２０１４年にはシンガポール進出を予定している。そんな同社がさらなる飛躍を目指し、新たに※クレドを作成した。そのねらいとともに、今後の経営戦略を京和氏に聞いた。メインに展開し、設立７年目で売上高11億円を突破。従業員数１５０名規模の企業へと成長した。近年は海外進出にも積極的に取り組んでおり、２０１３年にミャンマー、続。現在も上場企業を中心に、着実に顧客を増やしています。組織面はどのように強化しているのですか。 2014 年（ 4月期）（見込み） 0 2013 ― 50 50 「技術×営業×組織」の三位一体で業績を拡大 ― 社内の反応はどうでしたか。（1,000万円） 2012 2011 2010 2009 2008 2007 0 「チーム・シアトル」をキーワードに強化しています。たとえば、新たなプロジェクトに参加して戸惑っている技術者がいれば、周囲のメンバー全員でサポートする。ひとりで孤立して、思い悩むようなことはさせません。また、「一歩会」という会社の課題改善会議が定期的に開催されており、社歴や年齢に関係なく、経営やマネジメントに対して積極的に意見することが可能です。そこには上司や部下もない。こうした、お互いがフラットな関係でありつつ、みんなで助けあう文化が根づいているのです。経営トップの想いを言語化し一枚岩で戦う体制を構築 ― 「会社の方向性がわかり、自分の進むべき道が明確になった」「仕事に対するモチベーションが上がった」など、社員には好評です。私自身もクレド作成を通じて、これまで漠然と掲げていた理念やビジョンをより意識してめざすようになりましたね。ある意味ほかの経営陣に遠慮思い返せば、していた部分も正直ありました。今後はシア 150 （名） 200 ：従業員数：売上高 250 150 100 「シアトルイズム」を掲げ ※クレド：企業の信条や行動指針をわかりやすく整理し、明文化したもの。社員一人ひとりがこれをもとに行動することによって、社内の結束が高まり、働く意欲の向上につなげることを目的としている。生年月日：1976年 9月 20日　出身：東京都　身長：181 cm　体重：67 kg　平均睡眠時間：6時間　平均起床時間：午前 7時趣味：ゴルフ、読書、仕事　乗っている車：BMW　おススメ本：『モテる会社』川上徹也（著）『採用基準』伊賀泰代、（著）今までに訪れた国：11ヵ国座右の銘：「生き残るのは強い種でも大きい種でもない、適応する種」尊敬する人：別所宏恭、スティーブ・ジョブズ　100 サービスを創る創業以来 200 全期黒字経営を実現！世界中で感動されるIT シアトルコンサルティング売上高と従業員数の推移設立以来、７期連続で黒字経営を実現する成長ベンチャー今年６月にクレドを作成したそうです 1976年、東京都生まれ。2002年、早稲田大学政治経済学部を卒業後、ITベンチャーにエンジニアとして入社。その後、営業に転身し、4年間トップ営業として活躍。2006年、シアトルコンサルティング株式会社を設立し、代表取締役に就任。「世界に冠するＩＴサービス企業」のビジョン実現に向け、2012年にベトナム、2013年にミャンマーに進出するなど、積極的なグローバル展開を推進している。 ― 京和将史わり、理想とする働き方とは――。トイレな出張中の飛行機やホテル、風呂、ど、四六時中考えて完成したのが「シアトルイズム」です。」と名づけた行 Seattle Spirits これは、「動指針のほか、以前からあったビジョン、ミッション、合言葉、組織概念を総称したものです。今年の６月、社内に公開しました。代表取締役御社は直近で、３期連続で増収増益を果たしています。なぜ継続的に成長できるのですか。技術力、営業力、組織力。とにかくこの３つを徹底的に磨いてきました。技術面では、社内勉強会や外部研修を定期的に開催。ＩＴスキルはもちろん、ロジカルシンキング、マネジメント分野にいたるまで、経験を問わずすべての社員が積極的に学べるように支援してきました。リー営業面では、新規開拓に注力。これは、マン・ショックが大きく影響しています。当時はわれわれも大きな打撃を受け、創業初の単月赤字に転落してしまった。ひとたび判断を誤れば、倒産のピンチです。そこで営業が一丸となり、ひとり月件もの新規訪問をしたのです。結果、３ヵ月後には再び黒字化に成功。この経験から、業績好調時も新規開拓を継が目指す会社のカタチを言語化し、全社員に浸透させ、徹底的に筋肉質な組織をつくる必要があると考えるようになったんです。しかし、それは私にとって大きな賭けでもありました。 ― どうして大きな賭けだと考えたのですか。経営陣が変わったタイミングで私の意志を強く打ち出せば、社員の反発を買うかもしれないからです。最悪の場合、会社を去るメンバーもいるかもしれない…。「いまこでも、開き直ることにしたんです。そ自分の想いを全社員に伝えるチャンス。もし共感できない人がいても、それは仕方ない」と考えるようにしました。そう思い立ってから２ヵ月間、徹底的に悩みぬきました。会社のあるべき姿、社会とのかかシアトルコンサルティングきょうわまさふみ２１私が一人ひとりと直接規模が小さいうちは、話すことで想いを共有できました。でも、従業員数が増えたいまでは、物理的に不可能。これからさらに成長していくためには、私ベンチャーシアトルコンサルティング次世代わずか５名で創業したシアトルコンサルティング。次世代 50 ベンチャー２００６年、代表の京和氏を含めね。そのねらいを教えてください。現在のシアトルコンサルティングを第２創業期と位置づけ、さらなる飛躍をめざすためです。きっかけは、今期から経営陣を刷新したことを機に、組織全体を見なおしたこと。当社は２００６年の設立以来、売上の拡大をめざしてがむしゃらに突っ走ってきました。そしていつの間にか、１５０名規模の会社に成長していた。しかしながら、いままで会社の考えを明文化していませんでした。したがって、全員に経営理念が浸透していないと、ふと感じることが多くなりました。ＩＴコンサルティングとシステムインテグレーション事業を I T 経営者データファイル I T をつくろう ◦スキル、キャリアを圧倒的に伸ばそう ◦前のめりに生きよう ◦友人に、家族に、孫に自慢できる会社 ◦めざすは、グローバルスタンダード ◦仕事も全力、遊びも全力 ◦世界一あったかいIT企業をめざそう！ ◦全員がリーダー、全員が創業メンバー ◦最高のチームで、歴史を創ろう！！ 12 Seattle Spirits トルイズムを掲げて、どんな壁も乗り越えられる最高の会社を社員とともにつくっていきたいと考えています。世界と戦える会社を目指し開発体制や教育制度を刷新 ― 第２創業期をむかえ、新たに取り組んでいることはありますか。 + （チームプラス）」を開発しました。「このサービスは、グローバル化やノマドなどワークスタイルが多様化するなかで、社内のコミュニケーションやモチベーションを向上させ、ひいては会社の業績向上につなげることをめざした社内ＳＮＳです。これまでは、顧客から受託したシステムの開発を行うのがメイン業務でした。しかし、「世界に冠するＩＴサービス企業」というビジョンを実現するためには、自社のサービスを世界中に広める必要があります。そのために、新たに事業部をつくって開発体制を整えました。今後は２、３ヵ月に１本のペースで自社サービスをリリースしていく予定です。 ― 教育にも力を入れているそうですね。はい。今期から、「シアトルアカデミー」という新卒と未経験者を対象に基本的な技術を教育する研修制度と、「シアトル・キャリア・フレームワーク」という、経験者を対象にプロジェクトマネジャーやＩＴコンサルタントなど、７つのキャリアに分けた独自のステップアップ制度。この２つを新たにスタートしました。まず、外部に委託していた新人研修を自社の講師とカリキュラムで行うことで、未経験からでもしっかりとスキルを伸ばせるように。これが「シアトルアカデミー」です。これまでは各エンジニアが身につけたまた、い技術をバラバラに勉強していました。しかしながら、それでは組織として非効率な部分が多い。そこで「シアトル・キャリア・フレーム ― 横井さんの仕事内容を教えてください。社内におけるWebサービスの企画、デザイン、開発、運用全般を統括しています。それにくわえ、自社サービス「ワーク」によって会社の事業戦略にあわせた７つのキャリアを策定し、各エンジニアが希望するキャリアごとに勉強会や外部研修を行う仕組みに変えました。各キャリアに必要な技術を定め、「目指すキャリアに向けてなにを学べばいいか」が明確になったのです。５年以内に株式上場売上高１００億円を目指す ― 若者に対してメッセージをお願いします。今後の目標を教えてください。３００名体制にしたいまずは２０１５年に、ですね。さらに、５年以内に売上１００億円と株式上場を目指します。また、海外展開も積極的に進めます。昨年はベトナムの会社と事業提携を行い、今年月にはミャンマーに支社を設立する予定です。そして、２０１４年にはシンガポール、２０１５年にはアメリカのシアトルに進出します。そのうえで、歴史に残るような世の中の役に立つＩＴサービスを創りあげたい。ゲームもいいですが、教育や医療福祉、防災やコミュニケーションなど社会性のあるドメインを考えています。当社のＩＴサービスを通じて、世界中の人を笑顔にし、映画や読書をするのと同じような感動を与えることが目標です。 ― とくに新卒採用では、幹部候補生として採用を行っています。「新規事業を立ちあげたい」「日本や世界をよりよくしたい」などの熱い想いがあればＯＫ。スキルや経験は、入社してからいくらでも学べますからね。海外で活躍したいという人にもチャンスはあります。実際に、ミャンマーの事業責任者として赴任を予定しているのは、入社２年目のスタッフです。一緒に成長しさらなる飛躍に挑む当社と、ていきましょう。ば、自由に開発できることですね。もちろんプランニングは必要ですし、責任はともないます。ただ、「組織のしがらみのなかで自分の意見がいえない」といった閉塞感はありません。メンバー同士の仲が良いのも特また、長です。普段は、各自が顧客先で働いているのでバラバラ。しかし、会社に戻ると飲み会や勉強会を頻繁に行っています。そのため、孤立することはなく、切磋琢磨できる環境があります。ｍａｅｔどんな人材と一緒に働きたいですか。１分１秒でも時間を惜しんで技術書を読むような、本気で成長したいと望む人材ですね。「世界を変えてやる」というメ当社はンバーばかり。それくらい意欲のある人を求めています。 ― ｅｔ」の開発にも携わりました。 + 「こんなサービスをつくりたい」と思え技術者として御社で働く魅力はなんでしょう。 ― 「」はどのようなサービスですか。ＳＮＳと ※クラウドを簡単にいうと、活用した社内コミュニケーションツールです。単純にメッセージだけのやりとりではなく、投稿数によってアバターが成長したり、感情を共有できる機能を搭載。遠隔地にいて普段から顔が見えないメンバーでも、楽しく交流が図れます。 ― + ｍａ「起業してやる！」「手に職をつけたい！」という強い気持ちを持った人は大歓迎です。一緒に成長しましょう。出るどんな人材なら御社で活躍できるでしょう。 ― 技術職では、文系で開発未経験だった新卒社員が２ヵ月後にＷｅｂアプリケーションを開発できるまでに成長しています。営業職ではプレゼンスキルを武器にトップセールスを脅かす存在も現れています。さらに、外部委託ではなく社内で研修を行っているため、先輩社員との交流機会が増えました。実際にプロジェクトがスタートしても「はじめまして」ではないので、円滑に業務を進められます。「チーム・シアトル」杭が伸びるように、※ITSSをベースにした「シアトル・キャリア・フレームワーク」により成長を正当に評価します。ｍａｅｔ ◦目標をつくって、全力でやりとげようベンチャー合言葉 ◦多様性を尊重しよう次世代「最高のチームで、最高のサービスを！」赤津さんの仕事内容はなんでしょう。採用から営業、そして未経験者を一人前の技術者に育てる「シアトルアカデミー」の塾長を担当しております。 ― ― 「 ITで感動を、世界中に笑顔を」「シアトルアカデミー」の内容を教えてください。 JavaやSQLなどのテクニカルスキルにくわえて、プレゼンスキルや ※ファシリテーションスキルといったビジネススキルを向上させるカリキュラムとなっています。「チーム・シアトル」というまた当社は組織概念を大切にしているので、仲間とともに高い成果を出す方法も指導します。 h t t p s : / / t e a m p l u s . j p / 組織概念さま今後も技術だけにとらわれず、ざまな視点に立った情報を提供することで、プロフェッショナルとして成長する設立／2006年5月　資本金／5,000万円　売上高／11億8,000万円（2013年4月期）従業員数／165名（グループ全体）事業内容／ITコンサルティング、システムインテグレーション、 Webサービスの企画・構築・販売、ミャンマーでのオフショア開発　URL／http://www.seattleconsulting.co.jp/ 無料！「全員経営」「道しるべ」を示していきたいですね。シアトルイズムを発信するリーダーたち ◦他責ではなく、自責で考えよう「道しるべ」を示したい ◦プロフェッショナルであろう一流になるためのシアトルコンサルティング株式会社 ※ファシリテーションスキル：会議、ミーティングなどの場で、発言や参加を促したり、話の流れを整理したりするスキルのこと。 ※ITSS：経済産業省が定めた、個人のIT関連能力を職種や専門分野ごとに明確化・体系化した指標。 ※クラウド：クラウド・コンピューティングのこと。ネットワーク上にあるサーバーのサービスを利用してソフトウェアやデータを管理する手法。いまなら社内SNSとグループウェアと統合した、まったく新しいコミュニケーションツール「team+」 Mission 1980年、福島県生まれ。高校卒業後、8年間で計5店舗の飲食店経営を経て、専門学校でITスキルを学ぶ。2008年に卒業後、150名のITベンチャーに入社し、半年で MVPを受賞する。アパレル会社の取締役を経て、2011年にシアトルコンサルティング株式会社に入社。SEとして技術を磨き、2013 年から事業部長として営業と採用活動を行うほか「シアトルアカデミー」の塾長を務めている。趣味は育児とバスケットボール。参加したメンバーに効果はありましたか。自己成長を果たせシアトルイズム ― 1分1秒でも時間を惜しんで「劇速」シアトルコンサルティング 1985年、神奈川県生まれ。2010年に早稲田大学を卒業後、インターンとして働いていたベンチャー企業に入社。同年に会社が倒産し、シアトルコンサルティング株式会社に入社。その後、ほかのITベンチャーを経て、京和氏の誘いで2013年に同社に復帰。直後に「team+」をローンチし、すべてのWebサービスやスマートフォンアプリの企画、デザイン、開発、運用全般を統括している。あかつせいいちろうベンチャーよこいさとし「世界に冠するITサービス企業」赤津誠一郎 10 横井聡セールス&コンサルティング事業部事業部長兼シアトルアカデミー塾長次世代 Webサービス事業部事業部長 Vision I T I T