MBA Program 2015 Graduate School of Social

MBA Program 2015
Graduate School of Social Sciences
Tokyo Metropolitan University
公立大学 首都大学東京 大学院
ビジネススクール
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ミ
変革と創造の経営者養成に向けて
マネジメントは不確実性の中で未来を切り開いていく
行為です。その力を培うためには、実務の経験を積むだ
けでなく、マネジメントの諸理論について体系的に学ぶ
必要があります。本学ビジネススクールは、高度で幅広
いカリキュラムを提供することで、ビジネスの環境を分
析し経営戦略を構想する能力、組織や制度を設計し変革
する能力、高度なリスク管理能力、そして深い洞察に基
づいたビジョンと高い倫理を持ち合わせた高度専門職業
人を養成することをミッションとし、それによって首都
東京と日本の発展に資することを目指しています。その
首
ために、
「経営戦略論・組織論」ならびに「金融工学・マネ
ジメントサイエンス」に重点を置いたカリキュラム体系
と、優れたビジネスリーダーたちとディスカッションす
る場を用意しています。
働きながら通学しやすいように、授業は新宿都庁舎の
サテライトキャンパスで平日の夜間と土曜日に開講され
ています。前身の東京都立大学の時代に開校してからす
2つ
でに十年以上が経過し、多くの卒業生が様々な分野で活
本
躍しています。意欲と熱意のある方々にお集りいただき、
公
2年間の研鑽ののちにMBAを取得してさらに高く羽ば
たかれることを期待しております。
首都大学東京 ビジネススクール
(大学院社会科学研究科
経営学専攻 高度専門職業人養成プログラム)
プログラムディレクター
長瀬 勝彦
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プログラムディレクター挨拶
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ミッション
首都大学東京大学院ビジネススクールは、産業の活性化を通じて、
首都東京ひいては我が国に活力を与えていきます。
そのために、科学的な思考能力を基礎とした戦略的な構想のもとで、
新たな組織や制度を構築し、それを実現するために既存の組織や制度を変革しうる
ビジネスリーダーなどの高度専門職業人の養成を目指します。
首都大学東京ビジネススクールの特徴
本格的に学ぶ ─2つの重点領域─
徹底した少人数教育
「経営戦略論・組織論」と
充実した専任教員体制により、理論的な研究、
「金融工学・マネジメントサイエンス」を
2つの重点領域とし、6つの教育研究プロジェクトで、
豊富なケーススタディを提供します。
丁寧な指導で修士論文等の完成に導きます。
本格的に学びたいビジネスパーソンを支援します。
文系・理系を問わず多様な人材を受け入れます。
公立MBAとしての強み ─働きながら学べる─
多彩な教育プログラム
新宿駅に近い東京都庁舎内のキャンパスで、
本学の強みを生かした公共経営アクションリサーチ、
都民の方は入学金半額免除となります。
ビジネスイノベーション特別演習など
平日の夜間と土曜日を中心に学べます。
授業風景
経営者とディスカッションできる
多彩なプログラムで実践的な学習が可能です。
公共経営アクションリサーチ成果報告会
自習室
ミッション ・ 首都大学東京ビジネススクールの特徴
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教育研究プロジェクト一覧
出願時に選択した教育研究プロジェクトを中心として、
修士論文や課題研究論文の指導が行われます。
1 年次には、所属する教育研究プロジェクトの担当教員の演習を受講して、
理論的な研究とともに研究の方法論などを学びます。
2 年次に、教育研究プロジェクト担当教員の中から指導教員が決定され、当該教員を中心と
した指導体制のもとで論文作成に取り組みます。
1.経営戦略
戦略プランニングの目的は、不確実性の高い事業環境において、企業目標となる価値を創造し、
価値を獲得するための長期的な展望やビジョン、方向性を提示することにあります。戦略が実効
性を高めるためには、なぜそのような戦略を選択するのか、企業組織に提示することによって組
織メンバーを説得し、コントロールできるだけの戦略の「論理性」が必要です。経営戦略プロジェ
クトでは、企業の経営資源や組織能力と持続的競争優位の関係性、或いは市場との関係性に焦点
をあてて、企業ケースやこれまでの学問的研究を広く展望して、企業の戦略行動についての実
証的分析や理論的考察を行うことで、プロジェクトメンバーの「論理性」を養成します。
2.マーケティング
顧客を中心とした企業活動を行うためには、マーケティングの思想と科学的なリサーチメソッ
ドが必要になります。このプロジェクトでは、マーケティング論を中心とした研究蓄績を基礎
にしながら、同時に最先端のマーケティング・サイエンスやリサーチメソッドを学ぶことを通
じて、顧客との長期的な関係を構築し、新たな価値を創造していく論理の理解を深めます。論
文指導では、各自の問題意識に応じて、これまでの研究蓄積を踏まえた新しい論理やマーケティ
ングの可能性を明らかにすべく、分厚い事例研究や精緻な実証研究を進めていきます。
3.経営組織・HRM・意思決定
このプロジェクトでは、組織と人に関わる諸問題への学術的なアプローチを体系的に学びます。
組織における個人・集団及びその行動を分析対象とする組織行動論、組織能力の構築につなが
る人材の活用・育成・評価などを検討する人的資源管理論(HRM)、人間の現実の意思決定の
ありようを心理実験などから明らかにする行動意思決定論が主たるバックボーンになります。
さらにそれらを基盤として、自らの問題意識にしたがって研究を進めます。論文執筆では、現
在の経営環境で直面する組織やそれに関わる人の具体的な問題について、また人間一般の心理
の本質について、実証的分析や理論的考察を行います。
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教育研究プロジェクト一覧
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4.会計学
会計学プロジェクトでは、企業外部の関係者を情報提供のターゲットとした財務会計領域と、
経営者などの内部者をターゲットとした管理会計領域、双方の研究プロジェクトを推進してい
ます。財務会計領域では、主として、⑴企業会計制度の特質と限界を社会経済的コンテクスト
に照らして分析するとともに、⑵会計情報と企業価値の関係ならびに会計情報の資本市場にお
ける機能について実証的に分析することを課題としています。また、管理会計領域では、⑶無
形資産と企業価値の関係及びそのマネジメントについて研究を行っています。
5.ファイナンス
企業や金融機関におけるファイナンスに関する問題に対処できるよう、高度な分析能力を養う
ことを目指します。対象となる主なトピックスとして、⑴デリバティブ商品の価格付けとヘッ
ジ手法、⑵信用リスクと市場リスクのリスク管理、⑶リアルオプションを用いた投資タイミン
グの問題、⑷コーポレートファイナンス、⑸金融データの時系列分析、などが挙げられます。
これらの問題を具体的に分析するツールとして必要な確率解析や統計の手法を習得するための
講義が用意されていますので、それらを活用して論文執筆に取り組むことが可能です。その過
程において、各学生の視点や素朴な研究動機に沿って専門的かつ数理的に考察できるように研
究指導が行われます。
6.マネジメント・サイエンス
マネジメント・サイエンスは、経営活動に合理的な意思決定を持ち込もうとする科学的方法の
学問です。複雑な現実の本質を見抜き、それをモデル化し、数学やコンピュータを利用して解
析し、最適な解を導出したり、システムの特徴を浮き彫りにしたりして、現実に立ち向かう人々
に有益な提言をするものです。このプロジェクトでは、⑴種々の制約のもとで最適化を行う数
理計画問題、⑵不確実性を含むシステムの扱い、特に確率モデルの解析やシミュレーションに
よる解析、⑶ゲーム理論に代表される戦略的意思決定、⑷生産・物流・情報システムを核とし
た経営システムの革新、経営活動の効率化、などの研究を行っています。
教育研究プロジェクト一覧
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専任教員一覧 (2015 年 4 月予定)
教員氏名
主な講義科目
授業
研究教育内容
教授 飯星 博邦(*)
金融計量分析特論
時系列解析特論
金融データの時系列分析およびそのボラティリティの推定、ミクロ計量経済学的アプロー
チによる信用リスクの計測、および金利の期間構造の実証分析を行います。
教授 梅田 雅信
金融システム持論
近年、大きな変貌を遂げてきている日本や欧米諸国の金融システムについて、最近におけ
る理論面の発展や実証分析の蓄積を踏まえつつ多面的に研究します。
教授 木島 正明
金融工学基礎特論
デリバティブ特論
金融工学、特に、金融リスク管理、信用リスクの計量化、デリバティブの価格付け、金融
工学理論の経営管理への応用、などを中心に研究を行っています。
教授 桑田 耕太郎
経営学特論
企業変革論特別演習
経営戦略と組織のダイナミック・インタラクションや組織変革の研究を行っています。
教授 芝田 隆志
企業経済学基礎特論
リアルオプション特論
専門分野はコーポレートファイナンスです。特に、オプション理論を用いた投資プロジェ
クト評価モデル、企業の負債評価モデル、などを中心に研究を行っております。
教授 高尾 義明(*)
経営組織特論
組織行動特論
組織の境界設定という切り口から、組織と個人の関係(自発性のマネジメント)および組
織間関係(技術革新を産出するビジネス・エコシステムの形成)を研究しています。
教授 田中 敬一
金融数学特論
資産価格特論
不確実性下の意思決定を考えるうえで有用な確率解析のツールを用いて、金融派生商品を
含む資産価格理論を研究します。
教授 長瀬 勝彦
意思決定特論
ロジカルシンキング特別演習
行動意思決定論に立脚し、人間の意思決定プロセスや意思決定バイアスを研究します。広
く経営心理学の領域もカバーします。授業では論理的思考を重視します。
教授 野口 昌良
財務会計特論
日本の会計制度の特質とそれを制約する基礎的諸条件を歴史分析の手法を用いて析出する
ことを目標としています。
教授 細海 昌一郎
管理会計特論
教授 松田 千恵子
経営戦略特別演習
経営学演習
教授 室町 幸雄
市場リスク特論
信用リスク特論
金融工学、特に金融リスク管理。リスクの計測と評価を主要研究テーマとしています。
教授 山﨑 志郎
現代日本経済史特論
1930年代から戦後高度成長期の産業・金融・政策の変化を実証的に検討します。
教授 山下 英明
マネジメント・サイエンス特論
数理計画法やモンテカルロ・シミュレーションなどのマネジメント・サイエンスの手法を用
いて、経営システムや社会システムの数理モデルを解析します。
教授 渡辺 隆裕
戦略的ゲーム理論特論
私の専門はゲーム理論です。講義では、ゲーム理論の基本を学び、ビジネスや日常の意思
決定にどのように応用するかを、例題を解きながら学んでいきます。
准教授 浅野 敬志
経営分析特論
企業の活動が企業価値にどう結び付くのかについて検討します。
主な分析内容は、経営戦略分析、会計分析、財務分析、将来性分析になります。
准教授 高橋 勅徳
ベンチャービジネス特論
ビジネスイノベーション特別演習
ベンチャービジネスを組織論の観点から研究しております。近年は、環境ビジネスとベン
チャー企業をテーマにフィールドワークを行い、その成果を教育にも反映しています。
准教授 中山 厚穂
マーケティング・サイエンス特論
マーケティング・サイエンスの各手法を用いて、消費者の行動を計量化することでマーケ
ティング戦略上の意思決定を行っていくための方法論について研究します。
准教授 西村 孝史
ヒューマン・リソース・マネジメン
ト特論
働く意欲を高める人事管理や仕事の設計、リーダー育成などを研究しています。最近は、
職場での人のつながり(ソーシャル・キャピタル)と人事管理の関係を研究しています。
准教授 松尾 隆
テクノロジー・マネジメント特論
生産戦略特論
製造業、サービス業の保有する技術と持続的競争優位との関係を研究しています。
准教授 水越 康介
マーケティング・マネジメント特論
企業と市場の相互作用に焦点をあて、関係性構築のマネジメントを研究します。
准教授 森 治憲
マーケティング・サイエンス特別
演習
統計学。最近の研究テーマは、近年急速に普及したベイズ法です。特に、事前分布が推定
結果に与える影響を研究しています。
准教授 森口 聡子
マネジメント・サイエンス特論
最適化理論、
特に組合せ最適化、
離散凸解析の研究をしています。数理モデルを通じて経営、
社会システムにおける実問題の解決法を研究していきます。
現在、知的資本と企業業績・企業価値との関係、知的資本相互間の関係などについて実証的
な研究を行っています。また、意思決定・業績管理に関わる管理会計上の重要なテーマにつ
いて講義およびPC演習を行います。
企業経営と金融、
資本市場との間にある諸問題を研究します。事業戦略をはじめ、
財務戦略、
M&A戦略とグループ経営、情報開示と企業統治などを扱い、事業・財務・組織を統合して考
えることを目指します。
(*)飯星教授と高尾教授は、2015年度に研究休暇を取得するため、講義はありません。
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専任教員一覧 (2015年4月予定)
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オン
首都大学東京ビジネススクールの環境
授業開講時間
授業は平日夜間と土曜に開講していますので、働きながら学ぶことができます。
月~金: 1時限
18:20 ~ 19:50
2時限
20:00 ~ 21:30
10:30-12:00
土 : 1時限
10:30 ~ 12:00
13:00-14:30
2時限
13:00 ~ 14:30
3時限
14:40 ~ 16:10
4時限
16:20 ~ 17:50
月
火
水
木
金
土
14:40-16:10
16:20-17:50
18:20-19:50
20:00-21:30
キャンパス探訪
新宿サテライトキャンパス
首都大学東京ビジネススクールは、
東京都庁第一本庁舎の25階と26階を利用しています。
※都庁改修工事にあわせて、都庁第二本庁舎を利用する期間があります。
PC教室
定評のある統計解析・数式処理およびデータマイニングのソフト
を揃えたPCが準備されており、講義や自習に活用できます。
図書室利用
各講義に用いられるテキスト・参考文献を中心とした和洋専門
書のほか、国内外の多数のジャーナルが開架されています。本
学南大沢キャンパスおよび他大学所蔵の文献についても、ビジ
ネススクールの事務室を通じて、貸出申し込みを行うことがで
きます。
その他、図書室では EBSCOhost(Business Source Elite)
、
JSTOR、ScienceDirect などの各種オンライン・ジャーナルが利
用可能です。 膨大な学術文献を検索、閲覧、ダウンロードして
研究を進めることができます。
オンライン・シラバス(Scubic)
ビジネススクールへの通学は、仕事を持つ社会人にとって大
きな負担であり、自宅での効率的な学習が欠かせません。
Scubicは毎日の授業を補完するオンラインシステムであり、自
宅学習が効率化できるように工夫されています。具体的な機能
としては、シラバスや授業計画の提示、教員からの各種の連絡、
教材の配布、受講生からのレポートの提出、会議室などがあり
ます。会議室では、授業で学んだ事項について受講生同士のディ
スカッションが盛り上がることもしばしばです。
首都大学東京ビジネススクールの環境
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修了生の声 ~学び終えて思うこと~
坂本秀和
株式会社三井住友銀行 上席部長代理
基礎から研究指導まで -充実した指導体制-
私は、金融工学の専攻でしたが、指導教員である木島教授をはじめ、当該分野で活躍される
多くの教授、講師陣が在籍される本学は、想像以上に充実したものでした。この環境下で、ファ
イナンス専攻の学生が4名だったというのは、贅沢極まりないと今更ながらに思います。また、
私は理系学部出身ながら、学生時代、学問としてのファイナンスやその数学的基礎となる解析
学は専攻しておらず、バックグラウンドの知識に不安もありましたが、本学では、充実した基
礎科目の講義が用意されており、この分野を研究する上で必要な基礎知識をしっかりと学習す
ることができました。修士論文への指導は勿論のこと、こうした点も本学の特徴ではないかと
思います。
考えるということを学ぶ
私にとって修士論文以外のもうひとつの大きな成果は、ファイナンス以外の分野にも多く触
れることができたことです。私は、経営学や組織論など他分野の講義も可能な限り履修しまし
た。そこで得られるものは、私にとっては新鮮かつ刺激的で、修了後の自分の仕事への取り組
み方に大きく影響を与えています。
ビジネスにおける過去の判断や考え方は、“なるほど”と思うことが多いものの、実際には、
過去の成功事例通りにはいかないケースも多く、また過去の事例を知るだけなら、わかりやす
く解説された書籍などがいくらでもあります。一方で、
本学で学ぶのは、
過去の事例も踏まえ
「ど
う考えるか」ということでした。講義や演習を通じ、先人の経験を疑似体験し、多くの志高い
学生と議論することで、与えられた局面でどう考えるべきか、ということを常に意識させられ
ました。
特に本学は、意図的に少人数を引いており、受講者の多い講義でも、ほとんどの学生と面識
があります。そういった環境のため、議論も活発で、いい意味での考えることへの義務を感じ
続けた2年となりました。
木川 大輔
ライフサイエンス系企業
IPD(Intellectual Property Development)カンパニー 事業推進マネージャー
入学前に求めていたモノは「引出しの中の道具」
ビジネススクールで学ぼうとしたきっかけは今でも鮮明に覚えています。当時、事業会社の
経営企画部門に所属していた私は、外部環境の変化によりコモディティ化に苦しむ事業を立て
直すというミッションを持っていました。その時に、有名な「イノベーションのジレンマ」と
出会い、
「企業が直面している問題に対して、このようにエレガントに説明する事ができるもの
なのか」と感銘を受け、ビジネススクールへの進学を決めました。
とはいえ、正直なところ、当時の私がビジネススクールに求めていたものは、
「経営戦略への
処方箋」であり、
「色々な理論やフレームワークを学んで、それを仕事に活かせたら良いな」程
度の考えでした。ところが、1年生前期の初回の授業の事前課題で、
「ポーターの5フォースの限
界を述べよ」という課題が出され、面食らったのをよく覚えています。
実際に得られたモノは「もっと本質的な思考力・洞察力」
今になってつくづく思うことは、首都大学東京ビジネススクールが目指している教育は、入
学前の私が求めていたような「インスタントな知識」を提供する場では無かったということで
すね。フレームワークや理論は、世界中の研究者が、日々それらを発展・拡張させるべく凌ぎ
を削っており、いつかは陳腐化してしまいます。仮に陳腐化しなくても、ビジネススクールの
2年間で学んだことは、恐らくいつかは忘れてしまうことでしょう。他方、ケーススタディや
論文執筆を通じて、とことん考えぬいた思考プロセスは、不思議と身体に染み付いているもの
です。そして、その過程を通じて身についた洞察力は、極めて汎用性の高いスキルとして、ビ
ジネスの場でも必ずや活きることでしょう。首都大東京ビジネススクールはそういったプロセ
スを重視する点に特色があると思います。
事実、修士論文執筆後には、ビジネスの場における景色が、それまでと明らかに違って見え
るようになりました。修士号を取得した後もそのプロセスを続けるべく、博士課程に進学し、
勤務を続けながら学会誌へ投稿する論文執筆などに週末を費やしています。
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修了生の声
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竹本由里佳
NTT都市開発株式会社 不動産投資推進部 課長
第一期生としての貴重な経験
新宿の都庁で都立大学のビジネススクールが開設されるというニュースは都の広報誌で知り
ました。当時、小学生の子供がいて、仕事もかなり忙しい時期でしたが、今の生活を何か考え
直したいというのが応募動機でした。ターミナル駅に近い都庁がキャンパスで生活と両立がし
やすいというのも後押ししました。入学してみて自分でも驚いたのは、社会人を経験する前と
後での、勉強に対するモチベーションの違いでした。特にマネジメントについては社会経験の
生の声は良い教材となります。一期生は本当に個性的な方が多く、年齢・職業・ポジションもバ
リエーションに富み、ディスカッションが楽しかったですね。理系の方が多くいらしたのも特
徴的です。特にテクノロジーマネジメントの分科会では、技術系、研究系の方が多く、理論上
の経営学でなく、技術革新を作り上げ、又は失敗したケースが生の声として交わされました。
社会人学生の勉強は自分の実体験に基づくので、心から興味がもて、能動的になれるので楽し
いのです。
強固な人的ネットワークの構築
ビジネススクールで得られた一番の成果は、異業種、異世代の人脈です。同窓会も充実して
おり、全体会は年に一回、大きな会場で開催されますが、SnSを通じて日常の情報も交換され
ています。ゼミ単位や同期の集まりもあります。何と言っても強固なのが、女子同窓会です。
先日も開催されましたが、自分たちで企画して、お茶を飲みながらの勉強会の後、美味しいお
食事をいただきました。同窓生だからこそ、本音で言い合い、分かり合えます。日常のストレ
スを発散させる場であり、自分を高める場であり、仕事の進め方のヒントを得られる場でもあ
ります。働く女性は悩みも多いので、こういうネットワークは本当に心の支えになります。来
たれ女性達!
大谷 剛久
コナミ株式会社 社内広報部 部長
ビジネスの「伸び代」を求めて
「ビジネスのことを知らないと、自分や部署に、これ以上の伸び代がないな」。私が本校の門
を叩こうと思い立ったのは、そんな単純な動機でした。
その時の私は、社内報制作部署の駆け出し管理職。役員との打ち合わせが急増し、
「ビジネス
のことを知らなければ役員と話ができない」と、危機感を募らせていたのです。ナレッジの共
有や知識移転など、社内報が持つ可能性に気付き始めていたことも、学びの機会を得たいとい
う欲求を一層後押ししました。
本校の特徴は、単なるノウハウの伝授にはありません。経営学の理論を、論文やケースをたっ
ぷりと読み込んだ上で、仲間や先生と議論しながら身につけていくところにあります。レポー
トやレジュメを作成し、議論する。その繰り返しの中で論理的思考も養われていきます。そう
した「理論」の蓄積を味方に、自らの学問的な「問い」を見出し、2年次には修士論文に挑戦
していくことになるのです。
社会人として学ぶ意義を実感
理論を身に着けるということは、自分の中に、
「モノサシ」を構築するようなものです。
「モノ
サシ」ができると、自らが携わる会社や事業活動に対する見方が複眼的なものに変わります。
私が在籍しているちょうどその時、弊社は大きな事業転換を行いました。その時に執行され
た戦略が持つ意味や経営層の意思決定を自分で解釈し、自らの業務に落とし込んでいく。私は
その時、生きた経営のダイナミズムと本学で学ぶ理論の相互作用で、学びを一層深めることが
できました。これは、社会人と学生という2つの立場を同時に経験していなくては得ることの
できなかった学びです。
自らの中に理論という「モノサシ」を根付かせて、複眼的にビジネスと向き合いたいあなた。
私は迷わず、首都大学東京ビジネススクールをお勧めします。
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現役学生の声 ─首都大学東京ビジネススクールに学んで─
伊藤 彩紀(2014年度入学)
株式会社DEiBA Company 事業戦略グループ ゼネラルマネジャー
【入学の動機】
私は大学卒業後、シンクタンクで経営コンサルティング業務に従事した後、元クライアント
とともに現在在籍する企業の立ち上げに参画しました。
「経営コンサルタント」と「起業」とい
う2つのキャリアを通して得た知識と経験を、30代になる前に一度学問的な観点から体系的
に整理したいと思ったのが本学に入学した理由のひとつです。また、自分は将来シリアルアン
トレプレナーとして多くの企業を立ち上げ、経営のプロとして活躍したいと考えておりますので、
その実現に必要な知識とスキルを新たに習得できればと思ったのも入学した理由となります。
【首都大学東京BSに入って思うこと】
入学後にまず驚いたのは、想像以上に少人数教育が徹底されていたことです。ひとつの授
業に学生が10人程度という授業も多く、教授からきめ細かい指導を受けることができますし、
質問もしやすい環境にあります。他大学のMBA課程では入学者数が多く、大教室でまとめて
授業を受けるところも多いと聞きますので、学習効率はこちらの方が優れているかと思います。
講義の種類も必要なものが網羅されており、経営戦略やアカウンティング・ファイナンスと
いったMBAホルダーには必須の科目はもちろん、ベンチャービジネス論やマーケティングサイ
エンスなど専門科目も多数開講されており、個々のキャリア形成に必要な履修が行えるものと
思います。講義のスタイルは座学とケーススタディの割合が半々くらいで構成されており、理論
と実践をバランスよく身につけることができるでしょう。また、グループワークを行う授業も多
く、多様なバックグラウンドを持った仲間達と議論・作業する中で、一人では気付けなかったよ
うな視点を持つ事ができるようになるのも魅力のひとつかと思います。
【これから入学を検討している方へ】
仕事をしながらビジネススクールに通うということは、皆さんが想像しているよりもずっと大
変なことかと思います。多くの授業で毎週課題が出題されますし、課題の量も決して少なくは
ありません。グループワーク形式を取り入れる授業も多く、終電ギリギリまで議論が続くこと
も間々あります。グループ発表や課題提出時期と、仕事のピークが重なる時期は地獄そのもの
です。
しかし、仕事を終えてぼんやりテレビを見ていたり、土日に遊びほうけていたりする者と、
こうしたハードワークに2年間耐え続き、自分を磨き抜いた者との差は決して小さくはないはず
です。今の自分よりも大きく成長したい方、自分のキャリアを自分で切り開きたいという強い
意思をお持ちの方は、本学に入学すればその希望が叶うのではないかと思います。
現役学生の構成(2014年度現在)
年齢構成
50代
10%
20代
10%
40代
25%
60代
1%
30代
54%
男女比
女性
13%
男性
87%
箕輪 久子(2014年度入学)
製薬会社 商品開発部 勤務
【入学の動機】
私は薬学部を卒業し、以来年々歳々、薬学の専門知識の吸収を意識し、新しい知見に興味
をもって接してきました。そんな専門知識と、
会社員生活約20年の経験と勘から成る私のスペッ
クでは‘足りないなぁ’と感じたのがビジネススクールを志望した動機です。専門職の枠を越えて、
一段高いところから俯瞰できるジェネラリスト視点が必要だと思いました。そして、勘と経験と
薬学によるバックグラウンドだけでない、分析的かつ理論的な内容で、周囲に納得感をもたら
すような自分になりたいと思いました。入学前の説明会か何かで、
「ミンツバーグは‘アート’‘クラ
フト’‘サイエンス’の三軸がバランスよく組み合わさっている必要があるといっています」と聞いた
とき、頭の中でパズルのようなものがパチッと嵌り、ざわざわと鳥肌が立つ感覚がありました。
そう、その三軸が欲しかったんです。2年間で自分の中の三軸を強固なものにしたいと考えてい
ます。
【首都大学東京BSに入って思うこと】
まず、先生方が素晴らしいというのが、入って1カ月以内の感想でした。会社から駆け付け、
疲れたカラダで聞く授業時間は、私の瞬きの回数が少なくなっているのか、目の乾く感じがす
るくらい興味深いです。今まで漫然と会社に通い、こなして帰る、という日々の連続でしたが、
会社というもの、自分の仕事への考え方、仕事一つ一つの意味のようなものを学んでいる気が
します。仕事について、このようなことを教えてくれるところがあるなんて考えたこともありま
せんでしたし、それらを学問的なベースで系統立てて教えてくれるのはとても刺激的。薬学と
OJTを飛び越え、全く新分野に足を踏み入れた感が満載の日々の中で、これまでのインプット
とは明らかに違う何かが蓄積されていく感じがとてもしています。38人のクラスメートも色とり
どりの人たちです。そして皆さん、あまり大人しいタイプではない(笑)
「
。入って良かった」
「シ
ンドイけどひとまずは流れに乗って頑張っていこう」という気持ちで、毎日過ごしているところ
です。
【これから入学を検討している方へ】
社会人生活は、明るい志や希望ばかりでなく、色々迷ったり悩んだり、‘モヤモヤ’や‘クソーッ ’
が毎日たくさんありますよね。でも、自分から何かをしないと、変わることなんてとてもできま
せん。首都大BSには変われる何かがきっとあります。迷っているよりも新しい世界にチャレン
ジすることをお奨めします!
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出身大学の文系・理系構成
理系
30%
文系
70%
現役学生の声
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度現在)
入試関連情報
高度専門職業人養成プログラムは、多様な人材を広く募集するために、
一般選抜入試と特別選抜入試を行います。
(詳細については、募集要項でご確認ください。
)
募集定員
40名 (研究者養成プログラム若干名を含む)
一般選抜前期(10月)・後期(2月)入試
ビジネスリーダーや起業家をめざす方などを広く募集します。大学の卒業要件を満
たす方ならば、職歴や年齢に関係なく、どなたでも応募できます。
選考方法 : 提出書類(研究計画書など)、筆答試問(小論文または数学)及び口頭試問
公共経営特別選抜(2月)入試
28歳以上で大学の卒業要件を満たし、海外を含む政府・地方公共団体及びそれに準ずる機関等の公共経営
に携わる機関において、原則として3年以上継続して職業実務に従事している方を対象にします。
募集人数 : 若干名
選考方法 : 提出書類(研究計画書、職業実務経験の活動報告書など)及び口頭試問
納付金等(予定)
入学金
授業料
141,000 円
(東京都の住民の方)
282,000 円
(その他の方)
520,800 円
〔年額〕
入試関係のお問い合わせ先
首都大学東京管理部 文系学務課 経営学系教務係 (南大沢キャンパス)
住所: 〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1 メール: [email protected]
電話: 042-677-2303 (平日9:00 〜 17:00 (12:30 〜 13:30を除く)、土・日・祝日は休み)
入試関連情報
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首都大学東京大学院
ビジネススクール
MBA Program
Graduate School of Social Sciences
Tokyo Metropolitan University
新宿サテライトキャンパス
所在地
〒163-8001 東京都新宿区西新宿 2-8-1
東京都庁 第一本庁舎 26F南側
首都大学東京大学院 ビジネススクール事務室
アクセス JR「新宿駅」西口から徒歩 10 分 または都営大江戸線「都庁前駅」
電話 03-5320-7095 (直通)
※ビジネススクール事務室へのお問い合わせは、平日は 14 時以降にお願いします。
http://www.tmu.ac.jp
[発行元]
首都大学東京は東京都が設置する公立大学です。
首都大学東京管理部文系学務課経営学系教務係
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