第ー章 虐待の定義、 手重類等

第 1章 虐 待 の 定義 、種類等
虐待 とは
虐待 の種類
利用者 ・保護者 へ の説明
施設職員 が留意すべ き事項
ほ とん どの施設 の関係者 は、自分 の ところでは虐待 はあ りえない、起きていない、
又は他 の所 で起きてい ることとしてく見過 ごしやす いのではないで しょうか。
どうい うことが虐待 にな り、障害の ある人の人権を侵害す る こ とになるのか、事
業者、職員、保護者 な ど障害福祉サー ビス に関わる企て の人 が、改 めて理解 してお
く必要 があ ります。
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第 1章 虐 待 の 定義、種類等
1 虐 待 とは
明確な定義は固まつていませんが、障害者 に対する不適切な言動や障害者 自身
の心を傷つ けるものか ら傷害罪等 の犯罪 となるものまで、幅広いもの と考えられ
てお り、 このマニュアルでは、 「
障害者 が他者 か らの不適切な扱い により、人権
を侵害 されること」 とします。
ほんの ささいな、虐待のつ もりでなく行 つてい る行為が、実は虐待であり、い
つのまにか人権を侵害 してい ることもあります。
理的な苦痛等を感 じるよ うな言動を
常に、利用者 の立場に立って、利用者 が,い
しないよ う留意することが重要です。
2 虐 待 の種類
2 6)で は、 「
虐待 に関する国か らの通知 (17.10。
児童虐待防止法」に掲げる 4
財産の不当な処分も該当することとされています。
種類の行為 に準 じるとともに、
① 身体的虐待 ・・障害者 の身体 に外傷 が生 じ、又 は生 じる恐れの ある暴行 を加
えること。
・・・
障害者にわいせつ な行為をす ること又は障害者 をしてわいせ
② 性的虐待
つ な行為をさせること。
・・
障害者 の心身の正常な発達 を妨 げるような著 しい減食又は長
③ ネグ レク ト
時間の放置その他の施設職員 としての義務を著 しく怠るこ と。
・・
障害者 に対す る著 しい暴言又は著 しい拒絶対応など障害者 に
④ 心理的虐待
著 しい心理的外傷 を与える言動を行 うこと。
⑤ 経済的虐待 ・・障害者 の所持する年金等 を流用するなど財産 の不当な処分を
行 うこと。
虐待 の種類
① ② ③ ④ ⑤
身体的虐待
性的虐待
ネグ レク ト
心理的虐待
経済的虐待
虐待 に当たる行為 の例示
殴 る、蹴 る、たば こを押 しつ ける
性 変 、性的暴力、性的行為 の強要
栄養不良のまま放置す る、病気 の看護 を怠 る
成人 の障害者 を子 ども扱 いす るな ど自尊心を傷 つ ける
同意 を得ない年金 の流用な ど財産の不当な処分
【身 体的虐待の留意点 】
体罰については、その背景 として 「
体罰 を行 うのはあくまで相手のためにな
ー
るから行 う」 とい うようなパ タ ナ ジズム (父権的保護主義)が あると言われ
ています。
この結果、職員が忍耐をもつて利用者 に寄 り添わず(短 絡的、安易な手段 (体
罰)に 走 り、重篤なケガを負 わせる場合 もあります。
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【掲 示物の例 】 ※職員の自党を促すため、施設内の見やすい場所に掲示すること。
障害者 (児)を 支援す る職 員の 方 ヘ
以下の よ うな行為 は t障 害者 (児)へ の 虐待 で す。不適切 な支援 か
ら、傷害 な どに当たる犯 罪行為ま で様 々です が 、いずれ も障害者 (児)
の 人権 の重大な侵害 で あ りt絶 対 に許 され るものではあ りませ ん 。
O 身 体的虐待
・殴 る、蹴る、たばこを押 しつ ける。
・熱湯を飲ませる、食べ られない ものを食べ させる、食事を与えない。
・戸外に閉め出す、部屋に閉 じこめる、縄 などで縛る。
O 性 的虐 待
・性交、性的暴力、性的行為の強要。 、
・性器や性交、性的雑誌や ビデオをみるよう強い る。
・裸 の写真や ビデオを撮 る。
O ネ グ レク ト
・自己決定といつて、放置す る。
・話 しかけられても無視する。拒否的態度を示す。
・失禁を していても衣服を取 り替 えない。
・職員の不注意によりけがをさせる。
O 心 理的虐待
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・「
そんな ことをすると外出させ ない」など言葉による脅迫。
・「
何度言 つた らわかるの」な ど心を傷つ けることを繰 り返す。
・成人の障害者を子 ども扱いするなど自尊心を傷つ ける。
・他の障害者 (児)と 差別的な取 り扱いをする。
O そ の他
・障害者 (児)の 同意を得ない年金等の流用な ど財産の不当な処分。
・職員 のやるべ き仕事を指導の一環 として行わせる。
・躾けや指導 と称 して行われる上記の行為も虐待です。
自分が され た ら嫌 な こ とを障害者 (児)に していませんか 。
常 に相手 の立 場 で 、適切な支援 を心 が けま しょ う。
【施 設で起 こりやすい虐待の例 】
▼ 職 員が意識 してい な くても、次 のよ うな行為 も虐待 とな ります !
虐待 か どうかは、 あ くまでも利用者 の視点、利用者 自身 が苦痛 を感 じ
てい るか ど うかの観点 か ら判断 されるべ き こ とです。
・ど うして も必要な場合を除き、利用者 の嫌 がることを強要す るも
・夜間、処遇に手 のかか る利用者 に不必要な量の薬 を飲 ませて眠 らせ る。
・職員 の指示 に従 わない利用者 の食事 を取 り上げる。
・利用者 を管理す るために、 日中、食堂や居間に閉 じこめる。
・指示に従わない利用者 を、長時間、正座 ・直 立 させ る。
・利用者 の人格 を傷 つ けるよ うな写真 を展示す る。
利用者 口保護者 へ の 説明
虐待 の定義 ・種類、被害を受けた際の対応等について、利用者個々 の理解力
や障害特性などに応 じて、利用者 の立場 で分か りやす く説明 し、継続的に理解
が深まるよ うに努める1ことが重要です。
① 一 人で我慢 しているだけでは問題 が解決 しないので、虐待に関わる訴
え等の行動をためらわないこと。
② 虐 待を受けたと思 う場合には、該当職員に対 して、毅然 とした態度を
とり、明確な意思表示をすることが重要であること。
③ 身 近に相談できる職員がいない場合な ど、困 つたときには、県や社会
・福祉協議会など、関係機関に相談できること (p17の 連絡先を参照)。
4 施 設職 員が 留意す べ き事項
( 1 ) 職 員一人ひとりの意識の重要性
① 障 害の程度等に関わらず、常に利用者 の人格や権利を尊重すること。
② 職 員 は利用者にとつて支援者であることを強 く自党 し、利用者 の立場に
立った言動 を心がけること。
③ 虐 待に関する受け止め方には、利用者 による個人差や性差な どがあるこ
とを、絶 えず認識すること。
(2)基 本的な心構 え
① 利 用者 との人間関係 ができていると、独 りよが りで思い込まないこと。
② 利 用者 が職員 の言動 に対 して虐待であるとの意思表示 をした場合は、そ
の言動 を繰 り返 さないこと。
③ 利 用者本人は心理的苦痛を感 じていても、重度 の重複障害者など、それ
を訴えた り、拒否することができない場合もあることを認識す ること。
④ 職 員同士が話 しやすい雰囲気づ くりに努 め、虐待 とみ られる言動 につい
て、職員同士で注意 を促す こと。
⑤ 職 場内の虐待に係る問題や発言等を個人的な問題 として処理 しないで、
組織 として良好な施設環境を確保するための契機 とする意識を持つこと。
⑥ 被 害を受けている利用者 について見聞き した場合は、懇切丁寧に相談に
応ず ること。
⑦ 心 理的苦痛を感 じる言動が職員にある場合には、第二者 として、良好な
施設環境づ くりのため(「虐待防止委員会」に報告す るなどの措置 を講ず
ること。
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知的障害者施設内で虐待が起 こ りやす い背景
〔
厚 生 労働省障害者虐待 防止 に つ いての勉強会 での主 な意 見〕
① 施 設構造等
・施設が密室の構造 となっている場合 が多い。
・施設 の立地が社会的 に隔離 された場所 にある。
② 職 員
・指導 。しつけの一環 とい う意識 の もとで体罰 を繰 り返すなど、人権意
識 が欠如 している。
・問題行動 のある利用者に対する専門的な処遇技術が欠如 している。
・職員 の個人的性格、ス トレスが関係 している。
・職員が他 の職員 の虐待を内緒に し、仲間 としてかば う傾向がある。
・職員 が上司に通告 して も改善されない。
③ 利 用者
・虐待 を受けた利用者 が語れない場合が多い。
・虐待 を受けた利用者 が語 つて も届かない場合 が多い。
④ 保 護者
・保護者 が 「
施設 か ら追い出 されては困 る」 とい う負 い 目を持ち、虐待
する側を守る行動を取る。
⑤ 行 政 (指導監督部署)
・行政職員が施設に顔を出さない。
・行政職員が 2∼ 3年 で異動するため、専門性を持 っていない。
情報 コー ナ ー ①
虐 待 に 関 す る 取 組 ( イ メー ジ図 )
指
地
導
監
査
ネ
域
特 別
ト
ッ
監
ワ
査
不 定 期 訪 問
ー
ク
の
構
築
施設職 員等 へ の研 修 (県 ・関係機 関)
福 祉 サ ー ビ ス 第 二 者 評 価
第
理
事
者
委
会
・
員
評
議
員
会
対応マニュアル (チェックシー ト含む)
防 止 検
虐 待
討 委
員 会
施 設 職 員 等 へ の 研 修 ( 施設 ・団 体 )
人 権 侵 害 ゼ ロ宣 言
虐 待 防 止 ア ド バ イ ザ ー
護
保
△
貫
者
用
苦
情
解
制
決
度
者
地
域
自 立
支
援
協
議
会
止
検
討
委
課題 の抽 出
虐
待
防
員
会
第 2章 虐 待の未然防止
1 法 律上の位置付 け
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事業者 としての責務
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虐待防止委員会 の設置等
4
相談、苦情 を活かす仕組みづ くり
5
日々の業務 の点検 (チエ ック リス 卜の活 用 )
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ヒヤ ノ ・ハ ッ ト事例 の活用
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福祉サー ビス第 二者評価 の活用
施設 における虐待 を未然に防止するためには、 日頃 か ら権利侵害を見過 ご さない
よ うに し、い わば虐待 の芽を摘んでい くことが有効 です。
特に、職員 が自らの行為 が虐待 などの権利侵害 に当たるこ とを自覚 してい ない場
合 があるので、 あらゆる機会を捉えて、職員 の 自覚 ・自省 を促す ことが重要です。
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