君からゆうに一時間
以上!と後から訂正が入った。)
100814 221506
潜水は、コンプレッサーで空気を供給するので、水面に上がって来る
必要は無い。楽なようだが、実はかなり疲れる。写真は、ソファーの
下に装備した小型の空気圧縮機、通称コンプレッサー。
265
08142148 100814 221930
潜水用コンプレッサー。
100814 222112
最初、シュノーケルに穴を開け、ゴムボートを膨らます電動エアポン
プで横から空気を送ってみた。いろいろやっているうちにホームセン
ターで1万何がしのコンプレッサーを買い、昔持っていたブーメランと
いう潜水具の減圧弁(レギュレータ)を改造した。
08142154 100814 222224
レギュレーター。
100814 222232
誠に、快調。船底磨きはもちろん、スクリューに絡んだ藻取りや、全
長40mほどのエアーチューブがあるので、アンカリングした船から、
かなりの距離、水中散歩できる。
100814 222243
70日間、左舷を南に向けて留めていたので、左舷側水線長
に、びっしりと、強力な藻が付いてしまった。拓央君がた
わしで落としてくれたが、これも小一時間仕事であった。
相棒の文雄君共々、大いに感謝するところ。
100814 225006
パートナーが交代した。ライヤンさんは、ヨット村構想第一号のヨッ
トの整備と沖縄への回航を冬前に済ますため、今月はじめから七尾に
向うことになり、代わって弟の文雄君が今日から5日の休暇で、9日間
のお休みを取って乗ってくれることになったもの。
266
100814 225032
文雄君は、今日の午前の便で那覇入りし、14時前に、宜野湾港マリー
ナへ着いて、あわただしく航海計画を打ち合わせして、給油し、出港
したもの。「沖縄、見たいところは?」形ばかりの意向打診は、一応
したが、休みが決まっている関係もあって、あわただしく、出港する
ことになった。給油桟橋からそのまま、16時30分レッコ。
100814 225307
三重までの行程は、4日昼夜半。天候に恵まれそうなので、宜野湾か
ら伊江島方面へ戻るのではなく、沖縄本島を左回りで一周することと
し、その上で、若干の寄り道を検討した。
100814 225319
文雄君の思い出の地、与論島や、マネージャーと私の新婚旅行先であ
った沖永良部島は、深夜通過のためあきらめて、悪石島北西の対島丸
沈没現場の訪問と、高知を訪れることにした。(出発時刻をその後変
更したので、与論沖は実際には日中通過となった。)
100814 225720
対島丸は、疎開した子供たちを乗せて米軍の攻撃で沈没した船。千羽
ではないが、折鶴も持参したとのことで、通過予定時刻もよく、すん
なり決定。文雄君の夏休みはいつも、太平洋戦争に関する読書をする
とのこと。
100814 225827
高知は、今話題というより、以前から興味があった、坂本竜馬に触れ
たかったのが理由。それと、高知ヨットクラブさんのビジターアピー
ルが心地良さそうだったから。それと、志摩ヨットハーバーから今
後、出かけやすい距離と思えた。
100814 225843
当初予定の給油地が、種子島の西之表港だったのが、沖縄一周で航海
距離が伸びたため、徳之島の亀徳港を追加した。ただし、亀徳港のス
タンドがあるかを確認する必要がある。
267
100814 225906
JASREPには、宜野湾出港間際に次の連絡をした。
JASREP/SP
A/アン5/240-41190//
B/141630J//
G/宜野湾港/26.16N/127.43E//
I/高知港/33.29N/133.34E/181800J//
100814 225912
L/RL/60/26.01N/127.37E/141900J/喜屋武埼沖//
L/RL/60/29.29N/129.33E/161000J/悪石島沖//
L/RL/60/30.13N/130.39E/162200J/谷崎鼻沖//
X/亀徳港と西之表港で給油の予定。
100814 225928
Anne5は、クルーザに乗り始てから5杯目の船。文雄君は昭和49年、
最初に買った15フィートのクルーザーの共同オーナー。その時からの
パートナーで、Anne5を最もよく理解している人。ヨットを買い換え
る時、順次下取り艇になったので、共同オーナの持分が今でも残って
いることになる。
100814 225939
宜野湾港マリーナでは、小型艇のポンツーンにはたくさんの空きがあ
るが、大型艇には空きがなく、70日間バースには入れなかった。マリ
ーナ入り口近くの端に留めたので、台風が来た場合はマリーナ内で最
悪のロケーションであったが、台風の来襲もなく、幸運であった。
100814 230040
宜野湾港マリーナへの入出航航路は、リーフの間を抜けるようになっ
ている。このため、9個のブイで誘導されており、これらのブイさえ確
認していれば、安全に入出港できる。
268
100814 230055
6月に入港した時、これらのブイのひとつが流され、なくなっ
ていたが、2ヶ月の内に、さらに2個、流失と移動があった。
残った唯一の緑を見誤って、水深が2.5mを表示した時は、ちょっと緊
張した。
100814 232338
中城湾の沖側、ウフビシ沖を通過中、ナウ。このあたりまでは、街の
光が低空の雲を照らしているが、この先は、これらの光が遠ざかりそ
う。中城は、ナカグスと読む。伊江島の山も昔はグスと言ったそうだ
し、いくつかの城壁跡もグスといわれていた。
100814 232347
外は、気持ちが良い気温と風。キャビン内は、暑い。PCのある、チ
ャートテーブル頭上のハッチを空けておくと、風が入り暑さがしのげ
る。ただし、風や波によってしぶきが入るときがある。そうなるとPC
に潮がかぶり致命的。注意が必要。
100814 232356
14日23時20分。ゆれが大きくなっている。速度は、7Knot近くあり、
快調だが、波が大きくなった模様で、ねじれ的、独特のゆれが起きて
いる。PCのハードディスク保護機能は、このゆれはでは働かない。PC
不調で交換したせいかも知れない。
100814 232859
2010/8/14
文雄君とのワッチは、2時-8時が私、8時-2時が、文雄君になった
が、暑くてキャビン内では眠れそうも無いので、しばらく様子見。
時々コックピットに顔を出すが、左舷の街の光と、右舷側に漁船の光
がうっすらと見える以外は、真っ暗な海をGPSとレーダーを見て、進
んでいる。
100814 232910
イカ釣り漁船と同じような、十数隻の放つ光の筋が空に向かって伸び
ている。どんな魚をどうやって獲っているのかは知る良しもない。
269
08142312 100814 233836
頭上のハッチ。
100815 001018
北極星が見える。北緯26度近辺だから、水平線から26度、志摩で見る
よりも低い。北斗七星は見えないが、反対側にあるカシオペア座が天
の川の中にいるから間違いとの文雄君の説明。ライヤンさんの話を思
い出す。
100815 001042
左岸の街の光で低い雲が明るく光って、左舷側の高度の低い部分の星
を見ることはできない。しかし、幸い、天の川は、船尾から船首方向
にわたって、ほぼ180度見える。
100815 054419
ワッチに入る前に1時間半ほど仮眠をした。バース足元のハッチを空
けて空気を入れた。少し、過ごしやすかった。02:00からワッチに入っ
た。周辺では雲が出たりしたが、上空はきれいな星空だったので、星
の鑑賞をした。
100815 054441
何と言っても、天の川がきれい。そうでない空も星で埋め尽くされて
いるが、天の川にはびっしり星が埋まっている。流れ星も10個程度見
た。大きく、長く尾を引くものもあった。9日の夜の流星群の日だった
ら、見ごたえがあったことと思う。
270
100815 054718
文雄君が3時間の仮眠で、コックピットにあがってきたので、キャビン
に入った。暑い。05:30現在、東の空が赤みを帯びて空けてきている。
風は幾分弱くなったが、波が高く、時々大きく揺れる。GPSプロッタ
ーのスピード表示が4.7Knotまで落ちている。
100815 054835
GPSプロッターのスピード表示に対して、対水スピードは7Knotを感じ
させる体感。
海流又は、潮の関係で、対地スピードが出ていないと思われる。じっ
と我慢でしばらく走らせることになる。
100815 054917
対水スピードを測るペラが欠けていることを研司君がもぐった時に確
認してくれた。この航海では使用できなくなった。ペラだけを交換で
きることを願う。ユニット交換になると高価だから。
100815 054922
2010/8/14
沖縄東端沖での朝焼けがきれい。後30分ほどで沖縄から離れ始める。
08150536 100815 055052
沖縄東端沖の朝焼け。
100815 061630
沖縄を離れる。これから、与論島、沖永良部島の東沖を通って徳之島
へ向かう。志摩から4日半と思えば、沖縄へは又来れると思う。
08150557 100815 061754
朝日。
271
18150602 100815 062119
お世話になりました、沖縄の皆さん。
08150604 100815 062321
朝見つけた飛び魚。コックピットに飛び込んだらしい。
100815 064849
7月の3連休に沖縄を訪問して、渡嘉敷島を訪問した。三日の内中日に
低気圧が通過して大荒れとなり、渡嘉敷港で釘付けになったが、その
前後に宜野湾の周辺や無人島の情報収集ができた。
100815 064855
2010/7/17
8月の夏休みに家族が集合した。前半は、天気がぐずついた。特に台風
4号の影響が大きかった。台風の日は大荒れの中、美ら海水族館へ行っ
た。大満員だったが、ゆっくり時間が取れてよかった。渡嘉敷島行き
は、悪天候で中止となった。
100815 064905
11日に全員がAnne5に乗って、無人島のクエフへ行った。クエフ島
のリーフのすぐ横にアンカリングをして、みんなが海に入った。すご
い潮の流れで、全員、ロープをつけた。潮の流れの関係か、透明度が
格別に高く、魚影も美ら海水族館より断然多かったとみんなが感動し
た。
100815 064915
その後、潮が引いたので、セーリングカヌーで順次、全員、リーフに
送った。リーフの間を縫うセーリングは、いささか大変だったが。ク
エフ訪問(ツアー客)全員が帰ってしまっても当家の家族は、水中観
察を楽しんでいた。
272
100815 074951
子供たちが最も長く楽しんだのは、宜野湾港マリーナ内。飛び込んだ
りもぐったり、ポンツーに来る大小さまざまなきれいな魚を見たり、
セーリングカヌーに乗ったり、マリンライフを堪能した。マリーナに
隣接した「トロピカルビーチ」は幼児も遊べる安全できれいなところ
だった。
100815 080039
マリーナ堤防の外側に広がるリーフへセーリングカヌーで行き、上陸
できた。こうして、後半、短い日数となってしまったが、大いに沖縄
を堪能することができた。
100815 080956
沖縄と与論島の中間海域。スピードが上がらない。5Knotを切ってし
まう。ネットで海流を調べても逆流は無い。異常な振動も感じていな
いし、エンジン音も正常と思われる。しかし、念のためのスクリュー
などに異常がないか調べることにした。
100815 081010
こういった場合は、ヒーブツーで船を止める。ジブに裏風を受けて、
ラダーを上りに調整する。こうすることによって、強風下でも波が荒
くても、セールとラダーだけで船を停止できる。停止した船は、安定
して、ゆっくりと風下に流れる。
08150722 100815 081224
ヒーブツー 。
08150723 100815 081440
水中カメラ。
273
08150724 100815 081732
水中カメラの映像。
100815 093422
与論島通過中、ナウ。与論島に掛かる雲、人の顔だったり、動物だっ
たり。いろいろに見える。にわか雨と日よけのビニミトップ。ほつれ
が見つかって宜野湾で修理した。三枚目の写真は、インク色の海。41
年前の昨日、文雄君がこの与論島に来て、翌日の8月15日に島内を歩
いた記念すべき日。
08150918 100815 093622
与論島と雲。
08150920 100815 093859
ビミニトップ展開。
08150921 100815 094406
昔の万年筆のインクの色。
08150959 100815 101255
にらみ合う雲。どうして雲は、海面に対して平行な底をしているの
か?「海面近くは温度が高くて雲にならないから」とのこと。文雄君
談。
274
100815 101703
それにしても、本船がいない。昨日の20時に沖縄本島南端喜屋武埼を
通過してから、今まで、二隻しか本船を見かけていない。お盆休みで
いないともいえる。この前の連休中も函館港にたくさんの貨物船が停
泊していた。
100815 110625
JASREP/PR//
A/アン5/240-41190//
B/151100J//
C/沖永良部島沖/27.09N/128.40E//
100815 153638
2010/8/15
「8月15日(お盆休み)、日曜日、夕方、徳之島でタンクローリーに
よる給油が可能か?」が文雄君と話題になる。Netによると、徳之島
には10あまりのスタンドがある。数店に電話をすれど、お断り。やは
り給油は無理!仕方が無い。
100815 153659
その先の種子島までは、残量145ℓでは、きちきちで不安がある。そ
の途中のトカラ列島の島々のスタンドを当たるが、トカラ列島の島々
にはスタンドが無いことが判明。
100815 153756
これから、緊急航海計画の立案をする。とりあえず、スピードを
5Knotまで落とし、燃料節約に入る。ナウ。
100815 175043
奄美大島から、種子島まで給油できないため、奄美の名瀬で給油する
ことにし、その後、種子島の西之表で給油、高知を目指すことに決
定。名瀬までは、距離がなく、深夜に到着してしまうので、スピード
を6と5Knotを組み合わせ、明朝7時前に入港。8時給油。8時半出港と
なる予定。
275
100815 175053
名瀬のスタンドには、16日8時給油の予約を入れた。西之表のスタン
ドには、明日、TEL予約するつもり。
100815 175105
このあとの予定は、18日高知泊。19日夕刻高知発。20日夕刻那智勝浦
着。21日関係者の希望があればセーリングカヌーリーダー教室。21日
夜勝浦出港。22日早朝、志摩ヨットハーバー着。
100815 175252
コックピットは、日陰もあり、風もあるので快適。しかしキャビン内
っでは、汗だく。塩をなめながら2ℓの水分補給をした。今日は、シ
ャワーをしてパジャマで寝るつもり。
100815 200837
徳之島と奄美島の間を、低速5Knotで北上中。針路、現在0度。写真
は、食事中に撮った、徳之島の日暮れと、雲。入道雲ばかりだった沖
縄の空から、そうでない空に変わった。それにしても蛇のような雲。
雲も、じっくり見ると刻々と変化して、面白い。
08151928 100815 200949
徳之島の日暮れ。
08151929 100815 201025
徳之島北方面の雲。
100816 004930
20時にシャワーをして、21時に寝たが、暑くてよく寝れない。0時に
起きて、デッキに出る。涼しい。
276
100816 004944
8月16日午前0時。満天の星。徳之島と奄美の間を、ゆっくり抜け、
名瀬方面へ変針したポイントにいる。周りにほとんど明かりが無いた
め、満天星。写真に撮れないのが残念。
2010/8/15
100816 004958
扇風機があることに気が付いた。20年以上使っている。いや、ウルト
ラマンが付いているところを見ると、30年以上かもしれない。早速取
り出してワット数を見ると22W、直流12Vで、2A弱。これなら大きな
負荷とならない。キャビン内のチャートテーブルへ風を送ると、結構
涼しい。
100816 011443
今日から会社が始まる。私は、後5日のお休みだが、電話やメールの対
応はできる。
100816 011504
沖縄に船がある2ヶ月弱、名古屋で仕事をした。その合間に、したこ
と。スタンドアロンAISの開発、クラウド型AISの構想まとめ、蛍光管
の製造手配、航海記まとめ準備、沿海定員変更手続き、第一級海上特
殊無線技士受験準備などなど。
100816 011522
ヨットに60WのLED電球を付けて、それまでの12Vの電球一個分の電力
で60Wの電球が付いたことに感動したことは、先にツイットした。そ
の感動で、会社の照明をすべてLED化することをはじめた。
100816 011546
会社の照明は蛍光灯。蛍光管は、数年ごとの総入れ替えをしていた。
管が黒ずんだり、暗くなるから。しかし最近ちらつきが出るように
なった。この原因は管ではなく、安定器の劣化によるもの。安定器
または器具の総入れ替えが必要と思う。総入れ替えなら・・、LED照
明!!
277
100816 011553
ホームセンターでアルミサッシを買ってきて、LED蛍光管を作った。
秋葉原にも通った。名古屋大須の中国人の超熱心が印象的だった。本
も読んだ。4回試作して、様子が分かった。出来上がったのが、写真。
明るさも十分。雰囲気も良いと好評。
08160110 100816 012219
LED蛍光灯。
100816 012309
今、LED蛍光管はなぜか全国統一価格?@2万5千円。管だけを換え
れば良いのが売り。会社の蛍光管は、別館を入れると約200本。500
万円?!自作蛍光管の目標原価は、2千円以下、全部で40万円。ただ
し、電気工事が必要。
100816 012319
要らなくなった蛍光菅を割って取り出した両端の差込部品、ステンの
板、LED、抵抗それらを組み立て、半田付けして完成した。設計はオ
ームの法則を駆使。消費電力は従来の2/3~1/2。寿命も長いはず。
100816 012332
工事は、スイッチの後にDC電源を入れた。ここまでは専門家(私)が
工事(見学)した。その後は、低圧のDCだから、特別な資格は要らな
いはず。蛍光器具の配線も変えた。
100816 012340
会社の南側壁に、ソーラパネルを付けることができる。大掛かりな装
置なしで、蛍光灯の電源となるように電圧を決めた。バッテリーも用
意した。実験はこれから。
278
100816 012350
試作したLED素子は、一個100円以上した。LED照明の展示会で外国の
メーカーを当たった。そのうちの一社で、1万個で@28セント、1000
個で@32セントの見積もりを得た。
100816 012401
香港のこの会社とは、つたない日本語メールでのやり取り、メールで
受け取った仕様書も文字化けしていて多少心配だったが、七尾から長
崎への航海中に、名古屋のマネージャに送金を依頼して、1000個注文
した。
100816 012415
スーパーや工場、事務所へ行くと、膨大な数の蛍光管が使われてい
る。これを自作蛍光管に取り替えたら、すごい!!でも、これ、ビジ
ネスになるの?
100816 012427
志摩沖の洋上で、この話を聞いた文雄君の提案は、「キットで売り出
す。作れないよー、と言われたら、完成品もあるという。」なるほ
ど、キット3千円。完成品5千円なら、商品になるかもと思った。黒潮
を越えて吹く風をヨットに乗って受けると、グッドアイデアも生まれ
る。
100816 013215
昨日は、大量の汗をかいた。たくさんの水分の補給もした。昔、中東
では、ガソリンより水のほうが値段が高いと聞いていた。気が付くと
日本が正にそうなっている。ガソリン、130円/リッター。水150円/0.5
リッターペットボトル。日本では、水の値段がガソリンの2倍以上。
100816 013350
昔、親父が水道水を鉄管ビールと呼んでいた。今年の夏、孫たちにこ
の言葉を聞かせた。何でも便利な既製品を買うご時勢ではあるが、状
況によっては、氷を入れた水ダルがあっても良いと思っている。
279
100816 143839
名瀬への航海は、スローペース。朝、8時に給油なので、早く行っても
待つだけ。5Knotでトロトロ。漁船ゼロ、本船ゼロ、徳之島から出た
A-LINEのフェリーが追い抜いていっただけ。
100816 143908
ワッチの傍ら、ひたすら星座観察。何冊かある星座の本や星座速見ス
ケールを持ち出したかったが、星座は主として遠目用めがね、本は主
として近め用メガであるため、同時にはこなせないとしてあきらめ
る。
100816 143919
2010/8/15
デッキのツイッターは、ワッチ中には、行わないことにした。だから
暇で、寝不足もあって眠い。
100816 143949
沖縄の入道雲は、形がいろいろで楽しい。臨海学級で雲の名前付け自
由研究も用意していた。くもの形は、刻々と変化する。そんなことを
思いながら見た、名瀬港夜明け前の雲の写真、2枚。10分でこんなに
変わった。どちらも、何かに似ていて、名前を付けたいものだと思っ
た。
08160513 100816 144320
名瀬港入り口(1)。
08160523 100816 144500
名瀬港入り口(2)。
280
100816 144555
名瀬港で、Anee5と入れ違いに出発するフェリーA-LINE。徳之島や沖
永良部など奄美諸島や東京、阪神への航路もあるとのこと。
08160602 100816 144838
フェリー A-LINE 。
100816 144929
約束の時間にタンクローリー到着。沖縄へ向かう時に給油した会社、
有村商事の前田さん。100L給油。親切で手際よい。昨晩の節約航海も
あって、宜野湾からは、2.5L/時間の好成績。8時20分には給油を完了
して、離岸。
08160804 100816 145111
給油風景。
08160933 100816 145333
名瀬港を後に、・・・。波も無く、穏やか。
100816 145349
文雄君が海中の模様を発見、「何だろう?海のオーロラのようだ」。
言葉に魅入って思わず覗き込む。風によるさざなみが無い時、波のう
ねりがレンズとなって海中に模様を作り出している。きれいだ。ちょ
っと分かりにくいが写真を撮った。「海のオーロラ」は言いえて妙。
281
08160932 100816 145630
海のオーロラ。
100816 145650
文雄君は、コックピットで千羽鶴を折っている。対馬丸慰霊の準備。
昨日のツイットで、船の名前を間違えて書いたと言ったら、文雄君に
しかられた。(訂正ずみ。)今、悪石島、北西10Km、対馬丸沈没現
場に向かっている。
100816 145659
悪石島北西10Km、対馬丸沈没地点まで38マイル。日没直前に到着見
込み。
100816 145708
風は弱いが、うねりがありAnne5は時々大きく傾く。風見は、機走に
よる前方からの風を示している。ビミニがあるので、コックピットは
涼しげ。キャビンチャートテーブルでは、ウルトラマン扇風機が活躍
している。
100816 145720
往路、先々月、6月3日の深夜に長崎から奄美へ向かった航路を、今は
逆に航海している。今走っている付近は、当時は雨模様で強風だった
が、今日は穏やか。薦められて、慰霊用の鶴とはとの折り紙をした。
文雄君の奥さんも2つ折ったと後で聞いた。
08161313 100816 145807
鶴とはと。
282
100816 145844
前に、このあたりを走った時は、JASREPを送るのに、メールがつなが
らないのでひやひやしたことも、思い出す。前回の航海に対して、今
回はかなりの余裕感がある。やはり、たくさんの経験がそうさせてい
ると思う。
100816 145906
今日、名護で最初に着けた岸壁に作業員が何人か来て、責任者から間
もなくタンカーが入るのでどけて欲しいといわれた。給油予定と同じ
時刻の入港と聞いて、船を移動した。その時、エンジンが掛からなか
った。2、3度トライしたら掛かった。
100816 145928
長崎でも、スターター破損のとき、エンジンを停止した直後の警報音
が出ないことがあった。電圧の関係と思っていたが、やはりおかし
い。電話がつながるようになったら、マリンテックの中村さんに聞い
ておくことにする。多分、制御ボックスをばらせば、何か分かると思
う。ただ、どこでバラスか?だ。
08161503 100816 151759
宝島。
100816 153429
宝島を左舷に通過中、ナウ。この付近の島々をトカラ群島と言う。ギ
ャレーの窓から見た写真。この窓は、水面近くにあるので、船が傾く
と、水中を見ることができる。窓を閉め忘れると大量の海水が船内に
入り、悲惨なことになる。
100816 153435
2010/8/16
名瀬の岸壁へ向かう時に、携帯の電話が鳴った。取り込み中で、対応
できなかった。石川さんだった。多分、小型艇の泊地は反対側だよ!
って教えてくれようとしたのだと思った。今回は、ローリーからの給
油だけなので、産業用の岸壁を使った。
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100816 153447
石川さんのサジェッションはジャストタイミング、そして適切。今回
も、実はいろいろお世話になっている。宜野湾でも、ご紹介いただい
た方が、係留したポンツーンの隣り合わせの方で、差し入れしてい
ただいたり、電気を譲っていただいたり。私たち航海の実は影の指南
役。
100816 153526
明日の給油地、西之表でもすでに、石川さんに、手配、ご紹介を受け
ている。着岸や給油などをお世話いただく外、食堂やコンビニ、コイ
ンランドリーなど、紹介いただけると思うと、誠に心強い。
100816 155720
この日本周航をしている5月に、日本海を北上してきた石川ご夫妻
と、日本海を南下していた私たちが、石川県珠洲市の飯田港でミート
した。その時、軽油の免税券の入手方法を石川さんに、ご指南いただ
いた。
100816 155732
軽油の値段には道路税が含まれている。船は道路を使わないから道路
税を払う必要は無い。あらかじめ申請してこの免税券正しくは「軽油
取引税免税券」を取得しておくと、リッターあたり30円何がし、安
くなる仕組み。
100816 155757
この手続きが大変。でも、申請書の実物コピー(石川さんのジェニフ
ァーにはプリターもある)をいただき、名古屋のマネージャーの税務
署との交渉術もあって、誠に速やかに、この免税券を手に入れること
ができ、ハウステンボスから利用が始まった。
100816 155918
免税券の裏面には、使用するたびに、そのすべてに住所氏名を記入
し、一定期間ごとに、使用量を報告する義務があるとのこと。使用量
は何番の免税券をいつ、ドコで使ったかを記録し報告する。使った券
の番号を記録しなかったら?使わなかった券をなくしてしまったら?
など心配が続く。
284
08161551 100816 160033
10ℓと50ℓの免税券。
100816 160517
でも、この航海で、数万円の経費節減となる外、運用の意義や実態、
使用状況を知ったことは、大いに参考になった。これも、石川さんの
お世話、お勧めによるもの。お礼は、外の方に、と石川さんに言われ
ているので、そう努力している。海事普及もその一環。
100816 170542
対馬丸沈没場所まで10.7マイル、ナウ。
100816 170554
現在、2300rpmで、エンジンを回している。これまでの巡航速度
は2100rpm。回転数にほぼ関係なく、消費電流は21A、発電電流は
23A。
2010/8/16
100816 170606
エンジンルームを見た。発電系のケーブルも、アイソレータのダイオ
ードもかなりの温度であるが、焼けるほどではない。それとは別に、
ベルトの遊びが多くなったように感じられる。
100816 170618
名瀬で給油までの時間に、主要機器の消費電流を調べた。PC用イン
バータ0.2A、扇風機用インバータ4A、GPSプロッター1.6A、レーダー
6.2A、3Dソナー3A、オートパイロット(ドライブ時)、冷蔵庫4A。
レーダーが予想外に大きい。
08161747 100816 181322
悪石島。
285
100816 181338
悪石島を右舷に見る。人口77人。去年、皆既日食の中心となったこと
で話題になった島。週二便のフェリーがあるとのこと。この付近はド
コモが通じる。この先に中之島があり、そこも人口は150人程度。
100816 181350
このエリアは、ドコモの携帯やデジタル通信が通じる。両島の人口、
200人強のために、アンテナを立てたのだろうか?この海域で、今日
も貨物船2隻しか見なかったが、海上サービス用なのだろうか?国家予
算を使ったNTT・ドコモだからできた。他社がまねすることは不可能
と思われる。
100816 181434
鹿児島保安から警報が出る、ナウ。大隈海峡で根付き、長さ5m、太さ
0.5mの木が漂流している。注意するようにとのことで、詳しい位置デ
ータの発表があった。
08161821 100816 183126
巨大入道雲の襲撃。
100816 183233
突然、中距離からの爆発音、雷鳴。振り向くと、悪石島を大きな入道
雲が襲っている。レーダーによると、左後方、距離6km。当艇が、に
わかに襲われる可能性は低そう。
100816 183241
後、10分ほどで、対馬丸、慰霊海域。悪石島北東10Km 。式典の準備
も完了している模様。
100816 185019
数十の鶴と、はとの折り紙を流し、犠牲者の冥福を祈る。沖縄からの
学童生徒と一般人合計1700人余りを乗せた疎開船「対馬丸」が、米軍
2010/8/16
286
潜水艦の爆撃を受け、1944年8月22日、午後10時12分、沈没をした。
150人ほどの生存者の外は、全員が死亡した。
08161839 100816 185308
対馬丸沈没海域で。
100816 191516
変針して、平島と須諏訪之瀬島の間に向ける。左舷側の夕日。右舷と
後方は入道雲の攻撃。レーダーにも、雷雲がはっきり出ている。
100816 191531
海面が暖められて、水分一杯の空気が上昇する。上昇に伴って温度が
下がり雲となる。激しい上昇気流は電荷を持ち雷が鳴る。上昇した水
分が水滴や場合によってはヒョウとなって落ちてくる。これが夕立。
100816 191548
正に、夕立が襲ってくる。冷たい風を感じる。
08161856 100816 191717
左舷側の夕日、くもの形がいつも面白い 。
08161857 100816 191900
左舷とは全く様相が違う右舷側と後方。
08161858 100816 192543
レーダー画像。
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100816 192754
19時20分、突風風で冷たい風が吹いてきた。文雄君が雨じまいをす
る。
100816 192807
この後の航路は、明日17日朝6時ごろ、屋久島と種子島の間を通過
し、昼前に種子島の西之表、旧港に入港の見込み。種子島で、洗濯や
休憩、補給、一部観光もいれ、その後、一気に三重へ行く案も出てい
る。
100817 045145
17日、午前1時ワッチ引継ぎ。悪石島をすぎてから雷雨とうねり共に
激しかったが、その後小雨が23時ごろまで続いて、晴れた。本船は3
隻見て、一隻は交差の可能性があったので、距離2Kmで針路を譲った
とのこと。
100817 045233
それと、比較的明るい閃光を2個見たとのこと。漁具としては、島から
離れすぎている。しかし、いつも見る仕掛けや定置網ではなく、数十
キロもある刺し網のブイかもしれない。潮流などの計測設備かもしれ
ない。これら、いずれの場合も、近づかないことが肝要としたとのこ
と。
100817 045310
17日02時現在、屋久島と種子島の間の変針点まで30マイル、5時間。
11時方向にぼやけているがはっきりと光の灯台がある。15秒の閃光。
これからその右側を通過しようとする屋久島の反対側西の灯台。昼間
なら、前方に、大きな屋久島が横たわっているのが見えることと思
う。
2010/8/16
100817 045403
トカラ列島を北東方向へ横切っている。時折、20度のずれをGPSプロ
ッターが示す。津軽海峡や名瀬へのコースで経験したもと同じ、海流
の影響。部分的に強い流れがあるようだが逆潮にはなっていない。
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100817 045458
寝室に風が通るように扇風機をセットすると、何とか寝れる。しか
し、汗びっしょりの衣類がたまり、着替えも少なくなったので、種子
島でコインランドリーは必須となる。
100817 045534
頭上にはいつもの天の川。周りに明かりは無いが、周囲には雲がある
ようで星が見えない。沖縄で、日本最高レベルの透明度と豊富な魚影
を知ったわけだが、日本最高の星座を一度、見てみなくてはいけな
い。そのためには登山が必要?
100817 045633
昨日の夕方からの天候は予想外であった。穏やかなかぜで強い日差
し。ビニミトップで日陰を作り、艇のスピードで発生する風を心地よ
く感じていたのが、突然入道雲が襲ってきて、強くは無かったが突
風、雷、夕立が襲ってきた。
100817 045700
改めて天気予報を確認すると、現在も、ここ数日も、太平洋には、大
きな高気圧があってその西のヘリが、この地方にある。このため、
時々雨が降る予報となっている。
100817 045731
「まず、天気図」ライヤンさんの言葉が思い浮かぶ。この一週間は、
大荒れは無いと見ていて、馬場さんの航路気象以外は良く検討しなか
った。いつもの文雄君との航海計画立案の手法。大雨や警報が無けれ
ば出る。警報が後から出ても対処できるよう、日ごろ備える。
100817 045805
今回の航海は、日より待ちはない絶好の航海日和と思っていたが、汗
だくの衣類がたまるなど、生活支援の時間と、つかの間の休養、オマ
ケのリクレーションの必要を感じている。
289
100817 045830
17日0400のログを取る。屋久島の南15Kmを65度の針路で6.8Knot。変
針点まで2時間強。正面に明るくて一直線の街の明かりが見える、屋久
島。暗闇の中、東の空がほのかに白ずんできた。
100817 050209
船首方向に、街の明かり。閃光6秒の灯台が、この明かりの右端に見え
2010/8/16
る。一時間ほど前まで、街の明かりの中心付近へ船首が向かっていた
が、GPSの針路表示は、島の右端の本来コースを示していた。だんだ
ん島に接近するにつれてそのずれはなくなってきた。
100817 050345
左方向から右への津軽などと同じような海流があり、その影響と考え
られる。
100817 050357
涼しげな風が、時々むっとした湿気のある温かみのある風に変わる。
これが黒潮。以前、潮岬で、潮と戦った時に知った。
100817 050417
屋久島、6秒の閃光が近くに見える。近くに見えるが、GPSでは直線距
離で6.7マイル。レーダーで陸地までは、14Km。見た目と違って十分
な距離がある。
100817 052758
夜間、すべての電子機器の画面にはシャドーマスクをかけている。い
ちいち幕をめくって画面を見る。そうすることによって暗闇の目視を
確実にする。右前方に屋久島の明かりも見えてきた。
100817 052909
午前5時半、屋久島の南東2マイルを通過中、ナウ。
100817 055604
Anne5の右舷前方から上る、8月17日の太陽。雲の中に飛行機が行く
左海上の雲の中に種子島が見える。もう一枚は、反対側、左舷に、朝
日を浴びる、屋久島。
290
08170544 100817 083243
屋久島の日の出。
08170549 100817 083425
朝日を浴びる種子島。
100817 104033
JASREP/PR//
A/アン5/240-41190//
B/171035J/
C/種子島沖/30.36N/130.50E//
100817 112028
種子島の西之表港へ向かっている、12時半ごろ、接岸予定。給油と、
コインランドリーが最低の希望。
100828 064058
到着予定時刻を3時間ほど遅れて、12時過ぎ種子島の西之表港に入
る。石川さんから連絡を入れていただいた地元のIさんに、電話で、入
港の指示を受ける。「ロケット灯台」を通るように言われるが、遠く
からでは分からない。近づいて納得。鉄砲、火薬、ロケット。種子島
は、今はロケットで有名。
08171222 100828 064318
ロケット灯台。
291
100828 064349
漁船の隙間、岸壁の端にIさんが誘導してくれる。いつもは空いている
岸壁に、昨日から近隣の雑魚漁船が入り、混みあってしまったとのこ
と。漁師さんにはすでに話をしていただいてあった。微速の全進・後
進と、もやいロープによる操船で着艇完了。
08171402 100828 064653
西之表港。
100828 064924
Iさんがスタンドへの依頼もしてくれていて、即座に給油。ランドリー
や飲食店、スーパーなどを手際良く教えていただき、お仕事に戻られ
る。石川さんの話では、Iさんは、この島の港湾設備については全部分
かっておられる人とのこと。Iさんから、種子島の観光案内書もいただ
いた。
100828 064938
種子島では、ランドリーと観光、食料の補給をして、あわよくば、民
宿に泊まる考えもあったが、20日に会社のメンバーが那智でヨット研
修をしたいとの連絡があり、急遽、那智を目指すことになる。ヨット
研修実施希望日は、8月20日と、21日。
100828 065611
給油の後に、居酒屋食堂に出かけて昼食。その後でコインランドリー
に向う。コインランドリーは坂を上って2つ目の信号、500mと聞いた
ので、歩いた。暑い日差し。洗濯40分間をエアコンの効いたランドリ
ーで過ごすつもりがエアコンなし。お店の前にいすを持ち出して夕涼
みならぬ昼涼みをした。しかし、耐えられない。
292
100828 065755
ランドリーの前のスタンドでタクシーを呼んでもらう。「洗濯時間中
に観光案内。乾燥時間中に買い物に付き合ってもらいたい。第一の希
望はエアコンがある空間の確保」。×千円で話が付き、最初に案内さ
れたのは、太平洋を見渡せる高台の公園。
08171459 100828 070116
種子島観光(1)。
100828 070135
運転手さんは、時間があれば宇宙センターがお勧めと、残念がる。ロ
ケット発射の時の地響きの話や、発射が延期になった場合、報道陣が
一早く撤収するのですぐ分かる。NHKも取材に使う、取って置きの見
学場所など、話題が尽きない。
100828 070249
2番目に連れて行ってもらったのは、地元有志が作った、戦艦大和夕暉
が丘平和の塔。戦艦大和が撃沈された場所とこの地の緯度が同じで、
石碑の穴をのぞきいた先がその場所という説明があった。この運転手
さんがタクシーで案内したのは、たったの3回。種子島の隠れた名所?
08171522 100828 070459
戦艦大和慰霊碑(1)。
08171524 100828 070726
戦艦大和慰霊碑(2)。
293
100828 071400
一旦ランドリーに帰り、洗濯が終わっていたので、乾燥機に入れて、
再びタクシーに乗って、スーパーでお買い物。運転手さんには、駐車
場で待ってもらう。食料などの買出しをして、ランドリーに戻ると乾
燥終了1分前。その後、船まで送ってもらう。
100828 071424
運転手さんが携帯の待ち受け画面用にヨットの写真を撮られて、解
散。マネージャーにX円を話したら、そんな安く!!と絶句された。
294
Memory of Ginowan
295
室津港
西之表港
100828 071539
8月17日16時半、種子島西之表港出港。
100828 071552
西之表港で4時間弱、停泊した。この間、冷蔵庫がオフになっていて、
氷が解けてしまった。この暑さでは、仕方が無い。
100828 071913
冷蔵庫は、4~6Aの電気を消費する。このため、帆走中などは電源を
切ることにしている。製氷部には2リッタの氷を持ち、電源を切っても
冷気は保たれるようにした。ソーダ割の焼酎を作るときにも便利。週
末にヨットに行くときは、自宅で凍らせて、行き返りの食料搬送にも
役立たせている。
08280715 100828 072112
冷蔵庫。
296
100828 072302
エンジンを使わない帆走では、充電が出来ない。夜間の帆走では、航
海灯やオートパイロット、レーダーなど多くの機器を使うので、節電
に努めなければならないが、うっかり一晩中冷蔵庫を入れっぱなしに
してしまう。陸電かエンジンが回っていることを検知して、冷蔵庫の
電源を制御する回路を自作した。
08280721 100828 072628
自作制御回路。
100828 073024
回路を作るうえで、リレーとスイッチでORでONするかANDでONする
かを迷って、途中で回路変更した。ORの場合は、スイッチを入れて置
けば、今回の場合も冷蔵庫が動いたわけであるが、うっかり帆走中に
ONしておくと電気を消費してしまう。
100828 073052
だからANDにしたが、陸電又はエンジンが回っていて、しかもパネ
ルの冷蔵庫スイッチがONの時回る。ということは、スイッチをONに
しておいても、陸電かエンジンが回ってなければ冷蔵庫が運転されな
い、今日のようなことが起きる。ANDとOR、なんとも悩ましい。
100828 073204
冷蔵庫の容量は170L。かなりの量が入るが、間口に対して奥くが深
く、冷蔵庫の底には手が届かない。だから取り出しやすいように、袋
に入れて底に置く。それと、空間を有効利用するために、途中に棚を
作った。後は、庫内の照明ランプを扉の開閉に連動して入り切りする
ようにしたいと思っている。
297
100828 073450
会社のメンバーからきた、那智でヨットの乗せて欲しいとのメール受
け取っている。5月の連休に七尾へ来る話があったが実現しなかったこ
ともあり、受け入れを決めた。この関係で、高知への寄航が取りやめ
になった。
100828 073513
300マイル、2昼夜の原則から言うと、西之表港から那智まで一気に行
ける距離だが、沿海20マイルの関係で宮崎寄りを走らなければならな
いのと、難所の潮岬を越えなければならないこともあり、途中給油が
必要となった。
100828 073701
石川さんのお勧めは、室戸岬から15マイルほど土佐湾に入った奈半
利。奈半利のNさんに連絡を入れていただく。15マイル入るのを避け
て、室戸岬港、又はそのすぐ近くの室津港の給油を希望して、Nさん
に当たっていただくよう、電話で依頼する。
100828 073711
Nさんの知人・友人を当たっていただき、室津港で給油できるスタン
ドを紹介いただき、給油は8月19日朝、室津港に決定した。
100828 073812
高知での寄航のお願いや、取りやめの連絡に、高知ヨットクラブのK
さんには、非常に快く対応していただいたが、奈半利のNさんも同じ
高知ヨットクラブメンバー。高知ヨットクラブのかたがたにAnne5
は、今回大いにお世話になった次第。
100828 073833
種子島を離れてから、室戸岬までは一直線で向かうことができる。こ
のコースは、正に黒潮のど真ん中に乗って行く最高のコース。だが、
Anne5はこの航路には乗れない。
298
100828 073924
Anne5は、近海免許ではなく、沿海免許。だから陸地や島から20マイ
ル以上離れることはできない。このため、宮崎沖20マイル内を北上す
る必要がある。
08180607 100828 074046
宮崎沖の計画航路。
100828 074058
西之表を出て2時間あまり、17日19時ごろ、ドコモの電波が途切れ
る。この先丸一日、18日夕刻まで電波が不通となる見込み。
100828 074113
18日01時、ワッチ、早めの交代。文雄君、仮眠に入る。
100828 074155
01:30ごろ、VHFで、探査船「資源」から都井岬沖を航行中の船舶に対
する警報。6000mのワイヤーを引いて資源調査中なので、「5マイル
以内には入らないように」とのこと。緯度経度は聞き取れなかった。
100828 074310
2時過ぎに左から右に貨物船「ラッキーオーシャン」が前方を横切る。
2010/8/18
しばらくすると、「資源」から「ラッキーオーシャン」に針路を16度
に変更するように連絡。しばらくして、「資源」から、叫ぶような緊
迫した声で「デンジャー、デンジャー」とVHFで聞こえる。
100828 074353
「ラッキーオーシャン」は、ロシアなまりの面倒くさそうな声で応答
しているが、一旦クリアーになった後も、又、危険水域に向かったら
しく、3時15分ごろまでやり取りが続く。
100828 074405
右前方に明るい光を発する探査船「資源」と、警戒船らしき船が見え
る。
299
100828 074437
距離は十分あるようだが、「資源」がAnne5を認識しているだろうか
心配になる。どうも、こちらへ寄ってくる感じもする。AIS電波は発し
ていないようなので、正確にはわからない。
100828 074519
「資源」「資源」こちらは、貴艇西方のヨットアンファイブ、アンフ
ァイブ、入感ありますか?とVHFで問いかける。06チャンネルに移っ
て交信。「9マイル先を13度方向へ6.5Knotで航行している船か?」
「確認している。」との応答を受ける。
100828 074548
満天の星。順風。メイン1P、ジブ1P速度6.6Knotで快調。
100828 074650
3時20分。左前方の空が明るい。宮崎市街の明かり。ためしにドコモ
を使って見るがつながらない。30km以上離れているので、つながらな
いのが当然。つながらないのはいいのだが、電波が無いのにつなごう
とすると、ドコモのソフトが必ずロックしてしまう。その都度再立ち
上げ無ければいけなくなる。
2010/8/18
100828 074745
4時40分東の空が薄く赤みを帯びてきた。夜明けだ。宮崎県は、東を
向いた、朝日を受ける地形の県だと改めて知る。
100828 074751
穏やかな宮崎沖を航行中。針路15度、6.2Knot。宮崎の海岸に沿って北
上は後3時間20分。そこで、東へ転針する。
100828 074808
5時45分、風力3、7.3Knot朝日がまぶしい。日焼け止めを塗る。
08180541 100828 075815
宮崎沖の日の出。
300
100828 075844
6時56分。メールが飛ばないので、JASPREPを鹿児島保安へVHFで連絡
する。「ポジションレポート願います。船名アンファイブ、検査番号
240-4119、通過時刻18日06時45分、通過点宮崎沖北緯32度03分東経
131度55分、復唱します」など。
100828 075858
7時25分、風が回って、20マイル境界線に近づいたため、スターボー
ドにタック。前方に、フェリーRyukyu Expresが見える。行き先はJP
NAZとある。名瀬のことであろうが、今回からAISの行き先に略称が多
くなった感じがする。
100828 080114
しばらく走って、20マイル境界を抜ける見通しとなり、再びタックし
て東北東方向に船首を向ける。
100828 080153
08時10分、右後方から貨物船RICHLANDが衝突コースで接近。タック
で回避し、通過後再度タックしてコースに戻す。写真は、その時のAIS
とGPSプロッターの記録。プロッターの薄い緑のラインは、20マイル
の境界線。
08180751 100828 080356
AIS画面。
08180812 100828 080547
GPSプロッターの航跡記録。
301
100828 080600
足摺岬沖10マイルの通過ポイントを目指して、18日の日中は、淡々
と走った。途中でメインファーラーの操作方法を文雄君に伝授した。
Anne5独自のシステムで、コツが要る。
100828 081008
Anne5のメインセールは、マストファーラー方式。セールを使わない
ときはマストの中に巻き込む。この方式は、見た目すっきりしていて
良いが難点は、引き出しが大変なこと。よほどしっかり硬く巻き取っ
ておかないと、引き出す時に隙間にかんでしまってどうにもならなく
なる。
05081606 100828 081224
マストファーラー。
100828 081247
マストの高さは水面から17m以上。5階建てのビルの高さほどある。硬
く巻くということは、かなりのテンションをかけた状態で巻き取らな
ければならない。ウィンチ(手動)で巻き取ることはほとんど不可能。
そこで電動ウィンチを取り付けた。
100828 081318
電動ウィンチは、買うと、本体だけで50万円以上、さらに工賃が掛か
ることを考えるととても手が出ない。しかも、操作を誤って、ハリヤ
ード(セールをあげるときのワイヤー)を切ってしまった話も聞いて
いる。
302
100828 081439
いろいろ考えた結論は、漁船に付いている巻き上げ機。テンションを
かけたときだけ機能する。スイッチオンで回しておいて、軽く引け
ば、強力な巻上げができる。緩めれば、巻上げが止まる。それに似た
ものは、ウィンドラス(アンカー巻き上げ機)。小型船舶用なら4万円
でおつりが来る。
100828 081527
縦に取り付けても良いの?力はあるの?回転数は適当なの?いろいろ
調べ、悩んだが、決心してウエストマリンへ発注。現物を見て、塩ビ
の取り付けベースを作り、室内側の壁の狭いところに手を入れて、苦
労して取り付け、配線をした。
100828 081604
完璧!使う上で、コツはいるが、メイン、ジブの巻上げの他、ほとん
どのシートの巻き込みに使える。難点は、大きな音。音を除けば、こ
んな便利なものは無い。今ではAnne5の必需品。何しろ安く上げるの
がAnne5の流儀。この電動ウィンチは、大洗マリーナでも注目の的だ
った。
「その後の改善」関連情報ホームページ
http://yacht_anne5.neorex.jp/2010.html
100828 081639
写真は、左手でメインセールのフットを引き、できる限りのテンショ
ンをかけながら、右手でインチング(チョンチョン引き)する。両手
のコントロールなので、微妙に制御できる。電動ウィンチの大きな音
によって容易に過負荷が分かる利点もある。
05081614 100828 081740
インチング中。
303
100828 081754
メインファーラでの最大のトラブルは、引き出すときにセールが隙間
にかんでしまうこと。このため、セールの引き出しはウィンチを一切
使わない。ブームエンドにある、電車のつり革風ロープでやさしく、
思いっきり、体重をかけるなど、あくまでも人力で引く。こうすれ
ば、噛んでも、しばらく置けば、自然に戻る。
08280806 100828 081922
メインセール引き出し用つり革。
100828 081931
宮崎沖の日向灘と豊後水道沖は、行きかう本船も少なかった。日中、
ドコモの電波が届かないことで、文雄君も仕事の連絡が入っているの
ではないかと心配になった。予定航路の足摺岬沖10マイルでは電波が
十分届かないので、足摺岬に接近することにした。
100828 081948
室津への到着時刻がこのままいくと深夜になるので、時間調整も兼ね
ることになる。
100828 082024
19日夕刻、足摺に接近したので、電話連絡を済ませ、足摺岬の下を通
過。あいにくのもやと夕日の逆光で、灯台のホテルがある街がよく見
えなかった。
08181725 100828 084848
足摺岬接近中。
304
100828 084935
17時40分、足摺岬回航完了。この後、室津港へ向かう。
2010/8/19
08181740 100828 085048
足摺岬灯台。
100828 085059
19日18:00のログ。北緯32度44.5分、東経133度03.9分、風力1、non
セール、1200rpm(最低回転数)、速度4.9Knot。
100828 085119
室津まで63マイルを12時間かけ、朝、6時過ぎに着くように時間調
整。給油は早くても8時半。5Knot以下で、一晩走らなければならな
い。
100828 085249
沖縄からの航海は、時間調整航海が多い。日程に余裕があり、時間が
かかっても良いとすれば、省エネ運行で、一気に向かう方策もある
(沖縄への航海はそうであった)。最悪、エンジンなし、帆走だけで
船を進めることもできる。が、今回の航海は、行事日程などあり、ど
うしても、余裕の燃料をもってオンスケジュールで走らなければなら
ない。
305
100828 085324
19日午前3時、文雄君の大きな声で飛び起きる。大俵のブイが2個つな
がって横を通過した。網があるようだ。とのこと。岸から15マイル離
れており、二人で、しばらく海面を凝視したが、結局、単なる漂流ブ
イということになった。
100828 085607
2時のワッチ交代時間に目覚ましベルに気付かず寝ていた。寝不足のピ
ークだったかもしれない。後で聞いたが、「沖縄からの航海では、時
に脈絡がつながらない話をしていたので、相当寝不足だな」と文雄君
は感じていたそうだ。そのまま、ワッチ交代。
100828 085623
沖縄での行事を15日間こなしてからの出発だったから、少し疲れも残
っているのだろう。
100828 085637
04時、前方広い角度に街の明かりが見える。陸まで9マイル。約50度
に光が広がっている。
100828 085652
燃料に不安は無いが、念のために、予備タンクからメインに落とす。
実際には落とす必要は無かった。燃料ゲージのバルブが仮眠中の文雄
君のベッドの下にあり残量が確認ができなかったのと、少し疲れた判
断。落としたことによる支障は無い。
100828 085706
4時14分、JASREPをメール送信。
目的地を、高知港から勝浦港に変更した。
JASREP/DR//
A/アン5/240-41190//
B/190315J//
C/安芸市沖/33.09N/133.04E//
I/勝浦港/33.36N/135.57E//201000J//
306
100828 085727
4時37分、室津まで後7マイル。正面右に室戸岬の灯台、15秒の閃光が
明るく見える。
100828 085749
レーダーで見ると、左舷方向10マイルには、本船が多数見える。本船
航路の船。左舷側、土佐湾では、いつの間にか、数十パイの小型漁船
2010/8/19
が一斉に沖に向かっている。
100828 091032
室津港まで1マイル。52度で接近中。朝日が顔を出す。
08190547 100828 091259
室津港口。
100828 091347
6時20分、室津港着艇。狭い漁港。古い古い船たまりの外に漁港がで
きている。岸壁では釣り人が10人ほど。幾重にも囲まれた感じで、う
ねりは入ってこない。岸壁にいた2人が、親切に舫いロープを取ってく
れた。
100828 092217
室津の昔からの船たまり。この前方先に、Anne5はその昔の連絡船用
岸壁に留れた。新しいこじんまりした漁港があり、そこに、連絡船が
来ていた。
100828 092330
昨日まで、漁船が多く入っていて、岸壁は使えなかったそうである
が、昨日、そのすべてが出港したので、空いているそうだ。漁協の魚
揚げ場があり、給油のための係留可否の確認に行く。
100828 092409
舫いを取ってくれた人に、コンビニなどの場所を聞く。今回利用す
るわけではないがと断って、お風呂はあるかと聞いたが、無いので
は?・・との答えであった。
307
100828 092446
教えられたコンビニに行った。おにぎりが無かったが、後10分ほどで
来るとのことで、待った。その間、コンビニのご主人と話しをした。
大手と違って、ヤマザキは、縛りが少なく、発注も自分の裁量で決め
る。廃棄率0ではいけない、3%が目標とのことだった。
100828 092503
コンビニにいると、岸壁でコンビニの場所を教えてくれたおじさん
が、お風呂の場所を知らせに来てくれた。釣り仲間に聞いて、大田旅
館なら頼めると、わざわざ教えに来てくれた。
100828 092518
その後、文雄君は、花の写真を取ったり、25番札所の津照寺で、海上
安全祈願をしたり、漁協での金目ダイの仕分けを見るなど室津の探索
をした。
08190704 100828 093047
交通安全、海上安全のご利益ある、四国八十八箇所の25番札所、津照
寺。
09190635 100828 093432
花と瓦塀。
08190731 100828 093617
魚揚場の金目鯛の仕分け作業。
308
100828 093632
給油の前に、奈半利のNさんの訪問を受けた。Nさんはレース派。高知
のヨットの話や、室津の話を聞いた。昔、土佐藩の野中兼山という人
が、岩の上で焚き火をしてその岩を砕き、作ったのが、この室津港だ
とのこと。
100828 093642
船を着けている岸壁には、昔、Nさんが子供のころは、大阪から連絡
船が来ていたとのこと。「陸の孤島、連絡船、港が必要。」、しかし
今は道路が整備され、そういったニーズはすっかりなくなってしまっ
た。にもかかわらず、一部の自治体では、今も産業港を作り続けてい
る。
100828 093723
8時40分、給油。いつものように、予備タンク70ℓを慎重に給油し、
メインを満たす。ちょっきり100ℓ給油し、免税50ℓ券2枚を渡して支
払いをする。100ℓで8200円。かなりお得な感じがする。
08190841 100828 093946
室津港の給油。
100828 094014
種子島の西之表港から、38時間、消費燃料が100ℓとすると、2.78ℓ/
時間。低回転運行で、省エネ効果も大きい。
309
那智
室津港
100828 094031
室津港を9時20分、出港した。室津での滞在は、3時間ほどであった
が、短い滞在でも多くのふれあいや情報収集ができ、楽しいものだと
思った。
100819 100838
室戸岬回航中、ナウ。
08191010 100819 101056
室戸岬
100819 102722
北東の風、風力4、7m。ウサギが飛び始めている。クローズフォール
ド一杯で、目標方位90度を5度、下、右に落としている。エンジン回
転2200rpm。速度、6.4Knot。少し物足りない。ヒール角度は、6から
12度。
100819 103116
周辺に本船が見えない。レーダで14Km前方に本船の影があるが、目視
では見えない。ガスっている。視界は10K未満の感じ。AISでは、20マイ
ル以内に10隻、至近距離船は6マイルで、姿は見えない。
310
100819 103234
左、遠くに漁船。遠いのと小さいので、レーダーに出ず。もちろん、
危険は無い。そのほかに船影なし。
100819 103933
ワッチ中の文雄君が、携帯電話で仕事の指示?助言?
100819 104248
室戸岬を後に、それぞれのカメラで記念撮影。ラット(舵)に手をかけ
ているのはポーズ。実際にはオートパイロットが操縦している。写真
は文雄君。
08191048 100819 104631
室戸岬を後に。
100819 110043
今日9時の予想天気図(高知新聞)では、高気圧は北海道の東にあっ
て、太平洋沖は広い範囲が低気圧に覆われている。しかし、1012Hpの
低気圧で、動きも小さく、等高線の間隔も広いので、安定した風が吹
きそう。
100819 113857
馬場さんの予報では、最高12m。北東、後に東北東の風とあって、強
い向かい風となるが、航路気象予報では、黒潮に押されて、結構スピ
ードが出るとのことだった。
<航路予想図>
100819 113915
前方4キロ弱に本船。AISによると、ShoeiMaru 6分後にAnne5の左舷
0.75マイルで行き会いの見込み。AISがキャビン内のチャートテーブル
にあり、画面の確認に、いちいちキャビンに入らなければならないの
が、面倒。
100819 114013
今日は、新開発中のAISソフトのテストも実施の予定。
311
100819 114027
11時35分。クローズフォールド(風に対して45度に進む)7Knot。
風、コース、海流、天気、気分、ビニミトップの下にいて、最高!!文
雄君の弁。「波も格別高くない。この波なら、鯨が探せる」と。
100819 114040
室津を出てすぐに、ケンケンを流し始めたが、7Knotでは、スピード
がありすぎてかつおの期待は薄そう。沖縄まで、ケンケンは流さなか
った。沖縄ツアーで、かつおをゲットして食べた。新鮮で、格別おい
しかった。
100819 114054
潮岬まで、74マイル。現在速度7.4Knotだから、この調子を維持でき
ると、ちょうど10時間後、午後9時半に潮岬。目的地、勝浦へは、0時
の入港になる。西之表港や室津港へはこういった、未明や早朝入港に
なるという理由から、長時間にわたって速度を落とし、時間調整をし
た。
2010/8/19
100819 114107
いま、最高の走りで室戸岬と潮岬間の航海を満喫している、この状態
で、三度目の速度調整をする気には到底なれない。初めての入港にな
るが、勝浦港へ入れて温泉に入ろう。私の意見。慣れている那智港へ
入れて、仮眠してから、勝浦港へ行こう。文雄君の意見。
100819 114116
結局、文雄君意見に決定。要は、どちらにしても、最高の走りで、突
っ走ろうということ。
100819 115430
ビミニトップはアルミパイプフレームで、見たとこ華奢だが、結構、
強風にも耐える。今も前方から見かけ上10m以上の風を受けている
が、大丈夫。ただ、シート前部が上から、後部が下から吹き上げられ
ているのが興味深い。
312
08191207 100819 120735
ビミニトップへの上下風圧。
100819 123624
本船が見当たらない。交通の要所だからもっと込み合っているかと思
っていた。視界が悪いからではなく、レーダーにも、AISにも、多くは
表示されない。10マイル以内に本船はいない。20マイル以内に数隻。
100819 123638
室戸岬の灯台から12マイル離れた。そろそろネットが切れるかもしれ
ない。
100819 123810
室戸から18マイル離れた。至近距離に本船3隻。車両運搬船が前方を
横切って右舷を通過する。
08191241 100819 124104
まじかを横切った、車両運搬船。
100819 124426
すれ違った車両運搬船が、あっという間に見えなくなる。4Km後方で
見えない。当艇7Knot、相手船20Knot 、合わせて27Knotとすると、5
分で現れ、5分で消えることになる。
100828 095817
風は、北東。針路は90度で、クローズフォールド。良い走りをしてい
る。ラットの前の計器は、方位を知るコンパスのほか、風の向き、見
かけと真の風の強さ、DC電圧、深度、対水スピードなどが表示されて
いる。
313
08191051 100828 100413
方位90度。
100828 100421
視界が悪い。「どうして、もやっているのか?」「黒潮の中にいるか
ら! 水温が高いと、水蒸気として蒸発する。だから、視界が悪くな
るのだろう。」文雄君見解。
100828 100446
風が強くなり、うねりも大きくなった。山口県の沖でビデオ撮影をし
たが、関連データのセーブをしなかった理由で、再生はできないらし
い。そこでリベンジ。45分間の動画撮影を設定した。癒しに使うとい
うと、「これを見て、酔う人がいるよ。」と文雄君。
08191315 100828 100658
動画撮影準備中。
100828 102023
風が北東から東にシフトした。90度だった針路が、現在は112度方向
に変わっている。風上に向かう最小の角度。この先、タックでほぼ90
度左へ方向を変え、ジグザグのコースを取って、前進する。セールな
しで風の抵抗に逆らって進めるか、風の力でスピードを速めてジグザ
グコースを取るのかは、迷うところ。
2010/8/19
314
100828 102032
左後方4Kmに本船。うっすらと姿が見える。風が強くなって視界が少
し開けた。AISによると、この船は離れつつある。右後方10マイルに
いる2隻のうち、名古屋へ向かっているKEN MEIが、50分後(14時半過
ぎ)に接近しそう。
100828 102446
沖縄に船がある2ヶ月弱、名古屋で仕事をした。その合間に、したこ
と。AISの開発、AIS特許申請、蛍光管の製造手配、電子ブック準備、
沿海定員変更手続き、第一級海上特殊無線技士受験申請などなど。
100828 102507
日本周航をして、AISが最も有効な航海機器のひとつであることを認識
した。6分後までの予想航跡表示でかなり正確に衝突予想ができる。最
近、小型船舶に急速に普及する国際VHFの利用にも有効と思った。
100828 102518
ただし、国際VHFの利用は、マリーナや仲間同士の通信を主とし、本
船との交信は、緊急時を除いて控えるべきと、私は思うが、一方で、
緊急時に船名で呼びかけできる安心感は、何ものにも代えがたいもの
がある。
100828 102537
AISを小型船舶に搭載する方法は、現在二つ。その一つは、数十万円の
専用機を購入する(VHFのAISオマケ機能で安いものもある)。他の一
つはパソコンで構成する。Anne5は、現在後者の方式だが、ヨットで
航海中、パソコンの相手をすることは容易ではない。誰でもできるわ
けでは
100828 102626
小型船舶向けに、安価で頑強、簡単操作で電気を食わない機器を実現
する方式を考え、①PCの専用機化と、②メンテ。運用サポート体制の
実現があれば、パソコンで実用になると考え、師匠の岩田さんの同意
を得た。
315
100828 102725
会社に、来年4月入社予定のインターンK君がいる。プログラミング
の経験はないが優秀で熱心。「優秀な人はプログラミングを一週間で
マスターできる」が私の持論。勤務日の1日/週をアンダーザテーブル
JOB。海事普及プロジェクトとして取り組むことで役員の承認を取っ
た。
100828 102937
本船(貨物船など、レジャーや釣り船以外の総称)が発信するAIS無線
信号の受信は、アマチャ無線機をやめて、1万円強の専用受信機として
アメリカの商社から購入した。GPS受信アンテナは通販で買い、専用
パソコンは、小型で、電気の食わないものを選んで、K君に支給し、
開発に着手した。
100828 103011
本船が発信するAIS信号を日本周辺にたくさんのアンテナを立て、すべ
て受信してデータベースを構築、サービス提供している会社の話を聞
いた。私が勤める会社の仕事は、クラウドコンピューティング。こう
いった方式は、正に、当社にピッタリ。
100828 103038
このAISデータベースサービスシステムと、アンダーザテーブルJOBの
AIS開発プロジェクトのコラボレーションをイメージした機能を企画・
設計し、東京の弁理士さんに検討を依頼した。ちなみに、アンダーザ
テーブルという言葉は、東芝さんが最初に使った言葉であったと記憶
している。
100828 103143
K君の開発は困難を極めた!というほどではなかったが難航した。大
学の図書館へ行って緯度経度の平面への展開方法を調べ、土日も会社
へ来た。現代のプログラマーが難航するのは、「原理原則が使えない
から・・」、私の素人考え。
316
100828 103151
昔は機械語、アセンブラーだった。コンピューターチップに直接命令
をするので、シンプルで分かり易かった。工夫をすればどんどん性能
を高めることができた。それが今では、ビルゲーツ君の手のひらの上
で右往左往。高級言語で、中身がどうなっているかはビル君しか、い
や、ビルゲーツ君も知らない。
100828 103216
「やってみて、ダメなら別の手を考える、うまくいったらそれでよ
し」。この技術を習得し、コツがつかめたのがプログラマーとすれ
ば、これは本当のプログラマーではなく、お試し屋さん。世の中、ビ
ルの手のひらの上で右往左往する高度お試し屋さんが一杯ではないか
と、私は思う。
100828 103231
その点、当社は違う。プレイステーションの作品番号9番は当社の製
品。PS発売前にゲームソフトを完成させたのは、ライブラリーに依存
せず、ハードのレベルまで深入りしたソフト開発の成果。「ハードに
迫る!」これが当社のDNA。
100828 103548
当社が発売したゲームソフトは、開発資金が続かず、エンターテイメ
ント性に課題が残った。開発した健児君には今でも、申し訳なく思っ
ている。開発をスタートさせたのが、5月。発売は翌年1月(PSの発売
は12月3日)。大学時代アルバイトで来ていて4月に入社した直後の健
児君の初仕事。
100828 103601
「次期データベースの更新では、オラクルのコアだけで良い、周辺の
アプリは要らない」健児君の弁。DNAは、今でも健在。独自のデータ
構造や独自開発のオンメモリーデータベース構造などが、当社の製品
「バイバイ タイムカード」の信頼性と高速レスポンスを実現してい
る。
317
100828 105213
K君は、ぎりぎりで独自のAISソフトを完成させた。GPSの取り込み、
AIS電波信号の取り込み、自船と周囲船のレーダーモード表示。問題な
く動いている。自船の進行方位の算出表示や他船の航跡が出ないなど
未完成であるが、それらは、操作性の改善を含めて、時間をかければ
できる
100828 105244
開発は、未知のことが多くて大変だったと思うし、会社の技術者が支
援したと思う。本人にも良い経験になったとも思う。このAISは、引き
続き、機能の検討をして、完成にもって行きたいと思っている。
08191053 100828 105301
K君作のAISソフト。
100828 113917
19日、潮岬向けの航海は、沿海20マイルの関係でタックを入れた。潮
岬へ直接向かうとわずかだが、沿海20マイルを超えてしまうのと、風
上となってのぼり切れない理由とが、重なった。
2010/8/19
100828 114629
文雄君が動画を撮ってくれた。カメラが防水ではないので、この辺が
限界。これ以降は、しぶきがかかり、カメラが壊れてしまいそう。
318
100828 114653
14時ごろまでは、波はあったが、しぶきをかぶるほどではなかった。
しかしその後、だんだん、風が強まり、波が大きくなった。夕方5時ご
ろには、風速10m、波も、時々4mを越える大波が出るようになった。
100828 114800
こうなると、キャビン(室内)とドジャー(キャビン入り口のしぶき
よけカバー)の内側以外はどこにいても波をかぶる。船首は、波に突
っ込み、大量の海水がデッキの前部を流れる。海水は後部までは来な
いが、相当の勢いがある。
100828 114830
後で分かったのだが、アクアミューズの下に入れておいたマットフェ
ンダーなども大きく押し流されて移動していたし、アンカーウェルの
前部の隙間から大量の海水がよほど勢い良く入ったらしくて内部の別
のマットフェンダーも波で変形をしていた。
100828 114840
あの力で、アクアミューズがずれたり外れたら、大事故につながった
かもしれないが、幸い、車などに使う、ラチェット式の個縛ロープを
使ってしっかり固定していたので、大事には至らなかった。
100828 114859
船内の点検をしたところ、シャワールームの空気口から、海水が流れ
込んでいた。急いで、空気穴をタオルを詰めてふさぎ、排水用電動ポ
ンプで排水をした。
100828 114911
バウバースの物置は、天井のハッチに取り付けられたソーラー換気扇
のふたが締めてなかったのでジャージャーと海水が流入していた。
又、ハッチの回りからも水漏れがあり、ブルーシートをかけた。
100828 114921
後で調べたら、ハッチにアクアミューズのシートが挟まって、隙間が
あったことが分かったが、もしその時分かったとしても手の施しよう
が無く、荒天準備の甘さを反省した。
319
100828 114935
この先の潮岬越えで、この強風とさらに三角波、そして夜間を思う
と、黒潮の反流があったとしても、潮岬の陰に入るべきだと、文雄君
と相談して、タックして周参見方面へ船を向け、夜を迎えた。
08220934 100828 115135
室戸岬~潮岬への航跡。
100828 115207
紀伊半島の西に入って、東の風と波がさえぎられ、収まったのは、予
想とおりであったが、大阪方面への本船航路と交差し、いくつもの本
船を避けてコースを選んだ。
100828 115226
岸に5マイルほど接近してから潮岬へ向かった。本船航路の真っ只中
で、潮岬では、2つの変針点、ウェイポイント58と同59の通過を計画
した。写真は計画したウェイポイントと、実際の航跡。
08220935 100828 115315
潮岬回航航跡。
100828 115602
潮岬は、関西、中部、首都圏を結ぶすべての船舶が通過する交通の要
所。昼夜本当にたくさんの本船が集中してくる。
100828 115613
19日21時50分。タンカーKimitetsu Maruが正面2マイルに接近。Anne5
は、2マイル前、レーダで4Kmの位置で回避動作に入ることを原則と
2010/8/19
しているため、右に20度振る。その時、同時に相手船も左に振った感
じを検知。あわてて、VHFのマイクを取る。
320
100828 115629
Kimitetsu Maru、Kimitetsu Maru、こちらはヨットアン5、ヨットアン
5、応答願います。と呼びかけ、06チャンネルに偏波(切り替え)し
て交信。
100828 115648
「当艇は貴艇の真正面、2マイルにいるヨットです。どちらに振った
ら良いでしょう?」相手船から、「本船は右に回避します。ポートツ
ーポートで願います。」「ポートツーポート了解しました。さような
ら。」ポートは左。お互い、左に見て行きかいましょうという意味。
ちなみに右に見る場合は、「スターボーツースターボー」。
100828 120138
次々と本船が接近してくる。100mほどしか離れていない横を追い抜い
ていく船もある。輻輳する航路を行く場合も、接近しそうな場合も、
大原則は、「針路維持」明確な避航動作を取る時以外は、現状維持。
そうしないと、本船側も判断ができなくなる。
100828 120227
潮岬二つ目の曲がり角。4隻の本船が並んで左斜め前方から進入してく
る。Anne5はその進入してくる方位へ変針しなければならない。ちょ
うど2ハイ2ハイの間が少し広がった瞬間を見て、即座に転舵して、そ
の間に入り、うまくすり抜けることができた。
100828 120416
2010/8/19
Anne5、黒潮に乗って7.2Knotで快走する右前方に、数隻の込み合いグ
ループ。その中の斜めに突っ込んでくるHanⅡが衝突コース。外国船
でもあり、早めに左へ回避。
100828 120429
0時39分。ASTERIXが接近、早めの回避。名前は外国風だったが、AIS
で見ると日本船籍。
100828 120444
1時20分。Asahi Maru No,28と回避交信。「ポートツーポート」の指示
を受け、対応。「ご安航を祈ります」との言葉を受ける。
321
100828 120504
AISの威力は抜群。昨年、御前崎を夜間レーダーだけで緊張して通過し
たことが懐かしく、思える。
100828 120530
これらのAISの状況を丹念に撮影、記録したのだが、宮崎沖から那智ま
での写真を操作間違いで全部ロストしてしまったことが、返す返す残
念。この間の写真は、プロッターの写真を除いて、すべて文雄君の写
真を使わせてもらっている。
100828 120554
潮岬回航時は比較的風が落ちたので、良かったが、うねりや風が強い
と、ヨットの船首が振れ回り、相手船から、こちらの動向が見えにく
いと思う、そうした状態では、通信によってよほどはっきり通告をし
ないと危険ではないかと思えた。
100828 120616
本船のラッシュ状態から抜け、一息ついた時、エンジンから異音。明
らかに何かスクリューに絡んだものと思われた。近くに本船は無い
が、夜間、風が落ちたといっても外洋のうねりは大きく、「ここでの
点検や引っかかったものを取り除かなければならない!?」、一瞬、
緊張が走る。
2010/8/19
100828 120707
ヒーブツーで停船する。停泊灯を点け、闇夜の中、十六島港でやった
ように、はしごを船べりに下ろし固定し、水中カメラで確認しなが
ら、竹ざおの先につけたカマで、取り除く。ダメな場合は潜水。コン
プレサーがあり海水温も高いが、補助ロープをよほどしっかり船体に
巻き付けよう・・・・。
100828 120719
いろいろな場面が次々に頭に浮かぶ。が、まずは、その前に、操船
で、引っかかった異物を外す試みをする。
322
100828 120730
クラッチをニュートラルにし、船を止め、潮の流れに任して船を流
す。ゆっくりアスターンに入れて、逆回転させる。そして再び、ニュ
ートラルにして船を流す。一回強くアスターンで回し、そろそろ前
進をする。これらの操作の後、ためしに回転を上げてみると、異音
は・・・無い!!!
100828 120802
漂流物に当たったり、異物を巻き込むことを防ぐことは、昼間もなか
なか難しいが夜間、暗闇では、まず不可能。運を天に任せ、岸から一
定の距離(当艇の場合は3マイル)離して走る以外に手立てはない。そ
れにしても良かった、幸運だった。
100828 120810
後、1時間半程度で、那智フィッシャリーナへ入港できる見込み。
100828 120820
20年ぐらい前、常滑沖で強風となり、セールなしでも、大きくヒール
した。そこで常滑の釣り船の溜まり場へ緊急避難したのだが、地元の
漁師に、怖い顔で、出て行けといわれた。何とか頼んで居座った。当
時は、漁業者の鼻息も権利意識も高かった、が、今では、すっかり様
変わりした。
100828 120831
漁港は、第一次、第二次と整備がされ、一部の漁港では、その周りに
多目的岸壁が設置されるなど、休み無き継続公共投資によって、正に
見違えるような港湾となっている一方、老齢化で専業の漁師は激減し
ていて、この2つの理由によって、レジャーボートへの視線は、大いに
変わった。
100828 120843
良く行く三重県のN港では、2重、3重の突堤に囲まれ、立派な専用の
市場も持つ漁港となっているが、聞けば、専業または釣り船兼業の漁
業従事者は30人とのこと。一人当たり何億円いや、何十億円の投資が
行われているかを考えると心が暗くなる。
323
100828 120858
その上、多目的岸壁では、テトラポットの製造が行われている。テト
ラポットは、日本特有のものではないかと思うが、この製造は、護岸
保護の手法として、継続した予算によって、限りなく続けられている
のであろうし、終わることは無いものと思われ、かくして日本の景観
となっている。
100828 120910
漁業組合や地元自治体がレジャーボート向けのマリーナ経営に乗り出
すケースが増えた。フィシャリーナという。漁港に隣接した多目的岸
壁の一角などに桟橋を設置して、レジャーボートを預かる事業だ。
漁業従事者の減少と河川の不法係留問題の解決方法の位置づけもあっ
て、今後、大いに増える傾向にある。
100828 121045
小規模のマリーナでは、人手を掛けるほど収益が出ないので、土日に
料金を徴収できず、無料となってしまうケースがある。那智フィッシ
ャリーナをこれまで4回訪問した内、3回は無料となってしまったの
で、この3回分のお礼と、フィッシャリーナのお役に立てば思い、町お
こし賛助寄付の申し出をした。
100828 121233
那智勝浦町では、この、ふるさと納税制度が始まったばかりだったよ
うで、ふるさと納税第一号となり地元の新聞記事となった。
100828 121251
漁船や釣り船の船底はそう深くない。従って、漁港によってはヨット
が入れない場合がある。新鹿港に以前停泊しとき、深夜、キールが海
底にタッチし始めて、あわてて離岸したことがあった。沖に出してア
ンカリングしたが、砂地で効きが悪く一晩休めなかった。以来、アン
カーに不信感が根付いた。
100828 121306
午前2時半、那智フィッシャリーナがある、天満湾にアプローチ。
324
100828 121535
那智フィッシャリーナには、入り口が二つある。常識的に手前が深い
と思い、進入する。最初Anne5も手前の入り口から進入したが、「奥
の口、陸に近いほうから入らないと座礁する。」、と注意された。た
またま潮が高く、座礁しなかったらしい。その時を機に、3D前方ソナ
ーを装備した。
100828 122008
これまで座礁したのは5ハイのヨット(実際にはもっとあると思う)、
近所の人の話。最近も、バリバリの新艇が座礁して、キールを突き刺
し、抜くことができず、結局キールを破損して、造船所へ送り返すこ
とになったそうだ。
100828 122055
せめて、港外入り口付近に、水深1.5mなどの表示をするべきと思う
が、自己責任の観点から言うと、ヨット乗りは、「マリーナの多く
は、ヨットが入れない」と認識しなければならなない。そういえば、
2mを越えるキールのヨットは入れないというマリーナがこれまでもた
くさんあった。
JASREP/DR//
A/アン5/240-41190//
B/190315J//
C/安芸市沖/33.09N/133.04E//
I/勝浦港/33.36N/135.57E//201000J//
JASREP/DR//
A/アン5/240-41190//
I/那智フィッシャリーナ/33.38N/135.56E//200330J//
JASREP/FR//
A/アン5/240-41190//
K/那智フィッシャリーナ/33.38N/135.56E//200330J//
325
100820 083757
那智フィッシャリーナ、ナウ。午前3時半に着艇した。睡眠不足で、
シャワーをしてすぐに寝て、今起きた。今日と明日の予定をこなし、
22日早朝、志摩ヨットハーバーへ帰ることになる。貯めツイットは、
しばらく、後になる。
100828 122206
8月20日、見慣れた那智フィッシャリーナの朝。朝食に塩ラーメンを
食べた。残ったキャベツをいれた文雄君作。異様に塩辛い。お湯で薄
めたがそれでも塩辛さは取れなかった。こんなラーメンが市場で通用
するとは思えなかった。
100828 122410
食後に、水処理専門家の文雄君が、蛇口のお湯が塩辛いことに気が付
いた。いろいろ調べてみると、前部にある、清水タンクの水が塩辛い
ことが分かった。いろいろなケースを検討した。
100828 122421
検討した結果わかったことは、タンクに給水する時、あふれた水を吐
き出す口が、船体前部についている。潮岬へ向かう途中、バウが波に
深く突っ込み続けた結果、空気抜きを兼用したその穴から、海水が清
水タンクに入ってしまったものと分かった。
100828 122436
一旦水をすべて排出したうえで、しばらく清水の補給と排出を続けて
良しとした。
100828 122444
デッキに固縛したアクアミューズも少しずれたが、その下に置いたマ
ットフェダーやアクアミューズの装備品もデッキを洗う強い流れの海
水に押されて場所が変わったり、ロープの先がほつれたりした。
08211749 100828 122759
全損したフェンダーホルダーとねじれきったロープ
326
100828 122907
Anne5は、4本のフェンダーを船首のパルピット(落下防止用のステ
ンパイプ製保護柵)に取り付けている。このフェンダーホルダーが、
強力な波と海水で、全損破壊された。スターボで荒れた海を走ったの
で、左舷側のフェンダーの損傷がひどかった。
100828 122916
又、フェンダーが波で回転して、ロープがねじれきっていたのには、
驚いた。
100828 122930
仲間から、フェンダーホルダーの取り付け位置が不適だ、との指摘は
受けていたが、潮岬の波にはやはり、勝てなかった。
100828 123032
しかし、私は、このスタイルが好き。再度購入、又は製作して取り付
けるつもり。しかし、良く考えると、4本のフェンダーが必要か?ホー
ムポートでは、ポンツーンにフェンダーがあれば良いものだし、出先
では、涙型の大型フェンダーを使う。マットフェンダーもある。
100828 123127
では、通常フェンダーは、何故持つのか?ロッカーにしまうのも大
変。空気を抜いておいて、使うとき、空気を入れる?新たな検討テー
マとなった。
100828 123237
今日、社員の人の訪問を受ける。
この十数年、ヨットは個人の趣味として、会社とは、全く関係なく、
乗ってきた。今回の周航のツイッターやAPRSが、メンバーに知られ、
メンバーの関心を持つところになった。メンバーの中にはアウトドア
派もいて是非見たいとの要請となった。
327
100828 123609
那智までは、電車で4時間以上掛かる。「来るなら、金曜を休暇にし
ないと、翌週の仕事に支障が出る。私は、会長。この言葉は、会長公
認休暇と受け止められたようで、品質管理担当の佐原君と山下君の2人
が、今日金曜日の昼、来訪となった。
100828 123618
アウトドア派の佐原君は、10時前にポンツーンに現れた。尾鷲で電車
を降りて、100Kmを自転車で来たと言う。それも、私が55年前にバス
が、頂上で10分間の休憩をしなければならなかった矢ノ川(やのこ)
峠を越えてである。途中でサルにも会ったそうだ。
100828 123833
那智フィッシャリーナから、車で35分のところに社員がいる。サテラ
イトオフィス(自宅)勤務者、畠山君。結婚を機に嫁さんの住むこの
地に移住して仕事を続けたいとの要請で始まりすでに6年。Webカメ
ラやスカイプを活用している。
100828 123852
畠山君は、金曜勤務を終わってすぐに、マリーナに来て、夜の部から
合流するとの話であったが、マネージャーが、もっと早く切り上げて
参加するように薦めて、5時上がりになった。私、会長は、「倍返し」
と言っておいた。1時間の早退を2時間のサービス残業で返すという意
味。意味、わかったか?
100828 123901
名古屋からの2名を乗せて、勝浦の景勝地をクルージングした。紀伊松
島といわれるように見応えのある景観もあった。夜は勝浦の「桂城」
でマグロを堪能した。
100828 123934
8月21日、朝7時に集合。会長お手製のパン料理を振舞う。お世辞と思
うが好評。食後、セーリングカヌー2ハイを下ろしてトレーニング開
始。コーチは、私と文雄君。文雄君はディンギータイプは昔、鳴海の
池で貸しヨットの乗って以来かと思うが、問題は無い。
328
100828 123939
最初はアビームで舵の感覚。次に、同じくアビームでメインシートを
持って、セールの感覚を習得。続いて、舵を切りっぱなし固定にし
て、タック、ジャイブを切り返すセールトリム練習。これは、私の考
えた練習方法。
100828 124011
練習を1時間2クール終わった時点で、卒業。昼食前には、訓練生によ
るレースもこなせるようになる。練習中、2度ほど、岸壁に吹き寄せら
れたが、パドルで脱出成功。後は、チン起しをマスターすれば一人前
になると思う。予想外に習得力旺盛。
100828 124024
午後からは、畠山君の奥さんと子供さん3名が合流、アクアミューズや
船周辺の水遊びを楽しむ。
08211333 100828 124833
子供たち。
100828 125229
那智では、文雄君にお世話になった。コーチやお昼の焼きそば作りな
どだけではなく、趣旨を理解し、積極的な企画提案もあり、参加者全
員が満足してくれたのは、文雄君の力に負うところ絶大だった。文雄
君に感謝。
329
志摩
那智
100828 133601
21日21時、那智フィッシャリーナ離岸。月は半月を過ぎて明るい。何
回も来訪しているが、毎回、このマリーナからの出港は夜間となる。
日曜日のお昼ごろ志摩のハーバーに帰るためには、0時などの出港とな
る。
100828 133712
この那智フィッシャリーンは、Anne5にとって、最も気に入ったマリ
ーナの一つ。今回の寄航で又その認識を深めた。
100828 134102
係留料が比較的安価、すぐそばにJRの駅があり、駅舎に隣接して温泉
がある。水がきれいな海水浴場に隣接していて、今回はできなかった
が、海水浴場の前にアンカリングしてアクアミューズを降ろし、海岸
に上陸するなど遊べる。名古屋から特急と高速バスが来ている。
100828 134111
那智フィッシャリーナ港内では、アクアミューズの練習もでき、釣り
もでき、泳ぎも出来る
330
100828 134121
那智駅から電車で2駅、タクシー15分で勝浦へいける。生マグロの水
揚げ日本一とかで、おいしいマグロを食べることができる。勝浦へ、
ヨットで出かけても、一時間の航海。係留場所もあり散策もできる。
100828 134131
今回の寄航のように、ゲスト向けにも良い。勝浦でピックアップし
て、那智へクルージング。夜は、再び勝浦へ繰り出す。翌日は、朝か
ら那智港内でアクアミューズに挑戦して、港外に出ていける。
100828 134146
那智フィッシャリーナがある天満湾を出ると、後は五ヶ所湾口まで、
一本。本船航路からは5マイル以上離れている。AISで見ると今日も、
本船航路は込み合っている。
100828 134155
左舷に漁船。赤の全周燈。漁労中を示す。明るい集魚灯を付け、作業
中。左舷800m離して針路を守る。
100828 134213
風は、1、2m。うねりで船がゆれ、風見は、くるくる回っている。も
ちろんセールは使えない。現在8月21日午後10時半。五ヶ所湾口まで
46マイル、6.2Knot。
100828 134222
前方に大型の貨物船。AISで見ると停船している様子。深さは100m以
上ある海域なのでアンカリングは考えられない。マスト灯の下に2個、
赤の全周燈。運転不自由船。
100828 134302
明るいサーチライトがデッキを照らして、その他のライトも点いたり
消えたりしている。香港船籍の名古屋向け貨物船だが、何らかのトラ
ブル?
100828 134328
コースや速度が一定しない。Anne5が通り過ぎてしばらくして、
12Knotのスピードで本船航路、名古屋方面へ走り出した。航海灯は正
2010/8/21
常点灯なので、トラブルが解消したのであろう。
331
100828 134345
ガスが掛かってきた、後方の雲も厚くなっている感じ。目的地南伊勢
町の天気予報は、午前九時に小雨、その他は晴れで風は1mとある。あ
と9時間で、楽しかった、実に楽しかったこの航海も終わる。
100828 134355
尾鷲沖、かすんでいるので遠くまでは見通せないが50以上の漁火が、
見える。昼光色の光を出して集魚しているようだが一部の漁船は、水
中で光を出しているようで、船の周辺の海水がコバルト色に光ってい
る。
100828 134439
この航海のスタートから、ツイッターで発信した。たくさんの方のフ
ォローをいただいたが、読み返してみると、ぐちゃぐちゃ感があっ
た。回線がつながらない海域があり、後でアップするので、時系列
が、順不同になってしまっているのが原因。
100828 134510
沖縄に係留していた間に、ツイッターの順を整理した。twitpicによる
写真のアップも、通信不良と重なって、半分以上が、アップはできた
がツイッターとリンクできなかった。何度もアップしたので、これら
の混乱も、順不同に加えて分かりづらいものになってしまっていた。
100828 135419
ネットで、杉並のeブックランド社を見つけ、社長の横山さんに会っ
た。電子ブック製作とポータルサイトへのアップができるとのことだ
ったので、ツイッターの内容を整理してeブックにまとめることにし
た。
100828 135427
eブックとしてネットに上げておけば、関心がある方やフォロアーの
方々に、整理した状態で読んでいただけると思った。自主開発を進め
るであろうAISソフトが完成して、ダウンロードが出来、お試しで使っ
ていただけることも目指したい。
332
100828 135513
eブックは、アマゾンのキンドルやiPadなど、話題になっている。横
山さんの、「いずれの方式もPDFからの変換ができる。」の説に従っ
て、PDFとし、担当していただく編集者にもお会いした。孫6人に将来
持ってもらうためと、親しい関係者のために10冊程度の製本もするつ
もり。
100828 135522
eブックランドの横山社長から、eブックはタイトルが大事と云われ
た。石川さんに再三言われた「Anne5は、超特急クルージング」が合
っていると思えた。「爆走ヨットアン5航海記」といったところ?
100828 135535
ただ、副題にこだわりたいと思っている。「引退なんかするものか!
新事業も始めるぞ!会社も休むぞ!」
100828 135557
同年輩の多くが、仕事から完全に引退して、悠々自適の生活を目指
す。私の性格では、これができない。身に着けた知識や経験を生かし
て、少しでも会社や社会に貢献したい。私の場合はボランティアでは
なく自立できる最低限の事業。だから、引退はしない。
100828 135606
会社で、いつまでも引退しないのは老害。だから私の行動指針は、
「意見は言うが主張はしない。」、主力の業務は若者に任せ、視点を
変え、これまで注目しなかった課題の提言や、新事業の企画を担当す
べきと思っている。
100828 135623
長期の休暇を取ったのは、22才で勤めを始め、そして独立してから
も、初めて。今も多忙な小規模、ベンチャー企業を支えてくれるスタ
ッフには、豊かで充実した生活をして欲しい。そのためには、率先し
て、良く働き、良く休む、手本とならなければならないと思う。
100828 135638
「引退なんかするものか!新事業も始めるぞ!会社も休むぞ!」これが
今度の航海で感じた感想、そして今後の私のポリシー。
333
100823 062407
昨日、8月22日、6時半、ホームポートに帰った。いつものクルージン
グの時より少し念入りに艇の清掃をした。お隣のヨットのオーナーH
さんとそのクルーにシャンパンでお祝いをしていただいた。嬉しかっ
た。11時には、鵜方経由で帰途に着いた。
100823 062417
帰宅後は、マネージャーといつもの週末の買い物。夕食後は、じっく
り寝た。今日から仕事。シャンパンで歓迎していただいたハーバーの
Hさんも、今度、ヒーブツーをやってみるといっていただいた。ツイ
ッターやAPRSも見ていただいていたようで、これも嬉しかった。
100823 062444
たまってしまった「ためツイッターメモ」を順次アップさせていただ
くつもり。「ナウ」といかないのが残念で、申し訳ないのですが、良
かったら見てください。それにしても、本当に有意義で楽しいクルー
ジングでした。
08291746
帰港後整備を終えた、Anne5。
334
Memory of Ginowan
335
あとがき
沖縄から一緒だった、文雄君の感想も「有意義で楽しい航海」だった。
これまで長年親しんできたヨットの経験と、
GPS、
レーダ、
AIS などの電子機器、
通信で、
ほんとうに安全で心配の無い航海ができたと思う。
「つぶやきを出版、ベンチャー経営者!」話題性あり、いけるいけると、拓央社長が
乗せる。彼はツイッターをよく読んでいないので、そんなことがいえると内心思いなが
ら、おだてに弱い自分が自分に言い聞かせる。
「次に Anne5 に乗る、息子や孫のための
記録として・・・」。
ネットで知った、e ブックランドの横山社長が、ポータルサイト e ブックランドのベ
ストセラーを目指そう!と、私を乗せる。無料のダウンロードなので、セラーとは言わ
ないのでは?と思ったが、これにも乗ってしまった。
副題、
「引退なんかするものか!事業も始めるぞ!会社も休むぞ!」すごく気に入っ
たフレーズだったが、横山社長から、それではベストセラーにならないといわれて、取
り下げた。
ヨット乗りは、十人十色。エンジンを使う人もいれば、入出港以外はエンジンを使わ
ない人もいる。整備の日々の人もいれば、まったり日永船で過ごす別荘派の人もいる。
お酒が好きな人もいれば、料理が趣味の人。魚釣りが得意な人もいれば、私達のような
仕掛け専門の人もいる。
海に囲まれた日本。船を着ける場所が豊富にあり、その岸壁が原則開放されている日
336
本。雨や風で、足止めを食えばそれがまた、地域の探索やふれあいになる日本。航海用
電子機器の活用で、各段に安全航海ができるようになった今、多くの人に、ヨットの一
端を知っていただけるとうれしい。新たなヨットの楽しみ方を、見つけてもらうきっか
けとなって欲しという思いもあって、ツイッターをまとめた。
クルーザーのオーナーで、ヨット部出身の人は意外と少ない。まずは、ヨットを買い、
ひっくり返らない安全なボートとして乗り始め、風が弱い時に、ちょっとだけセールを
出してみる。こうして、ヨット乗りになる人が多い。だから、ヨットに乗るためのハー
ドルは高くないと私は、思っている。
この航海で、石川さんを筆頭に、多くの方のご支援をいただいた。ヨットの恩はヨッ
トで返す。石川さんのお言葉は守っていきたい。ただ、最も、よき理解者で支援者のマ
ネージャーには、心底感謝しているが、残念ながらヨットでお返しする方法がない、こ
のことは、これから考える積もり。
2010 年 9 月
ヨットアン5船長 駒井俊之
このeブックの関連情報をホームページに掲載しています。よろしかったらご覧ください。
URL: http://yacht-anne5.neorex.jp/2010.html
337
日本列島22昼夜
ファイブ
ヨットアン5 のつぶやき航海記
駒井俊之 著
© Toshiyuki Komai
発行 2010年11月20日
発行者 横山三四郎
出版社 eブックランド社
東京都杉並区久我山4-3-2 〒168-0082
デザイン: 川端幕府
本電子書籍は、購入者個人の閲覧の目的のためのみ、ファイルのダウンロードが許諾されています。
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