こちら

Dell Solutions
Vol.05 │2012 October
顧客の声に耳を傾け、
最適なシステム提案に注力
デル株式会社
Executive Vision
ユーザエクスペリエンスの
向上を目指して
日本発にこだわった
電子書籍ビジネスを展開する
株式会社BookLive
執行役員
三代川 裕一
氏
IPS(インサイド・プロダクト・スペシャリスト)宮崎カスタマーセンター
Dell Strategy
“第3 の波”
に乗り、変革を起こす
デルのネットワーク戦略
Case Study
株式会社BookLive
電子書籍サービス「BookLive!」を支える
仮想化技術を取り入れた新IT 基盤を構築
シナジーマーケティング株式会社
“スピード”
を実現する仮想化基盤を構築し、
さまざまなニーズに応える
サービスを提供
顧客関係管理
(CRM)
Dell
Solutions
Vol.05 │2012 October
CONTENTS
4
Executive Vision
ユーザエクスペリエンスの
向上を目指して
日本発にこだわった
電子書籍ビジネスを展開する
株式会社BookLive
執行役員
経営企画本部 本部長
三代川 裕一
8
氏
Case Study
株式会社BookLive
電子書籍サービス「BookLive!」を支える
仮想化技術を取り入れた新IT 基盤を構築
Dell Solutions 第5 号発刊にあたって
「Dell Solutions」は昨年7 月の第1 号以来、ご好評をいただき、第5 号を発刊することができました。ひとえにお客様のご
支援のおかげです。あらためて感謝いたします。この一年間に震災の影響も残る中、経済環境や企業の ICTを取り巻く環
境も大きく変化し続けており、各企業の ICTシステム、またソリューション・製品を提供するプロバイダー側にもさらなる
「さらに加速するデータ量増加とモバイル端末を含むネットワーク接続機
変革が求められています。ICTトレンドとしては、
器の増加」、
「業界を一変させるクラウドの進展」、
「コンシューマライゼーションとソーシャルネットワークの拡大」、
「デー
タセンター基盤の統合化ニーズ」などがあげられます。これらのニーズに対してデルは、
「End-To-End のソリューション
(CI)、仮想化とクラウド環境、情報管理ソ
提供」をキーワードに、EUCソリューション、コンバージドインフラストラクチャ
リューション、セキュリティソリューションなどを今後の重点エリアとして拡充を進めております。グローバルのベスト・オブ・ブリードのソリュー
ションの戦略的 M&Aにより、デルのソリューションの幅を急速に広げている事も大きな変革の一つです。今回第 5 号では、Dell SonicWALL
や Force10 など新たなデルソリューション、毎号最重点のテーマとしているお客様事例、新たなサポート・サービス、また宮崎からお客様にソ
リューション提案を行う Inside Product Specialist の紹介など、お客様の ICT 変革に役立つ情報満載でお届けします。記事内容をご参照い
ただき、引き続きデルをご愛顧いただければ幸いです。今後も変革し続けるデルにご期待ください。
Dell Solutions 発行人
デル株式会社 マーケティング統括本部 公共・法人マーケティング本部 本部長 松原
2
大助
[発行]
デル株式会社
神奈川県川崎市幸区堀川町580 番地 ソリッドスクエア東館20F
[発行責任者]
マーケティング統括本部 公共・法人マーケティング本部 本部長 松原大助
[編集スタッフ]
マーケティング統括本部 布谷恒和(編集長)、川船奈穂美、小山智子
12
14
18
Solutions Column
データセンター統合管理ソリューション
「VIS Creator」
Dell Strategy
“第3 の波”
に乗り、変革を起こす
デルのネットワーク戦略
New Dell
セキュリティの要となる新プラットフォーム
Dell SonicWALL
20
Case Study
シナジーマーケティング株式会社
“スピード”
を実現する仮想化基盤を構築し、
さまざまなニーズに応える顧客関係管理(CRM)サービスを提供
24
Case Study
国立大学法人 名古屋工業大学
インテル Core vPro プロセッサー・ファミリー搭載の
OptiPlex でクライアント環境を刷新
®
28
Dell │Services
30
Dell │Team
TM
TM
お客様のシステムの安定運用を支える
デル・インテグレーテッドサポートとは
デル株式会社 IPS(インサイド・プロダクト・スペシャリスト)宮崎カスタマーセンター
顧客の声に耳を傾け、最適なシステム提案に注力
October 2012. ©Dell inc.
*本文掲載の記事、写真、図表の無断転写を禁じます。
*本誌掲載の記事において、日本では発表されていない Dell 製品の機能、サービスについて言及、説明してる記述がある場合がありますが、ご了承ください。
●AIM、Force10、EqualLogic、KACE、Latitude、OptiPlex、PowerConnect、PowerEdge、PowerVault、Dell Precision、SonicWALL、VIS、Dell ロゴは、米国Dell Inc. の商標または登録商標です。
●Intel、インテル、Intel ロゴ、IntelInside、Intel Inside ロゴ、Intel vPro、Intel vPro ロゴ、Intel Core、Core Inside、Itanium、Itanium Inside、vPro Inside、Xeon、Xeon Inside は、アメリカ合衆国および
その他の国における Intel Corporation の商標です。●その他の社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。●本カタログに記載されている仕様は、2012 年10 月現在のものであり、予告なく変更される場合があり
ます。最新の仕様については、弊社営業またはホームページにてご確認下さい。
デル株式会社 〒212-8589 川崎市幸区堀川町580 番地 ソリッドスクエア東館20F Tel. 044-542-4047 www.dell.com/jp
3
Executive Vision
ユーザエクスペリエンスの向上を目指して
日本発にこだわった電子書籍ビジネスを展開する
国内最大級の蔵書数を誇る総合電子書籍ストア「BookLive!」。
その運営と電子書籍アプリ
「BookLive! Reader」の開発・運用などを行うのが、
2011 年1 月に設立した株式会社BookLiveだ。
マルチデバイス対応やユーザインターフェースの統一など、独自の戦略を展開する同社は、
電子書籍ビジネスをどう進め、電子書籍をどのように人々の生活に溶けこませようとしているのか。
同社執行役員で経営企画本部本部長の三代川裕一氏に話を聞いた。
株式会社BookLive
執行役員
経営企画本部 本部長
三代川 裕一
成功モデルの登場で電子書籍市場が加熱
逃さずに電子書籍ビジネスに自分らも参加しなければ」
という気運がと
ても高まっていると感じます。
──最近、電子書籍についての話題を耳にすることが多くなりました
が、現在の電子書籍市場の動向についてご説明いただけますか。
──これまでは国内外で成功事例がなかったことから、電子書籍への
注力に慎重な企業が多かったということですね。
三代川 2004 年から 2005 年ぐらいにかけて、電子書籍ビジネスが
4
一度盛り上がりかけた時期があったのですが、その時は世間で期待さ
三代川 そうなりますね。コンテンツを保有する出版社にしても、これ
れたほどには市場が成長しませんでした。しかし現在の状況が当時と決
まで電子書籍がビジネスとして成り立つかどうかの判断が難しくて、い
定的に違うのは、米国において電子書籍の成功モデルが存在している
まひとつ歯切れが悪かったという印象があります。出版社にとっては、
点です。そのビジネスモデルが次々と成功しているのを受けて、日本
紙の本が売れているうちは電子書籍化する積極的な理由がないという
国内でも「これは自分たちも成功するのではないか?」
「このチャンスを
のも頷けますし。むしろ、電子書籍にして安い価格で販売してしまうこと
ユーザエクスペリエンスの向上を目指して、日本発にこだわった電子書籍ビジネスを展開する
による紙への影響を気にしていた、という側面もあるのではないでしょ
ることで、コミックも読みやすい環境が整うだろうと期待しています。
うか。
──テクノロジーの進化以外に、ユーザの電子書籍に対する心理の変
── 2004 年から 2005 年頃に電子書籍ビジネスが活気づいたとのこ
化による影響というのは感じますか。
とですが、この時の勢いが一旦収縮してしまったのはなぜでしょう?
三代川 その辺りは正直微妙ですね。
「電子書籍」
という言葉はかなり
三代川 この時に伸びたのは携帯電話(フィーチャーフォン)向けのコ
一般化しましたが、では実際にそれを試してみようとなると、どうやって
ミックコンテンツでした。確かにビジネスとしては、市場規模が 600 億
操作すればいいのかわからないという人も 8 割以上いるのではないで
円近くまで拡大するなどそれなりに成功していたと言えるのかもしれま
しょうか。まだまだ、いわゆるアーリーアダプターと呼ばれる人たちが
せん。しかし、携帯電話向けのコミックコンテンツである限り、ユーザも
先端のガジェットとして使っている段階だと思います。
ごく一部の層に限定されます。つまりどこまで行ってもニッチな市場で
ただ、今後は「本はスマートフォンなどのデバイスで見るのが当たり
しかないということで、それがユーザ層もコンテンツのジャンルも無限
前」
といった人たちが増えてくるでしょう。特にデジタルネイティブと呼
であるべき電子書籍の市場にまでは発展できなかった要因でしょうね。
ばれる世代の人たちは、既に音楽を聴くのは CDじゃなくてスマート
フォンや MP3 プレーヤーでという感覚になっていますよね。本につい
スマートフォンとブロードバンドの
普及が追い風に
──デバイスやコンテンツが限定されていたというわけですね。そうい
う意味ではスマートフォンのような新しいデバイスの普及は、現在の電
子書籍市場の盛り上がりに一役買っているのではないでしょうか。
てもそれと同様になるでしょう。そこまで行くのは、あと 5 、6 年先で
しょうか。
紙でできることは、
デジタルでもできるように
── BookLive のビジネス戦略として、特に重きを置いているのはど
三代川 スマートフォンやタブレット端末が電子書籍の普及に大きく貢
ういったところでしょうか。
献しているのはもちろんですが、それと同じくらいに大きいのがブロー
ドバンド環境が整備されたことでしょう。例えば、電子書籍でもコミック
三代川 当社の電子書籍サービスの特徴と言ってもいいのですが、
となると 1 冊あたりの容量が 50 ∼ 60MBになります。今でこそこの程
「紙でできることは最低限デジタルでも実現する」というのが戦略の柱
度のサイズなら大したことはないと感じますが、少し前までならこれだ
にあります。紙の本と比べた時に、電子書籍のほうが利便性が高いよう
けの大きさのコンテンツは、維持するにも配信するにもとてもコストが
でなければユーザにとって電子書籍を選ぶ理由がありませんからね。
かかってしまい、ビジネスとして成立しなかったでしょう。それが、通信
そこの理由の部分をあくまで追求していこうというのが当社の基本的
速度の向上とストレージの大容量化・低価格化といったテクノロジーの
な理念です。今のところは紙に必死に追いつこうとしている段階ですけ
進化によって、大幅に状況が変わったわけです。
れども。
そして、このようなコンテンツを表示できるデバイスも以前は存在し
購入した書籍を最大 3 端末で読めるようにしたクラウド書庫「My 本
なかったわけですが、スマートフォンやタブレット端末を普通に個人で
棚」なども、そうした姿勢を象徴する試みと言えるでしょう。購入履歴を
持ち歩くようになって、手軽にダウンロードして見ることができるように
一元管理することで、ユーザはどこでも、どのデバイスからでも電子書
なったのです。
籍が読めるわけですが、これも紙の本が一度買えば基本的には自分の
とは言え、スマートフォンについては、だいぶ画面サイズが大きく
物であり、どこにでも自由に持っていけるという性質に追いつこうとし
なってコミックもページまるごと表示させて読めるようになってきては
た結果です。
いるものの、快適に読むためにはもう少し画面サイズが大きくなる必要
があるでしょう。この点については次の世代のスマートフォンが出てく
──確かにデバイスが限定されてしまうとユーザには不便ですよね。
5
Executive Vision
①
家で
メディアタブレット
オフィスで
BookLive!
ID連携
PC
A書店
②
My本棚
Powered by BookLive!
③
B書店
外出先で
スマートフォン
電子書籍端末
Powered by BookLive!
BookLive! のマルチデバイスサービス
クラウド上の「My 本棚」で購入履歴を一元管理することで、さまざまな書店で購入した書籍をさまざまな端末で楽しむことができる
三代川 今の電子書籍業界には、決まったデバイスや通信事業者でし
するなかで、現在どういった分野に力を入れていますか。
か見ることができないようにするといった
“囲い込み”
の風潮がどうして
も存在します。しかしユーザからしてみれば、
「お金を出して買った本が
三代川 マルチプラットフォーム対応のために、それぞれの OSに適応
機種変更したら見られない」
というような事態は納得いかないでしょう。
したアプリケーション開発には力を入れております。しかし、それ以上に
そうしたことを知らずに買ってしまう人も多いはずです。
力を入れているのが、コンテンツの拡充です。コンテンツ・ビジネスで
だからこそ、一度買った本であればどこにでも自由に持ち出せるよう
ある以上、コンテンツこそが命ですから。いくら使用感が良い、マルチ
な環境を用意するというのが、私たちのサービスの原点になっている
デバイスに対応していると言ったところで、肝心のコンテンツに魅力が
のです。そしてそのために、マルチキャリア・マルチデバイス・マルチ
なければ本末転倒ですよね。
OS への対応、購入した本は一度 My 本棚にダウンロードすれば、期限
これまで一生懸命コンテンツを獲得してきた結果、今の蔵書数は約 9
を気にすることなくいつでも同期できるなど、所有者の権利を保護する
万 5,000 冊(2012 年 8 月現在)
に達しています。しかし、これでも探し
といった取り組みを行っているわけです。
た本が見つからないことが多いんですね。少なくとも、駅前にあるよう
な書店と同じぐらいのラインナップが揃っていないと。そうした書店の
──その辺りが他社との差別化ポイントになりますか。
蔵書数は 20 万冊と言われています。ですので、紙の本と対等に勝負す
るためには、まずはそこまで増やさないと。そして、最終的には 100 万
三代川 そうとも言えるかもしれませんし、また他社が提供するサービ
冊まで増やす計画です。そこまで行けば、探している本がないというこ
スとの差別化を図るというのも大事なことではあります。ただ、今のと
とは、ほぼないのでは、と考えています。
ころはあまりそこにこだわってはいけないというのが私の考えです。な
ぜならば、現在の私たちの最大のミッションは、人々に「電子書籍ってこ
── 100 万冊までコンテンツを増やすとなると、インフラの整備も戦
んなに便利なんだ」と思ってもらえる環境を整えることなのですから。
略的に進める必要があるでしょうね。
同じ業界内で争っているような段階ではまだないんですよ。まずは同じ
業界の皆が協力して電子書籍市場を大きく広げることに専念して、本格
三代川 はい。この時期までに何冊ぐらいというロードマップを描いて
的な競争に入るのはその次でいいんです。
いますので、それに応じて配信環境の整備をデバイスを巻き込んで実
こうしたステップを踏み違えると、それこそユーザ不在に陥ってしま
施していく予定です。将来的にコンテンツが増えて、それに応じたプロ
いますから。
モーションなどでユーザも増加すると、インフラへの負荷も大きくなる
目標は蔵書100 万冊!
インフラ強化でクラウドの活用も
やはり利便性の面で劣ります。なので、インフラとインフラを運用する
──紙に追いつき、そして追い越すためにさまざまな取り組みを展開
に行き当たりバッタリで対応していたのではダメでしょうし。そこで、急
でしょう。その時に、24 時間365 日、読書環境を提供できないようでは
6
人材の両方に対して、計画的な投資をすることが大事だと見ています。
ただし、問題は予想以上に急激に利用が増えた場合ですね。その時
ユーザエクスペリエンスの向上を目指して、日本発にこだわった電子書籍ビジネスを展開する
現在の最大のミッションは、
人々に「電子書籍ってこん
なに便利なんだ」
と思っても
らえる環境を整えること
三代川裕一
(みよかわ・ひろかず)
2001 年凸版印刷株式会社に入社。着メロサイトや
ゲームサイトの企画運用を担当し、2003 年には
KDDIと協業で携帯コミックサービスの立ち上げを
担当。2005 年分社化、株式会社ビットウェイへ。広
告事業の立ち上げなどを担当し、モバイルコンテン
ツ のビジネスを 担 当 。2 0 1 1 年 1 月の 株 式 会 社
BookLive 設立に立ち上げから参加し、現在は執行
役員兼経営企画本部本部長として事業戦略の中核
を担う。
にトラフィックが集中したり、大きなプロモーションを打ったりした時に、
来的には、HTML5 のようにブラウザ・ベースで DRMが実現できるよう
ピークの需要に対してリアルタイムにインフラを強化できるような仕組
になるのが理想ですし、私たちもそうなって行くのを目指して努力して
みを皆で考えているところです。
いきたいですね。まだまだテクノロジー面でも難しいとは思いますが、
あくまでユーザ本位で考えていくべきだと思います。
──それはクラウドコンピューティングの活用ということですか。
──これからのビジネス戦略についてお聞かせください。
三代川 そういう結論になるかもしれませんね。急な需要の拡大に対
するインフラの対応が実現すれば、かなり安心できるでしょう。これま
三代川 電子書籍市場がこれから拡大していくことはまず間違いない
では、サービスを止めるわけにはいかないためにどうしてもピークに合
でしょう。その市場拡大を見越して海外からも国内の電子書籍ビジネス
わせてインフラを整備してきたのですが、その結果、必要以上にハイス
に参入する動きが活発化しているわけです。
ペックな環境となってしまいがちでした。これでは、コスト的にも大きな
当社としては、こうした動きの中で、読みやすさを徹底的に追求した
負担となります。
フォントであるとか、日本発である漫画のコンテンツであるとかといっ
今のところはまだ需要に比べて充分な環境が整っていますが、来年
たように、日本独自のサービスにこだわっていくつもりです。ユーザエ
にもピーク時の需要に柔軟に対応できるインフラをどうするかといった
クスペリエンスをより快適なものとするために、細部まできめ細かに
悩みが現実のものになると予想しています。
サービスをブラッシュアップしていく構えです。
日本流の繊細さを大切に、
ユーザエクスペリエンスの向上を目指し続ける
念にとらわれずに、誰もが思いもしなかったような角度から新たな電子
そして何よりも大切なのは、
「電子書籍はこういうもの」
という既成概
書籍の可能性を見つけて、この新しい文化を今よりもずっと拡がりのあ
るものにしていくことでしょう。
──これまでにお話された内容のほかに、テクノロジー面で課題と感じ
ていることはありますか。
──最後に、三代川様ご自身がお仕事をするうえで、信条とされている
ことがあればお教えください。
三代川 DRM(Digital Rights Management)
はとても重要な領
域だと思っています。出版社や著者にしてみれば、自分たちの権利がど
三代川 世の中で常識とされていることを「当たり前だと思わない」こ
れだけ守られているかが大事ですし、一方のユーザにしてみれば、
とでしょうか。蛇口をひねれば水が出る、この当たり前のようなことも、
DRMでガチガチに制限されたコンテンツは利便性を欠きます。そこを
水道というシステムを発想し、創造した人たちがいてはじめて現実に
どうやってバランスを取っていくのかが課題になるでしょう。
なっているわけです。当たり前とされていることに「本当にこれでいい
あくまで個人的な見解ですが、現在のようなアプリケーション・ベース
の?」
と常に疑問を投げかける。それが新しい価値を生み出す源になる
で DRMを行うのは時代に反しているのではないかと思っています。将
のだと信じています。
7
Case Study
電子書籍サービス
「BookLive!」を支える
仮想化技術を取り入れた
新IT 基盤を構築
Dell AIMと Dell VIS Creatorを導入し、物理環境と仮想環境にまたがる
運用管理の大幅な効率化と自動化を目指す
カスタマー・プロファイル
企業名
株式会社BookLive
事業内容
電子書籍配信プラットフォーム事
業および電子書籍ストア事業
本社所在地 東京都台東区
Web サイト www.booklive.co.jp
課題
• 分社独立に際して、自前の ITサービス基盤の構築
が求められていた
• 少人数のスタッフで効率的なシステム運用を実現
する必要があった
• コストパフォーマンスを考慮した IT 基盤の拡大が
求められていた
ソリューション
• VMware
の運用
vSphere をベースとした仮想サーバ
®
AIM( Advanced Infrastructure
Manager)を利用した物理環境のリソースプール
• Dell
化と管理
VIS Creatorを利用した仮想環境のセルフ
サービスポータル化
(自動化)
• Dell
• ブレードサーバによる物理サーバと仮想ホスト
サーバの高密度実装
導入効果
• 物理環境から仮想環境までの運用オペレーション
を簡素化して標準化
• 仮想化環境の構築により、新規サーバの調達リー
ドタイムを大幅に短縮
• 将来的なシステム拡張を見据えた、コスト効果の
高いインフラの構築を実現
ソリューションエリア
• サーバ仮想化
• ストレージ仮想化
• 運用管理の自動化
導入システム
ハードウェア
「デルには容易に拡張できる仮想化基盤を提案しても
らいました。今後、仮想化基盤の運用に関して AIM
や VIS Creator が活躍する場面は、ますます広がっ
ていくと考えています」
株式会社BookLive
技術開発本部 本部長
渡辺政彦氏
8
Dell PowerEdge M1000e
Dell PowerEdge M710HD ×15
Dell PowerEdge R610 ×4
Dell PowerConnect 8024F ×2
Dell EqualLogic PS6510E
Dell EqualLogic PS6010XV ×2
ソフトウェア
Dell Advanced Infrastructure Manager(AIM)
Dell VIS Creator
®
VMware vSphere
トッパングループの一員である株式会社 BookLive(以下、BookLive)は、今後
の電子書籍市場の成長をリードすべく、電子書籍配信プラットフォームの構築、お
よび電子書籍ストア「BookLive!」を展開している。そうした同社の事業戦略にお
いて欠かせないのが IT 基盤の整備と、ビジネス規模にあわせた絶え間ないシステ
ム拡張だ。限られたスタッフでのシステム運用管理に臨まなければならない同社
は、デルのソフトウェアソリューションである AIM、VIS Creatorを導入すること
で、物理環境から仮想環境にわたる IT 基盤のオペレーションを自動化。高品質な
サービスの迅速な展開を支えていくIT 基盤の確立を進めている。
拡大する BookLive! のサービス基盤を
少人数のスタッフで管理
BookLive! の サ ービスを提 供してきた。
BookLive 技術開発本部 情報システム部 シ
タブレット PC やスマートフォンなどのモバ
ステム管理チームのチームリーダーを務める
イル端末の普及によって、電子書籍の人気は
小林良浩氏は、次のように語る。
高まる一方だ。米国ではすでに電子書籍の売
「 BookLiveとしてビジネスの独自性を発
上がハードカバーを上回ったとも言われてお
揮していくためにも、やはり自前で IT のサー
り、日本でも急速なマーケットの拡大が予想
ビス基盤を持つ必要がありました。とはいえ、
されている。
私たちシステム管理チームには 6 名のスタッ
こうした成長著しい電子書籍市場に満を持
フしかおらず、限られた人員でいかに効率的
して参入したのが、トッパングループの電子書
かつ信頼性の高いシステム運用を担っていく
籍取次会社である親会社のビットウェイから
ことができるかが課題として挙げられていた
分社し、2011 年 1 月に設立された BookLive
のです」
である。
同 社 が 運 営 す る 電 子 書 籍 スト ア
「BookLive! 」では、リアル書店のような「本
「今回の案件を通じて、デルが
単なるサーバメーカーではな
かったことを実 感しました 。
BookLive の業務をどのベン
ダーよりも深く理解し、練り上
げられた提案や安心感の高い
ワンストップサポートを提供し
てくれています」
株式会社BookLive
技術開発本部 本部長
渡辺政彦氏
物理サーバと仮想サーバの
適材適所の活用を目指す
を探す楽しさ、ワクワク感」をコンセプトに、
こうした さまざま な 課 題 を 抱 える 中 で
検索機能、特集展開、リコメンドなどを充実。
B o o k L i v e が 着 目した の が 、V M w a r e
また、購入した電子書籍をさまざまな端末か
vSphereを利用したサーバの仮想化である。
ら閲覧できるマルチデバイス対応、クラウド上
「電子書籍の配信や顧客情報の管理を担う
の本棚による共有整理、国内の主要電子書籍
データベースサーバなど、高パフォーマンス
フォーマットに一元的に対応する統合ビューア
を必要とするシステムについては物理サーバ
ソリューションなどを提供し、顧客がいつで
での運用を基本としています。しかし、各種
も、どこでも読書を楽しむことができる電子
サービスを提供する Webやアプリケーション
書籍サービスを提供している。
サーバ、開発・検証用のサーバについては、
もっとも、市場の成長とともにますます競
サーバ仮想化を活用したほうがフレキシブル
争が激しくなっていく中で、さらに顧客満足度
な対応が可能となり、ITリソースも有効に利
の高いサービスを提供し業界内でのアドバン
用できるのではないかと考えました」
と小林氏
テージを保っていくためには、それを支える
は言う。
IT 基盤への絶え間ない投資が欠かせない。
そして、2011 年の半ば頃よりこの要望をま
「取り扱う電子書籍の増加、そして顧客の
とめた RFP(提案依頼書)をベンダー各社に
増加とともにシステム規模はどんどん拡大し
投げかけてソリューションを募り、比較検討を
ていく傾向にあり、コストパフォーマンスを徹
行った。そうした中で同社が選択したのが、デ
底した投資の最適化と TCO 削減が至上命題
ルからの提案である。
となっています」と語るのは、BookLive 技
物理サーバならびに VMware vSphere
術開発本部の本部長を務める渡辺政彦氏だ。
の仮想ホストサーバをブレードサーバ「 Dell
その一方で同社に迫られていたのが、自社
「Dell
PowerEdge M1000e」
IT 基盤の独立である。同社が設立されてから
PowerEdge M710HD」を用いて高密度に
しばらくの間、親会社の IT 基盤を利用して
収容。さらに監視・管理用サーバとして「Dell
9
Case Study
「デルは要求仕様を満たすだ
けでなく、常に期待以上のソ
リューションやアイデアを提示
してくれています。製品のコス
トパフォーマンスも非常に高
く、信頼をおいています」
株式会社BookLive
技術開発本部 情報システム部
システム管理チーム チームリーダー
小林良浩氏
10
PowerEdge R610」、プロダクション用スト
なったリソースの回収ならびに再活用、あらか
レージに「Dell EqualLogic PS6010XV」、
じめテンプレート化されたワークロードの自動
バックアップ 用 ストレ ー ジ として「 D e l l
展開といった機能を備えており、業務部門か
EqualLogic PS6510E」を採用している。
ら次々に寄せられる新規サーバの要求に対し
「デルの提案は、ハードウェアから OS 、仮
て、迅速に応えられるようになるのがメリット
想化ハイパーバイザーまでワンストップで提
だ。
供、サポートするというもので、とても心強く
「もともと VMware vSphereに備わって
感じました」
と渡辺氏は言う。
いる vCenter などの管理ツールを利用する
そして、デルの提案を採用する決め手と
ことで、より小回りの利いた仮想化環境の運
なったもう 1 つのポイントが、仮想化インフラ
用を実現できることも理解しています。しか
を効率的に管理・運用していくためのデルの
し、それらの機能を習得し、スタッフ全員が使
ソフトウェアソリュー ション「 D e l l V I S
いこなせるようになるまでには、どうしても長
(Virtual Integrated System)」であった。
期間を要してしまいます。その意味で、グラ
フィカルで分かりやすく、シンプルに構成され
システム運用管理にまつわる作業負荷を
大幅に軽減する 2 つのソフトウェア
た VIS Creator のポータル画面は非常に魅
力的であり、私たちが日常的に利用する等身
デルの仮想化統合管理ソリューションであ
大のツールになりえると考えました」
と小林氏
る VIS、その主要コンポーネントであり、今回
は説明する。
BookLive が導入したのが「 Advanced
(以下、AIM)、
Infrastructure Manager」
ならびに「VIS Creator 」だ。 「物理サーバ
と仮想サーバが混在した運用環境において、
サーバの調達リードタイムを短縮し
業務部門や開発部門からの
要求に迅速対応
日常のオペレーションをいかに簡素化し、標
同社がデルから提案された IT 基盤の導入
準化していくことができるか、と考えていた私
を決定したのは、2011 年 9 月のこと。そして、
たちにとって、AIMと VIS Creator は、RFP
2012 年の年明けと同時に本番稼働を開始し
で提示した期待を超える画期的なソリューショ
た。年末年始をはさみ、実質 3カ月というタイ
ンでした」
と小林氏は語る。
トなスケジュールではあったが、インテグレー
AIM は、物理・仮想問わず、管理者が自由
ションやシステム構築、親会社に間借りしてい
にワークロード
(OS )を移動できるソフトウェ
た旧基盤からの移行を終え、現在にいたるま
アである。さらに「プール化」という概念を有
で安定した稼働を続けている。
しており、サーバリソースの柔軟な割り当て
今回の BookLiveにおける IT 基盤導入で
を可能とするだけでなく、障害発生時には、
最大の課題となったのは、
「システム運用管理
物理・仮想を問わず他のサーバで処理を引き
にまつわる日々のオペレーションを可能な限
継ぐといった冗長構成も実現する。これによ
り自動化し、わずか数名しかいないシステム
り、ITリソースとワークロードの動的な管理を
管理チームの負荷を軽減すること」である。シ
実現する。
ステム構築の要となった AIM ならびに VIS
「AIM を利用すれば、物理サーバで運用し
Creator について、デルのソリューション・
ているデータベースサーバの各ノードに対し
サービス・デリバリー統括本部 コンサルティ
て、必要なストレージ容量を簡単に割り当て
ング第 1 部でソリューション・アーキテクトを務
ることができるようになります。また、物理
める梅谷和広は、
「BookLive 様のシステム
サーバに障害が発生した際には、その上で稼
においては、物理環境を管理する AIM、仮想
働しているワークロードを自動的に別のサー
環境を管理する VIS Creator、それぞれのメ
バに移動して可用性を担保できることも評価
リットを明確に示し、適材適所で使い分ける提
しました」
と小林氏は、AIMに着目した理由を
案を行ったことが、お客様のご要望にフィット
語る。
したと考えています」
と振り返る。
一方の VIS Creator は、仮想化環境のセ
また、今回の提案の骨子を作成するととも
ルフサービスポータル化(自動化)
を実現する
に、三田のソリューション・イノベーション・セ
もので、管理にあたるオペレーターの負荷軽
ンターで両ツールのデモンストレーションを
減を可能とする。ポリシーに基づいて仮想マ
担当した、エンタープライズソフトウェアソ
シンを展開する自動プロビジョニング、不要に
リューション統括本部 エンタープライズソフト
ウェアビジネス開発マネージャーの吉見顕史
は、
「ワークロード管理の仕組みやポータル画
面の使い方など、システム運用管理の自動化
のあり方を、実務に近い形でイメージしてい
ラックサーバ
ブレードサーバ
PowerEdge R610
PowerEdge M710HD
インテル®
Xeon プロセッサー
5600番台搭載
ITA(ハードウェア 監視)
ただけるよう留意してきました」
と説明する。
インテル®
®
PowerEdge M1000e
仮想サーバ
Dell VIS Creatorにて
AIM管理サーバ
一方、システムズ・ソリューション統括本部
Xeon® プロセッサー 5600番台搭載
仮想化配備の自動化
システムズ・コンサルティング第二部の波多江
玲は、ハードウェア構成設計を担当してきた視
点から、今回の提案のポイントを次のように語
VMware vCenter
PowerConnect 8024F
物理サーバ
(iSCSI用 ネットワーク)
る。
「お客様の IT 基盤は今後もどんどん拡張し
予備機
ていくことが予想されるため、将来的にもプ
Dell AIMにて
N+1冗長性を実現
ラットフォーム間に互換性などの問題が生じる
ことがないよう十分に配慮し、設計にあたりま
した。こうしてアーキテクチャの一貫性を保つ
ストレージ
ストレージ
EqualLogic PS6510E
EqualLogic PS6010XV
ことが、システム運用管理の自動化にもつな
がっていきます」
レプリケーション
仮想・物理サーバを
一元的に管理でき、
かつ仮想サーバの
運用自動化機能を持つDell
VIS
システム構成図
ちなみに、現 状で合 計 15 台 用 意された
サーバモジュールのうち、10 台を物理サー
バ、5 台を仮想ホストサーバとして利用してい
る。また、仮想ホストサーバ上で稼働している
が出るという見込みを得ました。ただし、仮想
仮想マシンの数は、すでに50 台を突破した。
化の導入によって運用管理の作業が複雑化し
「これまで物理サーバを調達するには、ベン
てしまったのでは、まったく意味がありませ
ダーへの見積依頼に始まり、設置からシステ
ん。物理サーバの集約といったハードウェア
ムのインストールを終えるまでに 1カ月近い時
調達コストの削減だけでなく、システム運用コ
間を要していました。仮想マシンとして提供で
ストまで含めたトータルな TCO 削減が私た
きるようになった現在、こうしたリードタイム
ちの希望であり、そうした中で AIM や VIS
はほとんどありません。業務部門のユーザに
Creatorが果たす役割が、非常に重要な鍵を
とって、そのサーバが物理なのか仮想なのか
握っています」
(渡辺氏)
といった違いを意識する必要はなく、調達ス
仮想サーバの利用の急拡大が当初予想して
ピードが格段に早くなったことで、お客様の要
いた以上のペースで進んでいることで、リ
求にも迅速に対応できるようになったと高い
ソースの消費も想定以上に進行しているとい
評価を得ています」
と小林氏。
う。
「開発部門で利用する検証用サーバについ
「ある程度余裕を持たせたつもりで導入し
ても、物理サーバを調達していた当時は予算
た IT 基盤ですが、早くも拡張を検討しなけれ
上の問題から低スペックの機器に抑えなくて
ばならない段階を迎えました。もっとも、今後
はならず、それが原 因でトラブル が起こる
の電子書籍市場の成長ペースを考慮すれば、
ケースもありました。それが現在では一時的
現状の 5 倍、10 倍といった大規模なリソース
な利用であれば、本番環境と同等のリソース
が必要とされる時期もそれほど遠くないと予
を割り当てた仮想マシンを作って提供するこ
想され、ネットワークスイッチなど足回りの強
とも可能となり、さまざまなサービスの信頼
化も含め、ストレージ容量の増強、より高速な
性向上に大きく貢献しています」
と渡辺氏も語
CPU や大 容 量メモリを搭 載したサ ーバモ
る。
ジュールの追加など、さまざまな施策を随時
そして渡辺氏は、コスト削減についても大
検討していきます。デルにはそうした拡張に
きな期待を寄せている。
容易に対応できる IT 基盤を最初から提案して
「 IT 基盤に仮想化技術を導入することで、
いただいており、とても感謝しています。ま
実際にどれくらいのコスト削減が期待できる
た、そうした中で AIMや VIS Creatorが活躍
のか。構想の初期段階で IT 基盤のすべてを物
する場面も、ますます広がっていくと考えてい
理サーバで構成したケースと比較したシミュ
ます」と渡辺氏は、IT 基盤の継続的な拡充を
レーションを行い、数年後には 2 倍近い開き
図っていく考えだ。
第12 世代
ブレードサーバ Mシリーズは、
PowerEdge
®
®
インテル Xeon プロセッサー E5ファミリー
に対応しています。
インテル Xeon プロセッサー
E5-2600 製品ファミリーは、IT
の 多 様 な 要 件 に 対 応 する柔 軟
性と効率性に優れたデータセン
ターの新基準となるプロセッサー
です。このプロセッサーの優れた
テクノロジーは、パフォーマンス、機能、コスト効率の最
適な組み合わせが得られるように設計されています。仮
想化やクラウド・コンピューティングから、設計自動化シス
テムやリアルタイムの金融取引に至るまで、これまで以
®
上に優れたパフォーマンスを発揮します。インテル イン
テグレーテッド I/O により、I/Oレイテンシーを削減し、
データ転送のボトルネックの解消、運用の最適化、機敏
®
®
性の向上を支援します。インテル Xeon プロセッサー
E5-2600 製品ファミリーは、次世代データセンターの
新基準となる汎用性の高いプロセッサーです。
®
®
11
Solution Column
データセンター統合管理ソリューション
「 VIS Creator」
VIS は「Virtual Integrated System(VIS)」の略称であり、デルが 2010 年に発表した、データセンター統合管理ソ
リューションの総称です。VISによって、日常のデータセンター業務にかかわるツールや作業項目を削減し、さらに作業の自動
化を進めることで、ITインフラストラクチャ全体の効率向上や、仮想化のメリットをより享受できるようになります。すべての
ITリソースを、製造元を問わず 1 つのプールとして管理できるため、既存の投資を有効活用することが可能です。VISは、2 つ
のコンポーネントで構成されており、すべてを利用することも、必要なコンポーネントを選択して利用することもできます。ま
た他社のさまざまなシステム管理製品と組合せることでお客様の多様なご要望に対応することも可能です。
以下、VIS のコンポーネントである
「Dell VIS Creator」について説明します。
デル株式会社 グローバルインフラストラクチャーコンサルティングサービス グローバルソリューションアーキテクト 諸岡
仮想マシンの
ライフサイクル管理を実現
賢司
「利用・管理」
「アーカイブ」
「廃棄」
といった一連のライフサイクル管理を
行う機能が必要であり、VIS Creatorではこれらの状態管理を行うこと
でスプロール問題に対処しています。
「Dell VIS Creator」は、仮想化環境における仮想マシンのプロビ
ジョニングの手間を削減し、ITガバナンスに基づいた仮想マシンのライ
②開発用途や特定業務に対する課金、コストの可視化
フサイクル管理を行うソフトウェアです。
VIS Creatorは CPU、メモリ、ディスク容量ごとに単価を設定するこ
プロビジョニング先は VMware ESXi や Microsoft Windows
とで ITリソースの課金や監査の資料とすることが可能です。AWSに対
Server 2008 R2 Hyper-V、Amazonパブリッククラウドサービス、
する課金設定も行えます。
物理サーバへの VMware ESXiインストールなど、マルチベンダー対
応となっています。
またワークフロー機能によりプロビジョニングにおける承認フローや
CMDBとの連携によるIT資産管理も実現可能です。
VIS Creator は内部的に VMware vCenter や Microsoft
System Centerといった管理ツールとの通信を行い、それらが対象と
する仮想マシンを、VIS Creatorの単一 GUIからプロビジョニング操作
することが可能です。
VIS Creatorの利用シーンとして下記のいくつかが考えられます。
①仮想マシンのライフサイクル管理
かつてサーバが乱立し、仮想化技術によってサーバ集約が行われてき
ました。しかし現在では、仮想マシンが乱立し、使われているかどうか不
VIS CreatorAMI の一覧
明の仮想マシンが増加するという、スプロール問題が起こっています。
そうしたことから仮想マシンには、
「申請」
「承認」
「プロビジョニング」
VIS Creatorによるプロビジョニング
12
VIS Creator の AWSインスタンスタイプ
③管理者のプロビジョニング作業の自動化、負荷軽減軽減
とができます。
ワークフロー機能により、あらかじめ承認プロセスやプロビジョニング
4 番目の EBS 対応は、VIS Creator の他のストレージと同様な操作
方法を設定しておくことで管理者のプロビジョニングに関わる一連の作業
感で EBSを扱うことが可能となり、課金管理の下で利用者毎にディスク
を簡略化可能です。ITスタッフが少ないお客様での利用が効果的です。
容量の上限下限設定や、EC2インスタンスとの接続・解除ができるよう
になります。
④管理担当者の負荷軽減
5 番目の Elastic Load Balancing対応は、ロードバランサー機能の
セルフサービス機能により、管理者によるプロビジョニングではなく、
提供で、VIS Creatorから各 ELBに対応する EC2インスタンスを関連
ユーザ自身が簡単なメニュー画面からプロビジョニングを行うことが可
づけたり、プロビジョニング時にELBを指定することが可能となります。
能です。その際にも、ユーザ向けの簡素化した操作画面を提供していま
以上、簡単に VIS VIS Creator の紹介と利用シーン、v2.2 の新機能
す。また、利用アプリケーションの種類に応じた仮想マシンのテンプレー
などについて述べてきました。VIS Creator は単体での利用はもちろ
トを事前に準備しておくことで、プロビジョニング時の負荷軽減や迅速な
んですが、他のシステム管理製品との組合せることでさらなる自動化
プロビジョニングが可能となります。
や、ITIL ベースでの運用効率化も実現可能な製品です。これら VIS の事
例やホワイトペーパー等は末尾に記載したサイトから入手可能となって
⑤安価なパブリッククラウド上でガバナンスに基づいた開発環境の実現
いますので是非ご覧ください。
開発環境を資産として持たず、パブリッククラウドを開発環境として利
用可能にし、プロジェクトコストとして計上できるようにします。
グローバル事例では、セキュリティや監査のための可視化を重視する
銀行において、行内向けとして数万∼ 10 数万の行員に対する VDI 機能
を VIS Creator が提供しています。また各仮想マシンごとに課金設定
がされており、企業としてのコストの可視化を実現しています。
多彩な機能拡張が施された
VIS Creator v2.2
2012 年 8 月に VIS Creator の最新バージョンである v2.2 が利用可
能となりました。v2.2ではさまざまな機能追加や改善がなされています
VIS Creator_AWSプロビジョニング
が、目玉としては以下の AWS機能の強化があります。
①EC2 対応
②VPC
(Virtual Private Cloud)
対応
③Elastic IP対応
④EBS対応
⑤Elastic Load Balancing対応
最初の EC2 対応ですが、これによって AWS のサーバ機能を VIS
Creator 経由で提供することが可能となります。VIS Creator の画面
に AMI 一覧が表示され、利用者は企業の課金管理、承認ワークフロー、
ライフサイクル管理の下で EC2を利用できます。
VIS Creator_ダッシュボード
2 番目の VPC対応により、AWS側に企業の仮想プライベートクラウド
環境を構築できます。また AWS 側と企業側は VPN 接続によりセキュリ
ティが確保されます。この 2 点により、企業はAWSをDRサイトや企業ネッ
トワーク、サーバ機能等を AWSクラウド側へ拡張できるようになります。
また、それらに対して、VIS Creatorからの統一操作が可能となります。
3 番目の Elastic IP 対応は、固定のグローバル IPアドレスを AWS 側
が提供するもので、VIS Creator から EC2 インスタンスに対して固定
●デルサイト:
http://www.dell.co.jp/ ●デルテックセンター
http://ja.community.dell.com/techcenter/default.aspx
●検索キーワード:
VIS、Creator
YouTubeデモ:http://www.youtube.com/
●
YouTube 検索キーワード:「Dell Creator」
●
IPを割り当てたり、固定 IPを VIS Creatorグループで共有利用するこ
13
Dell Strategy
“第3 の波”
に乗り、変革を起こす
デルのネットワーク戦略
「選択」
「ソリューション」
「イノベーション」
「価値」の強みを活かし
次世代のコンバージド・インフラストラクチャを提唱
サーバ&デスクトップの仮想化、ワークロード&エンドユーザの移動性、クラウドベースのアーキテクチャといった新たなコン
ピューティング環境の進展に伴い、それを支えるネットワーキングの領域においても変革が求められている。ネットワークにお
ける
“第 3 の波”
と呼ばれる時代に向けてデルは、仮想ネットワーク・アーキテクチャをベースとした包括的なネットワーク戦略を
展開。仮想化技術がサーバの分野で起こしてきたイノベーションに匹敵する変革を、ネットワーキングの世界で促していくこと
を目指す。
デルのネットワークの 4 つの強みで
オープンな市場を創出していく
していく。そして「価値」とは、デルが長年に
ロード分散のためのオープンフレームワーク
わたって築いてきた、サプライチェーン管理
を目指す
(図3)。
1970 年代から 1980 年代のメインフレー
によるビジネス・テクノロジーからもたらされ
「 VNA のコンセプトのもと、端的に言えば
ムを中 心とした第 1 の 波 、1990 年 代から
るバリューとなる。
仮想化がサーバの世界で起こしたイノベー
ションに匹敵する変革を、ネットワーキングの
2000 年代のクライアント/サーバによる第
2 の波を経て、2010 年代を迎えた現在、仮
世界でも起こしていきたいと考えています。
想化時代という名の第3 の波に突入している。
拡大するデータセンターネットワークに
フラット化された最適なファブリックを提供
仮 想 化やクラウド化によって拡 大を続ける
この第3 の波において求められているのが、
そうしたデルが推進する新しいネットワー
データセンターに最適なファブリックを提供
IT の多様な構成要素を有機的に集束する「コ
ク・アー キテクチャが 、
「 VNA 」
( Virtual
し、柔軟なスケールアップ&スケールアウトを
ンバージド・インフラストラクチャ」である。米
Network Architecture:仮想ネットワーク・
支援、さらなるパフォーマンス向上に貢献し
国デル グローバル・ネットワーキング・セール
アーキテクチャ)だ。
「革新的で実践的」
「シン
ていきます。また、仮想化されたサービスの
ス担当 バイスプレジデントのアームガン・アー
プルな動作」
「オープンで柔軟」といった特長
複雑な処理をシンプルにするとともに、モバ
マッドは、この新たな潮流を見据えたデルの
を主軸とした、効率的な IT インフラとワーク
イル化が進むビジネスのニーズにも応えてい
基本戦略を次のように語る。
「デルは、サーバとストレージ、ネットワー
ク、ソフトウェア、セキュリティ、サービスのす
べてを包括したコンバージド・インフラストラ
クチャを提 供したいと考え、2009 年から
キャンパス
スイッチング
PowerConnect
データセンター
スイッチング
Dell Force 10
無線LAN
PowerConnecet
Wシリーズ
ブレードI/O
PowerConnecet
Mシリーズ
2012 年にかけて実行してきた積極的な買収
戦略と自社努力によって、ポートフォリオを拡
充してきました(図 1)。なかでもネットワーキ
ングは、IT のあらゆる要素を結びつける共通
項として非常に重要な鍵を握っており、デル
は独自の
“強み”
を持った新しいネットワーク・
アーキテクチャを推進していきます」
アーマッドが挙げるデルのネットワークの強
みとは、
「選択」
「ソリューション」
「イノベー
・ 1/10/100 GbE
・ 16/8/4 Gbps FC
・ FCoE、iSCSI
・ 無線LAN
・ モジュラーシャーシ
・トップオブラック・I/Oブレード
・ アダプタ
・ 管理
図1 デルのネットワーク製品ラインナップ
ション」
「価値」の 4 つである
(図2)。
「選択」では、現在のネットワーク製品市場
の寡占状態を打破し、エコシステムに根ざし
た高信頼かつ競争力のある選択肢を提供す
る。
「ソリューション」では、エンタープライズ
IT のためのエンド・ツー・エンドのソリューショ
ンを拡充。
「イノベーション」では、デルの独
自視点に基づいた変革を促していく。例えば、
選択
ソリューション
イノベーション
価値
価値のある
エコシステムに
根差した、
ネットワーク
マーケットにおける
信頼できる選択肢
エンタープライズIT
のための特長的な
「End-to-End」
の
包括ソリューション
10年を超える
イノベーションと
アーキテクチャ
リーダシップ
サプライチェーン
管理による比類なき
ビジネス
テクノロジーの価値
より省電力、より省スペース、より低コストを
追求した製品を、この取り組みの中から提供
14
図2 デルのネットワークの強み
きます」
(アーマッド)
VNA のもとでネットワークは、具体的にど
40 ギガビットイーサネットに対応した
ブレード型スイッチを市場に投入
のように変わっていくのだろうか。その方向性
こうした VNA のコンセプトを具体化するエ
を象徴するキーワードの 1 つが、
「ネットワーク
ポックなスイッチとして、デルが新たにリリー
のフラット化」である。
スしたのが「Dell Force10 MXL」である
(写
「第 2 波までのネットワークは、基本的に
真1)。
シャーシ型スイッチを用いたコア、ディストリ
デル ESO ネットワーキングソリューション
ビューション、アクセススイッチの 3 階層で構
ズのネットワーキングシニアマネージャを務め
成されていました。第 3 の波に向けてデルは、
る草薙伸は、同スイッチをこのように紹介す
こうした過去のネットワーク・アーキテクチャか
る。
らの脱却を進めていきます。コンパクトで高
「Dell Force10 MXLは、Dell PowerEdge
写真1 Dell Force10 MXL
となくサーバならびにストレージ間の通信を
密度なスイッチを活用した分散化コアデザイ
M1000eに収容するよう設計されたブレード
行う、すなわちシャーシ内 のすべてのトラ
ンによる、2 階層もしくは 1 階層のシンプルな
型のスイッチです。昨年買収した Force10 の
フィックを Dell Force10 MXL で完結するこ
ネットワークを提唱しています」
(アーマッド)
テクノロジーを初めてデルのサーバ製品と物
とが可能となります。さらに、10GbE のイン
ネットワーク階層をフラットにすることでス
理的に統合したという意味で、非常に大きな
ターコネクトおよび 40GbE のアップリンクを
イッチの台数を減らし、省スペース、省電力、
マイルストーンとなる製品です」
備えた ToRスイッチと接続することで、ラック
省コストといった効率化を実現することがで
Dell Force10 MXL は、10GbEポートを
内はもちろん、ラックをまたいだサーバやスト
きる。加えて分散化コアデザインに基づいた
最大 32 個備えるとともに、前面にはアップリ
レージに対しても、ケーブル数を最小限に抑
ネットワークでは、従来のように最初から大き
ンクとして使 用する 40GbE( QSFP+ )、
えつつ、フルワイヤスピード/ノンブロッキン
なシャーシ型スイッチを導入する必要はなく、
10GbE(SFP+)、10GBase-Tをサポートす
グの 10GbE 環境を提供することができます。
ボックス型コアスイッチのスケールアウトによ
る FlexIO モジュールを装着できる 3 つの拡
10GbE のインタフェースを搭載したサーバ
る拡張、すなわち需要の伸びにあわせて拡大
張ベイが用意されている。
が主流になりつつある現在、ノンブロッキング
を図っていくスモールスタートが可能になる
「 Dell Force10 MXL を用いることで、
の 10GbE 環境をエンド・ツー・エンドで提供
というメリットがある。
ToR(Top or Rack)スイッチを経由するこ
できることは、今後のデータセンターネット
ワークにおける必須要件になると考えられま
す」
(草薙)
加えて Dell Force10 MXLで特筆すべき
デルの仮想ネットワークアーキテクチャ
が、DCB(Data Center Bridge)
によるロ
サーバの仮想化のコンセプトをネットワークに
仮想ネットワーク
アーキテクチャ
(VNA)
スレス Ethernetをサポートしたことである。
「これにより、FCoE( Fibre Channel
革新的で
実践的
シンプルな
動作
オープンで
柔軟
効率的なITインフラとワークロード分散のためのオープンフレームワーク
拡張性のある
データセンター
・分散コア型ファブリック
ソリューション
(10/40)
・省電力、
省スペース
・すべてのキャンパス&データ
センターに対応可能な
スケールアップ&スケール
アウトパフォーマンス
仮想化されたサービス
複雑な処理をシンプルに
・オープンオートメーション
フレームワーク&FTOS
・仮想マシン
-VLANモビリティ
・円滑なインテグレーション
(ストレージ、
サーバ、
クラウド、
ワークロード)
・L4-7サービスの仮想化
ビジネスの
モビリティ化
・デスクトップ、
デバイス、
ユーザのモビリティ
・インフラ、
エンドポイント
プロテクション
・仮想デスクトップ
・Dell クラウドサービス
over Ethernet)と iSCSIを混在させたスト
レージ環境を、1 台の Dell Force10 MXLで
統合することが可能となりました」
(草薙)
コンバージされた柔軟な I/O サポートに
よって、ネットワーク運用効率のさらなる向上
と管理にまつわる作業負荷の軽減、コスト削
減が実現されるようになるわけだ。
そして今後、デルでは VNA のコンセプトを
さらに具現化していくため、さらなるネット
ワーク製品群のポートフォリオを拡充していく
構えだ。第 3 波を乗り切り、さらなるネット
ワークテクノロジーの進化を促進させるデル
図3 デルの仮想ネットワークアーキテクチャ
のネットワーキング戦略に期待が寄せられる。
15
Dell Strategy
効率的な ITインフラと
ワークロード分散のためのオープンフレームワーク
∼デルが仮想ネットワーク・アーキテクチャで目指すもの∼
デルが推進するネットワーク戦略の中核となる VNA
(Virtual Network Architecture)
とはいかなるものなのか。
米国デル グローバル・ネットワーキング・セールス担当 バイスプレジデントのアームガン・アーマッドに詳しい話を聞いた。
急増するサーバ間のトラフィックに対応し
ネットワーク階層をフラット化
セススイッチ の3階層で構成されたネットワークにおいて、例えば
̶̶仮想化時代の第 3 の波に対して、デルは VNAを展開していくと聞
バに移動させる場合、アクセススイッチからいったんコアスイッチまで
アーマッド 従来のコアスイッチ、ディストリビューションスイッチ、アク
vMotion(ライブマイグレーション)などによって VMを別の物理サー
きました。この VNA がいかなるものなのか、もう少し詳しく教えてくだ
さかのぼってルートを確保しなければなければならないケースがありま
さい。
す。その場合、ホップ数が増えて遅延が発生してしまいます。
アーマッド 第 2 の波、すなわち前世代までのネットワーク・アーキテク
きます。当然のことながら、スイッチの数が増えれば増えるほど、それ
チャは、クライアント/サーバ環境における North to South(縦方
を管理する多くのスタッフが必要となり、管理そのものも複雑になって
向)のトラフィックに対応することを目的としていました。しかし、第 3 の
運用コストが膨らんでいきます。
また、ネットワークの拡大とともに相乗的にスイッチの数が増えてい
波を迎えた現在では、物理サーバにまたがる VM(仮想マシン)の移動
や、Hadoopに代表されるビッグデータの超並列分散処理など、複数
̶̶そこでネットワーク階層のフラット化が重要になるのですね。
のサーバ間での East to West
(横方向)のトラフィックが急増していま
す。この East to West のトラフィックを効率的に処理するための、新
アーマッド そういうことです。VNA の特長の 1 つである分散化コアデ
しいネットワーク・アーキテクチャのコンセプトとして提唱しているのが
ザインによって、2 階層もしくは 1 階層のフラットなネットワークを構成
VNAなのです。
することで、離れた物理サーバに VMを移動させる場合でも、2 回以下
のホップ数で済むことになります。また、あるアプリケーションがどの
̶̶逆に言えば、前世代のネットワーク・アーキテクチャでは、East to
VM 上で稼働しており、その VM をどの物理サーバに移動したのかと
West のトラフィックに上手く対応できないということですか。
いった状況を、容易にトラッキングできるようになります。
ネットワークの構造がシンプルになってスイッチの数が減り、管理者
の負荷が軽減されるなど運用面でも大きなメリットがあります。
40GbE/10GbEソリューションに
先駆的に取り組み業界をリード
̶̶今回発表された Dell Force10 MXL は、VNAを体現するスイッ
チの 1 つとして大きな意味を持つのですね。
アーマッド Dell Force10シリーズのスイッチとして、初めてデルの
ブレードシステムと統合された MXLは、同じシャーシ内に実装された複
数のサーバやストレージを直結。ToR スイッチを介さないフラットな
ネットワークを構成することで、East to West のトラフィックに対して
も優れたパフォーマンスを提供することができます。
̶̶East to West のトラフィックに強いネットワーク・アーキテクチャ
というのは、デルだけの特長なのでしょうか。
米国デル
グローバル・ネットワーキングセールス担当
バイスプレジデント
アームガン・アーマッド
16
アーマッド ネットワーク階層のフラット化は現在の業界全体のトレンド
でもあり、他社からもさまざまなアーキテクチャが提供されています。
ただ、そうした中でデルが他社をリードしていると自負しているのは、
40GbE/10GbEのソリューションに先駆的に取り組んでいることです。
することではありません。VNA のコンセプトのもとで提供していくの
仮想化やクラウド化の進展、さらに画像や映像、音声、テキスト・デー
は、あくまでも第3 の波に対応したネットワークのソリューションです。
タ、ドキュメント、Webコンテンツ、電子メールといったデータタイプ
例えば最近、デルはセキュリティベンダーである米国ソニックウォー
の多様化によってワークロードそのものが大きく変化しており、より大
ルを買収し、次世代ファイアウォールやリモートアクセス、メールセキュ
きなネットワーク帯域幅に対するニーズは高まる一方です。第 3 の波に
リティといったソリューションを提供する製品を Dell SonicWALLシ
おける、こうしたスループットを含めたネットワークの課題にトータルで
リーズという新ブランドとして加えました。これもまた VNA のもとでソ
応えていくことが、VNA のコンセプトなのです。
リューションを厚くしていくという戦略の一環です。
̶̶その意味では、Dell Force10 MXL の他に、どんなスイッチ製品
̶̶次の一手として進んでいる構想もあるのでしょうか。
を核として VNAを展開していくことになるのでしょうか。
アーマッド 2012 年 9 月、新たにブレード型 Dell EqualLogicシリー
アーマッド データセンターネットワークの領域では、コンパクトな 2U
ズ「PS-M4110」の販売を開始しました。これによってサーバ、iSCSIス
の筐体に 40GbE ポートを 32 ポート高密度実装したボックス型コアス
トレージ、ネットワーキングのすべてのデル製品を1つのブレードシャー
イッチの Dell Force10 Z9000、40GbEアップリンクをサポートし
シに収めたプラットフォームが完成します。さらに、これらの機器を一元
た ToRスイッチの Dell Force10 S4810 などが、主力になっていくの
的なコンソールから管理できるソリューションを提供しようとしていま
ではないかと考えています。先ほど申し上げた分散化コアデザインに
す。
「スカイホーク」
というコードネームで開発を進めているもので、デ
最適なファブリックを提供するのがこれらのスイッチであり、
「リーフ
ルが指向するコンバージド・インフラストラクチャを具現化するソリュー
(葉)/スパイン
(幹)型」
と呼ばれる、シンプルかつ拡張性の優れた 2 階
層ネットワークを実現します。
ションとして、ご期待をいただけたらと思います。
また、ネットワークの仮想化という観点において SDN( Software
また、これらのスイッチを Dell Force10 MXLと組み合わせること
Defined Networking)への関心が高まっており、現時点では詳しい
で、ブレードシャーシ内、ラック内、ラック間のすべてにおいて、ノンブ
ことは申し上げられませんが、デルとしてもいくつかのスイッチの
ロッキング、フルワイヤスピードの 10GbEソリューションをエンド・ツー・
OpenFlow 対応なども予定していますので、ご期待いただければと思
エンドで提供することが可能となります。
います。
さらに今後は、社内(キャンパス)ネットワークの分野においても、
VNAを見据えた Dell PowerConnectシリーズの活用・機能強化を
図っていく考えです。
サーバ、iSCSI ストレージ、ネットワーキング、
さらに管理コンソールまでを一体化
̶̶VNA のコンセプトのもとで、引き続きスイッチのラインナップを強
化していくのでしょうか。
アーマッド デルは、すでに申し上げた Dell Force10 シリーズや
Dell PowerConnectシリーズのほか、無線 LANソリューションの
Dell PowerConnect W シリーズ、SAN( Storage Area
Network)や FC(ファイバーチャネル)によるストレージ接続をサポー
トする Dell PowerConnect Bシリーズといったラインナップを用意
しており、今後もそれぞれのカテゴリで充実を図っていきます。
しかし、デルが目指しているのは、これらのスイッチ製品を単に拡販
17
New Dell
標的型攻撃にも対応し、
アプリケーションの可視化/制御を実現する
「Dell SonicWALL 次世代ファイアウォール」
日々、セキュリティ上の脅威は増加し続けており、
「標的型攻撃」といった新たな攻撃手法が登場するとともに、その対象も大
企業のみならず中小企業にも拡大し始めている。また、SNS などの普及に伴うセキュリティリスクの増加や、さまざまな Web
アプリケーションを媒介とした脅威も登場、従来型のファイアウォールのみでは、これらのアプリケーションを制御
することが困難となっている。こうした課題を解決するものが、
「Dell SonicWALL 次世代ファイアウォール」だ。
Dell SonicWALL セールスエンジニア マネージャー 澁谷 寿夫
標的型攻撃への対応
はいかにも通常のメールと思わせる攻撃も多く、入口対策のみでは防
標的型攻撃の対象は大企業だけではなく中小企業にも拡大し始めて
そういった場合に有効となるのが、出口対策です。感染した端末の多
御しきれない場合があります。
います。
「Dell SonicWALL 次世代ファイアウォール」は、標的型攻撃
くは 、外 部 の コンピュー タと情 報 の やり取りを 行 い ます 。D e l l
だけでなくアプリケーションの可視化/制御にも対応する次世代ファイ
SonicWALLが提供するボットネットフィルタを利用することで、それら
アウォールです。
ボットネットのサーバとのやり取りを防ぐことが可能となります。
今までは不特定多数を狙ったスパムメールや、ウイルスを添付した
Dell SonicWALL 次世代ファイアウォールが提供するセキュリティ
メールなどを利用した攻撃が多く、ゲートウェイアンチウイルス/アン
機能を図1に示します。
チスパイウェアなどで対応することが可能でした。
近年では、ニュースでの報道もあったように特定の企業をターゲット
とした標的型攻撃が増えてきています。標的型攻撃というと、これまで
は大企業が狙われるというイメージがありましたが、最近では企業の規
次世代ファイアウォールの必要性
近年 SNSやさまざまな Webアプリケーションの登場により、今まで
模を問わず狙われ始めています。
のファイアウォールのみでは、これらのアプリケーションを制御すること
外部からの攻撃を防ぐ手段(入口対策 )として、ゲートウェイアンチウ
が難しくなってきています。
イルス/侵入防御/アンチスパイウェアを利用するというのは非常に
また、勤務時間内におけるこれら SNS の利用が問題となる場合が増
有効な方法です。
えてきており、SNSによるインターネット回線の帯域の圧迫による業務
Dell SonicWALL では、これらの機能が 1 つのライセンスで提供さ
への影響のみではなく、生産性の低下が問題となっています。
れており、ライセンス購入後有効にするだけで企業のネットワークを守
そこで必要とされ始めたのがアプリケーションレベルでの識別と制御
ることが可能です。
になります。
また、Windowsファイル共有にも対応しているので、ファイルサー
Dell SonicWALL 次世代ファイアウォールでは、通過するすべて
バの前に設置することで、容易にファイルサーバ経由でのウイルスの
の通信がどのようなアプリケーションなのかを識別し、シングルサイン
拡散を防ぐことができます。
オン環境下ではどのユーザがどういったアプリケーションを利用してい
しかし入口対策のみでは、外部に持ち出しているうちに感染してし
るかまで、把握することが可能です。
まったパソコンからの攻撃を防ぐことができません。また、標的型攻撃
すべてのパケットからマルウェアを取り除き、その上でポリシーに基
大規模ネットワーク、データセンター向け
SuperMassiveシリーズ
大規模・中規模ネットワーク対応
次世代ファイアウォール
NSA E-Classシリーズ
中規模・拠点向け
次世代ファイアウォール
NSAシリーズ
18
小規模・拠点向け
次世代ファイアウォール
TZシリーズ
づいたアプリケーションの制御を提供することが可能です。
Dell SonicWALL 次世代ファイアウォールは、以下の 2 つの特徴が
アプリケーションコントロール
あります
(図2)。
マルウェアを配布する不正なURLをブロック
コンテンツフィルタ機能
:
Reassembly Free Deep Packet Inspection(RFDPI)
アンチウィルス機能
再構築不要な DPI
ゲートウェイアンチウイルスなどのセキュリティサービスを有効にし
利用が禁止されているアプリケーションをブロック
(Skype、
Facebook、Twitterなど)
ファイルに含まれたウィルスをブロック
アンチスパイウェア機能
た場合、すべての通信のデータにマルウェアがないかチェックを行いま
ウィルス感染後のコールバック通信をブロック
IPS機能
す。その際、他社などが利用するアーキテクチャでは、一度メモリ上に
パケットを再構築する必要があります。
ボットネットフィルタ/
実際の例を挙げると、10MB の画像をホームページからダウンロー
C&Cサーバやアクセスしない国への通信をブロック
地域別フィルタ機能
ドする場合、10MB 分のパケットを集め再構築し元の画像をメモリ上に
図1 Dell SonicWAL のセキュリティ機能
作成します。その後、そのファイルがマルウェアに感染しているかどう
ルウェアのチェックが可能です。
かを確認します。
この場合の問題点は以下の 2 点です。
マルチコアアーキテクチャ
必要とされるすべてのセキュリティ機能を有効にした場合、通常では
①再構築するためのメモリサイズに上限がある:制限サイズ以上のファ
かなりのパフォーマンス劣化が考えられます。マルチコアアーキテク
イルにマルウェアが含まれていた場合チェックできない
チャを採用することにより、すべてのセキュリティサービスを有効にした
場合(フル DPI)でも、お客様の要求に答えるパフォーマンスを提供する
②再構築のための遅延が発生する:VoIP など低遅延が必要なアプリ
ケーションに問題が発生する
ことが可能です。
Dell SonicWALL 次世代ファイアウォールでは、1コアから最大 96
Dell SonicWALL の RFDPIでは、これら 2 つの制限がありません。
コア
(SuperMassive)
まで対応しています。これによりお客様の要求
したがって、電子カルテや動画といった大きなファイルでも遅延なくマ
するパフォーマンスに合った製品を選択できます。
Reassembly Free Deep Packet Inspection(再構築不要なDeep Packet Inspection)
■パケットを再構築する場合のプロセス
トラフィック
イン
■パケット再構築なしの場合のプロセス
トラフィック
アウト
プロキシエンジン
パケット再構築
およびスキャン
再構築不要な
パケットスキャン
トラフィック
イン
インスペクション
キャパシティ
インスペクション
キャパシティ
排除された脅威および
ビジネス以外のトラフィック
スキャンされない
パケット
排除された脅威および
ビジネス以外のトラフィック
ウイルス、
ワーム、
トロイの木馬、
スパイウェア、
フィッシング攻撃、新たな脅威、
インターネットの脅威
他社のアーキテクチャ
Dell SonicWALLのアーキテクチャ
マルチコアアーキテクチャ
■従来のシングルCPUアーキテクチャ
正常なパケット
IPS
ファイアウォール
■パケット再構築なしの場合のプロセス
アンチウイルス
正常なパケット
ウイルス
負荷を分散して処理
検査済みパケット
ウイルス
LAN内へ
正常なパケット
ウイルス
正常なパケット
従来の
シングルCPU
シングルCPU
ファイアウォール
検査済みパケット
異常なパケットは破棄
正常なパケット
ウイルス
正常なパケット
検査済みパケット
次世代
ファイアウォール
マルチコアCPU
LAN内へ
検査済みパケット
検査済みパケット
異常なパケットは破棄
図2 RFDPIセキュリティエンジン&マルチコアアーキテクチャ
19
Case Study
“スピード”
を実現する
仮想化基盤を構築し、
さまざまなニーズに応える
サービスを提供
顧客関係管理
(CRM)
サービス品質を高めながら高い運用効率の IT 環境を実現
カスタマー・プロファイル
企業名
シナジーマーケティング株式会社
主な事業
各種 CRMクラウドサービスの提
供、顧客情報の管理業務受託など
所在地
大阪市北区堂島
192 名(2012 年6 月末現在)
Web サイト www.synergy-marketing.co.jp/
従業員数
課題
• サービスの立ち上げ期間の短縮を顧客から
強く求められていた
• サービス品質と信頼性を高めるため、サービ
スに影響を与えることなくサーバをメンテナ
ンスできる仕組みの整備が求められていた
• サーバ、ストレージの各種リソースを容易に
追加できる環境が必要とされていた
解決策
VMware®によるサーバ仮想化基盤の構築
®
Xeon プロセッサー 5600 番
台搭載ブレードサーバ「Dell PowerEdge
M610/M710」の採用による、拡張性と柔軟
• • インテル
性の確保、およびサーバ配線のシンプル化
• 高 い パフォー マンスと信 頼 性 、拡 張 性を
兼ね備えた iSCSI SAN ストレージ「 Dell
EqualLogic」によるストレージの仮想化
導入効果
• サービスの立ち上げ期間の短縮
• メンテナンス性の底上げを通じたサービス
品質、信頼性の向上
• サーバ、およびストレージリソースの容易な
追加を実現
ソリューションエリア
• サーバ仮想化
• ストレージ仮想化
• ディザスタリカバリ
導入システム
ハードウェア
Dell PowerEdge R710
Dell PowerEdge M1000e
Dell PowerEdge M610
「サービス品質の向上という目的を、デルのサーバと
ストレ ー ジ が 見 事 に 達 成してくれました 。カット
オーバー以来、トラブルも一切発生しておらず、当社
のプラットフォームにとって欠かせない存在になって
います」
シナジーマーケティング株式会社
システム開発部 プラットフォームグループ
マネージャー
岡﨑信一氏
20
Dell PowerEdge M710
Dell EqualLogic PS6000XV
ソフトウェア
VMware vSphere 4.1
企業のマーケティング活動をさまざまな側面から支援するシナジーマーケティング
株式会社(以下、シナジーマーケティング)。同社は CRMを軸とした多彩なクラウ
ドサービスの提供を進める中で、定形化されたものだけでなく、顧客のニーズに
最適化されたサービスの提供も積極的に進めている。しかし、近年の企業のマー
ケティング意識の高まりと構築期間短縮の要求を受け、リソースを容易に拡充可能
な環境の整備が急務となっていた。そうした課題に対して同社は、サーバ、スト
レージの仮想化を段階的に実施。そこで採用したのがデルのプラットフォームで
あった。
最適化したサービスも提供している。そこで
顧客からのニーズに迅速に対応する
サービスの立ち上げが課題に
の課題として急浮上していたのが、より短期
企業のワン・ツー・ワン・マーケティングのワ
間でのサービス立ち上げ要望だった。
ンストップ支援を目的に、1997 年に創業したシ
以前は、約半年ほどの期間をかけて顧客の
ナジーマーケティング。各種 CRMシステムを
個別ニーズに対応したサービスを立ち上げて
サービスとして提供する「クラウドサービス事
きた。しかし、企業のマーケティング意識の高
業」
と、CRM活動に関するコンサルティングか
まりを背景に、近年ではより早期にシステムの
ら BPO
(Business Process Outsourcing)
利用を開始したいとの声が多数寄せられるよ
までを総合的に支援する
「エージェント事業」
を
うになっていたという。とはいえ、迅速な立ち
2 本柱に事業を展開する同社は、創業以来、
上げだけでなく、同時に品質も求められるよう
サービスの拡充に力を入れてきた。
になっており、システム開発・構築プロセスの
そのラインナップは国内のクラウド型 CRM
見直しが急務となっていたのである。
サ ー ビ ス と し てト ッ プ・シ ェ ア を 誇 る
シナジーマーケティング システム開発部
「 Synergy!」のほか、蓄積された顧客データ
プラットフォームグループでマネージャーを務
の分析に主眼を置いた「Synergy!360」、店
める岡﨑信一氏は、
「私たちは顧客のニーズ
舗集客支援のための「チョイモビ」など幅広い。
に基づきながらハードウェアを選定し、その上
シナジーマーケティングでは、これらのクラ
でシステムを作り込みます。しかし、ハード
ウドサービス事業の一環として、定形的なメ
ウェアの到着までに 1カ月ほど要するほか、さ
ニューの提供だけでなく、顧客の個別要望に
らにセットアップなどにも時間がかかります。
「サービスの立ち上げ期間を
短 縮しつ つ 、か つ 高 品 質 な
サービスを顧客に提供してい
くためには、仮想化の採用に
より、従来のシステム構築プ
ロセスを改善していくことが
求められていたのです」
シナジーマーケティング株式会社
システム開発部 プラットフォームグループ
マネージャー
岡﨑信一氏
さまざまな
ニーズに応える
顧客関係管理(CRM)
サービスの提供で
マーケティングROI
最適化を支援
社会知データベース
図1シナジーマーケティングのクラウドサービス
マーケティング・プラットフォーム
今回導入された PowerEdge M シリーズ ブレードサーバと
Dell EqualLogicストレージ
21
Case Study
「デルのブレードサーバは特別
な知識を必要とすることなく
ラックサーバと同じ感覚で扱
えるので、その管理のしやす
さを日々の運用業務で実感し
ています」
シナジーマーケティング株式会社
システム開発部 プラットフォームグループ
リーダー
増木一彦氏
EqualLogic の管理画面
その間は構築作業を進めることができませ
一方、同社は併せて、バックアップサイトに
ん。サービスの立ち上げ期間を短縮しつつ、
も Dell EqualLogicを導入。岡崎氏は、
「当
かつ高品質なサービスを顧客に提供していく
社では遠隔地にバックアップサイトを用意して
ためには、こうしたプロセスの問題を解決する
います。しかし、システムの仮想 OS は 300
ことが求められていたのです」
と打ち明ける。
以上にも上り、通常の手法では各 OSごとに
一方で、クラウド事業を手掛けるうえでは、
設定を定義する作業が必要とされるため、極
ユーザ増に併せたシステムリソースの迅速な
論を言えば 300 以上の設定を施さなければ
拡充が鍵となるが、物理サーバを増設してい
なりません。しかし、Dell EqualLogic のレ
くようなスケールアウトの手法では、限界が
プリケーション機能を利用すれば、自動で高
あった。これらの課題に対する回答として、シ
速バックアップできるため、作業を大幅に効率
ナジーマーケティングが段階的にシステムに
化できます。運用の手間の削減や信頼性の面
取り入れてきたのが、システム構成の柔軟な
でも、Dell EqualLogic のメリットは大きい
変更を可能とする仮想化技術である。
と判断したのです」
と説明する。
仮想化の技術を最大限に引き出すために、
EqualLogicストレージを選択
配線レスのメリットを高評価
プラットフォームをブレードで刷新
シナジーマーケティングは、仮想化を支える
続いてシナジーマーケティングが取り組ん
最適なストレージを検討するために、ベンダー
だのが、データセンター上で稼働する新サー
各社へ提案を依頼する。また、評価機を借り
ビス・プラットフォームの仮想化環境への全面
受け、社内環境で負荷テストを実施。そこで
移行、そして、ブレードサーバによるプラット
最終的に採用したのが、高いパフォーマンスと
フォームの刷新であった。
信 頼 性 、拡 張 性を兼 ね 備 えた 仮 想 化 対 応
これまで主として導入してきたラックサーバ
iSCSI SANストレージ「Dell EqualLogic」
には、運用面である課題が浮上していた。シ
であった。
ナジーマーケティングではユーザ数の増加に
増木氏は、
「当時、Dell EqualLogicにつ
伴いシステムの拡充作業を頻繁に実施してい
いてデル のセミナーに参加してデモンスト
る。その結果、サーバに接続される各種ケー
レーションを見せてもらったところ、まず、管
ブルは 1 台あたりで合計 10 本以上にも上って
理ツールの利便性の高さに驚かされました。
いた。LANケーブルの接続のミスはシステム
GUI が直感的に分かりやすく、設定作業や各
トラブルを招くことから、作業には慎重を期す
タスクが誰でもビジュアルに理解できるとい
必要があり、このことが運用負荷を高める事
う点で評価、テストを実施することにしたので
態を招いていたのである。
す」
と説明する。
「ラック全体でみるとサーバに接続されてい
実際に、パフォーマンスの高さと信頼性も
るケーブル数は 80 本以上にも達しています。
テストを通じて確認されたことでその採用を
クラウドサービスのユーザが急増する中で、
正式決定。Dell EqualLogicに加え、ラック
配線に起因する運用面でのデメリットが明ら
サーバ「 Dell PowerEdge R710 」5 台と
かなかたちで表れつつありました。しかし、ブ
VMware の構成により、仮想化インフラスト
レードサーバであれば配線はエンクロージャ
ラクチャが稼働する環境が整備されることと
内でほぼ完結しており、サーバの抜き挿しも
なった。
容易です。作業効率の改善にこのメリットを
「クラウドサービスの品質を維持するためには、万が一サーバに障害が発生して
も、サービスに影響を与えることなく、メンテナンスできる仕組みが欠かせま
せん。仮想化技術の検証を進める中で、VMware Storage vMotion を利
用すれば、仮想マシンの OS 環境を共有ストレージによって再配置できます。
そうしておいて、障害のあったサーバを
“空”
の状態にしておけば、サービスに
影響を与えることなく、容易にメンテナンスできるようになります。このような
メンテナンス性を評価し、多少のリスクを負ってでもシステムを仮想化すべき、
と判断したのです」
(増木氏)
22
生かさない手はないと考え、2010 年に入り
覚でストレージリソースを追加できるように
検討を本格化させたのです」
(増木氏)
なっているという。
ブレードサーバの選定にあたっては、デル
「サービス品質の向上という目的を、デルの
製品の採用を当初から念頭に置いていたとい
サーバとストレージが見事に達成してくれまし
う。これまでの導入を通じてデル製サーバの
た。カットオーバー以来、トラブルも一切発生
扱いに慣れており、運用作業の効率性の面で
しておらず、当社のプラットフォームにとって
他社製品を選択するメリットが見当たらなかっ
欠かせない存在になっています」
(岡﨑氏)
たからだ。加えて、デルからの製品ロードマッ
また、ブレードサーバの採用により、サービ
プの説明を通じ、エンクロージャを今後も継
スの機能拡充などに併せた迅速なリソースの
続的に利用できることも確認でき、2010 年 8
拡張も実現し、サービス品質の向上に一役
月に採用を正式決定。併せて、遠隔サイトへ
買っている。
のブレードサーバの導入も同時に行われた。
「デルのブレードサーバはラックサーバと同
一方、データの格納先として既存ストレージ
様の感覚で、特別な知識を必要とすることな
も Dell EqualLogic で刷新され Synergy!
く扱え、その管理のしやすさを日々の運用業
360をはじめとするクラウドサービスや、プラ
務で実感しています。例えば遠隔サイトに設
イベートクラウド事業などのために利用されて
置されているブレードサーバは、データセン
いる。なお、ブレードサーバ上で稼働する仮
ター事業者に運用をアウトソーシングしている
想ハイパーバイザーには VMware ESXi 4.1
のですが、ブレードモジュールの追加作業につ
が採用されている。
いても、こちらが簡単なマニュアルを用意する
新システム が 本 格 稼 働 を 開 始した の は
だけで問題なく委託できており、今ではわざわ
2011 年 11 月のこと。その環境整備はデルか
ざ現地に足を運ぶことはほとんどありません」
ら各種の技術支援も受けつつ急ピッチで進め
られた。シナジーマーケティングのシステム開
(増木氏)
さらに、リソースの一部はプライベートクラ
発部 プラットフォームグループでエキスパー
ウドサービスの開発にも利用されており、ハー
トを務める末廣雅利氏は「既存サーバのリー
ドウェアの到着を待たずに作業に着手できるよ
ス期限の関係から、システム整備に費やせる
うになったことも、開発期間の短縮に確実に寄
期間が限られていたことが一番のネックでし
与しているという。
た。そうした中、ネットワーク設計や実装など
岡﨑氏はこれまでの取り組みを振り返りつ
の面でデルから手厚い支援を受けられまし
つ、同社の今後のシステム像を次のように展
た。そこで浮いた時間を、システムのチュー
望する。
ニングにあてることで、よりきめ細かな制御を
「私たちは堅実に事業を進める一方で、他社
実現することができました」
と評価する。
との差別化や顧客満足度の向上に直結する部
進化を続けるプラットフォーム
今後はデータベースの仮想化も
化技術やブレードサーバの採用などもその一
デル製品を活用した一連の仮想化に向けた取
で、さらなる事業拡大につなげたい。そのた
り組みによって、同社ではメインサイトの運用効
めのパートナーとして、今後もデルには優れた
率が劇的に向上している。Dell EqualLogic
製品やサービスの提供を、今後も継続してお
の操作の容易性から、今ではサーバと同じ感
願いできればと考えています」
分には、
“攻め”
の決断を下してきました。仮想
環です。今後も、事業に同様に取り組むこと
「ネットワーク設計や実装など
でデルから手厚い支援を受け
られ、浮いた時間を、チュー
ニングにあてることで、よりき
め細かな制御を実現できてい
ます」
シナジーマーケティング株式会社
システム開発部 プラットフォームグループ
エキスパート
末廣雅利氏
第12 世代
ブレードサーバ Mシリーズは、
PowerEdge
®
®
インテル Xeon プロセッサー E5ファミリー
に対応しています。
インテル Xeon プロセッサー
E5-2600 製品ファミリーは、IT
の 多 様 な 要 件 に 対 応 する柔 軟
性と効率性に優れたデータセン
®
®
ターの新基準となるプロセッサー
です。このプロセッサーの優れた
テクノロジーは、パフォーマンス、機能、コスト効率の最
適な組み合わせが得られるように設計されています。仮
想化やクラウド・コンピューティングから、設計自動化シス
テムやリアルタイムの金融取引に至るまで、これまで以
®
上に優れたパフォーマンスを発揮します。インテル イン
テグレーテッド I/O により、I/Oレイテンシーを削減し、
データ転送のボトルネックの解消、運用の最適化、機敏
®
®
性の向上を支援します。インテル Xeon プロセッサー
E5-2600 製品ファミリーは、次世代データセンターの
新基準となる汎用性の高いプロセッサーです。
あらゆる CRM/顧客管理を支援する
最新のクラウド型マーケティング・プラットフォーム
『 Synergy!360 』
「情報を創る、届ける、分析する、シェアする」── Synergy!360 は、CRMに必要なこれら個別の機能を高次
元で搭載し、はじめての方から大規模での利用までさまざまな用途/業態にフィットする新次元のマーケティン
グツールです。メール
(メルマガ)配信やソーシャルメディア、スマートフォンを通じたリアルタイムなアプローチ
と、クラウド上の膨大なデータを解析し、利用シーンに合わせてご提案する独自のアルゴリズムにより成果と効
率を抽出。お客様とカスタマーとの関係をより強固で確かなものへと導くマーケティングナビゲーターです。
http://www.synergy360.jp/about/
シナジーマーケティング株式会社システム開発部 プラット
フォーム G のみなさん(撮影:2012 年7 月20 日)
23
Case Study
インテル Core vPro
プロセッサー・ファミリー搭載の
OptiPlexで
クライアント環境を刷新
®
TM
TM
インテル vPro テクノロジーを活用した高度な電源、リモート管理に
よって運用業務の負荷を大幅に削減
®
カスタマー・プロファイル
学校名
国立大学法人 名古屋工業大学
学 部
工学部第一部7 学科、同二部4 学
科ならびに大学院 4 基盤専攻と 3
独立専攻
所在地
愛知県名古屋市
TM
5,777 名
Web サイト www.nitech.ac.jp/
学生数
課題
• システム更改にあたり、最先端のテクノロ
ジーを搭載した、より高性能なクライアント
PCが必要とされていた
• 増加し続けるクライアント
PCに対して、運用
管理負荷を削減するための手立てが求めら
れていた
ソリューション
• インテル
vPro プロセッサー・
ファミリーを搭載したデルのデスクトップ PC
「OptiPlex 990 USFF」
を導入
®
TM
TM
Core
導入効果
• インテル
Core vPro プロセッサー・ファ
ミリーを搭載したデルの OptiPlex 990
U S F F によりパフォー マンス を 向 上 。省
スペース化と省電力化も達成
®
• インテル
TM
TM
vPro テクノロジーに包含され
たインテル AMT(アクティブ・マネジメント・
テクノロジー)
により、クライアント PC の効
®
TM
®
率的な電源、リモート管理を実現
ソリューションエリア
• クライアント
• インテル
®
PC管理
TM
vPro テクノロジー
導入システム
ハードウェア
「インテル Core
vPro プロセッサー・ファミリー
を搭載した Dell OptiPlex 990 へのリプレースによ
®
TM
TM
り、今ではリモートからの作業が行えるようになり、運
用負荷は確実に軽減されています」
国立大学法人 名古屋工業大学 大学院
情報基盤センター長 全学情報システム統括責任者
創成シミュレーション工学専攻/情報工学教育類 工学博士
松尾啓志教授
24
Dell OptiPlex 990 USFF×550
®
TM
*インテル vPro テクノロジー搭載
ソフトウェア
Microsoft System Center
Configuration Manager
国立大学法人 名古屋工業大学(以下、名古屋工業大学)は、広大なキャンパス内
の 6 か所に 500 台以上のクライアント PC を設置し、それらを学生に開放するな
ど、学習支援のための IT 活用を積極的に進めている。しかし、クライアント PC の
台数増加に伴い運用負荷も増大、人手による管理が限界に達していた。この問題
を解決するため、名古屋工業大学が採用したのが、インテル Core
®
TM
vPro プ
TM
ロセッサー・ファミリーを搭載した「Dell OptiPlex 990 USFF」であった。
広大なキャンパス内に配置された
クライアント PC 管理の効率化が課題に
アントPC 環境のさらなる刷新を決定する。
日本有数の工科系国立大学である名古屋
ント PC の導入にあたり、①シンクライアント、
工業大学は、1905 年に官立名古屋高等工業
②ネットブート型 PC 、③リッチクライアント
学校として創設されて以来、日本の
“モノ作り”
を支える人材を 7 万人以上も輩出し、日本の
今回、名古屋工業大学では新たなクライア
(一般的なクライアント PC)
を候補として比較
検討、最適な手法の見極めに取り組んだ。そ
繁栄を側面から支えてきた。
「人づくり」、
「モ
の結果、最終的にたどり着いた結論が、③の
ノづくり」、
「未来づくり」を基本理念に教育組
リッチクライアントの採用であった。
織も不断に改編。その学生数は国立大学工
まず、①のシンクライアントを見送る理由と
学部の中で屈指の規模を擁し、教育体制も先
なったのが、パフォーマンスの問題とソフト
進的工学分野をほぼ網羅している。
ウェアのライセンス料が割高にならざるを得
名古屋工業大学は「教務」、
「学務」、
「事務」
ないことであった。
の高度化に向け、IT の活用も精力的に推進し
また、②のネットブート型 PC についても、
ており、5 年ごとに各システムのリプレースを
サーバ側から配信されるディスクイメージに
実施してきた。
よって複数台のクライアントを一斉に起動で
2006 年には教育用計算機等を管理・運用
き、パッチ更新なども一元的に行えるメリット
していた「情報処理教育センター」と、キャン
が期待されたものの、サーバとネットワークに
パス情報ネットワークを管理・運用していた
かかる負荷が懸念されたこと、そして導入に
「情報ネットワークセンター」を統合し、新たに
必要とされるコストも決して少なくなかったこ
「情報基盤センター」を設立。そこで運用され
とから、不採用となった。
る「情報基盤システム」には、ICカード学生証
対して、③のリッチクライアントであればシ
を用いた PKI による全学認証システムを採
ンクライアントやネットブート型 PCと比較し
用。職員や教員のみならず、学生に対しても
て、極めて安価に利用環境を整備でき、浮い
掲示板や電子メー ルなどを統合した「学生
たコストをメモリの増設などに回すことで、工
ポータルサイト」のほか、オンライン授業サ
科系大学の学習で使われる、高いスペックを
ポートシステムの「 Moodle」など、
“学び”
を
要するアプリケーションを稼働させるのに十
支える多様なシステムをワンストップで利用
分な性能を確保できる。
できる先進的な環境を整備している。
名古屋工業大学大学院、情報基盤センター
また、名古屋工業大学では学習用端末とし
長兼全学情報システム統括責任者を務める創
て、教室や図書館などキャンパス内の 6 か所
成シミュレーション工学専攻/情報工学教育
に 500 台以上のクライアント PC を設置、そ
類 工学博士の松尾啓志教授は、
「クライアン
れらを運用管理ツールで一元的に管理する仕
ト PC のリプレースに際してはデスクトップ仮
組みも整えてきた。このクライアント PCにつ
想化技術をはじめ、さまざまな手法を検討し
いても、テクノロジーの進化といった時代の
ましたが、私たちのニーズとコストパフォーマ
趨勢を反映し、学内情報システム更改のタイ
ンスを考慮するとリッチクライアントが最適で
ミングに合わせ、リプレースを繰り返しきた。
あると判断したのです」
と語る。
そして名古屋工業大学では、2012 年 4 月
そうしたリッチクライアントを選択するにあ
の学内情報システムの更新に併せて、クライ
たり、名古屋工業大学が重視したのは、パ
「高性能なクライアント PC の
利用環境が整ったことで、そ
の利用が広がるとともに、学
友との交流も促され、学習に
おける新たなひらめきがもた
らされることを期待していま
す」
国立大学法人 名古屋工業大学
大学院
情報基盤センター長
全学情報システム統括責任者
創成シミュレーション工学専攻/
情報工学教育類
工学博士
松尾啓志教授
25
Case Study
フォーマンス、そして運用管理性の高さであ
vPro テクノロジーに包含されるインテル
TM
®
る。それを実現するためのテクノロジーとして
AMT(アクティブ・マネジメント・テクノロジー)
着目したのが、インテル Core vPro プ
だった。同機能によって、クライアント PC の
®
TM
TM
ロセッサ ー・ファミリー 、そしてインテ ル
®
電源が入っていない場合でも、遠隔からクラ
イアント PCを立ち上げて起動、パッチを適用
vPro テクノロジーだった。
TM
させた後にシャットダウンさせるといった一連
の処理を行えるようになる。また、OS の応答
インテル vPro テクノロジーの
採用により
運用管理の課題を抜本から解決
がない場合でも BIOS の修正まで実施可能と
インテル vPro テクノロジー対応 PCは、
だ。
有線、無線のネットワークを問わず、リモート
松尾教授は、
「インテル vPro テクノロ
から電源のオン/オフが可能だ。また、リモー
ジーについても以前から関心を持っていまし
®
TM
®
いった高度な遠隔管理機能が評価されたの
TM
®
TM
ト KVM(キーボード、ビデオ、マウス)制御な
たが、その技術や機能もここにきて熟しつつ
「インテル vPro テクノロ
ジーによってクライアント PC
に対するパッチ適用やトラブル
対応もリモートで対処できる
どの内蔵機能により、OS が応答していない
あり、その利用を通じて従来からの管理の手
ようになり、作業にかかる負荷
や時間は激減しています」
®
TM
国立大学法人 名古屋工業大学
技術グループ 共同利用チーム
技術専門員
髙橋直子氏
場合や、ソフトウェア障害が発生した場合で
間を大幅に抑えられると推測されました。そ
も、クライアント PC をリモートから設定、診
こで、今回は同テクノロジーを搭載したクライ
断し、修復を行えるようになる。
アント PC を選定することにしたのです」と説
このような高度な管理機能が求められた背
明する。
景について、名古屋工業大学 技術グループ
名古屋工業大学ではクライアント PC の導
共同利用チームで技術専門員を務める髙橋
入に合わせて、管理ツールの見直しも決断。
直子氏は、次のように説明する。
新たに調達するクライアント PCと管理ツール
「以前からマネジメントツールを用いたクラ
の要件をベンダー各社に伝えて広く入札を
イアント PC の運用管理を行っていたのです
募った。
が、最も困っていたのは、そのツー ルがス
そして、2011 年 6 月の応札を経て、名古屋
リープモードに入ったクライアント PC をリ
工業大学が最終的に選択したのが、NTT 西
モートから復帰させられないことでした。例え
日本から提案のあったデルのデスクトップ PC
ば授業で利用しているアプリケーションの中
「 OptiPlex 990 USFF(ウルトラスモール
にはパッチファイルが頻繁に配布されるもの
フォームファクタ)
」、そしてマイクロソフトの運
も少なくありません。しかし、リモート操作で
用管理ツール「Microsoft System Center
パッチ更新等を一斉に行おうとしても、スリー
Configuration Manager( SCCM )」で
プモードに入ったクライアント PCには適用で
あった。
きなかったのです。したがって、クライアント
PC が設置されている場所に赴き、現地での
26
作業を行わざるをえませんでした。同様に、
4,000 通に及ぶメールをやりとりし
作業期間の短縮に注力
授業時間外や夜間にデータの入れ替えを行う
OptiPlexシリーズは、インテル Core
際にも、一斉に起動させることもできず、時
vPro プロセッサー・ファミリーを搭載したハ
には広いキャンパス内に分散設置されたクラ
イパフォーマンスなデスクトップ PC であり、
イアント PC の立ち上げや設定を行うために、
最新のセキュリティ機能、管理のしやすさ、お
®
TM
TM
少ないスタッフで各教室を巡回するなど、非
よびサービスを提供する。
効率な作業を行わなくてはなりませんでした」
今回選択された OptiPlex 990 USFF は
加えて、クライアント PCにトラブルが発生
高さ 23.7cm、幅 6.5cm、奥行 24.0cmと
した際にも、OS がダウンしていたり、クライ
いう小型の筐体を採用している。名古屋工業
アント PC の電源が入っていない場合には、
大学では、各クライアント PCを収容するため
障害の原因がハードウェアとソフトウェアのど
の机の格納部が狭く、一般的なサイズのデス
ちらにあるのかがリモートから特定できず、や
クトップ PC では収まりきらないという課題が
はり、現地に赴いてクライアント PCを回収す
挙 げ ら れ て い た が 、省 ス ペ ー ス 型 の
るなど、広いキャンパス内を行き来しなくては
OptiPlex 990 USFFであれば、そうした要
ならなかったという。
件にも容易に対処できる。
こうした課題を解決するものとして、名古
無論、省スペース型でありながら、最新の
屋 工 業 大 学 が 着 目した の が 、イ ン テ ル
プロセッサーを搭載することにより、高いパ
®
フォーマンスを実現している点も OptiPlex
現され、運用管理に関するさまざまな作業の
990 USFFが評価されたポイントとなった。
負荷が大幅に軽減されたことだ。
今回、導入にあたって課題となったのが作
「複数のスタッフが手分けしてあたっていた
業期間の短さである。すでに述べたとおり、
クライアント PC へのパッチ更新や設定作業
情報基盤システムは学生のみならず教員や職
も、リプレース後は SCCMとインテル AMT
®
員も利用している。そのため、学生の休暇期
を併用し、時間を見計らいながらリモートでク
間であっても、研究や事務作業に支障を来さ
ライアント PCを立ち上げ、インストール指示
ないよう、2 日間しかシステムを完全停止する
を出すだけで完了できるようになりました。イ
ことが許されなかったのである。
ンテル AMT の強力な電源管理機能は、作
これに対して NTT 西日本では倉庫を借り上
業負荷の軽減だけでなく、省電力化にも確実
げ、事前にデルから納品のあったクライアント
に寄与しています」
(松尾教授)
PC を数百台ほど保管。名古屋工業大学と綿
また、インテル AMT のリモート KVM 制
®
OptiPlex 990 USFFを活用した授業風景
®
密な搬入/搬出計画を策定することで、クラ
御によって、OS が応答していない場合や、非
イアント PC の学内への搬入と、残ったクライ
常に複雑なソフトウェア障害が発生した場合
アント PC の倉庫への受け入れを同時並行で
でも、クライアント PC をリモートから設定、
進められる体制を整えた。また、設置後のク
診断したり、修復を行えるようになった。
ライアントPC へのイメージ配信に要する時間
「キャンパス内はとても広いため、トラブル
た渡辺氏は、導入をスムーズに進めるために注力
を削減するため、名古屋工業大学向けのマス
の度に現地に移動しクライアント PC を回収、
した点について、次のように説明する。
ターイメージを作成するとともに、デルの工
原因を診断していました。しかし、リモート
場で事前にインストールするなど、作業期間
KVM 制御によってソフトウェアに起因するトラ
の短縮にできる限り配慮を払った。事前の
ブルは移動せずとも遠隔操作で対処できるよ
ミーティングも週に 1 度実施。約 4,000 通も
うになり、回収が必要なクライアント PC は激
導入していただいた OptiPlex 990 USFF でし
のメールがプロジェクトのためにやりとりされ
減しています」
(髙橋氏)
た。もっとも、機種選定は円滑に行えたものの、
たという。
一方で名古屋工業大学は工科系大学という
予想され、準備は入念に行いました。倉庫へのク
「クライアント PC のリプレースにあたって
性格上、自宅で最新のクライアント PC 環境を
ライアント PC の確実かつ迅速な搬入のために、
は、既存クライアント PC の運び出しと清掃作
利用する学生も少なくない。だが、OptiPlex
ともに、名古屋工業大学様と事前に打ち合わせを
業、さらに新規クライアント PC の搬入と設置
990 USFF へのリプレースを通じ、キャンパ
という一連の作業が発生しますが、これらの
スでより高度な計算処理を行える環境が整備
作業を土日も含めて 4 日間で終える必要があ
されたことで、松尾教授は今後、キャンパスで
りました。そこで、事前に60 台ほどクライアン
学生同士が共に学び合う
“場”
が創出されるこ
ト PC を先行導入し、これまで利用経験のな
とに期待を寄せる。
かった SCCM の利用によるイメージ配信テス
「自宅で学習を進めるのも 1 つの方法です
トを行うなど、事前の検証も入念に実施し導
が、キャンパスであればより集中して学習に打
入に万全を期しました」
(髙橋氏)
ち込めます。しかも、学友との交流も促され、
これらの準備が功を奏し、リプレース作業は
その結果、新たなひらめきが創出されること
2012 年 3 月に無事完了、最終的には 550 台
も期待されます。クライアント PC の処理能力
From Solutions Partner
西日本電信電話株式会社
今回のリプレースに際してプロジェクトを担当し
「名古屋工業大学様からは、設置スペースを踏
まえて小型な筐体で、かつ、インテル
®
TM
Core
vPro プロセッサー・ファミリーを搭載したクライ
アント PCとの要望が寄せられました。これらの要
TM
件に最も合致した製品として提案したのが、今回、
実際の導入作業にはその期間の短さから困難が
保管場所についてまとめた番号計画を策定すると
繰り返したのもその 1 つです。導入の進捗管理の
ために工程表を作成したところ、壁一面を占める
非 常 に 大 き な も の になったことからも 、スケ
ジュールの過密さをうかがえるでしょう」
また、同じくプロジェクトを担当した狩野氏も、
今回の案件について次のように振り返る。
「設置後のイメージ配信の手間をできるだけ省
くために、名古屋工業大学様用のディスクイメー
ジを利用しましたが、その作成やインストールに
あたっては、デルから手厚いサポートを受けるこ
とができました。これらの取り組みの甲斐もあり、
タイトなスケジュー ル な がら新 学 期 が 始まる
2012 年 4 月には、全学でクライアント PC の利用
環境を整えることができました。今後もクライアン
の OptiPlex 990 USFF が導入された。
SCCMとインテル vPro テクノロジーを
の高さに気づいている学生はまだ少ないです
ト PCをはじめ、各種の製品やソリューションの提
が、その認知が進むことで新たな学びの場が
高度化を支援していきたいと考えています」
活用し、設置後のイメージ配信も容易に実施
生まれ、学習にも好循環が生まれると考えて
できたという。
います」
(松尾教授)
®
TM
松尾教授は今回のリプレースを振り返ると
最新の計算処理環境を実現
学生の学習環境が向上
ともに、情報基盤システムの将来を次のよう
名古屋工業大学は 2012 年 4 月から新たに
「学内で利用するクライアント PC は、高い
導入された OptiPlex 990 USFFの利用を学
処理能力に加え、信頼性も不可欠です。その
に展望する。
生に開放。OptiPlex 990 USFFと SCCM
点、デルのクライアント PC は電源やファンな
の導入によるクライアント環境を刷新した効
ど、部品レベルでも信頼性が高く、安心して
果は、すでに目に見えるかたちであらわれて
採用することができました。今後のさらなるシ
いるという。
ステムの高度化に向け、コストパフォーマンス
まず挙げられるのが、高度な管理機能が実
の高い製品の提供を期待しています」
案を通じ、名古屋工業大学の情報基盤システムの
西日本電信電話株式会社
名古屋支店
第一法人営業部
SE 部門 アプリケーション担当
渡辺泰将氏
西日本電信電話株式会社
名古屋支店
第一法人営業部
SE 部門 アプリケーション担当
狩野陽子氏
27
Dell │ Services
お客様システムの安定稼働を支える
Dell Integrated Support
安定したシステム運用を支えるため、デルはプロサポートによる 24 時間 365 日のサポートや、ITアドバイザリサービスといっ
たさまざまな支援サービスを提供している。そして、従来のサポートサービスをさらに進化させたものがデル・インテグレー
テッドサポート
(Dell Integrated Support:DIS)」だ。ここでは DIS の概要とメリットについて紹介していこう。
デル株式会社 マーケティング統括本部 サービス ブランド マネージャ 澤井
修二、我妻 智彦
より進化したサポートサービス
②ログと構成情報の自動収集:トラブルシュー
Dell Integrated Support
ティングに必要な情報を自動的に収集し送
デルがソリューションベンダーとして、お客
様に信頼されるパートナーである上で重要な
れているシステム環境であれば、追加投資す
ることなくDISを組み込むことができます。
信します。
③サポートケース自動生成:サービスリクエス
DIS のプロセスおよびコンポーネント
要素の 1 つとしてサポートサービスがありま
トが自動生成され、障害対応のためデル・
DISは、以下の処理を行います
(図1)。
す。お客様システムの安定稼働により、お客
サポート担当者がお客様にコンタクトしま
① お客様のシステム環境を OMEソフトウェ
様ご自身がビジネスの成長につながる業務に
集中できることと、万が一の障害発生時には、
す。
アにプラグインされた DISにより監視。
④プロアクティブなパーツ配送:お客様の同
② クリティカルなアラートを検出した場合、
迅速な対応やエスカレーション管理、ダウンタ
意のもと、必要に応じて交換用パーツが配
そのアラートが DISによりデル・サポートに
イム最小化により、お客様のビジネスインパク
送されます。
送信。
トを最小限にとどめることを、デルは支援して
③ DISにより、障害対応に必要な診断情報が
います。
なお、
「サポートケース自動生成」
「プロアク
自動的に収集され、デル・サポートに送信。
デルはプロサポートによる 24 時間 365 日
ティブなパーツ配送」は、デル・プロサポート
④ サポートサービスリクエストが作成され、
のサポート体制、ミッションクリティカルシス
のみの対応となっており、ベーシックサポート
障害対応のためアサインされたデル・サ
テムへの、より高い SLA でのサポート提供、
では提供されません。
ポート担当者がお客様にコンタクト。
ITアドバイザリサービスなどにより、安定稼働
DISを導入・設定することにより、お客様の
を支援する管理サービスおよび障害対応時の
システムにはリモート監視、およびプロアク
⑤ デル・サポート担当者が障害対応を行ない、
必要に応じて交換パーツをお客様サイトに
エスカレーション管理などで、より高度なサ
ティブな障害検知機能が実装されることにな
手配。
ポートサービスを提供するとともに、高い顧
ります。デル・プロサポートによる 24 時間
客満足度を獲得してきました。
365 日のサポート体制に DISを加えることに
そして、DIS のコンポーネントの概要は以
そして、従来のサポートサービスをよりプ
より、障害発生時間に関わらず、デルは直ち
下となります
(図2)。
ロアクティブなプロセスに進化させたのが、
に障害対応を開始することができ、お客様は、
① OME は SNMPと OMSA(Dell Open
「デ ル・インテグレーテッドサポート( Dell
Integrated Support:DIS)」です。2012
今まで以上の迅速なサポートを享受すること
Manage Server Administrator) を使
ができます。
用し、監視対象サーバ上のアラートを監視
年 7 月 10 日、まずはベータプログラムとして
また、DIS も OME 同様無償で提供され、
DISがグローバルで開始されました。
すでに OME による監視コンソールを構築さ
DIS の概要とそのメリット
お客様
DIS により、デル・プロサポートにプロアク
OME /
ティブ な 障 害 検 知 の 機 能が加わりました。
1
緊急事態の
ハードウェアアラートリモート監視
2
ログおよび
ハードウェア構成情報収集の自動化
4
お客様へご連絡(**)
インテグレーテッドサポートで
監視下にあるシステム
DIS は、デル・マネージメントコンソールであ
る OpenManage Essentials( 以 下 、
3
「OME」)のプラグインとして提供され、デル・
エンタープライズ製品のハードウェア障害の
し、データベースにアラートを格納。
② DISプラグインは、OME データベースを
お客様とのコンタクト
サポートケースの
自動生成(*、
**)
検知および通知機能を有します。
DIS を設定することにより、以下の機能お
5
プロアクティブなパーツ配送
(必要時**)
よびプロセスが確立されます。
* 3の自動生成は、フェーズ1.1から有効です。2012年7月10日現在のフェーズ1.0では、マニュアルになります。
①リモート監視:緊急アラートを通知するハー
ドウェア監視を行ないます。
28
フェーズ1.0での顧客へのレスポンスは4時間以内となります
**3、4、5の対応はプロサポートご契約時に限ります
図1 DIS の仕組み
検索し、アラートを検出。
③(アラートリストにて定義済みの)アラー
診断ログを採取いたします。その内容は以下
者、または IT アドバイザリサービスご契約の
が含まれます。
場合は、デルのテクニカルアカウントマネー
ト が 検 出 さ れると、次 の プ ロ セ ス によ
り、自動サポートケースの作成を開始。
・バックエンドサーバにアラートを送信。
・DSET を使用してサーバログを収集し、
ジャ/サービスデリバリーマネージャまでお
①一般的なユーザ情報:コンピュータ名、ドメ
イン、IPアドレスとデルのサービスタグ
②ハードウェア設定情報:インストール済みデ
バイス、プロセッサー、メモリ、ネットワーク
閲覧用として DCVに送信。
・アラートとログ情報を SSLセキュアトラン
スポートにより、バックエンドサーバに送
信。
④ DIS バックエンドが、サービスタグ情報を
デバイスと利用条件
問い合わせください。また、IT アドバイザリ
サービスをご契約の場合、DIS 構築のための
RAS(リモートアドバイザリサービス)を利用
することができます。
現在の DIS はバージョン 1.0 での提供と
③ソフトウェア設定情報:オペレーティングシ
なっており、監視対象製品は PowerEdge
ステム、インストール済みアプリケーション
サーバと PowerVault ストレージとなってお
とアプリケーション利用条件
ります。
現在の予定では、2012 年 10 月 30 日に正
使用して、お客様対象機器の保証情報の
有効性を確認。保証情報が有効であれば、
お客様のデル製品からデルに送信される
式版が提供され、PowerEdge 第 12 世代
自動ケース生成が Delta
(デルタ)
に送信。
データは、128ビット暗号鍵により暗号化され
サ ー バ に お い て は 、W S - M A N( W e b
⑤ログを受信したら、それが自動的に DCVに
ており、SSLプロトコルによって安全に転送さ
Service Management)プロトコルにより、
アップロード。DCV に格納されたログは、
れます。また、収集されたデータは、デルの
iDRAC を使用した障害検知も可能となりま
デル・テクニカルサポートにより閲覧。
プライバシーポリシーの承認のもと、お取扱
す。この場合はエージェントモジュール不要な
⑥ D e l t a は 、ウェブ で 生 成 されたケ ー ス
いいたします。したがって、DISによる診断ロ
コンポーネントになります。また、今年中には
(WGC)
リクエストを受信し、そのリクエス
グの送信は、技術的にも運用面でもセキュリ
監視対象製品を Dell EqualLogic ストレー
トはトリアージ
(重度判定)
チームによりピッ
ティが十分に確保されておりますので、お客
ジや PowerConnect/Dell Force10 ス
クアップされ、デル・サポート担当者をアサ
様は DISを安心してご利用いただけます。
イッチまで範囲を拡大する予定です。
イン。
従来のサポートサービスを、プロアクティブ
⑦デル・サポート担当者はケースを確認し、ロ
グが閲覧可能になるのを待って、お客様に
コンタクト。
⑧デル・サポート担当者はログを確認し、障害
DIS の今後のロードマップ
なサポート形態に進化させる DIS により、お
前述の通り2012 年 7 月 10 日に開始された
客様システムの安定稼働と停止時間の最小化
DIS は、現在ベータプログラムでの提供と
を支援する体制が一層強化されます。
なっております。ベータプログラムとは、一部
これまでは、統合されたリモート監視機能
対応を実施。必要に応じて交換パーツの手
のお客様に、正式な開始に先駆けて、この新
をデルが提供していないことが、デル・サポー
配。
しいサービスを最初にご利用いただくもので
トサービスのウィークポイントと見られること
す。みなさまからのフィードバックは、多くの
がありましたが、OMEと DIS の拡張により、
セキュリティとプライバシー
お客様のニーズにお応えできるサポートとす
お客様に安心していただける機能と体制を提
デルは、より洗練されたサポートをご提供
るための重要な指針となります。
供することができますので、OMEと DIS の
するために、お客様のデル製ハードウェアから
DIS を利用したいお客様は、デル営業担当
構築・運用をぜひご検討ください。
Dell Integrated Support デルのバックエンド
お客様の構内
2
4
データ収集
保証の有効性の確認と
サポートケースの自動生成
6
Dell Integrated Support
アラート
サポートケースの自動生成
プラグイン
ログ収集
DSET
テクニカル
サポート
Delta
ファイルをアップロード
ログ
PowerEdge
7
ログ/構成情報
アラート
OEM
1
モニタリング
SSLセキュア
3 トランスポー
ト
お客様のデルシステムからデルへ送信されるデータは、
128ビット暗号鍵により暗号化されており、
SSLプロトコルによって安全に転送されます
OME
レポート
ログ格納
5
統合されたストレージ
Dell Integrated Support
8
レポーティングと
分析論
Delta
図2 DIS のコンポーネント概要
29
Dell | Team
デル株式会社 IPS
(インサイド・プロダクト・スペシャリスト)宮崎カスタマーセンター
顧客の声に耳を傾け、
最適なシステム提案に注力
デルの顧客サポートの戦略拠点の一つとして 1995 年
11 月に開設された宮崎カスタマーセンター(MCC)。
現在、MCC は約 600 名の体制で営業、顧客サポート
を行っている。そして、技術的な観点からさまざまな
提案活動を行うスタッフが、IPS( Inside Product
Specialist)だ。内勤営業 SEとしての業務に加え、外
勤営業であるアカウントエグゼクティブや、システムエ
ンジニアとの連携により後方支援まで担う、縁の下の
力持ちとも呼べる IPS のスタッフの素顔をのぞいてみ
よう。
IPS のスタッフ
デル宮崎カスタマーセンター
お客様の要望を具現化する
技術面での営業の支援役
レージのみならず、ネットワーク、セキュ
が最も多く、続いてディザスタリカバリ
リティなど、多様な製品を取り揃えるまで
(DR)、リモートデスクトップが続きます。
になりました。それらを組み合わせて活
ただし、ひと言で仮想化といっても、仮想
──まずは IPS の業務内容をお聞かせください。
用 する上 で 多 様 な 知 識 が 必 要とされ、
化プラットフォームは複数存在し、DR で
大久保 IPS はお客様のさまざまなご要
IPS が習得しなければならないスキルも
もストレージの種類やレプリケーションの
望に対して、技術的な側面から最適な解
広がっています。ただし、それは裏を返せ
方法でいくつもの構成が考えられます。
をご提案することが主なミッションになり
ば、デルが提案できる価値もそれだけ大
そこで大切になるのが、お客様の既存シ
ます。具体的には、内勤営業 SE として、
きくなったことを意味します。
ステムを踏まえつつ、例えばどれが一番
お客様の電話を受けた後、理想のシステ
谷山 そうした日々の提案を行っていく
扱いやすいのか、業務にもっとも合致す
ム像を提 案 書や見 積 書に落とし込 みま
に際して常に気を付けているのは、お客
るのか、という具合にお客様視点で技術
す。時には企業向けソリューションの社内
様の現在の要望に合致したシステムを提
を選択することになります。
やシステムエン
ハブとして AE(外勤営業)
案するだけでなく、先を見据えたシステ
市 村 そ の 実 践にあたっては 、やはり
ジニアのみならず ICS(Infrastructure
ム像も提言することです。IT の進歩は早
日々のトレーニングを通じた知識の習得と
Consulting Services)やパートナー企
く、お客様の予算などを鑑みつつも、将
スキルの向上が欠かせません。それを踏
業とも連携し案件を進め、実際に構築・運
来展望を踏まえた、要望以上のシステム
まえ、デルにはさまざまなトレーニングプ
用開始までコーディネートするなど、技術
をあえて提案に織り込むことも必要なの
ログラムが用意されているほか、各種の
面での片腕と言えますね。
です。その内容を御評価いただき、導入
勉強会なども頻繁に開催されています。
後に喜びの声をお寄せいただいた時の感
──デル のソリューションラインナップ は今や
激は、言葉にし難いものがありますね。
極めて広範にわたるため、幅広い製品や 技術
30
──これまで手掛けた案件の中で、特に印象に
残っているものはありますか。
知識の習得が求められますね。
──最近は顧客からどのような要望が寄せられる
市村 あるお客様から当初、基幹システ
市村 そうですね。企業買収を積極的に
ことが多いのでしょうか。
ムのサーバのリプレースの要望が寄せら
進めた結 果 、今やデ ル はサ ーバやスト
井上 最近ではサーバの仮想化のご希望
れました。しかし、話を詳細に伺ってみる
お客様のビジネスを理解し
そこに合致するシステム提
案がIPSの至上命題です。
現状のニーズだけでなく先
を見据えたシステム像の提
言を常に心掛けています。
システム提案にあたっては、
お客様視点で技術を選択す
ることが重要です。
お客様の要望に応えるには、
日々のトレーニングとスキル
習得が欠かせません。
デル株式会社
エンタープライズ・ソリューションズ統括本部
エンタープライズ・テクニカルセールス・グループ
マネージャー
デル株式会社
エンタープライズ・ソリューションズ統括本部
エンタープライズ・テクニカルセールス・グループ
インサイド プロダクト スペシャリスト
デル株式会社
エンタープライズ・ソリューションズ統括本部
エンタープライズ・テクニカルセールス・グループ
インサイド プロダクト スペシャリスト
デル株式会社
エンタープライズ・ソリューションズ統括本部
エンタープライズ・テクニカルセールス・グループ
インサイド プロダクト スペシャリスト
大久保旭
谷山和也
井上敦裕
市村大吾
とシステムの拡張性など、将来的にビジ
実は IPS は皆、ISR の経験者です。そ
ネスを大きく左右しかねない課題もシス
のため、自分の経験を通じて、彼らの悩
意欲ある IPS が集う宮崎を
お客様の笑顔の発信基地に
テムに抱えておられました。そこで、単に
みも推察することも比較的容易なので
サーバをリプレースするのではなく、仮想
す。そうして炙り出された各種課題を基
── I P S のマネージャーとして現状の課題と、
化技術を新たに取り入れるともに、DR 対
に、社内のラボで仮想化環境のトレーニ
その解決策をどう捉えていますか。
策や仮想デスクトップなども併せて提案し
ングを行ったり、実際にプレゼンをしても
大久保 お客様のビジネスを理解し、そ
たところ、将来的な不安を一気に払拭す
らい改善点を伝えたり、座学では伝える
こに合致するシステムの提案が IPSにとっ
るものと大変ご評価いただきました。多様
とこが難しい実務知識などを日々のミー
て至上命題となります。そのために学ぶ
な製品群を揃えていなければこれほどの
ティングでかみ砕いて説明することを通
べきことはまだ数多く残されております
提案は行えず、改めて買収によるポート
じ、彼らのスキル向上を支援しています。
が、IPS は日々、その習得に励んでおり、
彼らの地道な取り組みによって、より強い
フォリオ拡大のメリットを実感しましたね。
── 今 後 、どの ように 自 身 の ス キ ル アップ を
組織になれると確信しています。
図っていきたいですか。
谷山 IPS にとって、お客様の喜ぶ姿が
ため、どのような点を心掛けていますか。
井上 お客様の要望に合致したより高度
一番の元気の素です。何か困ったことが
井上 情報のアンテナを広く張るよう日
なシステムを提案できるよう、ストレージ
あれば、私たちにぜひ一度お聞かせくだ
頃から心掛けています。私自身も社内ト
やネットワークなど、特定領域の知識をよ
さい。IT でやれることは想像以上に多く、
レーニングのみならず、技術専門サイト
り深めていきたいですね。デルは極めて
お客様が笑顔になれるよう、私たちが支
に日々目を通し、外部からもできる限り情
高 性 能な製 品を多 数 、取り揃えていま
援できることも決して少なくないのです。
報を収集したうえで、お客様のご要望を
す。それらをさらに使いこなすことで、お
大久保 製品ラインナップの拡充をサー
──顧客の要望以上のシステム を具現化する
営業とともにくみ取れるよう努めていま
客様により大きなメリットを享受してもら
ビス向 上につ な げられるよう、I P S も
す。また、実のところ私たちの提案が常
えればと考えています。
日々、技術を磨いています。そして今後
に採用されるわけではありません。その
とし
谷山 私はセールスエンジニア
(SE)
も宮崎からお客様を元気づける提案をさ
せていきたいと考えています。
場合でも、再度お客様の声に注意深く耳
て、システム全体を把握した上で、よりス
を傾け、提案を受け入れられなかった理
ペシャリストの観点から仕事に携われるよ
由を掘り下げていく。そのことが、次につ
うになりたいですね。この夢を具現化す
なげていくためにも重要となるのです。
べく、社内のラボで自身でコマンドを打
谷 山 一 方 で I S R( I n s i d e
ちつつ仮想化環境を構築するといったト
Sales
Representative)のマネジメントも私た
ちの重要なミッションです。IPS は 1 人あ
たり9 名の ISRを受け持ち、育成を行って
います。ISR のスキルが底上げされれば、
り深めていきたいと考えています。ひいて
私たちの負担が軽減され、お客様への提
は SEに匹敵する高いレベルの提案ができ
案に時間を割けるようになりますので。
るIPSを目指していきたいですね。
レーニングを行うなど、技術面での研鑽
を続けています。
市村 私は IPSとしてさらに業務知識をよ
デル宮崎カスタマーセンター
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【お問い合わせ先】DSRイベント運営事務局(株式会社クリエイティブ・バンク内) 〒135-0063 東京都江東区有明3-6-11 TFTビル東館7F Tel:03-3528-2362 Fax:03-3528-2158 E-mail:[email protected]
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インテル、Intel ロゴは、
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●Dell ロゴは、米国Dell Inc. の商標または登録商標です。●その他の社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。
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