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多感覚研究会 - NTTコミュニケーション科学基礎研究所

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第二回
多感覚研究会
2010 年 12 月 4 日(土)
仙台,東北大学 片平さくらホール
第二回多感覚研究会@東北大,2010/12/4
1
会場
東北大学片平さくらホール(東北大学片平キャンパス)
〒 980-8577 仙台市青葉区片平 2 丁目 1-1
アクセス
仙台駅より徒歩約 20 分
詳しくは,http://www.tohoku.ac.jp/japanese/profile/about/10/about1001/
スケジュール(2010 年 12 月 4 日)
12:40-
受付
13:00-14:30 ポスター発表 1
14:45-15:45 チュートリアル講演 1:渡邊淳司(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
15:45-16:45 チュートリアル講演 2:渡邊克巳(東京大学)
17:00-18:30 ポスター発表 2
19:00-
懇親会
発表者/参加者へのご案内
• ポスターボードのサイズは幅 110 cm x 高さ 160 cm です,ただし,一部の方は幅が 86 cm ですので,これ
からポスターを作成される方は A0 縦(幅 841 ×高さ 1189 mm)でお願いします.
• 電源は用意されていません.
• 推奨 在席時間は奇数番号が 13:00-13:45 と 17:00-17:45,偶数番号が 13:45-14:30 と 17:45-18:30 とします.
• 参加費:無料
• お手荷物は各自ご管理ください.
第二回多感覚研究会@東北大,2010/12/4
2
チュートリアル講演
1. 「感覚のものさし」としての言葉の音韻,
「存在のマーカ」としての音の定位
渡邊淳司(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
人間の感覚は,脳内の情報処理によって生じるとともに,それは言葉で表現され,記憶,共有される.知覚や感性
的判断の主要因を特定するためのアプローチとして,感覚を言葉や行動を通じて定量化する方法だけでなく,感
覚を表現する言葉自体の関係性を分析する方法が考えられる.近年,私たちは,触覚の感性的側面を研究するひ
とつの方法として,オノマトペの音韻を利用した触り心地の分類手法を提案した.この方法は,個人差を含めつ
つも言葉の音韻という一定の汎用性を持って,主観的な触り心地の関係性を議論することができる.本講演では,
この研究をはじめ,感覚と,感覚を表現する言葉の音の響き,音の空間性について議論する.
2. 多感覚相互作用における顕在的・潜在的過程
渡邊克巳(東京大学)
感覚間インタラクションの中でも、聴覚が視覚に及ぼす影響に関しては、その逆の場合に比べると比較的研究が少
ない。近年、聴覚から視覚への影響に関する研究も進められ、知見も蓄積されつつあるが、それらの機序に関し
てはいまだ不明な点も多い。本講演では、我々の研究室で行われてきた視聴覚インタラクションの研究の中から、
聴覚刺激が視覚判断に及ぼす影響を扱ったものをいくつか紹介し、それらを顕在的・潜在的過程という観点から考
察したい。
第二回多感覚研究会@東北大,2010/12/4
3
ポスター発表
1. 聴覚情報フィードバックによる発声感覚の時間的再較正
山本浩輔 (慶應義塾大学文学部心理学研究科),川畑秀明 (同左)
2. 顔と声による視聴覚情動認知の文化間比較
田中 章浩(Tilburg University,早稲田大学),小泉 愛(東京大学),今井 久登(東京女子大学),平本絵里
子(東京女子大学),平松 沙織(東京女子大学),Beatrice de Gelder (Tilburg University)
3. Multimodal integration in perceiving direction of self-motion from real somatic motion and orthogonally directed
optic flow pattern.
櫻井研三(東北学院大学),久保寺俊朗(東北学院大学),Philip M. Grove(The University of Queensland),
坂本修一(東北大学),鈴木陽一(東北大学)
4. 視聴覚刺激の指示的な一致が快さの印象に及ぼす効果
政倉祐子(東京工科大学),一川誠(千葉大学)
5. 触覚空間定位に及ぼす聴覚刺激の影響
野副幸臣(熊本大学大学院 社会文化科学研究科),積山薫(熊本大学 文学部),寺本渉(東北大学 電気通
信研究所)
6. Critical crowding frequency is not dependent on stimulus attribute and modality
藤崎和香(産業技術総合研究所)、西田眞也(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
7. 口腔内における物体の大きさ知覚 ―指先での触覚、口腔内の触覚、視覚の比較
鎌田 賢 (東京電機大学),朴 ソラ (千葉大学),増田知尋 ((独) 農研機構 食品総合研究所),木村 敦 (東京電
機大学),武川直樹 (東京電機大学),國枝里美 (高砂香料工業株式会社),和田有史 ((独) 農研機構 食品総合
研究所)
8. 色彩と感覚協調(1)―色彩と香りや音の印象の調和性に着目した心理的・生理的効果の検討
齋藤美穂(早稲田大学)
・三浦久美子(早稲田大学)
9. 色彩と感覚協調(2)―色と香りの印象的次元と調和性
三浦久美子(早稲田大学)
・齋藤美穂(早稲田大学)
10. 課題無関連の聴覚刺激は視覚妨害刺激の干渉効果に影響するか
林 俊介,宮谷 真人 (広島大学大学院教育学研究科)
11. 視覚刺激形状の情報負荷量操作による分裂錯覚の特性の検討
竹島康博 (東北大学大学院文学研究科),行場次朗 (東北大学大学院文学研究科)
12. Temporal properties of multimodal integration in perceiving direction of self-motion from visual and vestibular
information
久保寺俊朗(東北学院大学),Philip M. Grove(The University of Queensland),坂本修一(東北大学),鈴
木陽一(東北大学),櫻井研三(東北学院大学)
13. Visuo-motor temporal recalibration dissipates rapidly
Yoshimori Sugano(Kyushu Sangyo University),Mirjam Keetels(Tilburg University),Jean Vroomen(Tilburg
University)
14. 低次運動視処理機構における触覚統合
松宮一道(東北大学電気通信研究所),塩入 諭(東北大学電気通信研究所)
15. 不一致な視聴覚手がかりに対する注意の処理
山下祥広(千葉大学大学院人文社会科学研究科)、一川誠(千葉大学文学部行動科学科)
第二回多感覚研究会@東北大,2010/12/4
4
16. 風景画像が誘発する視覚的快・不快の定量的評価―片頭痛患者と健常者の比較
今泉修(千葉大学大学院工学研究科),須永恵理(千葉大学大学院工学研究科),小山慎一(千葉大学大学
院工学研究科),日比野治雄(千葉大学大学院工学研究科)
17. 手の運動と輝度変調の対応関係における一貫性とフラッシュラグ効果
一川誠(千葉大学),政倉祐子(東京工科大学)
18. 触る位置で面の粗さ知覚が変わる?
柿崎 星哉(東北大学文学部),鈴木 結花(東北大学大学院文学研究科),行場 次朗(東北大学大学院文学
研究科)
19. 視聴覚の同期性についての感性的処理と知覚的処理の関係
山田美悠 (千葉大学人文社会科学研究科)、一川誠 (千葉大学文学部)
20. 感情認知における視聴覚相互作用
古家 光嘉(北九州市立大学大学院 国際環境工学研究科)
21. 自己運動は並進運動感度を抑制しない
白井 述(新潟大学人文学部),市原 茂(首都大学東京人文科学研究科)
22. 前庭電気刺激による視覚刺激の見えの変調
山下 洋平(富山大学工学部知能情報工学科),石井 雅博(富山大学),唐 政(富山大学),山下 和也
(富山大学)
23. 照明方向が顔の印象に与える影響
成田佳奈美(千葉大学大学院工学研究科),商倩(千葉大学大学院工学研究科),崔庭瑞(千葉大学大学院
工学研究科),堀端恵一(千葉大学大学院工学研究科),日比野治雄(千葉大学大学院工学研究科),小山慎
一(千葉大学大学院工学研究科)
24. 見える笑いと聞こえる笑いとは次元が違う ーオノマトペによる笑い表現の因子分析的研究ー
生駒 忍 (川村学園女子大学)
25. カラーフィルターの色が文字の読みやすさに与える影響―日本人学生における Irlen Syndrome の検討
須永恵理(千葉大学大学院工学研究科),今泉修(千葉大学大学院工学研究科),小山慎一(千葉大学大学
院工学研究科),日比野治雄(千葉大学大学院工学研究科)
26. 手の動きと視覚運動刺激との間の予測性−光点検出を促進する要因の検討
上田祥代(お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科)
27. 「スリット視条件下における形態情報の時間的統合過程:チンパンジーとヒトの比較」
伊村知子(京都大学霊長類研究所)
28. 視触覚間統合における刺激強度の影響
金山範明(東京大学),木村健太(名古屋大学),開一夫(東京大学)
29. 視覚刺激に誘導される触刺激の呈示パターン
浅井智久(千葉大学)
・金山範明(東京大学)
30. 背景色が表情認知に与える影響
張 瀛(千葉大学院工学研究科),日比野治雄(千葉大学院工学研究科),小山慎一(千葉大学院工学研究科)
31. 触運動知覚を変容させる聴覚・触覚刺激の時間特性
鈴木結花(東北大学大学院文学研究科・日本学術振興会),河地庸介(東北福祉大学感性福祉研究所)
32. 視覚仮現運動による聴覚ノイズバーストの周波数変化パタン弁別の変調
河邉隆寛(九州大学)
第二回多感覚研究会@東北大,2010/12/4
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33. 能動的な運動がクロスモーダルな時間順序判断に与える影響:感覚モダリティの組合わせの比較
北川智利(NTT コミュニケーション科学基礎研究所),加藤正晴(同志社大学),柏野牧夫(NTT コミュニ
ケーション科学基礎研究所)
34. Audio-visual synchrony perception of simplified speech sounds heard as speech and non-speech
Kaori Asakawa(Tohoku Univ.), Akihiro Tanaka(Waseda Univ.), Shuichi Sakamoto(Tohoku Univ.), Yukio Iwaya(Tohoku
Univ.) and Yo-iti Suzuki(Tohoku Univ.)
35. 頭部運動感応型ダミーヘッド収音聴取における同期の様式が正中面音像定位に与える影響
池田善敬(東北大学),大谷真(信州大学),岩谷幸雄(東北大学),鈴木陽一(東北大学)
36. 健常高齢者と若年者の指タッピング機能の比較
青木朋子(熊本県立大学)
37. 感覚統合における視・聴・触覚の重要度についての研究
岡村友俊(金沢工業大学大学院工学研究科)
38. 直線等加速度自己運動による音空間歪み
寺本渉 (東北大学大学院文学研究科,東北大学電気通信研究所),古根史雅 (東 北大学電気通信研究所),坂
本修一 (東北大学電気通信研究所),行場次朗 (東北 大学大学院文学研究科),鈴木陽一 (東北大学電気通信研
究所)
39. 嗅覚と体性感覚の相互作用:香りは硬さ知覚やざらつき知覚に影響するか?
西野由利恵(情報通信研究機構),Dong Wook Kim(情報通信研究機構),Juan Liu(情報通信研究機構),
安藤広志(情報通信研究機構)
40. 到達把持運動が手指の身体近傍空間に及ぼす影響
渋谷賢(杏林大学・医・統合生理学)
41. 視覚方位刺激の検出に及ぼす触覚フランカー刺激の文脈的修飾効果
和田裕一(東北大学情報科学研究科),三坂慎一郎(東北大学情報科学研究科)
42. 腱振動刺激によって錯覚される運動の速度に関する研究
矢口博彬 (東京大学)、深山理 (東京大学)、鈴木隆文 (東京大学)、満渕邦彦 (東京大学)
第二回多感覚研究会@東北大,2010/12/4
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ポスター発表要旨
1. 聴覚情報フィードバックによる発声感覚の時間的再
較正
山本浩輔 (慶應義塾大学文学部心理学研究科),川畑秀明 (同
左)
視覚と聴覚や運動感覚と視覚/聴覚との多感覚情報統合につ
いて,ラグ・アダプテーションを用いた研究では刺激間の時
差情報の較正機構について検討されており,視覚や聴覚の情
報のフィードバック方向にもう一方の感覚情報の時間特性が
較正されることが明らかになっている。一方,発声事態にお
ける DAF の研究により,聴覚情報の遅延フィードバックが
発話を困難にすることや吃音を改善させるという影響が知ら
れている。本研究ではこれらの知見を踏まえ,発声感覚と聴
覚フィードバック刺激における較正機構についてラグ・アダ
プテーション手続きを用いて検討し,発声事態においても聴
覚刺激の遅延提示による時差順応によってその時間的再較正
が生起することを明らかにした。
2. 顔と声による視聴覚情動認知の文化間比較
田中 章浩(Tilburg University,早稲田大学),小泉 愛(東
京大学),今井 久登(東京女子大学),平本絵里子(東京女
子大学),平松 沙織(東京女子大学),Beatrice de Gelder
(Tilburg University)
他者とのコミュニケーションにおいて円滑な関係を維持する
ためには,相手の情動を理解することが不可欠である.話し
手は言語内容に加えて,表情,身振り,声の調子など,あり
とあらゆる非言語情報も含めて情動を表現している.こうし
た多感覚的な情動表現の認知様式における文化差を検討する
ため,日本人とオランダ人を対象とした比較文化実験をおこ
なった.実験の結果,日本人は顔判断時には声からの影響が
大きく,声判断時には顔からの影響は小さく,一貫してオラ
ンダ人よりも声への依存性が高かった.この結果は,文化は
多感覚情動情報に対する注意バイアスに影響を与えることを
示唆している.
(leftward/rightward, forward/backward), while they viewed
a orthogonally directed visual oscillatory optic flow pattern
(upward/downward, leftward/rightward, forward/backward)
phase-locked to the swing motion. Observers performed a
rod-pointing task and reported their perceived direction of
self-motion for each combination of visual and vestibular information. Observers ’direction judgments progressively favored the direction specified by vision with larger amplitudes
of optic flow. This effect was mediated by swing amplitude such that the effect of vision increased with optic flow
amplitude more rapidly for small swing amplitudes than at
large swing amplitudes. Acknowledgement: Supported by
Grant-in-Aid of JSPS for Specially Promoted Research (no.
19001004) to YS, and ARCIF LX0989320 to PG.
4. 視聴覚刺激の指示的な一致が快さの印象に及ぼす
効果
政倉祐子(東京工科大学),一川誠(千葉大学)
本研究では,音楽,交通騒音,ホワイトノイズ (聴覚刺激) と,
自然映像,交通映像,ダイナミックノイズ映像 (視覚刺激) を
用い,組み合わせ方の異なる 2 種類の実験を行った.音と映
像を 1 対 1 で組み合わせた場合,刺激についての快さの印
象は音と映像それぞれが単独で与える印象の加算的な統合で
処理されることを示した.他方,音と映像を 2 対 1 で組み合
わせた場合,もともと不快な印象を与える音や映像であって
も (e.g., 交通騒音と交通映像),一方の音と表示内容が一致
している映像を組み合わせると,快さの印象が増すことを示
した.視聴覚刺激の指示的な一致には,刺激の複雑さを減少
させることで快さの印象を改善する効果があるものと考えら
れた.
5. 触覚空間定位に及ぼす聴覚刺激の影響
野副幸臣(熊本大学大学院 社会文化科学研究科),積山薫
(熊本大学 文学部),寺本渉(東北大学 電気通信研究所)
3. Multimodal integration in perceiving direction of
self-motion from real somatic motion and orthogonally directed optic flow pattern.
櫻井研三(東北学院大学),久保寺俊朗(東北学院大学),
Philip M. Grove(The University of Queensland),坂本修一
(東北大学),鈴木陽一(東北大学)
We measured observers’ perceived direction of self-motion
resulting from the simultaneous presentation of visual and
vestibular information, each simulating a different direction
of motion. Sakurai et al. (2003) reported that when observers experienced real leftward/rightward somatic motion
while viewing a visual expanding/contracting optic flow pattern consistent with forward/backward self-motion, their perceived motion direction was intermediate to those specified
by visual and vestibular information. Here, we extend that
study to other combinations of real somatic motion and
orthogonally directed optic flow patterns, ascertaining observers ’perceived directions as a function of visual amplitude
at different vestibular amplitudes. Observers were seated
on an oscillating motor-driven swing providing real motion
本研究では、聴覚と触覚のクロスモーダル作用について、触
覚刺激による左右弁別課題時に聴覚刺激を付与したとき、聴
覚刺激と触覚刺激の呈示方向が一致または不一致であること
で、触覚空間定位にどのような影響があるかを調べ、聴触覚
間の関係性について検討していくことを目的とした実験 を
行った。課題には、触覚刺激として圧縮空気を用い、聴覚刺
激にはホワイトノイズのバースト音を用いた。また、判断の
対象である触覚刺激の身体的呈示部位等を変えた際に、聴覚
刺激による影響が変化するかどうかについても検討した。
6. Critical crowding frequency is not dependent on
stimulus attribute and modality
藤崎和香(産業技術総合研究所)、西田眞也(NTT コミュニ
ケーション科学基礎研究所)
One can estimate the temporal resolutions of perceptual systems by showing observers such stimuli that alternate between two phases at constant temporal frequencies (e.g.,
red-green chromatic flickers). The critical fusion frequency
第二回多感覚研究会@東北大,2010/12/4
(CFF) beyond which the stimulus alternation becomes undetectable has been considered as the limit of peripheral sensory encoding. Changing the observers’ task allows one to
estimate also the temporal resolutions of the subsequent processing. We measured the critical crowding frequency (CCF)
beyond which observers could recognize the phase alternation, but could not identify the phase value at a specified
time. For alternations of five attributes (luminance, color,
orientation for vision, pitch for audition, and stimulated hand
for touch), we asked observers to identify the phase (e.g., red
or green) presented in synchrony with a one-shot timing signal carried by a different attribute. The estimated CCF was
almost always 2-3 Hz regardless of the attribute/modality of
the oscillating and timing stimuli. The results suggest that
the CCF reflects the universal temporal limit of event individuation by a central supermodal mechanism. The same mechanism presumably defines the limit of the temporal binding
task, since it is also 2-3Hz regardless of the attribute combination (Fujisaki & Nishida, 2010, Proc Biol Sci).
7
rosemary, lemon, anise, pepper, and rose), which were randomly assigned, and to select matched/mismatched colors
from color charts consisting of 18 colors (3 tones each from
5 hues and 3 achromatic colors). Experiment B: One hundred subjects were asked to describe the impression of 18
colors and the degree of match (4-point scale) for each of
the 8 fragrances with the 18 colors. Using factor analysis, we
derive the ¡MILD¿ and ¡CLEAR¿ factors for affective dimensions of each fragrance (experiment A), color (experiment
B), along with color and fragrance together (experiments A
& B). Using multiple linear regression analysis, we examined
the harmony of fragrance and color through the affective dimensions. As a result, we derived the following tendency:
With respect to the dimensions, the lesser the distance between fragrance and color, the greater is the rise in harmony;
conversely, the greater the distance, the greater is the disharmony.
10. 課題無関連の聴覚刺激は視覚妨害刺激の干渉効果
7. 口腔内における物体の大きさ知覚 ―指先での触
覚、口腔内の触覚、視覚の比較
鎌田 賢 (東京電機大学),朴 ソラ (千葉大学),増田知尋 ((独)
農研機構 食品総合研究所),木村 敦 (東京電機大学),武川
直樹 (東京電機大学),國枝里美 (高砂香料工業株式会社),和
田有史 ((独) 農研機構 食品総合研究所)
口腔内における大きさの知覚が視覚的な大きさ判断と一致し
ているか検討した。実験では 3 種類の大きさの飴を刺激とし
て触覚 (手)、触覚 (口)、視覚の 3 条件にてその大きさを評
定させた。その結果、手のアクティブタッチによる大きさ評
定と比較したところ、口腔内での大きさ評定は過大評価され
ることがあることを示した。
に影響するか
林 俊介,宮谷 真人 (広島大学大学院教育学研究科)
注意の負荷理論によれば,課題関連処理に知覚資源が使い果
たされる (知覚的負荷が高い) 時,課題無関連刺激は課題に干
渉しない。一方 Tellinghuisen & Nowak (2003) では,視覚探
索課題において視覚による知覚的負荷の高い条件で聴覚妨害
刺激が課題に干渉した。本研究では視覚妨害刺激に聴覚刺激
を付加し,視覚による知覚的負荷の高い条件でこの妨害刺激
が課題遂行に干渉するかを検討した。課題は視覚探索で,標
的に近接して呈示される中性刺激で知覚的負荷を操作した。
また,妨害刺激として画面の左右に標的と一致あるいは不一
致する視覚刺激か,その視覚刺激にホワイトノイズを付加し
た視聴覚刺激を呈示した。
8. 色彩と感覚協調(1)―色彩と香りや音の印象の調
11. 視覚刺激形状の情報負荷量操作による分裂錯覚の
和性に着目した心理的・生理的効果の検討
特性の検討
齋藤美穂(早稲田大学)
・三浦久美子(早稲田大学)
竹島康博 (東北大学大学院文学研究科),行場次朗 (東北大学
大学院文学研究科)
色彩と香りや音楽に対する印象の調和・不調和の関係性に着
目し、それぞれの調和条件と不調和条件における心理的・生
理的効果を検討した。香りの持つイメージは調和した色彩に
影響されてより強くなるという相乗効果は気分評定において
も見られ、調和条件における脳波・心電図・唾液中の CgA 濃
度にはリラックス時の指標が見られた。また音楽に LED 色光
を組合わせた実験においても、音楽の心理的印象が構成要素
のみならず色光によって変化することがわかった。さらにハ
長調テンポ 80 においては、調和している色光下でリラック
ス感が高まり脈拍の R-R 間隔も長くなり落ち着いた状態を示
すのに対して、不調和な色光下では反対の傾向が見られた。
9. 色彩と感覚協調(2)―色と香りの印象的次元と調
和性
三浦久美子(早稲田大学)
・齋藤美穂(早稲田大学)
The purpose of this study is to extract affective dimensions
(based on their impressions) of fragrance and color, and
to examine the relationship between their harmony. This
study consists of two experiments. Experiment A: One hundred subjects were requested to describe the impression (SD
method) of eight fragrances (cinnamon, peppermint, vanilla,
1 回の短い flash と 2 回の短い beep 音を同期して呈示する
と、flash が 2 回に知覚されるという、分裂錯覚と呼ばれる
視聴覚相互作用による錯覚がある。この錯覚の 1 つの特徴は
単純な形状の刺激で錯覚が生じることであるが、そのために
情報負荷量による影響は検討されてこなかった。情報量の多
い刺激は処理が遅くなると考えられており、分裂錯覚に影響
を与える可能性がある。そこで、情報負荷量を操作できる視
覚パターンを用いて、分裂錯覚への影響を検討した。その結
果、情報負荷量の高い視覚パターンの方が、分裂錯覚が生起
しにくいことが示された。これは、刺激の情報負荷量も視聴
覚統合に影響を与える要因となることを示唆する。
12. Temporal properties of multimodal integration
in perceiving direction of self-motion from visual
and vestibular information
久保寺俊朗(東北学院大学),Philip M. Grove(The University of Queensland),坂本修一(東北大学),鈴木陽一(東
北大学),櫻井研三(東北学院大学)
When observers experience real oscillating leftward/rightward
motion while viewing a synchronized visual expanding/contracting
第二回多感覚研究会@東北大,2010/12/4
optic flow consistent with forward/backward self-motion, their
perceived direction of self-motion is intermediate to those
specified by visual and vestibular information (Sakurai et al.,
ECVP2003; Kubodera et al., IMRF2009). We investigated
the temporal properties of this multimodal interaction by
introducing relative phase-shifts to the visual and vestibular stimulations. Observers were seated on a motor-driven
swing providing real motion (leftward/rightward), while they
viewed expanding/contracting optic flow consistent with forward/backward self-motion via a head-mounted display. The
oscillation frequency of the swing was fixed at 0.33 Hz but
its temporal phases were shifted (-90, 0, 90, 180 deg) relative to visual expansion. On each trial during expansion,
a tone cued observers to indicate their perceived direction
of self-motion by setting a virtual pointer presented at the
center of the visual display. When real rightward (leftward)
motion was synchronous with expansion in the 0 deg (180
deg) phase-shift condition, or preceded expansion by 750ms
in -90 deg (90 deg) condition, observers reported forward
and rightward (leftward) motion. These results indicate that
the visual and vestibular information immediately after the
auditory cue are integrated for temporal offsets of at least
750 ms. Acknowledgement: Supported by Grant-in-Aid of
JSPS for Specially Promoted Research (no. 19001004) to
YS, and ARCIF LX0989320 to PG.
8
が静止運動残効を増強することを報告する.この増強は,順
応時に視覚運動の速度,方向,位置が触覚運動と一致すると
きに得られた.また,順応刺激から注意をそらすと,この残
効の増強は見られなかった.これより,低次運動視処理機構
における触覚統合には注意が媒体していることを示唆する.
15. 不一致な視聴覚手がかりに対する注意の処理
山下祥広(千葉大学大学院人文社会科学研究科)、一川誠(千
葉大学文学部行動科学科)
逆方向を指す不一致な視覚手がかりと聴覚手がかりを同時に
呈示し、それぞれの有効性を変化させて視聴覚ターゲット検
出課題を行った。実験は視覚と聴覚手がかりの有効性が 80%
: 20%、50% : 50%、20% : 80%の 3 条件を設定した。視
覚ターゲット検出課題においては有効性の増減に応じてそれ
ぞれの手がかりによる反応時間が変化したのに対して、聴
覚ターゲット検出課題においては反応時間の変化はほとんど
見られなかった。加えて手がかりによる反応時間の促進もほ
とんど見られなかったことから、不一致な視聴覚手がかりに
よって反応時間が促進されるのは視覚的注意に限られること
が示唆された。
16. 風景画像が誘発する視覚的快・不快の定量的評価
13. Visuo-motor temporal recalibration dissipates
rapidly
Yoshimori Sugano(Kyushu Sangyo University),Mirjam Keetels(Tilburg University),Jean Vroomen(Tilburg University)
Previous research has shown that the timing of the sensorimotor system is recalibrated after a brief exposure to a delayed feedback of voluntary actions (temporal recalibration
effect: TRE). Although a temporal order judgement (TOJ)
task is popular to measure the TRE, it is susceptible to a
response bias. We introduce a new paradigm, namely ’synchronous tapping’ (ST), which is free from such a bias. ST
allows us to investigate how fast the TRE will dissipate after adaptation. Participants were repeatedly exposed to a
constant lag ( 150 ms) between their voluntary action (a
tap) and a feedback stimulus (a visual flash). Before and
after 240 exposure trials, participants performed a ST task
with the same visual flash as a pace signal. A subjective
’no-delay condition’ ( 50 ms) served as control. The TRE
manifested itself as a change in the tap-flash asynchrony that
compensated the exposed lag (e.g., after lag adaptation, the
tap preceded the flash more than in control). Moreover, the
TRE rapidly dissipated in a few trials ( 20 taps). These results suggest that visuo-motor temporal adaptation is very
flexible.
14. 低次運動視処理機構における触覚統合
松宮一道(東北大学電気通信研究所),塩入 諭(東北大学
電気通信研究所)
触覚運動へ順応すると視覚運動残効が生起する.このクロス
モーダル残効は,運動残効が多感覚統合を形成する神経基盤
の順応から生じることを示唆する.しかし,過去の研究は,
動的視覚運動残効を用いたときのクロスモーダル残効を報告
している.ここで,我々は,触覚運動単独への順応は静止視
覚運動残効を生成しないが,視覚−触覚の運動刺激への順応
―片頭痛患者と健常者の比較
今泉修(千葉大学大学院工学研究科),須永恵理(千葉大学大
学院工学研究科),小山慎一(千葉大学大学院工学研究科),
日比野治雄(千葉大学大学院工学研究科)
幾何学的パターンや複雑な構成の抽象絵画は視覚的な快だけで
なく,視覚的不快も誘発する(Fernandez & Wilkins, 2008).
特に片頭痛患者は光に過敏であることが多いため,これらの
刺激が顕著な視覚的不快を誘発することが報告されている.
本研究では,より実環境に近似した視覚刺激として風景写真
画像を用いた視覚的快・不快の定量的評価を行い,片頭痛患
者群と健常群の比較検討を試みた.その結果,花の写真など
のいくつかの自然風景画像は片頭痛患者において健常群より
強い視覚的快を誘発し,幾何学的パターンが顕著に認められ
た建造物の画像は視覚的不快を誘発することが示唆された.
17. 手の運動と輝度変調の対応関係における一貫性と
フラッシュラグ効果
一川誠(千葉大学),政倉祐子(東京工科大学)
視覚刺激の輝度変調によるフラッシュラグ効果に関して,観
察者が能動的に輝度変調させることがフラッシュラグ効果に
およぼす効果について調べた.マウスを身体から遠ざけると
輝度が上昇し,マウスを近づけると輝度が下降する条件のみ
で実験を実施した場合,能動的観察によってフラッシュラグ
効果が減少した.他方,マウスと輝度変調との対応関係につ
いて,上述と同じ条件と,その逆の対応関係の条件を混ぜて
実験を行った場合,フラッシュラグ効果は減少しなかった.
これらの結果により,手の運動と視覚の変化との方向的対応
関係における一貫性が能動的観察におけるフラッシュラグ効
果の低減に重要であることが示された.
18. 触る位置で面の粗さ知覚が変わる?
柿崎 星哉(東北大学文学部),鈴木 結花(東北大学大学院
文学研究科),行場 次朗(東北大学大学院文学研究科)
第二回多感覚研究会@東北大,2010/12/4
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22. 前庭電気刺激による視覚刺激の見えの変調
両面に研磨紙のついた刺激を、2本の指で上下に挟んで粗さ
を判断するとき、相対的に上方(頭部近傍側)の粗さ情報が
優位に知覚されることが先行研究において報告されている。
しかし、頭部より下以外の空間配置については検討されてい
ない。そこで、本研究では、頭部の上または下の位置におい
て粗さの弁別課題を行 い、粗さの触知覚における空間的要
因の影響を検討した。その結果、頭部の上下いずれの位置に
おいても、相対的に頭部近傍側に提示された粗さ情報が優位
に知覚されることが示唆された。さらに、頭部の前後・側面
において行った同様の課題の結果から、粗さ知覚の空間的特
異性について議論する。
19. 視聴覚の同期性についての感性的処理と知覚的処
理の関係
山田美悠 (千葉大学人文社会科学研究科)、一川誠 (千葉大学
文学部)
視聴覚刺激の同期性における印象形成と知覚的判断との関係
について検討した。周期的構造を持つ視聴覚刺激において,
位相,もしくは周波数の違いにより 9 段階の非同期条件を設
けた。実験参加者は同期に関連した印象評定課題と視覚刺激
と聴覚刺激の間の知覚的な時間差 (位相条件) とテンポの違
い (周波数条件) の判断を行った。視聴覚刺激は刺激のテン
ポが遅い時に知覚的判断よりも同期に関する感性的判断の幅
の方が広いことが分かった。また,視聴覚刺激が同期して知
覚される値と印象の評定値が最も高くなる時間差の相関はな
かった。これらの結果より,視聴覚刺激の同期性における感
性的処理と知覚的処理は異なる基礎過程を持つことが示唆さ
れた。
20. 感情認知における視聴覚相互作用
古家 光嘉(北九州市立大学大学院 国際環境工学研究科)
視聴覚の相互作用を示す現象として、マガーク効果が知られ
ている。この現象は、音韻知覚だけでなく感情認知において
も起こる例が報告されている。本研究では、感情認知におけ
るマガーク効果の確認、また視聴覚が感情認知に及ぼす影響
について、感情次元(Russell,1980)の観点から検討する事
を目的とした。感情を含んで作成した視聴覚刺激を被験者に
提示し、認知した感情、感情次元(感情価・覚醒度)を測定
した。その結果、認知された視聴覚刺激の感情価、覚醒度の
変化がそれぞれ視覚刺激、聴覚刺激のそれに近い傾向が見ら
れた。これは、感情価は視覚刺激、覚醒度は聴覚刺激からの
影響を強く受けることを示唆している。
21. 自己運動は並進運動感度を抑制しない
山下 洋平(富山大学工学部知能情報工学科),石井 雅博
(富山大学),唐 政(富山大学),山下 和也(富山大学)
両耳の後ろにある乳様突起から微小電流(前庭電気刺激)を
加えると,被験者は陰極から陽極の方向に自己運動を知覚す
る.本研究では,前庭電気刺激による視覚刺激の見えの変調
を調べる.まず,暗黒中の前庭電気刺激によって自己運動感
覚が生起されることを確認した.次に,被験者の正面に提示
した視覚刺激がどのように知覚されるか暗黒中で調べた.実
験で用いた視覚刺激は静止刺激(小光点,円形領域内のラン
ダムドット),および反転フリッカー刺激(垂直グレーティン
グ,同心放射パターン)であった.実験の結果,静止小光点は
自己運動と逆方向へ,垂直グレーティング反転フリッカー刺
激は自己運動と同方向へ並進運動して見えることが分かった.
23. 照明方向が顔の印象に与える影響
成田佳奈美(千葉大学大学院工学研究科),商倩(千葉大学
大学院工学研究科),崔庭瑞(千葉大学大学院工学研究科),
堀端恵一(千葉大学大学院工学研究科),日比野治雄(千葉
大学大学院工学研究科),小山慎一(千葉大学大学院工学研
究科)
照明方向が顔の印象に影響を与えることは先行研究によって
指摘されているが,顔の好ましさに与える影響を定量的に評
価した研究は行われていない.本研究では照明方向が顔の好
ましさに与える影響について検討した.被験者は大学生・大
学院生 106 名であった.刺激は顔を単純化した図形を使用し,
コントラストおよび扁平度をそれぞれ3段階変化させた.実
験では PC 画面の上下に左側が明るい画像および右側が明る
い画像が提示され,被験者はPCのキーを押すことによりど
ちらの図形を好ましく感じたか回答した.その結果,どの図
形においても左側が明るい方が好まれ,特に顔らしく見える
図形ではその効果が大きかった.
24. 見える笑いと聞こえる笑いとは次元が違う ーオノ
マトペによる笑い表現の因子分析的研究ー
生駒 忍 (川村学園女子大学)
近年、心理学や感性科学においてオノマトペに対する関心
が高まっている。本研究では、笑いを表現するオノマトペに
焦点を当てて、感じられる心理量をモダリティ毎に定量化し
分析を行った。
「ゲラゲラ」
「ニコニコ」などのオノマトペを
文字で提示し、それらが表現する笑い感情、笑い声、笑い表
情の強度を数値で回答させた。因子分析を行ったところ、笑
い感情は 2 因子、笑い声は 1 因子、笑い表情は 3 因子の構造
を持つことが示された。これは、オノマトペが表す心理量に
はモダリティ毎に異なる過程が寄与していることを示唆する。
白井 述(新潟大学人文学部),市原 茂(首都大学東京人
文科学研究科)
前後方向への移動中には、それに対応する視運動パタンであ
る拡大・縮小運動への感度が低下する(白井・市原,2009)。
本研究では同様の現象が放射運動以外の運動パタン観察時に
も生じるかを検討した。顔が床面と平行になるように車いす
に搭乗した観察者に、車いすの前後移動と同時に網膜座標系
における上下方向の並進運動を提示した。前後移動と上下運
動の関係が自然な条件(車いすが前後方向に移動すると下上
運動が生じる)と、不自然な条件(前後方向に移動すると上
下運動が生じる)の間で運動感度を比較したが、両条件間で
有意差は生じなかった。移動行動中に生じる運動感度の低下
は、放射運動知覚に特有の現象であるのかもしれない。
25. カラーフィルターの色が文字の読みやすさに与え
る影響―日本人学生における Irlen Syndrome の検討
須永恵理(千葉大学大学院工学研究科),今泉修(千葉大学大
学院工学研究科),小山慎一(千葉大学大学院工学研究科),
日比野治雄(千葉大学大学院工学研究科)
Irlen Syndrome(IS) は文字が歪んだり動いたりして見える読
字障害の一つであり,光過敏性との関連が指摘されている.
IS はカラーフィルタの使用により改善され,カラーフィルタ
の最適色を検討した報告もあるが統計学的信頼性に欠ける.
そこで本研究では,カラーフィルタの最適色を正規化順位法
第二回多感覚研究会@東北大,2010/12/4
を用いて評価し,IS 有病疑い群と健常群で比較した.実験
の結果,IS 疑い群ではカラーフィルタの最適色に個人差が
あったものの,青や灰系の色が読字を容易にすることが示唆
された.
26. 手の動きと視覚運動刺激との間の予測性−光点検
出を促進する要因の検討
上田祥代(お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科)
自分の手の上に位置する刺激への反応は、手と隣接する位
置の刺激への反応より速くなる(Hari&Jousmaki,1996)。さ
らに、VR 上にある手と形態的類似性のない刺激に対しても
同様の反応促進が見られる(Short&Ward,2009)。このこと
から、身体図式に限らず、自己の手の動きから予測される視
覚運動刺激上でも情報処理が促進されることが考えられる。
本研究では、視覚運動刺激の予測性を操作する要因について
検討するため、ランダムドットの中の coherent motion の動
きを被験者が操作できる状況を設定し、coherent motion 上
の光点検出に与える、視覚刺激と被験者の運動との間の時間
的・空間的一致度などの影響を検討した。
27. 「スリット視条件下における形態情報の時間的統
合過程:チンパンジーとヒトの比較」
伊村知子(京都大学霊長類研究所)
知覚体制化の能力に関して、ヒトとそれ以外の霊長類で種
差が示されてきた。そこで、本研究ではヒトとチンパンジー
の成体を対象に、スリット視条件下の形態知覚を検討するこ
とにより、断片的な視覚情報を時間的に統合する能力につい
て調べた。スリットの後ろで線画が水平方向に動く動画を見
本刺激とした継時見本合わせをおこない、スリットの幅及び
呈示速度を操作した。その結果、ヒトは全てのスリット幅・
速度条件で高い正答率を示したのに対し、チンパンジーはス
リット幅の最も狭い条件、低速度条件よりも高速度条件で成
績が著しく低下した。したがって、形態的情報の時間的統合
過程にもヒトとチンパンジーで種差が見られることが示唆さ
れた。
10
29. 視覚刺激に誘導される触刺激の呈示パターン
浅井智久(千葉大学)
・金山範明(東京大学)
本研究では,視覚と触覚の相互作用について検討した。実験
参加者は,腕に3つの刺激装置(視覚= LED,触覚=バイ
ブレータ)を手首・肘・その中間にそれぞれ装着し,触刺激
の呈示パターンを回答するよう求められた。一連の実験の結
果,実験参加者が触刺激を報告する位置は,視覚刺激の呈示
位置に引っ張られることが分かった。しかしながら,視覚刺
激を単独で呈示した場合は,その場所に触刺激を報告するわ
けではなかった。このことから,視覚刺激は触刺激の呈示位
置を誘導することが分かった。
30. 背景色が表情認知に与える影響
張 瀛(千葉大学院工学研究科),日比野治雄(千葉大学院
工学研究科),小山慎一(千葉大学院工学研究科)
本研究では背景色が表情認知に与える影響について検討した。
被験者は日本人 14 名(男性 8 名 女性 6 名)であった。刺
激は ATR データベースから男女モデル各 2 名の無表情写真
をモノクロにし、顔部分を切り抜いたものを、白、灰、黒、
赤、黄、緑、青の 7 色の背景に配置したものである(計 28
枚)。実験では刺激が PC 画面上に 1 枚ずつ提示され、被験
者は写真から感じられた基本 6 感情の強弱を 6 段階で評価し
た。その結果、女性顔では喜びの評価値が黄背景で白背景よ
り有意に高くなり、悲しみの評価値が青背景で白背景より有
意に高くなった。男性顔では怒りの評価値が赤背景で白背景
より有意に高くなり、悲しみの評価値が青背景で白背景より
有意に高かった。
31. 触運動知覚を変容させる聴覚・触覚刺激の時間特性
鈴木結花(東北大学大学院文学研究科・日本学術振興会),河
地庸介(東北福祉大学感性福祉研究所)
触覚と聴覚の仮現運動刺激を互いに異なる運動方向に同期提
示すると,運動方向判断の成績が低下することが見出されて
いる (Soto-faraco, et al., 2004; Sanabria et al., 2005)。本研
究では,触運動の方向知覚に運動情報のない聴覚刺激が影響
を及ぼすかどうかを検討した。SOA が 150―500 ms の触覚
仮現運動刺激の提示中に,時間ずれを加えて聴覚刺激を提示
した。さらに,左右の触覚刺激のオンセットを操作した単一
モダリティの実験を行った。これらの実験結果の比較から,
触運動の方向知覚におけるユニモーダルとクロスモーダルの
時間ずれ操作の影響について検討した。
28. 視触覚間統合における刺激強度の影響
金山範明(東京大学),木村健太(名古屋大学),開一夫(東
京大学)
32. 視覚仮現運動による聴覚ノイズバーストの周波数
変化パタン弁別の変調
視覚-体性感覚刺激間のクロスモーダル効果は,各刺激が空
間位置的に不一致である場合に,一致した場合に比べて位置
判断が遅くかつ不正確になることから明らかである (Pavani
et al., 2000).この効果は Congruency Effect(以下 CE)と
呼ばれ,脳の連合野にある bimodal neuron が各刺激の位置
情報を処理する際に競合を起こすためであると考えられて
いる (Maravita & Iriki, 2005).またこの効果は,呈示頻度
(Shore & Simic, 2005) や,手の位置の錯覚現象 (Pavani et
al., 2000) に影響を受けることが示唆されており,単純に刺
激の感覚処理のみでなく,トップダウン的な認知処理と関連
している可能性がある.一方で刺激そのものの強さが与える
影響に関しては検討されていない.本研究では,CE に振動
の強度が与える影響を明らかにする.
河邉隆寛(九州大学)
視覚仮現運動が、ノイズバーストの周波数帯域変化の弁別成
績を変調する現象を報告する。実験 1 では、系時的に提示さ
れるノイズバーストの周波数上昇パタン弁別が、その時間構
造と一致しない視覚仮現運動によって阻害される現象を報告
する。実験2では、視覚仮現運動における停留点数に基づく
反応バイアスが結果を説明できないこと、及び、課題に関係
のある時間構造を有する視覚仮現運動のみが周波数上昇パタ
ン弁別を促進することを示す。実験3では、視覚仮現運動の
方向は、弁別成績の変調には影響しないことを示す。結果を
踏まえ、視聴覚情報の時間構造を対応させる過程の出力が、
単一モダリティ情報の判断に影響する可能性を議論する。
第二回多感覚研究会@東北大,2010/12/4
33. 能動的な運動がクロスモーダルな時間順序判断に
与える影響:感覚モダリティの組合わせの比較
北川智利(NTT コミュニケーション科学基礎研究所),加藤
正晴(同志社大学),柏野牧夫(NTT コミュニケーション科
学基礎研究所)
能動的な運動によって生じる触覚事象と聴覚事象の時間順序
判断は,両者が受動的に与えられる場合に比べて正確になる。
この効果は時間的な注意や自発的ではない運動によっては生
じない。一方で感覚モダリティ間の時間的な同期の精度は感
覚モダリティの組合わせによって異なることが示されている。
本研究では,時間順序判断への能動的な運動の効果を感覚モ
ダリティの組合わせ間で比較した。
11
14 名の健常高齢者と若年者を対象に、1 指・2 指交互による
最速タッピング課題、各指と母指による最大摘み力発揮課題、
各指の触覚閾値の測定、ペグボード課題を実施した。その結
果、高齢者は 1 指・2 指タッピング課題のすべての条件で、
若年者に比べてタッピングが遅いことが明らかとなった。ま
た、高齢者では、触覚感受性が低下し、ペグボード課題の時
間も遅くなった。しかしながら、最大摘み力に有意差は見ら
れなかった。また、高齢者において、タッピング速度と触覚
感受性、あるいは最大摘み力の間に有意な相関関係は認めら
れなかった。そのため、高齢者におけるタッピング速度の低
下には、主に神経系の衰退が関与していることが推察された。
37. 感覚統合における視・聴・触覚の重要度について
の研究
34. Audio-visual synchrony perception of simplified
speech sounds heard as speech and non-speech
Kaori Asakawa(Tohoku Univ.), Akihiro Tanaka(Waseda Univ.),
Shuichi Sakamoto(Tohoku Univ.), Yukio Iwaya(Tohoku Univ.)
and Yo-iti Suzuki(Tohoku Univ.)
Audio-visual synchrony perception for speech signals shows
different aspects from that for simple non-speech signals .
However, the results obtained in previous studies might reflect physical differences rather than different natures of the
respective perceptual processes used for speech and nonspeech signals. Physically identical stimuli called sine-wave
speech (SWS) as speech and non-speech signals were used
to clarify this issue by investigating whether a mechanism
to detect audio-visual asynchrony is specific to speech or
not. Participants judged which of the visual signal or SWS
sound was presented first in two experimental conditions. In
the speech mode condition, participants were instructed to
regard SWS as synthetic speech. In the non-speech mode
condition, they performed the task without such instruction.
In experiment 1, two tokens (/pa/, /ta/) by a single speaker
were used. No significant difference was found between conditions. In Experiment 2, the variation of the stimulus was
manipulated to examine the effect of stimulus discriminability on the synchrony perception. Consequently, tokens of
nine kinds (three syllables × three speakers) were prepared.
Results showed that detection of asynchrony is more difficult
in speech mode than in non-speech mode.
35. 頭部運動感応型ダミーヘッド収音聴取における同
期の様式が正中面音像定位に与える影響
池田善敬(東北大学),大谷真(信州大学),岩谷幸雄(東
北大学),鈴木陽一(東北大学)
本研究では,ダミーヘッドロボットシステム(テレヘッド)
を用いて収音聴取を行った際の正中面音像定位について述べ
る.テレヘッドは聴取者の水平方向の頭部運動に感応し,そ
の頭部を水平方向に運動させることが可能である.実験では,
聴取者の頭部回転角に対するテレヘッドの回転角の倍率を系
統的に変化させ,正中面音像に対する定位実験を行った.結
果から,正中面音像に対する定位精度は回転倍率が 0.05 倍
まで低下しても維持されることが明らかとなった.
36. 健常高齢者と若年者の指タッピング機能の比較
青木朋子(熊本県立大学)
岡村友俊(金沢工業大学大学院工学研究科)
人は、五感情報から周りの世界を認識しており、その際、多
様な入力情報は脳内で統合されている。そのメカニズムにつ
いての研究は数多く行われているが、過去の研究では 3 感覚
以上の情報が同時に入ってきた場合についてはほとんど行わ
れていない。五感情報を具体物ではないデジタル情報で表現
し、複数の多感覚情報による組み合わせの適合性を明らかに
することを目的として、視覚画像、効果音、触覚デバイスに
よる振動を用いた 3 感覚を提示して感覚の適合について質問
する感覚実験を行い、結果を検討することにより、五感情報
における視・聴・触覚の感覚統合の際により重要となる感覚
について明らかにする研究を行う。
38. 直線等加速度自己運動による音空間歪み
寺本渉 (東北大学大学院文学研究科,東北大学電気通信研究
所),古根史雅 (東 北大学電気通信研究所),坂本修一 (東北
大学電気通信研究所),行場次朗 (東北 大学大学院文学研究
科),鈴木陽一 (東北大学電気通信研究所)
本研究では, 直線等加速度自己運動刺激が音空間知覚に与える
影響を調べた。実験では実験参加者を自走式台車装置に乗せ,
静止状態から前方へ直線等加速度運動をさせた。聴覚刺激は
進路に沿って並べられたスピーカから提示し, 聴覚刺激の提
示位置が自分の真横に対して前に感じたか後ろに感じたかを
判断させた。直線自己運動刺激の加速度には 0, 0.2,0.4m/s2
の 3 種類を設け,比較を行っ た。その結果,自分の真横と知
覚される音源の位置は,静止時に真横と知覚される音源位置
よりも前方(進行方向)であり,かつ,そのずれの大きさは
加速度に依存して大きくなることが明らかとなった。このこ
とは,前方への直線等加速度 自己運動中には,(a) 音空間が
圧縮して脳内に表現されているか,(b) 主観的身体位置 (冠状
面) が進行方向側にシフトしている可能性を示すものである。
39. 嗅覚と体性感覚の相互作用:香りは硬さ知覚やざ
らつき知覚に影響するか?
西野由利恵(情報通信研究機構),Dong Wook Kim(情報
通信研究機構),Juan Liu(情報通信研究機構),安藤広志
(情報通信研究機構)
本研究では、香りが硬さやざらつきの知 覚に影響するか否
かを検討する。力覚提示装置を使って、連続提示される表面
(標準面とテスト面)の硬さ(実験1)またはざらつき(実験
2)を等しく調整する課題を行った。香り(薔薇、白檀、無
臭)は、標準面とともに香り提示装置によって噴射された。
実験の結果、硬い標準面と同時に白檀が噴射されると、テス
第二回多感覚研究会@東北大,2010/12/4
ト面は薔薇や無臭が噴射された時よりも硬く知覚された。ま
た、滑らかな標準面と同時に薔薇が噴射されると、テスト面
は無臭が噴射された時よりも滑らかに知覚された。これら
の結果は、香りと感触の相互作用の存在を示すものであり、
香りの種類によって影響を及ぼす感触が異なることが示唆さ
れた。
40. 到達把持運動が手指の身体近傍空間に及ぼす影響
渋谷賢(杏林大学・医・統合生理学)
本研究は、到達把持運動が手指の身体近傍空間に与える影響
を調べた。被験者は物体への到達把持運動と伴に、運動開始
前、開始直後、開始 0.2 秒後のいずれかに示指もしくは母指
に加わる触覚刺激の選択反応課題を行った。触覚刺激と同時
に物体上の LED が点灯したが、被験者はこの視覚刺激を無
視した。運動開始前の反応時間は示指と母指の間に差を示さ
なかったが、開始直後と開始 0.2 秒後の反応時間は視覚刺激
の同時呈示により示指の方が母指よりも有意に早くなった。
この相違は視覚刺激が呈示される空間に依存し、把持物体の
手前よりも奥の空間の方が大きかった。また,この相互作用
は視線の移動に影響を受けなかった.
41. 視覚方位刺激の検出に及ぼす触覚フランカー刺激
の文脈的修飾効果
和田裕一(東北大学情報科学研究科),三坂慎一郎(東北大
学情報科学研究科)
ある方位を持った線分刺激やガボール刺激の検出に際して,
同じ方位を持つフランカー刺激が同一線上の隣接する領域に
存在している場合,当該刺激の検出が促進(場合によっては
抑制)される(たとえば Polat & Sagi, 1993)。ここで,物体
の輪郭情報は触覚によっても検知できる点を考慮すると,フ
ランカー刺激が触覚に提示される場合でも,上述のような刺
激布置条件を満たしていれば,視覚に提示される方位刺激の
検出が促進される可能性が考えられる。そこで本研究では,
視覚刺激の検出に及ぼす触覚フランカー刺激のクロスモーダ
ルな文脈的修飾効果について検討した。
42. 腱振動刺激によって錯覚される運動の速度に関す
る研究
矢口博彬 (東京大学)、深山理 (東京大学)、鈴木隆文 (東京大
学)、満渕邦彦 (東京大学)
腱振動刺激は、筋紡錘一次終末の活動を誘発し、関節運動の
錯覚を引き起こす。しかし、錯覚される運動の速度は、高々
数 deg/s と低速である。本研究では、高速な運動の錯覚が生
じない原因として、腱振動刺激によって興奮するのは、その
運動に関わる筋に分布する一次終末の一部に過ぎないことに
着目した。興奮する一次終末の数を増加させるため 2 点の
同時振動を行い、錯覚される運動の速度における影響を調べ
た。その結果、ひとつの筋の両端で同時に振動すると、その
一方のみ振動する場合と比べ、高速な運動の錯覚を生じた。
本発表では、以上の結果に加え、運動感覚生成の義手への応
用に向けた取組みについて、併せて議論したい。
12
International Multisensory Research Forum (IMRF)
IMRF2011, Sendai, JAPAN, June 4-8, 2011
http://www.imrf.info/2011/
文部科学省科学研究費補助金特別推進研究「マルチモーダル感覚情報の時空間統合」
日本基礎心理学会研究活動助成
多感覚研究会世話人(50 音順)
北川智利(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
小林まおり(東北大学電気通信研究所)
寺本渉(東北大学電気通信研究所)
藤崎和香(産業技術総合研究所)
和田有史(農研機構・食品総合研究所)
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