備品の管理状況について (ファイル名:kouhyou19-7 サイズ

第1 監査の種類
地方自治法第 199 条第 2 項の規定による行政監査
第2 監査のテーマ
備品及び公用車の管理事務について
第3 監査の対象
平成 18 年度定期監査実施課における備品及び公用車
第4 監査の実施期間
平成 18 年 6 月から平成 19 年 6 月まで
第5 監査の目的
地方自治法上の財産(第 238 条公有財産、第 239 条物品、第 240 条債権、第 241 条基
金)の中の物品に含まれる備品は、他の財産と同様にその管理、処分等が、適切に行わ
れていなければならない。また、地方財政法第 8 条では地方公共団体の財産の管理につ
いて、「常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて最も効率的に、
これを運用しなければならない」と規定している。
備品には、その価格が 1 万円から 1 億 8,593 万円の牛車他展示品一式(今回の監査で
は 1 億 3,152 万 1,950 円の消防車両)まで、多種多様な物が存在する。その種類は、事
務机から事務機器、特定業務執行に係る専門性の高い機器、さらには美術工芸品まで様々
である。
事務事業や業務内容の多様化に伴い、各所属で管理する備品の数量や種類の増加によ
り、備品管理業務が煩雑化し、また、他の業務と比較して緊急度や優先度が低いなどの
理由により、管理保管や現状把握がおろそかになっている事例が見受けられる。
このようなことから、市の財産管理の基本事務である備品の管理業務を監査の対象と
し、その物品が備品とするに相応しいか、備品の管理業務が適正に行われているか、ま
た管理方法に改善すべき点はないかなどを検証することにより、備品が適正に管理され、
有効に活用されることを以って、効率的な事務の執行に資することとする。
備品のうち車両類は、公用車の管理事務として別途立てとした。公用車についても行
政事務執行上、市民の財産として適正な管理及び効率的な利用を図ることが求められて
いる。そのため、公用車の管理状況が適切であるか、効率的に利用されているかに着眼
し、適正に管理され、有効に活用されることを以って、効率的な事務の執行に資するこ
ととする。
なお、監査の実施にあたっては、提出された関係書類を審査し、文書及び口頭による
質問調査並びに現物調査を実施した。
1
第6 監査の結果
監査の結果は、テーマに基づき、備品の管理事務を一つの柱とし、備品のうち車両類
については公用車の管理事務としてまとめた。
(表中の部課名の表記は平成 18 年度による)
1 備品の管理事務
(1)備品の取り扱い状況
物品の取り扱いについては、宇治市財務規則第 2 節で物品の項を設けて事務手続き
について規定している。同規則第 196 条では「物品は、その適正な使用を図るため、
物品分類表に定めるところにより分類する」としているが、それに該当するものは見
受けられなかった。備品登録する際の分類表としては、
「宇治市備品名鑑」があり、実
務上は、備品名鑑に基づき分類されていた。
「宇治市備品名鑑」では、大分類として
01
卓子類
11
楽器類
02
椅子類
12
測量製図器具類
03
棚類
13
計器類
04
箱類
14
工具類
05
室内用品類
15
医療用機器類
06
冷暖房空調機器類
16
保健体育機器類
07
寝具類
17
車両類
08
事務用機器類
18
図書類
09
印章類
19
厨房用機器類
10
機械器具類
20
雑類
21
保育所用器具類
の 21 項目に分類され、さらに中分類、小分類に分類すると 896 項目に細分化されてい
た。
備品の定義については、同一性(形状を変えない)、耐用性(比較的長く使用)、永
続性(保存)、価格性(値)等が考えられるが、財務規則では備品についての具体的な
定義はなく、ほかにも備品の定義を謳っているものは見受けられなかった。実務上は、
物品のうち、その性質・形状を変えることなく長期間継続して使用保存できるものを
備品としているとのことであった。地方財務実務提要によれば、備品購入費とは、
「自
治法第 239 条に規定する物品のうち、需用費及び原材料費である物品を除いた物品の
購入に要する経費」であり、
「備品はその性質形状を変えることなく、比較的長く使用
し、かつ保存できる物品の購入に要する経費であって、性質的には、需用費の消耗品
と同様であるが、耐用期間、永続性、同一性の保持、価格等から消耗品と区別される」
としている。
本市では備品登録については、購入価格が 1 万円以上を基準としているが、実態と
しては、
1 万円未満であっても開設備品等で 1 万円未満のものが相当数見受けられた。
2
重要備品については、取得(購入)価格又は評価額が 50 万円以上の物とし、毎年度の
財産に関する明細書にも物品明細書として登載されている。
備品については標識(備品シール)を貼付するとともに、旧備品については、所属
課において備品受払簿に記載し、備品カードによって管理され、会計室においても台
帳で管理されていた。財務会計システム稼動後はシステム内に備品登録され、所属別
備品一覧表により管理されていた。
(2)保有調査対象課・備品数
定期監査時における調査対象課の備品総数は 18,427 点であり、うち所属別備品一覧
表で管理している(
)内の会計室出力分は 15,881 点であった。そのうち調査対象と
した備品数は 7,212 点(全体の 39.1%)で、廃棄されていたり、シール未貼付で確定
できなかったもの等を除き、実査時に確認できた備品数は 6,881 点であった。
表Ⅰ 調査対象課・備品数
個
数
市長公室
部課名
備品総数
調査対象
実査確認
(内会計室出力分)
備品数
備品数
産業政策室
秘書課
301(249)
301
300
人事課
448(366)
366
148
広報課
137( 92)
132
130
危機管理課
254(217)
184
177
商工観光課
1,052(737)
772
742
市役所事務室
64( 61)
64
64
観光センター
179( 29)
179
169
56( 56)
56
52
175(175)
4
4
49( 49)
47
47
1)
1
1
512(366)
405
405
0)
16
0
産業推進課
450(450)
450
450
人権・同和対策課
782(617)
629
601
市役所事務室
90( 65)
90
90
善法隣保館等
271(189)
209
209
木幡河原隣保館等
392(359)
301
273
4)
29
29
526(526)
429
429
JR 宇治駅前観光案内所
市営茶室
市内観光地
生涯学習センター
1(
産業会館
近鉄大久保駅観光案内所
16(
人権推進室
玉池集会所
29(
男女共同参画課
3
こども福祉課
1,269(1,269)
256
251
57( 57)
57
56
994(994)
53
49
地域子育て支援基幹センター
94( 94)
35
35
西部地域子育て支援センター
88( 88)
87
87
ファミリーサポートセンター
36( 36)
24
24
4,335(3,225)
713
676
市役所事務室
109( 93)
109
75
小倉双葉園保育所
756(541)
207
206
宇治保育所
469(361)
92
91
木幡保育所
586(564)
157
157
西小倉保育所
500(357)
148
147
1,915(1,309)
0
0
620(620)
383
383
81( 81)
81
81
539(539)
302
302
3,654(3,614)
498
495
128( 88)
77
77
3,526(3,526)
421
418
介護保健課
123(119)
123
123
道路建設課
69( 30)
50
50
263(151)
178
178
施設建築課
47( 23)
34
34
住宅課
35( 35)
29
29
消防総務課
731(715)
538
538
消防本部
401(401)
78
78
52( 52)
13
13
中消防署
498(449)
362
362
槇島消防分署
743(567)
116
116
西消防署
772(622)
291
291
伊勢田消防分署
347(254)
17
17
東消防署
518(481)
270
270
18,427(15,881)
7,212
6,881
市役所事務室
育成学級
子育て支援室
保育課
大久保・槇島・北木幡・善法保育所
保健推進課
健康増進室
市役所事務室
保健医療センター
健康生きがい課
市役所事務室
東宇治地域福祉センター他
建設部
維持課
消防本部
市民安全室
総
計
4
(3)保有調査対象課金額別備品数(会計室出力分のみ)
金額別の備品数の状況を見ると、1 万円から 10 万円未満の備品が 10,492 点(全体
の 66.1%)と最も多く、ついで1万円未満が 3,810 点(24.0%)と続き、10 万円まで
の備品で 9 割を占めている。50 万円以上の重要備品については、373 点であった。
表Ⅱ 金額別備品数(会計室出力分のみ)
金額区分
市長公室
部課名
①
②
③
④
⑥
⑦
9
187
47
人事課
115
249
2
366
広報課
4
74
14
92
危機管理課
23
130
48
10
3
商工観光課
346
289
47
27
26
産業政策室
観光センター
14
JR 宇治駅前観光案内所
21
31
4
市営茶室
55
90
26
市内観光地
2
1
217
1
737
2
4
26
19
1
267
98
29
56
生涯学習センター
1
175
1
1
49
1
366
近鉄大久保駅観光案内所
0
人権推進室
産業推進課
267
182
1
人権・同和対策課
165
371
77
58
7
57
96
33
108
216
35
1
2
1
市役所事務室
木幡河原隣保館等
1
3
61
9
善法隣保館等
249
61
3
産業会館
5
合計
秘書課
市役所事務室
1
⑤
玉池集会所
450
1
3
617
65
3
189
359
4
子育て支援室
男女共同参画課
226
274
22
3
1
526
こども福祉課
320
907
37
3
2
1,269
11
40
4
2
57
297
671
24
地域子育て支援基幹センター
9
81
4
94
西部地域子育て支援センター
3
82
3
88
33
2
1
2,661
328
16
市役所事務室
育成学級
ファミリーサポートセンター
保育課
207
5
2
994
36
13
3,225
市役所事務室
14
75
1
1
2
93
小倉双葉園保育所
38
442
55
3
3
541
宇治保育所
18
294
46
2
1
361
木幡保育所
18
498
43
3
2
564
西小倉保育所
25
293
37
1
1
357
94
1,059
146
6
4
1,309
63
502
39
11
5
620
市役所事務室
19
62
保健医療センター
44
440
39
11
5
539
健康生きがい課
1,753
1,637
176
15
33
3,614
市役所事務室
21
67
1,732
1,570
176
29
75
15
大久保・槇島・北木幡
・善法保育所
保健推進課
健康増進室
東宇治地域福祉センター他
介護保健課
建設部
道路建設課
81
88
15
1
120
施設建築課
3,526
119
29
維持課
33
1
16
3
7
30
2
2
151
23
住宅課
23
消防本部
8
26
1
消防総務課
61
617
26
2
9
消防本部
39
282
54
13
12
1
市民安全室
1
28
13
4
4
1
1
52
中消防署
7
365
47
16
9
1
4
449
槇島消防分署
37
433
57
17
16
2
5
567
西消防署
87
452
62
7
8
2
4
622
9
195
36
6
3
1
4
254
33
384
41
8
10
5
481
3,810
10,492
1,206
163
170
29
15,881
伊勢田消防分署
東消防署
総
計
35
715
11
401
注)網掛け部分は重要備品
金額区分・・①1 万円未満
②1 万円~10 万円未満
④50 万円~100 万円未満
③10 万円~50 万円未満
⑤100 万円~500 万円未満
⑥500 万円~1,000 万円未満
⑦1,000 万円以上
(4)1 万円未満の備品の大分類別備品数
表Ⅱのうち、1 万円未満の備品の大分類別備品数を見ると、椅子類が 2,467 点(全
体の 64.8%)と圧倒的に多く、次いで卓子類、室内用品類、機械器具類の順であった。
6
表Ⅲ 大分類別備品数(1 万円未満)
大分類
部課名
01
02
03
秘書課
2
人事課
113
04
5
05
06
07
08
13
14
15
16
17
18
19
20
10
115
2
4
10
1
13
1
3
2
市営茶室
5
21
55
8
産業推進課
267
253
1
2
11
20
木幡河原等
15
76
1
10
男女共同参画
170
7
4
こども福祉
11
156
55
259
善法等
57
10
1
267
4
22
3
20
11
6
2
108
6
226
11
2
9
19
4
36
6
8
297
12
保育課
14
小倉双葉園
16
1
8
1
6
1
1
1
宇治
3
57
3
子育てセンター
西小倉
23
3
JR 宇治駅前
合計
9
2
観光センター
木幡
21
4
危機管理課
育成学級
11
2
広報課
産業会館
10
12
14
1
1
1
2
7
3
1
16
38
1
1
7
18
1
2
4
18
10
25
2
2
1
3
2
他の 4 園
31
保健推進課
医療センター
1
5
4
2
4
1
6
2
健康生きがい
福祉センター他
12
1
1
3
1
30
12
11
19
12
6
12
21
107
介護保険課
1,226
94
44
21
11
21
98
4
8
20
68
11
25
12
7
39
75
1,732
29
29
維持課
1
1
住宅課
1
消防総務課
33
2
5
22
消防本部
4
市民安全室
1
1
2
西消防署
70
7
1
伊勢田分署
東消防署
合計
39
5
1
5
3
3
1
1
20
338
2,467
25
45
224
4
4
10
158
8
37
3
87
1
9
2
1
33
67
129
6
6
2
7
108
13
38
30
26
4
7
18
1
2
2
61
1
11
1
3
35
中消防署
槇島分署
8
113
3,810
(5)監査で明らかになった事項
ア 通常の備品における調査結果
(ア)同一品の備品登録の相違について
・
応接セット物をテーブルの名称で 1 品目として登録されているものと、テーブ
ル、椅子等個々に登録されているものがあった。
・
同じ品目で備品登録されているものと、されていないものがあった。
(イ)使用されていない備品について
・
時代の流れに応じて使用されていない備品が、そのまま登録保管されているも
のがあった。
(ウ)備品として登録すべきものについて
・
予算執行上、備品購入費以外(工事請負費で執行)で設置した駅ターミナルの
大型時計について、他の同様の備品との登録状況が不整合であった。
・ 1 万円未満の備品については、備品として扱うことが相応しいかどうかの整理、
検討が望ましい状況であった。
(エ)その他
・
現物が確認できないものがあった。
(廃棄処理、所管換えの未処理等)
・
備品シールを貼付するに相応しくない物品についての、シール未貼付が見受け
られた。
イ 重要備品における調査結果
重要備品については、表Ⅱの網掛け部分が該当する。そのうち、1,000 万円以上
の重要備品は 29 点で、うち消防総務課の消防車両類 19 点、機械器具類 7 点(危機
管理課 3 点、消防総務課 4 点)
、ほかに維持課の計器類 2 点、商工観光課の宇治十帖
モニュメント(雑類)1 点という内訳であった。
・
観光センターに設置している観光ビデオについて、来館者が操作することにより
故障が多発したことから、事務局職員が操作し上映することとされていたが、その
旨の案内表示がなく、故障中のように見受けられた。
・
観光案内板のうち実査時に寒冷紗が覆ってあり、道路から確認できないものがあ
った。
・ 施設に貸与している車両のうち 3 台について、廃棄手続きがされていないものが
あった。
(6)総括意見
・
備品の取り扱い状況について、前述したような状況が見受けられることから、備
品のより適正な管理事務を進めるために、会計室において備品の取り扱い基準を整
理し検討した上、備品の定義や備品の備品台帳への登載基準等を定めた「物品取扱
要領」を整備し、事務処理の一貫性の確保や実効性の向上を図られたい。
・
実査時において確認できなかった備品については、定期監査報告においても指摘
9
したところであるが、主たる原因を見ると、実査時点において、シール未貼付のた
め確定できなかったもののほか、廃棄ずみ又は廃棄手続き中であったが、事務処理
がされていなかったものや、所管換えしたにもかかわらず、その手続きがされてい
なかったことによるものであった。厳に注意し、適正な事務処理をされたい。
・ 備品シールを貼付するに相応しくない物品については、
「写真等の記録媒体に貼付
し保管する」
「購入時の箱に貼付して保管する」等、適当な方法を検討されたい。
・
トランシーバーや旧式の写真機等で使用されていない備品や修理が必要で使用さ
れていない備品が見受けられたが、今後の利用が見込まれないものについては、財
務規則で定められた手続きにより廃棄等、適正な事務処理をされたい。また、使用
できるにもかかわらず、所属課において使用されていない備品や使用価値が低い備
品がある場合は、必要とする他課への所管換えによって有効活用を図ることができ
ないか等、検討されたい。
・
重要備品の管理については、市民の財産であることを踏まえ、取得や使用にあた
っては費用対効果を得られるよう有効性に留意するとともに、設置目的に沿った管
理がされているかを常に点検し、改善が必要な場合は、早急に対応されたい。また、
設置場所についても用途に留意し事務執行されたい。特に、外部職場等で日常管理
されているものについては、所属課においての指導や管理を徹底されたい。
・
各課の備品の管理責任者である物品管理者をはじめ、物品を使用する職員におい
ては、備品は他の財産と同様に本市の貴重な財産であることを認識し、監査の目的
にもあるように、備品の管理保管や現状把握がおろそかにならないよう、備品の適
正管理と有効活用を図り、効率的な事務の執行に資することを期待する。
2 公用車の管理事務
ここでは、備品の中でも特に保管場所の確保や燃料費・保険料等の多額の維持管理経
費を要する車両類について、適正に管理し、効率的に利用されているかを主眼に監査を
した結果をまとめた。監査の結果は、概ね適正に管理運用されていると認めたが、一部
検討されたい事項があるので、項目ごとに意見を述べる。
(1)車両保有状況
ア 備品登録状況
市全体で、平成 19 年 3 月 31 日現在、323 台の車両類(市の備品として登録され
ているもの)を保有しており、当該行政監査では、平成 18 年度に定期監査を実施し
た課等に登録のあった計 256 台(全体の 79.3%)を対象とした。
10
表/種別保有状況(部局別)
自動車類
原動機付自転車類
秘書課
156
3
こども福祉課
1
健康生きがい課
22
市長公室
健康福祉部
159
8
30
11
11
4
維持課
消防本部
小
小計
1
介護保険課
建設部
消防用自動車類
計
4
2
5
44
51
185
27
44
256
以上が、当該監査の対象課。
市民環境部
健康福祉部
文化自治振興課
1
1
環境企画課
1
1
ごみ減量推進課
47
47
障害福祉課
2
2
年金医療課
1
1
3
国民健康保険課
都市整備部
3
3
1
1
学校教育課
4
4
生涯学習課
2
2
62
5
公園緑地課
議会事務局
教育委員会
小
3
計
4
0
67
調査対象の部局別内訳を見ると、車両管理の主管部局である市長公室が 159 台
(62.1%)と最も多く、消防本部が 51 台(19.9%)
、健康福祉部が 42 台(16.4%)
等となっていた。
イ 経過年数
平成 19 年 3 月末現在の、車両類の取得後の経過年数は、以下のとおりであった。
分類名
~2 年
2~4 年
4~6 年
6~8 年
8 年~
小計
軽自動車
16
38
30
27
36
147
上記以外
3
1
1
9
24
38
原動機付自転車類
5
3
4
2
13
27
消防用自動車類
4
10
5
9
16
44
小計
28
52
40
47
89
256
自動車類
8 年以上の車両が 89 台(34.8%)で最も多く、次に 2 年以上 4 年未満の車両が 52 台
11
(20.3%)となっていた。こ
のうち、保有台数が最も多
89
90
2年未満
2年以上4年未満
4年以上6年未満
6年以上8年未満
8年以上
80
70
60
(台)
52
47
50
40
38
40
28
30
台(25.9%)で最も多くなっ
年数の各区分ごとに比較的
27
平均的に現存していた。
16
20
年以上 4 年未満の車両が 38
ているが、全体的には経過
36
30
い軽自動車に限定すると、2
10
0
全体(256台)
軽自動車(147台)
ウ 総走行距離
平成 19 年 3 月末現在の、車両類の総走行距離(メータ数)は、以下のとおりであ
った。
分類名
自動車類
~2 万㎞
2~4 万㎞ 4~6 万㎞ 6~8 万㎞
8 万㎞~
小計
軽自動車
73
41
25
6
2
147
それ以外
6
11
11
5
5
38
原動機付自転車類
27
消防用自動車類
29
7
3
2
3
44
135
59
39
13
10
256
小計(256 台)
27
全体、軽自動車ともに 2 万㎞未満の車両が最も多く、全体では 52.7%、軽自動車
140
の 49.7%を占めていた。
135
2万㎞未満
2万㎞以上4万㎞未満
4万㎞以上6万㎞未満
6万㎞以上8万㎞未満
8万㎞以上
120
100
73
80
(台)
59
車両類は、軽自動車以外
の自動車類に多く見られ、
軽自動車類 1.4%(2/147)
に対し、13.2%(5/38)と
60
41
39
40
なっていた。
25
13
20
0
8 万㎞を超えるような
全体(256台)
10
6
軽自動車(147台)
12
2
(2)管理状況は適切か
ア 保管状況
宇治市公用自動車管理規則第 8 条では「自動車の格納場所を指定し、自動車及び
鍵を厳重に保管しなければならない」と定めている。
公用車の保管場所は、敷地内駐車場(本庁地階・バス専用車庫・二層式・公用車
入口横・水道庁舎入口横・本庁二輪駐輪場・西館 1 階周辺)及び庁外施設内におい
て公用車台数に応じた駐車場が確保されていた。
また、同条第 4 項にて「自動車の予備鍵は、市長公室秘書課において厳重に保管
しなければならない」と定めており、定期監査時に調査したところ、保管状況につ
いては特に指摘する点がないことを確認した。
イ 更新基準
車両類の更新にあたっては、明確な更新基準は定められていないが、登録からの
経過年数が 10 年以上の車両を一応の目安とし、更新を行っているとのことであった。
平成 18 年度中に廃棄された車両類のうち、更新台数の多い軽自動車について経過
年数と走行距離を見てみると、平均経過年数は 10.6 年、平均走行距離は 46,585 ㎞
となっていた。
区
分
軽自動車 (10 台)
経過年数
走行距離
最短
最長
平均
8.9 年
15.0 年
10.6 年
最短
最長
平均
14,408 ㎞ 70,492 ㎞ 46,585 ㎞
また、庁外施設に長期貸与していた車両を除き、同年度中に廃棄された車両類は、
同程度の車両に更新されていた。
軽自動車にあっては、ほぼ目安程度の経過年数で更新しているが、総走行距離に
ついては廃棄するには使用が少ない(14,408 ㎞)と感じられる車両も見受けられた。
消防車等の特殊な車両を除いては、経過年数のみならず使用頻度、走行状況につい
ても一定の目安を持ち、更新基準を明文化することが望ましい。
ただし、修理等の維持管理費用が多額になるような事例の場合は、更新基準を満
たさなくても更新できるような項目の設定も必要と考える。
併せて、更新基準を満たさなくても、優れた機能性を有する車両に更新すること
で、市民の福祉の増進に寄与できる場合も往々にしてある(特に消防など)ので、
車両類の更新については、常に車両の状態を把握し、最少の経費で最大の効果を挙
げられるように、今後も一層検討されるよう期待する。
(3)効率的に活用されているか
ここでは、消防車やダンプカー、広報車等のように特殊な構造を有さず、また用途
が限られていない汎用性のある軽自動車について、効率的に利用されているかを数値
13
上から検証した。
ア 軽自動車の配置状況
軽自動車 147 台の備品登録状況、配置状況は下表のとおりであった。
備品登録
台数
配置場所(台)
備
考
①一般貸付用(50)
庁舎内…(75)
②長期貸付用(25)・・・・生活支援課、道路建設
課(各 3)、維持課、都市計画課、下水道
管理課(各 2)
他
子育て支援室(7)・・・・各保育所(7)
人権推進室(3)・・・・各隣保館(2)ゆめりあ宇
秘書課
140
治(1)
産業政策室(1)・・・・産業振興センター(1)
③
庁舎外…(65)
下水道室(1)・・・・東宇治浄化センター(1)
教育委員会(53)・・・・各小学校(22)各中学校
(14)各公民館(5)各青少年センター(4)
源氏物語ミュージアム(1)生涯学習セン
ター(1)各図書館(3)歴史資料館(3)
健康生きがい課
5
庁舎外…( 5)
各デイサービスセンター等(5)
こども福祉課
1
庁舎外…( 1)
ファミリーサポートセンター(1)
維持課
1
庁舎内…( 1)
④長期貸付用(1)・・・・維持課
計
147
イ
軽自動車の平成 18 年度使用状況
各団体に貸与している軽自動車 6 台を除いた計 141 台(上記表内の①~④)の、
平成 18 年度の使用状況は、次のとおりであった。
最小走行距離
最大走行距離
平均走行距離
平均メータ数
① 一 般 貸 付 用
945 ㎞
9,449 ㎞
5,465 ㎞
24,413 ㎞
②,④長期貸付用
1,455 ㎞
10,284 ㎞
4,747 ㎞
46,917 ㎞
③ 庁 舎 外 配 置
45 ㎞
8,774 ㎞
2,512 ㎞
15,753 ㎞
45 ㎞
10,284 ㎞
3,955 ㎞
24,152 ㎞
合
計
平均的な当年度走行距離は約 4,000km、メータ数(総走行距離)は約 24,000 ㎞と
なっており、庁舎外に配置された車両については、いずれもその数値を下回ってい
た。
(ア)走行距離
平成 18 年度の軽自動車の走行距離(年計)は、以下のとおりであった。
14
区分 \ 走行距離
~2 千㎞
2~4 千㎞
4~6 千㎞
6~8 千㎞
8 千㎞~
① 一 般 貸 付 用
6
9
12
15
8
50
②,④長期貸付用
3
10
3
7
3
26
③ 庁 舎 外 配 置
25
32
6
1
1
65
小
34
51
21
23
12
141
計
小計
全体でみると、2 千㎞以上 4 千㎞未満の軽自動車が 51 台(36.2%)で最も多く、
次に 2 千㎞未満の車両が 34 台
35
①一般貸付用
30
(24.1%)となっていた。
一般貸付用では、平均走行
②,④長期貸付用
25
距離が 5,465 ㎞となっており、
③庁舎外配置
20
全体的に稼働があるように見
15
受けられた。2 千㎞未満の中
10
には、更新で年度途中に配置
5
された軽自動車 2 台を含んで
0
いた。
~2千㎞
2~4千㎞
4~6千㎞
6~8千㎞
8千㎞~
長期貸付用は、業務内容上
車両が必需でありまた使用頻度が多いため、各課に便宜上 365 日間の期間で貸付
を行っている軽自動車である。平均走行距離は 4,747 ㎞で、各課の業務内容によ
って走行距離の区分は主に 2~4 千㎞と 6~8 千㎞に二分されていた。
庁舎外配置分は、秘書課(本庁)での一般貸付が無理なため、各所に配置して
いるもので、走行距離は全体的に少なく 4 千㎞未満のものが 65 台中 57 台(87.7%)
となっていた。
(イ)一般貸付用の稼働状況
平成 18 年度の軽自動車(一般貸付用)の稼働日数は、以下のとおりであった。
区分 \ 走行距離
① 一 般 貸 付 用
~50 日
0
51 日~
101 日~
151 日~
100 日
150 日
200 日
4
3
4
201 日~
小計
39
50
通常の勤務日数を約 245 日とした場合に、稼働率が概ね 80%を超える 201 日以
上の稼働があった軽自動車は 39 台(78.0%)であった。また、51~100 日の稼働
だった 4 台のうちには、年度途中に更新された軽自動車 3 台が含まれていた。
今回は、特に稼働の少ない車両は見受けられなかったが、今後、業務の変化に
伴い稼働日数の減少が見られる場合には、適宜、配車台数等の見直しを図られ、
不要な維持経費の削減に取り組まれたい。
15
3 まとめ
地方公共団体の財産管理については、その取得・管理・処分等が適切に行われること
は勿論のこと、常に良好な状態で管理し、その所有の目的に応じて最も効率的に運用し
なければならない。
備品の管理事務の総括意見でも述べたように、備品のより適正な管理事務を進めるた
めには、
「物品取扱要領」の整備が何より求められる。関係部局で検討され、事務処理の
一貫性の確保や実効性の向上を図られたい。
備品や公用車は、企業会計では貸借対照表で資産計上される重要な財産であり、また
地方公共団体においても重要な位置を占めるものであるが、現金預金の管理運用に比べ
て、ともすればその意識が希薄になりがちであるので、その重要性について再確認され、
今後とも一層適正且つ効率的な管理に取り組まれるよう期待する。
16