進路選択も、彼らの意志で選んだ結果であり、その

平成25年度 学校だより
緑 柏
校長室の窓から
長崎県立佐世保南高等学校
No.97 平成25年4月30日発行
発行責任者
宮内 博己
「将来」について考える
校長
宮内博己
『サタデー・ナイト・フィーバー』
もう30年以上も前のことですが、私が大学生だった頃、ジョン・トラボルタ主演の青春映画『サタデー・ナ
イト・フィーバー』が日本でも大ヒットしました。ペンキ屋で働くトニー(トラボルタ)やその仲間たちは、毎
週土曜の夜にディスコで踊り明かし、酒におぼれ、些細なことで
喧嘩するなどして、変わり映えのしない退屈な日々のストレスを
「将来を考えろ」
発散させていました。
「将来なんて捨ててる」
左の囲みは、先の展望が見えず青春を浪費するトニーが「将来
「いや、将来がお前を捨ててるんだ」
を考えろ」と忠告されるシーンでの会話ですが、「将来なんて捨
ててる」とトニーが投げやりに答えると、返ってきた言葉が「いや、将来がお前を捨ててるんだ」。
何と辛辣な台詞でしょうか。その後、トニーは、インテリで自立し将来設計も持っている年上の女性ステファ
ニーにも影響されながら、やがて自分の生き方を見つめ直していくのですが、そうしたストーリーよりも、「将
来がお前を捨ててる」との台詞に受けた衝撃の方が強く印象に残っています。
「10年後の私」の「20年後の私」
ところで、皆さんは今後、受験や就職といった進路選択の場面を迎えるわけですが、考えてみますに、わが日
本ほど平等な国はないとも思えます。出自や保護者の生業などに関係なく、その気になれば誰だって受験が許さ
れ、努力さえすれば何にだってなれる可能性が与えられているからです。
その際、常に「“10年後の私”の“20年後の私”」を意識することが肝要です。“10年後の私”の
“20年後の私”は、諸君であれば40歳台後半となっています。その時あなたは、どんな職業に就いて自分の
個性と能力を活かし、どんな形で社会に貢献しているのか…。そんなことを想定しながら、高校時代という可能
性が広がる「今」のひと呼吸ひと呼吸を大切に生活してほしいと願います。
また、かのトニーやステファニーの進路選択も、彼らの意志で選んだ結果であり、その選択は「正解」です。
「正しい人生」など他者の価値観であり、その意味でも人生には優劣も勝ち負けもありません。
ただし、「選んだのは自分だ」という自己決定の原理、「選んだ道には最善を尽くす」という信念を絶対に忘
れてはなりません。加えて、今いるところからどんな歩みを刻んでいくかという人生観や人間力、そして、その
ための努力の質が、理性ある人間だからこそ自問されなければなりません。
夢は逃げません
「将来」とは、時間が経てば向こうからやって来るのではなく、誰もが「将来」への扉を開く鍵を掌に握って
いて自らの意志でその鍵穴に差し込むかどうか、その自覚の強弱によって、「捨ててる」の主語が、「将来」に
も「お前」にもなり得ることを、件の台詞は教えてくれています。
心豊かな大人、社会人、公民、そして親となるために、この今を生きていくのです。校訓に「自彊自律」とあ
りますが、流れ易い自己を制御し困難なことにも果敢に挑戦する進取の気象に満ちた生き様を重ねた者にこそ、
職業や職場も、将来も、そして運命も、きっと向こうから手を差し伸べてきます。
「夢は逃げません。逃げてるのは、自分の方なんです。」
数年前、ある講演会で聞いた20歳台後半の女性柔道家の言葉を紹介して結びとします。
○山田 浩樹 先生(数学) 前任校 佐世保北高校
8 年前の数学の九州大会の際、前任校の生徒を連れてきて、佐世保南高校で公開授業をしたことを思い出
します。そのとき、黒板がやや狭く板書に焦ったことや事務室のガラス張りや校舎のきれいさが印象的でし
た。社会に通用する挨拶や心を持った生徒をたくさん育てたいと考えています。みなさん宜しくお願いしま
す。
○中尾 周平 先生(国語) 前任校 上五島高校
変な人が来たなぁと思っている人がいるかと思いますが、その通り!変な人なんです。でも、常識・良識
からかけ離れているとは思っていません。今年は初めての学校、かかわったことのない学年、やったことの
ない部活動と世界がキラキラしています。特に学年は勝負の年。皆さんが笑顔になれるよう頑張っていきま
っしょい!
○田川 篤史 先生(物理) 前任校 対馬高校
4月より対馬から赴任しました。高校卒業以来の佐世保の生活で非常にうれしく思います。佐世保南高校
は母校ですが、50mプールがテニスコートに変わっていたり、購買部が体育教官室になっていたりと、い
ろいろな変化に少し驚いています。母校の発展のために全力でがんばります。よろしくお願いします。
○中島 裕美 先生(国語) 前任校 北松西高校
久しぶりに母校に帰りましたが(実は南高OGです)
、生徒の元気の良さに驚いています。中庭や外国文
化室の周囲の庭園など、校内に美しい場所がたくさんある南高。早く学校に慣れ、高校生のときには気づか
なかった学校のよさ、生徒の皆さんのすてきな個性をたくさん発見していきたいと思います。よろしくお願
いします。
○川本 真由子 先生(地歴(日本史)
) 前任校 松浦高校
前任校である松浦高校は小規模校だったため、南高に来てまずは生徒数の多さに圧倒されました。そして、
とても勢いのある学校だなと感じました。早く新しい環境に慣れて、生徒たちと一緒にいろんなことに挑戦
していきたいと思っています。よろしくお願いします!!
○坂本 徹 先生(保健体育) 前任校 島原翔南高校
島原半島のどちらかといえば南の方にあります島原翔南高校から参りました。初対面の時から、生徒皆さ
んの目力に驚いています。素晴らしい環境の中で、私も生徒の皆さんに負けないよう佐世保南高校の発展と
進化の為に全力で過ごしていきたいと思います。宜しくお願いします。
○熊井 恵子 先生(事務室)前任校 佐世保中央高校(通信制)
毎日、事務室で仕事をしています。
皆さんが有意義な学校生活を過ごすことができるよう、微力ながら頑張っていきたいと思っています。廊下
などで会ったら気軽に声をかけてください。
○三浦 かおり 先生(国語) 前任校 佐世保商業高校
2年生の古典と現代文を担当しています。この南高でみなさんに出会えたことに感謝しながら皆さんと一
緒に頑張っていきたいと思います。短い期間ですがどうかよろしくお願いします。
○井上 博文 先生(情報) 前任校 川棚高校・大村工業高校
玄関に入ると下村 脩さんの肖像が置いてあり、すごい場所で教えることになったとびっくりしておりま
す。生徒と直接触れ合う機会は少ないと思いますが、廊下であったときなど話しかけてもらえるとうれしい
です。よろしくお願いします。
学校掲示版から
前途は遠い そして暗い しかし 恐れてはならぬ
恐れない者の前に 道は開ける 行け 勇んで 小さき者よ
有島武郎「小さき者へ」
○入学式
平成25年4月8日午後より、第68回入学式が行われま
した。快晴の空のもと、初々しい入学生が緊張の面持ちで式
に参加していたのが印象的でした。今年は入学生の呼名も行
い、名前を呼ばれた生徒が返事をする姿には、三年間佐世保
南高校で頑張ろうという意欲が感じられました。
○「新入生宿泊研修」4月10日(水)~4月12日(金)
県立佐世保青少年の天地にて、1年生の宿泊研修が実施されました。高
校生活において必要とされる基本的生活習慣や自学習慣等を確立すること
を目的とした研修でした。校長先生の「能力無限」「凡事徹底」について
のご講話、集団行動訓練、校歌練習などの研修を通して新1年生は南高生
としての自覚を高め、これから本格的に迎える高校生活への意識を大いに
高揚させました。特に挨拶を溌剌と行えるようになった生徒が多く、実り
の多い研修となりました。
○第38回吹奏楽部定期演奏会並び第12回芸術フェスティバルを終えて
第38回吹奏楽部定期演奏会並び第12回芸術フェスティバルは去る3月30日・31日にアルカスSASEBO
で開催しました。
1日目は心配をよそに約700名の入場者を迎え大きな反響を得ました。
吹奏楽の演奏に加え、
邦楽部の美しい琴の音、バトン部の華麗な演技、そして美術部・書道部・写真部の作品の展示はそれぞれにその
レベルの高さに一般の方々の評価は非常に高いものでした。大ホールでの最後の曲『ローマの松』が終わると大
きな拍手と共にアンコールの声!2曲のアンコール曲が終わっても誰一人として席を立つ様子もない。感動!感
動!・・・・。2日目は二部に吹奏楽部の創作劇(勿論演奏付き)を披露しました。必死に演じる部員の姿に笑い
あり涙あり、そして心のこもった拍手!南高生らしさを思う存分に表現した一シーンでした。ラストの『ローマ
の松』は一日目よりさらにパワーアップ!何と90名を超える OB・OG を加え素晴らしい演奏で2日間を締め
くくりました。1,000 名を超える観客の皆様からは1ヶ月たった今でも「本当に良かったよ!感動しました」との
お褒めの言葉をいただいています。また、がんばらんば国体でも使われる長崎県民歌やその行進曲も好評で県教
育委員会からも賞賛され部員一同感謝しています。協力いただいた清峰高校、聖和女子学院高校のコーラス部の
皆さんにも感謝しています。何事も苦労すればするほどそれから得るものは大きいと言うことが部員ひとりひと
りの心に深く刻み込まれたことでしょう。新年度を迎え、ひとつひとつの演奏を大事にして大きな目標である全
国大会出場を果たしたいと思います。ご支援ご協力いただいた皆様に心より御礼申し上げます。
○海外研修
3月25日(月)~4月1日(月)
* 姉妹校のビスタマリエタ高校の生徒たちとの交流後に
撮った集合写真。
1年生(現2年生)48名が8日間のアメリカ合衆国カ
リフォルニア州での海外短期研修に参加しました。5泊の
ホームステイ、本校姉妹校(ビスタマリエタ高校)の生徒
との交流会、語学学校での英語学習、市内各所の見学など
を行いました。異文化の生活を体験することで多様な価値
観を感じながら、積極的にコミュニケーションを図ろうと
する姿が見られました。特に姉妹校やホストファミリーと
の交流会では、事前に準備をしていた内容を自分たちで協
力して発表し、有意義な時間を過ごすことができました。
昨年度よりも多い参加者で、今年は事前にハウステンボスでの英語研修にも参加しました。 現地滞在中も多くの
方に支えられ、全員が無事に研修を終えることができたことに心から感謝したいと思います。この研修で学んだ
ことを日常の学校生活につなげ、より広い視野で学習に励んでくれることを期待しています。
○1学年より「 新たなスタート」
68回生の皆さんが入学して、もう4月も終わろうとしています。宿泊研修をはじめと
して、高等学校では中学校までとは違った様々な経験をする機会も多くなります。新たな
友人と出会い、学習や部活動をはじめ、何事にも一生懸命にチャレンジすることで、心も
体も大きく成長していって下さい。
○2学年より
「2年生は中だるみの時期」などとよく言われますが、この言葉、大嫌いです。地道に学ぶ姿勢を応援しよ
うとするならば、はじめから決めつけたような言葉にはならないはずだと思うからです。だから向こう1年間
言いません。しかしながら、「たるむ」傾向は誰にとってもあることだから仕方なしと言いたいのではもちろ
んありません。そうした心配があるときには安易な言葉の指導で済ませるのではなく、その原因や解決の糸口
を個々の生活や学習に即して考え、あるべき方向へと共に歩んでいきたいと思っています。
○3学年より「 進路実現へ向けて」
66回生もいよいよ最終学年を迎えました。今年度のキャッチフレーズは“Get the Top Team 66”です。
これは、生徒への公募から選ばれたもので、「何事にも頂上を狙う」決意が込められています。「第一志望に
合格する」、「これまでで一番勉強した1年間にする」、「センター試験で最高点を取る」、もちろん学習面
だけではなく、「高総体で過去最高の結果を出す」、「生活面でもきちんとした学年を目指す」など、いろい
ろな面で“Top”の獲得を目指して毎日を全力で過ごすTeam66でありたいと願っています。“Get the Top ”
で走り出した3年生に、ご声援をお願いします。
○生徒指導部より
新しい生活がスタートしました。南高生としてのプライドを持って日々の生活を送ってもらいたいと思ってい
ます。そのために必要なことは『謙虚である』ということです。プライドと自己主張は違います。自分の考えを
正当化すれば、それと違った意見・忠告は理不尽だということになります。人間には『欲』というものがありま
すから、自分を正当化するためにはどんな労力も厭わないでしょう。しかし、自分のおかれている現在の環境や
将来の夢を達成するためにどうすべきかを自問自答し他者の意見に耳を傾けると、自分の知らなかった物事に気
づかされる時があります。これが『人としての成長』ではないでしょうか。是非、
『謙虚である』という気持ちを
持って新年度を過ごしてください。
○進路指導部より「平成25年度入試結果について」
24年度卒業生の合格状況(延べ人数)は、国公立大学152名(国立大学112名、公立大学40名)、私
立大学133名、準大学5名、短期大学7名、専門学校45名、自衛隊4名でした。合格の主なものとしては、
大阪大学3名、九州大学6名、岡山大学5名、長崎大学25名、佐賀大学20名、熊本大学11名、鹿児島大学
13名、同志社大学2名、立命館大学3名、福岡大学21名などです。
昨年度は大学入試センター試験において全国平均点が大幅に下がり、全国的にやや安全志向の出願が多かった
ようです。本校65回生もセンター試験後は思うように点がとれずに不安を抱えて受験に臨んだ者も多かったも
のの、たとえ前期でうまくいかなかったとしても中期・後期まで粘り強く受験に臨み、例年以上の結果を残して
くれました。今年度も、昨年度の結果を分析して、65回生の成果を継承しつつ情報の提供と共有に努め、66
回生の進路実現のサポートをしていきたいと思います。
○5月の行事予定
 5月1日(水)
耳鼻科検診13:30~(1年)
5月 16 日(木)
検尿2次
5月7日(火) 育友会総会振休
眼科検診(1 年)14:00~
5月8日(水) 教育実習(~5/24)
5月 20 日(月)~24 日(金) 高総体強化週間
シグマ検査(1年)
5月 27 日(月) 高総体振休
5月 11 日(土) 育友会総会学年育友会
5月 28 日(火)
高総体壮行式
5月 15 日(水) 生徒総会検尿2次、
5月 31 日(金)
県高総体開会式(諫早市)
※ スクールカウンセラー来校日(5 月 15 日、22 日、29 日)