第 9号(H28. 2. 8)

支援部 通 信
第9号
2月8日
支援部発行
岩手大学教育学部附属特別支援学校
新成人のみなさんおめでとうございます!
1月9日(土)に「成人を祝う会」が本校を会場に開催されました。今年度は、平成25年度高等部卒業生8
名全員の参加に加え、新成人の父兄、同窓生の皆さん、旧職員の先生方、高等部在校生、本校 PTA の方々及びそ
の OB・OG の方々、そして、本校職員の総勢75名参加のもと、盛大に開催されました。当日は、新成人の記
念撮影から始まり、昼食会、テーブルスピーチ、在学時代の思い出の振り返り、新成人の決意表明など、終始和
やかな雰囲気で行われ、新成人の新たな門出を祝うにふさわしい、はなむけの会となりました。
新成人のみなさん全員集合!
おめでとうございます。大人の仲間入りですね。
同窓会長から記念品が贈呈され、新成人から
今後の夢や目標が発表されました。
<昆>
和やかな雰囲気での昼食会。思い出話に花が咲きま
した。
旧職員の先生方から、在学当時の思い出など、心温
まるスピーチをしていただきました。
進路講演会の様子
12月16日(水)22名の保護者に参加をいただき進路講演会が開催されました。
盛岡市から「福祉サービスの内容、利用料、利用までの流れ」
「サービス等利用計画」について説明をしていた
だきました。アンケートでは、
「とてもわかりやすかった」という感想が多く好評でした。PTA茶話会で話題に
上った内容についても説明をいただきました。
○就労アセスメントの目的は何ですか?
国ではまず、
「就労移行サービス」を使い、それが難しい場合に「就労継続支援B型」を使ってもらいたいと
いう考えがあります。しかし、すべてがその流れに乗ることができるかといえば、実態に合わない場合もあ
ります。そのため就労継続支援B型の利用条件に③を加えています。
「就労継続支援B型の利用条件」
①一度就労したことがある者
②50歳を超えている。障害年金1級受給者
③就労アセスメント(旧名称:B型アセスメント)を受けた者
○成年後見制度はどのような制度ですか?
判断力が不十分な方の「財産管理」や「身上監護(身の上の手続き)
」を支援します。
家庭裁判所に申請することで成年後見人が親族や専門性のある第三者から選ばれます。
メリット
様々な権利を守ることができる。
デメリット 月2万円ほどの費用がかかる。裁判所への報告義務があり、柔軟にお金を使うことが難しい。
タイミング 保護者の高齢化や本人の周りに関係者がいない場合などに利用を考えることが多い。
○あんしんネットとは何ですか?
正式名称「日常生活自立支援事業」
判断能力が不十分な方が地域において自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービス
の利用援助等を行うものです。一人暮らしの方の利用が多い。
○新制度など公的な情報はどこで確認できますか?
厚生労働省や盛岡市のホームページ
○保護者の仕事とサービス利用の両立をするために朝や夕方に子どもを見てもらえるサービスはありますか?
(デイサービスやショートステイも一杯)
施設は増えてきてはいるが、十分ではない。複数の事業所を使っていただくなどの工夫をしていただいてい
るのが現状です。
<藤川>
第8回支援部学習会の様子
第8回の支援部学習会は、岩手県立療育センターの矢吹裕哉先生をお招きしました。
「幼児期のコミュニケー
ションとことばの発達について」と題し、コミュニケーションを促すかかわりについてご講話いただきました。
また、マカトン法のサイン法のサインを紹介していただき、参加者の皆さんも実際にマカトン法のサインに挑戦
してみました。今号では、矢吹先生のご講話から、インリアル・アプローチという手法の紹介の中で取り上げて
いただいた「大人の側の評価」について紹介いたします。
下表の評価項目を読んでみると、インリアル・アプローチの手法が分からなくても、子どもとコミュニケー
ションを行う上で、大切にしたい視点が評価項目になっていると思います。慌ただしい毎日の中で、つい忘れて
しまいがちなことを思い出させてくれるような内容ですよね。この評価項目を読むことで、普段の自分の行動を
振り返るとともに、また気持ちを新たに、子どもの気持ちに寄り添いながら子どもたちと毎日の生活を過ごして
いきたいですね。
<熊谷>
特別支援教育コーディネーターのひとりごと
~教育相談担当から~
ある幼稚園に訪問支援にうかがった際、感覚統合について、話題提供しました。話が進む中で、園長先生が、
「今、
つながりました。夏休み明け、○○君の動きが実にいいのです。見違えるほどです。お母さんが、
“公園に通って
思いっきり遊ぶことを勧められたので、暇さえあれば行っていました”と話していたのは、このことだったんで
すね。落ち着きも出てきましたよ。
」とおっしゃいました。○○君のお母さんは、本校相談室を利用されたお一人
です。
○○君(3歳児)のお母さんが相談室にいらしてお話しされた主訴は、
「とにかく落ち着きがありません。動きがぎこちなく、不器用で、けが
もしょっちゅうです。時々、飛び跳ねたり回転が止まらなかったり・・・
何とかならないでしょうか。園訪問もしていただきたいのです。取り急
ぎ、今日、すぐできることを一つでいいので教えてください。
」という内
容でした。夏休みに入る直前でしたので、焦りもあったようです。
関係機関と繋がっており、自閉傾向を指摘された子どもさんというこ
とでしたので、特性・特徴に即した支援方法について共通理解しつつ、すぐできることとして、3歳児にも促し
やすい公園遊びを提案しました。
感覚統合とは告げず、
「体全体を使った動きのある遊びをとおして、心身をリラックスさせたり、時に緊張させ
たりしたいですね。遊具によっては、バランスをとったり力を加減したりしなければいけないものもあります。
本気でやろうと思うと、結構大変なことですが、ぜひ、公園で存分に遊んでみてはいかがでしょう。粗大運動が、
今後の微細運動を支えてくれるはずですよ。
」というようなお話をさせていただきました。その結果が、園長先生
のお話につながるのでした・・。
基礎感覚である、
「平衡感覚」
「固有感覚」
「触覚」
「視覚」
「聴覚」等をバ
ランスよく使えるようにすることが、
『感覚統合』の考え方です。○○君も、
平衡感覚のつまずきによって頭や体が常に動いたり、固有感覚のつまずき
によって微細運動に苦手さが見られたりしたのかもしれません(もちろん、
それ以外の要因もたくさんあるはずですが)
。
『感覚統合』は、ボディイ
メージを形成して自己コントロール力を育てたり、空間認知力を高めて協
応性・協調性を育んだりすると言われています。また、
『感覚統合療法』は、LDや自閉症を含めた、発達障がい
のある子どもさん向けのリハビリテーションの一つとも言われています。試されてみてはいかがでしょうか?
<菊池>
お薦めの一冊
「発達の気になる子の感覚統合あそび」
監修者 : 川上 康則
発行所 : (株)ナツメ社
定 価 : 1,800 円+税
具体的なトレーニング(遊び)が紹介されています。
屋外はもちろん、学校や家庭で気軽に取り組める
ヒントが盛りだくさんです。付録には、チェック
シートがついています。