電子資料,ネットワーク情報資源の特質

図書館情報資源概論
目次
6.
電子資料,ネットワーク情報資源の類型と特質
7.
地域資料,行政資料(政府刊行物),灰色文献
8.
人文・社会科学分野の情報資源とその特性
9.
科学技術分野,生活分野の情報資源とその特性
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
種類:パッケージ資料とネットワーク資料に区分 説明は次頁
•パッケージ資料
•NDL所蔵:平成15年度 調査報告 2.1. パッケージ系電子出版物
所蔵点数の調査 表”カレントアウェアネス2245”
•技術動向”服部,鈴木,菅谷(2011)”
•磁気ディスク系
•FD: フロッピーディスク
•外付けハードディスク
•光ディスク系
•CD-ROM
•DVD-ROM
•Blue-Ray DISC (BD)
•光磁気ディスク系
•MOディスク:以下電子資料例がない
•ZIPディスク
•半導体不揮発
•フラッシュメモリー
・電子ブック
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
•FD: フロッピーディスク(フレキシブルディスク)
•歴史
•1972年IBM発売 “コンピュータの歴史/IBM”
•1996年経産省統計
•2010年生産終了”日刊工業新聞”
•形状等“ウィキコモンズ”
•保護ケース(プラスチックや紙)内に磁性体塗布の円盤。8,
5,3.5.25インチあり
•記録
•両面倍密度(2DD),高密度(2HD)など。
•1枚通常1.4MB,最大12.5MB, 複数回読み書き可
•FDディスクドライブ(読み取り装置) “ウィキコモンズ”
•1971年~ 8インチ:略称8”FD
•1976年提案1978年頃~ 5.25インチ
•1982年頃~ 3.5インチ
•2010年生産終了"日刊興行新聞2009年7月27日"
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
•光ディスク
•【ポリカーボネート】円盤(ディスク)に【レーザー光】で穴を開けてデジタル
データを記録し、【ドライバ】で再生、または、入出力する。
プレス型
追記型
書き換え型
備考
CD系
CD-ROM
CD-R
CD-RW
関連メディア
DVD系
DVD-ROM
DVD-R
CVD-RW
Blue-Ray Disc
系
BD-ROM
BD-R, BD-R DL, BD-RE, BD-RE
BD-R XL, BD-R DL, BD-RE XL
LTH TYPE
HD-DVD
“SonySupport33”
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
•CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)
•読み取り専用の【コンピュータ】用【光ディスク】【記憶装置】
•規格: 【ISO 9660】
•形状・材質: 円盤状、厚さ1.2mm, 標準的な大きさは12cmや
8cm, 【ポリカーボネート】製【プラスチック】内の金属薄膜に
【レーザー光】で凹凸(ビット)をつくり、【データ】として記憶
•【CD-ROM装置】がレーザー光でデータを読み取り、【CPU】
で処理され【モニタ】上に表示
•記憶容量: 標準は700MB
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
•CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)
歴史
•1984年〔IBM〕が【PC/AT】を発売”コンピュータの歴史/IBM”
•1985年〔フィリップス〕がPC/XT, PC/AT用CD-ROMドライブ
「CM100」を発売
•1985年10月,〔三修社〕日本初のCD-ROMソフトウェア“最新
科学技術用語辞典”を発売“三修社site”
•1989年【FM-TOWNS】【PC-8801M】に標準搭載
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
•CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)
保存
• 2週間から30年以上、保存状態で異なる
• 〔日本文書情報マネジメント協会〕JIIMAは“長期保存用光
ディスクを用いたアーカイブガイドライン”を出した。
• 長期保存方法の日本国内規格には【JIS Z 6017:2013】【マ
イグレーション方法】(データの移管変更)の国内規格には【JIS X
6255:2011】がある“長期保存用光ディスクを用いたアーカイブガイドライン。
• 〔アーカイヴディスクテストセンター(ADTC)〕がDVDは
【ISO/IEC10995】,【CD】は【ISO/IEC16963】に則った試験
で30年以上の推定寿命が認定されたものに【ADTCマーク】
を発行”ADTCマーク”
• 【OS】【ソフトウェア】バージョンにより利用不可、プログラムや
データ移行する必要有り
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
• 【CD-R】(Compact Disc-Recordable)
1988年〔太陽誘電〕が製品化(歴史)“製品情報” “開発情報”
追記型
• 【CD-RW】(Compact Disc-ReWritable)
• 1996年, リコー、三菱化学メディア、ソニー、フィリップス、ヒュー
レット・パッカード共同開発→
• 1997年発売(製品情報Sonyの例)
• (読み取り不具合“ITMedia2002/02/07”) 反射率が低いため
• スーパーマルチドライブ普及で上記を解消”ITmediaの製品情
報”
• 2014年現在、DVD-RWに席を譲りつつある
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
関連メディア
• 【CD-DA】 (説明:Wikipedia)
•
Compact Disc Digital Audio:いわゆる音楽CD
•
歴史:”Sony Historyより”
• 12cmディスク:サンプリング周波数44.1kHz| 量子化16ビット| PCM録音| 74分録
音可 | 2014年現在も普及 (販売店激減中)
• 【Super Audio CD】(SACD)
•
説明と画像:ウィキペディア
ΔΣ変調を応用したダイレクトストリームデジタル(Direct Stream Digital, DSD)方
式。CDを超える高音質だが、2014年現在8000曲程度”音楽出版社の説明”
• 【CD+G】
CD + Graphics カラオケの字幕などを追加(説明:ウィキペディア 展示“CD+G
Museum”)
• 【CD-i】(Compact Disc Interactive) (説明:ウィキペディア)
コンピュータ内蔵の再生機器が必要:ゲーム用規格だが、SONYの【プレイス
テーション】や、セガの【セガサターン】に押され流通が少ない
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
関連メディア
• 【CDビデオ】(CDV)
(画像:ウィキペディア)
• CD(デジタル)とレーザーディスク(アナログ記録)の組合わせ
• 1987年Pioneer CLD-1010で再生 → すたれた技術
• 【ビデオCD】
•
(画像:ウィキペディア)
1993年。CD-ROMに動画を記録。コピーガード,リージョンコードなし。
• 【Photo CD】
• 1992年イーストマン・コダック社,フィリップス社が共同開発
• 写真をディジタル化してCDにする技術とそのCD”コダックサイト”
• 【SHM-CD】 (Super High Material CD),SACD
• 2007年ユニバーサルミュージックLLC,日本ビクター共同開
発(“AV Watch20130730”)
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
DVD (Digital Video Disc または、Digital Versatile Disc デジタル多
用途ディスク)
•簡略史
•1993年, デジタルビデオCD(VCD), マルチメディアコンパクトディ
スク (MMCD) / ウィキペディア, Super Density Disc(SD)の3方
式発売
•1995年, DVDが発売。→
規格はSDに収束
•“DVDの歴史 / 記録メディア.com” “Digital Versatile Disc ”
•再生環境:スーパーマルチドライブでCD-ROM,CD-R,CD-RW,
DVD-R, DVD-RW, DVD+R, DVD+RW, DVD-RAMが利用可能
•例:Panasonic LF P967C, 2006年7月
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
DVD 特徴
•133分以上のビデオが【DVDプレイヤー】 や【コンピュータ】で再生でき、コン
ピュータで記録できる【光ディスク】
•形状・材質: 円盤状、厚さ1.2mm, 標準的な大きさは12cm 【ポリカーボネー
ト】製【プラスチック】を二枚接着。金属薄膜に【レーザー光】で凹凸(ビット)を
つくり、【データ】として記憶 “画像”
•【DVDプレイヤー】 やPC用【DVDドライブ】がレーザー光でデータを読み取
り、【CPU】で処理され【モニタ】上に表示
•記憶容量: 片面1層4.7GB, 2層8.5GB
(参考”DVD技術解説/Panasonic”))
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
DVD 規格: 【ISO 9660 】(CD-ROMと同様)
•1995年,MMCD, SDグループ, TWGを介して統一規格→DVD
コンソーシアム→1997年DVDフォーラム→1999-2001年(ISO
16448,16824,16825,20563I (“標準化活動の事例/三菱総合研
究所”)
•デジタル著作権管理:DRM(Digital Rights Management)
•特定のソフトウェア・ハードウェアでしか再生できないよう著作
権処理した技術
•WindowsMediaDRM, iTunes Music Store・Quicktime用FairPlay,
PDF用Adobe LifeCycle
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
•DVD-ROM (Digital Video Disc Read Only Memory)
•再生専用ビデオ, 4.7-8.5GB
•DVD-R(Digital Video Disc Recordable)
•追記型(1回), DVD【オーサリング】用, PC記録, 4.7GB
•DVD-RW(Digital Video Disc Rewritable)
•書き換え型, AV, PC記録, 4.7-9.4GB
•DVD-RAM(DVD–Random Access Memory )
•1996年規格,1998年パナソニック,日立製作所で製品化
•書き換え型, AV, PC記録, 4.7-9.4GB
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
•Blu-ray Disc (ブルーレイ・ディスク, BD)
•直径12cm, 厚さ1.2mm. CD,DVDと同一
•2002年2月,日立製作所、LG電子、パナソニック、パイオニア、フィリップス、サム
スン電子、シャープ、ソニー、トムソンがBlu-ray Disc(BD)の規格
•2002年11月, DVDフォーラムは東芝,NECの規格AODを「HD DVD」と認証
•2004年5月, Blu-ray Disc Association
•2006年東芝, HD DVDプレイヤー発売, 松下電器産業BDドライブ発売
•2008年2月,東芝HD DVD撤退。 規格はBlu-ray Discで統一
•PCソフト: 2006年から
•カメラ:
2007年8月,日立製作所, フルハイビジョンBDビデオカメラ「BDカムWooo」
•リージョンコード
電子メディア(電子資料/デジタルコレクション)
•Blu-ray Disc (ブルーレイ・ディスク, BD)
•BD-ROM(プレス型)
•25GB, ファイルフォーマット:UDF, アプリケーションフォーマット: BDMV
•著作権保護:AACS
• BD-R (Blu-ray Disc Recordable)(追記型)と
•BD-RE (Blu-ray Disc Rewritable)(書き換え型)
•25GB,ファイルフォーマット:UDF, アプリケーションフォーマット: BDAV
•著作権保護: AACS
•BD-RE Ver. 1.0 (Blu-ray Disc Rewritable)(書き換え型)
•25GB,ファイルフォーマット:UDF, アプリケーションフォーマット: BDAV
•著作権保護: BDCPS
高齢者・障害者用資料
•触る絵本, 触地図
•国立特殊教育総合研究所(NISE)>触る絵本トップ
•漢字詳細読み/ NISE
•視覚障害教育用真空成型半立体教材作成マニュアル
•大活字本・拡大写本
•拡大教科書作成マニュアル / NISEプロジェクト研究報告書
•大活字文化普及協会
高齢者・障害者用資料
•点字資料
•歴史:点字の歴史 / NISE
•6点点字(とほほの点字入門),
•漢点字: 8点字式(日本漢点字協会)
•日本点字図書館
•点訳ソフト / 杉田正幸
•DAISY(Digital Accessible Information sYstem )
•ディジタル録音図書の国際標準規格とアクセシブルな情報シ
ステム(説明:DAISY サイト)
高齢者・障害者用資料
DAISY
•見本:マルチメディアデイジー図書再生(YouTube)
•歴史:「DAISYのはじまり/ DAISY研究センター」
•1986年IFLA東京大会 デジタル録音図書の国際標準化議論
•1998年専用プレーヤー発売, Sigtuna DAR無償提供
•2007年,国際電子出版フォーラム (International Digital Publishing
Forum, IDPF)がEPUBを公式の規格にした。
•2011年, EPUB3はDAISYを包含した規格
• 作成・再生ソフト
•作成用sigtuna DAR 3 JP , DAISY Translator , MyStudio PC,ドキュメントトーカ 日本語音声合
成エンジン
•再生用: Webブラウザ, AMIS 3.1.3
ネットワーク情報資源
種類
•オンライン出版物
•商用データベース
•電子ジャーナル
•電子書籍
•デジタルアーカイブ
•SNS
•ウェブ情報等
•図書館情報資源として扱う
•図書館法第三条では「電磁的記録」だが
オンライン出版物
商用データベース
• 二次情報データベース
索引・抄録誌 例:
• 医学:1971年MEDLARS (1996年からPubMedも)
• 化学:1980年CAS Online(1907年冊子体CAから)
SciFinder へ
• 総合データベースプロジェクト(文部科学省)
図書書誌情報
•
TOOLi / TRC
オンライン出版物
事典類
・日本大百科全書
Encyclopedia Britannica
・新版 歌舞伎事典
・日本人名大辞典
ジャパン・ナレッジ
の主な二次情報
・字通
・CAMBRIDGE 英英辞典
・日本国語大辞典
・デジタル化学辞典(第2版)
・現代用語の基礎知識
・ポケットプログレッシブ仏和和仏辞 ・法律用語辞典
典
・国史大辞典
・ポケットプログレッシブ中日日中辞
・日本歴史地名大系 など
典
・古事類苑
オンライン出版物
商用データベース
• 電子ジャーナル
• 一次情報データベー
学術雑誌のWeb版
ス(例)
• 主な出版社のDJサイト
• 化学情報システム
• SciVerse
CIS (Chemical
ScienceDirect
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• SpringerLink
System)
• Wiley Onlilne
• 環境中の化学物質
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情報
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• 化合式等 NIMS物
質・材料DB
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• 特許 LexisNexis
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レコン
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電子ジャーナル:商用
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経済関連
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数学物理化学
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医学生物学
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技術
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電子ジャーナル: オープンアクセス, 無償公開
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Journal
(2003))
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学術雑誌の価格上昇
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BigDeal契約の概念
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Nursing
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子コレクションの拡充
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• 学術雑誌・電子ジャーナル購
読の現状と課題(熊渕智行
電子ジャーナルバックファイル・電
電子リソースの長期保存とアクセ
ス保証
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オープンアクセスモデルによる学
術情報流通
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学術情報流通の改革に向けて
電子新聞(オンライン新聞)
歴史
• 情報:濃縮還元ユース
• オンライン新聞:1974年
〔イリノイ大学〕〔ブルース· 課題
パレロ〕のPLATOシステム
• 価格問題 前川徹(2011) (日経
• 1987年ブラジルの
テレコン価格表2014)
【Jornaldodia】がEmbratel
• 所有権問題
networkで→1990年代にイ
• フォーマット問題
ンターネット提供
• 1996年ウォールストリート
ジャーナル、インターネッ
ト(2003年有料)
• 1997年Yahoo!検索結果
ニュース画面(“検索デスク”)
• 日本:1995年Asahi.com
ネットワーク資料の諸問題(まとめ)
•価格高騰"国大図協国際学術コミュニケーション特別委員会
2003“, "日本学術会議提言2010“”オンライン資料の
•補償に関する小委員会/NDL”
•オープンアクセス運動
•【SPARC Japan】 (The Scholarly Publishing and Academic
Resources Coalition)
•PubMed
•学術機関リポジトリー(NII(IRP))
ネットワーク資料の諸問題(まとめ)
•デジタル資料の保存→保存で解説
•著作権保護(DRM)と解除
•オンライン資料の補償に関する小委員会2013 / NDL
•オンライン資料の補償に関する小委員会2014 /
NDL
•アクセシビリティ
•PDF文書のアクセシビリティ
•視覚障害者の電子書籍アクセスの現状と課題/杉田正
幸
•HTML5 によるアクセシビリティの設計/MS