TOMODACHI ビヨンドトゥモロー グローバル・リーダーシップ・アカデミー

TOMODACHI ビヨンドトゥモロー
グローバル・
グローバル・リーダーシップ・
リーダーシップ・アカデミー2013
アカデミー
報告書
2013年
年3月
月8日
日~3月
月10日
日
TOMODACHI世代の
世代の地球規模課題への
地球規模課題への挑戦
への挑戦
開催場所: コレド日本橋(東京・中央区)
東京アメリカンクラブ(東京・港区)
主催:一般財団法人 教育支援グローバル基金
協力:バンクオブアメリカ・メリルリンチ
「ビヨンドトゥモロー」
ビヨンドトゥモロー」は、東日本大震災により
東日本大震災により被災
により被災した
被災した若者
した若者の
若者の
リーダーシップ教育支援事業
リーダーシップ教育支援事業です
教育支援事業です
TOMODACHI ビヨンドトゥモロー
グローバル・
概要
グローバル・リーダーシップ・
リーダーシップ・アカデミー2013
アカデミー
主催
一般財団法人 教育支援グローバル基金
協力
バンクオブアメリカ・メリルリンチ
日時
2013年3月8日(金)~10日(日)
趣旨
参加者は、2012年夏にTOMODACHIイニシアチブの下に開催された各プ
ロ グラム で渡米し た 高校生・ 大学生で、将来、グロ ーバルに活 躍する
リーダーとなることを志す70名。米国で夏を過ごした東北の学生が一堂に
会して、米国での体験を共有し、グローバル・アジェンダ(地球規模課題)に
ついて学び、その解決のために「TOMODACHI世代」の一人として自らがど
のような役割を果たせるのかを提言としてまとめました。
TOMODACHIイニシアチブとは
TOMODACHIイニシアチブとは日本と米国の将来の世代に投資する官民
パートナーシップです。TOMODACHIイニシアチブは教育・文化交流およ
び起業支援・指導者育成プログラムを通して、日米の将来の世代が互
いの文化や国を理解し、世界で通用する技術や国際的視点で日米関係
の将来に深く貢献する「TOMODACHI世代」の育成を目指しています。
詳細は www.usjapantomodachi.org/ja
メッセージ
ジョン・V・ルース
駐日米国大使
“東日本大震災の
東日本大震災の後、世界から
世界から支援
から支援してもらったように
支援してもらったように、
してもらったように、
いつの日
いつの日か彼らが他
らが他の困っている人
っている人々を助けるために行動
けるために行動できる
行動できる
グローバル・
グローバル・リーダーになることを
リーダーになることを願
になることを願っています”
っています”
参加者の皆様へ
東日本大震災から2年を迎えるにあたり、犠牲となった方々とそのご家族に改
めて哀悼の意を表します。時は過ぎても、2年前の出来事によって完全に変
わってしまった生活を取り戻すための努力を続ける方々を想い、私たちは支援
を継続していきます。
2011年3月11日以来、私たちアメリカ人は、東北の人々の意思の強さと回復力
に真の感銘を受けました。我々はとりわけ、直面している大きな逆境にも関わ
らずグローバル・リーダーを志す若者たちに勇気付けられたのです。
私は、TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー
2013において、これらの若い未来のリーダーたちに会う事ができたことを嬉しく
思いました。現代の地球規模課題に取り組む上での自らの役割について考
え、前に進もうとしていることを、彼らは誇りに思うべきです。
そして、東日本大震災の後、世界から支援してもらったように、いつの日か彼ら
が他の困っている人々を助けるために行動できるグローバル・リーダーになる
ことを願っています。
TOMODACHIイニシアチブを代表して、東北出身の新しい若い世代をサポート
できることを光栄に思います。TOMODACHI世代の学生たちは、日本のリーダー
であるだけでなく 、世界 の未 来における リーダーで もある のです。私 たち
TOMODACHIイニシアチブは、彼らに手をさしのべるべく常に寄り添い、支援を
継続していきたいと思います。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
I
3
目次
1.
メッセージ
03
2.
プログラム概要
05
I.
参加学生紹介
07
II.
大学生チームリーダー
09
III.
スケジュール
10
3.
参加学生の声
11
4.
プログラムハイライト
13
I.
体験共有
13
II.
グローバル・アジェンダとは?
15
III.
専門家インタビュー
17
IV.
海外留学セミナー
20
V.
リーダーとの対話
21
VI.
閉会式/提言発表会
23
VII.
ラップアップ・リフレクション
27
5.
メディア掲載
31
6.
合唱
32
7.
協力団体
33
8.
ビヨンドトゥモローとは
34
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
I
4
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グロー
2013年3月 ― 東日本大震災から2年の月日を経て開催された、TOMODACHI
参加学生たちは、2012年夏、TOMODACHIイニシアチブを通して、アメリカに滞在
TOMODACHI世代として果たすべき役割 ― 日米の架け橋となること、東北発の
自分たちの役割を自覚し、決意を新たにすべく、選考によって選ばれた70名が
震災を経験した自分たちだからこそ気づいた、『当たり前』のものがない生活の
東北から世界へ ― 学生たちの世界への挑戦が始まりました。
TOMODACHIサマー2012 各プログラム
TOMODACHIサマーコカ・コーラ
ホームステイ研修プログラム
約60名の高校生がワシントンD.C.グループツアーの
後、いくつかの州のホストファミリーのもとでホームス
テイしました。期間中は語学研修の他、著名な場所
や大学のキャンパスを訪問し、スポーツや文化行事
に参加して多くのアメリカ人と接するなど、アメリカの
社会、文化への理解を深める機会を得ました。
TOMODACHIサマーソフトバンク・
リーダーシップ・プログラム
参加学生
―TOMODACHI世代
世代―
世代
グロ
• ディ
• 専門
• 最終
約300名の東北出身の高校生がカリフォルニア大学
バークレー校の大学寮に滞在し、コミュニティリーダ
ーシップスキル、コミュニティサービス、ボランティア
プロジェクト等について学び、ボランティア活動にも
参加しました。アメリカのコミュニティサービス、ボラン
ティア活動体験者の話は帰国後それぞれの地元で
の活動の参考となるものでした。
TOMODACHI-MUFG
国際交流サマープログラム
約20名の中学生、高校生がホームステイやロサンゼ
ルスの大学での寮生活を経験し、語学研修、リー
ダーシップスキルの学習、地域ボランティア活動等
への参加に加え、アメリカの企業や現地コミュニティ
ーを訪れ、アメリカの文化や価値観を学ぶとともに様
々なアメリカ人と触れ合う機会を得ました。
東北出身で、2012年夏に
TOMODACHIイニシアチブの下に開
催された各プログラムで渡米した高
校生・大学生で、将来、グローバル
に活躍するリーダーとなることを志
す70名(書類選考により決定)
日米の
日米の架け橋と
TOMODACHIサマー
英語研修プログラム
• 留学セミ
東北の高校生がサンディ・スプリングの高等学校寮
に滞在し、様々な国から集まった同年代の学生たち
と共同生活をし、語学研修、アメリカの文化、政治、
歴史などについて学び、スポーツや料理等のグルー
プ活動を通じて学生同士の交流を深めました。
TOMODACHIサマー2012ビヨンドトゥモロー
米国プログラム~復興とまちづくり~
東北出身の9名の高校生、大学生がハリケーンやテ
ロの被災地や慰霊碑を訪れ、被災者や遺族との交
流を通じて、東北の復興に活かせる米国における復
興の取り組みを学びました。また大学教授や現地学
生との交流により東北復興にも関連性のある世界基
準の研究や視点に触れる機会を得ました。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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5
バル・リーダーシップ・アカデミー
ビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013。
在するという貴重な体験をしました。
のグローバルリーダーとなること、そしてグローバル・アジェンダに挑戦すること。
、東京で一堂に会しました。
の困難と、それがあることへの感謝の気持ち。
メンター
本アカデミーの支援企業バンクオブアメリカ・メ
リルリンチより、総勢18名の社員の方々が、メ
ンターとして各グループに参画して下さいまし
た。社会でリーダーとしてご活躍されているメ
ンターのアドバイスは、参加学生の議論だけで
なく、人生にも新しい視点を与えてくれました。
ローバル・
ローバル・アジェンダへの
アジェンダへの挑戦
への挑戦
ィスカッション
門家へのインタビューセッション
終プレゼンテーション
としての役割
としての役割
大学生チームリーダー
大学生チームリーダー
東北発の
東北発の
グローバルリーダーへの
への道
グローバルリーダー
への道
ミナー
• 各界で活躍するリーダーとの対話
本アカデミーには、各グループで学生の議論
や生活面をリード、サポートするため、日本全
国から、書類選考により選ばれた大学生が参
画しました。グローバルな経験を持つ身近な
リーダーの存在は、参加学生の視野を広げま
した。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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参加学生紹介
プログラム概要
東北出身で、2012年夏にTOMODACHIイニシアチブの下に開催された各プロ
グラムで渡米した約400名の学生から、将来、グローバルに活躍するリーダー
となることを志す70名の高校生・大学生が選出されました。米国に滞在した体
験を、今後の活動に活かし、世界に活躍できる人材になるという熱意と志を持
つ70名が厳しい書類選考によって選ばれ、アカデミーに参加しました。
参加学生一覧(1/2)
参加学生一覧
氏名
学校
学年 参加P
氏名
学校
学年 参加P
岩手
東紗希
東谷美紅
伊澤久也
植野雅
大村真奈美
小野寺未来
葈澤詩穂
熊谷祐弥
岩手県大槌高等学校
岩手県立不来方高等学校
岩手県立黒沢尻北高等学校
岩手県立不来方高等学校
岩手県立一関第一高等学校
岩手県立釜石商工高等学校
岩手県立釜石高等学校
岩手県立盛岡北高等学校
2
2
2
1
2
2
2
3
S
C
S
S
S
S
C
S
関口琴乃
樋澤慎海
東梅佳菜
新沼理奈
廣野秀幸
梁川菜美
山崎成歩
遊佐紀子
岩手県立宮古商業高等学校
岩手県立不来方高等学校
岩手県立大槌高等学校
岩手県立大船渡高等学校
岩手県立大船渡高等学校
一ノ関修紅高等学校
岩手県立盛岡第四高等学校
岩手県立宮古高等学校
2
2
2
3
2
3
1
2
S
C
S
S
S
C
S
C
鈴木杏奈
武田麗美
丹野利紗
千葉奈央
津田陽向
徳永匡臣
新沼芙実乃
沼津明日香
橋本捺央
畠山里沙
半田大輝
深谷華
堀江美波
三浦美優
和久祐太
若生瑞希
宮城県石巻西高等学校
宮城県仙台東高等学校
宮城県仙台第一高等学校
宮城県仙台二華高等学校
宮城県石巻高等学校
宮城県仙台第二高等学校
仙台育英学園高等学校
宮城県石巻商業高等学校
宮城県仙台第二高等学校
宮城県気仙沼高等学校
東北高等学校
仙台高等専門学校
宮城県仙台東高等学校
宮城県気仙沼西高等学校
仙台育英学園高等学校
宮城県仙台東高等学校
3
2
2
2
1
2
2
2
3
2
3
1
3
3
2
2
C
S
C
S
S
A
S
S
S
C
S
S
S
C
S
S
鈴木千乃
藤田苑子
三春咲絵
宗像繭
森愛梨
矢代悠
福島県立湯本高等学校
福島県立安積高等学校
福島県立原町高等学校
福島工業高等専門学校
福島県立白河高等高校
福島県立双葉高等学校
2
2
1
2
2
2
S
S
C
S
S
S
宮城
阿部愛美
阿部愛里
阿部成子
市村岳哉
伊藤明日香
岩渕阿椰茄
遠藤まりな
遠藤見倫
太田佳奈
小倉麻以佳
尾地慶忠
梶原風有子
加藤克弥
近藤佑太
熊谷杏奈
今野涼太
佐藤奈々
宮城県石巻市立女子高等学校
宮城県気仙沼西高等学校
宮城県佐沼高等学校
宮城県多賀城高等学校
宮城県多賀城高等学校
宮城県石巻好文館高等学校
宮城県宮城第一高等学校
石巻専修大学
聖ウルスラ学院英智高等学校
宮城県仙台二華高等学校
宮城県仙台第三高等学校
宮城県気仙沼西高等学校
宮城県気仙沼高等学校
宮城県名取北高等学校
宮城大学
宮城県黒川高等学校
宮城県気仙沼西高等学校
2
2
1
3
2
2
2
1
2
2
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3
1
2
1
3
3
S
S
M
C
S
S
A
B
S
M
S
C
C
S
B
C
C
福島
小笠原美樹
金子正輝
菅野英那
木下なつみ
黒澤永
坂本健吾
三瓶雄河
福島県立磐城高等学校
福島県立会津高等学校
福島県立須賀川桐陽高等学校
福島県立相馬高等学校
福島県立会津高等学校
福島県立平工業高等学校
日本大学東北高等学校
2
2
3
3
2
2
2
S
S
S
C
A
S
S
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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参加学生一覧(2/2)
参加学生一覧
氏名
学校
学年
参加P
氏名
学校
正田真悟
茨城県立土浦第一高等学校
学年 参加P
山形
目黒妃呂美
東北公益文科大学
1
B
茨城
古田土美記
茨城県立水戸商業高等学校
2
A
1
A
東京(進学のため)
小野寺栄
早稲田大学
1
B
神奈川県(震災後に避難)
鎌田千里
翔洋学園高等学校
3
C
沖縄県(震災後に避難)
根本匠
沖縄県立那覇西高等学校
3
S
ビヨンドトゥモロー 高校留学プログラム参加者
有本温子
St. Timothy’s School(米国)
2
B
小川彩加
Leelanau School(米国)
3
B
参加P:参加プログラム
C:
S:
M:
A:
B:
TOMODACHIサマーコカ・コーラホームステイ研修プログラム
TOMODACHIサマーソフトバンク・リーダーシップ・プログラム
TOMODACHI-MUFG国際交流サマープログラム
TOMODACHIサマー英語研修プログラム
TOMODACHIサマー2012ビヨンドトゥモロー米国プログラム~復興とまちづくり~
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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8
大学生チームリーダー
プログラム概要
プログラム概要
アカデミー開催中、日本全国から集まった多種多様なグローバル経験も持つ
大学生・大学院生が各チームにつき、参加学生と共に2泊3日を過ごしまし
た。長期留学の経験があり、世界の問題について高い意識を持つ9名が、書
類選考と電話面接により全国から選出され、参加学生たちの指導・助言にあ
たりました。
チーム1
デイナ フェイガー (Dana Fager)
名古屋大学大学院経済学研究科研究生
チーム2
吉田尚英
京都大学経済学部経済経営学科3年
2012年9月に来日。現在、フルブライトプロ
グラムにて1年間留学中。高校時代には
2007年秋からイスラエルで9ヶ月留学。さらに
大学時代には2009年秋から甲南大学に9ヶ月留学も経験。様々な国際交流
によって視野が広がることを体感し、将来は留学や国際交流プログラムの管
理者を目指す。
2012年1月よりスウェーデン・ウプサラ大学に1年
間留学し、今年1月に帰国。アメリカとは経済・政
治など様々な面で異なるスウェーデン留学での
経験をTOMODACHI世代と共有したいと願い、
本アカデミーの参加を決意。
チーム3
野地洋平
一橋大学大学院経済学研究科修士課程1年
チーム4
大路幸宗
京都大学文学部人文学科3年
福島県出身。学部時代に2010年夏よりアイル
ランド・ダブリンへ1年間留学。2012年夏には、
ヒラリー・クリントン国務長官(当時)へのスピー
チや第64回日米学生会議へ参加を経験する。
人への投資こそ復興につながると考え、現在は
米国大使館にてTOMODACHIのインターンを行う。
2012年2月から2013年1月までオランダ・ライデ
ン大学に交換留学。趣味はバックパック。これま
でに17カ国への渡航経験有り。これからも新し
い出会いと経験を求めて世界を巡りたいと考え
ている。
“ 参加学生の
参加学生の 震災体験談は
震災体験談は 、 強く 心 に響いた。
いた 。
彼 らは何
らは 何 かアクションを
アクションを 起 こしたいけど「
こしたいけど「何 を
すればよいかわからない、
すればよいかわからない、 仲間がいない
仲間がいない」
がいない」とい
う 問題を
問題 を 感じている。
じている。アカデミーでの
アカデミーでの出会
での出会いを
出会いを
プラットフォーム
プラット フォームとして
フォームとして今後
として今後も
今後 も繋 がりを保
がりを保ち 、
アクションを
アクションを起こしてもらいたい”
こしてもらいたい”
チーム6
飯田智
国際基督教大学教養学部
アーツサイエンス学科1年
チーム5
水田勝利
創価大学工学部環境共生工学科4年
2011年3月よりアメリカ州立ワシントン大学に留
学し、国際経営等を専攻。米国政府環境保護庁
(EPA)で3ヶ月間インターンシップを経験。現在の
専門は環境土壌学。植物燃料の原材料として有
名な植物(ジャトロファ)を扱い、土壌研究を企業
と共同で実施中。将来の夢は、アフリカでの農業ビジネスを確立させ、世界に
向けて植物由来の燃料を供給すること。
チーム7
山下真貴子
宮崎大学医学部医学科5年
高校2年次にアメリカ・ミシガン州に1年間留学。
現在、大学ではフライングディスク部に所属。
これからの世界を支える世代の一員として、自分
にできることを着実に果たしていきたいと考えている。肌で感じたアメリカでの
経験をTOMODACHI世代の学生と共有したいと願い、本アカデミーに参加。
高校1年次、YFUで盛田国際教育振興財団奨学
生として、ドイツ・ニュルンベルクに1年間留学。
大学3年次には第62回日米学生会議日本側代
表、大学4年次には地域医療振興協会派遣のオ
レゴン健康科学大学家庭医療科にて3週間実習
を経験。同年、米国財団法人野口医学研究所よりハワイ大学clinical
reasoning workshopに参加。2013年6月、カリフォルニア大学アーバイン校に
て宮崎大学留学生として、1ヶ月小児科実習予定。
チーム8
堀井穂子
慶應義塾大学法学部法律学科4年
チーム9
浅野愛佳
国際教養大学国際教養学部1年
2011年9月から1年間、オランダ・ライデン大学に
留学。国際法や法と開発について学ぶ。自らの専
門分野である法律を活かして途上国支援に関わ
れることを探していた時に法整備支援という分野
に出会い、卒業後は同分野で修士課程に進む予定。学生時代にはアイセッ
ク、国際会議、模擬国連、募金活動などの他に環境啓発団体を立ち上げるな
ど世界各国で活動。
小学2年生からボランティア活動に取り組み、中
学時代には地域活性化のためのボランティア団
体を設立。それらの活動が評価され、米国ボラン
ティア親善大使に任命される。高校1年次には全
米表彰式と国際会議にも参加。高校時代にはAFSでワシントンDCの芸術学校
に1年間留学し、声楽を専攻。ホワイトハウスのクリスマスコンサートや、ス
ティービーワンダーのバックコーラスなどの活動経験を持つ。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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プログラム概要
スケジュール
3月
月8日
日(金)
13:00~14:00
14:00~14:30
14:30~15:30
15:30~16:00
16:00~17:00
18:00~19:00
19:00~21:30
3月
月9日
日(土)
7:00~ 8:00
9:00~10:00
10:00~10:30
10:30~11:00
オリエンテーション・アイスブレーキング
体験共有
ディスカッション 「アメリカで何を学んだか」
レクチャー「グローバル・アジェンダとは?」
講師:石倉洋子 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授
・なぜ世界のことを学び、国際問題を考えることが重要なのか
ディスカッション 「何が問題で、なぜ問題なのか」
・エネルギー・食糧・水、それぞれの領域において、今何が課題になっているのか
夕食
合唱練習&ムービー・ナイト
15:30~16:30
16:30~17:00
17:00~17:30
17:30~18:00
18:00~20:00
朝食
海外留学セミナー
自己紹介&クッキーブレイク
プレゼンテーション 「何が問題で、なぜ問題なのか」
・8日に作成したプレゼンテーションの発表
フィードバック&課題発表
インタビュー準備
昼食
インタビュー・セッション
中村俊裕 米国NPO法人コペルニク 共同設立者・CEO
藤沢久美 特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International 理事
木山啓子 特定非営利活動法人ジェン(JEN) 理事・事務局長
ディスカッション 「プレゼンテーション準備」
中間発表
ディスカッション 「最終プレゼンテーション準備」
合唱練習
ディナー・パーティー
3月
月10日
日(日)
7:30~8:30
8:30~10:00
11:30~13:30
13:30~14:15
15:30
朝食&荷物移動
合唱練習&最終プレゼンテーションリハーサル
ランチョン/閉会式
ラップアップ・リフレクション
解散
11:00~11:30
11:30~12:00
12:00~13:00
13:00~14:30
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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10
参加学生の声
関口琴乃
岩手県立宮古商業高等学校
アカデミーに参加した理由は、3月11
日の出来事に対して徐々に関心が薄
れてきているからです。自分自身が
“ショック”という気持ちを感じておら
ず、それはダメだと判断しました。実
際にアカデミーに参加して、それぞれ
の体験を共有したおかげで、また命の
大切さなどを感じることができました。
小野寺栄
早稲田大学商学部
バンクオブアメリカ・メリルリン
チの社員メンターさんが議論
中、私たちのディスカッション
が止まりそうな時に、新しい
視点や当たり前のことを疑う
意外な視点を与えてくれた。
私もそうした社会人になれる
ようにこれからもっと「勉強し
たい」という強い気持ちが強く
芽生えた。
金子正輝
福島県立会津高等学校
震災の後は、生きる気力がなかったよ
うに感じます。でもTOMODACHIプログ
ラムでアメリカに渡り、その活動の中
で、いつの間にか自分がリーダーとい
う立場にいました。そのことから自信
がついて、高校の間にできることは全
部やろうという気持ちが出ました。今
回のアカデミーにも参加し、これから
ももっともっと精力的に活動していき
たいという気持ちが強くなりました。
古田土美記
茨城県立水戸商業高等学校
岩渕阿椰茄
宮城県立石巻好文館高等学校
今回、アカデミーに参加したおかげ
で、英語の勉強をもっと頑張って、ま
たアメリカで留学したいと思うようにな
りました。また同様に、将来はアメリカ
で看護師の仕事をしたいと思うように
もなりました。
学校や普段の生活では、自
分を抑えている。言いたいこ
とを言ったとしても、みんな反
論すらしてくれなくて、何に対
しても「いいよいいよ」って言
う。そうすると自分も気付けば
人に対して気を使うように
なっ ていて、何 も発言し なく
なっ て いる 。 でも ここ じ ゃ 違
う。意見を言ったら、それに答
えてくれる仲間がいる。それ
がとにかく楽しい。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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東梅佳菜
岩手県立大槌高等学校
私は震災当時、津波によりお店が流
され、食料を手に入れるのが困難な
中 で生 活 をし ていま した 。そ れまで
は、自分たちが食料を得られなくなる
状況を考えたこともありませんでした。
震災を経験して、日本の食糧の豊か
さと、当たり前に食事をすることができ
る生活がどれほど幸せなことなのか
気づかされました。先進国をはじめ、
世界の人々が途上国の現状に関心を
もつことが必要なのだと思います。
宗像繭
福島工業高等専門学校
このアカデミーで経験するまで、議論が
こんなに楽しいとは思いもしませんでし
た。地元の友人との会話や学校では感
じたことのない、鳥肌の立つような議論
を繰り広げることができました。
加藤克弥
宮城県気仙沼高等学校
インタビュー・セッションの時に藤沢久
美さんが言っていたように、子供は大
人の姿を見て育つ。だからこそ子供が
変わることで、その子供が親となった
ときに世界全体が変わることができる
のではないだろうか。長期的な視点
で、肥満に対する意識を変えるために
も、まずは子供の意識を変えないとい
けないと思います。
阿部愛里
宮城県気仙沼西高等学校
アカデミーで学んだことを活かし、
これから気仙沼でツアーをつくっ
て、まちおこしをしたい!きっかけ
はTOMODACHIでアメリカへ研修に
行って、チームで何かを作りあげる
ことの楽しさを学んだから!
木下なつみ
木下なつみ
福島県立相馬高等学校
私はアカデミーに参加するま
で、大学入学後、長期留学す
るのは無理かと思っていた。
でも海外留学セミナーでたく
さんの留学に関する情報と経
験談を聞けたおかげで、これ
から頑張って良いプログラム
と奨学金を探して、是非申込
みたいと思った。
樋澤慎海
岩手県立不来方高等学校
地球規模課題が解決されない原因としては、「格差」があると
思います。それは、先進国と途上国との格差、そして地球規
模の問題に対する意識の格差です。それらをなくす為、私た
ちTOMODACHI世代がグローバル問題に興味を持ち、多くの
人に伝える必要があると思います。私は、自分自身知識が足
りないと思うので、このプログラムでたくさん知識を得て、自分
の考えを持ち、多くの人に伝えていきたいです。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
I
12
2011年3月11日、何が起こったのか。
震災で何を失い、何を得たのか。
アメリカでの滞在は、自分に何を教え、どのような変化をもたらしたか。
プログラムハイライト
「体験共有」
TOMODACHIファースト・ジェネレーション
参加学生たちは互いの体験を共有することで、TOMODACHI世代としての自
覚と絆を深めました。
学生スピーチ
学生スピーチ 抜粋
“震災の
震災の「せいで」
せいで」、ではなく、
ではなく、震災の
震災の「おかげで」
おかげで」得られた、
られた、と言えるものを、
えるものを、自信を
自信を持って仏壇
って仏壇の
仏壇の前で祖母に
祖母に報告で
報告で
きるように、
きるように、将来の
将来の目標に
目標に向かって一生懸命生
かって一生懸命生きていきたい
一生懸命生きていきたいです
きていきたいです”
です”
幼いころに母を病気で亡くしている私にとっては、
祖母は母のような存在でした。そんな祖母を亡く
し、これから自分はどうやって生きていけばいいの
だろう震災からしばらくの間、私は途方に暮れる
日々が続きました。
そんな時、友人を通じて、TOMODACHIサマープロ
グラムの存在を知りました。
私は、アメリカでのホームステイを通じて、ホスト
ファミリーに自分の言葉で、地元の写真を見せな
がら3月11日の話をしました。そして、感謝の気持
ちを伝えることもできました。自分の語彙力のなさ
にもっと喋れたら、と悔しくもありました。しかし、日
本にいるときやりたいけれど実際難しいと思ってい
たことが、たくさんの人の力を借りることで、自分
自身でやることができました。
このような体験を通して私は思いました。何でも
やってみなきゃわからない。うまくいくかもしれない
し、いかないかもそれない。でも、やらないで後悔
するくらいなら、やってしまおう。
そんな私には、目標があります。大学生になった
らアメリカに留学して、昔からの夢であった、デザ
インの道に進みたいです。今生きている私が、自
分の目標に向かって懸命に笑って生きていくこと
が、亡くなった祖母へのせめてもの報いなのでは
ないかと思います。震災の“せいで”、ではなく、震
災の“おかげで”得られた、と言えるものを、自信
を持って仏壇の前で祖母に報告できるように、将
来の目標に向かって一生懸命生きていきたいで
す。
遊佐紀子
岩手県立宮古高等学校 2年
TOMODACHIサマー
コカ・コーラホームステイプログラム
“失敗を
失敗を恐れないことの大切
れないことの大切さを
大切さを教
さを教えてくださった皆
えてくださった皆さんに感謝
さんに感謝すると
感謝すると共
すると共に、
今自分が
今自分が置かれている状況
かれている状況にもひるむことなく
状況にもひるむことなく進
にもひるむことなく進んで行
んで行きたい”
きたい”
翌日、テレビをつけてみると、福島第一原子力発
電所の水素爆発事故のニュースが飛び込んでき
ました。家の中はまだ全然片付いていなかったの
ですが、ニュースを見て10分後には母に言われる
ままに東京の親戚の家に避難し、そこで1ヶ月ほど
過ごしました。
根本匠
沖縄県立那覇西高等学校 2年
TOMODACHIサマー
ソフトバンク・リーダーシップ・
プログラム
再び福島に戻り、私は震災前に合格が決まってい
た高校に通いました。そうして10ヶ月が経った頃、
突然母の口から家族4人で沖縄に引っ越すことに
決めたと告げられました。これまで過ごした家、地
域、学校、友人。大好きな福島を離れることには、
本気で悩みました。悩んで悩みぬいた末、私は沖
縄に移住することに決めました。
沖縄に移住してから数ヵ月後、私はソフトバンク
リーダーシッププログラムの一期生の一人に選ば
れ、300人の仲間と共にカリフォルニア大学バーク
レー校で3週間「リーダーシップ」について学ぶ機
会を与えていただきました。
プログラム中、私が特に衝撃を受けたのは、アメリ
カで仕事や大学に通っている日本人の方々のお
話です。知らない場所で新たなことにチャレンジす
る彼らの話は、震災後もやもやしていた自分の進
路をパッっと開いてくれたように思いました。
将来は、必ず留学したいと思っています。失敗を
恐れないことの大切さを教えてくださった皆さんに
感謝すると共に、今自分が置かれている状況にも
ひるむことなく進んで行きたいと思っています。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
I
13
“私は将来、
将来、外国と
外国と日本を
日本を繋ぐ架け橋になりたいと考
になりたいと考えるようになりました”
えるようになりました”
私は津波で父と祖母を亡くしました。亡くして初めて、
父と祖母の偉大さを感じました。自分でも驚くほど大
きな悲しみに襲われました。いつでも私の味方だっ
た、誰よりも心の広い父に、冷たく当たっていたことが
悔しくて、今でも動き続けている父の唯一の遺品であ
る腕時計は、今でも私を見守っている気がして、見る
たびに「ありがとう」と「ごめんね」を言いたくなります。
阿部成子
宮城佐沼高等学校 1年
TOMODACHI-MUFG
国際交流サマープログラム
1年がたち、私はアメリカへ行くチャンスを頂きました。
元々外国が好きで、アメリカにも行ってみたいと思っ
ていたので、本当にありがたい機会でした。私はアメ
リカで英語だけではなく、たくさんのことを学びまし
た。
震災があった後で、精神的に弱っていたからこそ、ア
メリカへ行って、以前よりも生きる力が強くなったと思
います。そしてアメリカでの2週間は、私の価値観も変
えました。
このアメリカでの経験を経て、私は将来、外国と日本
を繋ぐ架け橋になりたいと考えるようになりました。素
晴らしい機会をたくさん与えて頂いたからには、この
経験を最大限に生かした仕事をしたいと考えていま
す。今はまだ何に対しても知識が少ないため、これか
ら更にたくさんの事を経験して、高い目標をもって将
来について考えていきたいと思います。
“過去は
過去は今を変えられないけれど、
えられないけれど、今は未来を
未来を変えられる”
えられる”
地震の直後、父に電話をかけると、奇跡的に電話
がつながりました。父は、これから家に帰るところ
だと言い、受話器越しに車のエンジンをかける音
が聞こえました。これが父との最後の会話になり
ました。
私は一人娘で、ずっとお父さんっ子として育ちまし
た。父の死を受け入れることが出来ず、父の遺体
がみつかるまでの間、毎日、父の携帯に電話をか
けました。誰も出ないのはわかっていたけれど、毎
回、恐怖の中で電話をかけ、誰も出ないことを確
かめて電話を置いては泣きました。復興、復興、と
いわれても、私の心は立ち止まったままでした。
そんな時、私は、ビヨンドトゥモローに出会いまし
た。何が出来るかわからない時、何が出来るかを
考える場に出会いました。それまでずっと孤独でし
たが、ビヨンドトゥモローで一生の仲間と最高の時
間を共有し、絆が生まれ、仲間が出来ました。
そして昨年の夏、ビヨンドトゥモローのプログラム
で、私はアメリカに行きました。私が印象的だった
ことは、ニューヨークにあるWorld Tribute Center
へ訪問したことです。そこは9.11の記念館のような
ところでした。WTCの館長さんに、事故当時の映
像やモニュメントなどを案内してもらいました。そこ
で語られたことは涙なしには聴いていられません
でした。
この夏、アメリカに行ったことで、私には、ジャーナ
リストになり、人と人を言葉でつなぐ役割を果たし
たいと考えるようになりました。この新しい夢を叶
えることで、私は、誇りに思っている父が生きてい
たという証になりたいと思います。過去は今を変え
られないけれど、今は未来を変えられる。震災を
通して、人と繋がり、行動した私が得た想いであ
り、未来に伝えたいことです。
遠藤見倫
石巻専修大学 1年
TOMODACHIサマー2012
ビヨンドトゥモロー米国プログラム
~復興とまちづくり~
“私たちには東北
たちには東北を
東北を、そして世界
そして世界を
世界を変えていく力
えていく力がある”
がある”
わたしが参加したプログラムは、アメリカのメリー
ランド州で寮生活をし、おもに現地の高校の授業
を受け英語力を磨き、さまざまな国から留学生とし
て来ている同年代の人と交流し異文化を学ぶ、と
いうものでした。
遠藤まりな
宮城県宮城第一高等学校 2年
TOMODACHIサマー英語研修
プログラム
ここでは言い尽くせないほど素晴らしい体験の中
で、心に一番残っていることは、東日本大震災に
ついてのプレゼンテーションをしたことです。プレ
ゼンテーション発表は留学の最後の日でした。
ちゃんと伝わるだろうか、不安が胸を渦巻く中、ス
テージに立って発表しました。発表が終わると、私
たちの目に映ったのは涙を流して聞いてくれてい
た友人たちの姿でした。トルコの留学生が、プレゼ
ンテーション後このようなコメントをしてくれました。
「私は今まで東日本大震災については知らなかっ
た。日本人の友人がこのような辛い経験をしてい
たなんて知らず、とても日本人は強いと感じた。日
本の復興を、心から祈っているわ」と。わたしたち
の思いは伝わった、そう思えた瞬間でした。
わたしは将来、国際的な仕事に就き、世界協力の
ために働いていきたいと思っています。私は今もこ
うして未来の復興を担う私たちの支援をしてくださ
るビヨンドトゥモローの方々をはじめ、ルース駐日
米国大使、関係者の方々、支援をしてくださった世
界中の国や人々に、恩返しをしていきたいと考え
ています。
TOMODACHI First Generation、この言葉を聞くと
このプログラムで出会えた仲間の姿が浮かび、心
強く感じられます。あの夏、TOMODACHIプログラ
ムでアメリカに行った誰もが何か大きな大切なこと
を得たと思います。私たちには東北を、そして世界
を変えていく力があると信じ、未来へ大きな一歩を
踏み出していきたいです。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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14
グローバル・アジェンダ(地球規模課題)について考える
プログラムハイライト
「グローバル
アジェンダとは?」
今回のTOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデ
ミー2013では、地球の人口が増加すると共に、足りなくなると考えられる「エネ
ルギー」「食糧」「水」の3つの課題に焦点を当てました。
東北から世界を想う ― 東北発の未来のリーダー候補として、自分たちに何が
できるのか。参加学生たちは、世界に想いを馳せ、グローバル・アジェンダに
ついて仲間たちと議論しました。
グローバル・
グローバル・アジェンダ -エネルギー・
エネルギー・食糧・
食糧・水-
2011年、世界の人口は70億人に達しました。今、私たちが持っている資源、エネルギー、食糧は、人口30億人で暮らすのがやっとだと言われて
います。 人口は、2083年には、100億人に達するとも言われており、資源、エネルギー、食糧の不足が懸念されます。
このように、人口に対して必要なものが足りなくなる状態では、格差が生まれます。現在、地球上では、豊かな地域と貧しい地域があり、生まれ
た場所が違うだけで、命の安全や、安心した暮らしに大きな差があるのです。
地球上の大切な資源でありながら、人々の必要を満たす形で行き渡っていない3つの課題を「グローバル・アジェンダ」として設定し、
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013の中で取り上げました。
水
エネルギー
食糧
事前課題
参加学生たちには、グローバル・アジェンダについての参考資料が
アカデミー開催前に配布され、事前課題が課されました。
1.
2.
3.
【英語課題】What was the most striking thing in America?
【振り返り】アメリカで初めて気づいた社会の問題。
【読書課題】グローバル・アジェンダについて考える。
プログラムを
プログラムを通した学生
した学生たちによる
学生たちによる憲章
たちによる憲章の
憲章の作成・
作成・発表
プログラム2日目の朝、提言の課題が発表されました。学生たちは、事前課題についてそれぞれの考えを持ち寄り、2泊3日を通して議論
を深めていきました。
グローバルな
グローバルな課題を
課題を解決するための
解決するための学生連合
するための学生連合の
学生連合の創設
もしも世界各地にビヨンドトゥモローがあったなら。
もしも国境を越えて若者たちがTOMODACHI世代としてつながることができたなら。
みなさんは、エネルギー・食糧・水のいずれかの課題の解決のために、国際的な学生連合を創設すると仮定してください。
創設にあたり、創設チャーター(憲章)を作ります。
プレゼンテーションの
プレゼンテーションの内容
1.与えられた各テーマについて、何が問題なのか
2.その課題解決のために、若い世代である自分たちに何ができるのか
3.国際的な学生連合の創設により実施したい施策
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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ステップ① レクチャー「グローバル・アジェンダとは」
グローバル・アジェンダについてのレクチャー
プログラムハイライト
「グローバル
アジェンダとは?」
「グローバル・アジェンダとは何か?」「なぜそれを考えることが重要なの
か?」課題へ取り組む最初のステップとして、グローバル・アジェンダを考察す
るためのフレームワークを学びました。
レクチャーを通して、参加学生たちは自身の体験と世界の課題を結びつけ、
グローバル・アジェンダに対する当事者意識を深めていきました。
講師
石倉洋子
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授
バージニア大学大学院 経営学修士(MBA)修了。ハーバード大学大学院 経営学博士
(DBA)修了。マッキンゼー社でマネジャー。青山学院大学国際政治経済学部教授、一橋大
学大学院国際企業戦略研究科教授。その他、富士通、日清食品ホールディングス、ライフ
ネット生命社外取締役、世界経済フォーラム(ダボス会議)のGlobal Agenda Council
Education & SkillsのVice Chair。専門は、経営戦略、競争力、グローバル人材。
“私は、若い人に、世界の課題を考えてもらいたい、何かをし
てもらいたいと思っています。これからの未来は若い人たち
が作っていくべきだと私は強く思うからです”
“これから20年後、30年後にこの世界を握る若い人たちが、
どのような世界を作りたいかということを自分たちで考えて、
世界を作っていくということがとても大切だと思います”
レクチャーの
レクチャーの中で行われたディスカッション
われたディスカッション課題
ディスカッション課題
1.
2.
3.
エネルギー、水、食料のいずれかが足りない地域では、具体的
に何が問題となっているのか。
なぜそのような問題が起きているのか。
先進国に住む私たちは、なぜその問題の解決に取り組む必要
があるのか。
共有された
抜粋)
共有された意見
された意見 (抜粋
抜粋
震災後1週間は、避難所にいたのですが、その時ご飯とし
て出されたのが、ピンポン玉よりも小さい大きさのおむす
びだった。しかも、何百人分も一度に作ったりするので、
全くおいしくもない。しかしその時に「食」の大切さに気
付かされたような気がした。
地球上で利用可能な水の約70%が灌漑用水に使用されている
そうです。つまり、水は農業や畜産など全ての食物に関係し
ています。飢餓人口が最も多い地域はサハラ以南アフリカで、
水が不足している地域でもあります。このように考えてみる
と、水不足は飢餓と関連しているように思います。
震災の時、家が流されたか、流されていないか、で食糧の
配分が不平等だった。私の家は流されてしまった側だった
けど、近所の人が食べ物をくれたり、分け合って、支え
合った。助け合いの精神が食糧の分配には大切だと思った。
震災後の1ヶ月の停電の間は、不便な生活だったが、テレビ
など一部のものは生活に必須でないということにも気付いた。
同時に、この私たちが不便と感じる生活水準を当たり前と思
い、生活している人たちが世界には多くいる、ということに
も気付いた。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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ステップ②
プログラムハイライト
「専門家
インタビュー」
ディスカッションに新たな視点をとりいれるべく、各課題領域で活躍するリー
ダーを招き、のインタビューセッションを行いました。3人のスピーカーは、それ
ぞれの課題を解決すべく、実際にアクションを起こしている組織のリーダーた
ちです。
地球規模課題は、机に座っているだけでは解決されません。実際にフィール
ドでの活動を引っ張るリーダーたちとの議論は、熱い熱気に包まれました。
テーマA
テーマ
エネルギー
中村 俊裕
米国NPO法人
法人コペルニク
米国
法人コペルニク 共同設立者・
共同設立者・CEO
マッキンゼーなどを経て、国連開発計画にて東ティモール、インドネシ
ア、シエラレオネ、アメリカ、スイスで働く。ガバナンス改革、平和構
築、自然災害後の復興(スマトラ沖地震など)、国連改革などに従事。
京都大学法学部卒業。英国ロンドン経済政治学院で比較政治学修士
号取得。大阪大学大学院国際公共政策研究科招聘准教授。2012
年、世界経済フォーラム(ダボス会議)のヤング・グローバル・リーダー
に選出された。
“発展途上国には未だ多くの電気を使えない地域がある。電気が通ってい
なくても、光は必要。灯油を電気の代わりに燃料として使う場合、多くない
収入のうちの20%も燃料費に使わなければならない。薪を燃料に使う場
合、屋内の煙によって年間130万人が調理に起因する煙により死亡してい
るとされる”
“コペルニクでは、エネルギーへのアクセスがないことに起因する
様々な問題に苦しむ人々を助け、生活水準を向上させる事業を行っ
ている。寄付者、技術者、発展途上国の団体、3者をつなげることで、
現地の様々なニーズへ対応している”
“発展途上国において電力は携帯電話の充電、浄水、調理、さらには
教育機会の提供など様々な面から人々の生活水準を向上させる。電
力は明かりだけでなく、新たな活躍の可能性をも提供する”
質疑応答
Q. コペルニクの活動は何が特徴か。
A. コペルニクは途上国で一般の生活をしている人々のため
一緒に何かやって行きたいという考え方で行っている。新たな
チャネルの創設により、これまでこの分野に参加できなかった
人も簡単に参加できる。
Q. 電力は発展途上国でどこまで必要か。どういった点で必要
か。どう使えるか。
A. それまで利用できなかった金銭的・時間的資源をも有効活
用できるようになるため、今までできなかったことができるよう
になる。それによって経済、教育を含む生活水準が向上する。
例えば途上国では固定電話の普及率は低くとも、携帯電話の
普及率は比較的高い。今は電気のあるところまでの移動が必
要。電気があれば、照明や調理、携帯電話など様々なものに
使える。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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専門家へのインタビューセッション
第一線で活躍される専門家との対話。
自分たちが取り組むテーマに誰よりも詳しい専門家たちに、短い時間で、何を聞くべきなのか。必要な情報は何か。本
当に求められているアクションを、どのように描くのか。より広い視野と貴重なヒントを掴み取るために、事前準備を経
てのインタビューは、まさに真剣勝負の舞台となりました。
テーマB
テーマ
食糧
藤沢 久美
シンクタンク・
シンクタンク・ソフィアバンク 代表
特定非営利活動法人
TABLE FOR TWO International 理事
一般財団法人
教育支援グローバル
教育支援グローバル基金
グローバル基金 代表理事
1996年に日本初の投資信託評価会社を起業。2000年にシンクタン
ク・ソフィアバンクの設立に参画。現在、代表。2003年社会起業家
フォーラム設立、副代表。2007年世界経済会議(ダボス会議)のヤン
グ・グローバル・リーダーに選出。2008年には、世界経済フォーラム
(ダボス会議)グローバル・アジェンダ・カウンシルのメンバーに就
任。現在は各種メディアや講演を通じて、草の根の人々の社会イノ
ベーションへの参画を促すべく、全員参加型の「ソシオ・インキュベー
ション」の活動に取り組んでいる。
“自分では社会は変えられないと思っていた。しかし、想いを1つに
して集まった瞬間に社会は動かすことができる。 社会貢献をする上
で、大きな壁がある。それは寄付。継続的にお金を出してもらうため
に、個人も巻き込み、個人のためになるような仕組みを考えた ”
“社会貢献は、深刻に考えていると仲間が増えず、
活動が広がらない。食は、貧しい人も裕福な人も、
どちらにとっても楽しみ。その延長線上に生まれて
きた仕組みがTABLE FOR TWO”
“大きなことを考える能力も必要だが、小さなことを考える能力も大事。大き
なことを考えても、いま自分がそれに対して何ができるかという小さなことを
考えることができなければその解決にはつながらない。実行へ結びつける
には小さなことを考える能力が必要”
質疑応答
Q.発展途上国の食糧不足を解決するために若者にしてほしいことは。
A.若者にしてほしいことは“知ること”。実際の体験、つまりリアルな生活
を自らの目で見て触れることで実感が得られ、それが行動に結びつく。
行く機会がなくても、もっと感じてほしい。テレビで見る、インターネットで
見る、何でもいいから少しでも感じるようにして欲しい。
Q. 震災直後に避難所で疑問に思ったことがある。食糧が他県から届い
たとき、一部の地域へは届いたけど、届かない地域もあった。この問題
は世界でも同じだと思うがどうか。
A. トップダウンではボトムの方へとしっかり援助が届かない。上から降
りてくるのを待つのではなく、ボトムから動いていく必要がある。もっと下
から現場から湧いてくるような準備が必要。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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ステップ② 専門家へのインタビューセッション
学生たちは、数々の質問を専門家にぶつけ、それぞれの分野の核心に迫りました。学生からの鋭い質問と、それらに
答える専門家。将来のグローバルリーダーと専門家との真剣勝負がそこにはありました。
専門家的見地から最新の状況や真の課題、そして施策を実行する上での困難について。参加学生たちは専門家たち
の経験から学び、各々の取り組むグローバル・アジェンダに対して、一歩一歩、考えを深めていきました。
テーマC
テーマ
水
木山 啓子
特定非営利活動法人ジェン
特定非営利活動法人ジェン(
ジェン(JEN)
JEN)
理事・
理事・事務局長
1994年、JENの創設に参加。紛争中の旧ユーゴスラビア地域代表として難民・避難
民支援活動に従事、20に及ぶ国と地域で支援活動を展開している。現在JENは、
アフガニスタン、パキスタン、シリア、ハイチ、東日本等で支援活動を実施してい
る。2007年よりJANIC理事。2011年4月よりジャパン・プラットフォーム共同代表理
事。2005年エイボン功績賞受賞、日経ウーマン誌ウーマン・オブ・ザ・イヤー2006
大賞受賞。
“水不足の最も大きな問題は「無知」だと思う。上流で汚染したものが下流にどう影響す
るか想像できない。洗濯をしている横の壁を挟んですぐ向こう側で料理のために水を汲
んでいることもある”
“発展途上国のある村で、安全な水へのアクセス改善がもたらしたこと―それは、子ど
もたちが遊ぶようになったということ。遊びは子供にとって心身の発育に大事なこと。
それまでは、休み時間になってもお腹が痛くて活発になれなかった。水へのアクセス
は、子どもたちに健康だけでなく、笑顔やより良い教育をもたらした”
“素晴らしいけれど実行されないアイデアよりも、実行されたダメなアイ
デアの方がすばらしい。世界を変えるためには行動しないといけない。
だからできるだけたくさん行動して、たくさん失敗もして欲しい”
“JENは緊急支援をやっていながら、自立支援をやっている。緊急だから必要なものを
そのまま渡したとして、また必要になったらまたJENに頼るのか。自分たちが自分たち
で良くしていけるようになることが大事。だから小さな成功体験を重ねるプロジェクトを
行う。JENが去った後も自立して行けるよう、良いコミュニティを残したい”
質疑応答
Q.東北の人たちは地震で水の大切さを知った。それをもっと
発信していくことが大切だと思っているがどうか。
A.伝えることだけでなく、伝えるために、深堀して学んでいくこ
とが重要。また、発信することは大切だが、それよりも、何を目
指してやっているかが大切。なぜ水が大切なのか。何をして
欲しいのか。その先でどんな世界をつくりたいのか。それらを
考えることがとても大事なことだと思う。
Q.これから国際的な学生運動をするTOMODACHI世代に期待
することはどんなことか。
A. 2つある。1つは、行動すること。実行してみると、失敗する
ことができる。失敗できれば、次の行動をすることができる。も
う1つは、正解が無い問題に答えをつくること。本当に大きな
問題には答えが無い。自分で答えをつくるのは難しいけれ
ど、それができた時には、みなさんが世界を変えられる。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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19
留学セミナー
プログラムハイライト
「海外留学セミナー」
昨夏をアメリカで過ごした学生たちの多くは、次のステップとして、長期留学に
関心を持っています。プログラム中には、現在留学中の参加学生や、留学経
験を持つ大学生チームリーダーから体験談を聞き、また、留学団体の担当官
から具体的な留学機会について話を聞くセッションを開催しました。
留学経験者による
留学経験者による体験談
による体験談
英語がわからず、最初はすごく大変だったけれど、いろんな国籍
の友人たちに助けてもらって留学生活を楽しんでいます。勉強だ
けではなく、課外活動にも積極的に参加し、スポーツを通して友
達も増えました。休暇中も、様々なプログラムがあり、春休みはド
ミニカ共和国にボランティアに行く予定です。震災で人生は大きく
変わったけれど、これだけのチャンスをもらい、自分が不幸だと
は全く思いません。将来は外交官になるべく、アメリカの大学進
学に向けてがんばっています。
有本温子
(米国・
年在籍中。
米国・St. Timothy’s School11年在籍中
年在籍中。福島工業高等専門
学校出身)
学校出身)
大学生になってから、インターンシップも経験できる留学プログラ
ムでシアトルに留学しました。アメリカ州立ワシントン大学に留学
し、国際経営等を専攻し、また、米国政府環境保護庁 (EPA)で
3ヶ月間インターンシップをしました。勉強とインターンシップで忙
しい日々でしたが、週末に友人たちとキャンプに行ったりして楽し
みました。アメリカ留学で視野が広がり、貴重な経験をすることが
できました。
震災前は、留学なんて全く考えていなくて、英語も全くできませんでし
た。でも、勇気をだして渡米して、いつも笑顔でいることで、友達もでき
ました。大自然の中の小さな学校、自由な環境で、留学生活を楽しん
でいます。週末には、クラスメイトと映画に行ったりもします。
小川彩加
(米国・
米国・Leelanau School12年在籍中
年在籍中。
岩手県立大槌高等学校出身)
年在籍中。岩手県立大槌高等学校出身)
水田勝利
(創価大学工学部環境共生工学科4
創価大学工学部環境共生工学科4年)
EducationUSA
~大学留学への
大学留学への道
への道~
公益財団法人AFS日本協会
日本協会
公益財団法人
~高校留学への
高校留学への道
への道~
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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20
ステップ③ リーダーとの対話
プログラムハイライト
「リーダーとの対話」
様々な分野で活躍されているリーダーをお招きし、キャリアや、どのように社
会に貢献していくべきかなどについて話し合う機会を設けました。各界で活躍
されているゲストとの対話は、学生の視野を広げ、未来のリーダーとなるため
の大きな一歩となりました。
石川孔明
NPO法人
法人ETIC.
法人
リサーチ事業部
リサーチ事業部
マネジャー
宇多田薫
ビデオグラファー
1983年生まれ、愛知県吉良町出身。アラスカにて卓球と狩猟に励み、
その後、学業の傍ら海苔網や漁網を販売する事業を立ち上げる。ア
クセンチュアにてM&A等業務に携わった後、リサーチ部門の立ち上げ
担当マネジャーとして、2010年よりNPO法人ETIC.に参画。企業や社
会起業家が取り組む課題の調査やインパクト評価、政策提言支援等
を担当。
川添高志
ケアプロ株式会社
ケアプロ株式会社 代表取締役
ニューヨークで生まれ育った日系二世アメリカ人。日本とアメリカの架
け橋になりたいとNHK、フジテレビでアメリカのニュースを日本へ配信。
その後、日本のニュースをアメリカに発信する立場にもなりたいと思
い、三大ネットワークABCで報道プロデューサーとしてニューヨークで
活動。震災後、陸前高田、大船渡でのボランティア経験から「日本か
ら発信したい!」と感じ、昨秋フリーへ。
川辺洋平
株式会社グレイプス
株式会社グレイプス
執行役員 / プロデューサー /
イラストレーター
2005年 慶應義塾大学看護医療学部卒業。経営コンサルティング会社、
東京大学病院を経て、2007年ケアプロ株式会社を創業。
東京学芸大学教育学部卒。広告代理店を経て、2012年より現職。
WEBサービス / デジタルコンテンツのプロデュース他、イラストレー
ターとしてキャラクター開発も行う。2012年 東京インタラクティブアド
アワード受賞。2012年 Yahoo Japan! インターネットクリエイティブア
ワード受賞。
高橋大就
一般社団法人東の
一般社団法人東の食の会
事務局代表
オイシックス株式会社
オイシックス株式会社
海外事業部長
外務省入省後、在米国大使館勤務を経て、日米通商交渉を担当。の
ち、マッキンゼー&カンパニーにおいて農業関連等のプロジェクトを
手がける。東日本大震災直後からマッキンゼー社を休職、NPOに参
加し東北で支援活動に従事する傍ら、一般社団法人「東の食の会」の
立ち上げに関わり、2011年6月東の食の会発足と共に事務局代表に
就任。同年8月、オイシックス株式会社入社。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
I
21
ステップ③ リーダーとの対話
玉川努
社団法人Coffret
Project 副代表
社団法人
株式会社Lalitpur
取締役
株式会社
照屋朋子
NGOゆいま
ゆいまー
ゆいまーる 代表
宮城県仙台市出身。東北大学法学部卒業後、旭硝子入社。社長
室にて、次世代素材の新規事業に従事し、経営管理、マーケティン
グ、生産管理など横断的な業務を実施。国内外15社の国家コン
ソーシアムを立ち上げる。東日本大震災後、NPO法人ETIC.に参画。
右腕派遣事業のプロジェクトリーダーとして、東北の社会事業の起
業支援。
大学時代、The Asian Law Students Association JAPANに所属し、
日本代表としてワシントンDC、バンコク、イスタンブール等の国際
会議に参加。貧困や社会問題について議論するだけでなく一点突
破すべく、モンゴルに行き始める。上智大学法科大学院入学後、
孤児院「太陽の子ども達」倒産の危機に際し休学し、NGO設立。開
発コンサル会社にてJICA中国独占禁止法整備支援プロジェクトを
担当した後、現在に至る.
ハリス鈴木絵美
ハリス鈴木絵美
チェンジ・
チェンジ・ドット・
ドット・オーグ 日本代表
中村俊裕
米国NPO法人
法人コペルニク
米国
法人コペルニク
共同創設者・
共同創設者・CEO
マッキンゼーなどを経て、国連開発計画にて
東ティモール、インドネシア、シエラレオネ、アメリカ、スイスで働く。
ガバナンス改革、平和構築、自然災害後の復興(スマトラ沖地震な
ど)、国連改革などに従事。京都大学法学部卒業。英国ロンドン経
済政治学院で比較政治学修士号取得。大阪大学大学院国際公共
政策研究科招聘准教授。2012年、世界経済フォーラム(ダボス会
議)のヤング・グローバル・リーダーに選出された。
高校まで日本で育ち、米国イエール大学へ進学。卒業後はマッキ
ンゼー&カンパニー、オバマキャンペーンで経験を積み、ソーシャ
ルインキュベーター企業「Purpose」の立ち上げ期に参画。2012年7
月に帰国、現在はChange.orgの日本代表として事業の立ち上げに
活躍中。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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22
プログラムハイライト
「閉会式/
提言発表会」
2泊3日のディスカッションを経て作成された提言は、最終日の閉会式/提言発表会
で発表されました。会場には200名が集い、各界を代表するリーダーたちが、学生た
ちの発表に真剣に耳を傾けました。
2年前、震災の日に何があったか、それをどう乗り越えてきたのかが語られる際、会
場には涙も見られました。しかし、東北出身の自分たちだからこそ果たす役割がある
と、地球規模課題の解決のために彼らが提示した案は、彼らの未来への歩みを感じ
させてくれるもので、優勝チーム発表の瞬間は、会場が拍手と歓声に包まれました。
スペシャル・
スペシャル・メッセージ
ジョン・
・ルース
ジョン・V・
駐日米国大使
皆さんは、はかり知れない悲劇の後で、自分たちが成し遂げたことを誇りに思うべきで
す。しかし、ここで終わりではありません。TOMODACHIプログラムに参加することで終わ
るのではなく、また、この3日間で成し遂げたことで終わるのでもありません。日米両国の
将来のために努力をし続けて下さい―これ以上に重要な関係はないのですから。
ティム・
ティム・ラティモア
バンク・
バンク・オブ・
オブ・アメリカ・
アメリカ・エヌ・
エヌ・エイ 東京支店長
ここにいる学生の皆さんは、昨年の夏、TOMDOACHIサマープログラムを通じて、アメリカ各
地でホームステイなどをしながら、英語研修や文化交流活動、大学訪問等、様々な経験を
したと聞いています。アメリカでの滞在を通じて異なる文化に触れた皆さんが、そこから発
展し、今度は自ら進んで、このグローバル・アジェンダに取り組むプログラムに参加してくれ
たことに、本当に嬉しく思っています。
デーブ・
デーブ・スペクター
株式会社スペクター
株式会社スペクター・
スペクター・コミュニケーションズ 放送プロデューサー
放送プロデューサー
「一期一会」という言葉がありますが、このアカデミーや、アメリカで出会った人たちも一期一
会です。私も全く日本とは縁がありませんでした。ところが、小学校5年生の時に、私の学校
に転向してきた日本人と仲良くなり、これが日本語を覚えるきっかけになります。そして後々、
妻との出会いがあります。全てそのようなちょっとした出会いからです。皆さん、ここでの出
会いを大切にし、日本の未来を創っていってください。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
I
23
提言発表
プレゼンテーションに
プレゼンテーションに盛り込む内容
1.
2.
3.
与えられた課題について、何が問題なのか
課題解決のために、若い世代である自分たちに何ができるのか。
国際的な学生連合の創設により実施したい施策
審査基準
審査時の
審査時のボーナスポイント
1.
1.
2.
具体性
対象地域、対象者、具体的な数値など
を盛り込んでいるか
スピーカーからの知見
専門家セッションで得た専門家の知見
を課題の分析、施策の提案に活かして
いるか
英語
プレゼンテーションの一部に、英語が使
われている
2.
東北出身の学生ならではの視点
東北出身の自分たちだからこそ、「●●
を実現できる」という、東北発のリー
ダーならではの視点が含まれている
提言発表内容 最優秀チーム
最優秀チーム
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
I
24
プログラムハイライト
「閉会式/
提言発表会」
学生代表スピーチ
小川彩加
Leelanau School(
(米国)
米国)
小川彩加です。岩手県釜石市から来ました。
震災で私は家族全員を失いました。
3月11日地震の直後、私は母と祖母と高台に避難
しました。しかし、波は私たちのすぐ背後に迫って
いました。走って坂を上り、山を登り、私は助かり
ました。でも、どこを探しても母と祖母の姿はあり
ませんでした。
翌日の朝、がれきの上を母と祖母の名前を呼びな
がら探しました。悲惨な光景でした。数日後、姉が
なくなったこと父が行方不明であることを知らされ
ました。何がなんだか訳がわからない中、ただ、一
人ぼっちになったと思いました。
姉と対面したとき、姉の頬を触り何度もありがとう
と言いました。私の涙で姉の頬は濡れました。そし
て行方不明の家族を探す日々が続きました。私は
たくさんの遺体を見ました。その後、父と祖母は見
つかりましたが、母と祖父は今も行方不明です。
“家族全員が
家族全員が死んだ中
んだ中、なぜ自分
なぜ自分だけが
自分だけが生
だけが生き
残ったのかと自問
ったのかと自問を
自問を続けました”
けました”
家族全員が死んだ中、なぜ自分だけが生き残った
のかと自問を続けました。しかし、震災後、私は、
ルース米国大使やビヨンドトゥモロー、
TOMODACHIイニシアチブと出会いました。
私の新しい夢は、ファッションデザイナーになるこ
とです。
昨年の夏から、ミシガン州の高校に留学していま
す。アメリカに来てまず、何より英語を話したいと
本気で思うようになりました。英語が流暢に話すこ
とができるように、一生懸命英語の勉強をしたいと
思っています。
また、主張することの大切さを知りました。私が誰
で、何を考えているのか、もっと知ってほしいと思
うようになりました。だから自分を表現できるように
なりたいのです。私は、これらの人生についての
学びを、アメリカの人々から得ることができました。
私はあの日、死んでもおかしくありませんでした。
でもこうして今ここに生きています。私はここに、生
かされています。多くのものを失いましたが、多く
のものを得ることができました。今の私に正直怖
いものはもうありません。生きたくても生きられな
かった人々がたくさんいる中、私は生きています。
私がたくさんの方々からきっかけやチャンスをいた
だいたように、私も誰かにきっかけやチャンスを与
える側に人間になりたいと思っています。世界に
貢献できる人間になりたいと思います。幸せにな
ることが、私にできる唯一の親孝行です。
きっと私は今までたくさんの人にかわいそうな子だ
と思われてきたでしょう。悔しいです。このような悔
しさも私の原動力となっているでしょう。
2年前、自分がその後、今のように暮らすことにな
るとは想像すらできませんでした。何事も起こるべ
くして起こり、意味があると信じています。震災前
の18年間の人生は、震災後の生活の前奏であっ
たような気すらします。
3月11日あの日から家族を思わなかった日は一日
もありません。家族が私に残してくれた思いや意
思を胸に、与えられたチャンスを大切に、自分の
可能性を信じ、そして何よりも自分の気持ちに素
直に生きていきたいと思います。
“幸せになることが、
せになることが、私にできる唯一
にできる唯一の
唯一の
親孝行です
親孝行です”
です”
チャンスは誰にでもあるわけではありません。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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25
渡米した時、私は初めてアメリカの地を踏みまし
た。日本が最も困難な状況にあった時に助けてく
れた、アメリカの方々に実際にお会いできたことを
大変うれしく思いました。
有本温子
St. Timothy’s School(
(米国)
米国)
有本温子です。私は東京電力福島第一原子力発
電所のある福島県大熊町から来ました。現在、ア
メリカのボルチモアに留学しています。東北の学
生を代表し、このように話す機会を得られたことは
とても名誉なことです。
私の将来の夢は、外交官になることです。世の中
には様々な問題があります。全ての問題を一度に
解決することはできません。でも、一歩ずつ前進す
ることで問題は解決されていくのだと思います。
震災後東北は、アメリカの人々から多くの支援を
受けました。そしてその支援のおかげで、今日、私
たちはここに立つことが出来ています。
この3日間、私たちは、世界の課題について検証
し、どのように解決できるのかを考える機会に恵ま
れました。そして私たちには、この議論を行動に移
す責任があります。
自宅は原発から3kmのところにあったので、私は
他の町への避難を余儀なくされました。高い放射
線レベルのため、大熊町は立ち入ることができなく
なり、私はいつ故郷に帰れるか分かりません。
震災により、私は、家と、故郷での当たり前の日常
を失い、友達や地域の人々とも離れ離れになって
しまいました。3月11日を境に私の人生は完全に
変わってしまいました。
今月、私はボランティア活動のためにドミニカ共和
国に行きます。震災後、日本を助けてくださった
方々への恩返しとして、困っている人を助けられる
ようになりたいと思います。この部屋にいる全員の
力を合わせれば、私たちには変化を起こすことが
できるはずです。
“私たちTOMODACHI
たちTOMODACHI世代
TOMODACHI世代こそが
世代こそが、
こそが、東北、
東北、
日本、
日本、世界の
世界の将来を
将来を築くのです”
くのです”
“3月11日
11日を境に私の人生は
人生は完全に
完全に変わって
しまいました”
しまいました”
私たちTOMODACHI世代こそが、東北、日本、世界
の将来を築くのです。
しかし、私は決して自分は不幸だと思いません。
震災のおかげで私を新しい道へ導いてくれる方々
との出会いがありました。TOMODACHIとビヨンド
トゥモローの支援を得て、私は昨年からアメリカの
全寮制高校に通っています。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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プログラムハイライト
「ラップアップ・
リフレクション」
2泊3日の対話形式のプログラムの中では、バンクオブアメリカ・メリルリンチ
の社員ボランティアの方々がメンターとしてが学生たちの議論ををサポートし
て下さいました。参加学生たちのグローバル・アジェンダについての議論をサ
ポートし、具体的な提言へと導くと同時に、将来のビジョンや社会人としての
キャリアなど、さまざまな面でアドバイスを頂きました。
2泊3日の最後には、バンク・オブ・アメリカ・グループの在日代表との対話セッ
ションが開催され、プレゼンテーションへの講評や、参加学生へのメッセージ
を頂きました。
瀬口二郎
バンク・オブ・アメリカ・グループ 在日代表
メリルリンチ日本証券株式会社 代表取締役社長
自分のことだけでなく、世界の人のことも考えている。今のことだけでなく、未来のこともきち
んと考えている。みなさんのそんな姿が本当に力強く、心を動かされました。
日本は、もっともっと大変な、チャレンジングな状況になっていきます。その中で日本の若者
は国際志向がなくなってしまったと他の国と比較され、懸念されることもありますが、今日み
なさんと一緒にいて、そのような心配は全くいらないなと感じました。
ここにいる皆さんが、どれだけ意識が高く、問題意識があるか。自分達が経験したこと、つら
いこと、それを力にして、自分達だけではなくて、他の人のために使うという志が本当に素晴
らしいと思いました。
みなさんアメリカへ行って、さらに今ここで得た経験を活かそうと決意している、そのこと自
体が世界のリーダーへの第一歩です。
これからもみなさん自身の action、action、action という今のこの気持ちを、このプログラ
ムで経験したことを思い出し、「自分だからこそできること」をずっと考え続けてください。そう
することで自然に世界に羽ばたくリーダーになっていけると思います。
そんなみなさんのことを、これからも応援したいと思っています。
Q.大学時代にやっておくべきこと、大学時代にやって今に活きていることはどのようなことですか。
A.やっておくべきことは勉強。大学時代は人生の中で1番自分で選べる時間があるが、漠然と過ごすとあっという間。限られた時間だと思って目標を持つ
べき。特に英語はすごく大事ではないかと思う。例えば、リサーチをする時でも、英語で調べると情報量が日本語の何倍もある。英語ができることで、英
語圏の情報が全て自分の物になる。そういった意味で英語はとても大切。そして勉強はもちろんのこと、生身で経験できることを時間の制約なく体験し、
自分という人間の考え方や頭ではなくて感じることについて様々な経験をしてほしいと思う。
Q.行動に移すうえで大切だと考えていることは何ですか。
A.頭とハートと腹と足。生身で感じないとだめだと思う。人はハートが動かないと行動しないもの。
自分にとっていいことか悪い事か頭で冷静にきちんと考えたほうが良いが、どんなことにもリスクは伴うもので、どれだけ考えた結果でも、リスクがないと
いうものはない。最後は腹をくくることも必要。自分は人の人生にこういう風に貢献したいと考えた上で、リスクをとる。頭とハートと腹、3つ使って考えて自
分のことを突き動かしたうえで、最後は部屋にいないで足をつかって外に出ること。
Q.どんな志をもって、どんな行動をしたから今の立場になられたとお考えですか。
A.まず自分の目の前にある仕事の自分の責任というのは何か、きちんと考えた上で、誰にも負けない仕事をするということが重要だと思う。みなさんが
学校や部活で自分が社会の一部として担うべき役割があると思うが、まずそれをする。自分が頑張ることは自分にしかできない。だから自分に与えられ
た課題を考えていくこと、それがとても大切で、自分に与えられた課題「被災したからこそできることは何か」「生かされているからできることは何か」という
ように自分が1番貢献できることは何かをいつも考えることが大切だと思う。何人かいるプロフェッショナルの1人です、というよりは、自分が1番ですと言え
るように頑張った方が良い。自分のことを高めるというのは自分でできる。組織の中で何かをしようというときに、組織に自分が1番貢献できる仕事を一生
懸命探して一生懸命やる。それを人が見てくれて、また新しい仕事を回してくれる。立場は目指すものではなく、結果的についてくるものだと思っている。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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チーム1
宇山 真理子
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
ビジネス・
ビジネス・インフォメーション
メンターとして何が出来るのか不安を抱えての参
加でしたが、子どもたちの意欲と能力に触発され
楽しくプログラムを終えることが出来ました。世界
に羽ばたこうとする彼らの、今後の活躍を見守っ
ていきたいと思います。
チーム1
関満 一郎
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
アジアパシフィック レーツアンドカレンシーズ
とても積極的で優秀な学生さんたちで感動しまし
た。彼ら、彼女らの将来のために少しでもお役に
立てられたのなら幸いです。
チーム2
新井 玄
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
投資銀行部門 投資銀行部
学生の皆様、リーダーの皆様、事務局の皆様、
大変お疲れ様でした。メンターとして参加させて
いただきましたが、学生の皆さんの高い問題意
識、しっかりとした意見、堂々としたプレゼンテー
ションに感銘と刺激を受けました。様々な分野で
活躍するであろう未来のリーダーたちに出会えた
こと、本当に貴重な経験だったと思っています。
ありがとうございました。
チーム2
根上 祐佳
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
審査部
メンターとして参加させていただいたはずでした
が、高校生の皆さんや大学生リーダーの若さ
いっぱいのエネルギー、活発な議論やチャレンジ
を乗り越える前向きな姿勢から、逆に私の方が
たくさんのことを教えていただいた2日間でした。
ありがとうございました。
チーム3
森 貴宏
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
調査部
チーム3
倉智 啓子
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
法人顧客グループ
法人顧客グループ 金融商品開発部
最初被災した学生たちのお手伝いと聞いてどの
ように接すればいいのかと不安でしたが、被災者
ということを忘れさせるようなパワーと、自分のや
りたいことを中心に考えがちな年代にも関わらず
人の役に立ちたいと考えるマインドに心動かされ
ました。お手伝いといいながらも、こちらの得るこ
との方が多かったような気がします。またこのよう
な機会があれば是非参加したいと思います。
私は学生の持つ、現実を見据える力に日本の希
望を見ました。また、大人は次世代へ、知識や経
験を継承してゆくことが重要だと改めて認識しま
し た 。 き っ とTOMODACHI 世代が 活 躍す る頃 に
は、社会がもっと建設的になると期待していま
す。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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チーム4
川水 健太郎
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
株式部 セールストレーディング
2日間という短い期間ではありましたが、生徒さ
ん達の真摯に取り組む姿に、逆に引っ張られて
あっという間に時間は過ぎました。
私が参加させていただいた班では、他の班同
様、食糧問題という難しいテーマでしたが、議論
は時間を追うごとに活発化し、みなさんの問題意
識の高さに驚かされました。私自身も刺激を受
け、非常にいい経験となりましたこと、お礼申し上
げたいと思います。ありがとうございました。
チーム5
閔 栄実
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
グローバル・
グローバル・ローンズ・
ローンズ・ アンド・
アンド・スペシャル・
スペシャル・ シチュ
エーションズ・
エーションズ・グループ
震災によって全てを失い一番辛いはずの学生た
ちが、将来に向かって力強く歩む姿に心から感
激し、サポートすべき私達がむしろ勇気をもらい
ました。今はただ自分にできることから動き出そ
うという気持ちだけです。
チーム4
奥田 真里
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
証券業務部
TOMODACHIビヨンドトゥモロー グローバル・リー
ダーシップ・アカデミーにメンターとして参加させ
て頂き学生から色々なことを学び刺激を受けまし
た。当初は何かお手伝いすることが出来ればと
思い参加させて頂いたのですが、2日間学生の
皆様とプロジェクトに取り組むことによって様々な
ことを共有し共感しました。震災での体験、そして
今後その経験を活かして、どう社会に貢献できる
か考えている学生と触れ合うことによって私自身
も今後何が出来るか考える良いきっかけになり
ました。震災という辛い経験を克服した今も、前
向きにたくさんのエネルギーと笑顔をもった学生
の皆様の今後を応援しております。素晴らしいプ
ロジェクトに参加させて頂き有難うございました。
チーム5
松浦 直彦
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
投資銀行部門 投資銀行部
共に取り組む課題や プレゼン、その道のプロ
フェッショナルとの交流、生々しい被災の現実を
伝えるスピーチ等を通して、前向きな才能溢れる
学生と過ごす時間はとても刺激的であり、自らの
生き方を見つめ直す大きなきっかけとなった。
チーム6
藤澤 兼三
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
証券業務部
チーム6
林原 麻里子
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
広報部
2日間のプログラムを通じて、様々な人々たちか
らエネルギーを貰うことができた。中でも、被災し
た子供たちの話は衝撃的だった。家族全員を
失っても、留学など様々なチャンレンジに向き合
いながら、震災から立ち直ろうとする子供が印象
的だった。いろいろなゲストの話を聞けて、良い
勉強になった。子供と一緒にプレゼンテーション
作成に関わって、いつもと違う人たちとチーム
ワークする楽しみとチャンレンジを経験できた。
土曜日にプレゼンの準備をしていた時は、皆さん
と震災の関連性はすっかりと忘れていました。日
曜に、「ああそうだった」と思い出しました。そのく
らい白熱して一緒に一つの目的に取りかかって
いたからだと思います。次世代を担う学生たちが
願う小さな幸せと大きな夢を目の当たりにして、
私自身、日々感謝の気持ちを忘れずに生きてい
こう、と改めて考えさせられてました。6班のみん
な、貴重な機会をありがとう!
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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チーム7
賀川 浩一
バンク・
バンク・オブ・
オブ・アメリカ・
アメリカ・エヌ・
エヌ・エイ東京支店
エイ東京支店
副支店長
チーム7
張 楚
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
クレジット テクノロジー アジア
東北の高校生の皆さんから、大きな感動をもらいまし
た。東北から来た世界のリーダーを目指す70名の高校
生の皆さんは明るくて、素晴らしいと思いました。皆とて
も頑張ったし、プレゼンもイベントも大成功でした。こんな
にも感動的なイベントに参加できて、とても嬉しかったで
す。また、同じチームの高校生とも仲良くなることができ
ました。これからも出来るだけこうした活動に参加してい
きたいと思います。そして、自分自身も学生の皆さんと同
じように頑張りたいと思います。有難うございます。
今回、高校生の皆さんや、大学生のボランティア
の方々から学ぶことがとても多く、また、若いから
こそ持てるフレッシュな考え方や、将来に対する
強い思いが分かりました。震災を乗り越え、世界
に羽ばたこうとしている皆さんを見て、とても心強
く感じた2日間でした。有難うございました。
チーム8
セドン ジェームズ
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
広報部
プログラムに参加する前は、学生たちが被災しているか
ら、気持ちを傷つくような発言をしないよう、発言などに気
をつけると心に決めていたのですが、いざ参加してみる
と、学生たちがあまりにも明るく前向きだったので、震災の
ことをすっかり忘れてしまいました。閉会式に、震災によっ
てご家族やおうちを奪われた2人の女の子のスピーチを
聞いていると、彼らが被災者だという事実を思い出してし
まい、自分が何か不本意な発言をしていないか、一瞬心
配になりました。しかし、回りを見回すと、学生たちは皆相
変わらず笑顔で溢れてて、あんな大変な経験をしていると
とても思えませんでした。彼の前向きな姿勢、素直さ、そし
て力強さに感動してしまいました。すばらしい体験をさせ
ていただき、どうもありがとうございました。
チーム8
林 礼子
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
投資銀行部門 公共法人部
大きな困難に直面した人間が、困難を受け入
れ、乗り越えていく力に圧倒されました。逞しさと
謙虚さを持ち合わせた彼らがグローバルリー
ダーに成長していくことを確信し、その道筋のお
手伝いに加われたことを光栄に思います。
チーム9
篠崎 裕一郎
メリルリンチ日本証券株式会社
メリルリンチ日本証券株式会社
法人顧客グループ
法人顧客グループ 金融商品開発部
ビヨンドトゥモローのプログラムにメンターとして参
加してまず驚かされたのが、参加している高校生
たちの前向きな姿勢である。こちらも思わず被災
者であるという彼らの立場を忘れて、普通に接し
てしまった。我々メンターに求められていたのは
プロフェッショナルなビジネス・パーソンの姿なの
で、逆に奏功したかもしれない。来年以降も同種
イベントがあれば是非参加して一助になれれば
と考える。
チーム9
田中 あゆみ
バンク・
バンク・オブ・
オブ・アメリカ・
アメリカ・エヌ・
エヌ・エイ東京支店
エイ東京支店
業務部
今回ボランティアとして参加させて頂きましたが、
私自身が日頃の仕事、生活で活かせるような多
くの事を学生から逆に学ばせて頂くことができま
した。今回参加させて頂けたことに感謝していま
す。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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メディア掲載
新聞
「震災伝える 海を越えて」
(2013年3月9日 朝日新聞)
「3/11 students vow leadership roles」
(2013年3月13日 THE JAPAN TIMES)
「Tomodachi program lets youths dream
anew」
(2013年3月16日 THE JAPAN TIMES)
テレビ
「ワイド!スクランブル」
(2013年3月15日 テレビ朝日)
「海外ネットワーク」
(2013年3月23日 NHK総合テレビ)
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書-
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合唱
ハジマリノウタ~
ハジマリノウタ~遠い空澄んで
空澄んで~
んで~
遠くに見えた街並み いつの日にか誓った景色と同じ
怯えて立てなくなっても 涙に滲む明日を教えてくれる
君からもらった言葉 僕の生きる意味を照らしてくれた
「もう少し強くなれたら…」なんて思ってみても仕方ないよ
「夢の途中」そう気付いたら なんだかちょっと楽になって
答えなど無くていいんだよ 僕の頬は少し朱に染まる
遠く見えた空は澄んでいて 泡沫の日々に迷わんとした
揺るぎないこの胸の真ん中の想いを託して 想いを信じて
僕はただ明日を見て歩こう たとえそこに願い届かずとも
変わらないあの日の言葉だけを この手に抱えて この手に抱えて
君とね 出逢ったことが見えなくなった場所を示してくれた
そうして解り合えたよ 僕も君も同じ弱さを持ってる
どうしてなんだ?みんな抱えてる怖さや不安を隠したりして
「強くない」ってそう言い切ったら 暗く濁った闇に灯り灯る
伝えたいことが溢れてきて あの空の向こうへ流れてゆく
ぎこちない言葉でしかないけど 今伝えたくて 今届けたくて
連綿とゆく時間の中で 僕は確かにここで呼吸(いき)をする
柔らかい陽の光を浴びれば また目を覚まして また歩き出せる
僕が生きた「証」を残そう それをいつの日か「夢」と名付けよう
つつましくも意味の在る「証」を 意味在る「夢」だと 確かな「夢」だと
僕は「今」を信じて歩こう たとえそこに祈り叶わずとも
生まれゆく全ての言葉たちを この手に抱えて この手に抱えて
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協力団体
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013は、
バンクオブアメリカ・メリルリンチのご支援によって運営されています。ビヨンドトゥ
モローの事業は、多くの方々からのご支援によって支えられています。皆様のご
支援・ご協力に、感謝申し上げます。
ビヨンドトゥモロー ストラテジック・
ストラテジック・パートナー
ビヨンドトゥモロー スカラーシップ・
スカラーシップ・パートナー
ビヨンドトゥモローの活動に1000万円相当以上のご寄付を
いただいた企業・団体
奨学生枠の提供をいただいた教育機関・教育団体
ジャパン・ソサエティー
武田薬品工業株式会社
バンクオブアメリカ・メリルリンチ
米日カウンシル
三菱重工業株式会社
Leelanau School(米国・ミシガン州)
Leysin American School (スイス・ヴォー州)
St. George’s School (スイス・ヴォー州)
St. Michael’s College (英国・ウスターシャー州)
St. Timothy’s School (米国・メリーランド州)
ビヨンドトゥモロー プロジェクト・
プロジェクト・パートナー
ビヨンドトゥモロー スカラーシップ・
スカラーシップ・パトロン
ビヨンドトゥモローの活動に100万円相当以上のご寄付を
いただいた企業・団体
ビヨンドトゥモロー・スカラーシップ・プログラムに奨学金枠を
ご寄付いただいた個人の方々
株式会社アルビオン
住友化学株式会社
公益財団法人 東日本大震災復興支援財団
米日財団
株式会社ポイント
ボストン東北緊急支援ファンド
ロート製薬株式会社
大塚 太郎様
小林 正忠様
佐藤 輝英様
船橋 力様
本庄 竜介様
松本 大様
ロバート・アラン・フェルドマン様
ビヨンドトゥモロー プロボノ・
プロボノ・パートナー
その他
その他ご寄付をいただいた
寄付をいただいた企業
をいただいた企業・
企業・団体の
団体の皆さま
ビヨンドトゥモローの活動に商品・サービスの形でご寄付・
ご協力をいただいた企業・団体
株式会社アゴス・ジャパン
あずさ監査法人
株式会社海外教育コンサルタンツ
株式会社ガリバーインターナショナル
キンコーズ・ジャパン株式会社
コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社
全日本空輸株式会社
株式会社リクルートホールディングス
株式会社ウェルネス・アリーナ
この他にも、多くの方々にご支援・ご協力をいただいております。深く御礼申し上げます。
※上記は2012年度ご支援・ご協力頂いております皆様をご掲載させて頂いております。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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ビヨンドトゥモロー
とは
概要
一般財団法人 教育支援グローバル基金は、政治・行政・企業・NGO・メディアなど多方面にて活躍
するリーダーたちにより設立された財団法人です。「ビヨンドトゥモロー」は、東日本大震災で被災し
た若者がグローバルに活躍するリーダーへの成長を支援することを目的とした事業として、包括的
なリーダーシップ支援事業を実施しています。2011年9月には、「夏季ダボス会議ジュニア・リー
ダーズ・プログラム」、10月には「東北未来リーダーズサミット」、2012年8月には「TOMODACHIサ
マー2012 ビヨンドトゥモロー米国プログラム」を開催、被災地からリーダー候補を輩出するための
取り組みを行っています。また、大学進学者を対象として奨学金及びリーダーシップ教育を提供す
る「ビヨンドトゥモロー・大学スカラーシップ・プログラム」や「ビヨンドトゥモロー・東北未来フェローズ・
プログラム2013」、高校生を対象として海外のボーディングスクールへの留学機会を提供する「高
校留学プログラム」を運営しています。
特徴
志ある学生の夢の実現を応援し、金銭的な支援だけでなく対話を通して大志の実現を助け、グ
ローバルな視野を持つ人材を育成します。また、今回の逆境を乗り越えて、自らがより主体的に社
会に関わることができるような機会を提供することにより、他者に対する共感力をもつ人材の育成
を目指します。
内容
1.
奨学金プログラム
東日本大震災という困難を経験した若者こそ、今後、世界や日本、そして東北復興のために行動
するリーダーになる資質を有していると信じ、進学のための奨学金(返済不要)を給付しています。
大学スカラーシップ・プログラム
東北未来フェローズ・プログラム2013
高校留学プログラム
2.
リーダーシップ・プログラム
東北被災地からリーダーとしての活躍を志す学生たちの視野を広げ、人間的成長を促すリーダー
シップ育成プログラムを開催しています。その領域は、世界・日本・地域へと広がり、広い視野と強
い共感力をもって社会革新の原動力となる人材の輩出を目的としています。
TOMODACHIビヨンドトゥモロー・グローバル・リーダーシップ・アカデミー2013 報告書
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APPLE OHMIビル5階 ETIC.内
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撮影協力:神戸芸術工科大学 infoGuild
デザイン・レイアウト協力:中河綾子
A13/04T