6月 - FCTVインターネットサービス

2010 年 6 月号
584 号 6 月 2 日
【液晶パネル】京東方の合肥 8G 事業、環境アセス完了 年産 1300 万枚
2010/5/31 安徽日報
中国地場最大の液晶パネルメーカーである京東方(BOE)及び安徽省政府、合肥市政府が
昨年共同出資し設立した総投資額 300 億元の第 8 世代液晶パネル生産事業を進めている
合肥鑫晟光電科技有限公司は、現地での環境アセスメントが完了し、今年 9 月に建設を
開始、2012 年初めに稼働する見通しを明らかにした。
正式稼働後の液晶パネル年産能力は 47-55 インチ液晶パネル換算 1380 万枚に達する見通
し。なお、京東方は昨年 4 月に 175 億元を投じて合肥に中国地場初の第 6 世代液晶パネ
ル生産ラインを建設中でもある。
また、日立のプラズマパネル生産ラインを取得しプラズマパネル生産事業を進めている
安徽省合肥市政府系のプラズマパネル事業会社、安徽鑫昊光電も、合肥鑫晟光電の 8G
液晶パネル生産事業同様、合肥市新駅総合開発区で生産工場を建設中で、2015 年には合
肥新駅総合開発区の薄型パネル生産高は 2000 億元に達する見通しという。
【パソコン】東芝、和碩への ODM 発注再開 タブレット型パソコン 2 機種発注
DIGITIMES 31-5-2010
日本の東芝は、親会社だった華碩との資本関係を希薄化させた和碩(Pegatron)への ODM
発注を再開した模様で、第 1 弾として仁宝(Compal)との協議で合意できなかったタブ
レット型パソコンを和碩に ODM 発注したことが明らかになった。
東芝は当初、2010 年末に投入予定していたタブレット型パソコン 2 機種の ODM パートナ
ーとして、ノートパソコン ODM 最大手の仁宝を考えていたが、仁宝のタブレット型パソ
コン事業が他社に比べ脆弱だったため、和碩への発注となったと伝えられている。
東芝が和華に発注したタブレット型パソコン 2 機種のうち、1 機種は Android プラット
フォーム、Nvidia Tegra 2 プロセッサ搭載、もう 1 機種は Windows CE 7 搭載、デュア
ルスクリーン設計だという。和碩は東芝のタブレット型 PC のほか、華碩からもタブレッ
ト型 PC を受注しており、今年 7-9 月から出荷を開始する予定だという。
一方、東芝からのタブレット型 PC を失注した仁宝は、タブレット型 PC 事業への投資が
遅れたことは事実、今のところ大手パソコンメーカーからのタブレット型 PC の受注は実
現していない、当面は準大手からの受注に注力する、また長期的には大型サイズ機種で
Dell からの受注が期待できるとしている。
他のノートパソコン ODM メーカーのタブレット型 PC の受注状況は、広達(Quanta)が宏
碁(Acer)及び聯想(Lenovo)、緯創(Wistron)は聯想(Lenovo)、英業達(Inventec)
は HP 及び Dell からタブレット型 PC を受注している。また、佳斯達(Qisda)も Dell
が投入する Android プラットフォーム、クアルコムプロセッサ搭載の 5 インチの小型タ
ブレット型 PC を受注している。このうち、宏碁が投入するタブレット型 PC は 7 インチ
Android、クアルコム Snapdragon プロセッサ搭載で、今年 10-12 月販売開始予定。
1
2010 年 6 月号
【パソコン】華碩、宏碁に追従せず 中国地場メーカーとの提携模索しない
DIGITIMES 28-5-2010
マザーボード最大手でノートパソコン業界でも急成長している華碩(Asustek)は、ノー
トパソコン世界第 2 位の宏碁(Acer)が中国地場の大手パソコンメーカーである方正集
団(Founder Group)と提携したことについて、中国地場メーカーとの提携に対しては、
中国の流通販売及び政府の政策が他地域に比べ非常に複雑であることから、宏碁に追従
はしない方針を明らかにした。
中国内地のパソコン市場は、聯想(Lenovo)及び上記の方正(Founder)のほか、清華同
方(Tsinghua Tongfang)、神舟(Hasee)、海爾(Haier)といった幾つかの有力ブランド
があるが、華碩は今後も現有のマザーボード及びビデオカードの流通ルートを通じて市
場シェア拡大を図る計画だという。
【パソコン】兆利/新普、重慶に鴻海/広達等向けノート PC ヒンジ工場建設
DIGITIMES 28-5-2010
台 湾 の 大 手 IT 機 器 用 ヒ ン ジ メ ー カ ー 、 兆 利 科 技
(Jarllytec)は、1000 万米ドルを投じて中国重慶にヒン
ジ工場を建設することを発表した。重慶にノートパソコン
ODM 工場を建設している大手 EMS の鴻海(Foxconn)、広達(Quanta)、英業達(Inventec)
に対し短納期サービスを行うための進出だとしている。来年初めにも建設を開始する計
画。
同社は既に中国内地の上海、福建省、江蘇省、広東省に工場を有しているが、内陸部に
工場を建設するのは今回が初めて。兆利科技の現在の月産能力はノートパソコン用ヒン
ジが 300 万台、液晶モニタ用ヒンジが 200 万台。
また、ノートパソコン用バッテリ最大手の新普科技(Simplo Technology)も兆利科技同
様、重慶にバッテリ生産工場を建設する計画を明らかにしている。
重慶市政府は中国内陸部最大のノートパソコン生産センターを建設する計画で、今後も
ノートパソコン関連部品メーカーの進出が続く見通し。兆利科技:www.jarlly.com/
【電子書籍】彩晶/和鑫、共同で漢王のタブレット PC 用タッチパネル受注
DIGITIMES 28-5-2010
台湾の大手液晶パネルメーカー、彩晶(Hannstar Display)は、
傘下のカラーフィルタメーカーでタッチパネル技術を持つ和鑫
(Sintek)と共同で中国内地の電子書籍リーダー市場で最大のシ
ェアを有する漢王(Hanwang)から Hanvon ブランド 10 型タブレッ
ト PC:TouchPad B10 及び B20 用タッチパネルを受注したことを明らかにした。
和鑫が彩晶に対しタッチセンサを供給し、彩晶がタッチパネル本体を漢王向けに供給す
2
2010 年 6 月号
ることになるという。
漢王科技の Hanvon TouchPad B10 はインテル Celeron 743 プロセッサ、インテル GS45
チップセット、2D DDR2、10.1 型 LED バックライト、1024x600 サイズ静電容量式マルチ
タッチパネルを搭載、一方、TouchPad B20 はインテル Z530 プロセッサ、インテル US15W
チップセット、1G DDR2、10.1 型 LED バックライト、1024x600 サイズ静電容量式マルチ
タッチパネルを搭載している。
【電子紙】元太、年末までにタッチパネル型大画面カラー電子ペーパーを量産
国際電子商情 2010/5/28
EPD 電子ペーパー(Electro Phoresis Display:EPD)は、世界の 90%以上の電子ペーパー
で採用される技術で、現段階では EPD は軽量、薄型、白色度などで他のディスプレイの
追随を許さない状況にある。特に EPD の省電力性は他を圧倒しており、他のディスプレ
イにはない画面静止時の電力消費ゼロという特長も持っている。EPD 技術を有する元太
科技(Prime View)傘下の E-Ink 社は 1997 年設立の米国の新興ベンチャーキャピタルで、
MIT メディアラボで開発された技術を EPD に応用発展させたが、昨年、台湾の元太科技
により 2.15 億米ドルで 100%買収、EPD 電子ペーパーの中核技術及び特許を全て元太科技
が獲得している。
元太科技は、E-Ink 取得後、次世代 EPD 電子インクフィルムの開発により、白と黒の鮮
明度、画像転換速度を大幅に向上させたほか、今年年末までにカラー電子ペーパー及び
タッチパネル型電子ペーパーE-Touch を市場に投入する計画である。パネルサイズも現
在の 5-6 インチから 9.7 インチに拡大する計画だという。
iPad を除けば、アマゾン Kindle、ソニーReader、漢王 Harvon など世界の有名ブランド
が全て元太の E-Ink パネルを採用していることから、元太の電子書籍パネル市場におけ
るシェアは今年も 7 割以上を確保できる見通しだという。
【太陽電池】友達、米 Sunpower と共同でマレーに太陽電池セル工場建設
DIGITIMES 28-5-2010
液晶パネル世界第 4 位の友達光電(AUO)は、米大手太陽電池メーカーSunpower 社と合弁
で 7 億米ドルを投じてマレーシアに高性能太陽電池セル工場を建設することを明らかに
した。今年 10-12 月に稼働予定で、3-4 年後には年産能力は 1.4GW に達するとしている。
Sunpower 社は友達光電の経営ノウハウを取得するとともに、友達光電が 3 億 5750 万米
ドルを投じて買収した日本の単結晶シリコンウエハメーカーM.Setek 社からの高転換率
シリコンウエハの供給も受けると見られている。
Sunpower 社は、中国内地の太陽電池メーカーが急速に台頭する中、コスト抑制能力が今
後の生き残りの鍵になるとしており、コストパフォーマンスで世界最高水準にある台湾
系企業との提携を拡大する計画。なお、Sunpower 社の現在の年産能力は 600MW。
3
2010 年 6 月号
【太陽電池】保利協鑫、常州の年産 300MW シリコンウエハ生産工場稼働
2010-5-30 索比太陽能
中国地場の軍需系新エネルギー企業、保利協鑫能源控股有限公司は、傘下の年産 300MW
の常州協鑫光伏科技シリコンウエハ生産ラインを稼働させた。常州協鑫光伏科技のシリ
コンウエハ生産工場は保利協鑫能源にとって、徐州のシリコンウエハ生産ラインに次ぐ
第 2 のシリコンウエハ生産工場で 1 期の年産能力は 300MW。
保利協鑫能源控股有限公司の昨年末までの多結晶シリコンウエハ生産量は累計 18000 ト
ンで、今年の年間生産量は 3000 トンに達する見通し。また、江蘇省徐州市に現在、中国
最大の 2GW の太陽光発電所を建設中。
【LED】新世紀昆山 1 期資本金 3600 万米ドル 50 台の MOCVD 設置
台湾経済日報 2010/5/28
台湾の大手 LED チップメーカーである新世紀光電(Genesis)が、中国昆山市政府と合弁
で 2 億米ドルを投じて中国華東地区最大の LED 照明生産基地を建設することを発表した
が、これは同業大手の晶元光電(Epistar)の常州、璨円光電(Forepi)の揚州に続くも
ので、中国江蘇省が LED チップの世界的生産基地となる可能性が出てきた。
新世紀光電の昆山事業は資本金が 2 億米ドルだが、そのうち第 1 期の資本金は 3588 万米
ドルに上る。1 期で 50 台の MOCVD 装置を設置し、超高輝度 LED チップ、LED 照明モジュ
ール、LED 照明システムを生産する計画。
【PCB】耀華、6 月の受注鈍化 中国内地の White-box 市場に期待
2010-5-29 精実新聞
携帯電話用プリント配線基板(PCB)メーカー、耀華(Unitech)総経理の許正弘氏は、
世界の携帯電話市場は依然不安定で、ユーロの信用不安で受注が再び鈍化していること
を明らかにした。ただ、4-6 月通じての連結売上高については、1-3 月に比べ 25%増、通
年の連結売上高は前年比 20%増、2008 年の水準を回復する見通しだという。
同社は、ユーロ向け出荷が鈍る中、中国内地で依然成長し続けている 3 億台規模の
White-box 市場に注目していることを明らかにした。許正弘氏は、中国内地の子会社で
ある上海展華電子の White-box 携帯電話用 PCB の月間出荷量は現在 70-80 万枚だが、近
く 100 万枚を突破する見通しを示している。なお、展華電子は携帯電話用 PCB の出荷比
率が 50%、車載電子用 PCB の同比率は 25%、その他 IT 機器用 PCB の同比率は 25%だとし
ている。
アップルの第 4 世代 iPhone が段数が 4 段以上の Anylayer HDI 技術を採用したことにつ
いて、同氏は Anylayer 技術は日本で開発された技術だが、耀華も独自の Anylayer 技術
を開発して既に 7 年の歴史があることを強調する。
HDI 基板は最低でも 5 回のメッキ及びレーザー加工を行うため、生産能力に大きな負荷
をかける。耀華の HDI 基板のうち、1 段 HDI の比率は 15%、2 段 HDI の比率は 70%、3 段
4
2010 年 6 月号
及び 4 段 HDI の比率は 15%で、2 段 HDI が主力製品だという。
太陽電池分野では、耀華は耀祥光電を分社化し、今年下期には年産 60MW の生産ラインを
新たに稼働、総年産能力は 90MW に達するという。また、来年上期にさらに年産 60MW の
生産ラインを建設し、総生産能力を 150MW に拡張する計画。
【半導体】力成蘇州工場、東芝から NAND フラッシュ実装検査を受注
DIGITIMES 28-5-2010
半導体実装検査大手の力成科技(PTI)の蘇州工場は、東芝と見られている日系半導体メ
ーカーから SSD(Solid-state drives)用 NAND フラッシュの実装検査を受注したことを
明らかにした。今年 6-7 月から出荷を開始する予定。
東芝は、力成科技の長年の主力ユーザーで、主に NAND フラッシュチップ、マイクロ SD
カードの実装検査を力成科技に委託している。なお、力成科技の蘇州工場は昨年 8 月に
Spansion 社から取得したもの。
【CCL】威利邦電子、広東梅州に 4.6 億元投じ CCL/銅箔工場着工
PCB 信息網 2010-5-31
中国広東省梅州市の複合企業である威華集団傘下の威利邦電子科技有限公司は、梅州市
梅県で 4.6 億元を投じて年産能力が銅箔張り積層板(CCL)1200 万枚、ハイレンジ電解
銅箔 3000 トンの生産工場の建設を正式に開始した。
来年年央に稼働、400 人余りを雇用、年間生産高は 10 億元を見込んでいるという。威華
集団は現在、広州に年産 400 万枚の CCL 工場、梅州に年産 1600 トンの電解銅箔工場を有
している。
585 号 6 月 4 日
【パソコン】華碩、4-6 月の欧州向けマザーボード出荷量 20%下方修正
台湾経済日報 2010.06.03
マザーボード最大手の華碩(Asustek)は、ユーロ不安の影響で、今年 4-6 月の欧州向け
マザーボード出荷量を 20-25%下方修正、売上高も 1-3 月を下回る見通しを明らかにした。
華碩オープン・プラットフォーム販売本部副総裁の許祐嘉氏は、5 月以降の欧州市場の
後退は当初予想を大幅に超えて進展しているとの見方を示した。同社のマザーボード事
業は売上高全体の 2 割を占め、そのうち 4 割が欧州向けだという。
許佑嘉氏によると、欧州向け出荷が減少した最大の要因は、輸入エージェントがリスク
回避のため、買い控えに走ったためとしているが、7-8 月に受注が回復するか不透明感
は拭えていないという。
5
2010 年 6 月号
【パソコン】華碩 Eee Pad、iPad の弱点克服で大ヒットへの期待高まる
台湾経済日報 2010.06.01
アップル iPad が既に世界的に大ヒットとなる中、ノートパソコン大手の華碩(Asustek)
は台北国際電脳展(Computex)開催の前日に満を持して、クラウド・コンピューティン
グ対応のタブレット型パソコン Eee Pad、及びペン入力電子手帳型のタブレット型パソ
コン Eee Tablet を同時発表した。発表会の席上、華碩董事長の施崇棠氏は、Eee Pad を
持つことにより、消費者はクラウド・コンピューティングの時代到来を実感できると強
調している。
華碩は、昨日発表した Eee Pad をアップル iPad に対抗する商品と位置づけており、ネッ
ト上で幅広く普及している Adobe Flash 音楽映像ファイル拡張子を採用するとともに、
USB を介してネット撮影・放送が可能、またキーボード外付けも可能とし、iPad の弱点
を改善していることから、iPad に匹敵するヒット商品となることが期待されている。
また、華碩は価格面でも iPad に対抗できる価格を設定、10 インチのカラーパネル Eee Pad
の販売価格を 400-450 米ドルとしている。
一方、Eee Tablet は、同社はノート・テイキング・デバイスと位置づけており、パソコ
ンというコンセプトよりも、電子書籍リーダー、電子スケッチブックを組み合わせた製
品としている。パネルセンサはワコムの電磁誘導式センサを採用しているという。
【タッチパネル】和鑫、タッチパネル式タブレット PC 本格的シェア争いはこれから
中国触摸屏網 2010/6/1
台湾の大手液晶パネルメーカーである瀚宇彩晶(Hannstar Display)傘下のカラーフィ
ルタ及びタッチパネルメーカーである和鑫光電(Sintek)は、中国内地の電子書籍リー
ダー市場で最大のシェアを持つ漢王科技からタブレット型パソコン用タッチパネルを受
注したことについて、タブレット型パソコンは大手パソコンメーカーが現在最も注力し
ている分野であり、今年下期から来年にかけてシェア獲得競争が激化することになる、
iPad で先行しているアップルであっても、第 2 世代 iPad の開発で油断すれば、一気に
首位から陥落する可能性がある、漢王科技が投入するタブレット型パソコンが一気にシ
ェアを拡大できるチャンスは十分あるとの見方を示した。
【タッチパネル】彩晶、タブレット型 PC パネルでも 30%近いシェア獲得を狙う
中国触摸屏網 2010/6/1
台湾の大手液晶パネルメーカーである彩晶(Hannstar Display)は、南京工場にあるタ
ッチパネルモジュール生産能力拡張を加速、傘下のタッチパネルメーカーである和鑫光
電(Sintek)と共同で大型静電容量式タッチパネルの歩留まり向上を図るとともに、タ
ブレット型パソコン用大型タッチパネルの受注拡大、シェア拡大を狙っていることが明
らかになった。
彩晶は第 5 世代生産ラインを通じて Netbook 用液晶パネル市場で 30%を超えるシェアを
6
2010 年 6 月号
獲得しているが、現在急成長しているタッチパネル式タブレット型パソコン市場でも同
様のシェア獲得を狙っている。タブレット型パソコンのサイズが、Netbook パネルとほ
ぼ同サイズの 10 インチ前後のタッチパネルを採用していることから、タッチパネル技術
さえ取得すれば、大きな商機を獲得できると考えている。大手パソコンブランドメーカ
ーが今後相次いでタブレット型パソコン新製品を投入することから、彩晶は生産能力拡
張及び品質改善を急ぎ、一気にタブレット型パソコン用タッチパネル市場でのプレゼン
スを拡大したい考え。
また彩晶は、Netbook が機能的にパソコンに近かったのに対して、タブレット型パソコ
ンが Netbook にはないタッチパネル機能を持ち、且つボディが Netbook 同様、軽量且つ
薄型であることから、Netbook 市場に取って代わる可能性が大きいと見ており、Netbook
用パネル事業からタブレット型 PC パネル事業への転換を急ぐ必要があると分析してい
るようだ。
中国内地最大の電子書籍リーダーメーカーである漢王(Harvon)、華碩(Asustek)等が
相次いでタブレット型パソコン新製品を投入、華碩の新製品がキーボードの外付けが可
能となっているなど、タブレット型パソコンの応用製品も登場し始めており、Netbook
からのシフトが進展している。
一方、タブレット型パソコン用大型静電容量式タッチパネルの需給については、今年い
っぱい逼迫状態が続くと見られている。彩晶は短期的に大型タッチパネルの生産拡張が
難しい理由としては、大型の静電容量式タッチパネルの歩留まり改善が非常に難しい点
を挙げている。
タッチパネル業界の今年 1-3 月の大型静電容量式タッチパネルの歩留まりは平均 50%前
後だが、彩晶は今年 4-6 月には同歩留まりを 70-80%まで引き上げたい考え。同時に生産
能力拡張も急ぎ、タブレット型パソコン用タッチパネル市場でのシェア拡大を狙いたい
としている。
【LED】台湾、世界最大の LED パネル生産地に 産業規模が日韓上回る
2010/6/1 中華液晶網
国際半導体設備材料産業協会(SEMI)が発表した最新の統計によると、台湾の液晶パネ
ルメーカーの今年の新工場建設及び設備投資が合計 6 億米ドルに上ることから、台湾の
LED 液晶パネルの産業規模が韓国、日本を抜いて世界最大となることが明らかになった。
DisplaySearch は、2012 年には LED バックライト液晶テレビが薄型テレビの 50%を占め
ると予測しているが、その最大の牽引役が台湾の液晶パネルメーカーとしている。
また、台湾では奇美(Chimei)、群創(Innolux)等の大型液晶パネルメーカーの合併が
他国に比べても進展しており、そのスケールメリットにより、ソニー、東芝、Dell とい
った大手ブランドメーカーが発注しやすい環境が醸成されているともいえる。業界関係
者は、台湾メーカーの LED パネルの産業規模世界首位は定量的なもので、台湾メーカー
の技術面での実力が韓国メーカーや日本メーカーを超えたことを意味するものではない
としている。日韓メーカーの LED パネル技術の開拓者であることには変わりがなく、中
7
2010 年 6 月号
国台湾メーカーはその製品の世界最大の生産者であるという見方が正確としている。
【PCB】瀚宇博徳、宝成傘下の精成科技 40%取得 東莞工場も取得
2010-6-1 PCBTN
世界最大のノートパソコン用プリント配線基板(PCB)メーカーである瀚宇博徳(Hannstar
Board)は、台湾の大手 IT 機器メーカーである宝成集団(Pou Chen)傘下のプリント配
線基板メーカーである精成科技(GBM)の 40.7%の持分を取得したことが明らかになった。
精成科技の東莞市の黄江裕元工業区内にある工場については、短期的には事業を継続す
るものの、将来的には東莞及び深圳に分散する工場を集約する方針であることも明らか
にした。
瀚宇博徳は、ケーブル・ステンレス鋼大手の華新麗華股份(Walsin)傘下の企業だが、
華新麗華董事長の焦佑衡氏が今月東莞を訪問したことから、瀚宇博徳の精成科技持分取
得が明らかになった。
精成科技は 1973 年設立、2006 年の売上高は 560 億 NTD、生産拠点は上記の広東省東莞市
黄江鎮のほか、広東省深圳市、江蘇省昆山市にも工場を有している。今回の瀚宇博徳へ
の持分売却により、宝成集団の精成科技に対する持分は 9.28%まで低下する。
瀚宇博徳の現在の PCB 月産能力は 570 万平方フィート、精成科技の月産能力は 450 万平
方フィートであるので、両者を合わせると 1020 万平方フィートに達し、世界最大級の
PCB メーカーとなる見通し。
瀚宇博徳の精成科技買収は、瀚宇博徳にとってはスケールメリットを狙ったものであり、
精成科技総経理の朱有義氏は、瀚宇博徳が精成科技に資本参加することで、両社が共同
で銅張り積層板(CCL)、銅球、錫球、ドライフィルム、メッキ液などを購買することが
可能になる、購買コストを 10-15%削減できる見通しだとう。また、瀚宇博徳の FA(
自動化)部門が精成科技の生産ラインの改良を行う予定だという。また、華新麗華
(Walsin)傘下の受動部品メーカーである華科電子との連携も期待できるとしている。
華科電子華南地区総経理の邱郁盛氏も、精成科技のユーザーの多くが華科電子のユーザ
ーであることから、連携が期待できるとしている。
中国東莞市には、生益科技(Shengyi)、聯茂(ITEQ)といった大手銅箔張り積層板(CCL)
メーカーがあることから、CCL の共同購買でもメリットがあると見られている。
華新麗華傘下の虎門科得、長安精星も東莞で PCB の生産を行っていることから、精成科
技が華新麗華傘下に入ったことから、集約・統合される見通しとなっている。
【CCL】南亜、銅箔価格下落で今月中に CCL 価格 3%前後引き下げ
台湾経済日報 2010.06.01
ギリシャショック以降の国際銅価格下落を受けて、銅箔メーカーが今月に価格を 4%以上
引き下げる見通しであることから、台湾の銅箔張り積層板(CCL)メーカーが今月中に今
年初めてとなる値下げを行う見通しであることが明らかになった。
台湾の CCL 最大手の南亜塑膠(Nan Ya)は今月中に 3%前後の値下げを行うことを明らか
8
2010 年 6 月号
にしており、台光電子(Elite)、聯茂電子(ITEQ)、合正科技(Uniplus)、華韡電子(Hwa
Woei)、台燿科技(TUC)も追随すると見られている。
台湾の大手銅箔メーカーである金居開発(Co-Tech)は、今年 4 月に 7700 米ドルだった
トン当たりの銅価格は 5 月に入って 7000 米ドルまで下落したが、6 月にさらに 4%以上下
落すると見ているという。同社は 5 月に約 4%の値上げを行ったばかりだが、近く今年 4
月の水準まで価格を再度引き下げる予定であることを明らかにしている。金居開発は、
引き合いは堅調が続いているものの、ユーザーから銅価格下落を販売価格に反映するこ
とを求める声が高まっているとしている。同社は値下げにより 5 月及び 6 月の売上高は
4 月を下回るものの、1500 トンの月産能力のフル稼働状態が続くことには変わりがない
としている。
一方、ガラスクロス及びポリプロピレンフィルム価格は、CCL 価格が下落傾向にある中
でも、依然高止まりしているという。
【半導体】クアルコム、Smartbook/タブレット PC 用 Snapdragon 開発加速
台湾経済日報 2010.06.01
スマートフォンに近い小型ノートパソコン Smartbook 及びタブレット型パソコン市場の
急成長を受けて、世界最大の 3G スマートフォン用チップメーカーである Qualcomm は、
Smartbook 及びタブレット型 PC 向け Snapdragon Platform 第 3 世代チップ 60 種類余り
の開発を急いでおり、現在サンプル試験中で完了すれば、近くファウンドリパートナー
である台積電(TSMC)及び聯電(UMC)に ODM 発注することが明らかになった。
Qualcomm が 2010 年 COMPUTEX TAIPEI(台北国際電脳展)に出展したユーザー製品には、
宏碁(Acer)のスマートフォン Liquid 及び neoTouch、Dell の 5 インチ Android タブレ
ット型デバイス Streak、HP Compaq の Smartbook Airlife 100、宏達(HTC)のスマート
フォン Droid Incredible 及び Nexus One、華為(Huawei)のタブレット型デバイス S7、
聯想(Lenovo)のスマートフォン等。
Smartbook 及びタブレット型パソコン市場の展望については、Qualcomm は、今年のクリ
スマス商戦前には大きな消費の波が来る、その波は来年いっぱい続くとの見方を示した。
【電池】米 EnerDel 社、中国及び欧州に新工場建設 年産能力 6 万個
中国電池網 2010-6-1
米 Ener1 社の子会社でリチウムイオン 2 次電池メーカーである EnerDel 社は、中国及び
欧州で工場を建設するとともに、米国でも生産拡張を行い、新規ユーザーの獲得を目指
すことを明らかにした。
Ener1 社 CEO の太田直樹(Ota Naoki)氏は、EnerDel 社は今年年末までに中国内地及び
欧州で新工場を建設し、生産能力を現在比 3 倍にする、EnerDel の中国工場第 1 期のリ
チウムイオン電池セル年産能力は 2 万ユニット、欧州工場の同年産能力は 2 万ユニット
であることを明らかにした。
EnerDel 社は米国インディアナ州に 3 つの工場を有し、年間 2 万ユニットのリチウムイ
9
2010 年 6 月号
オン電池セルを生産しているが、中国工場及び欧州工場が稼働すれば、年産能力は 6 万
ユニットに拡張される。
太田氏は、生産能力拡張により、今年年末までには新規ユーザー2 社を獲得できる見通
しだという。現在の EnerDel 社のユーザーは、Volvo Car 及びノルウェーの電気自動車
メーカーThink 社のみだという。
586 号 6 月 7 日
【有機 EL】維信諾、AM 有機 EL パネル生産開始 1 期は 3-12 型生産
DIGITIMES 3-6-2010
世界第 4 位の有機 EL パネルメーカーである中国地場の維信諾
(Visionox)は、昆山新型平型顕示板技術中心と共同で、中国内地
初となる AM 有機 EL パネルの試験生産を開始したことを明らかにした。第 1 期では、3-12
インチ AM 有機 EL パネルを生産、第 2 期では 12-17 インチ AM 有機 EL パネルを生産する
ことになるという。
上海天馬微電子(Shanghai Tianma Micro-Electronics)、広東中顕科技(Guangdong
Sinodisplay Technology)、彩虹集団電子(Irico Group Electronics)といった中国地
場メーカーも有機 EL パネル事業に参入しているが、AM 有機 EL パネルの生産を開始した
のは維信諾が初めて。
AM 有機 EL パネル分野では、韓国勢が大きくリードしており、三星が 2012 年までに 2.5
兆ウォン(21 億米ドル)を投じて AM 有機 EL パネルの生産能力を拡張、LGD も来年末まで
に 2500 億ウォンを投じて AM 有機 EL パネルの生産能力を 3 倍に拡張する計画を進めてい
る。特に三星は大型の AM 有機 EL パネル市場では独占的地位にあるとされている。
一方、台湾では、友達光電(AUO)が新たなコア事業として有機 EL パネル及び太陽電池を
掲げ、有機 EL パネル事業を積極的に進めている。その背景には、ノキア等の大手携帯電
話ブランドメーカーが、三星が AM 有機 EL パネル市場の 95%を独占し、価格が硬直化し
ていることがあると見られている。ノキアは既に友達光電や奇美電子(CMI)に対し有機
EL パネルの生産拡張を加速するよう求めており、友達光電は先日、今年 7-9 月に有機 EL
パネル生産ラインを導入し、携帯電話及びその他のポータブル機器用の中小型有機 EL
パネルの量産を開始することを明らかにしている。維信諾:www.visionox.com/
【パソコン】比亜迪、来年 1-3 月に低価格タブレット型パソコンの出荷を開始
2010-6-3 PCBTN
中国地場最大の IT 機器 OEM/ODM メーカー、携帯電話バッテリメーカーである比亜迪股份
有限公司は、台北国際電脳展(Computex)で、来年 1-3 月にタブレット型パソコンの出荷
を開始する見通しを明らかにした。
比亜迪股份が生産するタブレット型パソコンは、インテルチップを採用、他社製品に対
しても競争力ある 300 米ドル以下に設定される模様。現在、複数のパソコンブランドメ
10
2010 年 6 月号
ーカーと詳細を協議中としている。
【液晶パネル】ノート PC ブランドメーカー、ユーロ不安で液晶パネル調達量削減
台湾経済日報 2010.06.03
一部のユーロ地域への依存度が高いノート PC ブランドメーカーが、ユーロ不安を背景に
既に液晶パネルの調達量を削減し、在庫水準を引き下げ始めた。今後ユーロ債の危機が
ギリシャからスペイン若しくはポルトガルに飛び火するようなことがあれば、ノート PC
ブランドメーカーが一層の液晶パネル在庫水準引き下げを行う可能性がある。
こうした状況もあり、液晶パネル価格は 5 月以降下落が続いている。ガラス基板も供給
が需要に対して十分になりつつあることから、液晶パネルの価格下落を加速させると見
られている。
【携帯電話】RIM/Apple/中興、携帯電話世界販売シェアでモトローラ抜く
2010/6/3 中華液晶網
携帯電話市場でスマートフォンが急速に台頭する中、スマートフォンを主力とするカナ
ダの Research In Motion(RIM)社及び Apple 社の今年 1-3 月の世界携帯電話販売台数シ
ェアがモトローラを抜いてそれぞれ 5 位、6 位となった。一方、モトローラは 8 位に転
落した。
RIM 社のスマートフォン Blackberry の今年 1-3 月の世界販売台数は 1047 万台で世界シ
ェア 3.6%、Apple 社の今年 1-3 月の iPhone 世界販売台数は 880 万台で世界シェア 3.04%
だった。一方、モトローラの今年 1-3 月の世界販売台数は昨年 10-12 月の 1200 万台から
850 万台に大幅減となり、かつて 20%を超えていた世界販売シェアは 2.95%まで落ち込ん
だ。シェア順位は、Apple 社のみならず、中国地場の中興通訊(ZTE)の後塵を拝するこ
ととなった。
iSuppli がまとめた世界の出荷量上位 10 社の順位は以下の通り。なお、この統計には 4
千万台を超えるともいわれる White-box 携帯電話の出荷量は含まれていない。
11
2010 年 6 月号
【携帯電話】中国の 1Q スマートフォン販売、前年比 5 割増の 1057 万台
China Times 3-6-2010
中国内地の今年 1-3 月のスマートフォン販売台数は、前年同期比 46%増の 1057 万台とな
った。なお、IDC によると、同期の世界のスマートフォン出荷台数は、1-3 月比 21.07%
増の 2 億 9400 万台だった。
【LED】光宝、常州で新工場稼働 LED 月産能力 20%増の 5 億個に
台湾経済日報 2010.06.03
台湾の大手 LED 実装メーカー、光宝科技(Lite-on)は、中国常州武進輸出加工区の華東
オペレーションセンターでパワーサプライ、LED、太陽電池などを生産する新工場を稼働
させた。
新工場の稼働により、光宝科技の LED 月産能力は 20%拡張され 5 億個、月間売上高も 15
億 NTD に達すると見られている。また、ノートパソコン用キーボードの生産能力も 2 倍
に拡張、年末には月産能力は 100 万台から 250 万台になるとしている。光宝科技にとっ
て、華東オペレーションセンターはグリーン製品を主力とする生産基地で、昨年 9 月に
開業している。
【太陽電池】シャープ/三洋、太陽電池の外注を拡大 台湾メーカーに恩恵
台湾経済日報 2010.06.05
これまで自社生産を堅持してきた日本の大手太陽電池メーカー、シャープ及び三洋電機
が、海外メーカーへの外注を拡大することを明らかにした。外注総量は 200MW に達する
見通しで、これら日系メーカーと好関係にある台湾の昱晶(Gintech)、茂迪(Motech)、
新日光(Neo Solar)、昇陽(Solartech)が恩恵を受けると見られている。
三洋電機は既に複数の台湾の太陽電池メーカーと協議中で、OEM 生産した製品を三洋ブ
ランドで日本で販売することを明らかにしている。三洋電機は今年度 10-30MW、来年度
50-100MW を OEM 発注する計画だという。
シャープも今年度に自社生産能力を拡張すると同時に OEM 生産も拡大する計画で、今年
の太陽電池販売目標 1.2GW の 15%に当たる 180MW を外部に生産委託すると見られている。
【PCB】健鼎、2Q 売上高前四半期比 10%増維持 Apple 4G 向け牽引
2010-6-3 精実新聞
プリント配線基板(PCB)大手の健鼎(Tripod)は、Apple 第 4 世代 iPhone 向け PCB など
を受注していることから、今年下期の業績を楽観視しているとともに、今年 4-6 月の連
結売上高の前四半期比 10%増を維持することを明らかにした。
Apple の第 4 世代 iPhone が 6 月 7 日に販売開始となることから、今年の iPhone の販売
台数が 4000 万台を突破すると見られており、iPhone 4G 用 PCB を受注している健鼎、欣
12
2010 年 6 月号
興(Unimicron)がその恩恵を受けると見られている。
健鼎は現在、中国無錫に 5 つの工場を有し、特に液晶パネル用 PCB の生産を集中的に行
っている無錫第 2 工場の生産拡張を急いでいる。無錫工場の現在の月産能力は 2.5 万平
米だが、今月中に 7 万平米、今年末には 10 万平米まで拡張される予定。そのうち、HDI
の月産能力は 4.5 万平米から 7 万平米に拡張されるという。
健鼎の主力製品は、液晶パネル、メモリ、ハードディスク、ノートパソコン向けで、そ
れぞれの売上高比率は 25%、22%、14%、13%。
【PCB】米 Rogers、中国内地 PCB 材料需要旺盛で 2Q 業績上方修正
2010-6-3 精実新聞
米国の大手電子材料メーカーである Rogers 社は 1 日、中国内地の 3G インフラ向け PCB
材料の需要が旺盛であることから、今年 4-6 月の売上高見通しを 1 ヶ月前の 8300-8700
万米ドルから 9000-9400 万米ドルに上方修正した。
Rogers 社は台湾の長春人造樹脂と 2000 年に折半出資でフレキシブル銅箔張り積層板
(FCCL)を生産する長捷士科技を設立している。
米国 PCB 協会(IPC)は 5 月 27 日、
今年 4 月の北米 PCB メーカーの BB レシオ
(Book-to-Bill
ratio)が 1.10 に上昇、12 ヶ月連続で 1 を上回っており、受注が回復基調にあることを
明らかにしている。
【PCB】徳宏、今後 2-3 年の市況楽観 10-12 月に生産拡張を計画
2010-6-3 funddj.com
台湾の大手プリント配線基板(PCB)用ガラスファイバ・クロスメーカーの徳宏工業
(Glotech)は、電子基板用ガラスファイバ・クロスの需要が旺盛で、今後 2-3 年について
も需要が持続的に伸張していく見通しであることから、今年 10-12 月に 50-60 台の紡糸
炉を導入し生産能力を拡張することを明らかにした。
徳宏工業の今年 1-3 月の業績は製品価格の上昇により黒字転換を実現、連結粗利率も
14.64%まで回復している。同社は台湾工場、中国蘇州工場にそれぞれ 340 台、460 台の
紡糸炉を設置しているが、いずれの工場も 100%のフル稼働が続いているという。
ガラスファイバ・クロスの需給が逼迫する中、業界では現在 1 キログラム当たり 1 米ド
ルの 7628 ガラスファイバ・クロスが 9 月頃までには 1.2 米ドルまで上昇する見通しだと
いう。
開発分野では、細径ファイバの張力及び形状安定性を改善することで、大手ユーザーか
らの受注が拡大しているという。シラン(Silane)処理剤開発による耐熱性及び反応性
の改善、High-Tg フィルム及びハロゲンフリー材料の採用も拡大しているという。
徳宏工業:www.glotechgf.com/
【半導体】力晶、5 月売上高が過去 3 年で最高 歩留まり改善等が寄与
13
2010 年 6 月号
台湾経済日報 2010.06.03
DRAM 大手の力晶(Powerchip)は 2 日、今年 5 月の売上高が閑散期ながら 81.36 億 NTD
に達し、過去 38 ヶ月で最高となったことを明らかにした。
同社は、売上高続伸の要因として、DRAM 価格が下落傾向にあるものの、主力製品の歩留
まりが改善していること、またエルピーダとの合弁である瑞晶(Rexchip)の生産能力拡
張を挙げている。
また、今後の DRAM 市場については、iPad 等のタブレット型パソコン及び LED 液晶テレ
ビの普及により、需要の堅調な伸びが期待できるとしている。
【賃金】深圳市、法定最低賃金を引き上げ 台湾・外資系製造業に打撃
台湾経済日報 2010.06.03
EMS 最大手の鴻海富士康(Foxconn)、日本のホンダが工員の賃金を大幅に引き上げてい
る中、深圳市の議会に当たる人民代表大会の 10 名の代表が深圳市の法定最低賃金を 2008
年から実施している月額 1000 元から月額 1448 元から 1963 元の間に引き上げる条例案を
提出したことが明らかになった。
市場では、今年 7 月から深圳市が法定最低賃金を 30%引き上げ、月額 1300 元とするとの
見方をしていたが、仮に月額 1400 元以上となれば、深圳市に工場を持つ台湾系・外資系
製造業の深圳離れが加速する可能性が大きい。
587 号 6 月 9 日
【LED】瑞軒/億光/LGD、呉江市に液晶 TV 用 LED 実装合弁を設立
DIGITIMES 4-6-2010
昨年北米市場で最大シェアを達成した Vizio ブランドを傘下に持つ台湾の大手液晶 TV
メーカー、瑞軒科技(Amtran Technology)は、LED 実装大手の億光電子(Everlight)
及び液晶パネル大手の LG Display(LGD)と合弁で中国内地に液晶 TV 用 LED バックライ
ト実装企業を設立することを発表した。合弁企業は江蘇省呉江市に設立される見通しだ
という。
瑞軒、億光、LGD はそれぞれの強みを生かして液晶テレビ用 LED バックライト市場での
シェアを拡大したい考えで、今年年末までには生産を開始する計画。総投資額は 3000
万米ドルになる見通し。瑞軒は川上企業との提携を通して開発力を強化し、北米市場で
のシェアを維持したい考え。
瑞軒は今年 700-800 万台の液晶 TV を出荷する計画だが、そのうち 30%を LED バックライ
ト搭載とする計画で、同社の今年 1-3 月の最終利益は LED 効果もあって 3 億 7400 万
NTD(1194 万米ドル)で前四半期の 2 億 5500 万 NTD から大幅増となっている。ただ、今年
4 月の売上高は北米市場での三星の巻き返しもあって 3 月比 32.54%減の 35.4 億 NTD、液
晶テレビの出荷台数も 20 万台近くまで落ち込んでいる。北米市場でのシェアも再び三星
に抜かれ、第 2 位になっている。
14
2010 年 6 月号
液晶テレビメーカーは、欧州諸国の財政危機により液晶テレビの需要に陰りが出る中、
省電力の LED バックライト機種をアピールすることにより販売促進を図るとともに粗利
益率も上げようとしている。今年の LED バックライト機種の液晶テレビ全体市場に占め
るシェアは今年 1-3 月には 10%足らずであったが、今年 10-12 月には 30-35%に達すると
見られている。
LED チップ大手の晶元(Epistar)董事長の Lee Biing-jye 氏は、今年下期から大手液晶
テレビメーカーが投入する新機種の殆どは LED バックライト機種が占めている、LED バ
ックライト液晶 TV 市場は来年には 1 億台に達するとの見方を示している。同氏によると、
LED バックライト液晶 TV の需要急増を背景に、LED チップの需給が逼迫しており、足も
とでは LED の世界生産能力は LED チップの世界需要に対して 40%不足しているという。
ただ、LED チップの需給逼迫は、LED バックライトの実装技術の進歩により、来年下期に
は緩和されると見られており、46 インチ機種に要する LED チップ数量は昨年の 320-340
個から直近では 250 個まで減少している。
【LED】常州市武進区、LED 産業園建設に意欲 光宝/晶元等を誘致
中国電子報 2010-6-4
中国江蘇省常州市武進区は、音響機器の瑞声声楽科技、パワーサプライの江蘇新科数字、
パワーサプライの光宝科技、コネクタの安費諾などの電子部品メーカーの集積を梃子に、
新たに LED 実装の光宝光電、LED チップの晶元光電、LED 照明の激藍光電、欧米格光電の
誘致に成功、LED 産業園の建設に意欲を示している。
武進区の昨年の電子部品産業生産高は 210 億元だが、今年は 270 億元、2012 年には 400
億元以上を見込んでおり、2015 年には年間生産高 100 億元の企業 1 社以上、年間生産高
50 億元以上の企業 5 社、年間生産高 10 億元以上の企業 10 社以上を育成することで、地
区全体の電子部品生産高 650 億元以上を達成する長期計画を発表している。
【太陽電池】紅宝麗、3553 万元投じ太陽電池封止用 EVA フィルム生産
光電新聞網 2010-6-3
中国の化学品メーカーである紅宝麗は 31 日、子会社の南京紅
宝麗新材料有限公司が 3553 万元を投じて太陽電池封止用 EVA
(エチレン・ビニル・アセテート)フィルム生産事業を行うこ
とを明らかにした。稼働後の年間売上高 1.07 億元を見込んでいるという。
南京紅宝麗:www.hongbaoli.com/
【太陽電池】中国太陽電池モジュールメーカー、価格戦略の見直し迫られる
DIGITIMES 4-6-2010
中国内地の太陽電池モジュールメーカーは、今月末までに販売価格を 8%引き上げること
を計画していたが、欧州地場の太陽電池モジュールメーカーが販売価格を 10%引き下げ
15
2010 年 6 月号
ていることなどから、価格戦略を見直していることが明らかになった。
ユーロ安に伴う為替差損が中国内地の太陽電池モジュールメーカーの収益を圧迫してい
ること、また太陽電池用シリコンウエハ価格が上昇していることから、中国内地の太陽
電池モジュールメーカーは販売価格引き上げには妥当性があるとしてきたが、市況の急
変により戦略を見直す必要に迫られている。
中国内地の太陽電池モジュールメーカーは、尚徳(Suntech)や英利(Yingli)といった
大手メーカーと有力ユーザーとの協議状況を見た上で最終的方向性を決めたいとしてい
る。
【パソコン】中国 white-box PC メーカー、積極出展で企業イメージ改善狙う
DIGITIMES 4-6-2010
深圳創智成(CZC)、万利達(Malata)といった中国内地の大手 White-box PC メーカーが、
企業イメージ改善の一環で、海外で自社ブランド製品を積極的に
販売していく見通しで、その第 1 弾として台北で開催された
Computex 2010 で自社ブランド製品を出展した。
深圳創智成(CZC)は、マザーボード専門メーカーからノートパソコン設計・組立メーカ
ーへの業態転換を進めており、主力ユーザーである BenQ、ViewSonic のほか、中国地場
の長城(Greatwall)、清華同方(Tsinghua Tongfang)、TCL との提携を模索している。
Computex 2010 で深圳創智成はインテル Atom プロセッサ搭載、MeeGo プラットフォーム
採用の 10 インチ Tablet PC、万利達は自社ブランド Manli 製品、OEM 向けノートパソコ
ン、Netbook、All-in-one PC、Tablet PC 等を出展した。深圳創智成:www.czctech.com/
【パソコン】英業達、重慶工場完成を前倒し 11 月から量産を開始
DIGITIMES 4-6-2010
ノートパソコン ODM 世界第 4 位の英業達(Inventec)董事長の Richard Lee 氏は、中国
沿海部の賃金上昇が加速していることから、重慶に建設している工場の工期を短縮して、
今年 11 月にも量産を開始することを明らかにした。
また、英業達は中国のほか、今年 7-9 月にはブラジルに新工場を設立する計画、将来的
にはメキシコ、チェコ、インドにも工場を建設する計画があることも明らかにした。
【液晶モニタ】冠捷、1Q 純利益 2.8 億元に回復 LGD との合弁 2 社稼働
2010-6-4 騰訊科技
世界最大の液晶モニタ及び液晶テレビ OEM メーカーである冠捷科技(TPV)は、今年 1-3
月の売上高が 23.85 億米ドル(約 163 億元)で昨年同期比 72.9%増、純利益が 4020 万米
ドル(約 2.8 億元)で前年同期比 170%増となったことを発表した。今年 1-3 月の液晶モ
ニタ及び液晶テレビ出荷量もピーク期に当たる昨年 10-12 月比で 7%減の微減にとどまっ
た。
16
2010 年 6 月号
冠捷科技の昨年のパソコン用液晶モニタの出荷量は 1270 万台で前年比 30%増、製品の販
売価格が上昇したこともあって、液晶モニタ事業の売上高は 15 億米ドルに上り、総売上
高の 62.3%を占めた。
また、地域別に見ると、ポーランド工場の生産量が増加したこと、フィリップス向け液
晶モニタを新規で獲得したことから、冠捷科技の欧州市場での今年 1-3 月の売上高は 8.1
億米ドルに上り、売上高全体に占める比率も 33.8%(2009 年 1-3 月の同比率は 22.1%)
に上昇した。また、中国市場での売上高は 6.6 億米ドルで売上高全体に占める比率は
27.7%(2009 年 1-3 月の同比率は 32%)に減少、北米市場での今年 1-3 月の売上高も売上
高全体に占める比率は 17.7%(昨年同期の同比率は 27.7%)に減少した。ブラジルを主と
するその他地域の売上高は 5 億米ドルで売上高全体の 20.8%(昨年同期の同比率は 18.1%)
を占めた。
中国内地での LG Display との合弁 2 社については、厦門工場が今年 4 月に液晶テレビの
生産を開始、福清工場も今年 5 月に生産を開始している。今年 3 月に液晶パネル大手の
友達光電と合弁でポーランドに液晶テレビ生産企業を設立したことについては、資本金
は 4000 万米ドルで、冠捷、友達光電がそれぞれが 49%、51%を出資することを明らかに
した。
【PCB】瀚宇博徳/金像電子、ノート PC 用プリント基板出荷量を上方修正
PCB 中国網 2010-6-4
世界の 2 大ノート PC 用プリント基板メーカーである瀚宇博徳(Hannstar)、金像電子(Gold
Circuit)は、需要が予想以上に堅調であることから、今年通年の出荷量をそれぞれ 8100
万枚、4000 万枚に上方修正することを明らかにした。
瀚宇博徳は、今年の世界のノート PC 市場は前年比 20%増となると予想、今年のノート PC
用 PCB 出荷量が同様の伸びを期待でき、昨年のノート PC 用 PCB 出荷量が約 6900 万枚で
あることから、今年は 8100 万枚の出荷が見込めるとしている。瀚宇博徳は、今年のノー
ト PC 用 PCB 市場シェア 50%達成にも自信を示すとともに、液晶テレビ制御用 PCB 市場で
も世界シェアを現在の 9%から 13%以上に伸ばす目標を明らかにした。
また、金像電子もノート PC 用 PCB 世界シェアを昨年の 17%から 20%前後に伸ばす計画で、
今年は前年比 38%増の 4000 万枚を出荷する計画。
ノート PC 用 PCB 市場でシェア第 3 位の健鼎科技(Tripod)も、無錫工場の生産拡張によ
り今年通年のノート PC 用 PCB 世界市場シェア 10%を目指すことを明らかにしており、以
上 3 社で世界のノート PC 用 PCB の 8 割を生産することになる。
また、世界最大の液晶パネル用 PCB メーカーである志超科技も、ノート PC 用 PCB 事業を
強化していることを明らかにしている。
【電池】万向集団、米 Ener1 社と杭州に自動車用電池事業で合弁設立
中国電池網 2010-6-4
中国地場最大の自動車部品メーカーである万向集団(Wanxiang)は、米国のリチウム電
17
2010 年 6 月号
池メーカーである Ener1 社と動力電池及び動力電池システム生産で合弁企業を設立する
ことを合意、正式に契約したことを明らかにした。
両社は今後、中国杭州市に第 1 期として 3 億米ドルを投じて完全自動化された年産能力
リチウム電池芯 3 億アンペアアワー、電気自動車用リチウム電池システム 4 万セットの
生産工場を建設、来年末に稼働させる計画。
【半導体】Gartner、今年の世界半導体産業生産高前年比 27%増予想
2010-06-04 新浪科技
米国の大手 IT 市場調査機関 Gartner は最新の調査報告で、今年の世界の半導体産業生産
高が 2900 億米ドルに達し、前年の 2280 億米ドルに比べ 27%増となる見通しを明らかに
した。同社は今年年初に発表した予測では今年の世界の半導体産業生産高は前年比
19.9%増としていたので、上方修正したことになる。
Gartner リサーチ部門副総裁の Bryan Lewis 氏は、過去 5 四半期の半導体産業の生産高
は季節性要因を加味しても予想を上回るペースで推移している、一部の市場では需給が
逼迫していると指摘する。
Gartner は今回の調査報告で、パソコン、携帯電話、車載電子、ゲーム機、デジタルカ
メラ等のデジタル機器の出荷見通しも同時に上方修正しており、こうした産業の成長が
半導体産業の成長を押し上げるとしている。特にタブレット型パソコンの需要拡大で
DRAM チップの需要が旺盛で前年比 78%増になるとしている。
【賃金】富士康の 30%賃上げで深圳で賃上げ闘争激化 美律でストライキ
台湾経済日報 2010.06.08
深圳に最大の生産拠点を持つ EMS 世界最大手の鴻海(Foxconn)傘下の富士康が、工員の
賃金を 900 元から 1200 元に 30%引き上げたことから、深圳市の台湾系・外資系企業で
賃上げ闘争が激化しており、アップルのスマートフォン部品サプライヤである美律
(Merry)の深圳工場でも、工員が賃金を富士康の 1200 元水準まで引き上げることを求
めてストライキを起こしたことが明らかになった。
美律の深圳工場の工員は約 7000 人、蘇州工場の工員は約 3000 人だが、蘇州工場につい
ては既に賃上げを行っているが、深圳工場については、深圳市の法定最低賃金の引き上
げが 7 月以降予定されていることから、その内容を見た上で判断したいとしている。
中国沿海部の主要都市では法定最低賃金の引き上げが相次いで実施されており、広東省
では 1030 元、上海市では 1120 元に 15-20%引き上げられている。深圳市では当初、引き
上げ幅を 20%以下にとどめて 1050 元(現行 900 元)とする計画だったが、深圳市最大
の外資系企業である富士康が 30%の賃上げを行ったことから見直しを迫られていると
も伝えられている。
【賃金】台湾メーカー、中国の労賃上昇で産業ロボット導入で無人化加速
18
2010 年 6 月号
2010/6/4 精実新聞
中国内地の賃金上昇が加速していることから、中国内地に製造拠点を持つ台湾の半導体、
太陽電池、液晶パネル等の大手メーカーが生産ラインの無人化を加速しており、中国内
地で産業ロボットの需要が急増していることが明らかになった。
台湾の産業ロボット設備メーカーによると、これまで高コストの産業ロボット導入に消
極的だった台湾メーカーが、中国の賃金上昇と労組問題で、産業ロボットの導入に積極
的になっているという。産業ロボット設備メーカーは産業ロボットを導入すれば、1 千
名近くの工員を要した工場が、数十名での操業も可能、人件費の削減効果は絶大と指摘
する。
588 号 6 月 11 日
【液晶パネル】友達、台湾認可遅れから昆山 7.5G 関連設備発注を延期
台湾経済日報 2010.06.10
液晶パネル世界第 4 位の友達光電(AUO)が、中国昆山市での 7.5G 液晶パネル生産ライ
ン関連設備メーカーに対して 5 月末から発注を一時凍結することを通知、一部大型設備
メーカーには納期を当初の来年 3 月から来年 6 月以降に延期することを通知しているが
明らかになった。
友達光電 CEO 兼総経理の陳来助氏は、今年春節直後に台湾当局に提出した中国昆山 7.5G
認可申請が 3 ヶ月余り経った現在でも認可が取得できていないことに鑑み、設備発注の
一時凍結、大型設備の納期延期となったことを明らかにした。
【液晶モニタ】液晶モニタブランド及び ODM メーカー、強気の生産計画策定
2010/6/8 中華液晶網
大手 IT 市場調査機関 DisplaySearch は月次で行っているブランド及び ODM メーカー生産
計画調査報告で、今年 1-5 月の世界の液晶モニタブランドメーカー上位 12 社の生産実績
及び今年 6-8 月の生産見通し(右グラフ)を発表、世界の桌上型液晶モニタの今年 5 月
の生産台数が月間としては過去最高、上位
12 位のブランドメーカーの生産台数が
1270 万台に達したことを明らかにすると
ともに、今年 8 月の生産台数が 1480 万台
に達し、上位 12 位のブランドメーカーの
今年 1-8 月の生産台数が前年同期比 19%増
となるとの見通しを明らかにした。
DisplaySearch パソコン用モニタ市場リ
サーチ部門副総裁の Chris Connery 氏は、
ブランドメーカー各社に対して行った
ヒアリングの結果、各社とも中国等の新
19
2010 年 6 月号
興国市場の新規パソコン需要が依然堅調であること、先進国市場においても商用コンピ
ュータの買い替え需要が旺盛であることから増産計画を立てていることを明らかにした。
中国内地の新規パソコン需要については、中国の主要ブランドである聯想(Lenovo)、長
城(Greatwall)、方正(Founder)等が引き続き増産を計画しているほか、冠捷(TPV)
等のアジア市場に特化したブランドも増産計画を立てているという。特に長城は世界の
桌上型液晶モニタ出荷台数順位を昨年 10-12 月の 16 位から今年 1-3 月には 11 位に上げ
ており、今年通年では 10 位内にランクインすることが有望視されている。
また、欧州経済が依然不安定ではあるものの、世界全体の商用コンピュータの買い替え
需要が旺盛で、商用コンピュータ事業が強い Dell は今年 8 月の生産台数を 7 月比 23%増
とすることを明らかにしているという。また、DisplaSearch の今年 1-8 月の世界の液晶
モニタ ODM メーカー上位 9 社の生産実績及び計画調査(上グラフ)によると、世界の液
晶モニタ ODM メーカー上位 9 社の今年 6 月の生産台数計画は月間としては過去最高を記
録、そのうち 2 大 ODM メーカーである冠捷及び群創(奇美電子と合併)の今年 6 月の生産
台数計画はそれぞれ 5 月比 13%増、6%増となっている。
【液晶モニタ】冠捷、自社ブランド事業をスピンオフ 今年の出荷量 1.5 倍に
DIGITIMES 9-6-2010
世界最大の液晶モニタ/テレビ OEM メーカーである冠捷(TPV)は、自社ブランド AOC 事
業強化の一環で、今年の AOC ブランドの液晶モニタ出荷台数目標を前年比 50%増の 1500
万台、AOC ブランドの液晶テレビの出荷台数を 400-500 万台とするとともに、来年下期
に自社ブランド事業を分離独立し、香港に上場させる計画を明らかにした。
冠捷は AOC ブランドとして、厚さ 0.97 センチの LED バックライト機種を含む 5 シリーズ
の液晶モニタ製品を販売しており、台湾域内では販売シェアを 5 位まで伸ばしている。
今年、LED バックライト液晶モニタは液晶モニター市場全体の 5%を占めるといわれてい
るが、台湾においては同比率は 10%に達する勢いで、冠捷は新たに出荷する AOC ブラン
ド液晶モニタの 18%を LED バックライト型に切り替えている。
【太陽電池】江蘇省太陽電池生産、中国国内 65%、世界の 25%占める
和訊網 2010-6-9
中国江蘇省政府経済情報委員会副主任の顧瑜芳氏は、先日開催された第 1 回国際透明薄
膜太陽電池発展投資サミット会議で、江蘇省の太陽電池の昨年の生産量は 2620 メガワッ
ト(2.62 ギガワット)に達し、中国全土生産量の 65%、世界生産全体の 25%を占めるこ
とを明らかにした。
同氏は同会議の中で、江蘇省政府は今後結晶型シリコン太陽電池産業とともに、低コス
トの非結晶型シリコン薄膜太陽電池産業の育成にも力を入れていくこと、2011 年の全省
の太陽電池産業売上高 3500 億元、太陽電池及びモジュールの年産能力 10 ギガワット建
設を目指すことを明らかにした。
20
2010 年 6 月号
【太陽電池】中国、世界最大の太陽電池輸出国に 国内市場も急成長
2010/6/8 中華液晶網
大手 IT 市場調査機関 iSuppli によると、中国内地の昨年の太陽電池生産量は 3.6GW 余り
に達し、そのうち 90%が海外市場に輸出されたことから、中国内地が世界最大の太陽電
池輸出国となったことを明らかにした。
昨年の世界の太陽電池メーカー出荷量上位 10 社のうち、6 社が中国内地メーカーである
ことから、中国内地が世界最大の太陽電池生産国であり、かつ世界最大の太陽電池輸出
国となったが、同時に中国政府が太陽光発電に対して積極的に財政出動して手厚い補助
金を支給していることから中国国内の太陽電池市場も急成長している。中国政府は 1 ワ
ット当たり 2.9 米ドルの補助金を支給、コストの 30∼50%を国が負担する政策を取って
いる。iSuppli は、中国政府の刺激策により今後 3 年間に中国国内で新たに創出される
需要は 2.8GW に達すると予測している。
中国国内の太陽光発電市場は政府の当初計画を上回るペースで進展しており、政府は当
初 2010 年に太陽光発電 300MW 達成を計画していたが、1 年前倒しで 2009 年に 300WW の
目標を達成している。iSuppli は、中国内地の太陽電池市場規模が 2010 年には 3.09 億
米ドル、前年比 95.3%成長、2014 年には 24 億米ドル市場になると予測、国内の太陽電池
市場の急成長に伴って、中国国内のインバータなどの電子部品需要の拡大するとしてい
る。ただ、日本同様、太陽光発電と既存の火力・水力発電網を連結するか、次世代電力
網スマートグリッドの構築が遅れていることが課題と指摘している。
【太陽電池】南玻集団、薄膜太陽電池用 TCO 導電ガラスの量産に成功
2010-6-8 南玻集団
中国地場大手ガラスメーカーである南玻集団は、年産 46 万平米の薄膜太陽薄膜電池用透
明導電膜をコーティングした TCO ガラス基板生産ラインを今年 1-3 月から正式に稼働、
中国地場メーカーとしては初めて薄膜太陽電池用 TCO ガラスの量産に成功したことを明
らかにした。
TCO ガラス基板は、非結晶型シリコンを使った薄膜太陽電池の中核材料で、今年の世界
需要は 2500 万平米に達するといわれている。南玻集団は先進技術とされる CVD(化学気
相沈積)を採用し、市場で主流となっている 1100mm×1400mm サイズの生産も実現、光透
過率、電気抵抗などの重要指標でも国際先進基準を達成している。
南玻集団は現在 TCO ガラス基板の生産拡張を進めており、来年には生産規模を年産 120
万平米以上に拡大する計画。
【LED】中強/瑞儀 5 月 BLU 出荷量、740 万台/838 万台で好調持続
DIGITIMES 9-6-2010
台湾の大手バックライトメーカーである中強光電(Coretronic)は、今年 5 月のバック
ライトユニット(BLU)の出荷量が前月比 7%増の 740 万台、そのうち液晶モニタ用が 312
21
2010 年 6 月号
万台、ノート PC 用が 303 万台、液晶テレビ用が 114 万台、それぞれの全体に占める比率
は 24%、82%、19%だったことを明らかにした。
また、同業大手の瑞儀光電(Radiant)も、同月の BLU 出荷量が 838 万台に達し、そのう
ちノート PC 用が前月比 4.7%増の 445 万台に達したことを明らかにした。ノート PC 用
BLU445 万台の内訳は、従来型ノート PC 用が 282 万台、Netbook 用が 162 万台。なお、液
晶モニタ用は前月比 2.6%減の 342 万台、液晶テレビ用が前月比 15%減の 43 万台だったと
している。
【PCB】聯茂、5 月売上高が過去最高 6 月の CCL 価格は下落傾向
2010-6-7 中国 PCB 産業協会
台湾第 2 位の銅箔張り積層板(CCL)メーカーである聯茂(ITEQ)は、今年 5 月の連結売上
高が 18.97 億 NTD で昨年同期比 91.34%増、月間としては過去最高となったこと、1-5 月
累計の連結売上高は 81.25 億 NTD で同 84.29%増だったことを発表した。また、4-6 月の
連結売上高は 55 億 NTD で 1-3 月比 20%増を見込んでいるという。
同社は 5 月以降に CCL 価格の上昇が鈍化したこともあって、5 月の売上高が予想以上に
伸張したとしている。7-9 月については、伝統的需要期であることから、4-6 月を上回る
受注が期待できるとしている。
同社は、こうした需要旺盛を受けて無錫工場の拡張を進めており、月産 30 万枚の CCL
生産ラインを今年下期に稼働させる予定。また、新たな生産拠点を内陸部の湖北省に建
設する計画も進めているという。
国際銅価格が 5 月中旬に一旦トン当たり 6500 米ドルを割り込んだ後、5 月末に再び 7000
米ドル近くまで上昇、直近で再び 6500 米ドル付近まで下落していることについては、需
給が逼迫しているガラスファイバの価格が上昇しているものの、ユーザーからの要請も
あることから、再び価格を引き下げることを前向きに検討しているという。
【半導体】茂徳、エルピーダと提携し凍結下の重慶 8 インチ工場を稼働か
DIGITIMES 8-6-2010
台湾の大手 DRAM メモリメーカーである茂徳科技(ProMOS)は、日本のエルピーダ・メモ
リと提携して生産を凍結している重慶 8 インチ工場を本格稼動させることを模索してい
ることが明らかになった。
エルピーダは茂徳のほか、台湾の力晶(Powerchip)、華邦(Winbond)と提携関係にある
が、このうち中国内地に生産ラインを持っているのは茂徳科技だけであることから、茂
徳との提携を模索している模様。また、エルピーダは、中国蘇州に 12 インチ工場を建設
する計画を再開させることも明らかにしていることから、茂徳との提携を視野に入れた
両面作戦を取っているとも見られている。
一方、茂徳科技は台湾当局から中国内地で 8 インチ生産ラインを建設することを認めら
れている数少ない半導体企業であるが、2007 年末に完成させた重慶 8 インチ工場を折り
からの米国発金融危機で量産を 2 年近く凍結している経緯がある。
22
2010 年 6 月号
【賃金】富士康、30%一律賃上げに続き優良上級工員賃金を 2 千元に
2010.06.08 第一財経日報
世界最大の EMS メーカーである鴻海集団(Foxconn)傘下の富士康科技は、6 月 1 日から
の工員賃金の一律 30%引き上げに続いて、3 ヶ月の作業試験に合格した優良上級工員の賃
金を 1200 元から 2000 元に引き上げることを明らかにした。
市場では、先般の 30%の一律賃上げ、今回の作業試験に基づく上級工員の賃金引上げに
より、富士康科技の人件費は年間 50 億元余り上昇すると見ており、同社の株価は大きく
値を下げている。
これまで基本給が 900 元だった一般工員の月額給与は、残業手当、各種社会保障を加算
すると 2000 元前後に達していたが、基本給が 1200 元になれば、残業手当・各種社会保
障を加算した最終的月額給与は 3000-4000 元に達すると見られている。
鴻海集団董事長の郭台銘(Terry Gou)氏は、今回の賃上げがここ最近連続して起きた富
士康工員の自殺を受け止めた結果であることを認め、世界最大の電子機器 ODM メーカー
として従業員の一定の生活を保障する社会的責任があることに言及している。
富士康科技は深圳の各工場に約 45 万人の工員を雇用しているが、今回の賃上げは前例が
ない大幅なものとなっているが、特に上級工員の最低賃金を試験合格ベースとしながら
も 900 元から一気に 2000 元に引き上げることは、中国に進出している台湾系企業及び外
資系企業にも大きな影響を与えると見られている。
また、富士康科技は閉鎖を決めている煙台工場の従業員 7 万人に総額 15 億元の退職金を
支給したとも伝えられており、同社の収益を圧迫することが懸念されている。
市場関係者は、富士康が今後中国沿海部の工場の従業員を削減するとともに、生産拠点
の内陸部への移転を加速すると見ており、特に先般稼働した重慶工場がその最大の移転
先になると見ている。
589 号 6 月 14 日
【パソコン】華碩の 5 月売上高、欧州向け出荷減響き前月比 21%減に
台湾経済日報 2010.06.10
ギリシャショックがユーロ圏の実体経済にも悪影響を与え始めており、欧州向け出荷比
率が高いノートパソコン大手、マザーボード最大手の華碩(Asustek)は、今年 5 月の単
体売上高が 218.36 億 NTD で 4 月比 21.8%の大幅減、単月としては今年最低水準に近い売
上高となったことを明らかにした。
華碩同様、欧州向け出荷比率が高いノートパソコン世界第 2 位の宏碁(Acer)は未だ今
年 5 月の売上高を発表していないが、4 月の売上高が前月を大幅に下回る結果となって
おり、欧州市場依存が高い台湾の 2 大ノートパソコンメーカーがギリシャショックの影
響を色濃く受ける結果となっている。
華碩から分離独立した ODM 専業メーカーである和碩(Pegatron)も、華碩の売上高低迷
23
2010 年 6 月号
の影響を受けて、5 月の売上高が 4 月比 14%減の 326.3 億 NTD となっている。中でも、ノ
ートパソコンの出荷量が前月比 27.6%減の 100-110 万台、マザーボード及び桌上型パソ
コンの出荷量も同 10%減の 180-190 万台となっている。一方、ビデオカード及びテレビ
カードの出荷量は 4 月比 9.8%増の 33.7 万枚となった。
ユーロ安の影響について、華碩 CEO の沈振来氏は、5 月以降、欧州のパソコン流通業者
が過度に保守的になっている、4-6 月の売上高が 1-3 月に比べ 2 桁減となる見通しを明
らかにしている。
宏碁董事長の王振堂氏は、欧州の末端ユーザーの消費には目立った落ち込みは見られな
いが、流通の中間にいる輸入代理店がユーロ安の為替リスクを嫌って在庫調整を優先し
ていることを明らかにしている。
【マザーボード】大手マザーボード 5 月売上高、軒並み前月比 10%以上の減
DIGITIMES 10-6-2010
華碩(Asustek)、和碩(Pegatron)、微星(MSI)、技嘉(Gigabyte)といった大手マザー
ボードメーカーの 5 月の売上高は、欧州市場及び中国内地市場の需要伸び悩みの影響を
受けて、軒並み前月比 10%以上の減少となる見通しであることが明らかになった。
最大手の華碩の 5 月の売上高は上記の通り 218.4 億 NTD(6 億 7412 万米ドル)で前月比 22%
減、4-6 月の売上高が 1-3 月比 5-10%減になる見通しを示している。また、華碩系列の和
碩の今年 5 月の売上高も 326.3 億 NTD で前月比 14%減となっている。
また、業界第 2 位の技嘉の今年 5 月の売上高は 30.5 億 NTD で前月比 10.68%減、微星の
同月の売上高は 60.5 億 NTD で前月比 17.88%減となっている。
【ゲーム機】鴻海/フレクトロニクス、8 月から MS Project Natal の出荷開始
DIGITIMES 11-6-2010
EMS 最大手の鴻海(Foxconn)及び第 2 位のフレクトロニクス(Flextronics)は、今年 8
月から Microsoft の Xbox 360 ゲーム機コンソール用 Project Natal デバイスの出荷を開
始することを明らかにした。本格的量産は来年初めからになるとしている。
Project Natal デバイスは、コントローラフリーをアピールすることで Xbox 360 の新た
な需要を喚起することが期待されており、同コンソールのアダプタ及び光学ドライバを
供給する光宝(Lite-on)
、放熱部品を供給する健策精密(Jentech Precision)などが恩
恵を受けている。
【通信機器】華為、台湾メーカーから年間 26 億米ドル相当の設備を調達
2010-6-10 PCB 網城
中国政府は来月から正式に通信・テレビ・インターネット融合サービスを開始すること
を決め、今後 5 年間に 6000 億元を投じて中国電信及び華為技術(Huawei)等を通じてイ
ンフラ整備を行うことを明らかにした。
24
2010 年 6 月号
これに伴って、華為は今後 1 年間で台湾メーカーから 26 億米ドル相当の FTTX 光ファイ
バ設備、デジタル STB、中継基地設備、Wi-Fi 設備等を調達する計画を明らかにしている。
華為は 2008 年 6 月から 2009 年 6 月までの 1 年間に台湾メーカーから 20 億米ドル相当を
調達している実績があるが、今後 1 年間の調達額はその額を 30%上回るものとなる。ま
た、中興(ZTE)、大唐も同様にインフラ整備に参画すると見られている。
台湾のデジタル STB メーカーである聯傑、永碩、兆赫、百一、光ファイバ設備メーカー
である正文、合勤、明泰、中磊、前鼎などが恩恵を受けると見られている。
【液晶パネル】奇美電子の 5 月売上高・出荷量ともに友達光電を上回る
台湾工商時報 2010/6/10
EMS 最大手・鴻海(Foxconn)傘下の群創光電(Innolux)と合併した奇美電子(CIC)の
今年 5 月の売上高は 497 億 NTD で 4 月比 0.5%減となったが、友達光電の 438 億 NTD を
約 60 億 NTD 上回り、また大型液晶パネルの出荷量も 1174 万枚で友達光電の 1023 万枚を
上回ったことから、台湾の大型液晶パネルメーカー売上高・出荷量首位を確保したこと
を発表した。
奇美電子の 5 月の中小型液晶パネル出荷量は 3637 万枚、一方、友達光電の中小型液晶パ
ネルの出荷量は 1854 万枚だった。
市況については、奇美電子は下落傾向にはあるものの、市場全体としては依然安定推移
している、下期についても楽観的に見ているメーカーが大半を占めているとコメントし
ている。技術面では、厚さ 5.5mm の超薄型省エネ LED パネルの開発に成功しており、今
後は LED パネルの出荷増も期待できるとしている。
【液晶パネル】大型液晶パネル価格推移 6 月 7 日 vs 5 月 20 日
台湾 WitsView
用途
仕様
安値
高値
平均
先回
変動
液晶 TV
46"W 1920x1080
410
425
415
420
-1 %
42"W 1920x1080
325
335
330
335
-2 %
32"W 1366x768
198
203
200
203
-2 %
26"W 1366x768
138
143
140
142
-1 %
22"W 1680x1050
97
102
99
100
-1 %
19"W 1440x900
76
80
77
80
-4 %
18.5"W 1366x768
70
74
72
75
-4 %
17" 1280x1024
69
73
71
74
-4 %
15.6"W 1366x768 LED
55
60
58
60
-3 %
14.0"W 1366x768 LED
53
57
55
56
-2 %
10.1"W 1024x600 LED
31
32.5
31.5
32.5
-3 %
モニタ
ノート PC
25
2010 年 6 月号
【LED】三井物産、中国 LED メーカー買収に意欲 中龍/勤上がターゲット
台湾工商時報 2010/6/10
日本の三井物産が、今年 4 月に液晶モニタ・テレ
ビ ODM 最大手の冠捷科技(TPV)の 15%の株式を
取得したのに続き、中国内地の有力 LED メーカー
である広東中龍(Guangdong Zhonglong)及び勤
上光電(勤上光電)の買収交渉を行っていることが明らかになった。
広東中龍総経理の陳斌氏は、三井物産は中国内地の LED 照明市場を非常に有望視してい
るが、単独で中国内地の LED 照明市場に進出することに困難を感じている、そのため現
地パートナーを探しており、これまでに 2 度の協議を行ったことを明らかにした。広東
中龍は、中国内地の LED トンネル灯のリーディングカンパニーであり、三井物産は広東
中龍の 10%前後の持分を取得することで協議中だという。
一方、勤上光電董事長の李旭亮氏は、ここ 1 年余りで三井物産と複数回の協議を重ねて
きた、ただ未だ確定した提携計画はできていないことを明らかにした。勤上光電は 200
件余りの LED 発明特許を有する、中国内地の LED 街灯市場において 50%を超えるシェア
を保有する中国地場最大の LED 街灯メーカー。
広東中龍:www.zlled.com/ 勤上光電:www.kingsun-china.com/
【LED】LED バックライト型ノート PC パネル急成長 年末に普及率 100%に
2010/6/10 中華液晶網
LED バックライトを搭載したノートパソコン用パネル市場が現在急成長しており、IT 市
場調査機関 DisplaySearch が発表した Quarterly LED Backlight Panel Shipment and
Forecast Report によると、液晶パネルに占める LED バックライト比率は 2010 年 10-12
月には 16%だったが、今年は通年で 31%に達する見通し、そのうちノートパソコン用パネ
ルの LED バックライト比率は昨年 1-3 月には 36%だったが、今年 1-3 月には 81.5%、今年
年末にはほぼ 100%に達する見通しで、従来型の CCFL バックライトはノートパソコン用
パネル市場から完全に淘汰されると予測している。
DisplaySearch は、ノートパソコン用パネルに搭載されている LED バックライトには 2
種類の構造があり、1 つは薄型(Slim Type)、もう 1 つは楔形(Wedge type)で、その違い
は主に導光板の技術及びバックライト板の構造にあるが、薄型 LED バックライトがパネ
ルの厚さを 3.0-3.6mm まで薄型化できるのに対し、楔形 LED バックライトはパネルの厚
さを 5.2-5.8mm までしか薄型化できないとしている。ただ、薄型 LED バックライトは高
い品質管理が求められるとともに、超薄型のための高品質の LED Bar や導光板が必要と
なるという欠点があると指摘する。
薄型 LED バックライトの供給は、導光板の歩留まりが改善されていないことから、安定
供給が実現しておらず、DisplaySearch アナリストの Anita Huang 氏は、薄型 LED バッ
クライトは楔形 LED バックライトに比べ 5 米ドル高価格となっている、また薄型 LED バ
ックライトを搭載した液晶パネルは構造上の脆さから、ノートパソコン ODM メーカーに
26
2010 年 6 月号
とっても組立にも歩留まり確保が難しいという。
ただ、薄型 LED バックライトが軽量・省エネ CULV(Consumer Ultra Low Voltage)機種向
けで幅広く採用されていることから、需要は依然拡大し続けており、歩留まりの改善、
構造的脆さの改善が進めば、需要はきゅうかくだいする可能性も秘めている。
DisplaySearch パソコン部門アナリストの Hidetoshi Himuro 氏は、薄型 LED バックライ
トのもう 1 つの優位性は、バックライトと液晶パネルを繋ぐコネクタ端子の短さにあり、
電磁ノイズ防止が容易であることも指摘する。
なお、DislaySearch によると、今年 1-3 月の LED バックライトの液晶モニタ及び液晶テ
レビ市場での浸透率はそれぞれ 6.6%、9.3%にとどまっているという。
【LED】ソニー、LED 照明パートナーを物色 7 億 NTD 相当の LED 照明調達
台湾経済日報 2010/6/11
台湾光電協進会が 10 日開催した台湾薄型ディスプレイ展示会 LED 照明展で、ソニーが
LED 照明事業の長期 OEM パートナーを探しており、台達(Delta)、光宝(Lite-on)、億
光(Everlight)、璨円(Forepi)、晶元(Epistar)等の台湾の大手 LED 関連メーカーと
積極的に接触し協議していることが明らかになった。ソニーは今回、総額 7 億 NTD 相当
の LED 製品を調達する計画だという。
台湾光電協進会によると、ソニーのみならず、インド照明大手の Kwality Photonics 社
及び BBM 社が同展示会で LED 照明モジュール、ドイツの Display&Design 社が公共広告パ
ネル、野外広告パネル用 LED 光源の調達を行っており、計 20 社余りのバイヤーが総額
160 億 NTD 余りの LED 関連製品の調達を行う見通しだという。また、太陽電池製品の調
達も活発で、スペイン大手の Soltec 社が太陽エネルギー用コンバータモジュールの調達
を計画しているという。
同 LED 照明展には、晶元、光宝、億光、台達、璨圆のほか、Cree、Osram、Philips Lumileds、
Panasonic 等の海外大手も最新技術及び関連製品を出展、また大連、揚州、厦門などか
ら中国内地の LED 照明メーカーが初出展しているという。
【光学レンズ】亜洲光学、1 ヶ月で iPhone 4 用レンズキット 300 万個出荷
DIGITIMES 11-6-2010
光学レンズキット大手の亜洲光学(Asia Optical)は、今年 5 月から iPhone 4 用 VGA
レンズキットの出荷を開始しているが、ここ 1 ヶ月の出荷量が 300 万ユニットに達した
ことを明らかにした。光学レンズキット出荷量全体に占める iPhone 4 用 VGA レンズキッ
トの比率は 25%から 30%に上昇しているという。
亜洲光学は受注の回復により今年 4-6 月には黒字転換を達成する見込みを明らかにする
とともに、デジタルカメラ OEM 事業の出荷量も昨年の 600 万台から今年は 700-800 万台
に拡大する見通しも明らかにした。
27
2010 年 6 月号
【半導体】台湾の半導体設備投資 77 億米ドルで世界首位 韓国上回る
新浪科技 2010/6/10
SEMI(国际半導体設備材料産業協会)が先日発表した SEMI World Fab Watch によると、今
年の半導体設備投資は前年比 117%増の 355.14 億米ドル、そのうち台湾域内の半導体設
備投資額は前年比 77%増の 77 億米ドルで世界首位、韓国が 74 億米ドルで第 2 位である
ことが明らかになった。また、世界の LED チップメーカーの今年の設備投資は前年比 33%
増、来年の設備投資は同 24%増と急増していることも明らかになった。
また、同報告によると、今年 1-3 月の世界の半導体設備出荷額は 74.6 億米ドルで昨年同
期比 142%増となっている。SEMI 産業調査部シニアマネージャーの曾瑞榆氏は、今年の半
導体設備市場の成長は主に半導体ファウンドリ業界及びメモリ業界の設備投資に牽引さ
れていると指摘している。
590 号 6 月 16 日
【EMS】富士康、中国沿海部生産能力の内陸への大規模シフトを計画
2010/6/12 中華液晶網
世界最大の EMS メーカーである鴻海(Foxconn)傘下の富士康国際は 6 月 2 日、中国内地
工場全ての工員の基本給与を 3 割引き上げることを発表したのに続き、その 4 日後に深
圳工場の 3 ヶ月の試験に合格した作業員及びライン班長の基本給与を今年 10 月 1 日から
月額 2000 元に 66%引き上げることを発表したことが市場関係者を驚かせている。
市場は、6 月 2 日に発表した 30%の引き上げは想定内だったが、その後に発表された 66%
の引き上げについては意表をつかれたとしており、EMS 最大手で深圳で最大の外資系企
業の富士康が計画を前倒しして取った措置だけに周辺の外資系企業に与える影響は大き
いと見ている。また、市場関係者は、富士康の相次ぐ工員の処遇改善策は、中国政府が
現在策定中の所得倍増計画に呼応したものとも言われている。
また、富士康が一部の生産拠点を台湾の完全自動化工場に再シフトするとの報道も伝え
られており、複数の報道が錯綜していることから、メディア及び広東省当地のその他の
外資系企業は、世界の電子産業に大きな影響力を持つ富士康トップの郭台銘(Terry Gou)
氏の戦略が完全に掴めない状況にもある。
なお、6 月 11 日、富士康内部関係者によると、66%の給与引き上げは、現場工員との直
接交渉の結果であり、その成果は 30%の引き上げよりもはるかに大きいことを強調して
いる。
市場関係者の試算によると、富士康深圳各工場の総工員数は約 45 万人であるので、仮に
全ての員工の基本給与が 900 元から 2000 元に引き上げられたとすると、富士康の月額人
件費は 5 億元の増額となり、年間では 60 億元近い増額となる見通し。昨年の富士康の純
利益が 23 億米ドル、人民元にすると 155 億元であるので、深圳地区の人件費増額だけで
富士康集団純利益の 1/3 近くが消失することになるという。
一方、富士康経営陣に近い深圳の台湾系企業関係者は、富士康の第二次給与引き上げの
28
2010 年 6 月号
中で最も重要なキーワードは深圳ということ、第一次給与引き上げが中国全土に適用さ
れるのに対し、第二次給与引き上げは深圳地区の工場に限定されていることが重要であ
ると指摘する。そのため、富士康は今後深圳の生産能力の相当部分を内陸部に移転する
計画で、深圳工場の工員の給与引き上げに伴う人件費の増額は市場が予想しているほど
深刻なものではないと指摘している。
富士康深圳は一部生産能力の内陸シフトに伴って、5 月 29 日から深圳での新規工員募集
を停止しており、通常毎日数千人の人で混雑する深圳龍華科技園南門が 5 月 29 日以降は
閑散としているとしているという。関係者は、深圳龍華科技園が数千、数万の人でごっ
た返す日が再来することはないだろうと説明する。
富士康などの労働集約型の企業が今後インド、ベトナムなどに大規模シフトするのでは
ないかという懸念について、深圳台商協会龍崗地区の責任者は、中国の労働集約型工場
で働く工員の質及び勤務態度はインド、ベトナムに比べ依然優位性がある、また台湾メ
ーカーにとっては、中国内地は言語が同じであるというコミュニケーションおける絶対
的優位性がある、さらに現地政府の税制面での柔軟性も無視できない優位性だと指摘す
る。
香港に上場している富士康国際主席の陳偉良氏は先日、ユーザーとの来年度の価格交渉
が 7-9 月には完了することから、人件費の増額をユーザーに転嫁する方針だが、Apple、
Dell、HP といった世界の大手ブランドメーカーが生産の内陸部シフトを強く求めてくる
ことが予想されている。
小売価格 500 米ドルの Apple iPad タブレット型パソコンの部品・原材料コストは 1 台当
たりわずか 100 米ドル、富士康などのアッセンブリの収益は 1 台当たりわずか 20 米ドル
前後といわれている。iPad の販売台数は販売開始 2 ヶ月で既に 200 万台を突破しており、
富士康も大きな恩恵を受けているが、低収益率の EMS メーカーにとっては人件費の上昇
は死活問題となる。
【液晶 TV】中国の液晶テレビ OEM 急増 世界の液晶テレビ製造業を牽引
2010/6/12 Wall Street Journal
中国内地の液晶テレビ OEM 産業は、賃金の上昇という優位性低下はあるものの、生産規
模を急速に拡大しており、世界の液晶テレビ製造業を牽引している。中国内地の液晶テ
レビ OEM 産業成長の最大の原動力は、ソニー、東芝、LG といった世界の大手液晶テレビ
ブランドメーカーが価格下落に伴うコスト圧力に晒されていることに伴う外注生産拡大
である。直近の今年 5 月末現在、42 型液晶テレビの平均価格は韓国、日本、メキシコ等
では採算が取れない 1000 米ドルを切る水準まで下落している。
世界の大手ブランドメーカーは、液晶テレビの収益を確保するため、ロー及びミドルエ
ンドの製品の生産を富士康のような EMS メーカーに委託し始めており、こうした生産コ
ストの削減とともに、部品調達の見直しなどにも取り組んでいる。
中でも、赤字経営が続いているソニーは、本邦の複数工場を閉鎖し、2 万人近くの従業
員を削減するとともに、またメキシコ工場を富士康に売却するなど、製品の外注比率を
50%以上に引き上げる計画を進めている。JP モルガンの推計によると、今年の液晶テレ
29
2010 年 6 月号
ビ OEM 市場規模は昨年比 2 倍の 210 億米ドルに達する見通しで、来年はさらに前年比 1.5
倍、前前年比 3 倍の 300 億米ドル規模に達すると見られている。
このように、賃金コストの上昇は必ずしも中国内地の OEM メーカーの受注減少を生む結
果にはつながっておらず、世界最大の液晶モニタ及びテレビ OEM メーカーである冠捷科
技(TPV)は、今年 1 月に賃金を 15%を引き上げ、その後さらに 15-20%引き上げたが、依
然人件費コストは同社の売上高の 1%未満で、給与引き上げのコストへの影響は限定的だ
としている。なお、今年の冠捷科技の液晶テレビ出荷金額は 42 億米ドルに達する見通し。
【LED】LED バックライト型パネル価格、6 月は上昇一服、7 月以降再上昇
2010/6/12 LED 環球在線
CCFL(冷陰極管)バックライト搭載液晶パネル価格が 5 月以降も下落が続いているのに
対し、LED バックライト搭載パネルは逆に上昇傾向が続いているが、今月は中国の液晶
テレビの出荷が当初予想を下回っていることから、台湾の液晶パネルメーカーを中心に、
これまで最も販売が伸びていた 32 型 LED バックライト搭載パネルの値上げを見送る動き
が見られる。
ただ、エッジ発光型の LED バックライト方式の普及により、これまでの直下型 CCFL バッ
クライト方式では必要なかったポリプロピレン製の導光板の需要が激増、高輝度白色
LED 及び拡散板などの光学部材の需要が増加、LED バックライト歩留まりが横這い傾向に
あるといった逼迫状態は続いていることから、価格が下落に向かうことはない見通し。
また、アップル iPad 用 10 インチパネルの生産が激増していることから、大手液晶パネ
ルメーカーが第 5 世代以降の生産ラインの配分を見直す動きも見られ、大型 LED バック
ライト搭載パネルの逼迫状態を助長しているという。
今後の価格動向については、6 月は 5 月比横ばいとなるが、7 月には中国の国慶節商戦か
ら年末商戦にかけてブランドメーカーの大口発注が始まるため、再び緩やかな上昇に転
じ、8 月からはその上昇のテンポが加速、11 月まで上昇基調が続く見通し。
ただ、ユーロ経済の後退、中国内地の ODM 工場の賃金上昇、朝鲜半島情勢など、不安定
要素があるため、必ずしも例年通りの価格推移となるとは限らないとも指摘している。
【LED】広東省、総額 1 千億元規模の LED 照明産業発展計画を策定
2010-06-12 電子元件技術網
現在開催中の広州国際照明 LED 産業フォーラムによると、中
国国内では初めてとなる総額 1 千億元規模の LED 照明産業発
展計画の策定が広東省で始まった。広東省の LED 照明及び関
連産業規模は既に 300 億元を超えており、広東省は LED 照明
産業をハイエンド新型電子情報産業、電気自動車産業ととも
に省の重点発展 3 大戦略新興産業の 1 つに位置づけている。
中国の LED 照明工業は昨年から急速に勃興し始め、昨年の生
産高は前年比 30%以上増の 1000 億元に達している。特に広東
30
2010 年 6 月号
省は中国国内最大の LED 照明産業基地であり、また中国国内最大の LED 照明市場でもあ
ることから、中国国内の LED 実装産業の 7 割が広東省に集中している。
中国の LED 照明産業の勃興に伴って、中国地場の LED 関連メーカーの株価も急上昇して
おり、2009 年年初から 2010 年 3 月までのわずか 1 年の期間に、徳豪潤達(Electech)
の株価が 2.81 元から 20.29 元、士蘭微電子(Silan)の株価は 3.35 元から 14.85 元に上
昇、浙江陽光(Yankon)、雪莱特光電(Cnlight)、真明麗集団(Neo-Neon)、雷士照明
(NVC-lighting)などのメーカーが上場を実現している。
ただ、中国国内の LED 産業は過度に実装分野に集中しており、LED の核心技術では欧米・
日本に大きく遅れを取っていることが問題視されており、広東省の LED 照明における大
規模な長期発展計画がその打開策となることが期待されている。
徳豪潤達:www.electech.com.cn/ 士蘭微電子:www.silan.com.cn/
浙江陽光:www.yankon.com/ 雪莱特光電:www.cnlight.com/
真明麗集団:pro.neo-neon.com/
雷士照明:www.nvc-lighting.com.cn/
【電池材料】江蘇国泰、年産 3 千トンのリチウム電池電解液プラント稼働
中国電池網 2010-6-12
中国地場最大のリチウム電池電解液メーカーである江蘇国泰傘下の華栄化工は、現在
2500 トンのリチウム電池電解液の生産能力を有し、同社ブランド SHINESTAR の中国国内
市場でのシェアは 40%に達しているが、今般新たに年産 3000 トンのリチウムイオン電池
電解液生産プラントを稼働させた。新プラントとの量産により、同社のリチウムイオン
電池電解液の世界シェアは第 3 位となる見通し。
【電池材料】中国のリン酸鉄リチウム電極産業急成長 8 社が量産確立
2010-06-12 電子元件技術網
新エネルギー材料の需要の増加、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ、ビデオ
カメラ、自動車等の高性能、省エネルギー材料需要の高まりにより、中国内地のリチウ
ム電池、太陽電池産業が急速に成長しており、それに伴って電池用材料産業の発展も急
速に進展している。
中国の電池材料市場は主にリチウム電池材料及び太陽電池材料が占めているが、中国国
内の太陽電池電池の大規模な実用化には尚一定の時間がかかること、また中国国内の太
陽電池材料メーカーの製造技術が海外の水準に比べ依然遅れていることから、太陽電池
電池材料の殆どは海外からの輸入に依存している状況にある。
一方、リチウム電池については、相対的に産業の集積が進んでいる。特にコバルトやニ
ッケルを電極としたリチウム電池に比べ安全性が高いリン酸鉄リチウム電池は、安全性
が高く、資源制約も少ないことから、小型のリン酸鉄リチウムイオン電池の生産量は世
界のリチウム電池市場全体の 3 分の 1 余りに達しており、今後は自動車などに使われる
大型のリン酸鉄リチウム電池の量産も期待されている。
リン酸鉄リチウムイオン電池はその高い安全性ゆえ、ハイブリッドエンジン自動車、電
31
2010 年 6 月号
動工具、電動自転車、発電蓄電装置など幅広い領域で利用されており、リチウムイオン
電池革命を推進する上で今最も注目されている。省エネブームに伴うハイブリッドエン
ジン自動車市場の急拡大に伴って、リン酸鉄リチウム電池の市場規模も急速に成長して
おり、今年のハイブリッドエンジン自動車用リン酸鉄リチウム電池の世界市場規模は
1000 億元を突破すると見られている。
現在、世界のリン酸鉄リチウム電池市場をリードする企業は米国の A123 及び Valence、
カナダの Phostech の 3 社で、3 社ともに既に高い量産技術を獲得しており、3 社の合計
年産能力は 4000 トンに達している。
一方、中国企業も 2001 年からリン酸鉄リチウム電極材料の開発を開始しており、ここ数
年、中国のリン酸鉄リチウム電池企業が急成長している。昨年 1 年間だけで、中国全土
の計 50-60 社のリン酸鉄リチウム電極材料メーカーがリン酸鉄リチウム電極材料の生産
ラインを完成させており、これら全てが稼働すれば、中国全土のリン酸鉄リチウム電極
材料の年産能力は 5000 トンに達する見通し。中でも、
いち早く量産を開始した天津斯特蘭(STL-Energy)、
北大先行(Pulead)、比亜迪(BYD)、湖南杉杉新材料
(SS Material、戸田工業が出資している)などの 8
社が注目されている。ただ、今年の中国国内のリン酸
鉄リチウム材料の需要量は 1.5 万トン超になる見通し
で、依然 1 万トン余りの供給不足があると見られてい
る。世界規模でみても、リン酸鉄リチウムの供給不足は 10 万トンに上ると見られている。
天津斯特蘭:www.stl-energy.com.cn/ 北大先行:www.pulead.com.cn/
湖南杉杉新材料:www.ssmaterial.com/
【半導体】盛美、独自 SAPS メガソニック 12 インチ洗浄設備を Hynix に納入
2010-06-12 新華網
上海浦東張江ハイテク園区に本社を置く中国地場の半導体関連装置メーカー、盛美半導
体設備(上海)有限公司は、独自開発した 12 インチ 45 ナノ半導体ウエハ洗浄設備を韓
国半導体メモリ大手の Hynix 社への納入を完了したことを明らかにした。中国地場メー
カーが独自開発した 12 インチ半導体製造関連設備を韓国メーカーに納入するのは今回
が初めてだという。
盛美半導体設備(上海)有限公司 CEO の王暉博士氏は、同社のウエハ洗浄装置は 8 つの
独立した洗浄プレートを配置し、独自の SAPS メガソニック(Mega-sonic)洗浄技術によ
り、最大産出効率は 1 時間 400 枚に達することを明らかにしている。
高周波振動が細かくマイルドなメガソニック洗浄技術は、45 ナノ以下の技術を用いたデ
リケートなウエハの洗浄に適しており、王暉博士は SAPS メガソニック技術により、12
インチウエハ表面のメガソニックの非均一性を 2%以内に抑制することに成功している
ことを強調してる。
32
2010 年 6 月号
【受動部品】東晶、3 億元投じ SMD 水晶振動子生産ライン改造・新設
21CN 財経済綜合 2010-6-12
中国地場の水晶振動子メーカー、東晶電子は、3 億元の資金調達を行い、年産 1.2 億個
の 3G 通信設備用小型 SMD 圧電水晶振動子生産ラインの改造とともに、年産 1.6 億個の小
型高精度 SMD 水晶振動子生産ラインの建設を行うことを明らかにした。
591 号 6 月 18 日
【液晶 TV】清華同方、シャープ中国法人シニア幹部を招聘し TV 事業強化
北京商報 2010/6/13
中国地場大手 IT 機器メーカーである清華同方は、液晶テレビ事業強化の一環で、日本の
シャープの中国法人統括会社である夏普商貿(中国)有限公司家電本部副総経理の劉偉氏
を招聘したことが明らかになった。清華同方股份有限公司副総裁の王良海氏は、劉偉氏
の招聘は始まりに過ぎない、これから家電業界、特にデジタルテレビ関連業界のエリー
ト人材の招聘を本格的に始めることを明らかにした。
清華同方は、昨年末に子会社の瀋陽同方多媒体に対して 2.3 億元の増資を行い、瀋陽同
方の年産能力を 300 万台に拡張している。また、今年 5 月からは広西自治区欽州河東工
業園区電子産業園に 25 億元を投じて年産能力 400 万台のデジタルテレビ生産工場を建設
している。さらに、清華同方は中国中央テレビ局インターネットテレビ局コンテンツプ
ラットフォーム部門と提携しインターネットテレビ放送にも直接参画している。
ただ、既存の大手メーカーである創維(Skyworth)、TCL のような決定的な優位性を持た
ない清華同方のカラーテレビ事業が、同方ブランド DVD 事業、屋外中央空調事業のよう
に伸び悩むことも予想されており、これから幾つかの壁を突破する必要があるといわれ
ている。
【タッチパネル】勝華、RIM/モトローラからタッチパネル受注 東莞工場拡張急ぐ
DIGITIMES 15-6-2010
世界最大の中小型液晶パネルメーカーである勝華科技(Wintek)は、世界第 4 位の携帯
電話メーカーとなったカナダ Research in Motion(RIM)及び同第 6 位のモトローラから
大口のタッチパネルを受注したことを明らかにした。
現在、タッチパネル事業は勝華の総売上高の 50%余りを占める最大の中核事業となって
いるが、今年下期にはその比率はさらに 60%を超える見通しだという。
また、勝華のタッチパネル生産ラインは年初からフル稼働が続いていることから、中国
広東省の東莞工場の拡張を急いでいるという。今年 9 月までには前工程の ITO フィルム
の生産から後工程のモジュールの組み立てまでを一貫して行うことができる生産ライン
が完成するという。
なお、勝華の今年 5 月の連結売上高は 47.3 億 NTD で前月比 26.98%増、
前年同月比 137.69%
33
2010 年 6 月号
増、1−5 月の連結売上高は 160.4 億 NTD で前年同期比 65.7%増だった。
【電子紙】元太、5 月の売上高は前月比 4%増 北米・中国市場が牽引
DIGITIMES 15-6-2010
世界最大の電子書籍用電子ペーパー(EPD)メーカーである元太(PVI)は、今年 5 月の連結
売上高が 17.7 億 NTD(5479 万米ドル)で 4 月比 4.49%増、前年同月比 45.72%増となったこ
と、1-5 月の累計連結売上高は 84.8 億 NTD で前年同期比 65.14%増となったことを発表し
た。
元太董事長の Scott Liu 氏は、米国及びアジアが世界の電子書籍リーダー市場の成長を
牽引しているが、中でも中国内地が世界需要の 20%を占めるまでに成長してきているこ
とを明らかにしている。
また同氏は、中国地場最大手の漢王(Hanvon)のほか、台湾の宏碁(Acer)、米国 ViewSonic
といったパソコンメーカーが相次いで今年 7-9 月に電子書籍リーダー新製品を投入する
ことから年末商戦まで売上高の伸張が続くとしている。
【携帯電話】華宝、携帯電話の出荷量目標を前年比 4 割減に下方修正
DIGITIMES 15-7-2010
大手携帯電話 OEM メーカーである華宝(Compal Communications)は、売上高の 4 割を占
める米 Palm 社からの受注が予想を大幅に下回ること、売上高の 2 割を占める米モトロー
ラ社の販売も不振が続いていることなどから、今年の出荷量目標を前年比 600 万台減の
1000 万台に下方修正した。
同社は過去 2 年間は台湾の携帯電話 OEM メーカーにとっては嘗てない厳しいものだった
が、下期からは新たに構築したスマートフォン事業部が受注を開始すること、また米
Palm 社が HP に買収され新製品を投入してくることから業績が回復してくるとの見方を
示している。
【LED】東貝、照明用 LED 売上高が来年には総売上の 3 割占めると
DIGITIMES 15-6-2010
大手 LED 実装メーカーの東貝光電(Unity Opto)は、中核事業である液晶パネル用大型
LED バックライト、照明用 LED ライト、自動車用 LED ライトの中でも、照明用 LED チッ
プの出荷量が 50 万個に達し、総売上高の 16%を占めたこと、今年年末には同比率が 20%、
来年には米国、欧州、日本、中国の LED 電球ブランドメーカー向け OEM 生産が伸張する
ことから 30%を超えるとの見通しを明らかにした。
一方、テレビ用大型 LED バックライト事業については、テレビの LED バックライト採用
比率が年内には業界のコンセンサスとなっている 30%には届かないとの悲観的見方を示
した。また、自動車用 LED ライトについては、今のところ、同社の売上高の 6-8%を占め
るに過ぎないが、来年からは中国内地の自動車産業向け売上拡大が期待できるとしてい
34
2010 年 6 月号
る。なお、同社の今年 1-5 月の売上高は前年同期比 118.75%増の 25.1 億 NTD(7771 万米
ドル)だった。
【LED】三星電子、天津にモジュール含む新規 LED 生産ラインを完成・稼働
中国家電網 2010/6/13
韓国の三星電子は、中国天津市に建設していた新規 LED 生産ラインを先日竣工、正式に
稼働させた。同生産ラインの稼働により、天津 LED 工場の LED 実装製品の生産能力は 2
倍になるとともに、新たに LED バックライト液晶 TV 用モジュールの生産も開始すること
を明らかにしている。
天津三星 LED 有限公司は昨年 6 月に天津経済技術開発区微電子工業区内に設立され、主
に LED バックライト製品の実装を行っている。
【太陽電池】比亜迪の陝西での年産 5GW 太陽電池基地建設は可能か
慧聡電子網 2010-6-13
陝西省政府は 2010 年から 2020 年までの長期循環型経済産業発展計画で、その実行のた
めの 10 大プロジェクトとして中国最大の小型リチウム電池メーカーで携帯電話 OEM 事業
や自動車製造も手がける比亜迪(BYD)と共同で総額 225 億元を投じて年産能力 5000 ギ
ガワット(5 ギガワット)の太陽電池生産基地を 2015 年までに建設する計画を明らかに
している。
現在、中国最大の太陽電池メーカーは無錫尚徳(Suntech)で、その年産能力は 1000 メ
ガワットであるが、今後年率 50%でその生産能力を拡張しても、2015 年にようやく 5000
メガワットに達することから、比亜迪の 2015 年年産能力 5000 メガワット達成は実現不
可能に近い高い目標といわれている。
無錫尚徳董事長の施正栄氏は 8 年の時間をかけてようやく太陽電池の生産能力が 1000
メガワットに達したことから、比亜迪董事長の王伝福氏の 5 年で年産 5000 メガワットの
太陽電池生産基地建設は不可能と見ている。昨年 1 年間のドイツの太陽電池需要が 2500
メガワット前後であること、中国国内全体の太陽電池総生産能力が 5000-6000 メガワッ
トで既に世界の 40%を占めていることからも、比亜迪の計画の無謀さがうかがえるとい
う。
一方、比亜迪が仮に太陽電池製造で画期的な技術を開発していれば、米 First Solar が
テルル化カドニウム(CdTe)薄膜太陽電池で一気に世界最大手に躍進したことからも、5
年で 5000 メガワットは実現可能と見る向きもある。
【賃金】富士康・郭台銘氏、中国内地の賃金上昇これまでで最も深刻と
台湾経済日報 2010.06.17
中国政府が本格的に物価上昇に連動した法定最低賃金引き上げを導入すること、また来
年には日本に倣った所得倍増計画を発表すること、さらに EMS 業界最大手の富士康
35
2010 年 6 月号
(Foxconn)が中国内地全ての工場の 30%の賃金引き上げを決めたことなどが中国に進出
している電子産業に大きな影響を与える見通しで、ノートパソコン ODM メーカーやマザ
ーボード ODM メーカー、部品メーカーの収益を 3-4%、ノート PC ブランドメーカーの収
益を 1%前後圧迫すると見られている。
中でも、大手ノートパソコン ODM メーカーは、2008 年に中国政府が新たに導入した労働
契約法に伴う人件費の上昇をブランドメーカーに転嫁した際、一部のブランドメーカー
が値上げ幅を低めに抑えた他社に切り替えた経緯もあって、ブランドメーカーに対して
値上げを積極的に提示する機運にはないという。そのため、ブランドメーカーの新機種
投入のタイミングを狙って価格調整に便乗する形で消費者に見えない形で値上げを進め
ようと考えているという。
ただ、今回の中国内地の賃金上昇は、中国政府の所得倍増計画とも深く関連することか
ら、鴻海董事長の郭台銘(Terry Gou)氏はこれまでで最も深刻な労働環境の変化になる
と予想しているという。富士康の 2 度にわたる賃金引上げ、広州ホンダ系列部品メーカ
ーでのストは氷山の一角に過ぎず、中国全土レベルで予想以上の賃金上昇が進展してい
ると見られている。
【PCB】台湾上場 PCB 原材料メーカー 2010 年 4 月売上高一覧
36
2010 年 6 月号
592 号 6 月 21 日
【液晶パネル】旭硝子/昭電工/東レ等の LCD 部材メーカー、中国シフト加速
2010-6-17 PCB 網城
中国内地の年間液晶テレビ販売台数が 2000 万台を突破し、来年には世界最大の液晶テレ
ビ市場となること、また中国内地で現地生産することのコスト優位性、さらに中国内地
の輸入関税が相対的に高いのに対し法人税は相対的に低いことなどの理由から、世界の
大手液晶パネルメーカーが前工程の生産ラインを中国内地にシフトする計画を相次いで
発表、それに呼応して液晶パネル前工程関連部材メーカーの中国進出も加速している。
ガラス基板大手の旭硝子が江蘇省昆山市に第 8 世代ガラス基板生産基地を建設し来秋に
は稼働する計画であるほか、エレクトロニクス向け洗浄剤大手の昭和
電工は浙江省衢州市(右地図)に液晶パネル製造工程フォトレジスト
洗浄・溶媒用高純度シクロヘキサノンの量産ラインを建設することを
発表している。また、薄膜大手の東レは中国内地で液晶パネル用 PET
薄膜を生産する計画を発表している。
【パソコン】仁宝、四川省に工場建設・少量生産開始 来春に量産開始
DIGITIMES 18-6-2010
ノートパソコン ODM 世界最大手の仁宝(Compal)董事長の Rock Hsu 氏は、中国内陸部の
四川省のユーザー向けに四川省に工場を建設し少量生産を開始したこと、来年からは量
産に入ることを明らかにした。
ベトナムへの投資については、今年 10-12 月までに工場の建設を終え、来年初めから生
産を開始する予定だという。また、タイでの工場建設も F/S に入っていることを明らか
にした。
四川省重慶市には、同業大手の鴻海(Foxconn)、広達(Quanta)、英業達(Inventec)も
37
2010 年 6 月号
工場を建設中で、四川省がノートパソコン ODM 産業の重要なシフト先となっている。
Hsu 氏は中国内地の賃金上昇については、避けては通れないプロセスであり、同社の平
均賃金も今年は 10-20%上昇することを明らかにしている。また、ユーロ不安については、
EU が金融機関のストレステスト結果を公表するなど、不透明感が払拭されてくれば、回
復に向かうとの見方を示した。
【タッチパネル】洋華/光宝、広東省恵州にタッチパネルモジュール合弁設立
DIGITIMES 18-6-2010
世界第 2 位のタッチパネルメーカーである洋華(Young Fast)は、光宝科技傘下の携帯
電話事業子会社、光宝移動(Lite-on Mobile)と合弁で中国内地広東省の恵州にタッチ
パネルモジュールを生産する合弁企業を設立することを発表した。
洋華は合弁企業に 3 億 4100 万 NTD(1059 万米ドル)を出資し 35%、光宝移動が残り 65%の
持分を取得するという。合弁企業は今年 10-12 月から稼働、月産能力は来年 150 万枚に
達する計画だという。
両社は合弁を通じて、洋華は光宝移動の顧客ユーザーへの販売拡大、光宝移動は従来か
らのコア製品群である筐体、アンテナ、モジュールアッセンブリにタッチパネルモジュ
ールを加えることでユーザーへの販売力を強化できるとしている。
洋華 CEO の TJ Lin 氏は、携帯電話のウィンドウパネル及び携帯電話のフロントカバーパ
ネルをタッチパネルにするトレンドが進んでいることから、光宝移動との恵州での合弁
は主にこうしたトレンドに対応した製品を生産することになるとしている。
光宝移動:www.liteonmobile.com/
【パソコン】ノート PC ODM メーカー、欧米入学シーズン到来で 3Q 出荷楽観視
DIGITIMES 17-6-2010
広達(Quanta)、仁宝(Compal)、緯創(Wistron)等の大手ノートパソコン ODM メーカー
は、欧米の入学シーズンの到来に伴ってノートパソコンの出荷増が見込めることから、
7-9 月の業績を楽観視していることを明らかにした。
ユーロ不安が 4 月・5 月の出荷に大きな影響を与えたものの、世界の 2 大ノートパソコ
ンブランドメーカーである HP 及び宏碁(Acer)が今月に入ってノートパソコン ODM メー
カーに対する発注を回復させていていることから、各社に安心感が広がっているという。
中でも、業界第 2 位の広達は、受注見通しが 8 月まで立っていること、他社に比べ個人
向けノート PC 出荷比率が高いことなどから、7-9 月の業績を楽観視、市場も同社の 7-9
月の出荷量は 4-6 月比 10-15%増となると予測している。
一方、業界第 1 位の仁宝は、4 月・5 月のノート PC 出荷量が広達を下回ったものの、今
年上期通じてのノート PC 出荷量は広達を上回る見通しを明らかにしている。出荷のピー
クが 8 月から 9 月になることから、7-9 月の出荷量は 4-6 月比 5-10%増を見込んでいると
いう。
緯創董事長の Simon Lin 氏は、4 月・5 月に大幅に落ち込んでいたノート PC の受注が今
38
2010 年 6 月号
月は通常ラインまで回復したこと、来月も今月並みの受注が見込めることから、市場で
も同社の今年 7-9 月の出荷量は 4-6 月比 15-20%増と予測している。
ブランド最大手の HP が Compaq ノートパソコンとプリンタをセットにした学割セールを
計画するなど、主要ブランドメーカーが 9 月の入学シーズンに向けて大規模な販売促進
を計画していることから、ユーロ不安に落ち着きが出れば、秋の販売にも期待できる見
通し。
【デジカメ】華晶、今年 2Q のデジカメ出荷量 1Q 比 30%増見込む
DIGITIMES 17-6-2010
世界最大のデジタルカメラ ODM メーカーである華晶(Altek)董事長の Alex Hsia 氏は、
今年 4-6 月のデジタルカメラ出荷量が 1-3 月比 30%増となることを明らかにした。ただ、
4-6 月の受注量が 1-3 月比 40%増だったのに対し、出荷量実績が 1-3 月比 30%増にとどま
ったことについては、部品供給の逼迫が主因との見方を示した。また粗利益率も部品価
格の上昇により 10%前後に低下することを明らかにしている。
現在 5 千万米ドルを投じて建設中の昆山第 2 工場については、計画月産能力は 200 万台
で、完成すれば、第 1 工場の月産 300 万台と合わせて総月産能力は 500 万台に達すると
している。
なお、華晶が現在生産しているデジタルカメラの 90%は 1200-1400 万画素機種、残り 10%
は 1000 万画素機種だが、来年初めから 1600-1800 万画素機種の生産を開始することも明
らかにした。また、現有のユーザーの 95%が日系・米系で、それぞれの出荷比率は 50%、
45%であること、来年には日系向けの出荷比率が 60-70%まで拡大する見通しも明らかに
した。
【LED】彩虹、合肥の総投資額 100 億元の LED 産業基地建設に調印
新華網安徽頻道 2010/6/18
中国最大のブラウン管メーカーでガラス基板事業へのシフトを加速している彩虹集団傘
下の LED 事業会社、上海藍光科技有限公司は、今月 18 日、合肥市新站綜合開発試験区に
総額 100 億元を投じて青色 LED 生産ラインを建設することで同区と正式に契約を締結し
たことを明らかにした。
合肥新站綜合開発試験区には、京東方(BOE)の第 6 世代液晶パネル生産事業、合肥市政
府系の鑫昊等離子のプラズマパネル生産事業なども現在進行中であり、中国国内有数の
ディスプレイ産業基地となる見通し。
彩虹集団の青色 LED 生産事業は、工期 3 年、計 200 台の
MOCVD 設備及びチップ生産ラインを構築する計画で、第 1
期では 20 億元を投じて 50 台の MOCVD 設備を導入、年間
420 億個の LED チップを生産、年間 23 億元の売上高を見
込んでいる。また第 2 期では残り 150 台の MOCVD 設備を
導入、年間売上高 115 億元を見込んでいる。
39
2010 年 6 月号
彩虹集団の安徽省合肥における青色 LED チップ生産事業は、京東方の第 6 世代液晶パネ
ル生産事業向けに LED バックライトを供給することも視野に入れているという。
上海藍光科技:www.shblue.com/
【LED】世界の LED TV 出荷量、前年比 8 倍超の 3160 万台に達する
DIGITIMES 17-6-2010
台湾の IT 市場調査機関 Digitime Research は、大手液晶テレビブランドメーカーが今年
の LED バックライト液晶テレビの出荷量目標を相次いで引き上げていることから、今年
の世界の LED バックライト LCD TV の出荷量が前年の 360 万台の 8 倍以上の 3160 万台に
達するとの予測を示した。中でも、三星は今年 19 型から 65 型までをカバーする 1000
万台の LED バックライト TV を出荷することを明らかにしている。
これまで LED 液晶テレビは 40-42 型に集中していたが、足もとでは 26 型や 32 型にも応
用が広がっており、三星、LG Display、シャープ、友達、奇美が既に 26 型テレビ用 LED
バックライトの量産を開始している。
【太陽電池】LG が低価格攻勢 中国・台湾の太陽電池メーカーの脅威に
DIGITIMES 17-6-2010
先日開催された太陽電池展示会 Intersolar によると、韓国の LG 電子が、太陽電池事業
への集中投資により、単結晶シリコンで 18.5%、多結晶シリコンで 17.5%のエネルギー転
換効率を達成するとともに、太陽電池モジュールを 1 ワット当たり 1.55 米ドルの低価格
で販売することを明らかにした。
資金力で優位に立つ韓国メーカーがいよいよ世界シェアで勝る中国内地及び台湾の太陽
電池セルメーカーに圧力を掛け始めたと見られている。
【PCB】日立ビア、8 月に常熟工場第 1 期稼働 同時に 2 期建設も決定
TPCA 第 554 期週報
プリント配線基板製造設備大手の日立ビアは、中国常熟工場第 1 期が来月完成、8 月か
ら正式稼働させるとともに、1000 万米ドルを再投資し第 2 期として同地区にレーザード
リル装置生産工場を建設することを明らかにした。
日立ビア常熟工場は、江蘇省常熟東南経済開発区内にあり、従業員は 100 名、主にプリ
ント基板ドリル装置を生産している。
【PCB】宝成、瀚宇博徳への精成科技 40%持分売却でシナジーを期待
2010-6-18 udn.com
世界最大の運動シューズ OEM メーカーで電子機器事業も行っている台湾の宝成集団(Pou
Chen)は、プリント配線基板(PCB)事業を行う精成科技(GBM)の 40%の持分を世界最
40
2010 年 6 月号
大のノートパソコン用 PCB メーカーである瀚宇博徳(Hannstar Board)に売却できたこ
とにより、PCB 事業でシナジーが期待できるとの見方を示した。
ただ、その一方で、宝成集団総裁の蔡其瑞氏は、今後グループにおける電子事業の比率
を徐々に引き下げる計画で、長期的には電子事業からは撤退し、経営資源をシューズ及
び流通事業に集中することも明らかにしている。
【PCB】携帯電話 PCB メーカー、スマートフォンブーム梃子に 5 月も売上伸張
2010-6-18 中国 PCB 産業協会
携帯電話用プリント配線基板(PCB)大手の華通(Compeq)、楠梓(WUS)、耀華(Unitech)、
欣興(Unimicron)はいずれもスマートフォンブームを梃子に今年 5 月の売上高が 4 月比
伸張したことを明らかにした。
このうち、最大手の欣興は、スマートフォン向け PCB 受注が予想以上に好調であること、
耀華もスマートフォン向けが好調で 4-6 月の売上高は 1-3 月比 25%増となる見通しを明
らかにしている。両社ともにスマートフォン向けハイレンジの 3 段及び 4 段以上 HDI 基
板の出荷が伸びているという。
携帯電話向けでは、PCB メーカーのみならず、IC 基板メーカーの景碩(Kinsus)も売上
を伸びており、同社の今年 5 月の売上高は過去 4 年で最高に達したという。
【半導体】ハイニックス、中国に 2 つ目のメモリ実装工場を完成・稼働
2010-06-18 DigiTimes
韓国のメモリ大手のハイニックス(Hynix)は、中国内地の無錫市に 2 つ目のメモリ実装工
場を完成、稼働させた。工場の事業主体は Hitech 半導体封装測試有限公司で、中国地場
の繊維メーカーで多角化を進めている無錫太極実業との合弁企業で、ハイニックスが
45%、太極実業が 55%を出資しているという。月産能力は 1GB メモリ換算 1 億個だという。
無錫太極実業:www.wxtj.com/
593 号 6 月 23 日
【液晶パネル】上海凱鑫森、中国初の LCD 光学フィルム/偏光板生産開始
第一財経日報 2010/6/21
中国地場のアルミ塗料大手の上海凱蘭達傘下の上海凱鑫森功能性薄膜産業有限公司は、
中国地場メーカー初となる液晶パネルバックライトモジュール用光学フィルム、液晶パ
ネルモジュール用偏光板の生産を来月中旬から開始することを明らかにした。
総投資額は 3 億元、年産能力は 7440 万平米、中小型バックライトモジュール向けに供給
するという。将来的には総額 50 億元を投じて生産能力を段階的に拡張していく計画。
昨年の中国内地のバックライトモジュール用途光学フィルム需要は 500 億元に上るが、
全量を米国 3M、韓国 Mntech、日本の日東電工、Efun、五洋などから輸入、特に米 3M、
41
2010 年 6 月号
日東電工からの輸入が大半を占めているという。
DisplaySearch によると、昨年の世界の液晶パネル用光学フィルム出荷量面積は 5.43 億
平米、来年は 6.06 億平米に達する見通し、ただ価格は下落基調にあるとしている。
【タッチパネル】勝華、iPad 効果で 9 月以降に業績が爆発的に伸張すると
中国触摸屏網 2010/6/21
パソコン用タッチパネルの需要は一昨年 26%、昨年は 52%の高成長をしてきたが、今年は
iPad の登場で爆発的に成長する見通しで、IT 市場調査大手の iSuppli は、今年の世界の
パソコン用タッチパネル出荷量は前年の 18 万枚をはるかに上回る 890 万枚に達し、2013
年には同出荷量が今年比 6 倍の 6390 万枚に達するとの予測を明らかにしている。
こうしたタッチパネルブームを受けて、静電容量式タッチパネル大手の勝華(Wintek)、
抵抗膜式タッチパネル最大手の洋華(Young Fast)、今年 7-9 月に上場を予定しているタ
ッチパネル大手の介面(JTouch)が業績を爆発的に伸ばすと見られている。
中小型液晶パネル最大手の勝華董事長兼総経理の黄顕雄氏は、勝華はアップル、LG、RIM
等の大手ブランドメーカー向けにタッチパネルを出荷しているが、今年 1-3 月の静電容
量式タッチパネル出荷量シェアは世界首位になった、また今後 2-3 年は世界出荷量シェ
ア 1 位を維持できる見通し、現在月間 70 億 NTD 相当のタッチパネルを受注しており、9
月からは業績が爆発的に伸張することを明らかにしている。勝華は昨年末に月間出荷量
300 万枚の 10 インチ静電容量式タッチパネルを受注していることから、月間出荷量が今
年 9 月以降爆発的に拡大する見通しで、今年下期からは中小型液晶パネル最大手のメー
カーから静電容量式タッチパネル最大手のメーカーとして業態を大転換する見通しだと
いう。また、こうした受注の拡大を受けて、広東省東莞市の松山湖産業パークに新工場
を建設する計画で、来年 7-9 月から量産を開始する計画を明らかにしている。
洋華も先日、光宝(Lite-on)傘下の携帯電話 OEM 事業会社である光宝移動と合弁で 1000
万米ドルを投じて携帯電話用タッチパネル生産会社を設立、ノキアからの受注を拡大さ
せている。同合弁工場は今年 10-12 月から量産を開始する計画で、ノキア向け出荷比率
を増やすことで、これまで三星、LG といった韓国系ブランドメーカーに依存し過ぎた体
質を改善しようとしている。
また、介面は現在、三星、宏達(HTC)、奇美電子(CIC)向けにタッチパネルを出荷して
いるほか、LG 等の新ユーザーの獲得に注力している。介面董事長の葉裕洲氏は、特定の
ユーザーに依存することなく、世界の携帯電話上位 10 ブランドから薄く広く受注を獲得
することで転注リスクを回避する戦略を進めていることを明らかにしている。
【パソコン】広達、今年の AIO パソコン出荷が前年比 150%増の 500 万台
2010-6-21 網易科技
ノートパソコン ODM 世界第 2 位の広達(Quanta)は、下期の一体型パソコン(AIO PC)
の出荷量が拡大することから、今年、前年比 150%増の 500 万台の AIO パソコンを出荷す
る見通し、世界最大の一体型パソコン ODM メーカーとなる見通しを明らかにした。
42
2010 年 6 月号
HP、聯想が AIO PC 新機種を投入することから、今年の AIO PC 世界販売台数は昨年の
400-500 万台に比べ倍増の 1000 万台に達すると見られている。こうした追い風景況の中、
広達はアップル、聯想、HP、ソニーの AIO PC のアッセンブリを獲得しており、出荷台数
を大幅に伸ばしている。鴻海、緯創(Wistron)、仁宝(Compal)、英業達(Inventec)と
いった大手ノートパソコン ODM メーカーも相次いで AIO PC の ODM 事業を強化している。
AIO パソコン製品は従来型の卓上パソコンに比べ価格が 2 割近く低いこと、且つタッチ
パネルを採用することで消費者の新たな購買意欲を喚起している。
【パソコン】宏碁、今年 HP を抜き世界最大のノート PC メーカーになる見通し
2010.06.19 賽迪網
世界出荷量シェア第 2 位の宏碁(Acer)董事長の王振堂氏は、欧州経済の停滞及び中国
内地賃金の上昇といったマイナス環境はあるものの、今年のノートパソコン出荷台数が
同業第 1 位の HP を抜いて世界第 1 位となる見通しを明らかにした。IT 市場調査機関大
手の Gartner によると、宏碁の今年 1-3 月のノートパソコン出荷量が 949 万台に達し、
HP の 947 万台を抜いて世界最大のノートパソコンメーカーとなっている。
王振堂氏は、先週開催された会議で株主に対して、今年 1-3 月の売上高が 52 億米ドルに
達したこと、また欧州での売上が予想以上に好調であることから今年 7-9 月の売上高が
4-6 月比 15-20%増となることを明らかにしている。
同氏は、宏碁は HP に比べて市場変化に対する対応速度が速いことが強みであり、ギリシ
ャショックが表面化する前に欧州市場の変化をいち早く察知し対応を開始したことが堅
調な業績を確保する源になっているを強調している。
なお、宏碁はデスクトップ型パソコンの今年の出荷量目標も前年比 200 万台増の 1000
万台としている。
【携帯電話】iPhone ユーザー数、5 千万突破 来年末には 1 億を突破か
2010-6-18 中国 PCB 産業葉会
米証券大手のモルガンスタンレーアナリスト Katy Huberty 氏は、iPhone4G の予約注文
が殺到していることから、今後 1 年半でアップル iPhone ユーザーが現在の 5000 万から
倍増し 1 億に達するとの見通しを明らかにした。
同氏は、現有の iPhone ユーザー5 千万のうち、過半数のユーザーが iPhone 4G へのグレ
ードアップを行うと予測。保守的に現有 iPhone ユーザー5000 万のうち 30%がグレートア
ップと見積もっても、買い替え需要も含めて、今年のアップルの iPhone 販売台数は少な
くとも 4200 万台に達すると見ている。仮に現有ユーザー5000 万のうち 50%がグレートア
ップすれば、今年の iPhone 販売台数は少なくとも 4800 万台に達するとしている。
【LED】冠捷、億光/晶元と合弁で福建に LED 製品生産企業を設立
賽迪網 2010/6/21
43
2010 年 6 月号
液晶モニタ及びテレビ OEM 最大手の冠捷科技(TPV)は、傘下の冠捷投資有限公司が台湾
最大の LED 実装メーカーの億光電子(Everlight)及び台湾最大の LED チップメーカーで
ある晶元光電(Epistar)と合弁で福建省に合弁企業を設立し、正式に LED 事業に参入し
たことを明らかにした。
合弁企業の名称は億冠晶光電有限公司で、登録資本は 2500 万米ドル、うち冠捷投資が
625 万米ドル(25%)、億光が 1625 万米ドル(65%)、晶元が 250 万米ドル(10%)を出資、
主に LED ライトバー、LED 実装、その他の LED 関連部品及びモジュールを製造販売する
という。
【LED】億光、下期に供給拡大するも、LED 需給逼迫は年末まで続くと
2010-06-18 LED 環球在線
台湾最大の LED 実装メーカーである億光電子(Everlight)董事長の葉寅夫氏、台湾最大
の LED チップメーカーである晶元光電(Epistar)董事長の李秉傑氏は 17 日、台湾 LED
産業 30 年軌跡新刊発表会で、LED の生産能力は今年下半期に拡張するものの、LED の需
給逼迫は今年年末まで続く見通しを明らかにした。
このうち、億光の今年の売上高目標前年比 30%増は達成可能、粗利率は 30%を確保できる、
現有の受注状況から下半期も上半期とほぼ同様の状況を維持するとの見通しを示してい
る。また、上期・下期の売上高比率が 45:55 であること、特にピーク期である 7-9 月に
ついては月間売上高が初めて 20 億 NTD の大台を突破すること、今年上期の売上高が 78
億 NTD、今年通年の売上高が 173 億 NTD に達し、前年比 50%増を達成できる可能性が大き
いことを明らかにしている。
一方、晶元光電の李秉傑氏は、同業の広鎵光電(Huga)、泰谷光電(Tekcore)等への資
本参加を行い、業界での影響力拡大、グループ形成を模索していることから、一時的に
は収益率は低下するものの、中長期的には業績の堅調が確保されるとの見通しを示した。
また、足もとでサファイア基板価格が引き続き上昇していることから、今後 LED チップ
の出荷価格を引き上げるか否かについては、当面は安値で調達したサファイア基板の在
庫が十分であることから、即値上げということにはならないが、下半期後半には影響が
出てくる可能性があるとしている。
【PCB】金像、10 月以降に弘捷常熟工場の新規 HDI 生産能力を稼働
2010-6-19 精実新聞
世界第 2 位のノートパソコン用プリント基板(PCB)メーカーである金像電子(Gold
Circuit)は、昨年は 1.57 億 NTD の税後損失を計上したが、今年の連結売上高は前年比
20%増を見込んでおり、新たに取得した台湾の同業、弘捷電路(Victory Circuit)の常
熟工場が 10 月以降に本格的に新規生産能力を稼働することから業績が大幅に伸びてく
るとの見通しを明らかにした。
金像電子は昨年赤字となったものの、今年 1-3 月に小幅ながら黒字転換を達成している。
また 5 月の連結売上高は 13.52 億 NTD で、昨年 10 月以来では最高、前年同月比 16.58%
44
2010 年 6 月号
増、1-5 月の連結売上高は 61.78 億 NTD で前年同期比 9.89%増となっている。7-9 月につ
いては、受注見通しがやや不透明であることから、金融危機以前のような旺盛な需要期
は期待できないとの見通しを示している。
また、デジタル機器の軽量化、薄型化、小型化が進展していることから、今後は HDI 製
品の生産能力及び技術革新がこれまで以上に重要となってくる、今年 1-3 月に 100%の持
分を取得した弘捷電路の常熟工場で HDI の月産能力を 4 万平方フィート拡張する事業を
進めており、その拡張ラインが今年 10-12 月に計画通り稼働させることが大きなステッ
プになるとしている。
金像の現在の生産能力は、台湾工場、蘇州工場の月産能力はそれぞれ 100 万平方フィー
ト、100 万平方フィート、年初に取得した弘捷の常熟工場の月産能力が 134 万平方フィ
ートであることから、合計月産能力は 384 万平方フィートとしている。
【半導体】ST、賃金上昇でも中国の競争力は依然高く深圳 工場を拡張
2010-6-21 上海電子網
欧州最大の半導体メーカーである ST マイクロエレクトロニクス(ST Microelectronics)
は、中国内地の人件費が大幅に上昇しているものの、依然中国内地の競争力は維持され
ているとして、深圳工場の生産能力を 2 倍に拡張することを明らかにした。ST マイクロ
エレクトロニクス大中華区総裁の Francois Guibert 氏によると、中国内地に 7000 名の
従業員を雇用、北京及び上海には R&D センター、深圳に大型の生産拠点を設置している。
なお、深圳市政府が先日、7 月 1 日以降、最低賃金を 16%引き上げ、1100 元(161 米ドル)
とすることを発表している。
【生産統計】中国の 5 月電子情報製造業粗利益、主要製品生産状況
2010 年 06 月 18 日 中国工業情報化省
中国鉱業情報化省によると、今年 5 月の電子情報機器製造業の粗利益は前年同月比 17.7%
増、1-5 月の粗利益は前年同期比 20.8%増、1-5 月の主要製品の生産量は、パソコンの生
産量は前年同期比 45.3%増、うちノート型は同 44.8%増、携帯電話の生産量は同 36.7%増、
集積回路の生産量は同 85.6%増、液晶テレビの生産量は同 41%増だった。
また、中国の電子情報製造業の今年 5 月のの輸出額は 2877 億元で前年同月比 32%増、前
月比 7.4%増、主要製品のうち、集積回路の輸出は同 90.2%増、カラーテレビの輸出は同
36.9%増だった。
594 号 6 月 25 日
【タッチパネル】勝華、LG からもタブレットパソコン用大型タッチパネル大量受注
台湾経済日報 2010/6/22
タッチパネルへの業態転換を急速に進めている中小型液晶パネル最大手の勝華科技
45
2010 年 6 月号
(Wintek)は、アップル iPad 用タッチパネルに続いて、韓国 LG からタブレット型パソ
コン用タッチパネルを大量受注したことが明らかになった。勝華科技董事長兼総経理の
黄顕雄氏は、タッチパネル事業が売上高全体の 6 割を占めるまでに成長している、今年
9 月には同比率が 7 割以上、来年には 8 割以上になることを明らかにしている。
アップル iPad 用タッチパネルの大量出荷に続いて、LG タブレット型パソコン用タッチ
パネルの大量受注を獲得したことから、勝華の業績が今年下期から爆発的に伸張すると
見られており、株価は大幅に上昇している。
黄顕雄氏は、大手ブランドメーカーから相次いで大型タッチパネルを大量受注している
ことについて、タッチパネル事業への投資がようやく結実し、タッチパネル分野で世界
をリードするサプライヤーとして認知された結果であり、今後はユーザーのニーズに合
わせてタイムリーに生産能力を拡充することが最重要課題になってくるとしている。
同氏によると、勝華は現在、アップルのほか、RIM、ノキア、モトローラ向けにスマート
フォン用タッチパネルを供給しており、タッチパネル事業の売上高が全売上高の 60%を
占めている、中国東莞に現在建設中の新生産能力が 9 月以降に稼働することから、今年
年末に葉タッチパネル事業の売上高貢献比率が 70%以上になる見通し。また、来年初め
に中国東莞の松山湖産業パーク新工場が稼働すれば、同比率は 80%以上に達する見通し
だという。さらに、東莞の松山湖産業パークには、2011 年下期までに新たにタッチパネ
ルの新生産ラインも建設することから、2011 年には東莞工場・蘇州工場を合わせたタッ
チパネル生産能力は現在比 2 倍になる見通しだという。
【液晶 TV】冠捷、厦門での LGD との合弁を正式稼働 液晶 TV 等生産
DIGITIMES 22-6-2010
世界最大の液晶モニタ及びテレビ OEM メーカーである冠捷(TPV)は 6 月 21 日、液晶パ
ネル大手の LG Display(LGD)と合弁で中国福建省厦門市に設立した液晶パネルモジュー
ル及び液晶テレビ生産企業、楽捷顕示科技(厦門)有限公司(L&T Display Technology
(Xiamen))を正式に稼働させた。
冠捷は LGD と福建省福清市にも液晶モニタ生産合弁企業、捷星顕示科技(福建)有限公
司(L&T Display Technology (Fujian))を設立しており、液晶パネル大手の LGD との提
携を強化している。
楽捷顕示科技(厦門)有限公司の総投資額は 3400 万米ドル、敏星顕示科技(福建)有限
公司の総投資額は 5000 万米ドル、冠捷はどちらの合弁企業に対しても 49%を出資、残り
51%は LGD が出資している。
冠捷は今年、LGD の親会社である LG 電子のほか、フィリップス、瑞軒(Amtran)、東芝、
海爾(Haier)、康佳(Konka)、米家電量販ベストバイ等向けに 1800 万台の液晶テレビを
出荷する計画を明らかにしている。
【有機 EL】北京阿格蕾雅科技、有機 EL 高純度材料の試験生産開始
fpdisplay 2010/6/22
46
2010 年 6 月号
中国地場の北京阿格蕾雅科技発展有限公司は 6 月 19 日、中国地場初となる有機 EL 高純
度材料の試験生産を正式に開始したことを明らかにした。中
国タブレット型ディスプレイ産業促進会事務局長の汪浩氏、
台湾交通大学の陳金鑫教授、上海大学の張志林教授、中科院
化学研究所の徐堅教授、中科院長春光機械電機研究所の李文
連教授、台湾友達光電(AUO)の李重君博士、雲南北方奥雷徳
光電技術股份有限公司の季華夏博士、深圳宏威電子有限公司の趙偉明博士などがパイロ
ット生産開始式典に出席した。
北京阿格蕾雅科技発展有限公司は 2005 年 4 月に海外留学経験者により設立、主に有機
EL の開発を行っている。既に 40 種類以上の有機 EL 材料の開発に成功しているという。
北京阿格蕾雅科技:www.aglaia-tech.com/
【液晶パネル】天馬、成都 4.5G ライン稼働 中小型パネル市場シェア 1%狙う
2010/6/22 中華液晶網
中国地場の大手中小型液晶パネルメーカー、深圳天馬微電子(Tianma)は、成都に建設
していた成都天馬微電子有限公司の 4.5 世代液晶パネル生産ラインを成都ハイテク区西
区で完成、正式に稼働させた。生産ラインの主要設備は日本、韓国、米国から輸入、今
年 10-12 月から正式に量産を開始するという。
成都天馬微電子有限公司総経理の顧鉄氏は、量産が開始されれば、月間生産量は 3 万枚
に達する見通し、主に携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機用の 10 インチ以下の中小型
液晶パネルを生産、世界市場シェア 1%を狙うとしている。
成都天馬微電子は、天馬微電子股份有限公司、成都工業投資集団有限公司、成都高新投
資集団有限公司が共同出資し、登録資本 12 億元で 2008 年 9 月に成都ハイテク区に設立
されている。総投資額は 30 億元、敷地面積は 30 万平米に上る。
天馬微電子は、成都のほか、深圳及び上海に中小型液晶パネル生産ラインを有している。
【液晶パネル】仏山、220 億元を投じ高世代パネル生産ライン建設再トライ
広州日報 2010/6/23
中国広東省仏山市は、2012 年末までに 220 億元を投じて中国地場大手テレビメーカーで
ある TCL、創維(Skyworth)、康佳(Konka)向け高世代液晶パネル生産ラインを建設す
る意向を明らかにした。設計月産能力はガラス基板換算 6 万枚、32 型液晶テレビ用パネ
ル換算 576 万枚としている。
昨年初めに、仏山市政府系の広新光電産業科技有限公司が、仏山市南海区で 8.5 世代液
晶パネル生産ライン建設の準備を開始、仏山市政府が奇美電子の誘致に尽力したが、奇
美電子側が高世代液晶パネル生産ラインの仏山への移転には消極的だったため、事業は
進展しなかったという。今後、再び奇美電子の誘致を試みるか否かについては明らかに
していない。
47
2010 年 6 月号
【プラズマ】長虹、2012 年までにプラズマパネル年産能力 600 万枚に拡張
中国広播網 2010/6/23
中国最大のカラーテレビメーカーである長虹(Changhong)は今年 1 月、自社技術のプラ
ズマパネル生産ラインを全面稼働させるとともに、2012 年までに生産能力を年産 600 万
枚まで拡張させることを明らかにしている。これが実現すれば、長虹は世界の 4 大プラ
ズマパネルメーカーの一角を占めることになる見通し。
中国が現在年間輸入している薄型テレビ用パネル(液晶、プラズマ等)は 100 億米ドル
相当、ボーイング 737 型 150 機分に相当することから、中国政府は地場メーカーに対し
て薄型テレビ用パネルの国内生産を強く促しており、長虹のプラズマパネル事業もその
一環で進められている。
長虹は、液晶パネル領域では、液晶パネル世界第 4 位の友達(AUO)と戦略的パートナー
シップ関係を構築、合弁で長智光電を設立し、第 1 期で 4 本のガラス基板及びバックラ
イトモジュール生産ライン、及び年産能力 360 万枚の 26-55 型液晶テレビ用モジュール
生産ラインの建設を進めている。長虹は中国地場ディスプレイメーカーとしては珍しく、
液晶、プラズマの両方をカバーする両面戦略を進めている。
【太陽電池】太陽海科技、CIGS 太陽電池エネルギー転換効率 17%達成
台湾経済日報 2010/6/22
半導体ファウンドリ最大手の台積電(TSMC)が、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)
薄膜太陽電池事業に大規模投資を行っているほか、光ディスク大手の錸徳科技(Ritek)
が資本参加した太陽海科技(PV Next)
、昇陽科技(Solartech)が資本参加した新能光電
(Sunshine PV)が相次いで CIGS 太陽電池事業を強化していることから、台湾で CIGS
太陽電池の生産が急拡大しようとしている。
このうち、太陽海科技の業界首位の 17%のエネルギー転換効率を達成していること、ま
た中国揚州に生産工場を建設する計画を進めていることから、台積電に対抗しうる勢力
になると期待されている。
従来型のシリコン太陽電池が 1 ワット当たりの発電コスト 1 米ドル実現に向けて日々試
行錯誤を繰り返しているのに対し、CIGS 太陽電池技術は 1 ワット当たり発電コストを 0.5
米ドルまで引き下げることが可能であることから、量産が可能となれば、市場の爆発的
成長が期待されている。ただ、現段階では CIGS 技術はスパッタリング方式、塗布方式な
ど各種技術が百家争鳴の状態で、業界では台積電及び太陽海科技、新能光電が推進して
いるスパッタリング方式が主流になることを期待している。ただ、大手 CIGS 太陽電池メ
ーカーである正峰新能源が依然塗布方式を採用していることから、スパッタリング方式
が CIGS の統一方式となるには尚時間がかかる見通し。太陽海科技は、親会社の錸徳科技
が光ディスク分野で蓄積したスパッタリング技術を元に、欧州 Scheuten と戦略的パート
ナーシップを締結することも通じて、CIGS のスパッタリング技術の主流化を進めていき
たいとしている。太陽海科技は、台湾に既に年産能力 30MW の CIGS 太陽電池生産ライン
を保有している。
48
2010 年 6 月号
【太陽電池】中国航天機電、18 億元投じ太陽電池年産能力 150MW
2010-6-22 索比太陽能
中国国有の大手宇宙事業会社、中国航天機電は、18 億元の資金調達を行い、太陽電池事
業への梃入れを行うことを明らかにした。調達する 18 億元のうち、10 億元は川上の多
結晶シリコンを生産する内蒙古神舟硅業有限責任公司への増資、8.37 億元は川下の太陽
電池セルを生産する上海神舟新能源発展有限公司への増資に充てる計画。上海神舟新能
源発展有限公司は現在、年産 150MW 太陽電池セル生産ライン建設を進めている。
中国航天機電は、6 月 11 日に発表した来年から始まる第 12 次 5 ヵ年計画に言及して、
太陽電池、自動車部品、新材料産業をコア事業として積極的に梃入れしていくこと、2015
年には総資産 100 億元、年間売上高 200 億元、うち太陽電池の売上高 140 億元、自動車
部品の売上高 50 億元、新材料の売上高 10 億元を目指すことを明らかにした。
【売上統計】中国工業情報化省、2010 年電子情報企業 100 強発表
2010-6-22 新浪科技
中国工業情報化省は、2009 年売上高に基づき、2010 年電子情報企業売上高上位 100 社を
発表した。昨年同様、華為、海爾、聯想が上位 3 社を独占した。今回発表された売上高
上位 100 社の総売上高は 1 兆 2342 億元で前回比 10%余り増となった。
順位
企業名
本社所在地
1
華為技術有限公司
深圳
2
海爾集団
山東
3
聯想控股有限公司
北京
4
中興通訊股份有限公司
深圳
5
海信集団有限公司
山東
6
北大方正集団有限公司
北京
7
TCL 集団股份有限公司
広東
8
比亜迪股份有限公司
深圳
9
四川長虹電子集団有限公司
四川
10
長城科技股份有限公司
深圳
11
南京中電熊猫信息産業集団有限公司
江蘇
12
浪潮集団有限公司
山東
13
深圳創維-RBG 電子有限公司
深圳
14
上海貝爾股份有限公司
上海
15
同方股份有限公司
北京
16
瀋陽先鋒電脳工程有限公司
遼寧
17
南京聯創科技集団股份有限公司
江蘇
18
武漢郵電科学研究院
湖北
49
2010 年 6 月号
19
康佳集団股份有限公司
深圳
20
上海広電信息産業股份有限公司
上海
21
京東方科技集団股份有限公司
北京
22
深圳華強集団有限公司
深圳
23
亨通集団有限公司
江蘇
24
上海飛楽股份有限公司
上海
25
晶龍実業集団有限公司
河北
26
杭州海康威視数字技術股份有限公司
浙江
27
恵州華陽集団有限公司
広東
28
中利科技集団股份有限公司
江蘇
29
恵州徳賽集団有限公司
広東
30
南京南瑞集団公司
江蘇
31
中天科技集団有限公司
江蘇
32
許継集団有限公司
河南
33
江蘇宏図高科技股份有限公司
江蘇
34
中国華録集団有限公司
遼寧
35
鎮江環太硅科技有限公司
江蘇
36
中国軟件与技術服務股份有限公司
北京
37
航天信息股份有限公司
北京
38
通鼎集団有限公司
江蘇
39
広州無線電集団有限公司
広東
40
四川九洲電器集団有限责任公司
四川
41
東軟集団股份有限公司
遼寧
42
深圳普聯技術有限公司
深圳
43
永鼎集団有限公司
江蘇
44
富通集団有限公司
浙江
45
浙江富春江通信集団有限公司
浙江
46
江蘇双登集団有限公司
江蘇
47
中冶賽迪工程技術股份有限公司
重慶
48
大連環宇陽光集団
遼寧
49
宝勝集団有限公司
江蘇
50
上海広電電子股份有限公司
上海
51
北京華勝天成科技股份有限公司
北京
52
深圳市兆馳股份有限公司
深圳
53
長飛光繊光纜有限公司
湖北
54
天津中環電子信息集団有限公司
天津
55
福州福大自動化科技有限公司
福建
56
陝西電子信息集団有限公司
陝西
57
深圳市共進電子有限公司
深圳
50
2010 年 6 月号
58
通光集団有限公司
江蘇
59
成都国騰実業集団有限公司
四川
60
僑興集団有限公司
広東
61
普天東方通信集団
浙江
62
哈爾濱光宇集団股份有限公司
63
中国四聯儀器儀表集団有限公司
重慶
64
深圳市神舟電脳股份有限公司
深圳
65
河南森源集団有限公司
河南
66
広東生益科技股份有限公司
広東
67
北京華旗資訊数碼科技有限公司
北京
68
揚州曙光電纜有限公司
江蘇
69
深圳市康冠技術有限公司
深圳
70
大恒新紀元科技股份有限公司
北京
71
恵州大亜湾光弘科技電子有限公司
広東
72
浙江長城電子科技集団有限公司
浙江
73
江西省電子集団公司
江西
74
広東汕頭超声電子股份有限公司
広東
75
中国楽凱膠片集団公司
河北
76
華潤微電子有限公司
江蘇
77
中国振華電子集団有限公司
貴州
78
大唐電信科技股份有限公司
北京
79
横店集団東磁有限公司
浙江
80
福建省電子信息(集団)有限责任公司
福建
81
昆山龍騰光電有限公司
江蘇
82
北京天宇朗通通信設備股份有限公司
北京
83
大連遼無二電器有限公司
遼寧
84
江蘇新潮科技集団有限公司
江蘇
85
浙大網新科技股份有限公司
浙江
86
上海華虹(集団)有限公司
上海
87
深圳市同洲電子股份有限公司
深圳
88
厦门華僑電子股份有限公司
福建
89
深圳市賽格集団有限公司
深圳
90
南通華達微電子集団有限公司
江蘇
91
深圳桑達電子集団有限公司
深圳
92
震雄銅業集団有限公司
江蘇
93
銅陵精達銅材(集団)有限責任公司
安徽
94
上海飛楽音響股份有限公司
上海
95
紫光股份有限公司
北京
96
風帆股份有限公司
河北
黑龍江
51
2010 年 6 月号
97
山東鲁鑫貴金属有限公司
山東
98
楽山無線電股份有限公司
四川
99
浙江天楽集団有限公司
浙江
100
上海自動化儀表股份有限公司
上海
595 号 6 月 28 日
【液晶パネル】長虹、富士康と合弁で成都に 8.5G 液晶パネル生産ライン
2010/6/24 IT 商業新聞網
中国地場最大のカラーテレビメーカー、長虹(Changhong)は、6.75 億米ドルを投じた
プラズマパネル生産事業がプラズマテレビ市場の縮小で予定していた利益を上げていな
いことから、液晶パネル生産事業を同時平行して進める意向を固め、272 億元を投じて
成都に 8.5 世代液晶パネル生産ラインを建設する計画を明らかにした。
また、長虹は成都市政府と共同で事業に対してマジョリティを掌握するが、EMS 最大手
の鴻海富士康(Foxconn)を合弁パートナーとすることを明らかにした。鴻海富士康は、
台湾当局の液晶パネル技術輸出制限を回避するため、第三国に設立した投資会社、英慧
を通じて資本参加するという。
売上高が 300 億元余りの長虹にとって、272 億元の投資は企業の存続を危うくし兼ねな
い巨額投資となるが、上述したようにプラズマパネル生産事業がプラズマテレビ市場の
縮小により予想した収益を期待できないことから、早めに液晶パネル事業にシフトする
ことが得策と判断した模様。
長虹は 5 年前にプラズマパネルの自社生産に参入、その他の殆どの中国内地テレビメー
カーが液晶パネルを選択する中で、プラズマテレビの復活に賭けて、2006 年 12 月には
韓国 ORION 社のプラズマパネル特許技術及び生産設備を取得、さらに 2007 年には TCL、
海信、創維がプラズマテレビ事業から撤退する中、10 億米ドルを投じて四川省綿陽市に
プラズマパネル工場を建設する決断をし、今年 1 月に量産を開始、年産 216 万枚の生産
ラインを構築している。
長虹は 2012 年までにプラズマパネルの生産能力を年産 600 万枚まで拡張する計画を明ら
かにしているが、プラズマパネル産業に詳しい業界関係者によると、年産能力を 1000
万枚規模まで拡張しなければ、利益を確保するのは難しいという。
また、中国国内のプラズマテレビ市場が予想以上に縮小していることも、長虹を厳しい
立場に置いている。今年 1-4 月の中国国内のプラズマテレビ販売台数は 36 万台で前年同
期比 21.9%減、長虹の同期プラズマテレビ販売台数も同 23.99%減となっている。長虹の
薄型テレビ販売のうち、プラズマテレビと液晶テレビの販売台数比率は 2:8 で、液晶テ
レビがプラズマテレビを圧倒している。
液晶テレビに集中している TCL、創維、海信のカラーテレビ売上高がいずれも 180̶200
億元に達しているのに対し、長虹のカラーテレビ売上高は 100 億元前後にとどまり、格
差が一昨年の 10̶20 億元から昨年は 100 億元に拡大したことも、長虹の今回の選択に繋
がったと見られている。長虹内部では、これ以上プラズマパネル事業に拘泥すれば、長
52
2010 年 6 月号
虹の存続そのものが危うくなると判断した模様。
今後、長虹の液晶パネル事業計画が認可されれば、鴻海富士康傘下の液晶パネル世界第
3 位の奇美電子(CIC)が液晶パネル生産技術を供与することになるが、台湾当局が台湾
メーカーが N-1 ルールに基づいて、中国内地に液晶パネル技術を移転する際、台湾域内
にその技術を 1 世代上回る生産ラインを建設することを定めているため、成都で 8.5 世
代液晶パネル生産ラインを建設しようとすれば、台湾域内に第 9 世代以上の液晶パネル
生産ラインを建設する必要があり、台湾当局の認可を取得できない状況が続いていると
いう。
また、長虹が 272 億元のうち過半の資金を調達できるのかも疑問視されている。四川省
政府や成都市政府がある程度の資金は融通できるものの、150 億元近い資金を短期間に
入金していくことは困難と見られている。
また、中国国内での液晶パネル供給過剰を懸念する声も聞かれる。京東方、TCL 傘下の
華星、昆山龍飛などの中国地場系のほか、シャープ、三星、LG、友達といった大手ブラ
ンドメーカーも中国内地での液晶パネル生産計画を発表しており、2012 年には中国国内
の液晶パネル生産が中国国内需要を上回る可能性が指摘されている。供給過剰が現実と
なれば、価格の下落により、上海広電(SVA)のように資金繰りが悪化する状況も考えら
れる。
【電子書籍】LGD、東莞に 500 万米ドル投じ電子書籍リーダー工場を建設
2010-06-24 南方都市報
世界第 2 位の液晶パネルメーカーである LG Display は、系列の電子書籍リーダー製造の
Irivier 社と共同で 500 万米ドルを出資し、中国広東省東莞市に電子書籍リーダーを生
産する合弁企業、L&I 電子科技(東莞)有限公司(L&I Electronic Technology(Dongguan)
Limited)を設立したことを明らかにした。出資比率は、LGD:51%、Irivier 社:49%。
Irivier 社は現在、既に東莞市の松山湖科技産業園に従業員 1000 名の工場を有しており、
欧州向けに電子書籍リーダーを輸出しているが、LGD との合弁企業 L&I 電子科技(東莞)
は Irivier 社の現有の東莞工場内に設置され、今年 9 月から LGD が供給する電子ペーパ
ーを用いて電子書籍リーダーの生産を開始する予定という。また来年には年産能力を
100 万台まで拡張し、主に米国向けに輸出する計画だという。
L&I 電子科技(東莞)は、将来的には有機 EL パネルを使ったフレキシブル電子書籍リー
ダーを生産する計画も進めており、実現すれば、東莞市は昆山市に続く有機 EL パネル生
産基地にもなる。
【タッチパネル】鴻海、厦門に静電容量タッチパネル大手の宸鴻と合弁設立
2010/6/24 網易科技
EMS 世界最大手の鴻海集団(Foxconn)傘下のインジウムスズ酸化物(ITO)導電ガラス
メーカー、正達国際光電(G-Tech)は、静電容量式タッチパネル大手の宸鴻(TPK)と合
弁で厦門市に睿志達光電を設立、共同で強化ガラス及び ITO ガラス等を生産することを
53
2010 年 6 月号
明らかにした。鴻海、正達、宸鴻はいずれも iPad 及び iPhone4 の材料サプライヤである
ことから、市場は今回の合弁設立は、アップルからの受注拡大が狙い
と見ている。
正達董事会は 23 日、宸鴻が正達の 100%子会社である睿志達光電(香
港)有限公司への増資に参画すること、宸鴻と折半で 1000 万米ドル
を出資し睿志達光電(厦門)有限公司を設立することを承認している。
睿志達光電(厦門)有限公司は、宸鴻が主力工場を有している厦門市火炬園区に設立さ
れ、宸鴻の現有工場にガラス切断、化学強化ガラス及び ITO 成膜ラインを構築、今年 10-12
月から少量生産を開始し、来年 1-3 月から量産を開始する計画。また、合弁企業の董事
長には、正達国際光電総経理の江嘉斌氏が就任、総経理には宸鴻の劉世明氏が就任する。
一方、抵抗膜式タッチパネル最大手の洋華(Young Fast)も、静電容量式タッチパネル
事業を急速に拡大しており、錸徳集団(Ritek)と合弁で静電容量式タッチパネル生産企
業を設立、また日本のカラーフィルタ製造のエーアイエス(AIS)に資本参加、光宝移動
(Perlos)とノキアのスマートフォン向け静電容量式タッチパネルを生産する合弁企業
を設立するなどしており、宸鴻を脅かす存在となっている。
宸鴻が今回提携した正達国際光電は、第 5 世代化学強化ガラス・ITO ガラス基板生産ラ
インを保有しており、現在建設している第 6 世代生産ラインを今年年末までに稼働でき
る見通し。正達国際光電:www.gtoc.com.tw/
【LED】三安/士蘭/浪潮、中国地場 LED チップ売上高上位 3 位占める
2010-6-24 PCBTN
先般発表された昨年の中国地場の LED チップメーカーの売上高上位 10 社によると、厦門
三安、杭州士蘭明芯、山東浪潮華光が上位 3 位となった。
今回採用した売上高には、LED 製品、LD 製品、LED 実装応用製品の売上高は含まれず、
MOCVD 設備でエピタキシャルウエハを生成し、そこから生産した LED チップの売上高の
みを根拠に順位を決定している。売上高上位 10 社のうち、上位 7 社の売上高は 1 億元を
超えており、上位 5 社の売上高は 1.5 億元を超えている。
順位
企業名
1
厦門三安光電
2
杭州士蘭明芯
3
山東浪潮華光(済南、濰坊基地)
4
大連路美光電
5
厦門乾照光電(厦門、揚州基地)
6
上海藍光光電
7
武漢華灿光電
8
武漢迪源光電
9
広州晶科電器
10
江門真明麗集団
54
2010 年 6 月号
【PCB】敬鵬、常熟新工場稼働でも受注の 20-30%外注する必要ある
2010-6-24 中国 PCB 産業協会
プリント配線基板大手の敬鵬(Chin Poon)は、6 月末に中国常熟工場の新生産能力が稼働
したとしても、ユーザーの需要を 100%自社で対応することは出来ず、20-30%を外注生産
する必要があることから、下期の成長が制限されることを明らかにした。
ただ、7-9 月の月平均連結売上高は 14 億 NTD 以上を維持でき、4-6 月並みを確保できる、
今年通年の連結売上高についても前年比 30%増の 170 億 NTD を見込んでいることを明ら
かにしている。
4-6 月の粗利率についても、製品価格の 5-10%値上げ、有利な為替状況はあるものの、原
材料価格の上昇が 4-6 月に集中していること、銅箔張り積層板が 3-5%値下げされても、
効果は 7-9 月に出てくるなどから、やはり 1-3 月並みの水準にとどまるとしている。
敬鵬の多層板の月産能力は現在 100 万平方フィートだが、今年末には 120 万平方フィー
トに拡張される見通し。生産能力拡張のため、他社の M&A という選択肢は検討していな
いのかの問いに対しては、これまでに何度か M&A の機会はあったが、自社工場建設には
勝らないとの結論となった、少なくとも敬鵬にとっては M&A は生産拡張の最善の策では
ないとの考え方を示した。
また、強化している車載プリント配線基板事業については、事業を開始して 10 年になる
が、既に世界の大手自動車メーカー10 社のうち 7 社が敬鵬のユーザーとなっている、メ
ーター板、ABS(アンチロックブレーキシステム)向けで 4 層、6 層、8 層の多層板、ア
ルミ基板などを供給しているという。
市場調査機関によると、車載プリント配線基板市場は 30-35 億米ドルに上り、主要メー
カーは CMK、KCI、VIA-SYSTEM、日立化成であるが、敬鵬の世界シェアは 5%まで拡大して
いるという。敬鵬の今年 1-5 月の売上高を製品別内訳を見ると、車載基板が 37%、ネッ
トワーク基板が 23%、家電用基板が 20%、産業用基板が 15%、パソコン周辺及び医療用基
板が 5%で、車載基板は敬鵬にとってなくてはならないコア事業に成長している。
【PCB】健鼎、今後 1 年の景況楽観視 HDI でノキアから受注獲得見込む
2010-6-24 中国 PCB 産業協会
リジッド基板最大手の健鼎(Tripod)董事長の王景春氏は、今後の景況に言及して、ユー
ザーからの受注を見る限り、今後 1 年間については需要の拡大が期待できる、生産能力
拡張のため、無錫の第 4 工場、第 5 工場が設備を増やし増産しているほか、弘捷電路
(Victory Circuit)の台湾工場を取得したことを明らかにした。また、携帯電話用 HDI
基板事業が好調で、米系ユーザーから受注を獲得したほか、近くノキアからも受注を獲
得できる見通しを明らかにした。
欣興(Unimicron)董事長の曽子章氏も、王景春氏同様、今後の景況について 1-2 年は成長
が期待できるとの見方を示していることから、Window7、iPad、iPhone4 効果に伴う電子
機器の消費喚起は予想以上に堅調であると見られている。
王景春氏によると、受注見通しは、ノートパソコン用のみならず、ほぼ全ての製品で旺
55
2010 年 6 月号
盛が続いており、2-3 ヶ月先までフル稼働が続く見通しだという。無錫の第 4 工場、第 5
工場の生産拡張が来月にも完了する見込み、無錫工場の生産能力は 5-10%拡大、年末ま
でには無錫工場の月産能力を現在の 680 万平方フィートから 750 万平方フィートに拡張
するという。台湾域内の工場についても、桃園平鎮工場の月産能力 35 万平方フィートに、
先般取得した弘捷電路の台湾工場の生産能力が加わることから、7-9 月の需要期に十分
対応できる体制が構築できるとしている。
また王景春氏は、主力の液晶パネル、メモリ、ハードディスク用基板のほか、家電、自
動車用基板の売上も伸張していることを明らかにしている。一方、ノートパソコン用基
板については、売上が伸び悩んでいることから、生産ラインを液晶パネル、ハードディ
スク用に転換することを明らかにしている。
また携帯電話用 HDI 基板については、これまで中国地場の海爾(Haier)、TCL、中興(ZTE)、
聯想(Lenovo)向けに限られていたが、アップル、ノキアから認証を取得したことから、
今後 HDI 基板の月産能力を現在の 50 万平方フィートから今年年末までに 70 万平方フィ
ートまで拡張することを明らかにしている。
なお、IC 搭載基板については、参入したい領域ではあるが、半導体製造工程の進歩、チ
ップサイズの小型化が日進月歩で速いこと、IC 搭載基板の設備投資が巨額であることか
ら、半導体製造工程の進歩が一段落してから参入する方針を明らかにしている。また、
フレキシブル基板事業については、M&A 方式で参入することを明らかにしている。
中国内地の賃金上昇及びストライキが頻発していることについては、同氏は、現地政府
の政策に基づき賃金を引き上げている、毎年 7 月 1 日には同社独自のベースアップも行
っていることから、賃金上昇は不可避、製品価格への転嫁も不可避だが、ストライキや
労働者不足による生産停止は回避したいとの考えを示した。
596 号 6 月 30 日
【電子紙】奇美/友達、iPad パネル受注に向けて E Ink 社と技術提携模索
DIGITIMES 25-6-2010
世界第 4 位及び第 3 位の液晶パネルメーカーである友達光電(AUO)及び奇美電子(Chimei
Innolux)が、iPad もしくは iPad に類似するタブレット型パソコン製品向け液晶パネル
受注を拡大するため、広視野角技術の 1 つである FFS(Fringe Field Switching)技術の
取得で電子ペーパー最大手の元太科技(Prime View)の傘下にある E Ink 社と交渉中で
あることが明らかになった。
ただ、一部報道では、友達光電はタブレット型パソコン用パネルの広視野角技術で垂直
配向方式の VA(Vertical Alignment)技術を採用しようとしているとも伝えられているこ
とから、友達光電については必ずしも FFS 技術に拘泥していないとも見られている。
一方、奇美電子については、FFS 技術を取得し iPad パネルのサプライヤになれば、今年
奇美電子が鴻海(Foxconn)グループメンバーとなっていることから、iPad のアッセン
ブリメーカーである鴻海(Foxconn)の製造コストを削減する上でも大きな意義があると
期待されている。
56
2010 年 6 月号
現在、iPad のタッチパネルは、韓国勢が供給しており、LG Display が今年 2 月には 30
万枚、今年 3 月には 47 万枚だった iPad 用 9.7 インチパネルの月間出荷量を、今年 4 月
には 70 万枚に拡大、また三星(Samsung)も今年 4 月から iPad 用パネルの出荷を開始し
ているが、5 月の出荷量が 10 万枚だったが、7 月には月間出荷量を 50 万枚近くに拡大し
ている。そのため、台湾勢は韓国勢に対して優位性を発揮するには広視野角などの新た
な技術をアピールする必要性に迫られている。
iPad の出荷量は今月末までに 350-380 万台、今年下期の出荷量は 800-900 万台に達する
といわれており、今年最もヒットしている IT 製品となっていることから、台湾勢の早期
のキャッチアップが期待されている。
【電子書籍】中国デジタル出版業、紙書籍出版を上回り過当競争時代に
台湾旺報 2010/6/25
アップル iPad の爆発的ヒットにより、中国国内でも再び電子書籍出版ブームが過熱、内
陸部の山西省の 11 都市でも大手書店が電子書籍の販売を開始するなど、中国国内では早
くも電子書籍市場の過当競争、値下げ競争の懸念が出ている。
中国国内では、デジタル書籍出版の売上高が昨年前年比 5 割増の 750 億元に達し、従来
型の紙書籍出版物の売上高を初めて抜いて、出版のマジョリティを持つに至っている。
中国国内のデジタル出版を牽引している最大のエンジンは、やはりデジタル書籍を容易
に閲読できるようにした電子書籍リーダーの飛躍的進歩であり、昨年末までに世界で出
荷された電子書籍リーダーは 500 万台余り、そのうち昨年 1 年間の出荷台数は 350 万台
に上っている。また、中国国内で販売された台数は世界市場の 2 割を占める 60-70 万台
に達している。
中国国内では、漢王(Harvon)、易博士(Dr.Yi)、翰林(Hanlin)、三星、LG、ソニー等
の IT 機器メーカーのみならず、盛大文学、中版集団、上海世紀出版集団等の出版社自ら
も相次いで自社ブランドの電子書籍リーダーを生産するようになっており、中国国内で
は既に 200-300 社以上の企業が電子書籍リーダー生産に従事しているともいわれている。
電子書籍市場が急速に成長する中国内地では、地場メーカーだけでなく、外資の参入も
活発になっており、韓国の LG Display が系列の Iriver 社と合弁で東莞に電子書籍リー
ダー生産企業を設立、今年 9 月から大量生産を開始、来年には年産能力を 100 万台まで
拡大することを明らかにしている。
また、上海市では、盛大文学、世紀創栄などの出版社 30 社余り、上海易狄欧(Edo-Tech)、
明基(BenQ)、元太科技(Prime View)などの端末機メーカー10 社余り、中国移動、聯
通、電信などの 3 大通信キャリア等が参画して、中国国内初のデジタル出版産業促進の
ための上海電子書籍産業発展連盟が発足している。上海市のデジタル出版業の昨年の売
上高は前年比 50%増の 158 億元に上り、中国全体の 1/4 を占め、中国の電子書籍市場の
牽引車となっている。
【携帯電話】RIM、今後 1 年間の Blackberry 出荷 6 千万台以上見込む
57
2010 年 6 月号
DIGITIMES 25-6-2010
スマートフォン大手のカナダ RIM(Research In Motion)社は、台湾の部品メーカーに対
して、iPhone 4 や Android スマートフォンとの競争が激化しているものの、今後 1 年間
の Blackberry 出荷台数が 6000-7000 万台に達する見通しを示しているが明らかになった。
RIM 社向けにキーパッド等の部品を供給している閎暉科技(Silitech)、毅嘉科技(Ichia)
は、次世代 Blackberry 基本ソフト 6.0 の投入により、RIM 社の出荷台数は今後も堅調に
推移するとの強気の見方を示している。iPhone 4 及び Android デバイスの影響について
は、RIM 社のメインストリームが法人向けであることから、影響は限定的と予想してい
る。
RIM 社が 6 月 24 日に発表した内容によると、今年 5 月末までの 3 ヶ月間の出荷台数は 1120
万台で、売上高及び最終利益はそれぞれ 42.4 億米ドル、7.7 億米ドル、前年同期比 24%
増、20%増となっている。
【LED】中国 LED 照明生産、今年 1500 億元超 5 年で核心技術獲得
2010-06-25 LED 環球在線
現在、日本は世界最大の LED チップ生産国で、世界販売額シェアは 50%を超えているが、
中国台湾の LED チップ販売額は世界の 17%を占め、日本に次ぐ第 2 位、韓国、欧州、米
国を上回るものとなっている。また、台湾メーカーは世界最大の電子機器アッセンブリ
基地であることから、世界最大の LED 実装及び LED 最終製品アッセンブリ基地ともなっ
ている。
LED 産業の成長は今後 10 年間は続くと見られており、世界の大手電子メーカーの LED 事
業への参入ラッシュが続いており、台湾を含む中国の LED 産業も急成長している。台湾
を含む中国の昨年の LED 製品販売額は 600 億元で前年比 30%以上増となっている。
電気エネルギーを光エネルギーに転換できる半導体発光部品である LED(発光ダイオー
ド)は、消費電力が蛍光灯の 3 分の 1、寿命が蛍光灯の数十倍であるほか、水銀、鉛など
の有害元素フリーであることから、省エネルギー且つ低炭素で環境にやさしい光源とし
て急成長している。
大手市場調査機関の調査によると、今年の台湾を含む中国の LED 照明産業の生産高は
1500 億元を超え、2008 年の 2 倍に達する見通し。また 2015 年には、台湾を含む中国の
照明のうち 2 割が LED 照明に転換され、生産規模は 5000 億元に達し、中国の LED 照明市
場規模も世界第 3 位に躍進すると見られている。
昨年 10 月、中国国家発展改革委員会、中国科学技術省などの中国政府 6 省庁が共同で半
導体照明省エネルギー産業発展計画を発表し、2015 年までに半導体照明産業の生産高を
年率 30%前後で拡大、世界に通用する大型 LED チップメーカーを 3-5 社育成すること、
また年間 400 億キロワットアワーの電力節約により年間 4 千万トンの二酸化炭素排出量
削減を目指すことを明らかにしている。
現在、LED の核心特許技術は、日本の日亜、豊田合成、米国の Cree、Lumileds、欧州の
Osram に掌握されていることから、中国政府は国家資源を 3-5 社に集中することで、今
後 5 年以内に LED 核心技術の獲得を目指すとしている。1999 年から 2009 年の 10 年間に
58
2010 年 6 月号
米国で出願された LED 関連特許 3312 件のうち、日本企業が 50%、米国企業が 30%、台湾
企業が 11%で、3 地域の企業だけで 9 割余りの比率を占めている。
【LED】中国の LED 産業、前工程充実で生産コスト低下を加速する力に
2010/6/25 賽迪網
台湾の大手 LED チップメーカー、鼎元光電が武漢にチップ生産企業の元茂光電を設立し
たのを皮切りに、璨円光電(Forepi)が江蘇省揚州に LED チップ生産基地を着工、晶元
光電(Epistar)が常州に 6 億米ドルを投じて LED チップ工場を建設開始、米 Cree も広
東省恵州に LED チップ生産ラインを着工など、中国内地市場獲得を狙った海外大手 LED
チップメーカーの中国内地への進出ラッシュが起きている。
また、中国地場の 2 大 LED チップメーカーである厦門三安、杭州士蘭明芯が急速に生産
能力を拡張していることにも象徴されるように、これまでの実装、アッセンブリ等の後
工程を主とした発展から、エピタキシャルウエハ、チップ等の前工程を主とする発展が
進展していることが注目される。
さらに、中国の LED 産業の優位性は、他国の LED 産業に比べ、国内に巨大で急成長して
いる LED 照明市場を有していることにあり、市場規模の拡大により LED チップの生産コ
ストの大幅低下も可能であることも大きな優位性となっている。LED 照明の生産コスト
はこれまで毎年 30%の速度で低下しているが、中国の LED 産業の成長により、その速度
がさらに加速する可能性が予想される。液晶テレビのバックライトとして LED が普及し
ていることも、世界最大の液晶テレビ市場を持つ中国内地の LED 産業にとっては大きな
後ろ盾となっている。
【LED】東貝、2Q 売上高 1Q 比 70%増 大型 LED バックライト事業が牽引
DIGITIMES 25-6-2010
大型 LED バックライトを得意とする LED 実装メーカー、東貝光電(Unity Opto)は、今
年 6 月の売上高が 8 億 NTD 近くに達することから、今年 4-6 月の売上高が 1-3 月比 70%
増となること、今年通年の売上高は 80 億 NTD(2.5 億米ドル)に達する見通しを明らかに
した。また、受注見通しが 11 月頃まで立っており、10 月頃までフル稼働が続く見通し
も明らかにした。
東貝の 4-6 月の売上高が大幅増となったのは、得意とする大型 LED バックライトの韓国
向け出荷が好調であるためで、東貝は今後日系向け及び中国内地向け大型 LED バックラ
イトの出荷も増やしていきたいとしている。中国内地向けについては、売上高全体の
15-20%を占める見通しだという。
一方、LED 照明分野については、低輝度・低価格製品への集中でマーケットシェア拡大
を図る戦略を取っているという。東貝の LED 照明の売上高は、今年 5 月現在、売上高全
体の 15%を占めるまでに成長しているが、今年年末には同比率が 30-40%まで達するとし
ている。
東貝は、来年の LED バックライト及び LED 照明の売上高をそれぞれ前年比 50-60%増、100%
59
2010 年 6 月号
増とすることで、LED バックライト及び LED 照明の売上高を売上高全体の 40%以上まで拡
張する中期計画を明らかにしている。
【液晶パネル】大型液晶パネル価格推移 6 月 20 日 vs 5 月 20 日
韓国 DisplayBank
モニタ用パネル
Size
2010-04
2010-05
2010-06
MoM (%)
QoQ (%)
YoY (%)
17
$78
$75
$71
5.33 %
11.25 %
5.97 %
18.5W
$79
$76
$72
5.26 %
11.11 %
1.37 %
19W
$83
$80
$76
5 %
9.52 %
2.7 %
21.5W
$101
$98
$96
2.04 %
4.95 %
1.03 %
22W
$103
$100
$97
3 %
5.83 %
0 %
ノートパソコン用パネル
Size
2010-04
2010-05
2010-06
MoM (%)
QoQ (%)
YoY (%)
10.1W
$34
$32
$31
3.13 %
11.43 %
11.43 %
13.3W
$68
$66
$63
4.55 %
7.35 %
13.7 %
14W
$61
$59
$56
5.08 %
8.2 %
15.6W
$63
$61
$58
4.92 %
7.94 %
2010-05
2010-06
26W(TN) $145
$143
$140
2.1%
5.41%
32W
$205
$202
$199
1.49%
3.4%
3.11%
37W
$253
$248
$243
2.02%
4.71%
2.8%
42FHD
$335
$330
$325
1.52%
4.41%
1.52%
46FHD
$430
$425
$420
1.18%
4.55%
7.69%
0 %
1.69 %
テレビ用パネル
Size
2010-04
MoM (%)
QoQ (%)
YoY (%)
-
【HDD】HDD メーカー、ユーロ不安で 2Q 及び下期出荷見通しを下方修正
DIGITIMES 25-6-2010
世界のハードディスクドライブ(HDD)メーカーが、ユーロ圏の金融不安を契機に、今年
4-6 月の出荷見込み及び今年下期の出荷見通しを相次いで下方修正していることが明ら
かになった。今年下期については、上期を 5-10%下回る可能性もあるとしている。
大手 IT 市場調査機関によると、今年 1-3 月の HDD の世界出荷は 1.64 億ユニットに達し
たことから、今年 4-6 月の HDD 世界出荷は当初は 1.65 億ユニットに達すると見られてい
たが、ユーロ不安により 1.52-1.55 億ユニットに減少するとも見られている。7-9 月及
び 10-12 月については、大手 HDD メーカーは当初それぞれ 1.85 億ユニット及び 1.92 億
ユニットを予想していたが、足もとの受注状況から 1-3 月とほぼ同水準にとどまる見通
しを示している。
60
2010 年 6 月号
【賃金】液晶パネルメーカー、OEM メーカーからの値下げ圧力高まっていると
DIGITIMES 25-6-2010
台湾の液晶パネルメーカーが、中国内地に生産拠点を持つブランドメーカー及び OEM メ
ーカーが工員の賃金上昇により収益が圧迫されていることから部材メーカーに対して値
下げ圧力を強めていることを明らかにした。
ただ、液晶パネルメーカーは、値下げに応じることができるのは来月までで、8 月から
は需要がピーク期を迎えるため、価格は再び上昇するとしている。
61