こちらから - JICE 一般財団法人 日本国際協力センター

21 世紀東アジア青少年大交流計画
2009 年度
ASEAN 各国への青少年派遣事業
高校生派遣
報告書
(2010 年 7 月 27 日~2010 年 8 月 4 日)
2010 年 9 月
財団法人日本国際協力センター
目
次
はじめに
1
1. 21 世紀東アジア青少年大交流計画とは
2
2. ASEAN 各国への青少年派遣団概要(高校生)
3
3. 写真で振り返るプログラム
4
4. 全体日程
11
5. 訪問・視察施設等一覧
12
6. 国別プログラム
13
(1)カンボジア
13
(2)ラオス
20
(3)ミャンマー
27
(4)タイ
35
(5)ベトナム
44
7. 帰国後プログラム
52
(1)ワークショップ
52
(2)成果報告会
67
8. 派遣団員事後レポート
78
9. 報道関係
90
おわりに
92
はじめに
2007年より日本政府が進めている「21世紀東アジア青少年大交流計画」(英文名:
JENESYS Programme)の一環として、公募で選出された日本の高校生50名と引率者 10
名が ASEAN10カ国のうちメコン5カ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム)を
それぞれ 12 名に分かれて訪問しました。
派遣団は、出発前の合同プログラムにおいて、全体オリエンテーションや国別ブリーフィ
ングを始め、日本アセアンセンターの講師による講義を受講し、出発前の準備を万端に整
え、多くの期待を胸に翌日、それぞれの派遣国へ向けて出発しました。
現地プログラムでは、日本大使館や相手国政府を訪問し派遣国の理解を深め、交流プ
ログラムのハイライトとなる現地の学校訪問やホームビジットでは、派遣国の青少年との
相互理解を深めました。また、現地で活躍する NGO や ODA サイトの見学は、彼らが将来、
日本という国境を越えて、国際社会で活躍するための視野を広げるきっかけになったこと
でしょう。
帰国後の共通プログラムでは、各国に派遣されていた高校生が再会し、それぞれの新
鮮な経験を語りあうとともに、プログラムで得た成果を振り返りました。また、最終日に外務
省で開催された報告会では、その成果を披露し、将来どのように生かして行くかについて
各派遣団の代表生徒から発表がなされました。
今回の派遣プログラムを通して、若くて感受性豊かな日本人の派遣団と今回現地で温
かく派遣団を受け入れて下さったメコン 5 カ国の青少年が将来の架け橋として友好関係の
礎を築いてくれたことを私たちは確信し、ここで生まれた友好の芽が今後も大きく育ち、友
好と相互理解が深まることを心から願ってやみません。
今回、プログラムの実施に際しましては、各国における日本国大使館や現地の受入高
校など、関係者の皆様のご協力により成功裏に幕を閉じることができました。ご多忙中に
も関わらず、日本の高校生訪問を快く引き受けていただいた各国の受入高校の方々をは
じめ全ての関係者の皆様に改めて心よりお礼申し上げます。
財団法人日本国際協力センター
21 世紀東アジア青少年大交流計画
(JENESYS Programme)
1.21 世紀東アジア青少年大交流計画(JENESYS Programme)とは
(Japan-East Asia Network of Exchange for Students and Youths)
2007年1月に開催された第2回東アジア首脳会議(EAS)において、日本政府が提唱し
た事業で、大規模な青少年交流を通じてアジアの強固な連帯にしっかりとした土台を与
えるとの観点から進められる事業です。EAS 参加国(ASEAN、中国、韓国、インド、豪州、
ニュージーランド)を中心に、2007年から5年間、招へい事業、派遣事業等を通して、
青少年の相互理解と友好関係の促進を目的とした交流プログラムを実施するもので
す。
<概 要>
注)SAARC 南アジア地域協力連合
2.ASEAN 各国への青少年派遣団概要(高校生)
(ア) 派遣期間:2010 年 7 月 27 日~2010 年 8 月 4 日
(イ) 団員数:高校生 50 名(男子 16 名、女子 34 名)、引率者 10 名
(ウ) 派遣元高校数:10 校
(エ) 団員派遣大学及び参加学生数
派遣元学校名
カンボジア
ラオス
ミャンマー
タイ
ベトナム
派遣団員数
所在地(都道府県)
神奈川県立多摩高等学校
6人
神奈川県
大分県立大分西高等学校
6人
大分県
茨城県立取手松陽高等学校
6人
茨城県
大阪府立三島高等学校
6人
大阪府
北海道札幌清田高等学校
6人
北海道
多摩大学付属聖ヶ丘中学高等学校
6人
東京都
愛知県立知立東高等学校
6人
愛知県
立命館宇治中学校・高等学校
6人
京都府
兵庫県立芦屋国際中等教育学校
6人
兵庫県
九里学園高等学校
6人
山形県
派遣五カ国位置図
ベトナム
ミャンマー
ラオス
タイ
カンボジア
3.写真で振り返るプログラム
①出発前オリエンテーション
出発前オリエンテーション
出発前オリエンテーション
②各国
(カンボジア)
一二三日本語学校生徒との交流
クメール伝統織物研究所
JICA 裁判官・検察官養成学校
ホームビジット(多摩高等学校)
ホームビジット(大分西高等学校)
高等学校が拷問所と化したトゥールスレン(S21)
(ラオス)
ラオスの盆踊りの特訓 (キエティサック高校)
ラオス高校生と (シーコッタボン高校)
「バーシーの儀式」神妙な顔つき(ホームビジット)
ODA サイト訪問 「武道館」
CEC で子供達と
「毎日の振り返り」 真剣です! (ホテルにて)
(ミャンマー)
児童中心型教育 ODA サイト見学
大使館表敬後参事官を囲んで
聾学校の生徒と楽しく盆踊り
現地参加生徒と会話し交流が盛り上がる
ダマラキタ僧院付属語学学校で皆と記念に
日本についての質問が多く盛り上がった
(タイ)
在タイ日本国大使館表敬訪問
タイ政府表敬訪問(質疑応答)
お習字を披露
サイパンヤラーンシット高校(一度会ったら皆仲間)
みんなでタイダンスの練習
ホームビジット(家の雰囲気が温かい)
(ベトナム)
在ベトナム日本国大使館表敬訪問
CYDECO 表敬訪問
グエンシュウ高校(日本紹介)
ホームビジット(ズオンちゃんの家)
市内視察(ホーチミン廟の前)
ハノイでのレセプション(訪問成果報告会)
③ワークショップ、懇親会、帰国報告会
ワークショップ 議論沸騰!
ワークショップ 和気あいあいまとめ
懇親会 全員集合
懇親会で情報交換
帰国報告会
帰国報告会/講評
4.全体日程
財団法人日本国際協力センター(JICE)
21世紀東アジア青少年大交流計画
JENESYSアセアン派遣事業 全体日程表
カンボジア(C)
グループ名
グループ内構成
CDN数
グループカラー
ラオス(L)
7/27
火
AM
2
7/28
水
成田11:00(TG641)
AM 成田11:00(TG641)
シェムリ →バンコク15:30
→バンコク15:30
アップ バンコク18:50(QV425)
バンコク18:45(PG909)
PM →シェムリアップ19:40
→ビエンチャン20:10
【ODAサイト】
地域母子保健改善ボランティ
アプロジェクト
【学校訪問】
AM 一二三日本語学校
クメール伝統織物研究所
7/29
木
4
7/30
シェムリ
アップ
PM
AM
【伝統文化施設訪問】
遺跡修復現場(バイヨン寺院)
アンコールワット
セタティラート大学病院
シェムリアップ8:30(VN1100)
→プノンペン9:05
【学校訪問①】
Kiettisack International School
【大使館表敬】
在カンボジア日本国大使館
金
PM
【ODAサイト】
JICA裁判官検察官養成校
AM
5
6
7
7/31
8/1
8/2
土
ベトナム(V)
【昼食レセプション】
ラオス教育省計画協力局、外
プノンペ 務省ASEAN局、Kiettisack
ン
International School,
Sikhottabong School)
【在ラオス日本国大使館表敬
訪問】
【JENESYS参加学生との交流】
ホームビジット(2家庭)
PM
【市内視察】
・王宮
・トゥールスレン博物館
・トゥルトムプーンマーケット
AM
日本地雷処理を支援する会
(JMAS)
日
レセプション/帰国準備
プレ・ワークショップ
成田11:00(TG641)
ビエン →バンコク15:30
チャン バンコク17:50(TG641)
→ヤンゴン18:45
【学校訪問②】
Sikhottabong School
【市内視察】
・朝市
・ラオス国立博物館
・タートルアン
プノンペ ・パトゥーサイ
ン
【ホームビジット】
Kiettisack International School
生徒宅訪問
武道館見学(空手・合気道)
【地域活動等への参加】
こども教育開発センター(CEC)
機内泊
プログレス高校訪問
ヤンゴン
JICAミャンマー事務所訪問
【ODAサイト】
児童中心型プロジェクト
ビエン 【ODAサイト】
チャン リハビリテーション強化プロ
ジェクト
メアリーチャップマン聾学校
ビエン マハーガンダヨン僧院学校
チャン
YUZANA PLAZA
武道館見学(柔道)
【JENESYS参加学生との交流】
合同アクティビティ(CJCC)
AM
成田
在ミャンマー日本国大使館
表敬訪問
プノンペ
ン
【伝統文化施設訪問】
ソリヤショッピングセンター・セ
PM ントラルマーケット
ホワイホン職業訓練センター
シルク染め体験
教育省主催 夕食会
月
タイ(T)
15:00- マロウドインターナショナルホテル成田1階「筑波」集合
15:30- オリエンテーション
1
3
ミャンマー(M)
学生10名(男5名/女5名)、引率者2名 学生10名(男2名/女8名)、引率者2名 学生10名(男4名/女6名)、引率者2名 学生10名(男3名/女7名)、引率者2名 学生10名(男2名/女8名)、引率者2名
コーディネーター 2名
コーディネーター 2名
コーディネーター 2名
コーディネーター 2名
コーディネーター 2名
黄色
ピンク
青
赤
黄緑
パゴー日帰り旅行
※僧院付属日本語学校高校
生同行
成田11:00(TG641)
→バンコク15:30
バンコク
成田12:00(VN955)
→ベトナム15:30
【在ベトナム日本国大使館板
場大使表敬】
【相手国政府(CYDECO)表敬
在タイ日本国大使館、
タイ国政府訪問
【学校訪問①】
テープリラー高校
MBK(マーブンクロー・ショッピ
ングセンター)視察
バンコク 【NGO活動視察】
NPO法人 民族フォーラム
・盲人協会(本部)視察
・盲人協会会長講話
・民族フォーラムベトナム事務
所所長講話
【ODAサイト】
社会開発人間安全保障省 保
護・職業センター
【学校訪問①】
チュウバンアン高校
ヤンゴン
【ODAサイト】
JICA-JOCV活動現場視察/ド
バンコク ンラム村
ハノイ
・JOCV活動内容講話
・村内見学(モンフー集落を中
心に、伝統家屋やディンなどを
スワン・ビニ・ナイトバザール視
見学)
察
チェラム作り体験
【市内視察】
ワット・プラケオ、王宮等
【学校訪問②】
グエンシュウ高校
バンコク
【ホームビジット】
グエンシュウ高校生徒宅
【地域活動等への参加】
【市内視察】
クローン・ピタヤーロンコン学
・文廊
ダマラキタ僧院付属語学学校
校にてマングローブ植樹・タイ
・ホーチミン廊
WBMI僧院付属語学学校
伝統文化体験
・歴史博物館
ビエン ボージョーアウンサンマーケッ
バンコク
ヤンゴン
チャン ト
マノーラマ僧院付属語学学校
報告会準備作業
【伝統文化施設訪問】
ホームビジット
サムットソンクラーン県アンパ
【伝統文化施設訪問】
ワー地区視察
タンロン水上人形劇見学
【市内視察】
機内泊 国立博物館、日本人墓地など
ハノイ
【学校訪問②】
ヤンゴン サイパンヤラーンシット高校
ビエン
ヤンゴン
チャン (チャッカワイン僧院、王宮、モ
【ホームビジット】
ン族の村、僧院学校、涅槃仏)
JENESYS招聘事業参加生徒
→ヤンゴン到着後シェダゴン
宅訪問
パコダ見学
日本国大使館にて報告会
ハノイ
タイ国が抱える問題に関する
講話(タマサート大学)
プレワークショップ
機内泊 フェアウェルパーティ
(プレワークショップの発表)
【レセプション】
・大使館挨拶
・CYDECO挨拶
・受入高校(代表)挨拶
機内泊 ・派遣団からの報告
ハノイ
ハノイ
機内泊
PM
AM
9
8/3
プノンペン20:25(TG585)
→ バンコク21:30
バンコク23:50(TG642) →
ビエンチャン16:30(QV415)
→ バンコク17:50
バンコク23:50(TG642) →
ヤンゴン19:45(TG306)
→ バンコク21:40
バンコク23:50(TG642) →
バンコク23:50(TG642) →
帰国準備
→ 8:10 成田着
→ 8:10 成田着
→ 8:10 成田着
→ 8:10 成田着
ハノイ00:05- 06:50(VN954)
→ 6:50 成田着
火
都内
PM
14:00-18:00 ワークショップ(国別実施)
AM 9:00 JICA東京LB集合
10
8/4
水
10:00-12:00 外務省成果報告会
12:00 解散
5.訪問・視察先一覧
プログラム
国
カンボジア
ラオス
学校訪問
ミャンマー
タイ
ベトナム
カンボジア
ラオス
地域/NGO 活動
ミャンマー
タイ
ベトナム
ホームビジット
カンボジア
ラオス
ミャンマー
タイ
ベトナム
カンボジア
ラオス
ODA サイト
ミャンマー
タイ
ベトナム
カンボジア
ラオス
伝統文化施設訪問
ミャンマー
タイ
ベトナム
訪問先
一二三日本語学校
キエティサック高校、シーコッタボン高
校
マハガンダヨン僧院学校、ダマラキタ
僧院学校付属語学学校、WBMI 僧院
付属語学学校、マノラマ僧院付属語学
学校
テープリラー高校、サイパンヤラーン
シット高校、タマサート大学
チュウバンアン高校、グエンシュウ高
校
日本地雷処理を支援する会(JMAS)
特定非営利活動法人「ラオスのこど
も」 、子ども教育開発センター(CEC)
メアリーチャップマン聾学校
マングローブ植樹(クローン・ピタヤー
ロンコン学校)
NPO 民族フォーラム、ベトナム盲人協
会本部
現地訪問校の学生家庭や過去の
JENESYS 参加学生家庭など
JICA 裁判官検察官養成校、遺跡修復
現場(バイヨン寺院)、
地域母子保健改善ボランティアプロジ
ェクト、セタティラート病院、武道館
児童中心型プロジェクト、リハビリテー
ション強化プロジェクト
社会開発人間安全保障省 保護・職
業センター(JICA シニアボランティア活
動サイト)
ドンラム村遺跡保存プロジェクト
クメール伝統織物研究所、アンコール
ワット
ホワイホン職業訓練センター
バゴー(チャッカワイン僧院、王宮、モ
ン族の村、僧院学校、涅槃仏)
サムットソンクラーン県アンパワー地
区
タンロン水上人形劇
6.国別プログラム
(1)カンボジア
1)日程
月日
プログラム
目的
宿泊
マロウドインターナショナルホテル成田
1階「筑波」集合
7/27
(火)
7/28
(水)
7/29
(木)
成田
オリエンテーション
出発前にJENESYS事業の概要や派遣プログラムのコンセプトを理解し、訪問に
向けた事前知識を得、心構えをする。
TG641便 成田 11:00発 / バンコク 15:30着
PG909便 バンコク 18:45発 / シェムリアップ 19:40着
【学校訪問】
8:30-10:30一二三日本語学校訪問
【伝統文化施設訪問】
11:00-12:30クメール伝統織物研究所
日本のNGOにより建設された日本語学校を訪問し、その様子を見学す
る。また、カンボジア独自の伝統織物の復活に寄与した日本友禅染織
り職人の施設を訪問し、織物作りを見学する。
【伝統文化施設訪問】
遺跡修復現場(バイヨン寺院)見学
アンコールワット見学
カンボジアを代表する世界遺産の日本政府による修復作業を見学す
る。
シェムリアップ
シェムリアップ
VN1100便 シェムリアップ8:15→プノンペン9:05
【大使館表敬】
在カンボジア日本国大使館表敬
07/30(金)
【ODAサイトプロジェクト】
JICA裁判官検察官養成校 訪問
【JENESYS参加学生との交流】
合同アクティビティ(CJCC)
7/31
(土)
8/2
(月)
プノンペン
日本のODAがカンボジアの法整備に貢献している現状を理解し、国際協力に
ついての学習を深める機会とする。
過去のJENESYS参加学生が集い、各国の紹介や共同作業を行うことにより、
異なる点や類似点を発見し、相手国への理解を深める。
ソリヤショッピングセンター・セントラル
マーケット
プノンペンで最も近代的なショッピングセンターを訪れ、カンボジアの発展を見
学する。同時に、ローカルな市場を見学し、その対比を感じる。
教育省主催 夕食会
カンボジア教育省担当者と親睦を深める
【JENESYS参加学生との交流】
ホームビジット(2家庭)
8/1
(日)
日本とカンボジアの関係、日本の役割や援助の現状の理解を深める一
助とする。
プノンペン
カンボジア学生の家庭を訪れ、彼らの暮らしぶりを見学し、交流を通じて異文化
に対する理解を深めると共に、後に続く友情を育む場とする。
プノンペン
【市内視察】
・王宮
・トゥールスレン博物館
・トゥルトムプーンマーケット
市内の歴史の舞台を巡ることにより、カンボジアの歴史・文化を総合的に学ぶ。
また、現地の人々が集う市場を訪問し、プノンペンの活気を肌で感じる機会とす
る。
日本地雷処理を支援する会(JMAS)
未だカンボジアに多く埋まっている地雷についての知識を深めると共に、日本
NGOによる活動の重要性を認識する。
レセプション/帰国準備
今回のプログラムに参加した両国学生及び関係者が集い、プログラムの成果と
意義を確認し、友好関係に更なる発展の契機とする。
プレ・ワークショップ
プログラムアンケートの記入、帰国後のワークショップの準備
機中泊
TG585便 プノンペン 20:25発 / バンコク 21:30着
TG642便 バンコク 23:50発 / 成田 08:10着
8/3
(火)
8/4
(水)
朝、成田着
着後、都内のワークショップ会場へ。
ワークショップ
今回のプログラムから学んだことと、経験したことの今後への生かし方につい
て、皆の意見をまとめる。
外務省成果報告会
メコン5カ国へ派遣された高校生が一同に会し、それぞれが得た成果を発表し
合い、総合的に意見交換をし、日本とアジアの国々の繋がりについて視野を広
げる場とする。
解散
都内
2)プログラム
月日
内容
地域活動の参加「一二三日本語学校訪問」
【概要】
日本高校生の自己紹介の後、日本人講師より日本語学校の活動についての説明
を受ける。この中で、日本語スピーチコンテストの優勝者、参加者のスピーチを聞
かせていただく。日本語でしっかりと自分の思いを伝え「公立の学校を途中でやめ
てしまったが、再び学校に通うことができ、いろんな可能性を得ることができた」とい
う力強いスピーチだった。その後、日本高校生から折り紙(神奈川県立多摩高等学
校)、書道(大分県立西高等学校)の紹介と、全員でのアクティビティーを実施。両
者ともすぐに打ち解けて、心温まる交流となった。
【派遣団の様子】
夢だった日本語学習を貧困が原因で諦めかけていたことや学習環境が厳しい状況
ながらも、熱心に日本語学習を続ける姿に、多くの派遣団は、感銘を受けた様子だ
った。
7 月 29 日
(木)
伝統文化施設訪問「クメール伝統繊物研究所」
【概要】
多くの女性が働く機織り機がずらっと並んだ工房を見学。カンボジア独自の伝統織
物の復活に貢献した日本人禅染織り職人から黄金のシルクと呼ばれるカンボジア
原産の伝統的技術継承の苦労話など受けた。カンボジア原産の絹糸を天然の染
料で染め、丁寧に織り上げていく行程を学んだ。
【派遣団の様子】
日本人職人の地道な活動を理解した様子だった。
絞り染めの段階で絵柄が決まるという高度な技術に驚くとともに、その絵柄を昔の
ことを記憶しているお年寄りに思い出してもらいながら復刻版を作る活動をしている
ことに感銘を受けていた。機織りは古代から女性の仕事として受け継がれ、母親た
ちが、子供が横で遊ぶ姿を見ながら仕事に励むことができる環境を作っていること
に共感していた。
ODA サイトプロジェクト1「バイヨン寺院遺跡修復現場見学・アンコールワット見学」
【概要】
7 月 29 日
JSA(日本国政府アンコール遺跡救済チーム)のバイヨンインフォメーションセンター
(木)
で DVD、パネルによる説明を受けた後、バイヨン遺跡の南経蔵の修復現場を視察。
日本人から技術移転を受けたカンボジア人作業員が、炎天下の中にもかかわらず
積極的に、自国の遺跡を修復しているという誇りをもって作業をしている姿を見学。
その後、1994年からこのプロジェクトの下で働いているカンボジア作業員及び日
本人考古学家の案内で、バイヨン遺跡、アンコールワット遺跡を見学。観光ガイドと
は一味違った深い説明を聞くことができた。
【派遣団の様子】
日本政府が貢献している現地を視察し、世界遺産である遺跡の修復作業に、国際
協力の重要性を改めて認識した様子だった。
在カンボジア日本国大使館表敬訪問
【概要】
大使館の業務内容についての詳しい説明をいただき、カンボジアにおける日本の
ODA の現状と展望について学んだ。また、日本・カンボジア両国間の協力関係や
援助の状況、日本が国際社会の中で果たすべき役割についても説明がなされた。
自己紹介の際に、参加者が質問や感想を述べた。その中では「カンボジアに来る
前は発展途上国と聞いていたので、地雷や暗いイメージしかなかったが、来てみる
と笑顔に満ちた、あたたかい国であると感じてほっとした」「緑の多い街並みが素
敵。日本のような発展の仕方はしないでほしいと思った」といった声があった。
【派遣団の様子】
普段、訪れることができないところであり、派遣団から良い経験になったとの声が聞
7 月 30 日
(金)
かれた。
ODA サイトプロジェクト2「JICA 法整備プロジェクト訪問」
【概要】
JICA 専門家にプロジェクトの全般の話をしていただいた後、具体的な指導内容や、
諸問題等の説明もいただく。話の中では、援助の実施の難しさ(現場と本部、実施
機関との関係、カンボジア側の姿勢の問題)等についても話が及んだ。
【派遣団の様子】
我が国の ODA の重要なプロジェクトの一つだが、高校生にとっては難しい内容もあ
ったようだが、最後の時間に日本から派遣された裁判官、検察官と交流でき、授業
参観もできて非常に良かったとの評価だった。高校生からは、どうしてわざわざ日
本から派遣された日本人がカンボジアの法律を作るのか、といった率直な疑問など
が出た。
JENESYS 参加学生との交流「合同アクティビティー」
【概要】
過去、JENESYS 招へいプログラムで来日した経験のある21名の高校生と、午前・
午後を通して交流が行われた。日本の高校生からは、多摩高校が日本の遊び(ハ
ンカチ落とし、ダルマさんが転んだ)を紹介し、大分西高校は「アルゴリズム体操・行
進」を紹介した。一方、カンボジア高校生からもカンボジアの歌・踊り(アラピヤ)や、
遊び「花嫁争奪ゲーム」「3引く1ゲーム」を紹介した。
【派遣団の様子】
ゲームや新聞紙を利用した共同アクティビティーでは、思いっきり体を動かし、身振
り、手振りで意思を伝え合い、両国の学生が皆、打ち解け、国籍を超えて楽しんで
いた。共同作業等を通して双方の国の文化や習慣を理解することができ、お互い
7 月 31 日
の友情を深めることができた様子だった。
(土)
ソリヤショッピングセンター・セントラルマーケット散策
【概要】
カンボジアの古くからのマーケットと近代的なショッピングセンターを実際に歩き、古
いものと新しいものが入り交じるプノンペンの様子を視察。ショッピングセンターでは
日本製の家電売り場や、プリクラの流行、若者たちの様子を見て、経済成長ととも
に近代的な部分を持ち始めているカンボジアの一面を見ることができた。
【派遣団の様子】
マーケットでは生鮮食品売り場の活気に驚いていた。派遣団は、カンボジアの経済
発展状況を理解し、同時に格差社会の現状を学ぶことができた様子だった。
JENESYS 参加学生との交流「ホームビジット」
【概要】
2グループに分かれて、男子高校生、女子高校生の家を訪問した。単なる「視察」で
は知りえなかった、カンボジアの歴史(ポルポト時代)の苦悩や家族の深い絆、子ど
もへの両親の想いといった、カンボジア人のメンタルな部分を肌で感じることができ
た。
8月1日
(日)
【派遣団の様子】
各家庭ともに昼食を用意して待っていてくださり、心温まる歓迎だった。心からのも
てなしを受けた派遣高校生は、「カンボジアに来て今まで食べたどの食事よりも、美
味しい」と、心から感動をしていた。交流では折り紙や互いの将来の夢などを語り合
い、準備した記念品を交換し、友情を育んでいた。派遣団は、異文化に対する理解
を一層深めることができた様子だった。
8月1日
(日)
市内視察「王宮、トゥースレン博物館、トゥルトムプーンマーケット」
【概要】
トゥルトムプーンマーケットでは、多くの外国人が足を運ぶ様子や、商店の人達が
英語、日本語、その他の言語をとっさに使い分けている様子などを見ることで、シェ
ムリァップだけでなくプノンペンにおいても観光が重要な産業の一つであることを学
んだ。
トゥールスレン博物館では、ホームビジットの際に耳にした内戦、虐殺というキーワ
ードを実際に目にし、王宮では、カンボジアが王国として歴史をもつ国であることを
学ぶことができた。
【派遣団の様子】
トゥールスレン博物館ではショッキングな展示物と説明で気分が悪くなった学生が
いたが、ショックを受けながらもこの歴史に目を背けてはいけない、このような歴史
の上にカンボジアの人々の笑顔があるのだという事を実感しており、戦争の悲惨さ
やカンボジアの残酷な歴史を知る貴重な機会となった。
日本地雷処理を支援する会(JMAS)
【概要】
カンボジアに約400~600万の地雷、約240万個の不発弾があること、それが内
戦だけでなく、ベトナム戦争という隣国の戦争の負の遺産であるという、歴史的背
景の説明を受ける。一方で、戦後になった今もなお、善良な国民に脅威を与えてい
るこれらの地雷・不発弾を、日本の元自衛官たちが、その知識・技術を使ってカンボ
ジアで人材育成し、ともに汗を流しながら撤去作業・国民への啓蒙活動を展開して
いることを学ぶ。また、本物の地雷・不発弾(処理済)を見る。
8月2日
(月)
防弾着やヘルメットを実際に着用させていただき、炎天下での作業がどんなに大変
な事かを体験した。
【派遣団の様子】
元自衛隊員が退職して NGO を立ち上げ、精力的に活動する姿に感動した学生が
多かった。また、次々に戦争のために兵器を作り出す国や人がなおも存在するとい
うこと、それにより被害を受けている人が今、この時間にもいるのだという現実を実
感した様子だった。
8月2日
(月)
レセプション
【概要】
カンボジア教育青年スポーツ省情報・アセアン事業副局長、在カンボジア日本大使
館参事官、合同アクティビティー参加の高校生が出席。今回プログラムに参加した
両国の学生が集い、交流で覚えたアラピヤの歌と踊りを披露した。日本の高校生
代表(多摩高校:1名、大分西高校:1名)からは、異文化交流の中では相手を知
る、知ろうとする事、その上で自分を見つめなおすことの大切さについて、感想が述
べられた。
続いてプレワークショップを実施。外務省での報告会に向けて役割分担を決定する
とともに、発表内容検討をスタートさせた。
【派遣団の様子】
短い間にも濃い友情を育むことが出来、最後は両国の学生とも涙の別れとなった。
派遣団はプログラムの意義を再確認し、友好関係を一層深めた。
ワークショップ準備
【概要】
外務省で発表する資料を作成しながら議論した。
【派遣団の様子】
ワークショップで議論できる時間が限られているため、現地滞在の残りの時間を利
用して総合的に意見を交換していた。
8月3日
(火)
ワークショップ
【概要】
今回のプログラムから学んだこと、経験したことの今後への生かし方について参加
者全員の意見をまとめた。
【派遣団の様子】
今回のプログラムで学んだこと、経験したこと、今後、自分たちでできることを考察
し、議論が白熱かつ活発だった。経験したことを今後の学習に活かそうとしていた。
外務省成果報告会
【概要】
8月4日
(水)
メコン5カ国に派遣された高校生が一同に会し、それぞれが得た成果を発表した。
【派遣団の様子】
他国に派遣された高校生の成果発表を聞くことができ、日本及びアジア諸国との協
力関係を理解し、視野を広げることができた様子だった。
<現地参加学生の声>
1.学校交流で最も印象に残っていること
○ 象の衣装を作ることに関して深い印象を持ちました。メンバーの中1人がモデルになり、他のメ
ンバーは新聞紙を切り取って像の衣装を作りました。もう一つは、日本のぶつからないように踊る
体操です。最後にゲーム遊びです。日本のゲームとカンボジアのゲームが似っているところがあ
ります。
○ もっとも印象深い思い出は、日本人が日本のことを教えてくれたことです。他方、交流アクティビ
ティーでは折り紙を使ってものを作ることが深い思い出になります。
○ 最も印象深い思い出は伝統ゲームとアルゴリスム体操です。これらの交流アクティビティーを通
してとても楽しく、また、友情や親近感が溢れた交流でした。
○ 日本の遊びである体操は健康に良いと思います。私は、勇気のある日本の学生の行動に感動
しました。
2.学校交流を通じて日本や日本人について新たに発見したこと
○ 日本の学生との会話を通して日本での生活について知識を得ることができました。また、環境
問題及び彼らの学習プログラムについて知ることができました。
○ 日本の学生から新しい知識を得ることができました。それは日本人は勇気があり、明るく・親しく、
賢く、工夫する能力を持っています。
○ 日本人が好む体操及びゲームについて理解することができました。また、日本人はたとえゲー
ムであっても目的に向けて真剣かつが勤勉に取り組む国民であると改めて実感しました。
3.今回築いた友情を、今後どのように続けていけるか
○ インターネット利用、電話、写真などを通して友情を発展させたいです。
○ プログラムを通して育んだ友情を記念品交換や一緒に食事をするなどして発展させたいです。
また、インターネットやメールで行います。
4.その他コメント
○ もう一度 JENESYS プログラムに参加できると思います。多くの日本人がカンボジアに来て欲し
いです。
○ これまで会ったことない学生でしたが、お互い直ぐにうちとけ合い、楽しい交流でした。
(2)ラオス
1)日程
月日
15:00
7/27
(火)
7/28
(水)
7/29
(木)
プログラム
マロウドインターナショナルホテル成田
1階「筑波」集合
15:30 オリエンテーション
7/31
(土)
8/1
(日)
8/2
(月)
出発前にJENESYS事業の概要や派遣プログラムのコンセプトを理解し、
訪問に向けた事前知識を得、心構えをする。
成田よりバンコクを経由し、ビエンチャンへ
TG641便 成田 11:00発 / バンコク 15:30着
QV425便 バンコク 18:50発 / ビエンチャン 20:10着
9:30- 【ODAサイト見学】
11:30 地域母子保健改善ボランティアプロジェクト見学 援助の現場を訪れることで、ラオスの医療・保健の実情を知り、先進国と
しての日本の役割を理解し、日本の途上国支援の将来を考える。
宿泊
成田
ビエンチャン
ビエンチャン
14:00セタティラート大学病院見学
16:00
8:30- 【JENESYS参加学校訪問①】
11:15 Kiettisack International School
7/30
(金)
目的
ビエンチャン市内の高校(私立)を訪問し、同世代の高校生との交流を図
る。
【昼食レセプション】
(ラオス教育省計画協力局、外務省ASEAN局、
12:00受け入れ協力機関であるラオス政府関係者や、過去のJENESYS参加者
Kiettisack International School、Sikhottabong を招いたレセプションを通じて、日ラオス間の更なる親睦を図る。
13:30
School)
ラオプラザホテルにて
14:00【在ラオス日本国大使館表敬訪問】
15:00
両国政府の関係を学び、政治・経済の観点から日ラオス関係を理解す
る。
17:00武道館見学(柔道)
18:00
日本のODAにより建設された武道館にて、日本が支援するラオスのス
ポーツ活動を見学する。
9:00- 【JENESYS参加学校訪問②】
12:30 Sikhottabong School
前日とは異なるビエンチャン市内の高校(公立)を訪問し、ラオスの教育事
情について理解を深める。また、同世代の高校生との交流を図る。
【伝統文化施設訪問】
14:30ホワイホン職業訓練センター
16:30
シルク染め体験
ラオス女性の自立支援を目的に運営されるホワイホン職業訓練センター
にて、ラオス伝統技術である染織りについて学ぶと共に、シルク染めを体
験する。
【ビエンチャン市内見学】
・朝市
8:30 ・ラオス国立博物館
・タートルアン
・パトゥーサイ
ビエンチャン
ビエンチャン
市内の歴史の舞台を巡ることにより、ラオス仏教やラオスの人々の生活な
ど、歴史・文化を総合的に学ぶ。
ビエンチャン
14:00- 【ホームビジット】Kiettisack International School ラオスの家庭を訪れ、彼らの暮らしぶりを見学し、交流を通じて異文化に
対する理解を深める。
16:00 生徒宅訪問
17:30武道館見学(空手・合気道)
18:30
日本のODAにより建設された武道館にて、日本が支援するラオスのス
ポーツ活動を見学する。
9:00- 【地域活動等への参加】
11:30 子ども教育開発センター(CEC)
地域社会に根づいた社会貢献活動(シンサイ教室、歌の練習)に参加し、
多方面からラオスの文化を理解する。
13:00プログレス高校見学
14:00
ラオスの公立高校の校舎や教室、設備を見学し、教育事情について理解
を深める。
機中泊
ビエンチャンより帰国の途へ
15:00 QV415便 ビエンチャン 16:30発 / バンコク 17:50着
TG642便 バンコク 23:50発 / 成田 08:10着
8:10 朝、成田着
8/3
(火)
8/4
(水)
着後、JICA東京へ。
14:00ワークショップ
18:00
今回のプログラムから学んだことと、経験したことの今後への生かし方に
ついて、皆の意見をまとめる。
9:30外務省成果報告会
11:30
メコン5カ国へ派遣された高校生が一同に会し、それぞれが得た成果を発
表し合い、総合的に意見交換をし、日本とアジアの国々の繋がりについて
視野を広げる場とする。
12:00 解散
都内
2)プログラム
月 日
プログラム
【ODA サイト訪問】ナーサイトン郡病院
【概要】
首都ビエンチャン、ナーサイトン郡病院で実施されている地域母子保健改善プロジェ
クトや地域保健改善の病院の取組みについて、病院長や海外青年協力隊員からそ
の現状を聞いた。また、病院内を見学、設備や入院患者、外来患者の様子を知る事
ができた。
【派遣団の様子】
院長以下、環境の良い病院作りや地域保健向上に取り組む病院職員と協力隊員の
説明を受け、日本の援助やラオスの医療・保健の現状について理解するきっかけに
7 月 29 日
(木)
なった。また、患者と挨拶したり話しかけるなど積極的にプログラムに取組んでいた。
【ODA サイト訪問】セタティラート病院
【概要】
日本の無償資金協力で建設され、技術協力プロジェクトが実施されているラオス国立
大学医学部付属病院(国立病院)。「病院概要」や「シニアボランティアの活動」「医学
教育研究機能強化プロジェクト」について説明を受けた。また、病院内を見学、外来や
病棟、食堂などの様子を見学。
【派遣団の様子】
午前中訪問した郡病院との違いなどが比較できた。援助や支援の継続を望む多くの
声に、ラオスがどのようにすれば自立できるのかを考える良いきっかけとなった。
【学校交流】 キエティサック高校
【概要】
ラオス国籍を持つ生徒が多く通うインターナショナルスクールで、幼稚部から高等部ま
で設置されている。今回は、韓国人、日本人生徒を含む約10名の生徒と書道や折
7 月 30 日
(金)
紙、ダンス、剣道などを通して交流が行われた。
(交流プログラム)
8:30-8:40
自己紹介
8:40-9:30
書道
9:30-10:30
剣道紹介、 キエティサック高校:Lamvong ダンス Batsalop ダンス
10:30-11:15
折紙、竹とんぼ、CDと風船を使ったホッケーなど。
11:15
お礼の挨拶、記念品の贈呈
【派遣団の様子】
書道では、同じ言葉をラオス語ではどのように書くのかラオス側の高校生から教えて
もらう場面もあり、和気藹々とした雰囲気が生まれた。両校生徒とも上記交流プログラ
ムを思いっきり楽しんだ。
【レセプション】教育省レセプション
【概要】
在ラオス日本大使館、ラオス教育省、外務省、キエティサック高校、シーコッタボン高
校の関係者や交流に参加する現地高校生が出席。教育省局長から、ラオスの教育に
ついての説明があった。
【派遣団の様子】
着席形式で実施。少々緊張気味であったが、同じ席になった大使館や教育省関係
者、ラオス高校生らと会話を楽しんだ。
【表敬】日本国大使館訪問
【概要】
大使館を表敬訪問し、ラオスの全体像や外交官の仕事、日本とラオスの関係につい
て説明を受けた。また、各高校生からの質問や意見交換が行われた。
7 月 30 日
(金)
【派遣団の様子】
参事官の気さくで温かい対応とラオスについての分かりやすい話に全員、メモを取り
ながら真剣に聞いていた。ラオスのことを少しでも知ろうとする意気込みが感じられ
た。
【ODA サイト訪問】武道館(2回訪問)
【概要】
2009年に東南アジア競技大会がラオスで開催された際に、日本の無償資金協力で
建設された。館内やラオス人が練習している様子を見学。シニアボランティアから武道
館の活用状況や日本の武道がどのようにラオスに浸透しているのか説明を受けた。
【派遣団の様子】
日本の政府開発援助が地域の人にどのように活用されているか、その現状を身近な
武道を通して理解することができた。また、建設資金が適切であるか、効率的に利用
されているのかなど鋭い一面ものぞかせていた。
【学校交流】シーコッタボン高校
【概要】
ビエンチャンにある公立高校。ラジオ体操、浴衣の着付け、ダンス、剣道などの活動
や高校生の生活や日本について意見交換を通して交流を行った。
(交流プログラム)
9:00-9:10
自己紹介
9:10-10:00 浴衣の着付け
10:00-11:00 アクロバット、ファッションショー 歌、ダンス、など(ラオス側)
11:00-12:00
空手、剣道、ラジオ体操、五人六脚(日本側)、意見交換
12:20 頃 お礼の挨拶、記念品の交換
【派遣団の様子】
7 月 31 日
(土)
交流会場は、花やお菓子、飾りつけなどラオス風の歓迎準備が整っており、全員嬉し
そう。ラオス高校生が見せる「アクロバット」や「カラテ」の妙技にみんなびっくり。ダンス
やラジオ体操、意見交換など全員参加型のプログラムが多く、先生方も一緒になって
の和やかで楽しい雰囲気の交流であった。
【伝統文化施設】ホワイホン職業訓練センター
【概要】
1998年、日本の NGO の支援で設立され、JICA の支援を3年間受けたが、現在は自
立し、ラオス労働社会福祉省の管轄の下、運営を行っている施設。弱者である地方の
女性や障害者を対象に機織りや自然染色の研修を寄付や製品の売上げ使って実
施、自立を助ける。また、ラオスの伝統的な織物を伝承する役割を担っている。
【派遣団の様子】
日本の支援で作られた施設であり、手織や染色、職業訓練の活動、伝統的なラオス
の織物に関心をもったようである。草木染に挑戦した。
【市内見学】・トーンカンカム市場 ・国立博物館 ・シーサケット寺院
・タートルアン寺院 ・パトゥーサイ(凱旋門)
【概要】
・トーンカンカム市場: 都民の台所である公設市場。
・国立博物館: ラオスの歴史や民俗、生活を展示している博物館。
8月1日
(日)
・シーサケット寺院: 1818年に建立されたといわれるビエンチャン最古の寺院。本堂
や回廊に並ぶ仏像群がその歴史を示している。
・タートルアン寺院: ラオス仏教の最高の寺院で、ラオスの象徴とも言える寺院。伝
承では 3 世紀頃仏舎利を納めるために建立したと伝えられている。
・パトゥーサイ(凱旋門): もとは戦没者の慰霊碑として1960年からパリの凱旋門を
模して建設が始められた。
【派遣団の様子】
日本で体験できない生鮮食料品や雑貨などを扱う大きな市場の様子に興味津々であ
った。また、国立博物館やお寺の見学では、ガイドの説明を真剣に聞いていた。時間
に制限はあったが、町の様子も車窓から見え、ラオスを理解するのに役立つと、好評
であった。
【ホームビジット】キエティサック高校の生徒の家
【概要】
交流を実施した高校生の家庭(大邸宅)を訪問。交流した高校生たちも参加。客人用
の棟でラオスの民族衣装、意見交換会、「バーシーの儀式」(出会いや幸福、健康、旅
8月1日
(日)
の無事を願う儀式)などを体験した。
【派遣団の様子】
「民俗衣装」体験、話し合いなど、ホームビジット先で、学校交流で友達になった高校
生たちと再会できみんな喜んでいた。家庭そのものを体験できなかったが、ラオス社
会の慣習や伝統に触れる事ができ、満足そうであった。
【ODA サイト訪問】武道館
【概要】
2回目の訪問(希望者のみ)。前記参照。空手と合気道を見学。
【派遣団の様子】
カラテを見学、1名の参加高校生がカラテの経験があり、ラオス人に混じってカラテの
練習をした。他の参加者もカラテに興味をもったようである。
【地域活動見学】
・特定非営利活動法人「ラオスのこども」 ・子ども教育開発センター
【概要】
「ラオスのこども」の活動と図書室を見学。子供のための図書が置き去りにされてきた
ラオスの現状の説明を受けた。
「子ども教育開発センター」では、「サンシンサイ(ラオスの古典文学の一つ)」の朗読
に取組む子供達や地域の子供との交流。(歌、民俗舞踊、ダンス、サンシンサイ鑑
8月2日
(月)
賞、意見交換など)
【派遣団の様子】
子供達を支援する NGO の活動やその現状を体験、素晴らしい子供達の歌声や詩の
朗読に感動していた。ラオスのダンスや歌も子供達と一緒に楽しんだ。
【学校見学】プログレス高校
【概要】
幼稚部から高校まである都内の私立学校。教室や校内の施設を見学
【派遣団の様子】
私立学校の施設見学で、校内の様子や学校の取り組みを理解することができた。
【市内見学】スーパーマーケット
【概要】
8月2日
(月)
市場とは対照的なミニ・スーパーマーケットを見学。
【派遣団の様子】
日本風に品物を販売している小さなスーパーを体験。ラオス産のコーヒーやお茶を購
入した。
【まとめ】ワークショップ
【概要】
今回の派遣で気付いたことをみんなで話し合い共有し、今後その経験をどのように活
かしていくかをまとめる。
【派遣団の様子】
現地で毎日「気づき」のミーティングをしていた成果もあり、全員協力してスムーズに
8月3日
(火)
報告書をまとめる事ができた。「援助」ではなく「協力」へという本質的な問題提起もあ
り、今回の訪問や交流を通して、彼らが真摯に取り組んだ成果が感じられた。
【報告会】外務省成果報告会
【概要】
「ワークショップ」での気付きからまとめた内容を報告。
【派遣団の様子】
緊張気味であったが、全員がそれぞれの役割を立派に果たし、満足げな様子であっ
た。また、報告会が終った後「ラオスに戻りたい」という声が聞かれた。
<現地参加学生の声>
1.学校交流で最も印象に残っていること
○「ゆかた」を着ることができてとても感動しました。日本の高校生とラオスの高校生がうちとけて
様々な活動を一緒にしたのが印象に残っています。
○日本の高校生が教えてくれた「空手」が印象に残っています。
○日本の高校生は、みんなとても協力的でした。そして、私たちに見せてくれた笑顔がとても印象
に残っています。
○全てのプログラムがとても印象的で楽しめました。私は、書道がとても好きになりました。書道
は、私にとって、新しいものだったからです。折り紙や竹とんぼ作りもとても素晴らしいプログラ
ムでした。また、ラオスのダンスも私にとってはチャレンジであり、本当に楽しかったです。
○交流プログラムを通して最も印象に残ったものは、日本の伝統的なライティングである書道です。
私にとって、日本の本当の伝統の象徴の一つであると思いました。
2.学校交流を通じて日本や日本人について新たに発見したこと
○素晴らしい日本の文化・伝統を知ることができました。学校の友達に教えてあげたいと思いま
す。
○着物(ゆかた)の着方を教えてもらいました。日本人はとても親しみやすく、相手を尊重し、上品
だと思いました。
○剣道や護身のためのカラテ、ラジオ体操もとても楽しかったです。
○日本の高校生は、とても親切でフレンドリーです。彼らは、ラオスのダンスに興味津々で、私た
ちはダンスを教えたのですが、本当に楽しんでいました。
○日本の高校生との交流プログラムを通して、彼らがとても礼儀正しいと思いました。私が最も
好きなことは、日本人が食事の前と後にする「いただきます」「ごちそうさま」という習慣です。
3.今回築いた友情を、今後どのように続けていけるか
○今回生まれた友情は、とても素晴らしいものです。機会があれば、文化交流や日本人の生活
を知るために日本を訪問したいです。そして、日本の高校生にもまた私たちを訪ねてきて欲し
いです。
○インターネットを通して関係を継続したいと思います。彼らを訪問したいし、また、彼らにラオス
に来てもらい、一緒に文化交流をしたいと思います。
日本の高校生との友情を続けるために、E メールや手紙、電話を通して連絡を取りあいます。
お互いの友情はもっと特別なものになっていくことでしょう。
4.その他
○日本の高校生とはあまり言葉が通じませんでしたが、お互い仲良くなれました。
○日本の高校生と知り合うことができてとてもハッピーでした。今回のように多くの外国からの友
人と知り合えることは、私の喜びです。彼らと友達になれたことをとても嬉しく思います。
JENESYS プログラムにビッグな感謝を。
(3)ミャンマー
月日
1)日程
内容
15:00
7月27日 火
15:30-18:00
7月28日 水
8:30
目的
オリエンテーション
出発前にJENESYS事業の概要や派遣プログラム
のコンセプトを理解し、訪問に向けた事前知識を
得、心構えをする。
成田
成田よりバンコクを経由しヤンゴンへ
成田11:00発→バンコク15:30着 【TG641便】
バンコク17:50発 → ヤンゴン18:45着 【TG305便】
9:30-10:30
JICAミャンマー事務所訪問
11:00-12:30
【ODAサイト訪問】
児童中心型教育プロジェクト
14:00-15:30
【ODAサイト訪問】
リハビリテーション強化プロジェクト
7月29日 木
ミャンマーに於けるJICAプロジェクトの全体像を知
ることで、この後に訪問するODAプロジェクトサイト
への理解を深める。
援助の現場(資金協力プロジェクト、専門家等)を
訪れることで、ミャンマーの実情を知り、先進国とし
ての日本の役割を理解し、日本の途上国支援の将
来を考える。
16:30-17:15 在ミャンマー日本国大使館表敬訪問
両国の関係を学び、日本とミャンマーの全体像を理
解するための一助とする。
9:00-11:00
メアリーチャップマン聾学校訪問
ミャンマーの地域社会に根づいた社会貢献活動に
参加し、多方面からミャンマーの習慣・文化を理解
する。
マハーガンダヨン僧院学校
社会の基礎となる教育の現場を訪れることで、ミャ
ンマーの教育制度について知識を得、また同世代
の学生との交流を図る。
15:30-17:00
YUZANA PLAZA
現地の若者に人気のあるショッピングモールを見
学することで、ミャンマーでの買物の様子を知る。
また、民族衣装にも挑戦する。
8:00
21:00
パゴー日帰り旅行
※僧院付属日本語学校高校生同行
(チャッカワイン僧院、王宮、モン族の
村、僧院学校、涅槃仏)
→ヤンゴン到着後シェダゴンパコダ
見学
ヤンゴン近郊のパゴー市を同世代の学生と訪問
し、同世代の学生と交流を深めるとともに、ミャン
マーを代表する仏教遺跡や僧院を見学してミャン
マーの歴史や仏教文化を体感する。
9:00-10:30
ダマラキタ僧院付属語学学校訪問
11:00-12:30
WBMI僧院付属語学学校訪問
7月30日 金 13:00-15:00
宿泊
成田集合(マロウドインターナショナルホテル成田1階「筑波」集合)
ヤンゴン
7月31日 土
8月1日
日 14:00-15:00
ボージョーアウンサンマーケット
ミャンマー独自の文化で教育施設である僧院付属
語学学校を訪問し、教育現場を知るとともに、ミャン
マーの教育事情について知識を得る。また同世代
の学生との交流を図る。
15:30-18:00 マノーラマ僧院付属語学学校訪問
8月2日
月
20:00-21:00
ホームビジット
ミャンマーの家庭を訪れ、彼らの暮らしぶりを見学
し、交流を通じて異文化に対する理解を深める。
10:00
日本国大使館にて報告会
今回のプログラムに参加した両国学生及び関係者
が集い、プログラムの成果と意義を確認し、友好関
係の更なる発展の契機とする。
午後
17:00
8:10
8月3日
8月4日
火
水
市内視察
市内の歴史の舞台を巡ることにより、ミャンマーの
(国立博物館、日本人墓地など) 歴史や日本との歴史を総合的に学ぶ。
機内泊
ヤンゴンより帰国の途へ
ヤンゴン19:45発→バンコク21:40着【TG306便】
バンコク23:50発→【TG642便】
朝、成田着
14:00
訪問成果討論
今回のプログラムから学んだことと、この経験の今
後への生かし方について、それぞれ意見をまとめ
る。
午前
外務省成果報告会
各国へ派遣された学生達が一同に会し、それぞれ
が得た成果を発表し合い、総合的に意見交換を
し、日本とアジアの国々の繋がりについて視野を広
げる場とする。
午後
解散
都内
2)プログラム
月 日
プログラム
JICA ミャンマー事務所訪問
【概要】
所長挨拶の後、保健強化、麻薬代換農業、マングローブ植林、児童中心型教育、自
然災害復興などミャンマーで行われている様々な支援事業について説明があった。特
にサイクロン後の復旧作業への関心は高く、具体的な支援内容や方法について派遣
団員から質問が出ていた。
【派遣団の様子】
具体的な支援について説明を受け、ODA のイメージが湧いた様子。説明や答えに納
得した生徒もいれば、さらに深く知りたいという意欲をかきたてられた生徒もいた。最
初の公式プログラムということで緊張していたが、わかりやすく説明を受けて緊張もほ
ぐれ、この後訪問する ODA サイトへの期待も高まった。
児童中心型教育(ODA サイト見学)
【概要】
イェンギン教育短期大学所長の挨拶に続き、JICA 専門家よりプロジェクトの説明があ
った。質疑応答の後、児童中心型教育の現場を見学した。当教育を受けている小学
7 月 29 日
(木)
生たちの感性、発想力、活発に質問する姿勢、将来の夢などに触れ、教育の成果を
直接理解する機会となった。
【派遣団の様子】
児童中心型プロジェクトのミャンマーでの普及率に興味深々だった。児童中心型教育
を実際に受けている生徒と触れ合い、積極的な発言や発想力に感心した様子だっ
た。日本の支援の効果を実際に見て、その有意義さを体感した様子。ODA の重要性
を知る貴重な時間だった。
リハビリテーション強化プロジェクト(ODA サイト見学)
【概要】
院長の挨拶、JICA 専門家によるプロジェクトの説明に続き、院内のリハビリ現場を見
学。JICA による設備・機材提供や医療技術支援の具体的な説明を聞いた。質疑応答
の際にはミャンマーの医療事情等や理学療法士の地位などについて質問が出、院長
や JICA 専門家、医療スタッフが自身の担当領域に沿って答えた。
【派遣団の様子】
初めて身近で身体障害者を見た派遣団もおり、最初はショックを受けていたが、最終
的には ODA 事業の現地社会への貢献や成果、その重要性への理解が深まった様子
だった。派遣団の将来の夢と人生観に大きな影響を与えた貴重な時間であった。
在ミャンマー日本国大使館表敬訪問
7 月 29 日
(木)
【概要】
参事官よりミャンマー国の概要と、日本とミャンマーの長きに亘る友好関係について
説明があった。派遣団員からミャンマーと日本の違いや、外交官としての生き方、ミャ
ンマーでの暮らしなどについて様々な質問が出、参事官及び担当官は丁寧に答えて
いた。
【派遣団の様子】
現地で働いている人から日本とミャンマーの関係を聞ける貴重な機会であり、身近な
ことから国際関係まで積極的に質問していた。また、参事官や書記官のユーモアあふ
れる回答や経験を聞き、外交官の生き方や姿勢に感動している様子だった。
JICA 職員と夕食交流会
【概要】
JICA 職員と交流。海外で働く JICA 職員の体験談やミャンマーでの暮らし、国際協力
という仕事に対する職員の思いを聞き、自分たちの未来像に大きな影響を受けたよう
だ。世代と立場は異なるものの、日本を背負った者同士が海外で出会い、お互いの
熱意に触れることができた貴重な2時間であった。
【派遣団の様子】
国際協力に携わる先輩日本人の生き方を夕食会という場で気軽に聞け、志を持って
海外で働く JICA 職員に憧れと尊敬に満ちた眼差しを送っていた。
メアリーチャップマン聾学校訪問
【概要】
イギリス人設立のミャンマー唯一の私立聾学校を訪問。寮を備えミャンマー全土から
聾の子どもが入学してくる。主に寄付や各国の援助で経営されており、日本の援助で
体育館が建設されたり、JICA プロジェクトで手話の共通化が計られたりと日本との関
7 月 30 日
(金)
係も深い。
校長より学校の歴史説明の後、授業風景見学。日本の ODA 支援による体育館や補
聴器教室について案内し説明された。その後、聾学校の生徒による舞踊や派遣団に
よる書道や盆踊りなどで交流した。
【派遣団の様子】
耳が聞こえなくても積極的にコミュニケーションをとろうとする生徒と仲良くなれたこと
に感動していた。手話も覚えて楽しそうに交流しており、障害者に対する見方が変わ
った様子だった。
マハーガンダヨン僧院学校見学
7 月 30 日
(金)
【概要】
僧院学校の歴史と地域の子供たちへの教育、日本の人道支援で建てられた2階建校
舎ついて説明があり、生徒から日本国民の税金から寄贈されたことに対する感謝の
祈りを捧げられた。その後、新校舎と旧校舎の見学、最後に折り紙や習字を通して交
流した。
【派遣団の様子】
暗い教室でも一所懸命に勉強している生徒たちを見て勉強の意欲に驚いた様子だっ
た。さらに日本の文化である折り紙や習字に興味津々な小学生たちとの交流を通じて
日本を伝える楽しさに気づき、日本の遊びを真剣になって楽しむ現地の小学生子供
たちと交流に感激した様子だった。また、日本が支援した新しい校舎の効果を目の当
たりにして国際援助の意義に触れた様子だった。
パゴー日帰り旅行(僧院付属語学学校生徒同行・交流)
【概要】
ヤンゴン北部の町パゴーを3つの僧院付属語学学校から参加した12名のミャンマー
人とともに訪問した。バスで隣同士に座るとすぐに打ち解け、英語や日本語で熱心に
会話していた。日本のトランプの遊びをするグループもあった。パゴーの僧院学校や
7 月 31 日
モン族の村、日本人墓地、涅槃像などを共に訪問し、ヤンゴンに戻った後は雨の中シ
(土)
ェダコンパコダを拝観した。昼食と夕食を共にし、ミャンマーの食文化についても楽しく
語った。
【派遣団の様子】
派遣団が迷子にならないようミャンマーの学生が心配していたことや、急の雨の中一
本の傘を一緒に差して歩いたことなどが友情を深めたようだった。僧侶の暮らしと市
民の信仰についても興味を示した。
ダマラキタ僧院付属語学学校訪問
【概要】
門の前に並んで派遣団の到着を待ち、胸に花を飾ってくれた。僧侶や日本語の教員
から付属語学学校の説明があり、日本語や英語を勉強している生徒とミャンマー語や
8月1日
(日)
英語の会話集を使いながら交流した。過去の JENESYS 招聘プログラムで来日した生
徒たちと再会し話しがもりあがった。
【派遣団の様子】
まず熱烈な歓迎に感激していた。日本語の生徒や先生と交流して、ミャンマーでの日
本語への関心の高さに驚いていた。同時に外国語に対する派遣団の関心も高まった
様子だった。
WBMI 僧院付属語学学校訪問
【概要】
語学学校生徒からミャンマーの竪琴、バイオリンの演奏、舞踊が披露された。僧侶か
ら歓迎の挨拶の後、派遣団はコマやけん玉のパフォーマンスをし、ミャンマーの生徒
も一緒に遊んだ。その後、日本語を勉強する生徒のノートを見たり、富士山や桜など
日本の写真を見せたり、車座で生徒同士の交流を楽しんだ。午前のプログラム同様、
過去の JENESYS 招聘プログラム参加者との再会を喜んだ。
【派遣団の様子】
コマやけん玉の遊びに夢中になっているミャンマーの生徒を見て、日本の文化への高
い関心に嬉しそうだった。
市内観光(環状線駅及び市場視察)
【概要】
ヤンゴン環状線の駅を見学し現地の人々の足になる列車の役割と周辺の人々の暮ら
しを見学した。そしてミャンマーの伝統織物や民芸品や宝石などが集まったアウンサ
ン・マーケットを視察し、ヤンゴンの流行と観光産業の一つであるみやげ物市場につ
いて説明を受けた。
【派遣団の様子】
日本の家族や友人へのお土産を熱心に購入していた。また、ヤンゴンの伝統衣装と
現在流行のファッション、多様な民族衣装や木工芸品、漆器や宝石に興味を持った様
8月1日
子だった。
(日)
マノーラマ僧院付属語学学校訪問
【概要】
僧侶から歓迎の挨拶と果物やお菓子での歓待があった。生徒がぎゅうぎゅう詰めにな
って外国語の勉強をしている教室で開催された交流会では、お互いが歌や踊りを披
露し、カラオケにのせて日本語とミャンマー語で「乾杯」を歌った。また、電車の音やカ
エルの鳴き声などの擬音語を、それぞれの言語でどう表現するかを発表しあった。こ
こでもアセアン招聘プログラムに来日した生徒たちと再会した。
【派遣団の様子】
タナカというミャンマー独特の日焼け止めを顔に塗ってもらい、これでミャンマー人にな
れたと満足そうだった。言語により擬音語の表現が大きく違なるという体験をし、異文
化への理解を深めると共に、笑いが止まらない愉快なひと時となった。
8月1日
(日)
ホームビジット
【概要】
ミャンマーコンピューター協会会長宅を訪問。会長一家が温かく迎えてくれ、用意され
た手作りのお菓子や果物を一緒に食べた。民族衣装をプレゼントされ、着替えて全員
で写真を撮った。家の中を見せてもらうことで、ミャンマーの家庭のその暮らしぶりや
信仰の一端に触れることができた。
【派遣団の様子】
全員がミャンマーの民族服装になり楽しそうだった。プレゼントがあるとは思っておら
ず、感激していた。家族の話や信仰についても興味津々だった。
日本国大使館での報告会
【概要】
それぞれが挨拶した訪問先について、一人ずつ真剣に発表した。大使館の担当官が
それぞれの発表に対して、コメントやアドバイスをくれた。
【派遣団の様子】
一人ずつ発表ということではじめは緊張した様子だったが、大使館の方々の丁寧なコ
メントやアドバイスを聞き、自分の発表に自信を持ったようだった。また、一人ひとりに
コメントをもらえたことが非常に嬉しかった様子。
日本人墓地の参拝
【概要】
8月2日
(月)
ヤンゴン郊外にある主に第二次世界大戦の戦没者が埋葬されている日本人墓地を
現地で働く日本人の案内で訪問。先の大戦をどう捉えるかという話から日本人・ミャン
マー人の墓に対する思い入れの違いまで説明してくれた。
【派遣団の様子】
中学・高校でも第二次大戦について学んでいるはずだが、目の前にある墓地と学校
で習った歴史を繋げて考えるのは難しい様子だった。それでも彼らなりに戦争や異国
で死ぬということについて思いを馳せていた。
国立博物館見学
【概要】
ミャンマーの歴史や文化を文字や建造物や楽器などを通して学んだ。最後の王朝に
使われた玉座や衣類や装飾品や黄金の容器など品々についても見学できた。
【派遣団の様子】
ミャンマーの歴史を日本の時代と比較して説明した案内人の工夫によって、分かりや
すく理解が深まった様子だった。
ワークショップ
【概要】
8月3日
(火)
ミャンマー派遣について各訪問地で感じたことや気づいたことを話し、翌日の外務省
報告発表の原稿を作り上げた。
【派遣団の様子】
団員全員が役割を分担し、発言もしつつ内容をまとめ上げた。今回の派遣に対する
思いや考えなどを整理する真剣な派遣団員の表情が見られた。
外務省成果報告会
【概要】
8月4日
(水)
外務省にて関係者の前でミャンマー派遣で学んだことや今後どのように活かすかを代
表者が発表。
【派遣団の様子】
前日遅くまでかかって作ったパワーポイントを発表。発表者2人とパワーポイント担当
者1人は落ちついてそれぞれの役目を果たしていた。
<現地参加学生の声>
1.学校交流で最も印象に残っていること
○日本の皆さんは思ったより気さくだったのが印象的です。日本の皆さんの可愛いなまりのミャンマ
ー語は特に印象に残りました。
○気さくで相手に協力したり、互いに尊重する姿勢などが印象的で、尊敬できました。
○日本の皆さんは恵まれない子供たちに思いやりがあります。日本の皆さんは苦労して村々まで
行って、本や筆記用具などを寄贈しました。それを見て私の胸は感激でいっぱいでしたし、それ
が印象として心に残りました。
○特に印象に残ったのは日本の先生一人と男子生徒一人がミャンマーのロンジー(腰巻)を履いて
いたことです。ミャンマーのロンジーは皆さんにとても似合うし、ミャンマー語を話す時はとてもとて
も可愛かったです。
2.学校交流を通じて日本や日本人について新しく発見したこと
○日本の学生は相手に気を遣い、負担の無いように助けてくれます。相手に対して失礼だったと思
ったら何度も「すみません」とお詫びをします。それは日本人の素敵な可愛い習慣です。
○日本の女子学生が日本の広さ、市町村のこと、国民、主な産業、教育サービスなどを正確に教え
てくれました。それを見て日本人は自分の国、国民に対して関心を持ち、尊重していることが分か
りました。
○産業の発展した国としか知りませんでしたが今回の交流で、日本の人々のミャンマー対する尊重
やミャンマーの文化を好む様子や日本人の気さくな性格が再発見できました。
3.今回築いた友情を、今後どのように続けていけるか
○この友情は両国の生徒の心に一生の思い出として残り、これからもインターネットなどで交流し続
けたいです。さらに社会人になる頃にはこのプログラムの効果が目に見えて出るでしょう。国が遠
くても心と心は繋がっています。この友情を守って行きたいです。
○私は今回知り合えた日本の友人たちに手紙やお土産を送ることから始めます。それによってお
互いが知らなかった情報や知識が交換できます。そうすることで私達は技術や知識の遅れを取
り戻せると共に、友情がさらに維持できます。
○私のように他のミャンマーの若者もこのような交流のチャンスが得らるよう努力したいです。それ
から、日本人とミャンマー人、日本文化とミャンマー文化、日本とミャンマーの友好関係がさらに
深まるように努めたいです。
4.その他
○このプログラムは一日のみだったので満足できません。日本の友だちと楽しく共に交流した時間
はあっという間に去りました。一日のみとは言え、得た利益は大きかったです。
○日本のような先進国から学生がミャンマーを訪れることは、ミャンマーに利益が大きいです。自分
の文化を見せられて光栄でした。世界は狭くなりコミュニケーションしやすくなってきました。コミュ
ニケーションの基盤は友情です。日本の学生はミャンマーへ頻繁に来てほしいです。ミャンマー
の学生も日本へ行ってほしいです。
(4)タイ
1)日程
月日
7/27
7/28
7/29
時間
火
水
プログラム
目的
宿泊
出発前にJENESYS事業の概要や派遣プログラムのコンセプトを理
解し、訪問に向けた事前知識を得、心構えをする。
成田
15:00
マロウドインターナショナルホテル成田集合
15:30
8:00
17:00
18:00
19:00-20:30
21:00
8:00
オリエンテーション 一階「筑波」集合
ホテルLB集合
成田→派遣国へ 【TG641便】
成田 11:00発 / バンコク 15:30着
ホテルチェックイン
ホテルLB集合→夕食会場へ
夕食: コカ スリウォン店(タイスキ)
ホテル着
ホテル出発
9:00-10:00
在タイ日本国大使館訪問
11:00-12:00
両国政府の関係を知り、日本と相手国の全体像を理解するための
タイ国政府訪問
一助とする。
社会開発・人間安全保障省 福祉振興及び社会的弱者の保護・
自立庁
バンコク
昼食: バス内にてお弁当(タイ料理)
木
13:30-16:00
19:00-20:30
21:00
8:00
9:30-11:00
学校訪問①
テープリラー高校
バンコク
社会の基礎となる教育の現場を訪れることで、相手国の教育制度
について知識を得、また同世代の学生との交流を図る。
MBK(マーブンクロー・ショッピングセンター)視察
夕食: シャングリラシーロム(中華料理)
ホテル着
ホテル出発
日本ODAサイト見学
社会開発人間安全保障省 保護・職業センター
(JICAシニアボランティア飯島氏活動サイト)
援助の現場(資金協力プロジェクト、専門家等)を訪れることで、相
手国の実情を知り、先進国としての日本の役割を理解し、日本の
途上国支援の将来を考える。
昼食:
7/30
バンコク
金
13:30-16:00
学校訪問②
サイパンヤラーンシット高校
17:30-19:00
19:30-20:30
21:00
夕食: 竹亭(日本料理)
スワン・ピニ・ナイトバザール視察
ホテル着
8:30
9:00-11:15
7/31
土
昼食: マリア(飲茶) 昼食後ホテルへ。
13:30-21:00
ホームビジット
JENESYS招へい事業参加生徒宅を訪問(2名/グループ)
夕食後、ホテルへ。
10:00-15:30
8/1
日
16:30-19:30
月
火
8:30
ホテル出発
現地の人々の家庭を訪れ、彼らの暮らしぶりを見学し、交流を通じ
て異文化に対する理解を深める。
タイ国が抱える問題に関する講話(タマサート大学)
「格差問題の現状」
相手国の地域社会に根づいた社会貢献活動に参加し、多方面か
ら相手国の習慣・文化を理解する。
バンコク
派遣国の代表的な歴史、伝統文化施設を見学し、同国への理解を
深める一助とする
相手国が抱える問題に関して知識を深め、日本と比較したり、先進
国としての日本の役割について考察する。
昼食: チャムチュリスクエア内フードコート(タイ料理他)
14:00-16:30
プレワークショップ (ホテル内会議室)
今回のプログラムから学んだことと、この経験の今後への生かし方
について、それぞれ意見をまとめる。
17:00-19:00
フェアウェルパーティー
(プレワークショップ結果の発表)
今回のプログラムに参加した両国学生及び関係者が集い、プログ
ラムの成果と意義を確認し、友好関係の更なる発展の契機とす
る。
20:45
21:00
ホテルチェックアウト
ホテル出発→空港へ
23:50
派遣国→成田へ 【TG642便】
バンコク 23:50発 / 成田 08:10着
14:00-18:00
9:00
水
バンコク
12:00-13:00
18:30-19:30
8/4
地域活動等への参加
クローン・ピタヤーロンコン学校にてマングローブ植樹・タイ伝統
文化体験
伝統文化施設訪問
サムットソンクラーン県アンパワー地区視察
(ユネスコ アジア太平洋地区文化遺産保存賞受賞地区)
夕食: バーンチョンロム(タイ料理)
ホテル着
8:10
8/3
派遣団が派遣先国の事情を理解した上でプログラムを進められる
よう、市内の歴史の舞台を巡ることにより、相手国の現代史を総合
的に学ぶ。
ホテル出発
21:30
9:30-11:30
8/2
ホテル出発
市内視察
ワット・プラケオ、王宮等
11:30-12:30
8:15
社会の基礎となる教育の現場を訪れることで、相手国の教育制度
について知識を得、また同世代の学生との交流を図る。
10:00-12:00
12:00
機内泊
朝、成田着 →JICA東京へ
ワークショップ (SR13)
今回のプログラムから学んだことと、この経験の今後への生かし方
について、それぞれ意見をまとめる。
懇親夕食会 (講堂)
JICA東京LB集合 →外務省へ
外務省成果報告会
解散
各国へ派遣された学生達が一同に会し、それぞれが得た成果を発
表し合い、総合的に意見交換をし、日本とアジアの国々の繋がりに
ついて視野を広げる場とする。
都内
2)プログラム
月 日
プログラム
在タイ日本国大使館訪問
【概要】
大使より、将来を担う青年にとっての、JENESYS プログラムの重要性について、ま
たタイと日本との長年の関係、アジアにおける日本の役割についての説明があっ
た。最近の日本人の若者が海外に行きたがらないという傾向についてや、日本人
の食生活が海外に依存し、その結果タイでもパームオイルやエビ養殖のためにマン
グローブ林が崩壊されて環境破壊につながっていることなど、日本に居るだけでは
知ることができない問題について説明があった。その他、現在もなおタイ国は厳戒
態勢が敷かれている状態であるため、5日間と短い滞在でも、十分に気をつけて行
動するよう注意があった。
【派遣団の様子】
一人ひとり、自己紹介をした後、各自が準備してきた質問をした。派遣団は「現地に
おける大使館の役割について」や「暴動のときなどの緊急事態においての大使館の
対応」等、緊張しながらも熱心に質問をしていた。
7 月 29 日
(木)
タイ国政府社会開発・人間安全保障省訪問
【概要】
社会開発・人間安全保障省福祉振興及び社会的弱者の保護・自立庁局長が不在
であったため、代わりに青少年能力開発課を表敬し、同課および同局青少年振興
部より省の役割について概略説明を受けた。
【派遣団の様子】
最初は、タイ政府における同省がどのような役割を果たしているか、JENESYS とど
のような関係があるのかが分からない団員が多かったが、概略説明後、大まかな
事は理解できたようである。質疑応答では、以下のような、高校生らしい質問がで
た。
1.日本の授業料は無料になったが、タイの授業料はどうなのか?国の高校教育へ
の援助はどういうものがあるのか?
2.この省の一番大変な仕事は何か?
3.労働時間は何時間か? 年間での長期休暇はとれるのか?
テープリラー高校訪問
【概要】
学校に着くや否や、教室の窓から顔を出し、手を振って歓声をあげている全校生に
歓迎された。5名の副校長先生が観覧しているもとで、日タイ両生徒が、互いの国
の文化を紹介し、ゲームをして一緒に交流をした。
13:30
派遣団の到着
13:40
歓迎式
ビデオによる学校説明
副校長先生による歓迎スピーチ
記念品交換
14:00
【タイ側生徒パフォーマンス】
タイダンス
ムエイタイ
フェンシング
タイのヨサコイソーラン節
【日本側生徒パフォーマンス】
書道パフォーマンス(立命館宇治高校)
ヨサコイソーラン節(知立東高校)
【タイ文化体験】
タイダンス
ムエイタイ
7 月 29 日
(木)
14:50
記念写真撮影
15:00
タイのお菓子を頂きながら、休憩
15:10
ジェスチャー伝言ゲーム
15:55
副校長先生によるクロージングスピーチ
16:00
学校出発
【派遣団の様子】
テープリラー全校を上げての歓迎に、派遣団は驚き感激した。まるでスーパースタ
ーになったような気分だと口々に叫んでいた。5名の副校長先生が見守る中、タイと
日本の高校生は休憩時間をとるのも忘れて交流し、派遣団はタイの伝統芸術を少
しでも学ぼうと一生懸命であった。またタイ側がヨサコイソーラン節を披露したとき
は、自分たちが準備してきたのと同じなので、少しがっかりしながらも、タイ社会に根
付いた日本文化に驚いたようであった。しかし、タイと日本のソーラン節は同じでな
いとの理解のもと、気を取り直して発表した。タイのヨサコイソーラン節に触発され、
団員も皆一生懸命に踊りを披露した。その動作や表情から、団員の一生懸命さが
伝わってきた。
別れの際も、到着時と同様かそれ以上に、盛大な見送りを受け、タイ人のもてなし
の厚さを感じることができた。
ODAサイト訪問
(JICA シニアボランティア活動サイト:Kredtrakarn Protection and Occupational
Development Center/社会開発・人間安全保障省クレットラカン保護・職業センター)
【概要】
人身取引被害者の保護・職業センターで、施設の子どもたちに手芸を教えている
JICA シニアボランティアを訪ねた。同施設の概要紹介ビデオ(英語)を見た後に、タ
イ国の事情や、長年にわたる周辺諸国との歴史的な関係から生じた問題、また、こ
の施設は子どもの犠牲者の自立を支援する場所であるということについて、詳細な
説明があった。その後、手芸、洋裁、織物、ろうけつ染め、コンピューター等の教室
を視察した。当初、施設の子供たちとは会うことができないと言われていたが、実際
子供たちが作業をしているところや、授業を受けている様子を見ることができた。ま
た、少しだが会話をすることもできた。
【派遣団の様子】
島国である日本人には分からない周辺諸国との関係や、この施設の子供はどのよ
うな経緯で連れて来られるのかなど、派遣団には少し難しく、イメージのし難い内容
ではあったが、様々な質問が出た。また、子どもたちが制作した商品が理由も無く
値切られることを聞いて立腹している団員もいた。派遣団は最後に、この施設の中
7 月 30 日
(金)
にあり、子どもたちの作品が売られている売店で、少しでも施設と子どもたちの役に
立てればとの思いで、子どもたちの作品を熱心に選び購入していた。
サイパンヤラーンシット高校訪問
【概要】
バスが到着するや否や、太鼓とタイダンスの歓迎があった。日本の海外子女が司
会を務め、すばらしい日本語と英語で司会進行をしてくれた。タイのお菓子、花輪の
作り方、陶器、などのタイ文化紹介があり、タイ・日本の双方がそれぞれ準備したゲ
ームなどを一緒に楽しみながら、3時間ほど交流をした。
【派遣団の様子】
ここでもテープリラー高校のように熱烈な歓迎を受け、派遣団員たちは有頂天にな
った。日本語の大変よくできるタイの高校生が司会を務め、両高校生だけの力で、
プログラムは進行した。クーラーの無いところであったが、団員たちは汗だくになり
ながら、日本から準備していたゲーム交流をタイの高校生たちと楽しんだ。恥ずかし
さも感じさせず、すぐに打ち解けあい、違和感が無く和やかに、また時には歓声をあ
げるほどに盛り上がり、非常に充実した交流となった。
当初予定されていたバレーボールは、突然の大雨のため中止となったため落胆し
ている団員もいたが、その代わり自由に過ごす時間ができ、日タイ両生徒は、連絡
先の交換をしたり、写真を撮りあったりして、より直接的な交流をすることができた。
ワットプラケオ(エメラルド寺院)、王宮、ワットアルン(暁の寺院)
【概要】
ガイドの説明・案内のもと、タイで最も重要とされており、代表的な寺院であるワット
プラケオ(エメラルド寺院)を見学し、本尊エメラルド・ブッダに参拝をした後、隣接す
る王宮に向かった。
その後船でチャオプラヤー川を渡り、対岸にある暁の寺院を訪れた。ここでは時間
が無いので、上には登らずに、周囲を回り、ワットプラケオとは異なる王朝時代の寺
院を視察した。
【派遣団の様子】
ワットプラケオでは数名の女子生徒がレギンスを履いていたので、入場の際に注意
を受けたが、タイ人の寺院に対する畏敬の念を理解できたようである。ワットプラケ
オのきらびやかな装飾に驚き、また、寺院の中では参拝に来た多くのタイ人たちの
中で、頭を3回床につけるお祈りをし、悠久の歴史とタイ人の宗教観を体感したよう
である。回廊に描いてあるラーマヤナの絵についてのガイドの説明を、熱心に聞き
入っていた。願い事を唱えながら周囲を回ると願いが叶うという暁の寺院では、ほと
んど全員が「またタイに来ることが出来ますように」と唱えていた。
7 月 31 日
(土)
ホームビジット
【概要】
JENESYS 招聘事業に参加経験のあるタイ高校生宅5家庭がタイ政府によって選ば
れ、派遣団は生徒2名および引率者1名の計5グループに分かれて各家庭を訪問
した。どの家庭もバンコク中心から車で1時間前後を要する地域にあり、移動はチャ
ーターした車5台を使用。それぞれの家庭では、温かなおもてなしを受け、派遣団も
お土産を渡したり、用意してきたものを披露するなど、思い思いに数時間を過ごし、
ホストファミリーとの夕食を楽しんだ後、帰路についた。交通渋滞や夜間の移動に
心配があったものの、どのグループもほぼ予定通りに無事にホテルに戻った。
【派遣団の様子】
それぞれの家庭から戻ってくると、団員たちは一つの部屋に集まり、それぞれの訪
問した家庭について、自分たちだけの報告会をしていた。大邸宅の家や、長屋に住
む母子家庭の家もあり、タイの人々の経済状況やライフスタイルの多様性につい
て、知ることのできる機会となった。
訪問する前は、何についておしゃべりしたら良いか頭を悩ませていたようだが、訪問
先では日本のお菓子を作ったり、バスケットボールをしたり、近所に遊びに連れて行
ってもらったり、何を話そうかなどの懸念はすっかり忘れて、それぞれが楽しい時間
を過ごすことができたようだ。帰りの車内でも、興奮冷めやらず、疲れをすっかり忘
れて思い出話に盛り上がる団員の姿が見受けられた。
地域活動への参加(マングローブ植樹)
【概要】
ホテルからバスで約1時間のところにあるクローンピタヤーロンコン小学校の敷地内
にある広大な湿地帯でマングローブの苗を植樹した。この日は日曜日であったの
で、児童の姿は見えなかったが、出勤の予定がなかったはずの校長先生が自らお
越しくださり、マングローブ林の特徴や、苗を植樹するときの注意点などを説明して
下さった。
昼食後は、ザボン科に属する野生の果物の皮を使って、ハンカチの染色を体験し
た。ハンカチを鍋で煮ている間、もち米を椰子の葉っぱで包み、炭で焼いて作るカノ
ムニーランドンというお菓子作りを学んだ。
【派遣団の様子】
水に濡れながらも、校長先生に教えてもらいながらマングローブの苗を植え、みな
満足気であった。湿地帯の水は濁っていたが、植樹する場所をプールに見立てて、
水を掛けあいながら、はしゃいで泳ぐ男子生徒の姿もあった。
マングローブの講義、染色体験、お菓子作りは、いずれも東屋のようなタイ式の椰
子小屋で行われ、クーラーのない自然豊かな環境で、派遣団は終始リラックスして
各アクティビティを満喫していた。全て持続可能な自然の物しか使わない生活を垣
8月1日
間見たようであった。
(日)
アムパワー地区見学
【概要】
この土地は周辺の住人が自発的に昔からのライフスタイルを守って伝統文化を維
持している地域であり、今ではその伝統が町おこしの一端を担っている。運河沿い
の両サイドに店が並び、その運河を小船に乗って、ラーメンなどの物売りが行きか
っている。運河の先には、椰子の木に囲まれた寺院があり、昔からのタイの姿が窺
える。週末はノスタルジアを求めて、地元の観光客で賑わうところである。また、この
地はユネスコ アジア太平洋地区文化遺産保存賞を受賞している。
【派遣団の様子】
この日は週末の日曜日であったので、大変混雑していた。団員たちは一軒一軒、店
を覗き込んで買い物をしながら、日本では見られない水上マーケットや古い建物な
ど一昔前の雰囲気を楽しんだ。帰り際、橋の上から見える灯りの燈された運河を見
て、文化遺産保存賞を受賞した景観の素晴らしさに感動していた。
タイ国が抱える問題に関する講義(タマサート大学)
【概要】
タマサート大学で、社会学の専門家によるタイの格差社会について約2時間に亘り
講義を聴き、タイ国が抱える問題を学んだ。聴講生が高校生とのこともあり、講師は
親しみやすいように、パワーポイント(PPT)を使いながら、タイ国紹介から始めた。
なお、本講義は、貧困や格差問題に関心を持つ団員が多いことから、プログラムに
含まれた。
【派遣団の様子】
大学での講義ということで、高校生である派遣団は若干緊張している様子であった
が、みなが問題意識の高かったテーマだけに、活発な質疑応答となった。「タイの東
北部だけがどうして貧乏になるのか」、「貧困と富裕層のボーダーラインは誰が決め
るのか」、「貧困層を救うためにどのような政策があるの」かなど、具体的な質問が
次々と出された。
プレワークショップ
【概要】
8月2日
(月)
ホテル内の会議室を借りて、2時間ほど、6日間のプログラムから得られた自分たち
の気づき・発見・学びを振り返り、発表原稿と PPT の作成を行った。
【派遣団の様子】
疲れた様子も見せず、団員はテーマを4つに分け、環境、衛生、タイ社会における
日本文化、タイ人の人柄について意見をまとめた。全員に発表の際の役割を割り振
り、チームとしてプレゼンテーションできるよう、準備した。PPT の使用については、
3年生のリーダーが担当し、問題なく作成することができた。
フェアウエルパーティー
【概要】
夕方5時から、宿泊しているホテルのバンケットルームで、日本国大使館の参事官
やタイ政府側の社会開発人間安全省を始め、JENESYS プログラム関係者が集い
親睦を深めた。その席で派遣団がタイでのプログラムを通じて得た気づきについて
プレワークショップでまとめた結果を発表した。
【派遣団の様子】
発表では「僕たちが考えたこと」と題して、高校生らしい率直な意見が出された。発
表の後は、ホームビジットで訪れたホストファミリーの生徒や学校交流で親しくなっ
た生徒も参加していたので、バンケットルームは和やかな雰囲気の中で歓談が続い
た。閉会の時間になると、両国の高校生は別れを惜しみ、再会の約束を交わしてい
た。
ワークショップ
【概要】
バンコクでのプレワークショップに引き続いて、報告会の準備をした。
8月3日
(火)
【派遣団の様子】
すでにバンコクでの話し合いによってほとんど発表内容の骨組みは出来あがってお
り、そこにより詳細な意見を付け加え、全体の流れとまとめを再考する時間となっ
た。発表を聞く立場の人にわかりやすく伝えるためのまとめに時間を要したが、全
員が納得のいくように発表内容を完成させることができた。また、引率者の指導に
よる、発表練習などにも余念が無かった。
外務省成果報告会
【概要】
各国へ派遣された高校生が一同に会し、外務省の7階の大会議室で成果の発表を
した。
8月4日
(水)
【派遣団の様子】
それぞれの国の発表者はどの生徒も、意気揚々として、自分たちの体験してきたこ
とについて、PPT を使用しながら発表した。
タイグループの発表は、タイの良いところ(人柄、日本文化の浸透)、そして問題点
(環境・衛生)を挙げ、タイをより良い国にするために自分たちにはなにができるの
か、具体的に案を挙げて行動に移していくという内容であった。
しっかりと話合いを重ねたこともあり、団員のどの顔も自信に満ちていた。
<現地参加学生の声>
1.学校交流で最も印象に残っていること
○日本人の高校生は非常に和やかな雰囲気で、外国から来た学生だとは思えなかった。日本人の
高校生は非常に親切で、わざわざお土産を持ってきてくれた。日本人の先生たちは気取っていな
い。生徒のところに来てタイと日本人の高校生の写真を取ってくれた。一緒に活動に参加してくれ、
タイや日本人の高校生にうれしそうに教えてくれた。一緒におしゃべりし、言葉を教えあった。日
本人に名前を付けてあげた。
○日本の高校生は漢字やタイ文字を書いて習字を見せてくれた。いろんな線を引いて書く書き方を
知ることができた。そのほかソーラン節を踊って見せてくれた。すごく面白かった。そして重要なの
は色々おしゃべりができた事だ。
○日本人と一緒にゲームをして楽しかった。最後にやったゲームは何回もした。みんなと友だちに
なれたと思った。
2.学校交流を通じて日本や日本人について新しく発見したこと
○最初、日本人は周囲にいる人対して余り興味を示さないのかと思っていた。日本は規律の厳しく、
また、あわただしい国であるから。でも本当は、そばにいる人対して一番気を配ってくれる人々だ
った。最初、私たちタイ人と一緒にしゃべり始めた際に、日本人はとても一生懸命交流プログラム
に参加しようとしてくれているのが分かった。
○日本人の協調性、チーム一丸となって動けること、それと、特に重要である日本人はとても時間
厳守であるということを、この目で見ることができた。
○日本人が一生懸命やってくれたパフォーマンスを見て、日本人は力を合わせて物事を実行するこ
と、そして協調性があることを知ることができた。今やらなければならないことに重点を置き、時間
厳守で物事を進める。
○今回で得た日本人についての知識はマナーである。聞くときは一生懸命聞くし、余計なおしゃべ
りはしないし、丁寧である。すなわち横柄ではない。おしゃべりするときも、遊ぶときも丁寧に話す。
楽しく過ごせて、お互いよく知り合えた。日本人の礼儀ただしさや穏やかさは私達の国をこれ以
上ないほどのレベルの高い国にしてくれる。
3.今回築いた友情を、今後どのように続けていけるか
○E-mail アドレスを貰ったのでこれから連絡を取って行く。話をすれば日本語の練習になるし、自分
たちや自分の国がこれから更に進歩して行くためにも役にたつ。
4.その他
○このような活動を頻繁にやってほしい。それと訪問してくれた高校生の国の言葉を練習する以外
にも、友情や、国を越えた関係を築いていきたい。
○日本人とこのようにたくさん話すことができるような活動やゲームを設けるべきである。そうすれ
ば友情が一層密になる。
(5)ベトナム
1)日程
月日
時間
15:00
プログラム
マロウドインターナショナルホテル成田
1階「筑波」集合
場所
7月27日(火)
15:30
7月28日(水)
オリエンテーション
目的
宿泊
出発前にJENESYS事業の概要や派遣プログラムの
コンセプトを理解し、訪問に向けた事前知識を得、
心構えをする。
成田
成田→ハノイ【VN955便 12:00発→15:30着】
9:00-9:40
【在ベトナム日本国大使館坂場大使表敬訪
日本大使館
問】
両国政府の関係を知り、日本と相手国の全体像を
理解するための一助とする。
10:30-11:30 【相手国政府(CYDECO)表敬訪問】
CYDECO
【NGO活動視察】
NPO法人 民族フォーラム
14:00-16:00 ・盲人協会(本部)視察
・盲人協会会長講和
・民族フォーラムベトナム事務所所長講和
相手国の地域社会に根づいた社会貢献活動につい
盲人協会本部(文
ての理解を深め、多方面から相手国の習慣・文化を
廟隣)
理解する。
7月29日(木)
【JENESYS参加学校訪問①】
社会の基礎となる教育の現場を訪れることで、相手
Chu Van An High School(チュウバンアン)
Chu Van An High
国の教育制度について知識を得、また同世代の学
9:00-11:30 ・ベトナム紹介
School
生との交流を図る。
・日本紹介
・交流
13:00
・ドンラム村指定古民家で昼食
7月30日(金)
【日本ODAサイト見学】
援助の現場(資金協力プロジェクト、専門家等)を訪
JICA-JOCV活動現場視察/Duong Lam村
れることで、相手国の実情を知り、先進国としての
14:00-14:30 JOCV活動内容講和
ドンラム村
14:00-17:00
日本の役割を理解し、日本の途上国支援の将来を
14:30-15:30 村内見学(モンフー集落を中
考える。
心に、伝統家屋やディンなどを見学)
15:30-17:00 チェラム作り体験
【JENESYS参加学校訪問②】
Nguyen Sieu High School(グエンシュウ)
9:00-12:00 ・ベトナム紹介
・日本紹介
・交流
7月31日(土)
【ホームビジット】
14:00-17:00 Nguyen Sieu High School生徒宅
9:00-12:00
【ハノイ市内視察】
・文廟
・ホーチミン廟
・歴史博物館
ハノイ
社会の基礎となる教育の現場を訪れることで、相手
Nguyen Sieu High
国の教育制度について知識を得、また同世代の学
School
生との交流を図る。
Nguyen Sieu High 現地の人々の家庭を訪れ、彼らの暮らしぶりを見学
School 生徒宅 し、交流を通じて異文化に対する理解を深める。
文廟
ホーチミン廟
歴史博物館
市内の歴史の舞台を巡ることにより、ベトナムの現
代史を総合的に学ぶ。
8月1日(日)
14:00-18:00 報告会準備作業
18:30-19:30
【伝統文化施設訪問】
タンロン水上人形劇見学
【レセプション】
・大使館挨拶(5分)
・CYDECO挨拶(5分)
8月2日(月) 10:30-13:00
・受け入れ高校(代表)挨拶(5分)
・派遣団からの報告(30分)
・ランチ(11:30-13:00)
ホテル・ニッコー・
ハノイ
タンロン(ホアンキ ベトナムの代表的な歴史、伝統文化施設を見学し、
エム湖周辺)
同国への理解を深める一助とする。
メリアハノイホテ
今回のプログラムに参加した両国学生及び関係者
ル
が集い、プログラムの成果と意義を確認し、友好関
ファンクションルー
係の更なる発展の契機とする。
ム7/レストラン
機内泊
ハノイ→成田【VN954便 00:05-06:50】
AM
8月3日(火)
朝、成田着
着後、JICA東京へ移動
14:00-18:00 訪問成果討論(ワークショップ)
【外務省成果報告会】
・来賓紹介 10分
10:00-12:00 ・各国発表 10分×5
8月4日(水)
・講評 30分
・修了証授与 30分
12:00すぎ 外務省→東京駅移動、解散
都内
JICA東京
今回のプログラムから学んだことと、この経験の今
後への生かし方について、それぞれ意見をまとめ
る。
外務省706会議室
メコン5カ国へ派遣された高校生が一同に会し、そ
れぞれが得た成果を発表し合い、総合的に意見交
換をし、日本とアジアの国々の繋がりについて視野
を広げる場とする。
2)プログラム
月 日
プログラム
【表敬】在ベトナム日本国大使館訪問
【概要】
大使より、ベトナム人、経済、飲食文化、日系企業のベトナム進出、観光について
の説明を受けた。また、派遣団から大使へ、「大使館の仕事内容」、「日本企業の投
資の課題」、「これからベトナムへ来る人へ、どんなメッセージを送れば良いか」等の
質問がなされた。大使はそれぞれの質問に丁寧に答えてくださり、最後に「今回の
訪越でベトナム文化に直接触れて好きになり、帰国後日本国内で自分の家族、友
人、知人にベトナムを宣伝して欲しい。将来、日本の高校生の修学旅行がどんどん
ベトナムに来るようになって欲しい」というお話があった。
【派遣団の様子】
大変緊張していたが、大使の熱心さや優しさに感動した様子であった。派遣初日に
ベトナムについて多くの情報を得ることができ有益であった。
【表敬】国際青年協力開発センター(CYDECO)訪問
7 月 29 日
(木)
【概要】
国家青年委員会の方より、ベトナムの教育政策について、国家青年委員会と
CYDECO の行っている活動についての説明を受けた。国家青年委員会は、全国の
青少年の状況を把握し、青年の教育方針策定、職業訓練、社会貢献活動の実施等
について政府に提言するなど、青年の育成に重要な役割を果たしているという内容
であった。また、ベトナムは16才から30才層の青年層が人口の3分の1を占め、現
在も今後も国の経済を支えていく重要な世代だというお話を伺った。
【派遣団の様子】
派遣団の高校生には少し難しい話であったが、皆熱心に概要説明を聞きメモを取っ
ていた。ベトナムの青年の状況や様子を知ることができる貴重な機会であった。
7 月 29 日
(木)
【地域活動見学】NPO 法人民族フォーラムベトナム事務所/ベトナム盲人協会本部
【概要】
ハノイ市内文廟側に位置するベトナム盲人協会本部を訪問した。盲人協会施設内
見学を通して、日本の ODA で供与された点字プリンターや点訳ソフトをインストール
したコンピューターが実際に目の見えない方により使用されている様子を見学した。
また、盲人協会副会長よりベトナムの盲人数、盲人を取り巻く環境、盲人協会の活
動について等のお話をして頂いた。また、民族フォーラムベトナム事務所所長よりベ
トナムでの視覚障害者自立支援活動についてのお話を伺い、日本の奨学金制度で
筑波大学付属盲学校に留学し一時帰国していた方の話も伺った。
【派遣団の様子】
戦争の影響により視覚障害数は日本の3倍だが、国の支援政策が充実していない
現状や日本との大きな差に驚き、日本は、自分たちは、何ができるか考えさせられ
た様子であった。
また、留学生のベトナムに帰国後の夢は「視覚障害者の為の盲学校や図書館をた
くさん作り、日本と同様にベトナムの視覚障害者も自立し社会参加できる社会にし
ていきたい。」という点だったと聞き、非常に感銘を受けた様子であった。日本の
ODA 資金がどのように使われているか知り、現場を見た点も印象に残った様子で
あった。
【学校交流】チュウバンアン高校
【概要】
ベトナム国内ではトップレベルの歴史と伝統ある公立学校のチュウバンアン高校を
訪問した。学校紹介、浴衣を着ての日本紹介、ベトナム紹介、校内見学、記念品交
換を行った。学校は夏休み期間中であったが、副校長先生をはじめ、過去
JENESYS プログラム招聘生徒が参加してくれた。日本語科があるため日本語が上
手な生徒もおり、日本に対してとても親近感を持つ生徒が多く、熱烈な歓迎を受け
7 月 30 日
(金)
た。
【派遣団の様子】
6月末から7月にかけて実施された招聘4陣に参加したチュウバンアン高校の生徒
5名は、今回訪問した九里学園の生徒宅にホームステイをしており、再会に大変感
動し心から喜んでいる様子であった。2時間という訪問時間があっという間にすぎて
しまい、もっと交流したい様子であった。
【ODA サイト見学】ドンラム村遺跡保存プロジェクト
7 月 30 日
(金)
【概要】
ハノイから北に1時間ほどの場所に位置するドンラム村を訪問した。指定古民家で
昼食を取り、ドンラム村で活躍する JICA 青年海外協力隊員より活動内容について
お話を伺い、村内見学、チェラム作り体験を行った。ドンラム村は何世紀も変わらず
昔からの景観が残されおり、2005年より、日本が JOCV を派遣し民家の修復管理
と地域開発協力を行っている。日本の協力活動は主に、集落保存計画、規則の作
成など。村は多くの文化遺産(集会場、寺院、神社、井戸など)が残り、現地ガイド
の方が詳しく案内と説明をして下さった。村の特徴でもある街路に続くラテライトの
壁面が不思議な雰囲気であった。
【派遣団の様子】
炎天下での見学で体力的に厳しかったが、協力隊員の話を熱心に聞き、日本の若
者が海外で色々な草の根の活動をしている姿を見て、良い刺激を受けた様子だっ
た。また、古民家で体験したチェラムの味が素朴でおいしいと好評で、女子生徒数
名が熱心に取り組み、帰国後に作るため一生懸命作り方を覚えようとしていた。
【学校交流】グエンシュウ高校
【概要】
グエンシュウ高校は私立高校で、創立20年という比較的新しい学校であった。夏休
み期間中であったが、過去 JENESYS 招聘プログラムに参加した生徒を中心に 20
名程集まり、熱烈な歓迎をしてもらった。学校が国際化や英語教育に非常に力をい
れており、交流事業にも熱心に取り組んでいた。学校紹介、日本紹介、交流、タペ
ストリーの共同制作、記念品交換、校長先生との懇談等を行った。
【派遣団の様子】
とても積極的なグエンシュウ高校の生徒達と一生懸命英語で会話をしていた。日本
7 月 31 日
(土)
紹介をベトナムの子が大変興味深く聞き、おみやげもとても喜んでくれたため、嬉し
そうな様子であった。
【ホームビジット】
【概要】
派遣団は2グループに分かれて、グエンシュウ高校の2人の生徒の自宅を訪問し
た。グエンシュウ高校近隣は新興高級住宅地の為、どちらの家庭も裕福な家庭で
あった。訪問した両家庭では派遣団を大変歓迎してくれて、たくさんのご馳走やお土
産まで用意してくれていた。
【派遣団の様子】
皆行儀よく、生徒の家族と楽しく交流した。食べきれないほど用意されたベトナム料
理と、たくさんのお土産を頂き、ベトナムの家族が今回の訪問をとても楽しみにして
いたことを感じ取り、家族の温かさが嬉しかった様子であった。
【ハノイ市内視察】ホーチミン廟、文廟、歴史博物館
【概要】
-ホーチミン廟:ホーチミン英雄を安置した場所。フランス植民地から開放させ、ベト
ナムの独立を貢献した英雄。休日でホーチミンの遺体が安置された建物には行
列ができていた為中には入らず、彼が生前に住んだ家などを見学した。
-文廟:ベトナムの最初の大学。中国の影響が深いベトナムも、科挙試験制度があ
り、中庭に並んだ82基の石亀の背中には石碑があり、科挙の合格者の名前と出
身地が記されていた。構内は緑も多く、静かなところだった。
-歴史博物館:ガイドの説明で中国支配やフランス支配の歴史を学んだ。
【派遣団の様子】
炎天下にも関らず、ホーチミン廟の見学に来たベトナム人の長い列を見て、派遣団
8月1日
(日)
は大変驚いていた。それだけ、ホーおじさんはベトナム国民にとって偉大な存在で
ある事を感じていた。
歴史博物館ではガイドの説明を皆が興味深く聞いていた。
【伝統文化施設訪問】タンロン水上人形劇見学
【概要】
べトナムの水上人形劇は世界でも珍しい農耕民族発祥の伝統文化の一つ。11世
紀頃にベトナム北部ハノイの紅河デルタ地帯に広がった。当初、農民の遊びだっ
た。田圃の農作業しながらこの遊びが生まれた。人形も素朴な素材で作られた。舞
台は田圃の水面、人形操作は水の中、芝居のストーリも広く知られている話で実演
された。
【派遣団の様子】
ベトナム語が分からなくても、人形の動きで、ある程度ストーリを理解できた様子。
変わった人形の作り、人形の巧みな動き、ユーモアのある演技は派遣団に大変好
評であった。
【報告会/レセプション】
【概要】
在ベトナム日本国大使館、CYDECO 主催で実施した。JICA、民族フォーラム、チュ
ウバンアン高校、グエンシュウ高校など今回の訪問を通してお世話になった方々が
8月2日
(月)
参加した。派遣団は「感じたこと、気がついたこと」について各グループでまとめ、発
表を行った。
【派遣団の様子】
皆とても素直に自分が感じたベトナムの印象について述べていた。しばしば率直な
発言で参加者を笑わせた。レセプション時は交流した関係者や過去の JENESYS 招
聘 OB と楽しく交流していた様子。大勢の前での発表で大変緊張した様子であった
が、大きな責務を終えて、ほっとした様子だった。
【訪問成果討論(ワークショップ)】
【概要】
外務省向けの報告会の準備作業をした。報告の内容は①本プログラムに参加して
8月3日
新しく学んだこと、気づいたこと。②今日から自分たちが相手国や日本、世界のため
(火)
に始められること。派遣団は現地で発表した内容を見直して、パワーポイントで作成
した。
【派遣団の様子】
ベトナム国内でのプレワークショップで行った内容をもとに、発表に向けた準備を一
生懸命していた。
【報告会】外務省成果報告会
【概要】
8月4日
(水)
外務省でメコン5カ国が一堂に会して、ワークショップでまとめた内容についての報
告を行った。
【派遣団の様子】
緊張した様子であったが、全てのプログラムを終了し安心した様子であった。
またベトナムに行きたいという声もあがっていた。
<現地参加学生からの声>
1.学校交流で最も印象に残っていること
○今日は、過去に JENESYS 招聘プログラムに参加した時にホームスティした家庭の友達と、また
会うことができました。今回、日本の高校生にベトナムのこと、ベトナム人について紹介して上げ
たいです。交流時間は短かかったですが、ゆかた姿の友達と一緒に写真を取れたことが最も印
象的でした。
○最も印象的な思い出は、日本の友達と壁掛けを一緒に作ることでした。私達はお互いに助け合
って、きれいな 2 枚の壁掛けを完成しました。
○最も印象的なことは、壁掛けを作りながら、私たちは段々親しくなってきました。本当に自然体で
楽しかったです。
○アリサさんとお友達になりました。また近い内に、彼女にお会いしたいです。彼女は、私に親友み
たいに接してくれました。アリサ さんは、アオジャイが本当に似合いましたね。
○この学校交流プログラムを通して、日本の高校生に会い、日本人について知りたい気持ちが
わいてきました。一番の思い出は、一緒にロータスの花や文廟の壁掛けを作ったことでした。
日本の高校生の話し方が上手だと思います。皆さん明るくて、親切でした。
2.学校交流を通じて日本や日本人について新たに発見したこと
○日本は文明な国で、秩序がある社会です。社会の公益は全て人々のためでした。生活の水準も
高かったです。
○日本人は親切で、親しみやすかった。彼らは自分の民族文化を大事している人たちです。日本
の生徒は勉強の面も体育の面も良い教育の制度に恵まれていると感じます。
○日本人は本当に親切で、あまり英語が出来ませんでしたが、私たちが理解できるまで、一生懸命
に話してくれました。
○この学校交流プログラムを通して、日本人について色々な発見できました。日本人は、親しみや
すい上、誰とでも和みます。日本の文化も多様で、豊かでした。
○日本の高校生は皆、とても礼儀正しかったです。
○日本の文化について、たくさんのことを理解できました。日本の紹介の内容も、紹介仕方の表現
も大変良かったです。
3.今回築いた友情を、今後どのように続けていけるか
○今回築いた友情を続けるため、お互いに、E メールや手紙などを交換したいと思います。また、学
校同士が姉妹校になれば良いと思います。
○今回学校交流で知り合った友達と手紙やメールの連絡を取り合いたいと思います。お互いに相
手の文化を理解して、深い友情を築きたいです。機会があれば近い内に、日本へ訪問したいで
す。
○インターネットのヤフーやフェースブックを使って、お互いに連絡したいですが、言葉の壁が妨げ
になるかもしれないですね。
4.その他
○今回この交流プログラムに参加できて、本当に嬉しかったです。今後も、他の交流プログラムで
違うお友達と会いたいです。もし可能ならば、友達を家に泊めてあげたいです。
○日本の友達は優しかったです。私にたくさんの思い出を残してくれました。日本の政府には、引き
続きこのプログラムを開催して欲しいと思います。
○日本のお菓子は美味しかったです。両国の文化は違うはずなのに、私達は、日本の同じアイドル
歌手が好きで、同じ漫画を読むということを今回の交流で発見しました。
7.帰国後プログラム
(1)ワークショップ
訪問国滞在中、派遣団員それぞれが経験したこと、気づいたこと、そして学んだことを各
国派遣団ごとに振り返り、プログラムの成果をまとめ、翌日の成果発表会の準備を行い
ました。
①日時:平成 22 年 8 月 4 日(水)14:00-18:00
②場所:JICA 東京セミナールーム 4 階
③目的:各国派遣団ごとに、日々の「気づき」、プログラムに参加して得た成果、今後の
同成果の活用方法等について討議し、グループとしての結論をレポートに取りまとめ
る。また、討議結果を報告会の発表内容として取りまとめる。
④成果:各国で作成された要旨は以下のとおり(原文を添付)
① カンボジア
派遣国名
陣名
記録係名
カンボジア
ASEAN 諸国 高校生派遣
村田、大塚
1.本プログラムに参加して新しく学んだこと、気づいたこと
カンボジアを訪れて実際に最も強く印象に残ったのは、人々の生きることに対するポジティブな姿
勢です。彼らは、ポルポト政権下での虐殺や、今にも続く地雷問題に代表される暗い過去を背負って
いきます。訪問中でも内戦で親族を亡くした方や切断手術で身体の一部をなくした方々をしばしば見
かけることがあり、いまだ残る歴史の傷跡を実感しました。
しかし現地の人たちは、その事実を払拭するかのように前向きに明るく温厚です。彼らは歓びと感
謝の気持ちをとてもしているように思います。
初対面でも自然体で積極的に親しみを持って私たちを迎えてくれてくれた学生たち。家族や友人間
の絆が強く、彼らの集まるところには笑顔がたえることはありません。また彼らは学習の優劣によら
ず、自分たちの将来を見据えて明快な目的意識を持って学習に取り組んでいて受動的な傾向にある
私たちの学習態度にはない芯の強さがあるように感じました。
移動中や市場で出会った人たちも眼が合えば必ずほほえみを返してくれる点や、営利非営利にか
かわらず自分たちの置かれた状況をポジティブに受け止め意義をもって諸活動に従事している方々
に会って、この国の持つ温和な国民性を垣間見ることができたように思います。
なぜあんなふうに振舞えるのか、ふと不思議に思うことがありましたが、それを考えたときやはり過
去の悲劇を引きずるばかりではなく、それを教訓として人と人との関係を大切にし、よりよい生活を作
っていこうとする人々の潜在的な願いが影響しているのではないか、ということを強く感じました。
1つ、NGO の地雷処理活動のお話の中で興味深いものがあります。カンボジアでは毎年地雷の被害
があるにもかかわらず、国内の自殺者はゼロだそうです。苦難に負けず強く生きていくのです。彼ら
は先の内戦であまりにも多くの仲間を失いました。故に死の悲しさを、死の無意味さをよく知っている
のだと思います。
だからこそ、彼らは前を向くのではないでしょうか。過去の悲劇を悼み、今平和な生活を送れること
に感謝して、自分たちにできることに積極的に取り組んでいく。そのような彼らの姿勢はかつてと同じ
過ちを繰り返さないという意思表示であるようにも思われるのです。
2.今日から自分たちが相手国や日本、世界のためにはじめられること
今回カンボジアに行ってこれまでのこの国に対する印象が大きく変わりました。それはこれまで私
たちがマスメディアや先入観によって一面的にしかこの国を捉えていなかったことが原因でした。しか
し実際のこの国は笑顔にあふれているだけでなく、暗い過去やいわゆる発展途上国の範疇にとどま
らない人々の思いづかいを感じました。こういう経験を通じて来た人がいかに無知であるかが分かり
ました。そして今後積極的に語学や世界の国々の文化などを勉強して多様性を認め合う優しさを持っ
た視座を獲得したいと考えています。
その上で、国家間、民間同士に続く、若い世代の交流を今後も個人のレベルになりますが続けて
生きたいと思っています。私たちは今回カンボジアに行きました。国籍も言葉も異なる外国の高校生
と交流しました。そこで相手を想像することで共感や同質性を感じました。私たちはこの思いを胸に今
回交流した高校生との関係を持ち続け深めていきたいと考えています。こういった交流が続くことで
個人単位から国際関係までの相互理解が促進されるものと信じています。とりあえず相手を知ってみ
る、既成の事実を疑ってその物事にある背景、主客関係などをとらえなおす、そして主体的に世界に
来て各々の国際貢献をいろいろたとえば NGO に入ったり、あるいは日本の友人に行った国の事実を
伝えたりとこれまでハード面に聞いていただけでなく文化的交流といったソフト面での活動を行ってい
けたら考えています。

ワークショップでの議論の流れ(1.2.に至る経緯等)
・カンボジアの学生は日本の学生より学ぶ意識が高く、カンボジアの学生は日本の学生より学ぶ意識
が高く、学ぶ目的がはっきりしている(例えば祖父母のために福祉の道に行きたいから高度な福祉の
技術が整っている日本で勉強するために、日本語を勉強したいなど)
→日本人が勉強する意味とは違い、生きるためだから!!
・税金でカンボジアのアンコールワットなどの世界遺産を修復していることを知らなかった。
→もっと政策を公開する機会を作ったほうがよい
・カンボジアの学生さんは積極的で明るく楽しかった
言葉以上の共通性を感じた
→日本人はおとなしいのでもっと積極的になりたい
日本の教育方針が個性より集団を大切にするような消極的な性格を作ったのではないか?
・家族と過ごす時間を大切にしていて家事を家族で協力している印象を受けた
→私たちも家族を大切にしたいと思った
家庭で優しさを学ぶのでは?
日本から見るとカンボジアの人に今のままの優しく明るい性格でいてほしい
②ラオス
派遣国名
陣名
記録係名
ラオス人民民主共和国
ASEAN 諸国 高校生派遣
上野 真奈美
1. 本プログラムに参加して新しく学んだこと、気がついたこと
「ラオスを発展させるために改善すべきこと」
衛生
○気付き
・行く前はもっと器具が揃っていないと思っていたが、意外ときれいだった
・ラオスは自然と共存している
・ハエがたくさんいた(病院,市場 etc…)
・学校より病院の方が不衛生
・セタティラート病院(日本政府創立)の周りが汚い,ゴミがあった
・病院は汚いが、医師は治療に専念すべきで、病院の掃除は清掃員
・病院の衛生面の差はなくすべき
・学校が汚いと勉強する気が湧かない
○学び
・ラオスは汚い、日本はきれい過ぎる
・日本の衛生を下げる必要はない
・ラオスの衛生基準を上げるべき
○アイディア
・学校のように病院も衛生の賞を作るべき
・足で押して開けるふたつきゴミ箱を増やす
・小さい頃から教育を受けさせる
・学校で掃除計画(当番)の習慣を作り、自分たちで自分たちの学校を掃除する仕方を教える
・水道の普及(石鹸 etc…)
・手洗いうがいの習慣と歯磨きの習慣をつけるために、歌などをつくる
・太陽を活かして殺菌できることを教える
援助
○気付き
・今までは日本が一方的に支援していると思っていたが、協力しているものもある(木材)
・≪ラオス産≫が少ない
金が出るが後20年後に枯渇する可能性有。
織物が減りつつある。
・ラオス政府とラオス国民の援助してもらいたいものの差が大きい
○学び
・第一に人材育成が必要
・交通などのルール作り
・ライフラインの供給
□不必要なもの
・セタティラート病院の5つ星ホテル建築予定
→金持ちはタイの病院に行ってしまう。それを食い止めるために造っている。モデルをつくるこ
とによって病院の開発を進めやすくする
・シコタボング高校のバレーコート
・武道館の無駄な部分
和風の置物
白く統一しているところ
舞台
□必要なもの
・協力開発センター
・CEC
○アイディア
・武道館の有効活用
試合をたくさん開催する
舞台でシンサイ(ラオスの民話)や学校等の発表会をする
武道館の周りのスペースで遊べる機会をつくる
会議などが行えるようにする
トランポリンやウエイトルームを設置して、きっかけをつくる
・スポーツの発展
マラソン大会の開催宣伝拡大
・織物を児童館などでも行えるようにする
観光
○気付き
・行きやすい
・治安がいい
・ラオス料理が美味しい
・修学旅行で行きたい
・実際に来て見ないとラオスの良さがわからない
・交通ルールがないので観光客は危ない
・観光するための交通手段が少ない
・日本にラオスの情報量が少ない
・『ラオスといえば…』というものがない(パッとしない)
・観光客が増えると交通・衛生などが改善されるかもしれない
(たくさんのひとの目が行き渡る)
・ラオス人がラオスの良さをわからなくてはならない
・ラオス人と日本人の「清潔さ」の価値観に違いがある
・地域ぐるみで環境づくりをする必要がある
・観光客が増えると悪影響がラオスに入ってくる
○学び
・伝統的な文化(織物やトゥクトゥク etc…)を宣伝する
・魅力的な街→観光増→財政増→教育増→交通増
(良いサイクルが形成される)
○アイディア
・ラオス産のお菓子を増やす
・日本にラオス料理専門店を増やす
・旅行会社の出しているパンフレットに大々的に取り上げてもらう
・PCの利用
・メディアの利用
・観光客にアンケートをとる→改善すべき面がみえてくる
2.今日から自分達が相手国や日本、世界のために始められること
「ラオスのPRをするためには・・・?」
~ラオスファンを増やそう計画~
・各学校のHP記載
・各学校の文化祭で発表の場を設ける
・地域の広報に今回の経験を載せる
・ラオスのPRポスターを作製
・ビラ配り
・メディアへの発信
・クチコミ
・姉妹都市計画
・写真集の作成
・仲良くなった友達と交流を続ける
・ラオスに再び行く
・語学学習
・旅行会社にラオスのツアー企画をしてもらう
・ラオスが宣伝になるTシャツを着る
まとめ
ひとつ改善すれば、どんどん良いサイクルになっていくことに気付いた。
いろんな人に話を聞いて、私たち高校生が未来を変えなくてはいけないという、使命感が湧いた。

ワークショップでの議論の流れ(1.2.に至る経緯等)
・現地プログラムが終了後、毎日、全員で1~1.5時間の振り返りや問題点、それらを解決・改善す
るにはどうすればよいか自主的に話し合った。また、気付いたことを1のような3つのグループに分
けた。
次に、各グループででたアイディアを基に、自分たちが今後出来ること、取組みたいことを具体
的に2のようにまとめた。
・ワークショップでは、1の項目からみんなに知らせたいことを選び、3つのグループに分かれてパワ
ーポイント(写真と大項目など)を作成、発表原稿を考えた。
・1、2をみんなで考えていく中で、2にある「まとめ」に至った。
③ ミャンマー
派遣国名
陣名
記録係名
ミャンマー
ASEAN 諸国 高校生派遣
大久保玲奈
1.本プログラムに参加して新しく学んだこと、気づいたこと
◎ODAサイトについて
CCA(児童中心型教育)というプロジェクトが将来的にミャンマー全員の子供が受けられ、それによ
って、学習意欲がわく勉強が本当にできるのかなと感じた。また、CCA により子供が色々なことに興
味がわき、医者やエンジニアだけではなく様々な職業にも目がいくと思う。だが、今のミャンマーのク
ラスは平均的にみて先生1人、生徒40人なので、現地の先生が言っていたように先生1人あたりの
生徒の人数を減らすか、教員を増やす必要性があると思った。また、物品(ノートなど)を補充し、生
徒が出来るだけ勉強しやすい環境を作ることも大切だと感じた。
◎リハビリテーション強化プロジェクトについて
リハビリテーションでは質の高いリハビリを患者さんに提供していることがわかった。また、さらなる
リハビリの質の向上を目標としていることにも感激した。そして、義足や義手を作る施設が病院に併
設されていることにも驚いた。
しかし、問題もいくつかある。まず衛生面ではまだ多くの課題が残っていると思う。例えば、より衛
生的な病室や風呂などが必要だと感じた。また、ミャンマーは障害者の社会復帰が難しいようなの
で、障害者がもっと社会参加できるシステムを作っていく必要もある。そのための基礎作りとしてスポ
ーツのイベントなどのプログラムを開催し、健常者と障害者の壁をなくすこともできるだろう。またリハ
ビリの必要性だけではなく、救急医療の充実も随分と遅れている。他にも道路が整備されていない
ため、交通事故も多発している。道路の整備・横断歩行の設置などにより障害者を生む原因をなくし
ていく必要もあると思った。また義足を作る技術も、私たちの今までの経験を踏まえ、技術を提供し
ていくべきだ。
◎僧院学校について
どの子供達も何でも聞きたがり、とても勉強意欲があった。先生から出される問題にみんな大きな
声で答えていて、積極的に授業に参加していた。語学学校では生徒の語学のレベルの高さに驚い
た。だが、学習環境は改善すべき点がいくつかある。1つはクラスの人数の多さ。机が足りなく、膝の
上でノートをとっている子もいた。机やイスが人数分あるというのは、絶対に必要なことだと思う。2つ
目は僧院学校の教室が暗かったということ。電気がついてなく、薄暗い教室で勉強していたので、明
るい環境で勉強すべきだと感じた。3つ目は教室の狭さ。小さな部屋に200人程度の生徒がいてと
ても驚いた。教室を増やして分散させたほうがいいと思う。
また、ミャンマーでは小学校はたくさんあるが、中学校・高校の数は少ないようなので、僧院学校で
中学・高校の役割はカバーできないのかなと疑問に思った。
2.今日から自分たちが相手国や日本、世界のためにはじめられること
私たちは訪問や交流を通じて、日本は「恥を知る国」、ミャンマーは「恩を知る国」だと感じた。ミャ
ンマーは、日本が持っている技術や施設を持っていないが、ミャンマー人は日本人が忘れかけたも
のを大事にしている。また、どの学校でも生徒は学習意欲があり、目を輝かせ勉強していた。これも
私たちが失いかけたものを持ち続け、学習に励んでいる。私たちもこの点を見習い、初心に帰って学
習に励みたいと思った。
こうした気持ちや態度を友達や家族などに広めていきたいと再度感じた。具体的にはミャンマーで学
んだ知識や情報を、様々な機会を通じて広めていくことが、私たちの役割だと思う。
ミャンマーの社会や経済の発展への道のりは長いと思うが、日本が経験した技術や設備などを振
り返って段階的に、ミャンマーに支援・普及することが望ましいと考えた。そうすることで日本が達成
した時間より短い期間で発展することが可能になるだろう。例えば、僧院学校の教育レベルから初
等教育レベルから中等教育段階に高める制度を作ったり、僧院学校出身者を優先的に教育大学に
入学させるシステムを構築することで、公教育を補えるのではないだろうか。
もちろん、ミャンマーの伝統文化を大切にしながら近代的な教育システムを導入することであるが、
これはミャンマーの人々自身の手によって作り出すべきものであり、それまでの短期間は日本を始
め先進諸国からの支援が望まれている。こうしたことを考えることも広い意味での交流の第一歩だと
思う。

ワークショップでの議論の流れ(1.2.に至る経緯等)
以下の3つの項目に関して、見学した内容の報告と<気づき>や<感想>など意見交換を行った。
最後にこれを踏まえ、全体的なまとめを行った。
1.ODA について
1-1 CCA について
1-2 リハビリステーションセンターについて
2.僧院学校について
2-1 義務教育段階の僧院学校について
2-2 僧院学校付属語学学校について
3.僧院学校との交流について
4.まとめ
ファシリテーター: 奥村桃子(多摩大学附属聖ヶ丘高校)
田中夢子(札幌清田高校)
④タイ
派遣国名
陣名
記録係名
タイ王国
ASEAN 諸国 高校生派遣
島村 美都希
1.本プログラムに参加して新しく学んだこと、気がついたこと
・ 知見

タイにおける日本文化

日本に行きたいけど行けない

日本語を熱心に勉強

日本食に興味

アイドル、ドラマ、アニメ、日本の芸能人
〔原因〕


日本語を使って勉強したい。

ドラマ、アニメがきっかけ(趣味)、入り口が沢山

自分の国より良い(アニメなど日本の方が面白い)クオリティーが高い
環境

ゴミが落ちている

クーラーの効き過ぎ

車の燃費

意識が低い

ガソリン(汽車)

ゴミの分別

ハエがたくさん

地球温暖化
〔原因〕

ゴミ箱が少ない

回収不足

一人ひとりの考え方

ゴミが落ちている

意識が低い

日本ではエコカー(タイでは安い車の方が、よく売れる)

エコの宣伝がない(企業が良いように、仕向けている)

ガソリンが安い
→ 消費の原因

古い車を使っている(日本は新しい車にすぐ目を向ける)

衛生

トイレ(タイ式)

下痢

屋台の衛生管理 ex.) お皿(外にある、消毒)

果物にハエ(何処からのハエ?)

ハエが多い

タイの人は慣れている

野良犬

政策が実現されていない。(言っているだけ?)
〔原因〕


食品管理

川が汚い(水問題)

費用がない、昔を変えれない(考え方)

野良犬(国王が犬好き)

ゴミをあさる犬、猫(殺処分されない)
人柄

フレンドリー

優しい

歓迎や交流を大切にしてくれる(しっかりしている)

ありがとうと言ったら返してくれる。

親切

笑顔が素敵

のんびり(マイペンライ)

男女の違い

日本人を大切にしてくれる

思いやり

近所付き合い
男 恥ずかしがる 女 積極的
〔原因〕

憧れ(ファッション)

援助

投資(感謝)

アニメ(日本文化)

東アジアでタイが一番発展している。

仏教(今、良いことをしていると、来世は良いことがある)

国王を信頼している。

熱心
【改善策】

ゴミ箱の数を増やす

職業の幅を広げる

学校で環境について学ぶ(マングローブみたいに)

ゴミがなくならないと衛生は無理

屋台での基準(生肉にハエ)

虫に対する意識(ハエ)

タイ式→水洗(洋式に)

狂犬病に注射
【タイと日本の違い】

日本は歓迎する?

人柄を見習うべき

タイの人達はすごく喜んでくれた

一生懸命してくれる

タイの人は楽しんでくれる

分かろうとしてくれる

学校の雰囲気がいい

人の思いが違う

異文化を受け入れる

日本人は先進国の気分になっている。

タイの人はどんな環境でも楽しんでくれる

車の価格感

ハエに慣れているなどの習慣

地球温暖化に対しての意識

衛生管理

勉強熱心

野良犬がいる
2.今日から自分達が相手国や日本、世界のために始められること

ODA の人などに手紙を書く

遊びを教える

川をきれいにするため、炭を設置する

高校生同士の団体

タイの格差の低い人達に技術を教える(格差につながる?)

ペットボトルのキャップを集めてキャップからプラスチックにして、それを買う
会社に渡し、お金にしてワクチンを支援(キャップ 800個で1人のワクチン)

タイの人達に恩返し



高校生にしかできない(タイの高校生と日本の高校生との協力)
私達のやれること、始められること

水をきれいにする

ペットボトルのキャップ

『貧困問題』東北部の男性に技術を(女性ばかり働いているから)
知識(技術)の発展
ワークショップでの議論の流れ(1.2.に至る経緯等)


8月3日に、さらに出た意見

地球温暖化

思いやり、感謝の心

近所との付き合い

子どもの人権

人身売買

ODA の人達元気で明るいけど、日本人なら引きこもりになるかも

貧富の差が激しい

緑が多くてよい

危なそうな家

危なそうな橋

ホームレスの人達

電線が絡みすぎている

夜、歩くのが怖い

歩行者が車より優先でない

外の明かりが少ない(暗くて危ない)

建物に落書きがされている

まだ使えそうな木が捨てられている。
タイで買った商品を文化祭で売りタイに支援する(全部に対して)
ex) 水問題 まだよく決まってない
⑤ベトナム
派遣国名
陣名
記録係名
ベトナム社会主義共和国
ASEAN 諸国 高校生派遣
松山 円香
2. 本プログラムに参加して新しく学んだこと、気がついたこと
<気付いたこと>
★
Chu Van An High School
・ 日本語で会話が成立した。
・ 日本の歌を知っている
・ 日本の伝統文化を学んでくれていた(折り紙、ゆかた)。
★
Nguyen Sieu High School
・ 日本語、英語などの授業を取り入れて、世界に発展して行こうとしているな、と思った。
・ 図書館などに日本の本などがあって、日本に興味を持ってくれているな、と思った。
・ 一ヶ月の授業料が貧しい人の一年間の給料だったりしたことから、貧富の差を感じた。
・ 積極的にコミュニケーションをとろうとしてくれていた。
★
ホームビジット
● Duong の家
・ 家が5階建てでびっくりした。
・ おもてなしが兎に角すごくて、とても歓迎されていて嬉しかった。
・ 家族写真が多く、みんな仲が良い。
・ 最上階に仏壇があって、先祖を大切にしていると感じた。
● Minh の家
・ みんな温かい人たちだった。
・ 私たちが来るというので友達なども家に招いていた。
・ リビングにはテレビやスピーカーがあって、びっくりした。
・ Minh 君の部屋にもテレビやパソコンがあった。
・ Minh 君の家はマンションの17階で眺めがすごくきれいだった。
・ ひいおじいちゃんの像みたいなものがあって、大事しているんだなと思った。
★
盲人協会
・ 視覚障害者に対する設備などがまだまだ不十分だと思った。日本との差を改めて感じた。
・ 日本の国民が払っている税金がODAの活動に使われていることが分かった。
(点字プリンター、そのソフトの供与など)
・ 私たちが行った盲人協会の本部にはエレベータなどがなく、階段しかなかった。
・ 設備が少ないために、盲人の人が町を1人で歩けない。
・ ソンさんという方のお話を聞いて、目標が将来はもっとこうしたいなどの夢があって、すごいと
思った。
・ 障害を持っていても、みんな明るかった。
★
ドンナム村
・ 昔のベトナムの姿がそのまま残っている。
・ 都会の発展に遅れているわけではなく、伝統的なものを残しながら、独自に発展しようとして
いる。
・ 昔の建物や、偉い方が作っていた物などの保存状態が良い。
・ 道路の整備がされていない。
・ ゴミがたくさん落ちていた。
・ 村の中で貧富の差がある。
・ NON LA をかぶって、水牛を連れて農作業をしている姿が、のどかでいいと思った。
・ 時間がゆっくり流れている感じがした。
★
全体
・ ゴミ箱の数はあるけれど、ポイ捨てする人が多い。
・ 線路と家が近い。
・ 殆どの人が歩道でご飯を食べていた。
・ バイク社会であっても、ルールを守っていない人が多い。
・ 公園で遊んでいる人が、子供に限らず、大人の人も多い。
・ バイクなどで空気が悪かった。
・ バイクの5人乗りの人たちもいて、びっくりした。
・ みんな写真が好き。
・ 目が合ったりすると、みんな笑ってくれる。
・ 信号無視が普通。
・ 人は優しい。
・ 道がきたない。
・ 町中に緑がとても多くて、良いと思いました。
2.今日から自分達が相手国や日本、世界のために始められること
自分たちに出来ることは、その国のことを友達や周りの人たちに紹介し、もっとベトナムのことを
みんなに知ってもらって、興味を持たせることだと思います。
この機会に知り合った同年代の子たちと連絡を取り合って、交流をもっと深くしていくことだと
思います。
そのことによって、英語なども上達していくのではないかと思います。

ワークショップでの議論の流れ(1.2.に至る経緯等)
1.日本とベトナムの間で何が出来るか。
2.訪問先で印象に残ったこと。
3.この経験から自分たちに何ができるか。
この3つのテーマで話し合い、2人のグループに分かれて2人で話し合った意見を出し合いながら
まとめていきました。
(2)成果報告会
派遣団員は前日のワークショップで議論した内容をまとめ、各国派遣団ごとに派遣プロ
グラムに参加して得た成果を総括し、事業関係者へ報告しました。また、5カ国合同で
実施したことで、他国の派遣団が得た成果や今後の取り組み、提言について共有する
場を持つことができました。
<式次第>
主催:財団法人日本国際協力センター
日時:平成 22 年 8 月 4 日(水)10:00~12:00
場所:外務省内 760 会議室
住所:〒100-8919 東京都千代田区霞ヶ関 2-2-1
1. 開会
2. 来賓紹介
3. ワークショップ報告(各グループ
発表 10 分 x5)
(カンボジア/ラオス/ミャンマー/タイ/ベトナム)
4. 講評
(10 分)
外務省アジア大洋州局地域政策課
栗田
5. 講評
伸一
様
(10 分)
多摩大学付属聖ヶ丘高等学校
石飛
一吉
先生
6.修了証書授与
財団法人日本国際協力センター
7.閉会
課長補佐
ワークショップ報告 各グループ発表資料
①カンボジア
1
2
3
4
5
6
7
8
9
②ラオス
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
③ミャンマー
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
④タイ
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
⑤ベトナム
1
2
3
4
5
6
7
8
8.派遣団員事後レポート
日本の高校生一人一人が、JENESYS アセアン派遣事業に参加したことによって得たこ
と、学んだこと、それらを将来どのように生かしていくか、ASEAN と日本に対して何が出来
るかといったような内容を踏まえ、プログラム終了後、各自でレポートを作成し提出しても
らいました。その一部を各国ごとに紹介します。
①カンボジア
―カンボジアの真実を伝えたい―
私の最初のカンボジアのイメージは、“地雷”“貧困”“不衛生”“危険”というような消極的なことば
かりでした。
しかし、実際カンボジアを訪れてみると、沢山の笑顔、フレンドリーな心を持った人々が私たちを
迎えてくれました。
学校訪問ではみなさんが凄く優しくて、一生
懸命に名前を覚えてくれたり、日本の遊びを
覚えてくれたり、本当にあたたかい人ばかりだ
なと思いました。レセプションパーティーの時
も、カンボジアの歌のアラピヤをみんなで歌っ
て踊って、すごく別れるのが辛くなりました。
ホームビジットでは、お父さんやお母さん、
お婆さんなど皆さんが優しくしてくれました。私
が学校で茶道部に所属しているので、日本の
文化に触れてもらおうと、お茶をたてたら、お
いしくないはずなのに最後まで飲んでくれて
嬉しかったです。最後カンボジアを発つ時、家
族の皆さんで空港まで見送りに来てくれて、カ
ンボジアにもう一つ家族が出来たようで、涙が止まりませんでした。
でも、私たちが会ってきたカンボジアの人たちの笑顔には凄く辛いポル・ポト時代という過去が
あったことを知りました。実際に拷問や殺害があったトゥール・スレンを訪れ、足かせや被害者の
写真、拷問が行われた個室を見て、胸が締め付けられるような気持ちになりました。普通では考え
られない酷いことが同じカンボジア人同士なのに行われていたということが信じられませんでした。
でも、そんなポル・ポト時代が終わってからが本当の地獄で、町や村の復興に人々は苦労をしてき
たんだと、私は日本という安全な国に、時代に生まれてなんて幸せなんだと、色んなことを考えさ
せられました。
また、アンコール・ワット、バイヨン寺院の修復作業で日本の技術が認められ、取り入れられてい
ることを初めて知りました。それから感動したのが、世界の国々が協力して一つのカンボジアの大
切な世界遺産を守ろうとしていることです。そうやって世界が繋がりを持つことは大切だと思いまし
た。
と同時に、私は日本がこれだけ色々なことに関係を持ち、貢献してきていることを、自分の国のこ
となのに知らなかった自分にショックを受けました。学校の授業などで知る機会があったのにも関わ
らず、その時に興味をあまり示していなかったことも事実であるので、自分の将来のためにももっと
視野を広げて物事を考えるようにしなきゃいけないと思いました。
私は今回の派遣事業に参加したことで、一つの夢が出来ました。それは、テレビなどのメディアを
通して、カンボジアなどの発展途上国のいい部分も悪い部分も出来るだけそのままの形で多くの日
本人に伝えるということです。私は今回の事業に参加するまで、あまり発展途上国のことについて
知らず、テレビなどで流れている情報は、地雷や貧困、内戦などのマイナスなことばかりで、“カンボ
ジア=良くないイメージ”しかありませんでした。それに日本が行ってきたことや、その国の良いとこ
ろも知りませんでした。けれど私は、確かにこんな辛い過去もあるけど今は笑顔が素敵なあたたか
い国であること、そして日本を含めた世界の国々が協力して世界遺産を守っていることや、自分の
国がしていること、自分たちが払っている税金がどのように使われているのかということに日本の学
生に興味を持って貰うためにも、その国の真実を伝えたいです。
最後に、こんな気持ちや、大切なことに気付かせて下さった全ての関係者の方に感謝したいと思
います。
②ラオス
派遣する前にラオスを聞いたとき、ラオスってどんな国?どこにあるの?どういう文化なの?治安
はどう? など、いろんな疑問が浮かびました。今はその質問のすべてを答えることができます。
ラオスに入国したばかりの頃、正直言って不衛生で首都から離れた道路はガタガタ、さらに交通
ルールを守らず逆走したり、信号が一部壊れているなどの話も聞きました。日本からしてとても考え
られないことです。事前に学習した内容では理解した気になって、実感が湧いてなかったのです。
最初に病院から、学校、大使館、職業訓練センター、市場、パトゥーサイ、国立博物館など、一週
間で首都ビエンチャンのありとあらゆるところを訪れました。その中で、経済に触れ、文化に触れ、
人と接触をしていき、ラオスという国、人を心で理解することができました。初めて文化に触れて起こ
るカルチャーショックの影響は大きいものです。
異文化とは思想が違っていて、その中で生活をするという事はとても慣れないものです。しかし彼
らの文化の違いを理解し、受け入れたとき、初めて得られたものがあります。それは、強い志と異文
化の視点です。
人の存在とはいったいどういうものか?なぜ生きることが許されているのか?150万種類以上の
生物の中で、なぜ人間だけが高度な理性と感情をもっているのか?もともと僕は唯心論者なので、
このような疑問をいつも抱えていました。
異文化の視点を得て、日本で不思議なことが起こりました。帰国して日本人や日本の環境という
ものが立体的に見えてくるのです。なんて清潔すぎるんだ!東京の街は未来の世界か!学校に帰
って、教室からグランドで練習しているサッカー部を見て、恵まれすぎてると感じたほどです。なんだ
か感謝と辛さが心の奥から湧き上がってきました。日本をここまでしてくれた先人たちに感謝の気持
ちが湧いてきたのです。その反面、周りに支えられていることを理解していない、今の環境に不満
足である、他の国については知った気になっている姿がとても辛いのです。
以前の僕はそうでした。だから今こうして理解ができるのです。実感が湧かないのは仕方がないこ
となのだと思います。だからこそ多くの人が海外に出ることを進めるのです。ラオスに行って、その
意味をやっと理解することができました。もっといろんな世界の文化に触れてみたいと思っていま
す
。
今の僕には大きな志があります。それは、ラオスという国を通して人々の心の大切さを日本やアジ
アの貧しい国々の人に伝えることです。それが周りに影響していけば世界も少しよい方向に傾いて
くれます。このように世界が幸せになっていくことを実現していきたいと思っています。あくまでも理
想ですが、今こうして、実現に向けて行動しているのは現実です。それが今の僕の生きがいで、や
るべき課題でもあるのです。
帰国して、家族、友達、いろんな人から聞き飽きるほど、同じ質問が飛んできます。その質問をま
とめてみると、ラオスのイメージ的なものが主です。現在の僕が持つラオスのイメージは、やさしくて、
男はかっこよく、女はきれいで、伝統文化を大切にし、ユーモアのある人達!です。ユーモアがある
理由は会話をしていて、おそらく日本のテレビを通じて、文化やアニメの話題を振ってくるからだと思
います。そういう意味で、タイや中国、フランスなど、いろんな文化の知識が豊富に思えます。そん
なラオス人と話せた人は、羨ましく感じます。ただビエンチャンの県内だからかもしれませんが、首
都から離れていても、そこまで変わるとは思っていません。あと、ラオス人はやさしいです。今まで、
僕の学校は外国人と交流の際に歓迎する立場で、歓迎されたことがありません。それもあり、みん
なから祝福を受けたとき、とても感動しました。歓迎されることは、こんなにもうれしいことだったのか
と改めて心に感じました。日本人を迎えてくれたラオス人に本当に感謝しています。町を歩いている
と、市場や高床式の家、ホワイホン職業訓練センターでは織物を見ることができます。当たり前かも
しれませんが、写真で見るより、文化を心で感じることができました。特に織物の藍染のときは体験
することができたので、彼らの文化をより深く理解することができました。
今いろんな国々をめぐった後、もう一度ラオスに行きたいです。ラオスと日本が共に発展して行く
事を、心から願っています。そして、ラオスという国や、人のすばらしさをより多くの人に知ってもらえ
るように、日本とラオスの関係が最高によくなるように、将来に向けてがんばりたいと思っています。
僕の一つの小さい夢は、日本からラオスに直行便を飛ばすことです。
③ミャンマー
私たちはミャンマー派遣プログラム2箇所
の ODA プロジェクトサイト見学、僧院学校や
聾学校などの様々な種類の学校の訪問、パ
ゴダなどの歴史的建造物の見学をしてきまし
た。
このプログラムに参加することを決めたとき
の私はミャンマーについての知識はほとんど
なく、治安や飲み水のことなど楽しみよりも不
安のほうが勝っていました。帰ってきた今はすぐにでもまた行きたい気持ちでいっぱいです。プログ
ラムの中で特に印象に残っている2つについて紹介します。
1つ目は ODA プロジェクトサイト見学で行った国立リハビリテーション病院です。ここでは2008
~2013年の計画で質の高いリハビリテーションサービスの提供を目標に JICA とミャンマー保健省
が協力してプログラムを進めていました。
この病院にはリハビリ用の機器が導入され、病院内の義肢を作る工場ではそれぞれの人の状況
に合った義足などを作っています。また、JICA によってトイレに手すりや引き戸を付けるなどがバリ
アフリーに改良されていました。
しかし衛生面は十分に管理されておらず、国立でこの状態ならばおそらく小さな病院などでは
もっと状態が悪いことが想像できます。
見学を終えて私が疑問に思ったのは 2013 年に JICA のプログラムが終了し、いざミャンマー全体
に広めていこうとしたときに、技術や知識は伝えられても機材や物資はどのように供給するのかと
いうことです。またミャンマーでは障害者が社会復帰するのは難しいと聞いたので、障害者に対す
る理解を深めるという部分も含めて早く国全体に伝わってほしいと感じました。
もう一つは、僧院学校で私が気になった点がいくつもあります。
・僧侶が教えていることが多く、小学校程度までの内容しか学ぶことができない(僧院付属語学
学校などは例外)
・机やノートなどが十分ではない
・多くの教室が暗い
このような状況であるにも関わらず、生徒たちはみんな目を輝かせて一生懸命に勉強していて、
どの子に聞いても勉強が好きだと答えてくれました。日本の学生は環境に恵まれている分、学べる
ことの有難さを感じなくなっているのかもしれません。自分も改めて今の環境に感謝しなければと考
えさせられました。
ミャンマーの子供たちに「将来の夢は何か?」と尋ねると「医者」か「エンジニア」と答える子がほとん
どでした。ミャンマーでは志望者の中
で成績順に大学の学部が振り分けら
れる制度があるので、医者になること
がとても名誉なことだという意識があ
るようです。しかしそれだけではなく職
種を知らないということが背景にある
ようです。今後の職業に関する授業の
必要性も感じました。
私は今回のプログラムでたくさんのことを学ぶことができました。ミャンマーの方々はみんな親切
で親しみやすく、住んでいる日本人が絶賛する気持ちも良くわかりました。行く前は迷っていた自分
の将来のことも、現地の人や JICA の皆さんと話をすることで、国際協力に携わりたいと改めて思い
ました。そして、これを機会にまたミャンマーに行きたいし、他の色々な国も訪れたいと思います。
私たちが今できることは自分が感じたミャンマーをできるだけ多くの人に伝えることくらいしかあ
りません。しかし、人に伝えることこそが一番大事なことだと私は思います。日本におけるミャンマー
の知名度は高くはなく、政治のことや悪い事件のこと以外はほとんど報道されることはないからです。
まずは多くの人たちにミャンマーがどんなところかを知ってもらうことで、私のように他の人たちにも
自分ができることを考えて欲しいです。また、私は現地の学生との交流を続けながら、積極的に行
動に移していきたいと考えています。
④タイ
―タイ派遣のプログラムを終えて―
このプログラムではとても濃厚な9日間を過ごすことができました。私にとっては初めての海外で、
このような素晴らしいプログラムに参加できたことを誇りに思います。プログラム中に色々な場所へ
行かせてもらえましたが、特に印象的だったのは学校訪問で、私はプログラム前から一番、学校
訪問での高校生との交流が楽しみでした。海外の高校生はどんな感じなんだろう、とわくわくしながら
学校に向かいました。そこには私の想像を遥かにこえる素晴らしい歓迎が待っていました。文化交流、
体験授業の合間の休憩中に数人の友達ができました。私に『マリ(タイ語でジャスミン)』というニック
ネームをつけてくれました。その友達とはアドレス交換をし、また会おうと約束を交わして別れました。
私はすごく元気をもらい、暖かい気持ちになりました。
私の学校では海外の交換留学生などのお客さんに興味を持たない生徒も多く見られます。
一方タイは、学校全体が歓迎の心をもち、暖かく接してくれました。この違いから私は、日本には
『異文化を受け入れる姿勢』と言うのがまだ足りないのではないかと考えました。タイの人々は私たち
に何の隔てもなく笑顔で振る舞ってくれるのに、日本人は外見で判断しては『外国人』として一線置い
て接しているような気がします。私はタイの人々の暖かく優しい笑顔に、日本とタイの関係の良さを感
じました。市内視察でエメラルド寺院を見学していた時に、私たちを見かけたタイの高校生が、私たち
と写真を取りたいと声をかけてくれたこともありました。
現地の高校生とのやりとりは英語と日本語でした。タイの学生がこんなにも進んで日本語を学んで
くれているとは思ってなく、とても嬉しく、私も本を見ながらタイ語でやりとりをしました。タイ人と日本
人、母語の違う者同士が英語でやりとりをするのはすこし不思議だなと思いました。ですがそれと同
時に英語で通じあうことのできる便利さ、必要性を実感しました。
ODAサイト見学では人身売買の被害にあった女の子たちを保護する施設に行きました。
見学に行く前、『人身売買とは』と考えると心が痛みました。保護されてる女の子たちはどんな思いで
過ごしているのだろう、親のことをどう思っているのか、恨んでないのかと思ってました。実際施設に
行ってみると、一生懸命勉強に励む姿や機織りをする姿が見られました。『タイの人々は国王、先生
と同じくらい自分の親を尊敬している。だから、どんなことがあっても親を憎んだり恨んだりしない。愛
しているから。毎日毎日、親に会いたいと思いながら生活している。』と JICA シニアボランティアの方
は言いました。これもまたタイの良さだなと感じました。そしてふと、友達の一言を思い出しました。
『親がウザイ、いなくなればいいのに』ここにいる子たちが聞いたらどう思うだろうか、自分は少し情け
なくなりました。
また、ODAの支援としてこのような場所があることも、今まで全く知りませんでした。私たち国民の
お金から税金というものは成り立つので、海外でこういった支援のために使われているということを
知らなさすぎたのでは、と思いました。『税金』というと世間的にはあまり良いイメージはないように思
われます。まさかタイで税金について考えさせられるとは思いませんでした。世間で批判されている、
天下りや高すぎる国会議員の給料などのお金を発展途上国の支援、困った人々の支援にまわすべ
きだと思います。そして日本人はこの支援を知ると共に税金の良い面を知ってほしいと思いました。
小学校でのマングローブ植樹では、環境問題について考えました。地球規模の問題になっている、
地球温暖化を食い止めるために色々な運動や政策がだされていますが、タイの人々と共にマング
ローフの植樹をし、こういった地道な活動が大切なんだなと思いました。タイのようなマングローブの
育つ国で土地を有効利用され、マングローブが増えているのは嬉しく思いましたが、その一方で市
街でのゴミを見るとタイの人々の環境問題に対しての意識は低いのではと思いました。でもこのよう
なことはタイだけに限ったことではないと思います。一番大切なのは、地球規模の問題なのだから
国や人種に関係なく、一人一人が意識し行動をおこさなければならないということに気づきました。
ホームビジットでは受け入れてくれたニウ君が日本語を学んでいる友達と日本人の日本語の先生
を呼んで私たちを招待してくれました。ニウ君の家は安全な地域にある住宅地でした。その中にあ
る公園でバスケットボールをしたとき、言葉は違うけどスポーツで通じあうことができ、みんなと溶け
合うことができ楽しかったです。
それから、現地で日本語を教えている日本人の方にお話を聞きました。『人生60年、80年生きる
としてずっと日本にいるのはもったいなくないか?外国で暮らすということは覚悟のいることだけど、
それ以上に日本では感じれないものもある。夢は大きなほうがいいよ。』と言われました。今まで、
日本の中学校で英語を教えたいと思っていた自分にはよい刺激となり、職業の視野が広がりまし
た。
JICA東京での夕食懇親会では、他の4ヶ国へ派遣された違う県の高校生と話をしました。これも
私が楽しみにしていたことで、話を聞いて他の4ヶ国にも興味を持ちました。外務省の成果報告会
では、ラオスの派遣団の『援助→協力』という言葉には共感し、まさにその通りだと思いました。同じ
志をもつ、自分と同じ日本の高校生はとてもしっかりしていて、自分もその一員として将来、国際社
会で活躍したいと思いました。
ワークショップでは立命館宇治高校の生徒とタイのために何ができるかを真剣に考えました。初
めは、自分のために参加したこのプログラムはいつの間にか、『タイのために何ができるか』という
考えに変わっていました。プログラムの終わった今も立命館宇治高校の生徒とは連絡をとっており、
事後活動の計画を立てています。
このプログラムで様々な刺激を受けました。英語の便利さを知り、しゃべれて当たり前にしなけれ
ばと思いました。タイの高校生たちが一生懸命勉強に励む姿を見て、勉強に対する姿勢が変わりま
した。国際貢献とは何かを考え、自分は何をすべきなのかを真剣に考えました。
一番大きかったのは人とのふれあいです。行く先々でたくさんの様々な人々と出会いました。普通
では話せないようなタイの省庁の方、大使館の方、タイの高校生、JICEの方々。どれも素敵ですば
らしい出会いとなりました。私は今まで外国に興味を持ち、色々な国に行きたいと思っていましたが
それは観光的な興味だったんだなと気づきました。しかし今は、いろんな国へ行っていろんな人に
会いたい、と思うようになりました。
メコン5ヶ国について真剣に考える機会を持ったことで、日本についても考えるきっかけにもつな
がりました。
私は今、タイの高校生とメールのやりとりをしています。これから相手と更に知り合い、この友情が
個人的なものから国会の友好につながれば、と思っています。
普通の観光では感じることのできない様々な刺激や新たな発見を、このプログラムは与えてくれた
と思います。このすばらしいプログラムがこれからも続くこと、さらに発展していくことを願っています。
このプログラムで得た経験は一生の宝物です。この経験をどう生かすかは人それぞれだと思いま
すが、私は将来のために存分に生かしたいと思います。そして、日本のため世界のために働けるよ
うな人になるために、自ら行動を起こしていきたいです。
⑤ベトナム
―人のつながり、国のつながり―
派遣プラグラムに参加して気付いたこと=派遣国ベトナム
今回のプログラムで、日本にいるだけでは経験できない貴重な学びを多くすることができました。
忘れなれない思い出のうち、二つのテーマで気付いたことをまとめます。
1 盲人協会訪問で感じたこと
8 月1日ベトナム盲人協会を訪問しました。訪問して一番に感じたことは「ここは、目の見えない
人々がたくさん集まる所なのに段差や階段が多い」ということです。日本だったらこういった施設は
バリアフリーになっていたり、点字ブロックが設置されていたりします。比較してベトナムの施設では、
トイレに行くにも手すりがなく、階段は急こう配で、部屋の入り口などにも段差が多く目立ちました。
不便だろうなと思われる所がいくつもあり、心配になりました。日本の福祉施設や公共施設のように、
生活しやすい設備を整えていければいいと思いました。
私たちは、盲人協会の方々に2つ質問をしました。1つ目は、「普段はどうやって町を歩いている
のですか」という内容です。日本では、視覚に障害がある人が、盲導犬を連れていたり、点字ブロッ
クを杖で追ったりして外出するのを見かけます。が、ベトナムに来てからは見ていません。一方、ベ
トナムの道路はバイクが多く、目の見える私たちでも道を渡るのは、怖く大勢でないととても困難で
した。そのことが気になっていました。
彼らは「ベトナムはとても交通事情が悪い。それに、ハノイには地下道は一か所しかない。外に
出たり道を渡ったりする時は、人に手を引いてもらうか、バイクの後ろに乗って行くしかない」と教え
てくれました。一日でも早く、ベトナムの交
通事情が改善され、目の見えない人でも一
人で外出できるようになればいいと思いま
した。目の見えない人が安心できる環境な
ら、他の障害がある人や子どもたち、障害
のない人たちもみんな安心して過ごすこと
ができる街になるのではないでしょうか。
質問の二つ目は「なぜ目が見えなくなっ
たのですか」です。この質問に彼らは、「も
ともと見えなかった人の他に、3つの理由
がある。1つは事故、2つは病気。そして3
つ目は、戦争」と言いました。「戦争」という
言葉は私ドキっとさせました。
私は戦争を経験したことのない世代です。
日本でも戦争の話を聞いたり、読んだり、
学んだりしています。でも、ベトナムに行っ
て初めて、「戦争」というものを身近に感じ
ました。
私に今、何ができるだろうと考えると、できることはあまりありません。あれやこれや考えてみては、
何か違うのではないか、と首をかしげてしまいます。何ができるかを考え続けることが大切だと今は
思っています。
ただ、私たちの歌を施設の人たちがとても喜んでくれたことがうれしくて、忘れられません。友達と
いっしょに、日本の歌を歌って、録音して、届けることで今回の訪問先の人たちへ、未来への希望や
生きる喜びを、伝えることができたらいいなと考えています。これならすぐにできそうです。
2 ホームステイ受け入れと再会の喜び
今回の派遣プログラムで2つの高校を訪問しました。そのうちの一つチュウバンアン高校には先
月、私の家にホームステイした友達・アインがいます。訪問で再び会うことができることを、出発前か
らとても楽しみにしていました。
再会した瞬間はうれし
すぎたのか、少し緊張して
いました。しかし、すぐにま
た二人でたくさんの話をす
ることができました。アイン
のお母さんはチュウバン
アン高校の副校長先生で
した。私は2人から、白色
のアオザイをプレゼントし
てもらいました。生まれて
初めてアオザイを着ました。
絹の肌触りはサラリとして
涼しく、動きやすいことも
知りました。アインたちが来日した時、着ているのを見て、「素敵だなあ。着てみたいなぁ」と思ってい
たので、わくわくした気分でした。
滞在中、私はアインの家に招待されました。家族はみんな私に親切に接してくれました。日本語
を話せる伯父さん家族が待っていて日本滞在の思い出を聞かせてくれたり、生春巻きなどおいしい
ベトナム料理を作ってテーブルに並べたりしてくれました。アインのお母さんが次々にむいては笑顔
で手渡してくれたドラゴンフルーツやタンロンの味を私は決して忘れないでしょう。
また、アインがホームステイ中の思い出話をたくさんしていたと聞かされ、私や私の家族と同じ気
持ちだったのかと、うれしくなりました。
今回の派遣プログラムを通じて、また、アインという友達と家族を通じて、ベトナムがとても好きに
なりました。もう一度ベトナムに行きたい、もう日本に帰るのを止めようかな、とまで思うほど、ベトナ
ムのことを好きになったのは、その国にかけがえのない友達ができたからだと思います。
3 この経験を生かして
今回の派遣プログラムの目的には、日本に対するベトナムの人たちの理解促進や友好感情の
醸成が挙げられていて、初めはどういう意味なのか難しいと感じていましたが、実際に参加して、ベ
トナムに大きな関心と興味を持ったし、ベトナムの人たちに親近感や友情を感じるようになりました。
また、国と国がつながっていくということは、根本に人と人とのつながりがなければ成り立たないも
のなのだ、と思うようになりました。
今、ベトナムには日本企業が1500社以上もあると知りました。ラジオでは、私が聞いているのと
同じ、J ポップが流れていました。テレビでは日本の子ども番組がベトナム語で放送されていました。
アインは日本の大学に進学したいと言っていました。これから日本とベトナムの関係はますます密
接になっていくのではないでしょうか。
私はこれからもベトナムという国に関心を持って、生活し、学んでいきたいと考えています。このプ
ログラムに参加できたことは、まるで奇跡のようなうれしい出来事でした。この奇跡をここで終わら
せないように、ベトナム訪問で学んだことをこれからの生き方に深く反映させたいと思います。この
プログラムをサポートして下さったすべての方たちに、感謝します。ありがとうございました。
9.報道関係
KPL Lao News Agency
2010 年 8 月 2 日(月)
中日新聞
2010 年 7 月 24 日(土)
おわりに
ASEAN 諸国への派遣団は、訪問国の高校や様々な訪問先の皆さまとの交流を通じ、
国を超えた友情やあたたかい絆を育み、また、伝統文化施設や現地の NGO、ODA サイト
見学などを通じて各国の伝統文化のみならず環境、経済、社会の現状や課題に触れ、派
遣国への理解を深めたことが、参加した高校生の感想文からうかがえます。また、訪問国
で温かく受け入れて下さった高校生の感想を拝読し、この派遣プログラムを通じて、日本と
ASEAN 諸国の参加者の中に、国を超えた友情やあたたかい絆が芽生えたことを知り、大
変嬉しく思います。
訪問先では短い滞在ではありましたが、今回の出会いを機に皆様と ASEAN 諸国の交
流が続きますことを、そして、日本・ASEAN 諸国友好の架け橋がますます強固なものにな
りますことを期待しております。
最後に、今回、日本の高校生受入にご協力頂きました全関係者の皆様に、深くお礼申
し上げます。
ASEAN 各国への青少年派遣事業 高校生派遣 報告書
発行日
平成 22 年 9 月
編集・発行
財団法人 日本国際協力センター
〒160-0023 東京都新宿区西新宿 6 丁目 10 番 1 号 日土地西新宿
ビル 20 階
TEL:03-5322-2548
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