牛久市子ども読書活動推進計画

牛久市子ども読書活動推進計画
平成25年3月
牛久市教育委員会
はじめに
このたび,牛久市では「子どもの読書活動の推進に関する法律」に基づき,
すべての子どもが読書活動を幼少期から大人になるまで生涯にわたり行うこと
で,より豊かな人生を送れるように,
「牛久市子ども読書活動推進計画」を策定
しました。
これまでも当市では,人と本との出会いを大切に考え,中央図書館設立当初
より読み聞かせボランティアの協力を得て、様々なおはなし会を行ってきまし
た。平成 15 年度からは赤ちゃんに本との出会いを提供する「ブックスタート」
事業を開始し,これまでに,6,000 人を超える赤ちゃんに本との出会いを提供し
てきました。また,NPO 法人「リーブルの会」との協働による図書館運営を通じ
て,子ども読書活動の推進に協力をいただいております。
小・中学校においては,市内全校に専門資格を有する司書教諭と学校司書を
配置し,児童生徒の読書活動の支援を行ってきました。さらに,平成 16 年度か
ら重点施策として取り組んだ「学校図書館資源共有ネットワーク推進事業」で
は,各学校図書館の蔵書をデータベース化し,物流ネットワークを結んで蔵書
を共有化したことにより,1 つの学校図書館では限られた図書も,豊富な資料の
なかから活用できるようになり,児童生徒の読書活動が一層充実しました。
これらの活動の成果から,中央図書館は平成 20 年 4 月に「子どもの読書活動
優秀実践図書館」として文部科学大臣表彰を受けました。
本計画は,これらの活動を体系的に取りまとめるともに,子どもたちの読書
活動をさらに推進するため,今後の方針を明らかにしたものです。今後も,地
域や子育て支援施設,学校との連携を進めながら,事業の積極的な推進を図っ
て参ります。
最後に,この計画の策定にあたりアンケートのご協力をいただいた,市内各
保育園・幼稚園,小・中学校,高等学校関係の皆さまをはじめ,図書館協議会
委員ならびに,ワーキンググループの皆さまに,心からお礼申し上げます。
平成25年3月
牛久市教育委員会
もくじ
はじめに
第1章 計画策定の趣旨
1
計画策定の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2
計画策定の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
3
子どもの読書活動の意義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
4
子どもの読書活動に関する国,県の動向・・・・・・・・・・・・・・
2
第2章 子どもの読書活動の基本的な考え方
1
計画の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
2
計画の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
3
計画の対象 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
4
計画の期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
5
計画の基本的方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
6
計画推進のための施策の体系図・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
第3章 子どもの読書活動推進のための具体的な取組
1
家庭・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1) 現状・課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
6
(2) 方策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・ 7
2
保育園・幼稚園・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
(1) 現状・課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
(2) 方策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
3
小・中学校・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
(1) 現状・課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
(2) 方策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
4
高等学校・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
(1) 現状・課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
(2) 方策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・12
5
図書館・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
(1) 現状・課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
(2) 方策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・ 14
6
ボランティア・地域読書活動推進団体・・・・・・・・・・・・・
17
(1) 現状・課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
(2) 方策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
7
実施施策の数値目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
第4章 方策の推進体制の整備・充実
1
関係機関の連携・協力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19
2
推進計画の進行管理・財政上の措置・・・・・・・・・・・・・・・ 19
【参考資料】
1 「読書に関するアンケート調査」実施結果・・・・・・・・・・・・・ 22
2
子どもの読書活動の推進に関する法律・・・・・・・・・・・・ ・・ 31
3 牛久市図書館協議会委員名簿,牛久市子ども読書推進計画
策定ワーキンググループ委員名簿・・・・・・・・・・・・・・・・
33
第1章
計画策定の趣旨
1 計画策定の趣旨
この計画は,市内の子どもの読書活動を推進するため,成長に応じた読
書活動の支援をし,総合的に子どもの読書環境を整備していこうと策定
するものです。
2 計画策定の背景
テレビ,ビデオ,インターネット等,情報化の進展にはめざましいもの
があり,子どもたちを取り巻く生活環境は,大きく変化しています。大量
の情報を瞬時に入手でき,様々な情報が氾濫する中,子どもの「読書離れ」
が指摘されています。
全国学校図書館協議会が,毎日新聞社と共同で行った「第 58 回学校読
書調査」*(1)によりますと,平成 24 年 5 月1か月間の平均読書冊数は,
小学生は 10.5 冊(前年同期:9.9 冊),中学生は 4.2 冊(前年同期:3.7
冊),高校生は 1.6 冊(前年同期:1.8 冊)となっており,前年度調査に比
べ,小学生・中学生は増加,高校生は減尐している状況となっています。
また,5 月1か月間に1冊も本を読まなかった児童・生徒の割合は,小
学生は 4.5%(前年同期:6.2%)
,中学生は 16.4%(前年同期:16.2%)
,
高校生は 53.2%(前年同期:50.8%)となっており,前年度調査に比べ
小学生は減尐,中学生・高校生は増加となっています。このような現状の
中で,家庭や地域,学校や市立図書館が一体となって読書活動を進めてい
く必要があります。
*(1)「第 58 回学校読書調査」
:全国学校図書館協議会と毎日新聞社が共同で,毎年実施
している調査で,全国的な規模で,子どもの読書の実態や読書環境を調査するも
のです。
1
3 子どもの読書活動の意義
読書活動は,子どもが言葉を学び,感性を磨き,表現力を高め,創造力
を豊かなものにし,人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くこ
とのできないものです。
しかし,近年の様々な情報メディアの発達や子どもたちを取り巻く生活
環境の変化などにより,子どもの「読書離れ」が指摘されています。この
ような現状のなかで,子どもたちに幼児期から豊かな読書体験をさせ,子
どもが本と出会う機会を増やし,自ら学び,自ら考え,判断する力や他人
を思いやる心など「生きる力」を育成するために,家庭や地域,学校,図
書館等が一体となって読書活動を進めていく必要があります。
4 子どもの読書活動に関する国,県の動向
【国の動向】
国は,平成 11 年 8 月,読書の持つ計り知れない価値を認識し,子ども
の読書活動を国を挙げて支援するため,平成 12 年を「子ども読書年」と
する衆参両院の決議がなされました。また,平成 12 年5月には,国立国
会図書館の支部図書館として「国際子ども図書館」が開館し,児童書専
門図書館として、子どもの読書にかかわる多様な活動を支援しています。
そして,平成 13 年 12 月には,子どもの読書活動の推進に関する基本
理念などを定めた「子どもの読書活動の推進に関する法律」を公布・施
行し,この法律の第8条第1項の規定に基づき,平成 14 年 8 月に,「子
どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を策定し,おおむね5年
間にわたる施策の基本的方向と具体的な方策を明らかにしています。
その後,平成 20 年 3 月に,この第二次計画が閣議決定されています。
【県の動向】
県においては,平成 15 年 8 月に開催された「いばらき子ども読書議会」
における,子どもからの読書活動に関する提案を踏まえつつ平成 16 年 3
月に「いばらき子ども読書活動推進計画」を策定し,平成 22 年 1 月には
第二次計画が策定されています。
2
第2章
子どもの読書活動の基本的な考え方
1 計画の目的
すべての子どもが豊かな読書活動を経験する機会を得て,生涯におい
て自主的な読書活動を行うことができ,より豊かな人生を送れるよう支
援します。
2 計画の位置づけ
この計画は,
「子どもの読書活動の推進に関する法律」第4条及び第9
条第2項に基づき,国の基本計画及び茨城県の推進計画を基本とし,牛
久市における推進計画を策定するものです。
また,本市における総合計画及び他の関連計画等との整合性を保ちつ
つ,連携しながら計画を推進します。
【国】
子どもの読書活動の推進に関する法律 第8条1項
子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画
【県】
子どもの読書活動の推進に関する法律 第9条1項
いばらき子ども読書活動推進計画
【市】
牛久市第3次総合計画
子どもの読書活動の
牛久市学校教育
推進に関する法律
牛久市次世代
指導方針
第9条2項
育成支援行動計画
牛久市子ども読書
活動推進計画
3
3 計画の対象
この計画は,0歳からおおむね 18 歳までの子どもを対象としています。
4 計画の期間
平成 25 年度から平成 29 年度
【5年間】
5 計画の基本的方針
(1)子どもが読書に親しむ機会を提供する。
(2)家庭,地域,学校等を通じた社会全体での取組みを推進する。
(3)子どもの読書活動に関する理解と関心の普及活動をする。
4
6
計画推進のための施策の体系図
基本理念
積
極
的
に
環
境
の
整
備
を
推
進
す
る
自
主
的
に
読
書
活
動
を
行
う
こ
と
が
で
き
る
よ
う
す
べ
て
の
子
ど
も
が
あ
ら
ゆ
る
機
会
と
あ
ら
ゆ
る
場
所
に
お
い
て
,
(1)子どもが読書に
実施機関
施策の展開
基本方針
ブックスタート
【継続】
中央図書館
各種おはなし会
【継続】
中央図書館
ティーンズおはなし会
【継続・拡充】
中央図書館,中学校
親しむ機会を提 供
する
高校生ティーンズおはなし会
児童図書の充実
ふくろう文庫
(2)家庭,地域,学
【
新規】
【継続・拡充】
【継続】
を推進する
中央図書館,保育園・幼稚園,小・中学校
中央図書館
うちどく(家読)
【継続・拡充】
家庭,中央図書館
学校図書館ネットワーク事業
【継続・拡充】
小・中学校,指導課,教育総務課,中央図書館
校等を通じた社会
全体での取り組み
中央図書館,高校
みんなにすすめたい一冊の本推進事業【継続】
小・中学校
朝の読書
小・中学校
市民ボランティア読み聞かせ
【継続】
【継続・拡充】
地域,中央図書館
こどもとしょかんまつり・としょかんまつり【継続】
中央図書館
図書便り,課題図書・県推奨図書の掲示【継続】
小・中学校
読書週間行事の実施
【継続】
小・中学校
各種読書に関する講演会・講習会【継続・拡充】
中央図書館
(3)子どもの読書活
動に関する理解 と
関心の普及活動 を
する
第3章
子どもの読書活動推進のための具体的な取り組み
1 家庭
(1) 現状・課題
本市が,平成 24 年 11 月に行った「読書に関するアンケート調査」では,
「読み聞かせをすることは,大切だと思いますか」という問いに対し,「大
切だと思う」と回答した保護者の割合は,保育園・幼稚園が 88.7%,小学
2年生が 87.0%,小学5年生が 84.7%,中学生が 71.6%と,読み聞かせを
大切と考えている保護者が多いことがわかります。しかし,「いつ頃まで読
み聞かせをしていましたか」という問いに対しては,「子どもが平仮名を読
めるようになった」という理由で,「小学校に入学するまで」という回答が
多くなっています。
また,「今,子どもの「読書離れ」が懸念されていますが,どうすれば子
どもたちがもっと本を読むようになると思いますか」という就学した児童・
生徒を持つ保護者への問いに対し,
「図書館・書店へ家族で出かける」
「家族
が本の読み聞かせをする」「家族が本を読む姿を見せる」という家庭内読書
に結びつく回答が,上位を占めています。一方で,「家族で,本について話
をすることがありますか」という問いに対し,「よく話す・たまに話す」と
回答した子どもの割合は,小学生が2年生・5 年生あわせて約 52%,中学
生が約 34%,高校生が約 24%と,家族で読書を楽しむ機会は,年齢が上が
るにつれ,尐なくなっていることがわかります。
このことから,保護者の家庭内読書への意識は子どもの年齢に関係なく高
いが,実践するのは,年齢が高くなるにつれ難しくなることがわかります。
子どもが多くの時間を過ごす家庭においては,保護者が読書活動の価値を
認識し,子どもに対する一方的な支援ではなく,家族が一緒に読書を楽し
むことにより,子どもが読書に対する興味や関心が自然に高まるような環
境づくりが望まれます。
6
(2) 方策
子どもの生活の基本となる場は,家庭です。子どもの読書活動を推進する
うえでも重要な場となる家庭では,以下のような取組を行うことが望まれま
す。また本市では,保護者に対して,読み聞かせや読書の重要性について理
解と促進を図るための啓発・広報活動を行い,さらに各関係機関が連携・協
力し,家庭での取組を支援していきます。
○うちどく(家読)の実施
「うちどく(家読)」とは,家族みんなで同じ本を読んで,読んだ本につ
いて話をすることです。家族みんなで同じ本を読むことをきっかけに,
読書の習慣を共有化し,家族のコミュニケーションを図ることで,家族
の絆を強くしようという読書スタイルです。お互いに本をすすめあう,
家族そろって本を選ぶなど,読む本について相談しあうことでもコミュ
ニケーションが深まります。また,読んだ本について記録することによ
り,家族全員がそろって読書をする時間がなくても,一緒に楽しむこと
ができます。家族で読書を楽しむために,ゲームやテレビなどを控える
時間をつくることも大切です。
うちどく用紙とうちどくノート
(図書館作成)
○読み聞かせの実施
子どもに絵本の読み聞かせをすることで,絵本をなかだちにした心ふれあ
う時間を持つことは,子どもに大きな安心感をもたらし,子どもの豊かな
心と,保護者と子どもの絆を育てます。短い時間でも読み聞かせを続ける
ことが,本に親しみや興味を持ち,豊かな言葉を育て,読書習慣を身に付
けることにつながります。また,自分で本が読めるようになっても,読み
聞かせの時間をもつことでコミュニケーションが生まれ,楽しいと感じる
読書体験を続けることも,自発的な読書活動につながります。
7
○読書に親しむ保護者の姿勢
子どもは,読書に親しむ保護者の姿を見て,読書を楽しいものと感じるこ
とができます。そのことが,子どもの自発的な読書活動につながります。
○家庭の中に本がある環境作り
身近なところに本を置くことが,本に親しみや興味を持ち,自発的な読
書と読書習慣を身に付けることにつながります。
その際,図書館などの本を利用することも,おすすめします。
○家族での図書館利用
市立図書館では,赤ちゃん絵本をはじめとするさまざまな分野の図書と,
出会うことができます。そのような出会いが,読書の幅を広げ,自発的
な読書活動につながります。また,幼い頃から家族で一緒に図書館を利
用することで,図書館利用が定着し,読書だけでなく,図書を使って調
べる習慣なども身に付きます。
○家族での読書活動行事への参加
市立図書館で行っているおはなし会など,各関係機関による読書活動の
行事に参加することで,子どもが読書の楽しさを実感し,本に興味をも
つきっかけをつくることができます。また,保護者が一緒に参加するこ
とで,家庭での読み聞かせなどにつなげることもできます。
8
2 保育園・幼稚園
(1) 現状・課題
「読書に関するアンケート調査」では,市内保育園・幼稚園における各
施設の読書環境や読書意識などの現状を把握するための施設調査も併せて
行いました。この調査によると,
「施設内に図書コーナーや,図書施設はあ
りますか」という質問に対し,ほとんどの施設は,
「設置している」と回答
していますが,
「設置がない」と答えた施設もありました。国の計画の中で
も,子どもの読書活動の推進のための取組として,
「幼稚園・保育園等にお
いても,子どもが絵本等に親しむ機会を確保する観点から,安心して図書
に触れることができるようなスペースの確保に努める」とあることから,
全施設において図書コーナーなどの設置や,図書の整備等を働きかけるこ
とが必要です。
また,「どのような読書活動をしていますか」という質問に対し,「絵本
や紙芝居などの読み聞かせを実施している」と答える施設が多く,その頻
度についても「毎日」と答えている施設が多いことから,読み聞かせ活動
の重要性について高い認識が伺えます。今後は,読み聞かせ活動の更なる
推進が必要です。
(2) 方策
子どもが幼児期に読書の楽しさを知ることができるよう,保育園・幼稚
園の自主的な読書活動を奨励し,市は以下の取り組みを支援していきます。
○読み聞かせ・おはなし会の実施
日常の保育・教育活動の中で絵本等の読み聞かせを行い,園児が絵本に
親しむ機会を提供していきます。また,保護者やボランティアによる読
み聞かせ活動を奨励していきます。
○読書環境の整備・充実
園児が絵本等に親しむ活動を積極的に行うことが出来るよう,園内の図
書コーナーを整備・充実させていきます。また,園児へ絵本等の貸出を
行うことで,家庭において読書に親しむ機会を提供します。
また,市は子ども向け図書の選定などの助言や支援を行っていきます。
○保護者への啓発
園児の保護者に対し,読み聞かせや読書活動の大切さや意義を伝えてい
きます。
9
3 小・中学校
(1) 現状・課題
小・中学校では,読書に親しむとともに,主体的に図書を活用して学ぶ
児童・生徒の育成を目指し,学校図書館の人的・物的環境の整備に努めて
きました。市内全小・中学校に専任の学校司書が常駐しており,豊富な資
料をいつでも利用できる体制を整えています。平成 16 年度より文部科学省
の指定を受け進めてきた「学校図書館資源共有ネットワーク推進事業」で
は,市立図書館と市内小・中学校を結ぶ物流ネットワークを構築し,学校
図書館の蔵書をデータベース化しました。これにより蔵書は共有利用され
ており,学校図書館が「読書センター」「学習センター」として機能する
ための大きな支えとなっています。
この他にも,全ての小・中学校で行っている朝読書,活発な図書委員会
活動,「読書週間」等に合わせた創意工夫ある企画など,様々な取組を行
っています。
本市の小学2年生,5年生,および中学2年生への「読書に関するアン
ケート」によると,本を読むことが「好き」と答えている児童の割合は小
学2年生が 85.9%,5年生が 83.4%,中学2年生は 80.4%にのぼり,多く
の児童・生徒が読書に親しんでいることがわかります。一方,「好きでは
ない」と答えた児童・生徒の理由としては,小学2年生・5年生・中学2
年生ともに「本を読むのが面倒」という回答が最も多く,尐数ながら活字
を読むことに慣れていない児童生徒もいることがわかります。
「本をこの1ヶ月に何冊読みましたか」という質問に,「10 冊以上」と
答えている児童・生徒は,小学2年生が 53.7%,5年生が 29.1%,中学2
年生が 7.6%となっており,年齢が上がるにつれ読む冊数は減る傾向にあ
ります。中学2年生への「朝の読書以外の1週間の読書時間」を尋ねた質
問では,回答の 63.7%が「30 分以下」と回答しており,「読書は好き」で
も,思うように読書時間がとれない多忙な生活もうかがえます。このよう
な現状から,1日の大半を過ごす学校生活の中で積極的に読書の機会を作
り,学校図書館が成長段階にあった良質な本を提供していくことが重要と
なります。
家庭での読み聞かせについては,小学2年生の 86.7%,5年生の 80.6%,
中学2年生の 73.1%が「よくしてもらった」「ときどきしてもらった」と
答えています。保護者へのアンケートでも「家庭での読み聞かせは大切」
と答える割合がほぼ同様の結果です。先に挙げた小学2年生,5年生の「本
を読むことが好き」と答えた割合もこれとほぼ同じであることから,保護
者が読み聞かせの重要性を認識し実践することが,子どもの読書に大きな
影響力を持つことがわかります。
10
アンケートでは,中学2年生の 77.0%が「将来も積極的に読書を続けて
いきたい」と意欲的な回答をしています。今後は,質的な充実も視野に入
れながら,学校と家庭が連携して,児童・生徒の読書活動のさらなる充実
に向けた実践を継続していくことが重要です。
(2) 方策
児童・生徒が生涯にわたって本に親しみ,有効に情報活用できる力を育
てるため,校内外の人的連携をさらに強化し,学校図書館ネットワークを
活かした蔵書の質と量の充実を進めていきます。学校では以下のような取
組を推進していきます。
○「学校図書館ネットワーク」の積極的な活用
図書を活用した授業の研究
ニーズに応えられる学校図書館運営
○読書を楽しみ,読書を通した交流の推進
読み聞かせや朗読等の実施と充実
うちどく(家読)の勧奨
朝読書の充実
読書会の実施
読書週間行事の実施 など
○読書意欲と読書力の育成・向上
読書の時間の有効活用
図書の紹介(ブックトークや図書だよりなど)
推薦図書リストの作成
「みんなにすすめたい一冊の本」事業の推進
授業でのより有効な図書活用の研究
○探求心と課題解決スキルを育てる図書館利用教育の充実
図鑑・百科事典等の使い方指導の計画的実施
小中学校が連携した系統的な図書館利用教育
11
4 高等学校
(1) 現状・課題
本市が,平成 24 年 11 月に行った「読書に関するアンケート調査」では,
「本を読むことが好きですか」という問いに対し,回答した高校2年生 224
人のうち,173 人(76.9%)の生徒が「好き」と答えています。また,「好
きではない」と答えた生徒は,51 人で,全体の 22.7%となっています。好
きではない理由としては,文字を読むのが面倒,次いでどんな本を読んだ
らいいかわからないと回答しています。
8割近い生徒が,
「本を読むことが好き」と回答しているにもかかわらず,
「あなたは,本をこの1ヶ月に何冊読みましたか」という問に対しては,
114 人(50.7%)の生徒が「0冊(読まなかった)」と答えています。この,
読まなかったと答えた生徒に対し「読書よりしたいことは何ですか」との
問いに対しては,
「テレビ・ゲーム・パソコン・携帯電話」という答えが半
数以上を占めており,こういった様々な情報メディアの普及が生徒の読書
活動に影響を与えている様子がうかがえます。
また,学校図書館の利用状況についての「あなたは休み時間や放課後に
学校図書館へ行きますか」という問いについては,189 人(84.0%)の生
徒が「ほとんど行かない」と答えていることから,学校図書館の利用に対
する働きかけが課題となっています。
さらに,「市などの図書館へ行きますか」という問いについては,「行か
ない」と答えた生徒が6割近くいて,市立図書館の利用を促すような施策
の企画・立案が必要です。
市内には,高等学校が3校あり,それぞれに読書活動に対する取り組み
が行われています。ホームルームの時間に,朝の読書時間を設けている学
校,近くの小学校に生徒が出向き,児童に読み聞かせを行っている学校,
読んだ本を積極的に紹介し,感動を広く伝える活動を行っている学校など
様々です。
(2) 方策
今後は,市立図書館と市内高等学校が連携を取り,図書館の利用を促す
ような企画を立案し,高校生の読書活動の推進に取り組んでいきます。
12
5 図書館
(1) 現状・課題
市立図書館では,子どもやその保護者に対して,子どもの読書活動を推進
するための取組を実施しています。
本市が平成 24 年 11 月に行った「読書に関するアンケート調査」では,
「本
を読むことが好きですか」という問いに対し「好き」と回答した子どもの割
合は,小学2年生が 85.9%,小学5年生が 83.4%,中学2年生が 80.4%,
高校2年生が 76.9%と,どの学年の児童・生徒も8割近くに達しています。
しかし,「読みたい本は,どのように手に入れますか」という問いに対し
て「市の図書館で借りる」と回答した子どもの割合は,小学2年生が約 33%,
小学5年生が約 38%,中学2年生が約 15%,高校2年生が約 16%と,図書
館の利用は尐ないことが分かります。
また,市立図書館で行っているおはなし会や各種イベント,うちどくなど,
読書推進のための取組に関しても,半数以上の児童・生徒,保護者に知られ
ていない取組が多いことが分かります。これらの取組に関して,「あなたが
参加したことのあるものは何ですか」と児童・生徒に聞いたところ,すべて
の取組において7割以上の児童・生徒が参加したことがないことが分かりま
す。
就学した児童・生徒を持つ保護者に,「今,子どもの『読書離れ』が懸念
されていますが,どうすれば子どもたちがもっと本を読むようになると思い
ますか」という問いに対し,
「家族が本の読み聞かせをする」,「家族が本を
読む姿を見せる」という家庭内読書に結びつく回答が上位を占めています。
このことから,図書館では,子どもや保護者に対して魅力的な取組の実施
や,読書環境を整備するとともに,来館・利用促進のための積極的な PR が
必要であり,家庭内での読書活動を推進するための取組も実施していくこと
が必要と考えます。
13
(2) 方策
市立図書館では,以下の取組を推進していきます。
○ブックスタート事業の推進
ブックスタートは,赤ちゃんと保護者に絵本を開く楽しい体験といっしょ
に絵本を手渡し,心ふれあうひとときを持つきっかけをつくる活動です。
地域に生まれたすべての赤ちゃんを対象に,0歳児健診などで実施されま
す。本市ではボランティアの協力を得て,保健センターで行われる3・4
ヶ月児健診に出向き,保護者と赤ちゃんに絵本を手渡し,本との出会いの
場を提供していきます。
○定例おはなし会の開催
読み聞かせボランティアと連携し,子どもが読書の楽しさを実感し,本に
興味を持つきっかけとなるよう,0~2歳児向けおはなし会,幼児向けお
はなし会,小学生~大人向けおはなし会を実施し,あらゆる年齢の子ども
に読み聞かせを実施していきます。
○各種講演会・イベントの開催
夏には夕涼みおはなし会,冬にはクリスマスおはなし会と季節を感じられ
るおはなし会を時期に合わせ実施していくほか,市内中学生による読み聞
かせ(ティーンズおはなし会)を実施していきます。
また,春の「こどもの読書週間」や秋の「読書週間」に合わせ,読書の普
及・啓発及び,新規利用者の来館を促す「こどもとしょかんまつり」「と
しょかんまつり」をそれぞれ年1回実施していきます。
さらに,家庭内での子どもへの読み聞かせをはじめとする読書活動を推進
するため,また,子どもや家庭・地域の読書に対する意識の向上を図るた
め,読み聞かせ講演会等を年に数回実施していきます。
14
ティーンズおはなし会
○児童コーナーの整備充実
乳幼児を連れた保護者でも来館しやすいよう,授乳室やおむつ替えシー
トなどの設備を整えます。
子どもや保護者の選書の助けとなるよう,絵本ガイドコーナー,012 絵本
コーナー,児童イベントコーナーを設けます。
児童・生徒向けの読み物に関しては,絵本から童話,童話から物語,物
語から文学へと読書興味の推移に合わせ,読書の幅を広げられるように
「小学校低学年~中学年向け」と「小学校中学年~中学生向け」にコー
ナーを分けて配架していきます。
また,0歳児から中・高校生を対象として,年齢に応じたおすすめの本
のリストを作成,配布し,読書活動の普及に努めます。
○学校図書館ネットワーク事業の支援
学校図書館ネットワーク事業は“本の共有で学びを豊かに”というコンセ
プトで市立図書館と学校が蔵書を共有することにより,子どもの学びと読
書を支援しようという目的で始まった事業です。NPO 法人リーブルの会
の協力を得て,市内の全小・中学校の図書館を週1度回り,学校で必要な
資料を市立図書館からも提供していきます。
〇市内子育て・教育施設の支援
学校図書館ネットワーク事業の効果を高めるため,
「ふくろう文庫」と称
した図書を,NPO 法人リーブルの会の協力を得て,市立保育園・幼稚園,
市内児童クラブに配送していきます。また,NPO 法人リーブルの会の協
力を得て,木琴・紙芝居隊が児童クラブ,子育て広場に出向くなどして,
子育て・教育施設を支援していきます。
15
○うちどく(家読)事業の推進
家族みんなで同じ本を読むことをきっかけに,読書の習慣を共有化し,家
族のコミュニケーションを図ることで,家族の絆を強くしようという読書
スタイル「うちどく(家読)」事業を推進します。長期休業期間に学校を
通した全児童・生徒への読んだ本を記録する「うちどく用紙」や「うちど
くノート」の配付のほか,
「うちどく(家読)」を周知させるための新たな
企画を立案し,家庭内での読書活動の推進に努めます。
○障がいのある子どものための支援
図書館を利用する際,特別な支援を必要とする子どものために,点字図書
やさわって楽しむ絵本,録音図書などを収集し、整備・充実させていきま
す。
また,近隣の特別支援学校の要請に応じ,読み聞かせボランティアの協力
を得たおはなし会の実施,及びおすすめの本の団体貸出を実施していきま
す。
○国際交流の奨励
日本語を母語としない子どものために,外国語で書かれた絵本や図書を
収集した「外国語絵本コーナー」及び「外国語図書コーナー」の充実に
努めます。
○子どもの読書活動推進,図書館利用促進のための啓発・広報
図書館におけるおはなし会や各種講演会,イベント開催のお知らせをす
る「としょかんだより」を毎月1回発行し,子どもや保護者に,図書館
での読書活動推進の取組を周知するため,広報活動の充実に努めます。
また,市が実施している「行政情報出前講座」事業の一環として,図書
館職員・司書が出向き,図書館で提供している様々なサービスについて
話す「出前講座」を実施していきます。
子どもたちに図書館の業務内容を身近に感じてもらうため,小学生の図
書館見学,中学生の職業体験の受け入れを引き続き実施していきます。
○ボランティアの育成と支援
読み聞かせボランティアやブックスタートボランティアなど,子どもの
読書活動に携わるボランティアの育成のため,読み聞かせ講習会などを
実施していきます。また,ボランティア団体専用の利用者カードを作成
し,読み聞かせに使用する図書およびパネルシアターやエプロンシアタ
ー等の資料・備品の貸出を引き続き実施していきます。
16
6 ボランティア・地域読書活動推進団体
(1) 現状・課題
図書館・地域における読書活動では,ボランティアおよび地域読書活動
推進団体が大きな役割を果たしています。図書館においては,4つの読み
聞かせボランティア団体の協力を得て,子どもの発達段階に応じた「おは
なし会」を開催しています。
幼稚園・小学校においては,保護者等で組織された読み聞かせボランテ
ィアが,幼稚園・小学校に出向いて読み聞かせ活動を行うなど,活発な読
書活動を行っています。さらにボランティア・地域読書活動団体が,子育
て支援施設や生涯学習センター・区民会館などを拠点とした読み聞かせ活
動,地域によっては文庫活動を行っています。
課題としては,読み聞かせ活動が安定的に行うことができるボランティ
アの確保が挙げられます。また,より充実した読書活動を実施するため,
図書館との連携が求められます。
また,地域によっては,その地域に伝わる昔話を子どもたちに読み聞かせ
や紹介を行うなどの活動を積極的に行っているボランティアや団体が複数
あり,そうした活動についても市は支援していく必要があります。
(2)
方策
○読み聞かせ・おはなし会の実施
日常の読み聞かせ活動に加えて,地域の催し等で絵本等の読み聞かせ
を行い,子どもが読書に親しむ様々な機会を提供していきます。
○地域に伝わる昔話の伝承の推進
子どもが地域に親しみや関心を持つよう,地域に古くから伝わる昔話
の紹介などや読み聞かせを行う活動を推進していきます。
○図書館主催の講習会への参加
市立図書館主催の読み聞かせ講習会に参加し,技能向上を図ることで,
読み聞かせ活動の更なる充実に努めます。
17
7 実施施策の数値目標
本市では,計画の進捗状況を把握するための指標として,次のとおり実施施
策等の数値目標を設定します。
目標項目
本の入手方法の中での図
書館の選択率
(現 状)
平成 23 年度
(目 標)
平成 29 年度
25.5%
35%
22%
30%
うちどく(家読)の実施
率
41.7%
50%
図書館ネットワークにおけ
る年間依頼件数
444件
470件
学校図書館での児童・生
徒の平均年間貸出冊数
(1人当たり)
小学校 50.6冊
中学校
6.0冊
※第1回学校図書館
運営委員会資料より
(平成 24 年 11 月現
在)
小学校 52冊
中学校 8冊
1か月に全く本を読まない
児童・生徒の割合
小学校
4.7%
中学校 11.5%
※市読書アンケート
より(平成 24 年 11
月現在)
図書館での取組の認知率
18
小学校 2.4%
中学校 5.8%
備
考
第4章
方策の推進体制の整備・充実
1 関係機関の連携・協力
子どもの読書活動の推進にあたっては,市内保育園・幼稚園をはじめ,
地域,学校,中央図書館や読書活動推進団体,ボランティアの方々などが
相互に情報交換や交流を通して連携,協力し,読書環境を整備,充実させ
ていくことが大切です。本市では,子どもが自主的に読書活動を行うこと
ができるよう関係機関との連携をとりながら,支援していきます。
2 推進計画の進行管理・財政上の措置
本市の「子ども読書活動推進計画」の進捗状況を把握するにあたり,定
期的に子どもの読書活動の実態を調査し,総合的かつ継続的な進行管理を
行っていきます。
また,この計画に示した各種施策を実施し,環境を整備するために必要
な財政上の措置を講じるよう努めます。
19
20
参考資料
【資料1】「読書に関するアンケート調査」実施結果
【資料2】子どもの読書活動の推進に関する法律
【資料3】牛久市図書館協議会委員名簿
牛久市子ども読書活動推進計画策定ワーキンググループ
委員名簿
21
資料1
「読書に関するアンケート調査」実施結果
1
調査の目的
このアンケートは,情報化の進展により子どもの「読書離れ」が懸念されるなか,一人ひとりの
子どもが自然に読書に親しむことができるよう,子どもの読書環境を整備していくために策定する
「牛久市子ども読書活動推進計画」の基礎資料とするもので,読書環境の現状を把握し,今後の読
書活動の課題の洗い出し,また施策の方向性を探るため,実施したものです。
これらのアンケート結果から得られた情報は,この度策定する計画にできる限り反映させ,今後
の子どもの読書活動推進のための貴重な資料として活用させていただきます。
2
アンケート対象者【回収率】
対
象
保育園保護者
【2歳児・5歳児】
幼稚園保護者
【5歳児】
小学2年生児童
小学5年生児童
実施人数
配布枚数
回収枚数
回収率
329人
483枚
329枚
68.1%
203人
248枚
203枚
81.9%
376人
454枚
376枚
82.8%
506人
520枚
506枚
97.3%
331人
333枚
331枚
99.4%
921人
1,311枚
921枚
70.3%
225人
230枚
225枚
97.8%
中学生(中学2年
生生徒)
小・中学生の保護
者
高校生(高校2年
生生徒)
施設アンケート
3
調査期間
市内保育園・幼稚園
21施設
平成 24 年 10 月 29 日(月)~11 月 8 日(木)
22
4
調査結果
児童・生徒に対する質問
【質 問】
あなたは,本を読むことが好きですか?(%)
― 本を読むことが好きな人の割合
0%
20%
-
40%
小学2年生
60%
80%
85.9
100%
0
14.1
0
小学5年生
83.4
好きではない
16.6
1.8
中学生
80.4
好き
無回答
17.8
0.4
高校生
76.9
22.7
◎小学生から高校生まで,8割近くの児童・生徒が「本を読むことが好き」と回答し
ています。これに対して,「好きではない」と答えた児童・生徒の「好きではない」
理由は,下記のとおりです。
【質
問】 「好きではない」と答えた人だけにお聞きします。好きではない理由は何で
すか?(%)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
15.1
小学2年生
47.2
33.9
文字を読むのがめんどう
5.9
小学5年生
51.2
16.7
26.2
52.5
23.7
その他
17.6
高校生
どんな本を読んだらいいかわから
ない
11.9 おもしろい本にあったことがない
11.9
中学生
3.8
9.8
70.6
2
23
◎その他の理由として,読んでもすぐ飽きてしまう(小学生),忙しくて読書する時間
がない,読む機会がない(中学生),内容になかなか入り込めない(高校生)などの
ご意見がありました。
【質 問】 あなたは,本をこの1ヶ月に何冊読みましたか?(マンガ・雑誌は除きます。)
(%)
0%
2 0 %
4 0 %
6 0 %
8 0 %
1 0 0 %
1 7 . 8 1 2 . 812
小 学 2 年 生
小 学 5 年 生
5 3 . 7
2 9 . 1
7 . 6 3 . 9
1 2 . 5
2 9 . 8
2 . 9
0 . 8
1 0 冊 以 上
5 . 9
7 ~ 9 冊
2 2 . 7
0
4 ~ 6 冊
1 ~ 3 冊
1 1 . 5
1 7 . 8
中 学 生
5 9 . 2
0
0冊
無 回 答
2 . 70 . 9
高 校 生
5 0 . 7
4 2 . 6
0 . 9
2 . 2
◎1ヶ月の読書冊数についての質問では,「10 冊以上」と答えているのは,小学2年
生で 53.7%,小学5年生で 29.1%,次いで中学生 7.6%,高校生 2.7%となってい
ます。
反対に,
「0冊(読まなかった)」と答えたのは,高校生が多く 50.7%,次いで中学
生 11.5%,小学5年生 5.9%,小学2年生 2.9%となっていることから,年齢が上が
るにつれ,読書離れが進んでいることがわかります。
24
【質
問】
0冊(読まなかった)と答えた人だけにお聞きします。読書よりしたいこと
は何ですか? (%)
0%
20%
小学2年生
40%
60%
32.3
80%
41.9
3.2
100%
22.6
テレビ・ゲーム・パソコン・
携帯電話
小学5年生
35
25
12.5
友だちと遊ぶ
27.5
8.2
中学生
39.8
25.5
26.5
塾・勉強・
クラブ活動
家族と出かける・その他
7
高校生
38.7
28.9
25.4
◎読書よりしたいことについての質問では,小学5年生,中学生,高校生ともに「テレ
ビ・ゲーム・パソコン・携帯電話」と答えている割合が一番多く,様々な情報メディア
の影響がうかがえます。
【質
問】 あなたは,休み時間や放課後に,学校図書館へ行きますか?(%)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
7.2
2.4
小学2年生
36.2
17.5
36.7
13
1
小学5年生
38.2
24.9
ほぼ毎日
週1回以上
22.9
月に1~2回
1.2
10.3
中学生
19
2.7
22.7
46.8
無回答
3.1
8.4
高校生
ほとんど行かない
84
1.8
◎学校図書館の利用についての質問では,休み時間や放課後に,学校図書館へ「ほとん
ど行かない」と答えたのは,小学2年生が 36.7%,小学5年生が 22.9%,中学生が
46.8%で,高校生においては 84%となっています。年齢が上がるに連れ,利用率が減
る傾向にあります。
25
保育園・幼稚園の保護者に対する質問
【質
問】ご家庭でお子さんに読み聞かせを行っていますか?(%)
1.7
保育園・幼稚園
保護者
1.9
している
したいと思っているがして
いない
25.7
するつもりがなくしていな
い
70.7
無回答
◎保育園・幼稚園の保護者に対する家庭での読み聞かせについての質問では,
「読み聞
かせをしている」と答えた保護者は 70.7%で,その頻度は下記のとおりです。
【質 問】ご家庭でどれくらいの頻度で読み聞かせを行っていますか?(%)
保育園・幼稚園
保護者
17
18.1
毎日
週に3~5回
週に1~2回
32.5
32.4
週に1回未満
◎読み聞かせの頻度では,
「毎日」と答えた保護者は 18.1%で,ほとんどの家庭では,
「週に1~2回」,あるいは「3~5回」程度行っていると答えています。
26
【質 問】ご家庭で,だれが一番多く読み聞かせを行っていますか?(%)
一番多く行っている
1.3
3.2
6.1
その他・無回答
9.6
兄弟
祖父母
父親
母親
79.8
◎家庭において,読み聞かせを一番多く行っているのは「母親」で 79.8%,次いで「父
親」が 9.6%と答えています。
また,「いつ頃から読み聞かせを始めたか」の質問については,次のとおりです。
【質 問】ご家庭でいつ頃から読み聞かせを始めましたか?(%)
始めた時期
5 . 9
6 . 19 . 3
生 後 す ぐ
3 ~ 6 か 月
7 ~ 1 1 か 月
2 7 . 1
3 4 . 6
1 ~ 2 歳
3 ~ 4 歳
5 歳 以 上 ・ 無 回 答
17
◎読み聞かせを始めた時期については,「生後すぐ」と答えた保護者は,9.3%で,約
半数以上の家庭(51.6%)が,3か月から1歳未満で読み聞かせを始めています。
また,逆に「読み聞かせをしていない」と答えた保護者に対しての,読み聞かせを
していない理由については,次のとおりです。
27
【質 問】ご家庭で,読み聞かせをしていない理由は何ですか?(%)
していない理由
自分が忙しい
20.5
面倒
8.1
どんな絵本を読んだらい
いかわからない
50.8
子どもが絵本に興味を持
たない
9.7
10.9
その他
◎読み聞かせをしていない理由については,
「自分が忙しい」と答えている保護者の割合
が一番多く,50.8%と約半数を占めています。その他のご意見としては,保育園・幼
稚園ともに,5歳児の保護者の方からは,「本を自分で読める」,「自分で読みたがる」
というご意見がありました。
保育園・幼稚園の保護者に対する質問
小・中学生の保護者に対する質問
【質 問】読み聞かせをすることは,大切だと思いますか?
0%
20%
40%
60%
80%
100%
7.9
0.2
保育園・幼稚園
保護者
88.7
3.2
1.4
小学2年生保護者
9.8
1.8
87
大切だとは思わない
1.3
小学5年生保護者
どちらともいえない
14
0
84.7
2.5
中学生保護者
大切だと思う
無回答
24.9
1
71.6
◎読み聞かせをすることは「大切だと思う」と答えた保護者は,保育園・幼稚園で,
88.7%,小学2年生で 87.0%,小学5年生で 84.7%,中学校においては 71.6%となっ
ており,子どもの成長とともに,保護者の意識に変化が見られます。また,
「大切だと
は思わない」,「どちらともいえない」という回答は,学年が上がるにつれ,割合が多
くなっています。
28
【質
問】あなたのご家庭は,お子さんがすぐ手に取れる所に本を置いていますか?
75%
80%
85%
保育園・幼稚園
保護者
90%
95%
93.4
100%
3.8
2.8
0.6
小学2年生保護者
95.4
置いている
4
置いていない
0
小学5年生保護者
90
無回答
10
0
中学生保護者
85.3
14.7
◎家庭において「子どもがすぐ手に取れる所に本を置いているか」という質問に対し,
保育園・幼稚園児のいる家庭では,93.4%,小学2年生児童のいる家庭では,95.4%,
小学5年生児童のいる家庭では,90.0%,中学生生徒のいる家庭では,85.3%と,ほ
とんどの家庭が,すぐ手にとれる場所に本を置いていると答えています。
【質
問】あなたやご家族の方は,本を読んでいますか?(%)
0%
保育園・幼稚園
保護者
20%
40%
60%
80%
100%
6.4
25.2
40.6
4
小学2年生保護者
25.2
3.4
24.4
45
2.6
よく読んでいる
ときどき読んでいる
23.2
あまり読んでいない
3.7
小学5年生保護者
28.3
41
0
27
まったく読んでいない
無回答
6.1
中学生保護者
23.9
46.7
22.8
0.5
◎「あなたやご家族の方は,本を読んでいますか」という質問に対し,「よく読んでいる」
「ときどき読んでいる」と答えたのは,保育園・幼稚園児のいる家庭では,65.8%,小
学2年生児童のいる家庭では,70.2%,小学5年生児童のいる家庭では,69.3%,中
学生生徒のいる家庭では,70.6%となっています。
29
30
資料2
○子どもの読書活動の推進に関する法律
平成十三年十二月十二日号外法律第百五十四号
〔文部科学大臣署名〕
子どもの読書活動の推進に関する法律をここに公布する。
子どもの読書活動の推進に関する法律
(目的)
第一条 この法律は,子どもの読書活動の推進に関し,基本理念を定め,並びに国及び地
方公共団体の責務等を明らかにするとともに,子どもの読書活動の推進に関する必要
な事項を定めることにより,子どもの読書活動の推進に関する施策を総合的かつ計画
的に推進し,もって子どもの健やかな成長に資することを目的とする。
(基本理念)
第二条 子ども(おおむね十八歳以下の者をいう。以下同じ。)の読書活動は,子どもが,
言葉を学び,感性を磨き,表現力を高め,創造力を豊かなものにし,人生をより深く
生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであることにかんがみ,すべ
ての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことがで
きるよう,積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない。
(国の責務)
第三条 国は,前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり,子どもの読書活
動の推進に関する施策を総合的に策定し,及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第四条 地方公共団体は,基本理念にのっとり,国との連携を図りつつ,その地域の実情
を踏まえ,子どもの読書活動の推進に関する施策を策定し,及び実施する責務を有す
る。
(事業者の努力)
第五条 事業者は,その事業活動を行うに当たっては,基本理念にのっとり,子どもの読
書活動が推進されるよう,子どもの健やかな成長に資する書籍等の提供に努めるもの
とする。
(保護者の役割)
第六条 父母その他の保護者は,子どもの読書活動の機会の充実及び読書活動の習慣化に
積極的な役割を果たすものとする。
(関係機関等との連携強化)
第七条 国及び地方公共団体は,子どもの読書活動の推進に関する施策が円滑に実施され
るよう,学校,図書館その他の関係機関及び民間団体との連携の強化その他必要な体
制の整備に努めるものとする。
(子ども読書活動推進基本計画)
第八条
政府は,子どもの読書活動の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図る
31
ため,子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(以下「子ども読書活動推進基
本計画」という。)を策定しなければならない。
2 政府は,子ども読書活動推進基本計画を策定したときは,遅滞なく,これを国会に報
告するとともに,公表しなければならない。
3 前項の規定は,子ども読書活動推進基本計画の変更について準用する。
(都道府県子ども読書活動推進計画等)
第九条 都道府県は,子ども読書活動推進基本計画を基本とするとともに,当該都道府県
における子どもの読書活動の推進の状況等を踏まえ,当該都道府県における子どもの
読書活動の推進に関する施策についての計画(以下「都道府県子ども読書活動推進計
画」という。)を策定するよう努めなければならない。
2
市町村は,子ども読書活動推進基本計画(都道府県子ども読書活動推進計画が策定さ
れているときは,子ども読書活動推進基本計画及び都道府県子ども読書活動推進計画)
を基本とするとともに,当該市町村における子どもの読書活動の推進の状況等を踏ま
え,当該市町村における子どもの読書活動の推進に関する施策についての計画(以下
「市町村子ども読書活動推進計画」という。)を策定するよう努めなければならない。
3 都道府県又は市町村は,都道府県子ども読書活動推進計画又は市町村子ども読書活動
推進計画を策定したときは,これを公表しなければならない。
4 前項の規定は,都道府県子ども読書活動推進計画又は市町村子ども読書活動推進計画
の変更について準用する。
(子ども読書の日)
第十条 国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに,子ど
もが積極的に読書活動を行う意欲を高めるため,子ども読書の日を設ける。
2 子ども読書の日は,四月二十三日とする。
3 国及び地方公共団体は,子ども読書の日の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努め
なければならない。
(財政上の措置等)
第十一条 国及び地方公共団体は,子どもの読書活動の推進に関する施策を実施するため
必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
附 則
この法律は,公布の日から施行する。
32
資料3
〇牛久市図書館協議会委員名簿
選出区分
役 職 名
社 会 教 育 の 関 係 者
〃
牛久市議会教育民生常任
委員長
牛久市文化協会副会長
牛久市読書団体連合会
〃
会長
読み聞かせボランティア
〃
代表
学 校 教 育 の 関 係 者
学校長会副会長
〃
(牛久第二小学校長)
家 庭 教 育 の 関 係 者
学
識
学校長会会長(牛久第三中)
経
験
者
PTA連絡協議会会長
(奥野小学校)
筑波大学名誉教授
元東洋大学附属牛久高等学校
〃
司書
氏
小松﨑
名
伸
出来尾 穂子
佐々江 健治
高橋 冨美枝
柴山 光
宮本 経之
佐藤 秀行
石井 啓豊
関根 順子
〇牛久市子ども読書活動推進計画策定ワーキンググループ委員名簿
職
名
氏
所
名
(学校名・課名等)
司書教諭
小林 佳世子
中根小学校
学校司書
関口 朱実
岡田小学校
司書教諭
塚本 桂子
牛久第一中学校
学校司書
柳原 昌子
牛久第二中学校
指導主事
本橋 和久
指導課
館長補佐
柳林 晴美
中央図書館
主任
宮田 夏海
〃
嘱託図書司書
星野 美紀
〃
嘱託図書司書
中村 仁美
〃
33
属
牛久市子ども読書活動推進計画
発
行
平成25年(2013年)3月
編集・発行 牛久市教育委員会
主管課 牛久市教育委員会 中央図書館
〒300-1211
茨城県牛久市柏田町3304-1
電話
029-871-1400
FAX
029-873-5374
Email library@city.ushiku.ibaraki.jp
34