弾性マッチングを用いた 画像パターン認識のための 標準

弾性マッチングを用いた
画像パターン認識のための
標準パターン設定法
九州大学大学院システム情報科学府
○松本直樹,内田誠一,迫江博昭
重ね合わせによる画像パターンのマッチング
重ね合わせ
X
R
入力パターン画像
標準パターン画像
相違度小
同じクラス!
差画像
2
重ね合わせによる画像パターンのマッチング
重ね合わせ
X
R
入力パターン画像
標準パターン画像
相違度大
異なるクラス!
差画像
3
弾性マッチング
変形
重ね合わせ
X
入力パターン画像
R'
変形された
標準パターン画像
R
標準パターン画像
相違度小!
同じクラス!
差画像
入力パターンの変形に対して頑健な認識が可能
4
2画像間の距離尺度
重ね合わせ
相違度→
重ね合わせ
相違度→
ユークリッド距離
変形
弾性マッチング距離
5
標準パターン設定の問題
変形
X
入力パターン画像
R'
R
変形された
標準パターン画像
標準パターン画像
変形
1クラス当り複数の標準パターンが必要!
6
クラスタリングによる標準パターン画像設定法
クラスタ3
クラスタ1
ユークリッド距離の意味での
学習パターン分布の重心
→標準パターン
クラスタ2
学習パターン
標準パターン
7
従来のクラスタリング法を使用する際の問題点
„
距離尺度不一致の問題
„
„
クラスタリング時 : ユークリッド距離
認識時 : 弾性マッチング距離
認識性能を低下させる?
8
ユークリッド距離と弾性マッチング距離
R
ユークリッド距離
Dr ( R, X )
R'
R'
X
De (R,Y )
Y
弾性マッチング距離
De ( R, X )
9
距離尺度不一致が引き起こす問題
„
クラスタ1
弾性マッチング距離で
見ると別のクラスタに属する
クラスタ2
学習パターン
標準パターン
10
本研究の目的
距離尺度に認識時と同じ
弾性マッチング距離を用いた
クラスタリング法の提案
11
弾性マッチング距離を用いたクラスタリング法
本手法の特徴
„
„
„
„
ユークリッド距離の代わりに弾性マッチング距離を利用
ベースとなるクラスタリング法:k-means法
繰り返し計算
初期化
各クラス独立に計算
クラスタ生成
更新
収束条件
を満たす
no
yes
終了
13
初期設定
初期標準パターン設定(K個)
K =3
14
クラスタ生成
学習パターンを弾性マッチング
距離の意味で最も近い
標準パターンに属させる
15
クラスタ生成
属した学習パターンを
標準パターンに近づくよう変形
16
更新
変形パターンの平均
→新たな標準パターン
“クラスタ生成”へ戻る
17
終了条件
標準パターン収束で終了
18
画像パターンで見ると
現在の
標準パターン
属した
学習パターン
変形
変形
変形
平均
平均
平均
変形後
学習パターン
更新後の
標準パターン
19
実験
実験で用いた弾性マッチング法
入力パターン X
標準パターン R
21
実験で用いた弾性マッチング法
L
L
変形
L
入力パターン X
L
標準パターン R
変形パターンR’
22
実験で用いた画像データ
手書き数字画像データベース
MNIST:学習パターン60000個,テストパターン10000個
前処理:大きさ線形正規化(16x16)
23
認識実験手順
学習パターン
テスト
パターン
従来手法
(ユークリッド+k-means)
本手法
(弾性マッチング+k-means)
標準パターン
標準パターン
認識 (弾性マッチング距離 , 1-NN法)
認識率
認識率
24
認識実験
95
認識率(%)
90
85
本手法
80
従来手法
75
70
1
1
5
10
50
1クラス当りの標準パターン数[K]
10
本手法はより少ない標準パターンで高い認識率
100
100
25
副次的な効果
得られた標準パターン
標準パターンのぼけが
解消された
→平均顔作成等に有用
従来手法
本手法
26
ぼけ解消の理由
„
従来手法
単純平均
„
+
+
3
本手法
=
位置や変形の正規化後平均
変形
+
+
3
=
27
まとめ
„
„
弾性マッチングを用いた画像パターン認識に必要な
標準パターンの自動設定法を提案
実験により従来手法に比べ認識性能の向上を確認
28
今後の課題
„
„
より識別を意識した他の
クラスタリング法(GLVQ等)の利用
弾性マッチングとクラスタリングの他の組み合わせ形態
の検討
29