オフセット・クレジット(J-VER)制度における温室効果ガス(GHG) 妥当性確認・検証機関の暫定的な要件について (Ver1.6) (ただし、本文書は平成 23 年 4 月 1 日までに改訂される可能性があることから、最新の情報に留意すること) 環境省 オフセット・クレジット(J-VER)制度(以下「本制度」という。 )は、オフセット・クレジット (J-VER)制度実施規則(以下「実施規則」という。) 1-3 において、「本制度は、原則として、 ISO14064-2 及び ISO14064-3 に準拠した制度であるとともに、プロジェクト計画書の妥当性確認及 び温室効果ガス排出削減・吸収量の検証は、原則として、ISO14065 で認定された妥当性確認機関 及び検証機関が実施すること」と規定されているなど、ISO14064-2 に準拠した制度となっている。 よって、妥当性確認・検証機関は、ISO14064-2 によって算定された温室効果ガス(GHG)排出削減・ 吸収量を対象に、ISO14064-3 による温室効果ガス(GHG)の妥当性確認・検証を行う必要がある。 当制度を用いた、我が国における国際認定フォーラム(IAF)の品質マネジメントシステム、環 境マネジメントシステムまたは製品認証に関する相互承認(MLA)メンバー(以下、IAFMLA メンバ ーという)による ISO14065 認定は、ISO14064-2 及び ISO14064-3 に準拠した妥当性確認・検証プロ グラムを提供する機関に対して行われることから、以下に、我が国における IAFMLA メンバーによ る、ISO14064-2 に準拠した妥当性確認・検証を行う機関(以下、ISO14064-2 妥当性確認・検証機 関という)に対し ISO14065 認定が授与されるまでの間の措置として、平成 23 年 4 月 1 日以降の暫 定的な妥当性確認・検証機関の要件を定めることとする。 なお、当面の間は、各方法論に合致した認定分野に対する ISO14064-2 妥当性確認・検証機関に 対応する ISO14065 認定事業のうち、妥当性確認・検証のいずれかの申請受理をもって、妥当性確 認・検証のいずれをも行うことができることとするが、認定事業の進捗に伴い当該措置は終了する。 また、Ver.1.5 による暫定要件適用は、平成 23 年 3 月 31 日をもって終了する。 1.妥当性確認・検証機関の登録 制度管理者である環境省及びオフセット・クレジット(J-VER)認証運営委員会(以下「J-VER 認証運営委員会」という。)は、本制度における妥当性確認・検証機関として登録を希望し、かつ、 以下の2及び3に定める要件に合致すると認められる機関を、本制度における妥当性確認・検証機 関として登録する。 2.妥当性確認機関の要件について 本制度における妥当性確認は、実施規則 2-2 ③において、「妥当性確認機関は、原則として、 ISO14065 に基づいて認定を受けた妥当性確認機関又はその認定申請を行っている妥当性確認機関 が実施するものとする。」と規定しているが、移行措置として、各方法論に合致した認定分野ごと に、以下の要件を満たす機関を暫定的な妥当性確認機関とする。 ・我が国における IAFMLA メンバーにより各方法論に合致した認定分野に対する ISO14064-2 妥当性 確認機関に対応する ISO14065 認定事業が開始されてから 6 ヶ月以降は、我が国における IAFMLA 1 メンバーによる、ISO14064-2 に対応する ISO14065 認定事業による申請が受理されている機関 ・我が国における IAFMLA メンバーにより各方法論に合致した認定分野に対する ISO14064-2 妥当性 確認機関に対応する ISO14065 認定事業が開始されていない場合、または、認定事業が開始され てから 6 ヶ月までの間は、当該認定分野に関しては、気候変動枠組条約における指定運営組織 (DOE)又は認定独立組織(AIE)として登録され(当該機関の日本法人を含む)、ISO14065 認定 取得の意思を有し、すべての妥当性確認の活動に法的責任を負うことができると認められる機関 (法人又は法人の一部)。 3.検証機関の要件について 本制度における検証は、実施規則 2-2 ⑥において、「検証は、原則として、ISO14065 に基づい て認定を受けた検証機関又はその認定申請を行っている検証機関が実施するものとする。」と規定 されているが、移行措置として、各方法論に合致した認定分野ごとに、以下の要件を満たす機関を 暫定的な検証機関とする。 ・我が国における IAFMLA メンバーにより各方法論に合致した認定分野に対する ISO14064-2 検証機 関に対応する ISO14065 認定事業が開始されてから6カ月以降は、我が国における IAFMLA メンバ ーによる、ISO14064-2 に対応する ISO14065 認定事業による申請が受理された機関 ・我が国における IAFMLA メンバーにより各方法論に合致した認定分野に対する ISO14064-2 検証機 関に対応する ISO14065 認定事業が、開始されていない場合、または、認定事業が開始されてか ら 6 ヶ月までの間は、気候変動枠組条約における指定運営組織(DOE)又は認定独立組織(AIE) として登録され(当該機関の日本法人を含む)、ISO14065 認定取得の意思を有し、すべての検証 の活動に法的責任を負うことができると認められる機関(法人又は法人の一部) 4.暫定的な妥当性確認・検証機関の登録の取り消しについて 以下のいずれかの事由が生じた場合は、妥当性確認・検証機関の登録を取り消す。1 1)我が国における IAFMLA メンバーによる ISO14064-2 妥当性確認・検証機関に対応する ISO14065 認定事業において、初回認定審査打ち切りまたは認定が取り消された場合 2)我が国における IAFMLA メンバーにより各方法論に合致した認定分野に対する ISO14064-2 妥当 性確認・検証機関に対応する ISO14065 認定事業が開始されていない時点、または、認定事業が 開始されてから 6 ヶ月までの間は、気候変動枠組条約における指定運営組織(DOE)又は認定独 立組織(AIE)としての認定が取り消された場合(ただし、他の認定分野において、すでに我が 国における IAFMLA メンバーによる、ISO14064-2 妥当性確認・検証機関に対応する ISO14065 認 定を取得している場合を除く。) 1 将来的には、我が国における IAFMLA メンバーによる、ISO14064-2 妥当性確認・検証機関に対応する ISO14065 認定を取得している機関に限ることとなる見込みである。 2 5.暫定的な妥当性確認・検証機関の登録の一時停止について 以下のいずれかに該当する場合は、原則として、妥当性確認・検証機関の登録を一定の期間停 止(以下、「一時停止」という。)する。 1)我が国における IAFMLA メンバーによる ISO14064-2 妥当性確認・検証機関に対応する ISO14065 認定事業において、認定が一時停止となった場合 2)我が国における IAFMLA メンバーにより各方法論に合致した認定分野に対する ISO14064-2 妥 当性確認・検証機関に対応する ISO14065 認定事業が開始されていない時点、または、認定事 業が開始されてから 6 ヶ月までの間は、気候変動枠組条約における指定運営組織(DOE)又は 認定独立組織(AIE)としての認定が一時停止となった場合(ただし、他の認定分野において、 すでに我が国における IAFMLA メンバーによる、ISO14064-2 妥当性確認・検証機関に対応する ISO14065 認定を取得している場合を除く。) 3)本制度への準拠性等に対する疑義が提起された場合 6.方法論と認定分野の暫定的な対応について 本制度においては、以下の表の通り、我が国における IAFMLA メンバーによる、ISO14064-2 妥当 性確認・検証機関に対応する ISO14065 認定を取得した機関は、我が国における IAFMLA メンバーに よる ISO14064-2 プロジェクト妥当性確認および ISO14064-2 プロジェクト検証における認定分野に 対応した方法論を用いたプロジェクトに対する妥当性確認または検証を行うことができる。 なお、我が国における IAFMLA メンバーにより各方法論に合致した認定分野に対する ISO14064-2 検証機関に対応する ISO14065 認定事業が開始されていない時点、または、認定事業開始後 6 ヶ月 を過ぎる日までは、以下の表の通り、方法論ごとに気候変動枠組条約におけるセクトラルスコープ との対応を定め、該当するセクトラルスコープを取得していることをもって、暫定的に、当該方法 論を用いたプロジェクトに対する妥当性確認または検証を行うことができるものとする。 当該対応については、方法論パネルにおける審議の上で、J-VER 認証運営委員会において決議す ることとする。 オフセット・クレジット(J-VER)制度における方 我が国における IAFMLA メンバー 気候変動枠組条 法論 による認定分野 約におけるセク トラルスコープ E001 化石燃料から未利用の木質バイオマスへのボ 認定分野 1 サブカテゴリ 1-b - 認定分野 1 サブカテゴリ 1-b - イラー燃料代替 E002 化石燃料から木質ペレットへのボイラー燃料 代替 E003 木質ペレットストーブの使用 認定分野 1 サブカテゴリ 1-b - E004 廃食用油由来のバイオディーゼル燃料の車両 認定分野 1 サブカテゴリ 1-b - 認定分野 1 サブカテゴリ 1-b - 等における利用 E005 下水汚泥由来バイオマス固形燃料による化石 燃料代替 3 E006 排熱回収・利用 認定分野 1 サブカテゴリ 1-d - E007 薪ストーブにおける薪の使用 認定分野 1 サブカテゴリ 1-b - E008 情報通信技術を活用した、輸送の効率化による 認定分野 1 サブカテゴリ 1-c - 認定分野 1 サブカテゴリ 1-c - 燃料消費量削減 E009 情報通信技術を活用した、検針等用車両による 燃料消費量削減 E010 高効率照明の利用 認定分野 1 サブカテゴリ 1-c - E011 ボイラー装置の更新 認定分野 1 サブカテゴリ 1-c - E012 空調設備の圧縮機の更新 認定分野 1 サブカテゴリ 1-c - E013 フリークーリング及び外気導入による空調の 認定分野 1 サブカテゴリ 1-c - 省エネルギー E014 アイロン装置の更新 認定分野 1 サブカテゴリ 1-c - E015 小水力発電による系統電力の代替 認定分野 1 サブカテゴリ 1-a - E016 コジェネレーション設備の導入 認定分野 1 サブカテゴリ 1-e - E017 ファン、ポンプ類の換装またはインバーター制 認定分野 1 サブカテゴリ 1-c - 認定分野 1 サブカテゴリ 1-b - 御、台数制御機器の導入 E018 廃棄物由来のバイオガスによる熱および電力 供給のための化石燃料代替 E019 ヒートポンプの導入 認定分野 1 サブカテゴリ 1-c - E020 古紙廃プラ固形燃料(RPF)の製造・利用 未定※ - E021 熱分解による廃プラ油化燃料・ガス化燃料の燃 認定分野 1 サブカテゴリ 1-b - 認定分野 1 サブカテゴリ 1-d - 認定分野 1 サブカテゴリ 1-c - 料利用 E022 廃棄物処理施設における熱回収・発電による廃 棄物のエネルギー利用 E023 デジタルタコグラフの装着によるエコドライ ブ E024 太陽光発電の導入による、系統電力代替 認定分野 1 サブカテゴリ 1-a - R001 森林経営活動による CO2 吸収量の増大(間伐促 認定分野 4 14 認定分野 4 14 進型プロジェクト) R002 森林経営活動による CO2 吸収量の増大(持続可 能な森林経営促進型プロジェクト) R003 植林活動による CO2 吸収量の増大 認定分野 4 14 L001 低タンパク配合飼料利用による豚のふん尿処 認定分野 3 サブカテゴリ 3-a 13、15 理からの N2O 排出抑制 ※当面の間は、認定分野 1 に対する認定申請が受理されていることにより代替される 以 上 4 【修正履歴】 Ver.1.0 平成 22 年 7 月 1 日 Ver.1.1 平成 22 年 7 月 23 日 Ver.1.2 平成 22 年 9 月 14 日 Ver.1.3 平成 22 年 9 月 30 日 Ver.1.4 平成 22 年 10 月 22 日 Ver.1.5 平成 22 年 11 月 15 日 Ver.1.6 平成 23 年 2 月 1 日 【参考】 <我が国における IAFMLA メンバーによる認定分野> プログラム 認定分野 ISO14064-2 1.GHG の削減プロジェクト(エネルギ プ ロ ジ ェ ク ー由来) ト妥当性確 認 サブカテゴリ 1-a 再生エネルギープロジェクト 例 風力、水力、太陽光、太陽熱利用 1-b バイオマス利用プロジェクト 1-c エネルギー効率改善プロジェクト 1-d 排熱回収プロジェクト ISO14064-2 1-e コジェネプロジェクト プ ロ ジ ェ ク 2.GHG の削減プロジェクト(工業プロ 2-a HFC/PFC 削減プロジェクト ト検証 セス) 2-b N2O 削減プロジェクト 3.GHG の削減プロジェクト(家畜) 3-a N2O 削減プロジェクト 4.GHG の吸収プロジェクト(森林) <気候変動枠組条約におけるセクトラルスコープ> No セクトラルスコープ 1 エネルギー産業 2 エネルギー供給 3 エネルギー需要 4 製造業 5 化学産業 6 建設 7 運輸 8 鉱業・無機工業 9 金属工業 10 燃料からの漏洩 11 HFC 及び SF6 の製造及び消費による漏洩 12 溶剤使用 13 廃棄物処理・処分 14 植林及び再植林 15 農業 5
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