年冬号 SignalExpressで実現する対話式計測 あらゆるものが自動化された今日においても、 計測が必ずしも自動化されているとは限りません。 多くのアプリケーションでは、 ベン チトップで手動の計測を行う必要があります。 ナショナルインスツルメンツではこの度、 そのようなアプリケーションにも対応できる新し いソフトウェア環境「SignalExpress」 を発表しました。 同製品は、 ベンチトップでの計測の集録、 比較、 自動化、 保存を迅速に行うの に役立つ対話式ソフトウェア環境です。 (4ページに続く) ni.com/jp 展望 Essential Technologies for Test 今日、 テストはこれまでになく重視されています。 技術革新のペース が高まるにつれ、 他社と差別化できる新製品をいちはやく市場に投 入しなくてはならないというプレッシャーも高まっています。 消費者も多 くのものを求めるに至り (例:電子業界では、 本来別々に使われる機 能を小さなスペースに低コストで収めなくてはなりません) 、 ここ3年ほ ど景気が低迷する中でも、 改良へのニーズは低下するばかりか、 逆 にリソースが限られていることにより多くの制約を強いています。 その ようなニーズに応えることが、 ビジネスの成功の要因となっています。 他社に先駆けて確実にユーザの需要を満たせる企業が、 競合に対 して明らかな競争優位性を保つことができるのです。 そのような状況では、 さらに 「検証、 確認、 製造テスト」 という新たなニーズも生まれます。 改革 に遅れをとらないテストプラットフォームは、 今やオプションではなく 「不可欠」 なのです。 プラット フォームには、 製品の開発フロー全段階で使用できる適応性の高い高速なテスト開発ツール が含まれています。 消費者が求める複雑な多機能複合製品をテストするには、 同期された高 精度の計測機能が必要です。 製品を差別化するために新しい機能が盛り込まれると、 それ に伴ってテストシステムも新機能のテストが行えるよう短期間のうちに適応できる必要があります。 Virtual Instrumentation(以下、 VI) は以下のような機能を備え、 そのような課題を解決する ためのテストソリューションとして選ばれてきました。 ! 迅速なテスト開発のための直観的なソフトウェアツール ! 革新的な商用技術をベースとした高速で高精度のモジュール式I/O ! 高い確度とスループッ トを実現し、 統合型同期機能を搭載したPCベースのプラットフォーム 高速テスト開発ソフトウェア 複雑な製品を短期間のうちにテストするため、 自動化がますます必要になるにつれて、設計 検証から全自動化された製造テストまで、 あらゆるテストシステムにおいてソフトウェアは欠か すことのできない要素となってきています。 新しい機能のテストにすぐに適応できるテストシステ ムを迅速に提供するためには、 テスト管理、 テスト開発、 I/Oドライバなど、 統合されたテスト開 発ツールが必要です。 モジュール式I/O NIが提供する 「テスト必須のテクノロジ:Essential Technologies for Test」 は、 ここまでで説明 してきた 「ソフトウェア」 と 「モジュール式I/O」 「 、統合型プラットフォーム」 の3つで構成されてい ます。 ここではその2つめの、 モジュール式計測やデータ集録などの技術を含むモジュール式 I/Oについて説明していきます。 モジュール式I/Oでは、 商用チップ技術を利用して、 高性能の 仮想計測器を低コストで作成することができます。 A/Dコンバータ、 D/Aコンバータ、 FPGA、 DSPといった商用技術が爆発的に普及したことにより、 モジュール式I/Oの機能と性能も急速 に向上しました。 多くの場合、 VIの確度は従来の計測器を上回っています。 多数の企業が設計室や製造工場で仮想計測(VI)技術を実装し、 テストの 性能、柔軟性、生産性の向上を実現しました。 PCベースのテストプラットフォーム 現在、 全てのテストシステムにはPCが含まれています。 ただし、 PCは単なるテストシステムの一 部ではなく、 テストシステムの中心として、 不可欠な統合型プラットフォームとなりつつあります。 ギガヘルツ単位のプロセッサや高速バス、 多種多様なソフトウェア、 向上し続ける性能、 極め て低い価格など、 NIの提供する統合プラットフォームが備えているあらゆる要素がテストプラッ トフォームに最適であると言えます。 過去20年間におけるPC性能の進歩を考えてみてくださ い。 テストシステムの他の要素でこれほどの進歩を遂げたものは、 テスト対象物くらいしかない かも知れません。 VIは、 PCおよびPCテクノロジを採用することによって、 テストアプリケーションにも同様の進歩 をもたらしました。 多数の企業が設計室や製造工場で仮想計測技術を実装し、 テストの性 能、 柔軟性、 生産性の向上を実現しました。 Contents SignalExpressで実現する対話式計測 …1/4/5 Essential Technologies for Test ……………2 Flextronics社がNIテストプラットフォームを 使用して大幅なコスト削減に成功 …………3 PAC:次世代PLC ………………………6/7 USBでデータ集録を最大限に活用 ………8/9 ATEに高密度スイッチと柔軟なソフトウェアを使用 ……10 LabVIEW FPGAを使って カスタムトリガアプリケーションを開発 ……11 LabVIEWで通信アルゴリズムを設計 ……12 新しいLabVIEWツールを使った対話式制御系設計 ……13 Xilinx FPGAとLab VIEWを使ってカスタムI/Oを構築…14/15 Visual Studio .NETをエンジニアのための ワークベンチに変える ………………………16 選択肢を広げる4つの新しいPXIコントローラ ……16 DIAdem 9.1で膨大なデータの解析や、 レポート生成が可能に ……………………17 NI SoftMotionテクノロジを利用した カスタムモーションコントロール ……………17 MシリーズDAQを使って手持ちのPCをPACに ……18 DMM、 デジタイザ、 LCRメータを 統合する新PXIモジュール …………………18 4,000種類以上のドライバで通信の幅を拡大 ……19 LabVIEWを使ったアプリケーション開発に おける課題を解決 …………………………20 NI CompactRIOを使用して、高高度環境でも 使用できる安定性に優れた組込式の ソリューションを開発 …………………………21 新しいワイヤレスツールセットを使用した GSMおよびSCDMAシステムのテスト ………21 PrecisionSim:LabVIEW FPGAを用いた センサシミュレータ……………………………22 CIMTEK社のプラットフォームでエアバッグ制御 モジュールテスト機能を強化 ……………………22 ¨ Electronic社、 GOPEL 車両搭載データ取得集録システムCARLOSに CompactRIOシステムを標準採用 ………………23 Camera Linkの可能性を最大限に 引き出すPCI Express ………………………23 NIDays 2005 Virtual Instrumentation テクニカルシンポジウム開催報告 ………24/25 アプリケーションコンテスト2004、 アカデミックコンテスト2004結果報告……26/27 お問い合わせ先 営業部:ご購入前のご相談、 お見積りなどについて フリーダイヤル:0120-108492 カスタマーサービス部:資料、 デモソフトなどのご請求 ご購入後の技術サポート TEL:(03) 5472-2970(代) マーケティング部:ニュースレターへのご提案などについて TEL:(03) 5472-2985 FAXはいずれも、 (03) 5472-2977 (宛先部署名をご明記ください) 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社 マーケティング担当バイスプレジデント John Graff 2 〒105-0011東京都港区芝公園2-4-1秀和芝パークビルA館4F フリーダイヤル:0120-108492・Fax:(03)5472-2977 National Instruments ! 0120-108492 ! ni.com/jp ビジネスメリット Flextronics社がNIテストプラットフォームを使用して大幅なコスト削減に成功 Flextronics社は、 5大陸の32国におよぶハイテク企業にサービスを提 供する製造受託サービス (EMS) のトッププロバイダで、 2004年(会 計年度) には145億ドルの収益を上げています。 同社では、 通信イン フラ設備から家庭電化製品まで、 毎日50万点を超える製品を製造、 テストしています。 テストプラットフォームの標準化によりコストを削減 製造テストにおいて多くの実績を持つFlextronics社では、 様々な製 造状況で製品のスループットを向上させるテスト手順を認識していま す。 新製品の機能は複雑さを増すばかりであるため、 同社では工場 におけるテストメソッドとして現在もこれからも機能テストの利用が延 び 続 けると見 て います。この 考 えに 基 づき、 Flextronics Test Standardization(FTS) という構想のもと、 Flextronics社ではナショナル インスツルメンツのテストハードウェアとソフトウェアをベースとした標 準テストプラットフォームを開発・実装することによって、 毎年数百万ド ルのコスト削減に成功しています。 さらに、 市販製品を採用して作られたナショナルインスツルメンツの 製品を利用することにより、 Flextronicsテストプラットフォームを再設計 することなく、 最新のソフトウェア/ハードウェアテクノロジを統合するこ とが可能となっています。 NI TestStandなどのテストソフトウェアとPXI やプラグインモジュール式計測といったハードウェアは、 機能テストの 開発と保守の効率を最大限に高めるための非常に優れたコンポー ネントです。 てコストを削減しています。 オペレータは特殊なトレーニングを受け なくても様々なテストステーションで業務を行うことができるため、 Flextronics社の工場での柔軟性が大幅に向上しました。 ソフト ウェア技術者にとっては、 FTSによってテスト設計のガイドラインが 規格化されているため、 毎回一からコードを開発する必要がなくな りました。 ! スループッ トの向上:FTS NI TestStandプロセスモデルは、 複数 のデバイスを同時にテストでき、 個々のデバイスのテストステータス をリアルタイムトレンドデータで表示します。 製品機能テストのため に製造に割り当てる時間を増やすことなく、 より多くの範囲の機能テ ストを行うには重要な機能です。 ! データ収集の改善:FTSソフトウェアは、 ローカルデータベースに テスト結果を出力して、 FlexFlowやその他の生産用システムに簡 単に組込むことができますので、 生産現場はテスト結果に対して 瞬時に対応し、 データ履歴をより効率よく利用することが可能で す。 技術者は、 その同じデータを顧客と共有し、 より良い設計につ なげることもできます。 Flextronics社ではナショナルインスツルメンツのテス トハードウェアとソフトウェアをベースとした標準テストプ ラットフォームを開発・実装することによって、毎年数百 万ドルのコスト削減に成功しています。 FTSによる製造プロセスの改善 Flextronics社の共通ソフトウェアプラットフォームは、 全てのテストシス テムの外観や使い勝手を同じように設計することができます。 また FTSソフトウェアは、 使用するハードウェアアーキテクチャに依存せず、 いくつかの利点を持つテスト開発・実行用コアアーキテクチャを提供 します。 ! 開発時間の短縮:TestStandのモジュール式フレームワークを使 用すると、 再利用可能なテストモジュールを開発し、 より管理しや すいテストシステムアーキテクチャに統合することができます。 その 結果、 高度なテストシステムを短時間で開発することが可能となり ました。 ! 簡単なトレーニング:FTSでは、 共通のユーザインタフェースを採 用することでオペレータのトレーニングを最小限に抑え、 それによっ FTSソフトウェア標準化構想の他にも、 このテストアーキテクチャに ¨ はCEおよびTUVの認定を受けたハー ドウェアプラットフォームが含ま れています。 Flextronics社は、 標準規格の汎用ハードウェアプラット フォームを設計することにより、 ほとんどのテストニーズに対応できるよう にしています。 最も機能性に優れているのはPXIベースのプラット フォームで、 同プラットフォームは簡単にインタフェース接続を拡張する ことができるため、 柔軟度が増すと同時にとテスト開発時間の短縮に も役立ちます。 プラットフォーム構成には複数のPXIデバイスとほとん どのテストアプリケーションに対応しているGPIB計測が含まれていま す。 このプラットフォームは、 そのモジュール性により、 ハードウェアの完 全な再利用や、 効率的な資産管理、 低コストといったメリットを備えて います。 FTSソフトウェアを使用することにより、 テストシステムのリソー スを緊密にリンクして、 プロセスの並行実行を最大限に行うことがで きます。 機能性 NI製品を使って質の高い結果を提供 テストシステム 自動光学検査 回路内テスト 境界スキャン X線 FTSの共通ハードウェアプラットフォームでは、 ソフトウェアのスムーズ な実行が保証されています。 また、 当社のTestStand、 PXI、 モジュー ル式計測などの、 市販の技術を採用した製品を利用することで、 Flextronics社はテストテクノロジの進化に遅れをとるとこなく、 大幅な コストの削減にも成功しています。 フライングプローブ Webイベントオンデマンド、 「Implementing Parallel Test in NI TestStand」 時間 Flextronics社では、NIのテストハードウェア/ソフトウェアに基づいたテストシ ステムを採用し、 様々な製造環境においてスループットの向上を実現しています。 National Instruments ! 0120-108492 ! ni.com/jp に参加をご希望の方は、ni.com/jpにアクセスの上、Info Code欄に 「nsi5106」 と入力してください。 3
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