2013 年 1 月号 - 日本ビジネス航空協会

2013 年 1 月号
隔月刊
日本ビジネス航空協会
(一般社団法人)(NPO 法人)
◇ 巻
頭
日本ビジネス航空協会
会 長
北 林 克比古
新年おめでとうございます
会員の皆様におかれましては健やかな新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
さて昨年は LCC 国内3社が立ち上がり、各地に LCC 専用ターミナルが開設されるなど航
空業界に新たな変化がみられました。
ビジネス航空にとりましても、協会設立以来、諸先輩、会員各位が積み重ねてこられた
地道な努力が実を結び、多くの前進が見られた一年となりました 2010 年来、首都圏空港
におけるビジネス航空用の発着枠の拡大、利用要件の改善が進められてまいりましたが、
昨年3月には懸案でありました、首都圏初のビジネスジェット専用ターミナルが成田空港
において開設されました。
これら首都圏空港における環境整備と並び、ビジネス航空にとって長年の懸案事項でご
ざいました規制緩和につきましても、航空局において積極的な取り組みをいただきました。
局内に「ビジネスジェットに関する技術規制検討会」が発足し、その検討を踏まえ、「小
型ビジネスジェット機によるチャーター事業に対応した新しい運航・整備基準の導入」の
方針が打ち出されました。
現在米国の技術基準を参考とした包括的基準の策定作業を精力的に進めていただいてお
ります。作業の過程でご協力を頂きました会員各位に厚く御礼申し上げます。
またこうした我が国ビジネス航空に係る環境整備の進展につき官民一体となった情報
発信にも精力的な努力が払われました。特に航空局におかれましては国内外で開催された
コンベンションに積極的なご参加をいただき、展示ブースの出展もいただきました。
我が国ビジネス航空発展に欠くことのできない諸課題に多くの進展が見られましたの
は、偏に航空局をはじめ関係各方面の皆様のご尽力の賜であり、心より感謝申し上げる次
第です。
協会といたしましては、従来インフラ整備の為の要望を取り纏め、その実現を目指して
活動してまいりましたが、環境整備が進みつつある今日、残された課題解決とともに、一
連の進展を活かした、我が国ビジネス航空産業の拡大、発展のための主体的な活動が求め
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られる時期にきていると存じます。
先月 IATA が発表した世界の航空需要予測によれば 2011 年から 2016 年までの需要の
伸びは年率 5.3%で 28 億人から 36 億人へと 8 億人の増を予測しています。
その内 45.7 %の 3.8 億人がアジア、パシッフィックで生み出されるとしています。
ビジネス航空においてもアジア太平洋のゲートウェイに位置する我が国には潜在的な需
要が見込まれるはずです。
こうした状況下で協会ではより迅速、かつ自由な活動を可能とすべく、その法人格を
NPO から一般社団法人に移行するための準備を進めてまいりました。
昨年 7 月 24 日に一般社団法人の設立登記を完了し、本年3月には NPO よりの移行を完
了させる予定です。
一般社団法人としての実質初年度にあたる今年、残された課題に取り組みつつこれまで
にも増してビジネス航空の必要性と有用性を訴えその普及に努めてまいる所存です。
皆様の引き続きのご理解、ご支援をお願い申し上げます。
本年も皆様にとって良い年でありますよう、心からお祈り申し上げます。
◇
特別寄稿
ビジネス航空“あらたなる”元年?
国土交通省航空局 交通管制部 交通管制企画課
齋藤 賢一
あけましておめでとうございます。
また、一般社団法人としての初めての新年を迎えたことをお喜び申し上げます。
航空局総務課の時にお世話になりました齋藤でございます。その後、電子航法研究所の
勤務を経まして、昨年 4 月より現部署におります。今は「将来の航空交通に関する長期ビ
ジョン(CARATS: Collaborative Actions for Renovation of Air Traffic Systems)」とい
う、航空管制分野の長期計画をまとめるということをしています。今回は今の仕事の話で
はなく当時総務課の時の話を書かせて頂きました。蛇足が多く読みにくいとは思いますが
おつきあいください。
わたしのビジネス航空とのつきあいは、航空局長の田村が総務課長で直属の上司だった 6
3
年前、
「ビジネスジェットのために航空行政はなにをすべきか考えろ」という趣旨のことを
言われたのがきっかけです。当時は「なにビジネスジェットって?」、「ああ、ハリウッド
スターがプロモーションのために乗ってくるあれね、あれが何か問題なの?」という知識
しか正直ありませんでした。
なにから取りかかって良いかよくわからず悩んで(放置ともいう、役人用語では「前向
きに検討?」
)いたところ、再び田村から「とりあえずアメリカ行って現状を見てきたら」
とアドバイスを受け、NBAA の年次総会に JBAA の皆様とアトランタに出発したのが、つい先
日ように感じられます。まだリーマンショク直前の華やかな会場や小型機専用空港を、英
語も出来ない中うろうろしながらも、業界の規模や運航の規模の差を思い知らされ、鈍感
の私でもそれなりに感じるものがありました。
帰国後、日本での問題点のいくつかは把握できたので、米国での経験を局内で講演し仲
間を募ったのですが、まだ内部でも理解者も少なく・・・そこで、近くにいたコンピュー
タネットワークの専門家として当時総務課にいた柴田君をつかまえて「一緒にやるぞ」と
抵抗を抑え込み強引に引きずり込みました。
まずは、課題の整理と言うことで、調査を受託して頂いた日本空港コンサルタンツの皆
様と、課題の抽出、それを裏付ける海外事情の調査、解決の方向の議論を重ね(まあ、こ
の過程も話すと長いのですが)
、初年度の「ビジネスジェットの利用促進調査」がまとまり
ました。発表時、私の思った以上の反響を頂いたのが意外でした。
(因みに、調査の概要は http://www.mlit.go.jp/report/press/cab01_hh_000001.html
に、まだ残っています)
。
まとめた課題は航空行政のほぼ全ての分野に渡っており、その点では、私の過去の業務
経験も(航空機検査官見習や空港行政、管制分野、成田空港公団、経済企画庁・・・とど
れも中途半端で大成してなく、知識も浅いのですが)、どれもそれなりに検討には役に立ち
ました(まあ、なにごとも経験だと実感しました)
。また、当時総務課で平行して行ってい
た業務の、北海道洞爺湖サミットをはじめとした外交機やVIP機の受け入れの際の課題
(発着枠、スポット確保、入出国導線・・・)や、政府専用機の検討などとも密接な関係
があることも痛感しました。
今調査報告書をあらためて読み直してみると、今後検討すべき施策を並べた「4 つの F」
20 施策も、その進捗の深度はまちまちではありますが、その大半はすでに実行または着手
されています。今だから言えますが、当時私が 20 施策を整理する際には、ほとんどの施策
はこのような短期間での実現は難しいと考えていました。おそらく実現に向けて、趣旨を
引き継いで頂いた「ビジネスジェット推進に関する委員会」を中心に、関係者の皆様のご
努力と現担当課の航空戦略課のフォローがあったのだと思います。言い逃げして、ほとん
ど実行しなかった私が言える立場にないのですが、ありがとうございました。
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最後に、失礼ついでになにもしなかった私から偉そうなお願いですが(申し訳ない)
、私
がざっとみた限り 4 つの F のうち未着手の施策は 3 つめの F フレームワークに多く残って
おり、
「フラクショナル・オーナーシップによる運航の制度化」
「無償運航に対するルールの明確化」
「自家用航空機を有償で貸し付ける事業及びパイロットを派遣する事業の制度化」
「自家用航空機の登録要件の見直し」
「ビジネスジェット専用空港の整備」
などが挙げられます。
最後の「専用空港」は、さすがに実現のハードルが高いので除きますと、無償運航や自家
用運航の制度の見直しは、これは言い換えると運送や運航安全の責任は誰にあるのか明確
にするということです。昨年、関越自動車道で高速バスの痛ましい事故がありました。直
接の原因は過労による寝不足のようですが、間接的な要因として、いくつかの旅行業者や
運送事業者が間に入り責任が不明確であることや、業態は路線バスに近いものであるのに、
路線バスとしての規制を受けない点などがあったと思います。
今までの JBAA は、とにかく飛ばしたい(空港の発着枠の確保)や、小型機に整合した規
制にしたいという方針で活動されていたと思いますし、まずはそれからであったと私も思
います。しかし、今後はそれに加え顧客から見た観点の充実(サービス内容・料金の見え
る化や、運航・安全責任の明確化、安全に対する自主的な取り組みなど)を協会でも考え
ていくことが、ビジネス航空が今後ますます発展していくために重要になっていると思い
ます。あわせて、これらを含めたビジネス航空の活動の取り組みや考え方を、業界代表と
して規制団体や航空業界以外の外部に対しても積極的に広報していくことも、利用者や理
解者の裾野の拡大につながると思っております。
私も多少仕事は離れましたが、出来ることがあればお手伝いいたします。今後の活躍も
期待しています。
※ なお、上記は私の個人的な考えであり、国土交通省の見解ではないことをご承知ください。
◇ ビジネス航空界のトピックス ・ 新着情報
NBAA2012
今年の NBAA2012(NBAA 65th Annual Meeting & Convention) は 10 月 30 日から 11 月 1
日まで米国フロリダ州オーランド(Orange County Convention Center & Orlando Executive
Airport)で開催されました。
入場者数 25150 人で、人気のラスベガスで開催された昨年の 26077 人は若干下回りまし
たが、今年も大盛況でした。
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ホンダエアークラフト社(新協会会員)
は勿論、日本からも、会員の愛知県や成田
国際空港(株)、そして初めて日本国とし
て国土交通省航空局がブースを出展され
ました。
今年も航空局(航空戦略課)や成田国際
空港(株)には記者会見も行っていただき、
その内容はメデイアでも取り上げられ日
本のビジネス航空に対する姿勢の変化を
知ってもらうよい機会になりました。
会場の Orange County Convention Center
協会も、皆様方のブース出展、プレスコン
ファレンスの実施,各種会議への参加、NBAA
幹部との会談の設定等で支援、協力をさせて
いただきました。
屋内展示の様子
2013 年の NBAA は、10 月 22 日-10 月 24 日
にラスベガスで開催される予定で、出来れば
2013 年はチーム Japan で出展することも計
画したいと考えています。
Orlando Executive 空港での屋外展示
詳細な参加報告は協会 HP の会員向ページに掲載してあります。
◇ 協会ニュース
ビジネス航空用包括運航基準策定作業
FAR Part135 並のビジネスジェット用包括基準策定作業の進捗につきましては逐次お知ら
せしてきた通りですが、11 月 13 日にその基準の具体案である、新設される「運航規程審査
要領細則第 4 章(案)」の提示があり、それに対するJBAAコメントを 12 月 7 日に航空
局に提出しました。
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IBAC 第 56 回理事会
at
オーランド
IBAC(International Business Aviation Council) の第 56 回理事会が上記 NBAA2012 に
合わせて 11 月 2 日オーランドで開催され当協会事務局長が理事会メンバーとして出席しま
した。
詳細は協会 HP の会員向ページに「IBAC GB56 出席報告」として掲載してありますのでご
参照下さい。
主要協会活動(11-12 月)
10 月 30 日-11 月 1 日 NBAA2012 参加
11 月 2 日 IBAC 第 56 回理事会出席
11 月 5 日
四役会開催
11 月 7 日
航空局主催の CARATS 第 12 回高規格 RNAV 検討 SG 及び第 11 回小型機 RNAV 検討
SG に参加
11 月 12 日 航空局長に最近のビジネス航空の状況を説明
11 月 12 日 航空局航空戦略課と防衛省管轄空港の BJ 機の使用等に関し会議
11 月 13 日 航空局安全部及び航空戦略課とビジネスジェット用包括基準策定案について
会議
11 月 21 日 日本ヘリコプター事業促進協議会定例会に出席
11 月 29 日 日本ヘリコプター推進協議会主催の講演会に参加
12 月 3 日
理事会開催
12 月 7 日 新設されるビジネスジェット用包括運航基準案(「運航規程審査要領細則第 4
章(案)」)に対する JBAA コメントを航空局に提出
◇ 会員紹介
エアバス・ジャパン株式会社
エアバス・ジャパン株式会社は 2001 年 5
月に、欧州の航空機メーカー、エアバスの
日本における現地法人として正式に設立さ
れました。日本でのマーケティング戦略の
立案および販売サポート活動、日本の航空
会社へのサポート・サービスを展開してい
ます。また、日本の航空機メーカーや研究・
学術機関とのパートナーシップ育成に取り
組み、将来の技術開発にも力を入れています。 写真 1 エアバス・ジャパン社のエントランス
7
エアバスの本社は南フランスのトゥールーズにあり、世界中に約 5 万 5,000 人の従業員
を擁しています。欧州の航空宇宙防衛企業 EADS が 100%出資する企業です。設立は 1970 年
12 月。フランスのアエロスパシアルとドイツの航空機メーカーグループ(のちのドイチェ・
エアロスペース)が手を結び、
「エアバス・インダストリー」という名の企業連合として誕
生しました。今では、100 席以上を装備する民間航空機市場で絶えず 50%前後の受注を獲得
し、世界を二分する航空機メーカーに成長しています。
エアバスと日本との深い関わりは、1979 年に日本エアシステム(JAS、当時は東亜国内航
空)が A300B2 を 6 機発注したときから始まりました。A300 は、エアバス誕生の目的となっ
た革新的な 2 通路型双発ジェット旅客機です。JAS はさらに後に A300B2/B4 の発注数を 10
機に増加。リース機を加えて合計 17 機が運航されるようになりました。続いて 1989 年に
エアバスは JAS からさらに改良型の A300-600 を 7 機受注します。これも後に 22 機に増加
し、日本航空(JAL)との統合後は JAL によって近年まで運航されていました。
JAS に続いてエアバス機を導入したのが全日本空輸(ANA)です。ANA は 1987 年に 10 機
の A320 を発注しました。A320 はエアバスが革新技術を詰め込み、今や世界中でベストセラ
ーとなっている単通路型機です。エアバスはこの A320 で初めて、エアバス機の最大の特徴
と言えるフライ・バイ・ワイヤ(電子制御飛行)技術と、サイドスティックによる操縦方
法を採用したのです。
ANA は 1991 年に、発注した A320 初号機の商業運航を開始しました。合計で 31 機の A320
を発注し、現在でも約 20 機が国内線および近隣の国際線で運航されています。ANA はまた、
1995 年に A320 の胴体延長型である A321 を 7 機発注し、1998 年から近年まで運航させまし
た。
2005 年にはスターフライヤーに A320 の初号機を
引き渡し、その翌年に商業運航が開始。スターフラ
イヤーは現在新北九州空港を拠点とし、合計 8 機の
A320 を運航させています。
また、2011 年に日本の航空会社として初めてス
カイマークが A380 を発注しました。合計発注数は
6 機。2014 年から国際線に就航する予定です。
写真 2 スカイマーク社の A380
2012 年は日本で新規に 3 社の低コスト航空会社(LCC)が運航を開始し、3 社ともエアバ
ス A320 を導入しています。そのうちの 1 社が、関西国際空港を拠点とする Peach Aviation
8
で、合計 6 機の A320 を運航させています。さらに 7 月から運航を開始したジェットスター・
ジャパンは A320 を 7 機、8 月に運航を開始したエアアジア・ジャパンは現在 3 機の A320 を
運航させています。
エアバスはビジネスジェットの売込みにも力を入れています。2012 年には日本で初めて
エアバス・コーポレート・ジェット(ACJ)の受注を獲得しました。ビジネスジェットは世
界中のあらゆる地域で幅広く運航されています。日本を含め、アジア太平洋地域は ACJ の
重要な市場であるため、比較的ビジネスジェットの運航数が少ない日本においてさらなる
需要が期待できるでしょう。
写真 3a ACJ フリート
写真 3b ACJ のキャビン
エアバスはまた、日本の産業パートナーとの研究開発を促進しています。たとえば、財
団法人次世代金属・複合材料研究開発協会(RIMCOF)と航空機の構造健全性診断技術(SHM)
に関する研究開発を共同で進めており、また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とは複合材
料の分野における共同研究を行っています。
さらに、数多くの日本の企業がエアバス機の製造に参画しています。合計 12 社の日本企
業が単通路型 A320 ファミリーのパーツ製造に参加。エアバスの 2 通路広胴型機である A330
ファミリーでも合計 12 社の日本企業が参加しています。また、超大型機 A380 には 18 社の
日本企業が参画しています。東レ、東邦テナックスは、エアバス機へ炭素繊維材料を供給
する長期的な同意書を締結しました。
エアバスの製品群
エアバスは 4 つのファミリーで構成される旅客機を提供しています。単通路型の A320 フ
ァミリー、長距離用広胴型の A330 ファミリー、次世代中型の A350 XWB ファミリー、大型
機の A380 ファミリーです。また、貨物専用機として長距離用中型の A330-200F、旅客機を
貨物機に改修する貨物転用機プログラムにも着手しています。さらに、ビジネス、プライ
ベートジェットの ACJ も幅広く取り揃えているだけでなく、軍用輸送機の設計、製造も手
がけています。
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A320 ファミリーは A318、A319、A320、A321 の 4 機種で構成され、107 座席から 185 座席
を装備します。これまでに 8,800 機以上の受注を獲得している単通路型のベストセラー機
で、世界中の大手航空会社から低コスト航空会社まで幅広い支持を得ています。年間約 2
億 5,000 万ユーロをかけて性能強化のための最新技術を導入しており、現在も燃費効率の
優れた最新の単通路型ファミリーとしての地位を確立しています。中でも一番新しい改良
が、新型エンジンを搭載する A320neo(new
engine option)ファミリーです。A319、A320、
A321 の 3 機種に新型エンジン(CFM インターナ
ショナル社製「LEAP-X」またはプラット・アン
ド・ホイットニー社製「PurePower PW1100G」
)
を搭載し、大型のウイングチップである「シャ
ークレット」も装備して、合わせて燃費を最大
15%節減することができます。
写真 4
A320neo
A330 ファミリーは 253 座席から 295 座席を装備する中・長距離用中型機です。様々な改
良を加え、現在もコスト効率の高い航空機として評価されています。たとえば、最大離陸
重量を上げ、燃料積載量を増やすことによって航続距離あるいはペイロードを増加させる
ことができます。派生型には高い汎用性を持つ最新の中型貨物専用機 A330-200F がありま
す。また、高い空中給油能力を備え、軍用戦略輸送を行うことができる多目的タンカー輸
送機 A330MRTT も開発しています。
現在開発中の最新鋭中型機、A350XWB ファミリーは、270 座席から 350 座席を装備する 3
機種で構成されます。就航前からすでに約 600 機を受注するほど高い期待を集める次世代
機です。最新設計に基づき、空力性能を向上させ、最先端技術を採用することによって、
既存の競合機と比べて 1 座席あたりの燃料効率を 25%向上させました。機体の 53%に複合材
を使用し、燃費性能を高めて整備もしやすくなっています。次世代エンジンを搭載し、持
続可能な発展を目指す航空輸送において、卓越した環境効率性を発揮する航空機です。
総 2 階建て超大型機 A380 は標準で 525 座席を装備します(写真 2)
。床面積が競合機と比
べて 50%も広くなるため、どのクラスの乗客にもより快適な居住空間を確保し、航空会社に
よっては個室式の座席やラウンジ、シャワールームや免税品ショーケースなどを備え、長距
離旅客輸送における全く新しい空の旅を提供します。最先端の技術を取り入れ、燃費や騒音
を大幅に削減しており、環境にも優しい航空機です。高い輸送能力と経済性を兼ね備えた
A380 は、空港の混雑を緩和し成長を促します。そのため成田や羽田などのハブ空港での運
用にも適しています。乗客の人気も高く、ロードファクターを向上させて航空会社の市場シ
ェア拡大につながります。
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エアバス・コーポレート・ジェット(ACJ)は小型の ACJ318 から総 2 階建て大型の ACJ380
まであり、快適性やサイズにおいてあらゆる顧客のニーズに対応します。標準で 19 席から
50 席までの座席を装備する ACJ318、ACJ319、ACJ320 は、あらゆるビジネスジェットよりも
広い胴体幅と天井高を持つ客室を備えています。機内空間は従来のビジネスジェットと比
較して約 2 倍の広さがあるにもかかわら
ず、胴体や主翼の長さはほぼ同じくらい
です。ACJ の機内にはシャワーやベッドル
ーム、プライベートオフィスなど備える
ことが可能で、仕事をしたり、ゆったり
とくつろいだり、独自のスタイルで空の
旅を楽しめます。全機種とも大陸間を横
断する長距離路線をカバーする航続距離
を持ちます。
写真 5
ACJ のキャビン
さらに多くの乗客を運ぶ必要がある場合、エアバスは VIP 用の広胴型ファミリーを提供
します。VIP 用広胴型ファミリーはエアバスの最新鋭広胴型旅客機をベースにしており、
ACJ330、ACJA340、ACJ350、ACJ380 で構成されます。より多くの乗客を運ぶだけでなく、世
界中のどこにでもノンストップで飛行できる航続距離を持ち、企業のエグゼクティブや資
産家、政府高官など目的地へ直接飛行できるため時間を大幅に節約します。
エアバス・コーポレート・ジェットはこれまでに 170 機以上の受注を獲得しました。そ
のうち 110 機以上が ACJ318、ACJ319、ACJ320 で、60 機以上が VIP 用および政府専用の広胴
型ジェットとして利用されています。特に最近では中国や中東を初めとするアジアの経済
発展国からの受注が好調です。
代表的なお客様として、BAA ジェット・マネージメント、チャイナ・ソナンゴル、コムラ
ックス、ホンコン・エアラインズ、アル・ジャバー・アビエーション、アル・カラフィ・
グループ/ツインジェット、ジェットアライアンス、MAZ アビエーション、ナショナル・エ
ア・サービス、オムニ・アビアカオ、ファームエアー、プライベートエア、カタール航空、
サード・エア、サウジ・レッド・クレッセント・オーソリティ、スカイトレーダーズ、ス
タンフ・グループ、トリプル・アルファ、UB グループ、ヴィスタジェットなどがあります。
また、政府専用機としての運用も多く、アゼルバイジャン、ブラジル、チェコ共和国、
フランス、ドイツ、イタリア、オマーン、タイ、アラブ首長国連邦、ベネズエラなどの各
国政府が ACJ を利用されています。
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エアバス・コーポレート・ジェットは世界中のどこにでもノンストップで飛行できる航
続距離を備えているため、企業のエグゼクティブや資産家、政府高官が安全に目的地へ直
接飛行することができます。
グローバル企業として
航空産業は世界の国と国、人と人とをより深く結びつけ、将来の発展に欠くことのでき
ないグローバル産業です。実に 80 ヶ国以上の国籍の人々が働いているエアバスも、真のグ
ローバル企業としてその文化的多様性と開拓精神を根底に、革新技術を生み出してきまし
た。日本を含むサプライヤのネットワークは世界 30 カ国、1,500 社にのぼります。エアバ
スは世界中で互いの利益につながるパートナーシップの構築を促進しています。
そんなグローバル企業の一員として、エアバス・ジャパンは、今後も環境にやさしく、
より快適な新しい空の旅を実現するため、そして日本と欧州、世界をつなぐ架け橋となり、
お客様や産業パートナーの発展に少しでもお役に立てるよう努めていきます。
本協会メール・マガジンの廃刊と共に途絶えていた、会員企業・団体を自己紹介
いただく「会員紹介」コラムを本号から復帰させました。「投稿」コラムに加えて任意に
掲載いたします。会員各位には「投稿」と共に、ご自身の会社・団体を自由な形式
でご紹介・広報頂きますよう、原稿をお待ちしています。写真、図、キャッチ・コピーな
どを含め、A4 版 3~4 ページ、Word ファイルにまとめてお送りください。
原稿送付先:
[email protected]
当分は最近 5 年以内に入会された会員の原稿を歓迎いたします。
編集子
◇ 入会案内
当協会の主旨、活動にご賛同いただける皆様のご入会をお待ちしています。会員は、正
会員(団体及び個人)と本協会の活動を賛助する賛助会員(団体及び個人)から構成され
ています。
詳細は事務局迄お問い合わせ下さい。入会案内をお送り致します。
入会金 正会員
団体 50,000 円
個人 20,000 円
賛助会員
団体 30,000 円
個人
年会費 正会員
1,000 円
団体 120,000 円以上
個人 20,000 円以上
12
賛助会員
団体 50,000 円以上
個人 10,000 円以上
◇ ご意見、問い合わせ先
事務局までご連絡下さい。
日本ビジネス航空協会 事務局
〒100-8088
東京都千代田区大手町 1 丁目 4 番 2 号
Tel:03-3282-2870
丸紅ビル3F
Fax:03-5220-7710
web: http://www.jbaa.org
e mail: [email protected]
・・Fly・・・
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