カナダドル (対米ドル)

カナダドル為替相場について
今回が初回のレポートになりますので、やや長期的なカナダドル為替相場の現在の位置
についてご確認下さい。 下のチャートは、カナダドル為替相場の、対米ドルにおける 90
年 1 月以降の月足です。
カナダドル (対米ドル)
1.70
1.60
1.50
1.40
1.30
1.20
1.10
1.00
90
94
98
02
カナダドルは、対米ドルの為替相場が重要です。上に示しましたように、通常1米ドル
あたりのカナダドル相場で表示しますので、米ドル・円為替相場と同様、数字が大きくな
るとカナダドル安・米ドル高、小さくなるとカナダドル高・米ドル安となります。地理的
には米国と同じ北米圏であること、経済においても、カナダの国内総生産(GDP)の 35%
が米国への輸出が占めるという関係にあります。カナダドルは、他の多くの主要通貨と同
様、2001 年後半まで米ドルに対して弱含み続け、史上最安値となりました。その後、ユー
ロを始めとした米ドル独歩安の流れの中で、カナダドルも上昇し、現在ほぼ 10 年振りの高
値圏内にあります。
カナダ為替相場の魅力は、上で述べましたように、米国と地理的にも経済的にも近い関
係にありながら、通貨の基本的なファンダメンタルズである財政収支も、経常収支も黒字
基調にあることです。米国の景気回復の恩恵を受ける一方で、この両者が記録的な赤字と
なっている米国資産からの代替投資先として、今後も注目されていくことでしょう。
カナダドル/円
150
130
110
90
70
50
Jan-90
Jan-94
Jan-98
Jan-02
上のチャートは、カナダドル・円為替相場の 90 年 1 月以降の月足です。この両通貨の関
係については、直接な投資動向が影響しているというよりは、むしろカナダドル・米ドル
相場と、円・米ドル相場の結果という面が強いのですが、2001 年以降は、米ドル・円が円
高となっても、カナダドル・円は円安となる局面も相応期間見られるなど、これまでにな
かったような動きが出てきています。
今後は中長期のみならず、短期的なテクニカル分析等や、カナダ経済動向についてタイ
ムリーなレポートを毎週お届けいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
豪ドル・ニュージーランド為替相場について
豪ドルを中心にレポートして行きます。
今回が初回のレポートになりますので、やや長期的な豪ドル為替相場の現在の位置につ
いてご確認下さい。下のチャートは、豪ドル為替相場の、対米ドル、対円における 90 年 1
月以降の月足です。
豪ドル(対米ドル)
1.00
0.90
0.80
0.70
0.60
0.50
0.40
90
94
98
02
(豪ドル・米ドル為替相場は、数字が大きくなると豪ドル高・米ドル安、小さくなると豪
ドル安・米ドル高となります。)
豪ドル/円
130
120
110
100
90
80
70
60
50
90
94
98
02
豪ドルの場合、対米ドル取引はもちろん、欧州市場では対ユーロ等の取引も活発で、日
本からの債券投資を中心とした対円相場も活発です。様々な通貨に対する取引の影響が大
きいため、豪ドルの状況を見極めるには、テクニカル分析においても、一部通貨に比べて
バランス良く見渡す必要があるでしょう。
米国同時テロ以降、南半球の代表的通貨ということで、地政学的なリスク分散先として
も注目されています。また、世界的なディスインフレ傾向の高まりの中で、英国と同様、
直近に政策金利引上げに動いた国の通貨として、経済サイクル的にもユニークな状況にあ
ります。
一方、ニュージーランドドルは、政策当局が相応程度、対豪ドル相場を意識した政策運
営を行っているため、豪ドルと似通った動きをする通貨です。経済力の差がありますので、
基本的には豪ドルより高めの金利を維持することで、対豪ドル相場を維持するバイアスが
強い傾向にあります。しかしながら、マクロ経済の動きは、豪州とやや異なってきている
ため、「単純に豪ドルよりと同等の為替リスクでありながら、より高い金利を享受できる通
貨」とは言えない状況も出てくるでしょう。
豪ドルについては、今後のウィークリーレポートの中で、対円を中心としながらも、様々
な通貨に対する中長期、短期のテクニカル分析、マクロ経済動向をご紹介させていただき
ます。また、ニュージーランドドルについては、豪ドルに比べて、有利な状況、注意すべ
き状況を中心に指摘していきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
(ご参考:ニュージーランドドル・対円為替相場:90 年 1 月以降月足)
NZドル/円
100
90
80
70
60
50
40
90
94
98
02