ブラジル株式:政局の混乱が株式市場に波及 - HSBC Global Asset

臨時レポート
ブラジル株式:政局の混乱が株式市場に波及
ディフェンシブなポートフォリオで相場の波乱に備える
HSBC投信株式会社
2016年4月11日
 3月の大幅な株価上昇から一転し、4月に入り株価が急落したブラジル株式市場について、その背景とともに当社
の株式運用担当者の見方をQ&A形式で解説します。
3月に17%*上昇したボベスパ指数だが、一転して、
4月第1週に急落。何が大きく変わったのか?
* 現地通貨ベース
 3月は主として政権交代期待から株価が上昇しており、
4月第一週の下落は、テクニカルな反動とみることがで
きる。
 市場では政権交代による構造改革期待が先行してき
たが、ジルマ大統領の弾劾に向けたプロセスが従来
予想より長引くとの見方が足元で広がったことが契機
となり、利益確定の売りが優勢となった。
 さらに、ブラジル中央銀行集計による現地市場関係者
の2016年の実質国内総生産(GDP)成長見通し(4月1
日時点)が-3.73%に低下したことも、投資家心理の悪
化につながった。
政局だけでなく、原油価格の動向も影響しているの
ではないか?
 4月4日(月)には、燃料小売価格の引き下げを検討し
ていると報じられた石油大手ペトロブラスの株価が急
落したことでそのように見る向きもあるが、その後、同
社は価格引き下げを否定し、株価は反発している。
 実際、3月以降、原油価格は上昇しており、4月に入っ
てそのトレンドに大きな変化はない。直近の株式相場
下落に原油価格自体は影響していないと見られる。
直近の株価下落は一時的なものなのか?
下値余地はまだあるのか?
 ブラジル株式市場は、政治情勢混迷の影響を強く受け
ており、政局の不透明感が払しょくされるまで株価は
不安定な動きを続けると見られる。
 政権交代への期待感が大きく後退した場合には、更な
る下振れも懸念される。
政局の混乱収束にどれぐらいの時間が必要か?
 ジルマ大統領弾劾のプロセスは2ヶ月ほどはかかる可
能性が指摘されている。
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当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。
 今後の予定としては、4月中に下院で大統領弾劾採決
が行われる見通し。下院で可決された場合、審議は上
院に移る。上院で過半数以上の賛成により、ジルマ大
統領は180日間の職務停止、テメル副大統領が大統
領代行になり、この間に上院で弾劾の是非が審議され
る。
 但し、弾劾が否決された場合、ジルマ政権が継続する
ことになる。
 一方、2014年の大統領選挙における不正資金の利用
疑惑について捜査が進んでおり、これが立件された際
には正副大統領選挙が今年中にやり直しされる可能
性がある。
株価が乱高下する中、当社のブラジル株式関連
ファンドにはどのような影響があったか?
 当社のブラジル株式関連ファンドの基準価額は、概ね
3月に約3割上昇したが、4月以降は約1割反落してい
る。足元の基準価格下落の要因としては、テクニカル
な反動によるブラジル株式および通貨レアルの下落、
また円高の進行も挙げられる。
年初来からの運用方針と今後について伺いたい
 当社のブラジル株式関連ファンドでは内需関連セク
ターの中でも、公益、運輸関連銘柄を中心に景気動向
に業績が左右されにくいディフェンシブな業種・銘柄を
中心にポートフォリオを構築してきた。また、政府のコ
ンセッション・プログラムの恩恵を受ける高速道路運営
会社に注目している。
 足元の市場環境では、政治情勢の影響が限定的かつ
企業ファンダメンタルズが堅調な銘柄を中心に組み入
れている。
 3月に株価が急騰した一部の銘柄については、バリュ
エーションに割安感のある銘柄に乗り換えるなど、上
値余地と下値余地を特に意識したポートフォリオの調
整を行っていく方針である。
留意点
投資信託に係わるリスクについて
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資者保護基金の保護の対象ではありません。購入の申込みにあたりましては「投資信託説明書(交付目論見
書)」および「契約締結前交付書面(目論見書補完書面等)」を販売会社からお受け取りの上、十分にその内
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「投資信託説明書(交付目論見書)」、「契約締結前交付書面(目論
見書補完書面等)」等でご確認ください。
※上記に記載のリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。
※費用の料率につきましては、HSBC投信株式会社が運用するすべての投資信託のうち、ご負担いただく
それぞれの費用における最高の料率を記載しております。
※投資信託に係るリスクや費用はそれぞれの投資信託により異なりますので、ご投資される際には、かならず
「投資信託説明書(交付目論見書)」をご覧ください。
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