平成 24 年度「飼い主のいないねこ」調査 「飼い主のいないねこ」の調査結果について 1 調査の経緯・目的 「飼い主のいないねこ」の糞尿の被害、可燃ごみ(生ごみ)をあさり周辺を散らか す、などの苦情が寄せられることがあります。 「飼いねこ」であれば、飼い主に苦情を 言うこともできますが、 「飼い主のいないねこ」に対しては、不満を訴える相手がなく、 「ねこ」を傷つけたり、 「ねこ」にエサを与えている人との間でトラブルに発展するこ ともあります。 犬については、狂犬病予防法により登録が義務付けられ、放し飼いが禁止されてい ることから、迷い犬(鎖等で繋がれていない犬)であれば、飼い主がいる、いないに 関わらず、愛知県の動物保護管理センター(東三河支所:豊橋市)で保護することに なります。 しかし、 「ねこ」には、このような規制が ないため、 「飼いねこ」については、飼い主 の承諾なしに保護することができません。 外見上、飼い主がいるかどうか判断が困難な ことから、 「ねこ」については、保護するこ とができないことになります。 (例外として、 生まれたばかりの「子ねこ」や「ケガを しているねこ」であれば、動物愛護の観点 から保護することは可能です。 ) 「飼い主のいないねこ」にエサを与えている人と地域の住民との間のトラブルが、 地域の大きな問題となることがあります。 このため、今まで、 「ねこ」についての調査等が行われてこなかったことから、今回、 「飼い主のいないねこ」の状況を把握し、今後の基礎資料とするため、調査を実施し ました。 飼い主のいない「ねこ」 特定の飼い主(所有者)がなく、地域や公園等に住み着き、人から エサをもらったり、ごみをあさるなどして生活している「ねこ」 。一般 には「ノラねこ」 。 1 平成 24 年度「飼い主のいないねこ」調査 2 調査方法 市内 151 行政区(平成 24 年 10 月 1 日現在。内訳は、旧新城市 57、旧鳳来町 66、 旧作手村 28)のすべての地区を対象とし、代表区長会に調査協力の要請を行い、承認 を得た上で、各行政区長へ行政区内の「飼い主のいないねこ」の状況について、調査 を依頼しました。 具体的な調査方法としては、行政区の役員会等で、役員や組長さんから、行政区内 の「飼い主のいないねこ」の状況を聞き取り、または、区長さんへの報告により、調 査票へ記入し、環境課へ提出いただく方法としました。 【調査内容等】 (1)調査対象: 「飼い主のいないねこ」 (2)調査場所:市内全域 (3)調査時期:平成 24 年 10 月~12 月 (4)調査事項: ・よく見かける場所 ・ 「ねこ」の数 ・エサを与えている人の有無 ・地域でのトラブル ・苦情の有無及び内容 2 平成 24 年度「飼い主のいないねこ」調査 3 調査結果 この調査では、飼い主がいるかどうか不明の「ねこ」についても含まれていますの で、すべてが「飼い主のいないねこ」とは限りません。また、住み着いている場所ま では特定していないため、隣接する行政区において、重複して集計されている場合が あります。 なお、 「飼い主のいないねこ」のいる場所等については、 「ねこ」の遺棄を誘発する ことも考えられるため、行政区名、施設名など場所が特定できる項目については公表 しないこととします。 (1) 「飼い主のいないねこ」を見かける場所がある行政区 「飼い主のいないねこ」を見かける場所がある行政区は、151 行政区の内 61 行政 区(全体の 40%)にあります。 「飼い主のいないねこ」を見かける場所は、市内の 61 行政区に 125 か所で報告さ れています。 新城地区では 27 行政区に 68 か所、 鳳来地区では 29 行政区に 52 か所、 作手地区では 5 行政区に 5 か所あります。 (新城地区) 「飼い主のいないねこ」を 見かける場所がある行政区数 有 27 無 30 有 61 (鳳来地区) 有 29 無 37 無 90 (作手地区) 無 23 3 有5 平成 24 年度「飼い主のいないねこ」調査 (2)1 か所あたりの「ねこ」の数 「飼い主のいないねこ」を見かける場所にいる「ねこ」の数については、 「3~5 匹」 の記載は、平均を取り 4 匹として集計しています。 市内全域には、約 400 匹弱(392 匹:下限 347 匹~上限 436 匹)の「飼い主のいな いねこ」がいるものと推計されます。 (ただし、飼い主がいるかどうか不明の「ねこ」 も含んでいます。 ) 「飼い主のいないねこ」のいる場所の 125 か所では、1~3 匹の場所が多く 83 か所 (66%) 、4~10 匹の場所は 39 か所(31%) 、また、11 匹以上の場所も 3 か所(2%) あります。 1か所あたりの「ねこ」の数 (新城地区) 11匹~ 1 11匹~ 3 1~3匹 46 4~10 匹 21 4~10匹 39 11匹~ (鳳来地区) 2 1~3匹 33 4~10匹 17 1~3匹 83 (作手地区) 4~10匹 1 11匹~ 0 1~3匹 4 (3) 「飼い主のいないねこ」の苦情の有無・苦情の内訳 「飼い主のいないねこ」のいる場所の 125 か所の内、苦情を把握している場所は、 57 か所(46%)あります。 苦情の内訳(重複回答あり)としては、糞尿による苦情が 41 件(53%)と多く、次 いで、生ごみを荒らす 8 件(10%) 、庭や畑を荒らす 6 件(8%) 、 「子ねこ」が増える 5 件(6%)となっており、その他には、家の中に入り込み、食べ物を食い散らかす等 の苦情もありました。 4 平成 24 年度「飼い主のいないねこ」調査 ・苦情の有無 (新城地区) 「飼主のいないねこ」の 苦情の有無 無 36 有 32 (鳳来地区) 有 57 無 28 有 24 無 68 (作手地区) 有1 無4 ・苦情の内訳 その他 8 繁殖 0 「飼主のいないねこ」の 苦情の内訳 (新城地区) 庭・畑 6 生ごみ 4 その他 18 糞尿 41 その他 10 糞尿 26 (鳳来地区) 糞尿 15 繁殖 5 繁殖 5 生ごみ 3 庭・畑 0 庭・畑 6 その他 0 生ごみ 8 (作手地区) 糞尿 0 繁殖 0 庭・畑 0 *複数回答あり。 5 生ごみ 1 平成 24 年度「飼い主のいないねこ」調査 (4)エサやりの有無 「飼い主のいないねこ」が、「お腹を空かせて、かわいそう」 、「かわいい」として、 地域の方でエサを与えている場合があります。 (エサやり) 「飼い主のいないねこ」のいる場所の 125 か所の内、エサやりが行われている場所 は、27 か所(22%)あります。また、不明も 49 か所(39%)ありますが、このほと んどは「エサを与えているところを見たことはないが、常に監視しているわけではな いので、不明」と注釈つきで回答しているケースが多ことから、エサやりが行われて いる場所は 27 か所として差支えないと考えられる。 (新城地区) エサやりの有無 有 17 不明 26 有 27 無 25 (鳳来地区) 不明 49 有 10 不明 22 無 20 (作手地区) 無 49 不明 1 有0 無4 (5)エサやりをする人と地域住民とのトラブル 「飼い主のいないねこ」のいる場所の 125 か所の内、エサやりをする人と地域住民 との間で地域の問題にまで発展してはいないがトラブルはある、 「トラブルとまでは言 えないが、2~3 回、注意しているが、何度も言えない。 」 、 「顔見知りであるため、注 意しにくい。 」という控えめな回答もあり、将来トラブルとなる可能性のある場所を含 め、4 か所(3%)あります。 現時点では、エサやりをする人と地域住民との間で対立しているようなケースは、 見られませんでした。 6 平成 24 年度「飼い主のいないねこ」調査 (新城地区) 有 2 エサやりをする人と 地域住民とのトラブル 不明 8 有4 無 58 不明 11 (鳳来地区) 不明 3 有2 無 47 (作手地区) 無 110 不明 0 有0 無5 4 今後の対応 「飼い主のいないねこ」でも、もともと飼い主に捨てられた「飼いねこ」であり、 また、その「ねこ」から生まれて増えた「ねこ」です。 「飼い主のいないねこ」が、 「お腹を空かせてかわいそう」 、 「かわいい」と、エサを 与え、その残ったエサが腐敗し悪臭がする。また、エサを与える場所付近に、 「ねこ」 が集まることにより、糞尿の苦情が増える。さらに、栄養状態がよくなることから、 「子 ねこ」が増える。 「ねこ」が悪戯をする。 などの迷惑があっても、犬のように狂犬病 予防法等の規制がないことから、行政とし ては、有効な対策がないのが実情です。 飼い主が、責任をもって最後まで飼養 する。繁殖を望まないのであれば避妊・ 去勢を行うなど、責任のある飼い方をする ことは当然のことですが、すでに、地域に いる「飼い主のいないねこ」についても 「排除」するのではなく、私たち人間と 7 平成 24 年度「飼い主のいないねこ」調査 同じ「命あるもの」として、地域の中で 「適正に管理する」ことで地域住民との 共生を認め、地域の問題として、トラブル の解決・環境美化を図っていくことが大切 であります。 その方法として、愛知県では「あいち コミュニティキャット推進プロジェクト」 として「地域ねこ活動」を支援しています。 「飼い主のいないねこ」のいる地域の住民の方に、 「飼い主のいないねこ」問題への 地域の対応、また、トラブルなど地域の問題を未然に防ぐ手段として、 「地域ねこ活動」 や取り組み事例を周知していく必要があります。 「地域ねこ活動」とは? 飼い主のいないねこを適正に管理するために、地域住民が主体とな り、動物愛護ボランティア等の協力を得て、共同飼養する活動のこと。 ① 不妊・去勢の手術をする。 ② 適切なエサやりをする。 ③ エサを与える場所の清掃・管理をする。 ④ トイレ等を設置し、糞尿の始末・管理をする。 ⑤ 地域で協力し、①~④を継続して実施していく。 調査の内容:飼い主のいないねこの状況 調査の時期:平成 24 年 10 月~12 月 調査及び調査結果の取りまとめ: 新城市環境部環境課(新城市字東入船 6-1) Tel:0536-23-7677 Fax:0536-23-8388 E-mail:[email protected] 8
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