平成25年度東北地域の自動車関連企業 における立地動向調査 平成26

平成25年度東北地域の自動車関連企業
における立地動向調査
【業況調査編】
平成26年2月
調査実施機関:みずほ総合研究所株式会社
社会・公共アドバイザリー部
我が国の自動車産業の動向
(各資料作成:みずほ銀行産業調査部協力)
地域別動向
我が国の自動車産業
 自動車産業は、我が国製造業の出荷額の2割、就業人口の1割を占める
 自動車産業は日本経済を支える重要な位置づけ
 自動車及び部品の生産波及効果は高く、自動車生産の拡大は雇用拡大への影響も大きい
 自動車関連は、多くの産業から原材料を購入し、かつ購入する原材料が生産波及効果の大きい鉄鋼であるため、
生産波及力は大きくなる
国内製造出荷額
就業人口(自動車産業)、最大の生産波及効果
就業人口の約1割が自動車関連産業
就業人口
6,244万人
自動車産業
548万人
製造部門
79万人
利用部門
281万人
関連部門
41万人
資材部門
39万人
販売部門
109万人
最大の生産波及効果(出所:簡易延長産業連関表)
乗用車
自動車部品・
同付属品
鉄鋼
民生用電子・
電子機器
全産業
平均
2.811
2.847
2.622
2.079
1.932
(出所:平成22年工業統計より作成)
地域別動向
地域別生産動向(2012年推計)
滋賀
近畿 約32万台
ダイハツ(滋賀)
群馬
○
富士重(本工場)
富士重(矢島)
東北 約53万台
57万台
-
京都
ダイハツ(京都)
中国 約115万台
○
三菱ふそう(富山)
大阪
ダイハツ(池田)
広島
岡山
マツダ(本社) 85万台
三菱(水島)
岩手
富山
○
トヨタ東日本(岩手)
○
宮城
岐阜
三菱(岐阜)
53万台
トヨタ東日本(大衡)
○
○
栃木
日産(栃木)
山口
マツダ(防府)
-
埼玉
茨城
日野(古河)
福岡
トヨタ(宮田) 30万台
日産(九州) 56万台
日産車体(九州)11万台
-
東京
日野(本社)
日野(羽村)
15万台
-
三重
九州 約142万台
トヨタ車体(いなべ) -
ホンダ(鈴鹿)
○
ホンダ(八千代工業) ○
大分
ダイハツ(中津) 45万台
注:各社公表値、生産能力を基に推計
しているため、生産実績と合計は合わない
一部2013年3月期推定
○
中部 約336台
愛知
トヨタ(元町)
7万台
トヨタ(高岡)
18万台
トヨタ(堤)
51万台
トヨタ(田原)
39万台
トヨタ自動織機(長草) ○
三菱(岡崎)
○
トヨタ車体(富士松) 74万台
トヨタ車体(吉原)
-
UDトラックス(上尾)
ホンダ(埼玉)
22万台
○
神奈川
日産(追浜)
○
日産車体(湘南)
○
三菱ふそう(川崎)
○
いすず(藤沢)
24万台
静岡
トヨタ東日本(東富士) 20万台
スズキ(磐田)
106万台
スズキ((湖西)
-
スズキ(相良)
-
(出所)各種資料より作成
関東 約290万台
地域別動向
地域別の生産動向(国内メーカー12社)
メーカー
工場名
富
士
重
工
業
愛知県豊田市
クラウン、マークX、エスティマ
愛知県豊田市
カローラ、iQ、オーリス
179
愛知県豊田市
プリウス、カムリ、プレミオ、アリオン、サイオンtC
510
愛知県田原市
LS、GS、IS、GX、RAV4、ウィッシュ、ランドクルーザー、ヴァンガード
396
岩手県、宮城県
カローラ、アクア、アイシス、ラクティス、イスト、センチュリー、コンフォート
530
福岡県若宮市
IS、ES、HS、CT、RX、ハリアー、ハイランダー
309
本社(池田)工場
愛知県富士松/吉原 プリウス、エスティマ、ハイエース、ノア、ヴォクシー、アルファード、ヴェルファイア、
三重県(いなべ)
ランドクルーザー、コースター
大阪府池田市
ブーン、パッソ(受託車)、クー、bB(受託車)、ビーゴ、ラッシュ(OEM車)
滋賀(竜王)工場 滋賀県蒲生郡竜王町 ムーヴ、ステラ(OEM車)、タント
744
324
京都工場
京都府乙訓郡大山崎町
プロボックス(受託車)、サクシード(受託車)、シエンタ(受託車)
大分工場
大分県中津市
ハイゼットトラック、ピクシストラック、サンバートラック、ハイゼットカーゴ、ピクシスバ
ン、サンバーバン、アトレーワゴン、ディアスワゴン、ミラ、プレオ、ミライース、ピクシ
スエポック、ミラココア、タントエグゼ、ルクラ、ムーヴコンテ、ピクシススペース
450
153
本社・日野工場
東京都日野市
大型・中型トラック
羽村工場
東京都羽村市
小型トラック
古河工場(’12年5月~)
茨城県古河市
トラック
本工場
群馬県太田市
SUBARU BRZ/86(トヨタ車)
矢島工場
群馬県太田市
レガシィ、エクシーガ、インプレッサ、フォレスター
追浜工場
神奈川県横須賀市 キューブ、ティーダ、ティーダラティオ、ノート、ブルーバードシルフィ、ジューク
フーガ、スカイライン、スカイラインクロスオーバー、フェアレディZ、GT-R、インフィ
栃木県上三川町
日 栃木工場
ニティFX、EX、M、G、370Z
産
自 日産自動車九州㈱ 福岡県京都郡苅田町 セレナ、ティアナ、X-TRAIL、ラフェスタ、ムラーノ、アルメーラ、ローグ、デュリアス
動
福岡県京都郡苅田町 NV350、キャラバン、エルグランド、Infiniti
車 日産車体九州
ラ
U
ッ
D
ク
ト
ス
生産台数(千台)
(2012年)
73
高岡工場
トヨタ車体
日
野
自
動
車
主要生産品目
元町工場
ト 堤工場
ヨ
タ 田原工場
自
動 トヨタ自動車東日本
車
トヨタ自動車九州
ダ
イ
ハ
ツ
工
場
所在地
日産車体湘南工場 神奈川県平塚市
エルグランド、ピックアップ、ウイングロード、パトロール、キャラバン、AD(2WD)、A
Dエキスパート、シビリアン、セドリックセダン、クルー、NV200パネット、QX56、クエ
上尾工場
大・中・小型トラック
埼玉県上尾市
メーカー
ホ
ン
ダ
マ
ツ
ダ
三
菱
自
動
車
三
菱
ふ
そ
う
ス
ズ
キ
570
478
い
す
ゞ
工場名
所在地
主要生産品目
埼玉製作所
埼玉県狭山市
CR-V、アコード、フィット、レジェンド、インスパイア、フリード、オデッセイ、ステップワ
ゴン、ストリーム
鈴鹿製作所
三重県鈴鹿市
フィットハイブリッド、フィットシャトル、フィットシャトルハイブリッド、フィット、インサイ
ト、CR-Z
八千代工業四日市製作所
三重県四日市市
軽自動車(アクティシリーズ、ライフ、バモス、ホビオ、ゼスト)
本社工場
広島県広島市
防府工場
山口県防府市
尾道工場(委託)
広島県尾道市
デミオ、ベリーサ、ロードスター、MPV、CX-9、ビアンテ、ボンゴバン、デミオ(3ドア
ハッチバック)、プレマシー、CX-7、CX-5
アクセラセダン、アクセラスポーツ、アテンザセダン、アテンザスポーツ、アテンザス
ポーツワゴン、アクセラセダン
ボンゴトラック
岡崎工場
愛知県岡崎市
コルト、コルトプラス、RVR
水島製作所
岡山県倉敷市
ランサー、ランサーエボリューションX、ギャランフォルティス、ギャランフォルティスス
ポーツバック、ekワゴン、TOPPO(トッポ)、アウトランダー、パジェロミニ、ミニキャ
ブ、ミニキャブ・ミーブ、i(アイ)、i-MiEV(アイ・ミーブ)
パジェロ製造
岐阜県板祝町
パジェロ、デリカD:5
川崎製作所
神奈川県川崎市
大・中・小型トラック
生産台数(千台)
(2012年)
1,029
846
515
87
三菱ふそうバス製造 富山県富山市
大・中・小型バス
湖西工場
静岡県湖西市
ワゴンR、MRワゴン、パレット、アルト、アルトラパン、ソリオ等
磐田工場
静岡県磐田市
キャリイ、エブリイ、ジムニー、エスクード、ジムニーシエラ等
相良工場
静岡県牧之原市
スイフト、SX4、キザシ
藤沢工場
神奈川県藤沢市
ギガシリーズ、フォワードシリーズ、エルフシリーズ、
※国内生産合計(2012年)9,886台
560
※各社公表値を基に推計していること、及び委託生産分を含まないため、生産実績と合計は合わない
110
※一部2013年3月期推定
22
(出所:各種資料より作成)
1,062
241
地域別動向
地域別の自動車産業の規模
•
地域別に自動車産業の規模を見ると、関東・中部が突出。東北は従業員数約3万人(3.7%)が従事
事務所数
(ヶ所)
全
国
北
海
道
東
北
関
東
中
部
近
畿
中
国
四
国
九
州
自動車・同附属品製造業
自動車製造業
自動車車体・付随車製造業
自動車部分品・付属品製造業
自動車・同附属品製造業
自動車製造業
自動車車体・付随車製造業
自動車部分品・付属品製造業
自動車・同附属品製造業
自動車製造業
自動車車体・付随車製造業
自動車部分品・付属品製造業
自動車・同附属品製造業
自動車製造業
自動車車体・付随車製造業
自動車部分品・付属品製造業
自動車・同附属品製造業
自動車製造業
自動車車体・付随車製造業
自動車部分品・付属品製造業
自動車・同附属品製造業
自動車製造業
自動車車体・付随車製造業
自動車部分品・付属品製造業
自動車・同附属品製造業
自動車製造業
自動車車体・付随車製造業
自動車部分品・付属品製造業
自動車・同附属品製造業
自動車製造業
自動車車体・付随車製造業
自動車部分品・付属品製造業
自動車・同附属品製造業
自動車製造業
自動車車体・付随車製造業
自動車部分品・付属品製造業
8, 052
71
170
7, 811
37
1
9
27
340
1
9
330
3, 837
34
90
3,713
2, 411
19
18
2,374
652
6
14
632
518
5
14
499
25
2
2
21
232
3
14
215
従業員数
(人)
786, 712
161, 127
13, 402
612, 183
6, 113
91
502
5,520
29, 034
1,711
470
26,853
283, 860
60,496
6,493
216,871
315, 022
57,731
2,955
254,336
50, 238
12,508
851
36,879
63, 238
15,530
1,102
46,606
897
140
122
635
38, 310
12,920
907
24,483
全国
シェア
100%
100%
100%
100%
0. 8%
0.1%
3.7%
0.9%
3. 7%
1.1%
3.5%
4.4%
36. 1%
37.5%
48.4%
35.4%
40. 0%
35.8%
22.0%
41.5%
31. 2%
7.8%
6.3%
6.0%
39. 2%
9.6%
8.2%
7.6%
0. 6%
0.1%
0.9%
0.1%
23. 8%
8.0%
6.8%
4.0%
製造品
出荷額等
(億円)
469, 998
182, 418
3, 593
283, 987
2, 531
×
119
2,412
7, 384
×
×
7,384
153, 533
72,271
1,963
79,299
218, 355
61,962
641
155,752
21, 666
5,610
228
15,828
36, 095
20,756
454
14,885
0
×
×
×
30, 434
21,819
188
8,427
原材料
使用額等
(億円)
343, 115
141, 702
2, 303
199, 110
1, 566
×
82
1,484
4, 472
×
×
4,472
107, 523
54,619
1,211
51,693
167, 641
53,136
414
114,091
15, 311
4,506
148
10,657
26, 014
15,150
344
10,520
0
×
×
×
20, 588
14,291
104
6,193
付加価値額
(億円)
113, 264
38, 928
1, 146
73, 190
764
×
36
728
2, 473
×
×
2,473
40, 722
16,488
679
23,555
44, 779
8,078
201
36,500
5, 391
905
66
4,420
9, 984
6,085
86
3,813
0
×
×
×
9, 151
7,372
78
1,701
(出所:平成22年工業統計より作成)
地域別動向
自動車部品の構成割合
(次世代化に伴う自動車部品の変化)
•
•
電気自動車(EV)では、従来車に比べ部品点数が1/3程度減少が見込まれる
– 部品点数を30,000点とした場合、エンジン・トランスミッション、エンジン制御装置など不要(減少)
「軽量化技術」「電動化・駆動系」「サービス」が有望技術分野
自動車部品の構成割合
(機関部品)
30,000点
(その他の部品(スイッチ・計器類))
中部,
53%
その他
47%
中部,
45%
関東,
28%
部品毎の生産額の全国シェア(%)
その他
27%
中部,
その他の部品
1 8%
エンジン部品
23%
・不要(EV)
(駆動伝導及び操縦装置部品)
中部,
41%
(シャシー及び車体部品)
・ボディ外板等の素材変更
(懸架制御装置部品))
中部,
38%
関東,
39%
・トランスミッション
が不要(HV EV)
車体部品
15%
関東, その他
18%
27%
その他
・ ダウンサイジング化への対応(HV)
・高効率空調システム
・照明の低消費電力化
中部,
55%
関東,
その他
23%
・ブレーキ部品の材料変更
懸架・制御部品
15%
駆動・伝達及び
操縦部品
12%
電装品・
電子部品
7%
3%
7%
・モーター・コントロールユニッ
ト、バッテリー、インバーター
の搭載
関東,
31%
その他
28%
11,100点 減少
・エンジン制御装置等が不要(EV)
(内燃機関電装品)
中部,
61%
2,100点 増加
その他
39%
(出所:中部経済産業局 次世代自動車地域産学官フォーラム資料及び
平成25年3月「新産業素形材ビジョンより作成)
地域別動向
地域別の自動車部品の状況
•
•
東北地域の全国シェアは、出荷額、従業員数ともに数%程度(平成22年ベース)
– トヨタ向け出荷を前提とした場合、東北地域は中部地域に比べ、出荷額より従業員数のシェアが高い。これは、東
北地域は中部地域よりも、中小事業者主体で付加価値の低い部品を扱っている可能性があることが窺える
東北地域は平成18年~22年の間、愛知からの部品集積が進んでいないことを表している
– 九州はリーマンショック時に自動車出荷額が増加しているため、リーマンショック時の部品出荷額の落込みは、他
地域に比して少ない。これは、同時期に日産、トヨタ、ダイハツが九州に新工場を立ち上げたためと考えられる
地域別の自動車部品メーカーの出荷額・従業員数の推移
地域別の部品メーカー出荷額
地域別の部品メーカー従業者数
(単位:人)
(単位:億円)
平成
18年
全国
北海道
東北
関東
中部
近畿
中国
四国
九州
平成
19年
平成
20年
平成
21年
平成
22年
全国
シェア
240,062 336,602 322,047 234,898 283,587
※
100%
平成21
年の落
込率
27.1%
2,210
2,357
×
2,000
2,412
0.9%
7,935
8,423
8,755
6,323
7,384
2.6%
27.8%
90,308
96,411
93,317
66,883
79,299
28.0%
28.3%
99,925 184,299 179,999 132,239 155,752
54.9%
26.5%
-
18,355
19,251
15,545
8,946
15,828
5.6%
42.5%
12,096
15,834
16,665
12,166
14,485
5.1%
27.0%
91
105
123
×
×
9,142
9,922
7,643
6,341
8,427
3.0%
17.0%
平成
18年
全国
北海道
東北
関東
中部
近畿
中国
四国
九州
平成
19年
平成
20年
平成
21年
平成
22年
633,297 693,322 664,246 604,632 612,183
平成2
全国 1年の
シェア 落込率
100%
9.0%
4,296
5,930
5,777
5,555
5,520
0.9%
-
28,178
29,248
27,488
25,883
26,853
4.4%
5.8%
248,875 257,712 244,250 216,012 216,871
35.4%
11.6%
243,540 282,442 275,011 259,086 254,336
41.5%
5.8%
40,094
44,809
40,924
32,737
36,879
6.0%
20.0%
44,169
46,422
47,573
44,729
46,606
7.6%
6.0%
613
619
711
630
635
0.1%
-
23,532
26,140
22,512
20,000
24,483
4.0%
※ 統計上過少なデータとなっているのは、部品、自動車生産で入繰りあるためと思われる
(出所:各種HPより作成)
11.2%
地域別動向
自動車産業集積を進める主な地域の概要
(まとめ)
(出所:各種HPより)
中国地域
九州地域
自動車産業の
昭和6年(1931年)
昭和51年(1976年)
起源
マツダ、本社工場操業開始
日産自動車、九州工場操業開始
(旧)関東自動車工業、岩手工場操
業開始
自動車産業に係る地
域特性
自動車メーカーの開発拠点を有
し、長い歴史の中で部品メーカ
ーにおいても技術・ノウハウが
蓄積している地域
過年度の自動車生産拡大の中で企業
誘致及び新たに自動車関連産業への
進出を果たしている地域
2012年7月、トヨタ自動車東日本設
立によりこれから産業集積を図って
いく地域
自動車部品メーカー
地場企業中心に構成
地場企業に加え、他地域から進出
地場企業に加え、他地域から進出
完成車メーカー
マツダ、三菱
トヨタ、日産、ダイハツ
トヨタ
自動車生産台数(2012年推計)
自動車生産台数(2012年推計)
自動車生産台数(2012年推計)
115万台
142万台
53万台
自動車生産規模
事業所数
産業規模
(平成2010年)
:518ヶ所
事業所数
東北地域
:232ヶ所
平成5年(1993年)
事業所数
:340ヶ所
従業員数
:63,238人
うち完成車製造:15,530人
うち部品
:46,606人
従業員数
:38,310人
うち完成車製造:12,920人
うち部品
:24,483人
従業員数
:29,034人
うち完成車製造:1,711人
うち部品
:26,853人
部品出荷額
部品出荷額
部品出荷額
:36,095億円
:30,434億円
:7,384億円
九州の自動車産業
(各資料作成:みずほ銀行産業調査部協力)
九州自動車産業
九州の自動車産業集積の推移
•
•
•
1976年の日産操業開始から約40年経過。自動車生産能力150万台の生産拠点構築
– 福岡県など積極的な誘致活動の結果、1973年に日産が九州工場建設を決定
着実なインフラ整備で誘致活動を継続
– 高速道路整備、広大な工場用地の造成、港湾の重要港指定、外交運搬船の岸壁整備など
BCP対策としての拠点分散化も後押し
– 国内生産の分散化、豊富な労働力も貢献
北部九州自動車産業集積
第1期
第2期
第3期
北部九州における自動車生産台数の推移
2012年
生産能力
(万台)
160
131
140
日産
1974年
操業開始
1992年
第2工場
57万台
(日産車体含)
113
120
101
96
142
109
99
日産自動車九州(苅田町)
日産車体九州(苅田町)
トヨタ自動車九州(宮若市)
ダイハツ九州(中津市)
合計
100
80
トヨタ
1992年
操業開始
2005年
レクサス
60
43万台
40
20
度
度
2年
'1
1年
度
'1
度
0年
'1
度
9年
'0
8年
'0
度
'0
6年
7年
46万台
度
0
'0
ダイハツ
2004年
操業開始
(出所:各種HPより作成)
九州自動車産業
九州の自動車産業集積の概況
生産開始
日産自動車九州(苅田町) 昭和51年12月
日産車体九州(苅田町) 平成21年12月
日産合計
トヨタ自動車九州(宮若市)平成4年12月
ダイハツ九州(中津市)
平成16年12月
合計
生産能力
53万台
12万台
65万台
43万台
46万台
154万台
(18年度) (19年度) (20年度) (21年度) (22年度) (23年度) (24年度)
35
40
36
31
41
52
56
0
0
0
0.5
7
7
11
35
40
36
31.5
48
59
67
41
44
29
34
27
30
30
25
29
31
34
34
42
45
101
113
96
99.5
109
131
142
単位:万台
トヨタ自動車九州㈱
小倉工場
車両組立工場
エンジン工場
トヨタ自動車九州㈱
苅田工場
部品工場
0 8 年8 月
ハイブリ ッ ド部品
工場稼動
トヨタ自動車九州㈱
宮田工場
0 5 年1 2 月
エ ンジ ン工場稼動
年産2 2 万基体制
日産自動車九州㈱
0 5 年9 月
第2工場稼動
年産4 3 万台体制
「R&Dセンター」
2007年開設
ダイハツ工業㈱
自動車関連事業所
の分布
21件以上
16~20件
11~15件
6~10件
1~5件
日産の
国内最大拠点
年産5 3 万台体制
ダイハツ九州㈱
久留米工場
0 8 年8 月
エ ンジ ン工場稼動
年産2 1 . 6 万基体制
ダイハツ九州㈱
大分(中津)工場
エ ンジ ン開発拠点
「 久留米開発セン
ター」 2 0 1 4 年3 月開
設予定
日産車体九州㈱
(日産自動車九州㈱内)
0 9 年1 2 月
新工場稼動
年産1 2 万台体制
0 7 年1 1 月
第2 工場稼動
年産4 6 万台体制
(出所:九州自動車・二輪車産業振興会議より作成)
九州自動車産業
九州の自動車産業の概況
日産自動
車九州
㈱
日産車体
九州㈱
生産開始
1976年12月
従業員数
生産能力
ダイハツ九州㈱
宮田工場
苅田工場
小倉工場
大分(中津)工場
久留米工場
2009年12月
1992年12月
2005年12月
2008年8月
2004年12月
2008年8月
約3,760人
約1,000人
約6,800人
約3,300人
約300人
53万台
12万台
43万台
46万台
21.6万基
生産品目 ・ティアナ
・エクストレイ
ル
・ムラーノ
・ラフェスタ
・ローグ
・デュリアス
・セレナ
・アルティマ
・ノート
輸出比率
(2011年)
地元調達率
(1次部品)
トヨタ自動車九州㈱
22万基
・パトロール ・Lexus
V6 3.5Lエン
・インフィニ
RX/RXh ジン
ティQX56
IS/IS-C 足回り部品
・エルグランド
ES
・クエスト
HS
CT
・SAI
・Highlander/
Highlander
Hybrid
・ハリアー/ハ
リアーHybrid
74.0%
約70%
約900人
-
-
ハイブリッド ・ミライース
KFエンジン
用トランスアス ・タントエグゼ CVT部品
クル
・ミラココア
・ムーヴコンテ
・ミラ
・アトレーワゴ
ン
・ハイゼットト
ラック
・ハイゼット
カーゴ
・ビーゴ
82.6%
-
-
4.9%
約60%
-
-
約65%
-
(出所:九州次世代自動車産業研究会資料より作成)
九州自動車産業
九州自動車関連企業の概況
•
•
調達先ベースで見ると、ホイール、内装品、外装品などの現地調達率が高い
– 主要部品毎の調達状況を見ると、エンジン回りの重要部品よりは汎用品が中心
– 調達先数に比して金額ベースでの現地調達率は高いのは、内製が多い・地元定義が異なる点がある
完成車生産台数の増加に合わせ自動車関連事業者の進出も増加
– 2007年の増加は、ダイハツ九州が大分(中津)に第2工場を稼動させたことによるものと思われる
完成車生産台数と自動車関連事業所数の新規立地件数
九州自動車メーカーの主要部品別調達状況
地元調達率の状況(部品購入費に締める九州から調達する部品購入費の比率)
○ トヨタ九州・・地元調達率60%(車両組立,HEVユニットの内製含む)
○ 日産九州・・地元調達率70%(九州以外の山口、韓国、中国含む)
○ ダイハツ九州・・地元調達率65%
(千台)
(所)
1,400
60
九州自動車メーカーの主要部品別調達状況
種類
品目名
エンジン本体部品
エンジン動弁系部品
エンジン燃料系部品
エンジン吸・排気系部品
エンジン潤滑・冷却部品
エンジン電装品
HV/EV用主要部品
パワートレイン部品
ステアリング部品
サスペンション部品
ブレーキ部品
ホイール・タイヤ
外装品
内装品
車体電装品
用品
品目種
類数
18
14
9
9
10
7
5
22
9
4
12
4
19
25
13
4
トヨタ九州
日産九州
ダイハツ九州
調達先(社数)
調達先(社数)
調達先(社数)
品目種
品目種
九州比率 類数 九州
九州比率 類数 九州
九州比率
九州
域外
域外
域外
7
35
16.7%
18
6
26
18.8%
1
31
3.1%
12
1
17
5.6%
5
11
31.3%
2
2
5
28.6%
8
1
12
7.7%
4
18
18.2%
12
2
28
6.7%
11
3
17
15.0%
5
19
20.8%
11
5
20
20.0%
10
0
17
0.0%
1
11
8.3%
7
0
16
0.0%
6
1
10
9.1%
0
9
0.0%
0
35
0.0%
23
1
48
2.0%
21
2
31
6.1%
2
18
10.0%
12
5
24
17.2%
12
2
16
11.1%
0
8
0.0%
4
1
8
11.1%
4
1
7
12.5%
4
20
16.7%
14
5
26
16.1%
15
4
30
11.8%
5
11
31.3%
4
6
7
46.2%
4
3
13
18.8%
15
24
38.5%
19
21
27
43.8%
19
14
28
33.3%
23
21
52.3%
22
41
24
63.1%
18
17
30
36.2%
5
16
23.8%
13
9
16
36.0%
13
5
20
20.0%
2
7
22.2%
4
2
9
18.2%
4
2
9
18.2%
(注)表中の網掛け部分は、九州域内から調達比率の高い上位3品目を表す。
九州からの域内調達には、完成車メーカーの内製も含む。例えば、エンジンブロックは、トヨタ九州およびダイハツ九州
では内製。
同じ品目でも調達先は複数あるため、調達先企業数は品目種類数を上回る。
(出所)アイアールシー(2012)『九州自動車産業の実態 2013年版』、pp.134-137、pp.152-155、pp.179-181より目代作成。
15
1,200
地場事業所
進出事業所
完成車生産台数
1,000
完
成
800
車
生
産
600
台
数
1,190
1,130
1,010
790
450
610
600
40
770
6
680
860
30
550 540
11
7
440
42
20
9
400
6
200
12
0
7
1
6
10
1
2
6
5
4
6
1
2
11
9
30
7
2
6
50
1,060
900
680
580 590
1,140
19
12
11
15
10
19
2
5
4
0
7
1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
(注)進出事業所は「本社が九州・山口域外にある工場」あるいは「本社が九州・山口にあっても親会社が九州・山口域外にある生産子会社」、地
場事業所は上記以外の事業所。
(出所:九州次世代自動車産業研究会資料より作成)
0
事
業
所
数
九州自動車産業
九州自動車関連企業の状況
•
九州自動車関連企業は726拠点、本社所在ベースでは360社
– トヨタ、日産、ダイハツの拠点が存在する福岡県、大分県に圧倒的に集中
– 企業件数ベースでは、福岡県+大分県で62%、本社数ベースでは同60%を占める
従業員100人未満の中小企業が圧倒的に多い
– 企業件数ベースでは67%、本社数ベースでは75%が従業員100人未満
•
従業員規模別の進出企業件数(事業所+本社)
(件)
1-99人
100-999人
1000人以上
150
100
110
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
500
400
300
200
50
100
0
(社)
(社)
(件)
600
200
250
1-99人
100-999人
1000人以上
0
合計
大
分
県
鹿
児
島
県
佐
賀
県
福
岡
県
宮
崎
県
熊
本
県
長
崎
県
県
崎
長
県
本
熊
県
崎
宮
県
岡
福
県
賀
佐
150
50
鹿
児
島
県
県
200
100
0
分
大
従業員規模別の本社数(本社数)
(技術分野):金型、表面処理、鋳造・鍛造、プラスチック加工、プレス加工、機械加工、生産設備、その他
(出所:九州自動車関連企業データベーより作成)
合計
九州自動車産業
北部九州自動車産業
アジア先進拠点プロジェクト
•
•
1974年の日産操業開始から約40年経過し現調比率は60%。九州は産業立地上の強みを活かす
– ① 北九州市など古くからの工業基盤、②相対的な人件費の安さ、③輸出拠点、④アジアとの近接性
福岡県中心に「北部九州自動車産業アジア先進拠点プロジェクト」を推進
– 裾野の広い自動車産業の拠点形成に向け施策実施
– 九州7県が一体となり推進体制を構築
北部九州自動車産業集積
「北部九州自動車産業アジア先進拠点推進会議」
北部九州自動車産業アジア先進拠点推進構想(H25-27年度)
目標1
:国際競争力の高い企業の集積
(地元調達率70%を目指す) ※現状60%
目標2
:アジアをリードする自動車の開発・
生産拠点の構築(180万台生産を目指す)
目標3
:新たな自動車社会を提案し、アジアに発進
する拠点の形成(燃料電池車普及推進など)
目標4
:自動車先端人材集積・交流拠点の形成
・会長:福岡県知事
・顧問:日産自動車九州、トヨタ自動車九州、ダイハツ九州、日産車体九州
・会員数:678(588企業、36団体、16大学・高専など、38市町村) (平成25年4月時点)
「九州自動車・二輪車産業振興会議」
・九州7県が一体となって産業振興に取組む
・メンバー:福岡県・佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
(オブザーバー 山口県)
・顧問:九州経済産業局、完成車メーカー各社ほか
(出所:福岡県HPより作成)
九州自動車産業
「グリーンアジア国際戦略総合特区」
制度の活用
•
•
自動車関連の指定法人12社(’13年10月現在)は、特区制度を活用し自動車生産体制の増強進める
– 福岡県、福岡市、北九州市の3者が共同し設定した総合特区
– 指定法人に対し税制などを優遇、投資を促す
低燃費車の生産基地として九州の存在感が高まる
– 福岡県中心に「北部九州自動車産業アジア先進拠点プロジェクト」を推進
– 裾野の広い自動車産業の拠点形成に向け施策実施
指定法人となった主な自動車関連企業
グリーンアジア国際戦略総合特区
ダイハツ九州
トヨタ自動車九州
新型車生産の
設備投資
久留米工場での
低燃費エンジン生産
総合特区制度
・政府の新成長戦略を実現
・先駆的取組を行なう地域に政策資源を集中
・地公体が申請し、内閣総理大臣が指定
ユニプレス九州
三泉化成
軽量化プラスチック
製品の生産
主体
新型車の軽量化
部品生産
明石機械工業
メタルテックス
グリーンアジア
国際戦略
総合特区
指定法人
変速機の生産
優遇内容
福岡県、福岡市、北九州市
が設定
・低燃費車や太陽光発電な
どを生産する企業
・自動車関連は12社
(’13年10月現在)
新規設備の取得にかかる
法人税控除や減価償却など
(出所:福岡県HPより作成)
東北の自動車産業
(各資料作成:みずほ銀行産業調査部協力)
東北自動車産業
2012年7月 トヨタ自動車東日本設立
 トヨタ「東北・国内第3拠点化」を表明。国内生産は愛知、九州、東北の3極体制に
 TMEJは小型車の開発、生産を担当するグローバルセンターを目指す
トヨタ2012年地域別生産台数
海外
524万台
国内
349万台
トヨタ2012年国内販売台数
HV
68万台
※アクアの販売好調を受け、
2012年度の生産台数が50万台を
超えた模様
ガソリン車
101万台
12年度
生産実績
約53万台
トヨタグループ
東北地区
HVを含めた小型車拠点
東北・・・・53万台
九州・・・・30万台
中部など・・・・略270万台
TMEJ
岩手工場
HVの戦略拠点
として生産拡大
2013年1月、「東北現調化センター」を設置
TMEJ
宮城工場
TMEJ
相模工場
(生産終了)
トヨタ自動車九州
宮田工場
トヨタ自動車
田原工場 他
TMEJ
東富士工場
(規模縮小)
※関東自動車・セントラル自動車・トヨタ自動車東北が
2012年7月に合併し、TMEJが発足
(出所)トヨタHP等をもとに作成
東北自動車産業
東北地区の自動車産業
•
•
2012年7月トヨタ東日本設立以降、産業集積が進行
– 現地に進出したり、生産体制を拡充する部品メーカーが増加
– 域内ではトヨタ自動車東日本向けの受注確保を目指す部品メーカーの動きが活発
東北における早期サプライチェーンの構築が求められる
– サプライチェーン全体で、ものづくりレベルの底上げ
– 1次サプライヤーの現地進出に伴い、2次、3次サプライヤーの集積も必要となる
自動車産業集積に必要な枠組み
中部の部品各社 東北への主な進出状況
福島県にデンソー東日本設立。'11年秋からカーエアコン
デンソー
を生産。'14年春にはエンジン冷却モジュールも生産開始
アイシン精機
1992年にアイシン東北設立
トヨタ紡織東北がシート生産。宮城では'11年1月に新工場
トヨタ紡織
が稼動
豊田合成
'13年1月に新統括会社設置
シロキ工業
'13年夏にサテライト向上を稼動予定
'10年に宮城県に工場設置。トヨタ自動車東日本から若柳
太平洋工業
工場も取得
豊田鉄工
'11年度後半から宮城県で車体部品を生産
中央精機
'13年末に宮城新工場が稼動予定
プライムアースEV '10年から宮城県でHV用電池の生産開始。今後も東北を
エナジー
ニッケル水素電池の増産候補に
林テレンプ
'11年度後半から岩手県で内装部品を生産
青森県
日立オートモティブシステムズステアリング
日立オートモティブシステムズステアリング
ステアリングシステム
ステアリングシステム
パワーステアリングギア
パワーステアリングギア
中発テクノ
中発テクノ
自動車部品設計・開発
自動車部品設計・開発
多摩川精機
多摩川精機
HV車部品
HV車部品
アイシン・コムクルーズ
アイシン・コムクルーズ
組込みソフトウェア開発
組込みソフトウェア開発
秋田渥美工業
秋田渥美工業
可変バルブ
可変バルブ
太平洋工業
太平洋工業
プレス:樹脂部品
プレス:樹脂部品
アイシン東北
アイシン東北
電子系部品
電子系部品
秋田県
アルプス電気
アルプス電気
スイッチ・車載電装品
スイッチ・車載電装品
曙ブレーキ山形製造
曙ブレーキ山形製造
ブレーキパッド
ブレーキパッド
TMEJ
岩手工場
岩手県
トヨタ紡織東北
トヨタ紡織東北
シート等内装品
シート等内装品
山形県
TMEJ
仙台工場
宮城県
テーピ工業
テーピ工業
シリンダライナ
シリンダライナ
東海理化
東海理化
自動車部品設計・評価
自動車部品設計・評価
プライムアースEVエナジー
プライムアースEVエナジー
ニッケル水素電池製造
ニッケル水素電池製造
ケーヒン
ケーヒン
燃料噴射システム
燃料噴射システム
福島県
デンソー東日本
デンソー東日本
カーエアコン製造
カーエアコン製造
(出所:2013,6,27日刊自動車新聞より作成)
日産自動車
日産自動車
エンジン部品
エンジン部品
(出所:「とうほく自動車産業集積連携会議」資料より作成)
TMEJ
大和工場(部品)
東北自動車産業
トヨタ、国内生産300万台の維持
•
•
トヨタ自動車は「国内生産300万台」維持の方針
– 2012年は円高修正を受け国内生産は前期比増加
– 検討されていた北米でのプリウス生産計画も当面は見送る方針
本当に深刻なのは、ものづくりの競争力で劣後すること
– 国内基盤維持のためトヨタが維持すべきは「裾野産業の下支え」と「人材の育成」。その先に生産台数がある
– 世界と戦える日本の産業が少なくなる中、自動車産業は日本のもの作りを支える最後の砦となる
トヨタの生産台数推移
日本の産業を支える自動車業界
トヨタ自動車は国内生産300万台を維持する意向
2012年
グローバル生産 873.6万台
海外生産524.3万台
国内349.3万台
2013年(計画)
⇒ 890万台
⇒ 555万台
⇒ 335万台
300万台の維持には、「裾野産業の下支え」と「人材の育成」がカギ
もともと日本は、部材系を中心に中堅・中小企業が強い
「ものづくり」の強化が競争力の強化に直結
(出所:トヨタHPよりみずほ銀行産業調査部作成)
東北自動車産業
トヨタのサプライヤーに対する期待は‘真
の競争力の強化’
•
•
景気後退や円高が襲っても赤字を出さない体質作り
– トヨタは国内生産300万台を死守する方針。一方、国内市場縮小と円高リスクは想定する必要性あり
– トヨタは主要部品メーカーに対し「国内生産のベースが270万台まで減少した場合」の影響調査を開始
国内生産を持続し、雇用を吸収するための最適解となる事業構造への転換
– 生産スリム化を図る「守り」と同時に、海外需要を取り込む「攻め」が重要
– 世界で戦える‘技術力の強化’がポイント
トヨタ系サプライヤーの国内事業の損益分岐点推移(生産台数換算)
体質強化の主な方法
効率化(守り)
2012年 トヨタの国内生産は349万台(前年比+26%)
1、生産ラインの効率化
(少量生産対応、生産ラインのコンパクト化)
一方でリスクシナリオを想定、景気後退や円高に耐えうる体質強化
2、国内生産拠点の再編
リーマン
ショック前
リーマン
ショック後
ターゲット
目標
290万台
270万台
~250万台
3、人員のスリム化
輸出競争力の強化(攻め)
サプライヤーの
損益分岐点
340万台
1、海外需要を取り込むための技術力の強化
(日本で生産する意義)
東北自動車産業
自動車業界が進める「設計のモジュール化」
(部品共通化)
これまでの自動車開発
「摺り合わせ技術」
日本メーカー
の強み
製品毎に個別最適の設計を行ない
今後の自動車開発
新興国市場の拡大
消費者の価値観が多様化(地域、所得の多様化)
宮大工的に1つ1つの部品を作り上る
きめ細かさを維持する日本車の
「生命線」
グローバルメーカーの台頭で低収益体質に陥いる
商品投入のスピードが遅れる
多くの生産設備が必要
開発工数や管理工数を増やさず、
製品拡大とコスト削減の同時進行する必要性
「設計のモジュール化」で効率性UP
部品やレイアウトを徹底して共通化
設計段階から互換性の高い製品を開発
東北自動車産業
トヨタ自動車東日本による東北での事業展開
東北を「コンパクトカー」の戦略拠点であり、世界のマザー工場を志向
○ 「アクア」「カローラ」などの人気小型車に注力。2013年の生産台数は前年の50万台を上回る水準になる
○ ’12年12月のエンジン生産開始は、企画開発から一貫する戦略拠点として大きな前進。マザー工場としても位置づけ
素形材加工分野が全体的に手薄
○ 地元企業に鋳造、鍛造メーカーが少ない
選別購買だけでなく、育成購買も目指す
○ 東北進出は復興支援策の一つでもある。人材育成のため’13年4月設立した「トヨタ東日本学園」は、今後20年で600人
の卒業生を出す
東北自動車産業
九州と東北の自動車産業集積のポイント
時期
九州
東北
高度経済成長期
再び成長期に突入
① 石炭産業から脱却
1973年 日産自動車九州が誕生
主な背景
② 着実なインフラ整備
高速道路整備、工場用地造成、大分県中津港の
重要湊指定、岸壁整備・・
課題
目指す方向性
韓国・中国サプライヤーとの競合
アジア諸国と近い条件を活かし、
輸出拠点を目指す
① コンパクト車の戦略拠点
2012年 トヨタ自動車東日本が誕生
② 復興特区
設備投資、補助金など各種優遇策
豊富な労働力の活用、
地場企業の活用・人材の育成
世界に通用する‘ものづくり’発信拠点