「第三回 キャプティブ委員会議事録」 (平成 15 年8月 1 日) 名護市国際情報通信・金融特区推進室 -1- 名護市:お手元の資料の確認ですが、資料1が前回の議事録、資料2が新聞からスクラッ プ、資料3が構造改革特区で名護市の提案に対する国からの回答です。資料4が第三次提 案で提出した添付資料です。資料5として未のE委員からご提案を頂いております。それ と委員長からリスク・マネジメント特区ということで3枚紙の資料があります。それでは、 今回委員長にもご了解頂いておりますが、構造改革特区で名護市の提案に対して金融庁か らの回答が出ていますのでそちらの方からご議論頂きたいとおもいます。お手元の資料3 ですが「構造改革特区の名護市提案(1)がございます。名護市の提案は従来通りでござ います。「対応の内容」として金融庁の回答が出ております。「①再保険キャプティブを制 度化し、②そこに再保険を出す一般の保険会社について責任準備金の免除を認める一方、 ③再保険キャプティブに対する規制・監督を一般の保険会社に対するものよりも緩いもの にする、とのご提案については、再保険の出再元である一般の保険会社は、特定地域に止 まらず保険契約の引受等を行っており、再保険を受ける者が破綻した場合の影響は、特定 地域内に止まるものではなく、広く国内金融制度一般の問題として捉える必要がある。ま た、監督当局の適切な規制・監督を受けない者に一般の保険会社が再保険を出した場合に 責任準備金の積立免除を認めることは、保険契約者等の保護の観点から、適当でないと考 えられる。こうした点を踏まえれば、本提案には慎重に対応する必要があるものである。」 との回答でした。内容としましては厳しいということですが、金融庁の回答のポイントと しては、「再保険を受ける者が破綻した場合の影響」ということが一つと、「特定地域に止 まるものではない」というのが二つ目と、「監督当局の適切な規制・監督を受けていないか ら適当でない」ということです。 「再保険を受ける者が破綻した場合の影響」については前回の委員会の中でも出ました が、元受保険会社の経営判断に対する不信というものがあるのか、というご意見が委員の 中からございましたが、キャプティブの中でもそういう事例がないわけではないと思うの ですが、良いキャプティブと悪いキャプティブがあって、その中で病理現象だけでなくグ ローバルな企業はキャプティブを設立して展開しているのですから、良いキャプティブを 元受保険会社の方で選別して出再することは、元受保険会社、事業会社双方にとってメリ ットがあると考えております。それについては病理現象だけを強調するのではなく、正理 現象も踏まえた形でグローバルな観点から考えて頂きたいと考えております。二つ目の「特 定地域に止まるものではない」ということにつきましては、当初から特定地域だけでなく 我が国の経済活動、それから金融界の再生の一助になればというところから金融特区がそ もそもスタートしておりますので、それはむしろそういう趣旨で行っておりまして良い影 響を全国的に広げた方がむしろ構造改革特区の趣旨にもかなうのではと考えております。 三つ目の「監督当局の適切な規制・監督を受けていないから適当でない」というところは、 だから監督当局の適切な規制・監督を行いましょうということで、資料4の中でもありま すがこういう形の監督体制が良いのではないでしょうかというのを先進地域の例とともに 出しております。名護市といたしましては今回の金融庁の回答に対してこの三点に絞って -2- 考えておりますが、もし宜しければその点について委員の皆様からご意見がございました ら、また理論武装として回答に対してこういう再提案をしたら良いのではというご意見が ございましたらぜひ頂きたいと思います。 C: 「再保険を受ける者が破綻した場合の影響」についてですが、大方の保険会社の破綻は 運用の失敗、それから受再の失敗です。出再したものが回収できなかったから破綻したと いう例を私は知りません(あるかもしれないですが)。従って、出再をして回収できない場 合に破綻するかもしれないと金融庁がおっしゃっているのであれば、そういう例を教えて 頂きたい。今言いました例としまして、生命保険会社は運用で失敗して破綻した例、米国 の損保も破綻する例があります。例えば「運用の失敗」では米国の高金利に基づいて保険 を受けて(キャッシュフロー・アンダーライティングといいますが) 、もともとの損害率に よる保険料ではなく、運用ができるだろうということで保険料を下げて引受けたならば、 運用ができなくて破綻してしまうことが考えられます。「受再の失敗」というのは悪い契約 を受けてしまった亥さんの例があります。そういう意味で破綻するかもしれませんが、金 融庁がおっしゃっているのは、日本の保険会社が名護市のキャプティブ保険会社に再保険 を出したら回収できないかもしれない、そうしたら保険会社が破綻するかもしれないとい うことです。従って、そういう破綻のケースはあまりないだろうと思いますし、それは保 険会社のご判断で出再される訳ですから、破綻するまでの大きな報告類を一切断つという のは無いだろと思います。従って、 「運用の失敗」と「受再の失敗」を「出再の失敗」と一 緒にしているように思いますので、この点について質問する形でも良いのではと思います。 F:今、Cさんがおっしゃっていることですが、保険会社がどうして出再するかという部 分について、一番重要な部分なのがセキュリティということだと思います。つまりセキュ リティなくしてただ単に出再すれば良いという形でやるわけがありません。そして例えば 万が一事故が発生した時に、回収ができないことによって破綻しないにしても経営上悪化 する可能性があることを考えれば、金融庁の言っていることは若干正しい部分があるので はないかと思います。 委員長:前提として再保険キャプティブというのは特定の企業から元受が受けてその特定 の企業の指示に従ってリスク診断が出てきて元受保険会社が出再するわけですね。 C:そうです。 委員長:例えば甲用の再保険キャプティブがあって、己用にまた別の再保険キャプティブ を作っているわけですね。 -3- C:そうです。 委員長:それを直接出再する場合が前回言っている元受キャプティブで、元受を介する場 合が再保険キャプティブですね。 C:そうです。 委員長:そんなものは潰れようが潰れまいが自分たちの勝手ではないでしょうか。それは 再保険にしたからおかしくなるということはあるのでしょうか。 C:金融庁がおっしゃっているのは、甲のキャプティブが潰れたとすると、保険会社は回 収が出来ないかもしれませんということです。 委員長:そうすると保険会社の一般的な財務状況に影響が出るわけですね。 C:そうです。それで再保険を付した者の破綻の影響は元受保険会社に及び、そしてその 保険会社に保険を付けている全国の契約者が不利益を被る可能性があるので特区に止まら ないということです。 委員長:だけれども、そういうことも含めて保険会社は金融庁の監督局に監督されている のではないのでしょうか。そうでなければ、今バミューダに作っているキャプティブと似 ている話で、こちらが破綻するリスクを負っているわけですね。そこは特に沖縄に(キャ プティブを)作ったからといって、より悪いことが起こるということにはならないですね。 D:ただ今回一次、二次、三次と3回目になって、私の印象は同じ議論が繰り返されてい ると思います。今議論されているように金融庁の懸念というのは、いわゆるキャプティブ のセキュリティの問題であると思います。こちらからそこに対してどういう検討を加えて いくかについて、若干付言していくというのは返し方としてあると思います。 委員長:セキュリティとおっしゃいましたが、もう少し具体的にお願い致します。 D:現在の名護市でペーパーにまとめられている管理・監督体制というのは設立認可の時 については記載があるものの、出来上がった後にしっかり運営していくように監督してい くのかというのは、あえて言えば最低資本金額とソルベンシー・マージンしか記載があり ません。例えば責任準備金についてきちんと積み立てる制度や監督を盛り込んでいくこと や検査権限の有り無し等、設立された後の監督についてこういう考え方を持っているから -4- 安心して下さいという返し方もあると思います。 名護市:名護市の監督体制のあり方ということですね。 委員長:沖縄県それとも名護市が監督をするのですか。 D:これはご判断だと思います。 委員長:おっしゃっている事までやるとすると監督局の仕事に近づいてくると思うのです が、アクチュアリーのいない役所が本当に保険会社の監督が出来るのでしょうか。 D:現にバミューダがよく出てきますが、先程申し上げました範囲の体制がとられていま す。保険会社が受けている監督をしようとするのではなく、バミューダでキャプティブに 対する規制程度のことはやっていくのだということを付言することについて影響はないと 思います。 委員長:キャプティブというのはそういうもので、やはり監督しないといけないものなの でしょうか? D:そう思います。 委員長:それは出再している保険会社に影響が及ぶからですか。それとも企業が勝手に倒 産するならば仕方がないと割り切ってしまえば良い問題なのではないですか。確かに倒産 件数が沖縄県内で増えますが。 C:保険の場合は連鎖倒産が起こる可能性があります。どこかで事故が起きた場合に出再 する人、受再する人がそれぞれおりまして再保険でぐるぐる回っています。 委員長:それは外から受再しているからですね。 C:そうです。しかし出再して回収できないこともあります。 委員長:それは回収できない保険会社の監督の問題ではないのでしょうか。 C:そうです。ですから金融庁の回答は、 「名護市に出再する分について私は監督していな いので、責任準備金を積まなくても良いということは言えません。責任準備金の積立免除 -5- については監督していなければいけない。」ということです。もし保険会社がキャプティブ に出再しキャプティブが倒産した場合、企業の自己責任なのですが、金融庁がおっしゃっ ているのは、キャプティブ保険会社が倒産すると保険会社にも影響が及ぶということです。 ところがキャプティブが再保険を出した場合、この再々保険はキャプティブの生命線なの で、出再する時はきちんと監督された再保険会社に出したいと思います。そうしないと今 度はキャプティブが回収できないわけです。そういう意味では何らかの監督がないといけ ないと思います。 委員長:皆様にお聞きしたいのが、キャプティブはそもそも倒産しようが自己責任でやる くらいきちんとした企業にしかやらせないものではないのですか。だから「キャプティブ」 という言葉があるわけで、とにかく本来は自己責任でやるものではないのでしょうか。 C:それは元受キャプティブです。 委員長:再保険キャプティブか元受キャプティブかというこれまでの議論はあまり本質的 ではない気がしていて、ただ技術的に元受を介した方が良いのか悪いのかの問題と受け止 めています。むしろ特区だから(実際に事業を)やる企業はここまでだというふうにして しまえば、逆に監督はいらないという発想はないのでしょうか? I:バミューダの例でいいますとキャプティブの種類によるという形になっております。 自社のリスクを100%キャプティブで引受けることについては、バミューダの諮問委員 会では保険会社を含めて影響は限定的であるという理解をしています。逆に同じキャプテ ィブでも自社のリスク以外の第三者のリスクを引受けるキャプティブについては、より厳 しい監督が必要という見解をしております。具体的にはバミューダの場合、キャプティブ のクラスが1~4に分かれていまして、第三者のリスクをどれくらい引受けるかによって 規制も変わってきます。 委員長:他人のリスクまで引受けることは、正に事業会社が保険会社の業務への進出とい うことで別の議論になると思います。大企業のリスク・マネジメントの中で保険業に出て 行きたいということは、もちろんI様もおっしゃっています。しかしながら必ずしもそれ を今やっていらっしゃるわけではないわけです。今回この場で議論していることでまず企 業誘致としましては、例えば甲様でしたら国内の関連会社のリスクをうまくマネジメント する際に、現在の元受保険会社と単体で結ばないといけない保険契約だけだとうまくいか ない部分があるので、それをまずはキャプティブ保険会社を作って様々な契約を取ってい くことでより洗練されたマネジメントを実現するということで宜しいでしょうか。 -6- C:宜しいのではないかと私は思います。 委員長:ここ(名護市提案に対する国の回答)に書いていることについて皆様どう思われ るでしょうか。どうも、 (構造改革特区に提案して)3回水掛論になっていることが、同じ ように 4 回目に提案した場合水掛論になるような気がします。はたして特区とは何なので しょうか?特別に何かを認めてあげるわけなのですが、キャプティブ保険について何が特 別なのでしょうか? E:ゆるやかな規制・監督でしょうか。 委員長:ええ、それを一体どのようなものに認めてあげようということなのでしょうか? 地域にこだわっていますが、地域ではないですよね。 E:実際にリスクを出す会社ないしはキャプティブの性格ですか?例えばバミューダで言 えばクラス1~4と分けて、どんなところからでも受再をしますということではなく、む しろ特定の企業だけのリスクを扱って、そこから先の(私は再保険キャプティブではなく 元受キャプティブを考えていて)再保険のところを考えれば、今とは違った展開があるの ではと思います。要するに三振してしまったわけです。そういう時に同じような議論をし ても4回目も同じだろうと思います。何か発想を変えなければいけないということで頭の 中を整理してみました。 委員長:先にそういうことで言いますと、E様の資料5のご説明をお願いしたいと思いま す。非常に良い整理して頂いている気がしますのでご説明頂いて、今日の議論は全てが次 はどうするかというものへの皆様のアドバイスだと思いますのでご説明の後に先ほどの議 論に戻りたいと思います。 E:私がとりあえず頭の中で整理したのは、委員長の話を聞いているとスタートはどうも 雇用促進という言葉が前面に出てくるので、あえて「雇用促進」をキーワードのトップに して、あと「構造改革特別区」、場所が「沖縄」 、「企業のリスク・マネジメント」、 「保険事 業会社」という5つのキーワードで考えてみました。実際にそれを並べると、「雇用促進を 目的にした構造改革特区である沖縄県名護市でリスク・マネジメント業務ないしは保険事 業関連の業務を行う場合にどんな会社が可能なのか」を考えることになります。 「考えるヒ ント」と両方を見ながら聞いて頂きたいと思います。要するに「キャプティブ」は雇用拡 大には直接結びつかないのではというのが個人的な意見です。というのは、私は以前保険 会社で働いておりました。海外で60名くらいの従業員のいる15億円くらいの保険料で、 12億円くらいの再保険を出している規模の元受保険会社でして、システムが全く出来て -7- いない状態で再保険業務を行っている社員が5名、システムを導入して3名、それが16 億円の保険料になった時も3名でした。要するに再保険業務というのは非常に人数も少な いけれどある程度システム化すれば人も少なくて済み、逆に再保険が増えてもそんなに人 手はかかりません。シンガポールの例も出ていましたが3~5名程度です。ここで書かれ ている税の優遇を受けるために20名以上の雇用をするキャプティブ保険会社を自分は作 らないだろうと思います。ただし、そうは言ってもキャプティブの設立のための法的整備 はやはり必要です。 具体的にキャプティブの設立のところで何を考えたかをご説明したいと思います。 (ここ では結論を先に書いていて、本来キーワードが5つありまして、そこからカテゴリーが分 かれていまして最後に右にたどりつきます。)「雇用促進」でキャプティブが雇用に結びつ かないとすると他にどんな分野があるかと考えた時に、「企業のリスク・マネジメント」が あります。その中でリスク費用(企業が負担している費用)の中で実際どんな部分が費用 としてあるのかというと、リスクに該当している費用とシステム費用や人件費等の間接費 用があります。それらのアウトソーシングを受けることも一つの考え方です。また、キャ プティブを設立することで、現在有税で積み立てられている企業のリスク・マネジメント 関連のリスク対策費用が、損金扱いとなります。 具体的ケースをあげれば、ある自動車会社はリコール保険を買えないために500億円 ~1500億円位のいわゆるリコール対策費用を自社で積立を行っています。それは端的 に考えると100億円というファンドがあっても40億円を税金として引かれて60億円 しか積み立てられないことになります。そう考えると無税で積み立てるツールとしてキャ プティブを活用可能ということです。これは結果的に企業に対して国が国際競争力を高め ることに協力することになります。 2 番目の例では、従来の考えではキャプティブでの扱いリスクとしてありえなかったもの を引受けた実例もあります。ビジネスインシュアランスで紹介されていたものですが、米 国リスク・マネジメント協会は、Verizon Communications Inc.という会社の保険・リスク 管理部の担当者である Sheila Small 女史を2003年度の最優秀リスクマネージャとして 表彰しました。その理由は、彼女の考案したキャプティブのプログラムが独創的であった ことによります。考案された二つのキャプティブプログラムは、従業員慣行賠償責任保険 で自己責任となる弁護士防御費用をキャプティブで引受けたことと、社内の 4 万台のラッ プトップコンピューターの盗難、損失リスク費用を、キャプティブにより引受けることで 保険料として容易に損金性を実現することが出来ました。 ここで言いたいのは、今議論している再保険とかその他のリスク移転が出来るかどうか ということに全く関係なく、今自動車会社が積み立てている製造物賠償責任リスク積立金 やリコール対策費用と同じように再保険が仮になくてもキャプティブのような何らかの制 度があれば、ツールとして簡単にキャプティブを設立できるのではと思います。 1番目に保険関連事務処理業務を先に誘致した方が雇用促進の近道だと私は考えたので -8- すが、逆に例えば税の優遇措置のところで特区内に新設法人を設立して従業員20人以上 等の条件を満たせば色々と税の優遇措置があるということで言えば、具体的に人手を必要 とする業務を誘致することだと思います。その中で私が考えたのが、今企業がリスク費用 として一番出しているのが保険という切り口で言えば自動車保険か生命保険です。財産保 険と考えても日本の保険会社の半分以上の引受けが自動車保険ということを考えれば、企 業で考えても自動車保険の割合はかなり大きいだろうと思います。ということは逆に自動 車保険の悪成績のフリートを抱えている企業は、運行管理や事故分析にかなりの人手をか けているだろうと思います。そういった業務をアウトソースすることも可能だろうし、リ スク・マネジメント業務でリスク費用がかかっている分野を探し、リスクに対応する直接 費用と間接費用に分解してアウトソースすることにより沖縄で20人以上の雇用を満たす ことも可能ではないかと思います。 さらにITを利用してインプットされた保険データを提供して大掛かりな商売に利用し ている海外企業の例もあります。ロンドンの Kinnet 社はインターネット上に保険データ用 のプラットフォームをつくり、それらを Marsh、Willis、ロイズのシンジケート等に販売し ています。最近の記事ではこの Kinnet 社に米国、英国、カナダのITコンサルタント会社 5社が参加して事業を拡大しています。こういうことを考えれば、沖縄は地理的にアジア のハブの機能があると思いますし、もう少し広げて考えれば情報発信の場所としてある程 度保険関連業務、データが蓄積してくれれば、いわゆる情報発信の場所として位置付けら れるのではと思います。 3番目に健康保険の民営化等が実現されればかなりの事務処理、査定業務の需要が見込 まれるのではないかと思います。 最後に具体的に沖縄がある意味保険および周辺業務の情報基地ということになれば、そ ういった蓄積された情報を利用して再保険市場も可能だと思います。中国、インド、日本 という三大マーケット市場がある程度協力してアジア諸国に対する地震や風水災の再保険 キャパを提供することが可能になれば、世界の再保険市場における日本のイニシアティブ を発揮する場を名護市が提供することができると思います。そういった将来の10年先、 20年先までにらんで沖縄の特区を考えた次第です。 「考えるヒント」資料の右端には「事務処理関連」、「キャプティブ関連」、それから「将 来」さらに付加えるとしたら「事故サービス会社」です。今保険会社はアンバンドルサー ビスはやりませんが、海外ではかなりそういったところが進んでいて、保険会社自体がバ ーティカルになっています。全て事務処理からクレーム処理までその専門会社がやってい ます。そういうスタイルがありますので実際にここで仕事のタイプとして考えれば、事故 処理をする事故サービス会社も可能ではないかと思います。私なりにキャプティブについ て考えまして、これは絶対に実現しないといけないと思いますが、再保険キャプティブよ りもむしろ元受キャプティブの方が、金融庁が説明されている色々なことをかなりクリア できるのではと思います。影響ありませんねと言い切れるわけですから。それから実際に -9- キャプティブをやるに当たって、今すぐにできるものとして自動車メーカーのPLリスク、 リコール、ギャランティーだったら資本金が数百億円のキャプティブが出来るのではと思 います。ですから、皆様が論議されているキャプティブを沖縄に作ることはぜひ実現して 欲しいし、それによるメリットである雇用促進のところは必ずしも大きくないのではと思 いますが、リスク・マネジメント、保険事業会社の切り口で言えばこういう事務処理ない しはクレーム処理のところかと思います。今回私はキーワードから考えて、一番最後にく る具体的な仕事は何かということを海外等の事例を参考にまとめさせて頂きました次第で す。 委員長: 「アンバンドル」 (unboundle)という言葉ですが大変わかりやすい言葉だと思いま すが、キャプティブはリスクのところを持つという解釈がくくりだされていると思います。 保険会社は山のような仕事をしているわけで、おのおのがバーティカルに運営されている とおっしゃいましたが、いろいろな部分に分かれているのだろうと思います。それでどこ が特区になればいいのか色々あるのではないかと思いますが、E様のお考えでは保険業務 の中で水際から出口まで言いますとどのようなものがあるわけですか? E:まず募集です。それからアンダーライティング、次に計上とか証券作成等の契約事務 があります。それと機能としてはリスクを保有する部分と出再(再保険)する部分があり ます。あとクレーム処理で実際に保険金を支払う作業とクレームのデータを分析して、お 客様にフィードバックする作業があります。 委員長:この間に顧客のコールセンターとお書きになっておりますが、やはりこういう業 務があるのですか?ここに行く前にコンサルティング業務があるでしょうね。 E:ありますね。 委員長:キャプティブはこの業務の中でどれをやっているのでしょうか? C:一つ上げれば保有のところですね。 委員長:これを作らせてくれと言っているのですかね。 D:保険会社とキャプティブの業務を考えた時にボリュームの差はありますが、基本的に キャプティブにどの業務があるかといいますと全部あります。 委員長:バミューダでこの業務を全部やりますか?たまたまE様のところは(元受保険会 - 10 - 社の再保険業務を)5人で行っていたかもしれませんが、己さんは何人いらっしゃいます か? I:0人です。 委員長:0人で会社はまわりませんので誰かがやっているのですね。 I:アウトソースでマネジメント会社がやっています。 委員長:それはどの業務をやっているのですか? I:契約事務と会計です。 委員長:それだけあれば良いのですか? D:現象としてはそうですが、ある保険契約または再保険契約がある時に、それを引受け るかどうかのアンダーライティングの判断というのはどこかで行っていると思います。 委員長:そうですね。これが大変重たいと思います。 D:それから支払の請求が来た時にその支払を受けるかどうかのクレーム処理は必ずおや りになっていると思います。ただボリュームが圧倒的に小さいですからアウトソースが出 来て、わざわざバミューダへ行かなくてもご判断が可能かと思います。従いまして機能と しては全部あります。 委員長:ただ、人がやるという意味ではクレームでいちいち文句をつけられたくないから キャプティブを作るのですよね。 I:通常キャプティブの場合、アンダーライティングにしてもクレームにしても通常の再 保険キャプティブの場合は元受を通す形ですので、キャプティブとして元受何%受けます と取り決めになった以上はこの部分は受ける、受けないということはなく、クレームが出 てもそれは取り決めの形なのでおっしゃる通り実務的にはありません。 委員長:そうすると何が特区を作らないといけない制約なのでしょうか? C:なくても出来る部分もありますが、特区ということで名護市が構造改革特区で提案し - 11 - ている部分があるわけです。 委員長:ニーズがすごくあって、でもここの具合が悪いので改革して欲しいというのが構 造改革特区ですよね。ですからニーズをもう一回聞きたいのですが、その前に少し整理さ せて下さい。私のペーパーを見て頂きますと『元受キャプティブ』というのは「特定の企 業が自己のリスク・マネジメントのために特区に設立する株式会社」ということで良いで しょうか。もっと手広くやりたいというのは別として、入口としてはそれで良いですね。 それで「出資者」というのは「特定企業(SPCにするかわからないですが)」作って、 「主 たる業務」は「特定企業との間で反復継続して保険契約、その他のリスク移転契約を締結」 する。それで「業務の委託」というのはおそらく「免許のある保険会社あるいはマネジメ ント会社に委託をする」のでしょう。今、マネジメント会社というのは日本に存在してい ない訳ですよね。 J:ありますよ。 委員長:あるのですか。共済とかではなくそういうものがあるのですか? J:いくつもあります。保険会社はいくつも持たれています。酉とか。 委員長:でもそういう意味のマネジメント会社なのですか? J:やっています。当社は委託していますから。キャプティブの運営もやっていて、ちゃ んとアクチュアリーもいます。 委員長:それは海外にあるということですか? J:いいえ、日本でもシンガポールでもやっています。 委員長:でもキャプティブそのものは国内にはないわけですよね。分かりました。とにか くマネジメント会社にはどの様な規制があるのでしょうか。 C:ありません。 委員長:それで「保険業法の制約」というのは、これまでの議論の中で「特定企業との間 であれば免許は不要」ということでよろしいですね。 - 12 - C:保険業法上の免許はいらないと金融庁の回答には書いています。 委員長:それから「リスク保有の制約」としては「保有可能なリスクは免責額+支払われ た保険料の範囲内である必要」があり、リスク移転をしていない限りはおそらく持ってい る資産の総額が限度になるわけですね。それから出再については、国内の元受保険会社に しか許されない可能性が高いわけです。 C:この根拠がわからないのですが。 J:リスク保有の制約に戻って申し訳ないのですが、元受キャプティブの場合レトロ(再々 保険)を組まないという前提で良いのでしょうか? 委員長:いえレトロを組めばそれで良いのですが、何もしないで保有している限りはリス ク移転できないだけだということでよろしいのですね。 J:もしそうであればということですが、それが企業の目的なのでしょうか?元受キャプ ティブにしてもキャプティブを組むというのは引当金をキャプティブに移すだけが目的な のでしょうか? 委員長:かなりそれに近い可能性があります。それも一つの目的であると思います。 J:基本的にはレトロを組んでやるのではないでしょうか? 委員長:それは色々あると思います。 C: 「古典的鞘抜きキャプティブ」といわれているものがそうです。日本の保険料と海外の 保険料の差をキャプティブで取るという意味で古典的な手法です。 委員長:もともとインシュアラブルでないようなものはやりようがないですね。 J:それはそうですが。 委員長:ですから色々なパターンがあると思います。 「資産運用」は「特定企業の指示に基づいて運用」ということでよろしいですね。 それで「利益配当」というのは「一般的には事故がおこらないと保険料収入から経費や 出再等のリスク移転費用を控除した金額が全額当期利益となります」ので、これが積み立 - 13 - てられて税金を払って、利益準備金の形になります。 それから「キャプティブに支払った保険料の損金算入」というのは、払う側はおそらく これまでの議論だときちっとやっていれば保険料として認められるだろうということです。 「キャプティブ(自身)における支払準備金」ですが、保険料収入に対して当期に支払 保険金が発生しない残額について積み立てる準備金については、単なる利益留保(任意準 備金)でありますので損金扱いは認められないということですね。 次に『再保険キャプティブ』ですけれども、 「特定企業から元受保険会社が引き受けたり、 リスクを受再することのみを目的として当該企業もしくは保険会社または両者が共同で特 区に設立する株式会社」でよろしいでしょうか?要するに甲さんから頼まれて辰さんが名 護市に作る会社で、それは甲の分だけを受再するということを目的とする会社だというこ とです。 それで「出資者」は「特定企業もしくは元受保険会社」です。 「主たる業務」は「特定の元受保険会社との間で反復継続して再保険契約を締結する」 ということです。 「業務の委託」というのは、「業務は元受保険会社」が全部やってくれるだろうというこ とです。 それで「保険業法の制約」というのは、 「特定保険会社との間であれば免許は不要(なお、 この場合特定企業である必要はない。逆に特定企業であっても、不特定の保険会社と再保 険契約を締結する場合は保険業の免許が必要。 )」という話ですね。 それから「リスク保有の制約」というのは、当然甲が払ってくれる保険料以上には払え ないので、レトロに出さなければ元受キャプティブの場合と同じですね。 「出再」は「海外の再保険市場に直接アクセスが可能」と書いてありますが、可能でな いかもしれませんね。先程の元受キャプティブの場合と同じ議論になるかもしれません。 「資産運用」は「特定企業の支持に基づいて運用」するということで良いですね。 「利益配当」もおそらく元受キャプティブの場合と同様、保険料が全部利益となります。 それで「キャプティブに支払った保険料算入」というのは、おそらく元受保険会社を介 することで認められるだろうということですね。 「元受保険に関する支払準備金の取扱い」というのが現在問題になっていて、再保険と いいながら準備金の積立は免れないのでそれを何とかして欲しいと構造改革特区の中で提 案されています。ただし、そうやって積み立てた支払準備金については税引き後でしか積 み立てられないということですね。 それでこういう規制緩和が必要ということにすごく疑問なのですが、先程の構造改革特 区への提案にも疑問をもっていて、レトロ(再々保険)を本当は出したいわけですよね。 よほどアンインシュアラブルのものか、もともと自家保険をしたいと思っているものを合 理的にやりたいということでなければ、国内で可能でない保険や、国内のレートより有利 なレートにアクセスしたいのでキャプティブを作っているわけです。ところが、その整理 - 14 - でよろしければキャプティブがそういうところにアクセス出来ないわけですよね? J:出来ると思いますが。 委員長:直接は出来ないですよ。 C:私は出来ると思っています。 J:すいません、能力で言っているのですか。それとも資格の問題ですか? 委員長:出来ないといいますか、少なくとも海外の外国保険会社として国内の保険業法の 制度の中で居住者と保険契約を認められている会社でないといけないのではないでしょう か。 C:日本の保険業法にはそう書いています。 委員長:そうですよね。 C:だけれども例外規定があって、再保険は直接海外から買えるという規定があります。 委員長:でもその再保険の規定はおそらく相手が元受保険会社であることを当然の前提と して書かれていますよね。 C:でもそこは思ってなかったかもしれないのですが、出来るのか出来ないのかははっき りしていません。 委員長:その議論はここで止めておいて、私はその点がよっぽど問題ではないかと思って いまして、もしCさんが保険業法をそう読めるのであれば、そこをよっぽど特区にしても らった方が良いのではないでしょうか。どう見ても元受キャプティブは何か特区で認めて もらわなくても出来るわけですよね。何の問題もなくキャプティブが再保険という名目の 元に海外と自由にやって良いのであったら、そちらがよっぽど良いのではないでしょうか。 C:良いと思います。皆様はどう思っていますか? 委員長:それはあり得るでしょうか。それを認めてくれるでしょうか? - 15 - H:それをやると自国保険法という考え方自体がおかしくなると思います。 委員長:そうですよね。 C:沖縄で設立された保険会社としての機能を作らなければいけないと思います。 委員長:要するに一定のキャプティブを作る様な大企業は、国内の保険会社を通さないで も勝手に外の保険会社にどんどんリスクを出してよいものと同義ですね。 C:同義です。 委員長:それがこの特区の目的であるのでしょうか?一体、私たちは何を求めようとして いるのか理解できないので教えて頂きたいのですが、何が目的なのでしょうか? J:企業によって色々ニーズがあると思います。先程お話があった様ないわゆる保険にの らないようなものを自家保有するツールとして、ある意味節税という効果も含めて保有さ せる目的もあるでしょうし、一方、我々商社ではもう少しこれを一つのツールとして事業 を組みたいと思います。それのどこに軸足を組むかによって全く違ってくるかと思います。 委員長:事業化するという場合、当然事業の向こう側には最終顧客がいますね。 J:当然そうです。 委員長:最終顧客のニーズは何ですか? J:最終顧客のニーズは例えばマリンでいえば、保険会社で引受けたリスクを再保険に出 すところと保有されるところを過去の経験やリスクを見ながらうまくやられています。自 己保有の分をかなり多く持たれています。それは取りも直さず我々保険料を払う側とすれ ば、本来もう少し低い保険料で済むようなものを多めに取られているという事実になって いるわけで、顧客としてはそれをキャプティブというツールを使って、よりフェアな形に したいというのが最初にくるニーズだと思います。火災保険もそうだろうと思います。 委員長:ですから整理していくとリスク保有をされたいというニーズであったりします。 J:そのためにはキャプティブという会社の活動が限りなく元受保険会社の形に近づくと 思います。 - 16 - 委員長:どちらにしても保険が可能でないか、可能であるが合理的なプライスでない場合 (自由競争であるならばそうでないかもしれないが)、何らかの形で今の保険に多少機能不 全があるのでしょうね。そういうものを一定の制約の元で自由にやらせて欲しいというこ とでしょうか。 J:そのためにはやはり世界中のマーケットにアクセスする必要が当然出てくるわけです。 というのは日本の元受保険会社は世界中のマーケットにアクセスされているわけです。で すからリスクを保有する、移転するというのを最も効率良く行うことが結果として一番コ スト・エフェクティブであったり、収益を生んだりという形になるわけですから、再保険 キャプティブを考える場合に保険会社に最も近い活動になっていくと思います。その場合 には当然レトロの手配は必要になるかと思います。 委員長:最初の入口では保険会社に対して背を向けている感じでしたが、前回の議論の中 でも明らかになった様にキャプティブを作る会社は海外に出てまでも作るので、国内で認 めても良いような気がします。 J:もうグローバルな企業は既に外資系の保険会社とアクセスしていますので、そういう 意味ではどんどん出て行くと思います。 委員長:一方でそういうものを取り込むことが出来れば、実際に元受保険会社を必要とす る部分(業務)が随分あるので、マーケットの減少という議論ではないというのが前回の お話でした。 J:もっと長い目で見れば、沖縄というところにせっかく特区を作るのであれば、日本で 皆様が払っている保険料を誰が分配しようという話をしても仕方がないわけです。結局、 再保険キャプティブを作った企業に保険料が残るということを目指しているのであれば、 日本として税収が増えるとかプラスの部分があまり出てこないですね。やはり海外の保険 料、保険契約を日本に集めてくるという発想でなければ、本当に沖縄にキャプティブを作 って日本のためになったということにはならないのではないでしょうか。まずは世界標準 の制度を作るべきであろうと思います。そういう意味ではバミューダ、シンガポール、ケ イマン、ガンジーではこういう規制でこういう資本金でやっているのをベースにこういう ふうにして作りたいという名護市の提案内容というのは、私は非常にフェアなものだと感 じております。 委員長:ユーザーという立場からの意見を整理させて頂きますと、グローバルに活動して - 17 - いる企業は日本に随分あり、それがグローバルな標準でファイナンス業務を行っていく中 でリスク・マネジメントという部分について言うと、国内に存在している規制で制約され ている部分があるかもしれない。そこは、その限りにおいては対等にしてあげないと日本 そのものの競争力に影響が出るのではないかということでよろしいでしょうか? J:それはあるだろうと思います。もう少し違う部分を申し上げれば、日本の保険を取り 巻く環境が元受保険会社と契約者という関係だけの部分ではなく、要は日本の元受保険会 社と海外の保険マーケットの間の力関係ということにおいても日本は力が低いわけですか ら、欧米の保険会社の方が再保険マーケットに対して顔が利くという部分が明らかにある わけです。例えば9.11テロの影響で当然欧米の保険会社が非常に打撃を受けたにもか かわらず、保険料の上昇は日本が一番上がっているという不当な部分もあるわけです。こ ういうものは日本が再保険マーケットを持つなり、キャパシティを持つなりして対抗して いかないと、そういう部分でも日本は不当な扱いを受けると思います。 委員長:これを二つに分けて議論する可能性があると思っていますのが、先程E様からご 指摘だったそもそも保険が可能でないものについて工夫のしようがないのではないか、そ れは保険会社にしても保険の外ですから責任の取りようがない部分です。もう一つは既存 の保険について保険料の効率性が足りないかもしれないということです。後者は何か辰、 卯さんにとって議論があると思いますが、所詮大企業はそうはいっても同じですよという ことなのか、まだ何らかの保険会社に不利で行っているという感覚があるのですか? J:不利といいますと? 委員長:大企業は相当自由競争になっていて、第三者の立場から見ると元々そんなに保険 会社は儲けさせてもらっていない気がするのですが。 J:一番はそういう意味では個人物件です。職域の部分とかは明らかに儲けが出ていると 思います。ただ、火災は再保険の出再が出来るので良いのですが。 委員長:前者の部分で非常に高度なものであるPLのリスク積立て、リコール対策などは グローバルな企業について見ると、自由競争になっていると思うのですがいかがでしょう か? D:保険会社も営利企業ですので儲からないビジネスには手を出さないという観点から言 えばご指摘の部分はあると思いますが、ケース・バイ・ケースです。 - 18 - 委員長:再保険キャプティブで何をしたいのか分からなくて、もしかしたらそんなには儲 けさせてもらっていない可能性がある大企業、グローバル企業については、(元受、再保険 キャプティブのどちらでも良いのですが)何らかの形でグローバルなリスク・マネジメン ト市場にアクセス出来るような、そういう市場を作るというのがキャプティブの名の下に おいて目指されているものではと思います。 J:そうです。もう一つ補足させて頂ければそういうマーケットにアクセスするツールと いうことではなくて、よりフェアなマーケットを作りたいということです。というのは例 えばどの企業もそうだと思いますが、自社のCATリスク、特に Excess Liability の部分の カバーについてお持ちであろうと思います。企業の活動はもちろん世間の環境によってリ スクが高まったり低まったりします。リスクが高まれば従業員がテロに遭う可能性も高ま りますが、基本的には日本企業が世界標準の中で活動内容のリスクが高いとは思えません。 所在している場所も日本であり一定のレベルの中で行っているわけですし、高いマインド でリスク管理を行っていると思います。会社としてのリスク度合が高まっていないのに、 マーケットの動向によって支払う保険料が簡単に50%上昇したりするわけです。これは ある意味自分たちのコントロール出来ない部分があるわけで、これの一つの原因は我々が 再保険マーケットに対抗する手段を持っていないのだから言いなりにならざるを得ないと 思います。これを最終的にフェアな形にもっていくためには、やはり競争原理を働かせる しかないと思います。そのためには、沖縄という場所に日本のリスクをよりフェアに評価 してくれるマーケットがあれば良いのではと考えます。 委員長:要はむしろリスク・エクスチェンジというかリスクの値付けをするマーケットが 国内に存在しないこと、そういうものに対してアクセスがないというのが問題であって、 それにアクセスするための一つのツールであるキャプティブが出来る、出来ないという議 論の以前に、出来たとしてもリスク・エクスチェンジみたいなものが存在していないと結 局はキャプティブを作ってもSPCが一つ増えただけということにならないでしょうか。 J:まとめて頂いたこの表の「リスク移転契約」で「リスク・エクスチェンジ市場の創設」 と書いていますが、これは非常に大事なところで特区申請の話から5年後、何年か先の話 になってくるかと思いますが、こういう部分は必ず必要かと思います。例えば保険になら ないリスクでも保有では限界がありますので、最後はこれをスワップする必要があるわけ です。そのためにも皆様企業の方が保険にならないリスクを保有するということについて もこいう市場ができれば効率的な運用が出来るはずです。 委員長:例えば保険の証券化というしくみがございますが、分かりやすく言えば個人が巳 へ行くと10万円で地震証券のようなものを買えます。それが1万人でしたら10億円が - 19 - キャプティブに入ってきます。そのまま預金しておいて10億円までの地震保険でも地震 オプションでも良いのですが、特定の企業と結ぶというそれだけのしくみです。それが今 でも出来ないかというと、最後の地震保険を結ぶところは出来ないのですが、地震証券を 発行する方は別に出来るわけです。問題はSPCがおそらく保険契約を締結できないこと なのですが、そういうものをやる主体があれば、一回ぽっきりでやれば今までの議論でし たら出来るかもしれません。従いまして、こういうことをやって国内でリスクを売ること や、元受とか再保険とかいう議論ではなく、色々なリスクツールにアクセスする主体をち ゃんと用意しておかないとキャプティブを作ってもあまり意味がないと思います。 J:そうです。 委員長:ですから間口をしぼめるのが大変大事でどこもかもキャプティブを作らせたら良 いと私は思わないのですが、日本経済がグローバルに競争していくために必要なあるセク ターまでの十分に裏打ちされた企業をまずは前提として、出口としてちゃんとそれが海外 に自由にアクセス出来ないといけないし、国内に対してリスクマーケットを作りにいくよ うなことも出来ないといけないと思います。そういうことが出来るのは何かといいますと、 おそらく保険会社です。もし本気で元受キャプティブをやりたいとすると、一つは名護市 に保険会社を作らなければいけないのではないでしょうか。免許だけを持っている保険会 社です。ちょっと議論が飛んでしまいましたか? 元受キャプティブとか再保険キャプティブとかで保有したリスクを再保険契約とかその 他のリスク移転契約で引き受けることだけを行う専業の保険会社のようなものが存在して いて、これは金融庁に監督してもらうれっきとした保険会社で、引受ける上限を積めと言 われれば積めばいいと思います。それで元受キャプティブ、再保険キャプティブがあるの でしたらキャプティブ毎に分別勘定を持っていて、枠の中で一つ一つ管理してあげるよう なもの(保険会社)が存在していないと結局は元受キャプティブを作ってもそこから出再 することが出来ないと思います。 J:これはキャプティブ専業の保険会社を通じて再保険市場にアクセスするということで すか? 委員長:極端な話ですが専業保険会社は言われたことしかやらない(ちゃんと数理はやる のですが)保険会社です。それは何かというとおそらく特区の運営母体そのものか、ある いはそれに参加した大手企業が共同でそのようなものを作って、それで半分継続して不特 定多数の元受キャプティブとかあるいは再保険キャプティブから保険を引き受けてそれを 今度は内外の保険会社に出再します。ただし業務は大きい会社を作る必要はないので元受 保険会社に業務委託します。それで「保険業法の制約」といっても免許取得するので保険 - 20 - 会社です。ただし、SPC的な運用をされる保険会社ということについては十分金融庁に 納得して頂かないといけないかもしれません。もし免許に制約をつけるのであれば、特定 の企業からのリスクしか引受けてはいけない、誰とでも仕事をして良いということではな いと免許に条件を付けるのは金融庁の裁量だと思います。 「リスク保有の制約」というのが実はあって、甲から引受けたもので支払が多すぎれば 戌に影響が出てはまずいので、おそらくキャプティブと同じようにレトロに出さない限り は支払った保険料以上の保険金は支払えないという保険契約しか結べない会社になってし まうと思います。そんな保険契約が今認可されるかわかりませんが、そういう一種の責任 財産限定の保険契約みたいなものです。あるいは特別勘定の保険契約になるかもしれませ ん。 「出再」は当然海外に出て行けるので問題ありません。 「リスク移転契約」についてそういう保険契約で引き受けたリスクは特に制約はありま せんので証券化しても良いだろうし、ディリバティブに出しても良いだろうし別に出再に 限らないと思います。 「資産運用」についてはおそらく特定企業の依頼に基づいて運用しないといけません。 「利益配当」はおそらく3利元は全て配当し、損害保険会社にあるまじき発想のような 気がしますがそういうものになるかと思います。あるいは優先株式(トラッキングストッ ク)を発行することが出来るようになっていますので、優先株で収益が出たら特定の企業 に戻してしまうことも考えられます。 「損金算入」は当然保険会社に払うわけですから損金算入が可能かもしれません。 「支払準備金の取扱い」は当然保険会社に対して行うわけですから構いません。 「支払準備金」に組み入れる額については損金処理が認められるようになるのではない かと思います。 何かこのようなものがないとキャプティブを作ってもらったからといって、利用者が非 常に不自由ではないかという気がします。 J:再保険マーケットにアクセスする方法がなければこれで仕方がないと思うのですが、 再保険キャプティブ自体はバミューダ、ハワイ、シンガポールでもそうですが再保険マー ケットにもちろんブローカーを介して直接アクセスしているわけです。 委員長:バミューダでは、免許は保険会社ですよね。 J:そうです。今回免許がないからということでしょうか?要は提案が通らないことを前 提にお話されているのでしょうか? 委員長:再保険キャプティブは本当に出られるのかというところは本当に大丈夫なのでし - 21 - ょうか。名護市に作ったキャプティブは再保険市場に自由にアクセス出来るのでしょうか。 そうであれば今でもできるのではないでしょうか? J:いや、制度で守られている前提での話ですよ。 D:今、何が問題か言うと委員長がご指摘のように今キャプティブを作っても根拠法がな いというところです。バミューダがそうである様に、法的根拠が生まれるわけです。 委員長:キャプティブ法を作ってくださいという話ですね。 D:そうすると海外にアクセスできる様になるでしょうから、資料の「キャプティブ専業 保険会社」は不要かもしれません。 委員長:そうすると法律で明文化すると「キャプティブ専業保険会社」と似たようなもの になるということですね。 D:はい。 委員長:それはなぜ再保険でないといけないのですか? D:必ずしも再保険でなくてはいけないということではないと思います。後はニーズの問 題だと思います。すなわち当然元受キャプティブを作れば再保険キャプティブに比べて一 定の装備が必要になってくると思います。このコンセプトは基本的にアウトソースするこ とだと思いますが、比較すると元受キャプティブの方が、装備が重たくなると思います。 従って、装備が重たくてもそういうキャプティブをお作りになるニーズがあるのでしたら、 それは残すべきだと思います。 委員長:そこもマネジメント会社に任せると言えば、それが出来て割り振りされるのでし たらそれで良いですね。それを見ていて辰としてマネジメント業務をやるという話になれ ば良いわけですね。 D:そうですね。 委員長:ですから、どうもそこが問題ではなくて、とにかく再保険市場に出させてくれと いうところが問題である気がするのですが。 - 22 - J:結果としてそうだと思います。 委員長:そこに辿り着かないとどうしようもないと思います。 J:グローバルなアクセスが出来ない保険のツールを持っても意味がないと思います。 委員長:提案内容の中のどこに(再保険市場へのアクセスが)書いているのですか? C:再保険を出させて欲しいということは提案していませんね。 委員長: 「出再したら元受保険会社において責任準備金の積立を免除して欲しい」というこ としか言っていませんね。そこはすごく重要ではないかと思っていて、そこの規制が厳し ければ、マネジメントを通って元受キャプティブを作らせれば良いと思います。別にその ことで元受損害保険会社の利が外に出ないと思います。立場上はフェアな戦いだと思いま す。より問題なのは提案されているものではなくて、キャプティブは少なくともグローバ ルなリスク・マネジメント市場にアクセスが出来ないと困るということです。 C:今までの議論で明確にされていますか? 名護市:これまでの提案の中でキャプティブにはこういうメリットがあるから名護市とし てやらせて欲しいと提案しておりまして、②の「責任準備金を積立免除することができる キャプティブ保険(親会社または関連会社のリスクのみを対象とする保険)会社を構造改 革特区法の中において明文化する。 」という部分の中でキャプティブのメリットとしていく つかありますが、「再保険市場へのアクセス」が出来るというのも当然入っています。 委員長:そうすると構造改革特区法の中で保険業法を書き込まなければいけないのではな いですか? 名護市:特例を作るということです。構造改革特区法というのは基本的に元の法律があっ て、構造改革特区法の中で元法にはこう書いているが特区法ではこの例外を認めますとい うことです。 委員長:ということは、これ(キャプティブ保険会社)は保険会社なのですね。 名護市:そうです。キャプティブ保険会社です。これを認めて欲しいというのが名護市の 提案です。 - 23 - 委員長:そういうふうに金融庁は受け取っているのでしょうか。それだったら現在の保険 業法の何を緩和して欲しいのですか? 名護市:最低資本金額やソルベンシー比率です。 C:あと「キャプティブ保険会社に再保険として出している部分について責任準備金を積 まなくて良いようにして欲しい」ということです。 名護市:こちらで提案しているのは、キャプティブ保険会社を認めて欲しいということで す。場合によってはキャプティブ法がなくても現行法の中で出来るかもしれないという議 論がなされているわけです。 委員長:金融庁は非常に慎重に書いていますね。 「再保険キャプティブを制度化」というこ とで保険会社とは一切書いていません。彼らはこれ「キャプティブ」を保険会社とは思っ ていないと思います。 C:私の理解では、もともと元受キャプティブは今でも出来るということを言っていて、 もとからできるのだから構造改革特区とか規制緩和に当たらないということです。 委員長:保険業法に基づく保険会社でないものをこう(キャプティブ保険会社と)呼んで いるわけですね。 C:元受、再保険キャプティブもそうです。保険業法には基づいていません。 委員長:ところが今何をおっしゃっているかと言うと、キャプティブは「保険会社」です とおっしゃっています。 C:商法上は保険会社です。 委員長:保険業法上にしか保険会社はありません。商法上に業法はないので良いのですが、 そこはまた議論致します。ただ、(提案の)立て方が曖昧になっていないかと思うのです。 D:保険業法上の保険会社はガバナンスを求められていて、ガチガチの規制がかかってい て、やることがいっぱい書かれています。でも名護市のご提案されているのは、そこまで 監督規制のかからない保険会社を作りたいという規制緩和の要望ですから、どちらもおっ - 24 - しゃっていることは正しいのですが、答えは間にあるのではないでしょうか。 委員長:そうすると、それは立て方として保険業法上の保険会社の監督規制を緩和して下 さいという要望なのか、もともと規制の弱い新しい業態を作って下さいという要望なのか どちらでしょうか? J:後者ではないでしょうか。 委員長:それは重いと思います。相当重いことをやられようとしているのですが、それで したら資産運用法が出来たように全てのことを書き込まないといけないと思います。規制 緩和要望ではないような気がします。それは新しい業法の作成ですよね。そうすると金融 庁の反応は良くわかります。それをなぜ名護市のために作るのでしょうか。それは国の制 度ですよね。 保険業法があって、(規制緩和により)沖縄でたまたま(キャプティブを)作ることにし た。それは作って良い会社が全部で100社しかない。これだけとしかやらないのだから、 もう監督はしないで欲しい。これらの会社は海外に行ってでもキャプティブを作るような 会社だから自己責任においてやらせてやって欲しい。そんなものを沖縄で自由にやらせて 欲しいということだと何となくわかるのですが。 J:ただそうですね。今おっしゃったのも正しいと思います。再保険というのはあくまで プロとプロの取引です。金融庁が言っている契約者保護という話ではなくて、今回の話は 名護市という場所でプロの人たちだけが試合をするからそのために環境を整えて下さいと いうことだと思います。 委員長:その時に保険会社として何かやろうとすると、保険業法上の保険会社であるか何 か新しい法律に基づいた一定の権能を持った保険会社である必要があると思います。単な る株式会社では駄目だと思うのです。 J:それはそうだと思います。 委員長:そこまでは皆様よろしいでしょうか? C:保険業法上の監督を受けるという意味ですか? 委員長:そうであるか全くそうでないかどちらでも良いのですが、何もないところからは 無理だと思います。 - 25 - C:何か作らないといけないということですか? 委員長:何らかの新しい業法を作って下さいと言うか、それとも保険業法の枠組みの中で、 ここでやる分については何か緩和して下さいと言うかのどちらかだと思います。 G:保険会社では現在こうなっていると列挙して、この分は緩和して下さいということは 実際可能なのでしょうか? 委員長:その方が簡単であると思います。 G:もちろん簡単だとは思いますが、でも出来るのでしょうか? 委員長:ですから何を絞るかという所を皆様で議論しないといけないと思っていて、先程 の議論だとおそらく超大企業でグローバルな土壌を持っていて、今の保険会社でもあまり 儲けられていないか元々保険での引受が難しいところのどちらかだと思います。 G:保険業法上の保険会社で名護市において規制緩和を求めているのは単なる財務的なと ころですが、実際の問題はもっと違う監督がいっぱいあるということなので、そこを列挙 してこれを全部緩和しないといけないということでしょうか? 委員長:それはそこまでやらないと通らないのではないでしょうか。だから通らないと私 は思います。ここまで緩めて下さい。100人としか付き合わないからと言えばそれは通 るかもしれませんが。私はキャプティブというものが欲しいと言っているのですね。何で これが名護市なのかと言われてもその理由がない。キャプティブがないのが鬱陶しいと言 っているだけの話です。それで何か法律を作ってくれと言われてもそれは大きな問題です。 G:結果としてキャプティブになる訳ですね。マーケットが限られておりますので。 委員長:そういうことだと思います。 G:あくまでもキャプティブという名前であって、要望としては先程言った財務的以外の ところも外して欲しいということを列挙しなければいけないということでしょうか。 委員長:名護市における保険業法の規制緩和という要望になるのではないでしょうか。 - 26 - I:今回の名護市のご要望については突拍子のない話ではなくて、グローバルベースでお っしゃったように主要ドミサイルでは実際にやっているわけです。バミューダ、ダブリン、 シンガポールにしてもそのドミサイルに日本企業が行っています。それと同じような所が どうして日本にないのか。それで名護市が手を上げていらっしゃって、出来るということ になれば日本から80社の海外に出ている企業が名護市に来るはずであるということだと 思います。 委員長:ただその場合は他のドミサイルがそうであるように独立した保険業法の枠組みが ないといけませんね。 I:もちろんそうです。 J:それは大変だから緩和の方が楽でしょうという話はわかります。 委員長:構造改革特区というのは何か緩和だという理解をしていまして、キャプティブが 日本にないのはけしからんという議論を沖縄発信でやるのとは別の話だと思いますので、 構造改革特区として名護市に何かを作るという議論でしたらもう少し小さくしないと言わ れた方も困りますよね。 J:おそらく。我々としては十分それで良いと思います。 委員長:ニーズは先程も申しましたようにアンインシュアラブルなセクター、保険が必ず しも利用可能でないようなところに一種の積立をしたいというニーズなのか、それとも現 在国内においては保険料の効率性が低いので大企業は海外に出しているという領域なのか ということでよろしいでしょうか? D:双方だと思います。 委員長:その時のポイントは、何らかの形で海外のグローバルなリスク・エクスチェンジ 市場に出て行けないといけないということですね。そういうところこそ、再保険市場その ものが沖縄にあっても良いかもしれません。そこが一番の鬼門であるということでよろし いでしょうか? J:日本にないので海外で仕方なく作っているということです。 委員長:最後に時間もないのですが、リスク・エクスチェンジ市場を作る時に今日本で障害 - 27 - になっているのは何ですか? E:リスクを取る人がいないということではないでしょうか。 委員長:そういうことですね。これはなぜなのでしょうか? E:サラリーマンだからです。 委員長:元受と再保険ではそもそもビジネスモデルが違う気がするのですがいかがでしょ うか。なぜ日本では元受ではない保険会社は育たなかったのでしょうか? C:もともと日本に保険が出来た時に海外のように再保険会社がなかったということでは ないでしょうか。歴史的に日本は100年、欧米は300年ですよね。 委員長:リスクを受けるキャパですよね。リスクを飲み込めるアンダーライティングする キャピタルがなかったことですね。今もないのでしょうか? C:あると思います。 J:十分あるのではないでしょうか。 委員長:名護市になぜないかというとツールがないのでしょうか?例えばE様が10万円 でロイズのようにリスクを引受けるとすると何が問題なのでしょうか? E:自己破産する。 委員長:まあ、そうですね。 E:リスクをアンダーライティングするノウハウがないからだと思います。 委員長:リスクをアンダーライティングする能力がある人がいる時にリスクをアンダーラ イトすることをアレンジする業務は何業なのでしょうか?保険業ではないでしょうね。保 険業は自ら引き受けることを業としていますから。 J:欧米のブローカーが行っていることがそうですね。 - 28 - 委員長:そうすると保険を引受けること自体は、反復継続していなければ業法の制約はな いのでしょうか? C:ですから特区に出す時には保険業法の規制があります。 委員長:C様が戌の地震保険を一口10万円で買ったとするとそれは良いのでしょうか? C:私が戌の保険を一口受けるということですか?それは良いでしょう。 委員長:そういう契約があるかは別として、あったら受けること自体は業法の制約はない のですね。 C:私個人では駄目かもしれませんが。 委員長:なぜ駄目なのですか?何か業法上の制約はありますか? C:ないです。 委員長:賭博の可能性があるかもしれないということですか。そうなると刑法になってし まいますね。 J:ディリバティブが個人で買えないのはそのためです。法人でしか買えないことになっ ています。 委員長:保険会社が買うことはできないですね。 J:はい。 委員長:ディリバティブを受けてはいけないというのは業法の中にないと思います。刑法 にかかる可能性があるだけだと思います。 J:ですから制約は色々あると思います。 委員長:そうなると例えば地震のCATボンドを一口1万円で買ったらやはり賭博罪です か? - 29 - J:いいえ、違うのではないでしょうか。 委員長:CATボンドを一口 1 万円にして、巳が売り出すことについて何か制約はあるの でしょうか? D:ないと思います。ただ引受け手がいるかということが問題だと思います。 委員長:どうもこの後の証券業務委員会でご議論頂きたいのですが、日本にはリスクを引 受けるキャピタルが既に存在している気がしています。ところが、それを引き受けさせる ツールがない。それからそういうものにアクセスする代用すらないのであった方が良いの かもしれません。 D:日本の証券市場を見ると格付けがシングルAになると急に需要がしぼむ現実がありま す。 委員長:CATボンドはダブルBでないと売れませんね。 D:日本のマーケット・プレーヤーのリスクのトレランスが低いのではないでしょうか? 委員長:リスクのトレランスは金額によります。例えば宝くじは買えば必ず損をするので すが、そこを小刻みにしていくことでそれを取る人が出てくるものです。例えば地震につ いて一口 1 万円としてインターネットで売り出して、5%付いているが本当に起こったら 返ってこないというものに対して買う人がいないとは限りません。そういうことを出来な いかというと別にやれる気がしています。そういうことをやる人が、今保険の免許を持っ ていないので企業からリスクを引き受けられないのです。 G:無限責任でないといけないのでしょうね。 委員長:いいえ、もともとの保険契約をそもそも保険でないようなものにしてしまえば良 いのです。保険金の額を払い込む保険額を同じにしていく限りは必ずリスクはありません。 もともとCATはそういうふうに仕組むわけです。 時間切れになりましたが、整理をさせて頂きますと、今回で三回の議論を受けて皆様が キャプティブとおっしゃっている本質というのが、キャプティブを作るところにあるのか どうかが最初からわからなくて、色々ご議論しているとニーズがあることははっきりしま した。ところがそのニーズというのが突き詰めていくと最後にグローバルなリスク・エク スチェンジ市場にアクセスをしたいというニーズが非常にあって、それが今(国内に)無 - 30 - いというフラストレーションがある中で何か突破口がないか、それがキャプティブという 言葉で表現されているのだけれども、もしかしたら現在、構造改革特区へ要望として求め られようとされていることとは完全に一致していない部分があるかもしれないというのが 一つあります。 その上でもう少し言えば、なぜ海外に行くかというと日本にはないからで、なぜ日本に はないかというと歴史的にないからで、なぜ歴史的に無かったかというと金がなかったか らだということです。今本当に金がないのかというとそれはそうでもないと思います。そ うすると次のステップとして構造改革特区で何をするかというと、日本の企業のリスク・ マネジメント能力の向上ということを考えるのだとすると、もしかしたらそこまでをある 程度展望した何かが出てきてくれないと本当のところ抜本的な解決にはならないというと ころで、余韻を残して終わりたいと思います。あと細かい話はこの委員会ではなくて色々 と保険会社は保険会社なりにご相談されているかと思いますし、企業の方も色々とご助言 をして頂ければと思いますが、今回は論点を洗い出すということが目的であったように理 解しておりますので、この辺で三回の委員会を終了させて頂きます。大変お忙しい中ご議 論頂きましてありがとうございました。これで閉会させて頂きます。 - 31 -
© Copyright 2026 Paperzz