SPECweb99

B 輪講資料 -Chapter4 Assessing and Understanding Performance-(P262 L19∼P266 L3)
2005 年 6 月 8 日(水)
高橋 和之
SPECweb99:A Throughtput Benchmark for Web Servers
1996 年、SPEC は Web サーバのパフォーマンスの測定用として設計された初期のベンチマークを紹介。1999
年に最新のバージョンへと取り変わった。
SPECweb99 における SPEC CPU との違いは次の点である。
• スループットに焦点を当てており、Web サーバーのようなシステムの運用がサポートする接続の最大数を
測定する。当該のシステムは、限られた時間内、限られたエラー数でクライアントの要求に対して反応を
返さなくてはならない。
• スループットを測定するため、マルチプロセッサ(複数の CPU が用いられたシステム)がベンチマークで
よく用いられる。
• Web サーバーの要求を生成するのにプログラムが一つしか用意されていない。そのため、Web サーバーの
ソフトウェアが測定されるシステムの一部分となっている。
• パフォーマンスが、広範囲にわたるシステム(ディスクシステムとネットワークを含む)の測定に依存する。
Dell PowerEdge server で用いられている Xeon のバージョンは Pentium
と
Pentium 4 である。また、Xeon
プロセッサはマルチプロセッサをサポートしていることに加え、Xeon MP はサードレベルのオフチップキャッ
シュおよび、2 つ以上のプロセッサをサポートしている。Figure4.7 は、各種 Dell システムの SPECweb99 にお
ける動作の結果をそれぞれ示している。
Figure4.7 のデータから判断すると、プロセッサのクロック周波数が高いからといって、Web サーバーのパフォー
マンスが優れているとは必ずしも限らない。
Performance,Power,and Energy Efficiency
プロセッサの消費電力
プロセッサのパフォーマンスにおいて次第に重要な制約となっているのが電力である。数多くのプロセッサが、
もっぱらパッシブクーリングやバッテリー電源に依存するような環境のなか、市場において、電力の消費は、パ
フォーマンスおよびコストと同程度の制約を受けている。
実際、余分な熱の排気やバッテリーの寿命の問題もあり、電力の消費はラップトップ(ノート型コンピュータ)
でのプロセッサの設計において重要な要素となり、プロセッサの能力として、効率的な演算と節電の両方が求め
られている。Intel は、モバイル、バッテリー電源用のアプリケーション向けに特化したプロセッサのラインとし
て Pentium M シリーズを設計した。
ベンチマークでの比較
Figure4.8 では、モバイルアプリケーション向けに設計された 3 つの Intel の Pentium プロセッサ(Pentium
M、Pentium 4-M、Pentium -M)を SPEC CINT2000 と SPEC CFP2000 のベンチマークで動作させたとき
の様子を示している。また、パフォーマンスを測定し、ベンチマークを動作させた場合の平均消費電力で割った
ものをエネルギー効率という。Figure4.9 では、SPEC2000 で上記の 3 つのプロセッサを動作させた際の相対的な
エネルギー効率の比較が示されている。
• 最高クロックで動作させた場合、最新プロセッサの Pentium M が最も優れた動作を発揮している。adaptive
clock mode でも同様の結果。
• 最小電力にて Pentium M を 600MHz の周波数で動作させた場合、Pentium 4-M よりも動作が遅いが、
Pentium -M よりは高速。
• Pentium M は、エネルギー効率においても Pentium
と
Pentium 4 のモバイルバージョンに対して明ら
かな分が存在する。Pentium -M と比較した場合の Pentium 4-M の利点はごくわずかしかない点に注意。
Pentium -M および Pentium4-M のような標準プロセッサの修正バージョンの設計とは対照的に、Pentium
M は当初から節電向けに設計されたプロセッサである。よって上記のデータからも、Pentium M の演算におけ
る高効率、低消費電力の両方を実現している、という長所を把握することができる。