重み付き最小二乗法の繰り返しによるローレンツ型 パワースペクトルの

重み付き最小二乗法の繰り返しによるローレンツ型
パワースペクトルの推定アルゴリズムの研究
図1
重み付き最小二乗法による
推定結果の一例
初期値設定
(推定パワーの初期値)=(観測値)
図2 重み付き最小二乗
法の繰り返しに関するフ
ローチャート
推定パラメータベクトル の計算
(重み付き最小二乗法)
推定パワーの計算
No
収束したか?
Yes
周波数シフト量,ピーク値,半値幅の計算
代表的なパワースペクトルの一つであるロー
レンツ型パワースペクトルの関数形状は非線形
関数であるローレンツ関数により表されます。
このため、通常の最小二乗法を単純には適用す
ることが出来ず、逆数による線形化或いは最急
降下法によるパラメータ推定によりスペクトル
形状推定が行われていました。しかし、最急降
下法では対象関数の非線形性のためにパラメー
タ間の干渉が避けられません。また、逆数によ
る線形化では、従来の最小二乗法をそのまま用
いることが出来る利点があるものの、0付近の
観測値を利用すると推定結果が極端に劣化する
という欠点がありました。
このため、本研究では観測値の二乗を重みとす
る重み付き最小二乗法を提案しました。本手法
は観測値の逆数を陽に推定アルゴリズムに用い
ないため、0付近の観測値をも推定に利用出来
るという長所を有しています。図1は本手法に
よる推定結果シミュレーションの一例です。図
中○はシミュレーションに用いた観測値、実線
は推定結果です。図より0付近の観測値をも利
用し、推定が良好に行われていることが分かり
ます。さらに、本手法を繰り返すことにより推
定精度を向上することも可能です。図2は重み
付き最小二乗法の繰り返しを行う際のフローチ
ャートを示しています。
参考文献・著書・特許等:
山田孝行,成瀬央,“重み付き最小2乗法の繰返しによるブリルアン散乱光パワースペクトル分布の
推定”
,電子情報通信学会論文誌 B Vol.J84-B (2001) pp.1063-1070
教員名:山田 孝行(茨城大学工学部情報工学科情報システム講座助教授)
TEL:0294-38-5256 FAX:0294-38-5256 E-mail:[email protected]
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