第 17 回 ホルモンと癌研究会 開催概要 【開催日】 平成 28 年 6 月 24 日(金)、25 日(土) 【会 場】 倉敷アイビースクエア 岡山県倉敷市本町 7-2 講演会:オパール(本館 1F) 6 月 24 日 12:55~18:45 6 月 25 日 08:00〜13:35 理事会:コーラル(本館 1F) 6 月 24 日 11:30~12:30 懇親会:オパール(本館 1F) 6 月 24 日 19:00~21:00 【会 長】 紅林 淳一 川崎医科大学 乳腺甲状腺外科学 教授 事務局 〒 701-0192 岡山県倉敷市松島 577 川崎医科大学 乳腺甲状腺外科学 TEL:086-462-1111 ごあいさつ 第 17 回ホルモンと癌研究会 会長 紅林 淳一 川崎医科大学 乳腺甲状腺外科学 教授 この度は、歴史と伝統のある「ホルモンと癌研究会」を平成 28 年 6 月 24 日(金曜日)~ 6 月 25 日(土 曜日)の 2 日間、岡山県倉敷市のアイビースクエアで開催することとなりました。長年、本研究会 の監事として務めてまいりましたが、会長として本研究会をお世話させて頂くこととなり、大変 光栄に思っております。より多くの方々に、本研究会に参加頂き、「ホルモン依存性癌の研究や診 療の進歩」に貢献したいと考えております。 ホルモン依存性癌としては、乳癌、前立腺癌、子宮内膜癌、甲状腺癌などが挙げられます。乳 癌の領域では、今から 120 年前の 1896 年に英国の外科医 Sir Thomas Beatson が卵巣摘除術を行っ たのがホルモン療法の始まりとされており、極めて長い歴史を有しています。その後、様々な外 科的ホルモン療法や薬物療法が臨床導入され、1970 年代になり、エストロゲン受容体が同定され、 その頃からより有害事象の少ない抗エストロゲン薬、アロマターゼ阻害薬、LH-RH アゴニストが 開発され、いまやホルモン療法は、幅広く一般臨床に用いられています。 今回の研究会の主題は、 「癌に対するホルモン療法の温故知新」とさせて頂きました。歴史ある「癌 に対するホルモン療法」の開発の経緯を学び、理解することは、今後の研究のヒントとなり、また、 新たなホルモン療法の開発にも役立つと確信しております。そのため、「乳癌・前立腺癌のホルモ ン療法の歴史と進歩」に関し、国内のエキスパートに特別講演を依頼しています。また、「ホルモ ン療法抵抗性」に関してもエキスパートに解説をお願いしています。さらに、近年、臨床に導入さ れた「甲状腺癌の分子標的療法」を教育講演で解説して頂きます。また、Endocrine-related Cancer 誌の共催で「出版倫理」に関する講演や笹野理事長からの推薦で韓国の Dr. Man Ho の招聘講演を予 定しています。 最後になりますが、本研究会のレベルアップのためには、若手研究者からの研究発表が必須です。 すべて一般演題は、ワークショップ形式の口演を予定していますので、奮って演題を応募して頂 ければ幸いです。実り多き研究会を目指し、誠心誠意準備を行いますので、ご参加の程、何卒よ ろしくお願い申し上げます。 3 研究会参加に関するお知らせ 1. クールビズでお願いします。(ネクタイ着用はお控えください。) 2. 研究会参加受付 日時:6 月 24 日(金) 12:30~18:00 6 月 25 日(土) 07:30~13:00 場所:総合受付(1F ロビー) 3. 研究会参加費(現金受付のみ) 医師・一般 6,000 円 学部および大学院修士課程に在籍されている方 ※在籍を証明できる学生証等を呈示してください。 懇親会 無料 無料 プログラム・抄録集 1,000 円 ・ 会場内では必ず参加証(兼領収書)に所属・氏名を記入のうえ、携帯してください。 ・ 参加証(兼領収書)の再発行はできませんので大切に保管してください。 ・ 参加費にはプログラム・抄録集 1 冊分が含まれています。追加希望の方には、当日販売い たします。 4. 研究会年会費 筆頭発表者は研究会会員に限ります。未入会の方は必ずホルモンと癌研究会事務局へ入会手 続きを行ってください。当日会場にて年会費納入および新入会の受付は行っておりません。 <問い合わせ先> ホルモンと癌研究会 事務局 東北大学大学院医学系研究科 病理診断学分野内 〒 980-8575 宮城県仙台市青葉区星陵町 2-1 TEL:022-717-7450 FAX:022-273-5976 E-mail:[email protected] 5. 懇親会 日時:6 月 24 日(金) 19:00~21:00 会場:倉敷アイビースクエア 1F オパール 6. ランチョンセミナー 整理券の配布はございません。セミナー入場時にお弁当をお受け取りください。 4 7. クローク 受付場所:倉敷アイビースクエア 1F ロビー 受付日時:6 月 24 日(金) 11:00 ~懇親会終了時刻まで 6 月 25 日(土) 07:30~13:40 8. Wi-Fi コーナー 会場内の一部の区域で Wi-Fi データ通信がご利用いただけます。 アクセスコード:Square1010 ※利用区域は会場案内図をご参照ください。 ※パスワードは不要です。 9. PC 発表データの受付 研究会当日に発表データの受付を行います。セッション開始 30 分前までに各会場前の PC 受 付にて、発表データの試写ならびに受付をお済ませください。 受付場所:講演会場前 1F ロビー 受付時間:6 月 24 日(金) 12:30~18:00 6 月 25 日(土) 07:30~12:10 10.会期中の問い合わせ先 倉敷アイビースクエア 運営本部(1F 吉備) TEL:086-422-0011 11.その他 1)会場内では、携帯電話をマナーモードに設定してください。 2)会場内は全館禁煙です。 3)会長の許可の無い掲示・展示・印刷物の配布・録音・写真撮影・ビデオ撮影は固くお断り いたします。 5 講演発表に関するお知らせ 1. 進行情報 ワークショップ:発表 8 分、質疑応答 4 分 ・ 発表終了 1 分前に黄色ランプ、終了・超過時には赤色ランプを点灯してお知らせします。 円滑な進行のため、時間厳守でお願いします。 ・ 演台上には、モニター、キーボード、マウスを用意いたします。 演台に上がると最初のスライドが表示されますので、その後の操作は各自で行ってください。 2. 座長の皆さまへ 担当セッション開始予定時刻の 15 分前までに、会場内前方の「次座長席」にご着席ください。 3. 発表者の皆さまへ 試写・発表方法 1)すべて PC 発表(PowerPoint)のみといたします。 2)発表データは、Windows PowerPoint 2003 ~ 2013 のバージョンで作成してください。 3)PowerPoint の「発表者ツール」は使用できません。発表用原稿が必要な方は各自ご準備く ださい。 <データ発表の場合> 1)作成に使用された以外の PC でも必ず動作確認を行っていただき、USB フラッシュメモリー でご持参ください。 2)フォントは文字化け、レイアウト崩れを防ぐため下記フォントを推奨いたします。 MS ゴシック,MSP ゴシック,MS 明朝,MSP 明朝 Arial,Century,Century Gothic,Times New Roman 3)発表データは研究会終了後、事務局で責任を持って消去いたします。 < PC 本体持込みによる発表の場合> 1)Macintosh で作成したものと動画を含む場合は、必ずご自身の PC 本体をお持込みください。 2)会場で用意する PC ケーブルコネクタの形状は、D-SUB mini 15pin(図参照)です。この出 力端子を持つ PC をご用意いただくか、この形状に変換するコネクタを必要とする場合に は必ずご持参ください。デジタル出力(HDMI)の出力端子しか無い PC は HDMI → D-SUB の変換アダプターも必要です。電源ケーブルもお忘れなくお持ちください。 3)再起動をすることがありますので、パスワード入力 ディスプレイ接続コネクタ は“不要”に設定してください。 4)スクリーンセーバーならびに省電力設定は事前に解 除しておいてください。 5)動画データ使用の場合は、Windows Media Player で 再生可能であるものに限定いたします。 会場で用意するケーブル D-SUB mini 15pin (オス) 6)音声はご利用いただけませんので、ご了承ください。 6 演者のPC D-SUB mini 15pin (メス) (図) 交通案内 アリオ倉敷 三井アウトレットパーク ● 山陽本線 JR倉敷駅 アパホテル ● ● 天満屋 ←至広島 至岡山→ 県道162号線(旧2号線) 倉敷中 央 通 り 倉敷ロイヤル アートホテル ● ● 倉敷ステーションホテル 倉敷国際ホテル 大原美術館 ● ● ● 旅館鶴形 倉敷川 倉敷民芸館 ● 倉敷市立美術館 ● 倉敷 アイビースクエア 倉敷 市民会館 P ● ● 倉敷市芸文館 お車をご利用の場合 研究会参加者は研究会開催中、倉敷アイビースクエア駐車場を無料でご利用いただけます。 1F 総合受付で無料サービス券をお受け取りください。満車の場合は、周辺駐車場(有料)をご利用ください。 なお、いずれの駐車場も一般の方で混雑する恐れがございますので、公共交通機関のご利用をおすすめいたします。 JR倉敷駅から 0分 12 幌 ■徒歩で約15分 約 札 分 至 米子 10 約1 那覇 岡山 空港 ■市役所・吉岡方面行、または 東京 約75分 (倉敷駅南口バス乗り場3番)で大原美術館下車 至 鳥取 伯 津山線 ■タクシーで約5分 線 備 □岡山駅から倉敷駅まで約17分 (山陽本線または伯備線) 山陽新幹線 至 広島 新倉敷 岡山 山陽本線 倉敷 西阿知 中庄 庭瀬 至 大阪 お車で ■倉敷IC(山陽自動車道)から約20分 北長瀬 ■早島IC(瀬戸中央自動車道)から約20分 岡山空港から 茶屋町 ■倉敷駅までのリムジンバス約35分(1,130円) 瀬戸 大橋線 児島 倉敷循環右回り・左回りバス ■倉敷アイビースクエアまでタクシーで 約40分(約7,000円) 至 香川 7 会場案内 フローラルコート ひろば オパール フロント レストラン ホテル玄関 本館 アイボリー 講演会場 懇親会会場 オパール PC受付 総合受付 控室 理事会会場 コーラル クローク WC WC 運営 本部 万寿 阿智 瀬戸 吉備 企業展示 WC 無線LAN対応エリア アクセスコード:Square1010 WC WC WC 8 タイムテーブル 6 月 24 日(金) 6 月 25 日(土) 講演会場(1F オパール) 8:00 8:00~8:50 教育講演 2 座長:伊藤 潔 演者:藤本次良 9:00 8:55~9:45 ワークショップ 3(WS3-1 ~ WS3-4) 座長:原田信広 9:50~10:40 10:00 教育講演 3 座長:野口眞三郎 演者:三好康雄 共催:ノバルティス ファーマ㈱ 10:45~11:35 11:00 特別企画 1 座長:笹野公伸 演者:Man-Ho Choi 12:00 13:00 11:30~12:30 11:40~12:30 (1F コーラル) 座長:笹野公伸 演者:Victoria Merriman 特別企画 2 理事会 共催:Bioscientifica Ltd 12:40~13:30 12:55〜13:10 総会 ランチョンセミナー 13:10~13:15 開会の辞 座長:堀口 淳 演者:山下啓子 13:15~14:05 共催:武田薬品工業㈱ 特別講演 1 13:30〜 閉会の辞 座長:永井 敦 演者:並木幹夫 14:00 共催:ヤンセンファーマ㈱/アストラゼネカ㈱ 14:10~15:00 ワークショップ 1(WS1-1 ~ WS1-4) 座長:井上 聡 15:00 15:05~15:55 教育講演 1 座長:田中克浩 演者:高橋俊二 共催:エーザイ㈱ 16:00 16:00~16:50 ワークショップ 2(WS2-1 ~ WS2-4) 座長:鈴木 貴 17:00 16:55~17:45 特別講演 2 座長:園尾博司 演者:岩瀬弘敬 18:00 17:55~18:45 イブニングセミナー 座長:伊藤良則 演者:佐治重衡 共催:中外製薬㈱ 19:00 19:00~21:00 懇親会 9 【6 月 24 日(金曜日)】 13:10 開会の辞 第 17 回ホルモンと癌研究会 会長 紅林淳一 13:15 特別講演1 【共催】ヤンセンファーマ株式会社/アストラゼネカ株式会社 座長:永井 敦(川崎医科大学 泌尿器科) 『前立腺癌ホルモン療法の歴史と進歩』 並木幹夫(金沢大学医薬保健研究域医学系) 14:10 ワークショップ1 座長:井上 聡(東京都健康長寿医療センター 老化制御) WS1-1「ホルモン受容体陽性転移再発乳癌における次世代シークエンサーによる ESR1 変異解析」 加々良尚文(大阪大学医学部 乳腺内分泌外科) WS1-2「乳癌予後予測因子としての TRIM44 の役割」 川端英孝(埼玉医科大学ゲノム医学研究センター 遺伝子情報制御/ 埼玉医科大学国際医療センター 乳腺腫瘍科/ 虎の門病院 乳腺内分泌外科) WS1-3「乳癌組織における PIK3CA 遺伝子変異と予後」 山下啓子(国立大学法人北海道大学病院 乳腺外科) WS1-4「Triple Negative 乳癌患者における血漿 cell-free DNA 中の PIK3CA 遺伝子 変異解析の臨床的重要性」 竹下卓志(熊本大学 乳腺・内分泌外科) 15:05 教育講演1 【共催】エーザイ株式会社 座長:田中克浩(川崎医科大学 乳腺甲状腺外科学) 『甲状腺癌薬物療法の up-to-date』 高橋俊二(公益財団法人がん研究会有明病院 総合腫瘍科) 10 16:00 ワークショップ2 座長:鈴木 貴(東北大学大学院医学系研究科 病理検査学分野) WS2-1「ER 陽性乳癌における内分泌療法と化学療法併用の可能性 in vitro and vivo study」 池田宏国(岡山労災病院) WS2-2「Fulvestrant 耐性乳癌における ERα発現のエピジェネティクス制御と可塑性」 坪井洸樹(東北大学大学院医学系研究科 分子機能解析学分野) WS2-3「体腔液中の乳癌細胞と原発巣との ER, PR, HER2 発現状況の比較および一致不 一致群での臨床病理学的因子の検討について」 樋口 徹(群馬大学医学部附属病院 乳腺・内分泌外科) WS2-4「閉経後 ER 陽性・HER2 陰性乳癌に対する術前内分泌療法における予後予測因 子としての PEPI score に PgR を加えた新 scoring system の有用性」 黒住 献(群馬大学医学部付属病院 乳腺・内分泌外科/ 埼玉県立がんセンター 乳腺外科) 16:55 特別講演2 座長:園尾博司(川崎医科大学附属病院) 『転移乳癌における乳癌ホルモン療法の最新知見』 岩瀬弘敬(熊本大学大学院生命科学研究部 乳腺・内分泌外科学分野) 17:55 イブニングセミナー 【共催】中外製薬株式会社 座長:伊藤良則(公益財団法人がん研究会有明病院 乳腺センター 乳腺内科) 『ホルトバジーのアルゴリズムへの挑戦 ホルモン療法にできること・化学療法にでき ること』 佐治重衡(福島県立医科大学医学部 腫瘍内科学講座) 11 【6 月 25 日(土曜日)】 8:00 教育講演2 座長:伊藤 潔(東北大学災害科学国際研究所 災害医学研究部門 災害産婦人科学分野) 『婦人科領域で投与される性ステロイドについて』 藤本次良(朝日大学 婦人科) 8:55 ワークショップ3 座長:原田信広(藤田保健衛生大学医学部 生化学第一講座) WS3-1「子宮内膜癌組織におけるコルチゾールによる aromatase の誘導」 三木康宏(東北大学災害科学国際研究所 災害産婦人科学分野) WS3-2「エストロゲン受容体陰性乳癌における Cancer-associated fibroblasts (CAFs) 由来因子によるアンドロゲン合成酵素の発現誘導」 菊地杏子(東北大学大学院医学系研究科 病理診断学分野) WS3-3「AI 耐性乳がんに対する mTOR 阻害剤エベロリムスの感受性には PP2A が重要」 林 孝典(藤田保健衛生大学医学部 生化学講座) WS3-4「乳癌微小環境における 27-hydroxycholesterol を介した癌細胞と脂肪細胞の 相互作用」 櫻井美奈子(東北大学大学院医学系研究科 病理診断学分野) 9:50 教育講演3 【共催】ノバルティス ファーマ株式会社 座長:野口眞三郎(大阪大学大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科) 『ホルモン療法抵抗性をどう感じ取るか ~基礎と臨床、双方から考える~』 三好康雄(兵庫医科大学 乳腺 ・ 内分泌外科) 12 10:45 特別企画1 座長:笹野公伸(東北大学大学院医学系研究科医科学専攻 病理病態学講座 病理診断学分野) 『Metabolomic profiling may reveal intratumoral changes of steroid signatures in breast cancer』 Man-Ho Choi(Molecular Recognition Research Center, Korea Institute of Science and Technology, Seoul 02792, Korea) 11:40 特別企画2 【共催】Bioscientifica Ltd 座長:笹野公伸(東北大学大学院医学系研究科医科学専攻 病理病態学講座 病理診断学分野) 『How to get published in the leading UK endocrine-related cancer journal: avoiding ethical problems』 Victoria Merriman(Marketing Manager, Publishing Bioscientifica Ltd) 12:40 ランチョンセミナー 【共催】武田薬品工業株式会社 座長:堀口 淳(国立大学法人群馬大学医学部附属病院 乳腺内分泌外科) 『閉経前乳癌の内分泌療法 ~ LHRH アゴニストの重要性~』 山下啓子(国立大学法人北海道大学病院 乳腺外科) 13:30 閉会の辞 第 17 回ホルモンと癌研究会 会長 紅林淳一 13 ◆ ◇ MEMO ◇ ◆ 第 17 回 ホルモンと癌研究会 抄 録 特別講演 教育講演 特別企画 イブニングセミナー ランチョンセミナー 特別講演 1 前立腺癌ホルモン療法の歴史と進歩 並木幹夫 金沢大学医薬保健研究域医学系 前立腺癌に対するホルモン療法(内分泌療法)は、アンドロゲン受容体(androgen receptor:AR)を介する アンドロゲン作用の抑制による前立腺癌細胞の増殖抑制を作用機序としており、1941 年の Huggins らの報告以 来 70 年以上経過した今も前立腺癌治療において重要な位置を占めている。しかし、その歴史の節目ごとで大 きな変革を遂げてきた。すなわち、当初は外科的去勢術やエストロゲン剤による治療からはじまったが、1971 年に Schally らや Guillemin らが LH-RH の構造を解明したことにより LH-RH analog が開発された。これにより 従来の外科的去勢では永久的去勢であったのに対し、一時的去勢が可能になり Neoadjuvant 療法や Adjuvant 療法、さらには間欠的使用が選択できることになった。1982 年に Labrie らは前立腺癌に対するホルモン療法 は単に去勢のみでは不十分であるとし、アンチアンドロゲン剤との併用の必要性を提唱した。これが現在ま で combined androgen blockade(CAB)療法として、最も強力なホルモン療法として広く用いられてきた。 最近、ホルモン療法で再燃した前立腺癌が、まだアンドロゲン感受性を有している場合が少なくない ことが判明したことから、従来用いられていた用語であるホルモン抵抗性前立腺癌(hormone refractory prostate cancer:HRPC)から去勢抵抗性前立腺癌(castration resistant prostate cancer:CRPC)に替わっ てきた。これにより、副腎由来アンドロゲンの前立腺細胞での代謝(intracrine)をターゲットとした新たな 治療法や、より強力な抗アンドロゲン剤が臨床応用されるに至った。さらに、転写因子としての AR そのも のの制御など、様々な作用機序による新しい治療薬が開発中であり、ホルモン療法に大きな転換期が訪れて いる。また、新たなホルモン治療薬による発癌予防も期待されるようになってきた。 一方、ホルモン療法の負の側面として、アンドロゲン低下に伴い様々な身体・臓器機能の低下が起きうる ことが問題となってきており、その対策が課題となっている。 講演では「前立腺癌ホルモン療法の歴史と進歩」について概説する。 【略 歴】 1975 年 3 月 大阪大学医学部卒業 1975 年 7 月 大阪大学医学部附属病院研修医(第一内科、災害外科、泌尿器科) 1977 年 1 月 国立大阪病院泌尿器科医員 1979 年 6 月 住友病院泌尿器科医員 1982 年 7 月 大阪大学助手(医学部泌尿器科学講座) 1991 年 同講師 1994 年 同助教授 1995 年 11 月 金沢大学教授(医学部泌尿器科学講座) 2001 年 4 月から 同大学院医学系研究科教授(がん医科学専攻泌尿器集学的治療学分野) 2008 年~ 2009 年 同附属病院副院長 2010 年~ 2011 年 同医薬保健学域医学系副系長 2006 年~ 2009 年、2012 年~ 2013 年 同大学院医学系研究科がん医科学専攻長 2014 年 4 月~ 2015 年 3 月 国立大学法人金沢大学副学長、金沢大学附属病院長 2016 年 4 月~現在 金沢大学医薬保健研究域特任教授、医療法人社団長谷川病院名誉院長 研究歴 1987 年 10 月〜 1988 年 10 月 米国国立衛生研究所(Molecular Endocrinology Section)Visiting Fellow 受賞歴 1989 年 5 月 第 6 回稲田賞受賞 2006 年 5 月 第 16 回ブルガリア国際医学会賞受賞 2013 年 10 月 臓器移植対策推進功労者厚生労働大臣感謝状 2013 年 11 月 北國文化賞受賞 16 ◆ ◇ MEMO ◇ ◆ 特別講演 2 転移乳癌における乳癌ホルモン療法の最新知見 岩瀬弘敬 熊本大学大学院生命科学研究部 乳腺・内分泌外科学分野 原発乳癌の約 70% は ER 陽性 HER2 陰性の Lumina-like 乳癌であるが、再発乳癌の多くもこのタイプであり、 術後数年してからの晩期再発も珍しくない。このような再発乳癌に対しては、かつては経験的に卵巣や副 腎を摘出するような外科的療法や大量エストロゲン療法が行われたが、1970 年代に選択的 ER 機能修飾薬で あるタモキシフェンが登場して以来、エストロゲンの供給を断つ LH-RH アゴニストやアロマターゼ阻害薬、 選択的 ER 機能抑制薬などによる薬物的ホルモン療法が主流となった。ホルモン療法は化学療法に比べ、副 作用が少なく、奏効期間も長いが、ほとんどの症例では一旦奏効が得られたとしても、一定の期間後には耐 性を来すためこの耐性化克服が課題である。 最近の分子生物学の発展により、ER はリガンド刺激だけでなく、HER family や IGFR などの膜型増殖因 子のリン酸化刺激を受けることが判明しており、ホルモン療法耐性機構の一つとされている。したがって、 mTOR 阻害薬、PI3K 阻害薬、CDK4/6 阻害薬などの細胞内シグナル伝達阻害薬とホルモン療法との併用が 臨床応用されている。さらには、長期間のエストロゲン枯渇療法に耐性となった閉経後再発乳癌においては、 逆説的ながらエストロゲン付加療法にも奏効が認められることが解っており、この古典的な治療にも再び焦 点が当てられている。 一方、ER αの遺伝子である ESR1 については、遺伝子増幅、点突然変異などが近年報告され、ホルモン 依存性との関連が報告されている。我々の教室でも ESR1 の遺伝子増幅、点突然変異、その近傍の遺伝子群 の発現と機能、non-coding RNA などについて検索を進めている。さらに血漿中の circulating cell-free tumor DNA(ctDNA)における ESR1 遺伝子変異の検出と内分泌療法との関連などについて研究成果の一端を報告 する。 【略 歴】 1979 年 名古屋市立大学医学部 卒業 1986 年 「乳癌におけるエストロゲン受容体の細胞内局在」で博士号修得 1988 年 名古屋市立大学病院 第 2 外科 助手 (1993 年~ 1995 年)ロンドンガイズ病院 留学 1996 年 名古屋市立大学 第 2 外科 講師 1999 年 名古屋市立大学 第 2 外科 助教授 2004 年 熊本大学大学院医学薬学研究部 乳腺内分泌外科学分野 教授 2007 年 熊本大学医学部付属病院 副病院長(2009 年 3 月まで) 2009 年 熊本大学医学部附属病院 がんセンター長併任 専門は乳癌の薬物療法、化学療法、手術療法などの治療全般、バイオマーカー研究。日本乳癌学会 学術総会会長、日本 外科学会 指導医、日本癌学会 評議員、数編の欧文誌の編集者、顧問に就いている。 18 ◆ ◇ MEMO ◇ ◆ 教育講演 1 甲状腺癌薬物療法の up-to-date 高橋俊二 公益財団法人がん研究会有明病院 総合腫瘍科 最近まで、甲状腺癌にたいする有効な全身治療はラジオアイソトープしかなかったが、甲状腺癌には増殖 シグナル経路、特に MAPK シグナル経路および RET の遺伝子異常が比較的高頻度に認められ、また血管新 生が著明な腫瘍であり、これらに対する分子標的治療が開発されてきた。 ソラフェニブは VEGFR,PDGFR,BRAF,RET 等を抑制するマルチ受容体チロシンキナーゼ阻害剤で、 放射性ヨード治療抵抗性の分化型甲状腺癌患者に対する第 3 相試験(DECISION)において、無増悪生存期間 (PFS)をプラセボに比較して有意に延長した。主な有害事象は手足皮膚反応、下痢、高血圧であった。最近 髄様癌に対する適応も承認された。 レンバチニブは VEGFR,FGFR,RET,PDGFR 等を阻害するマルチ受容体チロシンキナーゼ阻害剤で、 放射性ヨード治療抵抗性の分化型甲状腺癌患者に対する第 3 相試験(SELECT)において、PFS を著明に延長 した。主な有害事象は高血圧、下痢、疲労、食欲不振、手足症候群、蛋白尿であった。日本では更に髄様癌、 未分化癌を含めた甲状腺がんに対する第 2 相試験がおこなわれ、その結果から日本では 3 種類の組織型すべ てで適応が承認された。 バンデタニブは RET,VEGFR、EGFR を抑制するマルチ受容体チロシンキナーゼ阻害剤であり、進行甲 状腺髄様癌患者における多施設共同無作為化二重盲検第 3 相試験(ZETA)において、PFS を有意に延長させ た。主な有害事象は下痢、発疹、嘔気、高血圧、疲労であるが日本では間質性肺疾患が問題になり得る。 レンバチニブの奏効率は高いが、分子標的治療は基本的に進行を抑制する治療と位置づけられる。甲状腺 癌は、放射性ヨウ素治療抵抗性になっても急速に進行するとは限らず、治療開始のタイミングについて充分 検討する必要がある。さらなる新規薬剤開発も含めて議論したい。 【略 歴】 1983 年 3 月 東京大学医学部 卒業 1983 年 6 月 東京大学医学部附属病院 内科研修医 1985 年 10 月 東京大学医学部 第 4 内科医員 1989 年 9 月 東京大学医学部 第 4 内科助手 1991 年 10 月 テキサス大学サンアントニオ校医学部血液科に留学 1994 年 5 月 癌研究会附属病院化学療法科 医員 2002 年 5 月 癌研究会附属病院化学療法科 医長 2004 年 9 月 癌研究会附属病院化学療法科 副部長 2006 年 1 月 癌研究会有明病院化学療法科 乳癌骨転移原発不明癌担当部長、順天堂大学乳腺センター 客員助教授 2010 年 4 月 がん研究会有明病院化学療法科 原発不明癌担当部長、乳腺センター化学療法担当泌尿器科化学療法担当、 血液腫瘍科担当部長、順天堂大学乳腺センター 客員准教授 2012 年 4 月 がん研究会有明病院 化学療法部部長、総合腫瘍科部長、臨床試験・研究センター 臨床試験部部長 2015 年 4 月 東北大学大学院医学系研究科内科学系 客員教授 主な所属学会:日本内科学会、日本癌学会(評議員)、日本癌治療学会、日本骨代謝学会、日本乳癌学会(評議員、学術委員)、 日本臨床腫瘍学会(評議員、教育企画委員)、日本遺伝子治療学会(評議員)、日本がん分子標的治療学会(理事)、米国臨 床腫瘍学会、米国骨代謝学会、欧州臨床腫瘍学会 主な資格:内科学会専門医、臨床腫瘍学会薬物療法専門医、臨床腫瘍学会指導医 20 ◆ ◇ MEMO ◇ ◆ 教育講演 2 婦人科領域で投与される性ステロイドについて 藤本次良 朝日大学 婦人科 子宮内膜癌や卵巣癌に対して、以前、治療として、性ステロイドを投与した歴史はありますが、近年で は、性ステロイドの活躍の場は、ほとんどありません。乳癌とよく似たエストロゲン依存性増殖をするとさ れている(実は、かなり異なっていますが)子宮内膜癌ですら、術後化学療法として medroxyprogesterone acetate(MPA)は、推奨されていません。妊孕性温存のため、一部の症例に対してだけ、高用量の MPA が 使用されています。「ホルモンと癌研究会」において、婦人科癌の治療として、どのような性ステロイドが、 どのように投与されるかというお話はできません。一方、乳癌とは異なり、婦人科癌のため、卵巣を摘出し た症例において、エストロゲンは、ホルモン補充療法(HRT、特に ERT)として、多用されています。 そこで、今回の講演では、性ステロイド、すなわちエストロゲンやプロゲスチンの分類、構造上の特徴、 開発の経緯をお話し、様々な女性特有の疾病に対する治療への関わりの詳細をお話致します。さらに、性ス テロイドの効果発現の多様性を転写レベルではとても語れませんが、性ステロイドレベルで、臨床検体から、 多少でもお話できればと考えております。 【略 歴】 1980 年 京都府立医科大学医学部卒業 1980 年- 1981 年 京都府立医科大学医学部附属病院研修医 1982 年- 1986 年 京都府立医科大学医学部大学院 1987 年 京都府立医科大学医学部産科婦人科助手 1989 年 コーネル大学医学部分子医学研究室(3 年 6 ヶ月) 1992 年 岐阜大学医学部産科婦人科助手 1993 年 岐阜大学医学部産科婦人科講師 2006 年 岐阜大学大学院医学系研究科腫瘍制御学講座産科婦人科分野臨床准教授 2008 年 岐阜大学大学院医学系研究科腫瘍制御学講座産科婦人科分野臨床教授 2011 年 朝日大学婦人科教授 2015 年 朝日大学保健医療学部長 現在に至る 22 ◆ ◇ MEMO ◇ ◆ 教育講演 3 ホルモン療法抵抗性をどう感じ取るか ~基礎と臨床、双方から考える~ 三好康雄 兵庫医科大学 乳腺 ・ 内分泌外科 閉経後のエストロゲン受容体(ER)陽性・HER2 陰性転移・再発乳癌において、内分泌療法や mTOR 阻害 薬をいかに用いるか、重要な課題である。臨床的には前内分泌療法の感受性と、転移状況(転移部位、腫瘍 量、増殖速度、症状の有無など)に基づいて治療薬が選択される。アロマターゼ阻害薬の耐性機序の一つは 増殖因子経路の活性化であり、mTOR 阻害薬は ER のリン酸化によるリガンド非依存的な活性化を阻害する だけでなく、オートファジーや細胞増殖の抑制、血管新生を阻害することから効果が期待できる。ER 遺伝 子変異はアロマターゼ阻害薬の耐性機序となるが、fulvestrant は有効と予想される。Letrozole による術前 内分泌療法を行った検討で、奏効が持続した症例は PIK3CA や TP53 遺伝子変異を有する癌細胞の割合が減 少していた。病状が進行した症例では、耐性に関与すると予想される新たな遺伝子変異が出現していた。こ のように、mTOR 経路の活性化の同定や遺伝子変異の検索は、薬剤の感受性予測や効果判定に有用であると 期待される。日常診療に応用可能な診断ツールとして、血液を用いた liquid biopsy による ctDNA(循環腫瘍 DNA)の解析、あるいはイメージングによる診断が有用かもしれない。FDG-PET 検査(フルデオキシグル コース - ポジトロン放出断層撮影)における SUVmax 値(体重と投与量で補正した 1 ピクセルあたりの最大放 射能濃度)は、グルコースの取り込みを評価しており、GLUT1(glucose transporter 1)の活性で規定される。 GLUT1 は MAPK や Akt、mTOR によって制御されていることから、mTOR 阻害薬の効果判定に SUVmax 値が有用性が示唆される。 本講演ではこれらの点を中心に、臨床的に判断されている内分泌療法の感受性を、基礎の立場から解釈し たい。 【略 歴】 1984 年 大阪大学医学部医学科 卒業 1992 年 大阪大学大学院医学研究科博士課程(第二外科) 卒業 1984 年 大阪大学医学部附属病院 第二外科 研修医 1985 年 大阪府立成人病センター 外科レジデント 1987 年 箕面市立病院 外科医員 1990 年 癌研究所 生化学教室(中村祐輔部長)に国内留学 1993 年 英国王立癌研究基金(Imperial Cancer Research Fund) 留学 1996 年 大阪大学医学部 臨床遺伝学教室 助手 1998 年 大阪大学大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科 助教 2007 年 兵庫医科大学 外科学講座 准教授 2009 年 兵庫医科大学 外科学講座 乳腺・内分泌外科 教授 2016 年 兵庫医科大学 がんセンター長 平成 12 年度 厚生労働省がん研究助成金 乳がん・大腸がんの家族内集積性に関する研究 主任研究者 乳癌学会 第 10 回班研究 化学療法感受性予測因子の開発に関する研究 班長 24 ◆ ◇ MEMO ◇ ◆ 特別企画 1 Metabolomic profiling may reveal intratumoral changes of steroid signatures in breast cancer Man-Ho Choi Molecular Recognition Research Center, Korea Institute of Science and Technology, Seoul 02792, Korea Due to their biochemical roles in endocrine system, quantitative analysis of steroids is an increasing need to apply these to clinically relevant biological specimens in trace amounts. Steroid profiling can reveal the states of metabolites in biological systems and provide comprehensive insights by allowing comparisons between metabolites present in tissues and peripheral blood. The talk deals with two aspects: (1) mass spectrometry-based metabolomic platforms and (2) the application examples with breast tissue slices obtained from patients with either triple-negative BCa (TNBC) or luminal-A BCa in order to evaluate possible differences in steroid metabolism between subtypes. Altered levels of sex steroids and the metabolic ratios, representing enzyme activities, may partially underlie the different biological behavior of BCa types. The sex steroid signatures clearly demonstrated, through close clustering of aromatase and oxidoreductases, such as 5α-reductase, 3β-HSD and 17β-HSD, that some cancers are more steroidogenic than others. Results also indicated differences in steroid metabolism between subtypes with decreased aromatase activity in TNBC (p = 0.038). The results obtained by the newly developed methodologies were highly reproducible across replicate quality-control tissues, demonstrating that frozen tissue sections should serve as pivotal resources for the analysis of intratumoral steroid metabolism. 【略 歴】 August 1998 − February 2002 College of Pharmacy, Sungkyunkwan University, Korea Major: Bio-analytical Chemistry, Minor: Clinical Chemistry • Thesis: Gas chromatographic-mass spectrometric analysis of steroids in hair: Male-pattern baldness studies March 2002 − August 2004 Postdoctoral Associate / Research Scientist Biological Engineering Division, Massachusetts Institute of Technology, USA • Mass spectrometry based metabolomics and proteomics • Drug metabolism by cytochrome P450s September 2004 − Present Principal Investigator Molecular Recognition Research Center, Korea Institute of Science and Technology, Korea • Functional hormone signaturing in clinical applications • Reproductive endocrinology May 2013 − December 2014 Corresponding Editor Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology January 2015 − Present Associate Editor Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology 26 ◆ ◇ MEMO ◇ ◆ 特別企画 2 How to get published in the leading UK endocrine-related cancer journal: avoiding ethical problems Victoria Merriman Marketing Manager, Publishing Bioscientifica Ltd This presentation will clarify what constitutes ethical misconduct, examples of common breaches which cause papers to be rejected, and the penalties for those breaches. We will share what our Editors are looking for when they assess your paper and provide tips on how to make sure that your work is suitable for publication in the best UK journals. The lecture is given from the perspective of the publisher of the European Society of Endocrinology and Society for Endocrinology's journals, to allow direct insight into publishers' policies and practices. Bioscientifica is a collaborative biomedical publisher of society journals. 【略 歴】 Victoria Merriman MA (Cantab) is Publishing Marketing Manager at Bioscientifica Ltd. After completing a Natural Sciences degree at the University of Cambridge, she joined the publishing division of Bioscientifica. Bioscientifica is a collaborative biomedical publisher of society journals, including Endocrine-Related Cancer, European Journal of Endocrinology, and Endocrinology, Diabetes & Metabolism Case Reports. Bioscientifica's publishing portfolio includes high-impact subscription titles, open access journals and online resources. 28 ◆ ◇ MEMO ◇ ◆ イブニングセミナー ホルトバジーのアルゴリズムへの挑戦 ホルモン療法にできること・化学療法にできること 佐治重衡 福島県立医科大学医学部 腫瘍内科学講座 1998 年に発表されたホルトバジーのアルゴリズムは、進行転移乳癌に対する治療戦略を決めるうえで普遍 的な価値をもった指針として今も利用されている。①進行・転移乳癌は根治が望めない、②ホルモン療法・ 化学療法どちらから始めても予後は変わらない という 2 つの大きな基本概念をもとに構築されているが、98 年以降で 70 種類以上の分子標的治療薬が登場し、様々な画像・分子診断ツールが利用されている現在にあっ ても、この基本戦略がベストであるか? ホルモン療法と化学療法ができることは何か ? 分子標的治療薬は 何をもたらすのか? これらについて考えてみたい。 【略 歴】 1992 年 岐阜大学医学部 卒業 1992 年 東京都立駒込病院 外科研修医、外科専門臨床研修医 1997 年 岐阜大学医学部医学研究科 博士課程研究員 1998 年 (埼玉県立がんセンター研究所 研修生) 1999 年 カロリンスカ医科大学(スウェーデン) 博士研究員 2001 年 東京都立駒込病院 乳腺外科 医員 2003 年 M.D. アンダーソンがんセンター(米国) 短期研修プログラム 2004 年 東京都立駒込病院 乳腺外科・臨床試験科 医長 2009 年 埼玉医科大学 国際医療センター 腫瘍内科 准教授 2011 年 京都大学大学院医学研究科 標的治療腫瘍学講座 特定准教授 2014 年〜現職 専門医・指導医・評議員 日本乳癌学会 乳腺専門医・指導医・評議員 日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医・指導医・評議員 日本がん分子標的治療学会 評議員 ASCO,ESMO,AACR 学会員 専門・最近の活動 腫瘍内科医。特に乳癌に対する薬物療法(ホルモン療法)を専門とし、この領域における研究・臨床試験・治験・診療活 動に従事している。2014 年 9 月、福島県立医科大学に腫瘍内科学講座を新規開設した。 30 ◆ ◇ MEMO ◇ ◆ ランチョンセミナー 閉経前乳癌の内分泌療法 ~ LHRH アゴニストの重要性~ 山下啓子 国立大学法人北海道大学病院 乳腺外科 日 本 乳 癌 学 会 の 2011 年 の 乳 癌 統 計 に よ る と、40 歳 代 の 乳 癌 の 9 割 が エ ス ト ロ ゲ ン 受 容 体(estrogen receptor;ER)陽性乳癌である。日本人女性の乳癌はこの 20 年間で約 3 倍増加しているが、我々は、増加分 のほとんどは ER 陽性乳癌であることを報告してきた(Yamashita H et al. Ann Oncol 2011, Kurebayashi J et al. Breast Cancer 2015) 。 閉経前 ER 陽性乳癌の術後内分泌療法としてタモキシフェン 5 年投与の有用性は確立されている。最近、 卵巣機能抑制(LHRH アゴニスト)の併用において、アロマターゼ阻害剤(エキセメスタン)5 年投与はタモキ シフェンと比べて再発リスクを有意に減少させることが、TEXT 試験と SOFT 試験の共同解析として報告さ れた。しかしながら、以前報告された ABCSG-12 試験(化学療法を施行した症例は含まれていない)において は、3 年間の LHRH アゴニスト+アナストロゾール群が LHRH アゴニスト+タモキシフェン群より全生存期 間が有意に不良であった。一方、SOFT 試験(5 年間のタモキシフェン、LHRH アゴニスト+タモキシフェン、 LHRH アゴニスト+エキセメスタンの 3 群比較)では、化学療法を施行し閉経しなかった症例において、タ モキシフェンに LHRH アゴニストを追加することによりタモキシフェン単独よりも再発が抑制されたことが 報告されている。 一方、閉経前転移・再発乳癌においては、一次内分泌療法として LHRH アゴニストとタモキシフェンの併 用、二次以降の内分泌療法として LHRH アゴニストと閉経後に用いる内分泌療法薬との併用が乳癌診療ガイ ドラインで推奨されている。エストロゲン依存性に増殖・進展する ER 陽性乳癌においてはエストロゲンの 産生を抑制する治療方法は妥当であり、LHRH アゴニストの重要性は益々増すものと考えている。 【略 歴】 1986 年 3 月 名古屋市立大学医学部 卒業 名古屋市立大学 第 2 外科(正岡昭教授)に入局 1993 年 10 月 医学博士取得(指導:小林俊三先生、テーマ:乳癌組織における癌関連遺伝子の解析) 1996 年 10 月 3 年間アメリカ合衆国(USUHS School of Medicine)に留学(乳癌の研究に従事) 2005 年 2 月 名古屋市立大学大学院医学研究科 腫瘍免疫外科学 助教授 名古屋市立大学病院 乳腺内分泌外科 部長 2012 年 4 月 北海道大学病院 乳腺・内分泌外科 教授 2013 年 10 月 北海道大学病院 乳腺外科、北海道大学大学院医学研究科外科学講座 乳腺外科学分野に名称変更 専門領域 乳癌の診療 乳癌の内分泌療法、エストロゲンレセプターに関する研究 主な学会 日本外科学会:外科専門医・指導医・代議員、日本乳癌学会:乳腺専門医・指導医・評議員、日本臨床腫瘍学会:暫定指導医・ 協議員、日本癌学会:評議員、日本内分泌外科学会:評議員 受賞 1. Superior Performance Award for continued superior performance as a postdoctoral fellow, USUHS School of Medicine, 1999 年 5 月(アメリカ留学中に受賞) 2. 日本乳癌学会第 9 回研究奨励賞、2003 年 6 月 32 ◆ ◇ MEMO ◇ ◆ ◆ ◇ MEMO ◇ ◆ 第 17 回 ホルモンと癌研究会 抄 録 ワークショップ WS1-1 〜 WS1-4 WS2-1 〜 WS2-4 WS3-1 〜 WS3-4 WS1-1 「ホルモン受容体陽性転移再発乳癌における次世代シークエンサー による ESR1 変異解析」 加々良尚文,野口眞三郎 大阪大学医学部 乳腺内分泌外科 【背景】ホルモン受容体陽性乳癌の転移再発巣の約 20% に ESR1 変異が認められ、内分泌療法耐性の一因とし て注目されている。変異の多くはリガンド結合ドメインに集中しているが、これらの hotspot 以外にも変異 は報告されている。そこで我々は ER 陽性転移再発乳癌の腫瘍および血漿中 DNA に対して次世代シーケン サー(NGS)を用いて ESR1 の全エクソン解析を行った。 【方法】当院および関連施設で採取された ER 陽性乳癌の転移再発巣 46 例およびその原発巣 16 例の FFPE サン プル(paired)、再発後血漿 31 例(non-paired)から抽出した DNA に対して Ion Torrent PGM を用いて ESR1 全エクソンを解読した。変異アレル頻度は腫瘍で> 10%、血漿で> 3% を有意とし、腫瘍で検出された変異 は Sanger 法で再確認した。 【結果】転移再発巣 46 例中 4 例(8.7%)に 5 変異;E279V,Y537N+G557R,Y537C,D538G を認め、原発巣 16 例中には変異を認めなかった。血漿では 31 例中 4 例(12.9%)に 6 変異;S463P+D538G,L536H+D538G, Y537S(2 例)を認めた。変異陽性 8 症例における検体採取までの内分泌療法治療総期間は中央値 43(14-94)ヶ 月、AI 総投与期間 27(6-88)ヶ月であり、全症例で AI 治療が含まれていた。過去に報告のない 3 変異(E279V, L536H,G557R)については機能解析を行い、L536H に E2 非依存性の活性を認めた。 【結論】NGS による ESR1 全エクソン解析の結果、転移再発巣および血漿中の DNA に計 11 個の ESR1 変異を 同定し、従来の報告にない 3 カ所の新規変異を同定した。内分泌療法耐性に関与する変異も含まれており、 hotspot に限定しない解析が有用であると考えられた。 36 WS1-2 「乳癌予後予測因子としての TRIM44 の役割」 川端英孝 1,2,3),池田和博 1),東浩太郎 4),杉谷郁子 1,2),木脇圭一 5),藤井丈士 5), 大崎昭彦 2),佐伯俊昭 2),堀江公仁子 1),井上 聡 1,4,6) 1) 埼玉医科大学ゲノム医学研究センター 遺伝子情報制御, 2) 埼玉医科大学国際医療センター 乳腺腫瘍科,3)虎の門病院 乳腺内分泌外科, 4) 東京都健康長寿医療センター研究所 老化制御,5)虎の門病院 病理部, 6) 東京大学医学部 抗加齢医学 【背景】TRIM ファミリー蛋白質は、我々が同定した Efp/TRIM25 をはじめ、RING フィンガー型ユビキチ ン E3 リガーゼとして機能するものが多く、免疫系や癌化への関与が明らかになりつつある。このうち、 TRIM44 は非小細胞性肺癌、食道癌、胃癌等で高発現する報告が近年なされ、癌での役割が注目される。本 研究では乳癌臨床検体における TRIM44 蛋白質の発現性を検討した。 【対象と方法】2006 年 10 月~ 2012 年 7 月に虎の門病院で研究の同意が得られた手術先行の浸潤性乳癌百数十 例を対象とし、手術検体を用いて免疫組織学的評価を行い、TRIM44 抗体の免疫反応性と臨床的諸因子およ び予後との関連を検討した。 【結果】年齢中央値 53 歳、病理学的腫瘍径中央値 17mm、リンパ節転移陽性率 36%、ER 陽性率 90%、PR 陽 性率 76%、HER2 陽性率 15% であった。TRIM44 陽性例は 52%、陰性例は 48% で TRIM44 の結果は年齢、病 期、腫瘍径、リンパ節転移の有無、ER、PR、HER2 の各臨床的因子とは有意な相関を認めなかったが、核 異型度とは正の相関を認めた(P=0.033)。カプランマイヤー法による 5 年遠隔無再発生存率は TRIM44 陽性 例 80%、陰性例では 94% と陽性例で有意に不良(P=0.025,log-rank test)であった。単変量解析では腫瘍径、 ER、核異型度、TRIM44 が有意な予後因子であり、多変量解析では腫瘍径、ER と共に TRIM44 が独立した 予後因子(Cox ハザード比 4.5,P=0.003)であった。 【考察】本研究により、TRIM44 の免疫反応性が日本人乳癌患者の予後不良予測因子となり得ることが明らか になった。現在、TRIM44 と相互作用する蛋白質の発現性との関連を免疫組織学的に検討すると共に、乳癌 細胞株を用いた TRIM44 の機能解析を進めている。 【結語】TRIM44 蛋白質の高発現性は乳癌の独立した予後不良因子と考えられる。 37 WS1-3 「乳癌組織における PIK3CA 遺伝子変異と予後」 山下啓子 1),石田直子 1),畑中 豊 2,3),富樫謙一 4),松野吉宏 2,3) 1) 国立大学法人北海道大学病院 乳腺外科,2)北海道大学病院 病理診断科・病理部, 3) 北海道大学病院 コンパニオン診断学研究部門,4)ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 【目的】PIK3CA 遺伝子変異は乳癌において高頻度にみられる体細胞変異である。今回、乳癌組織のホルマリ ン固定パラフィン包埋組織(FFPE)を用いて PIK3CA 遺伝子変異を検討した。 【対象・方法】2008 年から 2010 年の間に当院で手術を行った Stage I-III の原発性乳癌で術前治療施行例および 同時両側乳癌症例を除外した 119 例を対象とした。FFPE 標本 10µm 切片 4 ~ 8 枚から DNA を抽出し、150ng を用いてリアルタイム PCR 法(コバス 4800z480 システム、ロシュ・ダイアグノスティックス)でエクソン 1、 4、7、9、20 の 17 種類の PIK3CA 遺伝子変異(すべてミスセンス変異)の検出を行った。PIK3CA 遺伝子変異 と臨床病理学的因子、予後との関連について検討した。 【結果】PIK3CA 遺伝子変異を 1 つ以上認めた症例は 45 例(38%)、変異なしが 70 例(59%)、評価不能が 4 例(3%) であった。サブタイプ別ではエストロゲン受容体(ER)陽性 HER2 陰性:30/74 例(41%)、ER 陽性 HER2 陽性: 5/18 例(28%)、ER 陰性 HER2 陽性:5/15 例(33%)、ER 陰性 HER2 陰性:5/12 例(42%)に PIK3CA 遺伝子変 異を認めた。変異部位は H1047 が最も高頻度(29 例)に認められ、ER 陽性 HER2 陰性乳癌では 19 例(26%、1 例は E542K との double 変異)存在した。E545X が次に頻度が高く ER 陽性 HER2 陰性乳癌で 6 例(8%、1 例は G1049R との double 変異)存在した。ER 陽性乳癌において H1047 以外に変異が存在する症例は全例生存して いた。 【結論】PIK3CA 遺伝子変異部位により、予後への関与は異なると考えられた。 38 WS1-4 「Triple Negative乳癌患者における血漿cell-free DNA中のPIK3CA 遺伝子変異解析の臨床的重要性」 竹下卓志,冨口麻衣,末田愛子,藤木義敬,西村純子,指宿睦子,山本 豊,岩瀬弘敬 熊本大学 乳腺・内分泌外科 【背景】The phosphatidylinositol-4, 5-bisphosphate 3-kinase, catalytic subunit alpha(PIK3CA)の遺伝子変異 は、腫瘍組織だけでなく、循環血漿中の DNA(cell-free DNA:cfDNA)でも検出され、その臨床学的重要性 は注目されているところである。特に、cfDNA は非侵襲的な癌の早期発見、また腫瘍のヘテロジェナイティー を克服できる高感度のバイオマーカーとして注目されている。しかし、PIK3CA の遺伝子変異の Triple negative(TN)乳癌における臨床的意義についての報告は少ない。今回我々は、TN 乳癌において血漿内の cfDNA において PIK3CA 遺伝子変異を同定し、その臨床的意義を検討した。 【対象と方法】2000 年~ 2009 年の間、当院で治療を行い、生検時または手術時の血漿が保存してある早期 TN 乳癌 49 例を対象とし、血漿から抽出された cfDNA の PIK3CA 遺伝子変異(E542K、E545K、H1047R) を droplet digital PCR で解析し、臨床病理学的因子、及び予後(乳癌特異的生存率:BCSS、無再発生存率: RFS)について比較検討した。 【結果】Follow up 期間の中央値は 54.4 か月であった。cfDNA において PIK3CA 遺伝子変異の頻度は、24.4% (12/49)で あ っ た。cfDNA に お け る PIK3CA 遺 伝 子 変 異 は、PI3K/Akt signaling pathway 由 来 の リ ン 酸 化 AR と有意に相関を認めた。予後解析では、Log-rank 検定で、ctDNA の PIK3CA 遺伝子変異は、BCSS、 RFS で予後良好因子であった。 (P=0.072,0.016)。Cox 比例ハザードモデルにおいても、BCSS(ハザード比[HR] 3.62E-10,95%, 信 頼 区 間[CI]0.011-0.31,p=0.0012)、RFS(HR 2.01E-10,95%CI 8.31e-60-0.19,p=0.0003) いずれも予後良好因子であった。 【 結 論 】今 回 我 々 は、 早 期 TN 乳 癌 患 者 に お い て、ctDNA の PIK3CA 遺 伝 子 変 異 が PI3K/Akt signaling pathway 由来のリン酸化 AR と有意な相関を示し、乳癌特異的生存率、無再発生存期間で独立した予後因子 となることを示した。 39 WS2-1 「ER 陽性乳癌における内分泌療法と化学療法併用の可能性 in vitro and vivo study」 池田宏国 1),平 成人 2),野上智弘 2),枝園忠彦 2),河合 央 1),土井原博義 2) 1) 岡山労災病院,2)岡山大学病院 乳腺・内分泌外科 【背景】ER 陽性乳癌は化学療法への感受性が低く,原因として ER の抗癌剤耐性因子増幅への関与が報告さ れている.ER 陽性乳癌に対する内分泌療法と化学療法の同時使用は,拮抗効果のため臨床では否定的に考 えられている.しかし,同時使用に対する検討の多くは TAM とアンスラレジメンに対するものであり,他 のホルモン剤,抗癌剤に関する検討は十分になされていない.今回我々は、内分泌療法剤と抗癌剤の併用効 果を in vitro,in vivo で検討を行った. 【方法】① In vitro で ER 陽性株におけるホルモン剤(fulvestrant,TAM,4-hydoxyTAM)と抗癌剤(ADM, PTX,DTX,VNR,5-FU)の併用効果を MTS assay,Combination Index により評価した.② ER 陽性株を Hormone drugs(Tamoxifen,4OH-tamoxifen,fulvestrant)に暴露し,ER の modulation を受けるとされる 抗癌剤耐性因子(P-gp,MAPT,Bcl-2)の発現変化を protein level で検討を行った.③ ER 陽性株でヌードマ ウスに腫瘍を作成し,抗癌剤(DTX,ADM) ,fulvestrant の投与を行い,腫瘍増殖抑制効果を評価した. 【 結 果 】In vitro で fulvestrant は 全 て の 薬 剤 と 相 乗 効 果 を TAM は す べ て の 薬 剤 と 拮 効 効 果 を 示 し た. 4-hydroxyTAM は taxane・VNR と 相 乗 効 果,ADM・5-FU と 拮 抗 効 果 を 示 し た.MAPT,Bcl-2 は Tamoxifen,4OH-tamoxifen の 暴 露 に よ り 増 加 し,fulvestrant 暴 露 に よ り 減 少 し た.P-gp は Tamoxifen, 4OH-tamoxifen の暴露により減少し,fulvestrant 暴露により増加した.In vivo では DTX と fulvestrant の併 用は相乗効果を示した.ADM と fulvestrant の併用は ADM 単剤,fulvestrant 単剤と比較して優位性は認め なかった。 【結論】fulvestrant と抗癌剤,特に DTX との併用は有効である可能性がある.TAM と 4-hydoxyTAM は併用 する抗癌剤により異なる併用効果を示す可能性がある. 40 WS2-2 「Fulvestrant 耐性乳癌における ER α発現のエピジェネティクス制 御と可塑性」 坪井洸樹 1),長友隆将 1),金子陽介 1),藤井里圭 1,2),花村 徹 1,3),山口ゆり 4), 丹羽俊文 1),林 慎一 1) 1) 東北大学大学院医学系研究科 分子機能解析学分野, 2) 東北大学大学院医学系研究科 腫瘍外科学分野,3)信州大学 乳腺内分泌外科, 4) 埼玉県立がんセンター 臨床腫瘍研究所 Fulvestrant は閉経後再発乳癌におけるアロマターゼ阻害剤(AI)耐性後の治療薬としてのみならず、近年 新たな閉経後再発乳癌の第 1 選択薬としても期待されている。故に fulvestrant 耐性の問題は重要と考えるが、 その機序は不明であり臨床上大きな課題となっている。これまで当研究室では各種ホルモン療法に関する研 究を行っており、今回 fulvestrant 耐性メカニズムの解明と耐性後の治療方法の基礎的検討のためエストロゲ ン受容体(ER)陽性乳癌細胞株(MCF-7、T-47D)より fulvestrant 耐性モデル乳癌細胞株(MFR、TFR)を樹 立し、比較検討を行った。その結果これら耐性株は ER のタンパク質、mRNA ともに発現が消失しており、 同時にエストロゲンや、tamoxifen 等の抗エストロゲン剤への感受性を喪失したことから、ER の転写抑制に よる発現消失が耐性獲得の一因として疑われた。ER 遺伝子の発現制御メカニズムをエピゲノム制御に注目 して解析したところ、ER 遺伝子プロモーター領域の DNA メチル化状態に差異を認め、MFR 細胞でメチル 化頻度の亢進を認めたが、TFR 細胞では大きな変化を認めなかった。ER 発現はホルモン療法適応の指標で あり次治療の選択にも重要である。ER 遺伝子のエピゲノム状態に違いを認めたため、耐性株における ER 発 現の可塑性に注目し解析を行った。Fulvestrant を除いて培養を続けたところ、MFR において ER の発現回 復は認めなかったが、TFR において発現の回復を認めた。さらにエストロゲン・抗エストロゲン剤への感 受性を検討したところ、TFR では親株と同等の感受性を持つことがわかった。MFR 細胞について解析を進 めたところ、細胞内シグナル伝達経路の活性化が認められ、dasatinib や lapatinib 等の分子標的薬が増殖抑制 に有効である可能性が示唆された。これらの結果より、ER α遺伝子のメチル化状況は耐性後の ER 発現の可 塑性に影響することが考えられ、耐性後の治療戦略を考慮する上で有用な指標となる可能性が示唆された。 41 WS2-3 「体腔液中の乳癌細胞と原発巣との ER, PR, HER2 発現状況の比較お よび一致不一致群での臨床病理学的因子の検討について」 樋口 徹 1),星川里美 2),黒住 献 1),尾林紗弥香 1),矢島玲奈 1),時庭英彰 1), 佐藤亜矢子 1),藤井孝明 1),長岡りん 1),高他大輔 1),小山徹也 2),桑野博行 3),堀口 淳 2) 1) 群馬大学医学部附属病院 乳腺・内分泌外科,2)群馬大学医学部附属病院 病理部・病理診断科, 3) 群馬大学医学部附属病院 外科診療センター 【目的】乳癌の治療は免疫組織学的染色(IHC)による ER,PR および HER2 の発現状況により決定される.ゆ えに再発もしくは病勢進行が認められた際には,その部位を生検し ER,PR および HER2 の発現状況を確認 することが推奨される.しかし生検には侵襲をともなうことが多く生検が実施されないことも多い.乳癌患 者の胸水・腹水に対しては低侵襲である穿刺が頻繁に実施される.そこで我々は体腔液の IHC が評価可能か どうか,可能ならば原発巣との比較を実施することで発現状況の比較を実施した.さらに一致・不一致群に ついて臨床病理学的因子を比較検討した. 【方法】2001 年~ 2013 年の間当院にて手術後再発もしくは初診時 stageIV 乳癌と診断され,原発巣と体腔液 との IHC が対で確認された 13 例を対象とした.体腔液の IHC は細胞転写法もしくはセルブロック法で細胞 を採取し IHC(ER,PR,HER2,GATA2)を実施した. 【結果】13 例については体腔液での IHC は全例について確認できた.13 例中不一致となったのは 8 例(62%), 一致は 5 例(38%)でそれぞれの群に 2 例ずつ stageIV の患者が含まれていた.不一致群に 2 例腹水症例が含ま れており,他は全て胸水症例であった.不一致群においては,8 例全てにおいて PR の陰転化,4 例に ER の 陰転化,1 例に HER2 の陽転化が認められた.GATA3 は 12 例に確認され全て陽性であった.原発巣の組織 型は不一致群において 4 例が浸潤性小葉癌,1 例が粘液癌,3 例が浸潤性乳管癌,一致群は全て乳管癌であっ た.腫瘍径の平均値は不一致群で大きく,ly および v 因子は不一致群で高い傾向が認められた.リンパ節転 移陽性例は全て不一群にのみ認められた. 【考察】体腔液においても IHC を十分確認することができ,確認後の薬剤選択,予後予測に役立ちうる可能性 が示された.不一致の場合には ER および PR の発現が低下しており,体腔液が出現した際には化学療法の導 入を検討する必要がある可能性が示唆された.さらに症例を蓄積し詳細な検討を行う予定である. 42 WS2-4 「閉経後 ER 陽性・HER2 陰性乳癌に対する術前内分泌療法における予 後予測因子としての PEPI score に PgR を加えた新 scoring system の有用性」 黒住 献 1,2),松本広志 2),林 祐二 2),戸塚勝理 2),井上賢一 3),黒住昌史 4),堀口 淳 1) 1) 群馬大学医学部付属病院 乳腺・内分泌外科,2)埼玉県立がんセンター 乳腺外科, 3) 埼玉県立がんセンター 乳腺腫瘍内科,4)埼玉県立がんセンター 病理診断科 【目的】閉経後の ER 陽性・HER2 陰性乳癌に対する術前内分泌療法は腫瘍縮小効果に加えて内分泌感受 性の評価を行う上で有用と考えられている.一方,予後を予測する方法として PEPI score(preoperative endocrine prognostic index)の有用性が報告されているが,PgR の有用性については明らかではない.今回, われわれは予後予測因子としての PgR と PEPI score に PgR を加えた新たな scoring system の有用性につい て臨床病理学的検討を行った. 【方法】対象は aromatase 阻害薬である exemestane による術前内分泌療法を施行した閉経後の ER 陽性・ HER2 陰性乳癌の 107 症例である.手術検体における ER,Ki67 の発現状況,残存腫瘍径(ypT),治療後の 腋窩リンパ節転移状況(ypN)を因子とした PEPI score を算定し,score と予後との関係について検討を行っ た.また,治療前の針生検検体での PgR 陽性細胞の占拠率を算出し,いくつかの cutoff 値(1%,10%,20%, 33%,50%,66%)で区分した症例群間での予後について解析し,最も有意な p 値を示す cutoff 値を追究した. さらに PgR と PEPI score を組み合わせた新たな scoring system(P-PEPI)の有用性について評価を行った. 【結果】PgR 陽性細胞の占拠率 50% 以上を高値群とした場合に低値群と比べて無再発生存率(RFS)も乳癌特 異的生存率(CSS)も最も有意な差を示した(RFS:p=0.0053,CSS:p=0.0031) .また,PEPI score も有意な 予後因子であった(RFS:p=0.0053,CSS:p=0.0031).PEPI score と PgR(cutoff:50%)のハザード比を比較 すると,RFS では PEPI score のハザード比が高かったが(PEPI:13.99 vs. PgR:7.76),CSS では PgR のハザー ド比が高かった(PEPI:6.28 vs. PgR:8.74).P-PEPI score は RFS と CSS において最も強い予後予測因子であっ た(RFS:p=0.000001,CSS:p=0.000097). 【考察】閉経後の ER 陽性・HER2 陰性乳癌に対する exemestane を用いた術前内分泌療法において治療前 の PgR 発現状況が長期的な予後因子になりうることが明らかになった.また,治療前の PgR の発現状況と PEPI score を合わせて評価することにより,PgR あるいは PEPI score 単独よりも予後良好な群を選別でき る可能性が示唆された. 43 WS3-1 「子宮内膜癌組織におけるコルチゾールによる aromatase の誘導」 三木康宏 1),笛 未崎 1),髙木清司 2),鈴木 貴 2),笹野公伸 3),伊藤 潔 1) 1) 東北大学災害科学国際研究所 災害産婦人科学分野, 2) 東北大学大学院医学系研究科 病理検査学分野, 3) 東北大学大学院医学系研究科 病理診断学分野 癌患者は死への恐怖や生活環境の変化等、様々なストレスに曝される。乳癌や卵巣癌患者において、健 常者と比較して cortisol の血液・唾液中濃度が高値を示すことが報告されている。一方、子宮内膜癌はエ ストロゲン依存性の性質を有しており、aromatase が癌局所でのエストロゲン濃度の調整に寄与している。 Aromatase は glucocorticoids によって発現が誘導されることが知られているが、癌組織中の cortisol との関 係については明らかではない。本研究では、子宮内膜癌組織における癌組織中の cortisol 濃度と aromatase の関連を明らかにすることを目的とした。子宮内膜癌患者 35 例を対象に、癌組織中の cortisol を LC-MS/MS にて測定した(あすか製薬メディカル)。子宮内膜癌における aromatase 活性については、13C-testosterone を 添 加 し、13C-estradiol を 測 定 す る こ と で 評 価 し た( あ す か 製 薬 メ デ ィ カ ル )。 ま た、 同 症 例 を 対 象 に aromatase、glucocorticoid receptor(GR)、11β-hydroxysteroid dehydrogenase(HSD)1 お よ び 2 の 発 現 を 免疫組織化学にて評価した。結果、癌組織中の cortisol 値と aromatase 活性に正相関が、11β-HSD2 の発現 とは逆相関が認められた。免疫組織化学での検討では、aromatase および GR はいずれも癌細胞と周囲の間 質細胞に発現し、間質細胞において両者の正相関が認められた。本研究ではさらに子宮内膜癌間質初代培養 細胞(EcSt-4,-5)を用い、cortisol と aromatase の関係について検証した。Aromatase mRNA および活性は (testosterone → estradiol)ともに dexamethasone の添加によって有意に増加した。以上の結果から、子宮 内膜癌組織中の cortisol 濃度は 11 β -HSD2 の発現に依存しており、子宮内膜癌のエストロゲン依存性に寄与 していると示唆される。 44 WS3-2 「エストロゲン受容体陰性乳癌における Cancer-associated fibroblasts (CAFs) 由来因子によるアンドロゲン合成酵素の発現誘導」 菊地杏子 1),McNamara M Keely1),三木康宏 2),櫻井美奈子 1),小野寺好明 1),笹野公伸 1) 1) 東北大学大学院医学系研究科 病理診断学分野, 2) 東北大学災害科学国際研究所 災害産婦人科学分野 【背景と目的】多くの乳癌細胞ではエストロゲン受容体(ER)だけではなくアンドロゲン受容体(AR)の発現 も高頻度に認められており、腫瘍局所でのアンドロゲン合成経路の存在も明らかとなっている。また、癌微 小環境が癌の進展に影響を与えていることが明らかとなり、癌のみならず間質に着目した研究が多くなされ ている。癌間質に存在する特異的な性質を有する線維芽細胞は Cancer-associated fibroblasts(CAFs)と総称 される。近年、ER 陽性乳癌培養細胞株と線維芽細胞との共培養によりエストロゲン合成酵素の発現が誘導 され乳癌細胞の増殖が促進されることが明らかとなったが、アンドロゲン合成酵素の発現誘導に関する検討 はこれまでに行われていない。そこで本研究では ER 陰性乳癌微小環境において CAFs がアンドロゲン合成 に与える影響を検討した。 【方法と結果】ER 陰性 AR 陽性の乳癌培養細胞株(MDA-MB-453)と乳癌組織より分離した初代培養乳癌線維 芽細胞(TH-BC24N および TH-BC26N)とを共培養したところ、乳癌における主要なアンドロゲン合成酵素 である 17βHSD5 と 5α-Reductase1 の有意な発現誘導が認められた。続いて、2 種類の CAFs を対象として サイトカインアレイを行ったところ、本研究で用いた CAFs より IL-6 と HGF が分泌されることが確認され た。そしてこれらのサイトカインを乳癌培養細胞に添加したところ、アンドロゲン合成酵素が有意に発現誘 導されることが確認された。また、ER 陰性乳癌の病理組織標本を用いて CAFs のマーカーであるα-SMA の 発現を免疫組織化学的に検討したところ、アンドロゲン合成酵素と有意な正相関が認められた。 【考察】以上より、ER 陰性 AR 陽性の乳癌微小環境において CAFs より分泌される IL-6 および HGF により乳 癌細胞におけるアンドロゲン合成酵素の発現が誘導され、乳癌局所でのアンドロゲン合成に関与している可 能性が示唆された。 45 WS3-3 「AI 耐性乳がんに対する mTOR 阻害剤エベロリムスの感受性には PP2A が重要」 林 孝典 1),雪竹 潤 2),原田信広 1) 1) 藤田保健衛生大学医学部 生化学講座,2)藤田保健衛生大学医療科学部 臨床検査学科 【目的】閉経後エストロゲン・プロゲステロン受容体(ER/PgR)陽性乳がんに対するアロマターゼ阻害剤(AIs) を用いたホルモン療法は非常に効果が高く、患者の QOL 向上と生命維持に貢献している。一方、AI 治療期 間中に再発・転移を起こした乳がんの治癒は難しく、化学療法に移行した場合には 5 年生存率は 10% 程度と 言われている。近年、このホルモン療法耐性乳がんの分子生物学的な研究がすすめられ、PI3K・Akt・mTOR シグナル伝達経路の活性化に伴う ER(S167)の異常リン酸化が原因の一つであると明らかになった。現在、 mTOR 阻害剤エベロリムスを用いた治療戦略が検討されており、既に実施された BOLERO-2 試験では無増 悪生存期間の著しい延長が示され、非常に有益な治療法だと言える。そのため、このエベロリムス抵抗性・ 耐性の出現は問題であるにも関わらず、その分子メカニズムや対策については未だ不明な点が多い。 【結果】エベロリムス抵抗性の獲得機構を明らかにするためにまず、ER 陽性乳がん細胞株 MCF-7 を用いて 長期エストロゲン枯渇 MCF-7(LTED)を多数樹立、エベロリムスに対する感受性別に高(LTED-H)、中 (LTED-M) 、低(LTED ₋ L)を分離した。各株にエベロリムスを添加し、Akt,S6K,ER(S167)のリン酸化 状態をウェスタンブロット法を用いて解析した。その結果、LTED-M,L のみ Akt の活性化(リン酸化)が亢 進したが、LTED-H は変化がなかった。以前に我々は PI3K・Akt・mTOR シグナル伝達経路に対して抑制的 に作用する protein phosphatase type 2A(PP2A)が、AI 抵抗性と関連する事を示した。この PP2A は PI3K/ Akt シグナルに対して抑制的な酵素であり、その性質からエベロリムス抵抗性に関与すると考えられる。実 際、LTED-H に比べ LTED-M,L の PP2A 量は減少していた。 【考察】エベロリムス抵抗性獲得には PP2A の量および、Akt の活性化状態が重要であると示唆された。 PP2A は AI 抵抗性乳がんに対する標的となり得ると考えられる。 46 WS3-4 「乳癌微小環境における 27-hydroxycholesterol を介した癌細胞と 脂肪細胞の相互作用」 櫻井美奈子 1),石際康平 1),三木康宏 2),高木清司 3),鈴木 貴 3),笹野公伸 1) 1) 東北大学大学院医学系研究科 病理診断学分野, 2) 東北大学大学院医学系研究科 災害産婦人科学分野, 3) 東北大学大学院医学系研究科 病理検査学分野 癌細胞を囲む周辺の微小環境は、癌細胞の発生や浸潤を助ける重要な役割を担っていることが明らか となっている。特に乳房間質の大部分を占める脂肪細胞は、癌細胞と相互作用することにより Cancer Associated Adipocytes へと性質変化することが知られている。一方、近年コレステロールから合成される 27-hydroxy cholesterol(27HC)が新たな内因性エストロゲン受容体(ER)活性物質として着目されている。 27HC は生体内に最も豊富に存在する oxysterol の一つで、血液中、さらには乳癌組織中からも検出される ことが報告されている。そこで本研究では、乳癌微小環境における癌細胞と脂肪細胞の相互作用に着目し、 27HC の合成酵素である CYP27A1 の発現意義に関して検討を行った。 始めに、前駆脂肪細胞を用いて ER 陽性乳癌細胞株と共培養を行ったところ、Conditioned Medium(CM) 中における 27HC の濃度、および CYP27A1 のたんぱく質発現が上昇することが認められた。更に、エスト ロゲン枯渇を行った ER 陽性乳癌に脂肪細胞由来 CM を添加すると有意に増殖能が上昇し、ICI によってその 効果が抑制されることを認めた。また、脂肪細胞と共培養を行ったエストロゲン枯渇 ER 陽性乳癌において、 ER 応答遺伝子である Cyclin-D1 及び pS2 の mRNA が有意に上昇した。 次に浸潤性乳癌組織の免疫組織化学により、癌細胞および脂肪細胞の細胞質における CYP27A1 のたんぱ く質発現を評価したところ、いずれも臨床病期と正の相関が認められた。脂肪組織浸潤が認められた症例に おいて、脂肪細胞における CYP27A1 発現がより有意に臨床病期と正相関していたことから、癌周囲脂肪細 胞における 27HC 合成が乳癌の悪性度に寄与する可能性が示唆された。 これらのことから、ER 陽性乳癌において、27HC 産生がオートクリンのみならず、パラクリン的に癌細胞 の ER 活性を介して悪性度を高め、乳癌の抗エストロゲン療法に対する抵抗性に関与していることが考えら れる。 47 ◆ ◇ MEMO ◇ ◆ 歴代会長 回数 会期 会長 所属 第1回 平成 12 年 6 月 22 日~ 6 月 23 日 尾形 悦郎 癌研付属病院 第2回 平成 13 年 7 月 27 日~ 7 月 28 日 野口眞三郎 大阪大学大学院乳腺内分泌外科 第3回 平成 14 年 6 月 2 日~ 6 月 3 日 笹野 公伸 東北大学大学院病理学講座病理診断学 第4回 平成 15 年 9 月 6 日~ 9 月 7 日 赤座 英之 筑波大学大学院腎泌尿器科学・男性機能科学 第5回 平成 16 年 7 月 23 日~ 7 月 24 日 寺川 直樹 鳥取大学医学部産婦人科 第6回 平成 17 年 7 月 15 日~ 7 月 16 日 原田 信広 藤田保健衛生大学医学部生化学 第7回 平成 18 年 6 月 30 日~ 7 月 1 日 飯野 佑一 群馬大学大学院臓器病態救急学 第8回 平成 19 年 7 月 27 日~ 7 月 28 日 市川 智彦 千葉大学医大学院泌尿器科学 第9回 平成 20 年 6 月 20 日~ 6 月 21 日 玉舎 輝彦 岐阜大学大学院腫瘍制御学講座女性生殖器分野 第 10 回 平成 21 年 7 月 31 日~ 8 月 1 日 林 慎一 東北大学大学院医学部保健学科 第 11 回 平成 22 年 7 月 30 日~ 7 月 31 日 岩瀬 弘敬 熊本大学大学院医学薬学研究部乳腺・内分泌外科 第 12 回 平成 23 年 7 月 15 日~ 7 月 16 日 生水真紀夫 千葉大学大学院医学研究院生殖機能病態学 第 13 回 平成 24 年 11 月 15 日 並木 幹夫 金沢大学大学院医学系研究科集学的治療学(泌尿器科学) 第 14 回 平成 25 年 7 月 12 日~ 7 月 13 日 井上 聡 東京大学大学院医学系研究科抗加齢医学講座 第 15 回 平成 26 年 7 月 4 日~ 7 月 5 日 伊藤 潔 東北大学災害科学国際研究所災害産婦人科学分野 第 16 回 平成 27 年 7 月 10 日~ 7 月 11 日 藤本 次良 朝日大学婦人科 49 お知らせ 第 18 回ホルモンと癌研究会 会 期:平成 29 年 6 月 23 日(金) ・24 日(土) 会 場:群馬大学医学部刀城会館(同窓会館・昭和キャンパス内) テ ー マ:ホルモン療法と Clinical benefit 会 長:鈴木 和浩(群馬大学大学院医学系研究科 泌尿器科学 教授) 事務局長:関根 芳岳(群馬大学大学院医学系研究科 泌尿器科学) 50 協賛一覧 アステラス製薬株式会社 アストラゼネカ株式会社 医療法人一本杉外科医院 エーザイ株式会社 大久保医院 おおたきく子クリニック 医療法人大浜医院 医療法人社団清和会笠岡第一病院 医療法人かわの医院 社会医療法人全仁会倉敷平成病院 さい医院 第一三共株式会社 大鵬薬品工業株式会社 武田薬品工業株式会社 多度津三宅病院 中外製薬株式会社 西日本メディカルリンク株式会社 ノバルティス ファーマ株式会社 Bioscientifica Ltd 株式会社日立製作所 富士フイルム RI ファーマ株式会社 やすだクリニック ヤンセンファーマ株式会社 医療法人社団よりしま中西医院 (五十音順) 平成 28 年 6 月 1 日現在 本研究会を開催するに当たり、上記のご協賛をいただきました。皆様のご厚意に深謝申し上げます。 第 17 回ホルモンと癌研究会 会長 紅林 淳一 51 第17回ホルモンと癌研究会 プログラム・抄録集 発 行 平成 28 年 6 月 編 集 川崎医科大学 乳腺甲状腺外科学 〒701-0192 岡山県倉敷市松島 577 TEL:086-462-1111 印 刷 株式会社メッド 〒701-0114 岡山県倉敷市松島 1075-3 TEL:086-463-5344 FAX:086-463-5345
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