引続き富裕層の相続税対策の不動産取得ニーズは旺盛

ビーロット
(3452・東証マザーズ)
2016 年 12 月 27 日
引続き富裕層の相続税対策の不動産取得ニーズは旺盛
アップデートレポート
㈱アイフィスジャパン
堀部 吉胤
16/12 期会社業績予想は余裕をもって達成されよう
16/12 期 3Q 累計(1-9 月)業績は、
売上高 59.7 億円
(前年同期比 38.8%
増)
、営業利益 6.6 億円(同 30.5%増)
。主力の不動産投資開発事業は
前年同期に好採算のホテル再生物件の売却があった反動で増収減益だ
ったが、売買仲介の好調や保有中の収益不動産からの賃料収入の増加
などでカバーし、全体では大幅営業増益となった。物件の仕入れも開
主要指標 2016/12/22 現在
発用地と収益不動産のバランスを取りながら順調に進捗している。
株
価
年初来高値
年初来安値
1,395 円
1,886 円
(2016/04/25)
938 円
(2016/01/18)
通期会社業績予想は、期初予想から変更なく、売上高 112 億円(前
期比 62.1%増)
、営業利益 9.7 億円(同 21.8%増)
。3Q 累計の進捗率は、
売上高 53.0%、営業利益 68.6%と低めだが、開示により判明している
だけで、4Q(10-12 月)に 3 物件、約 40 億円の売却・引渡があり、通期
会社業績予想は余裕をもって達成されるだろう。
発行済株式数
4,001,100 株
売 買 単 位
100 株
時 価 総 額
5,581 百万円
予 想 配 当
未定
再生案件に比べ利益率が高いとみられる開発案件の売却が見込まれる
154.66 円
ことなどから高い増益率が見込まれている。相続税対策のための富裕
17/12 期以降、開発案件のホテルの竣工が目白押し
2 ヶ年の中期経営計画における 17/12 期の目標は、売上高 123 億円
(
会
予 想
社
)
E P S
( ア ナ リ ス ト )
実 績
P B R
2.06 倍
直前のレポート発行日
(16/12 期会社予想比 9.7%増)
、営業利益 13.6 億円(同 39.7%増)。
層の収益不動産の取得意欲は依然旺盛で、金融機関の不動産融資姿勢
も引続き緩和的なことから、物件売却をコントロールしながら業績を
つくることは難しくない環境である。
17/12 期以降、インバウンド需要を狙った開発案件のホテルの竣工が
ベーシック
2016/04/14
相次ぐ。Brexit 後の急激な円高は米大統領選後に修正され、インバウ
アップデート
2016/09/13
ンドは順調に拡大しているため売却は順調に進展いくだろう。
業
績
動
売上高
百万円
向
前期比
%
営業利益
百万円
前期比
%
経常利益
百万円
前期比
%
当期純利益
百万円
前期比
%
EPS
円
2015/12 3Q(1-9 月)
実
績
4,305
-
512
-
405
-
252
-
73.18
2016/12 3Q(1-9 月)
実
績
5,973
38.8
668
30.5
493
21.7
322
27.8
82.41
2015/12 通
実
績
6,950
87.4
800 2.1 倍
400 2.3 倍
112.60
期
新 ・会 社予 想
(2016 年 11 月発表)
旧 ・会 社予 想
2016/12 通
2017/12 通
期
期
655 2.2 倍
120.56
期初予想から変更なし
(2016 年 2 月発表)
11,263
62.1
974
21.8
735
13.2
482
20.4
124.33
新・アナリスト予想
12,050
73.4
1,180
47.5
930
42.0
600
50.0
154.66
旧・アナリスト予想
(2016 年 9 月発表)
12,100
74.1
1,200
50.0
935
42.7
605
51.3
153.84
新・アナリスト予想
14,500
20.3
1,640
39.0
1,360
46.2
880
46.7
226.83
旧・アナリスト予想
14,800
22.3
1,720
43.3
1,380
47.6
900
48.8
228.85
(2016 年 9 月発表)
アナリストレポート・プラットフォーム
1
業
績
 経営環境解説
不動産売買市場に
 会社概要
特段の変化はみら
れない
2016 年は 6 月に英国の EU 離脱決定、11 月に米大統領選におけるトランプ
氏の勝利と海外で予想外の大きな政治イベントがあり、世界的に金融市場は
大きく動揺したが、国内の不動産売買市場に特段の影響はみられない。引続
き金融機関の不動産融資姿勢は緩和的で、投資家の収益不動産取得意欲は旺
盛。物件取得には厳しく、売却には良好な環境が続いている。
流石にキャップレートには下げ止まり感が出てきたが、都心での物件取得
が困難なため、地方物件の取得を積極化する動きが様々な投資家の間でみら
れる。
国内銀行の不動産業向け新規貸出額(四半期推移)
(億円)
40,000
(%)
50
新規貸出額
35,000
40
前年同期比(右軸)
30
30,000
20
25,000
10
20,000
0
▲ 10
15,000
▲ 20
10,000
▲ 30
5,000
▲ 40
0
▲ 50
3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9
01 02
03
04 05 06 07 08
09 10 11 12 13
14 15 16
(年月)
(出所)日本銀行「貸出先別貸出金」
国内銀行の不動産業向け貸出残高(四半期推移)
(兆円)
80
(%)
16
貸出残高(左軸)
70
貸出全体に占める割合(右軸)
15
60
14
50
13
40
12
30
11
20
10
10
9
0
8
3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9 3 9
01
02
03
04
05
06
07
(出所)日本銀行「貸出先別貸出金」
アナリストレポート・プラットフォーム
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年月)
2
業
績
英国の EU 離脱決定は、ほぼ全通貨に対する急激な円高をもたらし、イン
円高 によ るイ ンバ
ウンドの減退懸念
は後退
 会社概要
バウンドの影響を大きく受けるホテルの先行きが、供給増加と相まって懸念
されたが、米大統領選後は逆に対ドルを中心に急速に円安が進み、懸念は後
退した。熊本地震の影響も薄らぎ、インバウンドは順調に拡大している。特
に京都や大阪でホテル需給の逼迫が続いている。
今後は円安による輸出企業を中心とした企業業績の改善や、株高による資
産効果などによる日本人のホテル需要の回復も期待されよう。
また、2016 年 12 月 15 日に衆議院本会議で IR 推進法が成立したことは中
長期的にインバウンド拡大に追い風になろう。
延べ宿泊者数前年同月比の推移
(%)
70
60
全体
外国人
日本人
50
40
30
20
10
0
-10
-20
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
14
15
16
(年月)
(出所)観光庁
米大統領選後の米国の長期気金利の急上昇を受け、世界的に長期金利が上
長期金利の動向に
昇。日本の長期金利にも上昇圧力がかかり、2016 年 11 月中旬以降、同年 2
は注意したい
月以来のプラス圏で推移するようになった。
2016 年 12 月 14 日には FRB が 1 年ぶりとなる政策金利の引上げを決定。
2017 年は米国の利上げのペースが加速するとの見方も増えている。日銀は
長期金利の誘導目標を 0%で据え置くとしており、当面、日本の長期金利の
上昇は抑えられるとみられるが、不動産市場において長期金利上昇は大敵で
あり、今後の長期金利の動向、日銀の金融政策には注意を払いたい。
アナリストレポート・プラットフォーム
3
業
績
 16/12 期 3Q 累計(1-9 月)業績解説
3Q 累計業績は、
売買仲介や賃料収
入の増加が牽引
 会社概要
16/12 期 3Q 累計業績は、売上高 59.7 億円(前年同期比 38.8%増)、営業
利益 6.6 億円(同 30.5%増)
、経常利益 4.9 億円(同 21.7%増)
、純利益 3.2
億円(同 27.8%増)。主力の不動産投資開発事業は、前年同期に好採算のホ
テル再生案件の売却があった反動で前期比増収減益だが、不動産コンサルテ
ィング事業、不動産マネジメント事業が好調で全体では増益となった。
通期会社業績予想に対する進捗率は、売上高 53.0%、営業利益 68.6%、
経常利益 67.1%、純利益 66.8%。売上高の進捗率が低いが、開示されてい
るだけで 3 物件、約 40 億円の売却・引渡が 4Q(10-12 月)にあるため、通
期業績予想達成に向け懸念はない。
買収により完全子会社としたライフステージが 3Q(7-9 月)から P/L 連結
3Q からライフステ
ージが P/L 連結さ
れている
されている。ライフステージ単独の業績は非開示。年間の売上高は 15 億円
程度、営業利益・経常利益は 1 億円程度の会社だが、マンションの販売代理
が主力であり、業績は 3 月を含む上期偏重のため 16/12 期の利益寄与はほと
んどないとみられる。なお、買収によりのれんが 1.44 億円発生しているが、
15 年償却とみられ 3Q ののれん償却は 205 万円と僅少。
ライフステージの売上高は、主力の販売代理、仲介が不動産コンサルティ
ング事業に、区分マンションや戸建用地など小規模不動産の買取再販が不動
産投資開発事業に計上されている。また、販売代理は労働集約的なためライ
フステージの従業員数は 100 名弱と多く、6 頁の表のように 3Q の販管費が
それまでの四半期 2 億円ペースから 5 億円近くに膨らんだ相当部分はライフ
ステージの連結に伴うものである。
3Q 累計のセグメント別の業績動向をみると、主力の不動産投資開発事業
は売上高 48.3 億円(前年同期比 29.1%増)、
営業利益 4.8 億円
(同 9.5%減)
。
売却件数は、前年同期と同じ 9 件。この件数にはライフステージの戸建用
地等の小口物件は含まれていない(以下の説明でも件数にはライフステージ
は含んでいない)
。
REIT ブリッジファンドに比較的短期で転売した渋谷の 20 億円超のオフィ
スビルをはじめ売却単価が上昇し大幅増収となったが、前年同期に高採算の
ホテル再生第 1 号案件(空ビルからホテルへのコンバージョン)の「ファー
ストキャビン築地」
(売却金額 19.7 億円)の売却があった反動で増収ながら
減益となった。
3Q の売却件数は 3 件、売上高は 12.5 億円だった。3 件とも再生案件のレ
ジデンスだった。ライフステージの小口物件の売却は数千万円あったもよう。
アナリストレポート・プラットフォーム
4
業
績
3Q 累計の仕入れ件数は、前年同期と同じく 13 件。アセットタイプ別の内
取得環境が厳しい
訳は、レジデンス 4 件(前年同期 7 件)
、事務所・店舗ビル 4 件(同 4 件)、
 会社概要
中でも仕入れは順
開発用地を含む土地 5 件(同 2 件)だった。
調に進捗
3Q に仕入れが 8 件と大幅に進捗した。2Q 累計(1-6 月)決算説明会時に 7
月~2Q 累計決算発表日の 8 月 12 日までに 10 物件の購入契約を締結したと
開示されており、これらを中心に 3Q に引渡が進んだ。3Q に仕入れたのは、
品川区のレジデンス等 4 件(取得に伴う借入金額 13.7 億円)
、福岡市のレジ
デンス開発用地(同 9 億円)
、京都市のホテル開発用地(同 22 億円)
、沖縄
のホテル開発用地(同 20 億円)など。良好な資金調達環境を受け、物件取
得競争が引続き厳しい中でも、想定利益率の目線を下げずに、収益不動産と
開発用地のバランスを取りながら順調に仕入れを進めている。
結果、3Q 末の在庫は 22 件(前年同期末比 6 件増、前期末比 4 件増)とな
った。
(百万円)
12,000
10,000
保有不動産の推移
販売用不動産
仕掛販売用不動産
有形固定資産
在庫物件数(右軸)
(件)
30
25
8,000
20
6,000
15
4,000
10
2,000
5
0
0
12/12
13/12
14/12
15/6
15/12
16/9
(出所)決算短信、会社資料、目論見書
(注)在庫物件数には固定資産及びライフステージ保有の区分マンション等の小口物件
を含まず。16/9時点の販売用不動産の主なものは、ユナイテッド・アーバン投資法人に売却が
決定した2物件(2016年12月に引渡済み)
4Q(10-12 月)に入っても北海道小樽市のホテル開発用地(取得に伴う借
入金額 18.43 億円)
、渋谷区の店舗(同 8 億円)、福岡市のマンション開発用
地・収益ビル・鹿児島市の収益マンション(同 3 件計で 9.89 億円)の取得
がリリースされている。これらのほかにも仕入れが進んでいるようであり、
引続き仕入れは順調といえよう。
アナリストレポート・プラットフォーム
5
業
績
不動産コンサルティング事業は、売上高 5.1 億円(前年同期比 4.3 倍)
、
売買仲介は案件の
 会社概要
大 型 化 など に よ り
好調に推移
営業利益 2.2 億円(同 5.1 倍)
。中心となる売買仲介及びコンサルティング
受託の成約件数は 20 件(前年同期比 1 件増)
。相続税対策のための富裕層に
よる収益不動産の取得ニーズは引続き旺盛で、取扱物件の大型化も手伝い大
幅増収増益となった。
下表のように 3Q に売上高が急増しているのは、ライフステージの販売代
理が加わったためとみられる。
不動産マネジメント事業は、売上高 6.5 億円(前年同期比 49.9%増)、営
保有不動産の増加
に伴い、賃料収入
が増加
業利益 3.4 億円(同 51.5%増)
。
不動産投資開発事業の拡大に伴う収益不動産の保有期間中の賃料収入の
増加を主因に大幅増収増益となった。クライアントの所有する不動産の管理
受託件は 46 件(前年同期末比 6 件増、前期末比 6 件増)と着実に増加し、
安定的な PM フィーも着実に増加した。
また、新たな取組みとしてミサワホームと提携し、ミサワホームと共同出
資する不動産ファンドを組成し、AM を受託した(詳細は 10 頁参照)
。
四半期業績推移
売上高
不動産投資開発
不動産コンサルティング
不動産マネジメント
売上原価
売上総利益
販管費
営業利益
不動産投資開発
不動産コンサルティング
不動産マネジメント
調整額
営業外収益
営業外費用
うち支払利息
経常利益
特別利益
特別損失
税金等調整前当期純利益
法人税等合計
当期純利益
1Q
2,858
2,739
19
99
2,303
554
187
367
428
0
46
▲ 108
1
28
27
339
0
0
339
121
218
15/12
2Q
3Q
376 1,071
216
791
30
71
130
208
226
701
150
370
185
190
▲ 35
180
▲2
109
2
41
63
118
▲ 97 ▲ 89
2
2
34
50
29
36
▲ 67
133
0
0
0
0
▲ 67
133
▲ 22
54
▲ 46
80
4Q
1Q
2,645
683
2,391
330
51
139
205
214
2,164
299
482
383
194
196
288
187
304
63
14
103
56
114
▲ 87 ▲ 93
1
0
39
54
36
50
250
132
0
0
0
0
250
132
101
51
148
81
(単位)百万円
16/12
2Q
3Q
4Q CE
3,508 1,782 5,290
3,247 1,257
na
20
323
na
240
202
na
2,980 1,131
na
529
650
na
203
495
na
326
155
306
277
144
na
21
96
na
132
98
na
▲ 105 ▲ 183
na
0
0
na
67
54
na
63
51
na
260
101
242
0
0
na
0
0
na
260
101
na
68
51
na
191
50
160
売上総利益率(%)
19.4
39.9 34.5 18.2 56.1
15.1
売上高営業利益率(%)
12.8 ▲ 9.3 16.8 10.9 27.4
9.3
(出所)決算短信をもとにIFIS作成
(注)CEは会社予想(通期会社予想から3Q累計実績を単純に差引いたもの)
アナリストレポート・プラットフォーム
36.5
8.7
na
5.8
6
業
績
 16/12 期業績予想
4Q に大型 3 物件
 会社概要
の売却があり、通
期会社業績予想は
余裕をもって達成
されよう
通期会社業績予想は、売上高 112 億円(前期比 62.1%増)、営業利益 9.7
億円(同 21.8%増)
、経常利益 7.3 億円(同 13.2%増)、純利益 4.8 億円(同
20.4%増)
。期初予想が据え置かれている(発行済株式数の変化に伴い EPS
のみ 2Q 累計決算発表時に若干下方修正されている)
。
通期会社業績予想に対する 3Q 累計の進捗率は、先述のように低めだが、
不動産投資開発事業において開示されているだけでも 4Q(10-12 月)に 3
物件、売却金額合計約 40 億円の売却・引渡がある(下表参照)
。うち、2 物
件の売却先は総合型上場 REIT のユナイテッド・アーバン投資法人(8960)で、
8 月 9 日に売却決定のリリースが出されていた。残り 1 物件は、ホテル再生
第 2 号案件の「IMANO TOKYO」
(新宿区)
。1985 年竣工の築古の空ビルを 2015
年 1 月に取得した後、ホテルにコンバージョンしたもので、同年 11 月に開
業。外国人旅行者を主なターゲットとし、稼働率 85%程度の高稼働を維持
し、約 1 年のトラックレコードを積んで無事、売却に至った。
REIT に売却した 2 物件の利益率は低めとみるが、ホテル再生案件は、通
常の再生と異なり、追加投資額が大きく難易度も高いだけに 1 号案件と同様、
好採算になったとみる。これら 3 物件の売却は、東証の開示基準に基づいて
開示されたもので、開示対象外の小規模な物件の売却も進んでいるとみられ、
通期業績は余裕をもって達成されよう。
IFIS の業績予想は前回から微修正した。純利益の予想を微下方修正した
にもかかわらず、EPS が若干上方修正になっているのは、前回レポート時か
ら自社株買いが若干進捗したことによる。なお、自社株買いの期間は、2016
年 7 月 1 日~12 月末までで、上限 20 万株(又は 3 億円)に対し、11 月末時
点の進捗は 121,600 株(平均取得価格 1,396 円)となっている(4Q に入っ
てからの進捗は 38,600 株)。
4 Q の 主 な 売 却 ・ 引 渡 予 定 物 件
物件名
ア セ ッ ト タ イ プ
所在地
延床面積 売却金額 売却CR
売却先
(㎡)
(百万円) (%)
4,751.26
1,750
7.0 ユナイテッド・アーバン投資法人
3,652.47
1,300
5.3 ユナイテッド・アーバン投資法人
906.51
946
na SPC(詳細非開示)
9,310.24
3,996
-
-
ケーズデンキ名古屋北店 商業施設
愛知県春日井郡
セントヒルズ
レジデンス
大阪市
IMANO TOKYO
ホテル
新宿区
合計
-
-
(出所)会社リリースをもとに作成
(注)取得日、売却日は引渡日ベース。売却CR(キャップレート)は売却決定時の想定NOI利回り
アナリストレポート・プラットフォーム
取得日
売却日
2016年1月29日
2016年12月1日
na
2016年12月1日
2015年1月28日 2016年12月22日
-
-
7
業
績
 17/12 期業績予想
良好な売却環境を
 会社概要
背景に業績続伸が
見込まれる
当社は 2016 年 2 月(15/12 期決算発表時)に 2 ヶ年の中期経営計画を発
表しており、17/12/期は中計の最終期に当たる。中計における 17/12 期の計
数目標は、売上高 123.54 億円(16/12 期会社業績予想比 9.7%増)、営業利
益 13.61 億円(同 39.7%増)、経常利益 11.0 億円(同 49.7%増)、純利益
7.14 億円(同 48.1%増)
。なお、中計にはライフステージの M&A は織り込ま
れていない。
増収率に比べ高い利益率を見込んでいる一因は、16/12 期にはない開発案
件の売却を見込んでいるため。開発案件は一般的に開発リスクを取っている
分、再生案件よりも利益率が高い傾向がある。注力しているホテルやコンド
ミニアムの開発に関しては、ニセコのコンドミニアム(販売戸数 7 戸)が
2015 年 11 月に竣工、12 月にオープンしており、2017 年の年初から外国人
向けに販売を開始するもよう。ホテル開発第 1 号案件となる大型カプセルホ
テルの「ナインアワーズ北新宿」(206 カプセル、2017 年 2 月末竣工予定)
、
京都の清水寺近くのホステル(27 室/114 ベッド、2017 年 7 月竣工予定)も
竣工を迎える。基本的に 1 年程度、トラックレコードを積んでからの売却に
なるとみるが、ホテル需給が逼迫している京都の物件は、好立地でもあり当
期中の売却もありえよう。ホテル以外の開発案件でも、渋谷区の店舗(計画
延床面積 456.51 ㎡、2017 年 9 月竣工予定)、福岡市のレジデンス(同 1,598.5
㎡、2017 年 9 月竣工予定)が当期に竣工予定。
16/12 期 2Q 末時点の棚卸資産の想定売却粗利益率は 17%としており、そ
れ以降も同様の利益率を目安に仕入れを行っているため、棚卸資産には潤沢
な含み益がある。金融機関の不動産融資姿勢は引続き緩和的で、国内富裕層
の相続税対策の収益不動産取得ニーズは引続き旺盛であるなど売却環境は
非常に良好であり、売却物件をコントロールしながら業績をつくり上げるこ
とは難しくない状況にある。IFIS 予想は、ライフステージの通期寄与など
を考慮し、中計目標よりも強めにみている。
 18/12 期業績見通し
ホテルの竣工が相
次ぐ ため 、 今後の
インバウンドの動向
に注目したい
18/12 期業績は今後の仕入れの進捗に左右されるところはあるが、大型開
発案件の「ナインアワーズ北新宿」が売却時期を迎えることなどから続伸と
なろう。また、当期には沖縄のホテル「(仮称)ネストホテル那覇アネック
ス」(計画部屋数 132 室、2018 年 3 月下旬竣工予定)、北海道小樽市のホテ
ル(計画延床面積 4,649.44 ㎡、2018 年 2 月竣工予定)
、京都市のホテル(同
2,343.92 ㎡、2018 年 9 月竣工予定)と開発案件のホテルが多く竣工を迎え
る予定。いずれもインバウンドを狙った立地の物件であり、今後の為替、イ
ンバウンドの動向に注目したい。
アナリストレポート・プラットフォーム
8
業
績
損益計算書
単体
 会社概要
12/12
売上高
不動産投資開発
不動産コンサルティング
不動産マネジメント
売上原価
売上総利益
販管費
営業利益
不動産投資開発
不動産コンサルティング
不動産マネジメント
調整額
営業外収益
営業外費用
うち支払利息
経常利益
特別利益
特別損失
税金等調整前当期純利益
法人税等合計
当期純利益
売上総利益率(%)
売上高営業利益率(%)
13/12
14/12
15/12
1,338 2,230 3,709 6,950
1,069 1,896 3,236 6,137
192
145
197
171
76
188
275
642
1,011 1,614 2,772 5,394
327
616
936 1,556
242
399
558
756
84
217
378
800
120
310
464
839
71
57
78
57
3
45
88
283
▲ 110 ▲ 196 ▲ 253 ▲ 381
0
0
3
6
6
35
86
151
6
35
68
128
78
182
295
655
0
0
0
0
0
0
0
0
78
182
295
655
36
78
118
254
41
104
176
400
24.4
6.3
27.6
9.7
25.2
10.2
22.4
11.5
(単位)百万円
連結
16/12
17/12
CE
E
CE
E
11,263 12,050 12,354 14,500
na 10,300
na 11,700
na
850
na 1,500
na
900
na 1,300
na
9,470
na 10,960
na
2,580
na 3,540
na
1,400
na 1,900
974
1,180 1,361 1,640
na
1,000
na 1,300
na
310
na
430
na
440
na
600
na ▲ 570
na ▲ 690
na
1
na
10
na
251
na
290
na
235
na
270
735
930 1,100 1,360
na
0
na
0
na
0
na
0
na
930
na 1,360
na
330
na
480
482
600
714
880
na
8.6
21.4
9.8
要約貸借対照表
12/12
920
320
20
555
25
239
59
1,160
179
62
720
681
259
13/12
2,302
567
1,292
398
45
239
56
2,542
1,007
737
1,086
1,049
449
14/12
5,014
1,008
596
2,806
604
254
51
5,268
3,085
2,749
1,204
1,167
977
15/12
8,343
2,106
0
6,069
168
1,632
821
9,984
1,836
1,296
5,716
5,607
2,431
有利子負債計
743 1,786 3,916 6,903
自己資本比率(%)
22.3
16.4
18.6
24.4
(出所)決算短信、有価証券報告書、目論見書、会社資料
(注)CEは会社予想。17/12期CEは中計に基づく
アナリストレポート・プラットフォーム
24.4
11.3
(単位)百万円
単体
流動資産
現預金
販売用不動産
仕掛販売用不動産
その他
固定資産
うち有形固定資産
資産合計
流動負債
うち有利子負債
固定負債
うち有利子負債
純資産
na
11.0
連結
16/12
CE
E
na 13,300
na
1,700
na
900
na 10,000
na
700
na
2,550
na
900
na 15,900
na
5,600
na
5,000
na
7,419
na
7,200
na
2,881
17/12
CE
E
na 15,700
na 1,900
na 1,000
na 12,000
na
800
na 2,700
na
950
na 18,450
na 6,100
na 5,500
na 8,819
na 8,600
na 3,531
na 12,200
na
18.1
na 14,100
na
19.1
9
ト
ピ
ッ
ク
ス
 ミサワホームと共同出資の不動産ファンドの運用を開始
ミサワホームと不動
 会社概要
産ファンドの運用で
提携
2016 年 9 月 30 日にミサワホームと共同出資する不動産ファンドの運用を
開始した。大阪市内の築浅のレジデンス 2 棟を裏付資産とし、ファンド規模
は 10 億円。投資割合はミサワホーム 89.8%、当社 10.2%と当社はマイナー
出資。デットはノンリコースローンで調達。AM を当社(100%子会社のビー
ロット・アセットマネジメント)が受託する。
このファンド規模では、PM フィーやエクイティ出資からのインカム配当
はわずかではあるが、今後、ミサワホームの資金力を使って、100 億円規模
までファンドを拡大していきたいようだ。なお、将来、物件を売却し売却配
当を得た場合は、不動産投資開発事業に計上される。
11 月 22 日にミサワホームはトヨタホームに対する第三者割当増資及び
TOB により、トヨタホームの子会社(出資比率 51%)になると発表した。ミ
サワホームは増資によって調達する 147 億円を不動産開発、収益不動産の取
得に充てるとしており、当社との提携にとってはプラスに働くといえよう。
アナリストレポート・プラットフォーム
10
(出所)㈱QUICK
上記チャート図の一部又は全部を、方法の如何を問わず、また、有償・無償に関わらず第三者に配布してはいけません。
上記チャート図に過誤等がある場合でも㈱QUICK 社及び東京証券取引所は一切責任を負いません。
上記チャート図の複製、改変、第三者への再配布を一切行ってはいけません。
2013/12
株 価 推 移
2014/12
2016/12 予
(アナリスト)
2015/12
株価(年間高値)
円
14 年 12 月上場
6,796
5,633
-
株価(年間安値)
円
14 年 12 月上場
3,303
1,151
-
月間平均出来高
百株
14 年 12 月上場
76,188
5,871
-
売
上
高
百万円
2,230
3,709
6,950
12,050
営
業
利
益
百万円
217
378
800
1,180
経
常
利
益
百万円
182
295
655
930
百万円
104
176
400
600
業 績 推 移
当 期 純 利 益
E
P
S
円
68.97
81.18
112.60
154.66
R
O
E
%
32.3
25.3
16.5
20.8
流動資産合計
百万円
2,302
5,014
8,343
-
固定資産合計
百万円
239
254
1,632
-
資
百万円
2,542
5,268
9,984
-
産
合
計
貸借対照表
流動負債合計
百万円
1,007
3,085
1,836
-
主 要 項 目
固定負債合計
百万円
1,086
1,204
5,716
-
負
百万円
2,093
4,290
7,553
-
株主資本合計
百万円
417
977
2,432
-
純 資 産 合 計
百万円
449
977
2,431
-
営業活動による CF
百万円
-859
-1,802
-1,680
-
投資活動による CF
百万円
-22
-220
-1,241
-
財務活動による CF
百万円
1,129
2,462
4,019
-
現金及び現金同等
物の期末残高
百万円
567
1,007
2,102
-
キャッシュフ
ロー計算書
主 要 項 目
債
合
計
アナリストレポート・プラットフォーム
11
リ
ス
ク
分
事
業
関 会社概要
す る リ

析
に
ス ク
 事業に関するリスク

フロービジネスの不動産投資開発事業に収益が偏っており、金融機関の
不動産融資姿勢の厳格化などにより不動産の流動性が低下、不動産価格
が下落した場合、総資産回転率が低下したり、物件の売却価格が低下し
業績が悪化する恐れ。

長期金利上昇。

リーマンショックのように極度に資金調達環境が悪化した場合、リファ
イナンスが困難になる恐れ。

日銀の異次元金融緩和、マイナス金利導入を受け、足元の不動産売買市
場は過熱気味であり、物件取得競争の一段の激化により不動産を高値掴
みした場合は、棚卸資産評価損や減損リスクを抱えることになる。

単体の従業員数は 2016 年 6 月末で 36 人と少人数であり、社長をはじめ
とする創業メンバーの人的ネットワークに依存するところが依然かな
り大きい。なお、連結の従業員数はライフステージの買収により 133
名となっている。

急激な円高の進行、中国の一段の景気減速、日中関係の悪化などにより
インバウンド需要が減退した場合、ホテル再生・開発事業が影響を受け
る恐れ。

民泊が急拡大し、ホテル再生・開発事業の収支に悪影響を与える恐れ。

業容が急拡大期にあり、資金需要が旺盛なため、株式市場の低迷により
エクイティファイナンスが困難になった場合、成長のボトルネックとな
る恐れ。

大地震の発生などによる保有不動産の損壊。

顧客情報の外部漏洩による信用の低下。個人富裕層を主要顧客としてい
るため個人情報の管理の重要性は高いといえよう。
アナリストレポート・プラットフォーム
12
デ ィ ス ク レ ー マ ー
1.本レポートは、株式会社東京証券取引所(以下「東証」といいます。
)が実施する「アナリストレポー
ト・プラットフォーム」を利用して作成されたものであり、東証が作成したものではありません。
 会社概要
2.本レポートは、本レポートの対象となる企業が、その作成費用を支払うことを約束することにより作
成されたものであり、その作成費用は、当該企業が東証に支払った金額すべてが、東証から株式会社ア
イフィスジャパン(以下「レポート作成会社」といいます。
)に支払われています。
3.本レポートは、東証によるレビューや承認を受けておりません(ただし、東証が文面上から明らかに
誤りがある場合や適当でない場合にレポート作成会社に対して指摘を行うことを妨げるものではありま
せん)
。
4.レポート作成会社及び担当アナリストには、この資料に記載された企業との間に本レポートに表示さ
れる重大な利益相反以外の重大な利益相反の関係はありません。
5.本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的として作成されたもので、有価証券の
取引及びその他の取引の勧誘又は誘引を目的とするものではありません。有価証券の取引には、相場変
動その他の要因により、損失が生じるおそれがあります。また、本レポートの対象となる企業は、投資
の知識・経験、財産の状況及び投資目的が異なるすべての投資者の方々に、投資対象として、一律に適
合するとは限りません。銘柄の選択、投資判断の最終決定は、投資者ご自身の判断でなされるようにお
願いいたします。
6.本レポート作成にあたり、レポート作成会社は本レポートの対象となる企業との面会等を通じて、当
該企業より情報提供を受けておりますが、本レポートに含まれる仮説や結論は当該企業によるものでは
なく、レポート作成会社の分析及び評価によるものです。また、本レポートの内容はすべて作成時点の
ものであり、今後予告なく変更されることがあります。
7.本レポートは、レポート作成会社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、東証及
びレポート作成会社は、本レポートの記載内容が真実かつ正確であり、そのうちに重要な事項の記載が
欠けていないことやこの資料に記載された企業の発行する有価証券の価値を保証又は承認するものでは
ありません。本レポート及び本レポートに含まれる情報は、いかなる目的で使用される場合におきまし
ても、投資者の判断と責任において使用されるべきものであり、本レポート及び本レポートに含まれる
情報の使用による結果について、東証及びレポート作成会社は何ら責任を負うものではありません。
8.本レポートの著作権は、レポート作成会社に帰属しますが、レポート作成会社は、本レポートの著作
権を東証に独占的に利用許諾しております。そのため本レポートの情報について、東証の承諾を得ずに
複製、販売、使用、公表及び配布を行うことは法律で禁じられています。
<指標の説明について>
本レポートに記載の指標に関する説明は、東京証券取引所ウェブサイトに掲載されております。
参照 URL ⇒
http://www.jpx.co.jp/listing/ir-clips/analyst-report/02.html
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