世界食品安全会議 - The Consumer Goods Forum

世界食品安全会議
2015
食品安全:
共通の責務
2015年3月3日~5日/マレーシア、クアラルンプール
エグゼクティブ・サマリー
www.tcgffoodsafety.
数字で見るGFSC 2015
1st
70.2M
メディアおよびソーシャル・メディア
を通じた視聴者数
アジアで初めて
開催
+500
ハッシュタグ#GFSC2015
が付いたツィート数
915
+850
食品安全の専門家数
GFSI YOUTUBEチャンネル
の視聴回数
50
国数
+30
85
オンラインニュース上の記事の数
+200ブログ数
講演者
2
50
会場での地元および
海外メディアの数
閣僚
マレーシア保健相および
国際通商産業相
報道媒体
活字、デジタル、テレビおよびラジオ
目次
参加者の声....................................................................................................... 5
私たちの共通の責務‐行動要請......................................................................... 6
歓迎の挨拶....................................................................................................................................................6
食品分野の世界的傾向..................................................................................................................................7
ASEAN経済共同体を実現させる......................................................................................................................8
食品供給網での協働...................................................................................... 10
境界を越えて:小規模サプライヤーが世界規模のフード・サプライ・ウェブに参入.............................................10
サプライチェーンにおける重要なつながり:安全で高品質の製品を市場に届けるメーカーの役割......................11
食品安全とサプライ・ウェブ・マネジメント:小売業者の視点.............................................................................13
サプライ・ウェブの強化:発展途上国で官民のリソースを活用する...................................................................14
食品安全を進めるための官民の協働:
パネルディスカッション..................................................................................... 16
東南アジア:DR. SITI NOORBAIYAH ABDUL MALEK, CEO UNIPEQ, マレーシア..............................................17
中国:MAOHUA WANG, 中国認証認可監督管理委員会(CNCA).....................................................................17
中国:YANSONG WANG, VP, QUALITY AND SAFETY MANAGEMENT, MENGNIU COFCO, 中国.....................18
日本:横田美香、農林水産省食料産業局食品企業行動室長..........................................................................18
成長の触媒としての知識共有.......................................................................... 19
GFSIグローバル・マーケット・プログラムによる持続可能なサプライヤー育成プログラム入門............................19
SSDP:人的キャパシティ(能力)の構築..........................................................................................................21
SSDP:政府の関与........................................................................................................................................22
食品の将来を確かなものに-共通の責務....................................................... 24
食品安全に対する責任.................................................................................................................................24
共有目的の文化-行動要請.........................................................................................................................25
世界
食品安全会議 2015
共通の責務
コ
ンシューマー・グッズ・フォーラ
ム(CGF)は、マレーシアのクア
ラルンプールで開催した世界食
品安全会議に45か国から915
名の代表の方々をお迎えしまし
た。今年で14年目となるこの年次会議がアジア
で開かれるのは初めてで、その年のもっとも優
れたビジネス主導の食品安全に関するイベント
としての地位を確立しています。
GFSI議長であり日本の小売企業イオンのジェ
ンク・グロル氏が議長を務めたこの会議には、
アジアからのさまざまな講演者も加わり、GFSI
の活動がいかに世界規模の影響を真に及ぼ
しているかについて、参加者に新しい視点をも
たらしました。2日目には、マレーシア保健省の
Senior DirectorであるNoraini Binti Dato’ Mahd
Othmanから画期的な発表がありました。それ
によると、マレーシア政府は、小規模および発
展途上の事業が認証への第一歩を踏み出せ
るよう、GFSIグローバル・マーケット・プログラ
ムを活用した「持続可能なサプライヤー育成プ
GFSIの参加者は、食品安全は共通の責務だ ログラム」を全国規模で実施する予定です。
プログラムの立案に当たったのは、CGFで長年
活動している「グローバル・フード・セーフティ・
イニシアチブ(GFSI)」です。GFSIの協働的なア
プローチを通して、サプライチェーン全体から
国際的な食品安全の専門家たちが、テクニカ
ル・ワーキング・グループやステークホルダー
の会合などさまざまな会議、そして各地域のイ
ベントに集まります。彼らは知識を共有し、「す
べての消費者に安全な食品を」という共通目標
を掲げ、調和のとれたアプローチを推進してい
ます。
4
と考え、主要な組織や規制当局との連携を築
き、第三者認証への信頼を確立し、能力を育
成し、地理的取り組みを拡充することを目指し
ています。厳格なGFSIベンチマーキングプロセ
スは、意欲的な食品安全スキームをガイダンス
ドキュメントの要求事項に沿ってうまく機能させ
るためのもので、多くのメンバーがその同等性
の承認に関わっています。
Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY
Global Food Safety Conference 2015 - Kuala Lumpur
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参加者の声
「食品安全にはとても興味があり、私の仕事も世
界規模へと変わってきたところです。今回の経験
は非常に有意義で、新しい出会いを会社に持ち帰
ります。これほどの短期間に、食品安全に関心を
持つ実にさまざまな人々に出会える機会は、他に
思いつきません。」
Jimmie Williams, Director, Global Government and
Public Affairs, McDonald’s Corporation, アメリカ
「アジアには来たことがなかったので、今回訪れ
ることができてうれしいです。グローバル・マーケ
ット・プログラムの進展と若い人々の参加にとても
励まされました。とくに良かったのは、二人の若い
企業家がステージに上がり、それぞれの食品安全
の話を共有したところです。特別な一時でした。」
Gillian Kelleher, VP Food Safety and Quality
Assurance, Wegmans, アメリカ – GFSI新任理事
「初めて出席しました。私はインドネシアの小売
業で働いていますが、各国の同業者と出会う素晴
らしい機会になりました。居るべき場所ですね!」
Hendra Pardede, Group Quality Assurance Manager,
HERO Group, インドネシア
「これまでも5回出席しています。食品安全を前進
させるために、最高の人たちに出会う最高の場で
すから。がっかりしたことは一度もありません。」
Yuriy Zvazhenko, Agribusiness Standards Advisory
Program in Europe and Central Asia, 国際金融公社,
ウクライナ
「出席した主な理由は、ネットワーク作りとサ
プライヤーとの会合、そして知識を増やすこと
です。」
Cynthia Davedason, Senior Manager, External
Manufacturing Asia-Pacific, Mondelez International,
マレーシア
「シンガポールの小売業で働いています。プレゼ
ンテーションを聞き、知り合いを作り、世界で起き
ていることを知るために来ました。素晴らしい会
議でした。」
Ho Wee Fun, Senior Manager, Food Safety and
Quality, Fairprice, シンガポール
「出席の目的は会議の内容であり、また参加者
に会うためです。しかし何より、GS1のメンバ
ーが大勢参加しているからです。彼らをサポー
トしたいと考えており、非公式に多くのメンバ
ーに会う絶好の機会です。とても充実した体験
をしました。」
Diane Taillard, Director, Consumer Safety and
Traceability, GS1, ベルギー
「我が社はGFSIに参加しています。このアジ
アのイベントの機会を利用して、GFSIが私に
とってなんであるかを知ろうと思いました。我
が社は、さまざまなマーケットで我が社の小規
模なサプライヤーをサポートする多くの事業を
展開していますが、GFSIがグローバル・マー
ケット・プログラムを通して、そうした企業を
どうように支援しているのかがよくわかりまし
た。帰ってから同僚たちに伝えます。」
Sheryl Tu, Senior Manager, Quality Assurance,
China and East Pacific, Starbucks Coffee, 中国
Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY 5
Global Food Safety Conference 2015 - Kuala Lumpur
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会議セッション
本会議 1
私たち共通の責務 ‐ 行動への呼びかけ
司会: ジェンク・グロル, グローバル・フード・セーフティ・イニシアチブ議長、イオン株式会社 執行役、日本
歓迎の挨拶
加し、毎年今より1億トンも多く食料を消費するでしょう。
つまり私たちは、複数の内在する問題に直面しながら、
より効率的に生産し供給しなければなりません。私がお
伝えしたいことは、グローバル・フード・セーフティ・イニシ
アチブ(GFSI)が、変化に向けて貢献するなかで、いかに
自らの役割を果たしているかということです。
→ 障害となる官民の規制の違いを理解する。
→ 標準の整合を図る。GFSIのまさに最初のステップで
あり、活動の根幹を成す。
→ 能力育成を支援する。小規模あるいは発展途上の
企業が自らの食品安全マネジメントシステムを展開する
ことを確実にする。
→ 食品偽装といった新たに出現するリスクをより理解
ジェンク・グロルは、915名の参加者を歓迎する挨拶の
なかで、この参加者数はこのイベント史上3番目であると
ともに、アジアで開催される初めての会議だと述べまし
た。そしてどんな企業も単独で食品安全を実行すること
はできないと言いました。
「もし競合他社や自社のサプライヤーに問題があれば、
それは業界全体に波及します。食品安全は競い合う問
題ではなく、つねに協力することが求められます。農場
から食卓まで続く食品のサプライチェーンは、私たちす
べてが共有しているのです。「共通の
責務」というこの会議のテーマが適切
かつ妥当である理由がここにありま
す。
まず、皆さんにお尋ねします。食品安
全に責任を持つのは誰でしょうか?
世界の人口は、2050年までに35%増
し、対策を取る。
→ 地域の意識を高める。GFSIには、すでに中国、日
本、北米、メキシコの4つのローカル・グループがありま
すが、もっと増やしたいと思います!欧州や中南米、ア
フリカだけでなく、このASEAN地域にもGFSIのローカル・
グループを作りたいと思っています。
もう一度お尋ねします。食品安全に責任を持つのは誰で
しょうか?
答は一つしかないはずです。私たち全員です!
食品安全に責任
を持つのは誰で
しょうか? 答は一つ、
私たち全員です! 皆さんは食品安全の歴史
の一部になる用意はでき
ていますか?責任を担う
ことで、私たちの仲間にな
って下さい。」
重要なポイント:
❶ あなたの食品安全の問題は、私たち全員の問題です。
❷ 今後、食料がもっと必要になります。問題を解消するには、協力しなければなり
ません。
❸ GFSIは同等性を見いだし、透明性を高め、能力を育成するため活動を続けてい
ます。
6
Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY
Global Food Safety Conference 2015 - Kuala Lumpur
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本会議 1
私たち共通の責務 ‐ 行動への呼びかけ
食品分野の世界的傾向
Craig Armitage, Global Food Safety & Quality Service Leader, PwC, ニュージーランド
PricewaterhouseCoopers社の世界の食品安全事業を主
導するCraig Armitageは、世界の食品市場に影響を与え
ているメガトレンドについて述べました。
「私たちは今、かつてない変化や多様な課題、そして関
心を集めている国際的な食品安全の危機に直面してい
ます。見出しに取り上げられる出来事に目を通せば、い
つでも、食品の供給や食品の信頼性には国境はないこ
とがわかるでしょう。これらの世界的トレンドは、世界の
食品供給が、成熟した市場でも新興市場でも批判の的
になるにつれ、社会に深刻な影響を及ぼしつつありま
す。人口や社会の変化、急激な都市化、気候変動、資
源の欠乏によって、世界の経済勢力に変化が起きてい
ます。それと同時に、技術は飛躍的に進歩し、効率も高
まっています。今回は、アジアに特に関係のある話をし
ます。ここアジアは、2050年までに世界の人口の半分以
上を有するだけではありません。
→ インドの人口は40%増加し、2030年までに中国を追
い越します。
→ アジアのタンパク質の消費は128%増加します。食肉
や乳製品の消費が、一人当たり年間64kgから同96kgへ
と増加します。
→ 予測される93億人を養うために、世界の農産物は
70%の増産を求められ、とくに急成長経済国では倍増さ
せなければなりません。
→ G7(アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタ
リア、カナダ)各国のGDPの合計は69兆ドルになるでしょ
う。
→ 一方でE7(中国、インド、ブラジル、ロシア、
インドネシア、メキシコ、トルコ)のGDPの合計は
138兆ドルになるでしょう。
消費者は、さらに多くのエネルギー、食料、水を求める
ようになり、各国政府は、食料の安全保障と食品安全の
双方を最優先項目に掲げることになります。現在は、豊
かさと人口で勝る国がその強みを利用し、土地だけでな
く、成熟した市場や新興市場で食料の供給源の獲得を
進め、経済の植民地化が起きています。そうした国はま
た、物流や食品安全への監視を強化し、技術を通してサ
プライチェーンの確保を進めています。
こういったメガトレンドはすべて、食品安全にも何らかの
影響を与えています。規制や技術は、消費者保護につ
ながるバランスの取れたアプローチを見出す必要があり
ます。企業にとってのベストプラクティスは、リスクに耐え
うるアプローチを備えた食品安全という有益な文化から
始まります。それはトップから始まり、食品サプライチェ
ーンの端から端までの統合を特徴とします。
食品の供給や食品の信頼
性に国境はありません。 重要なポイント:
❶ 世界の経済的パワーはアジアにシフトしています。
❷ 各国政府は、食料安全保障と食品安全を優先させるでしょう。
❸ 企業にとってのベストプラクティスは、食品安全という有益な文化に根差すことです。
Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY 7
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本会議 1
私たち共通の責務 ‐ 行動への呼びかけ
ASEAN経済共同体を実現させる
はじめに: Pushpanathan Sundram, ASEAN前DSGで現在はManaging Director of EAS, シンガポール
ASEAN経済共同体(AEC)は、東南アジア諸国にとって
地域経済統合のゴールです。2000年以来、FDI(海外直
接投資)成長率は平均14%、GDPの合計もほぼ3兆ドル
になりました。AECが目指すのは、きわめて競争の激し
い経済圏で機能する単一市場と生産拠点の創設であ
り、公平な発展と世界経済への完全な統合という特徴を
持っています。
Datuk Rebecca Sta Maria, マレーシア国際貿易産業
省, Chief Secretary
私たちは、金融統合、食品安全、そしてサービスのより
よい統合を特徴とする自由貿易協定の枠の中で、単一
2015年末には、地域包括的貿易協定の交渉完了ととも
に、ASEAN経済共同体が実施されるでしょう。規制およ
び投資の協定として提案されている環太平洋パートナー
シップ(TPP)も、2015年には完了するでしょう。
市場の創設を進めています。主たる目標は、貿易及び
経済活動を促進するため、地域内のさまざまな障壁を
できる限り取り除くことです。2007年に始まったこのプラ
ンも完了間近ですが、輸入割当と製品規制標準などの
仕事が残っています。というのも非関税障壁という制限
は、ASEANが、自由貿易の推進に当たって撤廃される
のが望ましいと考えているからです。
成長は、すべての参加国に変化をもたらすでしょうし、貿
易障壁の撤廃に伴って、食品安全は重要な課題の一つ
になります。農業および食品生産分野での規制システ
ムの整合を図る作業は、地域統合の鍵です。GFSIは、
能力を育成する多様なツールを用いた支援によって、こ
の作業に大きな役割を果たせると確信しています。フー
ド・インダストリー・アジアやASEANの食品・飲料連盟な
ら、このイニシアチブにおいてGFSIの重要なパートナー
になれると思います。
農業および食品生産分
野での規制システムの
整合を図る作業は、地域統合の
鍵です。
重要なポイント:
❶ 2015年末には、計画立案の段階が完了するでしょう。
❷ 食品安全は、貿易障壁の撤廃に伴って、重要な課題の一つになります。
❸ GFSIは、能力育成ツールを活用することで、この変化を支援します。
8
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Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY 9
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本会議 2
フード・サプライ・ウェブでの協力
司会: Mike Robach, GFSI理事およびVice President,
Corporate Food Safety, Quality & Regulatory, Cargill
境界を越えて:小規模サ
プライヤーが世界規模の
フード・サプライ・ウェブに
参入
Winnie Lin, Senior QA Specialist, Food Technologies
Division, Kemin, シンガポール
「Kemin社では、500以上の特殊な原料を製造しており、
人間や動物が消費する製品を通じて、重要な栄養素や
健康効果をお届けしています。GFSIが承認した認証の取
得を求める声があり、FSSC22000の取得に関わる作業の
機会を見定めました。
食品安全マネジメントシステムの開発に成功したので、
手始めに、原材料のリスク評価プロセスを新設しました。
またプロセスフロー図を作ったことで、危害要因の評価や
リスク配分、管理対応の決定の際に、照合が可能になり
ました。原材料ごとの品質計画は、要求されるであろうあ
らゆる検査を、その頻度と上限を添えてまとめ、このアプ
ローチを検査プログラムに統合しました。たとえばヒマワ
リ油の場合、ダイオキシンについては3ロットごと、PCPに
ついては10ロットごと、そして殺虫剤については年1回と、
バッチ検査の頻度を設定しました。そして社内監査と不
適合管理によってこの作業を検証し、重要な問題につい
ては、管理部門のトップにまで報告しました。
FSSC22000の要求事項は、顧客に認めてもらえるレベ
ルの保証を提供してくれる検査機関の選択に役立ちまし
た。このアプローチとリスク駆動型の分析プログラムを、
顧客に喜んでもらえました。
FSSC22000と一体化させた「原材料リスク評価」によっ
て、我が社は顧客の信頼とブランドの知名度を確立し、
顧客数と売り上げ全体の大幅な増加に結び付きました。
GFSIが承認した認証の
取得を求める声があり
ました。 重要なポイント:
❶ FSSC22000の要求事項は、原材料の新しいリスク評価プロセスの作成を促しました。
❷ 顧客の反応は好意的で、ブランドの知名度も上がりました。
❸ FSSC22000の認証によって売り上げが増えました。
10
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本会議 2
フード・サプライ・ウェブでの協力
サプライチェーンにおける重要なつながり:安全
で高品質の製品を市場に届けるメーカーの役割
Mark Overland, Director Global Certification, Cargill, アメリカならびに Cor Groenveld, Global Head of Food
Supply Chain Services
「これまでに学んできたのは、新たな要求事項を課すよ
りもむしろ、工場従業員と協力する重要性です。説明責
任の十分な理解も含め、サプライチェーン全体で系統立
ったコミュニケーションが必要です。カーギル社の施設で
は、訓練を受けた食品安全チームが、そうしたシステム
を日常的に設計し、実施し、管理しています。このチーム
は、システムを定期的に見直し改良する任務を負ってい
ます。」
Cor Groenveldは、GFSI発足当初からの参加者で、認証
機関についての見解を述べました。
2人の講演者は、高品質の製品を市場に供給するメーカ
ーの役割について、異なった見解を披露しました。Mark
Overland氏は、メーカーの視点から、カーギル社の施設
における統合食品安全マネジメント・システム(FSMSとし
て知られる)の歴史を語りました。
「我が社はこれまでHACCPしか取得しておらず、従
業員は押し付けられていると感じる傾向がありました
が、FSMSに切り替えた後は、FSSC22000と連携させ、
すべてのビジネスユニットが同じシステムで働いていま
す。次いで、独自で監査員アカデミーを作り、そのアプロ
ーチの継続的な調整作業に着手しました。私たちは、皆
を守ってくれるのは認証ではなく、そのシステムだと確信
しています。第三者による監査を通じたシステムに対す
る独立した評価が、持続可能で利益を生む事業の創設
を助けてくれます。」
「私は、つねに消費者から始まると信じています。消費
者は、日々の買い物の際に2つの事を求めています:食
品安全と品質です。
GFSI承認スキームの認証に関わるすべての機関に向け
た私のメッセージは、消費者が、徹底した監査の確保を
監査員やそのチームに対し要求しているということを肝
に銘じてほしいということです。それは単に衛生面や必須
のシステム、日々の必要項目のチェックについてだけで
なく、食品安全を牽引するマネジメントシステムの各要素
の徹底的な評価を通して、施設内での取決めや約束を
点検し改善するための協力についても言えることです。こ
の実現には、有能な優れた監査員がとても重要です。」
私たちは、皆を守るのは
認証ではなく、そのシス
テムだと確信しています。
重要なポイント:
❶ ニーズにもっとも見合うGFSI承認スキームを選ぶこと。
❷ 製造場所や企業に強力に働きかけてくれる認証機関を選ぶこと。
❸ サプライチェーンの保証は基本であり、自らの強みと弱みを知ること。
Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY 11
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本会議 2
フード・サプライ・ウェブでの協力
食品安全とサプライ・ウェブ・マネジメント:小売業者
の視点
Jan Kranghand, Regional Director QA MCCI Asia, Metro China
「中国に着いてまず受け入れなければならなかったの
は、国と食品産業のスケールの大きさでした。一例を挙
げれば、農場は2億ヵ所、食品加工工場は50万ヵ所もあ
ります。また、2013年の食品安全標準の統合を受けて、
多くの項目のうち、乳製品の安全性、汚染物質の上限、
そして殺虫剤の痕跡に対処する新たな国家標準は300
に上ります。こうした既存の標準を明確にし、2015年末
までに食品安全に対する権限を一元化することを目指し
ています。
食品安全は、中国に住む人々の70%以上にとって最大
の懸念事項であり、毎年9000万人が食品由来の病気に
苦しんでいます。消費者は中国人であることを誇りに思
っていますが、製品には信頼を無くしており、輸入品を
好む傾向があります。
私たちは、国民の信頼を取り戻したいと考え、独自の店
舗でスタートしました。HACCPを導入し、人々の文化の
改革と向上に取り組もうと決めたのですが、簡単にはい
かないことがわかりました。しかし多くの熱意で、12月12
日は全国的にHACCPデーになっています。私達の目標
は、86のMETRO卸売
店舗すべてがGFSI承
認スキームの認証を
獲得することです。
学んでおり、3000ほどの製品は、出荷元まで追跡可能
です。つまり消費者は、携帯電話でバーコードをスキャ
ンすれば、生産場所がわかります。新しい動きとして抜
き打ち検査を行っており、朝8時には査察のため工場に
入ります。こうした評価のための立ち入りを拒めば、その
サプライヤーはリストから外されます。」
中国に住む人々の70%以
上にとって、食品安全は
最大の懸念事項です。
私たちがリスク評価に
着手するのは、製品や
サプライヤーのためで
す。良いニュースは、61%の部分については、「標準的な
勤勉さ」で対処できるということです。「警戒感」を持って
対処するのが37%というのもまずまずでしょう。私たちが
「集中治療」と呼ぶのはほんの2%です。コンサルタント業
務を行うパートナー企業のStar Farm社と協力し、我が社
のサプライチェーンで、GSSIグローバル・マーケット・プロ
グラムを開始しました。2万人以上の農民が食品安全を
重要ポイント:
❶ 中国の食品安全の国家標準は見直しと統合が進んでいます。
❷ METROの86の卸売店舗は、2015年中にGFSI承認基準の認証を得るでしょう。
❸ METROは、GFSIの農民およびサプライヤー向けのグローバル・マーケット・プロ
グラムを活用しています。
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本会議 2
フード・サプライ・ウェブでの協力
供給網の強化:発展途上国で官民のリソースを
活用する
Nathan Belete, 世界銀行, Manager, Agriculture Practice East Asia Pacific
Nathan Beleteは、アジア太平洋経済協力会議食品安全
協力フォーラムと世界銀行が2012年12月に創設した「グ
ローバル・フード・セーフティ・パートナーシップ(GFSP)」
について述べました。
「ここでは、世界各国政府との話し合いに沿って私たち
が行ってきたいくつかの活動についてお伝えしたいと思
います。活動の中心は食品安全を推進するための能力
育成ですが、公衆衛生の向上や経済成長の促進にも関
心を持っており、発展途上国および中所得国に対象を絞
っています。
能力育成の提供において、私たちには、他とは違う何か
があると信じています。官民の活動を、重複しないよう調
整しながらまとめ上げる一方で、パートナーの力を活用
して、必要な規模を実現し、食品サプライチェーン網の
全体に働きかけることを目指しました。
現在進めている活動をいくつか紹介します。
→ 教育と考査を備えたHACCP能力育成活動。上海お
よびマレーシア。
私たちの誰も特異な立
場にいるわけではなく、
変化には調和のとれたアプロー
チが必要です。
→ 水産養殖能力育成活動。責任ある水産養殖財団(
定訳なし)および世界水産養殖同盟とともに行う、誰でも
自由に活用できる教育プログラム。
→ ニーズの評価。食糧農業機関(FAO)とともに、官民
双方に向けて、ザンビアで調和の取れた一連の提言を
行っている。
→ 化学物質リスク評価。従来の作業を引き継ぎ、誰で
も利用可能なモジュールを提供する。2015年に試験的
実施を予定。
→ 検査機関の能力育成。中国の3か所の施設とともに
4段階の教育活動を実施するため、官民および学術分
野の専門技術で影響力を発揮する。
この会議は、私たちの誰も特異な立場にいるわけでは
なく、変化には調和のとれたアプローチが必要だという
基本的なメッセージを再認識させてくれます。どうぞ皆さ
ん、デジタル・リソース・ネットワークに参加し、皆さんの
知識とベストプラクティスを教えて下さい。」
重要なポイント:
❶ GFSPの活動の中心は、食品安全を推進するための能力育成です。
❷ GFSPは官民の活動を一つにまとめています。
❸ 貴社と世界規模のプラットフォームとをつなぎ、他社の経験に学びます。
14
Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY
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本会議 3
食品安全を進めるための官民の協力
司会: Tom Heilandt, Secretary, Codex Alimentarius
Commission, イタリア
パネルディスカッション
Jacky Le Goslès, 欧州委員会(EC), Directorate
Veterinary and International Affairs, ブリュッセル
Jacky Le Goslèsは、欧州委員会(EC)のDG Santeと呼
ばれる保健衛生・食の安全総局(旧DG Sanco)でアドバ
イザーを務めています。Goslèsによれば、加盟28か国で
5億人の消費者を抱える欧州連合(EU)は、世界最大の
食品輸入国と言えます。
“私たちが望むのは、調和のとれた単一の市場であり、
域内のすべての消費者にそのシステムを信頼してほし
いと思っています。EUの法の原則は、公衆衛生を保護
するために、不当な貿易障壁なしに科学に基づいて行
使される正しい措置を伴った衛生植物検疫協定に基づ
いています。私たちは、予防に関する客観的な実証に
基づいて、加盟国の対等な所轄官庁の衛生植物検疫
(SPS)措置が受け入れられることを望んでいます。そし
てEUに輸出しているすべての国に同じことを求めます。
輸入食品に関する枠組みを遂行するため、審査に4つ
のレベルを設けており、最初は食品ビジネスの事業者た
ちから始まります。好ましくない監査報告や度重なる違
反には、一連の追加審査があります。厳しくすることもで
きますが、状況の改善努力を優先させたいと考え、公式
の教育訓練を始めました。それが「より安全な食品のた
めのよりよい教育訓練」と呼ばれるスキームです。この
教育訓練の技術的な支援を提供するのは、DG DEVCO
やDG TRADEといった欧州委員会のサービスです。
私たちの規制の枠組みは、6種のツール(個別の規制)
を備え、一次生産から消費者までフードチェーン全体に
対応しており、その範囲のなか
にはケータリング、輸送、配送
も含まれます。スプラウトの生
産に使われる種子などリスク
の高い食品については、個別
の要求事項が追加されます。
厳しくすることもできます
が、状況の改善努力を
優先したいと考えています。
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Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY
Global Food Safety Conference 2015 - Kuala Lumpur
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本会議 3
食品安全を進めるための官民協力
東南アジア
Dr. Siti Noorbaiyah Abdul Malek, 世界銀行, Manager, Agriculture Practice East Asia Pacific
アジアでは、官民の協力体制は非常に一般的で、昔か
ら存在します。しかし最近では、市民の生活改善を目的
に、民間事業者の公共事業への参加を可能にする、定
義の緩い仕組みとして利用されています。ASEAN統合
計画では、食品分野が取り上げられており、第一段階
は、食品法の確立と改訂です。次いで食品管理マネジメ
ント、食品検査、適正な検査インフラの開発へと進みま
す。その後に、業界のコンプライアンス、教育、海外や地
域の商取引の枠組み作りに注力することが可能になり
ます。
官民の協力体制は民
間事業者の公共事業へ
の参加を可能にします。
これらを実現するため、私たちは、加盟各国の協会や連
合などの組織から、ASEAN食品・飲料連盟という新たな
組織を作りました。
中国
Maohua Wang, 中国認証認可監督管理委員会(CNCA)
→ 合法的な加工業者であること
→ 中国の国の基準を守ること
→ CNCAに登録すること
しかし最近の色々な不祥事によって、輸入食品イコー
ル安全かつ品質のいい食品ではないことがわかってき
ました。私たちは中国で、オーガニックや適正農業規範
(GAP)といった第三者認証スキームを立ち上げました。
現在では、ベンチマーキングや規制の設置でGFSIと正
式に協力しており、我々の登録プロセスで、GFSI承認規
格の認証を認めています。認証によって輸出業者はより
速く登録できます。」
「私たちは、政府の監視機関として創設されました。独自
に認証や認定を行うことはありません。私たちのデータ
によれば、2万社が中国に輸出を行っています。彼らにと
って、巨大市場だからです。その仲間入りをしたいなら、
もちろん他社との競争は避けられませんが、三つの大
事なステップを押さえれば、実はそれほど難しくありませ
ん。
我々の登録プロセス
で、GFSI承認規格の認
証を認めています。
Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY 17
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本会議 3
食品安全を推進するための官民協力
中国
Yansong Wang, VP, Quality and Safety Management, Mengniu COFCO, 中国
「我々は、中国の農業食品部門の製品およびサービスで
最大のサプライヤーです。我々の目標は、健康的で栄養
のある食品を提供するために再生可能な自然資源を活
用することです。そのために、我々は、厳しい食品安全や
我々が考えていることは、品
質管理システムを国際レベル
までに最適化することです。
品質管理による品質・安全戦略に基づいて、乳製品部門
における確固たる基盤を構築しつつあります。これによ
って、我々は中国の消費者の信頼を取り戻せると信じて
います。我々が考えていることは、品質管理システム最
適化することです。これは、標準、技術、試験、ITツール
を使って世界的なレベルまでに継続的な改善を行うこと
を基礎とします。これは飼料に始まり、一貫した牛乳の品
質と安全性を保証するための家畜の飼育法や健康管理
を通して改善される必要があり、各段階での信頼のおけ
る試験によって完全なサプライチェーン・ソリューションを
もたらします。」
日本
横田美香, 農林水産省食料産業局食品企業行動室長
「我々は、グローバルな問題、地域の問題の2つの現実を
認識すべきです。つまり、グローバルには法規則の整合
に取り組む必要があり、一方、地域では、各地域の状況
や文化を認めつつ、食品安全活動を強化する必要があり
ます。このことは特に日本で当てはまります。日本の食品
業界は、ほとんど中小企業で、各地域で食品を供給して
います。 7年前、日本社会は食品安全問題に非常に敏感
になりました。そのため、我々は「フード・コミュニケーショ
我々は、GFSIのグローバ
ル・マーケット・プログラムに
も取り組んでおり、よく適合している
ことが分かりました。整合が進んで
いるのです。
ン・プロジェクト」をスタートさせ、これまで1,715社の食品企
業が参加しています。この活動には、セミナー、グループ
作業、交流などが含まれます。我々は共通のツールを作
り、グッドプラクティスを共有し、国際的な展開を話し合っ
ています。またGFSIのグローバル・マーケット・プログラム
にも取り組んでおり、これは非常に重要です。我々のチェ
ックリストとグローバル・マーケット・プログラムを比較しま
したが、よく適合していることが分かりました。整合が進ん
でいるのです。」
重要なポイント(セッション全体から):
❶ 欧州連合(EU)および中国への輸入に関する法規則では、それら地域への貿易
促進対象企業を選別するうえで、サプライヤーとしての力量も考慮しています。
❷ 法規則に整合性が必要なことは了解事項です。
❸ 解決に向けて必要なことは、まず各地域の食品安全文化に対して配慮と理解を
持つことです。
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本会議 4
成長の触媒としての知識共有
司会: Peter Begg, Sr. Director, Global Quality
Programs, Mondelēz International (MDLZ), 米国
GFSIグローバル・マーケット・プログラムによる
持続可能なサプライヤー育成プログラム入門 (マレーシア)
Gerardo Pataconni, Chief, Quality, Productivity and Enterprises Upgrading, UNIDO(国連工業開発機関), オーストリア
「そもそもは、2008年、エジプトでのUNIDO会議にGFSI
の Catherine Francois に参加いただいたことが発端でし
た。2009年には私の同僚である Ali Badarneh が、GFSI
グローバル・マーケット・プログラムの最初の会合に出席
し、その時から大きなうねりがスタートしたのです。それ
以来、我々はエジプトに始まり、インド、ロシア、ザンビア
といった多くの国々で、常に小売業者と提携しています。
地域でのキャパシティを如何に構築するかについて多く
を学びました。マレーシアに来た時、これがこのセッショ
ンの主題ですが、我々の専門性を発揮し、小売業者の
イオンとこの官民パートナーシップを発展させたいと願
い、2013年1月にクアラルンプールでこれを立ち上げまし
た。」
とです。
我々の役割は、これら
の組織を結集させるこ
「我々の役割は、これらの組織を結集させることです。我
々は範囲をさらに広げることを考えており、新しいアイデ
ィアと新しいパートナーシップを模索しています。この活
動をもっともっと広げたいからです。」
Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY 19
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本会議 4
成長の触媒としての知識共有
Ali Bardaneh, Industrial Development Officer, Quality,
Standards and Conformity Unit, Trade Capacity
Building Branch, UNIDO(国連開発会議), オーストリア
SSDP(持続可能なサプ
ライヤー育成プログラ
ム)は、地域の専門家育成を支
援する機能的なインターシップ(
実習)手段へと発展しました。
ここマレーシアでの我々の仕事は、GFSIグローバル・マ
ーケット・プロトコルを我々の業務のすべての基礎として
活用することです。我々は、食品安全のパフォーマンス
を高め、取引のパフォーマンスを強化し、地域の持続可
能な食品安全キャパシティを育成し、官民パートナーシッ
プを推進したい、と思っていました。3つの任務がありまし
た。パートナーシップを構築すること、プログラムを開発
すること、そしてそれらを協定と見做して守ることです。25
社のサプライヤーと始めました。我々は地域の専門家を
教育し、彼らはそれらサプライヤーと共に活動を開始し
ました。SSDP(持続可能なサプライヤー育成プログラム)
は、新たな修了生によって地域の向上と専門的な発展を
支える機能的なインターシップ(実習)手段へと発展しま
した。それが国の標準とぴったり整合するということをここ
にご報告します。」
SSDP参加者の声-若き起業家たち
Samantha Mah, Marketing Manager, Wide Tropism
Sdn Bhd マレーシア
「我々は、主に有機の主食をパックで販売する小規模輸
入業者です。我々はこのプログラムに参加し、これを行
うことですべてが変わったと皆様にはっきり申し上げるこ
とができます。ビジネスは成長するものであり、小さい企
業だから食品安全は必要ないということでは決してない
と認識しています。我々にとって食品安全は必須である
だけでなく、生活の一部です。
20
その主な成果は、まさに我
々のビジネスであり、我々
の売上の増大です。まったく予期し
ていなかったことを成し遂げたので
す。
我々は小さなオフィスを借りることから始めました。イオ
ンにアプローチを始めたとき、我々は断られました。食品
安全システムがなかったからです。我々は何度も何度も
トライし、決してあきらめませんでした。その後イオンから
我々がSSDPに参加することを要請され、変化とは改善
であること悟りました。また、すべてのことが時間を必要
とすることも分かりました。我々は基礎レベルから始めま
した。しかし、我々がすでに中間レベルを終えたことを誇
らしく皆様にお話しできます。我々にとって多くの変化が
あり、そして2年という時間がかかりました。しかし、2014
年5月に、ついにイオンに受け入れられました。このビジ
ネスを始めた時は、食品安全がそれほど重要だとは知り
ませんでした。
その主な成果は、まさに我々のビジネスであり、我々の
売上の増大です。まったく予期していなかったことを成し
遂げたのです。このプログラムは我々に自信をもたらし、
製品をより大々的に販売しています。SSDPに参加したこ
とですべてが得られました。そして今、我々は何か特別
なものを構築できるという自信があります。」
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本会議 4
成長の触媒としての知識共有
Philip Wong, Nis Spice Sdn. Bhd, マレーシア
「我々はスパイスを扱う小さな家族経営の会社です。主
にマレーシア料理に照準を当てています。我々の製品
はすべて、化学調味料を加えていない防腐剤不要のも
のです。SSDPに参加したことで多くのことを学びました。
それ以前は食品安全についての知識は、まったくなかっ
たと言えるでしょう。今では多くのことを知っています。そ
のことで我々への信頼は高まり、製品は改善され、そし
てビジネス機会が広がってきました。
我々は基礎レベルを終え、中間レベルに進みました。大
学からのインターンを受け入れましたが、大きな助けと
なりました。以前、我々には何もなかったことを思い出し
て下さい。QAやQCの恩恵を理解し、またインターンは手
順の構築を助けてくれました。手洗いや、機械の清掃の
ことを我々は知りませんでした。彼(インターン)から我々
毎朝、我々は、すべてが
清潔であるかチェックしま
す。我々は非常に入念になったと
言えます。
は学び、共に品質マニュアルを作成し、そして研究所で
の試験について知りました。以前は顧客がなぜ分析の
ことや試験のことを聞いてくるのか分かりませんでした。
二次汚染を防止するための防護服や衛生について知
りました。その結果、今では最終製品と原材料を別々に
保管しています。トレーサビリティのことを知りました。毎
朝、我々は、すべてが清潔であるかチェックします。
我々は非常に入念になったと言えます。SSDPは大
きな学習曲線でした。それによって販売が非常に増
え、我々は幸福になりました。」
人的キャパシティ(能力)の構築: Dr Lee, マレーシア・サバ大学
昨年、イオンは我々に参加するよう要請しました。さらに
イオンは我々の学生2名を教育し、これは彼らにとって
個人的に非常に効果があったと言えます。彼らは自身を
伸ばすことができ、また将来のキャリアのネットワークを
作ることが出来ました。これはイオンにとって実に賢明な
パートナーシップであり、一方、学生たちは知識を深め、
新たな就業機会を経験しました。」
「私は、SSDPがどのように我々の学生に産業訓練の現
実的な機会を提供しているかをお話しします。このコー
スを登録した学生はすべて、産業界で6カ月過ごさなけ
ればなりません。これは学生に働く経験をしてもらうとい
う我々の具体的な目的の1つであり、学生たちは経験と
ソフトスキルを高めることができます。
彼らは自身を伸ばすことが
でき、また将来のキャリア
のネットワークを作ることが出来ま
した。
Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY 21
Global Food Safety Conference 2015 - Kuala Lumpur
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政府の関与: Noraini Binti Dato’ Mohd Othman, マレーシア保健省上級ディレクター
規則9は、すべての組織が食品安全プログラムを導入
することを要求しています。我々は段階的なアプローチ
を踏む、非常にシンプルな認証をまとめ上げました。こ
れをSSDPと関連づけましたが、それが我々の食品安全
活動の全体を統合しています。これは我々すべてにとっ
て、ウィンウィンの状況をもたらします。この官民パート
ナーシップを通して、すべての食品関連組織が食品安
全プログラムを実行できるという恩恵があります。我々
はこのプロジェクトに大きな期待を持っており、皆様すべ
てが今後参加することをお願いしたと思います。」
「このテーマの最後のプレゼンテーションを行えることを
大変光栄に思います。ここマレーシアでは、食品法2011
をはじめ、我々が遵守しなければならない様々な法的規
制があります。
SSDPは、我々の食品
安全活動の全体を統合
しています。
重要なポイント(セッション全体から):
❶ UNIDOは、GFSIのグローバル・マーケット・プログラムをベースに、世界中で新た
な官民パートナーシップに関するアイディアとパートナーを求めています。
❷ SSDPに参加した小規模企業は、信頼と売上げを拡大しています。
❸ マレーシア政府は、SSDPを国として取り入れています。小売業者すべての参加
を要請しています。
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本会議 5
食品の将来を確かなものに - 共通の責務
司会: Peter Freedman, CGFマネージング・ディレクター
食品安全に対する責任
Tom Heilandt, 国際食品規格委員会事務局, イタリア
「食品は他とは違う商品です。それはすべての家庭にあ
り、それを買ったり、育てたり、料理したり、食べたり、子
どもたちに与えたりします。食品は、我々に生きる、そし
て創造するエネルギーを与えます。我々を丈夫に、そし
て健康に育てます。しかし、食品は我々を病気にしたり、
時には命を奪うこともあります。
食品は、いわば国際的な旅行者となりました。食品は容
易に国境を越え、その旅程の中でしばしば姿を変えま
す。新たな課題があります。新興疾病、食品偽装、栄養
失調、肥満です。それ故に規則を持つこと、その規則を
絶えず見直すことが重要です。
我々の仕事は、決して停止することはあ
りません。20の技術委員会、186の加盟
国、200のオブザーバーがいます。300以
上の規格と数千の化学残留物規制があり
ます。多くの発展途上国が、自国の食品
安全を改善するためにCodex規格に参加
し、依存しています。このことが、多くの市
民の生活を変えたと言えるでしょう。
Codexは、これらすべてのグローバルな食
品安全標準を構築し、見直すことで重要
24
な役割を果たしています。つまり我々は、すべての家庭
の中にすでに存在するのです。しかし、Codexと業界、公
的部門と民間の間の関係は、依然として長い道のりがあ
り、後押しし、発展させなければなりません。
もし食品が国際的な旅行者だとしたら、その全行程を国
際食品規格という無言のコンパニオンが同行していると
考えて下さい。Codexは、GFSIが我々と共にその道を歩
んでいくと考えています。
食品は他とは違う商品です。そ
れはすべての家庭にあり、それ
を買ったり、育てたり、料理したり、食べ
たり、子どもたちに与えたりします。食
品は、我々に生きる、そして創造するエ
ネルギーを与えます。我々を丈夫に、
そして健康に育てます。しかし、
食品は我々を病気にしたり、時
には命を奪うこともできます。
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本会議 5
食品の将来を確かなものに - 共通の責務
共有目的の文化-行動要請
Pradeep Pant, Former President, Asia Pacific and EEMEA Mondelez
「アジアは食品産業のグローバルリーダーにならんとし
ており、個人消費の来るべき増大に対処するためにす
べての食品サプライチェーンの推進力が必要とされるで
しょう。我々食品部門の小売価額は、2兆ドルと推定され
ており、その25%が加工食品です。しかし、2つの問題、
肥満と栄養失調が、将来への明るい見通しに影を落とし
ています。さらに過少投資や実践面の不備を伴った、劣
悪なサプライチェーンから生じる食品廃棄の問題にも我
々は直面しています。
昔風の食品の消費は、地域の強固な食品文化の意識
と結びついた確固とした顧客の信頼を特徴としていまし
た。そこでは個々人に定まった役割があり、共通の責務
の文化はありませんでした。ここアジアの食品業界は、
中国のメラミン事件で共通の責務の重要な意味に目覚
めたと思います。危機的な状況は、しばしば変化をもた
らす原動力となってきました。この事件で、多くの人々の
「今は単独で行動する時ではない」というメッセージが強
化されました。この事件から「フード・インダストリー・アジ
ア」が創設され、この組織が規制基準、食品安全、効果
的な公衆衛生アプローチと言った分野でアジアの大手
の食品メーカーが声を揃えて発言する機会を提供して
います。
今、我々は1つの業界として、スピードを
上げる必要があります。今はまさに、ベス
トプラクティスの重要なプロセスのみなら
ず、食品安全が生活の一部となることを
意味する文化的ダイナミクスにも取組み
始める時です。我々はまず地域レベルか
ら始まる共通の信念を見出し、そうすることで共に前進
することが可能になり、古い殻を壊し、共通の責務と言う
精神を見出すことが出来るでしょう。食べ物のような楽し
いものに疑念や不信などが有ってはなりません。変化す
べき時です。個人の、そして企業の情熱と原動力を我々
は必要としています。
プレゼンテーションを終えるに当たり、皆様に質問です。
明日、目覚めたとき、ご自分はどう行動なさいますか?」
ここアジアの食品業界
は、中国のメラミン事件
で共通の責務の重要な意味に目
覚めました。
重要なポイント:
❶ 2015年末には、計画立案の段階が完了するでしょう。
❷ 食品安全は、貿易障壁の撤廃に伴って、重要な課題の一つになります。
❸ GFSIは、能力育成ツールを活用することで、この変化を支援します
記録: Chris Anstey, 独立コンサルタント www.anstey-ltd.co
会議終了
GFSC2015のプログラム全体は以下をご覧ください:
http://www.tcgffoodsafety.com/images/PDF/gfsi_conference_programme_2015_website.pdf
Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY 25
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出展者
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GFSI 長期スポンサー
パートナー
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ダイヤモンド
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プレミアム
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GFSI 会議スポンサー
パートナー
プラチナ
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シルバー
ブロンズ
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カンファレンス・フォト
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ネットワーキング
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オープニング・セレモニー
発見ツアー
世界食品安全会議は、GFSI 議長のジェンク・
グロル、
マレーシア保健省大臣、
マレーシア国
際通商産業省大臣によって開会されました。
食品安全発見ツアーは、様々な食品安全マネ
ジメント・システムへのユニークな洞察を提供
しました。
GFSC 2015 の写真ギャラリーはこちらです :
https://www.flickr.com/photos/130140467@N03/
sets/72157651334019405/
詳細はこちらをご覧ください:
http://www.tcgffoodsafety.com/index.php/the-conference/
store-tours
ブレークアウト・セッション
本会議に加えて、10のブレークアウト・セッシ
ョンが食品安全における注目の話題に触れ
て、プログラムを完全なものにしました。
CGFS 2015の全プログラムはこちらです :
http://www.tcgffoodsafety.com/images/
PDF/gfsi_conference_programme_2015_website.pdf
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GFSI ステークホルダー・ミーティング
会議は年次ステークホルダー・ミーティング(
現在および新たに浮上中の食品安全問題に
ついてのオープンな対話と、将来のGFSIの目
標を形成する機会)をもって終了しました。
CGFS 2015の全プログラムはこちらです :
http://www.tcgffoodsafety.com/images/PDF/gfsi_
conference_programme_2015_website.pdf
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GFSC2015の参加者が食品安全について
オンラインで会話中!
世界食品安全に関するオンライン上の会話に
記録的な参加数
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デジタル・カンバセーション
に参加する時です!
GFSI twitter:
https://twitter.com/myGFSI
GFSI LinkedIn group:
https://www.linkedin.com/
grp/home?gid=1406807
GFSI website:
www.mygfsi.com
GFSI news:
http://www.mygfsi.com/
news-resources/news.html
世界食品会議2016について
#GFSC2016 を使って話しはじめ
ましょう
Global Food Safety Conference 2015 - EXECUTIVE SUMMARY 31