建築とっとり 2014.3 第90号 2014.3

一般社団法人 鳥取県建築士事務所協会
No.90
2014.3
「泊漁港の輝き」 2009年5月15日
キラキラ光る日本海を見つめ、
屋根瓦と日本海の輝きのコラボに感動。
泊漁港の屋根瓦がほとんど全て赤瓦であった頃、
すぐそばを走る山陰本線の汽車から見える景色を
見ていた観光客が、南ヨーロッパの雰囲気がありますねぇ~
と言ったことを思い出します。
青い海、
青い空、赤い屋根、白い壁(?)の漁村
その当時の泊漁港は、まさにそんな風景だったと思います。
建築とっとり 2014.3 第90号
発 行/一般社団法人 鳥取県建築士事務所協会
〒680-0022 鳥取市西町2丁目102 西町フロインドビル2F
TEL.0857-23-1728 FAX.0857-21-6112
URL. http://31kjk.com E-mai: [email protected]
編集:広報編集委員会
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CONTENTS
巻頭言 ■
No.
90
2014.3
大島 英司 鳥取市都市整備部長
技術者に期待される「まちを見る目」
(鳥取市のまちづくりの現場から)
3
メッセージ ■
山下 卓治 会 長
4
支部の動き ■
霜村 將博 副会長(東部担当) 尾﨑 浩秀 一水会幹事(中部) 清水 幸憲 副会長(西部担当)
5
トピックス ■
作品紹介 ■
[先輩通信] ■
米子市公会堂 耐震補強及び大規模改修工事
第64回全国植樹祭お野立所 杵村建築設計事務所
鳥取市役所都市整備部長
7
大島 英司
8・9
10・11
12
黒川 隼人 駆け抜けた70年!!鳥取~東京~鳥取
13
日々の暮らしに微笑みを添える器
14
15
足塚 由江 陶工房 Ashwork
クローズアップ ■
秋本 文男 エーアンドエス建築研究室
■ 賛助会PRコーナー
事務局だより ■ 会議報告、会員の異動、行事予定
16
17
18・19
表紙のことば
02
建築とっとり
No.90
(鳥取市のまちづ
くりの現場から)
期
待
に
さ
者
れ
る
術
「
ま
技
ちを見る目」
6
赤山 善男 生涯現役
達人登場 ■ 鳥取民芸木工 福田 豊
」
技術者に期待される
「まちを見る目
くりの現場から)
(鳥取市のまちづ
これからの鳥取市のまちづくりは、大きな社会経済
本市としても、中心市街地に都市機能を集約し因幡
情勢の変化の中で、
鳥取市の中の個別の地域を見る目、
地域の拠点として、激しくなる都市間の競争に立ち向
市の全体を見る目、他の地域との繋がりを見る目をバ
かいつつ周辺地域を支えていけますよう、また市内の
ランス良く持たなければならない時期に来ていると感
各地域に公共交通で結ばれ日常の用を支える生活拠点
じます。
そして、
その中ではまちづくりに関して専門性
が確保されますよう、市民の皆様と一緒に知恵をしぼ
を持つ方の重要性が一層増してくると考えます。
りメリハリをつけた取り組みを続けています。
そして、建築士会東部支部や中心市街地活性化協議
確かに日本は人口減少の時期にあり、本市が将来に
会が始めておられる、民間の不動産所有者の方をまき
わたって持続するために多極型のコンパクトなまちづ
こんだリノベーションの取り組みにも大いに期待して
くりを目指さなければならないことは明らかです。
います。
しかし一方で、それは単なる縮小を意味しません。本
市は広域の高速道路ネットワークに今まさに参画しつ
鳥取市は単独では存在できません。他の地域とつな
つあります。
また合併、
定住自立圏構想などに因幡地域
がり、適切な競争と役割分担の下で人、物、情報が日々
を支える拠点として取り組んできたことが、国が創設
脈々と流れる健全な状態が維持されてこそ、市民や周
を予定している
「地方中枢拠点都市」
の候補市としての
辺の皆様に必要なサービスを提供し続けることができ
位置づけの獲得につながっており、権限と財源の面で
ます。
努力しないで漫然と待っていて、
あるいは内向き
自律した都市としての可能性がひらけています。
のコップの中の嵐に熱中しているだけで、誰かが勝手
既に高速道路等への接続が完了し広域的な意味で既
にサービスを提供してくれることはありえません。
に老成されている他地域の一部で始まっている既存ス
我々まちづくりに関わる者一人ひとりが、一つひと
トックのリノベーションに関する取り組みを参照する
つのプロジェクトが大事な家族、仲間を支え守ること
ことは重要です。
しかし本市は、
それらの知見を活用し
につながっているとの当事者意識を持ち、県境を越え
つつ、これから接続されてくる高速道路ネットワーク
る広域、
市域、
市内の個別地域の各レベルで整合のとれ
に対応したまちづくりを考えることができる立場を十
たまちづくりの編集者たるべく努力する必要がありま
分に活かすべきです。
す。
本市が因幡地域の拠点として責任を果たすことで、
もちろん、変化していく広域の道路環境や建物スト
周辺や広域での交流が確保され、そこから生まれる持
ックの有効活用の考え方の中でメリットを確保するに
続的な賑わいが市民の皆様の生活を支えます。
は責任が伴い、また前向きにリスクをとり自ら変化し
ていく当事者意識が必要とされます。しかし、技術者、
それを実現していくための最も重要な一翼が、今も
~『 赤い屋根瓦に思う 』~
計画者としてまちづくりに関わる上では、とてもやり
鳥取で具体のプロジェクトに関わり新たな価値を生み
赤瓦は石州(島根県)瓦独特の色であり、鳥取、島根では良
く使われます。
自動化が進み瓦を量産するようになって、色むら(焼きむ
ら)が無くなり赤瓦の屋根に味わいが消えた様に感じて
いました。又、黒瓦も多く使われ赤瓦の勢力が薄れたよう
に思います。海の青、空の青には、赤が合うように思うん
ですがねぇ。
最近、色合いが違う赤瓦を何種類か適当に混ぜて昔の赤瓦の
雰囲気をだしている屋根(倉吉色と言うらしい)を見かけます。
倉吉色の屋根が多く使われるようになれば風景が変わる
でしょう。
(表紙・裏表紙/写真・文:中野充千俊)
がいのある時期にあたっていると言えます。
出し続けている技術者の皆様であると確信していま
す。皆様が、前向きにリスクを取り、時代に合わせて自
幸い本市には、まだまだ活用できる民間等のハード
ら変化していく志のある不動産所有者、事業者等の方
のストックがあり、進取の気持ちを持って事業の転換
を技術、専門性の面で支え、時には牽引することで、本
あるいは起業に向かわれている皆様がおられ、また建
市の持続的な賑わいが実現します。
築士の皆様、二つの大学の先生方などの専門性を有す
今後とも鳥取市のまちづくりに皆様のお力添えをお
る人材のストックがあります。
願いいたします。
No.90
建築とっとり
03
メッセージ
会 長メッ セ ー ジ
東部支部の動き
副会長(東部担当)
会 長 山
下 卓 治
一木会 平成25年度後半の活動報告
年度も後期になり年も改まりましたが、本年は、建
に実施、推進されるよう、建物所有者等からの耐震診
築士事務所協会がその活動を通じて建築設計・監理
断、耐震改修の実施に伴う相談に応じるため、
(一社)
の仕事が社会から正当に評価されるとともに、建築
鳥取県建築士事務所協会においても、本年1月6日か
や街づくりの主体として認知され、社会的信頼の確
ら「建築物の耐震改修の促進に関する法律の改正に
保と地位向上の実現につながる道程に、確実な一歩
伴う相談窓口」を設置し、耐震診断、耐震改修の普及
を踏み出せるような節目の年となることを目指した
促進に努めております。
いと思います。
今後も、県民、地域社会と積極的に関わりながら、
(一社)日本建築士事務所協会連合会は、全国の建
建築設計・監理業の確立と、建築士事務所の社会的地
築士事務所協会とともに建築設計・監理業の適正化
位の向上を目指して、会員とともに前進してまいり
への確立に向け、新たな枠組みとしての「建築の設計
たいと思います。
・工事監理の業の適正化及び建築主等への情報開示」
引き続いてのご支援と協力を心よりお願い申し上
について、公益社団法人 日本建築士会連合会、公益
げます。
社団法人 日本建築家協会とともに建築設計三会が
共同して検討を行った後、共同提案書として合意し
てその内容をまとめました。
そして、法制度として実現されるよう要望を始め
るとともに、設計監理等適正化勉強会も開催して、各
種団体よりの質疑等へも対応しながら最終的な取り
まとめの段階に入っております。
さて、東日本大震災を契機として、安全、安心が確
保された良質でサステナブルな社会の構築が喫緊の
国民的課題としてますます重視される中にあって、
建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部が改正
されました。この改正に伴い、不特定多数の者が利用
する大規模な建築物等の所有者に対して、耐震診断
の実施が義務付けられることとなりました。
このような状況の中で、耐震診断、耐震改修が円滑
04
建築とっとり
No.90
霜 村 將 博
■平成25年度 第3回一木会
開催日
場 所
平成25年10月3日
(木)
白兎会館
内 容
16
:30 ~ 16:45 一木会例会
16:45 ~ 18:00 賛助会員企業PR
・山陰エレベータ㈱ ・山陰セキスイ商事㈱鳥取営業所
・㈱サンゲツ岡山店 ・タカラスタンダード㈱
・土江建材T.Kボルト ・TOTO㈱山陰営業所
・日本オスモ㈱広島出張所 ・文化シャッター㈱
・㈱LIXIL ・リンナイ㈱中国支店米子営業所
参加人数
38名
■住まいの無料相談会開催
開催日
東部地区 平成25年10月19日
(土)
、
20日
(日)
午前10時から午後5時
場 所
鳥取産業体育館
(鳥取市天神町50-2)
・
・
・木の住まいフェアと同時開催
内 容
建築年代、建物の形状などをもとに簡易耐震診断の実施
(1)
(2)
耐震化に係る支援制度、耐震改修の事例と費用などの情報提供
相談件数
16件
相談員
10月19日
(土)
時 間 AM9:45 ~ PM1:30
PM1:30 ~ PM5:00
相談員 ㈲門脇構造研究所 門脇 昇 スマートハウス福田設計 福田早苗
10月20日
(日)
時 間 AM9:45 ~ PM1:30
相談員 ㈱桜や 建築設計工房 来田信浩
PM1:30 ~ PM5:00
はやた建築設計工房 早田照彦
※会員の皆様、
ご協力ありがとうございます。
■平成25年度第4回一木会
開催日
場 所
平成25年12月3日
(火)
白兎会館
内 容
17
:30 ~ 18:00 一木会例会
18:00 ~ 忘年会
参加人数
44名 ■鳥取県建築士事務所協会東部支部より
鳥取市への追加要望事項提出
提出日
平成25年10月25日
提出先
鳥取市都市整備部長 大島 英司 様
要望内容及び回答
(回答日 平成26年1月22日付)
設計・監理業務に関する追加要望書
(回答)
◎監理業務の履行期間中において、その業務に従事する管理
技術者及び現場監督員の延べ業務人・時間の明確化について
1)
.監理業務特記仕様書に明示されている業務履行期間中に
おける管理技術者及び現場監督員の延べ業務人・時間は、
告示15号に基づいて算出されているものと思いますが、
その告示で示されている技術者は、業務経験年数等に依
る技術者の区分モデル
「Eランク」
の技術者であります。
しかし、特記仕様書で求められている管理技術者及び
現場監督員の資格要件はこれと相応せず「Dランク」のた
め、その資格要件に添った「ランク」の技術者による延べ
業務人・時間(従事させる業務人・時間)で算出し、明示し
て頂くよう要望します。
また、その場合、当然ながら予定価格単価もランクに添っ
た単価を計上して頂きますことも合わせて要望します。
例)
※業務能力の換算率(Eランク=1.00 Dランク=1.17)
Eランクで100人役必要ならDランクでは100人役/
1.17≒85.5人となります。
(回答)
工事監理料の算定は官庁施設の設計業務等積算基準(告示第
15号の考え方に基づくもの)を参考として算出しております。
その中に直接人件費単価について明示があり、国土交通省で公
表している「設計業務委託等技術者単価」における「技師C」の単
価を用いることができることとなっており、それに基づいて延
べ業務人・時間を算出するとともに「技師C」の単価を計上して
います。
なお、本市の監理業務特記仕様書(県基準を参考として作成)
における管理技術者等の資格者要件(経験年数等)において「技
師C」を対象としていることが不明確と考えられる部分につい
ては、より明確な記載を検討して参ります。
※上記の例のように換算しても良いとのことです。
但し、どのランクの人が何人役の監理をしたのか分かる様
な日報等をつけて、
最後に換算したものを提出すること。
どのランクかは業務着手時に提出した名簿による。
2)
.現場までの所要時間や、材料検査等の出張日数も監理業
務時間にカウントして頂けますように要望します。
(回答)
管理技術者及び現場監督員の延べ業務人・時間の算定は、上
記の設計業務等積算基準を参考として算出しております。同
基準においては、現場までの所要時間等は原則、延べ業務人・
時間数には入らないものとされています。そのため、委託業務
における工事監理業務についても実質的な工事監理にあたる
時間のみを業務時間として取り扱っており、移動時間につい
て業務時間に含めることは考えていません。
No.90
建築とっとり
05
山水会 平成25年度後半の活動報告
[定例会]
■10月例会
中部支部の動き
素晴らしい秋晴れの中、恒例となりました山水会ゴルフコン
中国との貿易や友好交流など精力的な活動をされている賛助
会員の石田氏の講演会を開催し、今関心の高い中国との関係
一水会幹事(中部)
尾 﨑 浩 秀
[親 睦]
■秋の山水会ゴルフコンペ開催
をとても興味深くお話を聞くことが出来ました。
開催日
平成25年10月16日
(水)
場 所
米子食品会館 別館2F プラザホール ペを開催し、
親睦を深めました。
開催日
平成25年10月29日
(火)
場 所
大山アークカントリークラブ 参加人数
22人
(6組)
優勝:藤井裕史 氏
BG:池田幸仁 氏
※競技方法:Wぺリア
内 容
講演:環日本海友好交流促進
一水会 平成25年度後半の活動報告
『中国のアンテナショップと現地法人』
えんべだいせんしょうぼうゆうげんこんすとうじちょう
講師:延辺大山商貿有限公司董事長
■10月例会
「エコの観点からの材料について
オーナーに喜ばれる内装仕上材」
(㈱石田コーポレーション代表取締役会長)
石田康雄 氏
参加人数
41名 株式会社サンゲツ岡山店様による「単層ノンワックスシート」
「原料着色素材(原着)カーペットタイル」等、昨今の需要に応
える新商品の説明会を開催いたしました。
参加者
■2月例会
「なぜ今エコ住宅なのか?
~次世代省エネ基準(等級4)義務化に向けた対応と対策~」
「高品位ホ-ロ-で実現する快適な暮らしのご提案」
開催日
平成25年10月2日(水)
場 所
café
SOURCE
参加人数
34名
福井コンピュ-タア-キテクト株式会社様による、これからの
次世代省エネ基準に対応した住宅づくり及びCADシステムに
ついての説明会及びタカラスタンダ-ド株式会社様による近年
の住宅におけるキッチンの提案等の説明会を開催いたしまし
た。
開催日
平成26年2月5日(水)
場 所
倉吉シティホテル
■12月忘年例会
参加人数
31名
一年の締めくくりとなる12月、忘年例会を開催いたしまし
懇親会
[事 業]
■米子市との意見交換会開催
講師:石田康雄氏
講演会
■12月例会 「定例会と年忘れ懇親会」
毎年恒例となりました“12月山水会の例会と年忘れ懇親会”
を会員・賛助会多数のご出席戴き、
盛会に開催しました。
米子市建築指導課並びに建築住宅課と意見交換会を開催し、
活発な意見が交わされ、
相互理解の一助となりました。
開催日
平成25年11月6日
(水)
場 所
米子市役所 第2庁舎 第2会議室
参加人数
事務所協会西部 7人 市役所 8人
開催日
平成25年12月17日
(火)
場 所
国際ファミリープラザ 9F
“シュシュ ”
参加人数
54人
た。寒い中ではございましたが三朝温泉に集まり、一年を振
り返りながら会員同士話しを膨らませておりました。
開催日
平成25年12月4日(水)
場 所
後楽
交換会
参加人数
36名
懇親会
懇親会
■木造耐震診断
(西部市町村より受注分)
本年度も米子市・境港市より協会に委託を受け、西部の会員
で14件の木造住宅耐震診断調査と報告を行いました。
■2月例会
鳥取県西部総合事務所長 山根淳史 氏をお招きして、鳥取県
西部の現状と課題について講演を戴き、大変貴重なお話が聞
西部支部の動き
交換会
米子市 12件 境港市 2件
けました。
開催日
平成26年2月19日
(水)
副会長(西部担当)
清 水 幸 憲
場 所
米子コンベンションセンター5F 第4会議室
内 容
講演:
「鳥取県西部の現状と今後について」
講師:鳥取県西部総合事務所長 山根淳史 氏
今年度後半(10月~3月まで)の西部支部の活動報告を致しま
す。
山水会の定例会として、10月・12月・2月の3回開催しました。
報告は下記の
“活動報告”の通りです。
10月例会は、環日本海友好交流促進を公私ともに推し進めて
おられる、石田康雄氏を講師にお招きし、最近の中国事情を混ぜ
ながら中国との貿易について、
より具体的なお話を聞く事が出来
ました。
12月例会は、恒例となりました「年忘れ懇親会」と例会を開催
し、正会員・賛助会員相互の更なる親睦やビジネス交流情報提供
の例会となりました。
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建築とっとり
No.90
2月例会は、西部総合事務所の山根所長に講演を頂き、鳥取県
そして西部の幅広い方面から地域の現状を再認識し、又地域活性
化への重要なポイントを確認することが出来、協会は元より会員
それぞれの地域活性化への意識の高揚が図れたと思います。
事業として毎年行っている木造耐震診断(西部市町村より受注
分)も、引き続き米子市、境港市より14件の依頼があり、西部会員
で業務を行いました。
最後になりましたが、今年度一年間山水会の定例会や様々な事
業に対しまして、ご協力戴きました講師の方々をはじめ、
正会員・
賛助会員の皆様に心より感謝申し上げ、一年のご報告と御礼とさ
せて戴きます。有難うございました。
参加人数
51人
講師:山根淳史氏
■役員会 平成25年11月1日
(金)
平成26年1月20日
(月)
平成26年3月31日
(火)
講演会
No.90
建築とっとり
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米子市公会堂
Topics
トピックス
耐震補強及び大規模改修工事
公会堂外観
市政30周年記念事業として
建てられ、日本建築界の重鎮
で文化勲章を受章した村野藤
吾氏が設計、ピアノと教会の
イメージを重ねたデザインと
なっています。
舞台
奥行12メートル、間口18メートルの舞台で、
オーケストラピットも備えています。改修工事
で照明や音響を更新しました。講演会、音楽会、
大会等にご利用いただけます。
■敷地面積 :6932.15㎡
■建築面積 :2550.14㎡
■延床面積 :4872.10㎡
■改修竣工 :平成26年2月
外階段
外壁は、島根の石州瓦で焼き上
げた赤タイルを使用しました。
ふくらみのある側面は力強く
ピアノの側面という表現に
ぴったりです。
大ホール
1,120席の座席と6席の車椅子席があり
ます。今回、耐震工事を行ったほか、音響や
照明、座席など更新しまいた。
基本設計 :日建設計、桑本総合設計共同企業体
実施設計、工事監理 :桑本総合設計、桑本建築設計共同企業体
工事施工 :鴻池組、美保テクノス、平田組共同企業体
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建築とっとり
No.90
前庭
集会室
ホワイエ
門扉や囲いが一部なくなり、前庭が
フラットになり広がりが出ました。
水のみ場も設置し、ゆったりと休憩
できます。またイベントにもどうぞ。
1階は3室、2階は2室を可動式
間仕切壁で仕切ることもできま
す。5室あった集会室は7室に増
え、第1会議室は直接部屋から外
にでることも可能です。
照明器具や大ホール入口の取っ手
など改修前のものをそのまま使っ
ており、ノスタルジックな教会を
彷彿させます。コンサートやイベ
ントにもご利用いただけます。
No.90
建築とっとり
09
作 品紹介
第64回全国植樹祭お野立所
植樹祭から10ヶ月。時宜を逸した感はありますが、
集成材のアーチは岡山県の製造業者に依頼せざるを得
2012年秋に着工したが、真新しい状態で本番をむか
せっかくのご依頼なので誌面を汚します。
なかったが、原材料は全て鳥取県産の杉を持ち込んだ。
えるよう仕上げはギリギリまで待った。
最大4.8メートルの片持ち屋根を受ける梁は県内産県内
式典当日、雨が降ったら会場変更もある。
製造のLVL、面材は県産品Jパネルと杉ムク板を使用
「5月26日はなんとしても晴れてほしい」祈るような
した。
気持ちだった。
床は県産桧の厚板を使用、式典後、野外コンサート等
晴れた!汗ばむほどの好天。青い空に大山が綺麗だ。
のステージとしての使用を想定するため、楽器の重量を
お車を降り、笑顔で手を振り、しっかりとした足取りで
考慮し床荷重を800㎏/㎡で設計した。
お野立所にむかわれる両陛下。お野立所の床は地面から
床板は雨水に考慮、実なしで簀の子状に張ったため、
30㎝高い。地松一枚板の踏段で15㎝×2段。てすりは
「お野立所」は式典ご出席の天皇皇后両陛下をおむか
反りによる不陸が心配された。天皇陛下がつまづきころ
無い。固唾を飲んで見守る。
えする建物である。
びでもされたら大変なことになる。
大丈夫だった。
今、天皇は神ではない。殊に平成天皇は、お人柄もお
しかし綺麗に仕上り、事前の宮内庁検査にも無事合格
アーチの中心に設けたお席に両陛下が立ち、もう一度
姿も柔和であられ、厳めしい建物は相応しくない。
した。
手を振って着座される。
のだて
「野立」とは古来貴人(天皇など)が野外で休息す
ること。野外で催す茶会(野点)とはちがう。
第64回全国植樹祭は、2013年5月26日(日)南部
町とっとり花回廊で式典、伯耆町いやしの森、江府町め
ぐみの森で植樹行事が行われた。
ずっと思い描いてきた通りの構図を目の当たりにした
穏やかで優しい建物でおむかえしたい。
瞬間、図らずも熱いものが込み上げた。
式典会場は大山が眺望されるのどかな高原。大地と一
(杵村優一郎)
体となる建物、大地が隆起したイメージでつくりたいと
思った。
設計条件は県産材による木造。木の表情はたしかに優
しい。ただ製材、工法等、技術的制約で形態は直線的に
御席
なりがち。「反り」、「起り」等の手法もあるが、下手
OPEN 裏通路
すると神社のような建物になりかねない。天皇→神→神
社という脈路はどうしても避けたい。因みに他県の例も
見たが、案の定、神社風のもの、民家風のものが多かっ
た。
裏通路
女子
男子
倉庫2 トイレ トイレ 倉庫1
スロープ
避難口
求められるのは間口11メートル、奥行7メートル、
ステージ天井高6.5メートルという大空間。
「大断面集成材によるアーチ」に自ずと導かれた。
10
建築とっとり
No.90
平面図
断面図
設計
杵村建築設計事務所
監理
鳥取県西部総合事務所 建築住宅課
施工
有限会社 永田組
杵村建築設計事務所 (意図伝達)
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建築とっとり
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[先輩通信]
生涯現役
(有)赤山建築設計事務所代表取締役
(一社)鳥取県建築士事務所協会元会長
赤山 善男
社会の現状
超高齢化社会が到来する。生産力などからの視点で
見ると、国の存続を揺るがす重大な問題である。65歳
以上の人口割合は30%から50%に向かい、高齢化は
世界トップで推移する。社会の激変はこれから本番を
迎える。
特に社会保障のコストは深刻な状況になるようで、
年金・医療費・介護など、社会保障給付費が増大。75歳
以上の医療費は一人80万円超とか。その上、高齢者患者
の増加で、医療機関が追いつかない現状である。更に労
働者である若者が減り、国の生産力が落ちる。消費税を
更に上げ、20%としても国の借金は上昇するとか。
高齢者について考えること
このような世相の中にあって、我々高齢者はどのよ
うに生きるべきか。
高齢者は、
1.経験を活かした「問題処理」に当たり、
「長年培われ
たノウハウ」を発揮する。
2.
「長寿社会」から「健康長社会」に、ひとりひとりが自
覚する。
「治療」から「予防と健康増進」へ。このこと
は、国の取り組みが見えない。
3.日本人の6割が死亡原因の「生活習慣病」をなくする。
4.体に合った「就労有償労働」に従事する。
「趣味や娯
楽」のみでなく「労働力で社会貢献」する。
以上を実践することで高齢者でも社会に貢献し、
生き甲斐を感じることができる。
私の経験から
10年前に、心臓弁膜症の病気が進んでいることを主治
医から告げられた。特効薬がない。症状が進むと心臓手術
となる。
「生涯現役」を考えると自分で治すしかない。症状
を押えるには「生活習慣」を改めるように努め、自分の「養
生訓」として、次のような考えを実行している。
1.新しい仕事、面倒な仕事は若い人に任せる。
2.頭は適度に使い、長年の経験を活かす仕事に当てれ
ば、ストレスも堪らない。楽しく「薄有償労働」で。
3.専門的知識を活かした奉仕的仕事を、趣味・娯楽と
考えて。
4.病気を治し、健康であるために
・主治医の診察
自分の健康状態を知る手段と考えている。受ける薬
は服用しているが、薬を服用しなくて済むように自
分なりに考えている。
・食生活の改善
・バランスの取れた食事。夕食は毎日晩酌しながら楽
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建築とっとり
No.90
しく45分かけて。調理は家内と2人で、一品料理は避
け(多種の食材を混ぜ合わせたものは良い)、5品目程
の料理を。
・白砂糖、白米など、精白食品は細胞膜を溶かす作用が
あり、血糖値を急上昇させ、動脈硬化を助長させるの
で、
「黒砂糖」、
「玄米に発芽玄米を混ぜて主食」。動蚕食
品(肉・牛乳・卵)は血液の酸化を進める。持病を治す
には避ける。健康状態が良ければほどほどに取る。発
酵食品(納豆・糠漬等々)。病気に合った健康茶。自分
に不足している栄養と、病気・体に合った健康食品を
毎日続ける。
・体に合った適度の運動
病気、怪我の回復はまず歩行訓練から。心臓・高血圧
等でも歩くが一番。新陳代謝を促進するため、徐々に
体を慣らし、今は1日5Kmを目標に無理のないよう、
暴風雨の日でも毎日コンスタントに歩いている。歩
くと町が見えてくる。更に、日頃使用していない筋肉
をほぐす、自己流体操を毎日行なっている。
・ストレス解消
精神的ストレスを回避するため、無責任であるがス
トレスが溜まるようなことは若い人に任せている。
全て時が解決してくれると思って。
・以上実行することで、1日2時間の無駄な時間となる
が、その他の時間を有効に活かして使用するように
なった。
[先輩通信]
駆け抜けた70年!!
鳥取~東京~鳥取
前専務理事
黒川 隼人
倉吉市に高校まで在住。1963年東京へ。15年間を過ごす。
鳥取へUターン(1978年)。
建築に関わってきた歳月のなかで、記憶に残る国際的な
大イベントは、東京オリンピック(1964年)、
日本万国博覧会(大阪1970年)、沖縄国際海洋博覧会(1975年)。
東京オリンピック-国立屋内総合競技場(丹下健三)
戦後の日本経済の飛躍的な発展、建設関係をはじめ
県職を辞し、建築士事務所協会へ。
あらゆる方面で日本が国際的に飛躍する大きな切っ掛
着任1年目、建築構造偽装事件発生。建築に関する法
けとなった。マラソン競技裸足のアベベ選手(エチオピ
律がハード・ソフト面ともに制定(昭和25年)以来の
ア)、日本女子バレーボール東洋の魔女etc
大改正。この改正法への対応、取り組みに会員の皆さま
……日本中(特に東京)がオリンピックムードに沸いて
と一緒に右往左往!
その効果は
いた。建築ブームも続いていた。
正に建築界の大変動期をダッシュの精神で駆け抜け
1)駅、社寺の階段・長距離歩いても息切れはしなく
なった。
2)心臓弁膜症は進行が止まり、落ち着いた。
3)高血圧も以前は180の時もあったが、今は安定し、
血圧を下げる薬は服用していない。
4)血液検査も、コレステロール・血糖値等、全てほぼ
正常となった。
5)年齢に合わせて、食欲旺盛。酒は毎日。気分爽快。便
秘も解消。体を動かすことが楽になった。
たように思います。
日本万国博覧会-太陽の塔(岡本太郎)
様々な思い出多き在籍6年間。
アメリカ館:月の石・有人宇宙船(アポロ)世界初月面
協会の皆さまに 感謝、感謝、感謝!!!………
自分の経験から得たもの
今は自分の健康管理のため2週間に1回、診察を受け
ている。ここまで回復したのは主治医のお陰もあるが、
文献や人からのアドバイスなどを自分のものにした。
どのようなことにも効く特効薬・健康食品はない。悪
いものは避け、良いものは取り入れ、種々の重ねが効果
を生むと自負している。
健康体を作るには、歳を取っても運動と、全ての病気
は血液の汚れが原因で、浄血すれば病気を治し、予防す
ることができる。子供・孫のために迷惑を掛けぬよう、
「ピンピンコロリ」まで元気でいたい。
事務所協会の会員も65歳以上の高齢を迎える人が
多くなる。
「慢性病」の人、元気に「生涯現役」を目指し、
一緒に健康を考えませんか。このことが、高齢者の社会
貢献ではないでしょうか。皆様くれぐれも体調を崩さ
れないように、早めの適切な処置を。
着陸(1969年)、ソ連館:世界初人工衛星(スプートニ
ク)1957年、世 界 初 有 人 宇 宙 船(ボ ス ト ー ク)1961
年。アメリカとソビエトの宇宙先陣争いのころ。
……日本人口の半数(6,000万人)を超える観客が訪
得られた教訓 「速断・・即決・・前進」 れたと言う。アメリカ館、ソビエト館は、入館者の
長蛇の列であった。
沖縄国際海洋博覧会-未来海洋都市アクアポリス
(日本政府出展)
那覇本土復帰記念事業とし復帰3年目に開催。
まだまだ米軍優先時代、博覧会会場(沖縄北部)へ向か
うほとんどの道路が米軍車両優先通行、夜の酒場も米
軍とその家族のわがもの顔。
……沖縄の現状を眼にし、本当に本土に復帰したのだ
ろうかと!
No.90
建築とっとり
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鳥取民芸木工
日々の暮らしに微笑みを添える器
指物師 陶工房 Ashwork 福 田 豊
足 塚 由 江
氏
氏
西伯郡日吉津村日吉津
倉吉市黒見
「鳥取民芸木工」の伝統を継ぐ指物師福田豊さんを訪ねた。
持ったデザインであり、どこか西洋風のようであるが、和室
穏やかな物腰の中に一本貫く芯を感
い、毎日の食卓に使われる「普段使い
る人に微笑みを誘い、その器に装う料
まず福田豊さんの作品を語る前に皆さん昭和の民芸活動のこ
に合う魅力があった。色合いや風合いは年月と共に出てきた
じる足塚由江さん、2001年日吉津に
の器」を作りたいと思ったのがきっか
理や飲み物が美味しく見えるのが達人
とは御存知だろうか。先代の福田祥さんをはじめ、その師で
作品もあるが、長年の使用に耐えられる品だからこそ使い込
陶工房を開設され、以来ずっと毎日の
けです。
技だ。
ある虎尾政次氏、更には当時活動の中心にいた吉田璋也氏ら
まれて生まれてきたものだろう。家具だけが主張するわけで
食卓で使われる器を中心に焼き物をつ
が全国に鳥取民芸の素晴しさを伝えた。豊さんはこの技の後
もなくシンプルで部屋の中に何気なく置かれているものばか
くり続けている陶芸作家だ。
継者であり、現在にその文化を伝えている。
りであった。
私と足塚さんの器との出逢いは7~
昭和初期、鳥取を中心に民芸運動が活発な時期があった。
また工業製品とは違い、1つ1つ手仕事から生まれてきた
8年前、ふらりと訪れた山陰民窯展、
その中心に吉田璋也氏がいた。彼は現在で言うプロデュー
こと、昭和初期の時代背景や産業として活発だった頃を想い
まんなかにいい感じの平行線と形が
サー的立場であることを後で知った。当時彼は様々な文化人
浮かべながら拝見すると、また違った見方ができた。
シャープな白磁のカップを発見…
と交流を重ねながら工芸を再発掘し生産へと導いていったよ
鳥取県は木に囲まれながらもこうした木工品が減少し、技
うである。
や作品が後世に受け継がれないのが残念でならない。
そして吉田璋也氏の考え
また、古くなったから捨てるのではなく、人の手から手へ、
伝統技術や新しい工業生産技術な
何気ない日々の暮らしに寄り添う器
を作品として伝えたのが虎
親から子どもへと伝えられ、使われてこそ良さが生まれるも
ど、奥深く知らない世界を学ぶことは
の数々、作家の顔が分かる愛着のある
尾政次氏であった。ここで
のであるはずである。福田さんをはじめ、工芸作家の方たち
ドキドキわくわくの毎日で、全国や世
器を使えることは贅沢であり、大きな
福田豊さんの先代にあたる
の願うものはそこだと思う。こういう作品にふれる機会もな
界から集まった自分の焼物を表現した
喜びだ。暮らしの器である住宅も住ま
福田祥さんが虎尾氏へ弟子
いのもまた残念である。ただ最近はネットを通じて福田さん
い人達からも「いろいろあっていいん
う人にそのように感じてもらえたらこ
の作品を知り直接尋ねてこられる方もいるそうだ。こうした
だ!」と多くの刺激を受けました。
んなに嬉しいことはない。
入りし、彼の想いを現代へ
伝えていったのである。
スタンドの製作
作品を目にする場、できれば職人と対話できる場がもっと
「あー、これこれ!」ずっと探してい
た器にめぐり逢えた感動を覚えた。
OLをしながら、趣味で陶芸教室に
通ううちに作る楽しみを覚え、出来た
ものが日々の生活に使える焼き物にハ
マリました。9年間教室に通い、もっ
と本格的に焼き物を学びたくなり、佐
賀県立有田窯業大学校を受験し合格、
会社を退職して入学しました。
釉薬で彩られた器
そして、足塚さんは多くのファンに
最初の出会いとなったカップ
福田さんは元々鳥取で育ち、倉吉に移り住んできたと聞い
あっていいと思う。
た。木工の技術は父祥さんと共に工房にて磨かれていった。
余談になるが取材の折、そばに奥さんがいらして豊さんと
毎 日 使 っ て も 飽 き な い、ま さ に
お話しを聞くに父の傍らで製作をしていたからこそ豊さんに
共にいろいろ教えていただいた。また撮影の際、お二人に家
『日々の暮らしにそっと溶け込む器』
伝わり、数多くの製作を手がけてこられ、熟達した今の作品
具の移動やアングルを一緒に決めてもらい、大変暖かく迎え
を次から次へと世の中に生み出してい
があると思われる。作品群を見ると世代を越えて使える家具
てもらった。取材に協力していただき、ありがとうございま
る足塚さん、どんな人なのだろうと
や木工品ばかりであった。美術品とは違い実用できる機能を
した。
ずっと気になっていたが、今回、意を
(文・写真/尾﨑 浩秀)
『15年前に脱OL、有田で窯業を学ぶ』
囲まれている。作品の確かさは勿論の
こと、温泉コトリや梨コトリ等を生み
出すユーモア、末永く使ってもらいた
いと壊れた器を修復しようとする優し
さ、そして自由奔放で豪放磊落なお人
柄そのものが大きな器だ。私は無謀に
決して突撃取材を申し込んだ。私の器
を好いて下さる方ならと快諾頂き、お
話を伺うことが出来た。
ともにあり続ける器
『作品の生まれかた』
オーダーメイドとレディーメイドが
も抹茶茶碗のオーダーをお願いしてみ
た。世界唯一のお気に入りの茶碗が出
来上がり、お茶を点て作家にお礼出来
る日を今から楽しみにしている。
あります。
原点は白い器、和でも洋でもなく、
出来るだけこれ用と決めつけず、幅
広く使われるようにつくることが多
いです。同じ形を繰返し使い、テク
スチャーや色をちょっとずつ変えて
いきながら新しいものを作っていく
料理を装ってみたくなる器
『きっかけ』
漠然とのんびりした暮らしがしたい
と思っていまして…畑で作った野菜な
どを料理して、自分のつくった器で毎
日の食卓が彩られるといいなぁと思
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のが好きですね。
『暮らしに溶けこむ』
温泉コトリ、梨コトリ、
林檎コトリ、鳥取県マグカップ
足塚さんの手から生まれる形も素敵
だが、よく見ると土の配合や粉引や釉
(取材・文:清水 勉)
薬などの表情も味わい深くこれからも
進化が楽しみだ。そして、器自体が見
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CLOSE
ズアップ
クロー
エーアンドエス建築研究室
秋 本 文 男
氏
【建築の仕事を志したきっかけは何ですか。】
借りてきて、気に入った本を読むのが楽しみになっ
小学校の時に家を建て替え、建築現場が遊び場で
ています。
した。その時物作りに興味を持ち、大工さんになる
ビールが好きで、東京にとってもおいしい店があ
のもいいなと思っていましたが、器用なほうではな
り年に一度は行っています。
かったので無理かなと、でも設計図なら可能かと思
至福の時です。
うようになりました。
元々建築には興味があったので高校入学時には
建築学科に進学しようと考えていました。
【設計業務で普段心掛けておられる事は何ですか。】
意匠設計を最大限行かせる構造を考えるように
しています。打合せの中で設計意図を把握し構造計
【構造設計を主な仕事とされていますが、
きっかけは何ですか。】
画を立てるようにしています。
最近はコンピューターで構造計算するのが当た
大学の建築学科に入学して、プラン・デザイン・
り前になっていますが、その過程でコンピューター
パースなどの実習で自分の未熟さを痛感してしま
の結果だけに頼らず、自分の感覚でもう一度見直す
いました。元々歴史が好きだったので、建築史を勉
ようにしています。
強しようと考えたがピンと来ませんでした。
その後、構造専門の教授との出会いが運命を変え
ました。人間性も尊敬できる人で、研究室に入り構
【今まで手掛けられた仕事で
想い出に残るものはありますか。】
造の勉強をしているうちに、この世界が私の生きる
一つ上げるとすると、26歳のころ初めて任された
道だと確信しました。
橋上駅の構造設計です。意匠設計と何度も打合せを
卒業後は東京の構造事務所に入社し実務を覚えま
して、納品は計算書とA1図面50枚程度を、徹夜続
した。
きで仕上げました。
横浜市の駅で今も残っています。その他、飛行場
の管制塔の構造設計に携わった事もあります。
取材後記
秋本さんとは20年以上のお付き合いですが、いつ
でも意匠を大切にして頂いてるなと感じていまし
た。今後構造設計の重要性は益々高まってきます。
いつでも前向きに技術を磨いておられると感じま
【趣味は何ですか。又それは仕事に活かしていますか。】
以前は、ゴルフや釣りとかもしましたが、今は読
した。
(取材/藤原 賢治)
書です。週に一回は図書館に行って、4~5冊ほど
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建築とっとり
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・ 事 ・ 務 ・ 局 ・ だ ・ よ ・ り ・
今後の講習会開催について
その他
今後の日程等
会議報告
■第2回理事会
日 時/平成25年10月22日(火)14:00 ~
場 所/伯耆しあわせの郷
出席者/理事14名、監事2名
議 題/報告事項
日事連関係
建築物耐震診断等評定業務
県関係
講習会関係
会員の状況
平成25年10月1日現在
正会員88名、賛助会員85名
建築士事務所登録状況
その他 協議事項
「県との意見交換会」の提出議題他の
決定について
今後の講習会開催予定について
会員の入会承認
本協会における顧問制度の取り扱いについて
その他
今後の日程等
■第3回理事会
日 時/平成26年1月15日(水)15:00 ~
場 所/ホテルモナーク鳥取
出席者/理事15名、監事3名
議 題/報告事項
日事連関係
建築物耐震診断等評定業務関係
県関係
講習会関係
会員の状況
建築士事務所登録状況
その他 協議事項
「耐震改修促進法の改正に伴う相談
窓口の設置」について
放置家屋等判定委員会委員の推薦について
日 時/平成26年3月26日(水)14:00 ~
場 所/ホテルセントパレス倉吉
出席者/理事20名、
監事3名
議 題/報告事項
日事連関係
建築物耐震診断等評定業務関係
県関係
講習会関係
会員の状況
建築士事務所登録状況
その他 協議事項
平成26年度事業計画
(案)
について
平成26年度収入支出予算(案)について
会員の入会承認
■第3回三役会
■第5回三役会
日 時/平成25年10月15日(火)15:00 ~
場 所/事務所協会事務局
出席者/会長、
副会長、
専務理事
報告事項
日事連関係
建築物耐震診断等評定業務
県関係
講習会関係
会員の状況
平成25年10月1日現在
正会員88名、
賛助会員85名
建築士事務所登録状況
その他 協議事項
「県との意見交換会」の提出議題他の
決定について
今後の講習会開催予定について
建築士事務所キャンペーン実施に係る
対応について
その他
今後の日程等
日 時/平成26年3月17日(月)15:30 ~
場 所/事務所協会事務局
出席者/会長、
副会長、
専務理事
報告事項 日事連関係
建築物耐震診断等評定業務関係
県関係
講習会関係
その他
会員の状況
25年度建築士事務所登録状況
その他
平成25年度事業進捗状況
協議事項
平成26年度事業計画
(案)
について
平成26年度収入支出予算(案)について
平成26年度職員体制他について
平成25年度事業報告・
収支計算書の協議日程について
その他
今後の日程等
建築士事務所のマネージメント支援ツール
「JAAF-MST2013」を無償で提供しています。
ジ
ャ
ー
フ
マ
ス
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
■第4回三役会
日 時/平成25年12月17日(火)10:00 ~
場 所/事務所協会事務局
出席者/会長、
副会長、
専務理事
報告事項 日事連関係
建築物耐震診断等評定業務関係
県関係
講習会関係
会員の状況
「県との意見交換会」開催結果について
その他
平成25年度事業進捗状況
協議事項
「耐震改修促進法の改正に伴う相談
窓口の設置」
について
放置家屋等判定委員会委員の推薦について
今後の講習会開催について
その他
今後の日程等
■第4回理事会
・
ト
業務の効率化のため、ぜひお試しください。
●日事連では、業務報酬算定システムにプロジェクト管理と士法関係文書の出力を一元化する機能
を追加した建築士事務所の業務管理に役立つツールを作成しました。
●データベースと業務報酬算定や各種書類が連動しており、同じ情報の再入力が不要となり省力化が図れます。
●マイクロソフト社のエクセルで作成されているため、扱いやすいものとなっています。
●本会の会員であれば、毎年更新されるソフトも無償でダウンロードし、正規版として使用することができます。(但し、講習会費用は有償です。)
●会員以外の方は、試供版があります(保存できません)。正規版は有償としてご購入いただけます。
■第3回広報編集委員会
日 時/平成26年1月10日(金)15:00 ~
場 所/事務所協会事務局
出席者/委員3名
議 題/会報「建築とっとり」90号の発行について
■第4回広報編集委員会
日 時/平成26年3月17日(月)14:30 ~
場 所/事務所協会事務局
出席者/委員6名
議 題/会報
「建築とっとり」
90号校正
建築物耐震診断等評定業務
■第45回鳥取県耐震診断等評定委員会
日 時/平成25年12月21日(土)
場 所/白兎会館
対象建物(県・市有施設、市立中学校)13棟
講習会等
■「木造住宅の耐震診断と補強方法」講習会
日 時/平成25年11月20日(水)9:50 ~
場 所/鳥取県立倉吉未来中心
受講者/ 54名
新年互礼会
日 時/平成26年1月15日(水) 16:30 ~
場 所/ホテルモナーク鳥取
出席者/来賓10名、正会員25名、賛助会員29名
■鳥取県木造住宅耐震化専門業者公表考査
日 時/平成25年12月25日(水)13:30 ~
場 所/伯耆しあわせの郷
参加者/ 20名
■開設者・管理建築士のための
建築士事務所の管理研修会
日 時/平成26年1月30日(木)9:00 ~
場 所/鳥取県立倉吉未来中心
受講者/ 70名
会員の異動
■第46回鳥取県耐震診断等評定委員会
■代表者・名称変更
日 時/平成26年2月22日(土)
場 所/白兎会館
対象建物
(県・市有施設)
5棟
正会員
・㈲高野組一級建築士事務所
(東伯郡琴浦町赤崎817-7)
変更後:代表者 高力 久美
名 称 ㈱高野組一級建築士事務所
■鳥取県耐震診断等評定委員会(小委員会)
第45回 平成25年12月11日(事前審査)
平成25年12月18日(指摘事項確認)
平成26年1月14日(指摘事項確認)
第46回 平成26年2月14日(事前審査)
平成26年2月19日(指摘事項確認)
受託業務
■鳥取市住宅改修指導員派遣事業
実施件数 平成25年10月 2件
11月 3件
12月 2件
平成26年 1月 3件
■所在地等変更
■「実例に学ぶ建築士事務所の
トラブル予防」研修会
日 時/平成26年3月5日(水)9:00 ~
場 所/鳥取県立倉吉未来中心
受講者/ 27名
■「建築物の天井脱落対策に係る
技術基準の解説」講習会
賛助会員
・福井コンピュータアーキテクト㈱岡山オフィス
変更後:〒700-0904
岡山市北区柳町2丁目6-25
TEL:0570-550-291(変更なし)
FAX:086-238-9711
日 時/平成26年3月5日(水)13:00 ~
場 所/鳥取県立倉吉未来中心
受講者/ 65名
行事予定
■4月
■木造住宅耐震診断業務
(業務期間25.8月~ 26.3月分)
24日(木) 監査会、三役会(協会事務局)
鳥取市 27件 倉吉市 23件
米子市 12件 境港市 2件
北栄町 1件
■5月
8日(木) 26年度第1回理事会
23日(金) 平成26年度定時総会
(倉吉シティホテル)
★今回90号発行に向けて最終原稿校正チェック段階で、予定していた設計事務所に原稿依頼忘れが発生、
この危機を西部の広報委員Kさんに快く受けて頂き事なきを得た。広報委員って何が大変かと申しま
すと原稿を依頼し受けて頂く事です。依頼に断られるケースがあります。広報誌は、皆様のご協力で
出来上がります。依頼の折には快諾して頂きますようお願いします。今回の件で、改めて段階的に確
認する行為の大切さ重要性感じました、仕事に於いても同じです。反省
来月から新年度がスタートします。気分一新皆様にお役に立てる広報誌を目指します。
●本ツールのダウンロードは、以下のURLから行ってください。
http://www.arcoffland.com/archisheet/jaafmst/
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建築とっとり
No.90
広報編集委員長 戸田 雅之
No.90
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