Quartz Devices Optical products 光学製品 93 水晶光学製品 解説 色フィルタアレイを使用したカラービデオカメラなどの、光学疑似信号を除去し、 高画質化を実現します。 ■ 特長 ● ● ● ● ● 個別に育成した高品質の人工水晶を材料に、高クラスのクリーンルームで製造し ていますので安心して使用いただけます。 水晶の複屈折性を利用していますので、 シャープなカットオフ特性が得られます。 任意の分離方向および分離幅の複屈折板と偏光解消板 (波長板) を組み合わせて、 撮像素子に最適な設計が可能です。 赤外カットフィルタの他に、様々な特性のフィルタとの複合化が可能です。 作業性の良い面取り加工品と、低価格な切断加工品があります。 ■ 用途 ● カラービデオカメラ・デジタルスチルカメラ・監視カメラ・FAカメラ・車載カメラ 用語の説明 光学ローパスフィルタ : 空間周波数の高周波成分を除去するフィルタです。カラー撮像素子を使用したデジタルスチルカメラや カムコーダなどの光学疑似信号を除去します。 : 入射した光線を互いに振動方向の異なる常光線と異常光線の2つの直線偏光に分離させる素子です。 複 屈 折 板 サバール板と呼ぶこともあります。 偏 光 解 消 板 : 複屈折板を通過して直線偏光となった光線の偏光状態を解消させる素子です。位相板、波長板と呼ぶ こともあります。 : 赤外線を遮断するフィルタです。通常の撮像素子は赤外線に感度があるが、人間の目は赤外線を感じな 赤 外 カット フィル タ いため、色補正用に使用されます。赤外線を吸収する赤外吸収ガラスと、赤外線を反射させる赤外(IR) カットコーティングがあります。同様に紫外線をカットする紫外(UV) カットコーティングもあります。 光 学 疑 似 信 号 : 撮像素子で格子縞などを写すと発生する、色むらや縞模様などの本来存在しない信号です。偽信号、 モアレと呼ぶこともあります。 ■ 複屈折板の原理 ■ 使用例 d 常光線 o 赤外カットフィルタ e 異常光線 カメラ本体 光学軸 t d : 分離幅 ne2−no2 ×t d= 2ne・no -3 ≒5.9×10 ×t t : 水晶複屈折板の厚さ no : 常光線の屈折率 レンズ ne : 異常光線の屈折率 94 光学ローパスフィルタ 撮像素子(CCD、C-MOS) 水晶光学製品 光学ローパスフィルタ(小型イメージセンサ用) ■ アナログタイプ 撮像素子 外形寸法(mm) アスペクト比 タイプ 1/2インチ 1/3インチ 1/4インチ 構成例 標準寸法 小型寸法 4:3 11.0×12.0 9.0×10.5 4:3 8.2×8.8 7.3×8.3 16:9 7.2×9.2 6.5×9.2 4:3 7.3×7.8 6.5×7.3 A B C D ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ Day&Ni ghtに対応したダミーガラスをセットで作製可能です。詳細については営業窓口にお問い合わせください。 ■ 構成例 B: A: H H 分離パターン 分離パターン V V D: C: H H 分離パターン 分離パターン V V ■ 付加される赤外(IR)カットフィルタ例 赤外吸収ガラスタイプ 赤外(IR) カットコーティングタイプ 100 透過率[%] 透過率[%] 100 50 0 400 500 600 700 800 50 0 400 900 1000 1100 500 600 波長[nm] 赤外吸収ガラス+赤外(IR) カットコーティング 複合タイプ(高感度タイプ) 900 1000 1100 100 透過率[%] 透過率[%] 800 赤外吸収ガラス+赤外(IR) カットコーティング 複合タイプ(超高感度タイプ) 100 50 0 400 700 波長[nm] 500 600 700 800 50 0 400 900 1000 1100 波長[nm] 500 600 700 800 波長[nm] 95 900 1000 1100 水晶光学製品 光学ローパスフィルタ (大型イメージセンサ用) ■用途 ● 大型センサーを搭載したレンズ交換式、 並びに、 レンズ一体式 デジタルスチルカメラに使用される光学ローパスフィルタです。 ■ 特長 ● 個別に育成した高品質の人工水晶を材料に、 高クラスのクリーンルームで 製造していますので、安心して使用いただけます。 ● 水晶の複屈折性を利用していますので、 シャープなカットオフ特性が 得られます。 ● 撮像素子に合わせた分光特性が選択可能です。 ● 作業性が良く、 ゴミの発生が少ない面取り加工仕様となっております。 ■ 仕様 項 目 外形寸法 標準仕様 フルサイズ 28.0×40.0mm APS 20.0×26.0mm マイクロフォーサーズ 16.0×20.0mm 反射防止膜(コート1面あたり) 反射率 1.0% max./450~650nm 異物規格 30μm以内 主面有効エリア 外周1mmを除く範囲 耐湿性保証値(60℃、90%) 500H、1000H(使用ガラス種類による) この他の仕様、 または特殊仕様については営業窓口にお問い合わせください。 ■ 構成例 赤外吸収ガラス+赤外(IR)カットコーティング 複合タイプ ① H 赤外吸収ガラスタイプ ② ③④ ① H ② 分離パターン 分離パターン V V 赤外カットコーティング 反射防止膜 反射防止膜 T 反射防止膜 T 【構 成】①水平方向分離複屈折板 ②赤外吸収ガラス ③偏光解消板 ④垂直方向分離複屈折板 【構 成】①水平方向分離複屈折板 ②赤外吸収ガラス ■ 分光特性例 赤外吸収ガラス+赤外(IR)カットコーティング 複合タイプ 赤外吸収ガラスタイプ 100 透過率[%] 透過率[%] 100 50 0 400 500 600 700 800 50 0 400 900 1000 1100 波長[nm] 500 600 700 800 波長[nm] 96 900 1000 1100 水晶光学製品 光学水晶基板 ■ 特長 ● 高品質な水晶を素材とした大型の透明基板です。 優れた放熱特性が得られます。 ● 熱伝導率が高い水晶製ですので、 ● 複屈折の影響がない角度で加工しており、 各種フィルム用基板として、 安心して使用いただけます。 ■ 仕様 項目 標準仕様 外形寸法 35.0×35.0mm max 厚み 0.3mm min. 反射防止膜(コート1面あたり) 反射率1.0% max./450~650nm 主面有効エリア 外周1mmを除く範囲 耐湿性保証値(60℃、90%) 1000H この他の仕様、 または特殊仕様については営業窓口にお問い合わせください。 ■ 製品例 ■ 反射防止膜特性例 反射率 [%] 3 光学軸 2 1 0 400 反射防止膜 500 波長 [nm] ※一面あたりの反射率特性(裏面反射は含まない) 97 600 700 光学薄膜製品 解説 主に各種撮像素子の色補正フィルタとして使用する光学薄膜です。 ■ 特長 ● 高精度の膜厚制御により、 安定した特性が得られます。 ● 光学ローパスフィルタと組み合わせる場合、 撮像素子に合わせた分光特性を 選択可能です。 ● 水晶の他、 各種ガラス基板にも成膜が可能です。 ● 各種基板に対し、 さまざまな分光特性を付加できます。 ● その他、 特殊な分光特性にも対応いたします。 赤外(IR)カットフィルタ(IRCF) 『赤外(IR)カットフィルタ(IRCF)』は赤外線を遮断するフィルタです。通常の撮像素子では赤外線に感度があります が、人間の目は赤外線を感じないため、色補正用として使います。 ■ 分光特性例 赤外(IR) カットコーティングタイプ 赤外吸収ガラスタイプ 100 透過率[%] 透過率[%] 100 50 0 400 500 600 700 800 900 50 0 400 1000 1100 500 600 波長[nm] 700 800 900 1000 1100 波長[nm] IRダブルカットフィルタ 『IRダブルカットフィルタ』は赤外線を吸収する素材をベースに、赤外線を遮断するコーティングを施したハイブリッド構造 になっており、可視光域で高い透過率を維持しながら近赤外光域の光線は確実に遮断し、さらにフレアーの発生も抑える という特性を備えています。 ■ 分光特性例 赤外吸収ガラス+赤外(IR)カットコーティング 複合タイプ (高感度タイプ) 赤外吸収ガラス+赤外(IR)カットコーティング 複合タイプ (超高感度タイプ) 100 透過率[%] 透過率[%] 100 50 0 400 500 600 700 800 900 50 0 400 1000 1100 波長[nm] 500 600 700 800 波長[nm] 98 900 1000 1100 光学薄膜製品 デュアルパスフィルタ 『デュアルパスフィルタ』は、可視光域と近赤外光域それぞれに透過域を有しており、昼夜連続で撮影を行う監視カメラなど の撮像装置に適した光学フィルタです。 ■ 分光特性例 100 透過率[%] 透過率[%] 100 50 0 400 500 600 700 800 900 50 0 400 1000 1100 500 600 波長[nm] 700 800 900 1000 1100 波長[nm] バンドパスフィルタ 『バンドパスフィルタ』は、可視光を遮断して、任意の波長の近赤外光域のみを透過させて映像を撮影することにより、色々 な応用範囲が広がります。 ■ 分光特性例 100 透過率[%] 透過率[%] 100 50 0 400 500 600 700 800 900 50 0 400 1000 1100 波長[nm] 500 600 700 800 波長[nm] 99 900 1000 1100 光学薄膜製品 IRパスフィルタ 夜間撮影においては近赤外光域の光を照射させて映像を再現しますが、 IRパスフィルタは、可視光を遮断することにより、 余計な光を排除して、 より鮮明な映像を実現することができます。 ■ 分光特性例 100 透過率[%] 透過率[%] 100 50 0 400 500 600 700 800 900 50 0 400 1000 1100 波長[nm] 500 600 700 800 900 1000 1100 波長[nm] 反射防止膜(ARコーティング) ガラス基板などに光が通過する時は必ず「反射」 という現象が発生します。これを減少させるのが反射防止膜 (ARコーティン グ) です。一般的な『単層ARコート』、 『 マルチARコート』は、可視光域の反射を防止する目的で設計されています。 しかし、 監視カメラなどで用いられる夜間撮影では近赤外光を用いるため、反射防止の効果が十分ではありません。 『広帯域ARコー ト』は、可視光域だけではなく、近赤外光域でも反射防止の性能を備えています。 ■ 反射防止膜(ARコーティング)一面あたりの分光特性例 10 反射率[%] ARコート無しの場合 5 単層ARコート マルチARコート 広帯域ARコート 0 400 500 600 700 800 900 1000 波長[nm] ※一面あたりの反射率特性(裏面反射は含まない) 100 取り扱い上の注意 ■ 取り扱い上の注意 ● 光学製品は、主面を光学鏡面に仕上げていますので、取り扱いの際には主面には触れず、側面で保持してください。 ● 切断加工品の場合、端面が切り立っているため、硬いもので稜部を押さえると、 カケが発生する場合があります。 取り扱いには、樹脂製のピンセット (写真) などを使用し、側面のみを保持してください。 ● 主面にゴミが付着した場合、 まずはエアブローなど、なるべく非接触で除去してください。 ■ 梱包 ● 光学製品は、主面に接触しないように保持する専用の梱包トレイに、 クリーン梱包しております。 ゴ ミの再付着を防ぐため、 クリーンルーム内での開封をお願いします。 ■ 保管 ● 高温多湿を避け、 また結露しない環境にて、保管してください。 例:樹脂製のピンセット 101 102
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