北 道 幸良 - 北海道畜産草地学会

ISSN
0
9
1
0
8
3
4
3
CODEN:HSKEEX
+
早
北
地
道
海
研究
必ミ
:
z
:
ミ
幸
良
JOURNAL OF HOKKAIDO SOCIETY OF GRASSLAND SCIENCE
No.40
2006
北海道草地研究会
目 次
北海道事由研究会受賞論文
野英二:
「野幌層正陵地における飼料イ科均生産量の実測とそれに基づく土地面積当たり乳生産に関する研究j ・
・
・
・
・
・
・
・
・
1
シンポジウム「十勝の畑地酪農を考える」
鵜川洋樹:
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
6
「十勝ブランドとは ナチュラルチーズを通して地域の魅力をビジネスに生かす.
.
.
J ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
「十勝酪農の動向予測と土地採Ij用型酪農協府」
大庭潔:
富沢雅代:
「組飼料生産の課題 サイレージ用とうもろこしの耕音から収穫まで'
J ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 1
2
田村忠:
「十勝の酪農の環境面での課題一耕畜連携によるふん尿利用をすすめるためにJ••••••••••••••••••••••••••• 1
4
総合言者命: ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 1
7
司会
(前田善夫)
7年度発表会)
講演要旨(平成 1
樹す和弘・渡辺也恭・坂上清一・須藤賢司(根新)
バイトカウンターを用いた採食量の推定 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
24
渡辺也恭・坂上清一・樹す和弘(根締)
牛の行動情報を取り入れた放牧草地の評価法の開発
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
25
栢原裕之・ SawBawm・遠藤哲代・高橋誠・上田宏一郎・中辻浩喜・近藤誠司(北大)
放物娘の異なる乳牛定置放牧における朝重構成の特有推移
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
26
遠藤哲代・ SawBawm・相原裕之・高橋誠・上田宏一郎・中辻浩喜・近藤誠司(北大)
泌乳牛の定置放牧における放胸部支およひ澗刷寺草高の違いが翌年の草地封書造の推移に及ぼす影響・・・・・・・・・・・・
27
須藤賢司・篠田満・松村哲夫・桔討す和弘(雄新)
十勝南部の酪農経営 3 戸における放粉猷J
I
用
実
態
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 28
増子孝義・白井美帆・相馬幸作・古川研市・柴田;告が・三枝俊哉帥保農大、企十勝農協連、帥道立概'"農前
榔道十勝支庁管内酪農家の草地における牧草可溶性糖類(W
SC)含量と土壌成分の関係
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 29
酒井治・原仁・三枝俊哉(道立根釧農試)
.農家支援体制の運営上の問題点とその対応
酪農地帯における流域単位の環境改善 3
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
30
佐々木朝青(中標津農高)
マイペース型酪農の草地実態調査悌三報),,-,低投入持捗直草地管理へのー仮説
1
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 3
翼団康治・高井智之t ・中山貞夫帥・山田敏彦州合・大同久明・水野和彦帥帥・田村健ー
は農研、
t現長野県畜試、官官湖珠山現北大、官官官官現畜草碗
オ}チヤードグラス新品種「はるねみどり Jの育成と生育特性 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 32
足利和紀・玉置宏之・出口健:
3s*・佐藤公一(道立北見農試、合道立畜試)
チモシー 1番草における栄樹面の狭義の遺伝率 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
33
濃沼圭一・榎宏征・佐藤尚親骨・牧野司*・林拓'* (北農研、*道立根釧農言む
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
サイレージ用トウモロコシ新品種「ぱぴりかJおよび「きたちからJの育成とその特性 ・
34
L
佐藤尚親・林拓・牧野司・濃沼圭ーし長谷川久記官官
(道立根釧農試、吋ヒ農研、州日本草地畜産種子協会)
極早生とうもろこしの活用場面 :
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
35
紺屋裕美・義平大樹・小阪進一・高井智之量舗農大、合長野県畜試)
道央地帯におけるソルガム粉音の可能性一高温年次の収量性一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
36
奥 村 健 治 ・ 林 拓t ・岩梯l
慶脅し佐藤尚親企・牧野司骨・安達美江子帥・大塚博志帥・嶋田徹官官
・庚井清貞・蜘祥子(北農研、合道立械'"農試、帥ホクレン)
I
J噴組シロクローパ新系統「北海 1号J
の特性 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 3
7
林 拓 ・ 奥 村 健 治t ・牧野司・佐藤尚親(道立根釧農試、吋七農布。
小中葉型シロクローパ選抜集団における播種年の生育特性と越冬'性関連特性との関係
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
38
堀川洋・池滝孝・塚本孝志・菊池仁・戸梶智一(帯畜大)
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 39
ガレガ草地の造成年と 2年目の比較 ・
新宮裕子・堤光昭・佐竹芳世(紛・井内浩幸
(道立天雄総)
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
'
..~..
40
ペレニアルライグラス主体放粉也における異なる中牧区放牧方式での部也利用率および食鵬l
恰
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
4
1
1司茸法によるオーチヤードグラス主体放牧地へのペレニアルライグラス導入
中村直樹・新宮裕子・吉田国幸・岡元英樹・井内浩幸(道立天北農前
浜辺一貴・花田正明・河合正人・西口雅恵・岡本明治(帯畜大)
連続放牧を実施している酪農家における放粉自の草量の推移 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
八木隆徳・高橋俊・橋本馨
42
W
:
農研)
ケンタッキーブルーグ、ラス優占放牧草地における牧草生菌室度の地域間差 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
43
松村哲夫・相原克磨・高橋俊・猿渡孝博・池田哲也t ・糸川信弘脅し谷本憲治***・古川研治合官官官
康井清貞・奥村健治・篠田満(北農研、*現畜草研、**現中央農研、問帯広川西農協、問*十勝農協連)
十勝中部酪農家におけるアルファルファ単播草地の永続性と導入に伴う経営効果 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
4
4
松村哲夫・須藤賢司・篠田満・富沢雅イヤ(北農研、合十勝繭農改普セ)
十勝南苦酪農家放牧都世へのメドウフェスク追播導入による生産力の向上 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
45
牧野司・林拓・佐藤尚親(道立根劉1農 前
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
46
イタリアンライグラスの導入がリードカナリーグラス優占植生に及ぼす影響 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
47
メドウフェスク車也における秋の利用時期と翌春収量との関係
林拓・牧野司・佐藤尚親(道立根釧農試)
伊藤憲治(道立畜試)
簡易草地更新法における初冬季播種に関する研究予報簡易更新法による初冬季播種の試み ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
48
伊藤憲治(道立畜試)
簡易事由更新法における初冬季播種に関する研究第 1報初冬季播種による植生改善効果
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 49
春季・夏季樹重との比較
田川雅一・伊藤憲治(道立畜鵠
簡易草地更新法における初冬季播種に関する研究第 2報初冬割審種による植生改善効果
吋萱央多雪地帯での誤験
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
50
伊藤憲治・中村毅志* (道立畜試、吋悌道農業開発公初
簡易草地更新のためのルートマット厚測定方法の考案と活用第 1報・簡易なルートマット厚測定方法の考案・・・ 5
1
湊啓子・出口健三郎(道立畜前
S
l
l
l
如 mgraminearumのデ、オキシニパレノール産生能・・・・・・・・・・
飼料用トウモロコシ子実のカピ汚染と分離 Fu
5
2
阿部英則・杉本国仁・驚藤早春・岡一義i
* (道立畜試、合道農政部)
尿素 0
.5%を調製時に添加したでん倒告サイレージの開封時・後のカピ抑制
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 5
3
村田暁・花田正明・Ai
b
i
b
u
l
a Yrmamu・笹倉豊・岡本明治(帯畜大)
抵抗性デンプンの給与が去勢牛におけるデンプン消化性と大腸内発酵へ及ぼす影響 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
.
5
4
岡元英樹・古館明洋(道立天北農鵠
ベレニアルライグラスの窒素糊陸部勝断定とサイレージ発酵品質に及ぼす影響 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
5
5
高田寛之(北長期肝)
電気伝導度)溺直用の可能性 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・ 5
6
シロクローパの耐寒性検定のための EC(
磯部祥子・贋井清貞・奥村健治(北農研)
7
近縁野生種との種間染簡を利用したアカクローノ〈永続性育種素材の特性 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
.
.
.
.
.
一
. 5
青柳由希子・星野洋一郎・平田聡之・山田敏彦(北大)
g
J
匂i
}
}
a
c
t
θ
o
r
i
u
m池 島Jgen
e
s接種の検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58
アカクローパの草型の改変を目的とした A
贋井清貞・松村哲夫・横田聡・ I
J嚇創平・高橋俊・奥村館台・磯部祥子(北農研)
∞
アルファルファの秋季榊間企に関する研究第 3報相厳重内 3訴験地における秋季榊尉望書判面 (
2 5年
)
・
・
・
・
・
・ 59
権藤崇裕・磯部祥子・佐藤修正*・笹本茂美*.加藤友彦・庚井清貞・奥村健治・田畑哲之官
(北農研、脅かずさ DNA研)
L
o
t
u
s
j
a
p
o
n
i
c
u
s
)における形態等特性に関する Q宜 d の年次比較包004-2005)・
・ 6
0
マメ科モデ、ル植物ミヤコグサ (
事 務 局 だ よ り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
1
役員名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73
会員名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 74
二 J、
北草研報 4
0
: 1-5 (
2
0
0
6
)
北海道草地研究会賞受賞論文
野幌層丘陵地における飼料作物生産量の実測と
それに基づく土地面積当たり乳生産に関する研究
野英二
S
t
u
d
yofMilkP
r
o
d
u
c
t
i
v
i
t
yp
e
rLandAr
e
aon血eB
a
s
i
sofMe
ぉu
r
e
m
e
n
tofFo
r
a
g
eP
r
o
d
u
c
t
i
o
n
ont
h
eR
o
l
l
i
n
gH
i
l
l
so
f
t
h
eNopporoH
o
r
i
z
o
n
Eり
iNo
表1
.調査農場の経営概況
はじめに
酪農は土地を基盤とした物質循環、つまり「土-草牛jのサイクルの中で発達してきた。しかし、乳生産に対
する評価は、乳牛個体の乳生産量を追求した結果、濃厚
飼料に依存した給与体系に変化してきた。このような酪
農経営の中にあって、酪農の本来の姿である飼料作物の
生産と利用を重視し、土地面積当たりの乳生産を高める
ことが重要である。我が国においても近年、乳生産性を
土地単位当たりで評価する概念が高まってきた(松中
2
0
0
4
)。物質循環を念頭に置いた酪農経営は、土地面積当
たりの飼料生産量とその可食量に見合った頭数の飼養が
基本であり、このことが乳生産性の評価を決定するとい
えよう。
本研究は、一酪農場(酪農学園大学附属農場)において
4年間 (
2
0
0
0
"
"
2
0
0
3年)の飼料作物生産から給与量までを
実測し、それに基づいて土地面積当たりの乳生産性を検
討した。
00年
総面積 (
h
a
)
牧草
チモシー
アJ
レ
フ
ァJ
レ
フ
ア
新播草
放牧地
5
5
.
4
5
0
.
9
2
2
.
5
1
6
.
9
2
.
8
11
トウモロコシ
.5
その他
1
.
7
経産牛頭数(頭)
6
9
.
4
産乳量( t
l年)
5
9
0
5
0
6
経産牛一頭当り乳量 8
(
k
g
l年)
飼料効果
2
.
4
1
5
0
1年
0
2
年
0
3年
5
5
.
7 5
4
.
8 5
4
.
2
51
.2 4
8
.
1 4
6
.
3
2
2
.
5 2
6
.
3 2
6
.
8
1
5
.
1 11
.
7 5
.
2
2
.
8
5 4
.
7
1
.5
1
3
.
6 1
0
.
1 1
4
.
3
1
.
7
1
.
7 1
.
7
7
3
.
3 7
4
.
3 6
6
.
8
6
4
4 7
0
7 6
2
4
8
7
7
7 9
5
0
8 9378
2
.
5
2
.
5
2
.
5
平勾気温
1
4
1
3
0
0
1
2
1
1
1
0
1
0
0
0
1
. 調査酪農場の概要
8
0
0
auau
﹁
E﹁
E
nunu
nunu
調査酪農場は酪農学園大学附属農場(本学農場)であり、
ここは野幌層丘陵地の北側に位置し,高位段丘(標高約
守
50""60m、黄色土と灰色台地)、移行斜面(標高約 4
5
"
"
5
0
m、腐植質の黄色土)、低位段丘(標高約 45m以下、黄色
0
0
2
)。
土と黒ボク)からなる(天野・水野 2
2
0
0
0
1
5
0
0
本学農場の圃場は、 3
5 区(
0
.
7
"
"
2
.
0
h
a
/区)に区分され
ており、そこでチモシーとアルフアルファを主体とした
牧草およびトウモロコシが栽培された(表1)。牧草は主
にロールラップとパンカーサイロ、 トウモロコシは全て
パンカーサイロを用いてサイレージ調製をした。
調査年の 4
"
"1
0月の気象概況は図 1のとおりで、あった。
1
0
0
0
』
こ
5
0
0
。
0
3
図1
. 調査年の気象概要
2
. 土地区分別および年次別の飼料作物生産量
地形および圃場管理の面から調査農場の圃場を高位段
丘、低位段丘および移行斜面に区分し、飼料作物生産量
を実測した。
4年間の飼料作物の全収量からの単位面積当たりの DM
収量は、チモシーが 884kg/10a、アルフアルファが
9
2
4k
g
/
1
0
aで、あった。また、トウモロコシは 1
3
5
9
k
g
/l
Oa
で、あった。チモシーの DM収量は、道央道南のもの(竹田
2
0
0
4
)と比較すると、約 9
0
k
g
/
1
0
a低かった。また、 2
0
0
3
年のトウモロコシ DM収量について、同年の石狩支庁の収
量(北海道農林水産統計年報 2
0
0
3
)に 比 べ 、 約
1
2
0
k
g
/
1
0
a の減量と試算した。本試験での収量は、圃場
(
0
6
9
・
8
5
0
1 北海道江別市文京台緑町 5
8
2番地)
酪農学園大学附属農場
R
e
s
e
a
r
c
h Fann,
RakunoGakuenU
n
i
v
e
r
s
i
t
y
,E
b
e
t
s
u,
H
o
k
k
a
i
d
o,
0
6
9
・8
5
0
1,
J
a
p
a
n
-1-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
損失量が含んでないことを考慮すると、調査農場全体に
の原因になると思われる。 2年目では不良な状態が緩和
おける圃場の飼料作物生産力は低いものではないと思わ
0
0
0年と 2
0
0
1年の高位段
れる。チモシーの DM収量は‘ 2
丘の収量は少なかった。また、高位段丘は低位段丘およ
び移行斜面より約 5
0
k
g
/
1
0
a少なかった。しかし、閏場開
差異が大きく、これらの差は有意で、なかった。また、ア
されるためにトウモロコシは増収するものと考えられる
(戸津 1
9
8
1
)。
ルフアルファにおいても土地区分間および年次問に有意
差は認められなかった(図 2
)。
牧草とトウモロコシ収量を比較すると、 トウモロコシ
は牧草に比べ、気象条件、圃場環境(土壌の特性)に大き
M収量の変動が大きくなることが示唆され
く影響され、 D
M収量は、牧草よりも確実
た。しかし、トウモロコシの D
に多かった。
nununu
nununu
nUEunU
a,
b,
c:Pく0
.
0
5
円
4
噌
1
v-E口
mOF¥凶
1500
句
4E
Cコ
》1000
2
凸
500
500
。
0
1500
。。
0
1
02
03
図3
. トウモロコシの年次別 DM収量
伺
Cコ
2000
~1000
b:P<0.05
a,
~
冊。-¥切v-20
三
口
500
。 。。
0
1
02
1500
1000
03
500
図2
. 牧草の D M収量
。
トウモロコシの年平均 DM 収量は、 1030(2000 年)~
1
6
6
0
(
2
0
0
2年 )
k
g
/
1
0
aの範囲であり、年次聞に有意な差異
が示された(図 3)
02
0
0
0年は、 4月から 1
0月まで、の降水
量が多く、また、日照時間が最も少なかったことから、
トウモロコシの生育に対して気象環境が悪かったことか
低位
移行
高位
図4 土地区分別のトウモロコシ DM収量
水による圃場状態の悪化と強風による倒伏が収穫時期の
チモシーの 4年間における総平均 T
DN含量は 5
9
. 5%
で、あった。土地区分別の T
D
N含量は、高位段丘が低い傾
P含量の平均値は 1
1
. 6%で、あった。年次
向にあった。 C
遅れも収量減収の大きな原因となった。
土地区分別の 4 ヵ年の平均収量は、低位段丘、移行斜
面、高位段丘の順で、高かった。低位段丘と高位段丘の収
間と土地区分間で多少の差異が見られたが、有意な差で
はなかった。
アルフアルファの平均 T
DN含量は 59.2%で、あった。年
量差は約 3
4
0
k
g
/
1
0
aであり、土地区分間差異が大きかっ
た(図 4)。このことは、 トウモロコシの栽培は、土壌特
性に強く影響されることを示唆するもので、あった。
次および土地区分間の平均は概ね近似した値で、あった。
C
P含量は 15.8%で、あった。土地区分間には差異が認めら
らDM収量が低くなったと思われる。また、収穫直前の降
れなかった。
トウモロコシの平均 T
D
N含量は、 68.8%で、あった。ま
調査農場でのトウモロコシ栽培はー同一圃場の栽培年
数(連作)は最大で 4年で、あった。同一圃場での連作年ご
0
0
1年の TDN含量は有意に低かった (
P
<
0
.
0
5
)が、土
た
、 2
との平均収量は、栽培年数の経過に伴って減少した。と
りわけ、栽培 3年目からの低下が顕著で、あった。土地区
地区分には差がなかった。 T
D
N含量には連作年の影響は
P含量は、連作が進むにつれ低下し、 3年
なかったが、 C
分別では、低位段丘は連作による収量の減収が顕著であ
り、毎年約 10%程度の減収量で、あった。一方、高位段丘
Pく0
.
01
)0 4年間の平均 C
P含量
目以降は有意に低下した (
は 7.2% であり、各年の平均は 7.0~8.0% の範囲で、あっ
の収量は、 1年目が最も低く、 2年目が最も多かった。牧
た
。
草地からトウモロコシ畑への転換 1年目の土壌は、作物
栽培に対する土壌環境としては物理的に不良なものであ
る。つまり、前作の草地土壌の表層土は非常に固い状態
にあり、 トウモロコシ播種前の耕起、整地作業後の土壌
は十分に細砕されず、大小の土塊が目立つ状態にある。
これがトウモロコシ種子の発芽低下、その後の生育抑制
3
. サイレージの乾物回収率
パンカーサイロおよびロールラップで調製したサイレ
M回収率と発酵品質の関係を
ージの全給与量を実測し、 D
検討した。
牧草パンカーサイレージの D
M回収率は平均 80%であ
-2-
北海道草地研究会報 40(
2
0
0
6
)
った。しかし、サイロ間差が大きく、 9
0
"
"
'
5
3
%の範囲で
あった。 2
0
0
2年 Dと 2
0
0
3年 Eサイロの回収率は低く、
特に、後者は 5
3%と極端に低かった。また、 2
0
0
3年 E
サイロのサイレージ水分含量は 7
3%と高かった。これら
のサイレージの V
-スコアは 4
0点以下であり、発酵品質
は劣質なものであった(図 5)。サイレージの発酵品質低
下の原因としては、原料草の水分含量が考えられる。適
水分含量は 6
0
"
"
'
7
0
%とされている(名久井 1
9
8
6
) 2
0
0
3
年 Dサイレージの水分含量は 7
3
.
0
%の高水分であり、こ
れが品質低下の原因であったと推察される。また、 2
0
0
2
年のサイレージの水分含量は 6
5%であったにもかかわ
らず、発酵状態は良くなかった。特に、 Dサイロの発酵
品質は極めて劣質であり、 D
M回収率も低かった。これは、
詰込み時間に 5日間を要し、貯蔵期間は 2
8
5日さらに給
与時期は夏季聞に集中したことが考えられる。さらに、
材料草の水分含量が 6
5%と低かったことから、サイロ内
が好気的環境になりやすく、開封後の好気的変敗を助長
したと思われる。
M回収率は、平均で 80%
トウモロコシサイレージの D
であった。しかし、牧草サイレージの場合と同様に、サ
イロ間の変動が大きかった。つまり、バンカーサイロで
は9
8
"
"
'
6
1%、チューブバッグでは 9
2
"
"
'
4
6
%の範囲であっ
た。サイレージの水分含量は、 2
0
0
0年に調製したものは
6
2
"
"
'
6
7
%と低く、 2
0
0
1年度のものは 7
3
"
"
'
7
4
%と高かった
(
図6
)。サイロ聞におけるサイレージ発酵品質の差異は
大きくなかった。しかし、 2
0
0
0年のサイレージの Vース
コアは低い傾向にあった。なお、図示した発酵品質は、
給与したサイレージのものであって、品質が悪く、給与
に問題があると判断して廃棄したものは含まれていない。
従って、実際の発酵品質はこれらよりも低質であった。
v
-スコア
100
80
60
40
20
0
1
0
0
0
100
v
-スコア
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
1
(
( b
j
(
一
一
一
一
一
。一
一
80
一
60
40
~.
20
.
.
.
.
・
・
'
.
1
:
.
.
・3
ま 80
260
固 4
0
2
0
0
図6
. トウモロコシサイレージの D
M回収率と v
スコア
2
0
0
0年の原料の水分含量は 65%と低く、排汁での損失は
ほとんど、観察されなかった。しかし、 Bサイレージの D
M
回収率は C
およびAサイロのものより低かった。これは、
貯蔵期間中にネズミがサイロシートを破損したため、長
0
0
2年
期間にわたり好気的変敗が進行したことにある。 2
Cサイロおよび 2
0
0
3年チューブバッグサイロも同様の被
害に遭遇し、 D
M回収率は極めて低かった。また、貯蔵期
間が長くなるほど品質の劣化の危険度が高まるため、 D
M
回収率の低下防止にはネズミ防除などのサイロの保守管
理が極めて重要であることが検証された。
ロールラップサイレージの平均回収率はバンカーサイ
レージに比べ格段に高く、 9
8%以上であった。ロールサ
イレージの水分含量は、一般的に 6
0%以下といわれてい
る(高田 1
9
9
4
)。しかし、水分含量 60%のサイレージにお
いて V
B
N比が高く、不良発酵の様相を呈するものが見ら
れた(図 7)。水分含量が 5
0%以下のものでは、ほぼ満足
するものであった。従って、ラップサイレージ調製の水
0%であると思われた。
分含量の基準は 5
一
30
1
0
0
2
0
起
z
回 80
収
率6
0
固
〉
•
3
も4
0
。
。
2
0
。
鋼
、
・
・
.
・
:
.
.
・
・
.
.
:
.
. :
1
..
.
.
.
.
・
〉
.・
.
・
.
・
".
.
.
A
'・,.-. .
.
4
1
0
&.:ll/~.1~蛍え学-・J
.•γ1・
.
司
ーマ
・\
Jθ .'~_'..Ã
......~.~・ -.1・t ・、':~:,. Y I
i
戸
、
"
、z・ '
2
0
6
0
o
自
水分含量
D
0
1年
E
B
0
2年
D
B
図7
. ロールサイレージの水分含量と V
B
N比
A
E
0
3年
図5
. 牧草サイレージの D
M回収率と V
スコア
原料の水分含量が 7
0%以上になると排汁の損失量が
増加することが知られている (
G
o
r
d
o
n
,C
.H 1
9
6
7、
M
i
l
l
e
r,W
.J
.a
n
dC
.M
.C
l
i
f
t
o
n1
9
6
5
) 2
0
0
1年の原料の水
分含量は約 7
5%であり、多くの排汁も観察された。一方、
0
また、ロールベール重量(Xkg
)と水分含量(Y%)との聞
に以下の有意な回帰式が得られた。
2
y=0.0838X
+4.0748 (
R
=0
.
5
5
9
2
)
酪農現場においても簡易な水分測定が可能である(増
子 1
9
9
6
)。従って、水分含量を測定することで、ロール
-3-
北海道草地研究会報 40 (2006)
サイレージ重量が予測できるものであり、飼料設計に対
乳生産を高めるための課題は、低位生産土壌の改良と適
し有効に活用できると思われた。
切な肥培管理システムの構築およびサイレージ発酵品質
4. 土地面積当たりの乳生産
飼料作物の生産量およびサイレージの D
M回収率のデ
ータから、土地面積当たりの乳生産性を検討した。
トウモロコシの DMや T
DN収量から換算した土地面積当
たりの乳生産性は、牧草より格段に高いことが明白であ
った。しかし、 トウモロコシは、成分特性から牧草との
併用給与がなされる。そこで、土地面積当たりの乳生産
性を論ずるには、牧草との併用給与ならびに一乳期にお
ける乳量を考慮して検討する必要がある。 トウモロコシ
の併用給与は乾物摂取量が多くなり、 トウモロコシサイ
レージの給与比率の増加に伴い D
M摂取量は増加するこ
とが認められている(坂東ら 1988,影山ら 1992)。また,
アルフアルフアサイレージとの併用給与はチモシーとの
併給よりも乾物摂取量、 D
C
Pと TDN摂取量および乳量が
多かったことも示されている(坂東・出岡 1990)。本研究
における飼料給与メニューの試算で、もトウモロコシと牧
草(特にアルフアルファ)の併用給与が効率的で、あるとの
物の乾物生産量増加のため、後者はサイレージの DM回収
の向上と好気的変敗の防止対策である。前者は、飼料作
率を高めるための課題である。
表2
. トウモロコシとアルフアルファの作付け例
乳量 (kg/305日)
1
0,
0
0
0
9
,
0
0
0
8,
0
0
0
粗濃比
DM給 GS
与比
CS
C
o
n
.
60:4065:35 6
5
:
3
56
5
:
3
5 6
5
:
3
57
0
:
3
0
2
4 2
6
3
9
2
6
3
9 4
2
3
6 3
9
2
6 3
9
2
6 2
8
4
0 3
5
3
5 3
3
5 3
5
0
TDN充 足 率 % 1
01
.4 1
0
0
.
0 1
0
0
.
41
0
2
.
1 1
0
2
.
81
01
.2
ConcCP%(原物 1
8
.
3 1
9
.
0 1
5
.
2 1
8
.
8 1
4
.
8 1
4
.
8
CP充足率
% 1
01
.7 1
0
0
.
0 1
0
0
.
51
0
2
.
7 1
0
2
.
81
0
1
.
2
必要面積 1
0
a
3
.
5 3
.
8
3
.
8 3
.
6
3
.
6 3
.
9
7)レフアルファ
1
.7 1
.8
2
.
6 1
.7
2
.
4 2
.
6
トウモロコシ
1
.8 2
.
0
1
.2 1
.9
1
.2 1
.3
生 産 費 円 Ikg 1
8
.
3 1
7
.
0 1
7
.
9 1
7
.
8 1
7
.
8 1
6
.
5
GS:牧草サイレージ, CS:トウモロコシサイレージ, Conc.配合飼
表3
. トウモロコシとチモシーの作付け例
乳量 (kg/305日)
1
0,
000
9
,
000
,
000
8
5
5:
4
56
0
:4
06
0
:406
0
:4
0 6
0
:4
06
5
:3
5
3
3 3
6
4
8 3
6
48 5
2
2
2 2
4
1
2 2
4
1
2 1
3
4
5 40
40 40
40 3
5
粗濃比
DM給 与 GS
比
CS
C
o
n
.
結果が得られた。
高泌乳牛 (305 日間乳量 10,
0
0
0
"
'
9,
000kg)の給与飼料
の粗濃比が 60:40ないし 65:35の場合、 トウモロコシ
TDN充 足 率 %
1
0
1
.
3 9
9
.
7 1
0
0
.
21
01
.8 1
0
2
.
51
0
0
.
8
ConcCP%(原物) 1
8
.
5 1
9
.
1 1
7
.
3 1
9
.
0 1
7
.
1 1
7
.
5
CP充足率
% 1
0
1
.
5 9
9
.
6 1
0
0
.
21
0
2
.
3 1
0
2
.
91
0
0
.
9
とアルフアルファの DM給与比率が 2:3ないし 3:2の給
与メニューが良好で、あった(表 2)。この時のー乳期一頭
必要面積 10a
チモシー
トウモロコシ
当たりに必要とする作物栽培面積は 36"-'39aとなる。こ
れは 1ha当たり 2
.7
"
'
2
.5頭に相当するもので、あった。ま
乳 生 産 費 円 Ikg
た、乳量水準が低いほど、チモシーとの組み合わせでの
3
.
6 3
.
9
2
.
5 2
.
7
1
.
1 1
.2
1
9
.
6 1
8
.
4
4
.
0 3
.
7
3
.
4 2
.
6
0
.
6 1
.
1
1
9
.
2 1
9
.
2
GS:牧草サイレージ, CS:トウモロコシサイレージ, Conc.配 合
適正給与メニューは、粗濃比が低くなる傾向にあった(表
3
)。
表 4. トウモロコシの収量およびサイレージ回収率別必要面積
(
1
0
a
l
頭)
000あるいは 9,
000kgの場合、粗濃比
一乳期乳量が 10,
乳量
粗濃比
DM給 GS
CS
与比
Con.
が 60:40の時、牧草サイレージとトウモロコシサイレー
ジの DM給与比率は 3:2ないし 2:3となった。トウモロ
OOOkg生
コシサイレージの回収率が 80%場合、乳量 10,
回収率段丘
産に対する必要面積は高位段丘が 5
1
.6a、低位段丘が
44.6aで、あった。これは、 ha当たりそれぞれ1.94、2.24
1
0
0
%低 位
移行
高位
9
0
%低 位
移行
高位
8
0
%低 位
移行
高位
7
0九 低 位
移行
頭の飼養頭数に換算され、乳量は 19,
400、22,
400kg/ha
となる。チモシーでの ha当たりの飼養頭数は、高位段丘
が1.95、低位段丘が 2.0頭であり、乳量はそれぞれ 19,
500、
20,
300kgで、あった。
乳量水準が低くなるにつれ濃厚飼料の依存度は低く、
また、牧草サイレージ主体とした給与体系になることが
盲隼
1
0,
0
0
0
9,
000
8,
000
60:4060:40 60:4065:35 65:3570:30
4
3
6
3
9
5
2
4
2
3
6 2
2
4 3
6
2
4
2
6
1
3
2
8
4
0 4
0
4
0
3
5
3
5
3
0
3
.
9
0
4
.
1
2
4
.
2
7
4
.
3
3
4
.
5
7
4
.
7
5
4
.
8
7
5
.
1
4
5
.
3
4
5
.
5
7
5
.
8
8
6
.
1
0
3
.
5
7
3
.
8
9
4
.
1
3
3
.
9
6
4
.
3
2
4
.
5
9
4.
46
4
.
8
6
5
.
1
6
5
.
0
9
5
.
5
6
5
.
9
0
3
.
6
6
3
.
8
7
4
.
0
1
4
.
0
7
4
.
3
0
4.
46
4
.
5
8
4
.
8
3
5
.
0
2
5
.
2
3
5
.
5
2
5
.
7
3
3
.
9
7
4
.
1
9
4
.
3
5
4.
41
4
.
6
5
4
.
8
3
4
.
9
6
5
.
2
3
5.
43
5
.
6
7
5
.
9
8
6
.
2
1
4
.
0
3
4
.
1
3
4
.
2
0
4.
47
4
.
5
9
4
.
6
7
5
.
0
3
5
.
1
6
5
.
2
6
5
.
7
5
5
.
9
0
6
.
0
1
4
.
0
0
4
.
2
2
4
.
3
8
4
.
4
4
4
.
6
9
4
.
8
7
5
.
0
0
5
.
2
7
5.
47
5~71
6
.
0
3
6
.
2
6
GS:牧草サイレージ, CS トウモロコシサイレージ, Conc.配 合 飼
示された。粗飼料給与割合を高め、個体乳量水準を高く
回収率:サイレージ乾物回収率
維持するには、 トウモロコシサイレージの利用が有効で
あり、飼料作物生産量の向上とサイレージ回収率の改善
の必要性を示唆するもので、あった。
3
.
7 4
.
0
3
.
2 3
.
4
0
.
5 0
.
6
2
0
.
3 1
8
.
9
謝辞
本賞にご推薦頂きました酪農学園大学松中照夫氏、同
小阪進一氏、雪印種苗山下太郎氏、北海道立畜産試験場
5
. 結論
乳生産量を決定する要因は、飼料作物の D
M生産量とサ
大原益博氏に厚くお礼申し上げます。また、北海道草地
研究会会員の皆様に心よりお礼申し上げます。
イレージの DM回収率である。従って、土地面積当たりの
-4一
北海道草地研究会報 40(
2
0
0
6
)
引用文献
天野洋司・水野直治 (
2
0
0
2
) 酪農学園の自然(土壌篇)ー
野幌層の誕生と学園の土壌一. p
.
2
3
41.酪農学園
大学.江別.
8
8
)チモ
坂東健・出岡謙太郎・岡本全弘・曽根章夫(19
シー乾草とトウモロコシサイレージの採食比率が飼
料摂取量および乳生産に及ぼす影響.新得畜試研究
報告, 1
6
:
1
7
.
坂東健・出岡謙太郎(19
9
0
)トウモロコシサイレージ主
体飼養におけるマメ科牧草サイレージの併給が乳牛
の飼料摂取量と乳生産に及ぼす影響.新得畜試研究
報告, 1
7
:
1
3
1
9
.
G
o
r
d
o
n,
C
.H(
19
6
7
)
S
t
o
r
a
g
e1
0
s
si
ns
i
l
a
g
ea
sa
f
f
e
c
t
t
e
d
b
ym
o
i
s
t
u
r
ec
o
n
t
e
n
ta
n
ds
t
r
u
c
t
u
r
e
.J
.D
a
i
r
y
.S
ci
.,
5
0
:
3
9
7-4
0
3
.
影山 智・岡本明治・中西雅昭・吉田則人・中川健作・
池滝孝(19
9
2
)泌乳牛に対する牧草サイレージとト
ウモロコシサイレージとの組み合わせ給与.北草研
報
, 2
6:128-131
.
1
9
8
6
)サイレージ
高田富治(高野信雄・安宅一夫監修)(
バイブル(第 5章 ロールベールサイレージの調製
.
6
7一7
3
.酪農学園短期大学酪農学校.江別.
技術).p
高田富治(19
9
4
)ロールベールサイレージシステムの基本
と実際. p
.
3
6
3
7
. 酪農総合研究所.札幌.
9
6
)現場でサイレージを科学的に評価しよう
増子義孝(19
9
9
6年 4月号付録). p
.
7-1
0
.
(デーリィ・ジャパン 1
デーリィ・ジャパン社.東京.
松中照夫編著 (
2
0
0
4
) 牧草・トウモロコシの生産量か
ら乳生産を考えるー単位面積当たりの土地からどれ
くらいの乳生産が可能かー.酪農総合研究所.札幌.
M
i
1
1
e
r,
W
.
J
.
a
n
dC
.
M
.
C
1
i
f
t
o
n(
1
9
6
5
)R
e
1
a
t
i
o
no
fd
r
y
m
a
t
t
e
r C
o
n
t
e
n
ti
nE
n
s
i
1
e
dM
a
t
e
r
i
a
1a
n
dO
t
h
e
r
F
a
c
t
e
r
st
oN
u
t
r
i
e
n
tL
o
s
s
e
sb
yS
e
e
p
a
g
e
.J
.
D
a
i
r
y
ScL • 4
8:9
1
7
9
2
3
.
名久井忠(高野信雄・安宅一夫監修) (
1
9
8
6
) サイレ
ージバイブル(第 4章サイレージの調製技術).
p
.
5
5
6
4
. 酪農学園出版部.江別.
2
0
0
3
) 北海道農林
農林水産省北海道統計・情報事務所 (
水産統計年報(農業統計市町村別偏).
竹田芳彦 (
2
0
0
4
).持続的な草地生産北海道における
0(
1
):
7
5
8
2
.
草地生産の現状と草地更新.日草誌, 5
戸津英男 (
1
9
8
1
) トウモロコシの栽培技術. p
.
9
3
9
5
.農
山漁村文化協会.東京.
-5-
北草研報 4
0
: 6-8 (
2
0
0
6
)
シンポジウム「十勝の畑地酪農を考える」
十勝酪農の動向予測と土地利用型酪農技術
鵜川洋樹
TrendF
o
r
e
c
a
s
t
i
n
gf
o
rT
o
k
a
c
h
iD
a
i
r
yFarminga
n
dD
a
i
r
yT
e
c
h
n
o
l
o
g
yd
e
p
e
n
d
i
n
gonLandUse
H
i
r
o
k
iUKAWA
はじめに
平成 1
9(
2
0
0
7
)年度はわが国の農業政策史上における
一大画期になる年次である。「経営所得安定対策等大綱J
(
2
0
0
5年 1
0月)では畑作 4品目の品目横断的経営安定
対策として日本型直接支払いの創設が決定され、「酪農
2
0
0
5年 3月)でも平成 1
9
及び肉用牛生産の基本方針J (
(
2
0
0
7
)年度に向けた経営安定対策の見直しが予定されて
いる。それらに通底するのは WTO国際規律への対応で
あり、酪農及び肉用牛では自給飼料基盤に立脚した生産
振興が基本とされている。
本稿では、自給飼料基盤に立脚した土地利用型酪農に
視点をおいて、十勝地域の畑地型酪農経営を対象に、土
地利用型酪農から求離してきたこれまでの酪農家の動向
と将来予測を行い、その要因である土地利用型酪農技術
の特質を明らかにし、 WTO体制下で存続できる酪農経
営の発展方向を事例分析により検討する。
数を取り上げ、それぞれの規模階層別の酪農家数を農林
業センサス個票 (
1
9
9
5年および 2000年)を用いたマル
コフ分析に基づき予測した。
その結果、北海道全体の規模階層別推移は小規模階層
が減少するのに対し、大規模階層が増加し、中規模階層
には大きな変化がないと予測されたことから、規模別農
家数は耕地面積、乳用牛頭数とも元々農家数の多かった
中規模階層と大規模階層にピークが形成され、耕地面積
)
と乳用牛頭数が併進する規模拡大が予測された(図 1。
しかし、その規模階層別推移の予測には地域間差があ
り、根室支庁や宗谷支庁は北海道平均に近似した耕地面
積と乳用牛頭数の併進が予測されたのに対して、十勝支
庁や網走支庁では乳用牛頭数の規模拡大テンポが耕地面
積のそれを上回ると予測され、この差が最も大きいのが
)。
十勝支庁である(図 2
1.十勝酪農の動向予測
2
. 土地利用型酪農の技術構造
北海道の主要な酪農生産地域における酪農経営展開の
2020年までの動向予測を網羅的・定量的に明らかにす
るために、土地利用型酪農を基軸とする北海道酪農の経
営展開のあり方を規定する経営耕地面積と乳用牛飼養頭
土地利用型酪農において自給飼料基盤のあり方と密接
に関わる飼料生産と飼養管理の技術構造(=土地利用型
酪農技術の形成メカニズム)を経営展開の視点から検討
した。
2,
500
2,
500
2,
000
州
2,
000
:-2005年卜寸
酪
農 1,
500
酪
農 1,
5
0
0
家
数
家
数
(
戸 1,
0叩
戸 1,
000
500l}"ι'J/~ア
~lf...ー斗
主主亀有ぷ'>.(
芦〆〆〆〆ダヘザ ダ 〆 〆 ば
g
"",'1>'〆~-
グゃ",<::1
A*-"tダダダダぷ
_r J " _r _r j ' ~$r ダグぷ φV
。~
J- J- J- J' J- J
n
;
,
<
:
:
I
~<::I
'
;
)
<
:
:
1
Ib<::lゃ'of;f
500
~.
伊. "'~♂t;.<::I
明
G'‘グ
O
J
'
;
)
<
:
:
1
j
Ib<::lや'ò~
6v
‘、‘、~
G
'
"
♂
〆
O
J
2轟以上乳用牛飼養頭数規模
経営耕地面積規模
図 1-1 面積規模別農家構成の動向予測(北海道)
図1
-2 頭数規模別農家構成の動向予測(北海道)
農業・生物系特定産業技術研究機構北海道農業研究センター
(
0
6
2
・8
5
5
5 札幌市豊平区羊ケ丘 1)
N
a
t
i
o
n
a
lA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lR
e
s
e
a
r
c
hC
e
n
t
e
rf
o
rHokkaidoR
e
g
i
o
n
,Hitsujigaoka,
T
o
y
o
h
i
r
a
k
u,
S
a
p
p
o
r
o
,Hokkaido,062-8555Japan
-6-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
250
2歳 以 上 乳 用 牛 飼
2怠以..t:乳用牛飼
養頭数規模
養頭数規模
図2
-1 2020年に予測される規模階層別酪農家数
(根室支庁)
図2-2 2
020年に予測される規模階層別酪農家数
(十勝支庁)
土地利用型酪農経営に期待される「土一草一家畜 J技
術構造は必ずしも予定調和的に達成されるわけではな
く、北海道酪農の動向は飼料生産と飼養管理の肢行的展
開をもたらした。
その要因は、①濃厚飼料の輸入が戦前期から自由化さ
れ、自給飼料生産は粗飼料に限定された、②飼養管理技
術は輸入技術の導入により容易に高度化できるのに対
し、飼料生産技術の適用には自然条件の影響が大きく停
滞的にならざるを得ないことから、自給飼料生産は粗飼
料の量的確保に倭小化された、③構造改善事業や公社営
畜産基地建設事業などにより牛舎や飼料生産用機械など
の酪農生産装置が一挙に設置され、飼養頭数の増加や飼
養管理・飼料生産の省力化が急速に進んだ、④生乳の商
品特性として個体価格差が小さいことから生産量=頭数
の拡大が経営目標になりやすく、また、毎日搾乳すると
いう生産の連日性が飼養管理技術の進歩の機会が多くし
ている、ことである。
その結果、 1
9
7
0年代に草地開発事業が収束して以降、
農地面積は有限であるのに対し、資金の手当てができれ
ば頭数増加は可能なことから、実際の経営展開では常に
飼養頭数の増加が先行し、飼料作面積の増加が後追いし
てきた。そのなかで自給飼料生産に期待されたのは粗飼
料の量的確保と省力化であった。
3
. 土地利用型酪農経営の展開事例
十勝支庁に位置する畑地型酪農経営のなかにも土地利
用型酪農技術の導入に基づく飼料生産と飼養管理の並進
により省力化や高収益を実現している事例を見いだすこ
とができる。
K牧場は、飼料生産技術の不断の革新により「土一草
一家畜」の技術構造が循環的に機能し、飼料生産と飼養
7
0
管理の「同時並行的 Jな技術発展を実現している f
年代形成」型の中規模経営である。アルフアルファを導
入するなどして、粗飼料多給依存で高い個体乳量を実現
6
0 ー亡二コ経産牛頭数
1
2
面 1
5
日
s
i
1
m
n
m
H H HトlHHHHHHHト
ト
a1
0 HHH
ト
V
L
.
.
.
_
/
n
ル
弘
、
、
2
4
0
牛
頭ー
数叫
T
P
K
図 3-1
K牧場における飼料生産の推移
1
I
I
I
I
. 11111
11
11I1111
1111
"'"''''",.
7
6 7
8 8
0 8
2 8
4 8
6 8
8 9
0 9
2 9
4 9
6 9
8 0
0 0
2
図 3-2 K牧場における飼養管理の推移
-7-
n
。
I
7
6 7
8 8
0 8
2 8
4 8
6 8
8 9
0 9
2 9
4 9
6 9
8 0
0 0
2
‘
,
l
〆
1
0
飼料効果
、
2
0
K
。
必﹃
刈咽祖
M r A門
頭
個体乳量(干kg
50
ト寸ト
積
n
u
Enoeo
-一個体乳量
一合一飼料効果
。
北海道草地研究会報 4
0(
2
0
0
6
)
表 1-1
ト
ウ
モ
ロ
コ
シ
牧草地
採草利用
放牧利用*
H牧場における土地利用の推移 (
h
a
)
1
9
9
0
9
.
0
3
6
.
0
3
5
.
3
0
.
7
1
9
9
1
9
.
2
3
5
.
8
3
3
.
0
2
.
8
1
9
9
2
1
2
.
5
3
4
.
5
2
7
.
3
7
.
2
1
9
9
3
11
.5
3
5
.
7
2
5.
4
1
0
.
3
1
9
9
4
9
.
0
3
8
.
0
2
4
.
0
1
4
.
0
1
9
9
5
5
.
5
3
9
.
8
2
2
.
6
1
7
.
2
4
5
.
0
4
5
.
0
4
7
.
0
4
7
.
2
4
7
.
0
4
5
.
3
うち放牧専用
計
1
9
9
6
5
.
7
41
.2
1
9
.
6
21
.6
1
8
.
0
4
6
.
9
1
9
9
9
5
.
7
4
4
.
8
1
9
.
6
2
5
.
2
1
8
.
0
5
0
.
5
2
0
0
3
5
.
6
51
.4
2
5
.
0
26.
4
1
9
.
5
5
7
.
0
1998
9
8
1
35,
2
3,
269
6,
048
1
,
504
1,
1
3
6
21
.5
2
6
.
0
3
5
.
3
1999
40,
342
29,
011
5,
573
1,
932
1,
294
1
8
.
6
1
9
.
2
2
6
.
1
2003牢
3
7
.
2
8
3
24,
513
1
9
0
6,
718
1
.536
1
9
.
8
2
5
.
3
3
4
.
3
1999
5,
500
620
4,
209
216
365
90
2003
000
7,
700
1
5
0
*
6,
*兼用利用を含む
表 1-2 H牧場における収益構造の推移
科目
1992
1
9
9
3
8,
2
8
1 38,
農業粗収入(千円) 3
850
9,
459 29,
農業経営費(千円) 2
440
9,
1
1
7
8,
飼料購入費
233
診療衛生費
1,
809
1,
726
機械減価償却費
2.
47
6
2,
384
乳飼比(%)
28.
4
2
5
.
9
飼料費率(%)
3
0
.
9
2
8
.
0
2
3
.
0
2
4
.
2
農業所得率(%)
*算出方法が 1
9
9
9年までとは異なる
1994
3
6
.
3
4
1
2
5,
774
418
7,
1,
862
1
.733
2
4
.
2
2
8
.
8
2
9
.
1
1
9
9
5
4
1,
3
5
1
26,
349
6,
450
1,
465
1,
1
9
2
21
.2
2
4
.
5
3
6
.
3
1996
4
4
.
5
2
8
30,
768
7,
273
453
1,
1,
500
22.
4
2
3
.
6
3
0
.
9
表 1-3 H牧場における労働時間の推移
労働時間 (h)
飼料作
成牛管理
育成牛管理
ふん尿処理
経営管理
1990
6,
880
1
,
180
4,
595
1,
1
0
5
1992
6,
650
760
4,
930
900
1993
6,
750
660
4,
840
200
1,
1994
6,
610
696
5,
1
6
6
698
1995
6,
594
694
5,
463
387
1996
834
5,
631
4,
725
428
60
50
50
50
50
1
5
0
寧育成牛分を含む、 1991年は欠測、 2003年は算出方法が異なる、 1999年以外は成牛・育成牛管理にふん原処理を含む
し、乳飼比は 1
0
.%台と低く、農業所得は 1
,
0
0
0万円を
超える水準を維持し続けている(図 3)。
直接支払いの源泉である国民的支持の得られる生産方式
が焦点になり、そこでは環境保全的で行政的支援の少な
H 牧場は典型的な土地利用型酪農技術である集約放牧
の導入により省力的で収益性の高い酪農経営を作り上げ
い=自立性の高い生産方式が望まれることから、土地利
用型酪農こそが生産方式としてふさわしいと考えられる
た f
7
0年代形成」型の中規模経営である。 1
9
9
1年から 5
カ年計画で集約放牧を導入し、購入飼料費など経営費の
からである。
低減、飼料生産など労働時間の短縮、乳牛の疾病の減少
年代形成」型経営に多大な行政的コストをかけて一層の
7
0年代形成」型経営の
規模拡大を進めるのではなく、 f
をとおして、乳飼比の上昇、所得率の上昇を実現してい
る(表 1)。
事例経営における飼料自給率は高く、相対的に自立性
の高い(=外部化の度合いの低い)生産方式になってい
ることから、価格変動等に対する安定性の高い経営構造
である。
7
0
具体的には、今後とも酪農生産力の多数を占める f
酪農生産方式の通周期間をいかに延長させうるかが目標
になる。すなわち、革新的な技術の導入により経営構造
を転換させるのではなく、飼養管理に結びついた自給飼
料の高品質化により「土一草一家畜」循環を実現するな
ど、既存の経営構造を補強・強化することができるよう
な技術導入こそが国民的な要請に応えうる発展方向と考
4
. 北海道酪農の発展方向
えられる。
WTO 新ラウンド合意と「新たな食料・農業・農村計
画」との整合性が関われるとき、後者の論点に内実を与
えることが不可欠であり、酪農生産では国民的支持の得
られやすい土地利用型酪農の普及・定着が説得的であ
る
。
そのための行政施策として、直接支払い制度の拡充が
必要であり、その対象は環境保全的な酪農生産方式を実
現している酪農経営に集中すべきである。というのは、
参考文献
鵜川洋樹・細山隆夫・藤田直聡・安武正史 (
2
0
0
4
) 北海道
酪農の経営規模階層別にみた動向予測.北海道農業研究
8
0
:4
5・1
61
.
センター研究報告. 1
鵜川洋樹 (
2
0
0
2
)土地利用型酪農の技術構造と経営展開.
吉田英雄編著『農業技術と経営の発展』総合農業研究叢
書. 4
2
:3
7
・
5
0
.
-8-
北草研報 4
0
: 9-11 (
2
0
0
6
)
シンポジウム「十勝の畑地酪農を考える」
J
十勝ブランドとは
ナチュラルチーズを通して地域の魅力をビジネスに生かす
大庭潔
T
o
k
a
c
h
ib
r
a
n
d
-Maket
h
eb
e
s
tu
s
eo
fa
p
p
e
a
lo
fr
e
g
i
o
ni
nb
u
s
i
n
e
s
st
h
r
o
u
g
ht
h
ec
h
e
e
s
eK
i
y
o
s
h
iOBA
はじめに
ワイン、野菜類、牛肉、水産品等が挙げられている。
B
E
Sの発生や表示偽装問題などの発生により、消
また、十勝産食品に期待するものとして、「新鮮さ」、
費者の食品に対する安全への意識は高まり、提供す
「良心的価格」、「安全性」、「味の良さ J等の項目が
る生産者、製造者、販売者にもこれまで以上の信頼
上位を占め、「価格の安さ Jより「高い品質 J を求
が求められるようになってきている。特に、「日本
める傾向が強いことが分かつた。
の食糧基地」と呼ばれる十勝の生産物・加工食品に
一方こうした消費者の十勝の食材に対する期待
対する消費者の期待は質・量ともに大きく、基幹産
を裏切るかのように、「十勝」、「十勝産」と詠った
業である農畜産物に支えられ発展した十勝は、今以
産地不明の原材料を使用した食材や加工品が市場
上に安心・安全な食糧を消費者に提供していく使命
に出回っている現実が実際にはある。こうしたこと
がある。
から、生産者や加工業者が自信を持って作り、地元
9
9
9年末、財団法人十勝圏振興機構に
そんな中 1
より「十勝ブランド検討委員会」が発足し、良質で
ブ
の人たちからも支持される真の“「十勝産 J= ,
" を模索することから始められた。
ランド化 J
個性的な生産物ばかりでなく、十勝の生活文化や環
境・景観を含めた「十勝ブランド」の価値を確立し
2
.r
十勝ブランド』の基本的な考え方
ていくための調査・研究が、そして実現に向けての
「十勝ブランド」は、単にパッケージデザインや
方策等が検討されてきた。ここでは、これまでの「十
品質表示に言及するものではなく、「安心・安全な
勝ブランド」実現に向けた様々な取り組みを中心に
紹介すると同時に、ナチュラルチーズをモデルとし
十勝ブランド」の基本方針
表,. r
た「十勝ブランド認証システム」についてその具体
. ,食品 Jの安全を「顔の見える関係Jで追求する。
的取り組み事例及び課題等について述べる。
、「開示情報Jにより信頼性を高める。
.'表示J
.'安心・安全の監視システム」の考え方を取り入
れ、より優れた品質を求める。
,.十勝産食品のイメージ
.'環境への配慮J と「クリーン農業」を目指す。
東京と大阪で実施した消費者アンケート調査で、
.消費者への「品質情報」や「価格情報Jの提供を
十勝産食材や加工品の中で、牛乳、バター、アイス
行う。
クリーム等が興味の対象として上位を占め、次いで
財団法人十勝圏振興機構 食品加工技術センター (080・2462帯広市西 22条北 2丁目 23)
,
West22
・N
o
r
t
h
2
・2
3,
O
b
i
h
i
r
o,
080
・2
462J
a
p
a
n
T
o
k
a
c
h
if
o
u
n
d
a
t
i
o
nFoodp
r
o
c
e
s
s
i
n
gt
e
c
h
n
o
l
o
g
yc
e
n
t
e
r
-9-
北海道草地研究会報 40 (2006)
表2
.r
十勝ブランド」のコンセプト
十勝ブランド検討委員会
認証基単の公開
.恵まれた自然を保全し、クリーンな農業を目指
します
十勝ブランド認証委員会
認証基準の作成、認証
認知向上に向けた PR
0
.地域と生産者の顔が見える、安心の「食」を提
供します。
.生産者の心意気による、十勝ならではの「味覚」
を提供します。
.衛生管理や品質管理体制を構築し、大学や公設
試験研究機関の高度な技術に裏打ちされた製品
を目指します。
食品を農場から食卓へ届ける」を基本的な考え方と
して、表 1のような 5つの考え方を基に消費者の信
頼を得ると同時に、製品の検査・認証制度を取り入
れていくことが重要であると考える。
さらに、生産者独自では達成できない品質向上や
図, . 十勝ブランド認証スキーム
保持のための技術支援や販売促進活動等の支援体
制を整えていくことも視野に入れなければならな
員会において、所定の審査を行った後、認証の可否
は十勝ブランド検討委員会を通して生産者に通知
する。
3
.r
十勝プランド Jのキーコンセプト
「豊かな大地・十勝から、安全・安心で良質な食
5
. ナチュラルチーズにおける『十勝プランド』認
品を全国の食卓にお届けしますJ をスローガンに、
証基準
表 2の 4つのコンセプトを「十勝ブランド」を包括
するものとして策定した。
「十勝ブランド Jの認証基準である「安心J
、「安
表3
.r
十勝ブランド」認証基準
4
.r
十勝プランド J認証制度
当面、十勝産の加工食品に限定した「十勝ブラン
-安心
十勝管内で生産された生乳を用いて、十勝管
内で製造されたナチュラルチーズ
ド」認証スキームを紹介する。併せて、認証するた
(商品カルテの提出、正しい表示、商品特徴等の
、「安全」、「美味しさ」の 3つのキーワ
めの「安心J
ードからの具体的認証基準について.は加工食品毎
にそれぞれの基準を設定した。なお、本章では、平
記載)
・安全
衛生管理及び品質管理が実施されていること
(製造記録簿、清掃記録簿、作業者の点検記録簿、
成 1
6年度からモデル事業として進められたナチュ
保管(熟成)記録簿、品質事故確認書)
ラルチーズ認証制度について簡単に紹介する。
図 1に「十勝ブランド J認証におけるスキームを
.美味しさ
示した。生産者より商品を十勝ブランド検討委員会
に申請していただき、その後、十勝ブランド認証委
-10-
官能評価の実施
(十勝ブランド認証委員会において実施)
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
全」、「美味しさ Jの 3つのキーワードから、さらに
ナチュラルチーズをモデルとした具体的な基準を
表 3に示した。
6
. おわりに
本認証制度は、平成 1
6年度からナチュラルチー
ズをモデルとして実施し、これまでに十勝管内の 8
つのチーズ工房、 4
9 品目が認証されたが、そんな
中、様々な課題が浮き彫りとなってきた。この点に
ついてもさらに地域性があり、運用しやすい形態に
改正していかなければならない。また、一番の大き
い課題として、本認証制度のさらなる継続とその他
の認証品目の選定である。これまで財団法人十勝圏
振興機構が事務局機能を担って様々な支援を得な
がら実施してきた。金銭的、人材面から言っても現
在は非常に厳しい状況にある。「十勝ブランド」は
未だ諸についたばかりである。今後、様々な業界の
力によりさらに中身を改訂していくと同時に、地域
の生き残りの上でもこの制度が発展していって欲
しいと願うものである。
-11-
北草研報 4
0
: 12-13ο006)
シンポジウム「十勝の畑地酪農を考える J
粗飼料生産の課題 サイレージ用とうもろこしの栽培から収穫まで
富沢雅代
A s
u
b
j
e
c
to
fp
r
o
d
u
c
i
n
gr
o
u
g
h
a
g
e '
"
"
'
c
u
l
t
i
v
a
t
i
o
n組 dh
a
r
v
e
s
t
i
n
go
fs
i
l
a
g
em
a
i
z
e
'
"
'
"
MasayoTOMIZAWA
はじめに
十勝南部の忠類す、大樹町、広尾町は太平洋岸に位置し、
る。その期間の天候や栽培面積が増加すると作業期間が
長くなり、その後の生育や他の作業に影響する。は種作
業の省力化を実現しようと不耕起プランターによって、
夏期の海霧は日照時間や積算支温に影響する地海貯である。こ
)。
平成 15年度に初めて展示ほを設置した(図 1
の気象条件は自給飼料の生産・調艇にも影響がある。
この栽培法は前作物がとうもろこしの場合とし、専用
のプランターを利用した。
近年の農家戸数の減少は一戸あたり耕地面積の増加と
家畜飼養頭数増加につながり酪農家は作業労働が過重と
なり、計画的な草地更新の実施が遅れるなどから自給粗
飼料の単位生産量も伸び悩んでいる。
1
J不耕起区
地喝施肥・は種ー・
そこで、普及センターでは粗飼料の自給率を高めるた
めに、粗飼料生産のシステム化を目指し生産技術の改善
を実践している。ここでは忠類村でのサイレージ用とう
J簡易耕起区
もろこし安定生産と収量向上へ向けた取り組みを紹介し
たい。
ー・砕土・整地噌施肥・は種噌
1.忠類村でのサイレージ用とうもろこし栽培
大きく分けて地域の東部(沿岸部)と内陸の西部では
栽培戸数や面積、導入される品種が異なる。
J 慣行区
それぞれの地域にとって安定生産可能な品種を選定す
忠類が中心となり、種苗会社
るため、平成 9年より JA
耕起噌砕土・整地ゅ施肥・は種噌
と普及センターが協力し地域の酪農家 3ほ場で「品種実
証試験展示ほ」を設けている。
年度によっては収穫前に台風の強風被害などで倒伏し、
図1 忠類村不耕起栽培展示ほの処理
減収や収穫作業に影響があるが、いち早く地域にあった
品種を選定し導入することで被害を軽減することが可能
となり収量性も向上している(表 1) 。
は種作業は、慣行作業に対して不耕起栽培では 15%、
デスクハローやチゼルプラウなどの作業機を使用した簡
易耕起栽培では 37%になった(図 2) 。
k
g/1
0
a
)
表 1 忠類地区作況調査収量(
不耕起栽培では耕起・砕土がないので、土壌が締まり
生収量
TDN収量
H13
H14
H15
H16
H17
5
,
2
3
8
4,
9
0
6
5
,
3
2
4
5
,
9
3
7
5
,
5
6
6
954
1
,
0
9
5
1
,
0
5
0
1
,
2
9
6
1
,
1
3
1
地温が上がりづらいなどの理由から同日に播種しても慣
行栽培より発芽は遅れる。しかし初期生育はほとんど変
わらずその後の生育も良好となった。収量性は不耕起栽
培や簡易耕起栽培では慣行栽培より低い(表 2、表 3)。
梓の直径は細くなるが根の張り・支根が多いので倒伏し
づらい傾向である。
2
. 不耕起・簡易耕起栽培の導入
忠類村でのサイレージ用とうもろこしのは種は、 5月
中旬から始まり一戸平均 3"'6日間かけて作業が終了す
は種作業において、不耕起専用プランターは慣行のプ
ランターの 40%程度と作業効率が良いため栽培面積が
北海道十勝克T
十勝南部地区農業改良普及センター ω
89-2106 広尾郡大糊了下大樹 1
8
6
4
)
T
o
k
a
c
h
iSouthemD
i
s
t
r
i
c
tA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lE
x
t
e
n
s
i
o
nC
e
n
t
e
r
,
Ta
虫i
c
h
o
,
H
i
r
o
o
g
u
n
,
Hokkaido
,0
89
・2
106Japan
-12一
北海道草地研究会報 40(
2
0
0
6
)
多い場合には、は種適期を逃すことなく作業が可能とな
る。ただし、堆肥、土壌改良資材は、前年秋に散布し、
デスクハローやチゼルプラウなどによって土壌混和する
こ劫溜ましい。
忠類村では不耕起専用プランターを利用し、サイレー
ジ用とうもろこしの栽培面積がわずかながら増加してい
る
。
120
100
100
100
コントラクタ一部会と共同運行が始まった(図 3) 。
利用の仕方は酪農家によって刈り取りのみ、離れたほ
場や急傾斜地、全面積など様々であるが、飼料作物の栽
培面積が増加し、飼養頭数も増えているなか乳牛の飼養
管理に重点を置くことができる。
台風の被害により倒伏したサイレージ用とうもろこし
は、牽引式のハーベスターでの収穫が難しいので、コン
トラクターの自走ハーベスターが大いに活躍する。
コントラクター運営協議会では、堆肥の切り返し・散
布など耕畜連携したメニューもある。
100
1
8r
80
・・
0
白
0
・・,
1
6
~
60
1
4
0
.
0
0
1
2
0
.
0
0
1
4
1
0
0
.
0
0
1
2
40
田
1
1
.
20
。
8
0
.
0
0
1
0
8
6
不朝起区
間晶割程区
e
慣行 I
l
H
不
l
l
I プランター}
E
6
0
.
0
0
4
0
.
0
0
4
慣行 E
2
0
.
0
0
。
向慣行区比圃慣行区(不耕起プランター)比口簡易耕起区比│
H13
図2 忠類村不耕起栽培展示ほは種作業時間
0
.
0
0
H14
H15
H16
H17
四・実稼働回数己コ利用者戸数"企ー収穫面積│
図3 サイレージ用とうもろこし収穫
(忠類コントラ実績)
表2 忠類村不耕起栽培展示ほ収量 85日クラス
(平成 1
5年 k
g
/
1
0
a
)
生収量
5,
054
不耕起区
簡易耕起区 5,
1
6
0
慣行区
5,
325
乾物収量
TDN収量
1
,
281
1
,
418
1
,
473
861
993
1
,
003
4
. 今後の課題
収穫作業体制が整備され、今後も粗飼料の自給率向上
を目的に草地更新や簡易更新、サイレージ用とうもろこ
しのは種作業などが外部の作業委託によって可能となる
ように支援していきたい。
表 3 忠類村不耕起栽培展示ほ収量 85日クラス
(平成 1
6年 k
g
/
1
0
a
)
生収量
505
簡易耕起区 5,
慣行区
6,
735
乾物収量
TDN収量
1
,
710
1
,
899
1
,
246
1
,
343
3
. コントラクター利用の収穫作業
忠類村では平成 13年から中山間地域等直接支払い制
度交付金を活用したコントラクタ一部会が設立された。
粗飼料収穫・調製は作物の生育状況と天候によって左
右される。コントラクターが導入した大型機械は高性能
で処理時間が短縮されるため、適期収穫、鎮圧、早期密
封ができ、良品質な自給飼料の生産が可能となっている。
忠類村では年度が経過するごとにコントラクターの利
用面積が増加したことから、 JA
忠類でも機械を購入し
-13-
北草研報 4
0
: 14-16 (
2
0
0
6
)
シンポジウム「十勝の畑地酪農を考える J
十勝の酪農の環境面での課題一ー耕畜連携のふん尿利用をすすめるために
田村忠
C
u
r
r
e
n
tp
r
o
b
l
e
mo
fd
a
i
r
ymanureu
t
i
l
i
z
a
t
i
o
ni
nT
o
k
a
c
h
i-P
r
o
m
o
t
i
n
ge
f
f
i
c
i
e
n
tmanureu
t
i
l
i
z
a
t
i
o
nby
c
l
o
s
e
rc
o
n
n
e
c
t
i
o
nb
e
t
w
e
e
nd
a
i
r
ya
n
du
p
l
a
n
df
a
r
m
i
n
g
T
a
d
a
s
h
iTAMURA
圃場にふん尿を施用するとき、環境容量を超えて施
1
. はじめに
十勝に代表される畑作・酪農混合地帯では、かつて
用すると余剰養分の地下へ浸透による環境汚染のリス
は乳牛ふん尿は麦稗などと混合されて堆肥化され、畑
クが増す。環境容量とは水質等、環境への悪影響が生
作の土づくりに有効に利用されてきた。しかし畑作・
じることなく汚染物質を受け入れることができる土壌
酪農とも専業化、大規模化が進む近年では、酪農家に
の収容力を示す概念である。環境および粗飼料品質を
おいては多量に発生するふん尿をもてあまし、不適切
考慮した牧草地・飼料用トウモロコシ圃場へのふん尿
な貯留や周場への過剰投入による環境汚染の危険性が
施用上限について、北海道立農畜試では、牧草(イネ
指摘され、その対応に苦慮している。一方、畑作農家
0t
!
h
a、マメ科牧草地で 3
0
t
科)・飼料トウモロコシで 5
では、有機物の施用が十分ではない化学肥料依存の栽
程度としている(1)。他の研究者も概ね飼養密度として
培による地力の低下が懸念されている。十勝で飼育さ
2
"
'
'
2
.
5頭/haとする見解が多く、これはふん尿負荷と
0万頭超の乳牛が排池するふん尿は 3
5
0万 t以上
れる 2
0
"
'
'
5
0
t
/
h
aとなる。この原稿においてはふん尿施
して 4
と算出される。この膨大なふん尿を汚染源としてのみ
0t
!haを目安とする。
用上限として 4
捉えずに、酪農・畑作で有効に利用して化学肥料節減
十勝および根釧地域の酪農家の経営面積当たりふん
や地力向上を図っていくことは、単に酪農経営の環境
尿発生量を、十勝地域(畑酪地帯)と根釧地域(酪専地
責任の問題のみならず、十勝農業が持続的かつ高品質
帯)について表 1に示した。酪農家の所有する土地を草
な生産を続けていくために避けては通れない地域的課
地・飼料用トウモロコシ畑であると見なすと、十勝に
題である。ここでは、十勝の乳牛ふん尿利用面の課題
ついては、ふん尿施用上限である 4
0t
!haを超えたふん
として特に耕畜連携の必要性とその促進のために必要
尿が発生している農家がかなりの割合で存在すること
な技術について紹介させて頂き、議論の材料としたい。
がわかる。また、大きな規模な酪農家ほど、この割合
は高くなる。十勝ではふん尿の適正利用ためにはふん
2
. 酪農家は経営内でふん尿を施用できるか?
尿を酪農経営外、すなわち耕種農家での利用をすすめ
表 1 十勝・根釧地域における酪農家の経営面積あたりふん原発生量の分布
地域
酪農家規模
集計
戸数
1頭以上の(戸) 1977
十 勝 成 牛 数3
酪農家
0
0
経営面積あたりのふん尿生産量
"
'
'
4
0
t
/
h
a4
0
"
"
'
6
0
t
/
h
a6
0
t
/
h
a
"
"
'
970
705
302
成 牛 数8
1頭以上の(戸) 513
酪農家
(
%
)
根 釧 成 牛 数3
1頭以上の(戸) 2376
酪農家
(
%
)
~%
3~
1~
66
13%
2120
89%
228
44%
222
9%
219
43%
34
1
%
北海道立畜産試験場 (
0
8
1
0
0
3
8 上川郡新得町新得西 5線 3
9
)
m
a
lR
e
s
e
a
r
c
hC
e
n
t
e
r,
3
9,
N
i
s
h
i
5
s
e
n,
S
h
i
n
t
o
k
u,
S
h
i
n
t
o
k
u
ーc
h
o,
Kamikawagun,
0
8
1
0
0
3
8J
a
p
a
n
H
o
k
k
a
i
d
oAni
-14-
北海道草地研究会報 40(
2
0
0
6
)
ていく必要性が分かる。なお酪農専業地帯である根釧
表 2 十勝における畑作圃場への堆肥施用実態
地域ではほとんどの酪農家が 4
0t
/
h
a以下である。
平均施用量
(
t
/
h
a
)
てん菜
5
4
.
9
34
馬鈴薯
1
.
0
"
"
'
5
.
2
5
"
"
'
3
3
豆類
4
.
2
"
"
'
1
4
.
7
2
8
"
"
'
3
2
小麦
1
3
.
9
3
2
スイートコーン
1
3
.
7
34
「十勝畑作地帯における施肥の実態 J
(
2
0
0
2
/
3
)よ
り
作成
作目名
3
. 畑作農家の堆肥の必要性
畑作農家は有機物施用による土づくりの重要性は認
識しており、 9割近い畑作農家が堆肥を施用している
(
2
) 。畑作に対する施用実態を表
2に示した。もっとも
多く施用されている作目はてん菜であり施周囲場率は
施用圃場率
(
%
)
にとっても畑作にとっても環境調和型農業を発展させ
5
5
%、平均施用量は 3
4t
/
h
aであり、その他の作目への
るために必要であることは理解できる。しかし、現実
施用闇場率は 1
"
"
1
5
%と少ない。十勝の輪作体系を考慮
"
"
5年の輪作の中で l回弱、 3
0
t
/
h
a程度の堆
すると 4
t
/ha/
年
肥施用があり、全国場を平均すると大雑把に 7
程度の施用量と見積もられる。
にこれを実行しようとしたときには、いくつかの困難
に直面する。以下に 2点の課題を指摘する。
(1)酪農家のふん尿の性状
多くの畑作農家はなるべく堆肥化されたふん尿をの
2
0
0
2
)J では、地力増進のため
「北海道施肥ガイド (
ぞむ。生や未熟の堆肥は取り扱いが悪い、散布時の悪
の堆肥施用量として、畑作物については 1
0t
/h
aという
臭発生、雑草種子の生残などの問題がある。乳牛ふん
値が記述されている。十勝農業試験場で 2
0年間以上、
尿から堆肥をつくるためには、麦稗等の敷料が十分量
同一圃場の炭素含量を調査している試験 ω によると、
混合して水分調整されたふん尿を、切返しによって腐
作土層中の炭素含量は、堆肥投入なしの場合には年々
減少し、堆肥を 1
5
tまたは 3
0t
/
h
a施用する場合に維持
されることが示されている。
0 年前に比べ低
北海道の畑作土壌中の炭素含量は 2
下していることが報告されており(北海道立農業試験
0
0
0
)、有機物投入の減少が懸念されている。畑作
場
、 2
において、堆肥等の有機物施用を促進する必要があり、
酪農ふん尿の堆肥原料として需要は大きいと思われる。
熟化をすすめ、発熱によって雑草種子を不活化する工
程を経る必要がある。
一方、表 l示したように、ふん尿の経営外利用が求
められているのは中 大規模酪農家である。これらの
農家層には、敷料の使用量がすくないフリーストール
牛舎の導入が進んでおり、牛舎から搬出されるふん尿
は水分の高い半固形状または液状であり、そのままで
は堆肥化はすすまない。未熟ふん尿の畑作利用は雑草
種子の拡散や悪臭発生などの問題により、畑作農家か
3
. 酪農ふん尿の畑作利用を促進するための課題
以上のように、酪農ふん尿の耕畜連携利用が、酪農
ら敬遠される傾向があり、それを地域的に広くすすめ
表 3 フリーストールふん尿の畑作利用をすすめるために必要な方策
牛舎での
敷料使用量
多
少
ふん尿の
畑作利用促進のための導入技術・対策
性状
中・低水分固形そのまま堆肥化して利用
(堆肥化可能)
敷料を増量して堆肥化
高水分固形
②排汁除去型堆肥舎で水分低減しつつ堆肥化
(堆肥化困難) ③固液分離し、固形分を堆肥化
④乾燥捷枠施設により堆肥化
①敷料を増量して堆肥化(ム多量の敷料必要)
半固形
②固液分離卜固形分を堆肥化
(堆肥化不可) ③乾燥発酵焔設により堆肥化
①固液分離し、固形分を堆肥化(ム固形分は少量)
液状
②液状のまま畑作利用(作目:緑肥・小麦、技術導入:メタン発酵・
(堆肥化不可) 曝気・インジェクター)
共通
①散布労力・機械の支援体制
②ふん尿の減量化(雨水混入防止・堆肥化など)
-15-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
るには困難が予想される。フリーストールからでる高
水分のふん尿の、畑作での利用をすすめるときにすす
めるために、必要とされる技術的な方策について表 3
に示す。
高水分のふん尿を堆肥化まで持って行くには、①麦
稗・オガコ等の敷料資材を追加して水分を下げる
固液分離機を導入し固形分を堆肥化する
②
③乾燥施設
で水分を低下させる、といった性状改善技術の導入が
必要となる。また、液状ふん尿(スラリー)を畑作に施
用する場合、施周作目は現行の輪作体系における施用
時期や、スラリーの窒素肥効に変動が多いこと等を考
慮すると、緑肥か小麦への基肥施用が現実的だろう。
この場合、スラリーの肥効推定・雑草対策を考慮する
ことが前提となる。
(
1
)
r
環境に配慮した畜産農場経営を目指して J
.北海
道立農業畜産試験場家畜ふん尿プロジェクト研究
チーム.2
0
0
5
/
3
)
(
2
)
r
十勝管内土づくり実態調査報告書 J .十勝農協
連.
1
9
9
9
/
3
(
3
)
r
十勝畑作地帯における施肥の実態 J
.十勝管内土
壌診断事業推進協議会他.2
0
0
2
/
3
(
4
)
F
u
e
ki
.N
,T
a
m
u
r
aT品M
i
k
iN,
.C
r
r
e
n
ts
t
a
t
u
so
f
c
a
t
t
l
ew
a
s
t
ei
nT
o
k
a
c
h
i
.H
o
k
k
a
i
d
o-A
c
a
s
eo
f
u
p
l
a
n
da
n
dd
a
i
r
yf
a
r
m
i
n
g
.G
r
o
b
a
lp
e
r
s
p
e
c
t
i
v
eo
n
l
i
v
e
s
t
o
c
kw
a
s
t
em
a
n
a
g
e
m
e
n
t
.T
h
eo
r
g
a
n
i
z
a
t
i
o
n
c
o
m
m
i
t
t
e
eo
fO
A
S
E
R
D
A
P
E
I
D
.2
0
0
4
-16-
北草研報 4
0
: 17-23 (
2
0
0
6
)
シンポジウム『十勝の畑地酪農を考える」
総合討論
司会前田(道立畜産試験場~
4人の方から話題をいただき
ましたが、簡単に整理させ匂頁きますと、鵜川さんからはこ
前をよろしくお願いします。どなたか、質問でも樹蕎です。
よろしくお願いします。
の間の農業動向等の解析からね鎚全体としては現行の中規
なかなか口火が出ないので最初はこちらから少しお願いし
模あるいは大規樹冒の比率料開に高くなっている。それは、
てよろしいでしょうか。寸勝の酪農なり畜産に永くかかわら
頭数増が最初にあって、その後、耕地面積が追従していくと
れて、非常に現状に詳しい方と思いますでが、帯広農業振興公
いう、全道的に見るとそういう動きですでが、こと十勝に限定
社の森脇さんが出席されていますので、現状の問題あるいは
すると、頭数は増えるけれども、耕地面積そのものはあまり
意見があれば発言お願いしたいのですが。
増えていかない。そういう状況の中で、このあとの農業情勢、
農政等を見ると、やはり土刷用型でやっていく、支持され
森脇(帯広市農業振興公粉帯広の、特にす務を中心とした
るような形態に展開していく必要があるという提案だ、ったと
話をいただき、本当にありがたく思います。鵜川さんに少し
思います。それを支える技術で、富沢さんから地防での飼料
聞きたいので雪ーが、本来であれば『土一草一家畜』といくべ
自給率の向上に向けた取り組み、キーワードはおそらくコン
きがちょうど、逆になっているのが十勝農業であるというのは
トラクタ一等を利用した却減の生産の支援システムかなとい
.
3
まさしく私もそれは同感で、帯広では、成換牛 1頭あたり 0
う実例報告がありました。私も新鮮な感じで聞きましたが、
"
"
0
.
4haで牛が飼われているというのが要議です。十勝がこ
大庭さんから出也域ブランドの概念から実際にどういう取り
れだけ手置が増えてきた背景には、私が考えるには大雑把に
組みカ苛子われているか紹介がありました。その中に、私ども
言って 4つの補完システムが他の地区よりも進んできたから
が関係する酪農も地獄ブランドを構成する一構成員になって、
つは公共育成枕場が非常
だろうというのが 1つあります。 1
特にそれをそのあと認証するなり、あるいは広げていくため
に責決している。 2つ目はコントラクターが発達してきでい
のキーワードとして、生産の在り方、それから環境というも
ます。 3つ目は晴育システムというものが生まれてきている。
のにどれだ吋胃己慮された生産システムを持つかということが、
崩麦に TMRというものがどんどん入ってきています。です
私ども研院会としても十分かかわる課題としてお話がありま
から、この 4つが家族形態、個別形態の労働を非常に分散さ
した。その環境面から見たときに、十勝の酪農カ守包えている
せて、好調の経営は現墨をどんどλ
持ってきたという背景が
ふん尿の矩盟という問題に関して、田村さんから現状報告と
あろうと思います。それで、乳価を振り返ってみると、この
それを解決するためのいくつかの手段を紹介され、どの方法
十数年安定しているわけです。いくらかはありますーが増産基
を採用するかについてはケースバイケースで考えていかなけ
調できていて、法人、大型経営者がどんどん生まれてきてい
ればなりませんが、基本的には、鵜川さんの鮒斤にあったよ
る。これに
うな形については、頭数は増えるが、必ずしもそれに見合っ
る 1頭あたりの生産量で、しばらくはこれだけの頭数でこれ
た耕地面積カ可確保されないということから、蒋情連携という
だけ搾れ陪返せると計算をして、それが大きな要因になって
形羽生り方の提案がありました。
一つ一つの話題は単独で十分議論しなければならない大き
きていると思います。このことが今、崩れようとしています。
おそらく、来年から 3年間、増産でなく減産に入る予定です。
な課題だと思いますうが、これを一つ一つ議論するよりは、こ
それと畑f
捕劇也帯について、先ほど鵜川さんからも話があ
の 4つのテーマを総合的にどういうふうに入り組ませながら
の問題で小麦はこれZ
んk
作れない、ビー
りましたが、 WTO
十勝の酪農を発展させていくか、そういった視点での議論の
トは砂糖を買え、いろいろなことでダブルパンチカ凍ている
ほうがむしろ認識として議命しやすいと思います。普通、ど
わけです。その中で今回はコストの話、複合経営、あるいは
ちらかというと、 1
つのテーマについて議論されるのが一般
そういう畑酪地帯のコストをどう下げていくか、それでコス
的ですが、どうも私は話題提供を聞かせていただいて、おの
トの中l
志われわれの農業経費に占める購入飼料費は大体 30
おのの話題がリンクされた上で十勝の酪農、あるいはその発
""40%、自給飼料費が 15""20%、つまり農業経費の 50""60%
は飼料生産に取られていることが、今の十勝の実態です。そ
展方法を考えることになるのかと思うので、意見、質問も合
わせてこのテーマを総合的にリンクさせながら議論していき
のなかでもっとどういう部分をと、うやってコスト低減して持
たいと思います。最初に誰か口火を切っていただ、けるとその
続可能な経営がされていくのか、そのへんもう少しあれば教
辺りの話に進んでいくと思います。発言される方は所属と名
えていただきたいと思います。以上です。
北海道草地研究会報 4
0(
2
0
0
6
)
せんから、経営の中身としては自給飼料の高品質化、高度化
大原健立畜産諒脚揚) 関連した質問です。鵡i
}
I
Iさんの話の
みを作りながら、経
によって飼料費も節減できるような倣E
崩麦のほうの、「経営の構造を転換させないで経営機宣を補強
営規模としては 5
0haなり 5
0頭規模で維持できる、そのため
強化Jという言葉は、文章でいうと何となくわかったような
の技術導入カ泌要だろうし、将来的にはそういった生産方式
気もするのですが、もう少し砕いて教えていただきたいと思
が国民的に支持を得られるだろうと考えています。
います。おそらく今の森脇さんの話とも絡んでくるのではな
いかと,思います-n~o
司会今の鵜川さんの話の中では、今の頭数規模なり面積規
模の中で現況の生産量を上げていくためには、飼料費を下げ
鵜川森脇さんがおっしゃったことは、私もその通りだと思
ながらーなおかつ自給飼料の比率を高め、自給飼料の高品質
います。十勝の酪農経営がこれだけ強化できたのは、おっし
化カ泌、要だということだと思います。先ほどの富沢さんの話
ゃるとおり補完システムとして公共牧場、コントラクタ一、
の中で、地按でトウモロコシの面積カ功扶しできたり、それ
晴育システム、古皿、そういったものがあって今の十勝酪農
から朝也の更新等がシステム的に地域で取り組まれてきたと
があるということで、十勝の酪農経営が単独で存立している
ありました拭トウモロコシの面積の拡大カ糖営の中で今言
と私は全然思っていなくて、そういった補完システムがあっ
った高品質化なりに貢献するような方向で動いていくように、
て初めて今の十勝酪農があるのだというのはその通りだと思
地域としてどのようにやっていくのでしょうか。
います。そういう中で森脇さんがおっしゃっているように、
頭数拡大、あるいは個体手l
墨が高まる中で、購入飼料費がだ
富沢 自給飼料の高品質化、または自給率を高めるという意
んだ、ん高まってきたというのもまた事実だ、と 思います。そう
味で言えば、サイレージ用トウモロコシの栽培というのは、
いう中で、今度WTOの関係もあると思いますでが、乳価が下
.
5倍取れます。購入飼料のほ
生収量で単純にいくと牧草の 1
d
がってきていますし、来年から減産型の生産調整をさせても
うは、単味飼料ではトウモロコシ圧べんなどが販売されてい
らうということですから、その中の対応としては、私はやは
ます方丈エネルギー飼料としても重要ですし、ちょうど 1年
り購入飼料費を低減させるような方向が 1つ大きいのではな
前ぐらいに単跡調料から配合飼料まで価絡がかなり高騰した
いかと思います。具体的には先ほどの繰り返しになります?が、
ことこともあり、やはり自分たちで経営費を抑えるためには
対策としては自給飼料でど、れだ、けこれまで購入飼料に頼って
栽培して、粗飼料的な要素もありますから、そういう面でも
きた部分を代替できるかということ、具体的には、これだけ
利用したいということもあります。またふん尿処理のことも
高泌手Ln漣んでいますから、自給飼料の高品質化に尽きるの
やはり問題になりますから、サイレージ用トウモロコシを栽
ではないかと思います。そのための煽情としては、北海道農
培するときには 1
0
aに 5トンを上限に投入してもらっていま
研センターの研究を宣伝するわけではありませんが、私はア
す。そういうふん尿の矩偲ではなく利用の方向でも可台国主が
ルフアルファとか集約捌交などはそういった防府の 1つにな
あるということで今後まだ増えるのではないかと考えていま
り得るのではないかと考えています。それともう 1つ、大原
す
。
さんから質問いただいたことで、経営1
髄の転換ではなく補
強強化カ泌要だと申しました爪それは生産方式にかかわっ
司会ありがとうございました。飼料の高品質化なり自給率
ており、十勝あるいは北海道酪農のその発展の方向として、
向上という意味では、 トウモロコシの面積拡大というのも 1
私どもは大雑把に 2つあると思います。 1つはフリーストー
つの大きな技術であるとして今紹介がありましたが、会場の
0
0頭以上規撲で拡大していく方向と、
ルなどを整備して、 1
皆さんの中から何か意見がありますうか。
もう 1つは、例えば 5
0頭なら 5
0頭忠勝守でいく方向と 2つあ
ると思います。先ほどのスライドでも 2つの発展方向がある
池滝(帯広畜産大学) 今の質問に関連して富沢さんに伺いた
と申しましたが、今後のWTO
国際規律への対応を考えると、
いのですが、各先生方のおっしゃった自給飼料の高品質化と
私は例えば5
0なら 50ha規模の生産方式のほうが国民的には
いうのはまさにその通りだと思います。自給飼料生産コスト
支持されるだろうと考えており、それで今 5
0ha規模の経営
という面からすると、富沢さんの発表の中にある不耕起栽培
構造がそのまま通用できるような技術導入カ泌要だろうと申
というのは非常に魅力的な技術の 1つだと理解しています。
しました。これはかなり、私としては対旦に言っているつも
もし資料等があれば少し話していただきたいのは、コントラ
りなので、みんなが今そう思っているとは思いませんが、私
クターなり、作業時間が対面に減るということで、不諸井起栽
はそう考えています。従って経営規撲で言えば、今 5
0ha規
培でコントラクターに頼んだ場合と、通常の衛予法でやられ
模を 1
0
0
h
a
、あるいは 1
0
0頭規模に拡大するような経営構造
た場合を比較すると、 h
a当たりどの程度の違いがあるのかと
の転換ではなく、例えば 5
0
h
a
5
0頭規撲であればそういった
いうことがもしおわかりになれはそれと、 6畦の有井起栽
経営機宣のまま維持できる技祢静入、具体的には先ほどの飼
培プランターというのは金額的にどのくらいするのかと少し
料費の低減などがありますが、ただそのままでは維持できま
思ったものですから、質問をします。
-18-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
ではないです功、ということです苛L ですから、多分、先ほど
富沢不耕起プランターを用いた作業の時間料金についてで
酒井さんの言ったことは、労働時間、は種にかかわる時間が
すカ丈不耕起プランターはまだ忠類村では導入がないのでま
20%、あるいは 30%程度に少なくなるということが、この
だ旨む草していません。労働時聞が減るということでの乳牛に
あと栽培面積を増やしていくためには非常に重要な技術では
対して生産コストが下がるようになればということで展示さ
ないでしょうかという提案だと思います。それでよろしいで
せてもらっている関皆で、今後きちんと数字を出していこう
す丸
と思います。それから、不耕起専用のフランターですが、 3
それで、私から大庭さんに聞きたいのです背丈こういった
年前ぐらいまでは、 1畦当たり 1
0
0万円と言われていました。
議論の中でいつも、どれぐらい作物がとれますとか、どれぐ
今回安くなったと今年の春に伺っています。
らい家畜ふん尿は草地にまけるかという議論をするのですが、
先ほど大庭さんのお話の中で、プランド化に向けて必要な項
酒井鑓立根釧膿業試験場)不耕起と簡易耕起のところで質
目として生産の場での話として、クリーン農業とかあるいは
問したいのですが、完全耕起に対して収量は若干下がってい
環境保全とか、そういった提案がありました。今日、提案が
たと思いますが、播種作業の期間が短くなります。これから
利用型畜産だとか、あるいは田村さんの言った耕
あった土地5
トウモロコシの面積を拡大していくときに、全部完全耕起で
畜連携だとか、そういったものがブランド化にとってどうい
おこなうと 1
週間から 2週間かかり播種時期がそのあとに遅
う役割をもつか意見をいただ肘1
ばと思います。
れていって、播種時期カ渡者L
ることにより減収となる、ある
いは繋捌カ漣まないというのが出てくると思います。その場
大庭非常に難しい問題です。この分野は、私もほとんどわ
合、同時期に播積雪寸1
ば確かに簡易耕・存朝起のほうが反収
からない素人ですが、 1つは、観光の分野では特にふん尿で
が下がります背丈播種時期とかを前倒しすることにより簡易
す。本州の方々というのはこちらに来るとふん尿のあの形態
蒋防tコントラクタにとってよいとか、そういうような比1
、
安
にひ、っくりする。 1つはにおい。牧場というのはイメージ化
計算されていれば教えていただきたいのです功、
されてとてもきれいだと、本当に俊弘あんなにおいとか形
態があるというの例言じられないというのが、やはり働巴の
富沢そういう計算も現在のところしていませんが、忠樹ホ
部分です。それについては現在、いろいろな形で法施行され
十勝南部のほうでは 5月中旬から圃場を用意しまして、却蛾
ているし、皆さんも努力、情報提供されているので非常にい
全体で大体長くて 2週間ぐらいかけて播種の方は終了します。
4畦の普通の総合播種機のフランターであれば、 1日 5haく
関係するかどうかはわかりませんが、例えば、基本的には北
いと思います。あと、農業の部分については、この研修桧と
らい頑張れぽできるので灼t
、この高性能の待井起専用プラ
海道はあまり農薬を使っていないというイメージがあります。
ンターですと、 1日本当に頑張って 1
2
h
aできる。それであ
これはあくまでもイメージ可?す。刻、H
の方々が北海道を見た
れば倍
ときのイメージとして安』ふ安全というのは、一次産品につ
u上できるということにはなります方丈播種を前倒し
できる可能性は土壌凍結、乾燥などの問題等絡むので、なか
いてはとても信頼を持っています。加工品などは少し違いま
なか難しいと思います。
す功丈一次産品に関して北海道は全面的に受け入れるような
消費者は多く、完全に需要を持っております。それが今の質
酒井前倒しでなく、トウモロコシの栽培が増えてきた場合
問の部分とどう結び付くかという話になると非常に難しくて
に、完全耕起すれ悶番種作業の遅れが出てくるのではないか
わからないものがあります。
と思います。その時に、播種時期務省謝起で遅れたものは
それと、今回の話の中で出しませんでしたが、実は私ども
多分収量が下がるような気がするのでそのデメリットと、簡
~j:J,\イオマスをやっています。十勝管内のいろいろな賦存量
易耕起は確かに同時期に播種していれば反収として下がりま
を調査して、それと同時に、皆さんよくご存じのバイオエタ
すが、 5月中旬ぐらいに一気に播種出来る分カ渉くなるメリ
ノール事業を 3省から国の事業をいただきましてやっていま
ットがありますから、比較とかかできないものかと思ったの
す。その中にエネルギイ伺掬も入っています。現実にエネル
です均九
ギイ伊助で作ったバイオエタノールで車を走らせています。
その中で一番、問題になってくるのはやはり価格だと思いま
∞
h
a造成するのに
司会酒井さん、こういうことですね。 1 '
す。特に 4大作物についてはビート、小麦について既にいろ
完全穿井起すると 1
0日間かかります。けれども、簡易耕起で
いろな形で相当なところまで進んできています。現実の部分
あれば、先ほど大体 20%ぐらいの時間ということですから、
でしか私はわかりませんが、基本的にエタノールのコストは
2日間で終わる。そうすると、 8日間分は完全耕起して遅れ
合わないとよく言われます。ブラジルから横浜着が大体 40
て生育期間が短くなるために起こる減収と、簡易耕起で早め
円ぐらい。日本で年間 3 万キロリット)~宇ってもせいぜい 80
には1
宣することとで上回安すると、最終的には収量そのものは
円です。つまり作るのに倍かかるということです。エタノー
そんなに大きな差がないのではないか、そういう見方も必要
ルという話になるとそうなりますが、基本的にはエタノール
-19-
北海道草地研究会報 40(
2
0
0
6
)
はあくまでも伺植、いろいろな作物からいろいろなものがと
形を知っている方はほとんど、いませんでした。すべて牛は放
れるカスケード利用というのを北農研センターと一緒に共同
牧している。ふんはどういう処理しているかというところま
でやっています。これについてはいろいろな付力岡田値がある
で考えがいかないというのが現状です。出口の部分の現状は
ものがとれています。つまり、単体でものを抽出するとなか
そういうイメージになっていますので、これはもうしょうが
なカ可面格のコストが合わないですカミ 1つの作物からこうわ
ないと思います。ですから、別に隠すとかではなしに、基本
う過程でこれがとれる、これがとれる、これがとれるという
的にそれはそれで訴えていこうと。写真とかだけで、別にそ
話になってくると、樹薄いろいろな形で価格が合ってくる部
こに何も書くわけではない。何かそういう形の部分は訴えて
分が出てきます。そういうような形態を作ろうという形で、
きたいというのはあっていいと思います。
つは、技体尚なものも含めて、やはりチーズを考え
もう 1
出口の部分ではやらせていただきます。特に 4大作物につい
ていかなければならないというのが 1つの課題として出てい
ては特にやらせていただいています。
圏のチーズの技術をも
ます。すべてがフランスあるいは EU
司会実は今、大庭さんに話をしていただきたかったのは、
らってきているのが十勝の現状です。ですから、極端な話で
どうしても来ムたちは、ど、うやってトウモロコシを作るとか、
言 え 時l
賃カ漣いますからできあがる製品も味とかが違うと
ど、うやって家畜を飼うという議論はよくするのですでカ丈実際
は思いますが、あまり特徴がなくなってきてしまいっていま
のエンドユーサtーは消費者で、チーオであったり牛乳であっ
す。その部分についてはやはり飼うところから何かを考えた
たりするわけで、その辺りを僕たちがどうイメージして飼料
新しい商品、十勝らしい商品を出していかなりすリボパけない
生産なり家畜管理の技術開発をしていくかということが非常
ということで、これについては既にチーズの工房の方々で若
に重要なポイントになるのですうが、どうもそのところカ意義論
手リーグというのカ湖いていまして、働時的なものも含めて
する機会が少ない。大庭さんは自分は場違いだとおっしゃっ
既に検討に入っています。いいネタがありましたらという形
ています?が、逆に私と、もにとっては、いかにそのことをイメ
で探しているのも事実です。まだ具体的に商品としては出て
ージした技術開発を進めていくかということが重要になると
いませんが、それもやっていかなけれ助主けないということ
思います。私ばかり質問すると進行が大変で宮?が、意見をい
で、差馴じしていくという動きカ吋てきています。ですから、
ただきたいと思います。
放牧というのは非常に面白いと思いますうが、もしそれができ
れ}式うたっていっても面白くて差別化になるのではないか
河合(帯広畜産大勃今の話に関連してブランドの話です?が、
と思います。
本州の方のイメージという話がありました。縦持者、コマーシ
ャルとかを見ても、十勝にかかわらず北海道ブランドという
司会北海道のイメージが放牧、実際には本当に短い期間だ
と放防也の風景が映って、うちを見にくる学生たちもそうで
ったり、あるいはほんの一剖3
の農家であったりということで、
すが、北海道の牛乳というのは側交している牛から作られて、
これまでも放校の重要性、特に土:l~採リ用型畜産というテーマ
それでチーズやバターが作られているというイメージかすご
中では放牧の重要性が常に強調されていますが、なかなか放
いと思います。多少なりこの分野にかかわっていれば、例え
牧形態の農家数がそれほど増えていないというのか現状だと
ば自分のところで出たふん尿をまいてトウモロコシサイレー
思います。何かこの辺りで技体刑な問題があるのかどうか、
ジを作って自給飼料の比率を上げて作った牛乳でチーズを作
あるいはこの辺りが解決しないと放牧の拡大カ漣まないとい
るというとすごく魅力的で、多少値段が高いのもしょうがな
うことについて意見があればお願いしたいのですが。
いと思います功丈その辺りにギャップがあります。実際に放
牧で作られている牛乳の率もそれ程高くありませんし、本州
松村 (~tr筋萱農業頴汗究センター)
の方のイメージと実際の十勝で作られている牛乳とのギャッ
うかもしれませんが、放伎で今、忠類で実証試験をやってい
今の話から少し戻ってしま
プを明らかにしていくべきか、それともそういうギャッブPを
がかなり変わってくると
て、放牧の率をかなり高めると牛手l
今更です?が、隠した上でブランドとしてやっていくべきか。
いうのはもうわかっています。その地域とも比較してみて、
考えを教えていただきたいと思います。
かなりの味に違いが出てきて、試飲していただいても=謝面の
違いがあるというところです。その中でアピールしているの
大庭隠して、というと言葉的には悪いと思いますが、実質
は、地域の特徴を出したものが売れれはその地域の経済に
的に今言われたように、放牧している、というのは、 100%
もつながっていくのではないかということで、もう始めてい
放牧だ、と 思っているのです。本当に知識がある方というのは
ます。もう一つ、放牧のイメージと実際とに帯離があるとい
d
別で、これは本当にわずかの人たちです。実はウェブ調査を
う事実はありますでが、舎飼いイコールバツではいけないと思
東京・大政で 3
,
0∞人・ 3,
000人の計 6
,
0
∞人、年代別で色々
います。舎飼いでも買い餌だけでやってしまっているような
な方にやっています。その中で出てきたこととして、今おっ
場合はもちろんあまり信用できません。餌として安心暗紡精
しゃったように、牛を飼ってふん尿をまいて循環させている
てないというのはあると思います方丈実際に自分でいいサイ
-20-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
レージを作って、ふん尿を還元してトウモロコシもしっかり
採って、牧草もしっかり採って、年間を通じて高い自給率で
やっている舎飼いもしっかりあるということを隠さないでど
んど、んアピールしていくべきではないかと逆に思います。放
牧イコールクリーンというだけではなく、餌の自給率という
ところもしっかり安J
L
憾の核ととらえて、それをブランド化
の中でもうまくうたっていくことができれば、本州の畜産と
の差別化という意味でも考えていけるのではないかと思いま
す。ブランド作りをしている邸皆でも、飼い方だけにとらわ
れず餌の本質をしっかりと、うやって消費者にアピールしてい
けるかというところ辺りを、フランド化の中でどういうふう
にアピールしていけばいいのかというのを大庭さんにお聞き
したい。
司会先ほど大庭さんの話にあったように、認証制度の中に
生産履歴、特に生乳の場合は今の集乳体制の中ではいろいろ
と難しいです。差別化のときにはまた独自のライン等を持た
なければならないようなことになると思います。今の放牧の
話は、そういう意味では履歴を明確にすることで差別化の要
因として十分であり、放牧に限らず生産履歴そのものを
100%開示できることによって差別化につながると私は思い
ま
す
。
大庭おっしゃるとおりだと思います。今の生産履歴の定義
というのは、基本的には牧場をたどれるというところまでで
す。実質、その中でどのような餌を与えてどういうふうに飼
育しているのかというものには一切言及していません。一部、
おっしゃられたような形の意見が出てきています。ただ、こ
れをやってしまうと、実はフェルミエタイプのチーズ繍諜部
注 フェルミエチーズ己農家製チーズ)というのがあるのです
が、牛を飼っていてそこで作られているところはいいのです
が、実はそれ以外が半分あります。チーズだけを作りたいと
いうことで、管外から来られている方か紛薄います。要する
にチーズ専用工場です。それはフェルミエタイプのチースで
なければ嫌だと。その辺りの所で、もう一つはそこで、自分
の選定した牛礼この牧場の牛割片激しいということで手に
入らない工房さんがあるのです。ここを何とかしないと実は
生産履歴を追えないという話になっていく部分があるのです
が、そのところをどうやってクリアするかという問題が lつ
あると思っています。
司会先ほどの、方対交の件です功t
…
。
平山(サージミヤワキ) 以前、新得の試験場に勤めていたの
で、非常に今日の話に興味を持って聞かせてもらいました。
今、前田さんが言われたことについてですが、実は、私は試
験場を卒業してから牧柵屋の住事を少しやってきました。放
牧を普及したいということで仕事をしてきた中で、今、言わ
れたように放牧が伸びない一番大きな理由は、はっきり言っ
て、農協が反対をするということ。極端な場合は、わが村に
来て放牧のアピールをしないでくれ、と農協にもつつかれる。
例えば数十頭の牛を飼っている酪農家が旋伎に転向すると、
畠がやはり千 kgぐらいは落ちてくる。それは
間違いなく手l
困る、と。それから餌代がやはり 3--4割、場合によっては
5割ぐらい購入飼料を落とすことができる。これも困る、と。
これを村中でやられたら農協は困るのだ、ということで拒否
反応をする。中には途中で転向してくれて放牧推進派になっ
ている農協の組合長もいますが。そういう点は非常に大きな
ネックだ、ったと思います。だから個々の農家がやる気を起こ
しても、周辺が力でそれをねじ伏せる。現質カ潜ちたときに
t
尉商されるというのが今まででにただ、高丘は新聞でも報
道されているように、これから牛乳の生産調整が入ってくる
とか、今日の話にあるような、少し自給飼料でいきたいのだ
というのは、本当に農業関係者全員がその辺りの理解をすれ
はこれは素晴らしい追い風になってくるという気がします。
それから大庭さんにも聞きたいのですが、今、寸勝ブラン
ドのチーズというのを聞いて非常に楽しみにしています。例
えばカマンベールという名前でどこにでもチーズがあります。
実際にはフランスに行くと、厳密なAOCの規格の中で地蛾
を指定され、製法はもちろん、乳併ま品種も指定されていま
す。同じようなカマンベ,-)レだと,思っても接的漣え問まかの
名前になってくる。その辺りと十勝ブランドはどういう形で
整合性を持ってこれから進められるのかということをお聞き
したい。
大庭おっしゃるとおり、 AOCの協定の中に慰僻称制度
というのがあり、カマンベールとかいろいろなチーズの名前
がそれは使ってはいけないというものが全部あるので宮?拭
十勝もそれをやっていかなけれ帥パけないというのは関係者
の方々から声が出ています。先ほども言いました官自蹴績も
含めて、まず十勝のチーズの中の分類カ?できていません。最
初はカマンベールとかいろいろな形で分類をしていたのです
れやはりまだ技術的にフランスからのまねという形カ渉い
ものですから、十勝独自のいろいろな作り方、製法、あるい
はこれから十勝虫自の名前を付けるのかもしれないというの
を、これから作っていきたいという話をしています。まだス
タートした関漕の部分では、ハードタイプとソフトタイプと
付
いう形でしか分けていません。これは、ある程度、名前カt
けられるような、寸慨虫自の名前例寸けられて、寸務のどこ
のという特徴付けができるような形でさらに細かく分けてい
きたいと考えています。
司会ありがとうご、ざいました。今、平山さんが放牧の伸び
ない背景について指摘がありましたが、そういった背景によ
昌:71<準を維持しながら放校技
り、現昼を下げない、現在の手l
術を導入していくという煽情的な課題があり、梯荷開発はこ
-21-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
れまで樹誇やられていると思います。 2
""3年前、機!備式
さんから前段で土t
断リ用型畜産の意味合いと今後の発展方法
の成績の中で、現行の現島k
準を維持していくための草地管
の指摘がありました。これと地域のブランド化ということの
理なり、放牧というのを提案されてはいます方丈なかなかそ
利用型畜産という方向に進む
つながりをお聞きしたい。土地5
れ胸膜に普及していかない。そこにはやはり、試験場の中
ときに、生産物なり、あるいは地域の取り組み、ブランド化
での結果はでるのですが、実際に生産の場に戻したときに十
そのものがこり由利用型畜産の発展に必要なもの、前提になる、
そのまま入っていかないと、やはり櫛府開発の中
分 に 技 伽t
そういった考え方で、よろしいのでしょうか。少し考えを聞き
でのウィークポイントがどこかにあるのだと思います。その
たいので宮ーが。
辺りについて根釧蔚式で担当された方がいます。山川さん、
今は所属が違いますが。
大庭最終的にはそこまで行くと思います。今、ものを買わ
山川健立天北農業鵡賜) とてつもない大きな課題です。
例が機台国生が一番いい例だと思います。機台国主について細か
れている方も非常にいろいろな形で勉強されていて、 1つの
今までのいろいろな話を聞いて、ます宅率直な感想、は、十勝は
いこと、例えばポリフェノールについても名前だ、けは皆さん
やはりすごいなと。私は十勝で生まれたのですうが、こんなに
知っている。そういう知識à;Q~非常に出てきています。次にお
変わってしまったのかというので少し驚きを感じています。
そらく行くのは、今言われているのは、基本的にはやはり自
それはそれとして、私たちの研院の立場から少し自分の考え
然観。こういうふうなところでこういうふうに採られたもの
を話したいと思います。根金!眠缶百では技術体系化チームの責
がみんなの食卓に並びますよという、顔の見えるものが非常
任者ということで仕事をしてきました。そこで当時感じたこ
に望まれています。この部分では市場も相当伸びていると聞
とと今感じていることとほとんど共通ですが、ここにいる先
いています。ですから、今言ったように、こういうふうな形
生方、いろいろな技術を開発され、私どもも少しですヲ関支術
でこういうふうに作った、というのがはっきりわかるような
開発などをしたところです。実際に、例えぼ今日前におられ
形で市場に出でいくような形態、あるいは加工商品に結び付
る富沢さんたちと一緒に現場を見てみると『おれたちの技術
く形態ができればこれは 1つのアピールポイントになるし、
はどこへいっているのだ、ろう』と考えたことがあります。そ
これからはそれが多分、出ていかないと非常にきつくなるの
ういうときだからこそ、われわれとしてはどういう技術をど
ではないかと考えています。
ういうふうに普及するのかを考えたほうがいいのではないか
と思います。そちらへ少し軸足を移したほうがいいという気
司会鵜川さんいかがでしょうか。
漸しい
がします。もちろん、先端技術、これからもどんどλ
技術を発表されるのは当然のことだ、と 思います方丈その技術
鵜川大庭さんのおっしゃるとおりで私も特に付付加えるこ
をどのように現場に入れるのかという定着技術も研院しなけ
とはありませんが、ブランドと言ったときには、酪農の場合
d
ればならないものだと思います。ある意味では、北海道は普
には大雑把に 2つくらいの方向を分けて考えた方がいいと思
及来邸哉というのはしっかりしており、そちらのほうにほとん
います。 1つは今大庭さんからの話にあったように、十勝ブ
どおんぶにだつこという状態で来たのですが、今はそういう
ランドということで、具体的な製品のレベルのプランです。
状況ではない。私たちの研究の勢力のある部分は、そういう
その中では先ほど、の話にもあったように、生産履歴のことな
人たちと一緒になって、協時の定着技術の開発という新しい
どが出てくれば当然、原料乳の生産履歴捻ども出てくると思
分野がにつぎ込んでもいいと私は思います。
います。その牛割;IJ~放牧なのか舎飼いなのか、あるいは違う
あと今は天北におりますが、ここは土j
師リ用型というのは
か、そういったことが出てきますから、そういう中で土蹴リ
実現できる場所だと思います。転勤して、あんなにまだ畑に
用型酪農というのはかなり有力な指標になってくるのではと
ロ-)レカ転がっているというのは実はショックでした。そう
思います。それが 1つです。
いう意味では使える土地がたくさんあるのだから、どういう
もう 1つ。そうは言っても、そういった十勝プランドなり
ふうに利用するか、そういうようなところ、これまでの梯荷
個別の製品のブランドで販売できる絶対量はやはり多くない
を定着する技術というものを、現場の人たち、普及員、もち
と思います。北海道酪農で生産される牛乳のうち一部に過ぎ
ろん農協の人たちも含め仕組みも作ることか軍要と考えてい
ないだろうと。多くの部分は一般の飲用手しなり手県品という
0
0数人のうちの
ます。そういう意味では、ここにおられる 1
ことで消費されるわけです。では、その中で土却訴IJ.用型酪農
十数人の方々ぐらいはそちらへ向いていただ吋オ1
ばいしミと思
というのはどのようなメリットがあるかというと、それは先
います。
ほども申しましたが、デカッフリングという政策体系になれ
は納税者に支持されるような生産方式が求められそれは
司会ありがとうございました。技術開発から普及技術の開
側用型酪農だと思います。先ほどのブランドの話に戻る
土j
発です布。非常に大事なポイントの指t
商だったと思います。
と、大庭さんの話にもありましたが、北海道というのはもう
先ほどから十勝ブランドの話が議論されていますが、鵜川
それ自体、都府県から見るともうフランドに立っているので
-22-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
す。地域名がブランドになっているというのは、おそらく北
は
、 1つは酪農家の経営責任できちんと入れていくという考
海道と京都ぐらいではないかと言われていますが、そういう
え方が出てきて、きちんとした土地面積を確保じて入れてい
意味で~Ij鎚というのは倒立な位置にあるわけですから、そ
かなければならないという方向が考えられます。私はこの方
の優位なものをそのまま崩さずに維持していくときの手段と
向カ沼津ではないかと考えています。ただし、十勝の酪農家
して土地刷用型酪農技術というのがあると 思います。先ほど
の面積と頭数の比率を考えるとふん尿は確実に余剰なわけで、
畜大の先生から、そうは言っても実態はそうでないものがた
ふん尿のプラス面をこれからどんどん生かしていこうという
くさんあるではないかという話もありましたが、それはやは
考え方も重要だと思います。畑作生産でふん尿を』酔}として
り隠不必要はありませんが、今あるイメージを崩す必要もな
利用し、化学目勝}を減らせる。先ほど酪農のイメージの話も
いと思います。今崩す必要もないので、土地刷用型酪農の技
ありましたが、畑作のイメージを考えても、有機物を十分に
術を前面に出して、それをアピールしていけばいいというこ
施用して化学目勝}を減らした循環農業をしているのだという
とだと思います。放牧の話をすると、特に生産段階の方から、
ことを訴えていくという方向も魅力あると考えています。こ
d
放牧のことをアピールし過ぎると、先ほど松村さんの発言に
村レベル
の辺りの判断というのは、自分の却娘、例えば制I
もありましたが、舎飼いカ濃いかのような印象を持ってしま
でどういう方向で環境保全型農業を地域として作っていくか
うからあまり言うなという話をおっしゃるのですが、私同這
という姿勢にかかってくるのかと考えています。
うと思います。放牧の良さを言うのであって、別に舎飼いが
悪いということは一言も言わないわけですから、いいところ
のシン
司会ありがとうございました。草糊移桧で、最E
をもっと前へ出していく、また少しでも広げていくというよ
ポジウムなりで出るテーマというのは、この土地利用型畜産、
うな取り組みが大事ではないかと思います。
いかに飼料自給率を上げていくかというのを流れとして議命
司会ありがとうございました。もう残り時間が少なくなり
出也域ブランド、イ務ブランドということで取り組みを~
ました。十勝ブランドあるいはイメージと実際のギャップと
していただきましたが、その中で私どもがこれま台義論して
してきました。その中で今日、別な視献、ら、大庭さんから
の一体化が蔚麦に鵜川さんから樹商がありましたが、後始末
きた土地刷用型畜産なり、あるいは飼料自給率の向上が十勝
の問題をクリアしていかないと実態とイメージの一体化とい
ブランドを支える櫛荷開発に十創立置付けられるというのを
うのは難しいものがあると思います。田村さん、先ほどは幾
皆さんの意見、大庭さんの話から感じました。今日のシンポ
つかの技術項目をこういう方法できますよ、という話をいた
ジウム、特別まとめということではありませんが、これまで
だきましたが、実際に寸慨に当てはめたときに、十勝ブラン
私どもカ漣めてきている働時開発なり、考え方の方向性とい
ドなり、あるいは土地利用型畜産という方向に流れていくと
うことは、エンドユーサーの視献も見ても、十分それに耐
きに、どういう方向、手段でうまく利用していくかというこ
えうるものだと考えます。ですから、富沢さんの紹介もあり
とですが、その辺りの考えを少し。
ましたが、これから地坊での自給率の向上というためにさま
ざまな取り組みを進めているので、それから山川さんから指
田村今回、私は、現状の飼養密度の関係から帯構連携カ泌、
摘があったように、技術開発、それからもう 1つ、普及擬時、
要であるという話をしました。蒋情連携という話は、言葉と
あるいは普及そのものを研隣瀬澗あるい同研究者の責務では
ば
してはいろいろなところで聞かれて、十勝は蒋情連携す寸l
ないかという指摘もありました。やはり、損府開発と生産者
現状の酪j農ふん尿はうまくまわるのだという話もあります。
と、それからそれをつなぐという、そして、崩麦はエンドユ
しかしそれを働時的に見ていくと、先ほど手
ーサ三一のところまでトータルとしてものを考えていく重要性
ωあげたように、
結構大変な煽情の導入カ泌要になるということを話しました。
をイづ士に今日の話の中で感じましたので、これから、北海道
どういう方向でふん尿を利用していくのがよいかということ
の朝也僻昨物の協府開発が地獄の発展に十分寄与できる方
は、私も今の関稽ではなかなか言えません。少し違った話を
向性を持って進めてきているということを磁志して、今日の
しますでカミ十勝のふん尿量は年間大体 500万トン出てきます。
シンポジウムをこれで終わります。どうもありがとうござい
この 500万トンの中の窒素量というのは、畑作や酪農で使わ
ました。
れている化学』酔}と比べても、匹敵する量の窒素が出ていま
す。この膨大なものを有効に利用していくか、環境汚染の原
因としてしまうか、絶対量が非常に大きいだけにどちらの方
向にぶれるかというのは、十勝農業にとって非常に大きなイ
メージ上の問題になります。環境保全型の経営に対して何ら
かの政策カヰ丁たれようとしたときには、非常に大きな問題に
なってくるだろうと考えています。有効に利用していくには、
やはり土地に入れなければならないわけで、そうしたときに
-23-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
バイトカウンターを用いた採食量の推定
2
1600
:
R
梅村和弘・渡辺也恭・坂上清一・須藤賢司寧
~
y=1
.
9
x+47 R =0
.
9 n=46
1400
31200
。1000
空 800
0
E
s
t
i
m
a
the
巾a
g
ei
n
t
a
k
ew
i
t
hab
i
t
ec
o
u
n
t
e
r
.
λ
会
4
ミ
a
r
i
y
a
s
u WATANABE・S
e
i
i
c
h
i
K
a
z
u
h
i
r
o UMEMURA・N
600
400
200
SAKANOUE・K
e
n
j
iSUDO
100
緒
200
300
400
500ωo
700
800
岨 鴫 回 数 回 ハ 0分
官室F
E司
図 1.岨嘱回数とカウント数
酪農においてその飼養体系に新たに放牧を取り入れる
場合、放牧牛の採食量が推定できることが望ましい。そ
こで、農家で使える簡便な放牧牛の阻嶋田数の計測方法
を開発し、岨嶋田数と草現存量(草高)から採食量の推定
を行った。
y=3x10~x
F
f=0.71
n=45
20000
30000
腎 2口
、、
"
E
材料および方法
頭絡を用いない採食時顎運動計測装置(バイトカウン
ター)を開発した。前後差法により求めた食草量とその
国
。15
咽
側
E
抵
時のバイトカウンターの計測値から検量線を作成し.そ
1
0
の精度を検証した。なお、草現存量は草の支持力により
推定する方法(ライジングプレート)を用いた。
結果および考察
牛が放牧地で採食する際は必ず頭を下げ、反努時は頭
を上げるため、首輪にバイトカウンターを装着するだけ
1
0000
40000
50000 60000 70000
カウント数 c
o
u
n
t
l頭
図 2 カウント数と採食量 (
1
0
0
1
5
0
D
M
g
/
m
2
)
で、反努時は計測せず採食時のみの岨嶋田数が計測でき、
採食に伴うバイトカウンタ一計測値と、円視観察により
得られた阻鴫回数は正の相闘があった(図1)。頭絡を用
いないので農家でも使いやすく、この原理を応用すれば、
定できる(図 2、 3
)。計算は容易である。非常に草高の
y=4x10~x
F
f=0.71
n=29
‘
:
贋
¥
凶 420 咽側雄
100-150DMg
/
m2用 (DM:乾物重量)と 200
・2
50DMg/m2用
の 2本を作成し、草現存量に応じて使い分け採食量が推
nuEnu
内
,
ι
バイトカウンターは市販の万歩計で代用できる可能性が
ある。草現存量に応じた検量線は、草現存量が
10
低い草地では、別途、検量線が必要である。また、野草
地など草高が非常に高い草地では、バイトカウンターの
計測原理上、計測できない。一方、草現存量の推定はラ
イジングプレートで行ったが、この場合、別途ライジン
1
0000
グプレートの値から草現存量を推定するための検量線が
30000
40000
50000 60000 70000
カウント数 c
o
u
n
t
l頭
図 3 カウント数と採食量 (
2
0
0
2
5
0
D
M
g
/
m
2
)
必要である。
北海道農業研究センター (
0
6
2・8555 札幌市豊平区羊ケ丘
1
)N
a
t
i
o
n
a
l A
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
l R
e
s
e
a
r
c
h C
e
n
t
e
rf
o
r Hokkaido
S
a
p
p
o
r
o,
Hokkaido062・8555,
J
a
p
a
n
Region,
.~t 海道農業研究センター畑作研究部 (082・0071
20000
芽室町
新生)N
a
t
i
o
n
a
lA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lR
e
s
e
a
r
c
hC
e
n
t
e
rf
o
r Hokkaido
,Memuro,Hokkaido082・0071,
J
a
p
a
n
Region
-24-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
牛の行動情報を取り入れた放牧草地の評価法の開発
間後半で縮まった。また, 2牧区と 3牧区のバイトカウ
ント値は年間ではほぼ同じ値となった。
渡辺
也恭・坂上
清一・梅村和弘
考 察
τ
'
hed
e
v
e
l
o
p
m
e
n
to
fp
a
s
t
u
r
ee
v
a
l
u
a
t
i
o
nmethodbya
d
o
p
t
i
n
g
i
n
f
o
r
m
a
t
i
o
nonc
a
t
t
l
eg
r
a
z
i
n
gb
e
h
a
v
i
o
r
.
1牧区は他の 2つの区と比較して,バイトカウント値
が著しく高くなったことから,簡易更新による採食環境
e
i
i
c
h
i
S
a
k
a
n
o
u
e・K
a
z
u
h
i
r
oUmemura
N
a
r
i
y
a
s
uW
a
t
a
n
a
b
e・S
の向上が牛の行動に大きな影響を及ぼすことが明らかと
緒 言
なった。ただい放牧期間後半には,その差が縮まった。
これは放牧期間前半での 1牧区での集中採食による草量
放牧地において牛の健康や高増体を維持するためには,
不足,排糞による不食過繁地の形成および、踏みあらしに
施肥や転牧または草地更新の決定など放牧草地の適切な
3牧区の採食場所と
よる利用面積の減少などにより, 2,
管理を必要とするが,その草地管理の判断はこれまで植
しての価値が相対的に上がったためと考えられる。
生や現存量など主に草側の情報を基に行われてきた。し
3牧区の位置記録回数は 3牧区と同様の草地来歴を持
かし,放牧牛の選択採食のしくみは複雑であることから,
つ 2牧区のものと比較して, 5・6月および 9 月で高くな
放牧牛がどの場所での採食を好むかなど草側の情報だけ
った。これは 3牧区の持つ被陰林の効果ではないかと推
では把握が難しい場面も多い。より適切に草地を評価す
定される。しかし,気温の高い 7月には 2牧区との値が
るためには,牛の選択採食行動の情報を直接把握するこ
逆転していることから,直接の日よけとしての効果以外
最近, GPSの発展により,放牧地に
の効果(例えば外敵から見えにくい,パドックに近いな
とが必要となる。
おける牛の位置が労力なしに連続して把握することが可
ど)があることも考えられる。
能となった。本研究では GPSと食草時顎運動計を用いて,
年間のバイトカウント値はほぼ同様であったことから,
放牧地のどの場所で採食しているのかについて連続的に
牛にとってのこれらの区の採食場としての魅力はほぼ同
データを取得し,解析することにより,牛の行動情報を
等であったと考えられる。
取り入れた放牧草地評価法の開発を試みる。
一方, 2牧区と 3牧区で
本調査のような手段を用いることによって,草地管理
の決定のための指針となる草地評価が,植生や現存量な
材料および方法
どの草側だけの情報によらず,牛の行動情報に基づいて
黒毛和種繁殖牛 1
0頭の定置放牧をしている北農研内
も行えることが明らかとなった。
、
¥
草地 (
7.
3h
a
)で本試験を行った。草地は 3つの牧区からな
,‘、円。
Jhe--E
・
1 2 4d
4t
h 珂4daR山 、 , 胆 回 関E
山 レ ド ‘13.、 . 、 、
凶
副 7・
ー
・
v
F1hw!t
¥
も
¥
¥
,FEV
4
m
ω
寸
'hv
,
J W﹄砲に々、械情︾¥ 2
¥
﹀
t、・・・・
/
ω
J
。
結果
4
トカウント値を記録した。
J¥¥叶或/鴎一問、¥バ
ヤパ/
月の各月 1
0日間, 1
0分に 1回の頻度で採食位置とバイ
〆
6,
7,
9
できる。放牧牛 1頭に GPSと顎運動計を装着して, 5,
嗣〆/白町、
ftle
を含む(図 1
)
0 2,
3牧区ともに経年化によりハルガヤの優
占度が高くなっている。牛はこれらの牧区を自由に移動
¥'FZ
制¥/¥
、,問団¥/¥¥
¥
、 t - J
嶋〆
年に簡易機械造成した傾斜草地で 3牧区は被陰林 (
0
.
6
h
a
)
¥¥ィ, ,
、
¥
隠
‘
々
、 ・
¥、¥、 Jivm凱 / も メ
り
, 1牧区 (
2.
5h
a
)は
、 2002年にペレニアルライグラスで
簡易更新した草地、 2牧区 (
2
.
1
h
a
)と 3牧区 (
2
.
7
h
a
)は 1
9
6
7
GPSによる位置記録回数と食草時顎運動計によるバイ
トカウント値の結果について表 1に示す。位置記録回数
図1.試験地概要.
2
2
7
3回)>3牧区 (
1
3
8
5回)>2牧区 (
1
0
5
3回)の順
は 1牧区 (
となった。各月ごとにみてみると、 5,6月は 1牧区で多
, 6月
, 7月
, 9月における各区での牛の記録された
表1.5月
く
、 7月には 2牧区、 9月には 3牧区で、多かった。被陰林
位置記録回数(回/10日)とバイトカウント値(/10日)
を含む 3牧区は気温の高い 7月で回数が低かった。
バイトカウンH
直
位置瑚轍
1牧区のバイトカウント値は,すべての月で 2牧区と 3
Ll
Inu--Eロ
守
R
e
g
i
o
n, H
i
t
s
u
j
i
g
a
o
k
a, T
o
y
o
h
i
r
a
k
u, S
a
p
p
o
r
o, H
o
k
k
a
i
d
o,
民JvaU
北海道農業研究センター (
0
6
9・8
5
5
5 札幌市豊平区羊ケ
丘 1) National A
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lR
e
s
e
a
r
c
hC
e
n
t
e
r
,Hokkaido
同月同月同月同月
牧区の合計値よりも高かった。ただし,その差は放牧期
0
6
2・8
5
5
5,
J
a
p
a
n
-25-
1区
2区
3区
7
0
6
お4
3
2
4
1
7
0
,
3
6
4
7
2
8
7
8
2
8
1
2
3
6
,
1
6
1
4
0
6 425
3
3
2
4
3
3 2
9
6 仰
2
,
2
7
3 1
,
0
5
3 1
,
3
8
5
1区
1
8
2
,
2
4
6
2区
5
4
,
2
2
6
1
3
,
8
6
4
3区
4
6
,
0
0
9
4
8
,
2
9
7
8
7
,
3
7
1 7
7
,
1
2
9
8
5
,
7
1
9 飢餓
7
7
0
,
6
1
9 2
4
1,
1ω241,
0
0
3
1
8
1,
8
4
8
北海道草地研究会報 40(
2
0
0
6
)
放牧強度の異なる乳牛定置放牧における輯劃鵠赤乃季節推移
wm*・遠藤哲代官・高橋誠帥
栢原裕之*・ SawBa
つ密度を草種別に調査し、各草種の草量から重量比を算出した。
賭察
結果およZ
上田宏一郎合.中辻浩喜士・近藤誠司柑
冠部被度では、
w
c
、雑草およと舟馳はわずかであった。長草
型の冠部被度は 2
7
4
2
%
であり、短草型は 3
8
6
0
%
で処理問で差
S
回S
α1
8
]c
h
a
n
g
eo
f
l
x
湖 国 伺l
c
α甲 田i
t
i
o
n明白 d
i
f
f
e
r
e
n
ts
t
l
∞地1
9
r
a
t
e
∞
凶19of也iry∞m
u
n
d
ぽ s
e
t
s
t
l
H
i
r
o
y
u
k
iKAS
四 WAB
組
TAKAHAS
回・
A・
Sa
wBawm・T他 国h
i
r
oE
N
o
o
・
lが最
は見られなかった。草高では、長草型および短草型とも S
も高く、その他の処理聞に差は見られなかった。草量は放牧強
M
a
k
o
t
o
K
o
i
c
h
i
r
oUEDA・HiI樹 NAKATSUJIa
n
dS
e
i
j
iKa
叩O
度が高いほど低く推移した。また、短草型はいす守1
の処理も放
牧期を通じてほぼ一定であったが、長草型では放牧強度の高い
処理区で放牧期の進行に伴い減少し、減少程度は放牧強度が高
いほど大きかった。したがって、重量比では放牧強度が高いほ
緒言
定置放牧では、放牧期間を通して放牧地全体に一定頭激の家
ど放牧期の進行に伴い短草型の害恰が増加する結果となった。
畜を放牧するため、草地に連続した放牧圧がかかり続ける。輪
分げつ密度は長草型ではいずれの処理も放牧期間を通じてほぼ
換放牧では高い放牧強度で放牧を続けた場合、 O
G
、T
Yのような
一定であったが、短草型は放牧強度が高いほど放牧期の進行に
長草型草種カ滅少し、 P
R
、問などの短草型車種が優占するとと
伴う分げつ密度の増加程度が大きかった。
科医告されている。しかしながら、比鞠倣牧強度の高い定置
2500
∞o
2
放牧における放牧強度と草種構成の関係を検討した報告は少な
'
e1500
、
、
刷
特 1000
い。そこで、放牧強度の異なる乳牛定観文牧における草種構成
500
の季節推移について検討した。
内
物生踊形E
農場内の利用 2
0年以上のイネ科主体マメ科混生草地
であった。主なイネ科牧草は O
G
、T
Y(長草割、 P
R
、間短草劉
250
2500
∞o
e
'1関口
、
、
200
であり、マメ科牧草は W
じであり、雑草はウマノアシガタカ渉く
を占めたο その草地内に面積の異なる試験パドックを 5つ設定
内
4n4411E
E
¥M宵
刷
関式草地はね毎道大学北方生物園フィールド科学センター生
n
u ununununu
閃∞切∞印
材料および方法
2
ぞ 150
~1 ∞
*
刷
1000
500
国
5
0
し (
2
5, 1
2
.5
,8
.
3, .
56および 4
.
2
a
)、ホルスタイン種未経産
牛(平均体重 4
8
3
k
g
)各 l
頭を 1日 .
25
時間定置放牧した。草地
織査を均一とするため 2
0
0
5年 6月 2
9日に掃除刈りを行い、 7月
1
5日から 1
0月 2
6日までの 1
0
4日間試験を行った。草地調査は
∞
∞
e15∞
、
、
*10
∞
250
2
5
200
2
0
を150
E
1∞
N
国
∞
5
5
0
コドラート法により 2
週間に l
度冠部被度、草高、草量、分げ
0
印・ 8
589柏幌市北区北 9条西
吋回毎萱大学大物完倭判形明ヰ (
250
9丁円) G
r
a
d
u
a
t
eS
c
h
∞
,
}o
fA
g
r
i
c
u
l
t
w
主 Ho
比a
i
d
oU
n
i
v
e
r
s
i
,
y
t
S
a
p
p
ぽ0
06
仏8
5
8
9
,
J
a
伊n
200
2500
S
5
∞
2
0
を150
e15∞
、
、
言100
特1
0
N
∞
国
帥北海道大学北方生物園フィールド科学センター (
0
船 0
8
1
1
50
500
札幌市北区北 1
1条西 1
0丁円)F
i
e
l
dS
c
i
e
n
c
eC
e
n町 f
o
r
ぽe
,
Hokk
泊doU
凶Vぽ 司t
,
y Sapporo0船 0811,
N
o
r
t
h
e
r
nB
i
o
s
p
h
ロ長.型
図1
.草量の季節推移
Japan
-26-
・短草型
図2
.分げつ密度の季節推移
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
泌乳牛の定置放牧における放牧強度および開始時草高の
放牧期間を通じて対照区が最も高く推移した。高強度区
違いが翌年の草地構造の推移に及ぼす影響
の草高は、 6月まで低草高区より高かったものの、 7月以
降両処理同程度で推移した。 2005年の草高は 2004年と
遠藤哲代*・ SawBawm*・相原裕之*・高橋誠**
上田 宏 一 郎 * ・ 中 辻 浩 喜 安 ・ 近 藤 誠 司 帥
同様の推移で、あったが、 3処理とも 2004年より低い結果
E
f
f
e
c
tofs
t
o
c
k
i
n
gr
a
t
eandi
n
i
t
i
a
lswardh
e
i
g
h
tonsward
移した(図 2
)。分げつ密度は 2004年放牧開始時では 3
s
t
r
u
c
t
u
r
ei
nn
e
x
ty
e
a
ru
n
d
e
rs
e
ts
t
o
c
k
i
n
g
処理とも約 2500本 /
r
r
fであり、対照区は開始時と同程度
)。草量は 2005年では 3処理とも 5月で
となった(図 1
草量の増加はみられず、放牧期間を通じてほぼ一定に推
byl
a
c
t
a
t
i
n
gd
a
i
r
ycows
r
r
f、低草高区は 3100
で推移したが、高強度区は 2900本 /
i
r
o
y
u
k
iKASHIWABARA
T
e
t
s
u
s
h
i
r
oENDO・SawBawm・H
本/
r
r
fへと増加した。 2005 年放牧開始時の分げつ密度は
o
i
c
h
i
r
oUEDA・H
i
r
o
k
iNAKATSUn
MakotoTAKAHASHI・K
前年終了時と同様の順で、あったが、 2005年終了時には対
andS
e
i
j
iKONDO
照区の変化は小さく、高強度区および低草高区では約
4000本 /
r
r
fにまで増加した(図 3
)。枯死物割合は、 2004
年では対照区と高強度区は同程度であり、低草高区で最
緒言
定置放牧は、一放牧期間を通じて放牧地全体に一定頭
数の家畜群を放牧する管理方法である。そのため、単位
も低く推移したが、 2005年では対照区に対し高強度区お
よび低草高区ともに低く推移した。
面積当たりの放牧頭数である放牧強度を調節して家畜の
以上から、 2004年は対照区と高強度区で枯死物が増加
利用草量を変化させるか、または、開始時草高を調節し
したため、放牧終了時の分げつ密度は対照区で、最も低く、
て牧草の生産量を変化させることによって、草地構造が
低草高区で最も高くなった。 20Q5年では 5月に草量の増
異なるとおもわれ、その変化は経年的におこると考えら
加が見られなかったことから 3処理とも前年ほど枯死物
れる。本研究では 3年計画で、放牧強度と開始時草高の
の増加が見られず、高強度区で、分げつ密度は増加した。 2
違いが草地構造に及ぼす影響を検討する。本報告は 3年
年間を通じてみると高強度区より低草高区で枯死物が少
計画の 2年目であり、泌乳牛の定置放牧において 2年間
なく、分げつ密度は高い傾向にあった。
にわたり草地構造の変化を検討した。
c
m
一
・
← HL
25
ーO-H
H
20
材料および方法
2003年に造成したペレニアルライグラス主体シロク
1
5
ローパ混生草地 0.66haを 3つ用い、定置放牧をおこなっ
1
0
5c
m,
た。試験処理は 3処理とし、対照区(開始時草高:1
放牧強度 6
.1頭 /ha)に対して、放牧強度の高い高強度区
(
1
5c
m,
7
.6頭 /
h
a
)および開始時草高の低い低草高区 (
8
c
m,6.1頭 /ha) を設定した。各処理区にホルスタイン種
5
。
一合一
思為明白
図1.草高の季節推移
tOM/ha
泌乳牛を 1日 5時間制限放牧した。草地調査は、草高、
5
.
0
草量およひ。分げつ密度について、 2週間ごとにおこなっ
4
.
0
た。草量は地際で刈取って測定し、イネ科牧草の葉部と
3
.
0
茎部、マメ科牧草、雑草および枯死物重量は、草量測定
2
.
0
時に刈取った牧草サンプルを部位別に分け重量を測定し
1
.0
た
。
0
.
0
車窓~
図2
. 草量の季節推移
結果および考察
気温は 6月以降では両年同程度であったが、 5月は 2005
1000本/rrl'
5
0
年が 2004年より 5Cほど低かった。草高は 2004年では
*北海道大学大学院農学研究科 (060-8589 札幌市北区北
9条西 9丁目)
G
r
a
d
u
a
t
eS
c
h
o
o
lofA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
e
,Hokkaido
,Sapporo060・8589,
J
a
p
a
n
U
n
i
v
e
r
s
i
t
y
。
**北海道大学北方生物園フィールド科学センター
(060-0811 札幌市北区北 1
1 条西 1
0 丁目)
F
i
e
l
d
,HokkaidoUniversity
,
S
c
i
e
n
c
eC
e
n
t
e
rf
o
rNorthemB
i
o
s
p
h
e
r
e
Sapporo060・0
8
1
1,
J
a
p
a
n
-27-
L
L
. 分げつ密度の季節推移
図3
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
十勝南部の酪農経営 3
戸における
牛約 50頭、後追牛約 20頭)であった。各牧場とも搾乳
放牧地利用実態
牛舎は 50頭規模の対尻式スタンチョン牛舎であり、 C
牧場では入れ換え搾乳が必要なため、乳量等で特段区別
須 藤 賢 司 * ・ 篠 田 満 *.松村哲夫*・梅村和弘**
せずに 2群構成としていた。
馴致を含む放牧期間は 4月下旬ー 1
1月上中旬、昼夜放
P
a
s
t
u
r
eu
t
i
l
i
z
a
t
i
o
na
t3d
a
i
r
yf
a
r
m
si
ns
o
u
t
h
e
r
nT
o
k
a
c
h
i
牧期間は 6月
・ 10月上旬であったが、兼用地面積や併給
i
t
s
u
r
u SHINODA・T
e
t
s
u
o MATSUMURA・
K
e
n
j
i SUDO・M
組飼料をパドックで自由採食させるか否かにより牧場闘
K
a
z
u
h
i
r
oUMEMURA
で差異が認められた。転牧は、公道横断を要するため夜
間放牧しない牧区がある A、B牧場では半日単位、 C牧
緒
E司
飼料自給率を向上させた畑地型集約放牧酪農の営農モ
デル策定の一環として、十勝南部で搾乳牛の昼夜放牧を
場では 1日単位で実施される場合が多かった。 A 牧場で
は中牧区内を小牧区に区分するものの、通路がなく、パ
ックフェンスに相当する電気牧柵の一部を開放するため、
実施している 3戸の放牧地利用実態を明らかにするとと
手前の牧区ほど再採食を受けた。開終牧期を除き先行後
もに、放牧に関する技術係数の収集を行った。
追放牧を行う C 牧場牧区の滞牧日数は 2 日であった。
材料および方法
概ね入牧時 25cm・100glm、半日放牧後 15cm・70glm
昼間利用した牧区の草丈・草量の平均値は各牧場とも
2
2
2005年 4
1
1月、隣接する A-C3牧場において、牧区
であったが、季節変動が認められた。半日放牧後の利用
の利用状況を記帳依頼および聞き取りにより、牧区面積
率は概ね 35%であった。滞牧日数や後追牛分を補正し
を携帯型 GPS により調査した。放牧期間中、概ね毎週
た割り当て草量は、 ABC}
I
買
に
、 1
8
.
5、 3
3
.
5、 1
5
.
9
k
g
l
頭と
1 回、昼間利用する牧区の草丈と草量(ライジングプレ
推定され、 B 牧場で高かった。 2003 年度乳検による搾
ートメータ利用)を測定した。また、放牧期間中 (A牧
乳牛 1頭当たり日 FCMは A 牧場が 28kg
、B、C牧場が
.
2
4
8
.
1
6
)、首式バイトカウンターを各牧場の放
場のみ 6
23kgであった。 ABC順に、 6
9 月の昼夜放牧時の平均
牧牛 1
2頭に装着し、食草時間を推定した。
食草時間は 470、 555、 495分/目、 6、7月の補助飼料給
与量から逆算した各牧場の放牧依存率 (TDN ベース)
結果および考察
調査結果を表 1に一括して示した。放牧専用地面積は
3牧場とも 1
8
1
9
h
aであった。 A 牧場の牧区数は 2
5と他
6
、 C 牧場 1
3
) よりも多い反面、 1
の 2牧場 (B牧場 1
は約 50、 70、 60%であり、両項目とも B 牧場の値が高
かった。この背景として、割り当て草量と乳量水準の影
響があるものと推察された。
以上のように、中規模で昼夜放牧を行う隣接した酪農
牧区面積は 1
h
a未満の牧区がほとんどであった。 B牧場
経営 3戸聞の放牧地利用実態には、共通点とともに土地
では育成午も放牧され、放牧専用地のうち 2牧区は、兼
条件・経営方針に応じた差異が認められた。
用地での放牧が始まる 7月下旬以降、育成牛専用となっ
た。兼用地の状況は牧場により異なり、 A牧場は兼用地
表 1 調査結果
A牧場
1番草採草後利用 1
5
h
a、 1.
を持たず、 B 牧場は 25ha(
0
h
a
)、 C牧場は 5ha(
1番草採草後利
2番草採草後利用 1
用)であった。兼用地の 1牧区面積は、 C牧場では放牧
専用地なみであったのに対し、 B 牧場では平均 5haと広
く、兼用地の滞牧日数を適宜増やす等の対応がみられた。
主体となるイネ科草種は、放牧専用地ではメドウフェス
ク、オーチヤードグラス、ペレニアルライグラス、兼用
地ではチモシー (B牧場)とオーチヤードグラス (C牧
場)が利用されていた。放牧頭数は A、B 牧場が一部乾
、 C牧場が搾乳牛のみ約 70頭(先行
乳牛を含み約 50頭
牧区数
1
牧区面積(
h
a
)
合計面積(
h
a
)
兼用地
牧区数
*北海道農業研究センター(082-0071 河西郡芽室町新
Region,
Memuro,
Hokkaido0
8
2
0
0
7
1,
J
a
p
a
n
**北海道農業研究センター (062-8555 札幌市豊平区羊
ケ正) N
a
t
i
o
n
a
lA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lR
e
s
e
a
r
c
hC
e
n
t
e
rf
o
rHokkaido
H
i
t
s
u
j
i
g
a
o
k
a,
S
a
p
p
o
r
o062-8555,
J
a
p
a
n
Region,
2
5
1
6
0
.
3O.
7
2
.
2
a
) 0
.
9
-1
.
ト2
.
3
1
8
1
8
。
1
牧区面積(
h
a
)
合計面積(
h
a
)
頭数
昼夜放牧期間
C牧 場
o
5
0
.
3
6
/
1
1
0
/
6
1
3
1
.0
-1
.5
-1
.8
1
9
4
2
.
0
5
.
0
9
.
7
25
1
.2
-1
.3
-1
.4
5
4
7
.
3 先行 5
3
.
5
1後追約2
0
5
/
3
0ー1
0
/
1
4
5
/
2
5
b
)
草丈 (cm)
入牧時
半日放牧後
生) N
a
t
i
o
n
a
lA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lR
e
s
e
a
r
c
hC
e
n
t
e
rf
o
r Hokkaido
B牧場
放牧専用地
草量(g/m')
入牧時
半日放牧後
9
.
8
2
5
.
1
4
4
.
5 7
.
6
2
3
.
7
3
9
.
1 8
.
1
2
6
.
3
4
6
.
2
6
.
5
1
4
.
7
4
7
.
0 6
.
1
1
5
.
0
2
6
.
3 5
.
2
1
4
.
3
2
4
.
9
1
7
1
2
3
2
6
3
7
7
6
2
9
6
2
3
1
0
3
2
5
5
1
ト6
7
1
6
3
2
8
9
7
1
3
7
1
4
6
4
1
0
3
割り当て草量 (
kg/頭)
c
) 3
.
3
1
8
.
5
4
5
.
0 8
.
5
4
5
.
3
1
5
0
.
2 8
.
9
2
6
.
6
4
8
.
2
食草時間(分/日)
4
7
0土 6
5
5
5
5
:
:
!
:
:
5
7
4
9
5
:
:
!
:
:
1
0
2
a
)
:最小一平均一最大(以下同様) b
)
:実質的に9月まで c
)
:補正前の値
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
北海道十勝支庁管内酪農家の草地における牧草
係 (pくO訓)があり、 OCW含量、 NDF含量、 Ob含量、
可溶性糖類 (
W
S
C
) 含量と土壌成分の関係
K含量と負の相関関係 (
P
<
0
.
0
5
) が認められた。
牧草 WSC含量は土壌タイプ 3 (火山性土)において、
増子孝義・白井美帆・相馬幸作・古川研治.
土壌 pH、交換性 CaO濃度、交換性 MgO濃度、石灰飽和
柴田浩之・.三枝俊哉"
度、塩基飽和度と正の相関関係 (
P
<
0
.
0
5
)が認められた。
牧草 WSC含量とそれらから調製されたサイレージ発
酵品質との関係では、サイレージ乳酸含量との聞に有意
R
e
l
a
t
i
o
nb
e
t
w
e
e
nw
a
t
e
r
s
o
l
u
b
l
ec
a
r
b
o
h
y
d
r
a
t
e(WSC)c
o
n
t
e
n
tofg
r
a
s
s
ではないものの相関関係が認められた。
出 s
l
a
n
do
f
T
o
k
a
c
h
id
i
s
t
r
i
c
t
a
n
ds
o
i
lc
h
e
m
i
c
a
lcomponenti
ng
r
これらのことから、牧草成分として細胞内容物に相当
,MihoSHIRAI
,KousakuSOUMA
,Ke
吋i
T
a
k
a
y
o
s
h
iMASUKO
する成分が多く、細胞壁構成物質に相当する成分が少な
i
r
o
y
u
k
iSHIBATA.andT
o
s
h
i
y
aSAIGUSA..
FURUKAWA.,H
いと、牧草 WSC含量が高いことが明らかになった。牧
草 K含量は1.6
.
.
.
.
.
.
.
.
2
.
9
%の範囲に分布し、 K含量が多いと、
緒昌
著者らは、これまでの実験において、牧草可溶性糖類
WSC含量が低下した。水稲では K を増施すると光合成
(WSC) 含量は材料牧草の草種、生育ステージおよび刈
が増加することが知られているが、本実験では異なる傾
り取り回次など多くの要因によって変動することを報告
向が認められた。
している。設定したこれらの要因は、牧草地から収穫す
土壌成分としては、石灰飽和度、塩基飽和度、 pHの高
る牧草自体に起因する要因に限られていた。本実験では、
い土壌から収穫した牧草 WSC含量が高く、また、交換
北海道十勝支庁管内酪農家の草地における牧草を供試し、
性塩基のうち CaOと MgO濃度が高い土壌で、牧草 WSC
サイレージ調製に収穫する間際の牧草 WSC含量と草地
含量が高いことが明らかになった。植物体の Mgが欠乏
土壌成分との関係を調べ、草地の土壌成分が牧草 WSC
すると、光合成速度が減少することが知られており、土
含量におよぼす影響を検討した。
壌からの Mg吸収は重要な要因になるものと考えられる。
材料および方法
i
;
:
i
i
i
牧草および土壌は、帯広市、幕別町、中札内村(帯広
地区)、足寄町(足寄地区)から 2003年 6月 12""28日に
採取した。牧草は 58点、土壌は 36点分析に供試した。
5
また、それらの材料牧草から調製されたサイレージを 1
ももももちもも~~屯ももももももももももも
点採取した。牧草は草地タイプからチモシー主体混播草
土積雪イ 13 サソ JJ~ 雷骨
地でマメ科割合 30%未満、チモシー単播草地のみを集計
土壌タイプ3・・・火山性土
対象にした。土壌は低地土、火山性土にタイプ分類した。
│草地タイプト・チモシー主体混播草地で
牧草 WSC含量はアンスロン法、そのほかの牧草成分含
置璽理1'1
E…チモシー単播草地
マメ科割合 30%未満
量は近赤外分析法で測定した。土壌成分分析は十勝農業
図1 帯広地区の w
sc含量(土壌タイプ3)
協同組合連合会農産化学研究所で測定した。
pH
結果および考察
P20S
リン酸吸収係徴
EC
。
CaO
.
1
"
"1
0.6% (乾物中)の
帯広地区の牧草 WSC含量は 2
範囲(平均 4.5%)、足寄地区では 3.7""6.9% (乾物中)
MgO
の範囲(平均 5.0%)であった。全牧草中 WSC含量が 5%
Mg/K
Ca/Mg
K20
宅五~食包~ロ居E
(乾物中)を超えた割合は 37%であった。牧草 WSC含
(mg/100g)
(me/100g)
(mg/100g)
(mg/100g)
(mg/100g)
(%)
亙E
其月食包零口周[(%)
量は牧草成分のうち TDN含量、 OCC含量と正の相関関
1
2
.
0
・
2493網走市字八坂 1
9
6
)
東京農業大学生物産業学部 (099
S
J
a
p
a
n
0
:
:
l
!
時
・
& 土壇タイプ 1 草地タイプ4
・土壇タイプ3 草地タイプ3
A 土壌タイプ3 草地タイプ4
一線形(土壇タイプ3)
1
0
.
0
Tokyo U
n
i
v
e
r
s
i
t
y ofA
g
r
i
c
u
l
加r
e
,A
b
a
s
h
i
r
i,Hokkaido 0
9
9
2
4
9
3,
-0.215
-0.384
0.401
0.549
0.432
0.366
0.173
0.266
0.5160.509.
0.410
8
.
0
現 6.0
.十勝農業協同組合連合会 (080・0013 帯広市西 3 条 南 7
o
丁目 14番地) Tokachi F
e
d
e
r
a
t
i
o
nofA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lC
o
o
p
e
r
a
t
i
v
e
s,
O
b
i
h
i
r
o
,Hokkaido0
8
0
・0
0
1
3,Japan
~
4
.
0
2
.
0
"北海道立根釧農業試験場 (086・1100標津郡中標津町字
0
.
0
0
.
0
中標町 1
6
5
9
)KonsenA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lE
x
p
e
r
i
m
e
n
tS
t
a
t
i
o
n,N
a
k
a
s
h
i
b
e
t
u,
5
0
.
0
1
0
0
.
0
1
5
0
.
0
土壇MgO含量(mg/1∞g) (
1番草後)
Hokkaido
,0
8
6
・1
1
0
0
,
J
a
p
a
n
図 2WSC含量と土壇成分との相関関係
2
0
0
.
0
ハ吋 U
9u
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
酪農地帯における流域単位の環境改善
3. 農家支援体制の運営上の問題点とその対応
酒井
治申・原仁申・三枝俊哉串
Riv
e
rb
a
s
i
nmanagementi
nd
a
i
r
yf
a
r
m
i
n
ga
r
e
a
.
3
.Problem.
s
o
l
v
i
n
gprocesso
fas
u
p
p
o
r
tSystemf
o
r
d
a
i
r
yf
a
r
m
e
r
sandi
t
ss
o
l
u
t
i
o
n
s
.
OsamuS
a
k
a
i,
'
" H
i
t
o
s
h
iHar
♂
, T
o
s
h
i
y
aS
a
i
g
u
s
a申
緒雷
酪農場における家畜ふん尿(以下、ふん尿)に由来
する環境汚染が顕在化し、地域全体での環境保全対策
4
-全草地で採用
目ほぼ全草地で採用
回一部採用
11m自分で修正
ロ不採用
図1
.
搬巴計画案に対する農家の反応伊姿。
圃場ごとに調査・分析し施肥計画を立案したため、
2004年に比べて増加した(表 1
)。
が必要とされている。しかし、第一報で示したように
ふん尿の利用場面においては、農家単独では対応が困
難な場面が多く存在するため、地域における農家支援
体制の整備が必要と考えられる。そこで前報では、酪
農地帯における水質環境の改善を実現するため、農協
を主体として農家の適切なふん尿利用を支援する組
表 1 協力農家の施肥計画実聡肉兄伊勢
∞
施肥メニュー 2
0
0
4
年施肥宴態 2 5
年施肥実施状況
(銘柄・量)数阜春一番草刈取後阜春一番草刈取後
1
種類
2
種類
種類以上
3
5
6
2
5
6
2
2
1
1
0
4
3
6
織体制(以下、支援体制)の構築過程を報告した。本
2)施肥計画の実施による牧草収量の低下や牛の疾病
報告では当支援体制を実際に運営して明らかになっ
などの問題は無かったとする農家が多かった。
た問題点とその対応を整理した。
3)施肥計画に対する農家の要望としては、①牧草収
材料及び方法
窒素濃度の適正水準の維持などがあった。これらの要
量の維持、②肥料費の節減、③牧草中のカリや硝酸態
1) 2004年4月に根室管内 A農協、 B農業改良普及セン
望に配慮しつつ、既存の肥料銘柄を用いて、北海道施
ターおよび根釧農試の三者で支援体制を設立した。こ
肥ガイドに基づく施用養分量と窒素、リン酸およびカ
のうち農協が運営主体となり、農業改良普及センター
リの施肥計画量の差が各々 2
"
'
'
3
k
g
1
1
0
a の範囲内にお
および根釧農試がそれを支援した。
さまるようにした。
2)河川水質の改善効果を検証できるように面積 1019
4)施肥計画の作成時期について、 9"'12月発注・納
h
aからなる 1
つの流域をモデ‘ル地域(農家戸数 1
4戸、農
入の場合、肥料価格が安いため、 1
1月中下旬までに施
家の乳牛総飼養頭数 1728頭、総草地面積 9
9
1
h
a
) とし、
肥計画の立案を希望する農家が多かった。しかし、土
降雨時と平水時に河川水を採取した。また、施肥計画
壌や糞尿を採取し、分析結果が入手してから、施肥計
の実施に伴う牧草収量や養分含有率の変化を調査し、
画の立案から肥料の発注までの期間が短く、この時期
流域の養分収支を測定するため、牧草収量を調査し、
における集中的な人員の配置が必要と思われた。
牧草を採取・分析した。
5)施肥計画の実施段階では、ふん尿施用量が不正確
3)事前に目的・方法・結果の利用法などの講習を行
で、誤った施用量をもとに施肥計画を作成・実施した
った後、施肥設計および施肥設計に必要な各種調査を
ため、牧草収量の減少や養分の過剰施用などの問題が
実施して農協担当者へ技術伝達を行った。
生じた (
2筆)。このため、散布機械の仕様、台数の記
4) 2004年 お よ び2005年にモデ、ル地域の協力農家の闘
帳によりふん尿施用量をできるだけ正確に計測した。
場の植生、土壌およびふん尿を調査・分析した。 2004
6) 2戸 が 自 発 的 に 河 川 近 傍 で の ス ラ リ ー 散 布 量 を 低
年に提案した施肥計画についての実施状況や問題点な
減
、 l戸が牛舎廃水処理施設を設置するなど、農家の環
ど2005年に 1
0月に調査した。
境に対する意識が高まった。
7) 農協職員と農試職員の牧草地における植生区分の
結果及び考察
判 定 の 適 合 率 は 89%で あ っ た 。 ま た 、 土 壌 の 採 取 は 1
1)当支援体制で提案した施肥計画を全部または一部
年目から問題なく実行でき、農協職員に対する土壌、
実施した農家は 1
3戸中 1
1戸 、 実 施 し な か っ た 農 家 は 1
植生など調査・採取の技術伝達は順調に行われた。
戸であった(図
戸、施肥計画を自分で修正した農家は 1
1
)
。
2005年に実施した施肥のメニュー数(銘柄・量)は、
しかし、施肥計画の作成・修正については、営農担
当職員の繁忙期に重なり、習熟程度が不十分であった
ため、今後さらに技術の伝達を推進する。
吋じ海道立根釧農業試験場(偲ι
1
1
5
3 標津郡中標津町宇中標津
,閣 lA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lEx
開色:n
e
n
t
S
幽o
n
,N法的国間, H
o
l
d
姐
.
d
o,
1
6
5
9
)Kα
0
8
ι
1
1
5
3,:
J
司班1
-30-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
マイペース型酪農の草地実態調査
(第三報)
低投入持続型草地管理へのー仮説
佐々木章晴
A i
n
v
e
s
t
i
g
a
t
i
o
ni
n
t
o t
h
e a
c
t
u
a
lg
r
a
s
l
a
n
d
c
o
n
d
i
t
i
o
n
si
nMy-PaceD
a
i
r
yf
a
r
m
i
n
g(PARTill)
Aki
h
a
r
uS
A
S
A
K
I
1 緒言
野付湾・風蓮湖のラムサール条約指定湿地化が実現
し、風蓮湖のシジミが壊滅的な打撃を受ける中で、酪農
による水系の汚染について対策が急がれている。そこで、
草地からの栄養塩類の流出を防止し、草地生産性を維持
する一方法として低投入持続型酪農の先駆、三友農場に
着目している。
今回の報告では、第一報と第二報で報告した内容およ
び、農場主やご家族から聞き取りをした内容などを検討
し、今後三友農場の草地維持のシステムを解明するため
に、骨格的な仮説を作ることを試みた。
2 第一報のまとめ
第一報の調査によると、化学肥料由来の施肥窒素は、
2k
gN
/
1
0
a
/
年であり、施肥標準の 1
1
4であった。このため
か、三友農場排水溝の排水中の硝酸態窒素は、 0
.
4
6m
g
!
L
であり、当幌J
I
I5カ所で測定した 1.
59mg!Lに比べて低
い値を示した。
しかし、兼用地の乾物草量は l番草で 376.5kgDM/10a、
9月の現存草量で 122kgDM!
10aあり、推定で約 5tDM!
h
a
/
年の生産量がある。
このように、窒素の投入量が少ないにも関わらず草地
生産性は低くなく、また、排水中の硝酸態窒素濃度は低
く、水系への環境負荷も少ないことが推定される。
2
t
/
1
0
a
/
年)
第一報では、この原因は、完熟堆肥の連用 (
による地力の増加にあると推定した。
表 三友農場の施肥量・兼用地乾物生産量・
排水中の硝酸態窒素
化学肥料由来窒素施肥量
堆肥施用量(完熟)
1番草乾物草量
9月現存草量
排水中の硝酸態窒素
2kgN/10a/
年
2
t
/1
0
a
/
年
376.5kgDM/10a
122.0kgDM/10a
46mg/L
0.
3 第二報のまとめ
草地生産性が低くないのは、第一報で堆肥にあるとし
たが、施肥のタイミングにも特徴があるのではないかと
考え、イネの減肥料栽培方式である「への字稲作」と比
較検討することとした。
「への字稲作 Jは、元肥ゼ口、生育中期(幼穂形成期
20目前)に中間施肥をし、慣行栽培に対して 1
β の施肥
量で同等以上の収量を維持する技術である。この中間施
肥が、三友農場の兼用地一番草優先草種である TYでは
いつになるか、推定した。
イネの出穂までの生育期間は 120 日
、 TYは 63 日と
まず仮定し、イネに比べて TYの生育期間は約半分であ
ると仮定した。イネの中間施肥の時期は幼穂形成期前 20
北海道中標津農業高等学校 (
0
8
8・2682標津郡
中標津町)
H
o
k
k
a
i
d
oN
a
k
a
s
i
b
e
t
uA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
l High S
c
h
o
o
l,
Na
k
a
s
i
b
e
t
u,
0
8
8・2682J
a
p
a
n
日であることから、単純にその半分である 10日前が TY
の中間施肥時期であると推定した。 TYの出穂日が 7月 3
日頃、幼穂形成期が 5月 30 日頃とすると、中間施肥時
期は 5月 20 日頃となり、三友農場の春施肥の時期と一
致した。
このため、三友農場の草地管理システムを解明する糸
口として、への字稲作との比較検討が有効ではないかと
推定した。
4 骨格的仮説の検討
「への字式Jを実現するためには、生育全般にわたっ
て、少量の持続的な N 供給と、生育中期の多量の N 供
給が必要とされる。三友農場の草地管理が、これに対応
した土壌状態及び施肥管理になるかどうか、推測した。
まず、完熟堆肥の連用により土壌中の有機体窒素と腐
植酸を増加させることにより、常に少量の Nを牧草の生
育全般に供給可能と考えられる。
また、完熟堆肥中の腐植酸等によって CEC増加が見
込まれ、塩基の流亡を遅延させることにより極端な酸性
化を防止し、施肥反応の良い土壌になることが考えられ
る
。
さらに
図三友農場草地の維持システムの
牧草の幼
仮説
穂形成期
10 日前に
化学肥料
を施用す
ることに
より、生
育中期に
多量を供
給できる
ことが考
えられる。
これらのことにより、 Nの利用効率が高まり、草地生
産性を維持し、なおかつ、草地からの N (硝酸態窒素)
の流出が抑制されているのではないかと推定される。
5 今後必要な調査
①生育パターン・草姿の追跡
他の草地と比較しながら、草丈・茎数・収量・草種交
代などの生育パターンを追跡する必要がある。
②窒素収支・窒素動態の解明
農場全体の窒素収支を、施肥・堆肥・収穫物・排濯物
.生産物などから解明する必要がある。
また、季節毎の土壌中 Nの動きを追跡する必要があり、
排水中の Nのモニタリングも継続する。
③土壌・特に堆積腐植型の調査
他の草地と比較しながら、堆積腐植型・腐植酸と特に
pH、CEC、等電点(バン土性)の関係を解明する必要
がある。
④堆肥の発酵状態の追跡
ふん尿から堆肥に至るまでの過程において、物理的・
化学的性質を追跡する必要がある。
⑤骨格的仮説の実証
今後、上記① ④により、骨格的仮説を一つずつ実証
し
、 Nの利用効率が良いとされる栽培法「への字式J と
比較検討しながら、調査を続ける予定である。
6 謝辞
この場をお借りしまして、農場調査を許可していた
だきました三友盛行氏、三友由美子氏に感謝申し上
げます。
-31-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
オーチヤードグラス新品種「はるねみどり」の育成と
年まで生産力検定予備試験と品質評価試験を実施して、
生育特性
4号」を「北海 2
9号」と名
有望な系統で、あった「北育 7
付けた。
員田康治事・高井智之**.中山貞夫榊・山田敏彦州事-
2
0
0
2年から 2004年まで、北海道の 5場所と東北の 2
大同久明事・水野和彦榊材.田村健一事
場所で系統適応性検定試験を、北海道の 2場所で地域適
B
r
e
e
d
i
n
go
fNewC
u
l
t
i
v
a
r“
H
a
r
u
n
e
m
i
d
o
r
i
"andi
t
s
特性検定試験を、育成場所で各適性試験を実施した。 2005
応性検定試験を実施した。また、 2場所で耐寒性などの
D
a
c
t
y
l
i
sg
l
o
m
e
r
a
t
aL
.
)
C
h
a
r
a
c
t
e
r
i
s
t
i
c
si
nO
r
c
h
a
r
d
g
r
a
s
s(
年 9月に「はるねみどり」として命名登録された。
Y
a
s
u
h
a
r
uSANADA
,T
omoyukiTAKAl, SadaoNAKA
y.品叫
結果および考察
T
o
s
h
i
h
i
k
oYAMADA
,
H
i
s
a
a
k
iDAIDO,
KazuhikoMIZUNOand
「はるねみどり」の出穂始めは、 9場所平均で「ワセ
K
e
n
i
c
h
iTAMURA
ミドリ」より 1日遅い 5月 2
7日で“早生"に属した(表
1
) 2年目と 3年目の合計収量は、道内の場所別では「ワ
0
緒言
セミドリ J 比 9
8
1
0
7 (平均 1
0
2
) で、「ワセミドリ」と
近年の北海道の牧草栽培は、チモシーに集約化する傾
)。番草別収量は、 1番草が「ワ
同程度かやや優れた(表 2
向にあり、収穫時期が集中することが問題となっている。
セミドリ」比 1
0
3でやや多収、 4番草が 1
0
7で多収であ
収穫時期を分散させるためには、出穂の最も早いオーチ
った(表 2)。越冬性と早春の草勢は「ワセミドリ」より
ヤードグラスの早生品種を草地に導入し、チモシーなど
優れた(表 1)。耐寒性と耐病性(雪腐病抵抗性)は「ワ
と組み合わせて利用することが有効である。また、北海
セミドリ」より優れた。すじ葉枯病擢病程度は「ワセミ
道の草地では、越冬性が安定していることが不可欠であ
ドリ」と同程度であった。黒さび、病擢病程度は高かった。
るが、越冬性の改良を進めると夏以降の生育量が低下し、
マメ科率(アカクローパ混播)は年平均約 20%を維持し、
オーチヤードグラスの利点が失われる。そのため、越冬
混播適性は「ワセミドリ」と同程度で、あった。放牧にお
性が優れる上に夏以降の収量性を維持した品種の育成が
ける利用率は同程度で、放牧適性は「ワセミドリ」と同
課題であった。そこで、越冬性と夏以降の収量性を改良
程度であった。推定 T
D
N含有率は「ワセミドリ」と同程
することにより、早春から晩秋まで長期間利用できる品
度であった。
種を育成しようとした。
適応地帯は北海道全域である。採草および、放牧に利用
できる。早生に属する「はるねみどり」は、越冬性は「ワ
材料および方法
セミドリ」より優れる上に秋季の収量性が優れており、
1
9
9
2年に 4
9品種・系統 3920個体で構成された基礎集
従来の耐寒性品種の欠点とされた夏季以降の低収性が改
団をシロクローバ混播で養成した。 1993年と 1994年に
良されている。そのため、早春から晩秋まで利用できる
0回刈の超多国刈処理をして、 1
9
9
5年に再生に優れ
年 1
ので、利用期間が「ワセミドリ」より長い。したがって、
た 2
2
5個体を選抜した。 2
2
5栄養系について、多田刈処
「はるねみどり」を「ワセミドリ」に置き換えて普及す
理区と少回刈処理区を設けた。 1997年に刈取り後の再生
ることにより、採草および放牧用品種として収穫時期の
と各時期の草勢に優れた 5栄養系を選抜して多交配し、
分散と利用時期の拡大による自給飼料の増産に貢献でき
る
。
「北育 74号」の合成 1代を採種した。 1999年から 2002
表1. r
はるねみどり│の生盲特性
*北海道農業研究センター (062-8555 札幌市豊平区羊
形
萱
ケ丘 1) NationalAgriculturalResearchCenterf
o
rHokkaido
出
穂
始
"
,
,
-2
め)l
)
i
t
s
u
j
i
g
a
o
k
a1
,
T
o
y
o
h
i
r
a,
Sapporo,
062
・8
555,
J
a
p
a
n
Region,H
はるねみどりワセミドリ
5月2
7日
5月2
6日
6
.
3
5
.
8
6
.
5
5
.
5
やや強やや強
中
越冬性
早 春 の 草 勢2)
判現長野県畜産試験場 (399-0711長野県塩尻市大字片丘
耐寒性
10931・1
)NaganoP
r
e
f
e
c
t
u
r
a
lAn
i
m
a
lHusbandlyE
x
p
e
r
i
m
e
n
t
a
l
耐
す
黒
混
病
播
じ
さ
草
ぴ
適
性
病
枯
性
(
雪
。
病
的
腐
(
ベ
マ
}
病
メ)
。
S
t
a
t
i
o
n,Kataoka,S
h
i
吋i
r
i,Nagano,3
9
9
0
7
1
1,J
a
p
a
n
科率,%)
桝退職, Ther
e
t
i
r
e
d
3
.
0
強
6
.
0
2
0
.
1
3
.
0 中
やや弱
4
.
1
21
.8
山現北海道大学北方生物圏フィールド科学センター
(
0
6
0
0
8
1
1札幌市北区北 1
1西 1
0
)F
i
e
l
dS
c
i
e
n
c
eC
e
n
t
e
rf
o
r
Northem B
i
o
s
p
h
e
r
e, Hokkaido U
n
i
v
e
r
s
i
t
y
,K
i
t
a
1
1
N
i
s
h
il
O
,
K
i
t
a
,S
apporo,0
6
0
0
8
1
1,J
a
p
a
n
山現畜産草地研究所 (329-2793栃木県那須塩原市千本
松 768)N
a
t
i
o
n
a
lI
n
s
t
i
t
u
t
eo
fL
i
v
e
s
t
o
c
kandG
r
a
s
s
l
a
n
dS
c
i
e
n
c
e,
768Senbonmatsu,N
a
s
u
s
h
i
o
b
a
r
a,T
o
c
h
i
g
i,329-2793,J
a
p
a
n
-32-
表2
場所
「はるねみどり J の収量特性
2か年合計収量 1)(
k
g
/
a
)
はるねみどりワセミドリ
天
北
農
北
研
農
試
道立畜試
北見農試
根釧農試
十勝牧場
新冠牧場
平均
1
9
8
.
5
2
(
(
1
1
0
5
2
)
)
2
5
6
.
5(
10
2
41
.0(9
9
)
2
3
5
.
1
(
1
0
7
)
1
8
7
.
5(9
8
)
1
4
6
.
1(
10
1
)
2
6
3
.
0(
10
3
)
2
1
8
.
2(
10
2
)
1
8
9
.
2
.6
2
51
2
4
2
.
4
2
1
9
.
4
1
91
.2
1
4
4
.
0
2
5
6
.
4
2
1
3
.
5
番草別乾物収量 2)(
k
g
/
a
)
番草はるねみどりワセミドリ
3
2
.
9
3
3
9
(
1
0
3
3
)
)
2
7
.
(
0
2
7
.
1
2
5
.
3(
10
1
)
2
5
.
0
1
5
.
0(
10
7
)
1
4
.
0
注
量
)1
)2および 3年
の
合
(
%
)
計
。
乾
)
物9
収
場
oはワセミ ド目
リ比
2
所 2か年の平均, 0 はワセミドリ比
番
番
番
草
草
草
2
3
4
1番
(
%
)
。
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
チモシー 1番草における栄養価の狭義の遺伝率
2)TDNとWSCにおいては狭義の遺伝率が高く (h/=0.926、
0.638)、個体選抜で効率的に改良可能であることが明ら
足利和紀中・玉置宏之串・出口健三郎串*・佐藤公一*
、 2)0CPの狭義の遺伝率は前 2形質に
かとなった(図 1
比べやや低く
H
e
r
i
t
a
b
i
l
i
t
yi
nt
h
enarrows
e
n
s
eofn
u
t
r
i
t
i
v
ev
a
l
u
e
(
hN2=0.375)、個体選抜に当たってはその
点を考慮する必要があると考えられた。
Phleump
r
a
t
e
n
s
eL
.
)
i
nf
i
r
s
tc
r
o
poftimothy(
3
)指標 3形質相互間の相関および 3形質と乾物収量と
の相関は弱く、各栄養価および収量性はいずれも並行改
KazunoriASHIKAGA・
H
i
r
o
y
u
k
iTAMAKI・
Kenzaburo
)
良が可能であることが示唆された(図 3、表 1。
DEGUCHI・
K
o
i
c
h
iSATO
4
) TDNと他の主要な栽培形質との関係では、越冬性に
ついて負の相関が認められ、 TDN 向上を目的とした選抜
緒昌
を行う際は越冬性への影響にやや注意する必要があると
牧草育種の最終的な目標は、多収かつ高栄養な品種の
考えられた。
提供による畜産物の増収益であり、栄養価の向上は重要
な育種目標の一つである。チモシーは北海道草地の 70%
今後は、各栄養価の環境に対する安定性を検討し、効
果的な改良方法の構築に取り組む。
以上を占める最重要草種であり、栄養価の向上が北海道
(
%
)
酪農に及ぼす影響は極めて大きいことから、早急な取り
林
.
57.5
組みが求められている。近年、各草種において栄養価向
0
.
6
8
1
戸
上を目指した育種が進められているが、チモシーにおけ
2=
h
0
.
9
2
6
後
るその育種的対応は未だ十分とはいえない。そこで、本
2550
研究では高栄養価チモシ一品種の育成に向けた効果的な
統
改良方法を検討するため、 l番草の主要な栄養価におけ
る狭義の遺伝率を検定した。
52.5
50.0
55.0
材料および方法
親栄養系
供試材料として、栄養価での選抜経歴を持たない早生
60.0
(
%
)
図 1. TDN(
目)の親栄養系と後代系統の関係
の親栄養系とその多交配後代系統 15 組を用いた。 2001
年 8月 28 日に親栄養系を 60cm間隔の個体植、同年 6月
29 日に後代系統を畦幅 60cm・畦長 90cmの条播、 4反復
同
云09***
・
5
乱塊法で配置し、同一の年次・園場で評価した。刈取時
2
h
=
0
.
6
3
8
後
代
期は 2004年 6月 25 日で、全材料を出穂揃期に一斉刈り
議10.0
0
した。採取した生草を 70C48時間通風乾燥後に粉砕し、
近赤外分光分析計 (NIRS) で栄養価の含量を測定した。
4
砂
主要な栄養価として、 TDN (可消化養分総量)、 WSC (可溶
8
.
5
性炭水化物)、 Cp(粗タンパク質)の 3形質を指標とした。
7
.
0
1
0
.
0
1
3
.
0
(
%
)
hH
2
) は分散分析結果から、また狭義の遺
広義の遺伝率 (
親栄養系
伝率 (
h
/
) は片親回帰の手法を用いて、それぞれ推定し
図 2. W SC (弘)の親栄養系と後代系統の関係
た
。
結果および考察
1
)親栄養系における広義の遺伝率は 3形質のいずれに
hB2=
0
.7
6
9
"
"
'
0
.8
9
9
)、指標の変異が遺伝的
おいても高く (
なものであり、かっ試験精度が十分に高いことが示され
た
。
図 3. 3形質相互間の相関
*北海道立北見農業試験場 (099-1496 常呂郡訓子府町
弥 生 52) Hokkaido Kitami Agricultural Experiment
Station,Kunneppu,Hokkaido 099-1496,]apan
Hokkaido Animal Research Center, Shintoku,
TDN
乾物収量(kg/a)
Hokkaido 081-0038, ]apan
-33一
ー0
.099
弦
G一
**北海道立畜産試験場 (081-0038 上川郡新得町西 5線
39)
c
u
n
u
w
一
0
.
表 1.主要な栄養価と乾物収量 (
k
g
/
a
)との相関
CP
0.146
北海道草地研究会報 4
0(
2
0
0
6
)
「きたちから」の主な特性は表 2に示すとおりで、絹糸抽出
サイレージ用トウモロコシ新制重「ぱぴりか」および
0
H
J 似下、 i
R
開 H
J と記す)より 4
期は「ロイヤルデント 9
「きたちから」の育成とその矧主
日遅いが、収穫時の乾物率は「即刻I
H
J より郎、適地におけ
濃沼圭ーヘ榎宏f
:
iE*、佐藤尚親輔、牧野司輔、林拓柿
R
開 H
J に比べ、茎葉では 13%
高く、雌徳では
る乾物収量は i
並で、全体では 6
繍 し L 耐但附生は i
R
開 I
H
J 並で、強し L
す寸オ刻繭樹元性は i
RD90
H
J よりやヰ守齢、
De
v
e
l
o
p
m
e
n
to
f
news
i
l
a
g
em
a
i
z
e叫tivars “Pap並幅~'and
‘
まi
阻c
hbm"
, 組d
血e
i
r
c
h
a
r
a
c
御 悩ω
.
「ぱぴり州はヨーロッパプリント種の耐倍即司主およひ移
収性と北方型フリント種の耐冷性およびすす初繭蹴性を併せ
K
e
u
c
h
iK
O
I
N
U
M
A
*・回m卯 k
i
E
N
<
:
国
市
・
N
a
r
i
c
h
i
k
aS
A10料・ T
s
u
陥 saM
成問料・ T
誌uHArY組ポホ
持ち、機"雌般で働Lた術工氏を発揮する。しかし、「ぱぴり州
の而櫛阪池が車問酢出政トで劣ることは、北方フリント種の耐倒
伏性がなお不朽示であるためと考えられ、今後の改良が必要で
雑衝ロ
ある。一方、「きたちから」はデント種×デント種のイt
緒 言
サイレージ用とうもろこしは、わが国の自給制司生産の基幹
H
0
6
8
J と海外導入自殖系統 i
G
Y
3
位 Jを
種で、育成自殖系統 i
作物であり、地街道で悌り 3万 7=f;:!で耕音されている。北海
組合せたことで雑衝鋤が最大限に発揮されたものと推察され、
Iりが可能な繋棚別の優良品種が必
道では各耕音地帯で黄鵜似J
雑簡髭勢育種における導入親系統活用の重憂性を示している。
「ぱぴりかJと「きたちから」は、いす"'nも栽培適地の根剥"農
要である。今回、“早生の早"に属し、根創出減を適地とする品
種「ぱぴり州および“早生の早"に属する而指似惟品種「き
∞
試や十勝農設での選抜猷験を通じて育成されたλ このことは、
し、北方型フリント種自殖系統 i
T
o
8
5
J 針協瀕して育成され
た単交雑ーイt
雑種である。明戎 1
1年に根釧農試と十勝農試での
2年 に 械1
1
1
農試での 2年目の組合せ能力
組合せ能力検定、平成 1
検定を行って選抜された与「きたちからJ は、南或 10 年に~t海
1
2年に十勝農試で生産力予備検定を行って選抜されたλ
問高しも耐相側主は「エマ」並である。ただし、根郵腕腕桝で
は而憎似性がや守勢、る(データ省略)。初期生育およひ可寸i
i
i
青
抵抗性は「エマJより優れる。
0
6
2
8
5
5
5:
J
司m
吋 舗 道 立 欄n
農業試験場 ω86-11∞ 標 糊E
中標糊宇
6
5
9番地 K
o
n
s
e
nA
g
r
i
c
.E叩
・ S
仇
, N法 制n
b
e
回,
中標津 1
H
o
k
k
a
i
d
o
,
0
8
6
-1
1
o
o:
J
司>an
-34-
一件関
吋じ海道農業研発センター ω62-8555 和幌市豊平区羊ヶ
Ji 1
)N
a
t
i
o
n
a
lA
g
r
i
c
叫t
u
r
a
lR
J
目制"C
hC切 断 f
o
rHo
地a
i
d
o
R
e
g
i
o
,
n 1回同yi
g
a
o
k
a
, T
o
y
o
h
i
r
a
却
, S叩p
o
r
o
,Hok
凶d
o
,
j
は「エマ」より 2日早く、収梅時の乾物率は「エマJより高川
高く、乾雌徳重寄恰は「エマJより
乾物総重は「エマJより 6%
さ
「ぱぴりか」の主な特性は表 1に示すとおりで、絹糸抽出期
一切)刷版ザザザ@一紘一一一⋮一閥均
E
特性の概要およt
賭察
ゅ一
を種子親とし、同じく i
G
Y
3
0
2
J をお扮親として育成された単
効 相t雑種である。平成 1
1年に北農研て組合せ能力検定平成
3
道農試(現、相偏重農切において、デント種自殖系統 i
H
0
6
8
J
E
0年に北漏草農試(現、北詰謎展開
「ぱぴり州は、弔或 1
において、ヨーロッパフリント種自殖系統 i
H
0
8
7
J を種子親と
訂正一昨一
育成結晶
要一一一押
概一一一駒
題について検討する。
側一一曲一民点
れるとともに、北海萱の奨励品種に採用された。そこで、育成
組曲と主な特性を報告し、あわせて今後に残された育種上の課
的一一叩印刷
早生品種の育成過程において、普及対象地域の道東での現地聾
抜が有効であることを実証するものと言える。
日一組関礎即時叫叩一油⋮ 知一一一組出仰向叩凶器開一環一官側一巾⋮
たちから」を育成したこれらは、 2 5年に「とうもろこし農
林交 5
7号Jおよび「とうもろこし農材疫 6
4号」として登録さ
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
合回避技術のーっとして晩播栽培の可能性を検討した。
極早生とうもろこしの活用場面
佐藤尚親¥林拓¥牧野司¥濃沼圭一"、長谷川久記・"
E
v
a
l
u
a
t
i
o
no
fe
x
t
r
e
m
e
l
ye
a
r
l
ycomv訂 i
e
t
yf
o
rcom-wheat
r
g
a
n
i
cf
o
r
a
g
ep
r
o
d
u
c
t
i
o
nby
d
o
u
b
l
ec
r
o
p
p
i
n
gs
y
s
t
e
m,o
l
a
t
e
s
e
e
d
i
n
g.
,Taku HAYASHI,Tsukasa MAK別 0, K
e
i
i
c
h
i
N
a
r
i
c
h
i
k
aS
A
T
O
結果および考察
とうもろこし(サイレージ用)と秋播小麦の 2毛作は、
農地の有効利用と耕畜連携と場面として、今後栽培拡大
が期待される技術である。技術的には、マルチ栽培によ
0
"
"
"30%
り登熟が 1旬程度早まり、収量(乾総重)も 2
増加することが報告されているが、崩壊'性マルチ破片の
蓄積・飛散等により、地域のトラブ、ル発生が懸念される
ことから「露地栽培」での可能性を試算した。小麦の播
種限界から鑑み、 9月中旬までの収穫を栽培限界とした。
その結果、小麦の前作として、露地栽培で、十勝、網走、
Ko
町U
MA and H
i
s
a
k
i HASEGAWA
緒言
とうもろこし(サイレージ用)早生の早品種および、
上川において「極早生合成品種 AJ と同程度の熟期品種
更に熟期の早い極早生品種は、早生の中以降の品種に比
べ、収量は少ないものの、雌穂重割合が高く TDN含量
"
"
9月上旬、「ぱぴりか(北交 62号)J と
では 8月下旬 "
"
"
9月中旬収穫可能と試
同程度の熟期品種では 9月上旬 "
が高い。また、生育期間が短く登熟までの積算気温が少
算できた。
一方、有機飼料(無除草剤)栽培のため、実生雑草発
ないことから、根釧地域での飼料用栽培に利用されるが、
これらの特性を活かして、根釧以外の地域で、秋播小麦
の 2毛作や、晩播による実生雑草との競合回避に利用し
た場合の収穫・播種時期について、材料品種および道北
.東および空知地域の積算気温からシミュレートした。
生ピーク (6月中下旬)を避ける、晩播については、根
釧地域以外での栽培では、「極早生合成品種 AJ と同程
材料および方法
「極早生合成品種 AJ は日本草地畜産種子協会が試験
用に導入し、日本では種子流通は無いが、極早生熟期の
J
材料ではどうかという考え方。「ぱぴりか(北交 62号 )
えられる。
度の熟期材料で検討の可能性があると試算できた。
尚、総体乾物率 30 %は黄熟中 後期であり、黄熟初
期の収穫の場合は、更に若干生育期間を短くできると考
表1 偶蹄材料、耕盟軍要、絹綿鞄梅担問(l::l厳重~Jj輔噌醐読昆
単純頭 間雄総体
場植
世 訴験 搭種 播種 4
耀
材料名 訴E
は根釧地域以外の通常栽培では倒伏が懸念されるが、早
生の早の熟期品種ではどうかという考え方で供試した。
単純積算気温の計算にはアメダス日平均気温を用い、
I
¥
b
. 場
ヲ
『
1A 中 騨 Z肪
6
,
α
x
) 3
お 1
5
.
5 1
.
9
:
:
泣
/
:
6/29
,
7
町
6
,
α
x
) 2
6
/
1
79
/
:
お 1
6
.
0 1
極早生
A
乾勝率
1
,
&
3
0
,
4
3
2 4
,
α
立
5
3
.
8 2
/
2
11
2A 中 騨 Z胤 5
/
1
89
m
明 騨 Z胤
3 哨霧事 Z肪
5
;
'
:
沼 9
.
5 1
,
部l 1
,
0
0
2 1
8
f
踊
5
,
7
4
8 お1
/
1
41
お 1
,
田2 1
,
9
:
立
;
'
:
0
,
α
x
) 3
0
.
0 1
6/29
,
7
1
6 3
0
.
9 2
,
0
7
3 2
,
0
1
3
I
北
見J
か 4 判霧事 Z胤 5
/
1
79
/
2
17
(~回配号)
5 司仔府 Z脱 5
,
α
刃
,
却7 31
,
1
2
6 2
/
1
67
.
1 2
/
1
99
適応性検定試験(中標津、訓子府、芽室)の総体乾物率 30
%に極めて近いデサの単純積算気温を求め、 30%との差
6 司附守 2
,
5
7
6
0
0
35
/
1
69
/
:
却 7
泊A
,
1
沼
2
,
1
3
5 2
,
8
4
3
7 芳室 Z胤 5
/
1
19
/
1
47
担.
7
2
,
2
6
1 2
,
町5
を比例計算した。更に、中標津における播種時期試験か
,
2
5
5
,
8
4
3 2
9
.
1 2
,
1
8
7 2
8 芳室 2
0
0
35
0
/
27
/
1
21
ら総体乾物率 30%の時の積算気温を計算した。
また、道内各地(中標津、芽室、訓子府、士別、長沼)
のアメダス日平均気温の 10ヵ年平均値を用いて、小麦
試算
対象
地域
吋ヒ海道立根釧農業試験場 (
0
8
6・1
1
0
0 標津郡中標津町
6
5
9
) KonsenA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lE
x
p
e
r
i
m
e
n
tS
t
a
t
i
o
n,
宇中標津 1
が丘 1番地) N
a
t
i
o
n
a
lA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lR
e
s
e
a
r
c
hC
e
n
t
e
rf
o
r
,S
a
p
p
o
r
o
,H
okkaido
,0
60
・8
589,J
a
p
a
n
HokkaidoRegion
料率日本草地畜産種子協会北海道支所 (
0
6
9
・
0822 江別
市東野幌 406番地) J
a
p
a
nG
r
a
s
s
l
a
n
dFarmingF
o
r
a
g
eS
e
e
d
A
s
s
o
c
i
a
t
i
o
n Hokkaido Branch, Ebetsu, Hokkaido,
069
・
0822
,
J
a
p
a
n
Z胤
表 2 利用別に試算した暦日 f
太字は活用有望な暦日)
の前作物としての早期収穫時期、および実生雑草との競
N
a
k
a
s
h
i
b
e
t
s
u
,H
okkaido,086
・1
1
0
0,J
a
p
a
n
料北海道農業研究センター (
0
6
2
・
8555 札幌市豊平区羊
同左
本1
1
ω 物幸司%) ("0 筑泌楠日直 事均
月日 月日-(
年
合前罷重 1
B 判禁津 2肪
「極早生合成品種 AJ は中標津において播種・収穫時期
に処理を加えた栽培試験から、総体乾物率 30 %を挟ん
だ単純積算気温を求め、聞を比例計算した。
、 2003,
.
, 2
004年の系統
「ぱぴりか(北交 62号)Jは
本数 制輯吃 窮屈度
5/15播 種
9/30収 穫
1
0
/
3
1収 穫
した場合の
する場合の
する場合の
総体乾物率
総体乾物率
総体乾物率
30%に必要な
3
0
%
1こ必要な
30%に必要な
積算気温に
積算気温に
積算気温に
達する収種目
(
'
0
5
'
9
6の
達する播種目
(
'
0
5
'
9
6の
達する播種目
(
'
0
5
'
9
6の
1
0年平均値)
小麦前作
極早生
合成品種
中標津
芽室
A
訓子府
士別
長沼
中標津
ぱぴりか
芽室
(北交 6
2号) 訓 子 府
士別
長沼
-35-
9/18
9/3
9/4
8/30
8/29
10/4
9/16
9/18
9/12
9/9
1
0年平均値)
雑草回避
6/2
6/17
6/14
6/18
6/24
5/8
6/2
5/29
6/4
6
/
1
1
1
0年平均値)
雑草回避
6/26
7/5
6/30
7/
4
7/14
6/9
6/22
6/17
6
/
2
1
7
/
1
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
コシよりも有意に高く、ソルゴ-型の中には 2.
5t/10a
を越える品種も存在した。 TDNはソルガムが有意に低く、
TDN収量は、ソルゴ-型多収品種が RM100と、スーダ
道央地帯におけるソルガム栽培の可能性
一高温年次の収量性紺屋
裕美・義平
大樹・小阪
進一・高井
智之*
C
u
l
t
i
v
a
t
i
o
no
fsorguma
ss
i
l
a
g
ei
nc
e
n
t
r
a
la
r
e
a
so
fHokkaido
Y
i
e
l
d
i
n
ga
b
i
l
i
t
yi
nh
i
g
ht
e
m
p
e
r
a
t
u
r
ey
e
a
r
HiromiKONYA・T
a
i
k
iYOSHIHIRA・S
h
i
n
i
c
h
iKOSAKA・
)。
ン型多収品種が RM85と同程度であった(表 2
考察
5 タイプのうち、ソルゴ-型・スーダン型が飼料用ソ
ルガムとして有望であると考えられた。 5 月下旬に播種
した場合、高温年次ならば、ソルゴ-型多収品種は、乾
物収量が RM100のトウモロ
表1雰 品 種 品 糊
品種名
TomoyukiTAKAI*
緒言
ソルガムは西南暖地においては主要な飼料作物の 1つ
であるが、寒冷地においては普及していない。しかし、
道央地帯の内陸部においては 7・
8月にある程度の積算気
温が確保されるために、ソルガムの高い乾物生産能力が
発揮されると予想される。そこで、ソルガムの乾物およ
び栄養収量をサイレージ用トウモロコシと比較し、道央
地帯における飼料用ソルガム栽培の可能性を検討した。
コシ品種の 140%、TDNが
75%程度であることから、
ス
イ
ン
グ
ラ
ス
3
TDN収量は RM100とほぼ
ス訪ム
3
同等の値を示すと判断された。 ソ
ル
ゴ
ー
型
ソ
ル
ガ
ム
また、スーダン型多収品種は、
5
t::"iI'-"~t!ーソルゴー
ヨ
秩立 (8MR
有}
乾物収量が RM85のトウモロ棚型
コシ品種の 135%程度を示す
ソ
ル
ガ
ム
ことから、 τ
'D
N 収量は RM85
子
実
型
とほぼ同等の値を示すと推定
ソ
ル
ガ
ム
5
州
比較対露
材料および方法
)
酪農学園大学の実験圃場にて、ソルガム 18品種(表 1
ロ
ー
ル
キ
シ
グ
ロ
一
三
七
二
で
外m
フ
ア
公
立
ゴ
ー
ス
グ
ッ
ク
ス306
ス
ー
,
い
シ
ュ
ガ
ー
ソ
ル
ゴ
ー
ク
ミ
ア
イ
ソ
ル
ガ
ム
ハ
チ
ミ
ツ
J
Z
f
Z
ル
ゴ
ー
Z
性
ソ
ル
ゴ
ー
(
BMR有)
雪
印
ハ
イ
プ
リ
川
ぱ
ー
リ
ュ
ウ
ジ
シ
ロ
セ
3
チベロウス{相対熟度目 5
日}
ネオヱネ岬-:lJ~:iー
された。今後、低温年次の
間 同
三三官J
収量性についても十分に検討する必要がある。
表 2 5/23椿 区 に お け る 多 収 品 種 の 乾 物 収 量 お よ び 栄 養 収 量
分類
品種
乾物収量
TDN
T D N収 量
(kg/lOa)
(早也)
(kg/lOa)
を 5月 23日
、 6月 4日
、 6月 10日に畦幅 75cm株間 8cm
で点播した。比較対象としてトウモロコシの相対熟度 85
スーダン型
スーダン型
グリーン'
A
2317ab
スダックス 306
2142b
ソルゴ~型 ス ー 1
'
¥一一ンュガー
2153b
ピックシュガ2538a
ソルゴー去2
天高
2534a
ソルゴー型
トウモロコシチベリウス,(RM85日)
1619c
トウモロコシニューデント 1∞ 日
1766c
アルファベットは Fisherの PLSDに よ る 多 量 比 較
日(RM85)と 100 日(RM100) の品種を用いた。両作物と
もに試験配置は、播種期を主区、品種を副区とする 2反
復分割区法とした。 10月上旬に乾物収量を調査し、 ADF
48.6 e
51
.0 d
56.0 c
51
.7 d
50.8 d
69.6 a
67.6 b
1127ab
1
凹ヨ b
1207a
1313a
1287a
1094b
1229a
r
ー
│
から TDN含量を推定した。また、試験期間 (
5
/
2
0
1
0
/
2
0
)
0
の単純積算気温は 2733Cに達し、高温年次であった。
R Mは 相 対 熟 度
2600
6
/
1
0
播区
5
/
2
3播区
2300
結果
1
. 乾物収量および栄養収量のタイプ間の比較
5
/
2
3播区の乾物収量は、品種の平均ではソルゴ-型>
スーダン型〉兼用型 >RM100>スーダングラス =RM85>子
実型の順に高かった(図 1
)
06
/
10播種区においても RM85
を上回ったのはソルゴ-型とスーダン型のみであった。
5
/
2
3播区の TDN含量は、
800
ス ス ソ 兼 子 チ ニ1 M ス ス ソ 兼 子 チ ニ
│グ│ル用実ぺユす│グ│ル用実ぺユ
ダラダゴ型型リ l ダ 弓 ダ ゴ 型 型 リ │
ンスン│
ウデ
ン妥ン│
ウ デ 100
型型
ス ン ハ 型 型
スン円
ト ト 【
トウモロコシが 68%前後、ソ
ルガムが 50"'55%とトウモロコシに比べ 10"'15%程度
低くなった。ソルガム品種の中ではソルゴ-型・兼用型・
図 1 各タイプにおける品種平均の乾物収量縦俸は標準偏差
1
4
0
0
8
0
子実型が他のタイプに比べ、やや高かった(図 2
)。
7
0
~50
害
容
離 40
5
3
0
2
. 多収品種の乾物収量および栄養収量
多収品種の乾物収量は、すべての品種においてトウモロ
2
0
1
0
t
ント
ω日
チベリウス
縦棒は標準偏差
ニュー芳
m
LL-
ス│ダン型量
ソルゴ l 型
∞日
グラス峨
スーダン
oTA
J
IA
p
一
ニ
ュ lデシト JHH
山市
チベリウス
4
nAU
-36-
,,,,,
7
1
1J
a
p
a
n
3
9
9・0
図
Na
伊n
o Ani
m
a
lI
n
d
u
s
t
r
y
,E
x
p
e
r
i
m
e
n
tS
t
a
t
i
o
n,S
h
i
o
j
i
r
i,N
a
g
a
n
o
巴子実型る
'
ス
-nu
*長野県畜産試験場 (399・0711 長野県塩尻市片丘)
ソルゴ l型 欧
L
グ
ラ
ゴ
案用型制
~
ス
RakunoG
a
k
u
e
nU
n
i
v
e
r
s
i
t
y
,
E
b
e
t
s
u,
H
o
k
k
a
i
d
o0
6
9
8
5
0
1,
J
a
p
a
n
スlダ ン 型 播
酪農学園大学 (069・8501 江別市文京台緑町 582・1
)
芝日は
プはいずれも RM85より低収であった。
側側側副捌び
や下回ったが、 RM85 より高かった。しかし、他のタイ
6
0
ヘ
ES
咽
f
(州﹄
TDN収量は、品種平均ではソルゴー型が RM100をや
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
小葉型シロクローパ新系統「北海 1号」の特性
奥村健治事・林拓村・岩測慶州・佐藤尚親 H ・牧野司...
安達美江子問・大塚博志川-嶋田徹川-贋井清貞..磯
部祥子事
T
r
a
i
t
so
fanewlyd
e
v
e
l
o
p
e
ds
m
a
l
ll
e
a
v
e
dw
h
i
t
ec
l
o
v
e
rl
i
n
e
‘
Hokkail
'
K
e
n
j
i OKUMURA*• Taku H
A
Y
A
S
H
I
.
.• K
e
iI
W
A
B
U
C
H
I
.
.
.•
別0
・・ .
MiekoA
D
A
C
H
I
.
.
.•
N
a
r
i
c
h
i
k
aS
A
T
O
.
.• T
u
k
a
s
aMAK
- H
i
r
o
s
h
iOTSUKA ・T
o
r
uSHIMADA ・S
a
c
h
i
k
oI
S
O
B
E
*•
K
i
y
o
s
a
d
aH
I
R
O
I‘
.
.
.
緒言
近年、収穫時期の労力分散、放牧、兼用利用に対応
してチモシーの中生や晩生品種の栽培が増加しつつあ
る。これらの品種に対して混播相手のマメ科牧草とし
ては晩生のアカクローパや小 中葉型のシロクローパ
が利用されているが、最近の夏期の高温干ばつ等の気
象条件によりマメ科の優占度が高くなりすぎる傾向が
みられる。そとで、シロクローパの小葉型の中でもさ
らに競合力の弱い小型の系統として、東北農業試験場
で育成された小葉型系統「東北 17号」を母材に根釧
農業試験場、ホクレン研究農場ならびに北海道農業研
究センターで系統選抜と個体選抜を行い、 9クローン
からなる北海 1号を育成した。本研究ではその合成第
1代をチモシーの中および晩生品種と混矯したときの
特性を既存の小葉型シロクローパ品種と比較した。
体数は北海 1号の 9系統については 5個体 X2反復の
1
0個体、東北 1
7号と 3品種はついては 1
0個 X2反復
の 20個体とした。翌 2005年には、これらの品種・系
統の混播条件における小葉の大きさ、葉柄長、株の広
がり、被度などを調査、比較した。
結果および考察
2
0
0
5年の 1回目の刈取りは「ホクシュウ」は放牧を
想定して 6月 7日に、「キリタップ Jは兼用利用を想定
して出穂期の 6月 2
4日に行った。その後、干ばつと高
温のためチモシーの再生が悪く、「ホクシュウ」は 2
番草を 7月 2
2日行ったが、その後は両品種共に 8月
2
6日と 1
0月 2
7日に刈取りを行った。
5
%と東北 1
7号や既存
北海 1号の越冬後の生存率は 9
品種より若干低い値であった。 5月 2日の調査では、
北海 1号の 9系統の小葉長は「キリタップ」との混播
7
.
4から 2
2
.2
m
mの範囲で、平均値は 1
9
.
2
m
m
条件で 1
と東北 1
7号の 2
2
.
4および 3品種の 2
3
.
8から 2
7
.7
m
m
の8
6から 7
0
%にとどまった(図1)0 r
ホクシュウ J と
の混播ではさらに小葉長は小型化し、 9系 統 平 均 で
1
6
.
7
m
mと他の 4系統の 8
4から 7
3
%であった。また、同
様な傾向は葉柄長や夏の小葉長にもみられた。
ー・ーキリタップー合・ホクシュウ
35
30
E 25
~ 2
0
~ 1
5
輯 1
0
5
0
2 3 4 5 6 7 8 9T
17NW RV TH
材料および方法
チモシーの中生「キリタップJ および晩生「ホクシ
ュウ」の 2品種を 2004年 8月 4 日に播種量 1
5
0
g
/
aで
散播し、 9月 27 日に刈払いを行い、翌 28 日にシロク
ローパを移植した。供試したシロクローバ品種・系統
は北海 1号の合成第 1代の親クローン別 9系統(以下
"
"
9
) と母材とした東北 1
7号 (TI7) 、およ
の図では 1
び既存の小葉型品種「ノースホワイト J(NW)、 「リベ
ンデル J(RV)と「タホラ J(
TH)の合計 1
3系統である。
9日に播種し、ガラス室
とれらのシロクローパは 8月 1
で育苗し、移植は lmXlmの個体植えとした。調査個
系統名
図 1 シロクローパの春の小葉長
0
%程度が理想
草地の栄養価の面ではクローパ率は 3
とされているが、夏の被度について 8月 2
5日に調査し
たところ、北海 1号の 9系統平均で「キリタップ J と
1
%、「ホクシュウ」では 2
4
%と適当な割合で
の混播で 3
2
あった。一方、他の 4系統では「キリタップ j で 4
から 6
側、「ホクシュウ Jで 3
4から 6
0
%とややチモシー
を抑圧する傾向がみられた。
以上の結果から北海 1号は既存の品種よりも小型で、
夏の干ばっかでも過度に優占しない特徴を示し、中晩
生のチモシーとの混播に適すると考えられる。
(
0
6
2
8
5
5
5 札幌市豊平区羊
ケ丘 1
)N
a
t
i
o
n
a
lA
g
r
i
c
u
lt
u
r
a
lR
e
s
e
a
r
c
hC
e
n
t
e
rf
o
r
H
o
k
k
a
i
d
o R
e
g
i
o
n, H
it
s
u
ji
g
a
o
k
a ,1 T
o
y
o
h
ir
a, .,...... 100
S
a
p
p
o
r
o, H
o
k
k
ai
d
o0
6
2
8
5
5
5, J
a
p
a
n
倒 80
“北海道立根釧農業試験場 (
0
8
6
1
1
5
3 標津郡中標津
ぎ60
町桜ケ丘 1
1
)K
o
n
s
e
nA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lE
x
p
e
r
i
m
e
n
t
【a
1
,
1
N
a
k
a
s
h
i
b
e
t
s
u, b
S
t
a
t
i
o
L
S
a
k
u
r
a
g
a
o
l
ロ 20
H
o
k
k
ai
d
o,0
8
6
1
1
5
3, J
a
p
a
n
ぷ
m ホクレン畜産技術研究所 (
0
9
9
1
4
2
1 常呂郡訓子府
8
4番地) H
o
k
u
r
e
nT
e
c
h
n
i
c
a
lR
e
s
e
a
r
c
h
町字駒里 1
I
n
s
t
i
t
u
t
eo
fL
i
v
e
s
t
o
c
ka
n
dG
r
a
s
s
l
a
n
dS
c
i
e
n
c
e
u
n
n
e
p
p
u, H
o
k
k
a
i
d
o, 0
9
9
1
4
2,1 J
a
p
a
n
K
o
m
a
s
a
t
o1
8
4, K
可ヒ海道農業研究セシター
ー・ーキリタップ..,._ホクシュウ
醤
邑
4
4
0
。
-37-
1 2 3 4 5 6 7 8 9 T17NW RV TH
系統名
図 2 夏のクローパ被度
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
小中葉型シロクローバ選抜集団における播種年の
生育特性と越冬性関連特性との関係
(
表 2
)。一方、「ランナー枯死程度」に対しては、越冬前の
いずれの調査特性とも明確な関係が認められなかった。
これらのことから、定着時にランナーをよく出し、伸ばす個
林拓・.奥村健治"・牧野司・.佐藤尚親.
体は、晩秋までに株が大きくなる傾向にあり、「越冬前
草勢」が優れる個体は、翌年の「早春草勢」が良好な傾
R
e
l
a
t
i
o
n
s
h
i
pb
e
t
w
e
e
ns
o
w
i
n
gy
e
a
rc
h
a
r
a
c
t
e
r
i
s
t
i
c
sa
n
d
w
i
n
t
e
rh
a
r
d
i
n
e
s
sc
h
a
r
a
c
t
e
r
i
s
t
i
c
s
i
nwild-commonw
h
i
t
ec
l
o
v
e
r
.g
e
n
o
t
y
p
e
s
TakuHAYASHI・Ke
吋iOKUMURA・
T
s
u
k
a
s
aMAKINO・N
a
r
i
c
h
i
k
aSATO
向にあるといえた。
「ランナー枯死程度」と越冬前の調査特性との関係を検討
するため、越冬前の各調査特'性について、主成分分析を
)。その結果、第 2主成分 (
Z
2
)までで、全体
行った(表 3
の 60%までを表現できた。また、固有へやクトルの高い調査
特性から、第 1主成分 (
Z
I
)は、"個体の大きさ"を、 Z2
緒言
は"早生性(晩休眠性)"を表すと解釈された。
シロクローハ守は、ランナー(旬旬茎)をよく伸ばし、植生維持効
これに基づく主成分スコアの散布図に、 「ランナー枯死程度」
果が高い草種である。しかし、冬期寡雪な根釧地域では
の評点を重ね合わせたところ、評点 3以上の個体は、 Z2
ランナーの凍害が多発するなどして、収量調査でのマメ科率が
が正の象限に偏在する傾向が見られた(図1)。これらの
他地域より低い傾向にある。そこで、育種による耐寒性
ことから、播種年に早生性(晩休眠性)を示す個体で、「ラ
等の強化を想定し、その効率化を図るため、圃場展開の
ンナー枯死程度」が高いものと考えられた。
初期段階から参考とできる選抜指標について検討した。
以上の結果は、すでにある程度以上の選抜が行われた
集団についてのものであることに留意する必要がある。
材料および方法
東北農試育成の 4 系統(小 中葉型)及び「ソーニtJ (
中
002
葉型)、「対ラ J(小葉型)の計 6品種・系統について、 2
年 7月 1
9 日に、各 60個体(温室内で 3
5 日間育苗)を圃
場に定植した。定着不良だった 3個体を除く計 357個体
について、播種年の特性及び翌年の越冬性関連特性を調
査した。調査特性のうち、「ランナー本数」は定着時の実数
とし、他の特性は 9段階の評点とした。また、「霜害程
度」とは、晩秋、降霜のあった朝に、葉のしおれ具合を
表2
. 調査特性による相関行列と有意性検定
調査項目 ラン数 開 花 霜 害 密 度 株広 秋 勢 ラン枯 春 勢
ランナー本数
0
.
3
00
.
0
20
.
3
60
.
6
30
.
3
60
.
0
7 0.
47
0
.
0
70
.
0
00
.
2
90
.
1
00
.
3
1.
0
3
開花程度 NS 1 0
0
.
2
30
0
.
2
70
0
.
2
5
霜害程度 NS NS 1 .
2
7.
0
10
.
3
40
小葉密度 NS NS NS
0
.
3
40
.
3
8.
5
5
株の広がり
NS NS NS
0
.
5
30
.
1
20
.
6
4
0
.
2
70
越冬前草勢 NS NS NS NS
.
7
7
0.
4
0
ランナー枯死 NS NS NS NS NS NS
旦豪首塾
本
NS NS *
NS 1
注)右上;相関係謝 、左下;1
%
水準での有意性検 E
の結果。
*
*
*
*
*
*
* *
*
評価したものである。
特性問の関係解析は、個体レへやルで総当たりの相関係数
を算出し、相関行列を作成することから開始した。
表 1. 調査特性の一覧
.調査特性
調査月日│調査特性
8/14
I
株の広がり
ランナー本数
開花程度
10/24 I
越冬前草勢
霜害程度
1
0
/
2
5 I
早春草勢
(春)5
/
1
2
小葉密度
1
0
/
2
5 I
ランナー枯死程度(春)5
/
1
2
注)評点: 1(無/微・疎・小 )"'9(多・甚・密・大・良)。
表3
.
相関行列から出発した主成分分析結果
Zl
Z2
Z3
Z4
Z5
Z6
固有値
2.
42
5 1
.2
7
7 0
.
9
1 0
44 0
.
2
9
.
6
5 0.
40
4 0
.
6
1
7 0
.
7
7 0
.
8
8 0
.
9
5 1
.00
墨積寄与率 0.
固有ベクトノレ
.
1
2 0
.
0
20
.
7
40
.
3
3
ランナー本数
0
.
5
0
4 0
.
2
7
3 0
開花程度
0
.
2
2
7 0
.
5
3
4 0
.
6
9 0
.
1
0 0
.
3
5 0
.
2
4
霜害程度
0
.
1
4
5 0
.
6
2
6 0
.
6
1 0
.
3
0 0
.
3
1 0
.
1
7
0.
41
8 0
.
2
5
70
.
1
30
.
8
5 0
.
1
6 0
小葉密度
.
0
6
株の広がり
0
.
5
4
0 0
.
2
0
3 0
.
1
8 0
.
2
5 0
.
1
4 0
.
7
4
越冬前草勢 0.
45
5 ー0
.
3
7
5 0
.
3
0 0
.
3
4 0.
43 0
.
5
0
注)
Z
l:
第 1主成分、 Z
2
:第 2主成分(以下同様)。
結果および考察
各特性間の総当たり相関では、「早春草勢」に対し、「越
冬前草勢」が高い正の相関関係を示し、その他、「株の
広がり」など定着時及び越冬前の、個体の旺盛な生育程
度を示す特性とも比較的高い正の相関関係が認められた
1ヒ海道立根釧農業試験場
(
0
8
6
・1
1
0
0 標津郡中標津町
宇中標津 1
6
5
9番地) Konsen A
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
l E
x
p
e
r
i
m
e
n
t
S
t
a
t
i
o
n,(
N
a
k
a
s
h
i
b
e
t
s
u
,Hokkaido,086・1100,J
a
p
a
n
)
"北海道農業研究センター (
0
6
2
・8
5
5
5 札幌市豊平区羊ヶ
正 1番地)Na
t
i
o
n
a
l A
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
l R
e
s
e
a
r
c
h C
e
n
t
e
r f
o
r
H
o
k
k
a
i
d
oR
e
g
i
o
n
,
(
S
a
p
p
o
r
o
,Hokkaido,062-8555,J
a
p
a
n
)
図 1.
主成分スコ7
の分布と「ランナー枯死程度」
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
ガレ力草地の造成年と
2年目の比較
で.50%、2番草で 30%、3番草で 20%と順次低下した。
一方、 2年目のガレガは 1番草から全樹重区で旺盛な生育を
堀川│洋・池滝孝・塚本孝志・
示し、ガレガ椀支は各番草で 70"-'90%と優占し丸
菊地仁・戸梶智一
収量調査の結果、造成年におけるガレガの乾物収量はチモ
シー混播区>ガレガ単播区〉エンバク同伴区の1
)
慎で、あった。
Com
阿おα1 b
e
t
w
倒
1
t
h
e1
s
ta
n
d2
n
dy
e
a
r伊 悶 伊 g
r
a
s
s
l
組 d
s
しかし 2年目のガレガ乾物収量はチモシー混播区くガレガ単
播区・エンバク同伴区であり、年比怪過による変化が見られ
YohHORIKAWA,
T
.
北a
s
ilKET.ば1
,
T
a
k
a
s
iT飢 広AMOTO,
た。一方、チモシー混播-区.におけるマメ科率(ガレガ/チモ
回t
o
品i
K
I
K
u
α
I
Ia
n
dT
o
m
o
i
c
h
iT
O
K
A
J
I
シー+ガレガ、雑草は除く)は、造成年の 1番草で 33%、
2番草で 6 1 %で、あったのに対して、 2年目の 1番草で 6
1 %、 2番草で 81%、 3番草で 77%であり、 2年目には
緒言
ガレガは北海草に導入されてから日が浅く、生育特性は十
ガレガの乾物重割合がチモシーを大きく上回った。なお、混
分明らかになっていない。特に様々な要因が関わる草地にお
播区におけるガレガとチモシーの草丈は、各番草ともに同調
けるガレガの経年的な動態についての報告は少なしも
的な伸長速度を示した。
そこで、、除草済枚目里同日播種法によって造成したガレガの単
播、チモシー混播、エンバク同伴播種の草地植生について造
成年から 2年目の推移を調査した。
以上の 2年間の結果より、
(1
) ガレガは初年目には生育が劣るので定着に多少不安で
あるが、 2年目には予想以上の旺盛な草勢を示した。
(
2
) チモシーとガレガの草丈の伸長速度は差がなく地上部
の競'合は小さいと思われるが、混播区でチモシーの草勢が
材料および方法
2004年に帯畜大フィールド科学センターの実験圃場
1
. 9haを用いて、 4月下旬の整地後から雑草の生育を放置
し
、 6月 7日に除草剤処理同日播種法によって草樹丑合せの
次第に衰えて行ったことより、今後、地下部の調査が必要
と考えられる。
(3) 造崩時の播種量は、 2年目以降のマメ科率を考慮して
異なる 3種類の播種処理をした草地を造成した。播種量は、
決める必要がある。
8
4、単播 (G,3
k
g
/1
Oa) , チ
モ
シ
.
.
.
_
.
.
ガレガ:こまさと 1
(4) ガレガの生育特性には未知な点が多いので、今後長期
キリタップ、混播
同伴播種
(
G
,
2
.
5
k
g
,
T
i,0.8kg) ,エンバク:スワン、
に渡る観察が必要で、あることが認められた。
ω
,
3
k
g
,エンバク, 5
k
g
) で、あった。
各播種処理区に 1mx1mのコドラートを 5個設定し、 2週
間ごとの植生調査を 2年間紺続したコ収量調査は、造成年に
2
は 1番草 8月 5日
、 2番草 10月 21日
、 2年目には l番草
6月 8日
、 2番草 8月 12日
、 3番草 10月 16日に行った
3
包1
m) 1600
造成年
1400
1200
1
0
0
0
800
600
400
200
結果および考察
造成年におけるガレガ個体数の推移は、雑草の発生量と密
接な関係があった。 1番草刈取りまでは、単播区で雑草が優
占しガレガ個体数の減少程度が大きかったが、チモシー混揺
区およびエンバク同伴区で、は雑草の発生量は小さかった。 1
番草刈取り後は、エンバク同伴区で、エンバク収穫後の雑草の
1
6
0
0
1
4
0
0
繁茂によりガレガ個体数が大きく減少した。その結果、造成
1
2
0
0
1
0
0
0
年の日脚k
のガレガ個体数は、チモシー混播区で最も高く (
5
0
個体1
m), 次し、でガレガ単播区 (
ω 個体1
m)、エンバク同
3
5個 体I
r
r
l
) の順で、あった。
伴区 (
2年目にはガレガの国体Z
脇J
I
がで、きなかったので、冠部被
800
600
400
200
チモシー混槽区
ガレガ...区
エンパタ同伴区
度を調査した。チモシー混播区では、チモシー被度が 1番草
造成年と2年自の合計乾物収量の比較
0
8
0・8555 帯広市稲田町)
帯広畜産大学(
0凶世'0U
n
i
v
e
r
s
i
t
yo
fA
g
r
.&V
e
t
.M
e
d
i
c
i
n
e
,O
b
i
h
i
r
o
,Ho
k
1
姐i
d
o,
0
8
0
8
5
5
5,
.
J
i
時
四1
-39一
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
3年目に放牧前後の現存草量および放牧前の草種別の生
作溝法によるオーチヤードグラス主体放牧地への
ペレニアルライグラス導入
重量割合を測定した。
新宮裕子*・堤光昭料・佐竹芳世本(故)・
結果および考察
井内浩幸*
施工後の放牧開始日数の違いによる差は小さかったた
め、作溝区およびロータリ区の結果は平均値で示した。
Thei
n
t
r
o
d
u
c
t
i
o
nofp
e
r
e
n
n
i
a
lr
y
e
g
r
a
s
s(
L
o
l
i
u
mp
e
r
e
n
n
eL
.
)
Gおよび雑草の冠部被度は 5月区でそれ
施工時における O
i
n
t
oo
r
c
h
a
r
d
g
r
a
s
s(
D
a
c
t
y
l
i
sg
l
o
m
e
r
a
t
aL
.
)p
a
s
t
u
r
eu
s
i
n
gone
ぞれ 60%、 20%であり、 7月区で 70%、 15%であった。
ロータリ区における施工後から放牧開始までの日数は 5
p
a
s
ss
e
e
d
e
r
A
T
A
K
E・
YukoS
H
I
N
G
U .M
i
t
s
u
a
k
iT
S
U
T
S
U
M
I・YoshiyoS
月区で 6
7日
、 7月区では 45日であった(表1)0 5月区
H
i
r
o
y
u
k
iI
u
c
凹
および 7月区における放牧前の現存草量は施工後 2およ
び 3年目ともに無処理区、作溝区およびロータリ区でほ
ぼ同様であった。また 5月区および 7月区の乾物収量は
緒言
道北の酪農地域では放牧を取入れた飼養が多く行われ
ており、その中でペレニアルライグラスを利用した放牧
施工後
2年目では作溝区がロータリ区よりも低い傾向に
あったが、 3年目では両区ともほぼ同程度であった。
の普及が進められている。放牧草としてぺレニアルライ
5月区の作溝区における P
R生重量割合は、施工当年か
グラスの積極的な利用を図るには、既存のイネ科主体放
ら 2年目の秋まで緩やかに増加したが、ロータリ区に比
1) 7月区の作溝区では P
R
牧地を簡易な方法でぺレニアルライグラス主体放牧地へ
べて低い値で推移した(図
と転換する技術が必要である。放牧を続けながら簡易更
生重量割合が 2年目の夏から 3年目にかけて緩やかに増
新を行う方法として作溝法があるが、更新後の
P
Rの定着
0
加した。また 7月区における作溝区の
P
R生重量割合はロ
程度や施工時期については明らかでない。本試験では、
ータリ区よりも低く推移した(図
1) 5月区において施
作溝法によりオーチヤードグラス (
O
G
) 主体の放牧地に
工後 3年目の夏における作溝区の
P
R冠部被度
ペレニアルライグラス
(
P
R
) を播種し、播種後の
2""3
0
(52%) は
7月区 (22%) よりも高い傾向にあった。一方、 5月区の
P
R冠部被度は
年後の植生変化を施工時期の違いも合わせて表層撹枠法
ロータリ区の
と比較、検討した。
とほぼ同程度であった。
材料および方法
た。しかし、作溝法は施工直後から放牧が可能であり、
71%であり、 7月区の 73%
作溝法は表層撹梓法に比べて
試験は天北農業試験場内のオーチヤードグラス主体放
P
Rの定着程度が低かっ
施工を放牧が始まる前の早春に行うことで、より
P
Rの定
牧地(褐色森林土)において行った口作溝法では作溝 1
4
着程度を高めることが可能である。作溝法の早春施工は
条機(作溝区)を、表層撹持法ではロータリハロー(ロ
放牧を継続しながらも植生を変換するのに有効な方法で
R(品種「ポコ
ータリ区)を用いて l区あたり 2.5aに P
あると考えられた。
ロJ
) を 2.5kg/10a播種した。作溝機の施工深は 5cm、畦
表 1 施工後から放牧開始までの日数および
放牧回数
幅は 15cmであり、ロータリハローの施工深は 10cmであ
った。施工時期は 5月 (
5月区)および 7月 (
7月区)と
日数
し、作溝区は 5/9および 7/9、ロータリ区は 5/2および
7/9に施工した。 5月および 7月区それぞれに施工しなか
5月区
った区(無処理区)を設置した。
施工後の放牧開始は、作溝区において施工後 5日目お
7月区
よび 1
5 日目とし、ロータリ区では草丈が 20cm および
30cmに達した時点で行った。 2回目以降の放牧は
P
Rまた
はO
Gの草丈が 20cmで入牧した。供試牛はホルスタイン
n
u
n
u
-
験は施工後 3年目の 9月まで行い、施工後 2年目および
1
1
s
ず
1
2
45
事
1
年目 2年目 3年目
7
7
4
8
4
8
4
9
4
5
7
4
8
4
5
9
4
3
草丈20cmまでの日数
*PR
)
(也綱
種牛 5頭であり、約 7割を採食した時点で退牧した。試
無処理区
作溝区
ロータリ区
無処理区
作溝区
ロータリ区
放牧回数
一+ー無処理
一・一作溝
5月区
~
一報ーロ 1
1
リ
y
*北海道立天北農業試験場 (098・5738 枝幸郡浜頓別町
緑 ケ 丘 8・2) ,Hokkaido P
r
e
f
. Tenpoku A
g
r
.E
x
p
.S
t
a
.,
HamatombetsuHokkaido098・5738,
J
a
p
a
n
**北海道立畜産試験場 (
0
8
1・0038 上川郡新得町西 5線
39) Hokkaido Ani
m
.R
e
s
.C
e
n
t
e
r
,Shintoku,Hokkaido
J
a
p
a
n
081・0038,
図1 P
R生重量割合の推移
-40一
J
ー
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
草地利用率(%)=(推定採食量/入牧前現存草量)x1
0
0
/
5
ベレニアルライグラス主体放牧地における異なる中牧区
頭/放牧日数
放牧方式での草地利用率および食地割合
食地割合(%)
= {食地箇所数/ (全測定箇所数) }
x100
中村直樹・新宮裕子・吉田昌幸・岡元英樹・井内浩幸
結果および考察
G
r
a
z
i
n
ge
f
f
i
c
i
e
n
c
yandr
a
t
eofg
r
a
z
e
da
r
e
ai
nd
i
f
f
e
r
e
n
t
i
a
l
放牧回数は集約区、中牧 A 区は 2年間ともに 9回程度、
位 i
n
gs
y
s
t
e
monp
e
r
e
n
n
i
a
lr
y
e
g
r
出 S
m
i
d
d
l
e
d
u
r
a
t
i
o
ng
r
0回以上の放牧が可能で、あっ
中牧 B 区は 2年間ともに 1
(
L
o
l
i
u
mp
e
r
e
n
n
eL
.
)p
a
s
加r
e
た(表1)。また草種割合は PRが 2004年および 2005
NaokiNAKAMURA・
YukoSHINGU・
M出 a
戸J
k
iYOSHIDA
年ともに 8割程度で推移し、
H
i
r
o
y
u
k
iI
u
百
•H
i
d
e
k
iOKAMOTO・
wcが 2年目に増加したも
のの試験区間に大差は認められなかった(表1)。割当
草量は 2004年
、 2005年ともに中牧 B 区以外は概ね設定
草量と同程度で、あった。
緒 冨
これまでの集約放牧は小面積で半日 '
"
'
'
1 日の輪換放牧
草地利用率は集約区と比較して、中牧 A 区および中牧
を推奨してきたが、管理面では必ずしも省力的でないと
B 区に大差は認められなかった(表 2
) 。また 2004年 か
されている。そこで、より省力的な集約放牧を検討する
ら2005年にかけて年平均値が各試験区とも 1割程度減少
ため本試験では天北地域で広く放牧に利用されているペ
した。変動係数の値は各試験区とも大きかったものの、
'
"
'
'
4
レニアルライグラスを用いて、 1牧区の滞牧時間を 3
中牧 B 区では集約区と比較して安定的に推移した(表
日に伸ばした 2つの中牧区放牧方式の草地利用率と食地
2
)。
食地割合は試験区間で差が認められなかった(表 2
)。
割合を従来の集約放牧方式と比較した。
また 2004年は 2005年に比べて年間変動係数が高かった
(
表2
)。この要因として 2004年の春から秋にかけて経
材料および方法
PR) とシロクローパ(以下 WC) を播種し、放牧試験は
時的な値の減少が考えられた。
試験期間中、 2つの中牧区放牧方式の草地利用率および
2004年から 2005の 2年間実施した。試験区は中牧 A 区
食地割合は従来の小牧区放牧方式と比較してほぼ同程度
供試草地は 2003年 8月にベレニアルライグラス(以下
(面積
30a
、入牧時草丈
中牧 B 区(面積
集約区(面積
であった。また異なる 2つの中牧区放牧方式の結果に大差
20cm、72時開放牧)および
49a
、入牧時草丈
15cm
、72時開放牧)、
は認められなかったことから、入牧時草丈および牧区面積
l
Oa
、入牧時草丈
20cm、24時開放牧)
の違いが草地の利用性に及ぼす影響は小さいと考えられ
は放牧前後にコドラートを用いた現存草量測定値から
算出した。また食地割合は放牧後にライン法によって
20cm間隔で測定した食地点数から算出した。施肥は
4
円
用率、食地割合の推定式を示す。
・
・
9
割当草量
1
7
g
/
頭/区)
(風乾物 k
月に除草剤を散布した。以下に推定採食量および草地利
7
雑草
0S
K20 を 3
8
8(
k
g
l
l
0
a
) とした。なお 2004年の 5
N-P
・
2
桝﹃L
2004年および 2005年の 6月下旬'
"
'
'
7月上旬にかけて
同
9
't ・
日あたりの
表 1 放牧回数、草種別乾物重量割合および 1
割当草量の年平均値
中牧 A区
中牧 B区
集約区
2004 2005 2004 2005 2004 2005
放牧回数(回)
8
9
1
0 1
4
9
9
草種割合(D
M%)
PR
8
8
WC
3
風乾物重量で 1
4
k
g
l
頭とした。採食量および草地利用率
p
op---7'
no,4 4 1 4 1
ルスタイン種成牛 5頭であり、 1日あたりの割当草量は
nun- 3
nHU4,
lE
L
、
﹄。
司
mw5mmμ
た
。
円
LnU33po
nO414t41
の 3区を設け、集約区を対照区にした。また供試牛はホ
推定採食量 D Mkg= { (放牧前現存草量+プロテクトケ
2一放牧後現存草量}
ージ内草量) /
/
5頭 /
3日
※なお集約区は(放牧前現存草量一放牧後現存草量) /
5
表 2 草地利用率および食地割合の年平均値、変動係数
草地利用率
食地割合
平均値変動係数
平均値変動係数
%
中牧A区
2004 中牧B
区
集約区
中牧A
区
2005 中牧B
区
集約区
頭/日を推定採食量とした
北海道立天北農業試験場 (
0
9
85738 枝幸郡浜頓別町)
圃
HokkaidoP
r
e
f
e
c
t
u
r
a
lTempokuA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lE
x
p
e
r
i
m
e
n
t
,
Hamatombetsu
,
Hokkaido098
・
5738,
J
a
p
a
n
S
t
a
t
i
o
n
-41-
48.5
51
.4
49.6
40.9
40.3
37.4
1
7
.1
17.6
20.3
18.9
2
8
.
1
31
.6
45.3
44.9
40.9
59.9
5
7
.1
6
0
.1
17.2
1
6
.1
15.0
11
.0
1
0
.1
12.6
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
に増加し、最大 1829kg/ha (6/14調査時)となり 8月 5
"
"
'
2
0日の聞に掃除刈りを実施するまで 1800kg/ha前後で
連続放牧を実施している酪農家における
放牧地の草量の推移
推移した(図 1)。一方、 K牧場は放牧開始から 8月にか
けて草量は緩やかに増加し、最大でも 1298kg/ha (
8
/
1
2
浜辺一貴・花田正明・河合正人・西口雅恵・岡本明治
調査時)で輪換放牧時の入牧の推奨値である 1500kg/ha
を超えることはなく、掃除刈りも実施しなかった。
Thec
h
a
n
g
eofh
e
r
b
a
g
emassond
a
i
r
yf
a
r
m
s
'p
a
s
t
u
r
e
調査牧区別で見てみると、 K牧場で牛舎からの距離が
u
n
d
e
rc
o
n
t
i
n
u
o
u
sg
r
a
z
i
n
gs
y
s
t
e
m
950m、標高差が 80mを超える草地で草量が高く推移する
K
a
z
u
t
a
k
aHAMABE• MasaakiHANADA• M
a
s
a
h
i
t
oKA
WAI
傾向があったが、最大距離が 700m、標高差が 40mしかな
かった M 牧場では距離や標高差の違いに伴う平均草量の
MasaeNISHIGUCHIandM
e
i
j
iOKAMOTO
緒言
連続放牧は牧区を区切らないため、地形的な制約を受
けにくく、山地の多いわが国において有効な放牧方法で
増加は認められなかった(表1)。このことから牛舎と放
牧地の最大距離や標高差が大きくなると牧区間で草量に
違いが生じると考えられた。さらに K牧場・ M 牧場共に
牛舎に比較的近い位置で草量が高く推移した牧区があっ
ある。しかし、輪換放牧に比べて草地の利用に偏りが生
たことから、牛舎からの距離の違い以外に家畜の草地の
じやすく利用性が低いと考えられることから、実施農家
利用を左右する要因が存在することが示唆された。
が少ないのが現状である。
昨年、泌乳牛の連続放牧を実施している足寄町の K牧
し
、 6月 1
1日調査時には K牧場で 68、
M 牧場で 107kg/ha/
牧草の乾物再生速度は K牧場よりも M 牧場で高く推移
低く推移することが明らかになった。しかし、牛舎から
日となった(図 1)0 K牧場では再生速度が上昇しても、
草量は 1500kg/ha以下で推移し、調査期間中の平均草量
の標高差など他の要因によっても草量に違いが生じると
の変動係数は 15%であった。一方、 M 牧場では再生速度
考えられた。
そこで、本調査では地形条件の異なる連続放牧実施農
の上昇とともに、草量は増加し、調査期間中の平均草量
場で調査を行った結果、放牧地の草量は牛舎に近いほど
の変動係数は 22%で K牧場に比べて大きかった。 M 牧場
家 2戸において、牛舎からの距離や標高差が草量に及ぼ
で再生速度が大きかった原因として春に放牧地に施肥を
す影響を検討すると共に連続放牧における放牧地の草量
行ったことが考えられた。また、その後の草量が高く推
の推移に影響を及ぼす他の要因も検討した。
移した原因として、再生速度の違いの他に併給飼料の給
与方法の違いが考えられた。
調査地および方法
調査農家は足寄町の K牧場(平均放牧頭数 38頭、放牧
園置薗再生速度 K綾 織
U
︽
UAU
︽
量i1
0
0
0
容
の
υ
7
5
0
であった。 K牧場では施肥を実施しなかったのに対し、
5
0
0
5
/
1
2
5
/
3
0
牛舎からの
平崎距離 (
m
)
牧場 8区
、 M牧場 5区に分けて実施した。 K牧場に 6ヶ
所
、 M牧場に 4ヶ所のプロテクトケージを設置し、 2週
k牧場
結果および考察
調査開始時の乾物草量は両牧場で約 600kg/ha であっ
M 牧場
1
7
8
3
3
7
3
7
3
5
5
1
7
6
8
8
7
5
9
6
8
9
8
2
1
4
0
2
7
9
4
1
5
5
1
1
5
4
9
全体
O
b
i
h
i
r
o,
Hokkaido080・8555J
a
p
a
n
8
/
2
0
9
/
1
6
牛曾からの
平均標高差{同
0
5
5
4
5
6
0
8
5
9
5
8
0
全体
たが、放牧開始から 6月にかけてM牧場では草量が急激
帯広畜産大学 (080-8555 帯広市稲田町)
7
/
2
4
1
0
/
1
5 1
1
/
1
2
表1
、牛舎から調査牧区までの距磁・標高差と年間平崎箪量
推定した。調査は牛舎からの距離・標高差を考慮、し、 K
O
b
i
h
i
r
oU
n
i
v
e
r
s
i
t
yofA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
e&V
e
t
e
r
i
n
a
r
yM
e
d
i
c
i
n
e
,
6
/
2
5
図 1、草量と牧草の再生速度の関係
調査は毎週放牧地の圧縮草高値を測定し、その値を圧
o
o
1
5
2
5
1
0
調筆期間中平均草量
(
kg
O
l
l
/
h
a
)
1
0
6
2c
1
0
3
2 cd
1
1
9
6b
9
3
7d
978ω
9
7
9
1
2
0
8b
1
3
2
5a
1
0
7
6
1
5
7
1 ab
1
3
4
5c
1
3
8
6 bc
1
6 a
1
4
1
5 bc
1
4
6
6
“
∞
奥符号間に有窓差あり (
P
く0
.
0
5
)
-42-
e
約 40mであった。粗飼料は K牧場では搾乳時のみ乾草を
毎に再生速度を測定した。
内
僻
縮草高値と乾物草量との一次回帰式にあてはめ、草量を
U
》
制1
2
5
0
牛舎と草地の最大標高差は K牧場が約 130m、M 牧場は
M 牧場では 4月中旬に 100kg/haの化成肥料を施肥した。
の
m
1
5
0
0
.
<
:
給与し、 M 牧場では舎外でサイレージの自由採食が可能
υ
1
7
5
0
-ERuaVaa--9-
での最大距離が K牧場は約 1400m、M 牧場は約 700m、
lZZZiI再生速度 M牧 場
ー合ー草量 K敏 場
ーーー草量 M牧場
38¥豆、老舗刷用制障泰雄 婚話
地面積 28.2ha、濃厚飼料給与量約 2kg/日)と M 牧場(同
48頭
、 29.9ha、約 3kg/日)で、あった。牛舎から放牧地ま
1
2
0
2
0
0
0
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
大きく異なった。札幌と比較し、中標津や厚床の水
ケンタッキーブルーグラス優占放牧草地における牧
草生産速度の地域間差
準 は 低 く 、 生 育 期 間 は 約 1ヶ 月 短 か っ た 。 日 乾 物 重
増加速度の年間平均値は浦幌、札幌(標準)、札幌(減
肥)、稚内、幌延、中標津、厚床の順となり、それぞ
八木隆徳・高橋俊・橋本馨
れ 5.2、 5.0、 4.3、4
.1、 4.1、 2.4、 2
.2g/m2/ 日であ
った。
D
i
f
f
e
r
e
n
c
ebetweenr
e
g
i
o
n
sofg
r
a
s
sp
r
o
d
u
c
t
i
o
nof
これらの値を参考に、ホルスタイン育成牛の定置
KentuckyB
l
u
e
g
r
a
s
s(PO昼 Pratensi~ L
.
)p
a
s
t
u
r
ei
n
Hokkaido
放牧条件を想定した家畜生産性を各地域別に試算し
た(表 2)。 日 乾 物 重 増 加 速 度 の 年 間 平 均 値 を 地 域 別
T
a
k
a
n
o
r
iYAGI・ShunTAKAHASHI・
に区分し、天北は 4g、根釧は 2g、十勝は 5g、道央は
KaoruHASHIMOTO
4.5g
/m2/ 日とした。加えて、入牧時体重、日増体な
どを仮定した(表 2脚注参照)。その結果、定置放牧
緒言
条件で重要な入牧時の放牧圧は天北が 1045、根釧 538、
公共牧場や耕作放棄地等、集約的管理が困難な立
地における草地の活用を図るためにはケンタッキー
ブ、ルーグラス(以下、 KB) を 基 幹 草 種 と し た 省 力 的
十 勝 1306、道央 1158kg/haとなった。また、この放
牧圧で入牧した場合、天北、根釧、十勝、道央の順
放牧技術の開発を行うことが必要である。
養力(年間の延べ放牧頭数)が期待できることが試
KB優占草地は寒地において放牧条件下で植生の安
定性が高いことが報告されているが生産性について
の知見は乏しい。そこで、道内における KB優 占 草 地
の牧草生産速度の実態調査を行った。さらにこの数
字を基に地域別家畜生産性を概算した。
にそれぞれ 500、 200、 600、 550頭・日 /ha程 度 の 牧
算された。
表1
.a
賠器鞠阪漕理概要
地点
放牧方法
畜種
更新後年数
肥培管理
1
.稚 内
2牧 区 輪 換 育成牛
多 牧 区 輪 換 搾乳牛
2
.幌延
3
.中 標 津 定置
育成牛
2牧 区 輪 換 搾 乳 牛
4
.厚床
5
.浦幌
定置
搾・宵混
堆肥のみ
石灰のみ
化成 8
・
30
・2
3k
g
/
h
a+堆肥
化成 3
8
・3
8
・4
0k
g
/
h
a
化成 2
8
40
・2
6k
g
/
h
a
た 。 札 幌 の み 施 肥 水 準 を 2水 準 設 け 、 施 肥 標 準 に 準
(5.札幌
穂準区
灘肥区
化成 7
2
・9
6・1
3
2
k
g
/
h
a
化成 2
4
3
2
-44k
g
/
h
a
じた標準区とその 1/3に減肥した減肥区を設定した。
地点 1
から5までは造成時 I
まK
B主体ではない。札幌はKB.WC
混搭掌地を造成した。
材料および方法
道内の KB優占放牧草地の中から稚内、幌延、中標
津 、 厚 床 、 浦 幌 、 札 幌 に 位 置 す る 計 6草 地 を 調 査 し
連続
連続
育成牛
育成牛
30年
6年
37年
10年 以 上
15年以上
9年
9年
これら草地の管理概要を表 1に示した。放牧方法、
肥培管理、造成後の経過年数は各草地で異なった。
匂Im2/日)
保 護 枠 内 の 再 生 草 を 約 4週 間 隔 で 刈 取 り 、 再 生 に 要
した日数で除して日乾物重増加速度を求めた。
結果および考察
調査地における 5月から 1
0月の気象は平年値に比
較し気温が 0.5-1
.9t高く、日照時間は 97-128%で
、
日乾物重増加速度
2005年 5月から 1
1月上旬まで調査地内に設置した
8
7
6
5
4
3
2
0
5
おおむね平年並みか良好であった。
草種別の重量割合は季節的変動が認められるもの
6
7
8
9
10
11月
図1
. 日乾物重増加速度の季踊骨路
の 、 胞 が 4-8割で優占した。随伴種の構成は調査地
1045
538
1306
1158
477
210
596
568
日乾物採金量:体重の部、
放牧草の利用率 :
7
側、放牧民数:表多照
放)
-43-
仮定:入牧時体重 :200kg~ 日増体 :0.8旬、
延牧(
TO)li品加,匂:pm, H改~do, 062~555,J;甲田)
5
4
.5
170
150
170
180
時圧吋
牧牧刷
入放(
N
a
u
l
恒凶AgJ.知加a
l
R
国 閣 由 臼 御 伽H
o
k
k
a
i
d
oR
e
g
i
o
oC
H
i
t
S
t
卵
l
O
k
a1
,
4
2
l
u
~lì鎚農鶏肝発センター(侃12-8日5 本l脇市豊平区羊ケ丘 1 番地
北釧勝央
天根十道
日乾物重増加速度はおおむね双峰型推移を示した
(
図 1)。また、その水準や生育期間は調査地により
枚数別
倍の大きな聞きがあった。
放日
地域
ベ圧∞
表2
.ケンタッキヨトグラス優占草睡眠濁置肱開聞における地
域瞭畜生劇卸車塀
重度目
物速い川
乾加向
日増し
により異なった。
年間合計再生草量は最大値が札幌(標準区)の
1012gDW/m2、最小値は厚床の 387 gDW/ m2 で約 2.6
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
ルフアルファの草丈 90cm程度を目安に収穫し、利用 l
十勝中部酪農家におけるアルフアルファ単播草地の
永続性と導入に伴う経営効果
"
"
'
5年目までの収量と雑草重量を調査した。
(
2
)アルフアルファ単播栽培技術の経営導入効果を捉え
松村哲夫本・相原克磨事・高橋俊事.
るために、現地実証試験酪農のうち、 2 戸の「組合員勘
猿渡孝博事・池田哲也“・糸川信弘***
定 J (経済データ)を用いてアルフアルファ導入前後の購
谷本憲治"“・古川研治*****・庭井清貞事.
入飼料費を比較した。
奥村健治市・篠田満事
結果および考察
(1)利用 5年目までのアルフアルファ乾物収量と雑草
E
s
t
i
m
a
t
i
n
g t
h
ep
e
r
s
i
s
t
e
n
c
yo
f Alf
a
l
f
am
o
n
o
c
u
l
t
u
r
es
w
a
r
d
i
nM
i
d
-T
o
k
a
c
h
ir
e
g
i
o
na
n
di
t
se
c
o
n
o
m
i
c
a
lb
e
n
e
f
i
t
s
.
の乾重を図 lに示した。利用 5年目の収量は、 A、 Bお
* KatsumaAi
b
a
r
a,
* SyunT
a
k
a
h
a
s
h
i事¥
T
e
t
s
u
oMatsumura,
0
0
k
g
l
1
0
aを超えた。 4年目の収量はや
である乾物収量 8
よび C牧場全てで 4年目の収量を上回り、導入時の目標
T
a
k
a
h
i
r
oS
a
r
u
w
a
t
a
r
iぺT
e
t
s
u
y
aI
k
e
d
a事
申
ヘ
や減少したが、 5年目の回復傾向を見ると、減収は衰退
N
o
b
u
h
i
r
oI
t
okawa*
*
*
,
* Ke
吋iTanimoto****
ヘ
Ke
吋iFurukawa*
*
事
事
事
*
,K
i
y
o
s
a
d
aH
i
r
o
i*
*
,
が原因であったと考えられた。雑草重量は 10%以下に
Ke
吋iOkumura車
市
,a
n
dM
i
t
s
u
r
uS
h
i
n
o
d
a
抑えられ、大きな増加は見られなかった。アルフアルフ
によるものではなく、気象条件(春期乾燥、夏期低温)
ホ
ァ単播栽培は、経年化による雑草侵入の増加が大きな問
緒言
題で、あったが、除草剤処理同日播種法による造成と、年
寒地畑作酪農地帯では、高品質の粗飼料を効率の良い
輪作体系の中で自給生産することが求められている。中
一回以内のチフェンスルフロンメチル剤処理により、雑
草侵入を抑えることが可能であることが明らかになった。
でもアルフアルファは飼料価値が高く、高泌乳牛用の粗
(2)試験農家圃場では 2000年に草地造成しており、
飼料として増産が望まれている。アルフアルファの特性
0
0
1 年以降に
アルフアルファ単播サイレージの給与は 2
を十分に活用するためには、単播で栽培し、早刈り利用
本格化した。その前後年の A、 B牧場について、購入飼
でより高品質な飼料を生産することが重要となる。本研
料費の推移を示した(図 2)0 1頭当たり飼料費は A牧場
究では、永続性に優れる育成品種「ヒサワカパ」の利用
000年以前の約 20万円から、 2
0
0
1年以降は約 1
6万
で2
による寒地土壌凍結地帯におけるアルフアルファの単
円に低下した。 B牧場では増加傾向にあった購入飼料費
播・早刈り利用の可能性を評価するため、現地実証圃場
が 2
0
0
1年以降は減少に転じた。乳量 1
k
g当たり飼料費
0
0
1年 以
は
、 A牧場では低下傾向にあった飼料費が、 2
での永続性を明らかにする。
0
0
1 年以降、低下傾向
降は更に低下した。 B牧場でも 2
材料および方法
が見られる。アルフアルファ単播栽培導入は、経営的に
(1)帯広市川西地区の酪農家 3戸(表 1)において、
効果があることが示された。
各戸約 2
h
aのアルフアルファ単播草地を造成し、試験区
1
2
伺
とした。供試品種は「ヒサワカバ」、播種量は約
1
肌淘
2
.
7
k
g
l
1
0
a造成法は除草剤同日処理播種法を用いた。ア
さ
∞
B
jm
醤
叶ヒ海道農業研究センター
Z4
(
0
8
2
・0
0
7
1 河西郡芽室町
聞
∞
2
a
t
i
o
n
a
lA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
l Research C
e
n
t
e
rf
o
r
新生)、 N
Hokkaido Region, S
h
i
n
s
e
i,Memuro,0
8
2
0
0
7
1 J
a
p
a
n
M
畜産草地研究所 (
3
8
9・0
2
0
1 長野県北佐久郡御代田町
大字塩野 3
7
5
1
)N
a
t
i
o
n
a
l I
n
s
t
i
t
u
t
e o
fL
i
v
e
s
t
o
c
k amd
図 1 アルフアルファ単播草地の収量と雑草重量
万円
20
)N
a
t
i
o
n
a
l Agr
i
c
u
l
t
u
r
a
lR
e
s
e
a
r
c
hC
e
n
t
e
rf
o
r
音 台 3・1
a
n
n
o
n
d
a
i
3・1
,
Tsukuba, 3
0
5
8
6
6
6J
a
p
a
n
C
e
n
t
r
a
l Region,K
****帯広川西農業協同組合 (
0
8
9・1
1
9
8 帯広市川西町西
2
6
1
)
O
b
i
h
i
r
o・K
a
w
a
n
i
s
h
i A
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
l C
o
o
p
e
r
a
t
i
v
e
s,
図 2 アルフアルファ単播栽培導入前後
における購入飼料費の推移
Minami7
,N
i
s
h
i
3
J
y
o
u,
o
b
i
h
i
r
o
,
080・0
0
1
3J
a
p
a
n
-44-
年
同OON
制OON
F
POON
由自由
000剖
国明申
条南 7
)T
o
k
a
c
h
iF
e
d
e
r
a
t
i
o
no
fA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lC
o
o
p
e
r
a
t
i
v
e
s,
﹄円明白
N
i
s
h
i
2
・6
1,K
a
w
a
n
i
s
h
i,O
b
i
h
i
r
o,089・1
1
9
8J
a
p
a
n
日付事十勝農業協同組合連合会 (
0
8
0
・0
013 帯広市西 3
乳量 1 h a当 た り 飼 料 費
円319753
221t11
G
r
a
s
s
l
a
n
dS
c
i
e
n
c
e
,3
75・1S
h
i
o
n
o,
M
i
y
o
t
a
,3
8
9
0
2
0
1J
a
p
a
n
川市中央農業研究センター (
3
0
5・8
6
6
6 茨城県つくば市観
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
十勝南部酪農家放牧草地へのメドウフェスク追播導入に
追播によりメドウフェスク個体が速やかに定着すること
よる生産力の向上
が示された。追播後翌々年の追播試験放牧地の、秋期
(
1
0 月)の草種別被度を表 1に示した。 T牧場では順
松村哲夫・・須藤賢司'・篠田
満市・宮沢雅代日
調にメドウフェスクの被度が増加している。 N牧場およ
び Y牧場では、シパムギの生育地点でのメドウフェスク
I
n
t
r
o
d
u
c
t
i
o
no
fMeadowf
e
s
c
u
e(
F
e
s
t
u
c
ap
r
a
t
e
n
s
i
sH
u
d
s
.
>t
o
の定着が遅いことが問題であったが、追播後 2シーズン
g
r
a
s
s
l
a
n
d
sf
o
r
'g
r
a
z
i
n
g i
nS
o
u
t
h
T
o
k
a
c
h
ir
e
g
i
o
nw
i
t
h
の経過で、それぞれ被度約 30%程度まで増加している。
o
v
e
r
s
e
e
d
i
n
gandi
t
se
f
f
e
c
tonp
r
o
d
u
c
t
i
v
i
t
y
.
シパムギの多い放牧地への追播で、も、追播後翌々年には
導入したメドウフェスク個体が拡大し、被度が増加する
吋iSudou4o, MitsuruShinoda*
T
e
t
s
u
oMatsumura4o, Ke
ことが明らかになった。図 2に、追播,翌年及び翌々年の
andMasayoTomisawa**
3試験牧場平均の乾物生産量を示した。メドウフェスク
の定着・被度拡大に伴い、特に夏
緒言
秋期の乾物生産量が
増加し、生産力の向上と、年間生産力の平準化が期待で
十勝地方をはじめとする土壌凍結地帯では、代表的な
きることが明らかになった。
放牧用草種ペレニアルライグラスは越冬性に不安があり
① T
牧構植生
主幹草種での利用は困難である。また、越冬性、曙好性
に優れるチモシーは、夏期以降の再生が劣り、牧養力低
下が問題となる。メドウフェスクの新育成品種「ハルサ
カエ Jは越冬性に優れ、夏期以降の再生が良好で、土壌
凍結地帯での集約放牧の基幹草種として期待される。そ
こで、メドウフェスク「ハルサカエ」の十勝地方の土壌
凍結地帯放牧地への追播による導入と、生産性向上の効
i陸
上I
・
果について明らかにすることを目的とする。
u
r
.
_
_
1
UW._
_
l
l
!
.
"
"
・
震
I
・
1iEE
二
弓
;
ヨ
_
.
_
_
.
材料および方法
l
l
1
f
誌圃
.IIHiオ~
③ Y敏椙舗生
メドウフェスク「ハルサカエ」の追播による導入技術
国
'
聞;
I
を開発するため、 2002年 8月に牽引式爪形作溝播種機
固;
初回
(シードマチック)を用いて「ハルサカエ Jを追播した
i
出
、
集約放牧現地実証試験酪農家(忠類村)の放牧地 (3戸
I•
I圃
=a
.
四円
ー 吋l
。
= ー
ニ
ニ
II':~:;" ・I
Mf
市内
図 1に、追播翌年の各実証農家放牧地(① T牧場、②
N牧場、③ Y牧場)の草種出現頻度を示した。調査はラ
J
JW
播により、各放牧地ともメドウフェスクの出現頻度が増
!
士士
t
I~:~:I・..<甲胃
WcPrTYO
宮 崎 町
,
.
:
:
. ・
;
'
I
¥
'
M
'
.
'
外 O!
lわ
.
H
:
;
:
IE
n'村 山
↓
イン法によった(草種の略号は表 1参照)。前年秋の追
ー
・
・
・ a・・ ・
・
・ ・
.•
E
ー
一
一1・
・一一----1
:
1
I
. .
I・b
一一一→
同園
m
掴園ト一一一一--f
j
ャ・一一一.....
..
f;I
圃トー一一→
面盟日日山口U
円
M
ω 日ロロω一
結果および考察
, t:~~:.・・
w
E
J
・
・
・
・・
ド一引盤日ωωωMωωωMMMZ
tU4
として播種前に苦土タンカル 250kgllOa、基肥として
,I~}"
.
度一川﹂ 2 1 3 1 1
一
村
頻度一山一一
現被一ル則一ロ
Mm 山 口 同 泊 四 回 日 川 市
出 部 司 ﹂ n u - t 1 1 ; { 似 ; 4 1 7刈
の冠一判一手
種の一冊旦 3 5 D S D D D S S 1 9子
草地一点m古川M 0 0 0 0 0 伺 3 7 0 1
各草一 U 一 一 玖
の播一以 L 7 5 0 2 0 0 4 3 2 0 0作
年追一岬抑一任札 a41azR411mm
翌ク雨一医
.
w
入ス一 4一 ﹂ .
導エ一 mrwmωωωMωωuuωJ 川
播フ﹁一一哨川
追 ウ 研L
﹂伽羽
一
1 メ
表
一
j
物重を測定)の調査を行った。播種量は「ハルサカエ J
2E 1 1
一
図一一夜
1
一一ギシ
R コ一切沖
前ハ
一
外d
盟附⋮附冊目 HA
句⋮附同ーとやめ一塑州附
冠部被度)、生産力(刈り取り約 2週間後に再生草の乾
BB556を 3
0
k
g
l
1
0
a施用した。
I・
I K ..
-
淘トー・ト--1~:f..
h
a
) において、植生(ライン法による出現頻度、
各約 2
3
k
g
llOa、シロクローパ「ソーニャ J0
.
2
k
g
l
1
0
a、土改剤
ー
-
w
,
.
=
m ト--=-M
・
0 ト--<・ト→==
加しているが、特に前植生からのシパムギが少ない T牧
場でメドウフェスクの出現頻度が高かった。これにより、
4o ~t 海道農業研究センター (082・0071
河西郡芽室町新
o
r Hok
生
)
、 National Agricultural Research Center f
h
i
n
s
e
i,Memuro,082-0071 Japan
kaido Region,S
5月
“十勝南部地区農業改良普及センター (089-2106 広尾
郡大樹町下大樹 186)SouthTokachi Agricultural Exten
8
6,
Shimo-Taik
,
i Taik
,
i 089-2106 Japan
son Center, 1
-45-
6月
7月
8月
9月
10月 11月
図 2 メドウフェスク追播草地の乾物生産量
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
メドウフェスク草地における秋の利用時期と
れたが、その程度・傾向は年次によって異なっていた(図
翌春収量との関係
1
)。刈取り後の牧草再生に影響すると考えられる、メJ
I取
り時期から牧草生育停止時期までの有効積算気温(以下
牧野司・林拓・佐藤尚親
有効積算気温)を算出し 1 番草収量と比較すると有効積
算気温が 7
5
"
"
'
8
0
(平均 7
8
)
O
Cのとき 1番草収量は最も低
R
e
l
a
t
i
o
n
s
h
i
pb
e
t
w
e
e
nt
i
m
eofc
u
t
t
i
n
gi
nautumna
n
dy
i
e
l
di
n
い値をとることが分かつた(図 1
)。積算気温 78Cになる
t
h
ef
o
l
l
o
w
i
n
gs
p
r
i
n
gonMeadowF
e
s
c
u
eP
a
s
t
u
r
e
匂h
i
k
aSATO本
T
s
u
k
a
s
aMAKINO*• TakuHAYASHI*• Nar
0
日を中標津のアメダスデータ平年値から算出すると
1
0
/
9であり(図 2
)、1
0
/
9前後に中標津での M Fの危険帯
が存在すると推察された。 M Fの茎数・冬枯れ程度をみ
緒 日
秋の利用時期と翌春収量との関係、に関する研究は圏内
ても 10上・中刈区で著しい低下・被害は認められなか
外で古くから行われている。草種・利用方法などにより
や低下する傾向があった(図 3
)ので危険帯および 9月下
程度の差はあるが、一般に秋のある時期に草地を利用す
旬以降の利用は強度の放牧を避ける、翌春収量を確保し
ると翌春収量が低下することが知られおり、この時期を
たい牧区は利用を避けることなどに留意が必要である。
4
)。しかし、 9月下旬以降の刈取りで茎数がや
った(図 3,
この試験では M Fにおける危険帯のメカニズムや秋の
危険帯と呼んでいる。
しかし、土壌凍結地帯におけるメドウフェスク(以下
MF)を対象にした危険帯に関する報告は少ない。また、
利用時期と耐凍性との関係などは検討していないため、
それらは今後の検討課題である。
近年、 M Fの越冬性は改良されており過去の報告から現
在の流通品種の危険帯を想定するのはやや無理がある。
そこで、近年育成された MFiハルサカエ」を用いて土
目
2000
,
・
4
当
構 1000
材料および方法
州
∞
試験は根釧農試場内に 2001年 6月に造成した M F、
c
ω
)混播草地で
シロクロ一ノ〈吋(以下 w
100
500
50
た品種および播種量は、 M Fは「ハルサカエ」でで、 2.5kg/10a、
9月上
9月中
1
0
月下
日月上
までの有効積算気温事と翌春収量との関係
r
0
(。。)唄ぽ跡癖窓楳
1
)。同一試験区に同一処理を 3 ヵ年継続して行った(表
2
)。調査項目は処理翌年 1番草収量(以下 1番草収量)、
処理開始前・処理終了後の M F茎数、早春の冬枯れ程度
とした。
︽ AunununUAunUAu
nu U
ranUFanURunueanvRU
8-T4-Y の
d q d a 4 n,
ιtE'B
旬に一斉刈りし、その後の刈取り時期で、処理を行った(表
9月上旬
1
0
且中
* 中 標 津7メ 7.デサより算出。(日平均気温・ 5C)の積算値。
丈 30cmを目安に年間 4
"
"
'
5回の刈取りを行った。 9月上
無刈取り
9月中旬
9月下旬
1
0月よ旬
1
0月中旬
1
0月下旬
旬
1
1月上
1
0
月上
図 1 最終刈取り時期から牧草生育停止時期
6m2、3反復とした。 2002年以降は 5月から 8月まで草
一斉刈り 一刈斉取刈りり時後期の
9且下
最終刈取り時期
wcは「ソーニヤ」で 0.2kg/lOaである。試験区は 1区
表 1 試験処理
∞ω
m
w
去15∞
嗣
M 体俸察揮
岡
山胴
F︺
明らかにすることを目的に試験を行った。
(門
a噌 句 。 角 。 内 , & 内
壌凍結地帯である根釧地域において M F草地の危険帯を
∞ ω∞
Eコ有効積算気温 (
0
2
) ロコ有効積算気温 (
0
3
) ・・有効積算気温 (
0
4
)
-0ー生草収量 (
0
3
)
叫』生草収量 (
0
4
)
ー・ー生草収量 (
0
5
)
2500
ー
ー
r4
50
表 2 調査名と試験年次
処理区名
9上 刈 区
9中刈区
9
下刈区
1
0上刈区
1
0中刈区
1
0下刈区
1
1上 刈 区
調査名
2
0
0
3年 調 査
2
0
0
4年調査
2
0
0
5年調査
刈取り処理収量調査
2
0
0
2
年秋
2
0
0
3年 秋
2
0
0
4
年秋
月日
図2 最終刈取り時期から牧草生育停止
2
0
0
3年春
2
0
0
4年春
2
0
0
5年春
時期までの有効積算気温率との関係
*中標津アメ
rスデサより算出。(日平均気温・5"C)の積算値。
100
i
m
l
即 5 - h
1
8
6
7
40
結果および考察
1番草収量が最も低収であった刈取り時期は 2003年
20
調査で 10上刈区、 2004年調査で 10中刈区、 2005年調
自月上 自月中 9
月下 1
0
月上 1
0
月中 1
0
月下 1
1月上
処理時期
査で 10中刈区であった。これまでの報告と同様に 10月
上中旬に利用すると 1番草収量が低下する傾向が認めら
吋ヒ海道立根釧農業試験場 (086・1100 標津郡中標津
f
S
t
a
t
i
o
n,
N
a
k
a
s
h
i
b
e
t
u,
Hokkaido,
086・1
1
0
0,
J
a
p
a
n
-46一
9月中 日月下 1
0月よ 1
0
月中 1
0
月下 1
1月よ
処理時期
図 3 刈取り処理時期と
図 4 刈取り処理時期と
茎数残存率との関係
M
Fの冬枯れ程度との関係
※茎数残存率
X
I
0
0
=(処理終了時茎数/処理開始前茎数)
※グラフ中の数値は、試験終了時の MF茎数の実数。
町 字 中 標 津 1659) Konsen A
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lE
x
p
e
r
i
m
e
n
t
自月よ
※冬枯れ程度
1
:無 -5:甚 大 と す る 観 察 評 点
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
イタリアンライグラスの導入がリードカナリーグラス
優占植生に及ぼす影響
区」では IR 52%に対し、ロー列耕によるゲメーシ守から再生
林拓・牧野司・佐藤尚親
の i
I
R無除草区」では、 RCG被度が 0%となったが、
これは、 IRの 3番草刈り取り後、 RCGが再生してこな
E
f
f
e
c
t
so
fi
n
t
r
o
d
u
c
i
n
gI
t
a
r
i
a
nr
y
e
g
r
出 s
t
o
かったためであり、基底部としてはわずかに残っていた。
i
I
R除草区Jの生草収量は、番草間の変動が少なく、
した RCGが 45%あった。更に、晩秋には、 i
I
R除草区」、
i
I
R無除草区」とも RCGが 0%となった(表 2
)。晩秋
Reedc
a
n
a
r
yg
r
a
s
sd
o
m
i
n
a
t
e
dv
e
g
e
t
a
t
i
o
n
iRCG既存区 J と比べて年間を通じて多収であった(図
TakuHA
Y
A
S
H
I・T
s
u
k
a
s
aMAKINO・N
a
r
i
c
h
i
k
aSATO
1)。このことは、 IRの再生の強さと旺盛さを示してお
I
R無除草区」でも、 3番草までには IRが RCGを
り
、 i
緒冨
などによく繁茂する地下茎型の草種であるが、乳牛に対
圧倒するような草種構成を示した。
一方、 IRの乾物率は、マメ科牧草並に低いため、乾物ぷ
する噌好性、栄養価の面から、雑草として扱われること
ースでは収量、 RCG割合とも生草ぷースほどの旺盛さはう
が多い。また、繁茂する土地条件と相まって、駆除、草
かがえないが、 i
I
R無除草区」の乾物 RCG割合は、番
種更新などが困難とされている。一方、イタリアンライグラス(以
草が進むに従って大きく減少し、 1番草で 90%あったも
I
R
J とする)は、本道では越冬しない単年生である
下 i
ものの、再生力が非常に強く、また、耐湿性に優れる草
)。
のが、 3番草では 15%となった(図 2
以上から、 RCG が優占するような条件不良地であっ
種である。本報では、 RCG優占草地に対し、 IRを 1カ
ても IRは旺盛に生育すると考えられた。 IRの導入にあ
年導入した結果について報告する。
たり、除草剤を併用することで IRI00%の植生とでき、
リート]ナトグラス(以下 iRCGJ とする)は、排水不良地
また、除草剤を使用しなくても、ロータリ耕のみで RCG割
材料および方法
試験区は、根釧農試の飼料生産圃場のうち、降雨時に
合を大きく低下させることができると考えられた。
表 2.
滞水するような条件にあり、 RCG が優占した場所に設
けた。試験処理として、 i
I
R除草区」、 i
I
R無除草区」、
iRCG既存区」を設けた(表1)0 1区面積 20r
dとし、
各処理について 3反復設置した。 i
I
R除草区」には、 2004
年 1
0月 1
5 日に、
rリホサート系除草剤を 500ml/10a散布し
た
。 2005年 5月 1
6 日に、 iRCG既存区」を除き、ロー列
ハローを 2往復かけ、施肥鎮圧の上、 6月 2 日に IR(品種「ピ
を3
.
5
k
g
l
l
0
a播種した。なお、 i
I
R除草区」では、
リ
オ
ン J)
ロー列耕前の RCG被度はrロであった。
刈り取りは、 IR を播種した区では各出穂始の 3 回行
い
、 iRCG既存区」では 1番草を出穂始に、以降概ね 35
冠部被度
区名
I
官際軍
I
R
無除草
RCG
既存
調室芹官
IR2
番草収穫前
晩 秋
RCG I
R 雑 草 裸 地 RCG I
R 雑草裸地
o 100 0 0 O
. 7
5 0 2
5
45 5
2 0
3
0 68 0 32
78 0 1
2 1
0 93 0
7
0
8/12
10/13
(
k
g
/
a
)
250
200
1
5
0
1
0
0
5
0
0
日間隔で計 3回行った(表 1
)。施肥量は、 IRを播種した
区の基肥は農試慣行の造成時に準じ、 1
,
2番草後に、経
年草地の慣行追肥量を均等分施とした。 iRCG既存区 J
では、早春、追肥とも経年草地の慣行に準じた。
図 1.
表 1. 試験処理及び刈り取り月日
試験処理
刈り取り月日
処理区名 除草剤ロータリ耕 l
番草 2
番草 3番草
I
R除草
0 7/22 8/16 9/30
無除草
0 7/22 8/16 9/30
I
R
既存一
一
6/17 7/22 8/25
RCG
(
k
g
/
a
)
4
0
.
0
o
9
1 9197(%1)
00
90
80
6
0
40
20
3
0
.
0
2
0
.
0
結果および考察
I
R2番草刈り取り前の時期の冠部被度は、 i
I
R除草区」
では IRが 100%に対し RCGは 0%で、あった。 i
I
R無除草
北海道立根釧農業試験場 (
0
8
6
・1
1
0
0 標津郡中標津町
字中標津 1
6
5
9番地) Konsen A
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
l E
x
p
e
r
i
m
e
n
t
ー
--RCG割合(DM釧
-・雑草区図 I
RCコ RCG
図2
.
S
t
a
t
i
o
n,(
N
a
k
a
s
h
i
b
e
t
s
u
,Hokkaido,086・1100,J
a
p
a
n
)
-47一
。
。
1
0
.
0
O
.
乾物収量及び乾物 R
C
G割合
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
簡易草地更新法における初冬季播種に関する研究
予報.簡易更新法による初冬季播種の試み
伊藤憲治
S
t
u
d
i
e
sone
a
r
l
yw
i
n
t
e
rs
e
e
d
i
n
gw
i
t
hs
i
m
p
l
er
e
n
o
v
a
t
i
o
no
f
meadow.(
P
r
e
.
)
K
e
n
j
iITOU
緒言
近年、草地更新について、補助事業の急減から作業工
程が少なく低コストな簡易更新に関心が高まっており、
施工を試みる酪農家が増えつつある。しかし、施工の方
法や時期が適正で、なかったために改善効果が上がらなか
った事例も散見する。著者も、簡易更新に関する試験研
究の最中、夏場の播種で、干ばつ被害に遭うケースを何度
H
I
5
.
6
.
2
0
)
図 2 初冬季播種翌年の定着状況 (
)。その対応策として簡易更新で初冬季
か経験した(図 1
15
ー←平年
播種を試みたところ、翌春、極めて良好な出芽・定着を
~H.14
企 日 中 地 温(20m)
見た(図 2)。一方、草地更新作業を請け負うコントラク
10
タ一等では、補助事業量減少への対応として、或いは、
倒閥
延等の工期不足への対応として、簡易更新や初冬季播種
(00)
依頼者の収穫計画に伴う制約や降雨による施工作業の遅
5
。
導入の模索が行われている。
5⑥
10
1
5
20
民叫
1
1月の日
図3
日最高気温(アメゲス;新得)と試験圃場の日中 (
1
3
h
)
の地温
ると、初冬季播種のメリットや問題点等について、表 2
のような点が述べられている。
. 初冬季播種の利点と問題点(既往の知見等から)
表2
図1.干ばつによる出芽障害
利点
①融雪水で確実な定着、
結果および考察
③春・夏作業繁忙を緩和、
道立畜試内の採草地(シパムギ率 90%) において、 3
②当年に 2回の収穫
④雑草競合を軽減
問題点(リスク)
番草(草丈約 20cm)に対してグリホサートを散布し(平成
①越冬前出芽、
1
4年 1
0月 20 日)、穿孔型工法で播種床処理をしてから
③土壌凍結後の播種は種子飛散、
チモシーとシロクローパを散播、ケンブリッジローラで
種子や土壌の流亡
②霜柱時期の播種精度不良
④融雪流水による
鎮圧を行った(11月 6日)。翌春の出芽・定着は良好で、
高いチモシー率を得た(表 1、図 2)。
表 2のような利点があるにも拘わらず、初冬季播種が
o.26、1
9
9
2
)
牧草の初冬季播種は、丸山ら(北草研報 N
普及に至っていない理由は、問題点の部分にあると思わ
によると、日最高気温が 5 Cを下回る時期とされている。
れる。しかし、著者の試みの中では、問題点に示した現
1
9
9
2
)、道立新得畜試成績 (
H
.
5
) 等によ
また、丸山ら (
象は起きなかった。理由は、これらの問題点が主に圃場
0
の耕起に起因しているため、不耕起で行う簡易更新では
北 海 道 立 畜 産 試 験 場 (081-0038 上川郡新得町西 4線
40) Hokkaido P
r
e
f
.
Anim.
H
u
s
b
.
S
h
i
n
t
o
k
u, H
o
k
k
a
i
d
o081-0038,
J
a
p
a
n
E
x
p
.
S
t
n
.,
これらの問題点が軽減されたためと考えられた。この事
から、出芽・定着の安定化や工期拡大に向けた簡易更新・
初冬季播種技術の実用化は可能と思われる。
-48-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
簡易草地更新法における初冬季播種に関する研究
2) 乾物収量
第 1報・初冬季播種による植生改善効果
出芽当年の 2回の刈り取りで乾物収量は、初冬季播種
区が 5
9
7
k
g
/
l
0
a
(平成 1
4年)と 7
5
7
k
g
/
l
0
a
(
平成 1
5年)であっ
春・夏播種との比較
た。春季播種区は 7
5
8
k
g
/
l
0
aであった。
伊藤憲治(道立畜試)
3) 草種構成割合
S
t
u
d
i
e
sone
a
r
l
yw
i
n
t
e
rs
e
e
d
i
n
gw
i
t
hs
i
m
p
l
er
e
n
o
v
a
t
i
o
no
f
_100覧
昏
meadow.(1)
轟
蝉
K
e
n
i
iITOU
話 50覧
緒雷
予報に於いて、草地の簡易更新法による初冬季播種技
車
世
嘗
0覧
術の必要性および実用化の可能性を報告した。本報告は、
初冬季播種の有効性(植生改善効果)について播種季節
間の比較によって行った。
材料および方法
図 2 草種構成割合(注;処理名の上の数字は番草、下
1)供試草種
の()は調査年を示す)
①供試草地:道立畜試内の一般管理採草地(シパムギ
5.9)
率約 90%、黒色火山性土、 pH
既存植生はシパムギが 90%以上を占めていたので、簡
②供試草種:チモシー「ノサップJ
、シロクローパ「ソ
易更新によって植生はかなり改善された。簡易更新のう
ーニヤ」
ち、チモシー率について播種季節の比較をすると、夏季
2) 方法
播種では 37%で、あった。初冬季区は l番草が 72%、2番
①施工方法:穿孔型播種法(散播)
草が 43%であった。 2番草の落ち込みは、施肥忘れが原
②処理(播種季節;年.月.日):夏季 (
H
I
4
.
7
.
2
4
)、初冬季
因であった。春季区は 1番草が 65%、2番草が 36%であ
(
H
I
4
.
11
.6
、H
I
5
.
11
.6
)、,春季 (
H
I
5
.
5
.
9
)
った。 2回目の初冬季播種(平成 1
5
)では、 1番草、 2番
③ 1区面積:10mX50m=500n
i、 1連 制
草ともにチモシー率は 85%以上であった。
④既存植生:グリホサート (
5
0
0
mL
/
I
0
a
)により枯殺
4) 初冬季の地温
-0-最高気温
A 地温(早朝〉
A
地温〈日中〉
20
結果および考察
1)初冬季の気温
15
g
題s
2
0
問
1
5
。
ρ10
組
唄 5
E⑥
1
0
1
5
20
-5
。
図 3 初冬季播種前後の日最高気温と地温の推移(
H
I
5
)
EU
旦F
.
!
O
)旦
初冬季播種 2回目の平成 1
5年 1
1月に、携帯温度計を
σ
図1 1
1月の日最高気温の推移 メゲス、新得)
"
'
"
'
2
c
mの深さの地温を、早朝 (AM6時頃)と日中
使って 1'
初冬季播種前後の日最高気温は、平成 1
4年は、播種 1
0
週後には 5 Cを下回わるようになった。平成 1
5年は、播
(PMl時頃)に測定した。日中の地温は、播種から 2週間
0
にわたって 5 C程度で推移した。早朝の地温は播種後数
種後 2週間以上にわたって 5 Cを上回り、特に 2週目に
日目に OoC近くまで低下し、その後も続いた。即ち、チ
は
、 1
0Cを越える日も何日かあった。
モシー種子は、播種後早い時期から、 1日の多くを 5C
0
0
0
以下の地温に接したまま越冬に入ったと推察される。以
北海道立畜産試験場 (081-0038 上川郡新得町西 4線
40) H
o
k
k
a
i
d
o P
r
e
f
. An
i
m
. H
u
s
b
. E
x
p
. S
t
n
生改善効果を期待出来ることが解った。今後、簡易更新
S
h
i
n
t
o
k
u
, Hokkaido 0
8
1-0
0
3
8,
J
a
p
a
n
における気温と地温と出芽の関係の検討が必要である。
・ラ
上から、初冬季播種は、春季播種と同等かそれ以上の植
-49-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
簡易草地更新法における初冬季播種に関する研究
定着後の冠部被度 (
H
1
6
.6
.22;%)
表1
第 2報.初冬季播種による植生改善効果
工法
道央多雪地帯での試験 ・
田川雅一、伊藤憲治
播種季
穿孔
S
t
u
d
i
e
sone
a
r
l
yw
i
n
t
e
rs
e
e
d
i
n
gw
i
t
hs
i
m
p
l
er
e
n
o
v
a
t
i
o
nof
慣行
法
雑草
ヒ
ロ
ハ
1
4
52
1
1
8
1
5
1
2
26
初冬季
7
1
1
2
。
2
0
無処理
23
9
裸地
イネ科
春季
春季 i
e
n
i
iITOU
M
a
s
a
i
c
h
iTAGAWA ・K
w
c
初冬季
法
meadow.(
2
)
TY
。。
。。
7
+
80※
1
5
40
1
7
68
+
注)イネ科雑草の主体はI\Jtt~"t および KBG
緒宮
※主体は K
B
Gであるが、 OGを 1
0
覧含む、
+:凶以下
前報では、初冬季播種が春季播種に劣らない改善効果
が得られることを示した。前報の試験は、十勝と言う道
生育初期の TYの冠部被度は、出芽の早い初冬季区で高
東土壌凍結地帯の火山性土で、の試験結果であった。本報
かった。穿孔法・春季区は、土壌露出度合いが少ないた
では、対照的な条件である道央・多雪無凍結地帯の重粘
め、耕鋤遅れとその後の乾燥で出芽が約 1ヶ月遅く、そ
土地で初冬期播種が有効かどうかを検討した。
の聞にイネ科雑草が出芽や再生をした。
2) 乾物収量
材料および方法
刈り取り調査は、出芽 1年目の 1番草から 2年目 1番
1)供試材料
草まで 3回行った。 2年目 1番草は約 600kg/10aで、施
①供試草地:道立畜試滝川試験地内の永年採草地(ケ
ンタッキープ、ルーグ、ラス (
K
B
G
) 率約 90%、疑似グライ
肥標準の目標収量と同等の収量が得られた。
3) 草種構成
土
、 pH5.9
)
②供試草種:チモシー (
T
Y
)r
ノサップ j、シロクロー
吾 100児
W
C
)r
ソーニヤ J
パ (
暴
抵
2) 方法
4
1
150%
①施工方法:穿孔型播種法、慣行法(撹枠耕起法
軍
世
(播種方法はともに散播)
堪 0犯
②播種季(播種年.月.日)
初冬季 (
H
1
5
.11
.1
2
)、春季 (
H
1
6
.5
.2
0
)(
※H:平成)
③ 1区面積:10mX50m=500r
r
f、 1連制
④既存植生:グリホサート (
5
0
0m
L/10a)により枯殺
図 2 出芽当年 1番草の草種構成割合
結果および考察
100%
1)初冬季の日最高気温と地温
吾
蓉
器
話 50弘
10
GL幽閥
倒E
世
Rd
0%
。
図3
-5
官
図1
日最高気温と日中地温(気温=アメゲス、滝川)
初冬季播種の 1番草の TY率は、穿孔法では 68%、慣
日最高気温および地温ともに、播種後 1
0日目位まで
行法が 75%で共に比較的高い改善効果であった。春季播
0
5C以上で推移していた。その後、気温は激しく変動し
て1
2月 4日に根雪になった。最深積雪は 110cmで平年並
みであった。融雪は H16年 4月 1
2日であった。
種では、穿孔法が 25%、慣行法が 86%であった。 2年目
1番草の TY率は、初冬季播種では撹持法が 96%、穿孔法
が 97%、春季播種では、撹持法が 94% 、穿孔法が 53%
2) 冠部被度
であった。以上から、穿孔型工法による初冬季播種は、
北海道立畜産試験場 (081-0038 上川郡新得町西 4線
40) Hokkaido
出芽 2年目 1
番草の草種構成割合
1月(})日
P
r
e
f
.
Anim.
H
u
s
b
.
E
x
p
.
S
t
n
.,
慣行法と同等の植生改善効果を期待できるので、道央多
雪地帯でも有効と考えられる。
S
h
i
n
t
o
k
u, Hokkaido0
8
1ー 0038,
J
a
p
a
n
-50-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
簡易草地更新のためのル}トマット厚測定方法の考案
と活用
第 1報 簡 易 な ル ー ト マ ッ ト 厚 測 定 方 法 の 考 案
地表面か
ら、根系
・
の密度が
伊藤憲治
中村毅志*
をする。この表層部分に形成されているルートマットは、
急減する
位置まで
の長さを
O.5cm
単位で測
牧草の出芽や定着の障害になるため、ルートマットの厚
る
。
緒言
ー簡易草地更新は、草地表層部分を対象として播種床処理
(
4
. 5cm)
さや密度に応じた施工を行う必要があると考えられてい
る。しかし、ルートマットの厚さを数値で示すための測
定方法が無く、現場での説明や議論も「厚しリ、「薄しリ
といった抽象的、主観的な厚さの表現に止まっているの
図 1 ルートマットが浮き出た円柱サンプルにおける厚
が実情である。そこで、簡易更新の工法選択の参考にす
さの測定
るためのルートマットの厚さを測る方法の考案および活
用の試みを始めた。
行った。
材料および方法
"
"
'
5
.
6
c
m、平均 3.7cmで、あった。また、枠当たりの根系乾
2. 考案した方法によるルートマットの厚さは、 0.8cm
1.用具
物重量は、 7
.
9
g
'
"
'
'1
2
4
.
6
g、平均 4
0
.
9
gであった。
①ルートマット厚測定のための円柱試料採取用土壌サ
3. ルートマット厚と根系乾物重量との相関関係、は、
ンプラー(内径 4.7cm、肉厚 2mm
、長さ約 40cmのステン
r
=0.
55
2料で、ルートマットが厚い試料は根系重量も多か
レスパイプに持ち手を付けたもの)、②採取試料を水洗い
った。
するための園芸用スプレーノズル、③ルートマット試料
4.したがって、考案した方法によるルートマット厚は、
採取用鋼鉄製枠(縦×横×高さ=20cmX20cmX8cm)、
ノレートマットの発達度合いを反映していると判断される。
2
. 手順
①ルートマットの根系乾物重量の測定:採取枠を草地
に打ち込みルートマットのブロック試料を採取し、地上
部およびリターを除去してからスプレーノズルを用いて
水洗い、乾燥して、根系乾物重量を秤量する。②ルート
150
J
,
0
0
1
マットの厚さの測定:草地に打ち込んだ採取枠の外側 4
辺において、土壌サンプラーにより約 8cmの長さの円柱
試料を採取する。試料の側面にスプレーノズルで水を吹
1
3程度の土壌を洗い流して根系を浮き
き付けて直径の 1
上がらせ、地表面から根系の密度が急減する位置までの
0
)
長さを、 0.5cm単位で測る(図 1。
0
.
0
1
.
0
2
.
0
3
.
0
4
.
0
5
.
0
。
6
.
J
レートマット厚【 cm)
ルートマット厚と根義乾物重量との相関
結果および考察
. 考案した方法によるルートマット厚と根系乾物重
図2
1
. 根系乾物重量およびル}トマット厚の測定
道立畜試場内の一般管理草地 5筆(採草地 3、放牧地
量との相関関係
2
) および現地 1筆から合計 34対のサンプルを採取し、
前記手順で述べた水洗い処理をして、ルートマット厚の
5
. ノレートマット厚の測定時間は、試料採取から厚さの
測定、(例;図 1)およびルートマット乾物重量の測定を
測定まで、正味で 2""'3分であった。
北海道立畜産試験場 (081-0038 上川郡新得町西 4線
表現する方法として概ね使えるとものと考える。この厚さを測
以上から、今回考案した測定方法がルートマットの厚さを
40) Hokkaido
P
r
e
f
.
An
i
m
.
H
u
s
b
.
E
x
p
.
S
t
n
.,
る方法は、簡便で 1点あたり数分で出来るので、草地一筆毎
S
h
i
n
t
o
k
u
, Hokkaido 081ー 0038,
J
a
p
a
n
に多点数を測定して代表値を出すことが出来る。今後は、適
吋七海道農業開発公社 (060-0005 札幌市中央区北 5条
正に代表値を出すための測定点数を明らかにすることと、ル
西 6丁目 1-23) HokkaidoA
g
r
i
c
u
1
t
u
r
a
lDevelopmentC
o
.,
ートマット厚と各種簡易更新工法との出芽定着性の関係、解
S
a
p
p
o
r
o, Hokkaido 060-0005,
J
a
p
a
n
明が必要と考える。
-51-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
飼 料 用 ト ウ モ ロ コ シ 子 実 の カ ピ 汚 染 と 分 離 Fusarium により F
.
graminearum数を計数し、同材料に含まれる D
O N含量との関係を解析した。
graminearumのデオキシニパレノール産生能
湊啓子・出口健三郎
結果および考察
カピに汚染された子実からは Fusarium 属菌が多く分
Moldc
o
n
t
a
m
i
n
a
t
i
o
nofs
i
l
a
g
ec
o
r
ng
r
a
i
nand
離され、特に、 F
.avenaceum, F
.
graminearum(写 真 。
D
e
o
x
y
n
i
v
a
l
e
n
o
lp
r
o
d
u
c
t
i
v
i
t
yofFusariumgraminearum
i
s
o
l
a
t
e
dfrommoldyc
o
r
ng
r
a
i
n
.
F
.
p
r
o
l
i
f
e
r
a
t
u
m の分離頻度が高かった(表 1
)。その他、
Clado
宅p
orium
,Mucor等のカピが分離された。トウモロコ
KeikoMINATO・KenzaburoDEGUCHI
でいずれも D O Nを産生し、産生量は 8
1
'
"
"
4
7
3
p
p
mで菌
シ子実から分離された F
.graminearum 6菌株は米培地中
)
。また、トウモロコシサイレージ
株間で差があった(図 1
原料からは調査闘場すべてから F
.
graminearum が 2.
4X
緒言
近年、飼料のマイコトキシン(カピ毒)汚染への関心が
高まっている。出口らは、前回本大会で十勝管内でのト
ウモロコシサイレージのデオキシニパレノール (DON)
4
3
1
0
'
"
"
4
.
3X1
0
CFU/g検出され、菌数が多いほど D O N含
量も高くなる傾向が伺われた。
以上のことから、飼料
汚染の実態調査の結果、飼料安全法の暫定許容基準値
用トウモロコシは圃場立
(4ppm)を超えるものが 7.5%見られたことを報告した。
毛段階で D O N産生性の
また、 DON生成には発酵品質の影響は認められず、生育
F
.
graminearum に 感 染 し
中の気象等の影響の関与が伺われたことから、岡場立毛
て D O N生成が始まって
段階での DON汚染発生の可能性が示唆された。主要な
いることが明らかになっ
D O N産 生 菌 と し て は 、 ム ギ 類 赤 カ ピ 病 菌 で あ る
た。今後、茎葉部も含め
Fusariumgraminearumが自然界に広く分布することが知
て感染時期および部位に
られている。本菌はトウモロコシ子実にも感染して赤カ
ついての検討を行う予定
ピ病を発生させることが知られているが、圏内での詳し
である。
写 真 1F
.
g
r
a
m
i
n
e
a
r
u
mに感染したトウモロコシ
い調査事例はない。
そこでまず、
トウモロコシ子実がどのような種類のカ
ピに汚染されているかを調べ、分離された F
.
graminearum
表 1カピ汚染トウモロコシ子実から分離されたカピの種類
の D O N産生能を調査した。また、収穫時のトウモロコ
と分離園場数
シサイレージ原料中の F
.graminearum数と D O N含量と
分離菌種
の関係を解析した。
F
u
s
a
r
i
u
m
F
.a
v
e
n
a
c
e
u
m
F
.g
r
a
m
i
n
e
ぽ um
p
r
o
l
i
f
e
r
a
t
u
m
F
.
材料および方法
2004年 9-10月に飼料用トウモロコシ畑 29間場(十勝
27、根室 1、胆振 1
)から、カピ汚染が観察された子実を
採取して直接分離または組織分離法により P D Aおよび
F G用培地を用いてカピを分離した。カピの同定は、
Fusarium属菌は SNA平板上で分生子柄、分生胞子の形
態を観察し種名を決定した。その他のカピは高烏の方法
に準じて実施し、属名までの同定とした。また、分離さ
5
3
2
2
2
分
数
離
(
!
闇
2
9
場
)
分離菌種
C
/
a
d
o
s
p
o
r
i
u
m
Mucor
E
p
i
c
o
c
c
u
m
P
e
n
i
c
i
/
l
i
um
Bo
句T
t
i
s
Rh
i
z
o
.
戸 IS
A
c
r
e
m
o
n
;
u
m
A
l
t
e
r
n
a
r
;
a
1
0
9
5
3
qAnL
52743
i
唱 t i ' i
1
.
.
.
.
.
.
3 サンプル採取して F G用培地を用いた希釈平板法
1
1
F
.v
e
r
t
i
c
i
/
/
i
o
i
d
e
s
F
.かi
c
i
n
c
t
u
m
F
.c
e
r
e
a
/
i
s
R盟語謡i
分 離 園 場 Z0
・
りD O N産生量を測定した。さらに、十勝管内 1
3圃場か
ら収穫時のトウモロコシサイレージ原料を 1圃場あたり
2
6
1
5
1
4
F
:
.中
c
h
o
l
a
r
n
o
v
o
f
d
c
o
h
伊
o
i
o
d
r
b
t
sm
れた F
.
graminearum6菌株について、米培地で 25t・2
週間培養し、エライザキット (
V
e
r
a
t
o
xf
o
r D 0 N5
/
5
)によ
分
数
離
U
圃
2
9
場
)
9惜 ミ 伊 肝 必イ
E
o
1
0
0
ヲヤ守ドコ
2
0
0
3
0
0
4
0
0
5
0
0
米培地中DON
濃度 (ppm)
081-0038 上川郡新得町西 5線
北海道立畜産試験場 (
3
9
) HokkaidoAnimalResearch Center,Shintoku,
Hokkaido 081-0038,
]apan
-52-
図 1トウモロコシ子実から分離された F
.
g
r
a
m
i
n
e
a
r
u
m
6菌株の米培地における D O N産生性
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
尿素 0
.
5
%を調製時に添加したでん粉粕サイレージの
開封時・後のカピ抑制
って、
N含量は顕著に高くなり、 pHは無添加と比
NHr
べて有意に高かった。水分含量に有意差はみられなか
阿部英則申・杉本昌仁申・斎藤早春本・岡
一義申串
った。無添加ではいずれもカピ部を除去し、その量は
1袋につき平均 10.3kgで詰め込み量の約 2犯に相当し
C
o
n
t
r
o
loff
u
n
g
a
lgrowthonp
o
t
a
t
owastes
i
l
a
g
ew
i
t
ha
d
d
i
t
i
o
n
た。添加ではカピ部の除去はなかった且カピ数、酵母
of0.5%u
r
e
aa
te
n
s
i
l
i
n
g
数は無添加では詰め込み時と比べていずれも増えて
H
i
d
e
n
o
r
i Abe・MasahitoSugimoto.WakaS
a
i
t
o
h
いる一方、添加では詰め込み時から増加がみられなか
)。
った(表 1
andKazuyoshiOka
2
) 開封後:水分含量は添加、無添加とも開始時より
高まっており、添加で高い傾向であった。 NH4-N含 量
緒言
は両者とも開始時と変わらない一方で、 pHは両者とも
馬鈴薯でん粉粕サイレージの TDN含量はどうもろこし
高くおっており、添加では無添加より有意に高く、 8.6
サイレージに匹敵し、有望な飼料資源であるが、利用上
であった。カピ数、酵母数は無添加では増加がみられ
の問題点のーっとしてサイレージのカピ発生があげられ
たのに対し、添加では増加がみられなかった(表 2
)。
る。カピが生えた部分を除去するために労力がかかり、
また、カピによる養分損失が懸念されるため、簡易なカ
以上より、詰め込み時から開封 3カ月後まで、カピ
数の推移をみると、尿素無添加では詰め込み時は検出
ピ抑制法が期待されている。そこで、尿素添加によるカ
限界に近かったが、開封時では 6(
l(
)
g
C
F
U
/g
)を越えて
ピ抑制を検討した。尿素の分解で発生するアンモニアに
おり、カピ部を除去することでいったん低下するが、
よってカピは抑制されるが、尿素分解の条件は必ずしも
3カ月放置後にはまた増加した。一方、尿素 O
.5%添加
明らかではなく、知見の集積が必要である b 本試験では
では詰め込み時から 3カ月後まで通して、カピの増殖
フレキシブ、ルコンテナででん粉粕サイレージを調製する
はほとんどみられず、尿素によるカピ抑制効果が示さ
際の尿素 0.5%均 一 添 加 が 開 封 時 お よ び 開 封 3カ月後の
れた。また尿素添加では、酵母数は開封時には増加が
カピ抑制に対する効果を検討した。
みられず、開封後に低下した。カピ、酵母はサイレー
材料および方法
れらが抑制されていることから、取り出'し後のサイレ
ジの好気的変敗の原因菌であり、尿素 0.5見添加ではそ
尿素無添加、 0.5出添加したでん粉粕約 500kgをフレキ
ージの変敗についても、抑制効果がうかがわれた。
シブルコンテナ各 5袋に詰め、おおむね 8カ月後に開封
した。また、開封時のサイレージ約 12kgを平底コンテナ
-酵母数など同)
に詰め、開封後の好気的条件を想定して、シートで軽く
詰め込み時
05
3
9
5
6
.
0
7
8
.
3
a
邸添加
・
被覆して 3カ月開放置した。なお、開封時に表層部にカ
ピ発生がみられた場合はそれを取り除いた後のサイレー
pH
水分含劃
o
ジを供試した。詰め込み時は 04.11月である。測定項目
は表層部の尿素・ NH4-N・水分含量、 pHおよびカピ・酵母
カピ部除去車同/鈴
数とした。カピ、酵母数はポテトデキストロース寒天培
酵母遇制句CFU/
g
)
6
.
1
7
8
.
0
a
3
:
4
花9
ー
1
0
.
3
"
ヵ噺i~g)-----i6
6
.
3
→
6
.
2
7
.
1
間
5
.
8
開封時
0
.
0
5
>
2
刈
4
:
f
4
.
d
'
7
6
.
8
d
'
2
.
6
*
(
3
/
日
5
.
5
2
.3(
1ogCFU/g
)である。
'検出されたものの平均低( )内同検出前U
劫りたコンテナ教書l
治
問検出航ず
a
,
b
間l
:f吻1
.
0
5
で宥意草あり(開封時の尿素添加阪清線開
結果および考察
表 2 尿素添加の有無における開封 3カ月後の力ピ・酵母教など C
両)
地を用いた平板培養法で調べた。本法での検出限界は
1
) 開封時:肉眼的にはいずれも、無添加でカピ発生が認
められたのに対し、添加ではみられなかった。添加した
初治動6)
Mも-N(p阿古
略であったが、開封時には
場合の当初の尿素含量は 0.53
0.05
目以下となり、 90
弘以上が分解されていた。それに伴
pH
無添加
開始時
3カ月後
7
6
.
4
7
9
.
6
5
4
fd
3.5 吋
a
田添加
開台時
3カ月後
7
6
.
8
8
1
.
2
b
2
制3
2
1
9
4
?..2~___ ..___~:.~_________~:.~
カピ紘l
唱C
FU/
g
)
4
.
1
6
.
0
2
.6(
3
/
5
) 2
.
4*
(
1
/
5
)
酵母蜘OgCFUゆ
5
.
5
6
.
7
5
.
5
3
.
0
*
(
2
/
5
)
車検出されたものの平均値、()内制食出きれなかったヱ庁す郵虐恰
象
申北海道立畜産試験場 (081-0038 上 川 郡 新 得 町 西 5 線
3
9
) Hokkaido Animal Research Center, Shintoku,
a, b間にP<0.05で有意差勝~{3カ月後の尿素添鵬有鱒ID
Hokkaido081-0038,
]apan
**北海道農政部 (060-8588 札幌市中央区北 3条 6丁目)
Department of Agriculture, Hokkaido Prefectual
Government,060-8588,]apan
-53-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
抵抗性デンプンの給与が去勢牛におけるデンプン消化性
と大腸内発酵へ及ぼす影響
デンプン摂取量は、 C のデンプン含量が予測より低か
ったため、 PS15区に比べ、 C 区において減少し、 RS摂
取量は、 PSの給与量増加により増加した(表 1
)
。デンプ
i
b
i
b
u
l
aYimamu.笹倉豊・岡本明治
村田暁・花田正明・ A
ンの十二指腸移行量は、デンプン給与量が等しくなるよ
うに設定した C 区
、 PS15区において差はみられなかっ
E
f
f
e
c
toff
e
e
d
i
n
gr
e
s
i
s
t
a
n
ts
t
a
r
c
hons
t
a
r
c
hd
i
g
e
s
t
i
o
nand
た(表 1
)
。デンプンの回腸移行量は、 C 区に比べ、 PS15
f
e
r
m
e
n
t
a
t
i
o
ni
nl
a
r
g
ei
n
t
e
s
t
i
n
eofs
t
e
e
r
s
区において増加する傾向があり、 PS給与量の増加に伴い
S
a
t
o
s
h
iMURATA.MasaakiHANADA.
A
i
b
i
b
u
l
aYIMAMU.
べ PS15区
、 PS30区で大幅に低下した(表 1
)
。以上のこと
YutakaSASAKURAandM
e
i
j
iOKAMOTO
から、 PSに含まれるデンプンは小腸で消化抵抗性をもつ
)
。デンプンの小腸内消化率は C 区にくら
増加した(表 1
ことが明らかになった。それにより、デンプンの大腸内
緒言
消化量は C 区に比べ、 PSの給与により増加し、また、
近年、人や豚などの単胃動物において、大腸内発酵を
促進させることは、免疫能力等を増加させ、健康に有用
PS の給与量の増加により大腸内消化量が多くなること
が示された(表 1
)
。
であるといわれている。演者らは、ポテトパルプサイレ
直腸糞中短鎖脂肪酸含量は、 C 区
、 PS15区
、 PS30区
ージ (
P
S
)の給与量の増加により、反甥家畜における大腸
で、各々 1
5、23、49mglg乾物となり(表 2
)、pHは各々 6
.
9,
内発酵量が増加することを示してきた。また、圧ベント
6
.
7,6.3で、あった(表 2
)
。デンプンの大腸内消化量増加に
C
)
給与時に比べ、 PS 給与時において十二指
ウモロコシ (
伴い、直腸糞中短鎖脂肪酸含量が増加したことが示され
腸へのデンプン移行量が低下したが、大腸内発酵量は増
2
た(R
=
0
.
9
2
2
)
。また、 PSの給与量を増加させることによ
加することを示した。これらのことから、 PSに含まれる
り、直腸糞中酪酸含量および組成が増加した(表 2
)
。
デンプンは、小腸で消化されず大腸に移行し、大腸内発
反甥家畜においてトウモロコシデンプンに比べ、ポテ
酵を促進させる可能性が示唆された。しかし、これまで
トデンプンは小腸での消化抵抗性をもち、大腸へ移行す
反甥家畜において、 C と PSの小腸でのデンプン消化性
るデンプン量を増加させ、大腸内発酵を促進させること
の違いを比較した報告はない。
が明らかになった。また、ポテトデンプン給与量増加に
そこで、本試験では、反須家畜における C と PSのデ
より大腸での酪酸生成量が増加した。
ンプン消化性の違いを検討し、デンプン消化性の違いが
表 1、 飼 料 摂 取 量 、 十 二 指 腸 、 回 腸 移 行 量 お よ び デ ン プ ン 消 化 量
大腸内発酵へ及ぼす影響を査定した。
処理区
PS15区
C区
方法
供試家畜は十二指腸および回腸にカニューレを装着し
たホルスタイン去勢牛 3頭を用いた。供試飼料として青
刈り牧草と C、PSを用いた。試験処理として、 DE要求
、 C 区と同様のデンプン
量の 10%を C から給与した C 区
給与量になるように PSを給与した PS15区
、 PS15区の 2
倍量の PSを給与した PS30区の 3処理区を設けた。 G は
飼 料 摂 取 量 (g/日)
デンプン
抵抗性デンプン
NDF
窒素
十 二 指 腸 移 行 量 (g/日〉
デンプン
NDF
窒素
回 腸 移 行 量 (g/日〉
デンプン
NDF
全処理区とも DE要求量の 90%を給与した。 DE要求量は
日増体量 0
.
7k
gに必要な量とした。青刈り牧草は帯広畜
窒素
274 c
44 c
1904 b
100
49
651
58
b
24
669
31
b
24
a
b
b
産大学内チモシー主体草地から毎朝地上部 5cmから刈取
り
、 PSは 2003年にサイレージ調製したものを用いた。
表 2、 直 腸 糞 性 状 お よ び 窒 素 排 漉 量
水分含量(%原物〉
PSのデンプン含量は 32%
で、抵抗性デンプン (RS)含量
は 25%であった。 PSのデンプンの 76%が RSであった。
一方 Cのデンプン含量は 62%で
、 RSは 3%であり、 Cに
はほとんど RSが含まれていなかった。
帯広畜産大学(
0
8
0・8555 帯広市稲田町)
O
b
i
h
i
r
oU
n
i
v
e
r
s
i
t
y ofA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
e &V
e
t
e
r
i
n
a
r
yMedicine
,
O
b
i
h
i
r
o,
Hokkaido080
・8
555J
a
p
a
n
b
ab
54 b
699 ab
47 b
754
34 ab
7
32
b
b
SE
712 a
542 a
2338 a
94
71
77
104
6
205
791
76
a
30
62
7
178
853
38
a
a
a
27
57
2
27 a
99 a
7
17
亙霊屋
試験は予備期 1
2日間試料採取期 6日間を 1試験期とし、
結果
b
68
デ ン プ ン 消 化 量 (g/日 )
小腸
大腸
3X3ラテン方格法にもとづき行った。
377
291
2234
101
PS30(&
PS30(&
C匡一一一 PS15(&
7
9
.
1 b
82.7 a
84.8 a
pH
6
.
9a
短 鎖 脂 肪 酸 含 量 (mglg乾 物 )
総短鎖脂肪酸
14.6 c
酪酸
0.9 c
短鎖脂肪酸組成(%)
酢酸
78.
4
プロピオン酸
14.
4b
酪酸
6.
4b
乳酸
0
.
7
直 腸 糞 中 窒 素 排3
世 量 (g/日〉
全窒素
24.5 b
微生物態窒素
5
.
9c
アンモニア態窒素
1
.
5a
a
.
b
.
c
.
J異 符 合 間 に 有 意 差 あ り (
P<0.05)
-54-
SE
1
.
8
b
6
.
3
c
0
.
1
23.0 b
1
.9 b
48.5
6
.
7
a
5
.
7
1
.0
71
.2
17.5
8
.
3
0.7
69.9
11.8
14.3
2.5
6
.
7
a
b
31.2 b
8
.
3b
0.8 ab
a
c
a
37.9 a
12.8 a
0.9 b
2
.
3
1
.
1
1
.
5
0.5
3.9
1
.2
0.2
北海道草地研究会報 40 (2006)
結果および考察
いずれの番草でも窒素施肥量が増加するとスクロース
ペレニアルライグラスの窒素施肥量が糖組成と
サイレージ発酵品質に及ぼす影響
が減少する傾向が見られた。 WSC から糖組成を推定す
岡元英樹・古館明洋
ると、いずれの番草でも窒素施肥量が増加すると単糖類
E
f
f
e
c
tofni
甘o
genf
e
r
t
i
l
i
z
a
t
i
o
n
の割合が上昇し、フラクタンの割合が低下した。また、
後の番草になるほど単糖類の割合が上昇、し、フラクタン
の割合が低下した(図 1。
)
サイレージの発酵品質は 牧草サイレージ品質判定基
準による判定では 2番草が他の番草に比べてやや劣るも
ons
u
g
a
rcompositionands
i
l
a
g
ef
e
r
m
e
n
t
a
t
i
o
n
ぉ s(
L
o
l
i
u
mp
e
r
e
n
n
eL
.
)
ofp
e
r
e
n
n
i
a
lr
y
e
g
r
HidekiOkamoto・
AkihiroFurudate
のの、窒素施肥量による差は見られなかった。一方、
V-Score による判定では 2 ・3番草において窒素施肥量
緒 日
べレニアルライグラス (PR) は天北地域で放牧に用
の増加により各 VFA (特に酪酸)含量、 VBN
庁 N がと
いられており、近年採草利用への期待も強い草種である。
は V-Scoreが低く、発酵品質が劣った(表 1)。
もに増加したため、窒素施肥量の多い牧草のサイレージ
良質発酵サイレージを調製するための決定的要因である
サイレージの糖組成は、いずれの番草も二糖類は検出
水溶性糖 (WSC) 含量については、 PR は他草種よりも
されず、単糖類の中でもフルクトースの含量が高かった。
高いことが知られている。演者らは前報において年間 3
1 ・2番草においては、窒素施肥量が増えると共に糖含
量は減少した(表 2)。
以上のことから、窒素施肥量が増えると w
s
cが減少し、
これは主としてフラクタンの減少によると思われる。ま
た、窒素施肥量が多い原料草で調製したサイレージは発
酵品質が劣った。
回刈りで採草利用した 2番草を用いて糖組成の調査を行
い、窒素施肥による WSC の減少は主としてフラクタン
とスクロースの減少が原因であると報告した。一方、他
の番草については未検討であり、窒素施肥がサイレージ
の発酵品質に及ぼす影響についても検討の必要がある。
•
そこで、窒素施肥量の違いによる PRの糖組成とサイ
レージ発酵品質、並びに、発酵による糖組成の変化を調
査したので結果を報告する。
目
材料および方法
試験は 2004 年に天北農試内の圃場(褐色森林土)に
お い て 、 年 間 の 窒 素 施 肥 量 を 3段 階 設 定 し た
918 2
刈
(
9,
18,
24k
g
/l0a、施肥配分は早春: 1番草後: 2番草後
1
番草
=1 :1 :1の均等施肥)年間 3回刈り区を設け、試料
9
1
8 2
4
9
2番草
1
8 2
4
(
k
g
/
1
0
a
)
3番草
図1 ぺレニアルライグラスにおける穏組成
を採取した。供試品種は「ポコロ」を用いた。
フラクタンは以下の式により算出:フラクタン =wscー(単寝類+=積類)
WSCの分析は乾燥試料を供しアンスロン法を用いた。
糖組成の分析は新鮮物もしくは冷凍試料を供し HPLC
法(カラム
Shodex NH2P-50 4E、 移 動 相
H20/CH3CN=25/
75、流速 1.0m
L/
min、検出器 RI
、カラ
0
ム温度 35 C) を用いた。
サイレージは圧縮袋法を用いて調製した。すなわち、
原料草を一定時間予乾した後、 5cmに細断し、圧縮袋に
充填後、 3 ヶ月以上室温で放置した後開封し、判定に供
した。また、サイレージ新鮮物を用いて糖組成も測定し、
発酵による変化を調査した。
V
S
c
o
r
e
(点)1)
9
6
1
0
0
1
0
0
9
7
8
7
7
3
9
6
9
5
9
0
表 2 ペレニアルライグラスサイレージの各種糖含量
糧含量 (
mg/100gFW)
k
N
g
施
/
1肥
O
a
) F
番草 (
r
u
G
l
u
Suc 合 計
サイレージ発酵品質の判定は、牧草サイレージ品質判
定基準(北海道普及技術奨励技術
表1 サイレージ化学性とV
S
c
o
r
e
VFA(%)
N施肥 VBN/TN
%
)
k
g/1
0
a
) (
番草 (
C2 C3 C4
3
.
6
8 0
.
0
6 0
.
0
3 0
.
0
5
9
1
8
3
.
2
5 0
.
0
8 0
.
0
0
.
0
4 0
2
4
.
0
7 0
.
0
0
3
.
5
7 0
.
0
5 0
.
0
3 0
.
0
0
9
6
.
6
5 0
.
0
2 0
2
.
0
4 0
.
1
0
1
8
7
.
5
2 0
.
0
2 0
.
1
0 0
.
2
5
2
4
8
.
6
6 0
.
0
5 0
4
.
9
0 0
.
0
7 0
.
0
2 0
.
0
5
9
3
1
8
5
.
4
7 0
.
1
0 0
.
0
0 0
.
0
6
2
4
6
.
1
7 0
.
0
7 0
.
0
2 0
.
1
0
1
)
8
0点以上:良、 6
0
8
0点:可、 6
0
点以下:不良
1989) と VBN/
閣
と各 VFA含量を測定し、これらから V-Score を算出し
て行った。
2
吋ヒ海道立天北農業試験場 (098・5738 枝幸郡浜頓別町)
Hokkaido P
r
e
f
e
c
加r
a
l Tenpoku A
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
l Experiment
S
t
a
t
i
o
n
,
Hamatombetsu
,
Hokkaido098・5738,
Japan
-55一
3
9
1
8
2
4
9
1
8
2
4
9
1
8
24
6
9
4
6
4
9
0
7
3
1
6
5
4
4
3
1
3574
2
4
6
3
3
8
4
1
4
2
9
9
4
3
6
1
1
4
3
9
1
1
4
3
9
4
9
1
9
1
4
1
1
8
5
1
2
7
9
2
3
9
7
2
4
4
5
2454
ー
ー
ー
ー
ー
8
3
8
5
6
0
5
0
4
1
1
5
6
3
4
5
4758
3
7
4
2
6
2
3
8
6
7
4
4
6814
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
C(電気伝導度)法適
シロクローパ耐寒性検定のための E
0LT50は温度の設定が高すぎたため、
まり耐寒性が弱し、 )
用の可能性
3品種で-16C以下であった。 SpainとG.23は明らかに他
0
の品種より高かった。 Caradusらの葉の致死率と比べて
LT50でも耐寒性が強い
みると、 PodkowaとUndromは
、 EC,
高田寛之
ことがうかがわれた。葉の致死率が弱いとみなされた
百l
ep
o
s
s
i
凶i
t
yo
fe
l
e
c
t
r
i
cc
o
n
d
u
c
t
i
v
i
t
ymethodi
ne
s
t
i
m
a
t
i
n
g
SpainとG.23はLT50で弱く、 SpainはECによっても弱し、と
c
o
l
dr
e
s
i
s
t
a
n
c
ei
nw
h
i
t
ec
1
0v
ぽ
みなされた。つまり、 ECとLT50は
、 Caradusらの霜によ
る葉の致死率とよく一致したといえよう。
日r
o
y
u
k
i TAKADA
2005
年の試験では、 3小葉を使ってECを測定したとこ
)
0 -7Cの低温条件 (16時
ろ、ふれが大きかった(表 2
0
緒 言
シロクローパを北海道のような寒地で栽培する場合、
間)で行うのが適当と考えられた。また、若すぎず、古
問題となるのは耐寒性である。耐寒性を検定するには圃
すぎない中庸な 3小葉をサンプリングするのが望まし
場で行うケース、 LT50 を測定するケース、それに電気
い。今後、エイジを揃えて試験することを考えているが、
出c C
o
n
d
u
c
t
i
v
i
t
y
=
E
C
)を測定して耐寒性の指
伝導度 (
E
l
e
c
シロクローパの生育特性から考えると、ストロンを供試
標とするケース等がある。このうち EC法は測定が簡便
するのが偏差を小さくするにはよいのではなし、かと考え
であり、一度にいくつものクローンを測定できる利点が
られる。
ある。 EC 法については過去にペレニアルライグラスや
表 1.各品種・系統の耐寒性
小麦等において試験がなされ、有用性が指摘されている。
そこで、シロクローパへの適用性についていくつかの試
品種・系統
験を行った。
LT50 (
O
C
) 霜による葉の
EC (%)
致死率*
Podkowa
1
.1:
t2
.
5
0
1
Undrom
t3.
19
1
2
.
7:
く1
6
品種・系統と北海道の奨励品種で耐寒性強とされている
T
a
h
o
r
a
1
6
.
6:
t4.
48
く1
6
5
8
Rivendelを供試し、 2004
年 8月 4 日、ペーパーポットに
G
.
2
3
t6
.
5
4
1
4
.
9:
1
2
.
6
7
9
9
1
2
.
1
9
1
0
0
材料および方法
ニュージーランドのD
r
. Caradusより分譲をうけた 5
播種し、網室にて生育させ、 1
2月 1日各品種より 3小葉
S
p
a
i
n
.37
2
7
.
1士 11
を採取し (
2
4反復)、 5mlの試験管に入れた。そのまま
R
i
v
e
n
d
e
l
.
0
4
1
3
.
6土 4
-10Cのチャンパーに 1
6時間入れ、取り出して4.5mlの脱
キC
a
r
a
d
u
se
t
0
く圃 1
6
・
圃
27
48
1
5
.
5
2
a
1
.(1989)J
.A
g
r
i
.S
c
i
.,
C田 n
b
.1
1
2,
1
5
1・1
5
7
0
イオン水を加え、次に+2Cのチャンパーで24時間惨出
表 2. 3小葉を用いた試験 (
E
C
値)
0
A
)。次に-70Cの冷凍庫に 3昼夜入
させ、 ECを測定した (
れ、解凍して 24時間後ECを測定し (
B
)、 (
A
/
Bx100)を耐
寒性の指標とした。また、 1
2月 6"-'7日、ストロンを各
1)温度条件
温度 6
"
'
1
0個用い、 8
"
'
1
6Cの 5段階で処理し、 1
2日
0
0
_
70C
P 7
4
.
8:
t9
.
6
8
0.
1:
t1
0
.
9
3
0
.
1:
t2
8
.
0
T 7
5
.
6士 8
.
5
7
5.
4:
t1
4
.
8
S 71
.8土 1
0
.
0
6
9
.
2土 1
1
.6
t28.
4
3
7
.
9:
.8:
t31
.
2
41
中庸
濃緑(古)
C
1
3o
後生死を観察し、プロピット法により LT50を算出した。
2005
年、前年利用した耐寒性強中弱の 3品種を用い、
0
5月17日セルトレイに播種し、 7"-'8月に十2C、1
2時間
日長のチャンパーで 4週間ハードニングさせ、 3小葉を
ー1
0C
用いて種種の温度でECを測定した (
2
4
反復)。さらに 3小
葉を若い淡緑色のものからエイジの進んだ、濃緑色のも
2) 葉のエイジ別
it
一+一+一士一
よる霜による葉の致死率を示した。 EC
値はあまり大きく
) - M 2 5一
若一日 8 1 一
表 1に各品種・系統のEC
値
、 LT50さらにCaradusらに
PATS
結果および考察
緑
一 312 一
一
淡一お M 幻
のへと 3段階に分けてECを 測 定 し た (8反復)。
t3.
4
1
6
.
5:
6
5
.
7:
t2
0
.
8
2
4
.
2:
t8
.
9
t37.
4
4
4
.
1:
8
.
1
3
6
.
3士 2
8
0
.
7:
t33.
4
なく、わずかに Spainが他に比べ、値が大きかった(つ
P:Podkowa
,T
:
T
a
h
o
r
,
a S:Spai
北海道農業研究センター
(
0
6
2
・8
555
札幌市豊平
区羊ケ丘 1) N
a
t
i
o
n
a
1A
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lR
e
s
e
a
r
c
hC
e
n
t
e
rf
o
r
血d
oRegion
,T
o
y
o
h
i
r
a
却, S
a
p
p
o
r
o062
・8
5
5
5,J
a
p
a
n
Hokk
-56-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
近縁野生種との種間雑種を利用した
結果および考察
アカク口ーパ永繍生育種素材の特性
訣験1.戻し交雑後代間の多郊己 (
1
9
9
9年)
各母系の収衡重子数は BC4で、は個体間の変異が大きく 0粒か
ら634粒だ、った。 BC3は収穫種子数が少なく、完熟種子が得られ
磯部祥子・慶井清貞・奥村健治
個体だ、った。
たのは5個体中1
B
r
e
e
d
i
n
gp
o
t
e
J
;
l
t
i
a
lo
ft
h
eb
a
c
k
c
r
o
s
sp
r
o
g
e
n
i
e
so
fah
y
b
r
i
d
∞
試験2
.BC4多郊己後代の稔↑生による選抜 (
2
0 τ
2
0
0
1年)
betweenr
e
dc
l
o
v
e
randi
t
sw
i
l
dr
e
l
a
t
i
v
e
st
or
e
dc
l
o
v
e
r
種子稔実率は平均で 1
7
.倒であり 0--68%まで幅広く変異した。
こついても
葉の大きさ、春の萌芽および秋の再生など形態特性l
s
OBE
,
K
i
y
o
s
a
d
aHlROI
S
a
c
h
i
k
oI
個体聞の変異が認められた。高稔実率個体およびジグ、ザ、グ、クロ
ーバに近い形態である小型4
喋個体各 1
0個体を選抜した。
andK
e
n
j
iOKUMURA
∞
訴験3
.選抜第1サイクル集団の特性 (
2
0
0
2
2 5年)
緒言
BC
0
.
3
%、小型小
4の種子稔牲は高稔実率選抜母系が平均で 2
アカクローパは北I
毎道で広く栽培されるマメ科牧草で、あるが、
葉選抜母系が平均で 1
6.4%でありアカクローパ、ジグザ、グクロー
草地における生存期間が短し、ことから永続性の改良が求められ
パと有意差はなかった(図1) 4年目の株の生存率は BC4が平
ている。ジグザグクローバは永続出こ非常に優れるアカクローバ
均で 43.5%であり、ジグザ、グクローパの 5
8
見
よ
りf
邸主ったが2倒本
の近縁野生種であり、種間雑種を利用した永続性育種素材の開
.
5
'
ゆおよび4倍体のアカクローノ {
(
3
7
.
5
%
)より高かった(図 2
)
。
ま
(
17
発が世界各地で試みられている。これまで永続性に関与する遺
たZ
Cより生存率の高い BC
4母系も認められた。
0
伝子導入を目的として、ジグザグクローノく(以下ZC)と4倍体アカク
以上から稔性で1サイクノレの選抜を千予った BC4はアカクローパ
音養により作出し、さらに4倍
ローノ{(以下RC)との種間雑種をijD
並みの稔性を有し、通常のアカクローパ以上の永続性を有する
体RCによる戻し交雑により種子繁殖ができる素材を開発した。
ことが明らかとなった。これらの材料はアカクローバ永続性育種
本報では戻し交雑第4代(以下 BC4)問で、多交配をおこなった材
素材として育種フ。ログラムに組み入れる予定である。
料の永続性育種素材としての有用性を検討する。
1
0
0
.
0
材料および方法
ム
明
。
。
9
5
.
0
訴験1.戻し交梢麦代間の多交配(19
9
9年)
目
主
A
撃90.0
北農研で作出した BC428
個休および、雪印種苗から寄託をうけた
RC
ホクセキ
r
!
1
.
a
s。
0G)
惇
BC35個体を圃場へ移植し、ナイロンケージ内で、ミツバチによる
8
5
β
多交配を行って母系ごとに採種した。
.BC4多郊己後代の稔性による選抜 (
2
0
0
0
2
0
0
1年)
試験2
8
0
.
0
1
0
.
0
BC
母系 459
個体をペーノ《ーポットで、育苗
4多交配後代の 26
1
5
.
0
2
0
.
0
2
5
.
0
種子稔性
後 2000年 7月に圃場へ移植した。翌年にミツバチによる交配を
。高稔実率選抜母系
ム小型小葉選抜母系
図1
.選抜 1サイクル目の種子稔性および花粉稔性
行い、各個体につき 1
0頭花ずつサンフ。リング、大きさの中庸な5
頭花について小花数と稔実種子数から種子稔実率を算出した。
80
種子稔実率が郎、個体および小葉が小型な個体につして各 1
0
。zc
個体ずつ選抜した。
掛
望
畦
串
田柏
60
訴験3
.選抜第 1サイクル集団の特性 (
2
0
0
2
2
0
0
5年)
A
、
@
A
!
J
:
:
,
.
ZC、4倍体RCiタイセツ」、 2倍休アRCiホクセキJ
'こついて各 40
RC
タイセツ
崎
寸 20
色
。
個体をペーパーポットで、育苗後、 2002年6月に圃場ヘ移植した。
70
2
0
0
4年にミツバチによる種子稔性調査(試験2と同様の手法)、お
託
宣
A
K
母系、小葉小型 10
母系および
試験2で選抜した高稔実率・ 10
!
J
:
:
,
.
O'RC
ホクセキ
75
80
85
90
95
100
1年固定着率(弘)
よび花粉稔性調査(各個体につき 3頭花・ 5小花の酢酸カーミン
。高稔実率選抜系統
A 小型小葉選抜系統
による染色,)を行った。
図2 選抜 1サイクル目の株の生存率
北海道農業研究センター (
0
6
2
・8
555札幌市豊平区羊ケ丘 1
番地) N
a
t
i
o
n
a
l
A
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lRe
s
e
a
r
c
hC
e
n
t
e
rf
o
rHokkaido
Re
g
i
o
,
nH
i
t
s
u
j
i
g
a
o
k
a1
,
T
o
y
o
h
i
r
a
,
S
a
p
p
o
r
o
,
062
・8
555
,
Japan
謝辞
多交配に用いた戻し交雑後代の一部は雪印種苗より寄託を受け
た。ここに記して謝意を表する。
Fhu
北海道草地研究会報 40(
2
0
0
6
)
アカクローパの草型の改変を目的とした A
g
r
o
b
a
c
t
e
r
i
u
m
r
h
i
z
o
g
e
n
e
s接種の検討
結果および考察
本葉以外の部位では、不定根はほとんど誘導されなか
った。また外植片を用いた場合においても、不定根の誘
青柳由希子・星野洋一郎・平田聡之・山田敏彦
導率は低かった。品種間では、“Ar
l
i
n
g
t
o
n
"で誘導率が高
,2
)
。
く、また A5よりも A13で誘導率が高かった(表 1
A
g
r
o
b
a
c
t
e
r
i
u
mr
h
i
z
o
g
e
n
e
s
m
e
d
i
a
t
e
dt
r
a
n
s
f
o
r
m
a
t
i
o
no
fr
e
d
c
l
o
v
e
rf
o
rm
o
d
i
f
i
c
a
t
i
o
n
so
fe
c
o
p
h
y
s
i
o
l
o
g
i
a
lt
r
a
i
t
s
A
l
t
a
s
w
e
d
e
"の無菌実生の本葉に A13を接種した切片か
“
ら不定根の一つが、根の増殖が速く、旺盛な分枝を示す
などの毛状根の特徴を表した(図 1
)。そこで、 r
olC遺
Y
u
k
i
k
oAOYAGI・Y
o
i
c
h
i
r
oHOSHINO・T
o
s
h
i
y
u
k
iH
l
R
A
T
A・
T
o
s
h
i
h
i
k
oYAMADA
伝子を増幅するプライマーを用いた PCR産物の確認を
行ったところ、 r
o
l
C遺伝子の断片と同サイズのバンドが
)。これらのことから、形質転換が行わ
確認された(図 2
緒
れたと考えられる。現在、形質転換が確認された毛状根
雷
アカクローパは我が国で、重要なマメ科牧草の一種であ
から、植物体への再生条件を検討し、形質転換体育成の
るが、永続性に劣るという大きな欠点を抱えている。ア
準備を進めている。
カクローパ個体の永続性欠如の最大要因は、 i
n
t
e
m
a
l
o
o
tr
o
t と呼ばれる生理的・病理的な冠
b
r
e
a
k
d
o
w
nや r
表1
.アカクローパの無菌実生l
こま、けるA刷 Z勾 e
n
e
sの供試切片数および発担数
部・主根上部の悪化であるが、完全な抵抗性品種は育成
されていない。しかし、主根に置き換わる側根や低位節
コントロール
切片数発根数
ホクセキ
子
本
業
薬
からの不定根が発達した個体において、永続性が高いこ
とが報告されている。植物病原土壌細菌の一種である
A
g
r
o
b
αc
t
e
r
i
u
mr
h
i
z
o
g
e
n
e
sは、毛状根を発生させる遺伝子
(
r
o
l遺伝子群)をコードするRiプラスミドを有してい
る。そのため、この菌に感染した植物体は“ h
a
i
r
yr
o
o
t
s
y
n
d
r
o
m
e
'
" と呼ばれる草型の変化を示し、根の増殖が速
2
1
5
0
刈 也sw
剖
:
f
e
子
本
業
9
2
8
。
1
3
。
本業
一
0
β
2
6
.
0
5
5
2
1
3
6
2
3
8
1
0
.
0
1
6
.
7
7
1
8
。
A13
%
切片徴発複数
0
.
0
3
.
6
。
A
r
f
i
n
g
t
c
子
I
n
葉
一
ロ越
サ
一wH
A5
%
0
β
。
0
.
0
5
.
9
5
1
1
4
6
0
.
0
3.
7
1
9
9
1
1
0
.
0
5
.
6
9
2
0
。
0
.
0
1
3
8
。
3
。
%
切片数発根数
2
.
0
7
.
5
1
1
。
7
。
4
0
.
0
7
.
7
0
.
0
却'
.
0
。
0
.
0
い・分枝が旺盛・根毛の発達が著しいことが知られてい
o
l遺伝子で群による形態変化がアカクローパ
る。そこで、 r
表2
.アカクローパの外植片における,
A
.
r
h
i
z
o
g
e
n
e
sの供試切片数および発担数
の生活様式および永続性に及ぼす影響を評価するために、
形質転換体を育成する第一段階として A
.r
h
i
z
o
g
e
n
e
s接 種
による毛状根誘導条件を検討した。
コントロール
ホクセキ
本
業
薬
柄
A
1taswede
本業
材料および方法
葉柄
切片数発綴数
1
4
1
1
1
5
1
1
。
。
。
。
A5
%
切片数発根数
0
.
0
0
.
0
48
2
1
0
.
0
0
.
0
49
1
6
。
。
。
A13
%
%
切片数発担数
2
.
1
0
.
0
46
0
β
0
.
0
4
4
1
8
。
1
9
。
。
0
.
0
5
.
3
0
.
0
0
.
0
l
t
a
s
w
e
d
e
",
試験には、アカクローパの“ホクセキ",“A
“A
r
l
i
n
g
t
o
n
ぺ“サッポロ"の 4品種の無菌実生および 1 %
次亜塩素酸ナトリウムで滅菌した“ホクセキ"および
A
l
t
a
s
w
e
d
e
" の外植片を用いた。 A
.r
h
i
z
o
g
e
n
e
sは、メロ
“
ンの擢病株より分離した A5および A13を用いた。無菌
実生を部位別に切断した後、針を用いて A
.r
h
i
z
o
g
e
n
e
sを
接種した。接種した切片は約 1週間1/
2MS培地で培養し、
その後 5
0
0m
g
/
lC
l
a
f
o
r
a
nを添加した除菌培地に移して培
養を続けた。接種した切片より誘導された不定根は、切
片より切り離し、同組成の培地で培養を続けた。また、
図1
.A
It
.
a
s
w
e
d
e
の本葉にA
1
3を接種した切片から得られた不定祖
得られた不定根に r
o
l遺伝子の導入が行われたかを確認
するため、 r
o
lC 遺伝子を増幅するプライマーを用いた
PCR産物の確認を行った。
4・ ・ 聞 開 田
北海道大学
1
.
1
k
b
p
北方生物圏フィールド科学センター
(
0
6
0
・0
8
1
1 北海道札幌市北区北 1
1条西 1
0丁目) F
i
e
l
d
,H
o
k
k
a
i
d
oU
n
i
v
.,K
i
t
a
S
c
i
e
n
c
eC
e
n
t
e
rf
o
rNorthemB
i
o
s
p
h
e
r
e
a
p
p
o
r
o,H
o
k
k
a
i
d
o0
6
00
8
1
1,J
a
p
a
n
1
1N
i
s
h
i1
0,S
図2
.r
o
l
C遺伝子特異的なプライマーを用いたPCR産物の確認
M
:
D
N
A
サイズマーカー. 1:A
.r
h
i
z
o
g
e
n
e
sA13.2
:非形質転換体,
・
3:A13
を穣種して得られた不定根
北海道草地研究会報 40 (2006)
アルフアルファの秋季休眠性に関する研究
試験地における秋季休眠性評価
北海道内 3
第 3報
タチワカパ<ナツワカパ<タチワカバ:休眠性大となっ
た。とれは昨年の結果と一致しており、育成経過から考
(
2
0
0
5年)
えても妥当であった。北農研育成品種もヒサワカパ<マ
廃井清貞・松村哲夫・横田聡・小林創平・高橋俊
キワカパ<キタワカバ<ハルワカパの順となり、昨年と
奥村健治・磯部祥子
同じであった。
2 年間の試験結果から育成品種の秋季休眠性がほぼ決
S旬 d
i
e
sonf
a
l
ldonnancye
s
t
i
m
a
t
i
o
ni
na
l
f
a
l
f
a
.
定された。 FDR値を用いれば米国品種の群別に国産品
I
I
l
.2005F
a
l
ldonnancyr
a
t
i
n
g a
tt
h
r
e
ee
x
p
e
r
i
e
n
t
a
ls
t
a
t
i
o
n
s
種を位置付けるとともできるため、今後はこれを品種群
別の指標として活用したい。
i
nHokkaido.
KiyosadaHIROI,
TetsuoMATSUMURA, S
a
t
o
s
h
iYOKOT
A,
表 1 試験概要
Souhei KOBA
YA
SHI,Shun TAKAHASHI, K
e
n
j
i OKUMURA
札幌
播種
andSachikoISOBE
5
.
2
7
メ
1
'
払
し3
草高測定
緒言
先報では 2
0
0
4年に札幌においてアルフアルファの北海
芽室
紋別
6
.
0
9
6
.
1
4
9
.
0
1
9
.
0
5
9
.
0
1
1
0
.
0
6
1
0
.
1
1
1
0
.
1
2
虫害
皐魅
注
道優良品種の生育群別を明らかにするため、秋季休眠性
(
F
D
R
)の評価を試み、 N
A
A
I
Cの方法が利用可能であること
を示した。本報は 2
0
0
5年に道内 3
試験地において秋季休
表 2 道内 3試験地における秋季休眠性評価 (2005年)
F
D
R
階級
眠性検定試験を行ったので、その結果について報告する。
材料および方法
品種
札幌
8
.
9 C
U
F
1
0
1
8
.
9
6
8
.8
3
8
.
9
2
8
.
9
0
ie
r
c
e
7
.
8 P
7
.
7
5
7
.
6
6
7
.
5
7
7
.
6
6
6
.
4
9
7
.
0
3
7
.
0
4
6
.
8
5
ネ
オ9
チ
ワ
カ
ハ
.
6
.
5
1
6
.
6
8
5
.
8
4
6
.
3
4
7
6
.
7 D
o
n
a
A
n
a
6
.
6
6
5
.
7
9
6
.
0
8
6
.
1
8
5
.
9
4
6
.
3
3
5
.
4
6
5
.
9
1
6
6
.
3 A
B
I
7
0
0
5
.
8
1
5
.
7
8
5
.
6
4
5
.
7
4
6
.
5
2
6
.
0
5
4
.
6
3
5
.
7
3
5
5
.
3 A
r
c
h
e
r
4
.
8
6
5
.
3
5
5
.
8
4
5
.
3
5
5
.
2
3
5
.
5
1
4
.
8
3
5
.
1
9
4
.
9
9
4
.
8
9
A
A
I
CのF
D
R
検
道農研 3試験圃場で行った。先報と同様にN
5個 体 4反復の
統のアルフアルファを用いた。試験区は 2
ナツワカバ
魅のため l
反復を除外した。試験概要は表 l
のとおりで、
タチワカパ
8
0
c
m
X5
0
c
m間隔に種子を 5粒点播し、約 5
週間後に間引
いて l
本立てにした。メ.I
J
払いは丁寧に 5
c
mで行い、約 1
ヶ
月後に草高を 5c
m刻みで計測してその平方根を N
P
Hとし
D
Rは標準品種の F
D
RとN
P
H
から回帰式を求めて計算
た
。 F
平均
9
ツユワカバ
乱塊法とした。ただし、芽室と紋別では著しい虫害と皐
紋別
8
秋季休眠性検定試験は札幌市、芽室町、紋別市の北海
定法に基づき、供試材料には標準品種 9を含む 2
8品種系
芽室
バータス
4
ユーパー
5
.
6
5
4
.8
8
4
.
4
5
e
g
e
n
d
3
.
8 L
4
.
8
3
4
.9
1
4
.
9
4
した。
31号
5
.
4
8
5
.
0
5
3
.
9
1
4
.
8
1
月系 29号
5
.
0
5
4
.
8
1
4
.
2
7
4
.
7
1
マヤ
4
.
6
8
4
.8
0
4
.
6
0
4
.
6
9
月系 32号
5
.
0
3
4
.7
4
4
.
3
1
4
.
6
9
ヒサワカパ
4
.
3
4
4
.6
4
4
.
2
9
4
.
4
2
月系
結果及び考察
試験地ごとに求めた回帰式は、札幌が
1
FDR=6.8343NPH
・1
3
.
7
7
2(R=
0
.
9
7
4
)、芽室が FDR=7.7804
1
4
.
5
2
8(R=0.9385)、紋別が FDR=6.9223NPH
・1
1
.376
NPH・1
33号
4
.
1
7
3
.
7
1
4
.
2
7
4
.
0
5
マキワカバ
4
.
3
3
4
.
5
6
3
.
0
6
3
.
9
8
5444
4
.
2
0
4
.
0
4
3
.
5
4
3
.
9
3
品種だけ市販種子を利用したこととなにか関係があるか
ケレス
もしれない。
月系
月系
1
(R=0.953l)となり、各品種系統の FDRは表 2 のように
なった。 3試験地とも標準品種のうち Legendがやや大
きい FDR を示したが、とれは昨年も認められた。この
3
愛知農総試育成 4品種は試験地毎に見れば多少の逆転
4
.
4
6
4
.
2
3
3
.
0
9
3
.
9
3
30号
3
.
8
8
4
.
3
7
3
.
0
1
3
.
7
5
3
.
4 5246
3
.
4
8
4
.3
5
3
.
3
1
3
.
7
1
キタワカパ
3
.
4
4
2
.
9
3
2
.
2
7
2
.
8
8
月系 2号
2
.
6
9
2
.
7
7
1
.
3
0
2
.
2
5
ハJレワカバ
2
.
5
3
2
.
8
4
1
.
3
0
2
.
2
2
はあるが、平均したところ休眠性小:ツユワカパ<ネオ
(
0
6
2
8
5
5
5 札幌市豊平区羊ケ
丘 1) N
a
t
i
o
n
a
lA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
lR
e
s
e
a
r
c
hC
e
n
t
e
rf
o
r
H
o
k
k
a
i
d
oR
e
g
i
o
n
(
H
i
t
s
u
ji
g
a
o
l
【
aT
o
y
o
h
i
r
aS
a
p
p
o
r
o
H
o
k
k
a
i
d
o062-855~ J
a
p
a
n
)
北海道農業研究センター
2
2
.
0 V
e
r
n
aI
1
.
9
0
2
.
1
2
2
.
3
1
2
.
1
1
c
k
0
.
8 M
a
v
e
ri
0
.
7
4
0
.
2
2
0
.
3
9
0
.
4
5
一
nHU
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
マメ科モデル植物ミヤコグサ (
L
o
加s
}
伊o
n
i
ωs) における
形態等特性に関する a
T
Lの年次比較 (2004-2005)
権藤崇裕*・磯部祥子*・佐藤修正**・笹本茂美林・
加藤友彦**・庚井清貞*・奥村健治*・田畑哲之**
An
n
u
a
lc
o
m
p
a
r
i
s
o
n
sofQTLsc
o
n
c
e
r
n
i
n
gt
h
em
o
r
p
h
o
l
o
g
i
c
a
l
<
伊o
n
i
c
u
s
c
h
a
r
a
c
t
e
r
i
s
t
i
ci
nmodellegumep
l
a
n
tL
o
t
u
s}
T
a
k
油甘oGo
NDO・S
a
c
h
i
k
oI
S
O
B
E・Shu
・s
e
iSATO・Tomohiko
KATO・K
i
y
o
s
a
d
aH
I
R
O
I・K
e
n
j
iOKUMURA・S
a
t
o
s
h
iTABATA
緒言
ミヤコグサ (
L
ot
u
sj
a
p
o
n
i
c
u
s
) はマメ科のモデ、ル植物と
して現在、全ゲノム解析等の整備が進められている。ま
t
u
s
た 、 マ メ 科 牧 草 パ ー ズ フ ッ ト ト レ フ オ イ ル (Lo
c
o
r
n
i
c
u
l
a
t
u
s
) の近縁野生種であることから、それらの情
報はマメ科牧草育種に応用できるものと期待される。
量的形質遺伝子座 (QTL) 解析は、分子マーカーの多
型情報に基づいて統計的に遺伝子の位置と効果を推定す
る方法である。本研究はこの手法を用いて、 2 4 および
2 5年
、 2年間に渡りミヤコグサの形態特性に関するQfL
を解析し、その年次比較を行った。
∞
∞
材料および方法
供試材料はミヤコグサ系統 G
i
f
uと M
i
y
a
k
o
j
i
m
aの組換
α泊
、 2 5年どちらも 5月
え自殖系統、 88系統である。 2
1
0日に播種し温室内で育苗した後、 6月 1
7自 (
2
α)4年)
および 6月 27日 (
2 5年)に 5個体 X4反 復 :1系統 20
個体ずつ北農研試験圃場に裁植した。調査形質は、開花
始日(播種後日数)、開花程度(開花茎数/全茎数:%
)
、
c
m
)、草型(角度)、茎太 (mm)、茎色(評点: 1
草丈 (
"
"
'
9)、葉長 (mm)、葉幅 (mm)、再生性(刈り取り後 30
∞
∞
Chr.1
Chr.2
日後の草丈:cm)、英長 (mm)、英幅 (mm)、一爽粒数
(個)の計 1
2項目で、開花期に調査を行った。
QfL 解析は、各形質データについてゲノム全体をカバ
6 個 の SSR マ ー カ 一 分 離 デ ー タ を 用 い 、
ーする 9
Ma
pQ
TL4
.
0により MQMマッピングを行った。なお、QfL
検白の闇値は、 permu
阻t
i
o
n也 s
tで 5%水準にあたる 1ρD
値を用いた。
結果および考察
調査した形質は、 1
、2 年目共に親系統である G
i
f
uと
M
i
y
a
k
o
j
i
m
a を中心に系統間で大きく分離しており、 2 年
目が平均的に遅咲きで形態的に大型で、あった。形質値の
年次間相関は 0
.
1
2 (再生性) "
"
'0
.
8
0 (茎色)と大きく異
.
7
4
(
2 4
)、
なっており、形質問の相関は、葉長一葉幅:0
0
.
7
2(
2 6
)をはじめ草丈一茎太など栄養生長に関する形
質の間で比較的高い相関係数が認められ、全て正の相関
を示していた。
検出された QTLは
、 1年目が全 1
7個、草型以外全て
2個で開花
の形質で認められたのに対し、 2年目では全 1
程度、草型、茎太、葉長について複数の形質で、有意な QTL
が検出されなかった。年次間の QTL発現の差については、
英 長 (C
h
r
.
1
P
O
L
)、一英粒数 (
C
h
r
ユPOS)、爽幅(にC胎
h
l
f
.
2
刺)、茎色のQfL (
C
h
r
.
2
S
C
) が近い位置に認められ
POW
たが、その他の QTLは年次間で異なる位置に検出された。
最も効果の高いQfLは、茎色のQfL (
C
h
r
.
2
S
C
) で 60%
以上の寄与率を示し、 1
、2年目同様の結果であった。
年次問の解析の結果、近い位置に検出された QTLは茎
色と爽の形質に関しての 4 カ所のみであった。現在、染
色体置換系統を作製しており、有用な QTLの位置と効果
を詳細に調査する予定である。
∞
∞
Chr.3
Chr.4
Chr.6
Chr.5
FT
POW
RG
PH
POL
FT
FT
国,ミヤコグサの形態特性に関する Q
T
L(2ω4
、2ω5).
1年目←三-+2年目
*北海道農業研究センター (
0
6
2
8
5
5
5 札幌市豊平区羊ヶ l
i1)
N
a
t
i
o
n
a
l A
g
r
i
c
u
l
t
u
r
a
l R
e
s
e
a
r
c
h C
e
n
t
e
r f
o
r H
o
k
k
a
i
d
o R
e
g
i
o
n
(
H
i
t
s
u
j
i
g
a
o
k
a1
,
T
o
y
o
h
i
r
a,S
a
p
p
o
r
o,Hokkaido0
6
2
8
5
5
5
,
J
a
伊n
)
*かずさ DNA研究所 (
2
9
2
0
818千葉県木更津市かずさ鎌足 26
7
)
Kaz
u
s
a DNA R
e
s
e
a
r
c
hI
n
s
t
i
t
u
t
e (Kaz
u
s
a
k
a
m
a
t
a
r
i 26
7
,K
is
a
r
位 u
,
C
h
i
b
a2
9
2
0
8
1
8J
a
p
a
n
)
-60-
RG:再生性
F1:開花輪日
51:華太
FD:開才躍度
5C:華色
POL:爽長
PH:草丈
P1:草型
LL:藁 畏
LW:翼幅
POW:爽幅
P05:ー爽粒鍬
ω岨 :8く 5
.
0
<o<1
0
・
0<8
8:+方向への相加効果 8:ー方向への相加効果
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
事務局だより
I庶務報告
1
.平成 17年度北海道草地研究会賞受賞候補者選考委員会
7
年 6月 9日(木)1
1
:1
5からホクレン農業協同組命車合会 1階ギャラリー会議室で開催され
平成 1
た。選考委員は中嶋博(委員長)、竹田芳彦、本江昭夫、高木正季(都合により当日欠席のため、事
前のコメントで、対応)の各氏。
野英二(酪農学園大学)r
飼料作物生産量の実測とそれに基づく土地面積当たり乳生産に関する
研 究 J(推薦者は山下太郎、大原益博、小阪進一、松中照夫の各氏)について審議の結果、表題に
7
年度北海道草地研究会賞候補として
「野幌層正陵地における」という語を追加することとして、平成 1
認められた。
2
.平成 17年度第 1回評議員会
7
年 6月 9日(木 )
1
3
:
0
0から,ホクレン農業協同組針車合会 1階ギャラリー会議室において
平成 1
名が出席し,大原益博氏(道立畜試)が議長に選出された。
開催された。評議員,役員合計 19
1
)評議員の変更について
次の評議員の変更が承認された。
日
│
新
備考
竹田芳彦(根釧農試)
→三木直倫(根釧農試)
人事異動
森清一(道立畜試)
→竹田芳彦(道立畜試)
人事異動
吉津晃(北見農試)
→佐藤公一(道立畜試)
人事異動
脊戸時(北見地区農改)
→中野長三郎(日高中部地区農改)
退職
森脇芳男(西胆振地区農改)
→三浦康雄(天北農試)
退職
池上武彦(北海道開発局)
→松野康夫(北海道開発局)
人事異動
林哲哉(ホクレン)
→石村正志(ホクレン)
人事異動
中野長三郎(道農政部改良課)→
欠
人事異動
2
)平成 1
7
年度北海道草地研究会賞受賞者の選考について
7
年度北海道草地研究会賞受賞者として承認された。
次の会員が平成 1
野英二(酪農学園大学)r
野幌層正陵地における飼料作物生産量の実測とそれに基づく土地面
積当たり乳生産に関する研究J
3
)平成 1
7年度北海道草地研究会現地見学会について
今年度は 9
.
,1
0月に十勝地域で開催する計画で、内容について「畑地型酪農Jと「アルファ
ルフア jの2案の検討を行ったo その結果、見学のみを両方について行い、 1
2月の発表会のシ
ンポジウムでさらに議論するという案が出された。計聞の詳細については、事務局に一任され
た
。
4
)平成 1
7
年度北海道草地研究会研究発表会の開催について
-61-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
平成 17
年 度 研 究 発 表 会 は 平 成 17
年1
2月 8日(木), 9日(金)に北農研センターで開催す
ることを決定した。シンポジウムのテーマは上記(
3
)の現地見学会を踏まえた内容として、詳細は
役員・事務局に一任された。
5
)会計報告および入退会の状況と会費滞納者について
平成 1
6年度会計決算報告,平成 1
6年度会計監査報告,平成 1
6年度研究発表会会計決算
7年度会計中間報告は,いずれも承認された。
報告,および平成 1
入退会の状況は,平成 1
7年 6月現在で入会 2名,退会 12
名であり,正会員数は 3
3
0名と前
4
3名から 1
3名減少したことが報告された。
年の 3
会費滞納者については,①会費の滞納が 3年および 2年にわたる会員が,それぞれA名およ
名,合計 1
3名いること,②これらの会員には会報を発送せず,今年末までに納入されないと
び9
3年滞納会員は退会に, 2年滞納会員は来年度退会対象になる旨を通知済みであることが報告
され、認められた。
6
)研究会報の発行について
北海道草地研究会報第 3
9号 (
2
0
0
5
)には、受賞論文 1
編、シンポジウム、講演要旨 4
1編が掲
0号 (
2
0
0
6年発行予定〉については投稿論文,審査中論
載され、 3月に発行、発送を行ったo 4
文とも現在のところないことが報告され,承認された。
7
)事務局幹事の変更について
幹事(会計担当)の三木一嘉氏(北農研センター)の異動にともない,青木康浩氏(北農研センター)
が幹事(会計担当)に就くことが報告され,承認された。
8
) その他
事務局からホームページ開設が手続きの関係で遅れていること、評議員から畜産学会の公開講演
会ならび、にアジア酪農会議について報告、紹介があった。
3
.北海道草地研究会現地見学会
「十勝地域の畑地酪農をみる J-アルファルファ単播和音、トウモロコシ不耕起栽培、
コントラクター、畑地型放牧から大規模酪農までーをテーマとして 9月 29日に開催。
見学先は帯広市川西のアルファルファ栽培農家「勝見牧場」、帯広市八停千代の不耕起トウモロコシ閏
場「八千代公共牧場」、帯広市清川の作業コントラ「デイリー・サポート」、
忠類村西当の集約放牧酪
、大樹町の「コスモアグリ」の 5箇所、参加は 46
名。活気にあふれる現在の十勝酪農
農家「高野牧場J
を見学でき、参加者からは概ね好評で、あったo
4
.平成 1
7年度第2回評議員会
7年 1
2月 8日(木)1
1
:
4
5より、北海道農業研究センター第 3
会議室において開催された。評
平成 1
議員、役員合計 23
名が出席し、大原益博氏(道立畜試)が議長に選出され、以下について論議し、
承認された。
1)平成 17
年度一般経過報告
2
)平成 17
年度会計報告
-62-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
3
)平成 1
7
年度会計監査報告
4
) 平成 18
年度事業計画(案)
5
) 平成 18
年度予算(案)
6
)第2
1期役員(案)
7
)長期会費未納者の処置
8
)その他 HPの充実
5
.平成 1
7年度研究会発表会
日時:平成 17
年 12
月8日(木 )
"'9日(金)
場所:北海道農業研究センター
7題、受賞講演 1題、シンポジウム 4題、参加申込者数は 122
名
。
一般講演 3
12月8日:一般講演 (
1
6
題)、総会、受賞講演、懇親会
受賞講演「野幌層正陵地における飼料作物生産量の実測とそれに基づく土地面積当たり乳
生産に関する研究」野英二氏(酪農学園大学)
12月 9日:シンポジウム (
4
題)、一般講演 (
2
1題)
シンポジウム
十勝の畑地酪農を考える
座長:前回善夫氏(道立畜産試験場)
十勝酪農の動向予測と土地利用型酪農技術
北海道農業研究センター鵜川洋樹氏
十勝ブランドとは ナチュラルチーズを通して地域の魅力をビ、ジネスに生かす
(財)十勝圏振興機構食品加工技術センター大庭潔氏
飼料生産の課題 サイレージ用とうもろこしの和音から収穫まで
十勝南部地区農業改良普及センター富沢雅代氏
十勝の酪農の環境面での課題耕畜連携によるふん尿利用をすすめるために
北海道立畜産試験場田村忠氏
6
.平成 17年度総会
平成 1
7年 1
2月 8 日(木)1
5
:
1
5より、北海道農業研究センター大会議室において開催された。議
長に大原益博氏(道立畜試)が選出され、以下の議題の報告、提案があり、いずれも承認された。
1
) 平成 17
年度一般経過報告
2
)平成 1
7
年度会計報告
3
) 平成 17
年度会計監査報告
4
)平成 18
年度事業計画(案)
5
) 平成 18
年度予算(案)
6
)第 2
1期役員(案)
7
)長期会費未納者の処置
8
)その他 HPの充実
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
7
.会員の動向
年度
正会員
名誉会員
1
9
9
7年度
453名
1
0名
学生会員
賛助会員
土(
3
1口)
30ネ
29社(
3
0口)
1
9
9
8年度
429名
1
0名
1
9
9
9年度
416名
1
0名
1
5名
土(
3
0口)
29ネ
2000年度
392名
1
3名
25名
28社(
2
9口)
2
0
0
1年度
384名
1
3名
9名
28社(
2
9口)
2002年度
3
7
1名
1
2名
1
7名
24社(
2
5口)
2003年度
362名
1
2名
1
0名
22社(
2
3口)
2004年度
350名
335
名
1
2名
7
名
土(
2
3口)
22ネ
2005年度
1
2名
12
名
土(
2
1口)
20ネ
(
2
0
0
5年度は 1
2月 1日現在)
8
.その他
9 月 10 日に札幌コンベンションセンターで開催された畜産学会の公開講演会 r~ ヒ海道の畜産を支
える草・土・水の力 Jの共催組織として、会員に開催情報を配布した。当講演会では会員の花田氏、
松中氏、三枝氏が講演を行ったo
ホームページを開設し、現地検討会、発表会のプログラムなどを掲載し、情報の速やかな提供に努
t
t
p
:
/
/
h
o
k
u
s
o
k
n
.
a
c
.
a
世C
.
g
o
必/
めた。 URLは h
-64-
2
0
0
6
)
北海道草地研究会報 40 (
E 平成 1
7年度会計決算報告
(平成 1
7年 l
月1
日'"1
1月3
0日)
一般会計
「差し引き J = r
決算額」ー「予算額」
上収入
項目
前年度繰越金
正会員費
学生会員費
賛助会員費
盤底ム
金註
予算額
決算額
差し引き
3
0,5
1
81
.2
3
0,5
1
8
1
.2
7
61
.3
8
0
1
1
3,6
2
0
,0
0
0
1
0,0
0
0
9
0
0 2
0
0,0
0
0
2
2
0,0
5
.0
0
0
6
3
2
.
3
3
9
.
5
1
82
.
2
0
1
.9
6
1
1
.0
0
0
0
0
2
0,0
4
.9
9
7
1
3
7
.
6
1
7
8
7
5,0
0
0
査二歪
o
3
0
5件 09年 2
件
, 1
8年 3
件
, 1
7年 2
4
4件
, 1
6年 4
6
件
, 1
5年 8
件
, 1
4年 l
件,不足分1.5
0
0円 l
件)
6
名 分+
1名 X4年 分
1
9団体 2
0口
利子・利息等
「差し引き J = r
決算額」ー「予算額 J
ヱ豆璽
6
0
0,0
0
0
1
5
0,0
0
0
4
0,0
0
0
0
0
3
5,0
3
0,0
0
0
7
0,0
0
0
5
0,0
0
0
0
0
1
0
0,0
5
,0
0
0
1
.
2
5
9
.
5
1
8
込5
1
8
u
窪彊
差し引き
5
4,0
0
0
6,3
0
1
3
3,3
4
2
0
0
1
5,8
3
0,0
0
0
4
2,6
3
0
7
0 2
7,3
5
0,0
0
0
1
5
7
8,9
1
.0
8
5
2
2,6
2
0
2
,3
8
0
1
.2
5
9
.5
1
8
7
6
63
9
21
.5
7
31
2
6
5
4
6,0
0
0
1
4
3,6
9
9
,6
5
8
6
1
9
.2
0
0
品
官芳
会 報3
9号、別刷り
会報発送,切手など
事務用品
郵便物発送作業
(
17
年1
2月大会時に支出)
第1
回評議員会(第 2
回分は次年度会計で支出)
(
17
年1
2月大会時に支出)
正会員費超過分返金
占
残高内訳
,2
0
,
19
6
1
2
7
6
6
.3
9
2
L
.
A
込5
6
9
現金
郵便振替口座
郵便貯金口座
銀行口座
会
長t
,1 8
9
7
,
11
2
8,7
0
0
6
1
1
2,3
2
9
2
.6
1
1
L
J
.
込5
6
9
特別会計
「差し引き J = r
決算額」一「予算額」
1
. 収入
項目
前年度繰越金
主
リ
工
合計
差し引き
決算額
予算額
2
,4
5
8,4
0
32
,4
5
8,4
0
3
備考
定額:(期首)1
.5
1
5,0
0
0,普通 :
9
4
3,4
0
3円
孟額;J塑率l
1
!
l
子1
8
.
0
3
0
盤金 3
.
6
0
5
.普通 :
3
9目
差し引き
備考
1
7年 1
2月の大会で支出(楯・表彰状;1名 1
0,0
00
)
向上(原稿料; 1名 2
0,0
00
)
5
3
6
3
.
0
0
0
2
、4
6
1
.
4
0
32
,4
5
7
.
8
6
7
3
.5
3
6
3
.
5
3
6
2
.支出
項目
会賞表彰費
原稿料
含社
「差し引き J - r
決算額 J ー「予算額 J
予算額
決算額
3
0,0
0
0
4
0,0
0
0
7
0
.0
0
0
3
. 収支決算
収入
3
0,0
0
0
4
0
.0
0
0
7
0
.0
0
0
残高内訳
2
,4
5
7,8
6
7
.4
2
5
7
.8
6
7
定額貯金
普通貯金
含計
-65-
,
15
1
4,4
2
5
9
4
3
.4
4
2
2
.
4
5
7
.8
6
7
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
E 現地見学会決算報告
(
2
0
0
5年 1
0月 1
3日)
収入
賓百
宿上
一通代借品一
一絡食ス礼耗一
蓮昼パ謝消一計
歪額
蒲要
4
.
0
3
0 説明担当者派遣依頼状,礼状など
3
5
0円 X45名
6
0
.7
5
01
7
4,3
4
0
1
2,0
0
0
,6
1
5 シューズカバー
6
3
5
1
5
7,7
Fhuphu-nHυ
円
屯 n︽
qu
u-
FhdFhu
円
,
・
門
,
・
,
,
圃
t・
7
d
E
a
-
臥一刻一腕
収支
粛軍代
支出
摘要
金額
1
3
6,6
5
03
,0
0
0円 X45名
, ,
16
5
0円 Xl名
2
,
10
8
5
1
5
7
.
7
3
5
W 平成 1
7年 度 会 計 監 査 報 告
平成 1
7年 1
1月 3
0日現在の会計帳簿類・領収書・現金・預貯金通帳などについて監
査を実施したところ、その執行は適正・正確でしたのでここに報告いたします。
平成 1
7年 1
2月 2日
北海道草地研究会監事
⑮
義平
大樹
{酪農学園大学)
中村
克己
(北海道立畜産試験場)
-66-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
V 平 成 18年 度 予 算
(平成 1
7年 1
2月 1
日1
8年 1
1月 3
0日)
一般会計
1
. 収入
項目
前年度繰越金
正会員費
学生会員費
賛助会員費
鑑
!
&
ム
合計
7年度予算 1
7年度決算
1
8年産予算 1
,
14
3
5,5
6
9 ,1 2
3
0,5
1
8 ,1 2
3
0,5
1
8
8
7
5,0
0
0
8
7
5,0
0
0
7
6
,
13
8
0
9
,
0
0
0
9
,0
0
0
0
0
1
0,0
2
1
0,0
0
0
2
2
0,0
0
0
0
0
2
0
0,0
.
10
0
0
5
.0
0
0
6
3
2
.
5
3
0
.
5
6
9 2
.
3
3
9
.
5
1
8 2
.
2
0
1
.
9
6
1
備考
3
5
0件分(会員数 3
3
5名+未納分)
9
人分
1口
2
0団体 2
利子、複写許諾料
2
. 支出
重
昼
~報印刷費
連絡通信費
消耗品費
賃金
原稿料
会議費
旅費
現地見学会補助
雑費
予備費
含計
7年喜予算 1
7年産決算
1
8年事ヱ算 1
6
0
0,0
0
0
0
0
5
4
6,0
0
0
6
0
0,0
1
5
0,0
0
0
1
5
0,0
0
0
1
4
3,6
9
9
4
0,0
0
0
0
0
6
,6
5
8
4
0,0
3
0,0
0
0
3
5,0
0
0
1
9,2
0
0
4
0,0
0
0
3
0,0
0
0
7
0,0
0
0
7
0,0
0
0
7
0
2
7,3
5
0,0
0
0
5
0,0
0
0
1
0
0,0
0
0
2
,
10
8
5
5
,0
0
0
5
,0
0
0
,3
8
0
2
5
9,5
1
8
.
15
4
5,5
6
9 ,1 2
2
,5
3
0,5
6
9 2
,3
3
9,5
1
8
9
2
7
6
6,3
備考
会報4
0号
封筒印刷,会報発送,切手・葉書など
コピー用紙, トナーなど
会報・大会案内などの発送作業
シンポジウム原稿料
評議員ポ会 2
回
シンジウム
。
。
。
。
特別会計
1
. 収入
項目
前年度繰越金
利子
合計
2
. 支出
項目
会賞表彰費
原稿担
含註
1
8年度予算 1
7年墨予算 1
7年度決算
2
,
4
5
7,8
6
7 2
,
4
5
8,4
0
3 2
,
4
5
8,4
0
3
5
3
6
.
10
0
0
3
.0
0
0
.
4
6
1
.
4
0
3 2
.
4
5
7
.
8
6
7
2
.
4
5
8
.
8
6
7 2
備考
。
。
。
1
8年度予算 1
7年虚予算 1
7年産決算
3
0,0
0
0
3
0,0
0
0
4
0
.0
0
0
4
0
.0
0
0
7
0
.0
0
0
7
0
.0
0
0
-67-
備考
楯・表彰状
原稿組
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
羽会員の入退会
平 成 18年 1月 1日現在
平成 1
7年 度 入 会 者
0正会員 (
1
2名)
青木
真理(北海道農業研究センター)
秋山
典昭(北海道農業研究センター)
石松
亜記(サージミヤワキ株式会社)
石村
正志(ホクレン単味飼料種子課)
上田
靖子(北海道農業研究センター)
大下
友子(北海道農業研究センター)
小松
敏憲(北海道農業研究センター)
相馬
幸作(東京農業大学生物産業学部)
田瀬
和浩(北海道農業研究センター)
三浦
康雄(北海道立天北農業試験場)
村井
勝(北海道農業研究センター)
森本
正隆(北海道農政部技術普及課)
退会者
一平成
1
7年 度 退 会 -
O正会員(15名)
金川直人,久米新一,クラブ四万十環境大学,佐藤正三,沢田壮兵,清水克彦,清水良
彦,脊戸陪,土谷富士夫,野田遊,林哲哉,増山勇,諸岡敏生,山田悦啓,山本毅
一平成 1
8年 度 退 会 -
O正 会 員 (8名)
青山勉,大森昭一朗,坂本宣崇,田中桂一,藤倉雄司,並川幹広,棟方惇也ー由田宏一
O賛 助 会 員 (1社)
日本農薬(株)
ト
言
本研究会会員
嶋田
報
鏡様はご逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
四北海道帯血研究会会則
第 1条本会は北海道草地研究会と称する。
第 2条 本 会 は 草t
也に関する学術の進歩を図り、あわせて北海道における農業の発展に資することを目的とする。
第 3条本会員は正会員、学生会員、賛助会員、名誉会員をもって構成する。
1
. 正会員は第 2条の目的に賛同する者をいう。
2
. 学生会員は、第 2条の目的に賛同する大学生、大学院生およと湖究生とする。学生会員は単年度ごとに会員継
続の意向を事務局に伝えなければならない。
3
. 賛助会員は第 2条の目的に賛同する会社、団体とする。
4
. 名誉会員は本会に玖績のあった者とし、評議員の推薦により、総会において決定し終身とする。
第 4条本会の事務局は総会で定める機関に置く。
第 5条本会は下記の事業を行う。
1
. 講演会 2
. 研究発表会 3
. その他必要な事項
第 6条本会には下記の役職員を置く。
1名
副 会 長 4名
会 長
評議員若干名
監 事
2名
編集委員若干名
幹
事若干名
第 7条会長は会務を絵精し本会を代表する。副会長は会長を補佐し、会長に事故があるときはその代理をする。評議
員は重要な会務を審議する。監事は会計を監査し、結果を総会に報告する。編集委員は研究報文を審査・校閲
する。幹事は会長の命を受け、会務を処理する。
第 8条会長、副会長、評議員および監事は総会において会員中よりこれを選ぶも
編集委員およと坤持主は会長が会員中よりこれを委嘱する。
第 9条役職員の任期は原則として 2カ年とし、総会の翌日から総会までとする。
第1
0条本会に顧問を置くことができる。顧問は北海道在住の学識経験者より総会で推挙する。
第1
1条 総 会 は 毎 年 1回開く。ただし、必要な場合には評議員の議を経て臨時にこれを開くことカ句、きる。
第1
2条総会では会務を報告し、重要事項について議決する。
第1
3条正会員およと瀬間の会費は年額 2
,
5
∞円とする。学生会員の会費は年額 1
,側円とする。賛助会員の賛助会費は
年額 1
0
;
側円以上とする。名誉会員から会費は徴収しない。
第1
4条本会の会計年度は 1
2月1日より翌年 1
1月3
0日までとする。
附則
平成 1
1年 1月 1 日一部改正。
平成 1
3年 1
2月 1
4日一部改正。
平成 1
6年 1
2月 9日一部改正。
-69-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
四北海道串由研究会報執筆要領
(平成 5年 6月 1
8日改訂)
1
. 原稿の種類と書式
1
) 原稿の種類
原稿の種類は、本会会員(ただし、共同報僅者には会員以外のものを含みうる)から投稿された講演要旨及と朗
究報文等とする。
講演要旨は、北海道草地研究会において発表されたものとする。
研院報文は、北海道草地研究会における発表の有無を問わない。研婦肢は、編集委員の審査・校閲を受ける。
2
) 原稿の書式
破防電報告は、和文または英文とする。ワードプロッセッサによる原稿はA4版で 1
行2
5字(英文原稿は半角 5
0字
)
、
1ページ 2
5行で横書で左上から打つ(この原稿 4枚で刷り上がり 2段組み 1ページとなる)。手書きの和文原稿は、
市販の B5版またはA4版横書き 4
∞字詰めの原稿用紙に、ペン字または鉛筆で(鉛筆の場合は明瞭に、アルファ
ベットはタイプ打ちしたものを貼る)横書きとする。英文タイプ原稿は、 A4版の用紙に上下左右約 3
cmの余白を
残し、ダブルスペースで打つ。
講演要旨の原稿は、原則としてオフセット印刷が可能なものとし、その書式は別に定める。ただし、手書き原稿の
場合は、研究報文の書式に準ずる。
2
. 原稿の構成
1
) 講演要旨
和文原稿の場合、原稿の初めに、表題、著者名を書く。続いて英文で表題、著者名を書く。本文は、原則として、
緒言、材料配防法、結果、考察(または結果及と賭察)とする。
英文原稿の場合、表題、著者名に続いて、和文表題、著者名を書き、加o
d
u
c
t
i
o
民
地 問I
sa
n
dM
e
t
h
o
d
s
,
s
s
i
∞(または R醐 l
t
s
a
n
dD
i
s
c
凶 i
∞)とする。
Resu1包,町民u
脚注に、所属機関名、所在地、宮順番号などを和文と英文で書く。著者が複数の場合、著者名のところと所属機
関名にへ *
*
、 ・・・・・・・・・を入れ、 区別する。
2
) 研究報文
和文原稿の場合、原稿の初めに、表題、著者名を書き、続いて、英文で、表題、著者名を書く。
∞語以内)、緒言、材料及と防法、結果、考察、引用文献、摘要の順とす
本文は、原則として、英文のサマリー (
2
1
る。英文のサマリー並びに引用文献は省略できない。緒言の前に、和文(五十音順)と英文(アルファベット順)
のキーワードをそれぞれ 8語以内で書く。
1ページ目、脚注に所属機関名、所在地、郵便番号を和文と英文で書く。著者が複数の場合、著者名のところと
所属機関名にへ料、 ・・・・・・・・・を入れ、区別する。
投稿された論文の大要が本研究会で、すでに発表されている場合は、脚注に「平成年度研究発表会において
発表」と記載する。
u
m
m
a
r
y
, Jnt
r
o
d
u
c
t
i
o
n
,陥畑i
a
l
sa
n
d
英文原稿の場合、表題、著者名に続いて、和文表題、著者名を書き、 S
,R白叫包,町田u
s
s
i
∞
, Re
f
e
r
e
n
c
e
s,和文摘要 (
5
∞字以内)の1
I
煩とする。
M
e
t
h
o
d
s
0字。英文は 8語以内とす
原稿の終わりに、和文原稿、英文原稿ともヘッデ、イングの略題を記載する。和文は、 2
る
。
3
. 字体、図表等
1
)字 体
字体の指定は、イタリック一、ゴジック 、スモールキャピタル=、を赤の下線でそれぞれ示す。
2
) 図および表は、別紙に書き、原稿の右余白に図表を入れる場所を指定する(例:←図 1、←表 1
)。
図は、 1枚ずつ A4版の白紙またはグラフ用紙に書き、用紙の余白には縮尺程度と著者名を必す嘗き入れる。
図は黒インキで書き、そのまま製版できるようにする。図中に入れる文字や数字は、図のコピーに鉛筆で書き入
れる。
-70-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
4
. 校正並びに審査・校閲
1)校正
校正は、研究報文のみとし、原則として初校だけを著者が行う。校正に際しては、原稿の改変を行ってはならな
い
。
講演要旨は、著者校正を行わないので、原樹宇成に際し十分注意すること。
2
) 審査・校閲
研究報文の原稿については、 2人以上の編集委員の審査・校閲を受けるが、最終的な採否は編集委員会が決定す
る。編集委員は、原稿について加除訂正を求めることができる。修正を求められた著者が、特別な事由もなく原稿
返送の日から 1
か月以内に再提出しない場合は、投稿を取り下げたものとして処理する。
5
. 原稿の提出並びに登載
講演要旨原稿は、研究発表会当日に提出する。原稿は、正編 1部、副編 1部の合計 2部を提出する。
研究報文原稿は、いつ提出してもよい。研郷R
文原稿は、正編 1部、副編 2部の合計 3部を提出する。
原稿の提出先は編集幹事とする。
講演要旨はすべて会報に登載する。研晩報文については、審査を経て、最終原稿が提出され次第、なるべく早い
年 度 の 鋒R
に登載する。
6
. 印刷ページ数と超過分等の取り扱い
編当たり、刷り上がり 1ページ G段組み、図おるみ、和文 2
.
5
5
0字相当)、図表は二つ以内とし、
講演要旨は、 1
超過は認めない。
研究報文は、 1編当たり、刷り上がり 4ページ (
2段組み、図説み、和文 9
.
0
0
0字相当)以内とする。 3ペー
ジを超えた場合は、 1ページを単位として越品分の実費を徴収する。
不鮮明な図表でトレースし直した場合、そのトレース代は、実費を著者負担とする。その他、一般の原稿に比べ
極端に印刷費が高額となる場合、差額の実費を著者負担とする。
7
. その他の報嘩要領の詳細
上記以外の報嘩要領の詳細については、日本草地学会誌にならう。
附 則
平成 9年 1
2月 2 日一部改正。
平成 1
4年 1
2月 1
0日一部改正。
-71-
、〈士三J
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
区北海道草地研究会報編集委員会規定
(編集委員会の構成)
本委員会は、委員長 1名と委員 1
0名以内をもって構成する。委員長と委員は会長がこれを委嘱する。
(編集委員会の職務)
本委員会は、研院報文の審査・校閲を行う。
附 則
この規定は平成 5年 6月 1
8日から脳子する。
X 北海道範色研究会表彰規定
第 1条本会は北海萱の草地ならびに飼料情拘に関する試験研究およびその普及に顕著な実績をあげたものに対し、総
会 に お い て 「 ね 腿 草 糊 腕 会 賞Jを贈り、これを表彰する。
第 2条会員は、受賞に値すると思われるものを推薦することができる。
第 3条会長は受賞者選考のためそのつど選考委員若干名を委嘱する。
第 4条受賞者は選考委員会の報告に基づき、評議員会において決定する。
第 5条本規定の変更は、総会の決議による。
附 則
この規定は昭和 5
4年 1
2月 3日から脳子する。
申し合わせ事項
1
. 受賞候補者を推薦しようとするものは、毎年 3月末日までに候補者の職、氏名、対象となる業績の題目等を、
2,側字以内に言謎し、さらに推薦者氏名を記入して会長に提出する。
2
. 受賞者はその内容を榔説表会において講演し、研究鉢民に発表する。
-72-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
北海道草地研究会
第2
1期
役員名簿
(任期:平成 1
7年 1
2月 9日 平成 1
9年度総会)
平成 1
8年 1月現在
会長
前田善夫(道立畜試)
副会長
堀川洋(帯畜大)
近藤誠司(北大)
松中照夫(酪農大)
富樫研治(北農研)
評議員
荒木肇(北大)
秦寛(北大)
山田敏彦(北大)
小阪進一(酪農大)
岡本全弘(酪農大)
本江昭夫(帯畜大)
花田正明(帯畜大)
小松輝行(東京農大)
山口秀和(北農研)
高橋俊(北農研)
三木直倫(根釧農試)
川崎勉(天北農試)
竹田芳彦(道立畜試)
佐藤公一(北見農試)
小津義一(道農政部畜産振興課)
高木正季(中央農試)
中野長三郎(日高中部農改) 森本正隆(道農政部技術普及課)
三浦康雄(天北農試)
松野康夫(北海道開発局)
和田良司(北海道草地協会) 高山光男(雪印種苗)
監事
山本紳朗(帯畜大)青木康浩(北農研)
幹事
庶務:中村克己(道立畜試)
会計:出口健三郎(道立畜試)
編集:田村忠(道立畜試)・湊啓子(道立畜試)
-73-
須藤純一(北海道酪農畜産協会)
石村正志(ホクレン)
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
北海道草地研究会会員
名簿
平成 1
8年 1月 1日現在
名会昌誌ム
Z玄 員
石塚喜明
及川寛
喜多富美治
田辺安一
新田一彦
原田勇
平島利昭
平山秀介
広瀬可恒
福永和男
ニ浦梧楼
村上馨
正会員
<あ>
石田義光
大石亘
会田秀樹
石松亜記
大川恵子
青木真理
石村正志
大久保正彦
青木康浩
井芹靖彦
大下友子
秋本正博
磯部祥子
太田成俊
秋山典昭
伊藤憲治
大塚省吾
浅石斉
伊藤公一
大塚智史
朝 日 働E
伊藤修平
大塚博志
浅水満
伊藤春樹
大畑任史
足利和紀
井上保
大原益博
安宅一夫
井上康昭
大原洋一
安達美江子
井堀克彦
大宮正博
安達稔
岩下有宏
大村邦男
阿部達男
岩淵慶
岡崎浩明
阿部英則
<う>
岡田博
安部道夫
宇井正保
岡元英樹
有沢道朗
上田宏一郎
岡本全弘
有野陽子
上田靖子
岡本明治
有好潤二
上原昭雄
岡本吉弘
安藤道雄
請川博基
小川邦彦
<い>
内田真人
小川恭男
飯田昭
内山和宏
奥村健治
井内浩幸
梅村和弘
小倉紀美
五十嵐俊賢
裏悦次
小津義一
池田哲也
漆原利男
小関忠雄
池滝孝
<え>
落合一彦
伊津健
榎宏征
小野瀬勇
井津敏郎
遠藤一明
尾本武
石井巌
<お>
<か>
石田亨
(有)おうむアグリファーム
海田佳宏
-74一
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
我有満
根釧農業試験場総務課
<す>
影山智
近藤誠司
杉田紳ー
片岡健治
権藤崇裕
鈴木善和
片山正孝
<さ>
須藤賢司
金津健二
雑賀優
須藤純一
兼子達夫
三枝俊哉
住吉正次
金子朋美
斉藤英治
須山哲男
金田光弘
斉藤利治
<せ>
加納春平
斉藤利朗
関口久雄
河合正人
酒井治
千藤茂行
川崎勉
坂口雅己
<そ>
川端習太郎
坂上清一
相馬幸作
(株)環境保全サイエンス
佐々木章晴
曽山茂夫
菅野勉
佐々木利夫
<た>
<き>
サツラク農業協同組合
大同久明
菊田治典
佐藤勝之
高井智之
木曽誠二
佐藤健次
高木正季
北寛彰
佐藤公一
高倉弘一
北村亨
佐藤信之助
高崎宏寿
木下寛
佐藤忠
高島俊幾
木村峰行
佐藤尚親
高田寛之
九州沖縄農業研究センター
佐藤尚
高野信雄
<く>
佐藤久泰
高橋俊
草刈泰弘
佐藤雅俊
高橋俊一
熊瀬登
佐藤昌芳
高橋穣
栗城一貴
佐渡谷裕朗
高宮泰宏
黒沢不二男
員田康治
高村一敏
<こ>
津井晃
高山光男
小池信明
津口則昭
田川雅一
小池正徳
津田均
竹下潔
濃沼圭一
津田嘉昭
竹田芳彦
甲田裕幸
津本卓治
田津聡
古川修
但見明俊
小阪進一
<し>
JA帯広がわにし畜産部
小沢幸司
志賀一一
田中勝三郎
後藤隆
篠田満
谷本憲治
木場稔信
嶋田英作
田淵l
修
小林泰男
島本義也
玉置宏之
小松輝行
下小路英男
田村健一
小松敏憲
新宮裕子
田村忠
-75-
田瀬和、浩
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
田村千秋
<の>
北海道開発局(松野康対
くち>
野英二
北海道農業専門学校図書館
千葉豊
能代昌雄
堀川洋
<つ>
野中和久
本江昭夫
塚本達
<は>
<ま>
筒井佐喜雄
橋本淳一
前田浩貴
堤光昭
橋本忠浩
前田博行
<て>
長谷川哲
前田善夫
出岡謙太郎
長谷川信美
前田良之
出口健三郎
長谷川久記
牧野司
手島茂樹
秦寛
増子孝義
<と>
花田正明
松岡栄
登坂英樹
林拓
松中照夫
富樫研治
林満
松村哲夫
富樫幸雄
原悟志
松本武彦
時田光明
原恵作
松本英和
戸津英男
原島徳一
丸山健次
鳥越昌隆
原田文明
丸山純孝
<な>
<ひ>
<み>
長沢滋
久守勝美
三浦俊一
中島和彦
平田聡之
三浦俊治
中嶋博
平野繁
三浦秀彦
中辻敏朗
平林清美
三浦秀穂
中辻浩喜
平見康彦
三浦康男
中野長三郎
庚井清貞
三浦康雄
中原准ー
<ふ>
三木一嘉
永峰樹
深瀬康仁
三木直倫
中村克己
袋正昭
水野勝志
中村隆俊
藤井育雄
湊啓子
中村直樹
藤井弘毅
峰崎康裕
中山博敬
藤山正康
宮崎元
名久井忠
船水正蔵
<む>
<に>
古川研治
村井勝
新名正勝
古館明洋
村上豊
二門世
古谷政道
村山三郎
西野一
<ほ>
<も>
西部潤
宝示戸貞雄
森清一
西道由紀子
宝示戸雅之
森田茂
西山雅明
保倉勝己
森本正隆
(初日本草地畜産種子協会
干場信司
森脇芳男
-76-
北海道草地研究会報 40 (
2
0
0
6
)
門馬栄秀
山下雅幸
<り>
<や>
山田聡
龍前直紀
/球隆徳
山田敏彦
<わ>
安井芳彦
山本紳朗
我妻尚広
谷津英樹
山本有美
脇坂裕二
山上朝香
<よ>
和田良司
山神正弘
吉川恵哉
渡辺治郎
山川政明
吉津晃
渡辺也恭
山木貞一
吉田肇
渡部敢
山口秀和
義平大樹
山下太郎
米田裕紀
※個人情報に配慮して住所の掲載は前 3
9号から見合わせております。
-77-
北海道草地研究会報 4
0(
2
0
0
6
)
賛助会員名簿
平成 1
8年 1月 1日現在
小野田化学工業株式会社札幌支庖
0
6
0
0
0
0
3 札幌市中央区北 3条西 1丁目 1-1ナショナ
ルビル
北原電牧株式会社
0
6
5
0
0
1
9 札幌市東区北 1
8条東 4丁目 3
6
5番地
株式会社クボタ札幌支底
0
6
3
0
0
6
1 札幌市西区西町北 1
6丁目 1
1
コープケミカル株式会社営業本部札幌営業所
0
6
0
0
9
0
7 札幌市東区北 7条東 3丁目 2
8
3
2井門札幌
東ビル 5F
株式会社コハタ
0
7
9一8
4
1
2 旭川市永山 2条 3丁目 2
1
6
札幌ゴルフクラブ
0
6
1
1
2
6
4 北広島市輪厚 7
7番地
タキイ種苗株式会社札幌支底
0
6
0
0
0
0
4 札幌市中央区北 4条西 1
6丁目 1
丹波屋株式会社
0
6
0
8
5
6
9 札幌市中央区北 6条東 2丁目 3
3札幌総合
卸センター内
十勝農業協同組合連合会
0
8
0
0
0
1
3 帯広市西 3条南 7丁目農協連ビル内
トモエ化学工業株式会社
1
1
3
0
0
3
4 東京都文京区湯島 4丁 目 ト 1
1 南山堂ビル 3
F
東纏マテリアル・テクノロジー株式会社札幌営業所
0
6
0
0
0
0
4 札幌市中央区北 4条西 4丁目ニュー札幌ビ
ル 8F
日之出化学工業株式会社札幌支庖
0
6
0
0
0
6
1 札幌市中央区南 2条西 2丁目 1
8
1 札幌南二
条ビル内
株式会社日の丸産業社
0
0
3
0
0
3
0 札幌市白石区流通センター 1丁目 2
2
2
北電興業株式会社
0
6
0
0
0
3
1 札幌市中央区北 1条東 3丁目 1
ホクレン農協連合会単味飼料種子課
0
6
0
0
0
0
4 札幌市中央区北 4条西 1丁目
(社)北海道草地協会
0
6
0
0
0
4
2 札幌市中央区北 3条西 7丁目 1酪農センター
4
F
北海道チクレン農協連合会
0
6
0
0
0
0
5 札幌市北区北 5条西 2丁目 5番地 J
Rタワー
オフィスプラザさっぽろ 1
1階
(財)北海道農業開発公社
0
6
0
0
0
0
5 札幌市中央区北 5条西 6丁 目 ト 2
3農地開発
センター内
雪印種苗株式会社
0
6
2
0
0
0
2 札幌市厚別区上野幌 1条 5
1
6
道東トモエ商事株式会社
0
8
6
1
1
5
3 標津郡中標津町桜ケ丘 3丁目 1
0番地 ホンダ
酪農機ビル 2F
-78-
北海道草地研究会報
第
4
0号
2
0
0
6年 3月1
5日発行(会員配布)
発行者
北海道草地研究会
会 長 前 田 善 夫
研究会事務局
干0
8
1
0
0
3
8 北海道上川郡新得町新得西
5線 3
9
番地
北海道立畜産試験場環境草地部内
TEL 0
1
5
6
6
4
0
6
2
1
F
P
.
u
{ 0
1
5
6
6
4
6
1
5
1
郵便振替口座番号:0
2
7
1
0
-09
8
8
0
印 刷 所 帯 広 市 西1
6条北 1丁目 2
5
ソーゴー印刷株式会社
電話 0
1
5
5
3
4
1
2
8
1
,
-