GEAR BOX 組み立て注意事項

GEAR BOX
組み立て注意事項
作 成:2006.08.08
改訂 1:2009.03.31(赤字部)
株式会社
戸田レーシング
【目
次】
1.セレクタロッドセッティング・・・・・・・・・・・・P2
2.ピニオン出代治具の使い方・・・・・・・・・・・・・P3
3.デファレンシャルギアのベアリングプリロード・・・・P4
4.クラウンとピニオンギアのバックラッシュ・・・・・・P5
5.オイル量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6
6.各部ボルトの締め付けトルク量・・・・・・・・・・・P7~8
-1-
1.セレクタロッドセッティング
<方
法>
① 図1のように「セレクタロッド」、
「56:バネ」
、「57:鋼球」等の各部品を組み立てます。
バネの内側と鋼球の当たるところを軽く面取りして鋼球がバネのセンターに落ち着くよう
にします。そして、全長が 29±0.2mm になることを確認してください。
②「セレクタロッド」をニュートラルの位置にします。
③「55:六角穴付止めネジ(M12×12)」をバネが密着するまで軽く締め込み、その後
2 回転+45°ほど戻してください。
④残りの 2 本も同様に行ってください。
<注意事項>
※セレクタロッドの位置は必ずニュートラルの位置で作業を行ってください。
55:六角穴付止めネジ(M12×12)
ニュートラルの状態にし、バネが密着した状態
(線間密着)から「2 回転+45°」戻す。
(本図がニュートラル状態を示しています)
73:ベアリング
キャリア
セレクタロッド
57:鋼球
56:バネ
バネの内側と鋼球の当たるところを軽く面取りして、
鋼球がバネのセンターに落ち着くようにします。(6 ヶ所全て)
<図1>
-2-
2.ピニオン出代治具使い方
<方
法>
①図2のように「20:ピニオンリングギア」等の各部品を組み立てます。
②「ピニオン出代治具」をセットし、M8 ボルトで固定します。
③シックネスゲージを用いてY部が 0.50~0.57mm になるように、X 部の「22:シム」にて
調整を行ってください。
<注意事項>
※「ピニオン出代治具」を取り付ける時、ケースと治具との間にクリアランスが
ありますので「20:ピニオンギア」から遠ざける位置に(図面左側に押付ける感じで)
取り付けてください。
※ベアリング部に「デフオイル」を塗布してください。
ピニオン出代治具
22:シム
デフオイルを塗布して
ください。
ジグを左側につける
20:ピニオンリングギア
シックネスゲージ
<図2>
-3-
3.デファレンシャルギアのベアリングプリロード
<方
法>
①図3のように各部品を組み立てます。
②「92:テーパーローラベアリング」にプリロード(初期荷重)をかけるため、
「1:メイン
ケース」と「85:サイドプレート L」とのスキマ(図中:スキマ A 部)が 0.14~0.20mm に
なるように「91:シム」を用いて調整を行ってください。
③その後、「サイドプレート用ナット」を締め付けてください。
<注意事項>
※各部品を馴染ませるために、デフを回しながら組み立てを行ってください。
※1 度組み立てた後、分解してスキマ A を再度確認してください。(この確認作業は 2~3 回必ず
行ってください)
※「92:テーパーローラベアリング」部に「デフオイル」を塗布してください。
1:メインケース
92:テーパーローラベアリング
91:シム
※デフオイルを塗布してください
85:サイドプレート L
サイドプレート用
ナット
95:スペーサR
89:スペーサL
<図3>
-4-
4.クラウンギアとピニオンギアのバックラッシュ
<方
法>
①図4のようにクラウンギア(デフ)と「20:ピニオンリングギア」を組み立てます。
②「ダイヤルゲージ」を「70:クラウンナット」の溝部に当ててバックラッシュを測定します。
③測定値が「0.13~0.20mm」になるようにしてください。
<注意事項>
※ 「20:ピニオンリングギア」を 1 周させてバックラッシュにバラつきがある場合には
再度調整して、どの位置においても測定値が「0.13~0.20mm」になるようにしてください。
※ 測定値が「0.13~0.20mm」にならない場合は<図 3>の「91:シム」でデフの位置を
調整して再度行ってください
※ クラウンギア(デフ)と「20:ピニオンリングギア」のギア部にオイルをつけないで下さい。
油膜で正確なバックラッシュの値が測れない場合があります。
20:ピニオン
リングギア
ダイヤルゲージ
70:クラウンナット
バックラッシュ範囲:
0.13~0.20mm
<図4>
-5-
5. オイル量
<方
法>
①入れるときは「16:栓ボルト」からギアオイルを入れます。オイル量は無い状態から
2.0 リットル入れてください。(カストロール SFX-J 75W-140W を推奨します)
②抜くときは「85:サイドプレート L」、「73:ベアリングキャリア」を外して抜いてください。
※ケースの右側に「ドレンボルト」の付いているタイプは「ドレンボルト」と「73:ベアリング
キャリア」を外して抜いてください。
<注意事項>
※「73:ベアリングキャリア」のみ外した場合はギアオイルが 1~1.3 リットルほど
抜けますので、再組立ての際には抜けた分だけオイルを足してください。
(本体ギア BOX が水平の場合)
16:栓ボルト(M20)
85:サイドプレート L
73:ベアリングキャリア
75:エンドカバー
【ドレンボルトが付いていないタイプ】
73:ベアリングキャリア
ドレンボルト&ワッシャ
【ドレンボルトが付いているタイプ】
<図5>
-6-