第2回 コンピュータの基本構成

数理・情報実習講義A
本日の内容
数理・情報実習講義A
第2回
コンピュータの基本構成
 
コンピュータの5大装置と基本構成:コンピュータはど
のような機能を持つ装置で構成されていて、どのように
役割分担がされているかを学ぶ。
 
CPU、メモリ、ハードディスク等、コンピュータを構成す
る部品にはどのようなものがあるか、それらは基本構
成の中でどのように位置づけられているかを学ぶ。
 
コンピュータを購入する時に「スペック表」があるが、ど
のようにして見ればいいのか。例えば、CPUのクロック
周波数とはどういったことか、といったことを学ぶ。
東洋大学経営学部 関 勝寿
コンピュータを構成する装置
コンピュータの分解
  キーボード
  コンピュータのハードウェアを理解するためには、一度、
  マウス
本体を分解してみると良い。
  ディスプレイ
  一方、ハードウェアを理解しないで分解すると元に戻せなくなる危険もある。
  プリンタ
  デスクトップパソコンの分解と組み立ては、やってみると
  ・・・
比較的簡単である。たとえば、ハードディスクやメモリを
増設する時に、そのような作業をすることになる。
  本当は分解する作業をしたいところだが、PC教室のパ
ソコンを壊したくないので授業では控えておく。
  参考サイト:パソコン分解講座
  http://whzat.dyns.net/netday/PC-bunkai/index.html
コンピュータの5大装置
 
コンピュータの基本構成
制御装置
 
演算装置
中央演処理算装置 (CPU)
制御装置
コンピュータ本体
  演算(四則演算や論理演算など)を行う装置
 
記憶装置
  プログラムやデータを記憶する装置
  主記憶装置と補助記憶装置がある
 
演算装置
データだけでなく
プログラムも
記憶される
入力装置
•  入力装置から主記憶装置に
データが入力される
•  制御装置が主記憶装置から
命令を取り出す
  各装置の全般的な制御を行う装置
  主記憶装置から命令を取り出して解釈し、各装置に指示を出す
ポイント
•  主記憶装置から演算装置に
データが送られ、演算装置
から結果が戻される
•  主記憶装置から出力装置に
データが出力される
•  制御装置はすべての装置を
制御する
入力装置
主記憶装置
出力装置
補助記憶装置
補助記憶装置、入力装置、出力装置は、
コンピュータ本体と区別して周辺装置と
呼ぶ場合がある
  プログラムやデータを主記憶装置に入力する装置
 
出力装置
  主記憶装置に格納されているデータを外部へ出力する装置
データの流れ
参考:http://jibun.atmarkit.co.jp/lskill01/rensai/fe02/fe01.html
東洋大学経営学部 関 勝寿
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CPU (Central Processing Unit; 中央演算処理装置)
 
CPUは制御装置と演算装置で構成され
ている。
 
記憶装置からプログラムを読み込んで、
解釈、実行する。
 
人間では、脳に例えられる。脳の思考を
担当するのが制御装置と演算装置を含
むCPUで、記憶を担当するのが記憶装
置である。
クロック周波数
 
コンピュータの内部で処理のタイミングの同期を取るための
テンポのこと。
 
単位はヘルツ(Hz)で、
  1ヘルツは1秒間に1回
  1MHzは1秒間に100万回
  1GHzは1秒間に10億回
Interl Core2 Duo Processor
Wikipedia
 
CPUのクロック周波数が高いほど、パソコンの命令実行速度
は向上し、処理速度が向上する。
 
ただし、CPUの性能はクロック周波数だけで決まるものでは
ない。また、コンピュータの性能はCPUの性能だけで決まる
ものではない。
記憶階層 (Memory Hierarchy)
記憶装置
1つのコンピュータに、目的に応じて、様々な種類の記憶装
置が使われている。
 
大きく、主記憶装置と補助記憶装置に分けることができる。
  高速・高価・小容量
  低速・安価・大容量
 
  補助記憶装置(二次記憶装置):主記憶装置以外の記憶装置。
 
CPUと主記憶装置の間に、主記憶のアクセス速度とプロ
セッサの処理速度の差を埋めるために、小容量だが高速な
キャッシュメモリが配置される。キャッシュメモリを2つ配置す
る場合には、CPUに近い方から一次キャッシュ、二次キャッ
シュと呼ぶ。
 
 
キャッシュメモリ
主記憶装置
補助記憶装置
仮想記憶方式の実現
  仮想的に、大容量の記憶装置を実現
主記憶装置の容量
仮想記憶方式の必要性
 
パソコンのスペック表では、主記憶装置の容量が「メインメモ
リ 1GB」のように記されている。
 
コンピュータでは、データを2進数であらわし、2進数1桁を1
ビットと呼ぶ。1バイトは8ビットである。
  CPU処理 ⇒ 必要なプログラムとデータが主記憶装置内に置かれる
  主記憶容量は高価・小容量 ⇒ 記憶容量に制限がある
  複数アプリケーションを起動 ⇒ 主記憶装置の記憶容量をオーバー
 
レジスタ
  各レベルが、それぞれの下位レベルを一時記憶として利用
CPU内部にある小量で高速な記憶装置をレジスタと呼ぶ。
仮想記憶方式
記憶装置の階層構造化
異なる特性を持つ複数の記憶
装置を階層的に構成する
  小容量・高速
  中容量・中速
  大容量・低速
  主記憶装置(一次記憶装置):CPUが直接アクセスできる記憶装置。
 
記憶装置の特性
小 記憶容量 大
 
 
高価 記憶容量あたり単価 安価
コンピュータが処理するデータを保存する装置。
高速 アクセス速度 低速
 
仮想記憶方式
  1kB (キロバイト) = 210 バイト = 1,024 バイト
  主記憶装置容量よりも大きな記憶空間を仮想的に提供する仕組み
  1MB (メガバイト) = 220 バイト = 104万8576 バイト
  記憶装置内をセグメント(ページ)に区切り、ページ単位でイン/アウト
  1GB (ギガバイト) = 230 バイト = 10億7374万1824 バイト
主記憶
装置
主記憶装置の空いたところに
Cを移動 = ページイン
B
A
 
メインメモリが少なすぎる場合、仮想記憶の仕組みで補助記
憶装置(ハードディスク)とのデータのやりとりが頻繁に発生
する。そのため、パソコンの動作が重くなる。
 
したがって、快適にパソコンを使用するためには、十分な容
量のメインメモリが確保されている必要がある。
Bを補助記憶装置へ移動
= ページアウト
補助記憶装置
C
東洋大学経営学部 関 勝寿
B
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記憶素子
 
RAM (Random Access Memory)
補助記憶装置
 
  ハードディスク装置 (HDD: Hard Disk Drive)
  DRAM (Dynamic RAM): 主記憶装置に用いられる。
  円盤状のディスクにデータが記録され、磁気ヘッドを移動させながら
データを読み書きする
  SRAM (Static RAM): キャッシュメモリに用いられる。
  アクセスとデータ転送が比較的高速
  速度:DRAM < SRAM, 記憶容量当たり価格: DRAM < SRAM
 
  大容量
ROM (Read Only Memory)
  読み出し専用メモリのこと。ただし、消去、追記可能なものもある。
 
  データの読み書きにレーザー光線を使う
  PROM (Programmable ROM): 1回だけ書き込み可能。
  CD (650MB, 700MB): CD-ROM, CD-R, CD-RW
  DVD (4.7
  フラッシュメモリ: 電圧をかけて全消去、部分消去可能。
入力装置
 
入力装置と出力装置
 
入力装置:コンピュータに人間がデータ、情報を伝える。
ポインティングデバイス
 
出力装置:コンピュータが人間にデータ、情報を伝える。
 
入力装置と出力装置をまとめて入出力装置、あるいは
ユーザーインターフェースと呼ぶ。
  タッチパネル
  ペンタブレット
 
イメージスキャナ
 
バーコードリーダー
 
マイクロフォン
 
デジタルカメラ
 
ビデオカメラ
出力装置
 
 
光磁気ディスク (MO)
キーボード
  マウス
 
17GB): DVD-ROM, DVD-R, DVD-RW, DVD-RAM
200GB)
  Blue-ray Disk (25
  EEPROM (Electrically EPROM): 電圧をかけて部分消去可能。
 
光ディスク
  マスクROM: 製造時に書き込まれ、以降書き込み不可能。
  EPROM (Erasable PROM): 紫外線照射で全消去可能。
 
磁気ディスク装置
  読み書きが出来るメモリのこと。
ディスプレイ
入出力インターフェース
 
シリアルインターフェース
  CRTディスプレイ
  1本の線上を1ビットずつデータが送られる
  液晶ディスプレイ
  RS-232C
  有機ELディスプレイ
  USB (Universal Serial Bus): ハブを用いて接続できる
  ディスプレイの解像度って何?といったことは、後の授業で学ぶ予定。
  IEEE1394
プリンタ
 
パラレルインターフェース
  インクジェットプリンタ
  複数の線上を同時にデータが送られる
  レーザープリンタ
  IDE (ATA), EIDE, シリアルATA(SATA): 内蔵HDD, CD-ROM
  SCSI (Small Computer Sytem Interface): スカジーと読む
スピーカー
 
線を使わないインターフェース
  IrDA: 赤外線
  Bluetooth
東洋大学経営学部 関 勝寿
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おわりに
 
コンピュータの基本構成について概説し、基本構成に基づい
てコンピュータの様々な部品の機能を解説した。
 
コンピュータに慣れない人にとっては、耳慣れない言葉ばか
りで当惑したかもしれない。一度に全部覚えるのは無理なの
で、少しずつ慣れて下さい。
東洋大学経営学部 関 勝寿
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