平成 28 年4月 東京都主税局 負担変動の軽減措置に関するQ&A (平成 27 年改正法附則第8条又は平成 28 年改正法附則第5条による控除) Q1 法人事業税の負担変動の軽減措置とは、どのような制度ですか? Q2 法人事業税の負担軽減措置はどのような場合に適用されるのですか? Q3 負担軽減措置の適用を受ける場合の控除額の計算はどのように行うのですか? Q4 二以上の都道府県に事務所等を有して事業を行う法人の場合、控除額の計算は課税標準額の総額 によって行うのですか? Q5 資本割しか税額がありませんが、負担変動の軽減措置を受けられますか? Q6 控除は付加価値割額からしかできないのですか? Q7 新設法人で前事業年度がない場合や、前事業年度は外形標準課税の対象ではなかった場合は、負 担変動の軽減措置を受けられないのですか? Q8 仮決算による中間申告の場合に負担変動の軽減措置を受けることはできますか? Q9 負担変動の軽減措置による控除税額を計算するための様式はあるのですか? 1 法人事業税の負担変動の軽減措置とは、どのような制度ですか? Q1 A. 平成 27 年度税制改正により導入された、外形標準課税の拡大(所得割の税率引き下げ及び付加 価値割・資本割の税率引き上げ)によって生じる税負担の変動の影響を緩和する措置で、付加価 値額が一定以下の法人を対象に税負担の増加について税額控除による軽減を図るものです。 この軽減措置は、法人の平成 27 年4月1日から平成 31 年3月 31 日までの間に開始する各事業 年度に適用されるものです。 (地 方 税 法 等 の 一 部 を 改 正 す る 法 律( 平 成 27 年 )附 則 8条、地方税法等の一部を改正す る法律(平成 28 年)附則5条2項~11 項) 当該事業年度の 課税標準 付加価値額、 資本金等の額、 所得 × 旧税率(注1) = × 当該事業年度 の税率 = 資 本 割 所得割 所得割 資本割 付加価値割 負担増の一部 (注2)を控除 付加価値割 注1. 当該事業年度に適用される税率の改正前税率のことをいい、東京都に申告する場合、事業年度により以下の 税率となります。 平成29年4月1日から平成31年3月31日までに開始する事業年度においては、地方法人特別税相当額を含めて 旧税率を適用した場合の所得割額を算出します。表中()内の税率は、地方法人特別税相当額の算出に用います。 平成27年4月1日から 平成28年3月31日までに 開始する事業年度 申告対象事業年度 区分 平成27年3月31日 現在の税率 適用する旧税率 年400万円以下の所得 控 適軽 除 用減 額 所 法 税 年400万円を超え年800万 計 得 旧 人 率 円以下の所得 割 算 税 に 年800万円超の所得 率 使 軽減税率不適用法人 用 す 付加価値割 る 平成28年4月1日から 平成29年3月31日までに 開始する事業年度 平成28年3月31日 現在の税率 平成29年4月1日から 平成31年3月31日までに 開始する事業年度 平成28年3月31日 現在の税率 2.39% 1.755% 1.755% (1.6%) 3.475% 2.53% 2.53% (2.3%) 4.66% 3.4% 3.4% (3.1%) 0.504% 0.756% 0.756% 0.21% 0.315% 0.315% 資本割 93.5% 地方法人特別税 注2. 各事業年度の控除額の上限は以下のとおりです。(控除額の計算はQ3参照) 事業年度 控除額の上限 平成27年4月1日から 平成28年3月31日までに 開始する事業年度 負担の増加額の2分の1 平成28年4月1日から 平成29年3月31日までに 開始する事業年度 負担の増加額の4分の3 2 平成29年4月1日から 平成30年3月31日までに 開始する事業年度 負担の増加額の2分の1 平成30年4月1日から 平成31年3月31日までに 開始する事業年度 負担の増加額の4分の1 法人事業税の負担軽減措置はどのような場合に適用されるのですか? Q2 A. 外形標準課税の法人のうち、事業規模が一定以下の法人について、平成 27 年4月1日から平成 31 年3月 31 日までの間に開始する事業年度において、当該事業年度に係る付加価値割額、資本 割額及び所得割額の合算額(基準法人事業税額)が、当該事業年度に適用される税率の改正前税 率(旧税率)を適用して計算した付加価値割額、資本割額及び所得割額の合算額を超える場合に 適用されます。 この場合の税率は、標準税率以外の税率を適用している都道府県にあっては当該税率によりま す。 (取扱通知第3章5の3(2) ) ① 事業規模が一定以下であること 調整後付加価値額が40億円未満である法人 調整後 付加価値額 = 12 当該事業年度の × 付加価値額 当該事業年度の月数 <40 億円 ② 税負担の増加があったと認められるもの ② 税負担の増加があったと認められるもの 基準法人事業税額 基準法人事業税額 = 旧税率を適用して計算した > 改正前の税率を適用して計算した 法人事業税額 < 法人事業税額 = ↑ ↑ 当該事業年度の 当該事業年度の 付加価値割額 付加価値割額 + + 資本割額 当該事業年度の課税標準に旧税率※を適用して計算した 当該事業年度の課税標準額に改正前税率※を適用した 付加価値割額 付加価値割額 + + 資本割額 資本割額 + ※改正前税率 ※旧税率については、 ① 27.4.1~28.3.31開始事業年度 Q1注を参照 資本割額 + 所得割額 + 所得割額 + 所得割額 27.3.31現在の税率 ② 28.4.1~29.3.31開始事業年度 所得割額 28.3.31現在の税率 注 上記「基準法人事業税額」及び「旧税率を適用して計算した法人事業税額」には、収入割額及び 地方法人特別税額は含めません。(平成29年4月1日から平成31年3月31日まで開始事業年度の 申告においては、「旧税率を適用して計算した法人事業税額」に地方法人特別税相当額を含めます。) Q3 負担軽減措置の適用を受ける場合の控除額の計算はどのように行うのですか? A. 控除額は、負担の増加額(基準法人事業税額から改正前の税率を適用して計算した法人事業税額 を控除した額)を基礎に計算を行いますが、当該事業年度の調整後付加価値額によりその計算方 法が異なります。 なお、控除額の計算に用いる税率は、標準税率以外の税率を適用している都道府県にあっては 当該税率によります。 ①負担の増加額を算出 負担の増加額 = 基準法人事業税額 - 旧税率を適用して計算した 法人事業税額 注 税率表はQ1参照 3 ②控除額を算出 控除額※1 調整後付加価値額 30億円以下の場合 30億円超 40億円未満の場合 負担の増加額 × 一定割合※2 × 一定割合※2 × 負担の増加額 (40億円-調整後付加価値額) 10億円 ※1 100円未満切上げ ※2 割合 事業年度 割合 平成27年4月1日から平成28年3月31日までに開始する事業年度 1/2 平成28年4月1日から平成29年3月31日までに開始する事業年度 3/4 平成29年4月1日から平成30年3月31日までに開始する事業年度 1/2 平成30年4月1日から平成31年3月31日までに開始する事業年度 1/4 【注意】 上記②の控除額算出式は、下表をわかりやすく変形したものです。 第6号様式別表5の7では、控除額を下表のとおり計算する形となっています。(平成27年改正法附則第8条又は平成28年改正法附則第5条) 控除額※ 調整後付加価値額が 30億円以下の法人 調整後付加価値額が30億円超 40億円未満の法人 平成28年4月1日から平成29年3月31日 までに開始する事業年度 負担の増加額 ×3/4 負担の増加額 ×{(40億円-調整後付加価値額)×3}÷40億円 平成29年4月1日から平成30年3月31日 までに開始する事業年度 負担の増加額 ×1/2 負担の増加額 ×(40億円-調整後付加価値額)÷20億円 平成30年4月1日から平成31年3月31日 までに開始する事業年度 負担の増加額 ×1/4 負担の増加額 ×(40億円-調整後付加価値額)÷40億円 ※100円未満切上げ Q4 二以上の都道府県に事務所等を有して事業を行う法人の場合、控除額の計算は課税標 準額の総額によって行うのですか? A. 二以上の都道府県に事務所等を有して事業を行う法人は、課税標準額の総額を分割基準によって 分割して、事務所等が所在する各都道府県に申告納付すべき法人事業税額を算定することとされ ています。 負担変動の軽減措置による税額控除は、各都道府県の申告ごとに控除額を計算し、法人事業税 額から控除します。分割後の課税標準となる付加価値額、資本金等の額及び所得を基礎として基 準法人事業税額及び旧税率による法人事業税額の計算を行い、控除額を算出します。 また、この場合に用いる税率は、標準税率以外の税率を適用している都道府県にあっては当該 税率によります。 4 資本割しか税額がありませんが、負担変動の軽減措置を受けられますか? Q5 A. 調整後付加価値額が 40 億円未満であれば、付加価値割や所得割の税額がなくても控除を受けら れます。 控除は付加価値割額からしかできないのですか? Q6 A. 負担変動の軽減措置の控除は、事業税額全体から行うこととなります。 なお、当該控除を付加価値割、資本割から行う場合は、付加価値割、資本割の順に行います。 (取扱通知第 3 章 5 の 3(1)) Q7 新設法人で前事業年度がない場合や、前事業年度は外形標準課税の対象ではなかった 場合は、負担変動の軽減措置を受けられないのですか? A. 当該軽減措置は、税率改正の影響を軽減するために、当該事業年度に適用される税率と旧税率と の差を調整するために設けられた措置です。当該事業年度が外形標準課税の対象であれば、ご質 問の場合であっても負担変動の軽減措置を受けることができます。 Q8 仮決算による中間申告の場合に負担変動の軽減措置を受けることはできますか? A. 負担変動の軽減措置による税額控除は確定申告に係る法人事業税に適用されますので、中間申告 での適用はありません。 (取扱通知 3 章 5 の 3(1) ) 負担変動の軽減措置による控除税額を計算するための様式はあるのですか? Q9 A. 負担変動の軽減措置の創設に併せて、 「平成 27 年改正法附則第8条又は第9条の控除額に関する 計算書」(第6号様式別表5の7)が制定されました。この計算書は、負担変動軽減措置による 税額控除を受けようとする事業年度の確定申告書に添付することとなっています。 なお、平成 28 年度の税制改正を受け、今後様式が改正される見込みですので、ご留意ください。 5 【別表5の7の記載例】 東京都のみに申告する法人(非分割法人) 当該事業年度 平成27年4月1日から平成28年3月31日まで 課税標準 所得金額 650,520,195円 付加価値額 3,216,823,420円 資本金等の額 900,000,000円 平成27年改正法附則第8条又は 第9条の控除に関する計算書 事業 平成 27 年 4 月 1 日 から 法人名 年度 平成 28 年 3 月 31 日 まで 1.調整後付加価値額の計算 課税標準となる付加価値額 ① 別表5の2⑪ 3,216,823,420 ② 12 月 調 整 後 付 加 価 値 額 ③ ①×12/② 3,216,823,420 当該事業年度の月数 <40億円 控除額の計算へ 2.控除額の計算 課税標準 摘要 所得金額総額 第6号様式 33 年400万円以下の金額 第6号様式 34 ④ ⑤ 年400万円を超え年800万円以下の金額 ⑥ 所 第6号様式 35 得 割 年800万円を超える金額 ⑦ 第6号様式 36 計 ⑤+⑥+⑦ ⑧ 第6号様式 37 新税率(100) 税額(イ) 旧税率(100) 税額(ロ) 円 650,520,195 4,000,000 1.755 4,000,000 2.53 642,520,000 3.4 650,520,000 円 円 70,200 2.39 95,600 101,200 3.475 139,000 21,845,600 4.66 22,017,000 29,941,400 30,176,000 軽減税率不適用法人の金額 ⑨ 第6号様式 38 付 付加価値額総額 加 価 付加価値額総額 値 割 当期の6号様式 33 から 42 欄の 「課税標準額」、「税率」、 「税額」を転記する 第6号様式 39 第6号様式 40 ⑩ ⑪ 資本金等の額総額 ⑫ 資 第6号様式 41 本 割 資本金等の額 ⑬ 第6号様式 42 東京都に申告する場合は、事業年度により以下の税率となります。 申告対象事業年度 区分 3,216,823,420 適用する旧税率 3,216,823,000 0.756 円 24,319,100 0.504 円 16,212,700 900,000,000 円 900,000,000 0.315 2,835,000 仮計 ⑧+⑪+⑬又は⑨+⑪+⑬ ⑭ 49,171,100 差引 (⑭の(イ))-(⑭の(ロ)) ⑮ 892,400 控 ③が30億円以下の場合の控除額 ⑮/2 除 額 ③が30億円超40億円未満の場合の控除額 ⑮×(40億円-③)/20億円 ⑯ ⑯又は⑰欄の金額を6号様式 46 欄へ転記 0.21 円 1,890,000 48,278,700 100円未満の端数切り上げ ⑰ 349,500 控 除 額 計 旧 算 税 に 率 使 用 す る 適 軽 年400万円以下の所得 所 用減 年400万円を超え年800 得 法税 万円以下の所得 割 人率 年800万円超の所得 軽減税率不適用法人 付加価値割 資本割 平成27年4月1日から 平成28年3月31日までに 開始する事業年度 平成27年3月31日 現在の税率 平成28年4月1日から 平成31年3月31日までに 開始する事業年度 平成28年3月31日 現在の税率 2.39% 1.755% 3.475% 2.53% 4.66% 3.4% 0.504% 0.756% 0.21% 0.315%
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