ピペリジン環含有アルカロイド合成を指向した ドミノ不斉マイケル

第 24回福岡シンポジウム Poster 発表要旨
ピペリジン環含有アルカロイド合成を指向した
ドミノ不斉マイケル/ヘミアミナール化反応の開発
Development of Domino Asymmetric Michael/Hemiaminalization
Reaction toward Synthesis of Alkaloids Containing Piperidine Rings
塩見 慎也、牛島
大佑、中島
梨絵、菅原
絵里香、石川
勇人(熊本大院自然)
自然界から見出される天然物や、人工的に合成された生物活性化合物の中には、不斉炭素を有す
る光学活性ピペリジン環を含有するものが数多く知られている。故に、ピペリジン環上に多くの不
斉中心を有する多置換ピペリジン環の簡便な合成法が求められている。
有機触媒を用いた光学活性ピペリジン環構築反応は、これまでに数例報告されているが 1), 2)、導
入できる官能基が限られていたため、天然物合成に応用することは困難であった。そこで、まず、
天然に 1500 種以上存在するモノテルペノイドインドールアルカロイド類の基本骨格であるガイソ
チザールの合成を目指し、α、β、γ、δ−不飽和アルデヒド 1 とβ−ケトアミド 2 を基質とするド
ミノ不斉マイケル/ヘミアミナール化反応の開発に取り組んだ。種々条件検討の結果、有機触媒と
して 5 モル%の触媒 3、添加剤として m-ニトロ安息香酸を加えると高収率、高エナンチオ選択性を
伴って反応が進行する事を見出した(式 1、95%、94%ee)。一方、アルキル側鎖有するα、β−
不飽和アルデヒドを用いた不斉ドミノマイケル/ヘミアミナール化反応はキニーネに見られる様な
アルキル基が置換したピペリジン環の構築に有用な手法となる。しかしながら、アルキル側鎖を有
する不飽和アルデヒドは、一般にその高い反応性から不斉有機触媒反応に応用する際に、煩雑な生
成物を与える。演者は高い反応性を期待し、チオマロナマートを求核種に選んだ。すなわち、アル
デヒド 5 とチオマロ
ナマート 6 を基質と
し、触媒 7 を用いて
反応を行った。その
結果、望む反応が効
率的に進行し、続く
脱水、異性化反応に
より、高収率、高エ
ナンチオ選択性を伴
って 8 が得られる事
を見出した(式 2、
82%、94%ee)。
<参考文献>
1)G. Valero, J. Schimer, I. Cisarova, J. Vesely, A. Moyano, R. Rois, Tetrahedron Lett. 2009, 50, 1943–1946.
2)W. Zhang, J. Bah, A. Wohlfath, J. Franzén Chem. Eur. J. 2011, 17, 13814–13824.
発表者紹介
氏名
塩見
慎也
所属
熊本大学自然科学研究科理学専攻化学講座
学年
大学院博士課程 1 年
研究室
石川研究室