は じ め に - 教育情報共有システム

は じ め に
「産業技術教育センター(沖縄県立教育センター産業教育課)」は,平成10年4月に
東京都に次いで全国で2番目の産業教育共同利用施設(高校テクノセンター)としてオー
プンし,3年が経過しました。その間,2大事業である「生徒実習事業」,「教員研修事業」
は着実に実績を上げ,各高等学校専門学科の教育課程の中に定着しつつあります。
本課では,開設当初から「生徒には夢と花を!」,「研修員には手取り足とり!」,「主
事は常に斬新さと先端性を!」を枢訓とし,「技術の光は未来を照らす!」を合言葉に,3
年間を目途に研究の目標を掲げ,研究活動を進めるとともに,諸業務を誠実かつ着実に実行
してきました。
本冊子は,この間の各研究室の取り組みの実績および次年度以降の課題等を明らかにし,
新たな3年間の指針とするためにまとめたものでありますが,関係高等学校の多くの皆さ
まに読まれ,共有財産となることを願っています。
これまで,本課の利・活用にご尽力頂きました各学校の校長をはじめ実習担当の先生方
に対して、心よりお礼を申し上げます。
平成13年3月
沖縄県立教育センター
所長
津嘉山
朝
祥
目
次
頁
Ⅰ
研究の目的
Ⅱ
研究内容
Ⅲ
研究の進め方
Ⅳ
各研究室の概要
1 バイオ生産システム研究室 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
2 分析システム研究室 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
3 新素材・機械加工システム研究室 ・・・・・・・・・・・・・・・ 35
4 総合生産システム研究室 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50
5 ビジネスシステム研究室 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 65
6 通信・制御研究室 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84
7 マルチメディア・ネットワーク研究室 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・102
Ⅴ
生徒実習
Ⅵ
教員研修
1 長期研修
2 短期研修
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・117
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・122
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・125
Ⅶ
その他の取り組み
Ⅷ
まとめ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・128
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・129
Ⅰ
研究の目的
産業教育課は,平成6年度から始まった文部省(現文部科学省)産業教育振興法施行令の一部改正に伴う施
設・設備の基準改定により,専門高校生徒・教員が共同利用できる先端施設設置へ向けた補助金予算化をうけ,
設立の運びとなった。
本研究は,21世紀を展望した次代の産業社会を担うスペシャリストの育成,近年の産業界における急速な技
術革新に対応し,農業・工業・商業・水産等の産業教育全般を活性化するために,
1.最新の情報機器・先端装置の導入を踏まえて,その効果的な運用を図ること。
2.生徒実習,教員研修及び先端技術の修得に関する研究体制を確立すること。
を目的として研究に取り組んだ。
Ⅱ
研究内容
設置1,2年目は主に下記の1∼4を中心とした取り組みを行い,年次的に研究を進めてきた。
1
先端技術の修得と効果的な指導法の研究
2
専門高校における多様な生徒の実態に対応した教育内容,指導方法の工夫改善に資する教職員の恒常的
な研修方法の研究
3
生徒実習を行うための効果的な施設・機器の利用法の研究
4
産業教育講座の取り組みの検討
5
農・工・商・水産等における生徒実習の学科間乗り入れ
6
産業界における技術革新に対応した情報機器・先端技術装置等に関する研究と県内企業への先端技術の
導入及び活用状況
7 研修効果を高めるため,県工業技術センター,県農業試験場,トロピカルテクノセンター等の関連施設
との有機的な連携を図る体制づくり
8
Ⅲ
産業界あるいは大学との連携を目指した産学共同の研究・開発体制づくり
研究の進め方
研究内容に基づき,各研究室が以下の研究に取り組んだ。なお,研究室名は当該年度のものを示した。
1年次
◎バイオ研究室
植物バイオ
→
培養技術,細胞融合等の技術修得と指導法の研究
◎工作研究室
溶接ロボット操作技術,MIG(M etal I nert G as)溶接機の技術の修得と指導法の研究
◎総合生産システム【FMS】(F lexible M anufacturing S ystem)研究室
NC工作機械による工作技法の修得と指導法の研究
マシニングセンタ,CNC(C omputer N umerical C ontrol;コンピュータ制御)旋盤,YAGレーザ加工機
CAD/CAM(C omputer A ided M anufacturing;生産加工におけるコンピュータ活用 )による製図,加工
データ作成等加工までの一連の技術の修得と指導法の研究
◎CAB(C omputer A ided B usiness)研究室
グループウェア活用や,テレビ会議等による企業内業務に関する研究と指導法
◎通信・制御研究室
光通信,電話通信,データ通信及びISDN(I ntegrated S ervices D igital N etwork;総合ディジタル通信網)
回線等の運用・保守技術や衛星通信等の通信方法の研究
GPS(G lobal P ositioning S ystem;汎地球測位システム),通信ネットワークシステム,無・有線通信等
◎マルチメディア・ネットワーク研究室
マルチメディア・コンテンツ製作とノンリニア編集 ,C・G(C omputer G raphic;コンピュータグラフィック)技術の修得と指
導法の研究
2年次
◎バイオ研究室
動物バイオ
→
受精卵の採取・分割・核移植等の生産技術の修得と指導法
◎食品分析研究室
分析分野
→
高速液体クロマトグラフ,質量分析(ガスマス)及び原子吸光光度計等を利用した食品成分,
土壌及び作物体の分析技術やバイオリアクター技術の修得と指導法
環境制御
→
環境制御温室における栽培技術の修得
◎新素材・機械加工システム研究室
加工物等の非破壊検査技術の修得と指導法
探傷システム
新素材(セラミック,人工宝石,液晶等)に関する技術の修得と指導法
プラズマ放電焼結,スパッタリング技術等
◎総合生産システム研究室
FMS総合ステーション,自動倉庫,搬送ロボット等,3次元デジタイジングシステム
製品の加工・組立・検査・出荷までの総合的な技術の修得と指導法
◎ビジネスシステム研究室
商社等の業務を統合的にモデル化した電子商取引,認証局,販売・財務(クレジット)等の
総合実践シュミレーション技術の修得と指導法の研究
◎通信・制御研究室
自動制御(空気圧・シーケンス制御等)の基礎学習とFA(F actory A utomation;工場自動化)
システムのプログラミング・操作技術の修得と指導法の研究
◎マルチメディア・ネットワーク研究室
LANのシステム構築技術の修得と指導法及び高速ネットワーク技術の研究
3年次
1,2年次の取り組みは,生徒実習及び教員研修事業中心の内容であったのに対し,3年次はそれに加
えて、専門分野における研究の深化を図ることを主な取り組みとした。
取り組み内容は以下のとおり。
1
農・工・商業における生徒実習の学科間乗り入れの研究
2
3
産業界における技術革新に対応した情報機器・先端技術装置等に関する研究と県内企業への先端
技術の導入及び活用状況について
研修効果を高めるため,県工業技術センター,県農業試験場,トロピカルテクノセンター等の関
連施設との有機的な連携を図る体制づくり
4
産業界および大学との連携を図る産学共同の研究・開発体制づくり
Ⅳ
各研究室の概要
産業教育課は農業・工業・商業・水産等の産業教育全般を統括する研究課として,先端的で高度な情報機
器,先端技術装置の導入を図り,その効果的な運用・活用に日々,邁進している。
以下に各研究室の概要を述べる。
1 バイオ生産システム研究室
本研究室は,農業分野の技術革新やバイオテクノロジーの急速な進展に対応するため,平成2年4月に
県立教育センター「農業分室」として北部農林高校寄合原農場内に開設。その後,平成10年4月に産業教
育全般を統括する産業技術教育センターの設立に伴い,産業教育課内へ統合され,最新の機器・装置を兼
ね備えた「バイオ研究室」として再スタートした。
平成11年4月には,従来の植物バイオ技術に加えて「動物バイオ技術」を開始した他,農業部門に新た
に「食品分析研究室」が設置され,翌12年4月には熱帯果樹の特性を調査・研究するための熱帯果樹温室
が設置され,より充実した職員研修及び生徒実習が実施できるようになった。また,その効果的な運営を
図ることを目的として研究室の名称を「バイオ生産システム研究室」に変更した。
平成12年4月
バイオ研究室
→
バイオ生産システム
食品分析システム
→
分析システム研究室
(1) 研究概要
当研究室においては,植物バイオ技術,動物バイオ技術,熱帯果樹の特性等に関する先端的な技術の
習得や指導法の研究及び教職員研修や生徒実習等の工夫・改善をめざし次のようなことを実施している 。
① 植物バイオ技術
・ 植物の培養培地の作成や無菌操作等の基礎技術に関する調査研究。
・ 種苗の大量増殖や無病苗の育成等を目的とする組織培養技術や茎頂接木等に関する調査研究。
・ 新しい品種の作出等を目的とする細胞融合技術や遺伝子組換技術に関する調査研究。
・ 植物の光合成能力や植物調整ホルモン等に関する調査研究。
・ 洋ランの開花調整等に関する調査研究。
無菌移植(ラン)の様子
光合成測定の様子
② 動物バイオ分野
・動物細胞の培養培地の作成や無菌操作等の基礎技術に関する調査研究。
・牛体からの受精卵の採取とその培養及び受精卵移植等の卵操作技術に関する調査研究。
・と体から採取した卵子と凍結精子を用いた体外受精卵技術に関する調査研究。
・受精卵の分割,培養,未受精卵の除核及び挿入等のクローン技術に関する調査研究。
・分割培養した受精卵等のPCR法による雌雄判別技術に関する調査研究。
動物バイオ無菌室
表1
牛の体外受精研修の様子
植物,動物分野に関する主な機器
機器及び装置名
機
器
説
明
マイクロマニュピレーター
マイクロファージマイクロインジェクターピエゾ
,
,
◎受精卵分割 、顕微鏡受精・核移植および細胞融合等の精密操作 。
細 胞 融 合 装 置 ( 動 物:悟 空 , 植
(動物・植物)
物 :SSH-10) ,倒立顕微鏡など ,
超音波診断装置
◎卵子吸引や妊娠鑑定。卵巣観察等。
サーマルシークエンサ
◎品種や性差の識別やDNA増幅装置。
遠沈管電気永動セット振とう機
,
,
カウモデル,牛子宮体モデル
◎牛人工授精卵移植に関する装置。
牛子宮頚管モデル
光合成測定装置
◎植物の光合成測定。
卵巣からの卵子吸引(動物バイオ)
カンキツの茎頂接木(植物バイオ)
熱帯果樹特性基礎温室
③ 熱帯果樹の特性
・ 接木や挿木、取木,株分けによる栄養
繁殖及び実生繁殖等に関する調査研究。
・ 栽培果樹の仕立て方や病害虫防除,施
肥設計等の栽培管理に関する調査研究。
・ 栽培果樹の生育や開花,結実等の生理
特性に関する調査研究。
図
1
熱
帯
果
樹
リ
ス
ト
アセローラ
No
果
樹
名
マンゴー
科
名
No
果
樹
名
科
名
1
アセローラ
キントラノオ科
16
ピタヤ(ドラゴンフルーツ)
サボテン科
2
アテモヤ
バンレイシ科
17
ピタンガ
フトモモ科
3
カニステル
アカテツ科
18
マンゴー(アーウィン)
ウルシ科
4
グアバ
フトモモ科
19
マンゴー(キンコー)
ウルシ科
5
コーヒーノキ
アカネ科
20
リュウガン
ムクロジ科
6
ゴレンシ
カタバミ科
21
レイシ
ムクロジ科
7
8
サポジラ
ジャボチカバ
アカテツ科
フトモモ科
22
23
レンブ
シークワーシャー
フトモモ科
ミカン科
9
スターアップル
アカテツ科
24
シキカン
ミカン科
10
ストロベリーグアバ
フトモモ科
25
キンカン
ミカン科
11
トゲバンレニシ
バンレイシ科
27
チェリモヤ
バンレイシ科
12
バナナ(島)
バショウ科
27
スモモ
バラ科
13
バナナ(三尺)
バショウ科
28
パパイア(農林2号)
パパイア科
14
バナナ(イスラエル産)
バショウ科
29
パパイア(オレンジクィーン)
パパイア科
15
バナナ(ブラジル産)
バショウ科
30
台湾ウメ
バラ科
レイシ
レンブ
(2) これまでの取り組み状況
これまで学校の実態に即した課題や先端技術に関する調査研究を進めてきた中で、研究事例として協力員
共同研究の実践及びバイオ実習手引き書①「性判別 」② 「細胞融合 」
,茎頂接木法について抜粋で紹介する 。
バイオテクノロジーの効果的指導方法
−興味・関心を高める指導方法の工夫−
報告者:當山一男(センター主事)・大城正也(北農)・伊地知亮二(中農)
1
はじめに
現在,県内の各農林高等学校で取り組まれているバイオテクノロジーに関する学習は,平成元年3月
改訂の高等学校学習指導要領にバイオテクノロジーに関する基礎科目としてはじめて導入された科目は
農業に関する学科に学ぶ生徒達が共通に履修できる科目「生物工学基礎」である。その内容は無菌操作
など各分野において応用できるバイオテクノロジーの基礎が中心となり,栽培・飼育の技術体系の科目
と関連させて,バイオテクノロジーに関する教育内容の改善を図るために設置されたものである。
平成元年改訂学習指導要領で登場したバイオ関係の科目は「生物工学基礎」の1科目に対し、今回改
訂された新学習指導要領においては科目「植物バイオテクノロジー」と「動物・微生物バイオテクノロ
ジー」の2科目に分けられ,その内容もより充実されており農業の各分野において「バイオテクノロジ
ー関連分野」として区分されるに至っている。
バイオテクノロジー学習は,単なる技術学習として扱うのではなく次のようなねらいのもとにすすめ
ていく必要があると指摘されている 。
(1)バイオテクノロジーに関する学習をとおして生命の一端に
ふれさせ,自然科学への関心を高めるとともに,バイオテクノロジーが農業や人間生活に与える影響を
理解させる 。
(2)バイオ学習により従来の教育内容や指導方法をより深化させ,新しい農業に関する
基礎的・基本的な知識と技術の習得を図る 。
(3)地域や新しい時代の要請に応えうる農業経営者及び
技術者として,技術の進展やこれに伴う産業社会の変化に柔軟に対応できる進取の態度を育てる。この
ことはバイオテクノロジーに関する学習を導入するにあたって,基本的に考慮しなければならない理念
であると考える。
そこで,本研究はバイオテクノロジー学習をとおして生徒の自己教育力を育て,科学技術の進展や経
済社会の変化に対応できる,柔軟性のある職業人の育成をいかに図るか。また,農業の技術革新やバイ
オテクノロジーの急速な進展に対応できる魅力ある授業の構築,効果的な指導法を探ることをねらいと
した。
2
現教育課程におけるバイオ学習
(1) バイオ関係科目の設置状況
本研究の事例は、北部農林高等学校熱帯農業科熱帯果樹コース,畜産コースおよび中部農林高等学
校園芸科を調査対象(表1)とした。熱帯果樹コースにおいては科目「生物工学」を基礎に科目「熱
帯果樹 」と関連させ技術の体系化を図っている 。同様に ,畜産コースにおいては科目「生物工学基礎 」
を基礎として科目「畜産」と関連させ学習の体系化を図っている。何れのコースにおいても5単位の
内訳は2年(3単位 )
,3年(2単位)となっている。座学および実験・実習ともにコース制の利点
を生かし少人数のグループで実施が可能である。特に,バイオテクノロジーの実験・実習においては
コンタミ防止などのため高い清浄度が必要とされるため授業の展開においてはグループ学習(班別学
習)等を取り入れる工夫が必要と思われる。熱帯果樹,畜産コースでは,専用のバイオ室が設置され
ており効果的な利用が可能である。一方、中部農林高校園芸科においては,1年に「生物工学基礎」
を2単位,2年で応用科目としての「生物工学」2単位を全員に履修させている。関係学科,コース
におけるバイオ関係科目・単位及び主な教材を表1に示した。
表1
関係学科、コースにおけるバイオ関係科目・単位数及び主な教材
科/コース
熱
関係科目
熱帯果樹
帯
農
業
畜
園
芸
産
単
位
数
主 な 教 材
熱 帯 果 樹
6
2年(3 )、3年(3) パインアップル,バナナ、
生 物 工 学
5
2年(3 )
、3年(2)
畜
産
生物工学基礎
6
5
2年(3 )、3年(3) 肉牛、乳牛人工受精
2年(3 )
、3年(2) 胚移植、体外受精
生物工学基礎
2
1年(2)
生 物 工 学
2
2年(2)
科
柑橘パパイヤ等
ラン、草花類、ランの交配、培
地調整,無菌播種、無菌移植、
器官培養,茎頂培養・順化・育苗
(2) バイオテクノロジー科目の内容と学習形態
バイオに関する科目は教科学習において単一で進行しているのではなく多くの関係学科,コースで学
科やコースの中核科目と連携して学習を進めている。表2はコースの中核科目との連携を示した例。
表2
①
中核科目とバイオ科目の内容と学習形態
熱帯果樹コースの場合
内
熱帯果樹
容
学 習 形 態
1 ) マンゴーの栽培・管理及び収穫
1 ) コース一斉授業
2 ) 繁殖(接木 )
、樹形の整枝剪定
2 ) グループ実習及び実験
3 ) パパイヤ、バナナ、柑橘の苗生産
3 ) 一部、課題研究として
①実生繁殖②株分け③接木④取木
個人研究
4 ) 各種苗生産のプロジェクト
生物工学
②
1 ) 植物バイオの基礎実験
1 ) コース一斉授業
2 ) 培地作成、無菌操作
2 ) グループ実習及び実験
3 ) パパイヤの花粉培養、茎頂培養
3 ) 一部、課題研究とし個人研 究
畜産コースの場合
科
目
畜
産
生物工学基礎
内
容
学 習 形 態
1 ) 肉牛の繁殖と飼育技術
1 ) コース一斉授業
2 ) 肉牛の交配と育種・改良
3 ) 先端技術を利用した繁殖
2 ) グループ実習及び実験
3 ) 一部課題研究として個人研究
1 ) 動物バイオの基礎
2 ) 牛の人工受精による繁殖
3 ) 牛の胚移植・体外受精による繁殖
4 ) バイオ技術の応用と利用
③ 園芸科の場合
中部農林高校園芸科は1年生の「生物工学基礎」では培地調整,無菌操作の基礎・基本やランの無
菌は種から移植,順化および育苗を行っている。2年生では,観葉植物の器官培養、茎項培養を中心
にランのメリクロン苗の一貫生産体系を学習している。授業の形態は1年生は一斉授業を行い,2年
生は他科目との2分割授業を実施している。園芸科における「生物工学」のとらえ方は,繁殖技術と
しての組織培養の習得に大きなウェイトがかかっている。すなわち,目的とする植物を無菌培養して
メリクロン苗、ウイルスフリー苗を作出し,育苗後販売という一連の流れを念頭に置いている。大方
の園芸系学科,コースがこの様な流れにあると思われる。表3は園芸科のバイオ施設及び備品の設置
状況である。
(3) バイオ学習の年間計画
① 動物バイオにおける学習計画
現在,各学校で行われている動物バイオは主として ,
「牛の人工授精 」
「牛の胚移植」である。
家畜人工授精については,動物バイオの基礎的学習として各学校で取り組まれ理論や手法の実際に
ついて実施されている。生産牛の多くはバイオ実習の成果として生徒の実験・実習に活用され,その
成果は校内農業クラブ発表会等で報告されている。
胚移植については各学校おいて解決しなければならない問題点もあるため県下の農業高校の全てに
おいては実施されてはない。胚移植技術は複数の技術から成り立っており,学習を展開していく上で
年間計画を十分検討して講義および実験・実習に整合性を持たせる工夫が必要である。動物バイオに
おける年間指導計画の流れは概ね以下のとおりである。
学期
1
2
月
講
義
実
4
○繁殖の基礎知識・発情・繁殖の仕組み
5
・生殖器の構造・性ホルモンと生殖
・
実
習
・生殖器の解剖
・直腸検査の実施
6
○家畜繁殖とバイオテクノロジー
9
○人工受精技術
・人工受精の仕組み
・直腸検査、人工受精の練習と実施
10
○胚移植技術
・採卵、胚移植の仕組み
・無菌操作、クリーンルーム使用
11
・過剰排卵処置
・徑管経由法による胚回収と卵の処理
12
・受精卵回収と検査
・凍結保存機器の実際、耐凍剤作成
・受精卵の凍結保存融解
○胚回収から移植・受卵牛の発情同期化
・移植の仕組みと方法
3
験
・牛の発情周期の確認と発情行動の観察
・体外受精の仕組み
・家畜繁殖技法の実際と見学
・生物工学用機器操作の練習と使用
・耐凍剤融解の実際と移植
・発情同期化・妊娠鑑定・妊娠牛の管理
1
○体外受精の仕組み
・卵巣採取と卵子採取後の処理
2
○これからの家畜改良と増殖(クローン、 ・体外受精用各種培地の作成
3
分割卵、体外受精など)
4
○バイオテクノロジーの利用と応用
・精子処理、媒精、受精卵の凍結保存
② 植物バイオにおける学習計画
園芸科では,学習の素材を草花,野菜そして果樹を中心に学習することを計画している。植物を取
り扱うという点からいえば,共通のバイオ知識・技術が基本になる。しかし,農業という生産分野か
らすると目的の異なる素材でもある。このことは,3年生の草花,野菜や果樹を中心とした専攻的な
学習に継続してバイオ学習が応用できるようなねらいがある。
学期
月
4
1
5
6
7
2
講
義
○草花へのバイオの応用
キク
ユリ
バラ
スパティフィラム
○野菜へのバイオの応用
ハクラン(胚培養 ) イチゴ (茎頂培養 )
9
○果樹へのバイオの応用
10
○遺伝子と遺伝
実
験
・
実
習
・草花の器官培養(ユリ、セントポーリア)
・カトレアの茎頂培養
・観葉植物の茎頂培養
(スパティフィラム、ホメロメナ他)
・観葉植物、ランの継代培養
観察記録
11
3
12
○生物を取り巻く環境
・観葉植物、ランの順化・鉢上げ・育苗
1
○微生物バイオテクノロジー
・ウイルス検定
2
○バイオリアクター
3
○バイオマス
4
バイオ学習の問題点
取り扱う教材により,バイオ関係科目は単独で学習が展開されているのではなく,中核科目(生産科
目)と関連づけて学習計画を構成しなかればならないこともある。基本的にバイオ科目で繁殖・育種の
原理、原則を学習し応用することで優秀な子孫を数多く生産する。さらに,中核科目(生産科目)でこ
れらの栽培・飼育をとおして農業生物について科学的に学習する。現教育課程においては学校農場での
生産管理・プロジェクト学習のため科目「総合実習」や科目「課題研究」と連携して設置している。現
況の教育過程のバイオ関係学習をとおして問題となる点について検討した。
(1) 動物バイオに関する問題点
県下の農業高校で,共通して学習している植物バイオに比べ,対象となる教材の特殊性から取り扱
っている学校が少ない。その原因は,高額な備品が比較的多く,使用する消耗品に関しても使い捨て
の器具が多い上,高額であること。また,教材が大家畜(牛)に現在限られおり,高額な備品牛の損
耗の可能性も無視できない。また,学習成果を確認するためには妊娠期間が長いことや夏場のストレ
スの多い時期での採卵や移植の実施が好ましくないなど,多くの要因がある。そのため,実験による
理論の確認には,取り扱いが容易で安価な教材や実験用動物の開発の必要性が課題である。
(2) 植物バイオに関する問題点
植物バイオに関する学習は,平成元年改訂学習指導要領以前より学習している学校も多く,基本的
なバイオ学習が実施可能となっている。しかしながら,今後は従来の無菌培養,組織培養等の基礎的
バイオ学習から細胞融合,遺伝子導入等の更に高度なバイオ学習が予想される。そのため,先端技術
の習得や多種類の高性能機器の使用方法の熟練など教師側に課せられた問題もある。また,バイオで
生産された優良苗を環境制御の可能な施設で周年学習できる条件が整いつつあり,そのための詳細な
施設運営や利用のマニュアルづくりが必要であろう。
バイオテクノロジーに関する科目と中核科目(生産科目)との関連では,ランや観葉植物を扱う分
野では,バイオ苗を生産し栽培するパターンが一般的である。中部農林高校草園芸科草花専攻におい
ては,バイオ技術の実践による草花生産への応用はほぼ定着している。しかしながら,野菜専攻や果
樹専攻ではバイオテクノロジーの応用 ,利用という点から見ると ,まだ十分とはいえない 。そのため ,
専攻の特色を生かしたバイオ技術の利用による生産物の作出が望まれる。
5
まとめと今後の課題
バイオ学習は,各学校の努力により一定の成果があがり,学校によっては農場の特色づくりに大いに
寄与したとの評価もある。学習する生徒にとっても,生命の神秘や自然科学への興味・関心は高い。ま
た,今後のバイオ学習はさらに充実する事が予想され,以下の様な点についても検討する必要がある。
(1) バイオ学習の教材について
新学習指導要領においては,科目「植物バイオテクノロジー」及び「動物・微生物バイオテクノロ
ジー」の2科目になり,現在の「生物工学基礎」に比べて内容の充実が図られている。そのため植物
バイオテクノロジーにおいては,組織培養技術から植物の遺伝子組換え及び細胞融合の基本的な仕組
み等の学習に対応するための教材開発の必要性があるとおもわれる。それと同時に,バイオ学習で生
産したバイオ苗が農場運営や生産学習との関わりで,どの程度の貴重な優良品種を作出できるかとい
う課題がある。また,園芸科では,バイオ学習を草花,野菜及び果樹のような専攻の特色を生かした
素材に取り組んだり,地域の特色ある生産物や将来性のある素材の研究などバイオ技術の利用につい
て今後とも検討が必要である。
他方,動物系においては現状として大家畜(牛)のみが教材として取り扱われており教材性が非常
に狭い。動物バイオの問題点で指摘したとおり新しい教材開発は必須である。実験用動物の導入によ
り生徒自ら実験ができ,さらにある程度の回数が実施できる教材開発の必要性と教師の実施で「やっ
たつもり」ではなく生徒が「やった」の動物バイオにすることが大切である。
実習手引き書①(PCR法による性判別)
PCR法による性判別
1
はじめに
現在,雌雄の産み分けに関し,Ⅰ受精前の性判別法,Ⅱ受精後の性判別法などが試みられている。その
中で,最も効率がよく,信頼のおける性判別の方法が PCR 法である。
牛肉由来の DNA による雌雄の判別
(1 )牛肉からの DNA の抽出
<準備>
材料:
牛肉(なるべく新しいもの)
試薬類: DNeasy Tissue Kit( キアゲン社 )
、特級エタノール ( 60ml 程度)
器具類: 滅菌済み 1.5ml マイクロチユーブ、滅菌済みイエローチップ、 フィンピペット 20 − 200 μ l 、200 − 1000 μ 1、
グローブ、タイマー 、ハサミまたはメス、滅菌シャーレ、マイクロチユーブラック 、マイクロチユーブ、フロートラック、
10ml メスピペット、マクロピペットコントローラー
機器類:天秤、恒温漕( 55 ℃及び 70 ℃に セット)、マイクロチューブ用遠心器、試験管ミキサー 、分光光度計
<注意>
・サンプルは新鮮なものまた凍結されたものでは繰り返し凍結融解されていないものを用いる。
(上記以外では DNA が分解されている可能性が高いため)
・凍結されているサンプルを用いる場合は室温へ戻しておく。
・ ATL と AL バッファーに沈殿が生じている場合は 55 ℃の温浴中で完全に溶かす。
・ 96 − 99 %のエタノールを A W l へは 25ml、 A W 2 へは 30ml 加える。
・ 55 ℃(ステップ 2 で使用)と 70 ℃(ステップ 3 で使用)のバスを準備する。
・全ての遠心操作は 6000g( 8000rpm)以上で行う。
・試験管ミキサーによる撹拌は 5 ∼ 10 秒間程度行う。
・ AL バッファーには刺激性があるクロトロピック塩、A W 2 バッファーには アザイドが含まれている。これ
らの操作を行うときは適切な保護具を用いグローブをはめて操作すること。
<方法>
①
ー
②
牛肉を 25mg はかりとり、なるべく小さくきざみ 1 .5ml のマイクロチユーブへ入れ ATL バッファ
を 180 μ 1 加える。
20 μ 1 のプロテインキナーゼを加え試験管ミキサーで撹拝し組織が完全に溶けるまで 55 ℃で インキュベ−ト
する。
溶解時間は組織によって異なる。普通は 1 ∼ 3 時間程度。一晩放置してもよい。
③
せ、
試験管ミキサーで 15 秒間撹拌する。 200 μ l の AL バッファーを加え試験管 ミキサーで完全に混ぜ合わ
70 ℃で 10 分間インキュベ−トする。
AL バッファーの添加により白い沈殿が生じることがあるがほとんどの場合 70 ℃の インキュベ−ション 中に
溶けるので問題ない。AL バッファーの添加によりゼラチン状になった場合はステップ 4 へ進む前に
よく撹拌しておく。
④
200 μ 1 のエタノールを加え試験管ミキサーで完全に混ぜ合わせる。
エタノールの添加により白い沈殿が生じることがあるが次のステップですべて DNeasy スピンカラムへ添加
する。
⑤
ステップ 4 のサンプルを 2ml の コレクションチユーブ (キット付属品)に入れた DNeasy ミニカラムへ
加する。8000rpm 以上で 1 分間遠心する。
添
⑥
DNeasy ミニカラムを新しい 2m1 コレクションチユーブへ入れ 500 μ 1 のA W 1バッファーを加え
8000rpm 以上で 1 分間遠心する。
( 2 )PCR による DNA の増幅
<準備>
試薬類: XY セレクター(伊藤ハム社 )
、滅菌蒸留水、ミネラルオイル、 トラッキングバッファー、クロロホルム
器具類: 滅菌済み 0 .5ml マイクロチユーブ、滅菌済みイエローチップ、フィンピペット 0.5 − 10 μ 1、 20 − 200 μ 1 、
200 − 1000 μ 1 、マイクロチューブラック、氷
機器類:遠心器、サーマルシークエンサー
<注意>
・キットの試薬を使用する際はチユーブの壁面や蓋に試薬がついている可能性があるため軽く遠心してか
ら使用する。
・キットの試薬は失活を防ぐためにフリーザ−から取り出した後は常に氷上に置く。
・ DNA のコンタミネーションを防ぐために、試薬の添加を行うときはチップの先端をサンプル液につけな
いようにする。また、なるべくフィルター付きのチップを使用する。
<方法>
準備:サーマルシークエンサーを起動させる。
条件:熱変性(前処理) 95 ℃、2 分
熱変性 95 ℃、30 秒→アニーリング 50 ℃、40 秒→伸長反応 70 ℃、10 秒(45 サイクル)
☆サーマルシークエンサー
1プログラムのセットアップ
ON
電源スイッチ
PROGRAMING
2
→ LOAD
1
ーーーーーーーーーー(ENTER)
20
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
TEMPERATURE ーーーーーーーーーーー
BathA :ーーーーーーーーーーーー
Bath B: --------------------
------ (ENTER)
ENTER
95 ℃
反応条件
95 -------( ENTER )
------- (ENTER)
-------- (Stop)
2 SEAQUENCE
5 分(300sec)
35 サイクル
↓ 95 ℃
2 分( 120sec)
Bath A
↓ 45 ℃
2 分( 120sec)
BathC
↓
72 ℃
3 分(180sec) BathB
↓
TOP :----- ( BathA)ー(ENTER)− 300 −(ENTER )
( Bath A )ー(ENTER )− 120 −( ENTER)
( Bath C)ー(ENTER )− 120 −( ENTER)
( BathB)ー(ENTER)− 180 −(ENTER )
END: ----- (Bath B)ー(ENTER )− 300 −( ENTER)
−( Stop )−( stop )
SAVE ---------- 20 −(ENTER )
SAVE ? -------- (START )
1 0PERAT10N -------- (ENTER )
FILE: ---------------- 20 −(ENTER)
35 −( ENTER )−( stop )
−(START)−( START )
BathA
↓
72 ------- ( ENTER)
BathC: -------------------- 45
REPEAT: ---------
PCR 増幅
72 ℃
5 分(300sec).
DNA サンプルを 2.5ng /μlに希釈する。
①
Ex.DNA サンプル濃度
25ng /μ 1 の場合
DNA 23 μl
25 / 2. 5 = 10 倍希釈
βーアクチンー 2 μ l
DNA サンプル 10 μ 1 +滅菌蒸留水 90 μ 1
XY セレクターの酵素混合液を調製する。1 サンプルにつき
A 液 9.9 μ 1 、B 液 0. 1 μ l の割合で調製する。
②
Ex. 5 本分
A 液: 9 .9 × 5 = 49 .5 μ 1 と B 液:0 .1 × 5 = 0. 5 μ 1
混合し 9 .5 μ 1 ずつ分注する。
(本来は 10 μ 1 ずつの分注だが 9 .5 μ 1 でも問題ない 。
)
酵素混合液に希釈したサンプルを 10 μ l ずつ分注する。
③
ミネラルオイル 20 μ l
ミネラルオイルを 50 μ l 添加し軽く遠心する。
④
マイクロチューブのフタをしっかり閉め、サーマルシークエンサーにかける。
PCR 条件は以下のとおり 。
(所要時間約 60 分)
熱変性(前処理)95 ℃、 2 分
熱変性 95 ℃、30 秒→ アニーリング
50 ℃、40 秒
→伸長反応 70 ℃、10 秒(45 サイクル)
この間に電気泳動で用いる試薬(トラッキングバッファー、
クロロホルム 75
TBE バッファー、分子量マーカー)の調製を行う。
⑤
μl
バッファー 2.5 μ l
反応終了後、マイクロチユーブを取り出しトラッキングバッファーを
2. 5 μ 1 と クロロホルム 75 μ 1 加え試験管ミキサーで軽く撹拌し混ぜ合
わせた後 、上層(反応液 )を新しいマイクロチユーブにとり軽く遠心する 。
上層にあったミネラルオイルがクロロホルムに溶けて下にあった水層と逆転
し、水層が上となる。水層(反応液)にはトラッキングバッファーが
PCR 透明
含まれており青色になっている。
(3 )電気泳動による PCR 産物の解析
<準備>
試薬類:TBE バッファー、 4 − 20 %プリキャストゲル、Plus OneDNAsilverStainingKit (アマシャ
ファルマシア )
、ゲルドライキット、エタノール
ム
器具類:セーフティーセルミニ電気泳動槽 、マイクロキャピラリチップ 、フィンピペット 2 − 20 μ 1 、
100ml メスシリンダー、 200ml ビ−カー、10ml メスピペット、マクロピペットコントローラ
染色容器ゲルカットガイド、タイマ
,
-
ー
機器類:電気泳動用電源、振とう機
<方法>
プリキャストゲル電気泳動槽の組み立て
① 4 − 20 %プリキャストゲル(ゲルカセット)を袋から取
り出し、下のテープと上部のコームを外す。
② セーフティーセルミニ電気泳動槽を組み立てる。下部バ
ッファー槽に上部バッファー槽と(+側が左になるよう
に)水平移動板をセットする。
③ ゲルカセットまたはバッファーダムを上部バッファー槽
の両側へ差込む 。ゲルセットは下部の細長い穴が外側(下
部バッファー槽側)を向くようにする。
④ 垂直移動板を手のひらで強く上から押し込む。
↑プリキャスト
⑤ TEB バッファーを上部バッファー槽へウェルが浸されるまで入れる。下部バッファー槽へ約半分くら
いの高さまで入れる。ウェルの間に気泡が入った場合は、マイクロキヤビラリチップの先端を用いて
除去する。
⑥
分子量マーカー及び PCR 産物をそれぞれ 6 μ 1 / well をマイクロキャビラリチップを用いてゆっく
⑦
り加える。
コードを接続し 20 m A /枚で 50 ∼ 70 分間泳動する。
トラッキングバッファーにブロモフェノールブルーとキシレンシアノールが含まれており、バンドの
移動状況がわかる。
キシレンシアノールが先に流れる。デロモフェノールブルーがゲルカセットの下側の穴より少し上付
近にくるまで泳動する。
*この間に銀染色の固定液を準備しておく。
⑧
泳動が終了したらコードを外し垂直移動板のネジをまわして垂直移動板をゆるめてゲルカセットを取
り出す。
⑨
ゲルカセットの 2 枚のプラスチック板の間にゲルカットガイドを差込みゲルカセットを外す。プラス
チック板にゲルが接着しているのでゲルカットガイドで軽く切り目を入れておく。
⑩
固定液が入ったケーズの上で、ゲルカセットの下側の穴にゲルカットガイトを差込ゲルを外し固定液
へ浸す。
⑪
下記の要領で銀染色を行う。液を入れ替えして振とうしながら染色する。
固定液( 30 分)→染色液(30 分)→蒸留水(1 分)→現像液(6 ∼ 10 分)→現像停止液(10 分)
試 薬
固定液: 25ml Fixingsolution( 5 ×)+ 100m1 2 4 %エタノール(1 級)
染色液: 25ml Staining solution (5 ×)+ 100ml 蒸留水
現像液: 25ml SodiumCarbonate( 5 ×)+ 100ml 蒸留水
+ 125 μ 1 Sodiumthiosulphate
+ 125 μ 1 Formaldehyde
現像停止液: 25ml Stopping & Preservig solution( 5 ×)+ 100ml 蒸留水
(注意)ホルムアルデヒドを含んだ現像液は不安定なので使用直前に準備する。
⑫
蒸留水を十分量入れて水洗する。10 分(以上)ごとに蒸留水を入れ替えて 3 回以上水洗いする。
このステップの水洗が不十分な場合は次のステップでゲルを乾燥したときひびが入る可能性がある。
⑬ ゲルを乾燥する。ゲル下部の凸部と well の枠をゲルカットガイドで切り取る。ゲドライソリューショ
ンをゲルが浸る軽度に入れ 20 分間振とうする。
切り取るときは一気に切り、裂け目が入らないようにする。裂け目があると乾燥させた後にそこから
ひびが入る原因となる。ゲルドライソリューションは数回繰り返して使用できる。その場合、 5, 6
分程度時間を長くする。
時間が長すぎるとゲルの周辺部が白濁する。
⑭
セロハンメンブレンをゲルドライソリューションへ 10 秒程度浸す。
⑮
プレートにゲルドライフレームをセットしセロハンメンブレン、ゲル、セロハン
メンブレン、ゲルドライフレームの順にセットする。
気泡が入らないようにする。ゲルをのせた後、ピペットで ゲルドライソリューションを添加すると入りに
くい。
⑯
クランプを用いて 3 方をとめ、あいている方を下にして過剰な液を除く。
⑰
残りの辺をクランプで止め、立たせて室温放置し 1 晩乾燥させる。
※岩城硝子テキストを参考に作成
熱帯果樹実習手引き書(茎頂接ぎ木法)
「カンキツの簡易茎頂接ぎ木法」
1
はじめに
カンキツの生産性を向上させかつ品質の優れた果実を生産するためには,ウイルスフリー苗が必要であ
り,その苗を得る方法として実生苗の利用が考えられるが形質に変異が生じることから均一の苗ができな
い課題がある。その他の方法としては,熱処理,茎頂接ぎ木及び茎頂培養があり,それぞれの果樹に適し
た方法が行われている。今回,滅菌操作をほとんど必要としない簡易茎頂接ぎ木について説明する。
( 1 )簡易茎頂接ぎ木法の流れ
① 台木に用いる種子の外種皮及び内種皮
図1
を剥皮する 。
(図1)
② 5%アンチホルミン(有効塩素濃度
A(内種皮は剥皮しにくいので外種皮を剥皮した
0.25 %)に3∼5分間浸漬し表面殺
後,
「からざ」の一部分を剥ぎ水に
,
10 分程度浸漬
菌する。
しておくと剥皮しやすい 。
)
③ 滅菌水で5分間洗浄する。
④ 播種して一定の環境条件で管理 。
(図2 )
図2
B 鹿沼土を敷いたシャーレ内(滅菌水を用いて水
図3
分を保つ)に播種し 28 ℃の暗黒下条件で育成する。
⑤ 移植して一定の環境条件下で管理(図3)
C 根が 1.5 ∼2 cm 程度に伸長した頃,鹿沼土
を入れた径6 cm のポリエチレンポットに移植
し 28 ℃の暗黒下条件で育成する。
⑥ 穂木を採取し摘葉する。
D 穂木として2∼5 cm 程度の新梢を採取し摘
図4
葉する 。(※穂木は温室内育成された先端部分が
開かず,伸長しつつある新梢を用いる 。
)
⑦ アルコールで表面を殺菌する 。
(図5)
図5
E 70 %アルコールを含ませた脱脂綿で
表面を殺菌する。
⑧ アンチホルミンで表面を殺菌する
(図6)
F5%アンチホルミンに5分間浸漬し
表面殺菌する。
図7
図6
⑨ 滅菌水で洗浄する 。
(図7)
G 滅菌水で2回,5分間洗浄する。
⑩ 先端をカギ型に切断する 。
(図8)
図8
H 実生の上胚軸が4∼5 cm 程度に伸
長した頃(播種後2週間目頃)高さ
2∼ 2.5cm で切断し,先端をカギ型
に切り取った後,切り口に滅菌水を滴
下して乾燥を防ぐ。
↓
⑪ 穂木の調整 。
(図9)
I 実体顕微鏡下で頂芽及び側芽の径頂部
を葉原基2∼3枚(約 0.3mm 前後)残
して切り取る。
⑫ 形成層に合わせて茎頂を接ぐ。
J 台木台座部の形成層に接合するように茎頂部
をのせ,滅菌水をろ紙で吸収・除去し,接ぎ木
部をパラフィルムで被覆する。
⑬ 25 ℃ 散 光 室
図9
内で育成する
⑭ 接ぎ木後の伸長を確認。
K 接ぎ木後 12 ∼ 20 日頃からパラフィルム
⑮ 接ぎ木後 40 日頃,新葉緑化時に寄せ
⑰ 無毒化の確認をする。
接ぎを行う .
⑯ 2∼3ケ月で 50cm 程度に生育する。
⑱ 穂木を増殖する。
② 植物バイオ実習手引き書抜粋(細胞融合
「細
胞
融
合」
1.プロトプラスト単離
【はじめに】
植物細胞を細胞壁分解酵素で処理すると,細胞壁が溶解して細胞膜に包まれた原形質の塊ができる。
これをプロトプラスト( protoplast)という。プロトプラストは適当な条件下では細胞としての生理活
性
を維持し,さらには分裂増殖てをして植物体にまで再生することが可能である。
【材
料】
・チンゲンサイ
【試
・ムラサキキャベツ
薬】
・Ce11ulase Onozuka R10 ,
・D-mannitol,
・Cellulase Onozuka RS
・Macerozyme R10,
・デキストラン硫酸カリウム
・glucose ,
・ sucrose,
・ PolyetbyleneGlycol # 4000 (PEG4000)
・塩化カルシウム(CaCl2 ) ・リン酸二水素カリウム( KH2PO4)
【器
具】
・ シャーレ(φ 90mm ,φ 60mm ),
・ ナイロンメッシュ(70 μm)
・駒込ピペット(10ml)
・ 三角フラスコ(100ml, 300ml など) ・ パスツールピペット,
・ トーマ血球計算盤
・遠心沈殿管(目盛付,10ml)
・ ピンセット(各種 ),
・薬匙
・ろ紙
・ メス(替え刃,メスホルダー)または剃刀(両刃)
【方
法】
《酵素液の調製》
酵素処理は下記組成の一段階法で行う 。各班の酵素液を 50ml ずつ調整する (1 処理区約 10ml /人 )
試
薬
名
Cellulase Onozuka R10
酵素液 A
酵素液 B
1. 0 %
Cellulase Onouka RS
酵素液 C
1 .0 %
1. 0 %
Macerozyme R10
D-mannitol
0. 2 %
0. 6M
0. 2 %
0 . 6M
0 .2 %
0 .1M
デキストラン硫酸カリウム
0. 6 %
0. 6 %
0 .6 %
まず所定量のセルラーゼを計りとり,適量の蒸留水に投入してスターラーで泡立てないように攪拌,
溶解する。セルラーゼが完全に溶けたら所定量のマセロザイム R10 を計りとり溶解する。最後にマン
ニトールおよびデキストラン硫酸カリウムを投入して所定容積に fillup する。
《植物材料の調整》
チンゲンサイは水道水でかくる洗った後,表面の水分を吸い取っておく。葉の裏側から葉脈をピンセ
ットでつかみ,葉の先端にむけて引っ張るようにして葉裏面の表皮を剥がす。表皮の剥がれた部分を剃
刀かメスで切り取り,多数の切片をつくる。表皮が上手く剥がれないときは、細長い 1mm 幅程度の切
片を作る。ムラサキキャベツも細切りし,これらは乾燥しないようにφ 90mm シャーレに入れておき
生体重を測定しておく。
《酵素処理》
φ 60mm シャーレに酵素液を 8 ∼ 10ml ずつ入れる。ここに植物材料を投入する 。
(表皮を剥がした
チンゲンサイの葉は、剥がした側が酵素液に浸るようにする )
。これを 30 ℃に保った恒温器(暗所)に
入れ静置または振とうする。30 分毎に倒立顕微鏡で観察し、遊離してきた細胞・プロトプラストをス
ケッチする。
《プロトプラストの精製》
1 ) 処理開始 1 ∼ 2 時間後に酵素液を軽くピペッティング(パスツールピペットを使って液の吸排を繰
り返す)した後,ナイロンメッシュ(またはミラクロス)をロートにセットしてろ過を行い組織片を
除く。
2 ) 濾液をパスツールピペットで遠心管に移し,軽くピペッティングする。
3 ) バランスを合わせた後, 100G(700 ∼ 800rpm)で3分間,遠心処理する。
4 ) パスツールピペットを使って上澄みを捨て ,洗浄液(0.5MD-mannitol + 50mM CaCl2 )を5∼7 ml
入れて軽くピペッティングする。
5 ) バランスを合わせた後, 100G(700 ∼ 800rpm)で3分間,遠心処理する。
6 ) 上達みを捨て,あらかじめ遠心管に 2 または 3ml のところにマークしておきその点まで洗浄液を入
れて軽くピペッティングし,懸濁液を 1 滴取り,血球計算盤でプロトプラストを計数する。
酵素液 1ml あたりに含まれるプロトプラスト数を求め,収率は材料の生重量1 g あたりから得られ
たプロトプラスト数で表す。通常は 3 回程度計数し,平均を出す。なお,数が少ない場合は遠心して
農縮してから計数する。
《密度勾配遠心によるチンゲンサイ葉肉プロトプラストの精製》
1 )前項の方法でプロトプラストを単離精製する。
2 )20 %, 5 % sucrose 溶液をそれぞれ調整し,遠心管に 20 %を1 ml, 5 %を2 ml,ろ過液を混ざら
ないように重層する。
3 )バランスを合わせた後, 100G(700 ∼ 800rpm)で6分間,遠心処理する。
4 )それぞれのバンドのプロトプラストを洗浄液に懸濁し,大きさおよび chloroplast の量等の違いを観
察する。
2
細胞の融合
1 )自然融合
細胞壁の酵素分解中に自然に生ずることがある。この融合は隣接細胞から由来したプロトプラスト
間の原形質連絡の拡張によるものである。
細胞融合によるポマト作出の手順(実況出版「生物工学基礎」図1−2)
2 )化学的融合
ポリエチレングリコール( PEG)法,ポリビニルアルコール(PVA)法,デキストラン法など世界
で初めて人工的,無性的に雑種植物を作ったりして注目さされたカールソンの融合法は硝酸ナトリウ
ムを用いて成功した。その後,多数の研究で追試されたところ,この方法が最も有効で応用範囲の広
いことが認められた。
《 PEG 法による細胞融合》
① 試薬の調整
・プロトプラスト融合用 PEG 液 ・・・・
50ml /全体
Polyethylen glycol # 4000
33 %( W / W)
Glucose
0 . 2M
CaCl2
3 .5mM
KH2PO4
0 .7mM
( pH は 5. 5 に合わせる)
まずはじめに PEG を除いた試薬を溶解し、液量を 35ml 程度にしておき, pH を合わせる。次に PEG
を 16 .5g 加えてマグネティックスターラーで攪拌溶解する。
PEG が溶けにくい場合は沸騰温浴で温めて完全に溶解する。融合後培養を行う場合は調整後,オー
トクレーブで滅菌する(121 ℃, 15min.)
。
・洗浄用高 pH ―高 Ca 溶液…・100ml /全体
○ mannito ・・・・ l0. 8M
○ CaCl2・・・・・ 0 .1M
( pH は 10. 5 に合わせる)
35mm プラスチックシャーレ
PEG 溶液と同じく、融合後培養を行う場合は
調製後 、
オートクレーブで滅菌する(121 ℃ ,
15min .
② プロトプラストの融合
5分静置
1) チンゲンサイとムラサキキャベツのプロ
トプラスト懸濁液(精製段階で懸濁液の濃
度を同じにしておく )を等量混合し ,φ 35mm
シャーレの中央に約 160 μ l 滴下する 。(パ
スツールピペットの1滴は約 40 μ l なので
PEG 液
混合液 0.15ml
4滴 )
。
2) 5∼ 10 分間静置し,プロトプラストを沈降
させ,安定した薄い層を作る。
3) プロトプラストを懸濁液のまわり4ケ所に
PEG 溶液を約 40 μ l ずつ4ケ所に滴下して,倒
つながる
間をつなぐように滴下
立顕微鏡下で観察しながら PEG 溶液をピペット
の先端で引きずるようにして中央の懸濁液と混
ぜ合わせる。この操作はゆっくりと行い,最終
的に4ケ所の PEG 溶液をすべて混ぜ合わせる。
→
観察
4 )約 15 分後に高 pH 一高 Ca 溶液を PEG 溶液と
10 分
パスツールピペットで
周囲から溶液除去
同様に約 40 μ l ずつ4ケ所に滴下し,混ぜ合わ
せる。
5 )この間,観察を続け,融合状態(未融合,2
個の融合〔ホモカリオン,ヘテロカリオン 〕
,
マルチ融合)を確認する。
PEG 洗浄(0,5H マンニトール ,2.5mMCacl2 )
↓に 4 滴ずつ落とす(合計 16 滴)
6 )各処理区 200 個のプロトプラストについて計測し,未融合, 2 個の融合(ホモカリオン,ヘテロカリ
オン )
,マルチ融合,破損の 7 種類に分類し,割合を出す。
↑プロトプラスト細胞
↑初期の分裂細胞
( 3 )電気融合
イオン化しているリン脂質で構成されている細胞膜の内外に,ある一定以上の電圧が加えられる
と,電圧が加わった部分で部分的に細胞膜を破壊する。この細胞膜の破壊の面積が大きいと細胞は
死滅する。一方,その面積が小さければ,破壊された細胞膜は修復し,細胞はその生理活性を維持
することができる。細胞膜の部分的破壊によって形成する細胞膜の小孔の大きさは,印可した電圧
の強度,印可時間の長さによって変わる。部分的に破壊された細胞膜を持つ細胞同士がその破壊さ
れた部分で接していると,細胞膜の修復する過程で,細胞同士が融合することがある。このことを
積極的に応用したのが電気融合法である。
( 3)
まとめと今後の課題
情報技術や科学技術の進展等により社会が大きく変化しつつある中,農業分野においては、バイオテクノロ
ジーや環境制御技術などの生産性向上、高付加価値化を図る新技術が導入されてきている。
こうした状況の中,農業高校においては,教育内容の改善や指導法の工夫・改善を図り,基礎的・基本的な
知識,技術を確実に習得させ,それらを活用できる能力を持つ人材の育成が求められている。また、新学習指
導要領をみるとバイオテクノロジーに関する内容が更に充実されており,培養基礎技術は勿論のこと「遺伝子
組み換え 」
「細胞融合 」
「バイオマス・エネルギー 」
「受精卵操作 」
「雌雄判別 」
「クローニング 」
「バイオリアク
ター」等々,高度な知識・技術を必要とする内容が盛り込まれている。
本研究室においては,それらの新しい科学技術に対応するため,先端技術の習得と効果的な指導法の工夫・
改善に関する研究(①培養技術や細胞融合等の技術習得と指導法の研究、②栽培温室の制御技術や熱帯果樹特
性に関する研究、③受精卵の採取、分割・移植,体外受精卵の作出等の生産技術習得と指導法の研究など)を
年次的に進めながら,教職員研修や生徒実習等を積極的に取り組んできた。
今後の課題としては,先端的な技術ということもあり,学校現場に今後導入される技術に対応することや産
業現場で活用されている先端技術に対応するため,継続的・継続的な調査・研究及び教職員研修等を実施し,
普及と習得を図ること。また,生徒実習の面では先端的な技術で難解なこともあり,直接的に実験・実習を展
開する機会も少ないことから,学校現場と密接な連携をとりながら展開していくこと。さらに,これらのこと
がスムーズに展開できるよう専門分野の先端機器装置及びそれらを活用するための実習手引き書等をより充実
させる必要がある。今後も充実した研究活動が実践できるよう日々努力していきたい。
2
分析システム研究室
(1) 研究概要
研究室内には質量分析計(ガスマス)や高速液体クロマトグラフ,原子吸光々度計等の機器が整備され,食品,
土壌,作物及び水質の分析が可能である。これにより研修による人材育成のみならず,県外に遅れを
とっていた食品分析も実施できることになり,食品産業への貢献も期待できる。
また,機器分析においてはその操作技術修得だけでなく,前処理実験等の基本的な操作を重視した
指導書作成も行い,学校現場でも活用可能な教材づくりを目指している。
さらに,県産品利用を活発にさせる上でも分析研究が不可欠であり,『食』を生産する農業が,この
ような分析技術を取り入れた研究を推進することで農業自体の活性化につながるものと考えられる。
これまでの主な研究項目は以下のとおりである。
①食品製造および食品化学の基礎
・・・・
食品製造および貯蔵に関する基礎知識
食品分析の基礎,食品成分の種類並びに
理化学的特性
②食品分析およびバイオリアクター技術
・・・・
食品の5大栄養素の定性および定量分析
食品中の糖,有機酸およびアミノ酸分析
発酵,醸造食品製造および微生物を利用し
た食品製造の知識や分析技術の修得
③分析機器の活用
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
食品中の微量成分,土壌および植物成分分析
④分析技術の応用
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
薬品,水質および環境科学分析
⑤複合環境制御技術
・・・・・・・・・・・・・・・・
環境制御温室の原理及び栽培技術
(2) 取り組み状況
本研究室の施設,備品等は比較的高機能を持っているので,科目の単元だけに限らず,「課題研究」な
ど研究深化の分析データを得ることも可能と思われる。以下に各機器や取り組み等を表す。
① 分析システム研究室における機器紹介(表1)
主 な 機 器 及 び 装 置 名
ガスクロマトグラフ質量分析計
機器の機能又は研究展開例
◎食品,野菜および草花等の分析(香気成分含む)
◎ウコン,ゴーヤー等の苦味成分分析
◎野菜(ネギ・タマネギ)等の刺激臭分析。
◎野菜等の成分に影響を及ぼす栽培法の研究。
◎危険物等(ガソリン,灯油)の成分分析。
原子吸光々度計
◎土壌および植物中の無機成分,微量要素分析。
◎食品中の無機質成分(ミネラル)分析。
◎水質分析および環境科学分析。
有機酸・糖分析計
◎各有機酸および各糖類分析。
(高速液体クロマトグラフ) ◎かんきつ類の酸及び糖に影響を及ぼす栽培法。
◎黒糖などの糖成分研究。
アミノ酸分析計
◎肉中のアミノ酸組成研究。
(高速液体クロマトグラフ) ◎みそ及び酒類などのアミノ酸成分研究。
バイオリアクター装置
◎ワインおよびビール酵母などを利用した研究。
分光光度計
◎リンおよびビタミン類などの分析。
においセンサー
◎各種食品,野菜,果実および草花のにおい研究。
主 な 機 器 及 び 装 置 名
機器の機能又は研究展開例
赤外線水分計
◎食品,野菜および植物体の水分測定。
凍結乾燥機
◎各乾燥食品およびドライフラワー等の研究。
(フリーズドライ装置)
◎サトウキビ絞り汁を煮詰めずに凍結乾燥する研究。
エバポレータ(真空濃縮装置)
◎ビタミン類分析および試薬調製等。
単蒸留制御装置
◎アルコール回収および蒸留試験等。
V.C分析計
◎ビタミンC分析等。
土壌検定器
◎農場現場における土壌養分等定性分析。
Dr.ソイル
果実硬度計
◎果実類,食品等の硬度や弾力性測定。
② バイオ生産・分析システム研究室における今年度の生徒実習及び主な事業概要
前述した研究室の施設・設備に伴う今年度の取り組み状況は以下のとおりである。
(☆印が学校関連)
4月
・・・ 植物バイオ技術講座実施
5月
・・・ 環境制御技術講座
分析機器活用講座実施
6月
・・・
動物バイオ技術及び植物バイオ技術講座実施
分析機器活用講座実施
☆北農食品科学科分析実験(中村幸弘先生他引率
写真1
複合環境制御温室全景
「スイカ酢中のアミノ酸及び無機成分分析」
☆中農農業経済科分析実験(上原八千代先生引率)「ねぎエキス成分分析」
☆南農食品技術科分析実験(兼次あかね先生他引率)「おから成分分析」
※上記学校の実験結果等は7月の県学校農業クラブ大会プロジェクト発表に活用
7月 ・・・☆友寄隆治先生(宮農)栽培環境教材試料分析
植物バイオ技術及び熱帯果樹講座実施
8月 ・・・☆植物バイオ技術短期研修講座実施 (10名参加)
「プロトプラストの単離と観察」他
☆ 動物バイオ技術短期研修講座実施(5名参加)
「精子処理等の技術」他
☆南農施設園芸科栽培実験(濱里
写真2
登先生引率)
「制御温室内におけるユーチャリスの栽培研究」
☆分析機器活用短期研修講座実施(8名参加)
「泡盛古酒中の成分分析」他
9月
・・・☆北農食品科学科分析実験(中村幸弘・上唐由紀子先生引率)
「北部各地区の水質分析」・・・・
熱帯果樹講座実施
2週にかけて実施
北農食品科学科分析実験
10月 ・・・ 植物バイオ技術及び分析機器活用講座実施
☆沖縄工業工業化学科分析機器見学(壽
敦義先生引率)
☆中農他生物クラブ見学
11月
・・・☆南農施設園芸科『課題研究』
分析機器活用講座実施
12月
・・・☆南農施設園芸科『課題研究』
1月
・・・☆北農熱帯農業科1年施設見学(親泊達也・平良一朗先生引率)
2月
・・・☆八重農熱帯園芸科2年施設見学(伊波
浩・花城貴義先生他引率)
③ データの提供
分析システム研究室では,長期研修・短期研修以外にも随時テーマを設けて機器分析を行い,その
データを関係機関等(学校,学校農場協会)に提供した。このようなデータを提供し,本研究室の所
する分析機器の具体的な活用法について理解してもらうことを目的としている。
【データ1】:においセンサー使用
春ウコン
219
秋ウコン
※数値はにおいの振動数(Hz)
188
収穫2日後ゆたか菜
482
タマネギ
241
水耕ねぎ
548
収穫5日後ゆたか菜
610
図1
野菜類のにおい強度
【考察】特有のにおいを有することと,においの強度が高いこととは必ずしも一致しないのではないか。
試料を多くして継続研究したい。
【例】ねぎ→振動数は高くないが,虫が付きにくい。
青菜→においはきつくないが,振動数高く実際に虫が付きやすい。
有
※ 分析で注意すべきことは
においがきつい(刺激臭)
からといって
振動数が高くなると一概に
言えないことである。
←装置の先端部に
においセンサーが
組み込まれており,
かなり感度が高い。
写真3
においセンサー装置
【データ2】:赤外線水分計使用
(センター内にある樹木を一斉に採取して行う)
表2
樹木の水分含量測定
キョウチクトウ
モクマオウ
ホルト
コバテイシ
ソウシジュ
49.0 %
48.1 %
47.8 %
36.4 %
26.7 %
【考察】キョウチクトウは防火林のひとつとして,植栽に有効と思われる。
米軍基地のフェンス沿いに多く見受けられることでも理解できる。
本実験は5日間の晴天続きの後,各樹木の枝や幹を
同じ太さに切り取り,一斉に水分計で測定実施
約30分で測定可
(従来の方法は乾燥機中で数時間乾燥後に重量測定)
注1;水分計の測定皿に載せる試料は統一する。
(本実験では5g)
注2;測定皿から光源までの距離も統一する。
注3;樹木等を切り取った後,速やかに測定する。
したがって,数人で一斉に行うのが理想的である。
写真4
赤外線水分計
【データ3】:原子吸光々度計使用
K
ガジュマル
1.6
モクマオウ
0.77
ホルト
1.2
0.73
ソウシジュ
0.99
0.7
0.3 0.26
0.5
キョウチクトウ
3.5
0.2
1.2
マツ
Mg
0.27
1.1
コバテイシ
Ca
1.9
0.3
0.51
0.14
1.97
1.1
2
図2
0.36
4
6
8
樹木等の葉に含まれる各無機成分含量(g/100g)
【考察】ガジュマル,コバテイシは無機成分含量が比較的高い結果となった。
清掃時に葉の処理等で負担となっているコバテイシを腐葉材料として,検討するのも興味深い。
写真5
原子吸光々度計全景,機器は【
本体+端末機器+オートサンプラー
】より構成されている
←
アーム型ロボットの
原理が応用され,
端末で指示すると
ノズルで寸分たがわず
試料を採取できる。
試料数が多い場合も
一度にセットできる
利点がある。
写真6
原子吸光光度計のオートサンプラー部分
④ 実験指導書作成例
Vol.1
(一部抜粋)
産業教育課 分析システム研究室
本指導書は,農業高校における食品学科および栽培学科の教諭を対象として作成した。そのほとんどが本セ
ンター内にある機器及び装置等の機能を活かした項目となっているが,生徒の実験活動に対して,できるだけ
わかりやすい内容となるよう配慮した。
したがって,実験操作の一部又は全部を学校現場でも展開可能な内容にまとめ,校内の授業である程度まで
調製したサンプルを用いて,本センターで実験学習の展開が行なえるように構成した。
目
次
頁
◎液体中の鉄(Fe)定量【分光光度計or原子吸光光度計】
◎液体中の亜鉛(Zn)定量【分光光度計】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◎土壌中の置換性塩基測定【原子吸光光度計】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◎植物中の無機質(灰分)成分測定【原子吸光光度計】
・・・・・・・・・・・・・・・・
◎1NHNO3(硝酸)可溶性塩基測定【原子吸光光度計】
◎食品中のV.C(ビタミンC)簡易定性法
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◎食品中のV.C(ビタミンC)定量分析【V.C計】 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◎着色料簡易検査
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
液体中の鉄(Fe)定量
目
的
;液体中の鉄(Fe)を試薬で処理し,分光光度計などを用いて定量分析する。
器
具
;試験管,メスピペット,コマゴメピペット,メスフラスコ
試
薬
;HCl
→
NH4OH
→
HCl:H2O
=
NH4OH:H2O
10%塩酸ヒドロキシアミン
→
O-フェナントロリン →
1:2
=
塩酸ヒドロキシアミン
1:1
10g/100‹
フェナントロリン0.12g/100‹
50%CH3COONH4 →
酢酸アンモニウム(酢アン)
50g/100‹
鉄(Fe)標準液(原子吸光用でも可)
操
作
サンプル10‹を試験管に入れ,フェノールフタレン液を1滴加える。
NH4OH(アンモニア水)をコマゴメピペットで微赤色になるまで滴下。
HClで中和する。(色が消えるのを確認)
さらに
HCl
0.6‹
をメスピペットで加える。
10%HClヒドロキシルアミン液 2滴
コマゴメピピペットで加える。
フェナントロリン液 メスピペットで 0.5‹
酢酸アンモニウム
水を加えて全量
1‹
12‹
加え,振とうする。
添加。
とする。
または『鉄』標準比色表と比較する。
↑
この箇所まで校内実験室でも可
分光光度計で吸光度(510mμ)測定。
(Fe検量線作成)*
*
鉄濃度は1,2,3・・・
試行してみる
ppm
で
写真7
分光光度計操作
液体中の亜鉛(Zn)定量
目
的
;液体中の亜鉛(Zn)を試薬で処理し,分光光度計などを用いて定量分析する。
器
具
;試験管,メスピペット,コマゴメピペット,メスフラスコ
試
薬
;5% NaOH
NaOH 5g/100‹
→
10%抱水クロラール
1%
→
KCN
→
10g/100‹
抱水クロラール
1g/100‹
アスコルビン酸−Na
Zn(亜鉛)標準液(原子吸光用でも可)
【緩衝液(buffer sol.)調製】
NaOH 5g/250‹
→
107‹/純水300‹
KCl 18.7g
ほう酸 15.5g
全量+水
→
500‹(密栓保存)
【ジンコンsol.】
ジンコン0.13g
+
メタノール
50‹
→
50℃以下で加熱
↓
メタノールで100‹ に定容
操
作
サンプル10‹を試験管に入れ,5% NaOHを用いて中和する(pH7)
アスコルビン酸−Na
コマゴメピペットで KCN
buffer sol
2.5‹
0.25g加える。
2滴加える。(要注意)
をメスピペットで加える。
抱水クロラールを
メスピペットで 1.5‹
純水を加えて全量
12‹
その後,ジンコンsol2.5‹
をメスピペットで加える。
加え,振とうする。
とする。
『亜鉛』標準比色表と比較する。
↑
この箇所まで校内実験室でも可
5分後,分光光度計で吸光度(620mμ)測定。
*
(Zn検量線作成)*
亜鉛(Zn)濃度は
0.2,0.4,0.6,0.8・・・
ppm
で試行
土 壌 の 置 換 性 塩 基 測 定 法
原
理
;
土壌コロイドに吸着されている塩基(陽イオン)を中性の塩溶液で抽出する。
(主に測定するのはK,Ca,Mgなどである。)
器
; 300‹三角フラスコ,250‹メスフラスコ,ガラス棒,ブフナーろうと
具
吸引びん,ろ紙,アスピレーター,振とう機
試
; 1N 酢酸アンモニウム(NH4oAC)溶液(pH7.0)
薬
2N 酢酸1•
+
2N アンモニア水1•
→
1 N 酢酸アンモニウム溶液 2•
【調製例】
2N 酢酸調製
→
市販酢酸(17.3N関東化学特級)1 1 5 . 6 ‹ を1• に希釈
2Nアンモニア調製 → 市販アンモニア水(15.03N 関東化学特級)1 3 3 . 1 ‹ を1• に希釈
操
作
*1
風乾土壌(<2㎜)10gをとり,300‹容三角フラスコに入れる。
1N
NH4oAC溶液100‹を加え,30分間振とうする。
ブフナーろうとにろ紙(No.5B or No.6)をすきまのないように敷き,N H4oAC溶液で湿らせておく。
振とうしたフラスコの内容物をゆっくりろうとに移してろ過。NH4oAC溶液30‹で4回洗浄
*2
得られた『ろ液』は250‹メスフラスコに移し,NH4oAC溶液で定容する。
↑
この箇所まで校内実験室でも可
この液の一部をとって原子吸光光度計で測定する。(校内実験室では滴定法で試行)
*1
風乾土壌はサンプリング(採取)してきた土壌を室内で広げて乾燥させ,ハンマー等で砕いて
2㎜のふるいを通したものである。
*2
土壌の種類にもよるが,県内土壌をサンプル(試料)とした場合,『ろ液』中の塩基濃度は
特に『ジャーガル』等の土壌において高い値を示すので, 原液よりも希釈して分析に供する事が多い 。
『国頭マージ』『島尻マージ』土壌の塩基濃度はジャーガルのそれよりも低い値を示すことが多いが,
それでも希釈サンプルを用意しておいた方がよい。
【希釈のめやす】
国頭マージ
3∼8
倍
程度
島尻マージ
5∼15
〃
ジャーガル
10∼20
〃
植物中の無機質(灰分)成分測定法
原
理 ; 植物中の灰分成分(主にK,Ca,Mgなど) を塩酸(HCl)で抽出する。
器具等 ; 50‹容耐熱ビーカー,ガラス棒,ろ紙(No.6が良い),ろうと,ろうと台,
10‹ホールピペット,安全ピペッター,ポリ洗浄ビン,500‹容ビーカー
デシケーター,電気炉,粉砕機(ミキサー代用可)
試
薬 ; 2N HCl
※蒸留水を必要量温めておく。
【調製例】市販のHCl(12モル)を50‹とって300‹に希釈
材
料 ; 植物に適した実験だが,食品ならよく乾燥させ,砕いた物を用いることも可。
前処理
;
サンプル(試料)はハサミなどである程度小さく切っておく。
乾燥機中で105℃にして5時間乾燥(乾燥が不十分な場合は1日乾燥)
乾燥したものを粉砕機で粉砕し,サンプルとする。(粉砕機の代わりにミキサーを用いる
のも良い。ただし,多量に入れないで少しづつ行うこと)
操
作
サンプル2gを50‹容耐熱ビーカーに計り採った後,電気炉に入れる。
電気炉中で最初は炉の戸を少し開けて,煙が出なくなるまで350℃に保たせる。
煙が出なくなったら,500℃にしてから1時間灰化。(食品は650℃程度)
ビーカー放冷後,わずかの蒸留水で湿らせて2N HCl10‹ 加えて溶かす。
ろ過,ろうと上の沈殿物を熱水で洗浄する。放冷後100‹容メスフラスコに定容。
↑
この箇所まで校内実験室でも可
(ただし,電気炉必要)
この液の一部をとって原子吸光光度計で分析する。(滴定法も試行)
↓
(主に測定するのはK,Ca,Mgなどである。)
原液は無機成分測定用なので,
2,3日後に分析してもさしつかえない。(ただし,冷暗所保管)
1N HNO3(硝酸) 可溶性塩基測定法
原
理
;
器
具
; 125‹三角フラスコ,100‹メスフラスコ,ガラスろうと,ろ紙,ホールピペット,
土壌コロイド上の置換性塩基に比べ,強く吸着されている塩基(陽イオン)を熱硝酸で抽出する。
(できれば)ホットプレート,1•メスフラスコ
試
薬
; 1N 硝酸,
0.1N硝酸
【調製例】 1N 硝酸
0.1N 硝酸 →
操
→
市販硝酸(15N)6 6 . 6 7 ‹ を1• に希釈
1N硝酸を10倍希釈
作
*1
風乾試料2. 5g をとり,125‹容三角フラスコに入れ1 N 硝酸25‹ 加える。
ろうとでふたをして,ホットプレート(または電気コンロ)上で10分間煮沸する。
← 三角フラスコにろうとを左図のように入れるのは,
付着した蒸気を再び液体として落下させるためである。
写真8
試料に硝酸を添加後,加熱・煮沸実験
煮沸後,ろうとを0.1N 硝酸で洗浄する。
フラスコの内容物が暖かいうちにろ過する。
100‹メスフラスコ標線近くまで暖かい0.1N 硝酸15‹ ずつで洗浄。
*2
「ろ液」を放冷した後,0.1N 硝酸で定容。
↑
この箇所まで校内実験室でも可
この液の一部をとって原子吸光光度計で測定する。
*1
風乾試料はサンプリング(採取)してきた試料を乾燥させ,粉砕機で粉砕して0.5㎜のふるいを通した
*2
試料の種類にもよるが,原液よりも希釈して分析に供する事が多い。
食品中のV.C簡易定性法
目
的
;
食品(液体試料中心)に V.C (ビタミン C)が含まれているか否かを簡単に判別する
器
具
;
蒸発皿,コマゴメピペット,ビーカー,100ml メスシリンダー,ガラス棒
試
薬
;
ヨウ素液,デンプン液(デンプン 1 g +水 100ml )
材
料
;
液体試料(飲料水)に適した実験だが,固形試料を砕いて水等で浸出した液を用いることも可。
操
作
水 2ml にヨウ素液を 1 ∼ 2 滴加える
デンプン液を1滴加え,ガラス棒でかき混ぜる
さらに試料を 1ml 加える
(図3)
試
料
図3
(水 +ヨウ素液 +デンプン液 )
ヨウ素の色が消えていくのなら, V.C が存在する(定性分析)
↑
この箇所まで校内実験室でも可
◎ビタミンC定量分析については,ビタミンC計(TOA VC-110)を用いて測定前処理を行い,
迅速に測定することができる。
◎学校単位でできるビタミンC定量実験として,インドフェノール法やフェノールヒドラジン法がある。
各方法については,教科書「食品化学 」
(文部省)参照。
VC定量分析法
目
的
;VC(ビタミンC)計
.
・・・【TOA VC-110 】を用いて食品(固体,液体)中のVC含量を測定する。
.
器
具
;V.C 計専用カートリッジ(VCP-01 )
,
◎遠心分離する場合
・・・
◎吸引ろ過する場合
・・・
乳鉢 or ホモジナイザー,ホモジナイザーがなければケーキミキサーでも可
乳鉢 or ホモジナイザー ,吸引ビン ,ブフナーろうと ,ろ紙( No.5B ,No.5C )
マグネットスターラー(サンプルの種類によって)
注;すりつぶし困難なサンプルなら,ホモジナイザー(ケーキミキサー)使用がよい
試
薬
;5%メタリン酸溶液
サンプル個体数のめやす
→
塾度,大きさなどが揃ったものは5 個 ,その他は 10 個
キャベツなどは 3 個 ,ホウレン草などは揃った大きさのものを 10 株
サンプルの前処理
嗜 好 飲 料 【お茶,果汁飲料など】
〈前処理〉
サンプルを一定量採り,5%メタリン酸溶液を加えて5∼ 10 倍希釈
吸引ろ過する
(お茶はろ過の必要なし)
↑
この箇所まで校内実験室でも可
専用カートリッジにて処理
VC-110 計で測定
野 菜 ,果実 【ほうれん草,キャベツ,ピーマンなど】
*りんご,みかんなどは2倍希釈をめやす
〈前処理〉
サンプルを一定量採り,5%メタリン酸溶液を加えて 10 倍希釈
乳鉢ですりつぶすか,ホモジナイズ(16,000 ∼ 18,000r.p.m.
3分)する
遠心分離または吸引ろ過する(遠心分離の場合は,上澄み液利用)
↑
この箇所まで校内実験室でも可
専用カートリッジにて処理
VC-110 計で測定
着色料簡易検査
目
的
;食品中に着色料が含まれているかどうか簡単に検査する
器
具
;200or100ml ビーカー,メスシリンダー,金網,三脚,ガラス棒,温度計
アルコールランプ(ガスバーナー)
試
薬
;強アンモニア水,1 %アンモニア水, 20 %アンモニア水,10 %酢酸
材
料
;液体試料(そのまま利用)
固体試料
梅干は種を除いて果肉・果皮を利用
温水を加えて液体の
Sample を作
る
あめ玉等は砕いて利用
毛糸(脂を含んでいるので前処理の方法にしたがって除く)
〈前処理〉
強アンモニア水中にて 30 ∼ 60 分 45 ℃でかき混ぜながら加熱する(図4)
(毛糸 100 gに強アンモニア水 5ml+水 5ml)
軽く絞って 1 %アンモニア水に 10 分浸漬
温水で洗浄後,冷水(水道水でも可)でさらに洗浄
軽くしぼって風乾
脱脂毛糸
操
作①
操
作②
(試薬のみ変えて
操作①と同様に行う)
試料 50ml+20 %アンモニア水 10ml
試料 50ml+10 %酢酸 20ml
←毛糸は 20cm ほど
図 4
図4のように煮沸(15 分)
火からおろして水道水で洗浄
*操作①・②のどちらでも毛糸が染色しなければ,人工着色料は存在しない
確
認
*合成,天然着色料については,ガスクロマトグラフなどで成分分析可能
写真9
(3)
着色料や香気成分分析などに活用できるガスクロマトグラフ(質量分析計)
まとめと今後の課題
これまで県内では食品を始めとする分析等に関わる教職員の研修施設がないため,県外での研修を
余儀なくされていた。しかし,本研究室は本格的な分析の施設・備品面の条件等を満たしていること
から,関連学科職員の力量を高め,生徒が興味・関心の持てる授業を展開する上で貢献できると考え
られる。
本研究室が産業教育課内に設置されて2年になるが,農業教育研究会や初任研授業研究等における
産業技術教育センター事業説明および学校との連携強化等で,本年度は一斉実習よりも,少人数で行
なう「課題研究」実習の増えたことが大きな特徴である。
また,学校側へ教材例または専門学習の展開例となる分析データを提供したことでセンターの事業
運営に大きな理解と関心を寄せてもらった。
平成 11 年度は長期研修員2名とも農林高校職員であったが,夏季期間中に実施した短期研修等に啓
蒙されたためか ,平成 12 年度は農林以外の専門高校職員が長期研修に応募した 。これにより ,平成 13
年度長期研修員募集要項では農林高校はもとより,水産高校における水産製造科目担当者や(家庭科
目の)食物分野担当者および工業高校における分析科目担当者にも研修の門戸を広げている。
しかしながら ,農業分野における生徒実習人数等は工業・商業分野に比較して未だ低い数字なので ,
下記のような『本研究室における生徒の実験・実習を進める上での具体的方針』を打ち出してセンタ
ー実習に関する理解と協力を求める一方,今後の課題として継続研究したい。
①
学校側と連携をとって日程調整などを行う。センター側はできるだけ学校側の日程に合わせるよ
うにする。
②
実験・実習内容に関することは,学校からの要望を受け入れてセンター側で計画し運営する。
③
実験・実習の際,消耗品等(試薬など)はセンター側の負担とする。
④
センター側は,各実験・実習に該当する科目の「学習指導案 」
(試案)を可能な限り作成し,学校
側へ提供する。
⑤
センターで分析したデータについては,課題研究,プロジェクト研究などで適宜活用できるよう
に提供し,学校側より依頼があれば共同研究も積極的に行う体制づくりをする。
⑥
大量の分析依頼もしくは短期間を条件とした分析依頼には応じかねるが,実験方法,参考文献等
の相談には随時応ずる。
【参考文献】
Pratt,P.F.( 1965 ) : Method of Soilanalysis,Part2.1019-1030
文部省( 1997 )「食品化学」
:
矢木
東京電機大学出版局
博(1977 )「土壌検定と肥料試験」
:
博友社
3 新素材・機械加工システム研究室
(1) 研究室の概要
新素材・機械加工システムでは学校現場における実習にも同等に対応できる最も基礎・基本となる学習,
いわゆる汎用工作機械の積極的活用や先行的な先端技術を導入した各種の機器・装置を配備した。
溶接ロボットや各種溶接技術,N C 工作機械の操作・加工技術等があり,その加工物を検査・計測すると
いう側面から,材料の状態を詳しく分析できる非破壊検査装置である超音波探傷システム装置,表面温度検
出装置(サーモトレーサ)等の各種検査機器装置がある。
最近,脚光をあびている新素材であるファインセラミックス(アルミナやジルコニアなど)の焼結,結晶
化により人工宝石生成や加工など,生徒実習において新素材加工技術等の実習を行う。
― 研究室の装置と設置状況―
① NC 工作機械&CAD/CAM システム
数値制御研究室における N C 工作機械は機械加工の自動化を発展させ,複雑な形状のものでも,高精度
で均一な製品が高能率で生産できる。
○ CNC 旋盤
CNC 旋盤の取り扱いや NC 言語によるプログラミング
○ マシニングセンタ
マシニングセンタの取り扱いや NC 言語によるプログラミング
CNC 旋盤
マシニングセンタ
○ CAD/CAM システム学習
・CAD システムによる3次元図面作成
・CAM システムによる NC プログラム作成
CAM ソフトの画面
CAD ソフトの画面
−35−
② 溶接ロボット
アーク溶接ロボットが人間の指令に従って教示プログラムを作成し,本溶接によりプログラムを実行す
る。
○ アーク溶接ロボット
ティーチングモードによるプログラム作成作業,オペレーティングモードによる溶接作業
○ DTPS(溶接プログラム作成並びに検証シミュレーションソフト)
DTPS ソフトのシミュレーション画面
アーク溶接ロボット
③ 検査技術
非破壊検査装置
○ 超音波探傷システム装置
水浸式による超音波探傷器
○ 赤外放射温度検出装置(サーモトレーサ)
受動型の高感度赤外放射温度計
④ 新素材クリーンエネルギーシステム
ファインセラミックスなどの新素材を利用し,単結晶体の人工宝石(ルビーやサファイア)や多結晶体
の焼結体(コイン型)を生成加工できる。また,結晶体などの表面に金属皮膜を蒸着できるスパッタリン
グ装置がある。
○ 新素材・クリーンエネルギーシステム
ファインセラミックスの活用(単結晶
と多結晶の生成加工)
電気焼成炉
スパッタリング装置
−36−
( 2 ) 取り組み状況
長期・短期研修並びに生徒実習の経過
① NC 工作機械分野
NC 工作機械は平成10年度導入において,沖工研主催による夏季の短期研修を現場教員を対象に講座
を5日間打った。平成 11 年度から 12 年度にかけては,長期研修講座で研修員の研修効果を高めるための
講座として取り組んできた。CAD/CAM については,平成 10 年度から12年度まで過去 3 ヵ年間長期研
修講座で研修員の技術向上を図ってきた。
<内容>
ア NC 旋盤実習においては,CNC 旋盤の取り扱いや NC 言語によるプログラミング,加工等の実習
を通して NC 工作機械の特徴を活かし,先端技術の習得を図る。
イ マシニングセンタ実習においては,装置の取り扱いや NC 言語によるプログラミング作成。
複数の加工等の実習を通して加工技術の習得を図る。
ウ CAD/CAM ウシステム学習においては3次元 CAD システムによる3次元図面のモデリング。
また,3次元 CAD システムでモデリングした図面より,CAM システムにより N C プログラムを作
成し,実際に工作機械が切削するように,加工プロセスをグラフィカルにシミュレートし,プログ
ラムの検証を行うことができる。
② 溶接ロボット実習分野
溶接ロボットは平成 10 年度の導入時に5日間のメーカー講習を受け工業高校の教員や研修員共認定証
を授かった。これは溶接ロボットを安全に取り扱うことができる証明書ともなる。以来,1 1 年度について
は夏季短期研修でメーカー講習を3日間実施した。
<内容>
ア 溶接ロボットはさまざまな作業を記憶しておくことができる。この作業の区分をプログラムという
形で区別する。
プログラムはロボットに作業させるための「作業手順書」である。プログラムの構成は『ロボット
の動き+信号のやりとり』で,作業者がロボットに動きを教示する“ティーチング”という作業で作
成する。
○
溶接ロボット(実機)の実習内容について,
・ロボットのメカニズムと取り扱いの学習
・ティーチングによるロボット操作
・ティーチング後のトレース作業や一連のプログラムの確認運転(空運転)を行い,検証を行う
・モードをティーチングから運転に換え,本溶接を行う
イ DTPS(DeskTop
Programming & Simulation System)
DTPS=デスク教示システムの基本操作は以下7つの項目の順を追ってコーステキストに示された
キー入力操作, 選択操作等をおこないながら,システム設定からロボットシミュレーションまでの一連
の基本操作を習得する。
○システム環境設定
○部品編集 CAD
○溶接ワーク編集
○ロボット教示(PART1)
○ロボット教示(PART2)
○プログラム編集
○ジョブ編集
③ 検査技術室分野
検査技術室に設置された超音波探傷装置は平成 10 年度の導入され,平成 11 年度に夏季短期研修講座で,
翌 12 年度の長期研修講座では3日間メーカー講習を実施した。赤外温度検出装置(サーモトレーサ)に
−37−
ついては平成 14 年度に超音波探傷装置とセットで夏季短期研修講座で実施したい。
検査技術については,非破壊検査技術実習用として2つの装置がある。超音波探傷システム装置と赤外温
度検出装置である。
ア 超音波探傷システム
水浸式で試験体を非破壊でその内部の欠陥を検査。
本装置は超音波探傷器と高精度スキャナーを使って材料内部の欠陥,介在物等を検出し,位置情報を基
に画像処理し,平面図,断面図,立体図等に展開し,材料内部の欠陥,介在物の形をパソコンの CRT 画面上に
表示するための装置である。
イ 赤外温度検出装置
サーモトレーサは受動型の高感度赤外放射温度計で測定対象物から自然放射されている赤外放を光学
走査することにより,温度信号を2次元的な電気信号に変換し,温度分布画像を得るための装置である。
検出部から送られたアナログ信号をコントロール部に送り, 処理することで LCD に対象物をカラー,
または白黒の熱画像として表示します。例えば,サーモトレーサでタバコ喫煙データをコンピュータで画
像処理できる。
④ 新素材・クリーンエネルギーシステム分野
ファインセラミックスを扱った新素材研究室では平成 10 年度,11 年度にかけて人工宝石の生成・加
工技術講習を夏季短期研修で実施,ルビーやサファイアの結晶を切断から研磨仕上げまでを行い,輝く
宝石づくりに熱心にとりくんだ。
(女性の教員には特に人気がありました)
ア 人工宝石生成装置で人工宝石の単結晶(ルビーやサファイア)を生成することができる。
イ ジルコニアなどのセラミック原料を1次加圧,2次加圧によって成形し,そのあと電気炉で熱処理す
ると硬い陶器のようなコインができます。このようなセラミックスコインの材料表面に金属皮膜等を蒸
着するスパッタリング装置があり,チタンなどの硬い金属皮膜をコーティングする技術を習得できる。
−実習の実践例−
―生徒実習の実践例1―
∼溶接ロボット編∼
ロボット操作について
1.プログラムとは何か
ロボットはいろいろな作業を記憶しておくことができます。この作業の区分を
”プログラム”という形で区分しています。
例として A ワークを仮に<プログラム101>とします。
Bワークを<プログラム102>というように区別しています。
”プログラム”を分かりやすい言葉でいえばロボットに作業をさせる為の「作業手順
書」といえます。ここでいうロボット操作とはいろいろなワーク作業手順書を作る
ということです。
2.プログラムの構成
(1)プログラムの構成(動作の区分)
「ロボットの動き」+「信号のやりとり」
−38−
①「ロボットの動き」=(作業者がロボットに動きを教える操作を”ティーチング”
といいます)
ロボットは動き全体を記憶しているのではなく,数多くの”点”が連なって構成されています。
ティーチングで作った点は位置のデータと次の点へ行く速度を記憶しており,点にはそれぞれ順
番を表す番号がついています。1の点から2の点へ進む場合,あらかじめ1の点は2の位置デー
タと速度を記憶していることになり,2の点から3の点へ進む場合も同様のことが言えます。
②「信号のやりとり」=(ロボットの言葉で”シーケンス”といいます)
作業者がシーケンス命令を作る操作を”編集”といいます
③仕事をさせるためにはシーケンス命令としての仕事をさせるための信号が必要に
なります。
(溶接をするためのトーチスイッチ
ON,OFF など)
④プログラムの中で”シーケンス命令”と”動作点”の関係は下図のように教示点
にシーケンスが付加される形になります。
●
●
溶接部分
溶接スタート
溶接終了
「溶接条件:トーチスイッチON」 「クレータ条件:トーチスイッチ OFF」
※ここで,クレータ条件とは溶接の終了部のへこみを埋める為の溶接条件です。
へこみの形が月のクレータに似ていることからクレータ部といいます。
<生徒実習;溶接実習例>
ストレートビードの溶接(プログラム例)
0
MOVEL 7.50
1
1
TOOL 1
MOVEL 2.50
2●MOVEL 0.50
3
4
ストレートビード
−39−
1
AJO AMP=120
2
ASS NO
VOLT=16.8
1
MOVEL 7.50
1
CJO
AMP=100
2
AES NO
MOVEL 7.50
1
VOLT=16.4
∼ティーチング課題∼
円弧ティーチング課題
1.操作の入り方
(1)初期画面 にする
(2)モード切替スイッチを 教示 にする
(3)初期画面で 1 又は ティーチング で 記憶選択 を押す
(4)サーボ電源 を投入(投入済の場合は不要)
(5)1 又は No.指定 で 記憶選択 を押す
(6) * * * で 記憶選択 を押す
(プログラムNo.)
<ティーチ可点灯>
低速で移動
1
0 空中点
1.
(速度2.5m)
1.
(速度2.5m)
2.通常登録
1.(速度0.6m)
2.動作形態部を補間形態部で円弧にする
3.メニュー選択でメニュー画面へ
4.A
JOをメニュー 4 で記憶選択
5.終了
6.溶接登録
12
2.通常登録
確認運転入り方へ
9
8
2.通常登録
1.(速度3m)7
低速で移動
11
1.
(速度30m)
2.円弧ウィビング終了を押す
3.通常登録
4.円弧が直線に変化する
2.通常登録
低速で移動
1.(速度30m)
4
1.
(速度0.5m)
低速で移動
10
低速で移動
2.溶接登録
溶接点表示点灯
1.(速度30m)
低速で移動
6
2
3
5
1.
(速度0.5m)
1.(速度30m)
1.
(速度3m)
2.動作形態部を補間形態で円弧にする
2.通常登録
3.メニュー選択でメニュー画面へ
4. A
JOをメニュー
2.通常登録
3 で
記憶選択
記憶選択
2.円弧ウィビング終了
3.通常登録
4.円弧が直線に変化する
5.終了
−40−
1.
(速度0.6m)
2.溶接登録
溶接点表示点灯
1.(速度0.6m)
2.溶接登録
溶接点表示点灯
2.認運転入り方
確認運転継続の場合
① ティーチング可 を押す
<ティーチ可=消灯>
② 終了を押す
<確認運転しますか>
③ 1又は はい で記憶選択
④ ティーチング可 を押す
★確認運転可能 トレース前進,後進
3.確認運転終了
① ティーチング可 を押す
② モード選択 を押す
<ティーチング終了しますか>
③ はい で記憶選択
※初期画面に戻る
―生徒実習の実践例2―
溶 接 ロ ボ ッ ト 実 習 テ キ ス ト
D T P S
DeskTop Programming & Simulation System
DTPSの基本操作
デスク教示システムDTPSの基本操作について
ーステキストに示されたキー入力操作,選択操作等を行いながら,システム設
コ
定からロ
ボットシミュレーションまでの一連の基本操作を習得する。
1.システム環境設定
DTPSで は ,ロ ボ ッ ト や そ の 機 械 系 ,部 品 ,ワ ー ク な ど の デ ー タ を 定 義 し ま す
(1)新 規 設 備
(2)新 規 物 件
(3)ロ ボ ッ ト 機 種
(4)ロ ボ ッ ト 座 標
(5)ツ ー ル オ フ セ ッ ト
2 . 部 品 編 集 CAD
ワ ー ク は 単 純 化 さ れ た 部 品 の 組 み 合 せ と ,溶 接 線 情 報 で 構 成 さ れ て い ま す
『部 品 作 成 ( 溶 接 線 を 描 く ) 』
3.溶接ワーク編集
部 品 を 呼 び 出 し ,ワ ー ク に 組 み 上 げ ま す
『ワ ー ク 作 成 』
4.ロボット教示1
溶 接 線 に 添 っ た ロ ボ ッ ト の ト ー チ 位 置 と 姿 勢 デ ー タ ,い わ ゆ る ス テ ッ プ 命 令
を 作 成 し ま す 。 ま た ,ワ ー ク と ロ ボ ッ ト の 相 対 位 置 を 設 定 す る こ と で そ れ ぞ れ
のステップでのロボットの姿勢(ロボット関節角)を求めていきます。
こ れ ら の 求 め ら れ た ロ ボ ッ ト 姿 勢 か ら ,各 ス テ ッ プ 間 の 動 作 シ ミ ュ レ ー シ ョ
ンを行うことでロボット教示データすなわちプログラムを完成します。
『ロ ボ ッ ト 動 作 作 成 (溶 接 線 の 展 開 )』
−41−
5.ロボット教示2
『空 走 動 作 ( ア プ ロ ー チ ) の 作 成 』
『空 走 動 作 ( リ ト ラ ク ト ) の 作 成 』
こ こ で ,動 作 確 認 を し ま す
6.プログラム編集
教示1,2で作成したプログラムは「動き」のみのプログラムです。
生産可能なプログラムにするために必要なステップに適切なシーケンス命令
を付加してプログラムを完成します。
シーケンス命令の追加
① 溶 接 開 始 : AJO
ASS ( ア ー ク 条 件 : ア ー ク ス タ ー ト )
② 溶 接 終 了 : CJO
AES
(ク レ ー タ 条 件 : ア ー ク 終 了 )
7.ジョブ編集
ロ ボ ッ ト を 外 部 起 動 す る 場 合 ,1個 以 上 の プ ロ グ ラ ム ,1個 以 上 の シ ー ケ ン ス
命令からなるジョブを用います。
8.プログラムの転送
ロボットへ通信でプログラムを転送します
RS-232Cケ ー ブ ル を 使 用
<DTPSによる作成プログラム>
溶接ロボット(模式図)
データ
転送
隅肉溶接のプログラム
ノート型パソコン
−42−
<例>溶接のサンプル例
実践用途(生徒実習,体験学習)
サ
・ 体験学習で中学生を対象に
名前あるいはイニシャルを
タロウ
題材として,ワープロで作成
した文書をトレース(なぞ
ヨウコの
る)することによってプログ
文字
ラム(ロボットの動き)をつ
くることができる。
・ ロボットの動きを作ること
はティーチング(教示)とい
う作業を行うことである。
・ ただし, ロボットは動きだけ
では溶接という本来の仕事
はやらないので, 仕事をさせ
南星の
るための具体的な信号が必
文字
要になります。これが信号の
やりとり=シーケンス命令
になります。
・ ロボットはセンシング機能
が付加されていて, 精度の悪
い(製品 , 工作物)を溶接す
る場合, タッチセンサによっ
隅肉溶接
てワイヤがワークに接触し
たか否かを判定し, 溶接開始
点を検出し,自動的に補正し
精度のよい溶接を行います。
・ 円弧ティーチングは, 直線の
ティーチングと同様な点を
円筒パイ
教示します。この時, 動作形
プの溶接
態を円弧にして教えますと,
動作軌跡計算で円弧になる
計算をします。
−43−
ン
プ
ル
∼人工宝石生成・加工編∼
☆―生徒実習の実践例3―
輝く人工宝石について
産業教育課
指導主事
田仲康成
なかずみ
平成10年度に導入された中住式人工宝石
生 成 機 は ベ ル ヌ ー イ 法 ( 火 炎 溶 融 法 )、 と よ
ばれる製造方法によってルビー、サファイア
などの人造宝石を生成する機械ですが、これ
は1902年にベルヌーイによって発明され
たということです。 さて、 その人工宝石生成
機はどのようなしくみか簡単に紹介したいと
思います。
【人 工 宝 石 生 成 機 の し く み 】
しくみは以下の各部分から構成されます。
①原料を貯蔵するホッパーという臼型の容器
部分。
②落下してくるセラミック原料(アルミナ系
のスピネル粉末)を焼結(結晶化)するマッ
フル(または育成炉)という炉の部分。
③燃料(水素H2 ,酸素O2 )を供給するボン
ベ集合装置部分。
④付属装置として原料を臼から振るい落とす
ハンマー、結晶の成長に伴って結晶受棒を降
下させる自動降下装置部分があります。
【人 工 宝 石 の つ く り か た 】
①ホッパーという容器のなかの原料をハンマ
ーで衝撃を与えて極細なメッシュの金網から
振るい落とします。
②原料はガスの気流とともに管中を落下して
いきます。 育成炉の上部のバーナーから水素
ガス・酸素ガスが噴出され高温の火炎となり
原料粉末はこの火炎の中を通過して溶融され
て育成炉の種結晶の先端に蓄積され、徐々に
成長して単結晶となります 。
続 い て 、 ル ビ ー の 加 工 の 工 程 を 紹 介 し ま す。
◆ 原石から輝く宝石へ
忍耐強くカッティングと研磨をすると...
▲ブリリアントカットのルビー、サファイア
原 石 か ら 輝 く 宝 石 へ ( カ ッ テ ィ ン グ と 研 磨 )
【カッティングの順序 】
原石
原石の切断
テーブルカット
プリフォーミング(前成型)
クラウンファセティンク
ドッピング
トランスファーリング
−44−
ガードル研磨
パビリオンファセティング
ⅰ )人 工 宝 石 生 成 の プ ロ セ ス ( 生 徒 実 習 ,沖 縄 工 業 高 校 工 業 化 学 科 3 年 課 題 研 究 )
(1)結 晶 の 焼 結 法
(2)生 成 作 業
①
①
中住式人口宝石生成機
焼 結 法
①普通焼結
②加圧焼結
③反応焼結
非酸化物の焼結、S i(ケイ素)
+N (
窒素)
を
反応→窒化ケイ素(
S i3 O 4 )
緻密化
② ☆単結晶合成(アルミナ系人工宝石)
②
ベルヌーイ法で育成されるもので、
原料粉末の入った容器を
原料
ハンマーで振動させ、容器の底から
原料粉末を落下させる。
バーナー
マッフル
落下の途中で酸素・
水素火炎中を
通過するときに、原料は溶融し、こ
れが種結晶に堆積して結晶が成長
していく。
③
(焼結炉)
種結晶
③
ベルヌーイ法
原料粉末
酸素ガス
(中心部 )
水素ガス
(外側)
種結晶
降下テーブル
⑤
④
⑥
⑦
人工宝石
−45−
ⅱ )人 工 宝 石 の カ ッ テ ィ ン グ ( 生 徒 実 習 , 沖 縄 工 業 高 校 工 業 化 学 科 3 年 課 題 研 究 )
順序内容説明
・標準ブリリアントカット
使用機器と加工の流れ
①
人工宝石のカッティング
・材料はルビーとブルースピネルのイ
ンゴットを使用する
カッティングの方法について
②
・加工に使用する機器には切断機,研磨
切断機
機,研磨用ディスク並びに宝石を支持す
るドップやファセトなどの工具がある
ドップ
ファセット
研磨機
ディスク
アングル設定用ナット
・ファセトはカッティングアングル(角
ファセターの使用法
③
カッティングアングル
(アーム)
38°22°46°
度調整)とインデックス(360 度回転)
の各部分を調整して加工する
インデックスギア
64°8 °16°24°32°
40°48°56°(8面)
④
・宝石をドップにセットする時, アルコ
ールランプでドップを加熱し, 接着剤を
溶かしながら固定する
⑤
・砥石(#ディスク)は3種類を使用
し, 仕上げに銅, 錫ラップとダイヤモン
ドパウダーで磨く
⑥
・カットはガードルカット 90°, テーブ
ルカット 0°,クラウンメインファセト,
スターファセト, 上部ガードルファセト
の順序で行う
−46−
―短期研修講座の実践例1―
超音波探傷システム装置の構成
< 装 置 の 目 的 並 び に 探 傷 ,画 像 処 理 の 原 理 >
本 機 は SDS6000タ イ プ で 非 破 壊 検 査 装 置 で あ る 。 超 音 波 探 傷 技 術 と 映 像 処 理 技 術 に よ っ て 半 導
体 の 内 部 検 査 か ら フ ァ イ ン セ ラ ミ ッ ク ス や 複 合 材 な ど の 新 素 材 の 検 査 ,航 空 機 エ ン ジ ン 部 品 な ど
の部品検査まで対応できる。
本 器 は 1.5∼ 150MHz の 広 い 周 波 数 帯 域 を も つ 。 80d Bの 増 幅 度 と 高 周 波 ・ 高 ダ ン ピ ン グ 特 性 を
もつポリマー探蝕子との組み合わせでファインセラミックス材料の高分解能が可能である。
探 傷 走 査 中 は,リ ア ル タ イ ム で C ス コ ー プ,B ス コ ー プ を 表 示 し, 走 査 後 は 映 像 処 理 に よ り 解 析 ,
評価できる。
3次元スキャナ
●
探傷の手順
ⅰ
ⅱ
装置の立ち上げ
装置への材料のセッティング
ⅲ
探傷器おセッティング
ⅳ
ウィンドウデートの設定
ⅴ
探傷ゲートの設定
ⅵ
ティーチング及び粗探傷の実行
ⅶ
平面図への展開と精密探傷の実行
ⅷ
断面図表示と傷の評価
ⅸ
精密探傷の平面図表示と傷の評価
超音波探傷装置
☆画像処理データ
( フ ァ イ ン セ ラ ミ ッ ク ス ; ジ ル コ ニ ア を 成 形 し,ド リ ル で 穴 あ け し た 後 電 気 炉 で 焼 結 し た コ イ
ン型のテストピースを探傷)
探傷データ(平面図,断面図)
−47−
―長期研修講座の実践例1――
赤外温度検出装置(サーモトレーサ)
<装置の目的並びに操作手順>
本器は高感度赤外放射温度計で測定対象物から放射されている赤外放射を光学走査することに
よ り 、 温 度 信 号 を 2 次 元 的 な 電 気 信 号 に 変 換 し ,温 度 分 布 画 像 を 得 る た め の 装 置 で あ る 。
検 出 部 か ら 送 ら れ た ア ナ ロ グ 信 号 を ,コ ン ト ロ ー ル 部 に 送 り,処 理 す る こ と でLCDに 対 象 物 を カ
ラ ー ,ま た は 白 黒 の 熱 画 像 と し て 表 示 す る 。
ⅰ )装 置 ( 検 出 部 と コ ン ト ロ ー ル 部 分 )
検出部でアナログ信号をキャッチ
温度信号を処理し,液晶ディスプレイ表示
検出部
コントロール部と液晶ディスプレイ
ⅱ )操 作 手 順 並 び に 画 像 デ ー タ 処 理 ( フ ロ ー チ ャ ー ト )
電源スイッチ ON
ウォ−ミングアップ
環境温度補正
→CAL
放射率の設定
→EMS
初期設定
→AUTO
RUN モード
→MOD
静止画像のデータ保存(FDD)
a,b の箇所の温度分布状況【°C】
画像をプリンタへ出力
電源スイッチ OFF
−48−
―長期研修講座―
ⅰ)
C A D / C A M 研 究 室 に は 3 次 元 画 像 処 理 ソ フ ト ( S o l i d E d g e ) やC A M ソ フ ト で あ る ( ESPRIT ) ,
( Super
Verify) お よ び シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ソ フ ト の WinViewが 揃 え ら て い る 。
1.ソリッドエッジには, パーツ, シートメタル,アセンブリ,
ドラフトの4つの環境があり,それぞれ異なるタイプのソリ
ッドエッジ文書を作成する。
①パーツは個別のパーツモデル作成
②シートメタルは個別のシートメタル
のパーツモデル作成
③アセンブリは既存のパーツのアセンブリやサブアセンブ
リの作成
④ドラフトを使うと,3D パーツとアセンブリにより2D 図
によりにより
面を作成できる
ソリッドエッジのパーツ
2.エスプリは汎用 CAM で,ミリング 2.5 軸,3軸自由曲面加
工,旋盤,ターニングセンタ, ワイヤカット,シートメタル等1つ
のソフトであらゆる業種に対応できる。
①CAD 機能で 2D/3D のワイヤフレーム作画,グループ操作に
よる図形の移動・複写
②ストラクチャの作成
③サーフェイス作成
④サーフェイストリミングなどができる。
エスプリのソリッドシミュレーション
(3)
まとめと今後の課題
① 生徒実習
本年度,具志川商業高校の情報事務科3年の男子生徒15名が物づくり体験の一環として,
工業分野の溶接実習を行った。課題は花鉢スタンド作成にとりくんだ。アンケートから,生徒
達の評判も高かった。今後は工業,商業の協力,連携を深め調査研究を継続していくことが課
題である。
② 長期研修
新素材・機械加工システム研究室は,長 期 研 修 員 が 研 修 を ス ム ー ズ に 進 め て い く こ と を 踏 ま え
た 内 容 の 講 座 を 打 ち,支 障 が な い よ う な 運 営 を お こ な っ て い る 。 平 成 1 2 年 度 ,本 研 究 室 は ア ー
ク 溶 接 ロ ボ ッ ト 他 5 講 座 を 実 施 し た 。講 座 は 年 度 初 め の 4 月 ∼ 6 月 ま で 取 り 組 ん で い る が , 実 施
時 期 や 講 座 の 内 容 に つ い て 今 後 ,見 直 し て い く 必 要 が あ る 。
③ 短期研修
夏 季 休 暇 中 の 多 忙 な 時 期 に 現 場 の 教 員 が 積 極 的 に 研 修 に 参 加 し ,学 校 の 教 育 実 践 に 役 立 て て
い く こ と を 踏 ま え て ,本 研 究 室 で 開 講 し た 講 座 は 人 工 宝 石 生 成 加 工 技 術 講 座 他 3 講 座 を 開 催 。
現 場 の 教 員 の 声 や ア ン ケ ー ト 調 査 の 結 果 等 か ら ,今 後 は 講 座 の 精 選 を 図 り,現 場 の ニ ー ズ に 十 分
に応える講座内容にしたい。
4.感想
本年度は短期研修講座で「機械仕 上げ技術講座」を那覇工業高校機械科実習室を会場とし,
新 垣 吉 雄 先 生 を 講 師 に , 4 日 間 の 講 習 を 実 施 し て 頂 い た 。こ の こ と に は 大 変 感 謝 を 申 し 上 げ た い
と 思 う 。当 初 1 0 名 の 定 員 に 1 5 名 の 若 い 教 師 が 参 加 , 熱 い 中 汗 を 流 し て 作 業 に 取 り 組 む 様 子 に 感 銘
を受けた。
−49−
4
総合生産システム研究室
(1) 研究概要
これまで作業者の熟練の技術だけに頼ってきた生産が,急速に進む機械工場での生産の自動化(FA)や,
FA を実現するために数値制御工作機械に産業用ロボットを等を組み合わせ,高精度・高能率の生産を行
い,工場は自動化・省略化をもたらし,盛んに生産現場に導入されてきている。そのような状況の中で,
本研究室では工場の自動化,部品・製品の移送,管理までの自動化を目指す総合生産システム(産業用ロボッ
ト,自動搬送車システム,自動倉庫)分野と,YAG レーザによる金属の切断・溶接などを行うレーザ加工
機,液状感光性樹脂による高精度な3次元プラスチックモデルを作成する光造型機,三次元画像入力装置
等の生産・加工分野の先端機器を導入し,技術の習得を目指すための生徒実習と,教職員が先端技術の基礎
から応用にいたるまで技術の習得と教材開発のための研修(長期・短期)を実施している。以下各実習室
の施設・設備を紹介する。
① 総合生産システム室(FMS)
総合生産システム室は組み立てセル,倉庫セル,加工セル(ロボドリル,プラスチック成形機),自動搬送
ロボットで構成されている。
図1 総合生産システム室の概要
組立セル
製品は図1の組立セルを構成している2台の
6軸ロボットで組み立てられる。お互いの位置
関係を把握しながら作業を行う協調ジョグが可
能。
図2
- 50-
組立セル(2台の6軸ロボット)
倉庫セル
組立前の製品、完成品は倉庫セルに保管され
る。
最大20個まで保管可能。
(卓上クリーナ、
キッチンタイマー各7個、テープカッタ6個)
図3 自動倉庫セル
加工セル
加工セルは5軸のロボットとロボドリルが設置され
ている。自動搬送車からベルトコンベアを経て送られ
たワークをロボットがロボドリルに設置する。
各ワークの背面に「沖縄県立産業教育センター」の文
字を彫る作業を加工セルで行っている。
図 4 加工セル(ロボットとCNCドリル)
プラスチック成型機セル
金型にピュレットを流し込んで、製品を成形する。
図 5 プラスチック成型機
・ 自動搬送車
組立セル、自動倉庫セル、加工セルの各セル間のワーク
の搬送を自動搬送車で行われる。
図 6 自動搬送車
- 51-
② 数値制御工作室
YAG レーザ加工機
レーザ加工機は金属の溶接,切断,穴あけの用途
に使用される。
レーザは原子力,半導体と並んで 20 世 紀 の
3大発明の1つに数えられています。レーザが
誕 生 し た の は 1960 年 で , そ の 後 , 各 種 の レ ー
ザ発信が確認され,改良が進んで,応用分野も,
通信,計測,医療,映像,加工等に広がってい
ます。
レーザ(LASER)とは「誘導放出によっ
て増幅させられた光」という言葉の各単語の頭
文字をつなげたものです。この言葉からわかる
ようにレーザは一種の光です。
L ight A mplification by S timulated
E mission
of
YAG レーザ加工機
図7
R adiation
このレーザ光を自然光と比較すると次のような特徴があります。
①遠くへ飛ばしてもほとんど広がらず,弱まることが少ない。(指向性)
②レンズなどで非常に細く絞れる。(集光性)
③波長がそろっている。(単色性)
④位相がそろっている。(位相性)
光造形機
本センターでは三次元 CAD で設計された三次元モ
デル(データ),3次元スキャナで作成したデータを
使用し,液状感光性樹脂による直接“実態モデル ”
を短時間で造形するシステムである。3次元データ
から二次元のスライスデータを作成し, 積層しなが
らモデルを作成するので,切削と違い,複雑な形状で
も精密に仕上げることができる。造形サイズは 250
×250×250mm まで可能。
③ 検査技術室
図 8 光造形機
三次元デジタイザー
レーザ光を三次元対象物に照射し,スキャンし計測する。
スキャン後そのデータの解析を行い,修正して, 三次元データを作成する。その後光造形機を用い
て複製することができる。
図 9 三次元画像入力装置
- 52-
(2) 取り組み状況
① 実習指導書(FMS 手引書より抜粋)
限られた日数,時間の生徒実習の中で効果的に理解,操作できるように各機器の手引書を作成した。
1
今回 FMS の実習手引きからの抜粋を掲載した。
ロボットについて
ロボットはサーボモータで駆動する軸と呼ばれる
部分と、軸と軸を結ぶアームと呼ばれる腕状の部分、
そして手首部分に取り付けられたエンドエフェクタ
(またはツール)の3つの部分で構成される機構部品
のことです。
産業技術教育センターのFMSに設置されている組
立ロボットは6つの軸を備えており、このようなタイ
プは通常、J1、J2、J3の3つの軸を基本軸とい
い、J4,J5,J6は手首軸といわれます。
ロボット先端部のツールは、これら複数の軸を同時
に制御する事によって、ツールの平行移動(左右、正
面方向、垂直方向)、ツールの角度変更(上下、左右
の首振り、ねじり)を行っています。
2
図 10 6軸ロボット
教示操作盤(ティーチングペンダント)
ロボットの操作はおもに教示操作盤を用
いて行います。この章では教示操作盤のスイ
ッチやボタンについて取り扱っていきます。
3
ジョグの種類
作業者が教示操作盤のボタンを押して,ロ
ボットを動かす操作を手動操作(ジョグ)と
いいます。ジョグ,すなわちロボットの動き
方は各軸ジョグ,直交ジョグがあります。
それぞれのジョグの違いをしっかり確認
しておきましょう。ジョグの選択を誤ると,
教示やプログラムの際,ロボットが予想外の
動きをする危険性があります。
4
(1)
図 11 教示操作盤(テーチングペンダント)
ジョグの種類
各軸ジョグ
(2) 直行ジョグ
ロボットが持っている各制御軸(関節)を
① ジョグ座標
教示操作盤の対応するキーで操作します。
ロボットがはじめから持っている(デフォルト設定)
直行座標系に沿っ
てアーム先端(ツール)が回転,平行移動を行いま
す。
図 12 各軸ジョグ
図 13 ジョグ座標
-53-
②
ユーザ座標によるジョグ
作業者が作業空間に任意に設定した直
行座標系に沿ってアーム先端(ツール)
が回転,平行移動を行います。
③
ツールジョグ
選択されているツール座標系にそ
って, ツールを回転,平行移動させま
す。
図 15 ツールジョグ
図 14 ユーザ座標
5
座標系の設定
①
ユーザ座標系の設定(3点教示法)
ユーザ座標系の原点と,X 軸方向と XY 平面の
1 点を教示
図 16 ユーザ座標系の設定
② ツール座標系の設定(6点教示法)
図 17 ツール座標系の設定法
ツール先端点を現す X,Y,Z の値を設定します。参照点 1,2.3を異なる3方向から同じ点を指すように
教示します。
さらにツールの姿勢を座標原点,X 軸方向の1点と XZ 平面上の1点を教示する。
-54-
6
プログラム作成
(1) プログラミングにおける動作形式
ロボットに移動命令を行うには,始点と終点の2点を作業者が教示しなければいけません。
ロボットの位置間の動作形式には「カクジク」,「チョクセン,」「エンコ」の3通りがあります。
①
カクジク
②
チョクセン
カクジク動作は,ロボットを指定した位置まで
直線動作とは,ツール先端点が動作開始点
移動する基本的な移動方法です。移動経路は通常
から終了まで直線で移動する移動方法のこと
です。直線移動速度の指定は,通常 mm/sec 。
は直線になりません。各軸移動の速度指定は,最
大移動速度に対する割合をパーセント(%)で記
述します。
③ エンコ
ツール先端点の移動軌跡を,動作開始点から経
由点を通り終了点まで円弧で制御する移動方式。
開始点,経由点(中間点),目標点の3点を教示します。
④
位置決め形式
位置決め形式には「イチギメ」と「ナメラカ」の2種類があります。
ア) イチギメ
カクジク
イチ[3]
100% イチギメ
目標点でロボットは必ず停止します。ワークをつか
む位置や離す位置,スポット溶接の打点位置,アーク溶接の開始位置や終了位置等に使用します。
イ) ナメラカ
カクジク
イチ[4]
100%
ナメラカ100
ロボットは目標点で止まらずに目標点の近くで曲線
を描きながら次の目標点に向かいます。ナメラカに続く
数値”0∼100”で滑らかさの度合いを指定。数値が
小さいほど,小さな円を描くことになります。
-55-
プログラムの実践
(1) 矩形状の経路の教示
上図のようなツール先端点に取
⑤
⑥
付けられたペン先が長方形状の経路
り
①
を描くようにロボットを教示してみ
ま
しょう。プログラム例を以下に示しま
す。
⑦
なおプログラム中の「チョクセン」部
分は最初は「カクジク」となっています。
離地点
1:チョクセン
2:チョクセン
3:チョクセン
4:チョクセン
5:チョクセン
6:チョクセン
7:チョクセン
8:チョクセン
9:チョクセン
10:チョクセン
10%
10%
10%
10%
10%
10%
10%
10%
10%
10%
イチ[1]
イチ[2]
イチ[3]
イチ[4]
イチ[5]
イチ[6]
イチ[7]
イチ[8]
イチ[9]
イチ[10]
③
⑧
⑨
④
② 接地点
⑩
イチギメ
イチギメ
イチギメ
イチギメ
イチギメ
イチギメ
イチギメ
イチギメ
イチギメ
イチギメ
終了点(上空)
図 21 教示(矩形状の経路)
⑩
プログラムの実践
(2) 円弧状の経路の教示
①
②
下図のように平面に向かってツール
先端が垂直に接近し,平面上で円弧を
描いた後上空に逃げるような軌跡を描
⑤
⑨
⑥
くプログラムを作成しましょう。
⑦
③
⑧
図 22 円弧上の経路教
1:チョクセン
イチ[1] 200mm/sec イチギメ
2:チョクセン
イチ[2] 200 mm/sec イチギメ
3:チョクセン
イチ[3] 200 mm/sec ナメラカ 100
4:チョクセン
イチ[4] 200 mm/sec イチギメ
5:エンコ
イチ[5]
:イチ[6] 200 mm/sec ナメラカ 100
6:エンコ
イチ[7]
:イチ[8] 200 mm/sec
開始点(上空)
イチギメ
7:チョクセン
イチ[9] 200 mm/sec ナメラカ 100
8:チョクセン
イチ[10] 200 mm/sec ナメラカ 100
-56-
②
課題研究(造形機について)
平成 12 年度沖縄工業高等学校電子機械科 3 年生の生徒が『課題研究』で 3 次元デジタイザー,CAD
を利用して光造形機による作品製作を試みた。下記の資料は学校での『課題研究』成果発表会用の資
料を引用してあります。
1
生徒氏名
3年2組
津波古
直哉
親泊 佳明
2
目的
産業技術センターの最先端技術を使い今まで学んだことのない知識・技術を習得する。
3 研究過程
1学期 三次元画像入力装置で自分で持ってきた招き猫をスキャンし画像を編集した。
2学期 CAMで編集した光造形機にかけた。
3学期 課題研究発表まとめ。
4 内容説明
(1)3次元入力装置を使い、モデルをレーザーでスキャンする。これを、3次元データという。
(2 )Poiy Worksで、3 次元データを編集する。スキャンした画像は、穴があいていたり、
重なってみえなくなっていたりするので、PoiyWorksで編集する。
(3)PoiyWorksで編集したデータをネットワークでCAMソフト用パソコンに転送する。
(4)転送したデータをCAMでSPF変換をし、次に SPF 編集する。そして、スライサーをかけ
断面編集をし、最後にサポート編集する。
(5)CAMで編集したデータを光造形機にかける。
(6)作品完成
5
光造形機作品
招
き
猫
支持台
6
感想
◎津波古直哉
光造形機でレーザーを樹脂に照射して造形していくのに感動した。
◎親泊 佳明
学校では使うことのできない最先端の機器を使うことができ、貴重な体験することができて
よかった。
-57-
③
検証授業
1 単元名 炭酸ガスレーザ加工機
2 単元の目標
数値制御工作機械,つまりNC工作機械が,大工場はもとより小規模な工場でも利用され,従
来の生産形態を大きく変革させ,精度の高い製品を能率よく大量に生産することが可能になった
ことを理解させる。また,レーザの原理を理解させるとともに,レーザ光線の危険性について十
分認識させる。さらに,炭酸ガスレーザ加工機の基礎的なNCプログラムの作成方法を習得させ,
その作成したプログラムを炭酸ガスレーザ加工機に入力して加工することにより,加工機の操作
方法を習得させる。
3 単元設定の理由
(1) 教材観
NC工作機械は,加工に必要な数値データの指令でコンピュータが自動的に制御する工作機
械である。本科では,2学年の「実習(CNC 旋盤)」
,3学年の「実習(マシニングセンタ )」
,
「実習(炭酸ガスレーザ加工機 )」でNC工作機械を学習している。これらのNC工作機械の学
習は,生産工程全般を理解する上でも重要である。
炭酸ガスレーザ加工機の実習では,鉄板・アルミ板・アクリル板などから複雑な形状を切断
する学習を行なっている。その切断用のNCプログラムは手動で作成する方法と CAD/CAM
ソフトよって作成する方法がある。2つの方法で作成したプログラムを炭酸ガスレーザ加工機
に入力して加工することにより,炭酸ガスレーザ加工機のNCプログラムを理解させるととも
に CAD/CAM ソフトの有効性を認識させる。さらに,レーザ加工機の基礎的操作方法を習得
させたい。
(2) 生徒観
2学年で CNC 旋盤の実習を経験しているので,基本的なNCプログラムの作成手順は身に
付いていると思われる。レーザ加工機のNCプログラムに関しても手順を押さえながら進めて
いけば,容易に理解できると思う。ただし,複雑な形状を切断する場合は,手動でプログラム
することが困難であることに気づき,CAD/CAM ソフトの必要性と有効性を認識するであろう。
レーザ加工機は,加工時間が他のNC機械に比べて短く,短時間にプログラムの修正・加工
ができ,実習時間内で繰り返し加工機の操作をすることが可能であるので,基礎的な操作方法
は短期間に習得するであろう。
(3) 指導観
現在の生産現場の状況から判断して,本科の教育において,NC工作機械のプログラミング
の理解と操作方法の習得は不可欠である。NC工作機械の中で,特に,レーザ加工機の技術を
習得すれば,課題研究や課外活動(ロボット製作)等において利用することができ,切断作業
において困難であった作品が製作できる。
指導方法としては,はじめに,レーザの原理を示しながら,その危険性を認識させるととも
に,安全に作業する方法とその重要性を理解させる。次にサンプルプログラムを加工してみせ
ることによりイメージをつくり,さらにレーザ加工機のプログラム作成法とその操作・加工技
術を習得させる。
4 単元の指導計画と配当時間(4週×3時間= 12 時間)
週 時 間
実
習
内
容
そ の 他
①レーザの基礎
・手引書
②レーザ加工の安全と対策
・PowerPoint
1
3h
③レーザ加工機の概要説明
・レーザ加工
(本時) ④沖縄地図の切断デモンストレーション
機 ・レポート用
⑤ NC プログラム作成手順の理解(例 ブックエンド)
紙
⑥ブックエンドの切断
① NC プログラム作成手順(練習問題)
・手引書
2
3
4
3h
②練習問題にある図形の切断
③ CAD / CAM ソフト[WinMax」による描画・演習
3h
①[WinMax 」による練習問題
②レーザ加工機の基本操作・準備
③[WinMax 」で作成したプログラムの入力と加工
3h
①レーザ加工機の基本操作
②[WinMax 」で作成したプログラムの入力と加工
③まとめ・レポート作成
・ソフト[WinMax」
・レーザ加工機
・レポート用紙
・手引書
・ソフト[WinMax」
・レーザ加工機
・レポート用紙
・手引書
・ソフト[WinMax」
・レーザ加工機
・レポート用紙
5
本時の学習指導
(1) 主題名
炭酸ガスレーザ加工機の基礎
(2) 指導目標
レーザの原理を理解させ,さらにその危険性を十分認識させた上で安全に実習できる方法を
理解させる。また,炭酸ガスレーザ加工機のNCプログラム作成手順を今回作成した実習手引
書を使用しながら理解させる。
(3) 行動目標
サンプルプログラムを理解することにより,炭酸ガスレーザ加工機のNCプログラム作成手
順を理解することができる。
(4) 下位行動目標
① R 身近なレーザの利用に気付く。
② レーザの原理が理解できる。
③ レーザ光線の危険性を認識し,安全に実習する方法が理解できる。
④ レーザ加工機の概要が理解できる。
⑤ サンプル(ブックエンド)のNCプログラムを理解することができる。
(5)本時の展開
時
はじめ
学習の流れ
教師の活動
教師の活動
生徒の活動
生徒の活動
判断
下位
補
備考
はじめ
導
本時の目標
1
本時の目標を提示する
入
発
十
五
分
問
発表
説
明
提示・説明
yes
理解
no
補
1 本時の目標を確認し
, レポート用紙に書き込む
powerpoint
レポート用紙
手引書
2「レーザは何に利用されて
いますか 。
」
3 身近なレーザの利用に気
づかせる
3「工作機械医療計測
,
,
, ①R
などに利用されている。」
4 レーザが利用されている
分野の説明
4 レーザが多くの分野で
利用されていることを知
る。
5 炭酸ガスレーザの発生原
理を図示し説明する。
,
6 炭酸ガスレーザの原理の
概略が理解できる。
7 炭酸ガスレーザの発生原
理の補足説明をする。
②
提示・説明
yes
8 レーザビームの危険性とレ
ーザ加工作業における注意
事項を説明する。
理解
9 レーザ加工作業の安全
心得理解できる。
10
レーザ加工の安全と対
策について補足説明をす
る。
補
展
提示・説明
開
11 炭酸ガスレーザ加工機の 11 レーザ加工室に移動。 ③
概略図を提示しレーザ加工
,
安 全 心 得 を 再 確 認 し, 炭 ④
機各部の名称をその概要 酸ガスレーザ加工機の概要
を説明する。
を知る。
12 アクリル板から沖縄地図 12 プログラムがレーザ加工
を切断する。
機を動かしていることを
確認する。
④
提示・説明
13 NC プログラムの作成手 13 講義室(コンピュータ室)
順を CNC 旋盤のプログラム に移動
と比較しながら説明する。
⑤
分
例
題
yes
理解
no
14
NC プログラムの例題
(ブックエンド)を説明する。
powerpoint
レポート用紙
手引書
レーザ加工機
デモンストレーション
百
ま
と
め
③
14 NC プログラム作成手
順をレポートに書き込む。
15 ブックエンドの NC プロ
グラムの作成方法を理解す
る。レポート用紙にプログラム
を書き込む。
補
16 ブックエンドのプログ
ラムの補足説明をする。
加 工
17 ブックエンドのプログラムの
入力と切断。
17
まとめ
18
本時の感想を記述さ
せる。
18 アンケート用紙に記入す
る。
レーザ加工室に移動。
安全心得の再確認。
③
④
⑤
powerpoint
レポート用紙
手引書
レーザ加工機
十
分
6
おわり
次週の予告
授業の考察
検証授業は4回行い,生徒が手引書の内容を理解し,時間内に作品を製作できるか検証した。
本時の学習(1回目)終了後のアンケート結果から,全項目とも「理解できた」と「ある程度
理解できた」を合わせると 87 %以上であり,本時の目標はほぼ達成できたと考えられる。しか
し,NCプログラムの説明で生徒が理解しにくい表現になっている箇所があることに気づいた。
本時以外の展開部分でも反省事項があった。それは,時間が足りず説明できない部分(運転準
備)があったことである。その部分はあらかじめ加工機を調整しておけば,加工には支障がない
ので,今後,内容の削除を含めて検討する。
この検証授業では,手引書の不備を発見しながらもその部分を補足説明し,全員が時間内に作
品を完成させることができた。検証授業(4回目)終了後のアンケートでは,説明した事項につ
いてほとんどの生徒から「ほぼ理解できた」,「楽しい実習であった」との感想が寄せられたので
授業の目標はほぼ達成できたが,手引書の内容を改善しなければならないと感じた。
④
協力員共同研
ラビットプロトタイピングの造形による 3 次元モデルの製作が産業界や医療分野において注目をあびている。
本センターに光造形機が平成 10 年度に導入され、教育現場において効果的な活用について現場教諭の協力を
得て研究をした。
光造形機の効果的な利用法
<研究協力員>
県立沖縄工業高等学校教諭 山 城 邦
県立中部工業高等学校教諭 仲 松
1
定
博
はじめに
産業界の急速な技術革新は,機械のメカトロ化,システム化をもたらし,産業構造,就労構造も大きく
変化してきた。生産部門においてはNC工作機械や産業ロボット,CAD/CAM 等コンピュータシステム
が導入され,生産の自動化を図る FA(Factory Automation)が登場し,生産性の向上,製品の均一化や信
頼性も大きく向上した。
また,開発部門においても精度,品質,開発時間の大幅な改善が達成されつつあるが,顧客ニーズの多
様化,商品ライフサイクル短縮,製品競争力向上などの諸要求から,商品開発プロセスの短縮が最重要課
題となっている。しかしながら,試作モデルは依然として手作業や機械加工に多くを頼らざるを得ないの
が現状である。
このような現状の中,1981 年に小玉氏により液状感光性樹脂を用いた三次元光造形法が発表され,以後
アメリカで大きな発展をみた。
この光造形法により,試作モデルは従来のような熟練者による手作業や高価な金型を用意することなく,
複雑形状の高精度な三次元モデルの作成が可能となり,製品開発が大幅に短縮された。
今回,当教育センターに,三次元 CAD データから液状感光性樹脂により高精度な三次元プラスチック
モデルを自動的に作成するラピッドプロトタイピング(RP)システムを備えた光造形機が導入されたので,
その効果的な利用法を試みた。
2
研究内容
(1) 三次元光造形法とは
三次元光造形法とは,三次元 CAD データを Z 軸方向に 0.05∼0.5mm のピッチで水平にスライスして
得ら
れる断面形状データに基づき,紫外線レーザ光で感光性樹脂面に描画し樹脂を硬化させ,硬化樹脂層を
逐次積層させることで立体形状を得る造形法である。
(2) 光造形法の概要
CAD のプロセス
光造形のプロセス
Sn
d
S2
CAD で入
図2 CAD で STL
図3 N層にスラ
力された形状デー
フォーマットへ変換
イスされたデータ
図1
S1
S2
S1
Sn
S2
d
S1
テーブ
図4
第1層の硬
図5 第2層の硬化
化
-61-
図6
最終層の硬
コンピュータ上の三次元 CAD と呼ばれる立
CAD モデルを光造形装置向け三次元データ
体デザインシステムによって成形したい
ファイル形式(STL 形式)にフォーマット
品物の立体形状を設計する(図1)
変換する。(図2)
断面データに基づいて液状の光硬化性樹
モデルの造形装置内での配置や積層方向
脂の表面をレーザ光で走査(スキャン)す
(モデルの置き方:立法,倒立,横転など)
る。被照射部分の樹脂が薄く固まって断面
を決定し,コンピュータ上で前記物品デー
データに対応する樹脂硬化層が形成され
タを所定の等間隔にスライスしてその断
る。この工程を繰り返して次々と樹脂硬化
面のデータを作る。その後,サポートを配
層を積層する事により,設計どおりの形状
置し,レーザ操作速度,出力,コーティン
が形成される。(図4,5,6)
グ回数,オフセット量,収縮率などの各種
パラメータを設定する(図3)
(3) ラピッドプロトタイピング(RP)システムの利点
ラピッドプロトタイピング(RP)とは,製品開発における三次元 CAD の形状データを高速(rapid)に試
作品(prototype)として製造する技術である。
この造形法と従来の切削工具を用いた機械加工の立体物製作法と比較すると以下のような利点がある。
①通常の切削加工が困難な自由曲面や複雑な構造(アンダーカット部など)を有する立体形状を簡単に製
作することができる。
②完全自動化されたプロセスであり,装置を操作するための特別な知識,熟練が不要である。
③短時間でかつ経済的に所望のモデル製作が可能である。
④工具摩耗,騒音,振動,切削屑の発生がない。このため,工業分野ではデザインモデル,ワーキングモ
デル,マスターモデル,木型,樹脂型真空中型マスタ,少量部品等。三次元コピーとしては,人体モデ
ル,靴型,立体地図。医療分野としては,手術シミュレーションモデル,補装具,教育訓練用モデルな
どが上げられる。
(4) 光造形機(SOLIFORM−250B)と樹脂
①光造形機
三次元 CAD で設計された三次元モデル(データ)を使用し,液状感光
性樹脂による実態モデルを短時間で造形するシステムである。造形サイ
ズは 250×250×250mm まで可能。
②液状感光性樹脂
樹脂はその用途に応じて高精度や高耐熱,柔
軟性,高靭性等の特徴を持った様々な樹脂が開発
されている。今回使用した樹脂は形状確認モデル
用樹脂(透明・高精度樹脂)で造形した。
(5) 三次元形状のデータ作成装置
三次元形状の作成には主として CAD で作成した三次元モデルをSTL
ファイルに変換して,光造形システム装置で造形する。本センターに
は,三次元画像入力(Cyberware 三次元スキャナ)も導入され,三次
元 CAD の両方で三次元形状モデルを作成している。
① 三次元 CAD(Computer Aided Design)システム
CAD とはコンピュータを利用して図面作成や設計を行うことで,
ニ次元 CAD と三次元 CAD がある。ニ次元 CAD は平面的な図形,三
次元 CAD は立体的な図形を作成することができる。本センターに
-62-
光造形機
は,SOLID EDGE 三次元 CAD システムが導入されおり,SOLID
EDGE ソフトにより図面を作成している。
② 三次元測定器(三次元スキャナ)
対象物を回転テーブルにセットし,テーブルを 360゜回転
させながら,レーザ光を照射しスキャンする。レーザ光が対
象物に反射し,戻ってくる時間のズレによって凹凸を判断す
る。そのデータをポリゴン(三角形状)に変換し,ポリゴン
によって断面が作成される。
② SOLIFORM CAM によるデータ処理
STL データ出力
SPF 変換
異常な STL データのクリ
ーニング各三角形の隙間を
補間
SPF データ変換
SPF データの編集(回転,
SPF 編集
拡大,縮小,ミラー,複
数データの合成)
スライサ
造形用の断面データを作成
するスライス処理を行う
DAT データ作成
断面データの自動修正出来
断面編集
なかったエラーを手動によ
り修正
造形上サポートが必要とな
サポート編集
る形状に対して自動,手動
により作成
造形に必要なコンフィグ
ファイル(モデルの配置,
シミュレータ
条件等を設定)を作成し
て,予想造形時間の算出
及び断面異常がないかシ
ミュレーションする
CFG データ出力
造形装置へ
-63-
3
光造形機による作品製作例
三次元 CAD により
ミッキーマウス
データを作成
三次元画像入力装置によりデータを作成
シーサ
三次元画像入力装置によりデータを作成
<主な参考文献>
萩原恒夫資料
SOLIFORM 造形の手引き
(株)帝人製機
(株)帝人製機
CYBERWARE ユーザズガイド for NT
SOLID EDGH ユーザズガイド
(4)
(株)ジャパンテックサービス
(株)日本インターグラフ社
1999
1999
1999
1998
まとめと今後の課題
本研究室は産業界の急速な技術革新に伴い,生産の自動化を図る FA(Factory Automation)や生産現場で
活用されている機器の導入を図り,先端技術の習得と各機器に対する指導書を作成し, 生徒実習及び教員
研修への効果的な活用,指導法をテーマに研究を行ってきた。
生徒実習は,各学校の実習項目や実習日程に応じて,毎週定期の「課題研究」と不定期の「実習」を行って
きた。特に「実習」については, 機器の操作等に時間を要するため継続的な時間の確保と,効果的な活用を
図るためには,より多くの学校の本センターでの実習が望まれる。そのために,生徒の輸送手段や交通費
の公費負担など,当センター単独では対応できない部分もあり,今後の活用に向け検討が必要である。
教員研修は研修内容も年々充実し,参加者も増加傾向にある。先端技術の習得と新任や経験の浅い教
員を対象とした基礎・基本技術の研修,さらに,勤務終了後の夜間研修等年間を通して実施する研修体制
を構築し、多くの教員の参加する機会を設ける必要もあると考えている。
さらに,今後,効果的な運用を検討するとともに,専門高校や先端機器が導入されている県工業技術セ
ンターや職業短期大学との技術提携や情報交換等密接な連携を図り,常に先端技術の研修施設に相応し
い最新の技術水準を維持するための設備更新,産業教育の発展に資する教員研修及び生徒実習が実施
できるよう整備・確立に努めていきたい。
-64-
5 ビジネスシステム研究室
本研究室は、急速に進みつつあるオフィスの情報化やビジネス活動における情報技術など社会情勢の変化に対応する
ために、商業教育に携わる教諭の研修や商業高校に学ぶ生徒が実習を行えるよう機器を整え、研修内容や実習項目など
を調査・研究し、学校現場への支援を行っている。
巻末の資料でもわかるように、平成10年度の研究室設置と同時に、毎年、1年長期研修員を2名ずつ採用し、それ
ぞれ学校の実態に即した課題や緊急性のあるテーマで研修が進められてきた。また、生徒実習では、学校現場の積極的
な施設の利用により着実に実績をあげてきた。
このように、教員研修及び生徒実習を充実発展させるため、当研究室においても、3ケ年計画で次の3つの研究の柱に
基づき実践してきた。
研究の内容
①商業における先端的な技術の習得と指導法の研究
②学科の特性及び多用な生徒の実態に応じた生徒実習の工夫
③生徒実習を行うための効果的な施設・機器の活用
(1) 機器・ソフトの導入概要及び施設状況
①サーバ本体
②クライアント(教師用)
③クライアント(生徒用・22台)
④外付MO(教師用)
⑤SmallBusinessServer(25CAL)
⑥Ofiice97・一太郎
⑦MACNICAのカメラ
⑧ラベル工房
⑨Myshade2
⑩ロータスノーツ
⑪レーザプリンタ
⑫ネットワーク機器
⑬POSレジ・バーコードリーダ
写真1
商業の生徒実習室
⑭プロジェクタ
⑮開発ソフト(電子商取引)
(2) 研究内容
① 商業における先端的な技術の習得と指導法の研究
当研究室において、導入された機器が先端的なものと捉えるには少し気が重いのだが、機器を活用した
その研究内容が教育現場においてまだ導入されてなく、これから導入されることを考えた場合、内容の先端性と捉
えて、次の2つの研究を1年目及び2年目に実施した。
一つめは、「ネットワークを導入した授業の工夫」 −科目「総合実践」を通して−。
二つめは、「電子商取引に関する基礎的研究」 −イントラネットにおける生徒実習の教材化にむけて−。
前者の研究は、主としてオフィス業務におけるグループウェアの活用に関する研究に視点をあて、現在行われて
いる科目「総合実践」の工夫改善を図る展開事例を示したものである。社内メールや稟議、スケジュール管理及びビデオ
会議をイメージした内容である。詳細については、平成10年度協力員共同研究実践事例集に掲載(p118∼p123)されている。
後者の研究では、主としてネットワーク社会における、取引の形態として脚光を浴びつつある電子商取引について、先
行的な事例として開発したものである。その内容は、電子の鍵(公開鍵・秘密鍵)や認証に関する内容等について仮想店
舗で取引をすることによって学習できるシステムとなっている。詳細については,平成11年度研究紀要第11集に掲載(p10
7∼p116)されている。
② 学科の特性に応じた生徒実習の工夫(経理事務科の実践例から)
ア 学科の活性化と科目内容の応用から
沖縄本島南部に位置する県立南部商業高等高校は,平成8年の学科改編により,「経理事務科」を設置し,「商業
科」,「情報ビジネス科」の3学科を置く創立31年目を迎えた学校である。学科に応じた特色ある教育内容を展開す
るために,経理業務を中心とした授業の工夫や企業見学などを通して、学科の活性化を図っている。その活性化の一
環と同時に、科目内容の応用を図る観点から、「経理事務科」1年生のセンター実習を実現することができた。
イ 教育課程上のその他の科目「O A 経理」とセンター実習内容との整合性
平成12年度より導入の科目「OA経理」については,次のように示されている。
その他の科目(専門科目)
1.科
目
名
「 OA 経 理 」
2.単
位
数
「2単位」
3.実施学年・学科
4.目
「1学年・経理事務科」
標
OA( オ フ ィ ス オ ー ト メ ー シ ョ ン ) 機 器 及 び 経 理 ソ フ ト の 利 用 に 関 す る 知 識 と 技 術 を 習 得
させ,企業における経理システムについて理解させるとともに,合理的な事
務処理能力と態度を身に付けさせる。
|
以下省略
|
5.内
容(単元項目のみ表示します)
( 1)
OA(オフィスオートメーション)と経理
( 2)
OA
( 3)
OA 機 器 の 利 用 ② ( ワ ー ド プ ロ ソ フ ト の 活 用 )
( 4)
OA 機 器 の 利 用 ③ ( 経 理 ソ フ ト ウ ェ ア の 活 用 )
( 5)
OA 機 器 の 利 用 ④ ( そ の 他 の 機 器 の の 活 用 )
機 器 の 利 用 ① ( 表 計 算 ソ フ ト ウ ェ ア の 活 用 )
*生徒実習
.指導計画の作成と内容の取り扱い
|
以下省略
|
( 3) こ の 科 目 の 指 導 に 当 た っ て は 、 実 習 を 多 く 取 り 入 れ 、 機 器 操 作 を 体 験 的 に
習 得 さ せ る よ う 配 慮 す る 。
( 4) 表 計 算 ソ フ ト を 学 習 さ せ る 場 合 、
「 情 報 処 理 」 な ど の 学 習 内 容 と 関 連 を 図 り
*配慮
な が ら 指 導 す る こ と が 望 ま し い 。
|
*科目連携
以下省略
|
( 7) 内 容 の ( ) 4の 指 導 に 当 た っ て は 教, 育 セ ン タ ー な ど に お け る 実 習 も 考 え ら れ
る 。
*センターとの連携
|
以下省略
|
図1
その他の科目「OA経理」
<南部商業高等学校>
図1に示された資料より、科目「OA経理」の目標及び内容との整合性を図る観点から、指導計画の中に位置づけた教
育センターでの実習内容は、学校の授業を補完し、さらに深化する内容であるために次のような実習項目を試案し、実
施した。
実習内容の検討(当該校と調整)
・表計算検定の 3 級程度をさらに深める
内容にする。
・実務性があり、今後の教育活動に応用が
図られる。
・新しい技術・技能を体験できる。
図2
実習の到達目標
実習時間を午前2時間、午後2時間を想定した時間配分から
図2の目標を踏まえて図3のように3つの実習項目(例題1∼例
題3)に限定して行った。
図3
実習項目
ウ 実習の展開及び内容(実習書より抜粋)
実習を展開するうえで、配慮する事項として次のことを踏まえて進めた。
配慮事項:図3に示した実習内容は、基礎から応用へと内容を積み上げていく展開とする。
・実習例題1
VLOOKUP関数の基礎(表データの検索)
図4
到達目標
① 関数の貼付けができる。
② Vlookup 関数の
検索値、範囲、列番号
の定義ができる。
③ 範囲の絶対番地が定
義できる。
④ Vlookup
(F3,$A$4:$C$7,2)が
表と照合して理解で
きる。
基礎教材
図5
・実習例題2
実習例題1の目標
VLOOKUP関数の応用(バーコード入力の活用)
到達目標
① マスタデータは並び換え
が必要である。
② Vlookup 関数の
検索値、範囲、列番号
の定義を商品名の項
目と売価に定義がで
きる。
③ 範囲の絶対番地が定
義できる。
④ B4 と C5 で定義した
関数を下方へ複写で
きる。
⑤ 例題 1 で学習した
Vlookup 関数に IF 関
数を混在できる。
図6
応用教材
セル B4 の定義では
= I F ( A 4 = " " ," " ,V l o o k u p ( A 4 ,$ E $ 4 : $ G $ 2 1 , 2) )
・実習例題3
図7
実習例題2の目標
請求書と領収書の発行(自動マクロ)、電子印鑑での押印)
例題3では、Sheet1に請求書を、Sheet2には領収書を、Sheet3には商品一覧を設定し、関数の定義及びマ
クロ実行ボタンは、図8の請求書で示したとおりである。
Sheet3
①到達目標
請求書の示した各関数
が定義できる。
② Sheet の関連が理解で
きる。
③ 自動記録マクロのし
くみが理解でき、作成
できる。
④ マクロを実行するコ
マンドボタンが作成
できる。
⑤ 電子印鑑を体験し、理
解できる。
Sheet1
領収書発行
図8
請求書の関数定義個所
請求書の領収書発行ボタンを押
図9
Sheet2
実習例題3の目標
すと領収書の相手先及び領収金額
は、請求書より該当する箇所のデ
ータを複写する自動マクロにより、
データが反映される。
このことにより、生徒は請求書
と領収書の各項目との関連づけが
理解でき、定形業務においてマク
ロの必要性を理解することになる。
また、電子印鑑については、今
後のビジネスの世界でも利用され
る可能性としての体験に留めた。
図10
自動マクロによる領収書の発行及び電子印鑑
エ 実習後の生徒の評価
今回の実習は、学校現場でバーコードを利用したデータ
処理実習が取り組まれてない状況の中で、センターで初め
て1年生の試みとして企画してみた。実施後の生徒のアン
ケートを紹介し、考察してみた。
声1:スーパーのレジの仕組みもそのような方法であろう
と予想することができた。
声2:ビックリしたことが二つあります。一つは、マクロ
を使って領収書の金額を瞬時に変えることができる。
二つめは、電子の印鑑を作成し押印できた。
声3:データ検索で便利なVLOOKUP関数やTODAY関数などを
理解できた。
写真2
実習風景
考察:この実習のキーワードであった「VLOOKUP関数」、「自動記録マクロ」、「電子印鑑」の3つについて、
多くの生徒が理解できたと回答しており、その目的は達成された。さらに「声1」にあるように、バー
コード実習が実務におけるレジ機能を予想(思考の拡散)する生徒がでたことは意義があった。また、
今後の新技術としてビジネスの世界で利用可能な電子印鑑に、興味と驚きを与えたのは、前向きな姿
勢を育成するには、十分な素材であったと考える。
オ 今後の教育活動への応用例及び機器構成
県内の産業教育フェアにおいて、商業高校が
キーボード端子へ
実施する商業デパートの販売実習や各高校で行
われる学園祭等でのクラスの販売実習でバーコ
ード活用及びデータ管理が可能である。
そのことは、学校で学んだことを応用し、実
キーボード
務レベルまで押し上げ、生徒に自信を持たせる
ことができる。そうした場の設定を教師側が設
定してあげることが大切である。
図11
バーコードリーダの接続
② 多様な生徒の実態に応じた生徒実習及び効果的な施設・機器の活用
センター実習を実施する多くの商業高校では、1クラス単位の実習を行うので、効果的に施設や機器を活用
するために、次の工夫を施し、図12の例で示したような実習要項に基づき実施している。
・ 実習室の機器の台数に制限があり、1クラスを2グループに編成し、コンピュータ室と商業の実習室(写
真1)で行う。
・ 学科の特色および多用な生徒の実態に応じて、2つの実習項目を準備し、午前と午後のローテーション
で行う。(図12)
・ 上記2つの理由により、実施前に実習内容および実習形態について、当該校と十分検討し、可能な限り
引率教諭等に対して実習内容の事前研修を行っている。
センター実習要項
平成12年度
2000.10.20
浦添商業高等学校
1
情報処理科
ねらい
学校外の施設の利用により、高校生としての自覚を認識させるとともに、情報処理関連科目で学習するソフトウェア
の利用の幅を広め、情報活用能力をつける。
本日の学習では,3次元グラフィックスの基礎と動画編集ソフトの入門および基礎操作を習得する。
2
日程と内容
11月2日(木)[1年6組]
11月8日(水)[1年5組]
8:40
集合
8:50
出発(バス)
9:40 ∼ 9:55 開講式(課長挨拶・校長激励・・E メール )
10:00 ∼ 12:10 A・B の2グループに分けて実習する。
A班
●「3次元グラフィックス」の基礎
(1) 球・回転・掃引体によるグラフィックス
(2) 雪だるま・りんご・壷・ワイングラスを作成
B班
●「動画編集ソフト」によるめんそーれ沖縄の企画作成
(1) 動画および音楽素材を使って編集
実習当日の E メールで激励の様子(写真・声)
12:10
∼
13:00
13:10
∼
15:10
昼
食
A班
●「動画編集ソフト」によるめんそーれ沖縄の企画作成
(1) 動画および音楽素材を使って編集
B班
●「3次元グラフィックス」の基礎
(1) 球・回転・掃引体によるグラフィックス
(2)雪だるま・りんご・壷・ワイングラスを作成
15:10
∼
15:20
片付け、アンケート、閉講式
|
省
略
図12
ローテンション実習における要項例
ア ローテンション実習を取り入れた工夫
十分な広さを確保した商業の実習室では、限られて時間内でいかに効果的・効率的に実習内容が進められるかが課題
である。そこで、写真2に示したように2台のプロジェクタを活用し進めている。生徒は、スクリーンと各自のモニタ
および実習書と照合しながら進めている。
また、コンピュータ室での実習は、説明用のプロジェクタでの活用ではなく、各自のモニタ画面以外に、教師側の操
作状況を転送するモニタを設定して進めている。
このように、1クラスを2つの実習室に配置し、それぞれの実習室や機器配置の特徴を生かしながら活用し、午前と
午後のローテンション実習に取り組んでいる。
・利用施設
図13
:商業実習室
と
コンピュータ室
3階概略図
写真4
写真3
モニタ及び教師画面
実習の様子
ローテンション実習における題材は、後ほど紹介する実習題材の中から選択し、実施している。また、学校の要望に
応じてその題材を開発し、実習題材を増やしているのが現状である。
では、実習題材について紹介する。
イ 実習内容の紹介
実習題材1:「3次元グラフィックス」の取り組み
到達目標
(ア)実習環境
・実習時間
:2時間
・使用ソフト:myShade2
・実習内容
:①球の活用による例
「雪だるま」「だんご」
②
回転による例
「りんご」「ワイングラス」
(イ)テキスト15ページ
「初心者のための3次元グラフィック講座」
基本用語の理解
・モデリング
・カメラ位置
・回転及び掃引体
課題作品の完成
・表面材質
・レンダリング
・ブラウザ
( ウ)
テキストの紹介(抜粋)
県内の商業高校では、これまで3次元CGのソフトを取り入れた授業が実施されてなく、表現活動及び創
造性を培う願いから先行的実験として実践してみた。
回転・掃引でつくる立体
りんごを作成して,ベジェ曲線を習得しよう
Shade でベジェ曲線を直接描くには、右クリックメニューから[ペン]→
①
[開いた線形状]もしくは[閉じた線形状]を使います。 ここでは[開いた
線形状]を選択してください。
上面図で作業しましょうか。
2
曲線の始点(1の点)にしたい場所をクリック。ボタンを離さないでね。
そこから、その点におけるベクトルをドラッグして離します(2の点の方向)。
1
もちろん、方向、長さ、ともに形状に影響するので、この図を参考にしてください。
②
次に、途中の点を指定します。
3
3
44
始点のときと同じように、点(3の点)をクリックし、4の点の方向へ
ドラッグする。
途中の点はいくら作ってもかまいませんが、ここでは1つだけにしておきます。
③
で、最後の点です...が、別に途中の点と区別することはありません。
同じように始点をクリック、ベクトルをドラッグです。
線形状がベクトルに引っ張られていることに注意してください
最後の点の作成が終わったら、キーボードの[ E n t e r ] を押してください。
これで、ベジェ曲線を用いた「開いた線形状」が作成されました。
うーん、なんか歪みがありますね。
次は形状の修正にチャレンジしてみましょうか。
④
コントロールポイントの修正
まず、修正したい線形状を選択してください。
そしたら、修正状態にするために[ C t r l ] + [ M ] を押してください。Modify(変形...かな?)の「M」です。
小さな白い四角が 3 つ出てきましたね。これは、先ほど作成したベジェ曲線を構成する「点」だけが表示されている状態です。
さらに[ C t r l ] + [ M ] を何回も押していくと、それぞれの「点」が順番にアクティブ
な状態になって、
「点」が黒塗りになり、同時に「ベクトル」も表示されます。
それでは、位置をずらしてみましょう
ちょっと用語の説明をします。
まず、「点」と呼んでいたものですが、「アンカーポイント」
そして、「ベクトル」と呼んでいたものは、「接線ハンドル」
さらに、「アンカーポイント」と「接線ハンドル」をあわせて、
「コントロールポイント」といいます。
では、アンカーポイントの位置をずらしてみましょう。
やり方は簡単です。任意のアンカーポイントを選択して、移動したい位置まで
ドラックしてください。
まず、右側のコントロールポイントをいじります。
アンカーポイントを選択したら、[Z]を押しながら「アンカーポイント」を
ドラッグして、「接線ハンドル」を引きなおしてください。ベクトルですので、
方向に注意してください。
同じやり方で、左側も修正してみます。
方向に注意してくさい。
さらに、上も動かしてふくらみを持たせます。
最終的にはこんな感じの状態になればいいかな。
接線ハンドルを表示させておくのでうまいこと真似てみてください。
いちおう「リンゴ」(の枠線)を意識して作っているので、みなさんが描く
「リンゴ」のイメージにまかせます。
終わったら[ E n t e r ] を押して決定してください。
さあ、線形状はできました。
でも、これだけではただの線なので、次はこの線形状から立体を生成してみましょう。
回転体の生成
「回転体」というのは、ある線分を軸として、「線形状」(主に開いた線形状)を
回転させ、その軌跡になる部分を立体として生成するモデリング手法です。
つまり、半円から回転体を生成すれば円ができるわけです。
さて、それではさっきの「リンゴ」(の枠線)から、回転体を生成してみましょうか。
ブラウザで「開いた線形状」のみが、選択されていることを確認してから、
右クリックメニュー→[ ソリッド] →[ 回転] を選択してください。
これで準備は OK ですので、次に回転軸を指定します。
どこに回転軸を設定するのかわかりますよね?
図のように「リンゴの芯」の位置を、ドラッグしてください。
このとおり、立体です。
あとは、好きなように表面材質や背景などを指定して、レンダリング
してみてください。りんごにみえますか。
このように,線をもとに回転軸をとり,回転することによって立体ができます。立体をつくる一つの基本のテクニックです。
( エ)
生徒の作品例
図13
作品1
図14
作品2
実習題材2:「ビデオ編集Premiere」の取り組み
到達目標
(ア)実習環境
・実習時間 :2時間
・使用ソフト:Premiere
基本用語の理解
・リニア編集とノンリニア編集
・ビデオキャプチャ
・画面切り替え効果とタイムライン
・実習テーマ:「めんそーれ沖縄」
・素材
:動 画6例
BGM1例
(イ)実習テキスト14ページ
実習題材の完成
「初心者のためのPremiere入門」
テキストの概略
沖縄を紹介する映像をCM風に制作することを目的に、次の6つの動画と1つのBGMを取り入れた実
習題材とした。生徒は、実習をとおして広告会社や放送局などで制作しているCMなどの広告媒体の作
成技術を擬似的に経験できる。
① ハイビスカス.avi ② 海.avi
③ 那覇.avi
④ 石畳.avi
⑤ 大綱引.avi
⑥ 夕日.avi
素材の読み込み
1
ビデオ素材(動画)を読み込みます。
動画ファイルは、D ドライブの具志川商業
のフォルダにあります。まず、ハイビスカスの
ファイルを読み込んでみよう。
①クリック
②クリック
読み込んだ素材は、プロジェクトウィンドウ
に表示されます。
以下、同様に他の 5 つの素材を読み込みます。
(完成作品.avi は、除きます。)
プロジェクトウィンドウ内の素材ををダブルクリックすると、ソース画面(モニタ画面)に表示されます。
(または、素材をドラッグ&ドロップでソース画面へ)
停止ボタン
再生ボタン
「再生ボタン」および「停止ボタン」で読み込んだ動画を確認してみましょう。では、他のビデオ素材(動画)
も同じ要領で確認しましょう。
タイムラインウィンドウへの素材の配置
1
ドラッグ
ソース画面(モニタ画面)をドラッグ&ドロップで
タイムラインウインドウの「ビデオ 1A」のトラックに配置
します。
すると、タイムラインに配置された、ビデオ素材が
プログラム画面に表示されます。そこでも、再生ボタン、
停止ボタンが使えます。
ドロップ
2
次に、ビデオ素材「海」をタイムラインウィンドウの「ビデオ 1B」のトラックに配置してみましょう。
ドラッグ
ドロップ
3
直接、プロジェクト
ウィンドウから
タイムラインへ配
置できますよ。
では、この配置されたビデオ素材がどのような動きになったのか確認してみましょう。
再生の方法を2つ示しておきます。
タイムラインに配置した
素材を確認するには、この
画面できます。
再生ボタン・停止ボタン
時間ルーラを動かすこと
でも再生できます
どうですか?スムーズに2つのビデオ素材が再生されましたね。
4
では、残りの4つのビデオ素材をタイムラインウィンドウに配置しましょう。
(配置する順序は、「那覇」、「石畳」、「大綱引」、「夕日」の順で、トラックを交互に配置します。)
先ほどと同じように再生して確認してみましょう。すべて配置してみると、このようになります。
時間ルーラの単位を2秒
ぐらいに変更
では、すべてが配置されたところで、どういうビデオ素材の動きになっているか確認してみよう。
画面切り替えの特殊効果
Premiere で使われる「ビデオ素材」や「オーディオ素材」などをクリップ といいます。
2つのビデオクリップ間の切り替わり方を「効果」と呼びます。このためには、2つのクリップを別々
のトラックに配置し(ビデオ 1A とビデオ 1B)、少しだぶらせる必要があります。
では、「那覇」と「石畳」のクリップを例にやってみよう。
1
次のように、配置し直してみよう。(石畳を少し移動し、那覇にだぶらせます)
だぶらせてみる。
再生してみて、2つのクリップ間の切り替わり方(効果)をみてみましょう。
先ほどと変わっていませんね。じつは、「効果」を設定してなかったからです。
2
効果トラックに「効果」を設定してみます。その前に、どのようなものがあるか確認しましょう。
(75種類あります)
ダブルクリック
効果の確認
ここでの効果設定を中央で剥がれるを選択し、配置します。
ドラッグ
ドロップ
では、中央で剥がれる効果を設定しましたので、確認します。
時間ルーラー
A 地点
B 地点
ALT キーを押しながら、時間ルーラーをマウスで A 地点から B 地点まで動かすと、効果が確認できる。
3
つぎは、「石畳」のビデオ素材と「大綱引」のビデオ素材の画面切り替え効果を設定してみよう。
(ディゾルブの効果を適用)
先ほどと同じように、ALT キーを押しながら時間ルーラをマウスで動かした効果を確認します。
では、「大綱引」と「夕日」のビデオ素材の画面切り替え効果を各自で好きな効果を設定してみよう。
どうですか?思いの効果がえられましたか。
タイトルクリップの作成
1
これまでは、ビデオ素材(ビデオクリップ)の配置やビデオの切り替え効果を学習してきましたが、
ここでは、タイトル作成とタイムラインへの配置、フェードコントロールやモーション効果をしてみましょう。
・「メニュー」→「新規」→「タイトル」を選択しますと、タイトル作成ウィンドウが開きます。
タイトル作成ウィンドウ
2
「ハイビスカス」のビデオクリップを背景にタイトルを作成します。
文字色
文字の影
ドラッグ
グラデ-ション
影の位置
では、文字色および文字の影、文字のグラデーション、影の位置をそれぞれ設定しましょう。
文字のグラデーション、影
の位置の設定は、講師の説
明があります。一緒にやり
ます。
3
では、タイトル入力です。
条件:(文字のフォント=ゴシック、スタイル=太字、サイズ=70、行揃え=中央)
①入力ツールを選択
②タイトル→フォントを
選択し、条件を入力
4
文字を入力したい位置でクリックし、文字を入力します。
クリック
5
タイトルができあがったら、メニューの「ファイル」→「保存」を選択します。
ファイル名をつけて「保存」を押します。(ファイル名:めんそーれ)
6
作成したタイトルクリップをプロジェクトに読み込み、タイムラインに配置しましょう。
では、タイムラインに配置します。
ドラッグ
ビデオ2へ配置
7
次に、配置したタイトルの仕上げ作業をしましょう。ここでは、フェードコントロールを利用してタイトルが
徐々に表示された後、徐々に消えていくように設定します。
(時間ルーラを1秒にして作業するとよい)
△をクリックしてフェ
ードコントロールを開
く
海の素材まで広げ
ましょう
このカーブは徐々に表示し、
徐々に消えていく意味です。
線はマウスでつまむとカー
ブが作れます
では、フェード効果を確認します。(ALT キーと時間ルーラ)
いかがですか?タイトルが徐々に表れて、徐々に消えていきましたか?
音楽(B G M )の追加
1
最後は、音楽を追加して仕上げましょう。音楽素材(BGM)をプロジェクトへ読み込みます.
2
プロジェクトに読み込まれた「BGM1.wav」を
タイムラインへ配置します。
配置場所は、オーディオ 1 へ配置します。
ドラッグ&ドロップ
その他の実習題材
・e-shop 商店街に店を開こう・・…お店の Web ページを作成し、イントラネット内の Web サーバの
ショッピングモールに FTP で登録する。
・Photoshop の活用・・・・・・・……・画像合成のテクニックを利用して名刺を作成する。
(オリジナル名刺の作成)
・グループウェア入門・・・・・・・・…・ロータスノーツを活用し、メール(ビデオメール含む)や回覧、ス
ケジュール、電子印鑑等の実習。
・画像処理入門・・・・・・・・・・・……・ Photshop を活用した画像の合成。レイヤーやフィルタなどの実習。
花を題材にした色の変換や文字のカットアウトの実習。
・NetMeeting の活用・・・・・・・・…・遠隔間のテレビ会議をイメージした実習。
・Visual Basic 入門講座①∼⑤…・基礎から EXCEL データの活用までの実習。
・溶接実習・・・・・・・・・・・・・・…・・…・体験的な実習として、フラワスタンドの作成実習。
(3)まとめと課題
本研究室では、ビジネス社会を取り巻く新しい技術や動向について年次的に研究し、教科の指導内容の改善が図れ
るよう職員の研修や生徒実習を行ってきた。今日のクライアント・サーバ型にみられるネットワーク環境は,オフィ
スをはじめあらゆる場所でその影響を受けてきた。1年目で研究してきたオフィス業務にお けるグループウェアソフ
トの活用は,これからの商業教育の在り方を考える上でヒントになった。
また,2年目に研究した電子商取引は,これからのIT時代における商取引のひとつとして脚光を浴びつつあり,商業
高校の教科内容を補完する生徒実習の教材として活用できると考える。
最後に,生徒実習における当施設の利用は毎年増えており,内容も充実してきた。学校側のセンター実習に対する
熱い思いや,内容に対する要望や実習の方法などについて多くの意見が寄せられた。
これからの課題として,学校と連携をさらに強化し,教職員研修及び生徒実習の充実を図る必要がある。
そのためにも,学校のニーズに応える実習教材の開発や社会の動向を見据えた職員への技術支援を行う必要がある。
6 通信・制御研究室
本研究室は,急速に進展する情報通信技術および
コンピュータ制御技術分野の教育に対応するため
◎ 高度情報通信分野を支える,光通信,電話通
信,データ通信,ISDN 回線等の原理,及び保
守技術や衛星通信技術
◎ コンピュータ制御の基礎学習と効率的なプロ
グラミング技術の習得、及び総合的なFAシ
ステムの構築やネットワーク化の基礎技術
◎ 地球球温暖化対策としての次世代の発電シス
テムとして世界各地で研究が進められている
ハイブリッド発電(風力・光)システムによ
るクリーンエネルギー利用技術
図1
通信システム室
の分野について,現職教員の恒常的な研究・研修と
専門高校生の実験・実習が行えるよう,高度情報通
信機器や先端の制技術装置を装備した研究室である。
以下、研究・研修の環境および取組み状況の概要
を記す。
( 1 ) 研究概要
① 研究室のシステム構成
ア 通信システム室
通信ネットワーク利用教育システムとして
(ア) 光通信、電話・FAX 通信、データ通信
(イ) ISDN 回線と保守技術
(ウ) ネットワーク基礎技術
(エ) 衛星通信利用システム
図2
GPSによる長研講座
(GPS,気象衛星,CS,BS)
の各分野の研究および生徒実習ができるシステムが構築されている。
イ 制御技術室
制御技術室には,シーケンス制御を中心に空気圧制御・自動化技術の制御システム等が装備されている。
(ア) シーケンス制御装置
・プログラミング(SFC図,ラダー図)
・ネットワーク制御
図3
84
制御技術室全景
(イ) 空気圧制御システム
・電気制御
・空気圧制御
(ウ) 自動化技術システム
・往復運動構築,メカニズム構築、
・ハンドリング機構構築
・生産システム構築
(エ) プリント基板加工システム
・回路図制作技術
・電子 CAD 操作技術、
・基板加工技術
図4 自動化技術システム全景
ウ 新素材クリーンエネルギーシステム室
ハイブリッド発電(風力・ 太陽光)によるクリーンエネルギー利用技術のシステム。
・クリーンエネルギー発電装置
(太陽発電,風力発電:太陽発電装置基礎特
性,風力発電装置基礎特性,システム総合
特性,クリーンエネルギー発電環境調査研究)
図5
制御パネル
図6
太陽電池と風車
( 2 ) 取組み状況
通信システム室および制御技術室に導入されたそれぞれのシステムは、学校現場における実験セットとは異なり、
一般企業等に於いても使用されている機材群を選定したものである。これらのシステムの利用技術や保守管理技術
の習得を目指し、設立当初から効率的な研究・研修が推進されてきた。
研究・研修の在り方としては、研修員の「研究テーマ」に沿った取組みと学校現場と連携をとりながら推進する
「協力委員共同研究」の取組みに大別される。生徒実習については,通信システム室におけるデータ通信,ISDN
回線,光通信,制御技術室における空気圧制御,自動化技術制御等が取組まれてきた。
ここでは,これらの研究・研修及び生徒実習の取組みを通した実践事例を要約しながら紹介する。
① 長期研修員の研究分野
ア 平成10年度(2名)
◎ 衛星通信利用技術
(GPS:衛星による位置検出装置)
◎ ネットワーク技術
イ 平成11年度(2名)
◎ コンピュータ制御技術
◎ ネットワーク技術
ウ 平成12年度(2名)
◎ ネットワーク技術
◎ 自動化技術
図7 自動化技術検証授業
85
② 生徒実習書例(要約)
【通信実習 Ⅰ】
1[実習項目]
2[目
A/D変換と光通信の基礎
的]
光伝送実習装置送信部の入力部から送信されるアナログ信号をA/D 変換部でデジタル信号に変換された
波形の観測をおこないA/D変換について理解を深める。さらに、光ファイバケーブルをとおして受信部へ送
信された信号についても観測し、光通信について理解を深める。
3[理
論]
送信部は、音声など各種信号を必要な大きさに増幅し、光変換素子(LED)により、電気信号に変換し、
光ファイバによって伝送する。受信部ではPINフォトダイオードで受信し電気信号に戻し、必要な大きさに
増幅して再生する。このとき、入力信号をアナログのまま直接光変調する方法と、いったんデジタル変換し、
パルス信号として送信する方法がある。
デジタル伝送の場合は、アナログ信号をAD変換器によって符号化し、この信号をシリアル変換して1本の
ケーブルで転送できる形にする。それぞれに長所、短所があるが、高速、大量のデータを高品位に伝送するに
は、デジタル伝送の信頼性が高く優れている。
(1)AD変換
アナログ信号のデジタル信号化は、サンプリングと符号化で成り立ち、サンプリングは入力信号の瞬時値を
取り出すことであり、符号化はその値を2進法に変換して表現することを意味する。
①
サンプリング
アナログ信号は、時間の経過とともに連続的に変化する信号である。この信号をデータとして扱う場合、必
ずしも波形のすべてを送る必要はない。しかし、その瞬時値1箇所だけでは波形の再現はできない。したがっ
て、一定の周期で瞬時値をサンプリングする必要がある。原信号に含まれる最高周波数の2倍以上の速度でサ
ンプリングすれば、原信号を再生することができる。これをサンプリング定理という。
② 量子化と符号化
量子化とは、瞬時変化するアナログ信号の変化値をひとつの値として規定することをいう。図1でサンプリ
ングと量子化された波形を示す。
符号化とは、量子化された信号振幅をビットに応じた値に変換することをいう。限られたビット数で、連続
した変化量であるアナログ値を表現するには限界があり、本装置は8ビットAD変換回路であるため 256 通り
のビットパターンで連続量に対応することになる。
たとえば、アナログ量として20.48[V]が与えられたら
20.48[V]÷256=0.08[V]=80[mV]となり
20.48を80[mV]間隔で256回区切ったことになる。
この値が、アナログ電圧の表現できる能力で、分解能という。上記の例では、80mV未満の変化は表現でき
ないことになる。
AD分解能が、8ビットのときは256通りの表現ができますが、8ビットの先頭ビットは、電圧信号の極
性符号(符号ビット+7ビット)の役割を与える場合があり、下記のようなビット表示となるためにいわれる
表現です。
11111111のとき
10000000のとき
+10.16[V]
0.00[V]
00000000のとき
−10.24[V]
このような、正負両極性の動作スパンをもつものをバイポーラという。また、これに対し、
11111111を正(または負)だけの信号上限とし、
00000000を0[V]と定義すると負(正)極性は、表現できないことになる。これを
ユニポーラという。
86
11111111
255
11111110
254
10000100
132
10000011
10000010
1
0
0
0
0
1
0
で表示
131
10000000
01111111
127
01111110
126
01111101
125
01111100
124
00000010
002
00000001
001
00000000
000
−10.24
−0.08
図1
4[実
0
130
129
128
10000001
0.08Vは?
0
+0.08
+10.16
サンプリング及び量子化と符号化
習]
(1) 送受信実習
①
使用機器
光伝送実習装置[岩崎通信機器株式会社:光伝送実習装置(ITF−201)]
[取扱注意事項]
・ 目を傷めるおそれがあるので、送信部光出力からの光を直接見ない。
・ 光ファイバーに無理な力を加えない。ある程度以上のねじれ、まげなどの力を加えると光ファイバが損
傷して、実習ができなくなるおそれがある。
②
送受信実習の機器設定手順
ア 送信部と受信部を、付属の光ファイバ^ケーブルで接続する。光ファイバコネクタのねじは、きちんと止
める。
イ 電源投入のまえに以下の初期設定をおこなう。
【送信部:ITF−201T】
(ア) メロディ(MELODY)
S102 : 1
(イ) 入力信号選択(INPUT SELECT)S103 : MELODY
(ウ) AD クロック(AD CLOCK)
S104 : 0.5
(エ) データ選択(DATA SELECT)
87
S106 : ANALOG
(オ) バイアスモード(BIASU MODE)S107 : ANALOG ( カ) 出力調整(LEVEL ADJ)
R105 : 中央付近
【受信部:ITF−201R】
(ア) バイアスモード(BIASU MODE)S201 : ANALOG (イ) 入力信号選択(INPUT SELECT)S202 : O/E
(エ) 音量(VOLUME)
R205 : 左いっぱい
ウ 電源を入れる。
③
伝送信号の確認
ア 音による確認
◎ 受信部の音量(VOLUME)R205 を右にまわす。→ → メロディが聞こえてくる。
イ 光信号の確認
◎ 送信部(TB107)からファイバケーブルを少しづつ離してみる。音が小さくなる。また、TB107 が赤く点
灯しているのが確認できる。
図2 送受信実習
(2) 信号観測実習
①
信号観測実習の機器設定手順
【送信部:ITF−201T】
◎ 入力信号(INPUT SELECT)
S103 :1Hz
◎ データ選択(DATA SELECT)
S106 : DIGITAL
◎ バイアスモード(BIASU MODE)S201 : DIGITAL
【送信部:ITF−201T】
◎ バイアスモード(BIASU MODE)S201 : DIGITAL
◎ スピーカ(SPEAKER)
②
◎ 入力信号選択(INPUT SELECT)S202 : D/A
S203 : ON
デジタル信号波形観測
ア 入力信号(1Hz:アナログ)と変換されたデジタル信号の観測
◎ 入力信号観測点(TP103 と TP104)にデジタルストレージスコープのCH1のプローブを接続。
◎ デジタル信号観測点(TP119 と TP120)デジタルストレージスコープのCH2のプローブを接続。
図3TP103-TP104(アナログ)と TB119-TB120(ディジタル)波形
88
イ 観測波形と分析
(ア) インジケータ部のビットパターンを読み取る。(27ビット1のときプラス、0のときマイナス)
(入力信号プラス側)
スタート
ビット
20
21
22
23
24
25
26
27
0
ストップ
ビット
1
(入力信号マイナス側)
スタート
ビット
20
21
22
23
24
25
26
27
0
ストップ
ビット
1
(イ) 図9を参照にストレージスコープを設定し、波形を観測する。
※ 留意:20(LSB)から順に送りだされる。
(ウ)インジケータのビットパターンと、観測波形の符号パターンの比較。
(プラス側)
スタート
ビット
LED
20
21
22
23
24
25
26
27
0
ストップ
ビット
1
観測
(マイナス側)
スタート
ビット
LED
20
21
22
23
24
25
26
27
0
ストップ
ビット
1
観測
(エ) 送信部の出力調整(LEVEL ADJ)をまわして、
5 [考
ビットパターンを変えて実験を繰り返す。
察]
(1) 観測用入力信号として1Hz の方形波を用いた理由を考察
しなさい。
(2) 方形波の+側波形のディジタル変換信号と−側波形のディ
ジタル変換信号の関係について考察しなさい。
生徒実習風景
上部:ストレージスコープ観測画面
89
③ 検証授業実践例
測量分野おける G P S の利用
ー実習手引書の作成と実践ー
1 はじめに
GPS(Global Positioning System)は,米国が開発した人工衛星による測位システムである。このシス
テムは、地上約2万 km を周回する24個のGPS衛星(6軌道面に
4個ずつ配置)
、GPS衛星の追跡と管制を行う管制局、測位を行う
ための利用者の受信機で構成される。航空機・船舶等では、4個以上
のGPS衛星からの距離を同時に知ることにより、自分の位置等を求
めることができる。
開発当初は軍事用の航空機・船舶等の航法支援用として開発されて
いたため,その精度は 100m程度でしたが、現在では精度の改善の研
究され、測量などの高精度測位にも利用されるようになった。
特に,GPSによる測量は,測点間の見通しを必要とせず,天候に
も左右されない等の特徴を持ち、公共測量にも導入されるようになっ
た。国土地理院では,現行の測量基準を世界標準に基づいた新しい測
図1
地基準体系へ移行のため,全国に測地網の整備を進めている。
その基準となるのがGPSを利用した電子基準点である。この
ようにGPSによる測量技術は,今後様
々な測量分野に急速に普及することが予測され,測量を専門とする
学科では必須なものとなることが思慮される。
しかし,その測定原理の複雑さからGPS測量は難しいものとし
て捉えられている現状がある。また,文献もほとんどが理論中心の
編集でその種類も非常に少ない。
そこで,GPS利用した測量技術を習得させるには,実用的な事
項に重点を置いた「実習手引書」の作成が急務であると考え,研究
を推進した。
図2
2 実習手引書の概要
(1) GPS測量のあらまし
GPSとは地球上いかなる所でも,上空約 20,200kmにある 24 の人工衛星からの電波を受信し解析す
ることにより,その位置を決定するシステムである。本来,船舶や航空機等がその運行中に自分自身の位
置を知るために米国が軍事用に開発した衛星航法である。
① GPS衛星の軌道
ア
軌
道…………高度約 20,200km の円軌道,赤道に対して 55°の
角度の軌道面をもつ。
(図3)
イ
軌道数…………赤道に沿って 60°ずつ回した位置に 6 軌道。
(図4)
ウ
衛星数…………24 衛星・予備衛星3。
(1 つの軌道に4衛星配置)
55
図3
60
図4
エ
周
期…………約 11 時間 58 分。
-90-
②
G PSによる測位方法
単独測
カーナビゲーション
(精度…数十 m)
GPS測位
相対測位
DGPS(差動GPS)
複数点における単独測位
(精度…数 m)
干渉測位
基準点測量
スタティック測位
(精度…数 cm)
高速スタティック測位
キネマティック測位
その他
図5
③
GPS の原理
・単独測位(一点測位)
受信地点(測位地点)で同時に4つのGPS衛星から送られてくる時間信号の電波を受信し,それぞれ
の
衛星までの距離を測定る。これを半径とする球の交点から受信地点(測位地点)の位置(三次元座標 X,
Y,Z)を決定する方法である。3 つの衛星の観測で位置を決定できるが,受信機の時計の誤 差を修正す
るために更に1つの衛星を同時に観測する。
〔衛星と受信機間の距離〕
距離 = 伝搬時間 × 電波の速度(光の速度)
図6
・干渉測位………GPS測量で利用
図 5 に示すように基線の両端にある一組の受信機において衛星からの距離の差(行路差)をもとに基線
の長さと方向(基線ベクトル)を求める方法である。
受信機と衛星間の距離を測るということは単独測位と同じで
あるが,干渉測位では搬送波と呼ばれる電波そのものを使い距
離を測定するところが根本的に異なる。
衛星を出た電波は球面上に広がり,まず衛星に近い方の受
同位相面
信機に届き,次いでもう一方の受信機に到達する。このとき受
行路差
信した電波の波数の差(位相差)が行路差となる。これを用いて
(位相差)
基線ベクトルを決定する方法である。 この場合も受信機と衛
既知点
基線ベクトル
星の時計誤差および搬送波の波数不確定と呼ばれる未知数を消
去するために 4 つ以上の衛星を同時に観測する。
図8
-91-
同位相面
未知点
④ GPSによる基準点測量
GPSを使った基準点測量(スタティック測位 ⇒干渉測位のひとつ)は,図9,図 10 のように既知点
(基準局)と新点(未知点)にGPS受信機・アンテナを設置して,GPS衛星からの電波を各々受信し,
そのデータをコンピュータで処理することによって,基線ベクトルを計算する。既知点の座標値にこの基
線ベクトルを加えることによって,新点(未知点)の座標を求める方法である。ただし,GPS測量は,ア
ンテナの中心からアンテナの中心までのベクトルを測定しているので,測点間の基線ベクトルは,各々の
アンテ高を差し引かなければならない。実際の基準点測量の場合は,三角網を組んで行う。GPS測量機
器を 4 台以上使い複数の既知点と新点(未知点)で電波を同時に観測し,三角網の各基線長を網平均計算
によって新点(未知点)の座標を決定する。
受信機
受信機
( 既知点)
( 未知点)
GPS 衛星電波
GPS 衛星電波
受信・記録
受信・記録
基線ベクトルの計算
アンテナ高
網平均計算
未知点の座標
=
既知点の座標
+
既知点
基線ベクトル
基線ベクトル
未知点
図 10
図9
⑤ GPS測量の特徴
・ 地球上どこでも使える。(上空の視界が開けていないと使えない)
・ 測点間の視通が必要なく長距離の観測が可能。
・ 天候に関係なく,いつでも使える。
・ 既知点は一点あればよい。
・
・
精度が良い。
誰でも簡単に使える。(操作が簡単)
⑥ 電子基準点
電子基準点(写真1)とは24時間連続してGPS衛星を観測し電波信号を記録している固定した観測局
で,全国で約1000点設置されている。電子基準点は地殻変動を測定し地震予知などの防災に役立てるとい
う機能と測量の基準点という2つの役割がある。測量においては,無線機を併用することによりリアルタイ
ムで解析ができ,作業の迅速化,費用の縮減が可能になる。
写真1 電子基準点
(石川市東山原)
-92-
(2)GPS測量の方法
① 測量の計画
② 踏査・選点
実際に必要となる資料の見本を掲載。
測点周辺の衛星観測条件(現況チャート図)の
描画方法。
図 11
図 12
③ 観測計画
GPSソフトの起動方法の説明。
④ 現況チャート図の入力(カーテン描画)
キーボードによる入力方法を取り入れた。
図 14
図 13
-93-
⑤ 観測可能時間帯の表示
観測可能時間帯が斜線で囲まれて表示される。
⑥ 観 測
初心者でも機器のすえつけできるように説明。
図 15
図 16
4 指導の実際
実習指導者 沖縄工業高等学校教諭 比 嘉
淳
〔単元名〕 GPS衛星を利用した測量
〔単元の指導目標〕
手引書を使い,GPS測量機器のすえつけ方法から観測,データの解析処理方法を実習させ,GPS測量
機器の取扱い方法を習得させる。さらに,従来の測量方法で得た測量結果との比較検討を行いGPS測量
の特質を理解させる。
〔単元の指導計画と配当時〕
週
時間
実
習
内
容
① GPSとは
② 従来の測量方法との比較
1
4h
③ GPS測量機器の取扱い
④ 機器のすえつけ練習
① 測点の設置
② 現況チャート図の作成
2
4h
③ 既知点データの収集(確認)
④衛星軌道情報(ALM)の受信・記録
① GPS測量機器の点検
② GPS衛星電波の受信
4h
3
③ データの処理
4
5
4h
4h
① トラバース中間点設置
② 測角・測距
①トラバース計算
②トラバース測量結果とGPS測量結果の比較
③まとめ,レポート作成
④GPS測量との比較
図 14
-94-
(5週×4時間=20時間分)
準
・手引き書
・OHP
・GPS測量機器
備
・手引き書
・ トランシット
・GPS測量機器
・現況チャート図
・手引き書
・ GPS測量機器
・ パソコン
・ マルチメディアプロジェクター
・教科書
・ トータルステーション
・ レポート用紙
・ 計算機(電卓)
写真3 解析作業
写真2 観測作業
〔生徒の感想〕
(ほぼ原文のまま掲載)
・
トランシットやレベルにくらべて,とても楽に感じた。
・
すごく便利に感じた。
・
マスク(カーテン)を描画するのが大変だった。
・
計算とかしなくてとてもらくだった。
・
トランシットよりかんたんだった。
・
トランシットくらべ,すえつけて置くだけの作業で楽で暇だった。
・
カーテン描画という作業以外はほとんど使い方が楽でした。
・
操作は簡単だけど内容は意味がわからない。
5 まとめ
生徒は新しい機器であるGPSに関する興味関心が高く,コンピュータの扱いもかなり慣れているが,G
PSの測位原理はかなり複雑で指導は難しい。一方,GPSを利用した測量については機器の取扱いから観
測,データ処理まで行えるようになった。今後はこの実習手引書を本格的に実習に取り入れたいと考えてい
るが不備な個所が多々あり,加除訂正をこれからの課題としたい。問題点としては,所要の精度を確保する
にはGPS測量可能時間帯と実習時間との整合性を図る必要がある。また,GPS解析ソフトが高額で数名
グループの実習では,その代表が解析処理を行うことになる。したがって授業ではプロジェクタ等を使用す
るなどの工夫が必要である。GPSは今後,測量分野に広く普及すると考えられるが,すべての測量分野に
利用するにはまだ十分とは言い難い。したがって,既存の測量方法についても基本的な技術を習得させる必
要があると考える。
<主な参考文献>
土屋
淳・辻
宏道
著
『GPS測量の基礎』
社団法人
日本測量協会
1996
土屋
淳・辻
宏道
著
『やさしいGPS測量』
社団法人
日本測量協会
1996
佐田
達典
『実務者のためのGPS測量』
社団法人
日本測量協会
1997
著
-95-
④ 協力員共同研究事例
研究協力委員
県立中部工業高等学校 教諭
玻名城
県立中部工業高等学校 教諭
石
原
功あああ
雅 之あああ
シーケンス制御の教材(実習書)作成
1 はじめに
近年,産業界を取り巻く環境は,技術の進展,経済のグローバル化,情報・通信技術の高度化等,急激に変化
している。とりわけ,情報・通信技術をはじめ,コンピュータによるプログラム制御技術,新素材等の先端科学
技術の研究開発は,目覚ましい進歩を遂げ,多様な新技術関連産業が開花の時期を迎えようとしている。
なかでも,プログラム制御技術が生み出したロボットは,産業界だけでなく災害現場,海洋,宇宙といった様
々な分野で利用されるようになってきた。それに伴い,ロボット自身も決められた単純作業の繰り返しから,自
ら環境を認識し,判断・行動する知能ロボット(たとえば,ペットロボット「AIBO」がマスコミで話題とな
っている)へと進化しつつある。
これらの技術は,私たちの身のまわりにおいてもたくさん利用されている。たとえば,自動炊飯器は,ご飯が
おいしく炊きあがるように熱の加え方を制御している。そのほか,ビデオ,エアコン,自動車,ロケットなどい
ろいろなものに制御の技術が使われ,その活用領域をますます拡大しつつある。
特に,工場の機械や装置などの省力化や自動化に広く用いられているのがシーケンス制御技術である。このシ
ーケンス制御における制御回路も,従来のリレー制御盤からコンピュータ技術を導入したプログラマブルコント
ローラ(PC)へと移行した。PCを用いると多くの制御機能をソフトウエアで実現することが可能となり,ま
た通信を介してコンピュータや各種の制御機器と接続することにより柔軟性に富む大きなシステム構成が可能と
なる。
このような産業界における環境変化を背景に,工業高校における制御技術分野の教育でも,ここ数年,従来の
MS-DOS 環境での制御実習からシーケンス制御システムへの更新とともに Windows 環境でのプログラミング制
御実習へ移行しつつある。システム更新がなされた学校においては,導入研修等を経て指導内容は構築されてい
る。しかし,生徒の「興味・関心」を喚起し,主体的に実習ができるようにするには,一層の指導方法の工夫・
改善が必要な状況にある。
このことより,シーケンス制御の教材作成を,産業教育課制御技術室におけるシーケンス制御プログラム開発
と共同研究校のシステムへの移植等を繰り返し研究を重ねた。
周辺装置
2 研究内容
(1)シーケンサの構成
プログラム
シーケンサとは,一般的にはプログラマブルコントロー
プログラム
メモリ
ラ(PC)と呼ばれ,入出力部を介して各装置を制御する
データ
メモリ
もので,プログラマブルな命令を記憶するためのメモリを
り,一種のマイコンである。
プログラマブルコントローラはCPU,メモリ,入出力
部,電源部,周辺装置を主体として構成されている。
(2)プログラミング
電源部
演 算 部
(CPU)
出力部
して装置内に記憶しておくプログラム内蔵型制御装置であ
入力部
内蔵した電子装置である。制御の処理手順をプログラムと
各部へ
図1
シーケンサ(PC)の構成
① プログラミングツールによる入力操作
プログラミングツールの使い易さが,シーケンサの良し悪しを決めると言っても過言ではない。本実習装置
を構成するPC(三菱電機製)は,手軽なハンディタイプのプログラミングパネルと,パソコンを使ってプロ
グラミングができるプログラミングツールが供給されている。今回,パソコンによるプログラミング手法を習
得することにより,シーケンサ理解の学習の効率を高めることに主眼をおいた。
96
ア ツール(SW0PC-FXGP/WIN) の特長
・パソコンを用いてシーケンスプログラムの作成や編集が可能。
・シーケンサの動作モニタや,エラー発生などを表示。
・FDやHDにプログラムの保存が可能,プログラムの流用も自由に行える。
・漢字コメントを用いた見やすい表示が行える。
・パソコン用のプリンタを使ってラダー図の印字が行える。
イ ツールの機能
・回路(ラダー)編集
・リスト編集
・SFC編集
・コメント編集
・レジスタ編集
ウ プログラミング
本ツールの利便性が高いのは,従来のエディタ上
でのプログラミング手法に加え,編集した回路(ラ
ダー)を変換機能で処理することによりプログラム
が生成されることにある。
② ラダー作成の基本的な方法
シーケンサに附属している言語は,LD,AND,
OR,PLSなどの単純な機能を持ったった命令群
で,それらをどのように使いこなすか設計者に任さ
れている。
元来,リレーで作られていたシーケンス回路をソ
フトウエアで置き換えようとしてできたのがシーケ
2
プログラミング編集画面
ンサであり,リレー回路をつくるのと同じ手順でラダーシーケンスを作成してプログラミングするのが基本に
なる。
ア
すなわち,制御対象の動作順序の表記法により,
スタート信号(X00)
次の
イ
前 進 出 力 (Y00)
・タイムチャートから作る方法
・タイミングテーブルから作る方法
前 進 端 (X01)
・フローチャートから作る方法
タ イ マ ー (T00)
が代表的なプログラミング方法である。
後 退 出 力 (Y01)
ウ
タイマー設定
後 退 端 (X02)
③ タイムチャートによるラダー作成の例
制御対象が2点間を一往復するものを想定して
みる。スタートスイッチ X00 により前進出力 Y00
が ON(保持状態)になり,前進端リミットスイッチ
図3
タイムチャート
X01 により Y00 が OFF に切り替わる回路を考える。
X00
図3の円で囲んだタイムチャートの部分を回路に置
(Y00)に関する回路
き換えてみると
・アで X00 オンで自己保持起動
Y00
・イが Y00 オンで出力持続状態
・ウが X01 オンで自己保持解除
図4
結果として矢印で示した回路が得られる。
97
ラダー図
X01
Y00
3 実践事例(検証授業)
(1)
プログラマブルコントローラを利用したLED制御実習
①
単元名
②
単元の設定理由
実習指導者
中部工業校教諭 石 原 雅 之
実習対象
同校
電子科3年生
プログラマブルコントローラを利用した制御
ア 教材観
さまざまな形態のコンピュータによる制御があるが,プログラマブルコントローラは,制御分野に幅広く活
用されるCPU内蔵の小型専用コンピュータである。電気・電子関係の専門高校生にとって,制御の一形態と
してプログラマブルコントローラによる制御の学習も必要であると考える。本単元ではプログラマブルコント
ローラを使って制御実習を行うことにより,基礎的な知識と技術の習得を図る。
イ 生徒観
1,2学年では,コンピュータの基礎や,電子回路工作,情報処理の基礎,,電気機器と運転と特性,電気
・電子計測,プログラム言語などについて学習している。しかしながら設備更新に伴う実習内容の見直しから,
今年度は,コンピュータによるプログラム制御について一部の生徒以外は学習していないのでプログラマブ
ルコントローラによる制御実習を取入れ,この分野も学習させたい。本校の生徒は,新しい知識に積極的
に取り組む意欲を持っているので,段階を追って逐次すすんでいくシーケンス制御に興味・関心を示すと思
われる。
ウ 指導観
本単元では,新しいコンピュータ制御の技術といえるプログラマブルコントローラのあらましを理解させる。
制御のためのラダー図作成と身近なLEDの点滅制御を通して,彼らが今まで学習したことのないシーケンス
制御への関心を高め,その基礎的な知識と技術の習得を図る機会としたい。
③ 単元の指導目標
実習書と板書,説明,OHPによる資料提示を通してシーケンス制御の基本知識を学習させるとともに,シー
ケンス制御の基本的な考え方である自己保持回路を理解させ,またプログラマブルコントローラの内部は各種の
素子があることを明確にさせることにより,プログラマブルコントローラに対するイメージを植付け,次回以降
の発展した制御実習に興味・関心を持って取り組めるようにしたい。
④ 指導計画と配当時間
中単元:シーケンス制御(3週×3時間)のうちの,本時は第1週目である。
表1シーケンス制御指導計画と時間配当表
週
時間
実
習
内
容
そ
1週
3h
(本時)
単元:スイッチLEDボックスの点滅動作の制御
① 本時は,基礎的な部分を実習する
② 配線と確認(入力部分と出力部分の区別)
③ 説明(a接点,b接点,自己保持回路)
④ シーケンス図作成用ソフトウエアの立ち上げ
⑤ 自己保持のない回路の作成(課題1)
⑥ 自己保持回路の作成(課題4)
⑦ 5個のLEDの点滅(課題3)
⑧ プログラマブルコントローラへの転送と実行
⑨ まとめ
2週
3h
単元:スイッチLEDボックスの点滅動作の制御
前回の実習を発展させる
3週
3h
単元:模擬信号機の点滅動作の制御
98
の
他
① 実習書
② 実習機材(PC,スイ
ッチ LED ボックス)
③ 工具
⑤ 本時の学習指導
ア
主 題 名
:
「プログラマブルコントローラを使ったLEDの点滅制御」
イ
指導目標
:
今回作成した実習書を使用し,LEDの点滅制御ができる。
ウ
上位行動目標
(ア)実習機器を正しく結線し,ラダー図が書け,パソコンの操作とプログラマブルコントローラの扱い
ができる事。
(イ)実習書を通して,入出力機器を区別できること。
(ウ)シーケンス制御の基本回路(自己保持回路)がわかること。
(エ)実習を通してシーケンス制御は難しいものではないと思わせること。
エ
下位行動目標
(ア)プログラマブルコントローラ本体とスイッチLEDボックスとの結線ができる。
(イ)接点記号の違いがわかる。
(ウ)自己保持回路の基本動作がわかる。
(エ)制御の大まかな流れがわかる。
(オ)制御プログラム作成ようのアプリケーショ
ンソフトが立ち上げできる。
(カ)ラダー図が書ける。
(キ)プログラマブルコントローラへの転送実行
の操作ができる。
(ク)LEDの点滅制御が実行できる。
(ケ)本時のLED点滅制御の概略がまとめられ
る。
図5
検証授業風景
⑥ 授業実践(実習指導)のまとめ
電子科 3 年 3 組と4組の2回の検証授業を実施,作成した実習書について以下の有益な具体的事項について
の指摘を得ることができた。
ア
実習課題の目標を明確に意識させること。(目標の表記部分を罫線枠で囲い,明確に意識させる。)
イ
生徒独自でも実習が進められるような,内容の構成にすること。(PCの入出力対応表の追記,プログラ
ムツールのマニュアルを作成し,その内容を実習書からの独立させる。)
ウ
効果的な実習の展開にするには,見通しを持った事前準備が大切である。(例えば,プログラミング時に
パソコン画面にファイルアイコンが沢山表示されないよう,「閉じる」の指示など。)
(2)
プログラマブルコントローラを利用した信号機制御実習書
① 目的
信号機のランプをプログラマブルコントローラによって制御することにより,シーケンス制御のしくみを理
解する。プログラムはラダー図を用いて作成する。ここでは,タイマーを使用した具体的な制御の方法を学ぶ。
② 基礎知識及び準備
ア
実習機器の構成
99
OUT
789
青 黄 赤
1
OUT 2
3
赤
黄
青
青
黄
赤
4
5 OUT
6
出力部レイアウト
赤 黄 青
シーケンストレーニングキット
10 11 12
OUT
エレベータ/信号機ユニット
図6
イ
機器の構成図
信号機側
実習機器への配線
付属の白色の接続リード線を用いて信号機の端子とプ
IN
ログラマブルコントローラを接続する。Y7 の端子は Y10
となっていることに注意する。
FX2側
1
2
3
4
SIGNAL
SIGNAL
SIGNAL
OUT SIGNAL
・
・
・
SIGNAL
SIGNAL
※R:赤 Y:黄 G:青
X1
X2
X3
X4
R1→
Y2→
G3→
R2→
1
2
3
4
・
・
・
1
Y4→ 1
G4→ 12
Y1
Y2
Y3
Y4
・・
・・
・・
Y1 3
Y1 4
(+24V)P
(0V)N
24V
COM(GND)
図7信号機とシーケンサ端子接続図
③ タイマーの働き
SW(X1)を入れた後,1秒後にランプ(Y1)を点灯させ
る回路(プログラム)。※ただし,瞬間的に SW をれて
T1 K10
X1
Y1
タイマを働かせるには内部メモリを使用して自己保持回
T1
路を作る。
図8
タイマー回路1
④自己保持回路
SW(X1)を入れランプ(Y1)を点灯させた後,SW を切っ
Y1
X1
てもランプを点灯し続ける回路。
Y1
図9
自己保持回路
(3) 実習課題
課題1
SW1(信号機側のIN1)を押すと
OUT3の青ランプが点灯し,2秒後
に消灯するプログラムを作成しなさい。
課題1 2秒後消灯
X001
ただし,SW1を瞬間的に押しても
Y003
2秒間点灯し続けること。
OUT3
点灯
2秒後消灯
T1
Y003
青
消灯
100
T1 K20 課題2
SW1(信号機側の
IN1)を押す
赤( O U T 1 )
とOUT3の青ランプが点灯し,2秒
後に消灯。次にOUT2の黄ランプが
点灯し,1秒後に消灯。
黄( O U T 2 )
さらに,OUT1の赤ランプが点灯
し,3秒後消灯するプログラムを作成
しなさい。(一方向動作)
ヒント
タイマーT1 の接点で T2 を働かせ,T2
青( O U T 3 )
で T3 を働かせる。SW1 は自動なので
内部メモリを使用するとよい。
2 秒
1秒
3秒
Ⅳ まとめと今後の課題
コンピュータ制御に関する基礎・基本の学習や実習は技術革新への対応として重要な分野である。
しかしながら,急速な技術環境の変化に,適切な教材の準備が追いつかず,指導者個々の工夫に委ねられてい
る状況にある。この研究は,こうした課題を解決していく手掛かりとして「シーケンス制御の教材作成」をテ
ーマに取組み,生徒が自ら興味・関心を持ち,コンピュータ制御に関する基礎・基本の学習や実習からロボッ
ト製作等の「もの作り」の課題へ発展していける教材づくりを目指した。
今回は,プログラマーブルコントローラ(PC)によるLED制御と信号機制御の実習書作成とそれぞれの
検証授業を計画し,その仕上げを目標としたが,共同研究校の実習ローテーションの都合でLED制御の検証
で終わった。信号機制御については実習書の作成を終えており,検証授業を次年度の課題としたい。また,
プログラミングツール(SW0PC-FXGP/WIN)における標準的なプログラミング手順は
① SFC編集
⇒⇒
② 回路(ラダー)編集
⇒⇒③ プログラム(リスト)生成
であるが,SFC編集と回路編集の同時導入による生徒側の困惑を避けるため,回路編集機能だけを扱った。SFC
編集機能の扱いについては,今後継続研究することにした。
《主な参考文献》
熊谷英樹著
『続・実践
岡本裕生著
『やさしいリレーとプログラマブルコントローラ』
自動化機構図解集』
日刊工業新聞社
1994
オーム社
1998
(3) まとめと今後の課題
近年の通信・制御分野の急速な進展に対応する教育を行うために設置された本研究室は,通信ネットワーク利用教
育システムと衛星通信利用システムを装備された通信システム室とシーケンサによる空気圧制御・自動化システム等
を装備した制御技術室,更にクリーンエネルギーシステムなどで構成される。
開所当初から装備されたこれらの先端的なシステムの研究・研修と同時に,教職研修および生徒実習への効果的な
活用を目指してきた。生徒実習では,通信と空気圧制御の基礎分野を近隣校の実習ローテションとして実践した。今
般の通信インフラ技術で必須とされる光通信,AD変換,ISDN通信回線,画像通信などの基礎的な事項,さらに
制御分野における,シーケンサを基本とした空気圧制御,自動化技術制御を取扱ってきた。また,課題研究として空
気圧制御から自動化システムへ発展継続させた 1 年間の取組もあった。これらの中で特筆すべきは、衛星通信利用シ
ステムのGPS(汎地球測位システム)実習を出前で実践したことである。つまり、GPS装置を学校に持ち込み,
実習を行ったことである。このように,急速に進展する通信・制御技術分野の教育に対応すべく本研究室に導入され
た先端技術の装置を活用しての生徒実習を展開してきた。
しかしながら,本県に設置されている通信・制御に関する学科の数からするとまだ全体的な活用には達していない。
更に,学校との連携や実習内容の設定のあり方の工夫を図りながら活用の普及を図ることが課題である。例えば,電
子CADシステムによる配線のパター図作成から基板加工実習と系統的かつ発展的な内容の創出などもあげられる。
また研修事業のあり方として,短期研修の夏季休業期間中以外の平日開設や関係機関との技術連携の推進も重要で
ある。技術連携のひとつに,GPSによる測量技術研修に関連して,TTC(トロピカルテクノセンター)で開発さ
れているGISシステムがあげられる。
101
7 マルチメディア・ネットワーク研究室
(1) 研究の概要
本研究室は急速に進展する情報技術(IT)に対応するための専門教育のために,マルチメディアに関する技
術(コンテンツの制作技術、映像制作技術等)、コンピュータのネットワーク技術、CAD技術(建築、土木、
電子、アパレル、デザイン、刺繍、GIS(地図情報システム))、インターネット技術(ホームページ製作,
Web データベース),プログラミング技術の教員研修、生徒実習及びそれらの教育方法の調査研究を行っている。
研究方法は情報技術(IT)に関して,①マルチメディア分野(インターネット,プログラミングを含む),
②ネットワーク分野,③CAD分野3つの分野にわけて調査・研究をした。
① マルチメディア分野
マルチメディアの分野はエンターテイメントの要素があり,ネットワークの分野とともにこれからの情報
技術の中核になる。ますます,その分野の人材育成が急務となっている。そのため,マルチメディア分野の
技術教育の体系化と教育方法を考える必要がある。ここでは,画像処理を中心としたマルチメディアコンテ
ンツの制作,3DCGアニメーション,インターネットコンテンツ制作を中心に研究を行った。
マルチメディアコンテンツの制作の流れは次のようになる。
素材の収集
素材の加工
メディア化
画像素材
・ デジタルカメ
ラ
・ スキャナー
画像処理
メディア制作
・ フィルムスキ
・ CD−ROM
ャナー
・ ビデオCD
・その他
・ DVD
・ CD
・ ビデオテープ
音素材
・ CD
・ レコード
・ オーディオテープ
デジタルサ
ウンド処理
・ テープ
・ 生録
・ マルチメディア素
材
・ 写真
・ その他
・ その他
ビデオ素材
・ VTR
・ DVD
・ LD
・ その他
ビデオ編集
・ ホームページ
・ その他
3DCGアニ
モーションキャプ
インターネット
メーション
チャ
図1
コンテンツの制作の流れ
−102−
コンテンツを制作するための作業の流れは図1のように,各素材を収集・加工(処理)したあと,目的に応じ
たメディア媒体にする。最終的な製品にするためには,いろいろな分野の技術が必要になる本研究室では,実習・
研修(以下,実習とする。
)項目を検討し,教材かを図った。
いかに,実習項目を述べる。
ア
素材の収集
(ア) 画像素材の収集
写真やイラストをコンピュータに取り組むには,各種のスキャナやデ
ジタルカメラを使用する。
・デジタルカメラの活用実習
・フイルムスキャナの活用実習
・スキャナの活用実習
(イ) 音素材の収集
音声や音楽データをコンピュータに取り込むにはは,コンピュータに
付属のマイクから直接入力する方法。サンドボードの入力端子にオーデ
ィオ機器を接続して入力する方法。付属の CD-ROM よりファイルをコ
ピーする方法等がある。その実習として次の項目を実施した。
・ サウンドレコーダの活用実習
・ EASY CD CREATOR による音楽ファイルの入力実習
(ウ) ビデオ素材の収集
図2 画像処理の研修風景
ビデオの素材データをコンピュータに取込むには,ビデオキャプチャ
ボードや IEEE1394 インタフェース,
DV 編集カードを使用して取込む。
・ デジタルビデオカメラ(デッキ)からのビデオキャプチャー実習
・ アナログビデオ機器からのビデオキャプチャー実習
・ IEEE1394 インタフェースの活用実習
(エ) モーションキャプチャー
人間の動きをリアルタイムでコンピュータに入力して、デ
ータ化するのをモーションキャプチャーという
・光学式モーションキャプチャー実習
イ
素材の加工(編集)
画像,音,動画(ビデオ)をそれぞれの用途に応じて加工
する。
(ア) 画像処理
・
PhotoShop による画像処理実習
図3
ノンリニア編集
・ ロゴ,テキスチャー制作実習
・ コンピュータグラフィック実習
(イ) 音処理
・ コンピュータミュージック実習
・ デジタルサウンド技術実習
(ウ) ビデオ編集
・ ノンリニア編集実習
・ 動画処理編集実習
(エ) 3DCG アニメーション
・ ソフトイマージによる3DCG アニメーション実習
・ ライトウェイブ3D によるによる3DCG アニメー
ション実習
・ シェイドによる3DCG 実習
図4
−103−
マルチメディア室①
ウ
メディア化
マルチメディアの素材を CD-ROM,DVD,ビデオ CD 音楽 CD 等のメディア媒体にする。または,インターネッ
トで配信する。
・
CD-ROM の作成実習
・ DVD オーサリング実習
・ CD 制作技術実習
・ ビデオ CD 制作技術実習
・ ビデオ編集技術実習
エ
プログラミングに関する研究
(ア) VB プログラミング
(イ) JAVA プログラミング
(ウ) C 言語
②
ネットワーク分野
図5
マルチメディア室②
ネットワーク技術はこれからの情報社会を支えていくために必要な技
術である。そのために,ネットワークグ術者の育成は必要不可欠になって
いる。ネットワーク技術については以下のことを研究した。
ア
サーバ・クライアント方式によるネットワークシステムの構築
イ
Windows2000 によるネットワークシステムの構築
ウ
高速・大容量ネットワーク(ギガビット,ATM)に関する研究
エ
ネットワークシステムの管理
オ
インターネット・イントラネットサーバーの構築
カ
グループウェアシステムの構築
キ
データベースに関する研究
コ
Web データベースに関する研究
図6
③
ネットワークスイッチ
CAD分野
ア
建築CAD
イ
土木CAD
エ
電子CAD
ウ
アパレルCAD
オ
刺繍CADと刺繍
カ
デザインCAD(アパレル)
キ
織り物のデザインCADと織り機
コ
GIS(地図情報システム)
図7
図8
CAD 室
−104−
刺繍 CAD
( 2 ) 実践事例
①
マルチメディア分野
ア
音処理の教材例(抜粋)
CD より音楽データをコンピュータに録音する方法の教材例を示す。
2.音楽CDの音楽を録音
CD(音楽)より音楽データをコンピュータのファイル( W
EBデータ)として録音する方法を述べる。
(但し,CDの音楽データを扱うときは著作権に十分配慮す
ること)
なお,今回使用したソフトはAdaptec社のEASY CD CRE
ATORである。
(1) EASY CD CREATORを起動する
図10 EASY CD CREATORの起動
(2) 既存の音楽CDからオーディオトラックを録音する
既存の音楽CDから曲(オーディオトラック)を録音する
には,最初にCDレイアウト(曲のリストと録音順序が入っ
ているファイル)を作成する必要がある。その後,そのレイ
アウトに従って書き込む。
①
ファイルメニューからCDレイアウトの新規作成を選択
するか,既存のCDレイアウトを開く。
②
音楽CDレイアウトをダブルクリックする。
③
録音する曲が含まれている録音元CDをCDレコーダに挿入する。
④
ウィンドウのエクスプローラ部で,録音元CDを挿入したドライブを選択して,CD上の曲リストを表示さ
図11 EASY CD CREATOR
せる。
⑤
録音する曲を,エクスプローラから音楽CDレイアウトウィンドウまでドラッグする。
⑥
録音する曲の入っている既存の音楽CDごとに,③∼⑤の手順を繰り返す。
⑦
録音する曲すべてを音楽CDレイアウトウィンドウに入れたら,ファイルメニューからCDの制作を選択す
る。
EASE CD CREATORによって,ブランクCDへ指定のCDレイアウトの書き込みが開始される。
(3) オーディオトラックをWaveファイルにプリレコードする
音楽CDのオーディオトラックを,ハードディスク上のWaveファイルにプリレコードする手順を説明する。
①
CDレコーダに,プリレコードする曲を含む音楽CDを挿入する。
②
音楽CDレイアウトタブをクリックする。
③
プリレコードするオーディオトラックをエクスプローラから選択して,音楽CDレイアウトウィンドウにド
ラッグする。
④
音楽CDレイアウトウィンドウの中のオーディオトラックを反転表示する。
−105−
⑤
トラックメニューの「WAVファイルにプリレコードを選択する」を選択する。
オーディオトラックをWaveファイルにプリレコードする場合,1分間の音楽をハードディスクに書き込むの
に,約10MBのスペースが必要である。
5
音の編集
ハードディスクに保存されているWaveファイルを加工・編集する方法を説明する。使用したソフトはEASY CD C
REATOR に入っているサウンドエディタである。
(1) サウンドエディタの使用
サウンドエディターを使用するとWaveファイルに以下の効果をつけて編集することができる。
Wave フ ァ
イルの長さ
波 形
W a v e ファイルの
サイ
チャンネル数
ステレオ=2波形シグ
ナル
サンプリング頻度:オリジナルのサウンドは,サンプリ
ン グ さ れ デ ジ タ ル フ ォ ー マ ッ ト に 変 換 さ れ る 。こ の サ ン
プ リ ン グ 感 覚 を 示 す 。サ ン プ リ ン グ 頻 度 が 高 い ほ ど 音 質
は 良 く な が ,ハ ー ド デ ィ ス ク に よ り 多 く の ス ペ ー ス が 必
図 11
各サンプルのビット数(音質
を 決 定 ): 8 ビ ッ ト ま た は 1 6
ビット分解
サウンドエディター
①
サウンドクリップの切り取り,コピー,貼り付け……Waveファイルの並び替えを行う。
②
増幅……信号の音量を変更する。
③
DCオフセット……ベースライン方向に波形を移動する。
−106−
④
エコー……波形を繰り返す。
⑤
フェード……Waveファイルから,またはWaveファイルへの切り替えを円滑に行う。
⑥
フランジ……エコーと同じような効果を引き出す。
⑦
フォーマット変換……Waveファイルのフォーマットを変換する。
⑧
グラフィックイコライザー……選択した周波数のサウンドレベルを変更する。
⑨
反転……垂直方向に波形を裏返す。
⑩
ピッチシフト……波形のピッチを変更する。
(2) サウンドエディターの起動
①
Windowsのタスクバーの左側にある「スタート」をクリックする。
②
「プログラム」から,「 Adaptic Ease CD Creator」,「高度な機能」をポイントし,「サウンドエディター」
をクリックする。
(3) Waveファイルのオープン
既存のWaveファイルを開くには,次ぎの手順で行う。
①
ファイルメニューの「開く」をクリックする。
②
Waveファイルを選択する。
③
「開く」をクリックする。
イ
画像処理教材の例(抜粋)
Photoshopを活用したロゴ作成とテクスチャーの教材例
2
ロゴデザイン技術
Photoshop を活用したロゴ作成の基本的な技術と
( 2 ) 電飾文字
画像の諧調をスムーズに調整してくれるトーン
作品を示す。
カーブは,極端なカーブを描くことで単純な画像
( 1 ) 影つきロゴ(ドロップシャドウ)
① レイヤー効果で影をつける
にも複雑な発色を与えてくれる。単色の文字もこ
の機能を使うことで,ネオンのような効果を表現
できる。
②
図 17 ドロップシャドウ1
レイヤー効果の複合技で影をつける
図 20
電飾文字
( 3 ) 炎のロゴ
文字のバックに炎のイラスト効果をつける。フ
ィルタの効果を利用。
③
図 18 ドロップシャドウ2
レイヤーを使ったドロップシャドウ
図 21
図 19
ドロップシャドウ3
−107−
炎のロゴ
3 複数の写真を活用したデザイン技術
リックして,金魚の形の部分をクリックする。続い
金魚の形に窓をつくり,そこから,花の画像をの
て「編集」メニューから「コピー」を実行し,ウィ
ぞかせる。
ンドウをとじる。素材写真1のウィンドウをクリッ
(1) 画像の型をぬいて背景をみせる。
クして「編集」メニューから「ペースト」を実行す
る。
④
ぼかしの運用
続いて,
「フィルタ」メニューの「ぼかし」から「ぼ
かし(ガウス)
」を選択し,
「半径」を 5.0pixele に設
定して「OK」をクリックする。
⑤ 選択範囲の作成
Ctrl キーを押しながら,
「レイヤー1」のレイヤー
サムネールをクリック。続いて「レイヤー」メニュ
図 22
ーから「レイヤーを削除」を実行する。
素材写真1
⑥
選択範囲の変形・移動
「選択範囲」メニューから「選択範囲を変形」を
実行。ドッラグして選択範囲の拡大・回転・移動を
行い,Enter キーを押す。
⑦
選択範囲の切り抜き
「レイヤー」メニューの「新規レイヤー」から「コ
ピーしたレイヤー」を実行。続いて「背景」のレイ
ヤーサムネールをクリックし,
「レイヤーの削除」を
実行する。
図 23
①
素材写真2
金魚の形の輪郭作成(手順1)
素材写真2のウィンドウをクリックし,
「イメ
ージ」メニューの「モード」から「グレースケ
ール」を選択し,表示されたダイアログボック
スの「OK」をクリックする。
②
金魚の形の輪郭作成(手順2)
「イメージ」メニューの「色調補正」から「明
図 25
るさ・コントラスト」を選択し,
「明るさ」を+
25,
「コントラスト」を+100 に設定して「OK」
完成
4 テクスチャデザイン技術
をクリックする。
様々なテクスチャの作例を示す.
(1) 金属のテクスチャ
図 26
図 24
③
金魚の形の輪郭作成
金魚の形をコピーして素材1にペースト
ツールボックスから「自動選択ツール」をク
−108−
金属のテクスチャ
(2) 石の表面の質感
(4) 毛糸の網目模様
図 27
石の表面の質感
(3) 水滴を作る
図 29
図 28
ウ
毛糸の網目模様
水滴
ビデオ編集の教材例(抜粋)
コンピュータでビデオ編集を行うための教材例を示す。(実習を行うための導入部分である。)
1
リニア編集とノンリニア編集
②ビデオ編集機器を使用したリニア編集
ビデオの編集には「リニア編集」と「ノンリニア編
集」の二通りの方法がある。
「リニア編集」とは,ダビ
ングのようにビデオ映像をリアルタイムに確認しなが
VTR やビデオカメラから VTR へダビング編集す
るときに,"ビデオ編集機器"を使った場合もリニア
編集に当たる。
ら編集物を作り上げることを表している。逆に「ノン
リニア編集」とは,名前の通りリニアでない編集で,
例えば,映画フィルムの切り貼り編集のように,再生
や録画の速度に捕らわれずに編集することを表してい
る。
(1) リニア編集
従来のビデオ機器を使用した編集方法をリニア編集
という。時間軸を変えずに,直線的に編集を行うこと
からリニア編集といわれている。
①一般的なリニア編集
最も簡単な例を挙げると,VTR から VTR へ,ビデ
オカメラから VTR へ「ダビングしながら編集」するよ
うなことがリニア編集に当たる。
マスターテープを早送りしたり巻き戻したりして,
好きな シーンを探し出し,ダビングしながら編集して
図2
一般的なビデオ編集機器には,ジョグ & シャト
ルの他に,複数のソースを使ってエフェクトを入れ
たりする機能もあり,編集に熟練した人にとって,
結果を素早く作ることができる上,リズムに乗って
感覚的に作業できるので,非常に便利な編集方法で
ある。しかし,素人にとっては,短い時間に多くの
手数が必要なので,なかなか取り付き難い編集方法
である。
(2) ノンリニア編集
ビデオキャプチャカードや IEEE1394 インタフェー
ビデオを作り出す。
ス,DV 編集カード等を使って,コンピュータあるい
はノンリニア編集専用機にビデオ映像を取り込み,こ
の取り込んだ映像を編集する方法である。いつでも遡
って編集することができ,時間軸の並びは気にする必
要がない。ランダムに任意の位置から編集をはじめる
図1
ことができることから「リニア編集」と呼ばれている。
−109−
C端子を利用した例である。
)
図3
2
ビデオのデジタルとアナログ
ビデオ機器にはデジタル式とアナログ式がある。デ
ジタル機器の映像と音声をデータ化したときの分け方
で、デジタル式は映像と音声をデジタル符号化する方
式である。デジタル式のビデオ機器にはDV(デジタ
図4
(2) デジタル式のビデオ機器との接続
ルビデオ)カメラ,DVDプレイヤー等がある。
アナログ式は映像の色と明るさを電気信号の強弱に
デジタル式のビデオ機器とコンピュータの接続は高
置き換える方式である。色と明るさは無段階で表現す
速なVD端子を使うことが多い。データ量が膨大にな
ることができ,自然な映像を再現できる特徴がある。
るため,高速のインタフェースを使う必要があるから
だ。デジタルビデオカメラには,ほぼ例外なくDV端
3
子が用意されている。コンピュータは IEEE394 インタ
ビデオ入力
ビデオ編集は大きく分けて入力と編集、出力の3つ
フェースで受けることになる。DV 端子は IEEE394 の
の作業がある。通常,一連の作業になるが,入力と出
規格に準拠している。ただし,機器によっては簡略化
力は多くの選択肢がある。画質に大きく影響するので,
入力と出力は適当な方法を選ばなくてはならない。ま
された仕様になっている。
た、入力と出力はコンピュータとビデオ機器の接点で
もある。つまり,ハードウェアの接続を伴う作業であ
る。ビデオ機器をコンピュータの周辺機器として接続
することになる。
入力はビデオ機器から映像と音声をコンピュータへ
取り組む作業で,キャプチャといわれている。ビデオ
の品質は入力の段階で決定づけられる。編集で多少は
高画質化できるが,大きな労力と時間を要する作業に
なる。
次に入力のシステム例を示す。
(1) アナログ式のビデオ機器との接続
アナログ式のビデオ機器とコンピュータの接続は,
ビデオキャプチャーボードを使用する。ビデオキャ
図5
プチャーボードは,映像をデジタル化する拡張カー
ドである。ビデオ機器の入力端子はS端子とC端子
(2) キャプチャと圧縮
ビデオキャプチャはデータの圧縮も同時に行うのが
の2種類が用意されていることが多い。S端子は色
通常である。ビデオの生データは1秒間に 30 枚の静止
別に信号を扱うもので,複数の信号ラインが用意さ
画に匹敵するので,圧縮しないとハードディスクの書
れている。C端子は信号を混合して1本の信号線と
き込みが追いつかない。圧縮プログラムのことをコー
アースラインの2本で済ませている。簡単な同軸構
ディックと呼ばれ,様々な方式がある。
造のケーブルをできるが,色の滲みが起こりやすい
また,記録フォーマットは AVI 形式を使用することが
難点がある。S端子とC端子に互換はない。
(図4は
多い。
VideoCD と同じ MPEG1 もよく利用されている。
−110−
エ
インターネットのホームページ制作の教材例(抜粋)
JavaScriptを使用したインターネットホームページの生徒実習用のテキストを示す。
<HEAD><TITLE>テスト
</TITLE></HEAD>
JavaScript 入門(サンプル)
<BODY>
<SCRIPT LANGUAGE="JavaScript">
はじめに
<!-xx = new Date();
JavaScript の使用例をいくつかあげ
てみました。 (e3/N2)は、Netscape
Navigator 2.0 以降、Internet Explorer
3.0 以降で使用可能であることを意
味します。
yy = xx.getYear();
mm = xx.getMonth() + 1;
dd = xx.getDate();
if (yy < 2000) { yy += 1900; }
if (mm < 10) { mm = "0" + mm; }
if (dd < 10) { dd = "0" + dd; }
document.write(yy + "/" + mm + "/"
現在の時刻を表示する
+ dd);
// -->
new Date()で現在の時刻を得ること
ができます。(e3/N2)
</SCRIPT>
</BODY>
</HTML>
<HTML>
<HEAD><TITLE>テスト
ランダムな画像を表示する
</TITLE></HEAD>
<BODY>
<SCRIPT LANGUAGE="JavaScript">
0∼9 までの乱数により、ランダムな
画像を表示します。この文書と同じ
ディレクトリに 0.gif ∼ 9.gif の
画像を用意しておいてください。
(e4/N3)
<!-dd = new Date();
document.write("ただ今の時刻は
");
document.write(dd.getHours() + "
時");
<HTML>
document.write(dd.getMinutes()
<HEAD><TITLE>テスト
+ "分です。");
// -->
</TITLE></HEAD>
<BODY>
</SCRIPT>
<SCRIPT LANGUAGE="JavaScript">
</BODY>
<!-xx = Math.floor(Math.random() *
</HTML>
10);
document.write('<IMG SRC="' + xx
今日の日付を表示する
+ '.gif">');
// -->
今日の日付を YYYY/MM/DD 形
式で表示します。(e3/N2)
</SCRIPT>
</BODY>
</HTML>
<HTML>
−111−
ブラウザによって処理を振り分ける
別ウィンドウに表示する
appName と appVersion からブラウ
ザのバージョンを識別します。IE3.0
は appVersion で 2 や 3 を返すものが
あるので注意が必要です。(e3/N2)
リンクをクリックすると、別ウィン
ドウを開いてそこに xx.html を表
示します。open()の引数を設定する
ことで、別ウィンドウの大きさやツ
ールバーの有無を制御することも
できます。(e3/N2)
<HTML>
<HEAD><TITLE>テスト
</TITLE></HEAD>
<HTML>
<BODY>
<HEAD><TITLE>テスト
<SCRIPT LANGUAGE="JavaScript">
</TITLE></HEAD>
<!--
<BODY>
app =
<A HREF="#"
navigator.appName.charAt(0);
ver =
onClick="window.open('xx.html',
'XX')">
navigator.appVersion.charAt(0);
リンクテキスト
if (app == "N") {
</A>
if (ver == 2) {
</BODY>
document.write("Netscape
</HTML>
Navigator 2.0<BR>");
} else if (ver == 3) {
「別ウィンドウに表示」を制御する
document.write("Netscape
Navigator 3.0<BR>");
ページ上に「別ウィンドウに表示す
る」チェックボックスを表示します。
これにチェックするとリンクをク
リックした時に別ウィンドウに表
示されるようになります。(e3/N3)
} else if (ver == 4) {
document.write("Netscape
Navigator 4.0<BR>");
}
} else if (app == "M") {
if (ver == 2) {
document.write("Internet
<HTML>
<HEAD>
Explorer 3.0<BR>");
<SCRIPT LANGUAGE="JavaScript">
<!--
} else if (ver == 3) {
document.write("Internet
function func() {
Explorer 3.0<BR>");
window.name =
} else if (ver == 4) {
document.form1.cb1.checked ? "" :
document.write("Internet
"out";
Explorer 4.0<BR>");
}
}
}
// -->
// -->
</SCRIPT>
</SCRIPT>
</HEAD>
</BODY>
<BODY onLoad="func()">
</HTML>
<FORM NAME=form1>
−112−
<INPUT TYPE=checkbox NAME=cb1
現時刻をリアルタイムに表示する
onClick="func()">
別ウィンドウに表示する
setTimer()関数を用いて、現在の時
刻を 1 秒刻みに表示します。
(e3/N2)
</FORM>
<A HREF="xxx.html"
TARGET=out>XXX</A>
</BODY>
<HTML>
</HTML>
<HEAD>
<TITLE>テスト</TITLE>
<SCRIPT>
フォームの入力をチェックする
<!-function func() {
フォームに入力した文字列が 8文字
以内かどうか調べます。(e3/N2)
dd = new Date();
year = dd.getYear(); if (year <
2000) year += 1900;
<HTML>
mon = dd.getMonth() + 1; if
(mon < 10) mon = "0" + mon;
<HEAD>
<TITLE>テスト</TITLE>
date = dd.getDate(); if (date <
<SCRIPT LANGUAGE="JavaScript">
10) date = "0" + date;
<!--
hour = dd.getHours(); if (hour
function check() {
< 10) hour = "0" + hour;
len =
min
document.form1.passwd.value.lengt
= dd.getMinutes(); if
(min < 10) min = "0" + min;
h;
sec
if ((len < 1) ││ (8 < len)) {
= dd.getSeconds(); if
(sec < 10) sec = "0" + sec;
alert("Password は 1∼8 文字
document.form1.text1.value =
でなくてはなりません。");
return false;
year + "/" + mon + "/" + date
+ " " +
} else {
hour + ":" + min + ":" + sec;
return true;
setTimeout("func()", 1000);
}
}
}
// -->
// -->
</SCRIPT>
</SCRIPT>
</HEAD>
</HEAD>
<BODY onLoad="func()">
<BODY>
<FORM NAME=form1>
<FORM NAME=form1
<INPUT TYPE=text NAME=text1>
onSubmit="return check()"
</FORM>
ACTION="...">
</BODY>
Password: <INPUT TYPE=password
</HTML>
NAME=passwd>
<INPUT TYPE=submit VALUE="OK">
</FORM>
</BODY>
</HTML>
−113−
③
ネットワーク分野
ア
教職員研修の短期研修「LANの構築講座」の教材例
この教材はパワーポイントで行った説明用のデータである。
①
④
②
⑤
③
⑥
−114−
⑦
⑩
⑧
⑪
⑨
⑫
−115−
⑬
⑭
CAD分野の教材例は紙面の都合で省略した。
(3)
まとめと今後の課題
21世紀はインターネットとネットワーク(LAN)を中心としたIT(情報技術)の世界である。また,各
種メディア(放送,音楽,出版等)もデジタル化し,多種多様な情報が行き交う時代でもある。
そこで,このような社会に対応するためにIT技術者の育成は専門高校にとって最も重要な課題の一つであ
る。そのためには,IT教育の体系化とその教育方法および教材開発は重要なテーマであり,本研究室の果た
す役割は大きいと思われる。
これまで,マルチメディア分野,ネットワーク分野,CAD分野においてそれぞれ基礎的な実習や研修の教
材開発と指導方法(おもに機器とソフトの使用方法)を研究してその指導手引書を完成することができた。
また,マルチメディア分野においては,その実習の体系化を図ることができた。
今後の課題としては,より専門性を目指して,それぞれの分野の教材の開発と教育方法を研究する必要がある
と思われる。特に,インターネットとネットワークの技術は今後大きな変化が起こると予想されるので,先を
見据えた施設・設備の計画も必要である。
図9
図 10 画像処理の開放講座
マルチメディアの施設見学
−116−
Ⅴ 生徒実習
近年の産業教育の活性化と急激な技術革新等に対応するため,本センターにおいては先端技術装置および
高度情報機器に関するシステム実習ならびに単体実習をおこなっている。
生徒実習の受入は平成 10 年度の9月からスタートし,平成 12 年度( H13.3月 31 日)現在までの受入数は
述べ 2924 名に達した。
1 実習の指導
生徒実習は,学校の教育指導計画に準じて,当該学校の教職員の指導によって行っている。
なお,この場合,必要に応じて本課の職員が技術上の支援をする。
2 実習内容および方法
(1) 実習の対象学科の範囲は県立高等学校の産業教育に関する専門学科(総合学科も含む)とし,本セン
ターが開講する実習に限る。
(2) 実習は,土曜,日曜日の及び国民の祝日を除いた日とし,実習時間は,原則として午前9時∼午後4
時までとする。定時制については要望に応じて対応する。
3 実習項目および内容
実習項目
植物バイオ
バ
イ
オ
生
産
シ
ス
テ
ム
動物バイオ
実 習 内 容
・農業とバイオテクノロジー
・バイオ基礎講座・専門講座
・植物の細胞融合
・人工授精の基本操作
・受精卵移植・分割,体外受精
複合環境制御
・環境制御技術の基礎
・環境制御装置の走査
熱帯果樹栽培
・熱帯果樹の特性
・果樹の施肥設計,整枝・選定
分
析
シ
ス
テ
ム
各種分析
・食品産業と食品製造
・食品分析の基礎
・食品分析技術
・応用微生物の基礎
・分析技術の応用
新
素
材
機
械
加
工
シ
ス
テ
ム
NC 工作機械
・CNC 旋盤操作技術
・マシニングセンタ操作技術
・CAD/CAM システム
CAD/CAM
汎用工作機械
溶接ロボット
・汎用工作機械技術
・アーク溶接ロボット操作技術
・プラズマ切断,MIG 溶接技術
検査技術室
・超音波探傷システム
・赤外温度検出装置
・ファインセラミックス生成加工
新素材
1
実
習
の
よ
う
す
総
合
生
産
シ
ス
テ
ム
FMS
・総合生産システム
光造形
・3 次元モデル造形技術
レーザ
・YAG レーザ光切断,溶接技術
ビ
ジ
ネ
ス
シ
ス
テ
ム
コンピュータ
支援ビジネス
システム
(CAB)
・グループウエア活用技術
・テレビ会議システム
・POS システム(販売時点情報管理)
・電子商取引
・POP 等画像処理講座
・アプリケーション活用技術
・プログラミング技術
通
信
・
制
御
通信システム
・デジタル通信技術
・GPS 測量技術
・ 衛星通信活用技術
制御技術
・空気圧制御技術
・自動化制御技術
・自動化制御技術
マ
ル
チ
メ
デ
ィ
ア
ネ
ッ
ト
ワ
│
ク
マルチメディア
・画像処理技術
・マルチメディア技術
・映像編集(処理)技術
・3Dアニメーション
・プログラミング
ネットワーク
・インターネット技術
・ネットワーク技術
CAD
・CAD 技術(アパレル,建築,土木,
電子技術
5
生徒実習受入状況(平成 10 年度∼平成 12 年度)
2
(1)平成 10 年度
分野
研究室名
実習回数
生徒数
バイオ生産研究室
農業
分析システム研究室
工業
新素材・機械加工システム
研究室
12
3
学校名
101
北部農林高校園芸工学科
南部農林高校施設園芸科
中部農林高校園芸科
16
中部工業高校機械科
美里工業高校機械科
沖縄工業高校電子機械科
総合生産システム研究室
商業
ビジネスシステム研究室
情報
マルチメディア・ネットワー
ク研究室
通信
通信・制御研究室
合
計
10
336
50
489
75
942
実習回数
生徒数
名護商業高校情報処理科
具志川商業高校情報事務科
那覇商業高校情報処理科
浦添商業高校情報処理科
沖縄工業高校電子機械科
沖縄工業高校土木科
沖縄工業高校生活情報科
中部工業高校電子科
中部工業高校機械科
美里工業高校機械科
美里工業高校設備科
南部工業高校機械科
南部工業高校電気科
全 19 学科
(2)平成 11 年度
分野
研究室名
バイオ生産研究室
農業
分析システム研究室
工業
新素材・機械加工システム
研究室
204
北部農林高校熱帯農業科
南部農林高校施設園芸科
中部農林高校造園科
中部農林食品工業科
57
471
中部工業高校機械科
美里工業高校機械科
沖縄工業高校電子機械科
南部工業高校機械科
19
646
60
649
11
総合生産システム研究室
商業
ビジネスシステム研究室
情報
マルチメディア・ネットワー
ク研究室
通信
通信・制御研究室
合
(2)平成 12 年度
計
学校名
147
1970
3
浦添商業高校情報処理科
南部商業高校情報ビジネス科
具志川商業高校情報事務科
中部商業高校情報会計科
沖縄工業高校電子機械科
沖縄工業高校土木科
沖縄工業高校生活情報科
中部工業高校電子科
中部工業高校機械科
美里工業高校機械科
美里工業高校設備科
南部工業高校機械科
南部工業高校電気科
全 21 学科
分野
研究室名
実習回数
生徒数
バイオ生産研究室
213
北部農林高校食品科学科
南部農林高校施設園芸科
南部農林高校緑地工学科
南部農林高校食品技術科
中部農林高校園芸科
宮古農林高校施設園芸科
306
中部工業高校機械科
美里工業高校機械科
沖縄工業高校電子機械科
南部工業高校機械科
農業
分析システム研究室
工業
新素材・機械加工システム
研究室
34
35
総合生産システム研究室
商業
ビジネスシステム研究室
33
情報
マルチメディア・ネットワーク
研究室
通信
通信・制御研究室
合
6
計
学校名
1032
浦添商業高校情報処理科
具志川商業高校情報事務科
南部商業高校情報ビジネス科
南部商業高校経理事務科
名護商業高校情報処理科
112
1373
沖縄工業高校電子機械科
沖縄工業高校生活情報科
中部工業高校電子科
中部工業高校機械科
美里工業高校機械科
美里工業高校設備科
南部工業高校機械科
北部工業高校建築科
北部工業高校機械科
那覇工業高校機械科(定時制)
214
2924
全 25 学科
まとめと今後の課題
生徒実習の受入については,平成 10 年度から本年度へかけて着実に実績を伸ばし,本年度は当初の目標で
あった 2300 人を超えた。最終の受入数は 2924 人であった。
受入した学校数は平成 10 年度は 19 校、11 年度は 21 校,12 年度は 25 校と年次毎2∼3校増えた。
各研究室のにおいて,昨年に比べて倍近い受入数を達成した研究室と若干減少した研究室があり,分野別
の受入数に変化がでた。
本年度について,各研究室の施設の使用頻度はコンピュータ室(マルチメディアネットワーク)と CAB
室(ビジネスシステム)が受入数から推して,多く約 70%を占めている。
実習内容については,それぞれの学校からインターネット実習を取り入れることが多く, 生徒らのニーズ
が如実に覗い知れる。
実習受入を校種別にみると,本年度は農林高校においては宮古農林高校施設園芸科(6月)と八重山農林
高校熱帯園芸科(2月)が,工業高校からは,那覇工業高校定時制の2年生電気科,機械科(1月)が本セン
ターでインターネットと施設見学を体験した。生徒実習受入をスタートして始めてのことであった。
商業では,具志川商業高校情報事務科,男子生徒 12 名が新しい試みとして工業分野の溶接実習を行ったが
好評であった。
(那覇工業高校定時制, 電気・機械科と具志川商業高校情報事務科の両校は琉球新報から取
材,その記事が掲載された)
本センターにおける生徒実習については,来所への交通費の負担が個人負担(商業高校のみ)のところが
あり,予算計上の面で公費負担で受け入れを実施できないか等,課題がある。
4
生徒実習における生徒へのアンケート調査は本年度,試験的に何校かに絞り実施した。集計の結果は次年度
へ向けての資料としたい。
『新聞記事より』
<資料>1.琉球新報の取材記事
『実習風景』
写真1.丸鋼材の切断
写真2.ベンダーで曲げる
<資料>2.具志川商業高校情報事務科男子と
中央,宮平学校長
写真3.部材の固定
写真4.溶接する
5
Ⅳ
教員研修
1.長期研修員
長期研修は,今日的教育課題を解決するために,教科・領域に関する理論研修と実践力の向上及び教職員と
しての教養や深化を図り,使命感を持った積極的な人材を育成して学校教育の活性化と発展に資するために行
われている。資料のとおり,各研究室においては,導入された機器の有効な活用をテーマとした内容になって
いる。平成 10 年度より 12 年度までの教科ごとの研修員は、農業8名・工業 22 名・商業6名・水産1名・家
庭1名となっている。
( 1) 研 究 室 に お け る 人 数 及 び 研 究 テ ー マ
研究室名
バイオ生産システム
年度
人数
10 年
2
11 年
2
12 年
2
10 年
11 年
2
12 年
1
10 年
2
11 年
12 年
2
2
究
テー
マ
・科目「草花」におけるバイオ技術を取り入れた指導方法の工夫
−組織培養苗生産の基礎的技術の研究−
・農業におけるバイオテクノロジーの基礎的研究
−「生物工学基礎」の教材開発と指導方法の工夫−
・バイオテクノロジーを取り入れた教材開発
−受精卵移植技術による子畜生産−
・植物バイオテクノロジーを取り入れた教材開発
−造園緑化植物の繁殖と育成に関する研究−
・バイオテクノロジーを取り入れた教材開発
−受精卵操作技術の指導法の工夫−
・科目「生物工学」における教材作成と指導法の工夫
−シイクワーシャーウィルスフリー苗生産の研究
未
分析システム
新素材・機械加工
システム
研
設
置
・地域の特産物を利用した機能性食品の基礎的研究
−ウコンの有効成分を活用した実験教材の開発−
・食品の分析技術及びその指導方法の研究
−科目「食品化学」の指導法の工夫−
・海洋深層水の基礎的研究
−海洋深層水を活用した教材の開発−
・「課題研究」における産業用ロボットの活用
−溶接ロボットの手引書作成−
・先端技術機械の活用
−溶接ロボットの実習手引書作成−
・数値制御( NC )工作機械の活用
−「課題研究」における作品製作分野の研究−
・数値制御( NC )校作機械の活用
−マシニングセンタの教材開発−
・数値制御( NC )工作機械の活用
−課題研究におけるマシニングセンタの活用−
・数値制御( NC )工作機械の活用
−「課題研究」における教材作成−
研究室名
総合生産システム
年度
人数
10 年
2
11 年
2
・数値制御( NC )工作機械の活用
−レーザ加工機の教材作成−
・総合生産システムの活用
−総合生産システムの手引書作成−
12 年
1
・総合生産システム( FMS)の活用
− FMS システムの実習手引書作成−
10 年
2
11 年
2
12 年
2
10 年
2
11 年
2
12 年
2
10 年
2
11 年
2
・マルチメディア・ネットワークの活用
−マルチメディアを生かした学科紹介作り−
・科目「住居」におけるコンピュータの活用
12 年
2
・LAN 構築基礎実習の実習手引書作成
・資格取得支援ソフトの作成
−危険物取扱学習ソフトの作成−
ビジネスシステム
通信・制御
マルチメディア・
ネットワーク
研
究
テ
ー
マ
・数値制御工作機械の活用
−マシニングセンタの教材作成−
・数値制御工作機械の活用
− CNC 旋盤の教材作成−
・マルチメディアを生かしたコミュニケーション指導
−科目「流通経済」のコニュニケーション単元を通して−
・学習活動におけるコンピュータ活用
−インターネットの活用と教材作成−
・科目「課題研究」におけるホームページ作成
・検定処理システムの作成
・科目「情報管理」における教材開発
− VBA マクロ事例集の作成−
・科目「商業デザイン」における学習指導の工夫−
−コンピュータグラフィックスの指導−
・インターネットと LAN の研究
−実習書の作成−
・測量実習における GPS 衛星の利用
−実習手引書の作成−
・通信ネットワークに関する基礎研究
−通信・制御実習書の作成−
・科目「課題研究」におけるインターネット技術の活用
−インターネットを用いたデータベースの検索
・校務処理システムを組込んだ LAN の構築
・FA システムの活用
−制御実習における実習手引書の作成−
・校内ネットワークシステムの運用と管理
−利用者・管理者用マニュアルの作成−
・「課題研究」における教材作成
−ノンリニアビデオ編集技術−
② 研 究 室 に お け る 講 座 名 ( 12 年 度 の 資 料 )
研究室名
研修講座名
バイオ生産システム
・植物バイオ技術
・動物バイオ技術
分析システム
・複合環境制御技術
・分析機器
新素材・機械加工
・溶接ロボット操作技術
・新素材生成加工
・NC 工作機械技術
・熱帯果樹
・超音波探傷システム
・器械 CAD / CAM
・総合生産システム(FMS)
総合生産システム
・レーザ加工
ビジネスシステム
・デジタル素材作成
・デジタル素材活用
・グループウェア
・商業デザイン
・アプリケーション利用
・電子商取引
通信・制御
・空気圧制御
マルチメディア・ネットワーク
・マルチメディア
・シーケンサの活用
・ネットワーク技術
・光造形
・通信技術
・インターネット技術
・CAD 技術
2 短期研修
技術革新等に対応した教育を行うため,先端的で高度な情報機器,先端技術装置等を完備した当産業技術教育セ
ンターは,平成 10 年度の短期研修講座を6講座開講して滑り出した。これまで,県内における専門教科に関する
先端技術研修の機会が少なかった専門高校の教員にとって,待望の研修機会である。講座は,体制の整備と伴い開
講数を増やし平成 11 年度に 15 講座、平成 12 年度に 17 講座を開講し,次年度も17講座の開講が計画されてい
る。以下これらの概要を示す。
( 1 ) [平成 1 0 年度実施状況]
番号
研 修 講 座 名
定員
応募
人数
受講
人数
1
2
3
4
5
6
植物バイオ技術講座
溶接ロボット操作技術講座
制御技術講座
マルチメディアコンテンツ制作講座
通信技術講座
インターネットホームページ制作講座
計
10
10
10
10
10
10
60
13
10
11
26
12
33
105
16
13
12
10
10
14
75
期
間
8月11日∼8月14日(2日間)
7月29日∼7月31日(3日間)
8月26日∼8月28日(3日間)
8月24日∼8月25日(3日間)
8月5日∼8月7日(3日間)
8月10日∼8月12日(3日間)
[アンケート及びまとめより:抜粋]
多くの講座参加者が,講座内容に満足してくれてい
る。一方,先端技術を扱う講座は日数を増やして欲し
い等の声も寄せられた。
制御技術講座風景
( 2 ) [平成 1 1 年度実施状況]
番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
研 修 講 座 名
植物バイオ技術講座
溶接ロボット技術講座
グループウェア入門講座
Visual Basic基礎
マルチメディアコンテンツ制作講座
通信技術講座
動物バイオ技術講座
食品分析機器活用講座
FMS技術講座
光造形技術講座
レーザ加工技術講座
超音波探傷システム講座
新素材生成加工講座
ネットワーク技術講座
自動化制御技術講座
計
定員
応募
人数
受講
人数
10
5
10
10
10
5
5
10
10
5
5
5
5
10
10
115
17
6
11
29
17
18
12
16
10
5
5
5
6
37
10
204
18
7
11
17
11
12
10
16
12
7
9
5
5
15
10
165
125
期
間
8月9日∼8月11日(2日間)
7月28日∼7月30日(3日間)
8月18日∼8月19日(2日間)
8月11日∼8月13日(3日間)
8月3日∼8月5日(3日間)
8月2日∼8月3日(2日間)
8月4日∼8月6日(3日間)
8月18日∼8月20日(3日間)
8月9日∼8月13日(5日間)
8月18日∼8月20日(3日間)
8月4日∼8月6日(3日間)
8月26日∼8月27日(2日間)
8月18日∼8月20日(3日間)
7月27日∼7月29日(3日間)
8月9日∼8月11日(3日間)
[アンケート及び反省より:抜粋]
講座受講者総人数のうち採用5年未満で5割,10 年未満
の範囲にすると7割超を示している。このことは、近い将
来に専門高校を中心的に支える教員層が進んで受講してい
ると分析する。
また,「応募者の多い講座は,同じ講座を何回か実施して
欲しい。(応募した人が全員受講できるように。)」「教科・
科目に関する専門的・技術的な研修を実施する事は大変だ
と思いますが、是非、最新の技術を生かす講座設定に頑張
って欲しいと思います。」等、講座の運営・在り方について
パソコン上での講座内容の確認
の要望等も出された。
( 3 ) [平成 1 2 年度実施状況]
番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
研 修 講 座 名
定員
応募
人数
受講
人数
植物バイオ技術講座
動物バイオ技術講座
分析機器の活用講座
溶接ロボット技術講座
超音波探傷システム講座
新素材生成加工講座
FMS技術講座
光造形技術講座
レーザ加工技術講座
10
5
8
5
4
5
6
5
5
10
10
10
12
5
10
10
6
126
15
9
9
5
4
5
6
6
6
4
9
25
29
13
12
10
15
182
12
8
8
5
4
5
7
6
7
5
10
11
25
※
13
12
15
153
グループウェア構築・活用講座
商業デザイン講座
マルチメディアコンテンツ制作講座
ネットワーク技術講座
通信技術講座
自動化制御技術講座
空気圧制御技術講座
機械仕上げ技術講座
計
期
8月2日∼8月3日(2日間)
8月21日∼8月23日(3日間)
8月24日∼8月25日(2日間)
7月26日∼7月28日(3日間)
8月10日∼8月11日(2日間)
8月21日∼8月23日(3日間)
7月31日∼8月4日(5日間)
8月23日∼8月25日(3日間)
8月16日∼8月18日(3日間)
8月24日∼8月25日(2日間)
8月10日∼8月11日(2日間)
8月16日∼8月18日(3日間)
7月26日∼7月28日(3日間)
8月8日∼8月9日(2日間)
8月2日∼8月4日(3日間)
8月10日∼8月11日(2日間)
8月7日∼8月9日(3日間)
※番号 14 の通信技術講座は台風により中止
F M S 技術講座風景
動物バイオ技術講座風景
126
間
[アンケート及びまとめより:抜粋]
受講希望が多い講座については、定員の2∼3倍の人数で実施し受講希望に応えた。講座内容ついては,全般に好
評である。また,「夏季休業期間中の講座開設だけではなく、学校からの要請に応える『要請研修』も検討して欲し
い。」「先端技術の教育は、常に情報収集を行い技術動向をつかむ必要があり毎年の開講を希望する。」「民間の一線で
活躍する外部講師を招聘しての内容にして欲しい。」等の声もよせられた。
( 4 ) [平成 1 3 年度開設講座の計画]
これまで応募者が多かった「マルチメディア技術」の講座については「Photoshop 編」と「3次元 CG 編」
,また,
「ネットワーク技術講座」についても商業高校向けに講座を設定し,下表の 17 講座を開講することにした。
番
号
1
植物バイオ技術講座
7月26日∼7月27日
2
動物バイオ技術講座
8月22日∼8月24日
3
分析機器の活用講座
8月1日∼8月2日
4
NC工作機械技術講座
7月30日∼8月2日
5
人工宝石加工技術講座
7月23日∼7月25日
6
機械仕上げ技術講座
8月13日∼8月15日
7
8
FMS(総合生産システム) 8月6日∼8月9日
講座
8月16日∼8月17日
光造形技術講座
9
レーザ加工技術講座
8月22日∼8月24日
10
基礎から学ぶネットワーク構築講
座(商業編)
商業におけるバーコード活
用講座
マルチメディア技術講座(3次元
CG編)
マルチメディア技術講座
(Photoshop編)
ネットワーク技術講座
8月22日∼8月24日
・ネットワークの構成とサーバとクライアントの接続及び
・TCP/IPの設定やユーザ管理の設定
8月9日∼8月10日
・バーコード作成・読み取り方法と商業教育の内容へ
の活用
8月1日∼8月3日
・ライトウェブ3Dを活用した3Dアニーション
製作
8月6日∼8月7日
・フォトショップを活用した画像処理
8月8日∼8月10日
・インターネットサーバおよびイントラネットサ
ーバの構築と活用
11
12
13
14
講
座
名
期
日
内
容
・組織培養や細胞融合等の教材作成
・植物ハイテクに関する技術研修
・卵子採取や受精卵雌雄判別等の教材作
・動物バイテクに関する技術
・分析機器の操作技術および処理実験
・実習・授業への応用研修
・NC工作機械(CNC旋盤、マシニングセンタ)の操作技術
・NCプログラムデータによる作品製作
・人工宝石(ルビー,サファイア)生成加工と研磨技術
・汎用の工作機械全般の基本操作
・機械仕上げ技術・課題作品の製作
・産業用ロボットの操作
・自動生産システムの応用
・3次元スキャナーによるデータ作成
・光造形機による3次元モデルの造形
・YAGレーザ加工機による溶接,切断
15
通信技術講座
8月22日∼8月24日
・データ通信・画像通信および通信ネットワーク技
術の基礎研修
16
自動化制御技術講座
7月30日∼7月31日
・自動化システムのメカニズム構築およびプログ
ラミングの研修
17
空気圧制御技術講座
8月15日∼8月17日
・空気圧制御システムの基本操作およびSFC(シー
ケンシャル ファンクション チャート)法によるプログラミン
グの研修
127
Ⅶ
その他の取り組み
設立1,2年次の取り組みに加えて,3年次は下記4つの取り組みを掲げて,専門分野における研
究の深化を図るとともに他研究機関等との連携を強化することで,本課研究事業の進展と充実に資す
ることとした。
1
農・工・商業における生徒実習の学科間乗り入れ
学校間連携の取り組みでは,他校の科目を受講するという試みであったのに対し,このような学
科間乗り入れは自らの専門科目を他の施設内(例えば産業教育課)で学習することによって,科目
の意義を深めると同時に生徒の学習意欲を喚起することが主なねらいである。
以下に将来的な構想も含めてその取り組み可能な例を挙げる。
(1) 工 業 及 び 商 業 分 野 が 連 携 し た 「 製 品 」 の 販 売 , 設 計 お よ び 生 産 を 行 う 総 合 実 習 シ ス テ ム の 構 築
検討
(2) 商 業 分 野 の 商 品 研 究 に お け る 農 業 分 野 の 施 設 及 び 研 究 方 法 等 の 提 供
①原料の鮮度検査,原料の分析→
卵や牛乳の鮮度実験,小麦粉中のグルテン含量測定
②食品中のビタミンC定量分析実験
( 3 )工業科目「自動車工学 」「化学工業安全」における危険物(燃料)成分分析
①質量分析計を利用した危険物中の各成分分析
②原子吸光光度計を利用した危険物中の亜鉛(Zn ), 鉛 ( P b ) な ど の 定 量 分 析
( 4 )制御部門における環境制御温室への教材化研究,麹ロボット(泡盛製造用)の導入検討
2
産業界における技術革新に対応した情報機器・先端技術装置等の調査と県内企業への先端技術の
導入及び活用状況の調査
IT分野の振興は全国的な課題であると同時に教育現場における情報機器等の効果的な活用も併
せて検討されなければならない。これらを踏まえて,下記のような県内企業を対象とした調査研究
等を実施し,効果的な学習支援を検討している。
( 1 )県内におけるマルチメディア関係公的施設の調査
①通信・放送機構沖縄情報通信開発支援センターにおける情報機器及び先端技術装置等の調査
②名護市・北谷町・那覇市共同利用センター調査
③名護市マルチメディア館調査
(2) コ ー ル セ ン タ ー の 事 業 及 び 具 備 装 置 等 の 調 査
(3) 県 内 企 業 に お け る 先 端 技 術 の 導 入 及 び 活 用 状 況 調 査
3
研 修 効 果 を 高 め る た め , 県 工 業 技 術 セ ン タ ー ( OITC), 県 農 業 試 験 場 , ト ロ ヒ ゚ カ ル テ ク ノ セ ン タ ー (TTC )
等の関連施設との有機的な連携を図る体制づくり
( 1 )LAN及びGIS(地図情報システム)について,TTCとの技術協力及び情報交換
( 2 ) 県農業試験場及び畜産試験場における研修内容(テーマ)に関する技術指導
( 3 ) (株)食肉センターによる実験用牛卵巣提供
(4)分 析 機 器 用 実 験 試 薬 等 に つ い て T T C と の 情 報 交 換 お よ び 製 品 提 供
4
産業界あるいは大学との連携を目指した産学協同の研究・開発体制づくり
( 1 ) 電子商取引システムづくりに関する企業との情報交換
( 2 ) 琉大農学部生物資源科学科と共同研究「作物の養分吸収メカニズム」「機能性食品」等
Ⅷ
まとめ
沖縄県は四方を海に囲まれた島嶼県で,地理的,気候的及び歴史的にも全国でも稀な立地条件の下
その特長を活かした産業振興・施策が進められた。産業教育を担う専門高校においては,これら地域
産業の振興に寄与できる人材育成の面で大きく関わってきた。
しかし,現在専門高校においては様々な問題に直面し,高度情報通信化に代表される産業社会の変
革に対応できる教育の在り方を確立することが迫られており,それに伴って学校教育もまた大きく変
化しようとしている。
このような移り変わりを背景に平成 10 年 4 月 ,産業教育課 ( 産 業 技 術 教 育 セ ン タ ー )が設立され ,
生徒実習,教員研修事業等に取り組んできた。開設以来3年間の実習生徒数・回数は,農業・工業・
商 業 い ず れ の 分 野 に お い て も 年 次 的 に 増 加 し , 生 徒 実 習 総 人 数 は 5,836 名に達した。この数値は離島
を 除 く 専 門 高 校 生 徒 総 数 の 50.2%に あ た る も の で , 生 徒 2 人 に 1 人 の 割 合 で 本 課 の 生 徒 実 習 を 体 験 し
たことになる(生徒総数は「平成 12 年度 学 校 一 覧 : 沖 縄 県 教 育 委 員 会 発 行 」 に よ る )。
分野別では工業分野(通信・制御及びマルチメディア・ネットワークを含む)における生徒実習数が 3,304 名と最
も 高 く , 本 課 実 習 総 人 数 の 半 分 以 上 を 占 め た 。 こ れ は 本 島 内 の 工 業 高 校 生 徒 総 数 の 62.6% に相当する
もので,極めて高い生徒実習率と言える。
次 に , こ の 間 の 長 期 ( 一 年 ) 研 修 に お い て 38 名 の 教 諭 が 研 修 を 修 了 し た が , 農 業 ・ 工 業 ・ 商 業 に
加えて水産及び家庭科担当教諭も研修に携わり,多くの研修成果を生み出した。
これらの研修修了者は本課の事業及び先端技術に関する研究に多大な理解を示し,研修修了後も学
校現場で,本課における生徒実習の普及に努めている。
ま た , 短 期 研 修 で は , 393 名 の 教 員 が 各 研 究 室 の 短 期 研 修 講 座 ( 夏 季 休 業 期 間 中 に 実 施 ) を 受 講 し
たところ,応募者が定員を上回り,関心の高さをうかがわせた。総じて,講座に関するアンケート調
査結果からも満足度の高い回答が多く,講 座 内 容 に つ い て も 概 ね 良 好 と の 評 価 を 受 け た 。
以上のように本研究のまとめとして,生徒実習及び教員研修事業を総括する形で述べたが,この3
年間の実績を残せたのは学校関係者の協力 に よ る と こ ろ が 大 き い 。
したがって,生徒・研修者が本課の財産であることを肝に銘じ,生徒実習を支援すると同時に学校
側のニーズに応じて,全課員が先端装置及び技術に関わる人間として今後も切磋琢磨を続け,産業教
育振興の一端を担っていく体制づくりが重要であると考える。
今年2月に行われた県知事の所信表明に,専門教育の一環として本産業技術教育センター(産業教
育課)の活用が明示されたことで,県内外からの注目もさらに高まると思われ,責任の重さを痛感し
ている次第である。
「 大 山 の 高 き は 一 石 に 非 ず 」( 大 き な 山 は 石 一 つ で は で き な い , 大 き な 事 業 は 多 く の 力 を 結 集 し て
こそ成り立つの意)ということわざと枢訓を念頭におき,課員一同日々邁進していきたい。
共同研究集録編集に携わった所員(敬称略)
平成10年度 共同研究者
小橋川 芳 夫
當
富 川 盛 保
高
山
屋
一
清
男
剛
屋
宮
良
里
潔
弘
崎
原
盛
豊
義
平成11年度 共同研究者
小橋川 芳 夫
當
田 仲 康 成
富
山
川
一
盛
男
保
中
高
石
屋
直
清
木
剛
崎
宮
原
里
盛
義
豊
弘
平成12年度 共同研究者
小橋川 芳 夫
崎
与那嶺 国 彦
富
原
川
盛
盛
豊
保
田
高
仲
屋
康
清
成
剛
中
宮
石
里
直
義
木
弘