ゴルフ上達Q&Aレポート

米田博史の
ゴルフ上達Q&Aレポート
目 次
Q 1. シャフトのしなりを利用するとは
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3
Q 2. クラブの種類による打ち方の違い
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4
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5
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Q 3. バックスウィング時の頭の位置
Q 4. 体の回転運動と体重移動
Q 5. フックにならないスウィング
Q 6. コックのタイミング
Q 7. BOOKスウィングドリルでの手の返し
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Q 8. スウィング中の体の“起点”
と“支点”
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15
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Q 9. フォロースウィングでのシャフトが立つ動作の作り方
Q10. 腕の軌道やインパクトの位置の注意点
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Q11. テークバックのきっかけがうまく取れない
Q12. コックする方向
Q13. リリースの動作・タイミング
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Q14. リストを意識すると振り遅れる
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Q17. アーリーコックを意識するとフェース面が早く開く
Q18. フィニッシュ時の手の動き
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Q15. 体重移動するとひどいスライスが出てしまう
Q16.「腕の動き」と「体の動き」の関係
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Q19. オーバースウィングを直すには
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Q20. 立体的体重移動を使うとダウンブローに打てない
Q21. アドレスからトップまでの正しいひじの形
Q22. ヘッドスピードを上げるわきの締め方
Q23. ダウンスウィング時の左腕の返し
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Q1
シャフトのしなりを利用するとは
いつも楽しく読み、 かつ実践するように努力しています。
質問ですが、 「シャフトのしなりを利用して飛ばす」 という話をよく聞きますが、 素人考えで
はインパクトの時点でヘッドの動きを遅くするとシャフトのしなりが効いてヘッドが走るような
気がします (実際にはとてもこんなことは出来ませんよね)。 本当はどうすればよいのでしょ
うか。 何かのついでにご教示下さい。
A1
シャフトのフレックス (硬さ) に関係なく、“シャフトのしなり” を利用できると、効率のよいスウィ
ングになります。 シャフトのしなりを一言でいうと、 インパクト直前に、 どの程度手を減速で
きるかにかかっています。 とても硬いと言われているXシャフトでも、 しなりが使える人はイ
ンパクト直前に手が急ブレーキして、 ヘッドが先行しようとするためにしなりが生じます。 (こ
の状態を 「ヘッドが走る」 と呼んでいます)
逆に、 手を早く振ろうとする人やヘッドの遠心力に負けて手を減速しづらい人は、 柔らか
いシャフトが有利です。 つまり、 単にヘッドスピードが速い ・ 遅いや筋力が強い ・ 弱いな
どではなく、 上手に減速できるかどうかで、 シャフトの硬さを選択すると効果的です。
ただし、 インパクト直前での手の減速は簡単な動作ではなく、 インパクトでクラブを強く握っ
てしまい (このことを 「つまる」 と言います)、 手の減速と同時にヘッドスピードの減速に
つながってしまう恐れもあります。
ヘッドが走る動作を言葉で表現すると、
① 両腕 ・ 前腕を回転させる<フォーアーム ・ ローテーション>
② インパクト時に力まない<リリース>
などの言葉をイメージするとマスターしやすいと思います。
「手を早く振ろうとする人は飛ばない」 と言うと何か逆のような表現と思われるかもしれませ
んが、 ゴルフが道具を使ってボールを打つスポーツである以上、 インパクト前後で手を減
速させて、 ついでに腕の脱力 (リリース) もスムーズに行なうことができると飛躍的に飛距
離が伸びますので、 ぜひ試してみて下さい。
3
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Q2
クラブの種類による打ち方の違い
この度はお世話になります。
ヘボなくせに長くやっているものですから悪い (?) 癖がなかなか抜けません。 特に 「アー
リーコック」 がその最たるもので往年のジョニーミラーを思い出します。
そこで質問ですが、 ドライバーからショートアイアンまで全て (従来の) 打ち方を変えるとい
うことに (多少というかおおいに) 抵抗があります。 スウィングはシンプルなほうがよいことか
ら全てのクラブを同じ打ち方で打つ (スウィングする) ほうがよいということは解っていますが
ドライバー (飛ばしたいクラブ) だけ変えるというのはダメでしょうか?
A2
結論から言うと、 ドライバーだけを “試しに” 変えてみることに賛成です。 ティーアップさ
れているし斜面ではないので、 スウィング作りがしやすいはずです。 ドライバーで効率のよ
い動きを修得して、 他のクラブも必要であれば徐々にトライしてみて下さい。
ご質問者の方はショートアイアンに自信がありそうなので、 注意点を補足します。
① アーリーコックをしてもしなくても、 ドライバーはショートアイアンに比べて、 横振り気味
なスウィングプレーンになります。
② ドライバーをダウンブローに振ることは感心しません。 適度なアッパーブローがお薦め
ですが、 アーリーコックは、 アーリーリリースとセットにしないと、 ダウンブローやスライス
の原因になりかねないので、 リリースも意識して下さい。
また、 質問の中に 『…全てのクラブを同じ打ち方で打つ…』 とありますが、 同じ打ち方で
打つことは、かえってスウィングに悩みが絶えなくなる場合が多いです。 ドライバー~ウッド、
ユーティリティー~5番アイアンまでの長いクラブを使った場合と、 6番アイアン以降の短い
クラブを使った場合、 そしてアプローチショットの場合の、 最低3種類の動作 (振り方) は
分けておくことをお薦めします。
もちろん、 その3種類には共通点も多くありますが、 相違点を意識することで日頃の練習
課題が明確になるはずですので、 そのように意識してみて下さい。
4
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Q3
バックスウィング時の頭の位置
驚きました!本当に飛距離がのびました。 休み前で仕事が忙しかったので、 届いた米田
プロのレッスンをなかなか見ることが出来ませんでしたが、 休みに入って早速拝見しました。
今まで私が追求してきたミスショットを無くすためのスウィング (シンプルイズベスト) とは全
く違う理論でしたが、 早速次の日に練習場に行って実践してみました。 練習場では、 簡
単に米田先生のスウィングが出来ました。 面白くなったのでそのままショ-トコ-スを回りま
した。 ショ-トアイアンでも2番手違う飛びを体験しました。 そのつもりで次の日は本コース
に出ましたが、 午前中は思うように打てませんでしたが、 今まで自分のスウィングの何が悪
かったのかまで全ての答えが出ました。 練習場ではしっかり打てるのにコースに出るとミス
を連発してしまう原因が分かりました。 トップからスウィングに入るタイミングがコースに出る
とかなり早くなります。 (コースが広い、 人に見られている、 人を待たせている) 様々な要
素が無意識にそうさせていました。
米田先生の理論を思い出して、 体重移動の後スウィング始動だけに集中してスウィングし
たら、 午後は見違える程ナイスショットを連発することができました。 午前53 ・ 午後46、
次の日のショ-トコースでは、 午前4オ-バ- ・ 午後5オ-バ-とかなり安定した結果が
出ました。 このまま米田プロの理論を繰り返し練習して、 腕を上げたいと思います。
【質問】 米田先生のスウィングは、 頭の位置が安定しているように見えます。 バックスウィ
ングで、 右足に体重を移動しても頭の位置はほとんど動かないのは正解ですか?自分で
は2通りやってみましたが、 やっぱり頭の位置は残したいと思っていますが右足に体重を
かける時間が短くなってしまい、 流れの中で一連のスウィングになってしまうので、 振り急
ぎが再発しやすくミスを起こしてしまいます。 しかし右足の上に頭の位置を移動すると、 ラ
イの悪い場所ではかなり違和感があり、 ミスショットが出やすいので、 悩んでいます。 フォ
ロ-にかけて頭を上に上げていくのは分かりましたが、 ミスをしたときに同伴者から、 ヘッド
アップしていると注意されます。
A3
結論から言うと、 ドライバーだけを “試しに” 変えてみることに賛成です。 ティーアップさ
れているし斜面ではないので、 スウィング作りがしやすいはずです。 ドライバーで効率のよ
い動きを修得して、 他のクラブも必要であれば徐々にトライしてみて下さい。
ご質問者の方はショートアイアンに自信がありそうなので、 注意点を補足します。
5
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① まず、 バックスウィング時にはアドレス時の前傾角度より起き上がりやすいので、 前傾
角度を崩さないように、 頭を少し (2~3cm 程度) 下げています。
② 右足への体重移動をするために、 頭は右足の真上までスライドさせています。
⇒しかし、 実際にはほとんどスライドしてないように見えます。
③ ダウンスウィングへの切り返しではまず左足への体重移動を心がけますが、 続いて、
腰骨を左にスライドさせ、背筋を使い、一気にヘッドアップしながら両腕をリリースさせて、
インパクトをむかえます。
⇒しかし不思議と、 実際にはほとんどヘッドアップしてないように見えます。
④ すでにインパクトまでに左足への体重移動やヘッドアップは終わっているので、 後は惰
性で腕を折りたたみ左肩に担ぎ上げていきます。 ただし、 ドライバーなどではスウィン
グが途中で止まらないように、 アイアンよりはダイナミックにフィニッシュまで振り抜くこと
を意識します。
⇒これはそのように見えるのではないでしょうか。
私を信じていただきたいのですが、 本当に頭をかなりの幅でスライドさせようとしているので
す。 しかし、よく私のスウィングを見た人から 「でも、頭が動いているのはインパクトの後で、
インパクトまではしっかりボールを見て、 頭も残っていますよ」 と言われるのですが、 残念
ながら本人はそんな意識はないのです。
話を質問に戻しますと、 『…ライの悪い場所ではかなり違和感があり、 ミスショットが出やす
い…』 ということですが、 これはOKです。 コンパクトな動作が安定感があるのであれば、
単に頭の動きを少なくするのではなく、 逆に、 手の振り幅やスタンス幅などを狭くコンパク
トに意識することには賛成です。 日頃の練習でスライドする幅を少しずつ広げておいて、
急斜面などではそれよりも少し動きを制限することはよいことです。 さらに、 平地ではスライ
ド幅を広げるようにすると、 フルスウィングとコントロールショットの使い分けが上手になりま
すので、 両方を練習してみて下さい。
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Q4
体の回転運動と体重移動
いつも米田プロのレッスンプログラム楽しみにしています。 私は、 仕事の関係で、 たくさ
んのゴルフ場でラウンドしてきました。 海外のゴルフ場でもラウンドする機会に多く恵まれ、
欧米、 日本で合わせて500コース、 合計1500ラウンドぐらいしてきました。
しかし、45歳からの糖尿病が悪化して、腎症が心配で血圧を下げるために体重を落として、
この2年で8kgカットしラウンドも年70回から20回に減らした結果、 ハンデも18、 ドライバー
のキャリーも200yに落ちています。 今の希望は70歳に到達する○○グランドシニアのク
オリファイ ・ ・ ・ で予選通過が目標です。
それには、ドライバーを230yキャリーしたいのです。 HSはフェアウェイ狙いで37~38 (マ
ン振りで42) です。 ドライバーはロフト13.9度 47インチを使っています。 自己診断では
右肩で打つ=ヘッドが鋭角に落ちるのでバックスピンが3500で前よりも上に飛ぶのでキャ
リー不足しているのではないかと考えています。 こんな状況で何をどうしてがんばれば、
脈がありますか?
A4
『…自己診断では右肩で打つ=ヘッドが鋭角に落ちるのでバックスピンが3500で前よりも
上に飛ぶのでキャリー不足しているのではないか…』 とのことですが、 私のレッスンでよく
説明しています。バックスウィングの際に左肩の回転が多すぎると、ダウンスウィング以降は、
今度はつられて右肩が回ってきてしまい飛距離をロスしやすくなります。
肩を回し過ぎないためには、 現在のボディーターン (1本の軸で体を回転させる) 動作よ
りも、 「右足へ100%、 左足へ100%」 の体重移動を心がけることをお薦めします。
ゴルフはよく 「体重移動を伴った体の回転運動である」 と言われますが、 バランスよくこの
2つの動作が出来る人は皆無で、 回転が多い人は体重移動が不足し、 体重移動が上手
な人は回転が苦手のようです。 もし、 右肩の回転が気になるのであれば、 俗に言う 「肩
が水平に回らず暴れている」 可能性があります。 したがって、 肩の回転を抑えることと同
時に、 体重移動を今よりも積極的にすると、 スムーズな動作になるはずです。
その他に、 『…ドライバーの長さが長尺47インチで、 ロフトが少し多めの13.9度…』 とい
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うことは、 高弾道 & 高スピンのセッティングですので、 インパクト時のロフト (インパクト ・ ロ
フト角) を少なくする動作をしてみてはどうでしょうか。 実際にスウィングを見たわけではな
いので、 矯正方法を一概に語ることはできませんが、 ① インパクト前後で左手首が甲側
に折れてしまうこと、 ② 同時に左ひじが引けること、 ③ インパクト時にビハインド・ザ・ボー
ルになり過ぎ、 右足に体重が残ってしまうことなどが、 ロフト角を増してしまうよくない動作
として挙げられますので、 注意して練習をしてみて下さい。
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Q5
フックにならないスウィング
お世話になります。 米田プロのレッスンで練習を重ねていますが、 ドライバ-において、
以前はほぼ飛球線はまっすぐ飛んでいましたが、 ここ練習場ではフック気味でまっすぐ行
くことがありません。 力を抜いてスウィングをしているつもりですが振り切ることを意識してい
るために力が自然と入っているためでしょうか?ここ2日、 シャフトを短く握って (7センチ)
練習したところ、 ほぼ40/ 50 はまっすぐ行ってますが、 長く持ちますとフックになります。
ちなみに以前のヘッドスピ-ドはMAXで46、最近は52の値を出します。 ドライバ-のシャ
フトはSを使用してます。 シャフトの問題もあるのでしょうか?やはり、 スウィングプレ-ンが
長く持つと崩れているために起こるのでしょうか?
ヘッドスピ-ドとシャフトの関係等を教えていただければありがたいと思いますので、 よろし
くお願いします。
A5
ヘッドスピードとシャフトの関係から言えば、 一概にシャフトのせいでフックがきつくなるとは
言えません。 ただ、 『…短く握るとまっすぐに行く…』 とのことなので、 通常は短く握ること
によってシャフトが硬くなりますから、 今のシャフトの硬さが軟らかすぎる可能性はあります。
他に考えられる点は、 インパクト時に手に力が入っている (握る力が強すぎる) 可能性がある
ということです。 スウィング中に主に使うのは、 右打ちの人であれば左手であり、 右手に力が入
ると、 フォロー時に手が左腰の時点でグリップエンドがボールをささなくなってしまいます。 その
結果、 ボールは少し引っかかり気味に飛び出し、 ボールのフック回転も多くなりやすくなってし
まいます。
現代のクラブは、 多かれ少なかれスライスしにくい構造になっているので、 フック回転はか
かりやすいものですが、 飛び出しがややプッシュであれば、 そこから曲がりの少ないドロー
ボールの方が有利な弾道と考えることもできますので、 「打ち出しが引っかからない ⇒ 少
しプッシュ気味」 になるように練習してみましょう。
繰り返しになりますが、 フォロー時に右腕が強くクラブが横殴りになると引っかかりやすく、
上手くシャフトを立てることができるとプッシュ気味になりますので、 右腕のリリースなどを
テーマに練習をしてみて下さい。
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Q6
コックのタイミング
まさか米田先生からメールを頂けるとは思いませんでした。 岡本綾子のテレビ東京で放映
されていた番組はいつも拝見していました。 レッスンをいつも拝見させていただき大変ため
になっています。 ただ、 腕の動きの中でコックを使うとありましたが、 コックのポイントを間
違えるとチーピンが出そうな気がします。 これは体の動きで調整とありましたが、 どのように
すれば上手にコックを使えるのでしょうか?アーリーリリースのイメージでダウンスウィング始
動時にコックも使うタイミングでしょうか?次回メールをいただけるときにご指導頂ければ幸
いです。 ではよろしくお願い致します。
A6
『…コックを使うポイントを間違えると…』 とありましたが、 確かにコックをほどくのが早過ぎ、
合わせて右腕を強く使ったアウトサイドインの軌道でインパクトをむかえると、 チーピンにな
る可能性があります。 だからと言って、 コックをほどくのが遅れ、 インサイドアウトの軌道で
インパクトをむかえると、 大スライスになりかねません。
コックをほどく動作を 「アンコック」 と表現する場合がありますが、レッスンの現場では 「リリー
ス ( 開放する )」 と言う場合が多いです。 つまり、 意図的に腕力でコックをほどくと、 その
タイミングが問題になりますが、 少なくともインパクト前後では力を抜き、 クラブヘッドの動
きに任せることを心がけて欲しいのです。
もちろん、 ただ力を抜くだけでは、 ヘッドの回転やフォローで作りたいリコック動作が起こら
ない可能性がありますので、 「T to T ドリル」 などの事前トレーニングは不可欠です。
● T to T ドリル
バックスウィングとフォロ−スルーで、ティーがボールを指している
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ドリルを素振りやハーフスウィングなどで反復練習しておくと、 フルスウィング時
にリリースするだけで、 自然に毎回同じタイミングでコックをほどきながらヘッドの
ローテーションも行なえますので試してみて下さい。
また、 これらは体重移動中に行われることが望ましいです。 体重移動が止まっ
たままコックをほどいてしまうと、 特に右足に体重が残ったままインパクトを向か
えたとき、 アウトサイドインの軌道になり、 極端なチーピンになる可能性が高いも
のです。 あくまでも体重を移動させながら正しいリリースが出来たときに、 今まで
見たこともないような弾道が出るようになるはずですので、 そのことも忘れないで
下さい。
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Q7
BOOKスウィングドリルでの手の返し
いつも米田プロのレッスンを拝聴、 拝読させて頂いておりますが、 疑問点がありますので
お教え下さい。
米田プロが正しいスウィングを理解するために、 以前BOO K スウィングドリルというドリルを
紹介いただきましたが、 そこでトップで右手に乗った本がフィニッシュでも右手に乗ってい
るのが正解とのことですが、 右手に乗せると右手が左手より下に下がった状態になると思
いますが、 私はインパクトからフォローにかけては右手が左手より上にないと右肩が下がり
ますし、 ライ角が番手より大きくなってしまうと思いますがいかがでしょうか。
● BOOK スウィングドリル
板が目標方向を向くように構える
バックスウィング時、板は右手に
乗っている
インパクト後は手を返すように 振り終わった後も板は右手に乗っ
ている
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A7
フィニッシュでトップ ・ オブ ・ スウィングのときと同じように右手の上に本が乗るということで
すが、 あくまでもフィニッシュでの形が左手より右手のほうが下に来るだけで、 インパクトか
らフォローにかけてはむしろ、 右手のほうが左手より上にあるということを分かっていただき
たいと思います。
具体的にどのようにすればフィニッシュで右手に本が乗るのかというと、 ダウンスウィング時
に早めに手の返しを始め、 フォローでは左手の甲を地面に向けるようにします。 そこから、
両ひじ ・ 両手首を折り曲げてフィニッシュの形をとると、 右手に本が乗っているはずです。
反対に、手の返しが遅れてしまうと、左手首が甲側に折れたり左ひじが引けたりしてフィニッ
シュ時に左手に本が乗りやすくなってしまいます。 実際にやってみると分かるのですが、
手を早めに返す場合と遅れて返す場合では、 インパクトのあたりでの肩の開き方にかなり
差があると思います。
ご存知のように、 インパクトではなるべく肩が開いていないほうが有利なので、 早めに手を
返してフィニッシュで右手に本が乗るようにしたほうがよいのです。
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Q8
スウィング中の体の
“起点”
と
“支点”
米田プロのレッスンを日々楽しみにしています。 米田プロのおかげで、 手首のコックの返
しは出来るようになりましたが、 体の回転する起点を教えて下さい。 私は左ききです。 左
の手のひじを起点とするのか、 または左脚を樹として回転するのか ・ ・ ・ 練習場では球
がひっかかり困っています!
A8
“起点” というのは体の動き始める部位 (部分) のことを言っているのでしょうか。 ご質問
では 『…回転する起点…』 とのことですので、サウスポーの人の回転運動の中心点 (支点・
軸) とスタートさせる部分 (起点) を説明します。
それではまず、 スウィング中の体の動きは回転運動や体重移動などの複雑な動きが連動
していますので、体の動く順番 (これを 「タイミング」 と呼んでいます) から先に説明します。
両手を上げて “バンザイ” の格好をするとわかりやすいのですが、 バックスウィングでは、
「①手・腕 ⇒ ②肩 ⇒ ③腰 ⇒ ④脚」 の順番で動きます。 つまり、バンザイの格好で言うと、
上から順番に動くわけです。 また、 ダウンスウィングでは反対に、 「①脚⇒ ②腰 ⇒ ③肩
⇒ ④手 ・ 腕」 の順番になります。
また、 体を右半身と左半身に大別すると、 サウスポーの人は右半身を動かしてスウィング
動作をし、 左半身を止めてメリハリを作ります。 (ちょっと極端に言い過ぎたかもしれません
が…)
以上の2つを合体させると、 サウスポーの人のバックスウィングでは、 ① 右腕でテークバッ
クを始め (起点)、 左ひじは止めておきます (支点)。 ② 右肩を回転させてバックスウィン
グを続けます。 このとき左肩も連動して動きますが、 あえて支点を考えると、 背骨が軸とな
ります。 ③ 右腰を左へ少しスライドさせながら、 ④ 右足を地面から離すようにして体重を
左足へ移動します。
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Q9
フォロースウィングでのシャフトが立つ動作の作り方
レッスンでフォローの段階でもなるべく早くコックを行うとヘッドスピードがアップするとご説
明がありましたが、 フォローの段階のコックは左ひじをなるべく伸ばしたままで右ひじを折っ
てコックを行うのか?左ひじは若干曲げた状態で右ひじの折れと手首を使って行うのか?
お教え下さい。
A9
この質問はとても複雑です。 しかし、 少し幼稚な例えをすると、 「ボール君から見てみると、
我々が腕を伸ばして振っているか左ひじが引けているかには関係なく、 ヘッドスピードや
当たる角度に反応して飛び出していく」 ということになります。 フォローでコックを使い、 い
わゆる “シャフトが立つ” 動作が出来るとヘッドは加速している証であり、 逆にシャフトが
立たないと減速している証となるわけです。
つまり、 シャフトが立つ動作であれば、 両ひじが伸びて手首だけが曲がっていても、 左ひ
じが伸びて右ひじは曲がっていても、 もしくは両ひじとも曲がっていても、 結果は同じ (同
じ飛距離、 同じ弾道) になります。
プロゴルファーの持ち球を大別すると、 ドロー系とフェード系に分かれることはご存知だと
思いますが、 例えば、 ドロー系のプレーヤーを3人想像してみて下さい。 3人のスウィング
動作が異なっていても、 クラブヘッドのスピードや軌道が似ていれば、 3人の飛距離や弾
道は似てくるのです。
そこで、 ご自身の振りやすい方法でシャフトが立つ動作を練習してみてほしいのですが、
練習の目安をアドバイスするとしたら、 両手首とひじの力みがなく、 脱力した状態でシャフ
トを立たせるために、 腕の全ての関節が軽く曲がっている形を基準としてみて下さい。 た
だし、 フォローでも加速し続けるスウィングは、 手首やひじに負担がかかりますので、 腱鞘
炎などに注意し、 無理な反復練習は避けて練習をして下さい。
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Q10
腕の軌道やインパクトの位置の注意点
米田プロのレッスンに出会い、 練習に励んでから、 距離と共に、 方向性も安定してくるよ
うになりました。 特にダウン&アップの体の使い方は非常に分かりやすく、 即効性もあると
思っています。 しかしながら、ドライバーは、日によってかなりのバラつきがあるのも事実で、
コースでは、 ある日はFWキープ率が80%もあるのに、 ある日は30%しかないと、 そん
な状況が訪れております。 ただ、 徐々にではありますが、 確実によくなってきている実感
はあります。
さて、 質問です。 腕の軌道及びインパクトの位置で注意することはあるでしょうか?上記の
様な状況が続いている中で、 練習場でドライバーで打っているとき、 腕の軌道とインパクト
の位置がバラバラになっているのではないか?と考えました。先生のレッスンの中にも、ミー
ト率が落ちるのは、 腕を使い過ぎることが原因であるとありましたが、 インパクトの位置が体
の正面ではなかったり、 もしくはオーバースウィングで力み過ぎなのか、 ダウンから左右の
脇が開いたりしているような感じがして、 一定の軌道で腕が振れていない感じです。 少し
コンパクトにして、 体に沿って腕を動かすことを意識すると、 かなり解消されてきている感
じです。 ですので、 腕の軌道やインパクトの位置に関して、 どのようなことに注意すれば
いいのか、 教えて下さい。 よろしくお願い致します。
A10
コンパクトに腕を振ることは賛成です。 ただし、 『…腕を使いすぎるとミート率が落ちる…』
とありますが、 正確に言えば “腕” ではなく “手” です。 手が大きく動いてしまうと支点も
動いてしまうので、 その先にあるクラブヘッドのスピードが上がらなくなってしまいます。 そ
れだけではなく、 ミート率も落ちてしまうので、 当然ボールも曲がりやすくなってしまいます。
それとは異なり、 前腕の回転やリストワーク (コックやリリース) は積極的に使って下さい。
ややこしいかもしれませんが、 手を大きく振るのではなく、 腕の筋肉や関節は積極的に使
い、 具体的な方法についてはまた私のレッスンをもう一度ご覧頂きたいのですが、 単に窮
屈な振り方になってしまわないように注意が必要です。 もちろん、 手を大きく動かしてスト
ロークするアプローチなどの打ち方は、 通常のスウィングとは異なります。
リストワークを使い手元は大きく動かさず軌道を安定させるには、 どこかをある程度固定さ
せる必要があります。 お薦めは 「右脇を開けないようにする」 ことです。 そうすることによっ
て、 トップ ・ オブ ・ スウィングでのオーバースウィングも防げますし、 インサイドからクラブ
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を下ろしてくることが容易になります。 その結果、 軌道も安定し、 インパクトも正確になって
きますので、 ぜひ試してみて下さい。
練習方法としては、 右脇にヘッドカバーやハンカチなどを挟んでスウィングするのがよいで
しょう。 ヘッドカバーは落とさずに、 腕の筋肉と関節を積極的に使う練習をしてみて下さい。
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Q11
テークバックのきっかけがうまく取れない
もう16年前くらいになりますが、アメリカのジョ-ジア州 (?) のパインツリー (?) というコー
スでプレイしたときに、岡本綾子プロの優勝記念の絵画がクラブハウスに飾ってありました。
18番の池越えのミドルホールでアドレスしたとき綾子さんはどんな気持ちでショットをした
のかなと思ったことをつい最近のように思い出します。そのころはもう岡本プロの番組でレッ
スンされていましたよね。 ビデオを拝見して昔と少しも変わっていないのに驚きました。 僕
らと違ってアスリートの方は鍛え方が違う (?) のでしょうか。
前置きが長くなりましたが、 テークバックのきっかけがうまく取れなくて困っています。 左
手の親指で右側に押し込むようにしてみたり右足の親指に重心を移しながら始動したりと
か素人なりに考えれば考えるほど体が固まってスムーズにテークバックがスタートできませ
ん。 当たり前のようにスムーズにテークバックできる秘訣があったらご教授下さい。
A11
テークバックの始動のきっかけですが、 プロがする方法として 「ワッグル」 や 「フォワード
プレス」 が代表的です。 「ワッグル」 は、 手首を動かしたりバックスウィングの軌道を確か
めるように腰の高さまでクラブを上げたりする動作で、 「フォワードプレス」 は、 テークバッ
クに入るときにグリップや右ひざ (右利きの場合) を軽く目標方向に動かす仕草のことで
す。
これらの動作を利用する意味は、 “静” から “動” へいきなり動くのではなく軽い準備運動
をした後に、アドレスからスウィング動作に入るまでの動きを止めないためです。 お薦めは、
実際のテークバックの軌道をなぞるように手を右腰の高さに来るまで上げて、 さらにそこか
らボールのところまでヘッドを戻してインパクトのイメージを作るようなワッグルをするという方
法です。
体の小さな一部分を意識するよりも、 大きな動きで実際の軌道をイメージしたほうがスムー
ズにスウィングに入れるはずです。 加えて、 これらの動作はインパクトで握力が強くなり過
ぎないように注意をする意味も含まれています。乱暴に言えば、ぎこちなく力んだテークバッ
クでも、 力の抜けた (リリースされた) インパクトが出来れば、 安定したナイスショットが打
てるということです。 なので、 テークバックよりも理想的なインパクトを追求してみて下さい。
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Q12
コックする方向
左手のコックについて質問します。 コックする方向ですが、 左手の親指爪方向への折り曲
げだけで、 左手の手のひら側への折り曲げ、 反対に甲側への折り曲げはしてはいけない
ですね。 それと、 左手の親指爪方向への折り曲げですが、 アドレス時の腕と親指方向で
できる角度以上に伸ばしてはいけないですね。 よろしくお願いします。
A12
コックする方向でよく言われるのが左手の親指方向ですが、 左手のひら側へ曲がるとフッ
クが出やすくなります。 反対に、 甲側へ折り曲げるとスライスが出やすくなります。 また、
甲側へ折れ曲がることでスウィング軌道もアウトサイドインになり、 ボールのつかまりが悪く
なることも生じます。 つまり、 ご質問の通り、 手のひら側 ・ 甲側のどちらにも曲げずにコッ
クをすることが基本です。
ただし、 レッスンの現場では基本的な方向へのコックよりも、 その方々のスウィングに合わ
せて調整する場合が多いです。 特に、 スライス気味の人には、 コックを少し手のひら側に
曲げて練習してもらいます。 つまり、 「ある程度の許容範囲がある」 と考えて下さい。
また、 『…アドレス時の腕と親指方向でできる角度以上に伸ばしてはいけないですね…』
とのことですが、 この件に関しては複雑です。 誤解されやすいので言葉で表現することに
は抵抗がありますが、 アドレス時の角度をキープすると、 スライス系またはダックフックの出
やすいスウィングになってしまいます。 ドロー系の弾道を安定させるためには、 インパクト
では手首の角度がなくなるように伸ばす必要があります。 腕のローテーション ( 回転 ) をし
ていけば、 インパクト時に手首が伸びてしまいます。 手首の角度をキープすると、 腕が返
りにくくなりフェースのターンが遅れてしまいます。
ただ、 この Q&A が読者の皆さんの参考になるためには、 手首を伸ばすことを説明しなけ
ればなりません。 しかし、 ご質問者の方が 「現在のスウィングに満足していてそれを私に
再確認して欲しい、 間違っていないと確認したい」 と思われていたのならば、 今回の話は
まったく必要のない情報です。
いずれにしても、 現在、 フックに悩んでいるようでしたら、 「腕と親指方向でできる角度以
上に伸ばさない」 は正解ですので、 伸ばそうとはしないで下さい。
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Q13
リリースの動作・タイミング
米田先生殿、 先生のレッスンプログラムで現在勉強中の者です。 リリースについて教えて
下さい。
1) 自分の状態
・ ドライバーは振り遅れ (手元先行) になる
・ アイアンは大ダフリになってしまう (ヘッド位置を手元より前に出そうとしてしまう)
2) 質問 ・ ・ ・ リリースの動作 ・ タイミングについて
①リリースを開始するタイミング (位置?)
②リリースとはアンコックという動作でインパクトすることか
③アイアンのリリースタイミングはドライバーより遅いポイントなのか
④アドレスでの左手の角度を守ってインパクトせよ、 とはコックしたまま振れということか
(コックと左手の角度の意味を分かっていない?)
以上、 あまりに解っていない内容の質問ですが、 何かの折に教えて頂ければ幸いです。
A13
【質問①の回答】
リリースを開始するタイミングは、 早ければ早いほうがよいと考えて下さい。 実際にリリース
する場所は右腰の高さ (バックスウィングで右腰の高さまでにコックができているので同じ
位置) ですが、 ダウンスウィングではスピードがついているので、 意識の上では右腰よりも
上、トップからダウンスウィング開始直後にリリースを始めるつもりでよいでしょう。 それでちょ
うど右腰の高さでリリースできると考えて下さい。
【質問②の回答】
『…リリースとはアンコックという動作でインパクトすることか…』 とありますが、その通りです。
バックスウィングで右腰の高さでコックをし、ダウンスウィングでは開始直後からコックを解き、
インパクト直後にすぐにリコック (再びコックをする) してクラブを立てる、 これらの動作が
飛ばすための腕の動きです。
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【質問③の回答】
アイアンもドライバーも、 ダウンスウィング開始からリリースをするつもりで打っていくことには
変わりありません。 また、 上から打ち込むためにコックをタメ気味にするなどということはあ
りません。 入射角度は、 ボールの位置を変えることによって自然にアッパーブローやダウ
ンブローになっていきます。 アイアンでのダフリの原因としては他に、 体重移動がダウンス
ウィングからフィニッシュまで不足している (あるいは移動のスピードが遅い) ということが
考えられます。 そのあたりもチェックしてみて下さい。
【質問④の回答】
「コック」 というのは左手の親指側への動きで、 「アドレスでの左手の角度を守ってインパクト
は左手の甲側への折れをなくしたい」 という意味です。 そのあたりは、 Q 7でもお話に出て
きました 「BOOKスウィングドリル」 などを参照して下さい。
● BOOK スウィングドリル
板が目標方向を向くように構える
バックスウィング時、板は右手に
乗っている
インパクト後は手を返すように 振り終わった後も板は右手に乗っ
ている
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Q14
リストを意識すると振り遅れる
丁寧なレッスンありがとうございます。 2点ほど質問があります。
リストを意識してスウィングすると、 振り遅れてしまいます。 どうしたらいいでしょうか?
もう1点は、リストを使うということは、フェースを開いて閉じるということとは違うことなのでしょ
うか?よろしくお願い致します。
A14
最初の質問についてですが、 今までよりも早めにリストを意識するということを試してみると
よいでしょう。 具体的には、 今現在ボールの位置でリストを返すのを意識しているのであ
れば、 右腰の高さでリストを返すことに意識を変えることを試みて下さい。 すると、 振り遅
れることが少なくなってくると思います。
もう一つの質問についてですが、 まさにその通り、 リストを使うことによってフェースをター
ンさせることができるのです。 ただしリストの使い方を誤ると、 ボールの方向性が悪くなるの
で、 レッスンを見直して、 「T to Tドリル」 や 「BOOKスウィングドリル」 などを練習して、
正しいリストの使い方をマスターして下さい。
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Q15
体重移動するとひどいスライスが出てしまう
米田プロ、 いつもご連絡ありがとうございます。
いただくレッスン動画などは、 何度も見ておりまして、 練習しております。 飛距離は、 コー
スに出てみて分かりますが以前より伸びていることが実感して分かります。 セカンドショット
が楽になりました。 今までは、 200ヤードそこそこでしたが、 残りヤーデージを見ると30~
40ヤード伸びていそうです。 この間もご連絡致しましたが、 ベストスコアが出ました。 39
の43でした。 しかも、 39は自身初でした。
ただ、 まだまだ体重移動が上手く出来ません。 トップの際、 右足に全体重を乗せ、 左足
を浮かせて、 体重移動の練習をするといいと言われていますが、 それを意識してやるとひ
どいスライスが飛び出します。 体がスウェーしているのでしょうか。 それとも、 インパクトの
タイミングがずれてしまうのでしょうか。 ちょっと悩んでいます。
A15
この方のスウィングを見たわけではないので断定的なことは言えませんが、 「体重移動」 よ
りも 「体の回転」 のほうが割合として上回っているのではないでしょうか。
よく米田プロのレッスンの中でも 「体の回転」 について説明していますが、 ダウンスウィン
グ以降で体を回しすぎてしまうと、 インパクトで右肩が前に出なければ効果的ではあります
が、 その成功率はよくて50%程度です。 悪いときにはインパクトで手が極端に目標方向
に出て、 フェースが開いてスライスになってしまいます。
『…体がスウェーしているのでしょうか…』 とありますが、 体は積極的にスウェーさせて打っ
てみて下さい。 反対に、 軸を保とうとする意識が残っているようでは、 なかなかうまくいか
ないかもしれません。 ただ、 バックスウィングの際に、 右ひざの位置だけは流れないように
して下さい。 右ひざのスウェーは、 ミート率を極端に下げてしまいます。 ただ、 それ以外
は頭も積極的に動かしてスウェーしてみましょう。
「 体重移動 > 体の回転 」 ということを意識して、 身につくまで反復して練習してみて
下さい。
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Q16
「腕の動き」と「体の動き」の関係
米田様、 取り急ぎ哀れな私をお助け下さい!米田プロのレッスンを何度も見ては、 それま
での間違っていた部分のスウィングとの離別というか、 消去を試みておりましたが、 どうも
一部矛盾してしまい先の方向が分からない状態です。 それは、 飛距離向上の目的で、 し
かも現在のクラブ機能に合わせた最良のスウィングについて、 説明と実際が一致しなくて
どうしても疑問に残るのです。 そのためどちらのイメージを選ぶか今も悩んでいて上手く先
に進めず、 逆に訳が分からなくなってしまいました。 まず、 逆クロソイド曲線を提唱されて
いて、 現在のクラブなら利にかなっているし、 実現しやすいというものです。 これはダウン
のアークを大きく、 フォローのアークは小さくとのイメージになります。 どちらかと言えば、
私の望むべきコンパクトなトップのイメージとは反対の感覚になってしまうのです。 一方、
立体的体重移動では、 低いバックと高いフォローを提唱されていますので、 これまた前述
のイメージと逆の感覚になってしまうのです。 低く小さいバックは、 コンパクトトップのイメー
ジは持ちやすいですが、 ダウンのアークを大きくするというイメージには、 どうしてもある程
度の大きなバック (トップ) のイメージになってしまうのです。 フォローにおいても、 右下
の低いバックから左上の高いフィニッシュをイメージすると、これまた逆クロソイドではなくて、
従来のクロソイドの様になり、 結果的には小さいダウンで大きいフォローという、 逆のイメー
ジになってしまうのですが ・ ・ ・
こんな訳で停滞状態となり、 もう元のスウィングとも新しいスウィングとも違う、 中途半端な
訳の分からない状態に陥ってしまいました。 どう進めるのがよいのでしょうか?
A16
「腕の動き」 と 「体の動き」 とは分けて考えてみて下さい。 まず、腕の動きは 「足組みドリル」
で練習してみましょう。
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●足組みドリル
左足をクロスしてスウィングする
逆クロソイドの動きでスウィングしないと体のバランスを取りにくいはずです。 そし
て、 体の動きは 「ショルダーターンドリル」 や 「ダウン&アップドリル」 で作っ
て下さい。
つまり、 「腕の動き」 は逆クロソイドの動きで、 「体の動き」 は立体的体重移動
の動き、 その2つを合わせたものがゴルフスウィングなのです。 低いトップでも、
そこからの腕の動きはダウンのアークを大きくし、 インパクト後はすぐにクラブを
上に上げます。 その間の体の動きは、 フィニッシュに向かって体を起こしていき
ます。 始めからその動きをいっぺんにやろうとすると、 マスターするまでにかなり
の時間が必要になりますので、 「腕の動き」 と 「体の動き」 を最初は別々に習
得して頂きたいと思います。
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Q17
アーリーコックを意識するとフェース面が早く開く
アーリーコックを意識していますが、意識するとフェース面が早く開きます。同じアーリーコッ
クでもフェースを閉じて上げていくのでしょうか?そうすると右ひじがうまくたためないように
なります。 ご指導下さい。
A17
アーリーコックの利点は、 「早く軌道に乗せやすいこと」 と 「腕の返しを使いやすいこと」
が挙げられます。したがって、それ以外のことはほとんど気にする必要はありません。しかし、
簡単なチェック方法はあります。
まず、 アドレスから、 腕の動きだけで腰の高さまでクラブを上げてみましょう。 そのときに、
クラブシャフトが地面と平行になっていることを確認して下さい。 また、 そのときにシャフト
が飛球線と平行になっていることも確認してみましょう。 次の段階として、 そのポジションか
ら体の回転と体重移動を使ってバックスウィングを始めて、 実際にボールを打ってみましょ
う。
どうでしょうか、 意外にうまく打てたのではないでしょうか。 このドリルは、 あらかじめトップ
での腕の形を作ってから打つので、 「プリセットドリル」 と呼ばれています。 つまり、 「 早
めにコックを作ること = 早めにトップを作ること 」 になるのです。
上記した方法で、腰の高さでコックの形をチェックして下さい。 そのときのフェースの向きが、
自身にとって正しいフェースの向きと言えるでしょう。
極論を言えば、 バックスウィングで開いて上げようが閉じて上げようがたいした問題ではな
く、 ダウンスウィングでいかにフェースをターンさせることができるかが勝負ということです。
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Q18
フィニッシュ時の手の動き
いつもありがとうございます。 日々練習に励んでいます。
1つ質問なのですが、 レッスンの中でBOOKスウィングドリルという項目でクラブはトップで
もフィニッシュでも右手に乗ると先生は解説されていましたが、 トップで右手に乗るのは分
かりますが、 プロの連続写真などを見るとフィニシュはどのプロも左手に乗っているように
見えます。 この点ご解説お願い致します。
A18
いま一度、 プロの連続写真のフィニッシュ時を見て下さい。 確かに、 クラブが左手に乗っ
ているようにも見えるかもしれませんが、 これは体の傾きの角度なども影響してそのような
見え方をしてしまっているのです。 逆に、 ほとんどのプロの右手首が、 甲側に折れている
ように見えませんか?
このことより、 左手首はほぼまっすぐ (もしくは少し手のひら側に折れる) ということが分か
ります。 手首の形で考えていくと、 フィニッシュで左手首が甲側に折れる (右手首がまっ
すぐor手のひら側に折れる) のは、 アマチュアのように腕の返しを使っていない (あるい
は遅れて使っている) 人であって、 プロはドローヒッターであろうがフェードヒッターであろ
うが、 どの選手も腕の返しを使っているので、 フィニッシュで左手の甲側に手首が折れる
選手は皆無なのです。
そのあたりを踏まえて、 前のご質問にも出てきました 「BOOKスウィングドリル」 に取り組
んでみて下さい。
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Q19
オーバースウィングを直すには
指導ありがとうございます。
私は米田プロのレッスンを、 購入後毎日見て庭でシャドースウィングを行っています。 解
説書は寝室に置き、 イメージトレーニングを5分間してから休んでいます。
さて、 私の手首の使い方は、 右腕を脇腹に強くつけ過ぎていることが分かりました。 その
ために、 ダウンスウィング開始時に右腕に力みがあり、 ぎこちない動きになっていることが
分かりました。 加えて、 ボールに向かうと 「よ~し、 飛ばしてやろう」 ・ ・ ・ との気持ちが
強くなりクラブヘッドが頭を超えて左肩よりも下がっています。 このオーバースウィングを直
すためにも米田プロの指導書通り手首の使い方をマスターしようと思います。 しかし、 なん
となく力が入らず、 また元のスウィングになってしまいます。 何が原因でしょうか? ご多忙
の所申し訳ございませんが教えて頂きたいです。
A19
オーバースウィングの要因として、 体の回転が体重移動よりも勝っていることが考えられま
す。 体を回転させすぎないためにも、 バックスウィングでは右足に100%の体重を移動さ
せることを心がけてみましょう。
そのためにも、 トップ ・ オブ ・ スウィングで体を沈ませるような意識があると、 体重を移動
させやすいと思います。 そうすることによって、 しっかりとトップまでにパワーを溜めることが
できるようになるのです。
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Q20
立体的体重移動を使うとダウンブローに打てない
立体的な体重移動にて打つとダウンブローに打てず、 下から上へのすくい打ちになってし
まうのですがいかがなものでしょうか?
A20
「ダウンブローに打つ」 というのは、 あくまでもボールに対する打ち込み角度のことで、 基
本的にはダウンブローでもアッパーブローでも、 打ち方を変えるわけではないということを
理解して下さい。
6番以下のアイアンの場合、 私が推奨しているボールの位置はスタンスの中央です。 した
がって、 立体的体重移動をしながらクラブを振り下ろしても、 正しいスウィング軌道であれ
ばそれだけでダウンブローに打ててしまうのです。 すくい打ってしまうということは、 ボール
の位置が左に寄り過ぎているか、 あるいはダウンスウィングからの左足への体重移動が不
足していることが考えられます。
前の質問でも出てきました 「ステップドリル」 で、踏み込みながら打つことを練習してみましょ
う。 体重移動しながらインパクトする、 そして、 それによって結果的にダウンブローに打つ
ことができるようになります。
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●ステップドリル
通常通りアドレスする
左足を右足に寄せる
クラブを持ち上げる
足を踏み込んでステップする
インパクト
腕を振り抜く
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Q21
アドレスからトップまでの正しいひじの形
いつも大変お世話になっています。
ドライバーのアドレスからトップまでの左手のひじのことですが、 ひじを曲げないで ( 極端に
言えばひじを曲げないで一直線に ) トップに行ってスウィングすると球筋が安定するようで
す。 しかし窮屈な感じです。
アドレスからトップに行くまでに自然にひじは曲がってもいいものでしょうか。アドレスからトッ
プまでとスウィング中の左ひじはどのようになるのが正しいでしょうか。
A21
アドレス時の左ひじは、 向きを目標方向に向け、 自然に楽に伸ばす感じがあるとよいでしょ
う。
また、 トップまでの左ひじですが、 これもまっすぐにしようとすると腕が硬直しがちになり、
ダウンスウィング以降も腕を脱力させて下ろすことが難しくなりますので、 軽く曲げて少し余
裕を持たせてバックスウィングをしたほうがよいでしょう。
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Q22
ヘッドスピードを上げるわきの締め方
いつも米田プロのレッスンに基づき練習に励んでいます。 分かりやすい解説で感謝です。
米田プロの言われるとおり、特に左手のテークバックを意識して、常に両わきを閉めて、テー
クバック、 即コックを入れ、 右に体重が乗る感じで切り返し、 フォロースウィングするときに
左手のひじが開く癖を直すためにテークバックをするや否や左手を反時計方向に回転切り
替えしを試みるようにして練習しております。 インパクト時点では右手が左手の上にくるよう
になり、 米田プロのようなスウィングになるのではと思っております。 その時点でスピードも
上がり飛距離も伸びるのではと理解しております。
しかしヘッドスピード計測ではほとんど変わらず、 37M/秒辺りです。 これにかなりすば
やく体重移動 (左足に乗っていく) を加える必要があるのではという気がします。 どのくら
い毎日練習すればヘッドスピード3~5M/秒が上がるようになりますか、練習の問題でしょ
うか、 まだ足りない点ありますか。 よろしくご指導下さい。
A22
わきの締め方についてですが、 両わきを締めるというのは実はあまり効果的ではなく、 腕
のローテーションがしづらいというデメリットがあります。
また、 コックという観点からお話しますと、 コックを入れるためには左わきを開けて左ひじを
伸ばし、 右わきを締めてひじをたたむ動きが必要になります。 つまり、 両わきを締めた構
えでもどちらか一方のわきを締めた構えでも、 必ずコックをする際には腕は同じ形になるの
です。 したがって、 スムーズにバックスウィングを行うには、 右わきだけ締めた形が合理的
と言えます。
また、 右わきだけを締めてスウィングすると、 インサイドアウトで振りやすくなります。 ボー
ルも高く上がりやすくなり、 飛距離も稼げます。 それに合わせて、 右下から左上への体重
移動をつけていけば、 ヘッドスピードも上がってくるでしょう。
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Q23
ダウンスウィング時の左腕の返し
メールいつもありがとうございます。 メールレポートにしたがい、 練習場で打ち込んできまし
たが、 そのときの気付いた点についてお伺いします。
まず、 私の欠点はハンドファーストで手打ちになっていると思います。 飛ばそうとの気持ちか
ら早く打ちおろしてしまいます。 今日バックスウィングをずいぶんゆっくりしてから、 左足への
体重移動からダウンスウィングをしたところ感触がよかったのですが、 そのときの左腕の返し
についてですが、 こねないでまっすぐ引っ張り落とした感じですが、 これでよろしいのです
か?右手を意識せず左手に任せるという感じですが。
A23
ハンドファーストは、 手を振りすぎている (使いすぎている) ために起こります。 そして、
手をいくら振ってもヘッドスピードは思ったほど上がらず、 効率は悪いです。
よく私もお話していることですが、 手よりヘッドの運動量を増やすことがナイスショットの条
件です。
『…右手を意識せず…』とありましたが、結論から先に言えば“その通り”です。 ゴルフスウィ
ングは左手が主体で振るものであり、 右手がそこに入り込んでくると、 とたんに方向性も飛
距離も落ちてきます。 右手はあくまでも 「左手の補助」 としての役割であることを理解して
下さい。 (グローブを左手にするのも同じ理由です)
したがって、 手をコネるというのは右手でするのではなく、 左手でするのが正しいです。 そ
して、 腕に力が入っていなければ自然に手が返ろうとします。
「左手に任せる」 ことには、 大賛成です。
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プロフィール
米田 博史 (ヨネダ ヒロシ)
プロゴルファー ( 日本プロゴルフ協会A級会員 )
1962 年生まれ 東京都出身。
1985 年日本大学卒業後、 アメリカのゴルフ専門学校サンディエゴ ・ ゴルフアカデミー
に留学。 帰国後インストラクターとして活動を開始する。
また、 1981 年から 2001 年にテレビ東京系で放映された 「岡本綾子のスーパーゴル
フ」 でレッスンを担当。 さらに、平成 11 年、高橋書店から 「史上最強のスウィングレッ
スン」 を出版。 その他、 「米田式体重移動スウィング上達法」 (高橋書店) など、 著
書多数。
そして、 これまでプロ ・ アマを問わず、 2万人を超すゴルファーを指導。 わかりやす
いスウィング理論と独自のレッスン法は広い支持を得ており、 TV ・ 雑誌などでも大
活躍している。