Linuxサーバの構築 - 広島県立教育センター

広島県立教育センター
Linuxサーバの構築
‑Redhat7.1編 vol.3‑
ver1.0
広島県立教育センター
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6 CD-ROM ドライブの利用
UNIX は,ドライブという概念は持っていません。CD-ROMを利用するためには,/から見えるようにディレクト
リの階層に位置付けなければなりません。そのためには,マウントという操作をします。また,CD-ROM を取り出す
ときには,アンマウントという操作が必要です。
一般ユーザーでログインし CD-ROM を利用してみましょう。
1 CD-ROM のマウント
インストール用CDのディスク2を CD-ROM ドライブに入れ,次にようにマウントします。
[user01@server user01] $ mount /mnt/cdrom
←マウントします。
[user01@server user01]$ cd /mnt/cdrom
←ディレクトリを cdrom に変えます。
[user01@server cdrom]$ ls –F
COPYING README RPM-GPG-KEY RedHat/ SRPMS/ TRANS.TBL autorun*
(CD-ROM の内容が表示されています。
)
[user01@server cdrom]$
2 CD-ROM のアンマウント
マウントしたままの状態では,CD-ROM を取り出すことができないのでアンマウントします。
[user01@server munt]$ cd . .
[user01@server cdrom]$ umount /mnt/cdrom
[user01@server cdrom]$
※フロッピィディスクも利用するためには,マウントしなければなりません。また,アンマウントする
までフロッピィを取り出すことは厳禁です。
[user01@server user01]$ mount /mnt/floppy
←マウント
[user01@server user01]$ umount /mnt/floppy ←アンマウント
3 CD-ROM からのパッケージのインストール
CD-ROM をマウントして,その中にあるパッケージをインストールしてみましょう。パッケージをインストールす
るには,root 権限が必要なので,一般ユーザーから root になる必要があります。
(1) 一般ユーザーから root になる [su -l ]
[user01@server user01]$ su -l
password: ********
←root のパスワードを入力します。
(********の部分は表示されません)
[root@server /root]#
←root になっています。
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(2) CD-ROM からのパッケージのインストール [rpm]
① インストール用CDのディスク2から次の2つのパッケージをインストールします。
・linuxconf-1.24r2-10.i386.rpm
・gnome-linuxconf-0.64-1.i386.rpm
[root@server /root]# mount /mnt/cdrom
[root@server /root]# rpm -i /mnt/cdrom/RedHat/RPMS/linuxconf-1.24r2-10.i386.rpm
[root@server /root]# rpm -i /mnt/cdrom/RedHat/RPMS/gnome-linuxconf-0.64-1.i386.rpm
[root@server /root]#
※rpm
.rpm で終わるファイルは,プログラムやソースファイルなどをまとめた redhat 特有のファイルです。これを
使えば簡単にインストールすることができます。
なお,インストールするときには,rpm コマンドを使います。
rpm -i
パッケージをインストールします。
rpm -e パッケージをアンインストールします。
rpm ーq パッケージがインストールされているかどうか確認します。
② インストール linuxconf を起動させます。
[root@server /root]#
[root@server /root]#
linuxconf
linuxconf
表示された linuxconf
※linuxconf
linux の主要な設定を行うことができるツー
ルです。ネットワークやシステムまわりの設定,
ユーザーの追加などを行うことができます。
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7 Linux の利用者の登録
Linux を利用するためには,あらかじめ Linux に登録さ
れておく必要があります。
登録されている利用者のことを
「ユーザー」
といいます。
ここでは,Linux へのユーザーの登録について演習しま
す。
server login:user 名
password:******
user
linux
登録するユーザー及びユーザーが所属するグループ
登録ユーザー
teacher1
teacher2
生活係
teacher3
teacher4
教務係
1学年会
teacher5
生徒会係
2学年会
ユーザーの所属
3学年会
ユーザーの所属
1 ユーザーの登録 [useradd]
① root でログインします。
② 新しいユーザーを登録します。
[root@server /root]#
[root@server /root]#
useradd -p
コマンド
パスワード
′′
teacher1
ユーザー
空のパスワードをいれるので ′′とします。
(後で,ユーザーがパスワードを設定)
同様な方法で teacher2,teacher3,teacher4,teacher5 を登録しましょう。
③ 登録したユーザーを確認します。[id]
[root@server /root]# id teacher1
uid=501(teacher1) gid=501(teacher1) groups=501(teacher1)
ユーザー名
グループ名
グループ名
[root@server /root]#
同様な方法で他のユーザーが登録されたかどうか確認してみましょう。
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2 パスワードの変更 [passwd]
登録されたユーザーは,自分だけが知っているパスワードを設定します。このパスワードは,ログイン時にユーザ
ー名と共に入力を Linux から要求されます。
① パスワードを変更するユーザーでログインします。
② passwd コマンドを使ってパスワードを変更します。
[teacher1@server teacher1]$ passwd
New UNIX passwd:******
(パスワードを入力)
Retype new UNIX passwd:******
(同じパスワードを再度入力)
passwd: all authentication token update successfully
←正しく変更されました。
[teacher1@server teacher1]$
同様な方法で他のユーザーのパスワードを変更しましょう。
※パスワードの変更
ネットワークが繋が
っていれば,ユーザー
からはtelnet でサーバ
ーにログインしてパス
ワードを変更すること
ができます。
もしパスワードをユーザーが忘れてしまったら。
。
。
。
。
。
。!
root でユーザーを上書き設定します。ユーザー名を指定して passwd コマンドを実行すれば設定できます。
[root@server root]# passwd teacher1
Changing password for teacher1
New UNIX passwd:******
(パスワードを入力)
Retype new UNIX passwd:******
(同じパスワードを再度入力)
passwd: all authentication token update successfully
←正しく変更されました。
[root@server root]#
3 グループの作成
グループは自由に作成できます。また,ひとりのユーザーが複数のグループに所属することができます。
グループは/etc/group というファイルを書き換えて設定します。書き換えには,vi というエディタを使います。
① root でログインします。
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② vi を起動します。
[root@server root# vi /etc/group
[root@server root]#
oot:x:0:root
bin:x:1:root,bin,daemon
daemon:x:2:root,bin,daemon
sys:x:3:root,bin,adm
adm:x:4:root,adm,daemon
tty:x:5:
カーソルを最後の行の先頭に持っていきoを押します。
編集モードにきりかわりますので,新しいグループを次のように入
力します。
named:x:25:
pppusers:x:44:
popusers:x:45:
slipusers:x:46:
user01:x:501:
user02:x:502
teacher1:x:503:
teacher2:x:504:
teacher3:x:505:
teacher4:x:506:
teacher5:x:507:
teacher4:x:506:
teacher5:x:507
seikatsu:: 101:teacher1
kyoumu:: 102:teacher2,teacher3
seitokai:: 103:teacher4,teacher5
1gakunen::104:teacher1,teacher2
2gakunen::105:teacher3,teacher4
3gakunen:: 106:teacher5
グループ名 番号 所属ユーザー
③ 変更内容を保存します。
[ESC]キーを押し,vi の編集モードを解除したのち,[:][w],[q]とキーボードから入力します。
④ ユーザーが所属しているグループを確認します。
1
2
3
[root@server /root]# id teacher1
uid=503(teacher1gid=503(teacher1)groups=503(teacher1),101(seikatsu),104(1gakunen)
[root@server /root]#
3つのグループに所属していることがわかります。
登録したグループの確認方法
[root@server root]# groups teacher1
teacher1 seikatsu 1gakunen
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追加情報
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8 IP アドレスを自動的に割り振る − DHCP サーバーの設定 −
ネットワークに接続する PC にIPアドレスを設
サーバーに接続
定するのは大変な作業です。
DHCP は,ネットワーク上にあるコンピュータに
自動的に IP アドレスを割り当てるサービスです。
用意している IP アドレ
Windows コンピュータなどのネットワーク設定
ス
を IP アドレスを自動的に取得できるようにしてお
192.168.1.28
192.168.1.15
けば,DHCP サーバーから IP アドレスが自動的に
現在使われていないア
・
・
割り当てられます。
ドレスを割り当てる
・
192 168 1 150
RedHat のインストール時には,DHCP のパッケ
ージはインストールされません。したがって,DHCP のパッケージのインストールから行う必要があります。
1 DHCP サーバーのインストール
サーバーに root でログインして,インストール用ディスク2をマウントします。マウントしたら,DHCP サーバ
ーのパッケージをインストールします。
DHCP サーバーのパッケージ
dhcp-2.0pl5-4.i386.rpm
[root@server /root]# mount /mnt/cdrom
[root@server /root]# rpm −i /mnt/cdrom/RedHat/RPMS/dhcp-2.0pl5-4.i386.rpm
_[root@server /root]# ←エラーメッセージが表示されなければ正しくインストールさています。
2 設定ファイルの作成 dhcpd.conf
dhcpd.conf というネットワーク情報などを書いた設定ファイルが必要となります。このファイルは,自分で作成
しなければなりません。このファイルの雛形をフロッピィディスクに用意していますので, /etc ディレクトリの中に
コピーして編集します。
[root@server /root]# mount /mnt/floppy
[root@server /root]# cp /mnt/floppy/dhcpd.conf /etc
[root@server /root]# vi /etc/dhcpd.conf
[root@server /root]#
dhcpd.conf の設定内容
#dhcpd.conf
server-identifier server; ←dhcp サーバーのホスト名
shared-network DHCP{
option subnet-mask 255.255.255.0; ←クライアントに設定するネットマスク
default-lease-time 21600;
max-lease-time 43200;
subnet 192.168.1.0 netmask 255.255.255.0 { ←dhcp サーバーのネットワークアドレス,ネットマスク
range 192.168.1.15 192.168.1.150;
←dhcp サーバーが割り当てる IP アドレスの範囲
option broadcast-address 192.168.1.255; ←クライアントに設定するブロードキャスト
option domain-name "kouza.jp"; ←クライアントに設定するドメイン
}
}
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3 ログファイルの作成
DHCP サーバーがログを書き出す dhcpd.leases ファイル(中身は空)を/var/lib/dhcp/ディレクトリに作成する必
要があります。このファイルは,インストール時に作成されないので,自分で作成します。空のファイルを作成する
ときには[touch]コマンドを使います。
[root@server /root]# touch /var/lib/dhcp/dhcpd.leases
[root@server /root]#
4 DHCP サービスの開始
DHCP サービスを開始するためには,dhcpd デーモンを起動します。さらに,Linux の起動時に dhcp デーモンが
自動的に起動するように設定します。
[root@server /root]# cd /etc/rc.d/init.d
[root@server /init.d]# ./dhcpd start
Starting dhcp:
[OK] ←DHCP サービスが開始されます。
[root@server /init.d]# chkconfig dhcpd on
←自動的に起動するように設定します。
※デーモン
サーバーのすべての機能は,Linux で動いているプログラムによって提供されています。このプログ
ラムのことをデーモンと呼びます。
5 IP アドレスの取得
Windows パソコンで IP アドレスを取得するために,ネットワーク設定を「IP アドレスを自動的に取得する」にし
ます。そして,winipcfg を実行して IP アドレスが自動的に割り当てられていることを確認します。
ネットワーク設定
IP アドレスを自動的に取
コンピュータの再起動
winipcfg(Win98)
ipconfig(Win2000)
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IP アドレスが自動的に割り当てられている
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--------------------------注意
※ Microsoft®,Windows 98®,Microsoft®,Windows 2000®,Windows NT®,Office,Internet Explorerは米国Microsoft
Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※ その他,本書に掲載したプログラム名,システム名,CPUなどは一般に各社の登録商標です。
※ 本文中では,®マークは省略しました。また,一般に使われている名称を用いている場合があります。
--------------------------平成15年3月31日
初版発行
発行 広島県立教育センター
〒739-0144 東広島市八本松南1丁目2-1
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