産業廃棄物最終処分場の建設を 計画している事業者の皆さまに

産業廃棄物最終処分場の建設を
計画している事業者の皆さまに
産業廃棄物最終処分場の建設を計画している事業者の皆さまに
資料4
構想・計画段階での留意事項
¾ 産業廃棄物最終処分場建設事業は、
【資料-1】のスケジュール例に示すように、建設場所を決めて
から施設が出来上がるまでに最低でも 5 年間を要する大きなプロジェクトです。
¾ これまでの設置許可申請物件の中で、事前の配慮が不足していたために事業者の意図したとおりに
プロジェクトが進捗しなかった事例を下表に示します。
(参考事例)
施
設
①安定型最終処分場 A
原因と結果
河川に隣接し、地下水が豊富な土地を選定したため、調査、設計や地
下水排除工の検討などのため、計画から許可までに長時間(事前協議
開始から許可までに2年余り)を要した。
②安定型最終処分場B
平地ではあったが、軟弱地盤で液状化対策及び軟弱地盤対策が必要と
されたため、調査・造成工事費が通常の処分場の2~3倍となった。
③管理型最終処分場 C
独自の処理技術に関する説明資料の作成や他法令の許可申請手続き
の遅延、不況による融資手続きの長期化などのため、計画から設置ま
でに長時間(事前協議開始から着工までに5年余り)を要した。
¾ 参考事例①と②から明らかなように、建設場所の選定はプロジェクトの成否を決める大切な作業で
す。場所次第では、許可取得までに長い時間がかかったり、工事に多額の対策費が必要になったり
します。最悪の場合、プロジェクトを断念せざるを得ないこともあります。
¾ 建設場所が産業廃棄物最終処分場の建設に適性を有しているかを判断するには技術的な専門性を
要求されますので、経験豊富な専門のコンサルタントなどに早い段階から依頼することをお勧めし
ます。
¾ とは言え、購入を勧められた手頃な土地がある場合や、建設場所も決まっていない段階で外部に相
談することや出費が生ずることに抵抗感がある場合もありますから、そのような時は事業者が自ら
調べることが必要です。
¾ 建設場所の適性について、事業者が自ら調べることが可能で、第一段階の判断ができる情報を【資
料2-1】と【資料2-2】に整理しました。【資料2-1】は、立地選定に当たって特に重要と
考えられる点を列挙していますが、詳細は【資料2-2】を参考に情報収集することが必要です。
¾ 建設場所に目途が立ったら、施設概略レイアウト、事業スケジュールなど、いわゆる「基本構想」
の作成が必要です。これによって、調査設計→許可申請→建設工事という時間と費用を要するプロ
ジェクトへの着手を判断します。
¾ プロジェクトの大きなハードルとして住民合意形成がありますが、まず大切なのは必要な事項を的
確に伝えることです。少なくとも次の二つの節目で住民に説明することが必要です。
第一段階:調査設計に着手する前(基本構想が固まり次第、早い段階で)
第二段階:許可申請手続きに入る前(現地調査、設計内容が固まり次第、早い段階で)
それぞれの段階で説明が必要と思われる項目を【資料-3】に整理しました。
――
-1-
――
-2-
【資料2-1】最終処分場の立地選定のあり方
次のような土地については、特に、立地にあたっては、周辺の生活環境上の支障をきたすおそれ
があり、また建設費用や許可申請にかかる時間という観点から慎重さが求められます。
なお、調査すべきや配慮すべき事項など、詳細は【資料2-2】を参考にしてください。
【資料2-2】
適合条件
コメント
水道水源上流
(水道事業等の取水地点
の上流)
希釈が十分でないまま、放流水が水道水源に至る場
合は、用地としての選定を避けることが望ましい。
P.4 の No.1
文教施設、住宅地等
(学校、医療福祉施設、住
宅地等)
文教施設等から 500m以上離れていない場合は、
道条例の規定に適合しないおそれがあり、用地とし
ての選定を避けることが望ましい。
P.4 の No.2、3
及び
P.4 の No.4、5
河川への近接
河川や伏流水、地下水の影響を回避するため、設計
P.7 の No.18
等に時間を要し、費用も多大となる可能性がある。
海岸への近接
海岸浸食などに留意する必要がある。
漁業権など合意困難な問題が生じるおそれがあり、 P.7 の No.19
補償額のリスクを考慮する必要がある。
地すべり、土石流危険渓流
防災上の観点から対策工に多大の経費を要する可
能性がある。事業の安全な継続の観点から用地とし
ての選定を避けることが望ましい。
――
-3-
参考 No
P.7 の No.22
【資料2-2】産業廃棄物最終処分場の建設場所の適性についてまず調べておきたいこと
<準
備>○建設地周辺状況を把握すること、調べた内容を記すために以下のような資料を用意して
ください。
地形図(市販 1/25,000)/都市計画図(自治体で販売)/地籍図(法務局で販売)/
林班図(振興局で入手可能)‥‥
○最終処分場の設置許可を進めるに当っては、「北海道循環型社会形成の推進に関する条
例」や同施行規則の理解が不可欠です。これらの情報については北海道のホームページ
に掲載されています。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/jss/top_page/junkanjourei.htm
<調査1>○設置許可でもとめられる立地上配慮する事項
A:適合していない場合、許可取得が困難となる可能性がある項目や事項
B:適合していない場合、適合させるための費用や時間を要する事項
C:適合していない場合、地域での軋轢が生ずるおそれのある事項
分類
№
適 合 条 件
①調査内容・②調査方法
1 水道水 源へ の 影響の おそ
れがあ る上 流 域には 設置
しないこと
①取水地点の名称及び
距離
②企業団、市町村など水
道事業者に聞き取り
①周囲の地下水の利用
状況
②市町村に聞き取り
①処分場周囲の湧水の
状況
②現地踏査、地元聞き取
り
2 文教施設から 500m以上
離れていること。
①周辺の文教施設の状
況
②現地踏査、地図、自治
体ホームページ、ハロ
ーページなど
調
査
対
象
水道法で定める「水道事業」、「水道用水供給事業」、「専
用水道」の水源となる原水に影響を与えるおそれがな
いこと。
①水道事業
一般の需要に応じて、水道により水を供給する事業
をいう。ただし、給水人口が百人以下である水道に
よるものを除く。
②水道用水供給事業
水道により、水道事業者に対してその用水を供給す
る事業をいう。ただし、水道事業者または専用水道
の設置者が他の水道事業者に分水する場合を除く。
③専用水道
寄宿舎、社宅、療養所などにおける自家用の水道そ
の他水道事業の用に供する水道以外の水道であっ
て、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一百人を超える者にその居住に必要な水を供給す
るもの
二その水道施設の一日最大給水量(一日に給水する
ことができる最大の水量をいう。以下同じ。)が
政令で定める基準(20m3/日)を超えるもの
個人あるいは事業者が飲用などを目的に利用している
「井戸」をいう。
個人あるいは事業者が飲用などを目的に利用している
「湧水」をいう。
学校教育法で定める「学校」とは、幼稚園、小学校、
中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大
学及び高等専門学校とする。
図書館法で定める「図書館」とは、図書、記録その他
必要な資料を収集し、整理し、保有して、一般公衆の
利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション
等に資することを目的とする施設で、地方公共団体、
日本赤十字社または一般社団法人もしくは一般財団法
人が設置するものをいう。
――
-4-
分類
コ
メ
ン ト
¾ 上流域であっても水源流量等
により十分な希釈がされる場
合は問題ないが、希釈が十分で
ないまま水道水源にいたる場
合は選定を避けることが望ま
しい。
A
・
B
・
C
A
・
B
・
C
A
・
B
・
C
A
・
B
・
C
¾ いずれにしても、下流域の住民
との合意形成上、十分な説明が
必要である。
¾ 詳細調査による地下水状況の
把握結果にもよるが、近接地
の地下水を飲用等している場
合は、使用している住民との
合意形成上、十分な説明が必
要であり、できるだけ避ける
ことが望ましい。
¾ 近接地の湧水を飲用等してい
る場合は、使用している住民
との合意形成上、十分な説明
が必要であり、できるだけ避
けることが望ましい。
¾ 道条例※で「施設周辺 500m
以内に学校、図書館、博物館
がない地域を選定すること」
とされており、選定を避ける
ことが望ましい。
※北海道循環型社会形成の推進
に関する条例
(平成 20 年条例第 90 号)
№
適 合 条 件
①調査内容・②調査方法
①周辺の文教施設の状
況
②現地踏査、地図、自治
体ホームページ、ハロ
ーページなど
3 医療福祉施設など 500m
以上離れていること。
①周辺の医療福祉施設
などの状況
②現地踏査、地図、自治
体ホームページ、ハロ
ーページなど
調
査
対
象
博物館法で定める「博物館」とは、歴史、芸術、民俗、
産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管し、展
示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その
教養、調査研究、レクリエーション等に資するために
必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調
査研究をすることを目的とする機関のうち、地方公共
団体、一般社団法人もしくは一般財団法人、宗教法人
または政令で定めるその他の法人(独立行政法人を除
く。
)が設置するものをいう。
博物館法で定める「博物館に相当する施設」とは、博
物館の事業に類する事業を行う施設で、国または独立
行政法人が設置する施設にあっては文部科学大臣が、
その他の施設にあっては当該施設の所在する都道府県
の教育委員会が、文部科学省令で定めるところにより、
博物館に相当する施設として指定したものをいう。
医療法で定める「病院」とは、医師または歯科医師が、
公衆または特定多数人のため医業または歯科医業を行
う場所であって、20 人以上の患者を入院させるため
の施設を有するものをいう。
医療法で定める「診療所」とは、医師または歯科医師
が、公衆または特定多数人のため医業または歯科医業
を行う場所であって、患者を入院させるための施設を
有しないものまたは 19 人以下の患者を入院させるた
めの施設を有するものをいう。
生活保護法で定める「保護施設」は以下のとおりとす
る。
①救護施設
身体上または精神上著しい障害があるために日常
生活を営むことが困難な要保護者を入所させて、生
活扶助を行うことを目的とする施設とする。
②更生施設
身体上または精神上の理由により養護及び生活指
導を必要とする要保護者を入所させて、生活扶助を
行うことを目的とする施設とする。
③医療保護施設
医療を必要とする要保護者に対して、医療の給付を
行うことを目的とする施設とする。
④授産施設
身体上もしくは精神上の理由または世帯の事情に
より就業能力の限られている要保護者に対して、就
労または技能の修得のために必要な機会及び便宜
を与えて、その自立を助長することを目的とする施
設とする。
⑤宿所提供施設
住居のない要保護者の世帯に対して、住宅扶助を行
うことを目的とする施設とする。
老人福祉法で定める「老人福祉施設」とは、老人デイ
サービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホー
ム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉
センター及び老人介護支援センターをいう。
身体障害者福祉法で定める「身体障害者福祉センター」
とは、無料または低額な料金で、身体障害者に関する
各種の相談に応じ、身体障害者に対し、機能訓練、教
養の向上、社会との交流の促進及びレクリエーション
のための便宜を総合的に供与する施設とする。
障害者自立支援法で定める「障害者支援施設」とは、
障害者につき、施設入所支援を行うとともに、施設入
所支援以外の施設障害福祉サービスを行う施設をい
う。
障害者自立支援法で定める「地域活動支援センター」
とは、障害者などを通わせ、創作的活動または生産活
動の機会の提供、社会との交流の促進その他の厚生労
働省令で定める便宜を供与する施設をいう。
――
-5-
分類
コ
メ
ン ト
¾ 道条例※で「施設周辺 500m
以内に学校、図書館、博物館
がない地域を選定すること」
とされており、選定を避ける
ことが望ましい。
A
・
B
・
C
※北海道循環型社会形成の推進
に関する条例
(平成 20 年条例第 90 号)
¾ 道条例※で「施設周辺 500m
以内に医療福祉施設がない地
域を選定すること」とされて
おり、選定を避けることが望
ましい。
※北海道循環型社会形成の推進
に関する条例
(平成 20 年条例第 90 号)
A
・
B
・
C
№
適 合 条 件
①調査内容・②調査方法
①周辺の医療福祉施設
などの状況
②現地踏査、地図、自治
体ホームページ、ハロ
ーページなど
調
査
対
象
分類
母子及び寡婦福祉法で定める「母子福祉施設」とは、都
道府県、市町村、社会福祉法人その他の者が設置する母
子家庭の母及び児童が、その心身の健康を保持し、生活
の向上をはかるために利用する施設をいう。
メ
ン ト
¾ 道条例※で「施設周辺 500m
以内に医療福祉施設がない地
域を選定すること」とされて
おり、選定を避けることが望
ましい。
障害者自立支援法で定める「福祉ホーム」とは、現に
住居を求めている障害者につき、低額な料金で、居室
その他の設備を利用させるとともに、日常生活に必要
な便宜を供与する施設をいう。
児童福祉法で定める「児童福祉施設」とは、助産施設、
乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童厚生施設、
児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、
盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児
施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設及
び児童家庭支援センターとする。
コ
A
・
B
・
C
※北海道循環型社会形成の推進
に関する条例
(平成 20 年条例第 90 号)
売春防止法で定める「婦人保護施設」とは、都道府県が
設置する要保護女子を収容保護するための施設をいう。
介護保険法で定める「介護保険施設」とは、指定介護老
人福祉施設、介護老人保健施設及び指定介護療養型医
療施設をいう。
4 住宅地から 500m以上離
れていること。
①住宅地の状況
②都市計画図
住宅地とは、都市計画法で定める第一種低層住居専用
地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専
用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、
第二種住居地域、準住居地域をいう。
5 居住者のある住宅から
500m以上離れているこ
と。
①周辺住民の居住状況
②現地踏査、住宅地図
――
-6-
A
・
B
・
C
¾ 道条例で「施設周辺 500m以
内に都市計画法の住宅の用に
供する地域がない地域を選定
すること」とされおり、選定
を避けることが望ましい。
A
・
B
・
C
¾ 道条例で「施設周辺 500m以
内に居住者のある住宅がない
地域を選定すること」とされ
おり、選定を避けることが望
ましい。
<調査2>○関係法令(設置許可様式に示されている法令)の適用状況
分類
№
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
法令の名称
農 地 法
農 振
森 林
法
法
都市計画法
建築基準法
砂利採取法
河 川
法
普通河川条例等
大気汚染防止法
ダイオキシン対策法
水質汚濁防止法
土壌汚染対策法
a:対象となった場合、施設の設置は事実上不可能
b:対象となった場合、許可の取得のために多くの時間と費用が必要
c:一定の手順を踏めば、許可の取得は可能
規制の概要
人為的に農地を農地以外のものにする
ことを「農地転用」という。農地を転
用することを目的として農地を売買す
る場合には、事前に知事(規模によって
は農林水産大臣)許可が必要になる。許
可なしで転用すると売買行為が無効に
なり、所有権移転の登記もできない。
農業振興地域内に農業として利用すべ
き区域として「農用地区域」を設定す
ることとなっており、同区域内の農業
上の利用を確保するため、原則として
農業以外への利用を禁止している。や
むを得ず農業以 外に利用する場 合に
は、あらかじめこの土地を農用地区域
から除外する必要がある。
保安林は、公益目的を達成するために
伐採や開発に制限を加える森林のこと
である。農林水産大臣または都道府県
知事が森林法に基づき指定する。この
場合、森林とは木竹の生育に供される
土地を指し、現時点で生育しているか
否かは問われない、目的にあわせて 17
種類の保安林がある。
初期調査の方法
市役所・町村役場
の農務担当部署ま
たは農業委員会に
て農地種別(甲
種・第1~3種農
地)の区分を確認
する。
市役所・町村役場
の農務担当部署ま
たは農業委員会に
て「農業振興地域
整備計画」で農用
地区域に設定され
ているかを確認す
る。
市役所・町村役場
の林務担当部署に
て保安林指定を確
認する。
産業廃棄物最終処分場は、都市計画法 都市計画図で都市
の「都市施設」には該当しないが、市 計画上の位置づけ
街化区域及び市街化調整区域の区域区 を確認する。
分(いわゆる「線引き制度」)を担保し、
良好かつ安全な市街地の形成と無秩序
な市街化の防止を目的として定められ
る「開発許可制度」に基づく開発許可
が必要である。
初 期 調 査 は 必 要 と
砂利採取業について、その事業を行な 砂利採取計画は都
う者の登録、砂利の採取計画の認可そ 道府県知事、河川
の他の規制を行なうこと等により、砂 管理者に対して申
利の採取に伴う災害を防止し、あわせ 請を行い、許可を
て砂利採取業の健全な発達に資するこ 受けることになっ
とを目的としている。採取後の埋め戻 ているので、各(総
しを義務付けるなど、跡地の利用にも 合 ) 振 興 局 で 照 会
制限のある内容になっている。
する。
一定の行為(排水・占有など)について 現地踏査、地籍図
は、河川管理者との協議が必要になる。 などで河川敷地の
河川法の適用される河川は一級河川、 存在有無を確認す
二級河川に区分される。これらを総称 るほか、市役所・
して「法河川」あるいは「河川法河川」 役場の河川管理担
と呼ぶこともある。これら以外の河川 当 部 署 に て 河 川
は、河川法の規定が準用される準用河 (管理)区分などを
川と、河川法が適用されない普通河川 確認する。
に区分される。
市町村の区域内に存する普通河川につ 市町村HP、市役
いて、災害の発生が防止され、適正に 所・役場の河川管
利用され、流水の正常な機能が維持さ 理担当部署にて存
れ及び河川環境の整備と保全がされる 在を確認する。
ように管理することにより、公共の安
全を保持し、かつ、公共の福祉を増進
することを目的として定められる。
初 期 調 査 は 必 要 と
初 期 調 査 は 必 要 と
初 期 調 査 は 必 要 と
初 期 調 査 は 必 要 と
――
-7-
分類
a
・
b
・
c
a
・
b
・
c
a
・
b
・
c
a
・
b
・
c
し
a
・
b
・
c
a
・
b
・
c
a
・
b
・
c
し
し
し
し
コメント
甲種・第1種農地などの優良農地は
原則不許可で、ハードルは非常に高
い。産業廃棄物最終処分場で「どう
してもこの土地でなければならな
い」という理屈付けが困難である。
産業廃棄物最終処分場で「どうして
もこの土地でなければならない」と
いう理屈付けが困難である。また、
周辺農用地の分断防止や農作業効
率の確保などにも言及するので、上
記同様ハードルは非常に高い。
保安林の指定目的が消滅したとき
(例:保全対象の集落、農地が消滅
するなど)、公益上の理由(例:公共
用道路の建設、送電施設の設置な
ど)が生じたときに限り解除され
る。この際、必要に応じて代替施設
の設置などを求められることがあ
る。産業廃棄物最終処分場のよう
に、民間企業が営利目的で解除を行
うことは事実上不可能である。
産業廃棄物最終処分場は都市計画
区域外に設置されるケースが多く、
この場合は開発面積が 1ha 以上の
場合に適用される。この場合の開発
面積は、埋立面積ではなく、事業に
関連して形質変更される面積であ
るから、たいていの場合対象にな
る。
な い
砂利採取跡地を産業廃棄物最終処
分場に利用したいという計画が
時々見受けられるが、砂利採取計画
に跡地の処理などについて定めら
れているので注意を要する。また、
市町村によっては指導要綱を定め、
埋め戻しに関する遵守事項を定め
ている場合がある。
施設本体が河川敷地に関与するこ
とは厳禁である。現地踏査で流れが
確認できなくても河川と認識され
る場合があるので注意を要する。ま
た、雨水や処理水の放流協議がある
ので、等級の高い河川に近い用地は
注意を要する。
普通河川に影響を及ぼすおそれの
ある行為(流水の占有、敷地の占有、
工作物の設置など)がある場合は、
普通河川管理者の許可を受けなけ
ればならない。普通河川において、
市町村独自の管理規定、許可規程が
無いかの確認を要する。
な い
な い
な い
な い
<調査3>○現地踏査で確認しておきたい事項
A:適合していない場合、許可取得が困難となる可能性がある項目や事項
B:適合していない場合、適合させるための費用や時間を要する事項
C:適合していない場合、地域での軋轢が生ずるおそれのある事項
分類
№
18
着 目 点
河川に近接していないか?
19
海岸に近接していないか?
分
類
A・B・C
A・B・C
20
地下水量が豊富または地下水位が高
いことが見て取れるか?
※現地踏査だけでは判別できないの
で現地聞き取りなどが必要である。
21
22
23
24
平坦地または緩傾斜地であり、かつ十
分な面積を有しているか?
周辺の斜面等に土砂の崩落、ひび割
れ、湧き水の跡はないか?
※北海道土砂災害警戒情報システム
(北海道ホームページ)による確認
(急傾斜地の崩壊・土石流)もあわせ
て行う。
公道から用地への取り付きが容易
か?
周辺の土地所有者と土地利用の状況
はどうか?
※地籍図・登記簿謄本により事前に情
報収集する。
A・B・C
A・B・C
A・B・C
A・B・C
A・B・C
コ メ ン ト
¾ 河川や伏流水、地下水のインタラクション(相互作用)を考慮した設
計、施工、維持管理が必要となり費用がかかる可能性が高くなる。
¾ 海岸浸食などに留意する必要がある。
¾ 漁業権など合意困難な問題が生じるおそれがあり、補償額のリス
クを考慮する必要がある。
【管理型】
¾ 地下水位が高い場合、遮水シートの損壊防止等のための地下水排
水設備、地下水位モニタリング等に費用がかかる可能性高い。
【安定型】
¾ 遮水工が無いので、埋立地底面と地下水位(変動域も含めて)の差が
小さい場合、地下水排水設備、地下水位モニタリング等に費用が
かかる可能性が高い。
¾ 急峻な地形に起因する建設コスト増を回避できる。
¾ 隣接地との緩衝帯を十分に確保できる。
¾ 事業の拡張性を確保できる。
¾ 地滑りなど防災上の観点から問題がある、あるいはそのおそれが
あるので対策工に費用がかかる可能性が高い。
¾ 事業の安全な継続の観点から選定を避ける方が望ましい。
¾ 地盤の湿潤性が見て取れる場合、軟弱地盤であったり、液状化リ
スクが高かったりする可能性があり、仮にそうであると地盤改良
等に多額の費用を要する。
¾ 他人の土地を通ることによるトラブルの危険性がある。
¾ 大型車両進入のために道路の拡幅・橋の補強などコスト増の危険
性がある。
¾ 取得許可の種類によっては隣接地権者同意を求められることがあ
る。
¾ 周辺における土地利用や生業、水利用の形態によっては軋轢が生
じる可能性がある。
――
-8-
<調査4>○その他留意すべき事項
分類
A:適合していない場合、許可取得が困難となる可能性がある項目や事項
B:適合していない場合、適合させるための費用や時間を要する事項
C:適合していない場合、地域での軋轢が生ずるおそれのある事項
① 埋蔵文化財への近接度(分類:A・B・C)
埋蔵文化財を包蔵する土地として周知されている土地を「周知の埋蔵文化財包蔵地」という(文
化財保護法第 57 条の 2)。これは、石器・土器などの遺物や貝塚・古墳・住居跡などの遺跡が土中
に埋もれている土地であって、そのことが地域社会で認識されている土地のことである。
「周知の埋蔵文化財包蔵地」は、通常は市町村の教育委員会が作成する遺跡地図※および遺跡台帳
※
において、その区域が明確に表示されている。しかしながらこの遺跡地図および遺跡台帳はその市
町村内のすべての「周知の埋蔵文化財包蔵地」を登載しているとは限らない。
そのため、遺跡地図および遺跡台帳に登載されている遺跡の区域以外の土地であって、その地域社
会において遺物や遺跡が埋もれていることが認識されている土地もまた「周知の埋蔵文化財包蔵地」
に該当するので、注意が必要である。
このような「周知の埋蔵文化財包蔵地」に関しては、文化財保護法第 57 条の 2 により次のよう
な規制が実施されている。
1)周知の埋蔵文化財包蔵地を土木工事等の目的(埋蔵文化財の調査の目的を除く)で発掘しよう
とする者は、発掘に着手する日の 60 日前までに文化庁長官に届出をしなければならない(文
化財保護法第 57 条の 2 第 1 項)。
2)上記の届出をした発掘に対し、文化庁長官は事前の発掘調査を指示することができる(文化財
保護法第 57 条の 2 第 2 項)。
なお実際には、各市町村は開発事業者のための照会制度を設けており、開発事業者が市町村教育委
員会に照会することにより、上記1)の届出が必要か否かが回答される仕組みとなっている。また開
発予定地が「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当するかどうかが教育委員会においても判明しない場合
(例えば既に発掘された遺跡の区域の隣接地での開発など)には、教育委員会は開発事業者の理解の
もとに、現地踏査や試掘を行なうことがある。
また、上記1)の届出のうえで、開発事業者が「周知の埋蔵文化財包蔵地」を開発し、土中の遺跡
を破壊しようとする場合等には、遺跡の記録を保存するために、文化庁長官は開発工事に先行して上
記2)の発掘調査を行なう。この発掘調査に要する費用は、原則として開発事業者が負担することと
されている。
なお、「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当しない土地であっても、出土品の出土等により、土地の
所有者・占有者が、貝塚・古墳・住居跡などの遺跡を発見した場合には、その現状を変更することな
く、遅滞なく文化庁長官に対して届出を行わなければならない(文化財保護法第 57 条の 5)。
※遺跡地図
貝塚・古墳・住居跡などの遺跡の区域を示す地図のこと。文化財保護法第 57 条の 4 の規定にもとづき、原則として市町村教
育委員会が作成する地図であり、一般の閲覧が可能とされている。
この遺跡地図に登載された遺跡の区域は「周知の埋蔵文化財包蔵地」となるので、土木工事等の目的で発掘しようとする者は、
事前に文化庁長官に届出をする義務が生じる(文化財保護法第 57 条の 2 第 1 項)。
※遺跡台帳
貝塚・古墳・住居跡などの遺跡について、その時代・種類・所在地・面積・主な出土品などを記載した台帳のこと。文化財保
護法第 57 条の 4 の規定にもとづき、原則として市町村教育委員会が作成する台帳であり、一般の閲覧が可能とされている。
② 廃棄物処理法第15条の17第1項に基づく指定区域への近接度(分類:A・B・C)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/jss/top_page/siteikuiki.htm
廃棄物処理法第15条の17第1項に基づく指定区域の指定について
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律137号)の規定により、都道府県知事は、廃棄物が地下にある土地
であって土地の掘削その他土地の形質の変更が行われることにより、当該廃棄物に起因する生活環境保全上の支障が生ずるお
それがあるものを、指定区域に指定することになっております。北海道内の指定区域につきましては、次のとおりですのでご
参照ください。
◆北海道内の指定区域一覧◆
なお、閲覧用台帳については、循環型社会推進課及び区域を所管する総合振興局又は振興局環境生活課へ備え置いておりま
す。また、指定区域内において土地の形質の変更をする場合には、変更に着手する30日前までに計画についての届出が必要
となりますので、事前に区域を所管する総合振興局又は振興局環境生活課へご相談ください。
――
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資料-3【住民説明会で提示すべき情報】
¾ 第一弾:調査設計に着手する前
項 目
産業廃棄物処理の必要性
最終処分場の意義と必要性
基本構想の内容で示せるもの
最終処分場の基本構造
最終処分場の安全性
自社の強み
説明のポイント
人が健康で文化的な生活を送るためには、生産や経済活動で生じた廃棄物処理が必要である。
例:
・ 家庭から排出された下水は、下水処理場で処理され、水はきれいにして河川などに流される
が、生物処理された汚泥は焼却や埋立などの処理が必要である。
・ 食品を製造する時に発生する残さや汚泥も同様である。
・ 地元の産業とリンクさせると説明しやすい。
廃棄物は可能な限り、リサイクル等をすべきであるが、現状の技術では、どうしてもリサイクル
できないものが発生し、最終的には埋立処分が必要である。実際、産業廃棄物最終処分場は、全
国に 3 千箇所以上、道内にも 400 箇所程度ある。
最終処分場の概要
・ 受け入れ廃棄物の種類、最終処分場の種類
・ 簡易レイアウト(面積・容量・埋立年数・拡張計画など)
事業スケジュール
・ 現地調査→設計→許可申請→施工の流れと内容
・ ひとつひとつ手順を踏み、情報公開しながら進めていくことを強調
・ 閉鎖までのプロセスを跡地利用と関連づけながら説明
最終処分場の基本構造を平易に説明する(模式図を使用)。
【安定型】
この最終処分場は、住宅の基礎や工場などを壊した時に発生するコンクリートやプラスチック
製品の製造過程や住宅解体などから発生するプラスチックなど、河川や地下水を汚染するおそ
れのない安定型産業廃棄物を埋め立てるための施設。この施設は・・・・
【管理型】
この最終処分場は、土木工事で出る泥やボイラーや焼却炉から発生する燃え殻やばいじんなど
を埋め立てるための施設。有害な廃棄物は埋立されないが、廃棄物から有機物を含んだ汚水が
発生するため、埋立地内は二重のしゃ水シートを敷き詰めるとともに、汚水を集め、浄化する
水処理施設を持つ。また・・
最終処分場の立地、設計、施工、維持管理がきちんとなされれば、水質、臭気、騒音、振動など
生活環境に与える影響は極めて小さいものとなるので、そのように取り組んでいくことを表明す
る。また、許可申請という技術的検証過程でさらに安全度が増すことも強調する。
これまでの経験、業績、体制など自社の強みを強調する。
自社は、○年に最終処分場や焼却施設を設置し、産業廃棄物処理に携わってきており、排水処
理の技術者は、大学で専門的な技術を学んだ技術者を専任で○名配置、○○という最新の水処
理技術の導入も予定しており、安全かつ確実に排水を処理できる。
・・・
はじめて取り組む事業者においても、地元への貢献や経験者を揃えた万全な体制整備など、意気
込みを強調する。
¾ 第二弾:許可申請手続きに入る前
項
調査設計内容
当初との相違点
設計配慮事項
目
説明のポイント
【調 査】
測量調査、地質調査、生活環境影響調査の概要を示し、現地の特性をわかりやすく説明する。
【設 計】
一般図をもとに工種ごとの概要を説明する。
流出防止設備/しゃ水設備/雨水集排水設備/保有水集排水設備/発生ガス処理設備/汚
水調整池設備/場内道路設備/飛散防止設備/モニタリング設備/防災調整池設備/浸出
水処理施設・・・
住民説明会第一弾で説明した内容が、調査設計を通じて変更になった場合、その内容と理由を丁
寧に説明する。
施設の安全や周辺環境配慮の面で、設計上特に工夫、配慮した事項を強調する。
維持管理計画
許可申請に添付する維持管理計画をもとに、施設の維持管理計画(モニタリング計画を含む)を説
明する。
スケジュール
事前計画書提出以降のスケジュールを説明する。住民が関与できる告示・縦覧・意見書の時期に
ついても触れ、必要に応じて説明の機会を設けることを表明する。
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産業廃棄物最終処分場の建設を計画している
事業者の皆さまに
平成24年12月発行(第1版)
社団法人 北海道産業廃棄物協会
〒060-0005 札幌市中央区北5条西6丁目
TEL 011-241-7611
FAX 011-241-7612