3.鉄管の外径はどのように決まりましたか? 我が国の鋳鉄管の歴史は欧州からの輸入管に始まり、今日まで材質、寸法などそれぞれ規格の変遷を重ねてきました。 明治初期の鋳鉄管は、イギリス、ベルギーなどから輸入されていたため、その外径は製造メーカによって異なっていました。また、明治中期から製造され始 めた国産の鋳鉄管の外径も輸入管に合わせていました。 このような中、大正3年の上水協議会規格によって、外径は普通圧管の内径が呼び径になるように統一され、外径=内径+2×管厚(普通圧管)となりまし た。 また、大正14年の上水協議会規格では、メートル法が採用され、使用単位がインチからミリメートルになり、内径を切りの良い数値に丸めたことから、呼び 径75を除き外径がわずかに小さくなりました。 さらに、昭和8年の水道協会規格では、材質が普通鋳鉄から高級鋳鉄になり、強度が高くなったことから管厚が薄くなり、外径がさらに小さくなりました。 その後、互換性の確保などから昭和8年の外径を変更することなく現在に至っています。 表 内径および外径の変遷 大正3年(上水協議会規格) 「水道用鋳鉄管仕様書標準」 呼び径 内径 管厚 (普通圧管) 単位 mm 大正14年(上水協議会規格) 「水道用鋳鉄管規格」 外径 内径 管厚 (普通圧管) 外径 昭和8年(水道協会規格) 内径 管厚 (普通圧管) 外径 75( 3) 76.2( 3) 9.398(0.37) 94.996( 3.74) 75 10.2 95.4 75 9.0 93.0 100( 4) 101.6( 4) 10.160(0.40) 121.920( 4.80) 100 10.7 121.4 100 9.0 118.0 150( 6) 152.4( 6) 11.684(0.46) 175.768( 6.92) 150 11.8 173.6 150 9.5 169.0 200( 8) 203.2( 8) 12.954(0.51) 229.108( 9.02) 200 12.9 225.8 200 10.0 220.0 250(10) 254.0(10) 14.224(0.56) 282.448(11.12) 250 14.0 278.0 250 10.8 271.6 300(12) 304.8(12) 15.494(0.61) 335.788(13.22) 300 15.1 330.2 300 11.4 322.8 350(14) 355.6(14) 16.510(0.65) 388.620(15.30) 350 16.2 382.4 350 12.0 374.0 400(16) 406.4(16) 17.780(0.70) 441.960(17.40) 400 17.3 434.6 400 12.8 425.6 450(18) 457.2(18) 19.050(0.75) 495.300(19.50) 450 18.4 486.8 450 13.4 476.8 500(20) 508.0(20) 20.066(0.79) 548.132(21.58) 500 19.5 539.0 500 14.0 528.0 600(24) 609.6(24) 22.352(0.84) 654.304(25.76) 600 21.7 643.4 600 15.4 630.8 700 - - - 700 23.9 747.8 700 16.5 733.0 836.0 800 - - - 800 26.1 852.2 800 18.0 900(36) 914.4(36) 28.956(1.14) 972.312(38.28) 900 28.3 956.6 900 19.5 939.0 1000 - - - 1000 30.5 1061.0 1000 20.5 1041.0 1100 - - - 1100 32.7 1165.4 1100 22.0 1144.0 1200 - - - 1200 34.9 1269.8 1200 23.0 1246.0 1350 - - - 1350 38.2 1426.4 1350 25.0 1400.0 1500 - - - 1500 41.5 1583.0 1500 27.0 1554.0 備考 ( )内の数値は、インチを示す。
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