17. 元気? パリは寒いか? パリは寒いんだろう? 今年の浦安は暖かい! もう梅の花が咲き始めた。 胎児は加奈子と結婚して500m位離 れたマンション「ベイシティー新浦安」を買って住んでいる。 向爾は、青山大学国際経済学部の3年生になり、音楽パーティーを開くとかで朝帰りが 多い。 そんな訳で53坪5LDKの家にお母さんと二人きりでテレビを見ていることが多い。 子供は巣立つものとは思うが、親とは淋しいものです。 そんな時に偶然見たテレビ番 組で「イタリアのミラノで活躍する日本人美容家マサトとイタリア人美容家のコッポラの 「美の競演」をDVDに撮ったので送る。 亮爾も、マサトのように、美容室も開きながら ファッション・ヘヤーアーティストもやれば良いのにね。 る気がした。 マサトの感性は亮爾に似てい イザベルと結婚し、アテナ(充奈)も育てなければならないのだから、生 活を安定させる為のお金を稼ぐ必要があるだろう。 世界のヘアー・アーティストを目指 すのは良いが、それだけで生きて行くのは不安が多すぎる気がするが、どうですか? 一般の人も美しくして上げたら、ヘアー・アーティストでもある君に自分の髪を扱っても らったら喜ぶんじゃないか? しょう。 自分が美しくなれるんなら、喜んでお金を払ってくれるで 人を綺麗にして、喜ばせて、感謝されて、お金も頂けたら、自分も幸せ人れる 詩、一番素晴らしい仕事のやり方になるね。 ところで、君はパリのファッション界ではほとんど英語しか使わないから、と言っても、 何時までもフランス語が喋れないのは可笑しい、と思う。 をした方が良いよ。 良いからね。 フランス語mしゃべれる工夫 フランス語の学校に行くのなら、その費用くらいは出して上げても 普通の美容師の仕事をしていたら「腕が落ちる」何て言ってたら、君は何 時までも大人になれないよ。 君は、30歳になったら、自分の力だけで生きて行きなさい。 君が、何時までも親の援助を期待していたら、大人になれないので、親の仕送りは30歳 でストップするからね。 それまでに自立の準備をしなさい。 また、フランスでの修行ができたら、いずれ君はニューヨークに帰るだろうから、バン ブルバンブルとの関係は切らないように続けることが大事だよ。 東京の三箇所で活躍できる美容師なんて他に居ないでしょう。 ニューヨーク・パリ・ それだけでも君は、誰よ りも恵まれた環境に居るのだから、、もっと現実的な仕事の仕方も考えなさい。 そこか ら、地に足が付いた君の未来が開けてくる。 私だって、学者になるのを諦めて、弁護士になろうとしても果たせず、家族と生きる為 に不動産屋に勤めるしか無くなった時、目の前のお客様の要望をよく聞き、それに合った 家を探しまくり、案内して気に入って頂いたら、何とかして住宅ローンを付けて買って頂 くことをやるしまなかった。 ところが、好きで始めた仕事ではなかったが、それをやり 続ける内に、私の未来がドンドンと開けてきたのだ。 お客様の要望を何とか叶えようとしてやったことで、手数料を頂いた上に、菓子折をも らい、「有難う!」とお礼の言葉まで頂けるとは、本当に有り難い仕事だったんだ。 今では、六法全書の条文から世の中を見ている弁護士よりも、お客様の要望に応えて何 とかすることができる不動産屋になれて本当に良かった、と思っている。 そう、人の揉め事が起きて、こじれにこじれた所から始まる「後片付け」を、その一方 -1- に依頼されて、その人の為に働くしかない弁護士の仕事は、私には不向きだった。 に合格しなくて良かった、と思う。 本当 私のやっている不動産の仕事は、「家族の住まいに 関する夢を実現する為に」やる「未来に向けた創造的な仕事」なので、上手く事を運ぶと、 喜ばれる仕事なんで、私に合っていた。 何と有り難いことに、契約すればする程感謝が 積み重なり、信用が付く仕事なんだから、良い仕事に就けて、感謝感謝です。 亮爾も、ここらで本気で考えて、目の前の現実の中で、自分にできることに取り組みな さい。 フランス人のイザベルとは、言葉が英語を通してしか話せないので、意思疎通がもどか しいが、彼女が君を好きである限り、何とかなるでしょう。 うになれば、彼女の気持ちも優しくなるさ。 を出しなさい。 君が働いて、お金が入るよ もう少し、フランスで修行して、早く結果 そうすれば、パリで実績を出し、アメリカに本拠を置くファッションヘ アーデザイナー亮爾は、日本でも引っ張りだこになるだろう。 とに弱い民族だからね。 日本人とは、そう言うこ イザベルと力を合わせて頑張れ、もう一息だ。 2004年 2月 -2- 14日 記
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