A14.12 安全なエネルギーは存在するのか? 西バージニアの鉱山爆発

A14.12
安全なエネルギーは存在するのか?
西バージニアの鉱山爆発、そして湾岸の石油流出から 1 年、日本は原子力による大災害の瀬戸
際に立っている。しかし、他の選択肢はあるのだろうか?
1.日本で損傷を受けた原子炉が放射線をばらまき続けている中で、世界は息をひそめている。
最悪な場合では、放射性物質の雲が内陸に吹かれ、数百万人もの人を危険にさらすかもしれな
い。この危機は、アメリカの核政策に再検討を強いた。最近まで共和党と民主党は、安全と言わ
れていた原子力を支持する上で、共通の利害を示すことは稀であった。現在では、原子力につい
てのロビー運動家が産業を守ろうと争っている。アメリカの科学者は官僚と闘いながら、アメリカの
原子炉には是非とも修理が必要だと訴えている。原子力は長く支持されてきたが、疎まれている
のかもしれない。
2.石油産業が最後に大災害に見舞われてからほぼ 1 年経った。メキシコ湾原油流出事故におけ
る掘削装置の爆発により、11 名の命が奪われ、その地域の経済的原動力は奪われ、数千人もの
人たちにストレスと汚染による心身の問題を残した。86 日間連続して、500 万バレルもの石油が海
洋に流出した。メキシコ湾岸沿いの観光旅行も急落してしまった。しかし、アメリカ人はこのトラウ
マを記憶の彼方に追いやったようだ。10 人中 6 人が、沖合での掘削をより進めていくことを支持し
ており、3 月には連邦政府がメキシコ湾での 2 回目の深海掘削許可を承認した。
3.昨年の石油流出の直前、石炭産業は、西バージニアのローリー郡の炭坑で、大爆発により 29
人もの鉱夫が亡くなるという悲惨な大災害の舞台となった。メタン濃度の上昇が検出され、続いて
原因不明の爆発が起こった。石炭産業を批判する人は汚染を非難し、一方テレビの報道局員は、
時計仕掛けのように起こっているように見える炭坑での災害に、確実に群がっていった。昨年の
秋、有害金属が地元の飲料水に流入するに任せたとして、700 人の原告が Massey 社を訴えた
(Massey 社は容疑を否認している)。別の石炭関連巨大企業は、西バージニア州や他の州で、飲
料水を汚染したという訴えを解決するために、仕方なく 400 万ドルを支払った。
4.きれいで再生可能なエネルギーを作る上で、風力発電は多くの支持者を持っている。その中に
動物はいない。新しい研究によると、サイ程度の大きさでバス程度の体重を持つオオギハクジラ
は、海洋に風力発電があり、自分たちを海辺に導くことに困惑している。鳥もまた、風力発電を殺
し屋と見なしている。カリフォルニアのディアブロ山脈にある風力タービンによって、年に数千羽も
の鳥が切り刻まれている。その中にはイヌワシやアカオノリスも含まれている。批判者は、風力発
電が普及している地域での二酸化炭素排出量は低下していない、と指摘している。
5.エタノールのようなバイオ燃料は、ブッシュ政権において、アメリカの石油依存に対する解決策
として人気が増していった。しかし、トウモロコシという万能薬にも暗い側面がある。農場をエネル
ギー源へと転換していくことで、食料の値段が急上昇している。2009 年に戻ると、政府の報告では、
バイオ燃料の値段によっては、国が食品割引切符や子どもの栄養のために、更に 10 億ドル近くを
捻出しなければならなくなるかもしれない、と警告していた。チュニジアやエジプト、イエメンの通り
が抗議者で満たされた理由の一つは、食料不足であった。「砂糖をよこせ」とアルジェリアで抗議
者は叫んだ。国連によると、穀物の値段は記録的な水準に達しており、10 億人もの人たちが飢餓
の瀬戸際で生きている。
6.Dick Cheney の古くからの支援団体であるハリバートンのようなエネルギー開発推進者は、、地
表から 1 マイルの深さのところに水や化学物質、砂を送り込むことで地球から天然ガスを引出す
方法である「水圧破砕」を支持して遊説している。この取り組みはペンシルバニアとコロラドから、
北部ニューヨークまで広がった。俳優 Mark Ruffalo を含む反対者は、このように化学物質を吹き込
むことは有害であり、放射性物質や発癌物質が土壌や水源に到達すると主張している。2010 年
のドキュメンタリーである Gasland(ガス産業がもたらした大きな問題)を作成した Josh Fox は、吹き
込みが健康にもたらす危険性には脳障害、呼吸器系疾患、ガンが含まれると述べている。
〔解答〕
設問 1
15
設問 2
1
設問 3
14
設問 4
14
設問 5
2
設問 6
5