Update:2016.8.5 外科専門研修プログラム 【概 要】 主任部長 河本 和幸(かわもと かずゆき) スタッフ 9 名、非常勤スタッフ 1 名、シニアレジデント 15 名(1 名育休)、修練医 3 名 (平成 28 年 8 月1日現在) 消化器外科、乳腺外科、小児外科を中心に診療している。 日本外科学会(指導医 3 名、専門医 10 名) 、日本消化器外科学会(指導医 3 名、専門医 4 名) 、 日本乳癌学会(認定医 2 名) 、日本小児外科学会(認定医1名) 年間癌切除数 2011 年 食道癌 27 胃癌 191 大腸癌 225 肝癌 44 膵癌 33 乳癌 140 2012 年 食道癌 20 胃癌 175 大腸癌 243 肝癌 54 膵癌 24 乳癌 123 2013 年 食道癌 17、胃癌 184、大腸癌 262 肝癌 32 膵癌 19 乳癌 139 2014 年 食道癌 7、胃癌 181,大腸癌 248、肝癌 45、膵癌 45、乳癌 140 2015 年 食道癌 11、胃癌 147,大腸癌 215、肝癌 38、膵癌 38、乳癌 160 その他(十二指腸癌 9、小腸悪性腫瘍 12、胆道癌 18、転移性肝癌 29、GIST13) 良性疾患の手術数は年間で ヘルニア(小児を含む)280 例、急性虫垂炎 150 例、胆石症 250 例 外科系緊急手術多数 【一般目標】 1)適切な外科の臨床的判断能力、問題解決能力を修得する。 2)手術を適切に実施できる能力を修得する。 3)医の倫理に配慮し、外科診療を行う適切な態度、習慣を身に付ける。 4)外科学の進歩に合わせた生涯学習を行う方略、方法の基本を修得する。 【研修目標】 1)外科診療に必要な基礎的知識を習熟し、臨床応用できる。 輸液と輸血、栄養と代謝、局所および全身の外科的感染症、創傷管理、周術期の管理、 腫瘍学(発ガン、治療法、抗癌剤と放射線療法の合併症、ターミナルケア) 2)外科診療に必要な超音波検査・内視鏡検査・処置手技に習熟し、それらの臨床応用がで きる。 3)一定レベルの手術を実施できる能力を修得し、臨床応用できる。 【研修内容】 病棟入院患者の主治医となる。患者配属はおおよそ以下の通りである。 1 年目; 良性疾患のヘルニア、急性虫垂炎、胆石症、救急症例、悪性疾患では乳癌症例の 主治医が任される。上級指導医の指導のもとこれらの手術が十分にこなせるよう になる。大腸癌、胃癌症例の担当医として関わり、手術、術後管理の研修を積む ことになる。麻酔科をローテートして責任を持って麻酔がかけられるようになり 当科麻酔に積極的に加わる。リバーサイド病院をローテートして当院では経験で きない中小病院での外科のテクニックを身につける。 総論的には外科医としての基本的な医学常識、経験を身につけること(特に手術 の IC など) 。 簡単な創縫合、切開排膿術、急性虫垂炎、輸液管理、栄養管理、中心静脈ライン 挿入、適切な抗生剤の使用法、外科感染症の治療、抗癌剤による化学療法などを 学ぶ。外科当直医として救急症例の初期対応から手術まで担当し、救急対応能力 を身に着ける。 2 年目; 胃癌、大腸癌を中心とした悪性疾患の主治医が任される。食道癌、肝胆膵の悪性 疾患の担当医として関わり、手術、術後管理の研修を積む。呼吸管理を含めた重 症患者の全身管理を経験する。全国規模の学会において発表し、可能であれば指 導医に相談しながら論文作成を行なう。 3 年目; 胃癌、大腸癌、食道癌、肝胆膵の悪性疾患の主治医として治療を受け持つ。緊急 手術を含め指導医の監督下ほぼ自らの力で手術を遂行できるようにする。外科に ローテートで研修するジュニアレジデントとペアを組みマンツーマンで指導する。 日常業務に当たりながらも、将来の外科医としての姿が描けるようになり専門領 域を定めて次なるキャリアパスを決定していく。3年目で外科専門医を取得する に必要な症例数は十分網羅されている。 4 年目以降;希望があれば修練医として 1 年毎更新、2 年間まで外科で研修を積むことがで きる。3 年目までに消化器外科学会専門医の申請資格に必要な症例数は経験でき るので、4 年目以降は自分の興味のある分野の症例を中心に経験できるよう配慮 している。 これまでの後期研修医出身大学 京都大学、岡山大学、神戸大学、関西医大、島根大学、鳥取大学、産業医大、 長崎大学、熊本大学、筑波大学、香川大学、佐賀大学、慈恵医大、信州大学、 鹿児島大学、滋賀大、金沢大学、愛媛大学、川崎医科大学、久留米大学 【週刊スケジュール】 早 月 火 水 木 金 抄読会 肝胆膵合同カ カルテ回診 勉強会 カルテ回診 朝 ンファレンス カルテ回 診 午 外来 外来 外来 外来 外来 前 手術 手術 手術 手術 手術 午 カ ン ファ レン 手術 手術 カ ン フ ァレ ン 手術 後 ス ス 外 来 (乳 腺外 外 来 ( 小児 外 来、手術 科、乳腺外来) 手術 【専門医等の資格】 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本乳癌学会の認定施設である。 心臓血管外科、呼吸器外科と協力し、研修期間中に「外科専門医」資格を取得可能である。 また、 「日本乳癌認定医」研修期間を修了することができる。 【研修期間終了後の進路】 当院スタッフへの採用(修練医) 、あるいは研究のため大学院へ進学することが可能。 最近数年間の進路 京都大学医学部大学院 岡山大学医学部大学院 神戸大学医学部大学院 国立病院機構姫路医療センター 国立がんセンター(中央病院、東病院) 癌研有明病院 静岡県立がんセンター 大阪泉州救急医療センター 市立静岡病院 北野病院 川崎医大救急 熊本大学大学院 熊本医療センター 長浜市立病院 福山市民病院 大阪府立成人病センター 【主任部長より】 倉敷市は岡山県南西部に位置する人口約 40 万人の地方都市です。白壁の美観地区、大原 美術館など観光都市の一面もありますが、自然をほど近くに感じられる気候の良い住みやす いところです。倉敷中央病院は岡山南西部医療圏約 80 万人の医療を担う中核病院として機 能しています。外科では消化器悪性疾患、乳腺疾患、消化器良性疾患から腹部救急疾患まで 多岐にわたる疾患に対応しています。在籍しているシニアレジデントは各学年 4 人前後在籍 しており、お互いに刺激しあいながら切磋琢磨し、成長しています。経験の少ない症例では まず担当医として主治医の補佐をして経験を積んでもらい、手術、術後管理に慣れてもらい ます。研修の 3 年間で外科専門医、乳腺外科認定医、消化器外科専門医取得に必要な症例数 は十分に経験できます。手術では腹腔鏡下手術が増えていますが、開腹手術も相当数行って おり、両方の手技を学ぶことができます。また卒業後 10~15 年の中堅医師を中心に学会発 表、論文発表も盛んになっており、シニアレジデントにも積極的に学術活動に参加してもら っています。オランダやブラジルで行われた国際学会で発表したシニアレジデントもおりま す。研修期間中は定期手術、病棟業務、緊急対応など忙しく過ごすことになりますが、夏休 み、冬休みなどはお互いに融通し合ってとりやすい環境となっており、外科医として最初に 研修を受けるのにふさわしい病院と自負しております。
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