オホーツク『食』の地域ブランドの形成・確立に 向けた基本的な考え方(案) 森・海・大地のダイニング∼五感で味わうオホーツク 平成22年10月 オホーツク総合振興局 目 次 1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 基本理念・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 ∼成熟社会におけるオホーツク地域の持続的な発展と豊かさの創造を目指して∼ 3 ビジョン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 ∼オホーツクの地域ブランド・モデル(地域ブランドの将来像)∼ 4 オホーツク『食』の地域ブランド形成戦略・・・・・・・・・・・・・・ 7 5 オホーツク『食』プロジェクト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 6 推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 7 平成22年度の取組スケジュール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 8 参考資料 (1) オホーツク連携地域 政策展開方針 (2) オホーツク連携地域(網走地域) 地域経済活性化ビジョン 1 はじめに ∼オホーツク「食」の地域ブランドの形成・確立に向けた取組の背景 ○ 近年、全国各地で、地域と関わりのある商品やサービスを地域ブランド化しようとする動きが活発に なっています。 その背景として、日本の経済社会の成熟化と、携帯電話やインターネット等の普及による情報環境の 劇的な変化があり、これに伴って、価値観の多様化・個別化が進展している状況があります。 ○ 商品・サービスの「売れる・売れない」が、送り手側の提供する基本機能と価格のバランスで決まる 時代から、「口コミ」や「コト消費」等、受け手側の知識や意識で決まる時代へと大きく変化する中で、 送り手としての「地域」は、受け手である「生活者」の視点で、地域イメージや、地域発の商品・ サービスの魅力を高め、差別化された価値を付加していくことが求められはじめています。 ○ 「買いたい」、「行きたい」、「暮らしたい」と思われ続ける地域ブランドは、地域(送り手)の 「思い」と生活者(受け手)のイメージが一致したときに生まれるその地域のブランド・アイデンティティ を、地域が自ら、生活者との共同作業でマネジメントしていくことで確立し、生活者に他地域にはない 付加価値と満足を、地域に誇り (エリア・アイデンティティ)と豊かさをもたらす「Win−Win」の好循環 を生み出します。 ○ このことから、地域ブランドの確立に向けた主体的な取組は、地域が、地域を取り巻く環境や時代の 変化に対応しながら、持続的に発展していくための重要な切り札となります。 ●外部環境の変化 情報環境の 劇的な変化 経済社会の 価値観の 成熟化 多様化・個別化 「他地域とは違う何か」 が求められている 「オホー行ツク」と言えば・・・ 暮らした 信頼 地域発の商品・サービスの「売れる・売れない」 は、受け手側の知識や意識で決まる時代 きた シー 安心 ヘル い S 癒し LOHA い おいし 宝庫 楽しい 自然の 安全 い 買い たい ○ 私達が住むオホーツク地域は、世界自然遺産の知床や流氷に代表される世界に誇る自然環境、全国 有数の豊かな農林水産資源、これら自然や資源を生かした多様な産業や観光など、全国でもトップクラス の地域資源を有しているにも関わらず、これらの地域資源が、良好な地域イメージの形成に必ずしも結び ついていないことが課題となっていました。 ○ このため、これまで、地域が一体となって、多彩な地域資源を束ねたオホーツクの統一イメージを形成 ・発信する「オホーツク・エリア・アイデンティティ(オホーツクAI)」を推進し、地域住民が、地域の 魅力を再認識して内外に発信する様々な交流事業やプロモーションを展開するとともに、オホーツク流氷 トラスト運動の推進を通じて自然と共生するライフスタイルを地域から提案・実践し、環境先進地オホー ツクのイメージをアピールしてきました。 ○ こうした取組を通じて、この地域の特定の地域資源(流氷・網走監獄等)への認知度・イメージの偏り は次第に解消され、豊かな地域資源を反映した良好な地域イメージの形成が進みつつあります。 ○ しかし、一方で、オホーツク地域は、全国有数の農林水産物の生産地ですが、製造品出荷額の約6割 を占める食品工業の付加価値率は相対的に低いなど、依然として原料供給型の産業構造にあることから、 今後は、豊かな農林水産資源を活用した商品・サービスの価値の差別化を図り、良好な地域イメージと 結びつけて、地域全体としてのブランド力を高めることにより、成熟社会における生活者の価値観の多様 化に対応しながら、国際間・地域間の競争優位を確保していくことが、重要な課題となります。 −1− ○ こうした課題に対応するため、オホーツク総合振興局では、平成22年度から、新たに「オホーツク 『食』の地域ブランド形成促進事業」を展開し、地域イメージの向上に向けたこれまでの取組の更なる 定着を図りながら、中長期的な視点で、地域資源を活用した商品・サービスの付加価値を高め、他地域 との差別化を図る取組を相乗的に推進することにより、地域ブランドの形成・確立に向けた取組を加速化 することとしています。 ○ この取組は、道内トップレベルの生産量を誇るオホーツク地域の農水産物のポテンシャルと、『食』に 関連する産業のすそ野の広がりに着目し、農林水・商工・観光・環境・健康などの多様な産業が『食』 をキーワードとして有機的に連携する「食づくり産業」を、地域産業の中核を担う総合産業として育成・ 強化するとともに、食品・食品関連サービスの付加価値が、地域内の生産・製造・加工・流通・マーケ ティングなどのプロセスを通じて高められ、統一感のある良好な地域イメージと関連づけながら差別化さ れていく「食の価値連鎖」を生み出すしくみを構築し、産学官が連携して、地域としてのブランドをマネジ メントすることを基本理念としています。 ○ 取組の推進に当たっては、オホーツク地域の産学官民の関係者が、業種や市町村の行政区域を越えて 相互に連携し、それぞれの役割を果たしながら、主体的に関わることが不可欠です。 ○ このため、オホーツク総合振興局では、局内の関係各課の職員が参加する横断的な検討会議において 議論を重ね、この度、「オホーツク『食』の地域ブランドの形成・確立に向けた基本的な考え方」(案) として取りまとめましたので、皆様からの忌憚のないご意見・ご提案を、よろしくお願い申し上げます。 ●オホーツク『食』の地域ブランドの形成・確立に向けた取組み 原料供給型(低付加価値) の産業構造 食品工業の 付加価値率 は相対的に 低い ・農水産物生産量はトップレベル ・恵まれた自然環境と豊富な食材 ・管内の製造品出荷額の6割が食品 ・首都圏等の物産展で高い需要 食品・食品関連サービスの付加価値向上 商品・サービス のブランド化と 地域イメージ のブランド化を 相乗的に推進 ●オホーツク『食』の地域ブランド形成促進事業 地域イメージの向上(統一感ある地域イメージの形成・発信 差 別 化 された価値 【地域ブランド】 発 信 認知 評価 ・地域資源の高度利用が促進 ・食の価値連鎖を生む地域システムが確立 ・成熟社会における持続可能な地域の発展 (=地域が享受する地域ブランドの恩恵) ●オホーツクAI推進事業の推進 豊かな地域資源が地域イメージに結びついていない 送り手の 認識 多彩な 自然環境 受け手の イメージ 流氷 全国有数の 農林水産資源 オホーツク海 =カニ・ホタテ 資源活用型の 多様な地域産業 知床 監獄 −2− 「地域資源」とは・・・地域の魅力価値の源泉となる 地域固有の資源:歴史・風土・文化・自然・気候・ 地形・景観・街並み・動植物・農林水産物・素材・ 工業製品・料理・伝統工芸・料理・観光地・人材・ 祭り・etc・・・ 2.基本理念∼成熟社会におけるオホーツク地域の持続的な発展と豊かさの創造を目指して∼ オホーツク地域は、成熟社会における地域の持続的な発展と豊かさの 創造を目指して、地域における『食』の分野の潜在力と可能性に着目し、 次の3つを基本理念として、地域ブランドの形成・確立に取り組みます。 z「食づくり産業」の育成・強化 道内トップレベルの生産量を誇る オホーツクの農水産物のポテンシャルと、 「食」に関連する地域産業のすそ野の 広がりに着目し、オホーツク発の 商品・サービスの高付加価値化を通じて、 地域資源活用型産業全体の高度化・活性化を 図るため、『食』をキーワードとして、 農林水・商工・観光・環境・健康などの 多様な産業が有機的に連携する 「食づくり産業」を、この地域の新たな 中核的産業に位置付け、 産学官の広域的な連携体制のもとで、 育成・強化を図ります。 z「食の価値連鎖システム」 (Food Value Chain System)の構築 この地域が、豊かな農水産物を活用して、 他地域にはない「差別化された価値」を社会に 提供し、その適正な対価として地域の生産者・ 企業等の所得向上が図られるとともに、人材・ 資源・資金の交流が活性化し、地域全体が豊かに なる好循環を生み出すよう、農水産物の生産から、 製造、流通、マーケティングなど、オホーツク発 の食品・食品関連サービスを創出・提供する各 プロセスで新たな価値が付加されるしくみ =「食の価値連鎖システム」 (Food Value Chain System)の構築を図ります。 差別化 された価値 マーケテ ィング 流通 付加 価値 製造 生産 地域資源 z地域ブランドの形成・確立を加速化する戦略的マネジメントの推進 オホーツクの地域づくりを担うすべての主体が、地域ブランドの将来像を共有し、5つの戦略的視点 (「付加価値」・「連携・協働」・「環境との好循環」・「一貫性」・「革新性」)によるマネジメントに取り組むとともに、 良好な地域イメージを形成・発信するオホーツク・エリア・アイデンティティ(オホーツクAI)の取組を相乗的に 進めることにより、オホーツクらしい地域ブランドの形成・確立に向けた取組を加速化します。 −3− 基本理念∼成熟社会における地域の持続的な発展と豊かさの創造を目指して∼ 【差別化された価値】 地域ブランドの形成・確立 森・海・大地のダイニング ∼五感で味わうオホーツク 高付加価値化・ 差別化・加速化 戦略的マネジメント ・差別化された価値を提供 ・生産者・企業等の所得向上 ・人材・資源・資金の交流が 活性化 <5つの戦略的視点> ○付加価値 ○連携・協働 ○環境との好循環 ○一貫性 ○革新性 連続的展開・・・ 付加価値 食の価値連鎖 システムの構築 商品・サービスを創出・提供 するプロセスの付加価値を 高めるしくみづくり 新たな 商品・ サービス ・産学官の広域的連携 ・地域資源活用型産業の 高度化・活性化 食づくり産業の 育成・強化 多様な産業の有機的連携 農林水産業 地域資源 農林水 産資源 歴史 文化 自然 環境 食材 食品 人的 資源 利用 観光 資源 産業 基盤 再生 医療福祉・ 健康産業 流通・ IT産業 食品産業 (生産・加工・提供) 商工・流通・ IT産業 観光 産業 良好な地域イメージの形成・発信 −4− バイオ・ 環境産業 地域 イメージ 3.ビジョン∼オホーツクの地域ブランド・モデル(地域ブランドの将来像)∼ オホーツクの地域づくりを担うすべての主体が、地域ブランドの形成・確立に向け たビジョンを共有するため、概ね10年後の地域ブランドの将来像を描く設計図として、 オホーツクの地域ブランド・モデルを構築します。 このモデルは、目指す地域ブランドの基本コンセプト、受け手に約束する中心的な 魅力価値(コア・バリュー)、価値を形成する源泉となる固有の資源特性(ファクト)、 地域ブランドの受け手(ターゲット) などを構成要素として、地域ブランドの「送り手」 の総意で構築します。 z オホーツクの地域ブランド・モデルのイメージ 地域ブランド・コンセプト オホーツクの地域ブランドは、 「森・海・大地のダイニング∼五感で味わうオホーツク」 を基本コンセプトとします。 この「地域ブランド・コンセプト」には、 豊かな森林に育まれたオホーツク海と、 広大で起伏に富んだ大地の恵みを凝縮した オホーツクの『食』の魅力を五感で味わう体験を通じて 自然の力に癒され、健康になる喜びを感じてほしい という産地の誇りとこだわりを込めています。 コア・バリュー/バリュー(受け手への約束) オホーツク地域は、豊かな地域資源の優位性を生かして、 「安全・安心・おいしい・健康・自然に優しい」を基本に、 「旬・鮮・匠」にこだわった食づくりに地域が一体となって取り組み、 オホーツクのテロワールを五感で味わう「食」の魅力価値を、 地域に、全国に、世界に、提供し続けることを約束します。 テロワールとは、フランス語で「一定の空間、範囲」を表す言葉ですが、ワイン産業では古くからそのワインが産出される地域の 気候風土、それを生産する人々の営みを表す言葉として用いられてきました。 オホーツクならではの個性ある「テロワール」を感じる魅力的な「食」の背景には、この地域の気候風土を活かし、それと共存する 人々の営みと、その空間としての農山漁村があります。 −5− 領域(エリア) 地域ブランドの「領域」は、3市14町1村で構成される オホーツク・エリア全体を対象とします。 ファクト(固有の地域資源 ・特性) オホーツク地域は、北海道を凝縮したような豊かな自然に恵まれています。 知床世界自然遺産、森林、湖沼、オホーツク海、流氷、広大な大地、北欧的な気候風土・景観等 により形成される自然条件は、この地域固有の地域資源であり、全国でもトップレベルの生産量を 誇る豊かな農水産物の生産基盤であるとともに、地域の強みである高い食料供給能力に裏付け されたオホーツクの『食』の魅力価値を持続的に提供するための源泉となっています。 送 り 手 地域ブランドの「送り手」は、地域の産学官で形成する「オホーツク『食』の地域 ブランド形成ネットワーク」を中核として、地域ブランドの将来像を共有し、 「生活者」の視点で、「食づくり産業」を担うすべての生産者・企業等が 共同の「送り手」となって魅力価値を提供します。 受け手(ターゲット) 地域ブランドのターゲットは、 食生活を重視し、自然と調和する健康で持続的な暮らしを指向する すべての生活者とします。 シンボル オホーツクの地域ブランドを表現する代表的なシンボルは、 この地域の「天力・地力・人力」から成る「オホーツク力」を象徴するキャラクター 「つくつくオホーツクん」と、サケと新芽をあしらったデザインでオホーツク地域の 位置を表示する「オホーツク・ロゴマーク」です。 「つくつくオホーツクん」 の三つの顔は上から「天力・地力・人力」のオホーツク力を表し、キャラクター名は「運がつく、力がつく」の 「つく」と「オホーツク」の「ツク」をかけています。デザインは、津別町在住のアーティスト大西重成さん。名付け親は網走小学校(当時) の石田桃太郎君です。 「オホーツク・ロゴマーク」は、「オホーツクブルー」を使った北海道のラインと、鮭と新芽をイメージしたデザインにより、オホーツク地域 の場所と豊かな自然や資源を表しています。デザインは全国から寄せられた725点の中から選ばれました。 −6− 4.オホーツク『食』の地域ブランド形成戦略 「オホーツク『食』の地域ブランド形成戦略」は、基本理念とビジョンを踏まえ、 この地域の優位性を活かして、地域ブランドの形成・確立に向けた取組を加速化する ための道すじを示すものです。 この戦略は、地域の現状(強み・弱み、課題等)についての調査・分析を踏まえ、 地域ブランドの形成・確立を図るために地域が取り組むべき戦略的マネジメントの 方策として、「戦略的視点」、「取組方針」、「活動指針」を明示します。 戦略の期間は、平成23年度から平成29年度までとし、政策展開方針の推進管理 及び戦略の進捗状況に対応して、適時に見直しを行います。 オホーツク『食』の地域ブランド形成戦略のフレーム 戦略的視点 地域ブランド・マネジメントを戦略的に推進するために重要な視点として、「オホーツク連携地域 地域経済 活性化ビジョン」に共通する3つの視点(「付加価値」・「連携・協働」・「環境との好循環」)と、地域ブランド・ マネジメントの基本姿勢である「革新性」・「一貫性」の2つの視点を併せた5つの視点を示します。 付加 価値 地域資源の特性と優位性を活かした商品・サービスの開発と付加価値の向上 連携 協働 革新性 産学官の有機的連携と多様な産業の協働による「食づくり産業」の推進 環境との 好循環 豊かな自然環境を次世代に引き継ぐ地域づくりと循環型産業の育成 時代とともに変化するターゲットの期待とニーズに応える新たな価値の創出 一貫性 基本理念に基づく一貫した取組みと一貫性のある地域ブランドイメージの提供 取組方針 5つの戦略的視点を踏まえ、地域ブランド・マネジメントを推進する 取組方針として、「育む」・「つなぐ」・「守り伝える」という3つの基本的 な方向性と、それぞれの方向性に沿って効果的、効率的に取組を 進めるための方針を示します。 具体的には・・・ 活動指針 地域ブランドの進展の状況に応じて、取組方針に沿って地域が取り組むべき ブランド・マネジメントの活動について、具体的な活動指針を明らかにします。 地域ブランドの形成・確立が進み、ブランド・ メリットを地域全体で享受しながら、さらに ブランド力を高めていくには? 育む 守り 伝える 受け手の信頼を守り、魅力的な地域ブランド であり続けるためには? つなぐ 他の地域に負けない地域独自のブランド価値 を創造し、受け手に伝え、磨きをかけるためには? −7− 育む 「原産地ブランド」の確立と潜在的高付加価値素材の磨き上げ ○ 優位性の高いこだわり農水産物による高付加価値化の推進 ○ 安心・安全・鮮度を保つ品質管理の徹底 ○ 海と大地を育む森づくりの推進と、持続可能な生産システムの構築 [主な内容] ○ オホーツクの地域特性を活かした安全・安心な農畜水産物に、魅力ある地域イメージ を結びつけて 高付加価値化を図ります。 ○ 全道シェアなどの観点から、他地域との比較優位性が高い農畜水産物について、環境保全型農業・ 資源管理型漁業等の導入を促進し、差別化・ブランド化を図ります。 ○ 水産物などの衛生管理と鮮度保持強化の取組みを強化し、ブランド力を高めます。 ○ 適切な森林整備とともに、家畜排泄物の有効利用などによる環境に優しい循環型の生産システムの 構築を図ります。 つなぐ 地域資源の複合的な高度利用と多様な産業の連携による食の価値連鎖の形成 ○ 産学官連携による食づくり産業の育成強化 ○ 地域特性を活かした食の価値連鎖モデルの構築 [主な内容] ○ 新たな研究開発プラットフォーム(イノベーション・ネットワーク・オホーツク)の取組みにより、地域資源を 活用した機能性の高い食品や化粧品など、付加価値の高い商品を域内で開発・生産・製造できる環境の 整備を進めます。 ○ 地域の大学等における人材育成事業と効果的に連携して、農商工連携・医工連携など産業間の多様な 連携による新たな事業展開を促進します。 ○ 産地特性や生産者のこだわりなど、商品の価値を的確に伝えるマーケティング手法の実践を通じて、 地場産品のブランド力を高めます。 ○ 地域の中小企業等による加工食品の製造・流通過程における付加価値構造を踏まえ、製造・物流の 効率化を推進します。 守り 伝える オホーツクのテロワール※を守り・伝える食づくりの推進 ○ 消費者の信頼に応える「オホーツク品質」の確立 ○ テロワールを感じる新たなオホーツク流の観光と交流の促進 ※テロワール:気候、土壌、風土、地形など [主な内容] ○ 「オホーツク産」表示の普及など、食品の産地や生産過程を明らかにして消費者に届けるしくみづくりを 進めます。 ○ 「オホーツクブランド認証制度」をはじめとする独自ブランド認証制度の信頼性を確保するため、地域共通 のガイドラインを策定・普及します。 ○ 食の魅力を活かしテロワールを伝えるオホーツク流観光スタイルを推進します。 ○ オホーツク・マルシェなど、生産者と消費者、都市と農山漁村を「食」でつなぐ交流機会の拡大を図ります。 ○ 学校給食・医療福祉施設・観光施設等における地元食材の消費拡大を図ります。 −8− 5.オホーツク『食』プロジェクト 「オホーツク『食』プロジェクト」は、「オホーツク『食』の地域ブランド形成戦略」を推進 するための手立てとして、地域の産学官が連携して取り組む様々なプロジェクトについて、 取組の主体、内容、工程等を示すものです。 このプロジェクトは、地域重点プロジェクト(政策展開方針)の『食』に関連する取組事項 を踏まえ、戦略の取組方針及び活動指針に沿って、複数の取組主体が連携し、それぞれの 役割を果たしながら、既存の事業等の活用も含めて、最も効果的な手法の組み合わせにより 構築します。 プロジェクトの推進期間は、前期を平成23年度及び24年度の2か年、後期を平成25年度か ら29年度までの5か年とし、前期2か年を戦略推進の強化期間として、プロジェクトの重点的な 展開を図るとともに、政策展開方針の推進管理に対応して、推進状況を定期に把握し、適時に 見直します。 [参考]地域重点プロジェクトとオホーツク『食』プロジェクトの関係について 「オホーツク『食』プロジェクト」の策定に当たっては、「オホーツク連携地域政策展開方針」の地域重点プロジェクトと、「オホーツク連携 地域 地域経済活性化ビジョン」の取組事項に共通する『食』に関連する事項を横断的に再構築し、「オホーツク『食』の地域ブランド形成 戦略」に基づく取組みの加速化を図ることとしています。 政策展開方針 地域のめざす姿 豊かな地域資源を有し、自然と共生する快適な暮らしが広がる「オホーツク連携地域」 関連する施策の展開方向 オホーツクの統一 イメージの形成・発信に よる地域ブランドの確立 ビジョン(地域ブランド・モ デル)を示し、地域ブランド の将来像を明確化 豊富な農林水産資源を 生かした地域産業の 展開や産業集積の促進 地域経済活性化ビジョン 戦略的視点 付加価値 連携・協働 環境との好循環 オホーツク「食」の地域 ブランド形成戦略の 戦略的視点に反映 知床など特色ある自然を 生かした環境と調和する 観光の展開 地域重点プロジェクト (●は、「食」に関連する取組事項) オホーツク・エリア・アイデンティティ(オホーツクAI)の推進 ・インナーコミュニケーションの充実 ・地元企業等との連携を軸としたプロモーション ・オホーツク流氷トラスト運動の推進 ●民間企業等と協働した地域貢献・環境対策などの取組の展開 豊かな地域資源を生かしたオホーツク農業の振興と体質強化 ・「農業経営全般」・「畑作経営」・「畜産経営」の体質強化 ●環境保全型農業や畜産環境保全の推進 ●有機畜産の推進 ●農産物の付加価値向上 オホーツクの豊かな森林資源を生かした林業・木材産業等の健全な発展 ・オホーツクの豊かな森林資源を持続的に使用するための森林経営の確立 ・オホーツク木育ネットワークの構築 ●森林資源の適切な管理の推進 ●木育広場や木育ランドの開催 ●木工教室や森林体験ツアーなどの開催 ほたて漁業を核とした水産物の安定的な供給 ・安全で良質な水産物の安定的な供給 ●水産物の付加価値の向上 地域資源を生かした新たな観光の魅力づくりとプロモーション ・地域資源を生かした新たな観光の魅力づくり ・プロモーション活動の推進 ●地元食材を活かした食の魅力アップ オホーツク「食」の地域ブランド形成戦略に基づき、「食」に関連する地域重点プロジェクトの取組 事項を「オホーツク「食」プロジェクト」として横断的に再構築し、取組みを加速化する。 −9− 6.推進体制 オホーツク『食』の地域ブランドの形成・確立に向けて、地域の生産者、企業、 産学官の関係団体をはじめ、オホーツク地域で生活するすべての方々が、有機的 に連携・協働する包括的なネットワーク(「オホーツク『食』の地域ブランド形成 ネットワーク」 の中で、基本理念や戦略を共有しながら、地域ブランド・ビジョン (地域が目指す将来像)の達成を目指します。 このネットワークの設立に向けた具体的な協議を進めていくための組織として、 地域の産学官の団体等で構成する「オホーツク『食』の地域ブランド形成ネット ワーク設立準備会」を設置し、民間有識者等が参画するワーキンググループを 開催して必要な検討を行います。 オホーツク『食』の地域ブランド形成ネットワークのイメージ 消費者団体 金融機関等 商工・観光 関係団体 (信金・公庫支店等) 農協・漁協 (地独)北海道立 総合研究機構 (独)中小企業 基盤整備機構 北見市工業 技術センター NPO・ 公益法人等 産 中核的(コア) 企業・生産者等 道立オホーツク圏 食品加工技術センター 学 日赤看護大 オホーツク 総合振興局 東京農大 北見工大 域内外の 生活者 建設業 関係団体 林業関係 団体 網走開発 建設部 市町村 官 各省出先機関 (ハローワーク等) オホーツク総合振興局の役割 オホーツク総合振興局は、地域ブランド形成ネットワークの「コーディネーター」として、 各構成機関相互の有機的連携の橋渡しを行うとともに、地域の多様な主体の連携と 協働による地域ブランドの形成・確立を総合的にマネジメントします。 ◆オホーツク『食』の地域ブランドネットワーク設立準備会 ネットワークの設立に向けて具体的な協議を行うため、産学官の関係団体、試験研究機関、行政機関、 民間団体等で構成する組織。民間有識者や団体等及びオホーツク総合振興局で構成するワーキング グループを開催し、戦略・プロジェクトの策定等に関し必要な調査・検討を行う。 ◆食関連プロジェクトチーム オホーツク『食』プロジェクトの推進母体として、取組内容に応じて、関係する生産者・企業・大学・ 試験研究機関等と行政機関が有機的に連携・協働する組織 新たな研究開発プラットフォーム(イノベーション・ネットワーク・オホーツク)の役割 オホーツク地域の大学・研究機関・技術移転機関が有機的に連携し、地域特性を活かした多様な研究 開発の推進と、資源特性を活かした新商品開発サイクルの創出を目指す連携ネットワーク。 「食づくり産業」の育成・強化と「食の価値連鎖システム」の構築に向けた有効な手法や支援策等 を提案する「アドバイザー」としての役割を担います。 −10− 7.平成22年度の取組スケジュール 平成22年度は、 「オホーツク『食』の地域ブランドの形成・確立に向けた基本的な考え方」(案) に基づき、10月に、地域の関係機関等で構成する「オホーツク『食』の地域ブランド 形成ネットワーク設立準備会」を設置します。 11月から、民間有識者等が参画するワーキンググループを開催し、地域の生産者 や企業等のみなさまからご意見・ご提案をいただきながら、戦略・プロジェクト等に ついて検討を重ね、 平成23年3月に、基本的な考え方の案とともにネットワーク設立準備会の合意により 決定し、同時に、「オホーツク『食』の地域ブランド形成ネットワーク」を設立する ことを目指します。 1 [H22] ・オホーツク「食」の地域ブランド戦略マーケティング調査 (オホーツク総合振興局地域政策部地域政策課) ・オホーツク食の高付加価値化推進事業委託調査 (オホーツク総合振興局産業振興部商工労働観光課) 調査 分析 2月 調査結果反映 戦略・ プロジェクト等 10月∼ ・オホーツク「食」の地域ブランド 形成・ 確立に向けた基本的 な考え方(案) オホーツク食の地域ブランド 形成ネットワーク設立準備会設置 説明・協議 11月∼ ・オホーツク「食」の地域ブランド 形成戦略 ・オホーツク「食」プロジェクト 2月∼3月 検討 戦略検討ワーキング グループ(仮称)設置 (案)決定 ∼3月 シンポジウム ∼3月 決定 ・シンポジウム 3月 オホーツク食の地域ブランド形成ネットワーク設立 戦略の共有と展開/食関連プロジェクトチームによるプロジェクトの本格的な実施へ −11−
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