参考:「建築工事の積算」 (財)経済調査会刊 【積算とは】 図面、仕様書に基づいて建築物の数量を求めることを積算といい、求めた数量に材料費、労務 費、仮設費、運搬費、下請経費等を合わせて複合費として乗じ、建築物の価格を算出することを見 積という。 【工事費の構成】 純工事費 (下請経費含む) 直接工事費 共通仮設費 工事原価 現場管理費 共 通 費 工事価格 諸 経 費 一般管理費等 工事費 消費税相当額 ※このテキストでは、上記「純工事費」の算出を主な目的としています。各社の粗利額を加算したも のが、「工事価格」となるように、編集しました。 【工事費の積算】 価格は、数量と単価との積の和で求められる。積算に当っては、設計図、仕様書によるほか、工事 に種類、程度、規模、施工場所及び環境(無人・有人)、他工事との関連、工事期間等の実情を考 慮のうえ処理する。 【材料費】 材料費は、材料数量と材料単価の積からなる。材料数量を計上する場合には、所要数量(鉄筋や 木材など市場数法による切りムダや施工上やむを得ない損耗等を含んだ数量)によるが、これら作 業上のムダに対する割り増しは、単価で考慮する。具体的には、「建築数量積算基準」にそれぞれ 標準が定められている。鋼管=5%、板材=10%、ビニルクロス=5%等々。 【材料単価】 季節変動、支払い条件、購買数量によってか価格は異なるが、定期的に見直す必要がある。この テキストに採用した「材料単価」はあくまでも参考的なものであるので、各社において最新の価格を 計上されたい。 【労務単価】 労務費は、労務数量と労務単価の積の和で求めらる。労務数量とは、標準的な作業量を単位ごと に示したもので、例えば0.05人/㎡とは、1日に(1÷0.05=20)20㎡が標準的な仕事量となる。0.05 人/㎡の0.05を「労務歩掛り」と呼ぶ。各作業に応じた「労務歩掛り」を参考に、テキストに表示した。 また労務単価は、労働者に支給される基準日額で、国交省などが実施している公共工事労務費 調査に基づく「公共工事設計労務単価」を使用した。 【歩掛り】 歩掛り(ぶがかり)とは、単位工事量に対する所要数量と労務数量のことをいい、労務数量とは、標 準作業量の「逆数」である。建設工事は、一般に工事条件が一様でないので、単位工事量当りの 所要数量、所要労務数量もまちまちであるが、原価計算を算出するために、標準を定めている。こ のテキストでは参考図書として『工事歩掛要覧』(建築・設備編)(財)経済調査会の数値を参考に した。 参考:(社)日本建築積算協会 数量基準は、数量積算が早くから発達した英国においては、1922年に制定されたそうです。日本 では1972年に、官民合同の建築積算研究会が中間報告として「躯体の部」が発表されました。そ の後、工事対象を拡大して今日に至るわけですが、導入の背景から、RC造・公共工事対象、かつ 新築の場合の資料がほとんどです。木造住宅・リフォーム工事における、数量基準を追加・検証す る必要があると思います。また、使用する道具の進歩による仕事量の効率化、時代の要請による材 料の変化に応じて、定期的に改訂されるべきであると思います。
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