男 性 と 男 女 共 同 参 画 「 男 の 生 き づ ら さ 考 」 山 田 昌 弘 さ ん の 推 薦 本 リ ス ト 男性と男女共同参画 ~男性にとっても暮らしやすい社会へ~ 山田昌弘さん 「男の生きづらさ考」 書名 推薦本リスト 2014 年 2 月 著・編者名 出版社 出版年 分類 男性学入門 1 ジェンダーの社会学入門 江原由美子・山田昌弘 岩波書店 2008 A22ジ 2 男性学入門 伊藤公雄 作品社 1996 A221ダ 3 喪男の社会学入門 カラスヤサトシ・千田有紀 講談社 2010 A350モ できない男性はつらい? 4 ハゲを生きる 外見と男らしさの社会学 須長史生 勁草書房 1999 A221ハ 5 男はつらいらしい 奥田祥子 新潮社 2007 A221オ 玄田有史・曲沼美恵 幻冬舎 2004 B221ニ 勁草書房 2009 A121オ メディアファクトリー 2008 A221ソ 東洋経済新報社 2012 B17ゼ ニート 6 7 フリーターでもなく失業者でもなく 「男らしさ」の快楽 宮台真司・辻泉 ポピュラー文化からみたその実態 岡井崇之 もてない男性はつらい? 8 草食系男子の恋愛学 森岡正博 絶食系男子となでしこ姫 山田昌弘 国際結婚の現在・過去・未来 開内文乃 10 「婚活」症候群 山田昌弘・白河桃子 ディスカヴァー・21 2013 B17コ 11 もてない男 恋愛論を超えて 小谷野敦 筑摩書房 1999 A221モ 12 非モテ! 男性受難の時代 三浦展 文藝春秋 2009 A221ヒ 9 孤独になった男性はつらい 13 孤立の社会学 無縁社会の処方箋 石田光規 勁草書房 2011 A350コ 14 男おひとりさま道 上野千鶴子 法研 2009 B16オ 理論的に詰めたい人のために 〈男らしさ〉のゆくえ 15 16 男性文化の文化社会学 XY 男とは何か 男同士の絆 17 18 イギリス文学とホモソーシャルな欲望 女性学/男性学 伊藤公雄 新曜社 1993 A221オ エリザベート・バダンテール 筑摩書房 1997 A221エ イヴ・K.セジウィック 名古屋大学出版会 2001 D242オ 千田有紀 岩波書店 2009 A22ジ 選者プロフィール 山田 昌弘(やまだ まさひろ) 中央大学・文学部・教授 家族社会学者 1957年、東京生まれ。1981年東京大学文学部卒。1986年東京大学大学院 社会学研究科博士課程単位取得退学 東京学芸大学助手、講師、助教授、教授を経て、2008年より現職 (1993年 カリフォルニア大学バークレー校社会学部客員研究員) * 専攻 家族社会学・感情社会学 愛情やお金を切り口として、親子・夫婦・恋人などの人間関係を社会学的に読み 解く試みを行っている。 せいち 「パラサイト・シングル」の生みの親で、精緻な社会調査をもとに「学卒後も親と同 居し、基礎的生活条件を親に依存している未婚者=パラサイト・シングル」の実態 や意識について分析した著書「パラサイト・シングルの時代」(筑摩書房、1999年) は話題を呼んだ。政治・経済の領域と同じように、家族においても「今までと同じや り方ではうまくいかない」という現実を見つめ、戦略的思考で家族生活のリスクマ ネージメントを行うべき時代だと説いている。1990年代後半から日本社会が変質 し、若者の多くから希望が失われていく状況を「希望格差社会」と名づけ、格差社 会論の先鞭をつけた。2006年のユーキャン新語流行語大賞トップ10に選ばれる。また、「婚活(結婚活動)」の名 付け親でもある。 著書は「近代家族のゆくえ」(新曜社 1994年)、「家族というリスク」(勁草書房 2001年)、「家族ペット」(文藝春 秋 2004年)、「希望格差社会」(筑摩書房 2004年)、「迷走する家族」(有斐閣 2005年)、「新平等社会」(文 藝春秋 2006年 日経BP社BizTech図書賞受賞)、「少子社会日本」(岩波書店 2007年)、「婚活時代」(共著、 ディスカヴァー21 2008年)など多数。近著に「ここがおかしい日本の社会保障」(文藝春秋 2012年)、「絶食 系男子となでしこ姫」(共著、東洋経済新報社 2012年)、「婚活症候群」(共著、ディスカヴァー21 2013年)、 「家族難民」(朝日新聞出版 2014年)など。 読売新聞人生案内回答者、毎日新聞「くらしの明日」レギュラーなど 内閣府男女共同参画会議専門委員など、公職を歴任している。 趣味は観劇(ミュージカル、オペラ、宝塚、歌舞伎)など。好物はチョコレート、アイスクリーム、ナッツ、フルーツ、豆 腐系。 山田昌弘さんからの推薦図書メッセージ 私はジェンダー論の講義の初めに、今の日本社会では、「できる」男性はもてる、「できない」男性 はもてないと説いている。ここに、男性の生きづらさが集約されている。 スポーツ、仕事などの世界で、できる男性は女性からもてる。スポーツのできない男性は、小さい頃 から、エースストライカーや四番バッターの男の子が女性たちのあこがれの的となっていることを指を くわえてみている。大人になってからは、仕事ができる男性には結婚相手が群がるのに、仕事ができ ない男性は女性から見向きもされないことを身にしみて感じる。そして、弱い男性は、同性の強い男 性からも見捨てられて孤立していく。 男性学などで、「男は強くあらねばならない」というプレッシャーから解放されると楽になるといくら説 いても、弱い男性はもてないという現実がある限り、異性とのつきあい、結婚を諦めるか、頼りない男 性が好きだという「例外的女性」を探し当てるしかない。 一方、女性は「できる」ことと「もてる」ことは無関係である。スポーツや仕事ができなくても、男性か らもてる、結婚できるというチャンスはある。 スポーツや仕事ができなくても、収入が少なくても、かわいいから結婚すると言ってくれる女性が増 えない限り、男の生きづらさは続く。 男性学入門 1、ジェンダーの社会学入門 江原由美子・山田昌弘 著 (岩波書店) 2008年 さまざまな社会現象や社会問題をジェンダーとの関連性で読み解く「ジェンダーの社会学」の入門 書です。「男らしさ」の形成、「女らしさ」という問題、男女のこころのすれ違いや、ライフコース、出 産・子育て、少子化問題、雇用、ケア労働、性の商品化など興味深いテーマを取り上げ、第一人 者が平易に解説します。 2、男性学入門 伊藤公雄 著 (作品社) 1996年 結婚したくてもできない独身男性、働き盛りのサラリーマンの過労死、定年離婚を切り出される 夫・・・。さまざまな問題を抱える現代社会の悩める男たちがより豊かな人生を送るために生み出 された「男性の生き方を探るための研究」が「男性学」だと著者は言います。自分の生き方に戸惑 いはじめた男性や男性との関係に悩む女性たちにとって気づき、考え、行動するためのきっかけ を与えてくれる本です。 も だ ん 3、喪男の社会学入門 カラスヤサトシ・千田有紀 著 (講談社) 2010年 喪男とは「もてない男性」という意味です。自称ワーキングプアで、モテたいと思いながらも家でフ ィギュアとたわむれるのが大好きな草食系男子という現代社会の問題を一身に背負う漫画家の カラスヤサトシさん。そんなカラスヤさんが喪男の代表として、社会学者の千田有紀さんに入門し ます。モテから学ぶ社会学の本です。マンガと対談の構成で面白く読めてためになる入門書で す。 できない男性はつらい? 4、ハゲを生きる 須長史生 著 外見と男らしさの社会学 (勁草書房) 1999年 「このままハゲを気にしながら生きていくか、それとも思い切って増毛なりカツラなりしてそういうこと を気にしないで生きていくか」-著者が毛髪診断士から言われたことばです。「カッコわるい」「女に もてない」「堂々としないからダメなんだ」という言葉に打ちのめされる男性たち。本書はハゲた男 性の経験に現れるからかいを主に取り上げ、そのしくみを明らかにし、男性と外見の関係性につい てジェンダーの視点で考察します。 5、男はつらいらしい 奥田祥子 著 (新潮社) 2007年 子どもや若年者、女性が社会問題の「主役」として政策対象に挙がる機会が多いのに比べると、影 が薄い男性そのものの問題。しかし、男性も「男」として内に秘めた心の痛みを抱え、仕事や家庭、 女性との関係、心身の不調など様々な問題にもがき苦しんでいるとジャーナリストの著者は言いま す。切実な思いで花婿学校へ通う33歳、更年期に悩む47歳、妻に離婚をつきつけられ、相談に行 く50代・・・。生と性に必死に格闘している男性たちを取材しました。 6、ニート 玄田有史・曲沼美恵 著 フリーターでもなく失業者でもなく (幻冬舎) 2004年 働くことも、学ぶことも、すべて放棄し、社会と交わる機会を失った若者たち。社会の入り口で立ち 止まってしまったそんな若者たちを私たちはニートと呼びます。なぜ彼らは動き出せないのか。実 像の見えないニートの輪郭や表情。経済学者とノンフィクションライターの2人がニートの姿を追い かけます。ニートの声なき声に耳を澄まし、「働く」ということを見つめ直します。 7、「男らしさ」の快楽 ポピュラー文化からみたその実態 宮台真司・辻泉・岡井崇之 編 (勁草書房) 2009年 男 性 の生 き方 は多 様 であるべきだし、変 化 の激 しい 現 代 社 会 を生 き抜 くためにも、そのこ とがますます求 められるだろうと 編 者 は言 います。ファッション、格 闘 技 、ホストクラブ、性 風 俗 、鉄 道 ファン、などのポピュラー文 化 を対 象 に、複 数 の特 徴 的 な事 例 から「男 らしさ」 とは何 かを問 い直 します。従 来 、家 事 や労 働 の性 別 役 割 分 業 を対 象 にした否 定 的 な議 論 が多 かったことから、あえて肯 定 的 な側 面 も含 みこんで「男 らしさ」をとらえ返 します。 もてない男性はつらい? 8、草食系男子の恋愛学 森岡正博 著 (メディアファクトリー) 2008年 「草食系男子」とは異性と肩を並べて優しく草を食べることを願う、新世代の優しい男性のことで す。モテるとは、好きな一人の女性から振り向いてもらえること。哲学者であり、社会学者でもあ る著者が、自らの体験と学問から、会話の方法や正しい性の知識などを解説します。草食系男 子はもちろん、現代男子を知りたい女子にも役立つ本です。 9、絶食系男子となでしこ姫 国際結婚の現在・過去・未来 山田昌弘・開内文乃 著 (東洋経済新報社) 2012年 「絶食系男子」とは、そもそも異性との交際を諦めている、または女性との交際を面倒だと思い恋 愛欲求すら持たない男子のこと、「なでしこ姫」とは日本に見切りをつけアジアに飛び出しそこで国 際結婚し活動する女性たちです。なでしこ姫や絶食系男子の急増の背景を探り、日本の結婚の 現状を分析すると、私たちが抱える日本社会の問題もあぶりだされてきます。 10、「婚活」症候群 山田昌弘・白河桃子 著 (ディスカヴァー・トゥエンティワン) 2013年 結婚するために積極的にさまざまな活動を行う人の存在を知り、「婚活」という言葉を作り、婚活ブ ームの火付け役ともなった著者2人が5年たった今の状況を分析します。はたして結婚は増えた のか。男女の結婚観は変わったのか。結婚願望に変化はあったのか。「婚活」流行の背景と影響、 「婚活」の誤解と現代、婚活の現実と格差、婚活の社会的効用などから現代の結婚について語り ます。 11、もてない男 小谷野敦 著 恋愛論を超えて (筑摩書房) 1999年 バレンタイン・デーにチョコを貰えるという習慣は本当にこの世に存在するのだろうかと、本気で疑っ たほど、もてなかったという著者。好きな女性から相手にしてもらえない「もてない男」の視点から、 文学作品やマンガを手がかりに、童貞であることの不安、自慰、無償の愛、嫉妬、誘惑などについ て論じます。 12、非モテ! 三浦展 著 男性受難の時代 (文藝春秋) 2009年 ネットの社会で普通に使われている「非モテ」という言葉。男性がモテるかモテないかは、所得、学 歴、職業などの階層とはっきりと結びついていて、モテも「格差」であると著者は言います。若い男 性を対象にしたアンケート調査の結果も交えて、「モテ」「非モテ」の意味を分析し、現代のモテ論を 展開します。 孤独になった男性はつらい 13、孤立の社会学 石田光規 著 無縁社会の処方箋 (勁草書房) 2011年 人間関係と孤立は人生に横たわる大きなテーマだと著者は言います。家族(血縁)、会社(社縁)、 地域(地縁)といった中間集団がどの程度揺らいでいるのかを統計をもとに議論し、日本社会での 孤立の要因を分析します。「なぜ、男性が孤立しがちなのか」、「地方山村に住む高齢者の厳しい 2択とは」。日本社会の人間関係の実情を客観的なデータから明らかにし、孤立問題と連帯再生 の方策について考えます。 14、男おひとりさま道 上野千鶴子 著 (法研) 2009年 死別、離別、非婚、男がおひとりさまになるなり方は様々ですが、女のおひとりさまと男のおひとり さまとでは、生きていくための暮らしの知恵は同じではありせん。人生の下り坂を降りるスキル、人 間関係の築き方、ひとり暮らしのコツ、よい介護を受けるには、など実際の男おひとりさまたちの取 材を交え、豊富な事例で、楽しく幸せに男ひとり老後を生きていく術を指南します。 理論的に詰めたい人のために 15、〈男らしさ〉のゆくえ 男性文化の文化社会学 伊藤公雄 著 (新曜社) 1993年 フェミニズムの潮流の中で、1990年代に入ると、男性をめぐる議論がマスメディアをにぎわすよう になってきました。「支配する性」であった男性たちもまた、窮屈な「男らしさ」というステレオタイプ によって苦しめられてきたと著者は言います。「男らしさ」の崩壊の時代に、男性たちは、そして女 性たちはどう立ち向かうべきなのでしょうか。「男らしさ」の神話の解剖を経て、「男らしさ」の鎧から の解放を説きます。 16、XY 男とは何か エリザベート・バダンテール 著 (筑摩書房) 1997年 XYとは男性染色体の呼び名です。しかし、「男になる」には心理的、社会的、文化的要因も必要だ と著者は言います。女性たちが「女とは何か」を新たに定義しなおそうとしている現代、男性も男と は何かを考え直さざるをえなくなりました。私たちの目の前で生まれようとしているそれまでとは違 う「男」はどんな男性なのかを探ります。現代社会での男であることの困難を鋭くえぐり出し、フラン スでベストセラーになった本です。 17、男同士の絆 イギリス文学とホモソーシャルな欲望 イヴ・K・セジウィック 著 (名古屋大学出版会) 2001年 男性対女性の関係ではなく、男同士の関係の分析から近代のジェンダーを語ります。シェイクスピ アからディケンズにいたる、およそ3世紀にわたるイギリス文学を例に挙げ、ホモソーシャル(男性 同士の強い連帯)体制と、それに潜むホモフォビア(同性愛嫌悪)と女性嫌悪を分析したジェンダー 研究の書です。 18、女性学/男性学 千田有紀 著 (岩波書店) 2009年 この世の中は男と女とで成り立っていると思われがちですが、性の世界は多様です。「性」「性別」 とは何を意味するのか、「女性と男性の学」とは何を意味してきたのか、を根源的に考えます。女 性学/男性学がほかの主要な学問分野とどのような関連をもち、どのような新しい考え方を提供し たのかも探ります。女性学/男性学を学んだことのない人でも理解できるように書かれた入門書的 な本です。 主催:フォーラム(男女共同参画センター横浜) フォーラム 横浜 検索 おすすめ本フェア推薦本は、貸し出しできます。ご利用方法は次の通りです。 <情報ライブラリ利用案内> 男女共同参画センターの情報ライブラリは、横浜市内にあるフォーラム(男女共同参画センター横浜)、 フォーラム南太田(男女共同参画センター横浜南)、アートフォーラムあざみ野(男女共同参画センター横 浜北)の3館で資料の相互貸借サービスを行っています。3館の資料はどの館からも取り寄せて借りるこ とができます。返却も3館すべて利用できます。 * ライブラリカードのお申し込み カードを作れる人 個人カード 小学生以上で横浜市に住んでいるか、通勤・通学している人 団体カード 担当者(直接借りにくる人)が横浜市に住んでいるか、通勤・通学しているグループ、団体 *貸し出し・返却 貸出 本、雑誌、ポスター ひとり10冊(枚)まで、2週間借りられます。 ビデオ フォーラムのみ、館内で視聴できます。 団体カードをお持ちの方なら、館外貸出可のビデオを3本まで、1週間借りられます。 返却 カウンターにお返しください。閉館時は、本と雑誌のみ、ブックポスト(フォーラム)に返すことができます。 <テーマ別展示本のセット貸出のお知らせ> おすすめ本フェアでご好評いただいた展示資料(選書リストを含む)を、すべてセットにして貸し出しま す。公共施設や図書館、学校、病院での展示に、またグループでの勉強会にもぜひ、資料セットをご 利用ください。 貸出内容 展示するスペースにあわせて、セット貸出できます。 貸出期間 2ヶ月 貸出料金 無料(送料は、ご負担願います。) ご希望があれば、展示のアドバイスも承ります。 お気軽にご相談ください。 詳細はお問い合わせください。 男女共同参画センター横浜 情報ライブラリ ℡ 045-862-5056 ●フォーラムは、公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会が管理運営する男女共同参画センター3館のうちの1つです。 ●パソコン(スマートフォン)向けにメールマガジンで講座・イベント情報をお届けしています。登録は協会の HP または QR コード(右)から
© Copyright 2024 Paperzz