アジアの時代を考える

アジアの時代を考える
ー グローバル化の新しいステージ ー
2013年3月
浦上アジア経営研究所
浦上 清
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「若者よ、東へ行け( “Go East, Young Man” 」
ー 「職はアジアにあり」ー
• “Go East, Young Man”, The New York
Times, January 9, 2012(The original article,
“China as a destination for job seekers”
dated January 8 2012)
http://www.nytimes.com/2012/01/09/opinion/china-as-a-destination-for-job-seekers.html
• “Why MBAs are Going East”, Business
Week, March 11, 2010
http://www.businessweek.com/magazine/content/10_12/b4171086653619.htm
出所:筆者作成
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1
魔法の磁石・アジア
• 「アジア度」をあげる
– アジアを思う気持ち
•
•
•
•
経営戦略における位置づけ
経営計画における位置づけ
会社幹部の出張回数
アジア企業パートナー
– アジア市場売上高
•
•
売上額および伸び率
売上高構成比
•
アジア市場シェア
「アジア度」を
あげよう!
– アジア拠点
•
•
•
現地法人(製造・販売・開発
設計など)、事務所など
現地生産・現地販売高など
現地採用幹部(人数、レベル
など)
出所: 楽天市場
http://item.rakuten.co.jp/ideshokai/fs4955286804797/
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STマイクロエレクトロニクスの「アジア度」
STマイクロエレクトロニクス地域別売上高
2008年
(2008年)
単位:百万米ドル
1,556
3,024
欧州・中近東・アフリカ
米州
グレーター・チャイナ - 南アジア
日本 - 韓国
3,928
1,334
全社売上高 9,842百万ドル
出所:STマイクロエレクトロニクス2010年アニュアルレポートより作成
STマイクロエレクトロニクス地域別売上高
(2010年 )
2010年
単位:百万米ドル
1,865
2,592
1,331
欧州・中近東・アフリカ
米州
グレーター・チャイナ - 南アジア
日本 - 韓国
4,558
全社売上高 10,346百万ドル
出所:STマイクロエレクトロニクス2010年アニュアルレポートより作成
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2
企業から見たアジアの時代
• 企業から見たアジアの時代
– アジア経済の飛躍的発展 VS 先進国経済の低迷
– ビジネス成長の重要な部分がアジア地域での活動から
生み出される
– アジア事業の抜本的な強化(ヒト、モノ、カネ、情報など)
– 戦略的なターゲットとしての中国
• アジアを牽引する中国
– 中国経済の巨大化
• 社会主義市場経済への漸進的な移行
– 更なる発展の可能性:チャンスとリスク
• ASEAN、インドなどの更なる飛躍
出所:筆者作成
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産業のアジアシフト
• 国際企業のアジア進出
– 対アジア直接投資の拡大(スライド7参照)
– 技術移転と産業立地の転換(スライド8参照)
• 国際水平分業の展開
– アウトソーシングによる水平分業展開
• 受託製造:OEM・ODM、EMS
– アジア企業の成長(スライド10参照)
出所:筆者作成
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6
3
日本の対アジア直接投資の推移
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電子産業のアジア展開
ー 半導体消費地域の変遷 ー
地域別半導体市場の推移
百万米ドル
180,000
160,000
140,000
120,000
米州
欧州
日本
アジア太平洋
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
出所:WSTSデータに基づき作成(2010年の数字はSIAプレスリリース、2011年1月31日付)
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2010
年
8
4
アジアのビジネスモデル
ー例示:中華圏のビジネスモデル(概念図)ー
出所:各種資料に基づき作成
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9
変わるアジア
ー パソコン産業の例 ー
誰がスマイルカーブの底辺を支えるのか?
付加価値
技術
製造
大量生産
ブランド
チャネル
物流
ソフト
CPU
DRAM
ASIC
モニター
HDD
液晶表示 マザーボード
半導体
TSMC,UMC,
Powerchipなど
Chi Mei,
AUなど
米国の状況
◆ Appleの大躍進(2010年以降)
◆ HPの戦略見直し(2011年)
◆ Lenovoの世界市場シェアの
上昇(2011年∼2012年)
台湾企業の自社ブランド事業
ASUSTeK, Acer, BenQなど
PCシステム
パーツ
組立・製造
流通・販売
受託製造、OEM・ODMの世界
出所: 各種資料に基づき作成
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5
日本企業の国際化とアジア事業の課題
これまでの国際化
アジア事業の課題
• アジア事業の高度化
• モノづくり主導
– 世界的な技術力と標準化
戦略
– 企業及び製品ブランド
• 先端市場志向
– 日本市場、米国市場、そし
て欧州市場
• 生産拠点としてのアジア・
中国
– アジア市場での販売
– 「アジア度」の向上
• 事業戦略立案機能の
現地シフト
• アジア人材の活用
• アジアの産業連携
– 相互補完性の利点を活か
し、共通価値を実現
出所: 筆者作成
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これからのアジア事業
• これまでのアジア事業
– 工場としてのアジア → アジア生産・アジア販売
– 単品ビジネス志向
– 低機能化(“Defeaturization”)と低価格化
• これからのアジア事業
– アジア圏の市場ニーズの掘り下げ
– アジアの社会的課題解決への取り組み
– リバース・イノベーション
• Vijay Govindarajan and Chris Trimble, Reverse innovation:
create far from home, win everywhere, Boston: Harvard
Business Review Press, 2012
• Clean-slateなアプローチ(先入観なしで発想する)
• GE、ペプシコなどによる製品開発・新事業立ち上げ事例
– 新興国で開発した製品が先進国市場で販売される
出所: 筆者作成
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日本企業のアジア事業の方向性
− 電子産業のケース −
付加価値
技術
製造
大量生産
ブランド
チャネル
物流
先端材料事業、
先端部品事業など
ソリューション・サービス事業、
社会イノベーション事業など
日本企業の方向性
日本企業の方向性
電子産業
パーツ
組立・製造
流通・販売
出所: 各種資料に基づき筆者作成
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