119号 - 株式会社窪治組

人の和通信 ( 窪治 119号 )
あなたは「犬派」?それとも「猫派」?
ペットと言って先ず思い浮かぶのは犬と猫。そのペットとしての歴史を見てみると。
犬は、3万年前のクロマニヨン人の骨と共に犬の骨も見つかっていることから、もう既
にこの頃から人と犬は共に生活をしていたようです。日本では縄文人がペットとして犬
を飼っていたという説もあるようです。
ハチ
日本で一番有名な犬と言えばやはり『ハチ』でしょう。
ハチは主人である大学教授・上野英三郎氏にとても愛さ
れていました。ハチは大好きな主人を毎日渋谷駅まで迎えに行ってい
たのでした。しかしその幸せな暮らしは長くは続きませんでした。主
人である上野氏が突然亡くなってしまったのです。ハチが上野氏の元
に来てまだ二年も経たないというのに。
その後の二年間、ハチは違う飼い主の元を
転々とし、ようやく行き着いたのは、上野宅出
入りの植木職人の小林家でした。渋谷に戻った
晩年のハチ
ハチは、かつての主人が駅に戻る時間になると広場に姿を現し、改
札口を見つめ、その帰りをじっと待っていたのです . . . . . 七年間
も。この話が朝日新聞に掲載された事がきっかけとなり、邪魔者扱
いをされていたハチは一躍人気ものとなりました。ハチの物語は教
科書にも載りましたし、渋谷駅前には「忠犬ハチ公像」が設置され
ました。その翌年死んだハチは、上野教授が埋葬されたお墓のすぐ
横、東京・青山の地に葬られ、今も安らかに眠っています。
初代ハチ公像
現存しているのは戦後再建されたもの
タロとジロ
南極の過酷な環境の中で1年
間生き延びた二匹の樺太犬
です。1957年(昭和32年)南極大陸で観測を行う「第1次南極
観測隊」の現地で働くそり犬として同行した22頭の樺太犬は
11名の第1次越冬隊員と共にそのまま昭和基地に残りました。
翌1958年(昭和33年)第1次越冬隊と入れ替わるため出発し
た第2次越冬隊は、南極付近には到着したものの、悪天候のた 氷に阻まれ⽴ち往⽣する宗⾕
め昭和基地に到達する事は出来ませんでした。第1次越冬隊員たち11人は、アメリカ海軍
の支援を受けて、なんとか船にたどり着く事は出来たのですが、15頭の犬たちを連れて
いくことは困難なため、犬たちはそのまま基地に残されました。野犬にならないように
と首輪で繋がれたまま。
その1年後の1959年(昭和34年)第3次越冬隊が南極上空から
昭和基地の様子を観察すると、そこには生きている2頭の犬の姿
がありました。それが『タロとジロ』です。この2頭だけは何と
か飢えを忍び、過酷な南極の地で生き抜いていたのです。
タロとジロの奇跡は感動を呼び今日に至るまで語り継がれて
います。
タロとジロ
さて、猫はと言うと。猫自体の祖先は約13万年前のリビアヤマネコ。このリビアヤマ
ネコは、今から9500年~4000年前のどこかの段階で人間と接点を持つようになったと考
えられています。
人間が猫と暮らすきっかけとなったのはその役割「穀物をネズミから守る倉庫番」と
考えるのが一番有力な説のようです。
ウイスキー・キャット
ウイスキーやビールの製造元で
は、原料である大麦をネズミや鳥
などから守るため、古くから猫を倉庫番としてきました。これは、化
学薬品である駆除剤を用いると、原料の香りや品質に悪影響を及ぼす
からで、イギリスやスコットランドの蒸留所などで飼われている猫は
特に「ウイスキー・キャット」と呼ばれ、
「倉庫番」兼「マスコット」
として働いていました。その中でもスコットランドの「グレンタレッ
ト蒸留所」で飼われていた『Towser(タウザー)』という猫は、1987年3
月20日に死ぬまでの24年間に28,899匹のネズミを捕まえたことでギ
ネスブックに記録されています。タウザーの偉業もさることながら、
Towser
ネズミの数の多さにも驚かされます。
たけし
前述の第1次越冬隊に同行したのは犬だけではあ
りませんでした。猫もいたのです。それがオスの
三毛猫『たけし』。遺伝学的に極めて珍しい「オスの三毛猫」は、船
乗りの間では「守り神」とされてきました。『たけし』は南極隊員の
間で「マスコット」的な存在だったようです。
「昭和基地」での越冬
たけし
中に『たけし』は通信機械の4000ボルトの高圧電流に触れて感電死寸
前になったものの、何とか一命を取り留め11人の第1次越冬隊と共に無事日本に帰国しま
した。
帰国後は南極で『たけし』の命を救った通信士の家で飼われていましたが、昭和33年5
月突然姿を消し、そのまま消息を絶ってしまったそうです。ちょうど犬たちが置き去り
にされている間に・・・。
古くから人と共に暮らしてきた犬や猫。とても身近な存在であるが所以、何かが起き
れば災害弱者に。福島には今まだ取り残されたままの犬や猫が・・・。
また全国で1年間に殺処分されている犬と猫の数は、合わせて12万頭を遥に超えている
こともここに付け加えておきます。
窪目 修一
編集後記
ペットブームって言うからてっきりどんどん増えて
いるのかと思ったら…猫は横ばい、犬は減少…なんです
って! 猫の方が手が掛からないからかしら・・・。
猫と言えば「猫がネズミを追いかける場面」は洋の東西
を問わずいろいろなお話に登場しますよね。それだけ猫
は世界中で活躍していたわけなんですね。それにしても
タウザーはすごい。一日平均三匹以上ネズミを取ってき
たわけだから。これは大活躍!でもちょっと待って・・・。
毎日三匹取ってもネズミがいなくならない蒸留所のウ
イスキーって大丈夫だったのかしら。
・・・あっ!アルコール消毒済みね・・・
渡邉由美子
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鳶・土工・建設業
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